JP7317564B2 - ケーキ類用組成物及び該ケーキ類用組成物を用いたケーキ類、並びにケーキ類の日持ち向上方法 - Google Patents

ケーキ類用組成物及び該ケーキ類用組成物を用いたケーキ類、並びにケーキ類の日持ち向上方法 Download PDF

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Description

本発明は、ケーキ類用組成物に関する。より詳しくは、もちもちした食感を有するにも関わらず、日持ちするケーキ類を得るためのケーキ類用組成物及び該ケーキ類用組成物を用いたケーキ類、並びにケーキ類の日持ち向上方法に関する。
ケーキ類にもちもちした食感を付与するためには、澱粉類等を配合して生地中の水分量を多くすることが有効である。しかし、生地中の水分量が多くなると生地中の自由水が増加して水分活性が高くなるため日持ちしにくく、常温下での販売は難しくなるといった問題がある。そのため、これまでもちもち食感のケーキ類等は、販売をチルド温度帯に制限したり、制菌剤等を配合することによって日持ち向上を図る方法が取られてきた。
昨今、「pH調整剤」、「日持ち向上剤」、「保存料」といった表示は消費者に好まれない傾向があり、これらに頼らない日持ち向上方法が求められてきた。添加剤等に頼らずにケーキ類の日持ちを向上させる方法としては、ケーキ類中の水分活性を低下させる方法がある。具体的には、塩類・糖類・糖アルコール等を添加してケーキ類中の水分活性を低下させる方法や、ケーキ類の焼成時間を長くすることで水分活性を低下させる方法が一般に知られている。
また、例えば、特許文献1には、砂糖、卵、小麦粉、油脂、乳製品等の基本配合原料の他にゼラチンを配合して、ホイップして焼成することで、水分活性値を低下させてもしっとり感を有するスポンジ菓子を得ることができる技術が開示されている。
また、特許文献2には、砂糖、卵製品、小麦粉、油脂、乳製品等に動物、植物、微生物発酵由来の水溶性糊料及び/又はグルテンと澱粉糖類とを添加、混合し、焼成することにより、水分活性を低下せしめたスポンジ菓子、クレープ皮等の焼成菓子を得る技術が開示されている。
特開平4-311340号公報 特開昭61-187740号公報
前述の通り、ケーキ類にもちもちした食感を付与するためには、澱粉類等を配合して生地中の水分量を多くすることが有効であるが、生地中の水分活性が高くなると、日持ちしにくくなるといった問題があった。これに対して、ケーキ類中の水分活性を低下させる一般的な方法として、塩類・糖類・糖アルコール等を添加する方法があるが、これらを添加することで、ケーキ類の外観・食感・呈味が損なわれるといった問題がある。
また、ケーキ類中の水分活性を低下させる一般的な方法として、ケーキ類の焼成時間を長くする方法があるが、呈味や着色(焦げ色)の観点から、焼成時間延長には実質的に制限があった。
そこで、本技術では、もちもちした食感を有するにも関わらず、日持ちするケーキ類を得るための技術を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、ケーキ類のもちもちした食感と日持ちとを両立させる技術について鋭意研究を行った結果、特定の穀粉と特定の加工澱粉を、特定量含有する穀粉を用いることにより、ケーキ類のもちもち感を保ちつつ、日持ちを向上させることに成功し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本技術では、まず、穀粉100質量部中に、
(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉から選択される1種以上の穀粉を10質量部以上、
(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を10~60質量部、
含有する、ケーキ類用組成物を提供する。
本技術では、次に、本技術に係るケーキ類用組成物を用いたケーキ類を提供する。
本技術に係るケーキ類の水分活性は、0.90未満とすることができる。
本技術では、更に、ケーキ類に下記の穀粉を用いることにより日持ちを向上させる、ケーキ類の日持ち向上方法を提供する。
(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉から選択される1種以上の穀粉を10質量部以上、
(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を10~60質量部、
含有する穀粉。
ここで、本技術に係る技術用語の定義付けを行う。
本技術において、「ケーキ類」とは、バッター状の生地を加熱調理してなる菓子をいう。例えば、スポンジケーキ、パウンドケーキ、ホットケーキ、パンケーキ、クレープ、ワッフル等が挙げられる。
