JP7320032B2 - 電極チップの交換保持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電極チップの交換保持装置に関する。
抵抗溶接に用いられる溶接ガンは、溶接ガンのガンアームに固定されたシャンクの先端に、交換式の電極チップをテーパで嵌合させている。電極チップは使用により摩耗するため、ある程度摩耗が進んだときは、電極チップを交換する。
ここで、電極チップを交換するときは、シャンクから電極チップを取り外す電極チップの取り外し装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。この電極チップの取り外し装置は、溶接ガンの動きを利用することで、電極チップをシャンクから取り外すため、電極チップの取り外し装置自体が動力を備える必要が無い。
特許第5123066号公報
特許文献1に記載の電極チップの取り外し装置は、シャンクの大径部と電極チップの端面との間に挿し入れた2枚のピック板(チップ抜き取り板)の間隔を広げることで、シャンクから電極チップを軸方向に引き抜いて電極チップを取り外すが、取り外された電極チップは重力によってそのまま下方に落下させていた。このように、取り外された電極チップを落下させるのは、その電極チップは摩耗が進んでいるため廃棄することを前提としていて、再度使用することを想定していないからである。
ここで、溶接箇所ごとに異なる形状の電極チップを用いて溶接を行うことがある。この場合、電極チップの形状に対応した溶接ガンを、電極チップの形状ごとに用意していた。したがって、使用する電極チップの形状の数と同数の溶接ガンを用意する必要があった。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、溶接ガンを用いた電極チップの取り外し、取り外した電極チップの保持及び保持した電極チップの取り付けに供することができる電極チップの交換保持装置を提供することを目的とする。
本発明は、溶接ガンのガンアームに固定されたシャンクに嵌合した電極チップの端面と前記シャンクの大径部の端面との間に挿し入れられる、重ね合わされた2枚のピック板を有する電極チップ抜き部と、前記2枚のピック板の、重ね合わされた方向への移動を案内するガイド棒と、前記ガイド棒に沿って案内された前記2枚のピック板の前記ガイド棒に沿った位置に応じて、前記2枚のピック板の間隔を広げるピック板間隔拡大機構と、前記2枚のピック板のいずれか一方に設けられた、前記シャンクから引き抜かれた前記電極チップを保持する電極チップ保持部と、前記電極チップ保持部に保持された前記電極チップに前記シャンクを挿入する前記溶接ガンの動きにより、前記電極チップが突き当てられる、前記シャンクの挿入方向の前方に設けられた電極チップ突き当て部と、を備えた電極チップの交換保持装置である。
本発明に係る電極チップの交換保持装置によれば、ガンを用いた電極チップの取り外し、取り外した電極チップの保持及び保持した電極チップの取り付けに供することができる。したがって、複数種類の形状の電極チップを交換することで、電極チップの形状ごとに、溶接ガンを用意する必要がない。
溶接ガンのガンアームに固定されたシャンクの先端に電極チップが取り付けられた状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態である電極チップの交換保持装置の概略作用を説明する交換保持装置の側面図であり、溶接ガンのガンアームに固定されたシャンクから電極チップを取り外す前の状態を示す側面図である。 溶接ガンのガンアームが交換保持装置にセットされた状態を示す側面図である。 溶接ガンの上方(図3の矢印方向)に移動する動作により、電極チップを引き抜いて取り外す動きを示す側面図である。 溶接ガンのガンアームに固定されたシャンクから取り外された電極チップを交換保持装置に保持している状態を示す側面図である。 交換保持装置に保持されている電極チップを溶接ガンのガンアームに固定されたシャンクに取り付ける動きを示す側面図である。 交換保持装置の構成を示す斜視図である。 図7の交換保持装置において、上側旋回アーム部の右アーム部材及び左アーム部材を支柱から仮想的に分離した状態で示した模式図である。 下ピック板及び電極チップ保持部を示す分解斜視図である。 上側電極チップ保持部を示す底面図である。 図2,3に対応した、上側旋回アーム部が水平姿勢のときの、ピンと上ピック板及び下ピック板の位置関係を示す、側面方向の要部断面図である。 図3に対応した、上ピック板及び下ピック板と、シャンクの小径部との位置関係を示す、前方から見た正面図である。 図4に対応した、電極チップの端面が、下ピック板の鍔を上方に押している状態を示す、前方から見た正面図である。 図13に対応した、上側旋回アーム部の、ピンを挟んで軸C1とは反対側の旋回側の端部(以下、先端部という。)が軸C1よりも高くなるように傾いた姿勢のときの、ピンと上ピック板及び下ピック板の位置関係を示す、側面方向の要部断面図である。 図5に対応した、上ピック板及び下ピック板と、シャンク及び電極チップとの位置関係を示す、前方から見た正面図である。 シャンクの小径部が、上側電極チップ保持部に保持された電極チップに挿入され始めた状態を示す、前方から見た正面図である。 右アーム部材及び左アーム部材の前端側が軸C1よりも低くなるように傾いた状態での、ピンと上ピック板及び下ピック板との位置関係を示す、側面方向の要部断面図である。 上側電極チップ保持部に保持された電極チップの下端が、電極チップ突き当て部の上面に突き当たった状態を示す、前方から見た正面図である。
以下、本発明に係る電極チップの交換保持装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
<構成>
