JP7320994B2 - 多段ポンプ - Google Patents

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本発明は、多段ポンプに関する。
油田から石油を含む鉱物油をくみ上げるための装置として、ESP(Electrical Submersible Pump:人工採油電動ポンプ)と呼ばれるポンプが広く用いられている。このポンプは、井戸(油田)に挿入された配管内に配置されることで、地下の石油を上方にくみ上げる。具体的には、ポンプは、回転軸回りに回転する回転軸と、この回転軸に一体に設けられた複数のインペラと、回転軸及びインペラを外周側から覆うケーシングと、を備えている。
インペラの具体例として、下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載されたインペラは、回転軸線を中心とする円板と、この円板の一方側の面に配列された複数のブレードと、を有している。このようなインペラがケーシング内に複数段にわたって配置されている。インペラを回転軸線回りに回転させることで、遠心力によって石油が上方に圧送される。
特表2018-508701号公報
ここで、油田からくみ上げられる石油には、液体のみならず種々の混合物が含まれている。具体的には、石油には液体成分に加えて、固形物や気泡が含まれている場合がある。しかしながら、上記特許文献1に記載されたインペラでは、固形物や気泡の存在によって所望の揚程が得られず、採油が円滑に行えない可能性がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、混相流体をより一層高い揚程のもとで圧送することが可能な多段ポンプを提供することを目的とする。
発明の一態様に係る多段ポンプは、軸線回りに回転可能な回転軸と、該回転軸の外周側に固定されて、前記軸線方向一方側から流入した流体を該軸線に対する径方向内側から外側に向かって圧送するとともに、ディスク、及び該ディスクの第一面から突出するとともに周方向に間隔をあけて複数が配置され、周方向一方側を向く圧力面及び周方向他方側を向く負圧面を有するブレードを備え、前記ディスクにおける一対の前記ブレードの間の外周側の部分が、前記ブレードの負圧面から連なる第一領域と、前記ブレードの圧力面から連なる第二領域とを有し、前記第一領域と前記第二領域とのうち、前記第一領域のみに前記ディスクを貫通する開口部が形成されているインペラと、前記インペラから圧送された流体を、径方向外側から内側に向かって案内して後段側の他の前記インペラに供給するリターン流路を形成するリターン流路形成部と、前記回転軸、前記インペラ、及び前記リターン流路形成部を外周側から覆うケーシングと、を備える多段ポンプであって、前記ブレードの径方向外側の端部と前記ケーシングの内周面との間の離間距離をAとし、前記ブレードにおける前記ディスクとは反対側の端縁と前記リターン流路形成部との間の離間距離をBとしたとき、B>Aを満たしている。
上記構成によれば、ブレードの径方向外側の端部とケーシングの内周面との間の離間距離をAとし、インペラにおけるディスクとは反対側の端縁とリターン流路形成部との間の離間距離をBとしたとき、B>Aを満たしている。即ち、インペラとリターン流路形成部との間の空間を大きく確保することができる。これにより、当該インペラとリターン流路形成部との間の空間を流れる流体と、ブレード同士の間を流れる流体との間で、周方向速度の差に基づくせん断流れが形成される。このせん断流れによって、流体に気相成分や固相成分が含まれている場合であっても、当該流体を安定的に搬送することができる。
さらに、上記構成によれば、ディスクの第二領域に開口部が形成されていないことから、ブレードの延在寸法の全域にわたって径方向外側に流体を導くことができる。即ち、流体により大きな遠心力を与えることができる。さらに、この第二領域に沿ってディスクの第一面上を流れた流体は、逃げ場を失うことで第一領域の開口部に向かって流れる。つまり、第二領域から開口部に向かうように、流体は径方向から周方向に流れの向きを変える。このような流れ方向の変化が生じることで、流体に対して強いミキシング効果を与えることができる。その結果、例えば流体が気相を含む場合であっても、ミキシング効果によって混合状態が均質化され、流体の流動性を高めることができる。加えて、上記のように流体に周方向速度成分が与えられることによって、流体の角運動量が増大し、揚程をさらに高めることができる。
上記多段ポンプは、前記軸線に沿って前段側から後段側にかけて配列された複数の前記インペラ、及び複数の前記リターン流路形成部を備え、前記インペラにおける前記ディスクとは反対側の端縁と前記リターン流路形成部との間の離間距離をBとしたとき、後段側になるほど、前記Bの値が小さくなってもよい。
