JP7318086B1 - 連続加熱炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続加熱炉において、露点が適切に制御された加熱加湿処理を実施する。【解決手段】ここに開示される連続加熱炉1は、トンネル状の炉体10と、ヒータ30と、炉体内10iを複数の領域R1~R3に仕切る隔壁40と、複数の領域R1~R3の少なくとも1つの領域R1に設けられた湿潤ガス供給配管80と、湿潤ガス供給配管80に湿潤ガスを供給する加湿機構50と、炉体内10iのうち湿潤ガスが供給される領域(第1領域R1)の露点を測定する露点計60と、制御装置70とを備えている。そして、制御装置70は、露点計60の測定値に基づいて、第1領域R1の露点が、予め定められた目的露点範囲DRの範囲内になるように加湿機構70を制御する。これによって、炉体内10iの所望の領域における露点を目的露点範囲DRの範囲内に維持することができるため、露点が適切に制御された加熱加湿処理を実施できる。【選択図】図1

Description

本開示は、連続加熱炉に関する。
セラミック製品の製造では、製品の性能向上や過乾燥の防止などの観点から、加湿環境下で被処理物を加熱する加熱加湿処理が行われることがある。例えば、特開2021-39933号公報では、リチウムニッケル複合酸化物の焼成粉末を吸湿処理した後に乾燥する正極活物質の製造方法が開示されている。これによって、放電容量に優れた正極活物質を製造できる。また、特開2008-110541号公報には、高湿雰囲気でハニカム成形体を乾燥させる乾燥装置が開示されている。これによって、過乾燥によるハニカム成形体の割れ(クラック)などを防止できる。
特開2021-39933号公報 特開2008-110541号公報
ところで、従来の加熱加湿処理では、処理が完了する度に被処理物を入れ替えるバッチ処理が行われている。この種のバッチ処理では、密閉式の加熱炉を使用することができる。この密閉式の加熱炉を使用した場合、特開2008-110541号公報などに記載の通り、炉内に供給される前の蒸気(湿潤ガス)の湿度を管理すれば、処理中の炉内の湿度を容易に制御することができる。また、適切な水分が存在している環境で加熱加湿処理を実施するために、湿潤ガスの露点が管理されることもある。
一方、セラミック製品を大量生産する際には、被処理物を搬送しながら連続的に処理する連続処理が行われる。この連続処理に使用される加熱炉(連続加熱炉)は、炉体内の空間が非常に広く、かつ、搬入口や搬出口などの開口部が複数形成されている。このため、連続加熱炉を用いた大量生産では、炉内の露点を適切に制御した状態で加熱加湿処理を実施することが困難であった。
上記課題を解決するために、ここに開示される技術によって、以下の構成の連続加熱炉が提供される。
ここに開示される連続加熱炉は、予め定められた搬送方向に沿って被処理物が搬送されるトンネル状の炉体と、炉体内に配置されたヒータと、炉体内を搬送方向に沿って複数の領域に仕切る隔壁と、複数の領域の少なくとも1つの領域に設けられた湿潤ガス供給配管と、湿潤ガス供給配管に湿潤ガスを供給する加湿機構と、炉体内のうち湿潤ガスが供給される領域の露点を測定する露点計と、制御装置とを備えている。ここで、制御装置は、露点計の測定値に基づいて、露点計が露点を測定する領域の露点が、予め定められた目的露点範囲の範囲内になるように加湿機構を制御するように構成されている。
上記構成の連続加熱炉では、炉体内の所望の領域の露点を露点計で測定し、当該露点計の測定値に基づいて湿潤ガスの露点を、予め定められた目的露点範囲の範囲内に維持することができる。このため、ここに開示される技術によると、大量生産のために連続加熱炉を用いた場合でも、露点を適切に制御した状態で加熱加湿処理を実施することができる。
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、露点計は、湿潤ガス供給配管が設けられた領域の露点を測定するように構成されており、制御装置は、露点計の測定値に基づいて、湿潤ガス供給配管が設けられた領域の露点が目的露点範囲の範囲内になるように加湿機構を制御するように構成されている。これによって、湿潤ガスが直接供給される領域の露点を正確に制御することができる。
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、露点計が露点を測定する領域に一端が接続され、炉体の外部に他端が延びる測定管と、炉体内のガスを測定管に引き込む吸引装置とをさらに備え、露点計は、測定管のうち、目的露点範囲の上限値よりも高温で、かつ、当該露点計の耐熱温度よりも低温である保護温度域となる領域に配置されている。これによって、熱や結露による露点計の劣化を防止できる。この結果、より正確な測定値に基づいて、露点を制御することができる。
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、測定管は、露点計が配置された位置の圧力を測定するための圧力計を有し、制御装置は、圧力計の測定値に基づいて露点計の測定値を補正するように構成されている。これによって、より正確な測定値に基づいた露点制御を行うことができる。
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、測定管は、炉体内から流入したガスを保護温度域まで冷却する冷却部と、冷却部を通過したガスを保護温度域に維持する保温部とを備えている。これによって、熱や結露による露点計の劣化をより適切に防止できる。
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、露点計よりも炉体に近い位置にフィルタが配置されている。これによって、異物の付着による露点計の劣化を防止できる。
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、加湿機構は、水とガスとを混合して湿潤ガスを生成する気化器と、気化器に水を供給する水供給ラインと、気化器にガスを供給するガス供給ラインと、気化器で生成した湿潤ガスを湿潤ガス供給配管に供給する湿潤ガス供給ラインとを備えている。かかる構成の加湿機構によると、湿潤ガス供給配管に湿潤ガスを適切に供給することができる。
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、水供給ラインは、気化器に供給される水の流量を調整する流量調整手段を備えており、制御部は、流量調整手段を制御することによって湿潤ガスの露点を調節する。かかる構成によると、湿潤ガスの露点を容易に調節することができる。
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、湿潤ガス供給配管は、炉体内における被処理物の上方に配置され、下方に向けて湿潤ガスを噴射する上部噴射口を備えている。これによって、被処理物が搬送される搬送領域の露点を適切に制御できる。
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、露点計は、上部噴射口と被処理物との間における露点を測定する。これによって、搬送領域の露点をより適切に制御できる。
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、湿潤ガス供給配管は、炉体内における被処理物の下方に配置され、上方に向けて湿潤ガスを噴射する下部噴射口を備えている。これによって、被処理物が搬送される搬送領域の露点を適切に制御できる。
