JP7316561B2 - カード用コネクタ - Google Patents
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Description
特許文献1では、メタルシェルと絶縁ハウジングとの間に、カード受入空洞(挿入凹部)が形成されている。カード受入空洞に挿入されたカードと一体となってカード挿入方向及びカード抜脱方向にスライドされるスライド部材が、イジェクトスプリングによってカード抜脱方向に付勢されている。スライド部材及びイジェクトスプリング等により、カード排出機構が構成されている。
また、前記スライド部材に対する前記スライドロックばねのロックが解除されて、前記イジェクトスプリングに付勢されたカードが受入空洞から排出されるときに、メタルシェルに設けられた飛び出し防止ばねが、カードに形成された凹部に係合することにより、カードの飛び出しが防止される。
本発明の目的は、部品点数を削減して製造コストを安くすることができるカード用コネクタを提供することである。
また、請求項1に記載の発明では、前記ハウジング本体が、前記挿入完了位置で前記カードの挿入側端部(4c)が突き当てられる突き当て部(U)を前記挿入凹部に面して含む。前記ロックアームとして、前記カードの前記被ロック面としての一対の外側面に設けられた一対の被挟持凹部(4m,4m)を弾性的に挟持する一対のロックアーム(20,20;20P,20P)が設けられる。前記一対のロックアームのそれぞれが、前記ハウジング本体に接続される基端部(20a;20Pa)と、先端部(20b;20Pb)と、前記挿入凹部に挿入される前記カードの対応する外側面に対向する対向部(20c;20Pc)と、を含み、前記基端部を支点として弾性的に撓み変形可能である。前記一対のロックアームの前記対向部が、前記挿入完了位置にある前記カードの前記一対の外側面の前記一対の被挟持凹部を挟持する一対の挟持部(21;21P)と、前記一対の挟持部よりもカード抜脱方向(X2)側に配置され前記カードの挿入を案内する一対の案内部(22;22P)としての一対の案内面と、を含む。前記挿入凹部に対して前記カードが斜め挿入されるときに、一方のロックアームが一方の被挟持凹部に係合し且つ他方のロックアームが他方の被挟持凹部に非係合の状態で、前記一方のロックアームは、当該一方のロックアームの前記案内面が前記一方の被挟持凹部に対して面接触するように、撓み変形可能に構成されている。
請求項3に記載の発明のように、請求項1又は2において、前記一対の挟持部が、挿入完了位置にある前記カードの前記一対の外側面の被挟持凹部を挟持するように構成され、前記一対のロックアームのそれぞれが、前記挟持部よりもカード挿入方向側に配置された被駆動部(23;23P)であって、前記挿入凹部から前記カードが抜脱されるときに、前記カードの外側面において被挟持凹部よりも前記挿入側端部に配置される駆動凸部(4p)によって駆動されることにより、前記挟持部と前記被挟持凹部との係合を解除させる被駆動部を含んでいてもよい。
請求項5に記載の発明のように、請求項1~4の何れか一項において、前記挿入凹部に対して前記カードが挿入されるときに、前記ロックアームと前記カードの前記被ロック面との摩擦抵抗による第1挿入抵抗のピーク値が、前記端子部と前記コンタクトの前記接触部との摩擦抵抗による第2挿入抵抗のピーク値よりも大きくされていてもよい。
また、カードの挿入時に、カードの外側面が、基端部を支点として弾性的に撓まされる一対のロックアームの案内部によって案内され、次いで、カードが挿入完了位置に達する状態で、カードの外側面が、一対のロックアームの挟持部によって挟持される。このため、挿入完了状態のカードを安定して保持することができる。
請求項3に記載の発明では、挿入されるカードに対して、一対のロックアームの挟持部が、カードの一対の外側面の駆動凸部を乗り越えて一対の被挟持凹部を挟持する状態となる。このため、カードの挿入完了時にクリック感を得ることができ、ユーザの操作感に優れる。また、カードを抜脱するときは、カードの駆動凸部がロックアームの被駆動部を駆動することで、ロックアームの挟持部とカードの被挟持凹部との係合が解除されるため、カードの抜脱が容易である。