ここで、多段ポンプでは、後段側のインペラになるほど流体の圧力が上昇することから、流体に含まれる気泡は小さくなる傾向にある。したがって、上記のように後段側になるほど、Bの値(インペラにおけるディスクとは反対側の端縁とリターン流路形成部との間の離間距離)を小さくすることで、せん断流れの強さを気泡の大きさに応じて適正化することができる。
上記多段ポンプは、前記リターン流路形成部における前記ブレードに対向する面に設けられ、前記軸線に対する径方向に延びるとともに周方向に間隔をあけて配列された複数の静止側ステータをさらに備えてもよい。
上記構成によれば、リターン流路形成部に静止側ステータが設けられていることにより、上述のせん断流れをより一層卓越させることができる。その結果、流体に気相成分や固相成分が含まれている場合であっても、当該流体をさらに安定的に搬送することができる。
上記多段ポンプでは、前記開口部の径方向内側の端縁は、前記リターン流路における前記インペラ側の端部の径方向内側の端縁よりも径方向内側に位置していてもよい。
上記構成によれば、開口部の径方向内側の端縁は、リターン流路におけるインペラ側の端部の径方向内側の端縁よりも径方向内側に位置している。これにより、開口部の径方向内側の領域とリターン流路形成部との間でせん断流れをより一層卓越させることができる。これら渦によって、流体に含まれる大きな気泡(気相成分)を分断して小さくすることができる。その結果、流体の流動性が高まり、当該流体を安定的に搬送することができる。
上記多段ポンプは、前記リターン流路形成部における前記開口部に対向する部分に設けられ、径方向に延びるとともに、周方向に間隔をあけて配列された複数のミキシングベーンをさらに備えてもよい。
上記構成によれば、リターン流路形成部における開口部に対向する部分に複数のミキシングベーンが設けられている。これにより、流体が強く撹拌され、流体に含まれる大きな気泡(気相成分)を分断して小さくすることができる。その結果、流体の流動性が高まり、当該流体を安定的に搬送することができる。
上記多段ポンプでは、前記開口部は、少なくともその一部が、前記第一領域における前記負圧面に接していてもよい。
上記構成によれば、開口部の一部がブレードの負圧面に接している。言い換えれば、開口部は負圧面と隣接している。これにより、開口部に向かってディスク上を流れる流体の流れ方向を、周方向他方側から一方側(つまり、圧力面側から負圧面側)に向かう方向のみに限定することができる。これにより、流体の角運動量がさらに大きくなるため、揚程をさらに大きくすることができる。
上記多段ポンプでは、前記開口部は、少なくともその一部が、前記ディスクの外側に開放されている切欠きであってもよい。
上記構成によれば、開口部の一部がディスクの外側に開放されることで、開口部は切欠きとされている。これにより、ディスク上で流体が径方向に流れる場合に、当該流れの方向を径方向内側から外側に向かう方向のみに限定することができる。これにより、流体に生じる遠心力をさらに大きくすることができる。一方で、開口部が切欠きではなく、ディスクの外周側の端縁と開口部とが互いに連通していない場合には、当該外周側の端縁から開口部に向かって径方向内側に向かう流れが生じてしまう。その結果、流体に生じる遠心力が減少してしまう可能性がある。上記の構成によれば、このような可能性を低減することができる。
本発明によれば、混相流体をより一層高い揚程のもとで圧送することが可能な多段ポンプを提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る多段ポンプの構成を示す縦断面図である。 本発明の第一実施形態に係るインペラの構成を示す平面図である。 本発明の第一実施形態に係るインペラの要部拡大図である。 本発明の第二実施形態に係るインペラ周辺の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明の第三実施形態に係るリターン流路形成部の構成を示す平面図である。 本発明の第四実施形態に係るインペラ周辺の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明の第五実施形態に係るインペラ周辺の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明の第四・第五実施形態に係るインペラの変形例を示す平面図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について、図1から図3を参照して説明する。本実施形態に係る多段ポンプ100は、例えば油田から石油を含む鉱物油をくみ上げるための装置である。この多段ポンプ100は、井戸(油田)に挿入された配管内に配置されることで、地下の石油を上方にくみ上げる。