ここに開示される技術の他の側面として、次の構成の連続加熱炉が提供される。かかる連続加熱炉は、被処理物が予め定められた搬送方向に沿って搬送されるトンネル状の炉体と、炉体内に配置されたヒータと、炉体内を搬送方向に沿って複数の領域に仕切る隔壁と、複数の領域の少なくとも1つの領域に設けられた湿潤ガス供給配管と、湿潤ガス供給配管に湿潤ガスを供給する加湿機構と、炉体内のうち湿潤ガスが供給される領域の状態を測定するセンサと、センサの測定対象となる領域に一端が接続され、炉体の外部に他端が延びる測定管と、炉体内のガスを測定管に引き込む吸引装置とを備えている。ここで、センサは、測定管のうち、センサの測定対象となる領域における目的露点範囲の上限値よりも高温で、かつ、当該センサの耐熱温度よりも低温である保護温度域となる領域に配置されている。これによって、熱や結露によるセンサの劣化を防止できる。
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、センサは、酸素センサ、マルチガスアナライザーから選択される少なくとも一種である。ここに開示される技術によると、これらのセンサの劣化を適切に防止できる。
図1は、一実施形態に係る連続加熱炉を模式的に示す縦断面図である。 図2は、図1のII-II断面図である。 図3は、一実施形態に係る連続加熱炉を模式的に示すブロック図である。 図4は、図3中の気化器を模式的に示す断面図である。 図5は、制御装置による制御動作を説明するフロー図である。
以下、ここに開示される技術の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、ここに開示される技術の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここに開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施できる。なお、本明細書において数値範囲を示す「A~B」の表記は、「A以上B以下」の意と共に、「好ましくはAより大きい」および「好ましくはBより小さい」の意を包含するものとする。
1.連続加熱炉
図1は、本実施形態に係る連続加熱炉を模式的に示す縦断面図である。図2は、図1のII-II断面図である。図3は、本実施形態に係る連続加熱炉を模式的に示すブロック図である。図4は、図3中の気化器を模式的に示す断面図である。図5は、制御装置による制御動作を説明するフロー図である。なお、以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、それぞれ、左方、右方、前方、後方、上方、下方を表すものとする。
連続加熱炉1は、搬送方向T(図1中の前方Fから後方Rr)に向かって被処理物Aを搬送しながら連続的に加熱する。なお、処理対象である被処理物Aは、特に限定されず、加熱加湿処理が行われ得る従来公知の材料を適宜選択できる。被処理物Aの一例として、電極材料(例えば、リチウムイオン二次電池の正極活物質)、セラミック製の構造体などが挙げられる。また、被処理物Aは、連続加熱炉1に直接供給されてもよいし、耐火容器に収容して供給してもよい。かかる耐火容器は、例えば、ムライト、コーディライト、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、カーボン等から構成されているものが用いられ得る。
本実施形態に係る連続加熱炉1は、炉体10と、ヒータ30と、隔壁40と、湿潤ガス供給配管80と、加湿機構50と、露点計60と、制御装置70とを備えている。また、連続加熱炉1は、上記構成の他に、搬送ローラ20も備えている。以下、各構成について説明する。
(1)炉体
図1に示すように、炉体10は、予め定められた搬送方向Tに沿って被処理物Aが搬送されるトンネル状の炉体である。具体的には、炉体10は、前方Fから後方Rrに向かって延びている。被処理物Aは、この炉体10の内部(炉体内10i)を搬送される。また、本実施形態における炉体10は、被処理物Aが搬入される搬入口14と、被処理物Aが搬出される搬出口16とを備えている。そして、搬入口14と搬出口16は、炉体内10iを介して連通している。なお、図示は省略するが、搬入口14には、当該搬入口14に被処理物Aを搬入する搬入コンベアが取り付けられていてもよい。また、搬出口16には、当該搬出口16から被処理物Aを搬出する搬出コンベアが取り付けられていてもよい。さらに、炉体10は、基台19の上に載置されている。
炉体10は、例えば、外壁13と、断熱部15とによって構成される。外壁13は、炉体10の最外面をなす部材である。外壁13は、例えば、ステンレス等の金属材料によって構成される。断熱部15は、炉体内10iと外壁13との間に配置される部材である。図2に示すように、炉体内10iは、断熱部15に囲まれていることが好ましい。これによって、炉体内の温度を制御しやすくなる。断熱部15は、例えば、セラミックファイバーボードや煉瓦などを積層することによって形成される。なお、図1に示す炉体10では、搬入口14と搬出口16の周囲に断熱部15が配置されていない。但し、断熱部の配置位置は、ここに開示される技術を限定するものではない。すなわち、断熱部は、搬入口や搬出口の周囲に配置されていてもよい。
なお、搬送方向Tにおける炉体内10iの全長は、5m~200m(典型的には5m~100m、例えば25m~75m)になり得る。ここに開示される技術によると、炉体内10iが長大な連続加熱炉1であっても、適切な露点に制御された加熱加湿処理を実施できる。
また、図2に示すように、炉体内10iは、左右方向において複数列(図2では3列)の被処理物Aを配列できる程度の幅を有していることが好ましい。これによって、セラミック製品の生産効率を向上することができる。具体的な炉体内10iの幅は、0.1m~10m(好適には0.5m~7.5m、より好適には1m~5m)になり得る。ここに開示される技術によると、炉体内10iの幅が広い連続加熱炉1であっても、適切な露点に制御された加熱加湿処理を実施できる。
(2)搬送ローラ
本実施形態に係る連続加熱炉1は、複数の搬送ローラ20によって被処理物Aを搬送するローラハースキルンである。図1に示すように、複数の搬送ローラ20は、上下方向における位置が揃うように搬送方向Tに沿って連続的に配置されている。具体的には、図2に示すように、搬送ローラ20は、左方Lから右方Rに延びる円筒状のローラである。この搬送ローラ20は、炉体10の両側壁10cに形成された挿通孔10dに挿通される。そして、搬送ローラ20の両端部20a、20bは、炉体10の外部において、一対の支持板21a、21bに回転可能に支持される。この一対の支持板21a、21bの各々は、搬送方向(図2の紙面に対して垂直方向)に延びている。この搬送方向に延びる支持板21a、21bには、複数の搬送ローラ20が支持されている。これによって、複数の搬送ローラ20を搬送方向Tに沿って連続的に配置することができる。
また、各々の搬送ローラ20の右方R側の端部20bには、スプロケット22が取り付けられている。一方、炉体10の外部(基台19の下方D)には、駆動スプロケット24を有する駆動装置26が配置されている。そして、搬送ローラ20のスプロケット22と、駆動装置26の駆動スプロケット24とは、ローラチェーン25を介して接続されている。これによって、駆動装置26で生じた動力を搬送ローラ20に伝達し、搬送ローラ20を回転させることができる。なお、図示は省略するが、本実施形態では、搬送方向(紙面垂直方向)に並んだ複数の搬送ローラ20の各々のスプロケット22と、1つの駆動スプロケット24とが、ローラチェーン25を介して接続されている。これによって、1つの駆動装置26で複数の搬送ローラ20を同時に回転させることができる。
(3)ヒータ