請求項5に記載の発明では、カードの挿入時において、ロックアームとカードの被ロック面との摩擦抵抗による第1挿入抵抗のピーク値が、カードの端子部とコンタクトの接触部との摩擦抵抗による第2挿入抵抗のピーク値よりも大きくなるようにされる。このため、カードの挿入時の慣性によって、カードの挿入側端部が挿入凹部に面する突き当て部に突き当てられる。したがって、カードが挿入完了位置まで確実に挿入されて、ロックアームによるロックが達成される、いわゆる慣性ロックを実現することができる。このため、特許文献1のようなカード排出機構や飛び出し防止ばねが不要であり、この点からも製造コストを安くすることができる。
(第1実施形態)
図1Aは、本発明の第1実施形態に係るカード用コネクタと挿入前のカードの概略斜視図である。図1Bは、カード用コネクタと挿入完了状態のカードの概略斜視図である。
図1A及び図1Bに示すように、カード用コネクタ1は、例えば基板2(図4Bを参照)に実装されるリセプタクル型コネクタである。カード用コネクタ1に対してカード挿入方向X1に挿入されるカード3は、例えばフラッシュメモリを用いるメモリーカードである。
図2Aは、カード3の平面図である。図2Bは、カード3の前面図である。図2Cは、カード3の一部破断底面図である。図2A~図2Cを参照して、カード3は、樹脂製の支持体としてのカードケース4と、カードケース4内に収容され、電子部品(図示せず)が実装された回路基板5とを備える。
次いで、カード用コネクタ1を説明する。
図3Aは、斜め上方から見たカード用コネクタ1の斜視図である。図3Bは、斜め下方から見たカード用コネクタ1の斜視図である。図4Aは、カード用コネクタ1の平面図である。図4Bは、カード用コネクタ1の前面図である。図4Cは、カード用コネクタ1の後面図である。
図5は、カード用コネクタ1のハウジング30の一部破断斜視図である。図6は、カード用コネクタ1のハウジング30の断面図である。
ハウジング本体10は、天壁部11と、底壁部12と、一対の側壁部13と、後壁部14と、挿入凸部としての内部壁部15と、一対の保持壁16とを含む。天壁部11と、底壁部12と、一対の側壁部13と、後壁部14とによって、前方に開放する挿入凹部Sが区画形成されている。後壁部14の内面14aが、挿入完了位置のカード3の挿入側端部である前面4cが突き当てられる突き当て部Uを構成している。突き当て部Uは、挿入凹部Sに面している。
図3A及び図3Bに示すように、各保持壁16には、補強タブ50が圧入される圧入溝16aが形成されている。各補強タブ50の先端部は、基板2の挿通孔に挿通され、基板2の裏面2bの導体部に半田付けにより固定される(図4Bを参照)。
コンタクト40は、金属材料製であり、カード3の端子部5bと同数設けられている。図7は、コンタクト収容溝18に沿って切断されたカード用コネクタ1の概略断面図である。図7に示すように、コンタクト40は、ハウジング本体10によって支持されている。コンタクト40は、固定部41と、接触部42を含む弾性アーム部43と、リード部44とを備える。
リード部44は、固定部41からカード挿入方向X1に延び、後壁部14から後方へ突出している。リード部44は、基板2の表面2aの導体部に対して半田付けにより固定される。
次いで、ロックアーム20を説明する。
具体的には、図6に示すように、ロックアーム20は、ハウジング本体10と一体成形されている。具体的には、ハウジング本体10の各側壁部13の内側面13aには、挿入凹部Sに連通するロックアーム収容溝19が、形成されている。ロックアーム収容溝19は、カード挿入方向X1に延びている。
ロックアーム20は、基端部20aから先端部20bに向けて、カード挿入方向X1に対して傾斜状に形成された片持ち状のアームである。ロックアーム20は、基端部20aを支点部として、弾性的に揺動変位(撓み変位)される。
一対のロックアーム20の対向部20cは、挿入凹部Sに臨む位置に配置されている。各対向部20cは、基端部20aから先端部20bまで延びている。一対のロックアーム20の対向部20cは、一対の挟持部としての挟持面21と、一対の案内部22と、一対の被駆動部23とを含む。