図1に示すように、多段ポンプ100は、軸線Oを中心とする円柱状の回転軸1と、この回転軸1に固定された複数のインペラ2と、一対のインペラ2同士の間に配置されている複数のリターン流路形成部3と、これら回転軸1、インペラ2、及びリターン流路形成部3を外周側から覆うケーシング4と、を備えている。
回転軸1の軸端には、例えば電動機等の駆動源が接続されている。これにより、回転軸1は軸線O回りに回転可能とされている。インペラ2は、回転軸1の外周面上で軸線O方向に間隔をあけて複数配列されている。図1の例では、3つのインペラ2のみを図示している。軸線O方向における最も一方側(図示下方:前段側)のインペラ2は、隣接するリターン流路形成部3(後述)とともに、第一段St1を構成している。多段ポンプ100では、この第一段St1から軸線O方向他方側(図示上方:後段側)に向かうに従って、第二段St2、第三段St3、・・・の順に複数段のインペラ2、及びリターン流路形成部3が配列されている。
回転軸1とともにインペラ2が軸線O回りに回転することによって、ケーシング4の一方側に形成された吸込口42から流体がケーシング4内に取り込まれる。第一段St1のインペラ2を通過する際に、流体に遠心力が付加されて圧力が高くなる。高圧となった流体は、リターン流路形成部3を通過して後段側のインペラ2に流入する。リターン流路形成部3の内部には、リターン流路31が形成されている。インペラ2によって軸線Oに対する径方向外側に圧送された流体を、再び径方向内側に向かって案内する。具体的には、このリターン流路31は、軸線O方向一方側から他方側に向かうに従って、径方向外側から内側に向かって緩やかに湾曲している。さらに、リターン流路31の内部には、周方向に間隔をあけて配列された複数のリターンベーン32が設けられている。各リターンベーン32は、径方向内側から外側に向かうに従って、回転軸1の回転方向前方側に向かって延びている。したがって、リターンベーン32同士の間を通過した流体には、周方向速度成分が付加される。
次に、インペラ2の構成について詳述する。図1又は図2に示すように、各インペラ2は、軸線Oを中心とする円盤状のディスク21と、このディスク21における軸線O方向一方側を向く面(第一面P1)に設けられた複数のブレード22と、これら複数のブレード22を軸線O方向一方側から覆う円環板状のカバー23と、を有している。複数のブレード22は、軸線Oに対する周方向に間隔をあけて複数(一例として8つ)配列されている。各ブレード22は、軸線Oに対する径方向に延びている。また、各ブレード22の第一面P1からの突出寸法(ブレード22の軸線O方向における寸法)は、当該ブレード22の延在長さの全域にわたって一定である。ブレード22における周方向一方側(回転軸1の回転方向Rの前方側)を向く面は、圧力面Spとされている。ブレード22における周方向他方側(回転方向Rの後方側)を向く面は、負圧面Snとされている。
インペラ2では、互いに隣接する一対のブレード22、及びディスク21の第一面P1によって、流体が流通する空間が画成されている。さらに、ディスク21におけるブレード22同士の間の外周側の部分(つまり、ディスク21の外周側の端縁を含む部分)は、第一領域A1と、第二領域A2とに分けられている。第一領域A1は、ブレード22の負圧面Snに連なる領域である。言い換えれば、第一領域A1は、ディスク21の外周側の部分のうち、ブレード22同士の間の周方向における等分線よりも負圧面Sn側の領域である。第二領域A2は、ブレード22の圧力面Spに連なる領域である。言い換えれば、第二領域A2は、ディスク21の外周側の部分のうち、ブレード22同士の間の周方向における等分線よりも圧力面Sp側の領域である。
図2及び図3に示すように、これら第一領域A1と第二領域A2とのうち、第一領域A1のみに、ディスク21を貫通する開口部Cが形成されている。この開口部Cは、ディスク21の外周側の端縁(ディスク外周部21R)から径方向内側に向かって後退している円弧状の周方向端縁C1と、この周方向端縁C1における回転方向Rの後方側の端部から径方向外側に向かって延びる径方向端縁C2とによって画成されることで、略矩形をなしている。言い換えれば、この開口部Cは、ディスク21の外周側の部分に形成された切欠きである。したがって、開口部Cの少なくとも一部は、ディスク21の外側に開放されている。開口部Cの回転方向Rにおける前方側の端縁は、負圧面Snに接している。つまり、周方向端縁C1における回転方向R前方側の端部は、負圧面Snに接続されている。
図3に示すように、開口部Cの径方向における寸法をLrとし、ディスク21の径方向における寸法をL1としたとき、Lr/L1の値は、1/4<Lr/L1<1/2であることが望ましい。より望ましくは、1/3<Lr/L1<1/2とされる。さらに、開口部Cの周方向における寸法をLpとし、周方向におけるブレード22同士の間の寸法をL2としたとき、Lp/L2の値は、1/4<Lp/L2<1/2であることが望ましい。より望ましくは、1/3<Lp/L2<1/2とされる。