ヒータ30は、炉体内10iに配置されている。図1に示すように、本実施形態に係る連続加熱炉1は、複数のヒータ30を備えている。複数のヒータ30は、上記複数の搬送ローラ20に沿うように、搬送方向Tに沿って所定の間隔を空けて並べられている。これによって、搬送ローラ20上を搬送される被処理物Aを連続的に加熱できる。また、本実施形態におけるヒータ30は、搬送ローラ20の上方Uに配置される上部ヒータ32と、搬送ローラ20の下方Dに配置される下部ヒータ34とを備えている。これによって、搬送中の被処理物Aを均一に加熱できる。なお、ヒータ30は、加熱炉に使用され得る従来公知のヒータを特に制限なく使用できる。かかるヒータ30の一例として、セラミックヒータ、金属シースヒータ、カーボンヒータ等が挙げられる。また、ヒータの形状も特に限定されない。例えば、ヒータは、図1に示す円筒状のヒータ30に限定されず、板状のパネルヒータ等を使用してもよい。
なお、連続加熱炉1は、ヒータ30を制御する温度制御部(図示省略)を備えていることが好ましい。これによって、炉体内の温度を容易に制御できる。なお、ヒータ30の温度制御に関する構成は、ここに開示される技術を限定するものではなく、連続加熱炉で使用され得る従来公知の構成を適宜採用できる。例えば、炉体内10iの上部と下部の各々に温度センサ(図示省略)を設置するという構成が挙げられる。この場合、上部の温度センサの測定結果に基づいて上部ヒータ32を制御し、下部の温度センサの測定結果に基づいて下部ヒータ34を制御するとよい。これによって、被処理物Aを適切な温度で加熱できる。また、炉体内10iの具体的な温度は、被処理物Aの種類などに応じて適宜変更できる。
(3)隔壁
隔壁40は、炉体内10iを搬送方向Tに沿って複数の領域R1~R3に仕切る部材である。ここに開示される技術を限定するものではないが、隔壁40には、断熱部15と同様の断熱材を使用することができる。本実施形態における隔壁40は、炉体10の天井10aから下方Dに突出する上部隔壁42と、炉体10の底面10bから上方Uに突出する下部隔壁44とを備えている。この上部隔壁42と下部隔壁44とは、搬送ローラ20を挟んで対向している。換言すると、本実施形態における隔壁40は、隣接した領域を連通させ、被処理物Aを通過させる開口部40aを有している。本実施形態における炉体内10iには、この隔壁40の開口部40aを介して複数の領域R1~R3を通過する搬送領域1aが形成される。
また、図1に示す連続加熱炉1では、2組の隔壁40が形成されている。これによって、炉体内10iは、3つの領域R1~R3に仕切られる。説明の便宜上、これらの3つの領域R1~R3を、前方Fから後方Rrに向かって、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3と称する。なお、炉体内に形成される領域の数は、特に限定されず、目的とする処理の内容や炉体内の全長などに応じて適宜増減できる。例えば、炉体内に形成される領域の数は、2個~100個でもよく、5個~70個でもよく、10個~50個でもよく、20個~40個でもよい。
(5)湿潤ガス供給配管
湿潤ガス供給配管80は、複数の領域R1~R3の少なくとも1つの領域に設けられている。図1に示すように、本実施形態における湿潤ガス供給配管80は、搬送方向Tの最上流側の領域(第1領域R1)に設けられている。なお、湿潤ガス供給配管を取り付ける領域の位置は、ここに開示される技術を限定するものではない。湿潤ガス供給配管は、下流側の領域(第2領域R2や第3領域R3)に設けられていてもよい。また、湿潤ガス供給配管を取り付ける領域の数も、ここに開示される技術を限定するものではない。すなわり、湿潤ガス供給配管は、2つ以上の領域に取り付けられていてもよい。また、湿潤ガス供給配管80には、保温部材やヒータなどの保温機構が取り付けられていることが好ましい。これによって、湿潤ガス供給配管80の内部での結露を抑制できる。
図1及び図3に示すように、本実施形態における湿潤ガス供給配管80は、上部噴射口82を備えている。この上部噴射口82は、炉体内10iにおける被処理物Aの上方Uに配置され、下方Dに向けて湿潤ガスを噴射する。これによって、被処理物Aが搬送される搬送領域1aの露点を適切に制御できる。なお、上部噴射口82としては、複数の開口部を有するシャワーパイプなどを使用できる。
また、本実施形態における湿潤ガス供給配管80は、下部噴射口84も備えている。下部噴射口84は、炉体内10iにおける被処理物Aの下方Dに配置され、上方Uに向けて湿潤ガスを噴射する。これによって、被処理物Aの上方Uと下方Dとの間で露点分布に偏りが生じることを防止できる。また、本実施形態では、複数(図3では4個)の下部噴射口84が左右方向に沿って並べられている。これによって、左右方向における露点分布を均一にすることができる。
(4)加湿機構
加湿機構50は、湿潤ガス供給配管80に湿潤ガスを供給する。かかる加湿機構50の構成は、特に限定されず、湿潤ガスの供給に用いられ得る従来公知の装置を特に制限なく使用できる。例えば、図3に示すように、本実施形態における加湿機構50は、気化器54と、水供給ラインL1と、ガス供給ラインL2と、湿潤ガス供給ラインL3とを備えている。以下、図3を参照しながら加湿機構50の具体的な構成を説明する。なお、図3では、バルブや逆止弁などの流体制御に関する部材を、一部を除いて省略している。これらの流体制御に関する部材は、ここに開示される技術を限定するものではなく、流体(水、ガスなど)を適切に供給するという目的の下で適宜設置することができる。
(a)水供給ライン
水供給ラインL1は、気化器54に水を供給するラインである。この水供給ラインL1は、配管やバルブ等を適宜組み合わせることによって構築される。そして、本実施形態における水供給ラインL1は、貯水タンク51と、ポンプ56とを備えている。貯水タンク51は、水Wを貯留するタンクである。この貯水タンク51の下流側にポンプ56が設置されている。このポンプ56を稼働させることによって、貯水タンク51内の水Wが気化器54に圧送される。
本実施形態における水供給ラインL1は、気化器54に供給される水Wの流量を調整する流量調整手段52を備えている。この流量調整手段52は、ポンプ56と気化器54との間に設置される。流量調整手段52には、内部流路の開度を調節できる機能を有した弁体が使用され得る。これによって、ポンプ56から圧送された水Wの流量を調節し、気化器54に供給することができる。かかる流量調整手段52の一例として、市販のマスフローコントローラ等が挙げられる。なお、流量調整手段52は、制御装置70の外部出力部76と通信可能に接続されている。そして、制御装置70は、流量調整手段52を制御することによって湿潤ガスの露点を調節する。詳しくは後述するが、かかる構成を採用することによって、湿潤ガスの露点を容易に調節することができる。
なお、気化器54への流量を低下させる場合、流量調整手段52は、内部流路の開度を絞って、圧送された水Wの通過を制限する。このときに、配管内の圧力が急激に上昇することを防止するために、本実施形態における水供給ラインL1には循環ラインL1aが設けられている。この水供給ラインL1は、流量調整手段52の手前で分岐して貯水タンク51に接続されている。また、循環ラインL1aには、ボールバルブ55が設置されている。これによって、流量調整手段52を通過しなかった水Wを、循環ラインL1aを介して貯水タンク51に戻すことができるため、配管内の急激な圧力上昇を防止できる。
(b)ガス供給ライン