図1は、溶接ガン200のガンアームに固定されたシャンク210の先端に電極チップ220が取り付けられた状態を示す断面図である。溶接ガン200のガンアームには、図1に示すようにシャンク210が固定されている。シャンク210は、溶接ガン200のガンアームに固定された根元側が太い大径部213に形成され、先端側が大径部213よりも細い小径部211に形成されている。
大径部213は外径d6で形成され、小径部211は外径d5(<d6)で形成されて、大径部213と小径部211との境界には段差が形成されて、その段差は大径部213の端面212を構成している。小径部211は、先端に向かうにしたがって直径が細くなるテーパ状に形成されている。小径部211の外径d5は、小径部211のうち最も太い部分での外径であり、端面212に最も近い部分における外径である。
シャンク210の小径部211が、電極チップ220に軸方向に挿入され、小径部211のテーパ状の外周面と電極チップ220の内周面との摩擦により、電極チップ220はシャンク210に嵌合している。電極チップ220の外周部221の外径d4は、小径部211の外径d5よりも太い。そして、シャンク210に嵌合して取り付けられている電極チップ220は、電極チップ220の端面222と大径部213の端面212とを軸方向に遠ざける操作により、シャンク210から引き抜かれて取り外される。
図2~6は、本発明の一実施形態である電極チップの交換保持装置100の概略作用を説明する交換保持装置100の側面図である。
具体的には、図2は溶接ガン200のガンアームに固定されたシャンク210から電極チップ220を取り外す前の状態を示す側面図、図3は溶接ガン200のガンアームが交換保持装置100にセットされた状態を示す側面図、図4は溶接ガン200の上方に移動する動作により、電極チップ220を引き抜いて取り外す動きを示す側面図、図5は溶接ガン200のガンアームに固定されたシャンクから取り外された電極チップ220を交換保持装置100に保持している状態を示す側面図、図6は交換保持装置100に保持されている電極チップ220を溶接ガン200のガンアームに固定されたシャンク210に取り付ける動きを示す側面図、である。
図2~6に示した電極チップ220の交換保持装置100は、本発明に係る電極チップの交換保持装置の一実施形態である。
交換保持装置100は、図2~4に示すように、抵抗溶接に用いられる溶接ガン200から、溶接ガン200のガンアームに固定されたシャンク210の先端に摩擦力で嵌合している電極チップ220を取り外す。また、交換保持装置100は、図4~5に示すように、その取り外した電極チップ220を保持する。また、交換保持装置100は、図5~6に示すように、その保持した電極チップ220を溶接ガン200のガンアームに固定されたシャンク210に取り付けるために用いられる。
図7は交換保持装置100の構成を示す斜視図である。電極チップ220の交換保持装置100は、図7に示すように、ベース部10と、上側電極チップ抜き部20と、上側電極チップ保持部30と、上側旋回アーム部40と、電極チップ突き当て部50と、下側電極チップ抜き部60と、下側電極チップ保持部70と、下側旋回アーム部80と、を備えている。
(ベース部)
ベース部10は、支柱13と、上板11と、下板12と、ガイド棒14と、を備える。支柱13は、図示の鉛直方向に延びて形成されている。上板11は、支柱13の上端面に固定され、支柱13の上端面から水平方向の前方に突出して配置されている。下板12は、支柱13の下端面に固定され、支柱13の下端面から水平方向の前方に突出して配置されている。
ガイド棒14は、上板11の、支柱13から突出した前方部分と、下板12の、支柱13から突出した前方部分との間に架け渡すように、支柱13と平行に図示鉛直方向に延びて配置されている。ガイド棒14は円柱状に形成されている。ガイド棒14は、後述するように、重ね合わされた上ピック板21及び下ピック板22と、重ね合わされた上ピック板62及び下ピック板61との、それぞれ重ね合わされた方への移動を案内する。
ガイド棒14の周囲には、上から順に、上コイルばね15、中間コイルばね17、下コイルばね16が設けられている。上コイルばね15と下コイルばね16とは同じものである。中間コイルばね17は、弾性係数が、例えば、上コイルばね15及び下コイルばね16の弾性係数の2倍に設定されている。中間コイルばね17の弾性係数は、上コイルばね15及び下コイルばね16の弾性係数の2倍に限定されるものではない。
上コイルばね15は、上板11と後述する上側電極チップ抜き部20の上ピック板21との間に配置され、上端が上板11の下面に接し、下端が上ピック板21の上面に接して配置されている。
下コイルばね16は、下板12と後述する下側電極チップ抜き部60の下ピック板61との間に配置され、下端が下板12の上面に接し、上端が下ピック板61の下面に接して配置されている。
中間コイルばね17は、後述する電極チップ突き当て部50を貫通して、上側電極チップ抜き部20の下ピック板22と下側電極チップ抜き部60の上ピック板62との間に配置され、上端が下ピック板22の下面に接し、下端が上ピック板62の上面に接して配置されている。
なお、上コイルばね15の弾性力と中間コイルばね17の弾性力との釣り合いにより、上側電極チップ抜き部20を所定の高さ位置に保持するように、上コイルばね15及び中間コイルばね17を、自然長から所定の長さだけ圧縮した状態で配置してもよい。上側電極チップ抜き部20を保持すべき所定の高さ位置は、上側旋回アーム部40が水平姿勢となる位置である。
同様に、下コイルばね16の弾性力と中間コイルばね17の弾性力との釣り合いにより、下側電極チップ抜き部60を所定の高さ位置に保持するように、下コイルばね16及び中間コイルばね17を、自然長から所定の長さだけ圧縮した状態で配置してもよい。下側電極チップ抜き部60を保持すべき所定の高さ位置は、下側旋回アーム部80が水平姿勢となる位置である。
(電極チップ突き当て部)