本技術によれば、もちもちした食感を有するにも関わらず、日持ちするケーキ類を得ることができる。
RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法によって、加工澱粉を糊化させた後、糊液を冷却した際の粘度曲線の例を示す図面代用グラフである。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<ケーキ類用組成物>
本技術は、穀粉100質量部中に、(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉から選択される1種以上の穀粉を10質量%以上含む、もちもちとした食感のケーキ類用組成物であって、(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を、特定量で用いることで、日持ちを向上させる技術である。
本技術において、「穀粉」とは、小麦粉、デュラム小麦粉、ライ麦粉、大麦粉、米粉、大豆粉、オーツ粉、そば粉、ヒエ粉、アワ粉、トウモロコシ粉等の穀粉類(加熱処理したものを含む);澱粉類(加工澱粉類を含む)を含む概念である。即ち、本技術における「穀粉」は、(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉から選択される1種以上の穀粉、及び、(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を包含し、更に、ケーキ類に一般的に用いることができる穀粉類及び澱粉類を包含する。
(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉は、もちもちとした食感のケーキ類の生地に用いることで、生地中の水分量を多くすることができ、その結果、ケーキ類のもちもち感を向上させることができる。しかしながら、その一方で、生地中の水分量が多くなると生地中の自由水が増加して水分活性が高くなるため日持ちがしにくくなる。
一方、(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉は、水分の吸収性が低いため、ケーキ類の生地中においては、前記(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、及びもち種穀粉とは逆に、生地中の水分量を低下させ、その結果、ケーキ類にもちもち感を付与できないばかりか、粉っぽい食感になる。
本技術では、一見すると相反する機能を有する(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉から選択される1種以上の穀粉と、(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を、絶妙なバランスで配合することにより、意外にも、ケーキ類のもちもちした食感を損なわずに、水分活性を低下させることに成功し、その結果、もちもちした食感を有するにも関わらず、日持ちするケーキ類を得ることができた。以下、各成分について詳細に説明する。
(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉
まず、本技術に係るケーキ類用組成物は、穀粉100質量部中に、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉から選択される1種以上の穀粉(後述する(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を除く)を10質量部以上、好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上、含有する。
[エーテル化澱粉]
エーテル化澱粉は、澱粉分子間のいくつかの水酸基が官能基でエーテル化されている加工澱粉である。馬鈴薯、餅種の馬鈴薯、甘藷、タピオカ、トウモロコシ、餅種のトウモロコシ、アミロース含有量の高いトウモロコシ、サゴ、小麦、ワキシー小麦、米、もち米、豆などを原料とした天然澱粉または前記原料を漂白処理した澱粉に対してエーテル化剤を用いて常法によりエーテル基を導入したものを単独または複数混合して使用することができる。本発明のエーテル化澱粉としては、例えば、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉等が挙げられる。また、本発明のエーテル化澱粉は、粉末状、糊状など任意の状態で用いることができる。
[エステル化澱粉]