ガス供給ラインL2は、気化器54にガスを供給するラインである。このガス供給ラインL2も、配管とバルブとを適宜組み合わせることによって構築できる。ガス供給ラインL2は、ガス供給手段53と、ガス量調整手段57とを備えている。ガス供給手段53は、所定のガスを気化器54に圧送する機器である。なお、ガス供給手段53は、ガスの種類に応じて従来公知の機器を適宜採用することができる。例えば、圧縮空気を使用する場合には、ガス供給手段53としてコンプレッサを使用できる。一方、特定のガス(Oガス等)を使用する場合には、目的のガスが充填されたガスボンベをガス供給手段53として使用できる。また、ガス量調整手段57は、ガス供給手段53と気化器54との間に設置されている。ガス量調整手段57は、気化器54に供給されるガスの流量を調整する。かかるガス量調整手段57は、水供給ラインL1の流量調整手段52と同様に、マスフローコントローラ等を使用できる。
(c)気化器
気化器54は、水とガスとを混合して湿潤ガスを生成する機器である。図4に示すように、本実施形態における気化器54は、混合タンク54aと、ガス排出部材54bとを備えている。混合タンク54aは、水WとガスGとが混合される容器である。混合タンク54aの底面には、水供給ラインL1が接続されている。そして、水供給ラインL1から供給された水Wは、混合タンク54a内に貯められる。次に、ガス排出部材54bは、混合タンク54a内の水Wに浸漬された多孔質部材である。このガス排出部材54bは、ガス供給ラインL2と接続されている。そして、ガス供給ラインL2から供給されたガスGは、ガス排出部材54bを介して、混合タンク54a内の水Wの中に排出される。そして、ガスGが水Wを通過しながら浮上することによって、混合タンク54aの上部空間に湿潤ガスが生成される。
また、図4に示す気化器54は、混合タンク54a内の水Wを加熱する内部ヒータ54cを備えている。この内部ヒータ54cは、混合タンク54aの底面近傍に設定されている。これによって、水Wを通過するガスGの露点を上昇させやすくなる。また、混合タンク54aの外面は、断熱材54dに覆われている。そして、混合タンク54aと断熱材54dとの間には、外部ヒータ54eが設置されている。この外部ヒータ54eは、混合タンク54aの上部空間を加熱する。これによって、混合タンク54aの上部空間での結露を防止し、混合タンク54aから排出される湿潤ガスの露点の低下を抑制できる。また、図示は省略するが、外部ヒータは、混合タンク54aの上面側にも設置されていることがより好ましい。
なお、上記構成の気化器54において混合タンク54aの水位WLが上昇すると、ガスGが水中を移動する距離が長くなるため、生成後の湿潤ガスの露点が高くなる。この混合タンク54aの水位WLを調節することによって湿潤ガスを所定の露点に保つことができる。この露点の制御をより正確に実施するという観点から、気化器54は、混合タンク54aの水位WLを測定するレベルセンサ54fを備えていることが好ましい。このレベルセンサ54fで混合タンク54aの水位WLを検知しながら、流量調整手段52の動作を制御することによって、湿潤ガスの露点をより正確に調節することができる。
(d)湿潤ガス供給ラインL3
湿潤ガス供給ラインL3は、気化器54で生成した湿潤ガスを湿潤ガス供給配管80に供給する。図4に示すように、湿潤ガス供給ラインL3は、混合タンク54aの上部に接続されている。これによって、混合タンク54aの上部空間に溜まった湿潤ガスが、湿潤ガス供給ラインL3を介して気化器54の外部に排出される。なお、湿潤ガス供給ラインL3も、配管とバルブとを適宜組み合わせることによって構築できる。また、湿潤ガス供給ラインL3を構成する配管の外側には、保温部材やヒータが取り付けられていることが好ましい。これによって、湿潤ガス供給ラインL3の配管内部での結露を抑制できる。
そして、本実施形態における湿潤ガス供給ラインL3は、図3に示すように、ヘッダー58において上部供給ラインL3aと下部供給ラインL3bに分岐する。そして、上部供給ラインL3aは、湿潤ガス供給配管80の上部噴射口82に接続される。これによって、被処理物Aの上方から炉体内10iに湿潤ガスを供給することができる。一方、下部供給ラインL3bは、下部噴射口84と接続される。これによって、被処理物Aの下方から炉体内10iに湿潤ガスを供給することができる。なお、下部供給ラインL3bは、基部86においてさらに分岐し、複数の下部噴射口84の各々と接続されている。これによって、左右方向における露点分布を均一にできる。
(5)露点計60
露点計60は、炉体内10iのうち湿潤ガスが供給される領域の露点を測定する。なお、本明細書における「湿潤ガスが供給される領域」は、湿潤ガス供給配管から湿潤ガスが直接供給される領域だけでなく、隔壁の開口部を介して間接的に湿潤ガスが供給される領域を包含する。本実施形態に係る連続加熱炉1では、湿潤ガス供給配管80が設けられた第1領域R1を露点計60の測定対象としている。以下、かかる露点計60の構成について説明する。
図3に示すように、露点計60は、制御装置70(露点記憶部71)と通信可能に接続されている。露点計60は、測定対象の領域の露点(ここでは、第1領域R1の露点D)を電気信号に変換して制御装置70に送信する。詳しくは後述するが、制御装置70は、露点計60の測定結果に基づいて加湿機構50(流量調整手段52)を制御する。
なお、露点計60は、後述の目的露点範囲Dの上限値DMAXよりも高温であり、かつ、露点計60の耐熱温度よりも低温である温度域(保護温度域)になる領域に配置されていると好ましい。具体的には、炉体内10iは非常に高温であるため、炉体内10iに露点計60を直接設置すると、露点計60が熱劣化するおそれがある。このため、露点計60を炉体10外部に配置し、炉体10外部の露点計60に炉体内10iからガスを移送した方が好ましい。しかしながら、炉体内10iのガスは、露点が高いため、炉体10外部への移送中に冷却されると結露する。このときの水滴が露点計60に付着すると、露点の測定結果に誤差が生じる可能性がある。これに対して、上記保護温度域になる領域に露点計60を配置すると、熱や結露による露点計60の劣化を適切に防止することができる。
なお、上記保護温度域は、制御装置70に設定された目的露点範囲Dと、露点計60の構成に応じて適宜設定することが好ましい。一例として、露点計60の保護温度域の下限値は、85℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、95℃以上が特に好ましい。これによって、炉体内10iから移送されたガスの結露を好適に防止できる。なお、保護温度域は、結露を防止することができる温度域であればよく、上述の範囲に限定されない。例えば、炉体内10iから移送されるガスの露点が30℃未満(例えば0℃程度)である場合、保護温度域は30℃以上に設定され得る。一方、保護温度域の上限値は、例えば、120℃以下が好ましく、115℃以下がより好ましく、110℃以下がさらに好ましく、105℃以下が特に好ましい。これによって、露点計60の熱劣化を好適に防止できる。
上記保護温度域となる領域に露点計60を配置する手段を説明する。図3に示すように、本実施形態に係る連続加熱炉1は、測定管62と吸引装置65とを備えている。測定管62は、露点計が露点を測定する領域(第1領域R1)に一端62aが挿入され、炉体10の外部に他端62bが延びる配管である。そして、吸引装置65は、炉体内10iのガスを測定管62に引き込むための機器である。この吸引装置65は、測定管62の他端62bと接続されている。なお、吸引装置65には、ポンプ、真空エジェクタなどを使用できる。これによって、炉体内10iから測定管62にガスを移送することができる。そして、露点計60は、測定管62に取り付けられている。この測定管62における設置位置を調節することによって、保護温度域となる領域に露点計60を配置できる。また、本実施形態では、測定管62におけるガスの流速を測定する流量計66を備えている。この流量計66の測定結果に基づいてポンプ65を制御することによって、炉体内10iのガスを安定的に採集できるため、露点の測定を正確に行うことができる。