電極チップ突き当て部50は、図示鉛直方向における上板11と下板12との中間位置で、かつ上板11の前方部分と下板12の前方部分との間に配置されている。電極チップ突き当て部50は、支柱13に後端が固定されて、前方に向かって水平に延びて形成されている。電極チップ突き当て部50は、ベース部10に対して動かず、上板11及び下板12と平行な配置となっている。
電極チップ突き当て部50の上面51には、溶接ガン200のガンアームの先端に固定されたシャンク210に、後述する上側電極チップ保持部30に保持された電極チップ220を取り付ける際に、図6に示すように、溶接ガン200の下方への移動により下方に押された電極チップ220の下端が突き当てられる。つまり、電極チップ突き当て部50は、シャンク210の挿入方向の前方に設けられている。
電極チップ突き当て部50の下面52には、図示しない下側の溶接ガンのガンアームの先端に固定されたシャンク210に、後述する下側電極チップ保持部70に保持された電極チップを取り付ける際に、溶接ガンの上方への移動により上方に押された電極チップの上端が突き当てられる。
電極チップ突き当て部50には、ガイド棒14及び中間コイルばね17を、ガイド棒14の軸方向に貫通させる孔55が形成されていて、ガイド棒14及び中間コイルばね17は、この孔55を貫通して配置されている。
(上側電極チップ抜き部)
上側電極チップ抜き部20は、上ピック板21と、下ピック板22と、を備えている。図8は図7の交換保持装置100において、上側旋回アーム部40の後述する右アーム部材41及び左アーム部材42を支柱13から仮想的に分離した状態で示した模式図、図9は下ピック板22及び上側電極チップ保持部30を示す分解斜視図である。
上ピック板21は、前方(支柱13から遠い側)の先端部に、略半円状の切り欠き21aが形成され、後方(支柱13に近い側)に偏った部分には、厚さ方向にガイド棒14が貫通する孔21fが形成されている。孔21fは、ガイド棒14の外径よりもわずかに大きい程度の内径で形成されていて、孔21fとガイド棒14との間にはほとんど隙間が無い。
したがって、上ピック板21は水平姿勢を維持した状態で傾かずに、ガイド棒14に沿って上下に移動可能となっている。また、孔21fは上コイルばね15の外径よりも小さいため、上コイルばね15の下端は、上ピック板21の上面に突き当たった状態となる。
上ピック板21の切り欠き21aのうち、厚さ方向の下側部分には、切り欠き21aの内側に突出した鍔21bが形成されている。そして、鍔21bによって約半周囲まれた半円形状の空間部分21eは、図1に示したシャンク210の小径部211(外径d5)が挿入可能で、かつシャンク210の大径部213(外径d6)が挿入不可能な幅(先端面における幅)で形成されている。なお、切り欠き21aは、大径部213が挿入可能な幅(先端面における幅)で形成されている。
また、上ピック板21の両側面の下側部分には、先端と軸C1とを結ぶ前後方向に一直線状に延びた切り欠き21c,21dが形成されている。右側面の切り欠き21cは、下ピック板22の右側面に形成された切り欠き22cと一体となって、後述する右アーム部材41のピン43,44が挿入される溝24を形成する。また、左側面の切り欠き21dは、下ピック板22の左側面に形成された切り欠き22dと一体となって、左アーム部材42のピン45,46が挿入される溝25を形成する。
なお、前後方向に延びた切り欠き21c,21dの、前後方向における特定の位置に対応して、切り欠き21c,21dを上方に拡張した空間である逃げ部21g,21hが形成されている。
具体的には、逃げ部21gは、右アーム部材41の後側のピン44が配置される位置の上方に形成され、逃げ部21hは、左アーム部材42の後側のピン46が配置される位置の上方に形成されている。本実施形態における逃げ部21g,21hは、切り欠き21c,21dから上ピック板21の上面まで貫通して形成されている。
後述の上側電極チップ保持部30に保持された電極チップ220にシャンク210を挿入する溶接ガン200の動きにより、2つのピン43(45),44(46)に高さ位置の差が生じる。逃げ部21g,21hは、後ろ側のピン44,46を退避させて、上ピック板21が後側のピン44,46の接触により相対的に上方に押圧されないようにして、上コイルばね15と中間コイルばね17とによって重ね合わされた状態で接触している上ピック板21と下ピック板22とが上下に離れないようにするための構造である。なお、逃げ部21g,21hによって、上ピック板21と下ピック板22とが離れないようにする作用の詳細については後述する。
図9に示すように、下ピック板22も上ピック板21と同様に、前方の端部に、略半円状の切り欠き22aが形成され、後方に偏った部分には、厚さ方向にガイド棒14を貫通する孔22fが形成されている。孔22fも、ガイド棒14の外径よりもわずかに大きい程度の内径で形成されていて、孔22fとガイド棒14との間にはほとんど隙間が無い。
したがって、下ピック板22は水平姿勢を維持した状態で傾かずに、ガイド棒14に沿って上下に移動可能となっている。また、孔22fは中間コイルばね17の外径よりも小さいため、中間コイルばね17の上端は、下ピック板22の下面に突き当たった状態となる。
そして、上側電極チップ抜き部20と下側電極チップ抜き部60とは、電極チップ突き当て部50を挟んで、上下対称の位置に静止している。
なお、外力(重力を除く)が加わらない静止状態では、上ピック板21と下ピック板22とは接した状態で重ね合わされて静止している。
下ピック板22の切り欠き22aのうち、厚さ方向の上側部分には、切り欠き22aの内側に突出した鍔22bが形成されている。そして、鍔22bによって約半周囲まれた半円形状の空間部分22eは、シャンク210の小径部211が挿入可能で、かつ電極チップ220の外周部221(外径d4)が挿入不可能な幅(先端面における幅)で形成されている。