図8Aは、カード挿入前のカード用コネクタ1の概略断面図である。図8Bは、カード挿入初期のカード用コネクタ1の概略断面図である。図8Cは、カード挿入完了状態のカード用コネクタ1の概略断面図である。
図8A,図8Bに示すように、カード3をカードケース4の挿入側端部(前面4c)側からカード用コネクタ1の挿入凹部Sに挿入する。
図8Bに示される挿入初期の状態からカード3をさらに挿入すると、一対のロックアーム20の案内部22に摺接するカード3の一対の駆動凸部4pによって、一対のロックアーム20が、一旦、最も大きく撓まされた後、図8Cに示される挿入完了位置で、一対の駆動凸部4pと一対のロックアーム20との係合が解除され、一対のロックアーム20の挟持面21が、カード3の一対の外側面4eの被挟持凹部4mと係合する。
なお、ロックアーム20の一対の挟持面21が、一対の駆動凸部4pを挟持する状態のときに、前記第1挿入抵抗のピーク値が発生する。
また、挿入されるカード3に対して、一対のロックアーム20の挟持面21が、カードの一対の外側面4eの駆動凸部4pを乗り越えて一対の被挟持凹部4mを弾性的に挟持する状態となる。このため、カード3の挿入時にクリック感(締結感)を得ることができ、ユーザの操作感に優れる。また、カード3をカード抜脱方向X2へ抜脱するときは、カード3の駆動凸部4pがロックアーム20の先端部20bの被駆動部23を駆動することにより、ロックアーム20の挟持面21とカード3の被挟持凹部4mとの係合が解除されるため、カード3の抜脱が容易である。
また、ロックアーム20の形状の変更により、挿入凹部Sに対するカード3の挿抜力を容易に調整することができる。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係るカード用コネクタ1のハウジング30Pの断面図である。
各ロックアーム20Pは、基端部20Paと、先端部20Pbと、挿入凹部Sに臨む対向部20Pcとを含む。先端部20Pbは、挿入凹部Sの入口に配置されており、ハウジング本体10のロックアーム収容溝19の底に接続されている。基端部20Paは、先端部20Pbに対してカード挿入方向X1側に配置されている。ロックアーム20は、基端部20Paを支点部として、弾性的に揺動変位(撓み変位)される。
第2実施形態においても、部品点数を削減して製造コストを安くすることができる等、第1実施形態と同じ効果を奏することができる。また、ロックアーム20Pの延びる方向を第1実施形態のロックアーム20の延びる方向とは逆向きにすることにより、設計の自由度を増大することができる。
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態に係るカード用コネクタ1Qの斜め上方からの斜視図である。図12は、ロックアーム20Qの周辺の構造の概略断面図である。
案内部22Qは、カード3の挿入を案内する。弾性押圧部21Qは、案内部22Qよりもカード挿入方向X1側に配置され、挿入完了位置にあるカード3の被ロック面としての上面4aに弾性的に押圧係合する。被駆動部23Qは、抜脱時のカード3の駆動凸部4pによって駆動される。
(第4実施形態)
図13は、本発明の第4実施形態に係るカード用コネクタ1Rの斜め下方からの斜視図である。図14は、ロックアーム20Qの周辺の構造の概略断面図である。
案内部22Rは、カード3の挿入を案内する。弾性押圧部21Rは、案内部22Rよりもカード挿入方向X1側に配置され、挿入完了位置にあるカード3の被ロック面としての下面4bに弾性的に押圧係合する。被駆動部23Rは、抜脱時のカード3の駆動凸部4pによって駆動される。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、第1及び第2実施形態において、カード3のカードケース4の被ロック面としての外側面4eにおいて、被挟持凹部4mを設けないで、外側面4eを平坦面で形成してもよい。
また、図示していないが、図3Aの第1実施形態、図10の第2実施形態及び図11の第3実施形態において、底壁部12の構成が無い状態で、挿入凹部Sの一部が基板2の表面2aによって区画されてもよい。
3 カード
4 カードケース(支持体)
4c 前面(挿入側端部)