また、本実施形態における測定管62は、冷却部62cと保温部62dを備えている。冷却部62cは、炉体内10iから流入したガスを保護温度域まで冷却する領域である。例えば、冷却部62cは、測定管62を大気中に露出させることによって構成される。これによって、移送中のガスを空冷し、保護温度域まで容易に冷却することができる。なお、冷却部62cは、水冷ジャケットなどを備えていてもよい。一方、保温部62dは、冷却部62cを通過したガスを保護温度域に維持する領域である。例えば、保温部62dは、テープヒータなどのヒータや断熱材を測定管62に取り付けることによって構成される。これによって、測定管62内の所定の領域を保護温度域に維持できるため、結露を好適に防止できる。そして、本実施形態では、測定管62の保温部62dに露点計60が配置されている。これによって、熱や結露による露点計60の劣化をより適切に防止できる。
また、本実施形態では、露点計60よりも炉体10に近い位置にフィルタ67が配置されている。被処理物Aの種類によっては、炉体内10iの雰囲気中に被焼成物の粉などの異物が混入することがある。この異物が測定管62に侵入して露点計60に付着すると、露点計60の性能が低下する可能性がある。これに対して、測定管62にフィルタ67を配置することによって、異物の付着による露点計60の劣化を防止できる。
また、本実施形態における測定管62は、露点計60が配置された位置の圧力を測定するための圧力計69を有している。この圧力計69は、制御装置70の圧力記憶部72と接続されている。詳しくは後述するが、本実施形態における制御装置70は、この圧力計69の測定値に基づいて露点計60の測定値を補正するように構成されている。これによって、第1領域R1の露点Dをより正確に測定できる。
なお、露点計60は、湿潤ガス供給配管80の上部噴射口82と被処理物Aとの間における露点を測定するように構成されていると好ましい。具体的には、図3に示すように、本実施形態における測定管62の一端62aは、上部噴射口82と被処理物Aとの間に配置される。これによって、上部噴射口82と被処理物Aとの間の搬送領域1aにおけるガスを露点計60に移送できる。この搬送領域1aのガスは、搬送中の被処理物Aに直接作用する。このため、搬送領域1aのガスの露点を適切に制御することによって、より適切な露点で加熱加湿処理を実施できる。特に、露点計60は、隔壁40の開口部40aと同じ高さの領域の露点を測定するように構成されているとより好ましい。連続加熱炉1では、開口部40aを介して、複数の領域R1~R3の間でガスが移動する。このため、隔壁40の開口部40aと同じ高さの領域におけるガスは、被処理物Aに直接作用する一方で、露点が変動しやすいという特徴を有している。この領域における露点を制御対象とすることによって、より好適な加熱加湿処理を実施することができる。
(6)制御装置70
制御装置70は、加湿機構50を制御して湿潤ガスの露点を調節するマイクロコンピュータである。制御装置70は、各種制御を司るコントローラ(例えばCPU)と、プログラムおよびデータを記憶する記憶装置を備える。
制御装置70は、露点計60の測定値に基づいて、露点計60が露点を測定する領域(図1中の第1領域R1)の露点Dが、予め定められた目的露点範囲Dの範囲内になるように加湿機構50を制御するように構成されている。以下、具体的に説明する。
まず、目的露点範囲Dは、露点計60が露点を測定する領域(第1領域R1)で実施される加熱加湿処理に適した露点の範囲である。連続加熱炉1の使用者は、制御装置70に任意の目的露点範囲Dを設定することができる。例えば、目的露点範囲Dの下限値DMINは、-10℃以上(好ましくは30℃以上)に設定される。一方、目的露点範囲Dの上限値DMAXは、100℃以下(好ましくは80℃以下)に設定される。なお、目的露点範囲Dは、被処理物Aの種類などに応じて適宜変更することが好ましい。
そして、本実施形態における制御装置70は、露点記憶部71と、圧力記憶部72と、補正手段73と、演算部75と、外部出力部76とを備えている(図3参照)。露点記憶部71は、露点計60の測定値(第1領域R1の露点D)を記憶する。圧力記憶部72は、圧力計69の測定値(測定管62の圧力)を記憶する。補正手段73は、圧力計69の測定値に基づいて露点計60の測定値を補正する。演算部75は、露点計60が露点を測定する領域(第1領域R1)における露点制御に関する演算を行う。また、演算部75は、演算結果に基づいた制御信号を作成する。外部出力部76は、演算部75が作成した制御信号を加湿機構50に送信する。以下、図5を参照しながら、上記構成の制御装置70による制御動作を説明する。
(a)露点測定工程S10
本実施形態に係る連続加熱炉1では、露点計60が第1領域R1の露点Dを測定する露点測定工程S10を実施する。このときの測定結果は、露点記憶部71に記憶される。
(b)圧力補正工程S20
上述の通り、本実施形態における露点計60は、炉体10外部の測定管62に設置されている。このとき、露点計60が測定する露点Dは、測定環境の気圧によって変動する。このため、測定管62内の圧力変動によって測定値に誤差が生じる可能性がある。これに対して、補正手段73は、圧力計69の測定値(測定管62の圧力)に基づいて、露点計60の測定値(第1領域R1の露点D)を補正する圧力補正工程S20を行う。例えば、補正手段73は、圧力計69の測定値に基づいて、露点計60の測定値を大気圧換算する。これによって、より正確な露点Dを得ることができる。具体的には、本実施形態における圧力補正工程S20は、圧力計69が測定管62の圧力を測定して圧力記憶部72に記憶する圧力測定工程S22と、補正手段73が露点Dを補正する露点補正工程S24とを備えている。
(c)露点比較工程S30
次に、制御装置70の演算部75は、露点比較工程S30において、露点計60の測定値(第1領域R1の露点D)と目的露点範囲Dとを比較検討する。この露点比較工程S30は、下限比較工程S32と上限比較工程S34を備えている。
先ず、下限比較工程S32において、演算部75は、第1領域R1の露点Dと目的露点範囲Dの下限値DMINとを比較する(D≧DMIN?)。この下限比較工程S32において、露点Dが下限値DMIN未満であった場合(S32のNO)、演算部75は、第1領域R1の露点Dが低下していると判断して露点上昇工程S40に進む。そして、露点上昇工程S40において、演算部75は、露点上昇信号Hを作成する(S42)。この露点上昇信号Hは、外部出力部76を介して、加湿機構50の流量調整手段52に送信される。露点上昇信号Hを受信した流量調整手段52は、気化器54への水Wの流量を増加させる(S44)。これによって、気化器54で生成される湿潤ガスの露点が高くなるため、第1領域R1の露点Dが上昇する。
一方、上述した下限比較工程S32において、第1領域R1の露点Dが目的露点範囲Dの下限値DMIN以上であった場合(S32のYES)、演算部75は、第1領域R1の露点Dが十分に高いと判断して上限比較工程S34に進む。
上限比較工程S34において、演算部75は、第1領域R1の露点Dと目的露点範囲Dの上限値DMAXとを比較する(D≦DMAX?)。この上限比較工程S34において、露点Dが上限値DMAXを超えている場合(S34のNO)、演算部75は、第1領域R1の露点Dが高くなり過ぎていると判断して露点低下工程S50に進む。この露点低下工程S50において、演算部75は、露点低下信号Hを作成する(S52)。上記露点上昇信号Hと同様に、露点低下信号Hも流量調整手段52に送信される。そして、露点低下信号Hを受信した流量調整手段52は、気化器54への水Wの流量を減少させる(S54)。これによって、気化器54で生成される湿潤ガスの露点が低くなるため、第1領域R1の露点Dが低下する。