なお、切り欠き22aは、電極チップ220の外周部221よりも大きく、かつ後述する上側電極チップ保持部30の幅よりも広い幅(先端面における幅)で形成されている。また、下ピック板22の両側面の上側部分には、前後方向に一直線状に延びた切り欠き22c,22dが形成されている。
上ピック板21と下ピック板22とが、図8に示すように上下に互いに重ね合わせて互いに接した状態では、空間部分21eと空間部分22eとが上下方向に重なる。そして、鍔21bと鍔22bとが上下に接して、鍔21bと鍔22bとの合計の厚さは、電極チップ220が取り付けられた状態における、シャンク210の小径部211の、大径部213の端面212と電極チップ220の端面222との軸方向の寸法よりもわずかに小さい長さに設定されている。
また、上ピック板21と下ピック板22とが、図8に示すように上下に互いに重ね合わせて互いに接した状態では、右アーム部材41に対向した右側面の切り欠き21cと切り欠き22cとは一体に、前後方向に水平に延びた一定の幅の溝24を形成し、左アーム部材42に対向した左側面の切り欠き21dと切り欠き22dとは一体に、前後方向に水平に延びた所定の幅の溝25を形成している。溝24と溝25とは、同じ高さ位置で、かつ同じ幅で形成されている。
(上側電極チップ保持部)
図10は上側電極チップ保持部30を示す底面図である。上側電極チップ保持部30は、図9に示すように、上側電極チップ抜き部20の下ピック板22に形成された切り欠き22aに配置されている。そして、上側電極チップ保持部30に形成された固定孔35を貫通したボルト29が、下ピック板22に形成されたボルト孔22gに係止されることで、上側電極チップ保持部30は下ピック板22に固定されて設けられている。
上側電極チップ保持部30は、先端部に半円形状の切り欠き33が形成されている。この切り欠き33は、下ピック板22に固定された状態で、下ピック板22の空間部分22eの下方において、空間部分22eよりも広い幅で形成されている。
具体的には、図10に示すように、切り欠き33の幅d3は、電極チップ220の外周部221の外径d4よりも小さい寸法である。
上側電極チップ保持部30には、切り欠き33の半径方向の外側に、切り欠き33の外側の周縁部34と同心円状の溝31が、上側電極チップ保持部30の前端から1/4周(4分の1周)程度の長さで形成されている。したがって、この溝31と切り欠き33との間には、円の1/4程度の角度範囲の円弧片32(弾性変形部)が形成される。
上側電極チップ保持部30は金属で形成されているため、円弧片32は、図10の二点鎖線で示すように、上側電極チップ保持部30の前端側を自由端として弾性変形し得る。そして、電極チップ220が切り欠き33に挿入されることにより、円弧片32が電極チップ220の外周部221に押されて切り欠きの半径方向の外方に向けて撓み、切り欠き33の幅が、電極チップ220の外周部221の外径d4と同じ寸法まで押し広げられる。
これにより、上側電極チップ保持部30には、弾性変形を復元しようとする弾性力が生じ、この弾性力は、電極チップ220の外周部221に、半径方向の中心に向かう垂直抗力を作用させて、周縁部34と電極チップ220の外周部221との間で摩擦力を発生させる。そして、この摩擦力によって、上側電極チップ保持部30は電極チップ220を抱え込んだ状態で保持する。
なお、上側電極チップ保持部30は、弾性変形する金属で形成されたものに限らない。つまり、上側電極チップ保持部30は、硬質ゴム等弾性変形可能な材料で形成されたものでもよい。
(上側旋回アーム部)
上側旋回アーム部40(ピック板間隔拡大機構)は、図7,8に示すように、支柱13の右側面に配置された右アーム部材41と、支柱13の左側面に配置された左アーム部材42と、を備えている。右アーム部材41及び左アーム部材42は、それぞれ、水平に延びた軸C1回りに旋回自在に、それぞれの一端部が支柱13に支持されている。
また、右アーム部材41及び左アーム部材42は、上下方向の所定の位置で静止している上側電極チップ抜き部20と同じ高さ位置において、支柱13に支持されている。
右アーム部材41の、軸C1に支持された一端部とは反対の先端側には、右アーム部材41の長さ方向に並んだ2つのピン43,44が固定されている。これらのピン43,44は、左アーム部材42に向かって突出して配置されている。また、ピン43,44は同じ外径の円柱状に形成されている。ピン43,44の外径は、上側電極チップ抜き部20の上ピック板21と下ピック板22とが接した状態における溝24の幅よりもわずかに小さい寸法に形成されている。なお、ピン43は、右アーム部材41の先端に近い前側に配置され、ピン44はピン43よりも後ろ側、すなわち軸C1に近い側に配置されている。
そして、2つのピン43,44は、溝24に挿入された状態となっている。ピン43と、ピン44と、右アーム部材41を支柱13に支持している軸C1とは、常に一直線上に並ぶ配置であり、上側電極チップ抜き部20が、図2に示すように上下方向の所定の位置で静止しているとき、右アーム部材41は水平方向に延びた姿勢となり、ピン43、ピン44及び軸C1も水平方向に沿った配置となっている。
左アーム部材42の前側にも、左アーム部材42の長さ方向に並んだ2つのピン45,46が固定されている。これらのピン45,46は、右アーム部材41に向かって突出して配置されている。ピン45,46は同じ外径の円柱状に形成されていて、その外径は、上側電極チップ抜き部20の上ピック板21と下ピック板22とが接した状態における溝25の幅よりもわずかに小さい寸法に形成されている。ピン45は、左アーム部材42の先端に近い前側に配置され、ピン46はピン45よりも後ろ側に配置されている。
そして、2つのピン45,46は、溝25に挿入された状態となっている。ピン45と、ピン46と、左アーム部材42を支柱13に支持している軸C1とは、常に一直線上に並ぶ配置であり、上側電極チップ抜き部20が、図2に示すように上下方向の所定の位置で静止しているとき、左アーム部材42は水平方向に延びた姿勢となり、ピン45、ピン46及び軸C1も水平方向に沿った配置となっている。