エステル化澱粉は、澱粉分子間のいくつかの水酸基が官能基でアセチル化されている加工澱粉である。馬鈴薯、餅種の馬鈴薯、甘藷、タピオカ、トウモロコシ、餅種のトウモロコシ、アミロース含有量の高いトウモロコシ、サゴ、小麦、ワキシー小麦、米、もち米、豆などを原料とした天然澱粉または前記原料を漂白処理した澱粉に対してアセチル化剤を用いて常法によりアセチル基を導入したものを単独または複数混合して使用することができる。本発明のエステル化澱粉としては、例えば、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉等が挙げられる。また、本発明のエステル化澱粉は、粉末状、糊状など任意の状態で用いることができる。
[α化澱粉]
α化澱粉とは、水分とともに加熱することにより糊化した澱粉を、乾燥した澱粉である。馬鈴薯、餅種(以下、糯種またはワキシーともいう)の馬鈴薯、甘藷、タピオカ、トウモロコシ、餅種のトウモロコシ、アミロース含有量の高いトウモロコシ、サゴ、小麦、ワキシー小麦、米、もち米、豆などを原料とした天然澱粉または前記原料を漂白処理した澱粉を常法によってα化したものを単独または複数混合して使用することができる。
[もち種澱粉・もち種穀粉]
一般に、穀粉の給源となる穀類は、もち種とうるち種とに大別でき、植物学上同種に分類される穀類(例えば大麦)由来の穀粉において、もち種穀粉は、うるち種穀粉に比べてアミロペクチンの含有量が多い。具体的には、例えば、もち種大麦粉におけるアミロペクチンの含有量は、通常90質量%以上、より具体的には95~100質量%程度であるのに対し、うるち種大麦粉におけるアミロペクチンの含有量は、通常75質量%以下、より具体的には70~75質量%程度である。また、例えば、もち種米粉におけるアミロペクチンの含有量は、通常100質量%であるのに対し、うるち種米粉におけるアミロペクチンの含有量は、通常85質量%以下、より具体的には73~83質量%程度である。
本技術で用いることができるもち種穀粉の植物学上の種類は特に制限されず、例えば、もち種の馬鈴薯、もち種のトウモロコシ、ワキシー小麦、もち米等が挙げられ、本発明ではこれらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明で用いるもち種穀粉は、加熱処理、湿熱処理等の加工処理が施されていても良い。
本技術で用いることができるもち種澱粉は、前述したもち種穀粉を原料とした天然澱粉または前記原料を漂白処理した澱粉であり、アミロペクチンから構成された澱粉である。
以上説明したエーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、及びもち種澱粉は、架橋処理や酸化(漂白)処理をしたものであってもよいが、架橋処理や酸化(漂白)処理の度合い(程度)を強くすると、吸水性が低下するため、架橋処理や酸化(漂白)処理を行う場合は、後述するRVA分析法における昇温開始から降温開始前までの最高粘度を目安に、架橋や酸化(漂白)の度合い(程度)を調整することが好ましい。具体的には、RVA分析法における昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下とならないように、架橋や酸化(漂白)の度合い(程度)を調整することが好ましい。
(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉
本技術に係るケーキ類用組成物は、また、穀粉100質量部中に、RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を10~60質量部、好ましくは10~50質量部、さらに好ましくは10~40質量部、含有する。
前記の最高粘度とは、RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法によって、加工澱粉を糊化させた後、糊液を冷却した際の粘度曲線において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度である。図1のグラフに、前記粘度曲線の一例を示す。例1~3に示す例において、前記の最高粘度を矢印で示す。なお、例1~3に示す例においては、例3に示す例が、RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉に該当する。
前記の最高粘度は、例えば、以下の方法で測定することができ、本技術では、以下の方法で測定した値を用いた。
[RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法]