一方、上限比較工程S34において、第1領域R1の露点Dが上限値DMAX以下である場合(S34のYES)、演算部75は、第1領域R1の露点Dが、予め設定した目的露点範囲Dの範囲内であると判断して制御を終了する(図5中のEND)。
以上の通り、本実施形態に係る連続加熱炉1は、予め定められた搬送方向Tに沿って被処理物Aが搬送されるトンネル状の炉体10と、炉体内10iに配置されたヒータ30と、炉体内10iを搬送方向Tに沿って複数の領域R1~R3に仕切る隔壁40と、複数の領域R1~R3の少なくとも1つの領域R1に設けられた湿潤ガス供給配管80と、湿潤ガス供給配管80に湿潤ガスを供給する加湿機構50と、炉体内10iのうち湿潤ガスが供給される領域の露点を測定する露点計60と、制御装置70とを備えている。そして、本実施形態における制御装置70は、露点計60の測定値(第1領域R1の露点D)に基づいて、露点計60が露点を測定する領域(第1領域R1)の露点が、予め定められた目的露点範囲Dの範囲内になるように加湿機構70を制御するように構成されている。これによって、炉体内10iの所望の領域(第1領域R1)における露点を、予め定められた目的露点範囲Dの範囲内に維持することができる。このため、大量生産のために連続加熱炉1を用いた場合でも、露点が適切に制御された加熱加湿処理を実施できる。
また、本実施形態に係る連続加熱炉1の露点計60は、湿潤ガス供給配管80が設けられた第1領域R1の露点Dを測定するように構成されている。そして、制御装置70は、露点計60の測定値に基づいて、湿潤ガス供給配管80が設けられた第1領域R1の露点Dが目的露点範囲Dの範囲内になるように加湿機構50を制御するように構成されている。これによって、湿潤ガスが直接供給される領域である第1領域Rの露点Dを正確に制御できる。この結果、露点がさらに適切に制御された状態で加熱加湿処理を実施することができる。
(7)他の構成
以上、本実施形態に係る連続加熱炉1の主要な構成について説明した。なお、本実施形態に係る連続加熱炉1は、上述の主要な構成の他に、以下の構成も有している。
(a)他のセンサ
一般的な連続加熱炉は、炉体内の状態(酸素濃度、ガス組成など)を測定するために、種々のセンサを備えている。しかし、上述の露点計60と同様に、これらのセンサを炉体内に設置すると熱劣化が生じ得る。一方で、炉体外にセンサを配置し、当該センサに炉体内のガスを移送すると、結露による劣化が生じるおそれがある。このため、露点計以外のセンサを取り付ける場合、当該センサは、センサの測定対象となる領域における目的露点範囲の上限値よりも高温であり、かつ、センサの耐熱温度よりも低温である保護温度域になる領域に配置されていることが好ましい。
すなわち、本実施形態に係る連続加熱炉1は、被処理物Aが予め定められた搬送方向Tに沿って搬送されるトンネル状の炉体10と、炉体内10iに配置されたヒータ30と、炉体内10iを搬送方向Tに沿って複数の領域R1~R3に仕切る隔壁40と、複数の領域R1~R3の少なくとも1つの領域R1に設けられた湿潤ガス供給配管80と、湿潤ガス供給配管80に湿潤ガスを供給する加湿機構50と、炉体内10iのうち湿潤ガスが供給される領域の状態を測定するセンサ(酸素センサ90)と、センサの測定対象となる領域R1に一端92aが接続され、炉体10の外部に他端92bが延びる測定管92と、炉体内10iのガスを測定管92に引き込む吸引装置95とを備えている。そして、センサ(酸素センサ90)は、測定管92のうち、センサの測定対象となる領域R1における目的露点範囲Dの上限値DMAXよりも高温で、かつ、当該センサの耐熱温度よりも低温である保護温度域となる領域に配置されている。これによって、熱や結露によるセンサの劣化を防止できる。
例えば、図1及び図3に示すように、本実施形態に係る連続加熱炉1は、炉体内10iの酸素濃度を測定する酸素センサ90を備えている。炉体内10iで被処理物Aを酸化させる場合、炉体内10iの酸素濃度を管理することが好ましい。しかし、このような酸素センサ90も、上述の露点計60と同様に、熱や結露による劣化が生じるおそれがある。これに対して、本実施形態では、酸素センサ90の測定対象となる第1領域R1に一端92aが接続され、炉体10の外部に他端92bが延びる測定管92と、炉体内10iのガスを測定管92に引き込む吸引装置95とを備えている。そして、酸素センサ90は、測定管92のうち、上記第1領域R1における目的露点範囲Dの上限値DMAXよりも高温で、かつ、当該酸素センサ90の耐熱温度よりも低温である保護温度域となる領域に配置される。これによって、熱や結露による酸素センサ90の劣化を防止することができる。
なお、露点計60用の測定管62と同様に、酸素センサ90用の測定管92も、炉体内10iから流入したガスを保護温度域まで冷却する冷却部92cと、冷却部92cを通過したガスを保護温度域に維持する保温部92dを備えていることが好ましい。これによって、測定管92内を保護温度域に維持できるため、熱や結露による酸素センサ90の劣化をより適切に防止できる。また、本実施形態では、酸素センサ90よりも炉体10に近い位置にフィルタ98が配置されている。これによって、異物の付着による酸素センサ90の劣化を防止できる。さらに、酸素センサ90用の測定管92も、当該測定管92におけるガスの流速を測定する流量計96を備えている。これによって、炉体内10iのガスを安定的に採集できる。なお、酸素センサ90用の測定管92の構成は、上述した露点計60用の測定管62と同様の構成を採用できるため、詳しい説明を省略する。
また、被処理物Aの種類(例えば、断熱材など)によっては、加熱初期に多くの不純物が発生する。このとき、炉体内10iの酸素を測定すると、酸素センサ90の劣化が促進される可能性がある。かかる点を考慮すると、酸素センサ90用の測定管92には、開閉可能なバルブ92eが取り付けられていることが好ましい。これによって、炉体内10iのガスを酸素センサ90に必要に応じて供給することが可能になるため、不純物による酸素センサ90の劣化を抑制できる。
なお、連続加熱炉の炉体に取り付けられるセンサは、上述した露点計60や酸素センサ90に限定されない。他のセンサとしては、炉体内のガス組成を測定するマルチガスアナライザーなどが挙げられる。これらのセンサを配置する際も、上記保護温度域となる位置にセンサを配置することが好ましい。これによって、熱や結露によるセンサの劣化を防止できる。なお、センサの保護温度域は、上述した露点計60の保護温度域と同じ温度域でもよいし、異なる温度域を設定してもよい。
(b)ドレン構造
加熱加湿処理用の連続加熱炉1では、炉体内10iに湿潤ガスが供給されるため、炉体10の底面10bに水が溜まる可能性がある。このため、図3に示すように、炉体10の底面10bには、炉体10外部に水を排出するためのドレン管10fが取り付けられていることが好ましい。そして、このドレン管10fには、当該ドレン管10fを開閉するドレンバルブ10eが設けられているとよい。これによって、炉体内10iに溜まった水を必要に応じて排出できる。また、このようなドレン構造を設ける場合、炉体10の底面10bは、ドレン管10fに向かって下るように傾斜していると好ましい。これによって、炉体内10iの水をより容易に排出できる。
2.他の実施形態
以上、ここに開示される技術の一実施形態について説明した。しかし、上述した実施形態は、ここに開示される技術を限定することを意図したものではない。以下、ここに開示される技術の他の実施形態について説明する。
(1)加熱炉の種類