したがって、右アーム部材41及び左アーム部材42が、それぞれ、水平軸C1回りに旋回して水平姿勢から先端が上方に向くように傾くと、ピン43とピン44との高さ位置に差が生じ、及びピン45とピン46との高さ位置に差が生じる。具体的には、前側のピン43が後ろ側のピン44よりも高い位置に移動し、前側のピン45が後ろ側のピン44よりも高い位置に移動する。
一方、上ピック板21及び下ピック板22は、ガイド棒14に沿って案内されることで常に水平姿勢を維持する。このため、溝24,25の高さ方向に沿った幅は一定であるが、後ろ側のピン44,46よりも高い位置に移動した前側のピン43,45は、上ピック板21を相対的に上方に押圧する。これにより、重ね合わされて接していた上ピック板21と下ピック板22とが遠ざかるように、両者の間隔が、ガイド棒14に沿った位置に応じて広げられる。
(下側電極チップ抜き部)
下側電極チップ抜き部60は、下ピック板61と、上ピック板62と、カバー63と、を備えている。下側電極チップ抜き部60は、電極チップ突き当て部50を挟んで、上側電極チップ抜き部20と上下対称の構成であり、上側電極チップ抜き部20と上下対称に動作するため、詳細な説明を省略する。
(下側電極チップ保持部)
下側電極チップ保持部70は、下側電極チップ抜き部60の上ピック板62に固定されて設けられている。下側電極チップ保持部70は、上側電極チップ保持部30と上下対称の構成であり、上側電極チップ保持部30と上下対称に動作をするため、詳細な説明を省略する。
(下側旋回アーム部)
下側旋回アーム部80(ピック板間隔拡大機構)は、図7,8に示すように、支柱13の右側面に配置された右アーム部材81と、支柱13の左側面に配置された左アーム部材82と、を備えている。下側旋回アーム部80は、上側旋回アーム部40と上下対称の構成であり、上側旋回アーム部40と上下対称に動作するため、詳細な説明を省略する。
<作用>
次に、本実施形態の電極チップの交換保持装置100の作用について説明する。
図11は図2,3に対応した、上側旋回アーム部40が水平姿勢のときの、ピン43(45),44(46)と上ピック板21及び下ピック板22との位置関係を示す側面方向の要部断面図、図12は図3に対応した、上ピック板21及び下ピック板22と、シャンク210の小径部211との位置関係を示す、上ピック板21及び下ピック板22の先端側から見た正面図である。
図13は図4に対応した、電極チップ220の端面222が、下ピック板22の鍔22bを上方に押している状態を示す、上ピック板21及び下ピック板22の先端側から見た正面図、図14は図13に対応した、上側旋回アーム部40の、ピン43を挟んで軸C1とは反対側である旋回側の端部(以下、先端部という。)が軸C1よりも高くなるように傾いた姿勢のときの、ピン43(45),44(46)と上ピック板21及び下ピック板22の位置関係を示す側面方向の要部断面図である。
図15は図5に対応した、上ピック板21及び下ピック板22と、シャンク210及び電極チップ220との位置関係を示す、前方から見た正面図である。
まず、図2に示すように、溶接ガン200のシャンク210に取り付けられている電極チップ220を取り外す作用について説明する。溶接ガン200の動きにより、図3に示すように、溶接ガン200が、上側電極チップ抜き部20に向かって移動する。
このとき、図11に示すように、上側電極チップ抜き部20の上ピック板21と下ピック板22とは、上コイルばね15、中間コイルばね17及び下コイルばね16に支持されて、重ね合わされて互いに接した状態で静止している。
また、上側旋回アーム部40の右アーム部材41及び左アーム部材42はいずれも水平姿勢で、ピン43,44は同じ高さ位置に配置されて、それぞれ溝24に挿入された状態で、ピン45,46は同じ高さ位置に配置されて、それぞれ溝25に挿入された状態となっている。
そして、図12に示すように、シャンク210の小径部211が、上ピック板21の空間部分21eと下ピック板22の空間部分22eに、前方から進入する。つまり、重ね合わされた2枚の上ピック板21及び下ピック板22が、電極チップ220の端面222とシャンク210の大径部213の端面212との間に挿し入れられた状態となる。
このとき、電極チップ220の外周部221は、上側電極チップ保持部30の切り欠き33に進入し、円弧片32の弾性力による周縁部34との摩擦力によって、上側電極チップ保持部30に保持される。
この状態から、図4に示すように、溶接ガン200が鉛直方向の上方に移動する。これにより、図13に示すように、電極チップ220の端面222が、下ピック板22の鍔22bを上方に押す。上方に押された下ピック板22は、水平姿勢を維持したままで、上コイルばね15の弾性力に抗してガイド棒14に沿って鉛直方向の上方に移動する。
下ピック板22が上方に移動すると、溝24に挿入されている右アーム部材41のピン43,44が、下ピック板22により上方に移動するとともに、溝25に挿入されている左アーム部材42のピン45,46も、下ピック板22により上方に移動する。
これにより、右アーム部材41及び左アーム部材42は、図14に示すように、軸C1回りに旋回して、先端側が軸C1よりも高くなるように傾く。右アーム部材41の先端側が軸C1よりも高く傾くと、先端側のピン43が後ろ側のピン44よりも高い位置に移動する。左アーム部材42の先端側が軸C1よりも高く傾くと、先端側のピン45が後ろ側のピン46よりも高い位置に移動する。
この結果、水平姿勢で上昇する下ピック板22により右アーム部材41及び左アーム部材42の傾きがさらに進む。先端側の相対的に高い位置のピン43,45は後ろ側のピン44,46よりもさらに高い位置に移動して上ピック板21を鉛直方向の上方に押圧する。このとき、下ピック板22は、後ろ側のピン44,46により下方に押さえられている。