4e 外側面(被ロック面)
4f 挿入空間
4m 被挟持凹部
4p 駆動凸部
5 回路基板
5b 端子部
10;10P;10Q;10R ハウジング本体
14 後壁部
14a 内面(突き当て部)
15 内部壁部(挿入凸部)
17 コンタクト固定孔
18 コンタクト収容溝
19 ロックアーム収容溝
20;20P;20Q;20R ロックアーム
20a:20Pa;20Qa;20Ra 基端部
20b;20Pb;20Qb;20Rb 先端部
20c;20Pc;20Rc 対向部
21;21P 挟持面(挟持部)
21Q 弾性押圧部
22;22P;22Q 案内部
23;23P;23Q 被駆動部
30;30P;30Q;30R ハウジング
40 コンタクト
42 接触部
43 弾性アーム部
44 リード部
60 窓部
70 窓部
S 挿入凹部
U 突き当て部
X1 カード挿入方向
X2 カード抜脱方向
Claims (5)
- 絶縁性の支持体と前記支持体によって支持された端子部とを含むカードが連結されるカード用コネクタであって、
前記カードがカード挿入方向に挿入される挿入凹部が形成されたハウジング本体と、
前記ハウジング本体から延設され、前記挿入凹部に挿入される前記カードの被ロック面に弾性的に直接係合することにより前記カードを前記挿入凹部に対する挿入完了位置に保持する片持ち状のロックアームと、
を含む樹脂製のハウジングと、
前記ハウジング本体に支持され前記挿入凹部内で前記カードの前記端子部と弾性接触する接触部を含むコンタクトと、を備え、
前記ハウジング本体が、前記挿入完了位置で前記カードの挿入側端部が突き当てられる突き当て部を前記挿入凹部に面して含み、
前記ロックアームとして、前記カードの前記被ロック面としての一対の外側面に設けられた一対の被挟持凹部を弾性的に挟持する一対のロックアームが設けられ、
前記一対のロックアームのそれぞれが、前記ハウジング本体に接続される基端部と、先端部と、前記挿入凹部に挿入される前記カードの対応する外側面に対向する対向部と、を含み、前記基端部を支点として弾性的に撓み変形可能であり、
前記一対のロックアームの前記対向部が、前記挿入完了位置にある前記カードの前記一対の外側面の前記一対の被挟持凹部を挟持する一対の挟持部と、前記一対の挟持部よりもカード抜脱方向側に配置され前記カードの挿入を案内する一対の案内部としての一対の案内面と、を含み、
前記挿入凹部に対して前記カードが斜め挿入されるときに、一方のロックアームが一方の被挟持凹部に係合し且つ他方のロックアームが他方の被挟持凹部に非係合の状態で、前記一方のロックアームは、当該一方のロックアームの前記案内面が前記一方の被挟持凹部に対して面接触するように、撓み変形可能に構成されている、カード用コネクタ。 - 請求項1に記載のカード用コネクタにおいて、
前記一対の挟持部が、挟持状態で前記カード挿入方向と平行な挟持面を含む、カード用コネクタ。 - 請求項1又は2に記載のカード用コネクタにおいて、
前記一対の挟持部が、挿入完了位置にある前記カードの前記一対の外側面の被挟持凹部を挟持するように構成され、
前記一対のロックアームのそれぞれが、前記挟持部よりもカード挿入方向側に配置された被駆動部であって、前記挿入凹部から前記カードが抜脱されるときに、前記カードの外側面において被挟持凹部よりも前記挿入側端部に配置される駆動凸部によって駆動されることにより、前記挟持部と前記被挟持凹部との係合を解除させる被駆動部を含む、カード用コネクタ。 - 請求項1~3の何れか一項に記載のカード用コネクタにおいて、
前記ハウジングが、前記カードに設けられる挿入空間に挿入される挿入凸部であって、前記挿入凹部内に配置されて前記コンタクトを保持する挿入凸部を含む、カード用コネクタ。 - 請求項1~4の何れか一項に記載のカード用コネクタにおいて、
前記挿入凹部に対して前記カードが挿入されるときに、前記ロックアームと前記カードの前記被ロック面との摩擦抵抗による第1挿入抵抗のピーク値が、前記端子部と前記コンタクトの前記接触部との摩擦抵抗による第2挿入抵抗のピーク値よりも大きくされている、カード用コネクタ。
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