続いて、本実施形態に係る多段ポンプ100の動作について説明する。多段ポンプ100を運転するに当たっては、まず不図示の電動機等の駆動源によって、回転軸1を回転させる。回転軸1の回転に伴って、複数のインペラ2が回転し、これにより上述の吸込口42から流体がケーシング4内に流入する。ケーシング4内に流入した流体は、インペラ2の回転に伴って遠心力を与えられ、圧力が上昇する。このような挙動を複数段(第一段St1から第n段Stn)にかけて繰り返すことで、下方から上方に流体が圧送される。
ここで、この多段ポンプ100を石油のくみ上げに用いる場合を考える。この場合、油井からくみ上げられる原油には、液相成分に加えて、固形成分や気泡が含まれている場合が多い。このような混相流体では、従来のインペラ形状では所望の揚程が得られずに採油作業が長期化したり、固形成分や気泡の存在によるポンプの不具合等を生じたりする可能性があった。
そこで、本実施形態に係るインペラ2、及びこれを備える多段ポンプ100では、上述のようにディスク21の一部に開口部Cが形成されている。まず、上記構成によれば、ディスク21の第二領域A2に開口部Cが形成されていないことから、当該第二領域A2ではブレード22の延在寸法の全域にわたって径方向外側に流体を導くことができる。即ち、流体により大きな遠心力を与えることができる。さらに、この第二領域A2に沿ってディスク21の第一面P1上を流れた流体は、逃げ場を失うことで第一領域A1の開口部に向かって流れる(図3中の矢印F)。つまり、第二領域A2から開口部に向かうように、流体は径方向から周方向に流れの向きを変える。このような流れ方向の変化が生じることで、流体に対して強いミキシング効果を与えることができる。その結果、例えば流体が気相を含む場合であっても、ミキシング効果によって混合状態が均質化され、流体の流動性を高めることができる。加えて、上記のように流体に周方向速度成分が与えられることによって、流体の角運動量が増大し、揚程をさらに高めることができる。したがって、上記の構成によれば、混相流体をより一層高い揚程のもとで圧送することが可能となる。
さらに、上記構成によれば、開口部Cの一部がブレード22の負圧面Snに接している。言い換えれば、開口部Cは負圧面Snと隣接している。これにより、開口部Cに向かってディスク21(第一面P1)上を流れる流体の流れ方向を、周方向他方側から一方側(つまり、圧力面Sp側から負圧面Sn側)に向かう方向のみに限定することができる。これにより、流体の角運動量がさらに大きくなるため、揚程をさらに大きくすることができる。
上記構成によれば、開口部Cの一部がディスク21の外側に開放されることで、開口部Cは切欠きとされている。これにより、ディスク21(第一面P1)上で流体が径方向に流れる場合に、当該流れの方向を径方向内側から外側に向かう方向のみに限定することができる。これにより、流体に生じる遠心力をさらに大きくすることができる。一方で、開口部Cが切欠きではなく、ディスク21の外周側の端縁と開口部Cとが互いに連通していない場合には、当該外周側の端縁から開口部Cに向かって径方向内側に向かう流れが生じてしまう。その結果、流体に生じる遠心力が減少してしまう可能性がある。上記の構成によれば、このような可能性を低減することができる。
以上、本発明の第一実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記第一実施形態では、インペラ2がカバー23を有する構成について説明した。しかしながら、インペラ2がこのカバー23を有しない構成(即ち、オープンタイプ)とすることも可能である。この場合、カバー23とケーシング4との間で生じる円板摩擦による損失を低減することが可能となる。その結果、多段ポンプ100の効率をより一層向上させることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図4を参照して説明する。なお、上記第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、インペラ2が上述のカバー23を有していない。さらに、本実施形態では、インペラ2とケーシング4、及びインペラ2とリターン流路形成部3の相互間における寸法が以下に示す各条件を満たすように設定されている。図4に示すように、ケーシング4の内周側を向く面(ケーシング内周面4A)と、インペラ2の外周面(ディスク21、及びブレード22の外周側の端縁)との間の径方向における離間距離をAとする。さらに、ブレード22における軸線O方向一方側の端縁(ブレードチップ部22A)と、リターン流路形成部3における軸線O方向他方側を向く面(後側対向面3A)との間の軸線O方向における離間距離をBとする。このとき、これらA、Bの値は、B>Aの関係を満たしている。