右アーム部材41及び左アーム部材42の、水平姿勢から傾きが大きくなるにしたがって、先端側のピン43,45と後ろ側のピン44,46との高さの差が増大し、先端側のピン43,45により上方に押圧される上ピック板21と、後ろ側のピン44,46により下方に押さえられる下ピック板22とは、上下方向に離れて遠ざかっていく。
上ピック板21と下ピック板22とが遠ざかることにより、図13に示すように、上ピック板21の鍔21bが、シャンク210の大径部213の端面212に接し、端面212を上方に押す。一方、下ピック板22の鍔22bは電極チップ220の端面222に接している。
これにより、上ピック板21と下ピック板22との隙間が増大するにしたがって、シャンク210の端面212と電極チップ220の端面222との距離が大きくなり、電極チップ220はシャンク210から引き抜かれる。
最終的に、図5に示すように、シャンク210から電極チップ220が引き抜かれると、上側旋回アーム部40を上方に引き上げる荷重がなくなる。そして、上方に移動していた上ピック板21によって弾性変形していた上コイルばね15の弾性力により、上ピック板21が鉛直方向の下方に押され、上コイルばね15、中間コイルばね17、下コイルばね16の長さ関係で元の静止状態(図2,3)、すなわち、右アーム部材41及び左アーム部材42が水平姿勢の状態に戻る。
ここで、シャンク210から引き抜かれて溶接ガン200から取り外された電極チップ220は、図5,15に示すように、落下せずに、上側電極チップ保持部30に保持されている。
一方、電極チップ220が取り外された溶接ガン200のガンアームに固定されたシャンク210には、交換保持装置100とは別の電極チップの交換保持装置により、電極チップ220とは異なる形状や異なる材質等、別の種類の電極チップが取り付けられて使用される。
次に、溶接ガン200から異なる種類の電極チップが取り外されて、溶接ガン200のガンアームに固定されたシャンク210に、交換保持装置100に保持された電極チップ220を取り付ける動作について説明する。
図16はシャンク210の小径部211が、上側電極チップ保持部30に保持された電極チップ220に挿入され始めた状態を示す、前方から見た正面図、図17は右アーム部材41及び左アーム部材42の前端側が軸C1よりも低くなるように傾いた状態での、ピン43(45),44(46)と上ピック板21及び下ピック板22との位置関係を示す、側面方向の要部断面図である。
図18は上側電極チップ保持部30に保持された電極チップ220の下端が、電極チップ突き当て部50の上面51に突き当たった状態を示す、前方から見た正面図である。
溶接ガン200の動きにより、図5に示すように、溶接ガン200は上側電極チップ抜き部20の空間部分21e,22eの真上に移動し、ここから鉛直方向の下方に移動する。鉛直方向の下方に移動した溶接ガン200は、図16に示すように、シャンク210の小径部211が、上側電極チップ保持部30に保持された電極チップ220に挿入され始める。この状態では、電極チップ220に対して挿入されたシャンク210の小径部211と電極チップ220との嵌め合わせの結合力は十分ではなく、緩い挿入状態となっている。
溶接ガン200がさらに下降すると、挿入された小径部211と電極チップ220の内周面との摩擦により、電極チップ220が下方に押されて、上側電極チップ保持部30に対して、電極チップ220はわずかに下方に移動する。ただし、この状態においても、電極チップ220は上側電極チップ保持部30に保持された状態を維持している。
そして、大径部213の端面212が上ピック板21の鍔21bに突き当たると、端面212が鍔21bを鉛直方向の下方に押す。
鍔21bが下方に押された上ピック板21は、水平姿勢を維持したままで、下ピック板22とともに、中間コイルばね17の弾性力に抗してガイド棒14に沿って鉛直方向の下方に移動する。
上ピック板21が下方に移動すると、溝24に挿入されている右アーム部材41のピン43,44が、上ピック板21に押されて下方に移動するとともに、溝25に挿入されている左アーム部材42のピン45,46も、上ピック板21に押されて下方に移動する。
これにより、図17に示すように、右アーム部材41及び左アーム部材42は、軸C1回りに旋回して、先端側が軸C1よりも低くなるように傾く。右アーム部材41の先端側が軸C1よりも低く傾くと、先端側のピン43がピン44よりも低い位置に移動する。左アーム部材42の先端側が軸C1よりも低く傾くと、先端側のピン45がピン46よりも低い位置に移動する。
ここで、上ピック板21の、溝24,25を形成する切り欠き21c,21dには、前後方向における後ろ側のピン44,46の位置の上方に対応した部分に、ピン44,46が進入する空間が拡張した逃げ部21g,21hが形成されている。
したがって、図17に示すように、右アーム部材41及び左アーム部材42の先端部が軸C1よりも低く傾いて、先端側のピン43,45が後ろ側のピン44,46よりも低い位置に移動しても、相対的に高い位置の後ろ側のピン44,46は、逃げ部21g,21hに退避し、後ろ側のピン44,46は、上ピック板21を上方に押さない。
この結果、先端側のピン43,45は下ピック板22を下方に押すが、後ろ側のピン44,46は上ピック板21が下方に下がるのを阻止しないため、上ピック板21は下ピック板22に重ね合わされて接した状態のまま、上ピック板21と下ピック板22とが一体的に、水平姿勢で、鉛直方向の下方に移動する。
上ピック板21と下ピック板22とが、重ね合わされた状態のままで、下方への移動が進むと、図18に示すように、上側電極チップ保持部30に保持された電極チップ220の下端が、電極チップ突き当て部50の上面51に突き当たる。
そして、電極チップ220が上面51に突き当てられた状態で、溶接ガン200のガンアームの下降がさらに進むことにより、シャンク210の小径部211との摩擦で上側電極チップ保持部30に対して電極チップ220が下方に移動した長さ分だけ、電極チップ220に対するシャンク210の小径部211の挿入代が長くなる。