RVA最高粘度の測定方法は以下のとおりである。測定装置として、株式会社エヌピー社製のPerten RVA-4500 Model4500(TCW 3シリーズ)を用いる。まず、測定装置専用のアルミ缶に、測定対象のサンプル試料1.5g、蒸留水又はイオン交換水28.5mL、及びパドル(撹拌子)を入れ、パドルを上下させてよくかき混ぜ、5質量%の懸濁液を調製する。そして、当該懸濁液(25℃)を測定装置にセットし、アルミ缶内のパドルを回転数160rpmで回転させながら、当該アルミ缶を加熱して懸濁液の温度を上昇させつつ、連続的に懸濁液の粘度を測定する。なお、測定装置の設定温度条件は、まずアルミ缶内容物の品温を50℃で1分間保持した後、7.5℃/分の速度で6分間、95℃まで昇温させる。95℃で3分間保持した後、約10.8℃/分の速度で6分間、30℃まで降温させ30℃、で4分間保持する条件とする。そして、アルミ缶加熱処理中の内容物の粘度曲線を得て、当該粘度曲線における、降温開始前までの最高粘度を、当該サンプル試料のRVA最高粘度とする。
RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉としては、例えば、難消化性澱粉(化学処理により難消化性としたもの)、酸化澱粉等が挙げられる。
(3)その他
本技術に係るケーキ類用組成物は、前述した(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉から選択される1種以上の穀粉、及び、(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉の他に、従来からケーキ類用組成物に用いられている材料や食品添加物を1種又は2種以上、自由に組み合わせて用いることができる。例えば、小麦粉、デュラム小麦粉、ライ麦粉、大麦粉、大豆粉、オーツ粉、そば粉、ヒエ粉、アワ粉、トウモロコシ粉、米粉等の穀粉類(加熱処理したものを含む/(1)のもち種穀粉を除く);澱粉類(加工澱粉類を含む/(1)又は(2)に該当する澱粉類を除く);大豆蛋白質、小麦グルテン、卵粉末、脱脂粉乳等の蛋白素材;植物性油脂、動物性油脂、加工油脂、粉末油脂等の油脂類;食物繊維;澱粉分解物、デキストリン、ぶどう糖、ショ糖、オリゴ糖、マルトース等の糖質類;食塩、炭酸カルシウム等の無機塩類;膨張剤、増粘剤、乳化剤、酵素製剤、pH調整剤、甘味料、香辛料、調味料、色素、香料等を適宜含有させることができる。
本技術に係るケーキ類用組成物は、少なくとも前述した(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉から選択される1種以上の穀粉、及び、(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉と、前記材料や食品添加物とを混合して得られるケーキ類用のミックスとして流通させる形態を採用することができる。
<ケーキ類>
本技術に係るケーキ類は、前述したケーキ類用組成物を用いることを特徴とする。本技術に係るケーキ類は、前述したケーキ類用組成物を用いているため、もちもちした食感を有するにも関わらず、従来のもちもちした食感のケーキ類に比べて日持ちすることを特徴とする。
本技術に係るケーキ類は、その水分活性は0.90未満である。市販の菓子類の水分活性を調査した結果、水分活性が0.9を超えると、賞味期間が3日以下というように短いか、チルド温度帯での販売に限られることが多かった。一方、水分活性が0.90未満では、常温で4日以上の賞味期間での販売が可能であることが分かった。アルコール蒸散剤や、脱酸素剤等を封入することで、さらに長い賞味期間が設定されている菓子類も見られた。このことから、菓子類の水分活性は、賞味期間や販売温度帯を決める目安となる一つの指標として有用であり、例えば常温で、1週間以上の賞味期間の菓子類を販売するには、少なくとも水分活性を0.90未満とする必要があると解された。そして、水分活性が0.90未満であれば、賞味期間を比較的長く設定できる可能性が高い。従って、本技術に係るケーキ類は、もちもちした食感を有するにも関わらず、従来のもちもちした食感のケーキ類よりも日持ちがよく、常温販売できる可能性が高いといえる。
<ケーキ類の日持ち向上方法>
本技術に係るケーキ類の日持ち向上方法は、穀粉100質量部中に、
(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉から選択される1種以上の穀粉を10質量部以上、
(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を10~60質量部、
含有する穀粉を用いることを特徴とする。