上記構成によれば、ブレード22の径方向外側の端部(インペラ外周面2A)とケーシング内周面4Aとの間の離間距離をAとし、ブレード22におけるディスク21とは反対側の端縁とリターン流路形成部3(後側対向面3A)との間の離間距離をBとしたとき、B>Aを満たしている。即ち、インペラ2とリターン流路形成部3との間の空間を大きく確保することができる。これにより、当該インペラ2とリターン流路形成部3との間の空間を流れる流体(図4中の矢印F2)と、ブレード同士の間を流れる流体(矢印F1)との間で、周方向速度の差に基づくせん断流れが形成される。このせん断流れによって、流体に気相成分や固相成分が含まれている場合であっても、当該流体を安定的に搬送することができる。
以上、本発明の第二実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、ここで、多段ポンプでは、後段側のインペラになるほど流体の撹拌が進行することから、流体に含まれる気泡は小さくなる傾向にある。したがって、後段側になるほど、Bの値が小さくなる構成を採ることも可能である。これにより、上述のせん断流れの強さを気泡の大きさに応じて適正化することができる。
[第三実施形態]
続いて、本発明の第三実施形態について、図5を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図5に示すように、本実施形態では、上記第二実施形態と同様に、インペラ2がカバー23を有していない。さらに、リターン流路形成部3におけるインペラ2側を向く面(後側対向面3A)上に、複数の静止側ステータ33が設けられている。これら複数の静止側ステータ33は、軸線Oに対する径方向に延びるとともに、周方向に等間隔をあけて配列されている。
上記構成によれば、リターン流路形成部3に静止側ステータ33が設けられていることにより、第二実施形態で説明したせん断流れをより一層卓越させることができる。その結果、流体に気相成分や固相成分が含まれている場合であっても、当該流体をさらに安定的に搬送することができる。
以上、本発明の第三実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記第三実施形態では、静止側ステータ33がそれぞれ径方向に延びている例について説明した。しかしながら、静止側ステータ33の態様は上記に限定されず、径方向内側から外側に向かうに従って、回転軸1の回転方向前方側に向かって湾曲していてもよい。この構成によれば、より強いせん断流れを発生させることができる。その結果、流体に含まれる気泡をより一層小さく分散させることができる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について、図6を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図6に示すように、本実施形態では、ディスク21に形成された上述の開口部Cの径方向内側の端縁(つまり、上述の周方向端縁C1)が、リターン流路31の軸線O方向一方側の端部(流路入口E)における径方向内側の端縁(内周側端縁Ep)よりも、さらに径方向内側に位置している。
上記構成によれば、開口部Cの径方向内側の領域とリターン流路形成部3との間でせん断流れをより一層卓越させることができる(図6中の矢印)。これら渦によって、流体に含まれる大きな気泡(気相成分)を分断して小さくすることができる。その結果、流体の流動性が高まり、当該流体を安定的に搬送することができる。
以上、本発明の第四実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。
[第五実施形態]
続いて、本発明の第五実施形態について、図7を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図7に示すように、本実施形態では、上記第四実施形態で説明した構成に加えて、リターン流路31の入口(流路入口E)の径方向内側に、ミキシングベーンMが設けられている。各ミキシングベーンMは、軸線Oに対する径方向に延びている。このようなミキシングベーンMが、リターン流路形成部3における軸線O方向一方側を向く面(前側対向面3B)上で、軸線Oの周方向に間隔をあけて複数配列されている。各ミキシングベーンMの径方向外側の端部は、流路入口Eの径方向内側の端縁と径方向において同一の位置にある。また、各ミキシングベーンMの径方向内側の端部は、開口部Cの径方向内側の端縁(即ち、周方向端縁C1)と径方向において同一の位置にある。なお、ここで言う「同一」とは、実質的に同一であることを指し、製造上の誤差や公差を許容するものとする。