小径部211はテーパ状に形成されているため、挿入代が長くなるにしたがって、シャンク210の小径部211と電極チップ220との嵌め合わせの結合力が増大し、電極チップ220はシャンク210に十分な結合力で取り付けられた状態となる。
電極チップ220が取り付けられた溶接ガン200は、電極チップ220の先端が上面51から離れる位置まで、上方に移動し、交換保持装置100の前方に移動して、交換保持装置100から離れる。
溶接ガン200が離れた交換保持装置100は、弾性変形していた中間コイルばね17の弾性力により、下ピック板22が鉛直方向の上方に押され、上コイルばね15、中間コイルばね17、下コイルばね16の釣り合いによる元の静止状態(図2,3)、すなわち、右アーム部材41及び左アーム部材42が水平姿勢の状態に戻る。
以上、詳細に説明したように、本実施形態の電極チップ220の交換保持装置100は、溶接ガン200の移動を利用して、溶接ガン200から電極チップ220を取り外し、また、一旦取り外して保持した電極チップ220を溶接ガン200に取り付けることができる。したがって、交換保持装置100は、動作のための動力を備える必要が無い。
また、本実施形態の電極チップ220の交換保持装置100は、溶接ガン200から取り外した電極チップ220を保持することができる。したがって、一旦取り外した電極チップ220を溶接ガン200に再度取り付けて使用することができる。
また、本実施形態の電極チップ220の交換保持装置100は、逃げ部21g,21hが形成されていることにより、長さに差のある電極チップ220であっても、溶接ガン200に取り付けることができる。
なお、本発明に係る電極チップの交換保持装置は、上述した逃げ部を備えなくてもよい。つまり、例えば新品の電極チップ220のように、長さの差がない(一定の長さの)電極チップ220だけを取り付ける交換保持装置の場合は、上ピック板21に逃げ部21g,21hを形成しなくてもよい。
上ピック板21に逃げ部21g,21hを形成していない場合、保持した電極チップ220を溶接ガン200に取り付ける際に、上側旋回アーム部40の先端部が軸C1よりも低くなるように傾くと、上側旋回アーム部40の先端部が軸C1よりも高くなるように傾いた場合と同様に、上ピック板21と下ピック板22との間に隙間が発生して、電極チップ220にシャンク210の小径部211の挿入代を十分に確保できない。
しかし、一定の長さの電極チップ220だけを取り付ける交換保持装置の場合は、上ピック板21と下ピック板22とが離れない状態、つまり上側旋回アーム部40が水平姿勢の状態で、シャンク210の小径部211の挿入代が十分となるように、下ピック板22の下面と電極チップ突き当て部50の上面51との間の長さを電極チップ220の長さに合わせて設定しておけばよい。
これにより、電極チップ220の先端が電極チップ突き当て部50の上面51に突き当たった状態で、上ピック板21と下ピック板22とが接しているため、ガンアームをさらに下降させて、シャンク210の小径部211の挿入代を十分に確保することができ、シャンク210と電極チップ220との結合力を十分なものとすることができる。
一方、本実施形態の交換保持装置100は、上ピック板21に逃げ部21g,21hを形成しているため、保持した電極チップ220を溶接ガン200に取り付ける際に上側旋回アーム部40の先端部が軸C1よりも低くなるようにある程度傾いた状態においても、上ピック板21と下ピック板22とが接した状態を維持する。この結果、上側旋回アーム部40の先端部が軸C1よりも低くなるようにある程度傾いた状態においても、電極チップ220にシャンク210の小径部211の挿入代を十分に確保することができる。
しかも、切り欠き21c,21dに対する逃げ部21g,21hの高さを調整することで、上ピック板21と下ピック板22とが接した状態を維持する上側旋回アーム部40の傾きの程度を調整することができる。
溶接ガン200のガンアームに固定されたシャンク210から取り外した電極チップ220は、それまでの使用状態に応じて摩耗の程度に個体差があり、長さにばらつきがある。このため、上側電極チップ保持部30が保持している電極チップ220の先端が、電極チップ突き当て部50の上面51に突き当たるときの、上側旋回アーム部40の傾きの程度にもばらつきが生じるが、再度使用する電極チップ220の長さの限度に応じて、逃げ部21g,21hの高さを調整することにより、電極チップ220の長さのばらつきに拘わらず、電極チップ220を保持して、溶接ガン200のガンアームに固定されたシャンク210に適切に取り付けることができる。
なお、本実施形態の電極チップ220の交換保持装置100は、逃げ部21g,21hを上ピック板21に形成したが、下ピック板22の、先端側のピン43,45の下方に対応する部分に、先端側のピン43,45が下ピック板22に接触しないように、逃げ部21g,21hと同様の、下方に拡張した空間である逃げ部を形成してもよい。
このように構成された交換保持装置100は、上側旋回アーム部40の先端側が軸C1よりも低く傾いたときに、先端側のピン43,45が、下ピック板22に形成された逃げ部に退避し、先端側のピン43,45が下ピック板を下方に押圧しないため、上ピック板21と下ピック板22とが重ね合わされて接触した状態を維持することができる。したがって、このように構成された交換保持装置100によっても、電極チップ220にシャンク210の小径部211の挿入代を十分に確保することができる。
なお、本実施形態では、上側電極チップ抜き部20、上側電極チップ保持部30、上側旋回アーム部40、電極チップ突き当て部50の上面51、上コイルばね15及び中間コイルばね17について、構成の詳細な説明をするとともに、これらの構成により奏される、溶接ガン200の下端に結合した電極チップ220を取り外し、保持し、再度取り付ける作用について説明した。