本技術に係るケーキ類の日持ち向上方法を用いて、ケーキ類を製造することで、ケーキ類にもちもちした食感を付与しつつ、ケーキ類の水分活性を、0.90未満とすることができる。その結果、ケーキ類にもちもち感を付与しつつ、日持ちを向上させることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<実験例1>
実験例1では、用いる穀粉や澱粉の違いによる、食感及び水分活性への影響を調べた。
なお、水分活性については、意図的に加水量を調整することを排除すべく、全ての実施例及び比較例の生地の状態が同等となるようにした。具体的には、生地100gを20cmの高さから一点に落とし、30秒間静置した時に、生地の直径(=(長径+短径)/2)が、16.5cm±5%の範囲に広がるように、加水量を調整した。
(1)ケーキ類の製造
下記表1に示す材料を用いて、ケーキ類を製造した。具体的には、まずAをミキサーボウルに入れ、ホイッパーを用いて均一になるまで混合した。次いで、穀粉とBを加え、均一になるまで混合した。さらにCを加えて起泡させながら混合し、最終比重が0.53±0.02となるように、生地を調製した。生地温度は22℃程度になるように調製した。作製した生地800gを、紙を敷き込んだ6取天板(490×340mm、高さ40mm程度)に流し込んだ。上火220℃、下火170℃のオーブンで11分焼成してケーキを得た。
(2)評価
製造した各ケーキ類について、下記の測定方法を用いて水分活性を測定した。また、各ケーキ類のもちもちした食感について、下記の評価基準に基づいて、評価を行った。食感については、訓練を受けた専門のパネル5名で合議の上、評点を決定した。
[水分活性]
20℃にて1日間保管したケーキ類について、水分活性測定装置アクアラブ(AQUALAB(登録商標)series3TE アイネクス株式会社製)を使用して、25℃で測定した。1試験区につき2点計測し、2点の平均値を測定結果とした。
[食感(もちもち感)]
5 もちもち感がかなり強く、粉っぽさを全く感じない
4 もちもち感が強く、粉っぽさを感じない
3 もちもち感がやや強く、粉っぽさを感じない
2 もちもち感がやや弱く、やや粉っぽい
1 もちもち感が弱く、粉っぽい
(3)結果
水分活性及び食感についての評価結果を下記表1及び表2に示す。
(4)考察
表1に示す通り、穀粉100質量部中に、(1)エーテル化澱粉、エステル化澱粉、α化澱粉、もち種澱粉、もち種穀粉から選択される1種以上の穀粉を10質量部以上、及び、(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を10~60質量部、含有する穀粉を用いて製造した実施例1~4のケーキ類は、水分活性が0.90未満であり、良好なもちもちした食感を有していた。
一方、表2に示す通り、0.90未満穀粉100質量部中に、(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を含有しない比較例1や、10質量部未満しか含有しない比較例2のケーキ類は、良好なもちもちとした食感を有していたが、水分活性が0.9を超えていた。更に、穀粉100質量部中に、(2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を60質量部を超えて含有する比較例3のケーキ類は、水分活性は0.90未満であったが、もちもちとした食感がなく、粉っぽい食感であった。

Claims (5)

  1. 穀粉100質量部中に、
    (1)タピオカを原料としたα化澱粉と、タピオカを原料としたエーテル化澱粉、タピオカを原料としたエステル化澱粉、もち種澱粉、及びもち種穀粉から選択される1種以上の穀粉と、合計で10質量部以上、
    (2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を10~60質量部、
    含有する、ケーキ類用組成物。
  2. 請求項1に記載のケーキ類用組成物が用いられた、ケーキ類。
  3. 水分活性が0.90未満である、請求項2記載のケーキ類。
  4. ケーキ類に下記の穀粉を用いることにより日持ちを向上させる、ケーキ類の日持ち向上方法。
    穀粉100質量部中に、
    (1)タピオカを原料としたα化澱粉と、タピオカを原料としたエーテル化澱粉、タピオカを原料としたエステル化澱粉、もち種澱粉、及びもち種穀粉から選択される1種以上の穀粉と、合計で10質量部以上、
    (2)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が30cp以下の加工澱粉を10~60質量部、
    含有する穀粉。
  5. ケーキ類の水分活性を0.90未満とする、請求項4記載のケーキ類の日持ち向上方法。
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