図1に示すように、上述の実施形態に係る連続加熱炉1は、複数の搬送ローラ20で被処理物Aを搬送するローラハースキルンである。しかしながら、ここに開示される連続加熱炉は、所定の搬送方向に沿って被処理物を搬送しながら加熱できればよく、ローラハースキルンに限定されない。例えば、ここに開示される連続加熱炉は、プッシャー炉でもよい。このプッシャー炉は、図1中の搬送ローラ20のような駆動ローラは有していない。代わりに、プッシャー炉の炉体内には、被処理物の搬送をガイドするセラミックレールが敷設される。このセラミックレールの上には、被処理物が隙間なく載置される。この状態で搬入口から一個の被処理物を搬入すると、搬出口から一個分の被処理物が押し出される。プッシャー炉では、この搬入処理を繰り返すことによって、セラミックレールに沿って被処理物を順次搬送する。かかる構成のプッシャー炉においても、ここに開示される技術を、特に制限なく適用することができる。
なお、図2に示すように、ローラハースキルンの炉体10には、搬送ローラ20を挿通させる挿通孔10dを形成する必要がある。そして、搬送ローラ20を回転させるために、挿通孔10dの壁面と搬送ローラ20との間には一定の隙間(クリアランス)が設けられる。すなわち、ローラハースキルンは、搬送ローラ20の回転のために、炉体10の密閉性が大きく低下しているため、炉体内10iの露点が特に変動しやすい。一方、ここに開示される技術によると、ローラハースキルンを採用した場合でも、炉体内10iの所望の領域における露点を的露点範囲Dの範囲内に維持できる。このため、ここに開示される技術は、ローラハースキルンで加熱加湿処理を実施する際に特に好適に適用できる。
(2)露点の圧力補正
図5中の圧力補正工程S20に示すように、上述の実施形態における制御装置70は、圧力計69の測定結果に基づいて露点計60の測定結果を補正する。しかし、この圧力補正S20に関する構成は、ここに開示される技術における必須の構成ではない。例えば、制御装置は、露点計が測定した露点をそのまま用いて加湿機構を制御してもよい。この場合でも、炉体内の所望の領域の露点を十分に制御できる。また、露点の圧力補正は、露点計の周囲に圧力計を設けなくても実施することができる。例えば、炉体内と露点計の周囲の各々の圧力を測定する予備試験を実施し、当該予備試験の結果に基づいた補正値を予め設定してもよい。かかる構成を採用した場合でも、露点の圧力補正を適切に実施できる。
(3)測定管の構成
図3に示すように、上述の実施形態では、測定管62に吸引装置65と流量計66が設けられている、しかし、測定管は、炉体内のガスを露点計に供給できればよく、上述の実施形態に記載した構成に限定されない。例えば、炉体内の圧力は、焼成条件に応じて適宜設定される。このとき、炉体内の圧力は、大気圧よりも格段に高い圧力になることがある。このような場合には、測定管の他端を大気に開放するだけでも、炉体内のガスを炉体外に移送できる。そして、この測定管の途中に露点計を設置することによって、炉体内のガスを露点計に供給することができる。但し、露点計へのガスの供給量を安定化させるという観点から、ポンプや真空エジェクタなどの吸引装置を測定管に設けた方が好ましい。
(4)露点計の測定位置
上記の通り、ここに開示される技術における露点計は、「湿潤ガスが供給される領域」の露点を測定する。そして、本明細書における「湿潤ガスが供給される領域」は、湿潤ガス供給配管から湿潤ガスが直接供給される領域だけでなく、隔壁の開口部を介して間接的に湿潤ガスが供給される領域を包含する。すなわち、露点計は、湿潤ガス供給配管が設けられた領域(図1中の第1領域R1)以外の領域の露点を測定してもよい。例えば、露点計は、湿潤ガス供給配管が設けられた領域よりも下流側の領域(図1中の第2領域R2や第3領域R3など)を測定してもよい。また、露点計は、湿潤ガス供給配管が設けられた領域よりも上流側の領域(図1中の搬入口12)を測定してもよい。これらの領域の露点を測定した場合でも、露点が適切に制御された加熱加湿処理を実施できる。なお、湿潤ガス供給配管が設けられた領域と、露点計が露点を測定する領域とが離れ過ぎると、露点計で測定される露点が低くなり、湿潤ガスの露点制御が難しくなる可能性がある。このことから、露点計は、湿潤ガス供給配管が設けられた領域を基準として、5領域以内(より好適には3領域以内、さらに好適には2領域以内、特に好適には1領域以内)の領域の露点を測定することが好ましい。
また、上述の実施形態における露点計60は、測定管62の保温部62dに設置されている。しかし、露点計60の設置位置は、保温部62dに限定されない。例えば、ヒータや断熱材を有する保温部が測定管に形成されていない場合、露点計は、長さ方向における測定管の温度分布を予め測定し、保護温度域の範囲内になる位置に取り付けるとよい。これによって、保温部を設けなくても、熱や結露による露点計の劣化を防止できる。
(5)露点測定ユニットの構成
また、加湿機構は、湿潤ガス供給配管に湿潤ガスを供給することができればよく、上述の構成に限定されない。例えば、上述の実施形態では、水供給ラインL1の流量調整手段52を制御することによって湿潤ガスの露点を調節している。しかし、湿潤ガスの露点を調節する手段は、流量調整手段52に限定されない。例えば、気化器に水を供給するポンプ(図3中のポンプ56に相当)と制御装置とを接続し、当該ポンプの稼働を制御してもよい。かかる構成を採用した場合でも、湿潤ガスの露点を制御できる。
3.ここに開示される技術に包含される形態
また、ここに開示される技術は、以下の項目1~項目12に記載の形態を包含する。
<項目1>
予め定められた搬送方向に沿って被処理物が搬送されるトンネル状の炉体と、
前記炉体内に配置されたヒータと、
前記炉体内を前記搬送方向に沿って複数の領域に仕切る隔壁と、
前記複数の領域の少なくとも1つの領域に設けられた湿潤ガス供給配管と、
前記湿潤ガス供給配管に湿潤ガスを供給する加湿機構と、
前記炉体内のうち前記湿潤ガスが供給される領域の露点を測定する露点計と、
制御装置と
を備え、
前記制御装置は、前記露点計の測定値に基づいて、前記露点計が露点を測定する領域の露点が、予め定められた目的露点範囲の範囲内になるように前記加湿機構を制御するように構成された、連続加熱炉。
<項目2>
前記露点計は、前記湿潤ガス供給配管が設けられた領域の露点を測定するように構成されており、
前記制御装置は、前記露点計の測定値に基づいて、前記湿潤ガス供給配管が設けられた領域の露点が前記目的露点範囲の範囲内になるように前記加湿機構を制御するように構成された、項目1に記載の連続加熱炉。
<項目3>
前記露点計が露点を測定する領域に一端が接続され、前記炉体の外部に他端が延びる測定管と、
前記炉体内のガスを前記測定管に引き込む吸引装置と
をさらに備え、
前記露点計は、前記測定管のうち、前記目的露点範囲の上限値よりも高温で、かつ、当該露点計の耐熱温度よりも低温である保護温度域となる領域に配置されている、項目1または2に記載の連続加熱炉。
<項目4>
前記測定管は、前記露点計が配置された位置の圧力を測定するための圧力計を有し、
前記制御装置は、前記圧力計の測定値に基づいて前記露点計の測定値を補正するように構成された、項目3に記載の連続加熱炉。
<項目5>
前記測定管は、
前記炉体内から流入したガスを前記保護温度域まで冷却する冷却部と、
前記冷却部を通過したガスを前記保護温度域に維持する保温部と
を備えている、項目3または4に記載の連続加熱炉。
<項目6>
前記露点計よりも前記炉体に近い位置にフィルタが配置されている、項目3~5のいずれか一項に記載の連続加熱炉。
<項目7>
前記加湿機構は、
水とガスとを混合して湿潤ガスを生成する気化器と、
前記気化器に水を供給する水供給ラインと、
前記気化器にガスを供給するガス供給ラインと、