上記構成によれば、ミキシングベーンMが設けられていることにより、上述の第四実施形態で説明した効果に加えて、流体がより強く撹拌され、流体に含まれる大きな気泡(気相成分)を分断してさらに小さくすることができる。その結果、流体の流動性が高まり、当該流体を安定的に搬送することができる。
以上、本発明の第五実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記第五実施形態では、ミキシングベーンMがそれぞれ径方向に延びている例について説明した。しかしながら、ミキシングベーンMの態様は上記に限定されず、径方向内側から外側に向かうに従って、回転軸1の回転方向前方側に向かって湾曲していてもよい。
さらに、上述の第四実施形態、及び第五実施形態に共通する変形例として、図8に示す構成のインペラ2´を用いることも可能である。インペラ2´では、ディスク21における外周側の部分が、周方向の全域にわたって切り欠かれることで開口部C´とされている。つまり、各ブレード22は、ディスク21の外周側の端縁よりもさらに径方向外側に突出している。このようなインペラ2´を、第四実施形態、及び第五実施形態に示す構成に適用した場合であっても、これら第四実施形態、及び第五実施形態で説明したものと同様の作用効果を得ることができる。
100 多段ポンプ
1 回転軸
2,2´ インペラ
2A インペラ外周面
3 リターン流路形成部
3A 後側対向面
3B 前側対向面
4 ケーシング
4A ケーシング内周面
21 ディスク
21R ディスク外周部
22 ブレード
22A ブレードチップ部
23 カバー
31 リターン流路
32 リターンベーン
33 静止側ステータ
42 吸込口
A1 第一領域
A2 第二領域
C,C´ 開口部
C1 周方向端縁
C2 径方向端縁
E 流路入口
Ep 内周側端縁
M ミキシングベーン
O 軸線
P1 第一面
P2 第二面
Sn 負圧面
Sp 圧力面

Claims (7)

  1. 軸線回りに回転可能な回転軸と、
    該回転軸の外周側に固定されて、前記軸線方向一方側から流入した流体を該軸線に対する径方向内側から外側に向かって圧送するとともに、ディスク、及び該ディスクの第一面から突出するとともに周方向に間隔をあけて複数が配置され、周方向一方側を向く圧力面及び周方向他方側を向く負圧面を有するブレードを備え、前記ディスクにおける一対の前記ブレードの間の外周側の部分が、前記ブレードの負圧面から連なる第一領域と、前記ブレードの圧力面から連なる第二領域とを有し、前記第一領域と前記第二領域とのうち、前記第一領域のみに前記ディスクを貫通する開口部が形成されているインペラと、
    前記インペラから圧送された流体を、径方向外側から内側に向かって案内して後段側の他の前記インペラに供給するリターン流路を形成するリターン流路形成部と、
    前記回転軸、前記インペラ、及び前記リターン流路形成部を外周側から覆うケーシングと、
    を備える多段ポンプであって、
    前記ブレードの径方向外側の端部と前記ケーシングの内周面との間の離間距離をAとし、前記ブレードにおける前記ディスクとは反対側の端縁と前記リターン流路形成部との間の離間距離をBとしたとき、B>Aを満たしている多段ポンプ。
  2. 前記軸線に沿って前段側から後段側にかけて配列された複数の前記インペラ、及び複数の前記リターン流路形成部を備え、
    前記インペラにおける前記ディスクとは反対側の端縁と前記リターン流路形成部との間の離間距離をBとしたとき、後段側になるほど、前記Bの値が小さくなる請求項に記載の多段ポンプ。
  3. 前記リターン流路形成部における前記ブレードに対向する面に設けられ、前記軸線に対する径方向に延びるとともに周方向に間隔をあけて配列された複数の静止側ステータをさらに備える請求項1又は2に記載の多段ポンプ。
  4. 前記開口部の径方向内側の端縁は、前記リターン流路における前記インペラ側の端部の径方向内側の端縁よりも径方向内側に位置している請求項1からのいずれか一項に記載の多段ポンプ。
  5. 前記リターン流路形成部における前記開口部に対向する部分に設けられ、径方向に延びるとともに、周方向に間隔をあけて配列された複数のミキシングベーンをさらに備える請求項に記載の多段ポンプ。
  6. 前記開口部は、少なくともその一部が、前記第一領域における前記負圧面に接している請求項1からのいずれか一項に記載の多段ポンプ。
  7. 前記開口部は、少なくともその一部が、前記ディスクの外側に開放されている切欠きである請求項1からのいずれか一項に記載の多段ポンプ。
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