ここで、本実施形態の交換保持装置100は、詳細に説明した上述の構成(ベース部10、上側電極チップ抜き部20、上側電極チップ保持部30、上側旋回アーム部40、電極チップ突き当て部50、上コイルばね15及び中間コイルばね17)の他に、下側電極チップ抜き部60、下側電極チップ保持部70、下側旋回アーム部80、電極チップ突き当て部50の下面52及び下コイルばね16も、一体に備えているが、これらの構成及び作用についての詳細な説明は省略した。
これらの説明を省略した構成は、詳細に説明した上述の構成と、電極チップ突き当て部50を挟んで上下対称に設けられ、上下対称の作用により、上端に電極チップが結合した下側の溶接ガン(図示せず)のガンアームに固定されたシャンクから電極チップを取り外し、保持し、再度取り付ける。
抵抗溶接用の溶接ガンは、上側のシャンク210と下側のシャンクとで一対を構成しているため、本実施形態の交換保持装置100は、一対をなす上下のシャンクに対して、同時並行的に又は溶接ガンのガンアームの姿勢を変えることなく順次、電極チップの取り外し、保持及び取り付けを行うことができる。
なお、本実施形態の交換保持装置100は、詳細に説明した、上側の溶接ガン200のガンアームに対応した構成だけ備えたものであってもよい。すなわち、本発明に係る電極チップの交換保持装置は、交換保持装置100において、下側電極チップ抜き部60、下側電極チップ保持部70、下側旋回アーム部80及び下コイルばね16を備えない構成であってもよい。
この場合、下板12が電極チップ突き当て部50を兼ねた構成とすることができる。
また、この場合、中間コイルばね17は、下側電極チップ保持部70を支えないため、上コイルばね15と同じ弾性係数のものであってもよい。なお、下板12が電極チップ突き当て部50を兼ねた構成においては、中間コイルばね17の下端は、下板12の上面に接するように配置される。
本実施形態の交換保持装置100は、電極チップ220の取り外し及び取り付けの作用の際に一直線状に移動するタイプの溶接ガン200(いわゆるC型(Cタイプ)の溶接ガン)を対象とすることが好ましいが、必ずしも、そのようなタイプのものを対象とするものに限定されない。
なお、本実施形態の交換保持装置100は、溶接ガン200から取り外された電極チップ220は、上側電極チップ保持部30や下側電極チップ保持部70に保持された状態となるが、保持された電極チップ220を廃棄する場合は、溶接ガン200の動作により、シャンク210の小径部211を、保持された電極チップ220に浅く挿入して引っ掛けた状態とし、その状態で、溶接ガン200を前方に移動することで、電極チップ220を上側電極チップ保持部30や下側電極チップ保持部70から離脱させ、電極チップの取り外し装置と同様に電極チップ220を落下させればよい。
上述した実施形態の交換保持装置100は、1つの中間コイルばね17により、上側電極チップ抜き部20を下方から支持するとともに、下側電極チップ抜き部60を上方から支持した例であるが、中間コイルばね17は1本に限定されるものではなく、2本以上に分割されていてもよい。
14 ガイド棒
20 上側電極チップ抜き部
21 上ピック板
22 下ピック板
30 電極チップ保持部
40 上側旋回アーム部
50 電極チップ突き当て部
100 交換保持装置
200 溶接ガン
210 シャンク
212 大径部の端面
213 大径部
220 電極チップ
222 電極チップの端面

Claims (5)

  1. 溶接ガンのガンアームに固定されたシャンクに嵌合した電極チップの端面と前記シャンクの大径部の端面との間に挿し入れられる、重ね合わされた2枚のピック板を有する電極チップ抜き部と、
    前記2枚のピック板の、重ね合わされた方向への移動を案内するガイド棒と、
    前記ガイド棒に沿って案内された前記2枚のピック板の前記ガイド棒に沿った位置に応じて、前記2枚のピック板の間隔を広げるピック板間隔拡大機構と、
    前記2枚のピック板のいずれか一方に設けられた、前記シャンクから引き抜かれた前記電極チップを保持する電極チップ保持部と、
    前記電極チップ保持部に保持された前記電極チップに前記シャンクを挿入する前記溶接ガンの動きにより、前記電極チップが突き当てられる、前記シャンクの挿入方向の前方に設けられた電極チップ突き当て部と、を備えた電極チップの交換保持装置。
  2. 前記電極チップ保持部は、前記電極チップの外周部の外径よりも小さい寸法の切り欠きと、前記電極チップが前記切り欠きに挿入されることにより前記切り欠きの寸法を前記外周部の外径まで広げるように、前記切り欠きの外側を弾性変形させる弾性変形部と、を備えた請求項1に記載の電極チップの交換保持装置。
  3. 前記ピック板間隔拡大機構は、
    前記2枚のピック板に亘って配置され、前記2枚のピック板とともに変位する2つのピンと、前記2枚のピック板の前記ガイド棒に沿った位置に応じて、前記2つのピンの間で高さ位置に差を生じさせるアーム部材と、を備え、
    前記2つのピンの高さ位置の差により、前記2枚のピック板の間隔を変化させる、請求項1又は2に記載の電極チップの交換保持装置。
  4. 前記2枚のピック板の一方は、
    前記電極チップ保持部に保持された前記電極チップに前記シャンクを挿入する前記溶接ガンの動きにより、前記高さ位置の差が生じた前記2つのピンのうち一方のピンにより押圧されないように、前記一方のピンを退避させる逃げ部、を有する請求項3に記載の電極チップの交換保持装置。
  5. 前記電極チップ突き当て部を挟んで前記ガイド棒の軸方向に沿った対称の配置で、前記電極チップ抜き部、前記ピック板間隔拡大機構及び前記電極チップ保持部を、それぞれ2つずつ備えた、請求項1から4のうちいずれか1項に記載の電極チップの交換保持装置。
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