前記気化器で生成した前記湿潤ガスを前記湿潤ガス供給配管に供給する湿潤ガス供給ラインと
を備えている、項目1~6のいずれか一項に記載の連続加熱炉。
<項目8>
前記水供給ラインは、前記気化器に供給される水の流量を調整する流量調整手段を備えており、
前記制御部は、前記流量調整手段を制御することによって前記湿潤ガスの露点を調節する、項目7に記載の連続加熱炉。
<項目9>
前記湿潤ガス供給配管は、前記炉体内における前記被処理物の上方に配置され、下方に向けて前記湿潤ガスを噴射する上部噴射口を備えている、項目1~8のいずれか一項に記載の連続加熱炉。
<項目10>
前記露点計は、前記上部噴射口と前記被処理物との間における露点を測定する、項目9に記載の連続加熱炉。
<項目11>
前記湿潤ガス供給配管は、前記炉体内における前記被処理物の下方に配置され、上方に向けて前記湿潤ガスを噴射する下部噴射口を備えている、項目1~10のいずれか一項に記載の連続加熱炉。
<項目12>
被処理物が予め定められた搬送方向に沿って搬送されるトンネル状の炉体と、
前記炉体内に配置されたヒータと、
前記炉体内を前記搬送方向に沿って複数の領域に仕切る隔壁と、
前記複数の領域の少なくとも1つの領域に設けられた湿潤ガス供給配管と、
前記湿潤ガス供給配管に湿潤ガスを供給する加湿機構と、
前記炉体内のうち前記湿潤ガスが供給される領域の状態を測定するセンサと、
前記センサの測定対象となる領域に一端が接続され、前記炉体の外部に他端が延びる測定管と、
前記炉体内のガスを前記測定管に引き込む吸引装置と
を備え、
前記センサは、前記測定管のうち、前記センサの測定対象となる領域における目的露点範囲の上限値よりも高温で、かつ、当該センサの耐熱温度よりも低温である保護温度域となる領域に配置されている、連続加熱炉。
<項目13>
前記センサは、酸素センサ、マルチガスアナライザーから選択される少なくとも一種である、項目12に記載の連続加熱炉。
以上、具体的な実施形態を挙げて詳細な説明を行ったが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。このように、請求の範囲に記載の技術には、以上に記載した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。また、上記実施形態で例示された複数の技術の一部を連続加熱炉に採用することも可能である。
1 連続加熱炉
10 炉体
20 搬送ローラ
30 ヒータ
40 隔壁
50 加湿機構
51 貯水タンク
52 流量調整手段
53 ガス供給手段
54 気化器
56 ポンプ
57 ガス量調整手段
60 露点計
62 測定管
62c 冷却部
62d 保温部
65 吸引装置
66 流量計
69 圧力計
70 制御装置
80 湿潤ガス供給配管
82 上部噴射口
84 下部噴射口
90 酸素センサ
92 測定管
A 被処理物
L1 水供給ライン
L2 ガス供給ライン
L3 湿潤ガス供給ライン
R1 第1領域
R2 第2領域
R3 第3領域
WL 水位

Claims (11)

  1. 予め定められた搬送方向に沿って被処理物が搬送されるトンネル状の炉体と、
    前記炉体内に配置されたヒータと、
    前記炉体内を前記搬送方向に沿って複数の領域に仕切る隔壁と、
    前記複数の領域の少なくとも1つの領域に設けられた湿潤ガス供給配管と、
    前記湿潤ガス供給配管に湿潤ガスを供給する加湿機構と、
    前記炉体内のうち前記湿潤ガスが供給される領域の露点を測定する露点計と、
    制御装置と
    を備え、
    前記制御装置は、前記露点計の測定値に基づいて、前記露点計が露点を測定する領域の露点が、予め定められた目的露点範囲の範囲内になるように前記加湿機構を制御するように構成されており、
    前記露点計が露点を測定する領域に一端が接続され、前記炉体の外部に他端が延びる測定管と、
    前記炉体内のガスを前記測定管に引き込む吸引装置と
    をさらに備え、
    前記露点計は、前記測定管のうち、前記目的露点範囲の上限値よりも高温で、かつ、当該露点計の耐熱温度よりも低温である保護温度域となる領域に配置されている、連続加熱炉。
  2. 前記露点計は、前記湿潤ガス供給配管が設けられた領域の露点を測定するように構成されており、
    前記制御装置は、前記露点計の測定値に基づいて、前記湿潤ガス供給配管が設けられた領域の露点が前記目的露点範囲の範囲内になるように前記加湿機構を制御するように構成された、請求項1に記載の連続加熱炉。
  3. 前記測定管は、前記露点計が配置された位置の圧力を測定するための圧力計を有し、
    前記制御装置は、前記圧力計の測定値に基づいて前記露点計の測定値を補正するように構成された、請求項1または2に記載の連続加熱炉。
  4. 前記測定管は、
    前記炉体内から流入したガスを前記保護温度域まで冷却する冷却部と、
    前記冷却部を通過したガスを前記保護温度域に維持する保温部と
    を備えている、請求項1または2に記載の連続加熱炉。
  5. 前記露点計よりも前記炉体に近い位置にフィルタが配置されている、請求項1または2に記載の連続加熱炉。
  6. 前記加湿機構は、
    水とガスとを混合して湿潤ガスを生成する気化器と、
    前記気化器に水を供給する水供給ラインと、
    前記気化器にガスを供給するガス供給ラインと、
    前記気化器で生成した前記湿潤ガスを前記湿潤ガス供給配管に供給する湿潤ガス供給ラインと
    を備えている、請求項1または2に記載の連続加熱炉。
  7. 前記水供給ラインは、前記気化器に供給される水の流量を調整する流量調整手段を備えており、
    前記制御装置は、前記流量調整手段を制御することによって前記湿潤ガスの露点を調節する、請求項6に記載の連続加熱炉。
  8. 前記湿潤ガス供給配管は、前記炉体内における前記被処理物の上方に配置され、下方に向けて前記湿潤ガスを噴射する上部噴射口を備えている、請求項1または2に記載の連続加熱炉。
  9. 前記露点計は、前記上部噴射口と前記被処理物との間における露点を測定する、請求項8に記載の連続加熱炉。
  10. 前記湿潤ガス供給配管は、前記炉体内における前記被処理物の下方に配置され、上方に向けて前記湿潤ガスを噴射する下部噴射口を備えている、請求項1または2に記載の連続加熱炉。
  11. 被処理物が予め定められた搬送方向に沿って搬送されるトンネル状の炉体と、
    前記炉体内に配置されたヒータと、
    前記炉体内を前記搬送方向に沿って複数の領域に仕切る隔壁と、
    前記複数の領域の少なくとも1つの領域に設けられた湿潤ガス供給配管と、
    前記湿潤ガス供給配管に湿潤ガスを供給する加湿機構と、
    前記炉体内のうち前記湿潤ガスが供給される領域の露点を測定する露点計と、
    前記露点計の測定値に基づいて、前記露点計が露点を測定する領域の露点が、予め定められた目的露点範囲の範囲内になるように前記加湿機構を制御する制御装置と、
    前記炉体内のうち前記湿潤ガスが供給される領域の状態を測定するセンサと、
    前記センサの測定対象となる領域に一端が接続され、前記炉体の外部に他端が延びる測定管と、
    前記炉体内のガスを前記測定管に引き込む吸引装置と
    を備え、
    前記センサは、前記測定管のうち、前記センサの測定対象となる領域における目的露点範囲の上限値よりも高温で、かつ、当該センサの耐熱温度よりも低温である保護温度域となる領域に配置されており、
    前記センサは、酸素センサ、マルチガスアナライザーから選択される少なくとも一種である、連続加熱炉。
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