JP7316097B2 - オブジェクト軌跡生成装置及びそのプログラム - Google Patents
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射影変換部は、追跡部によって追跡されたオブジェクトの位置群を射影変換する。
位置補正部は、オブジェクトの位置群の補正結果を予め機械学習した識別器により、射影変換部が算出したオブジェクトの位置群を補正する。この識別器は、人手によるオブジェクトの軌跡の補正結果を学習したものである。
軌跡生成部は、位置補正部が補正したオブジェクトの位置群に基づいて、オブジェクトの軌跡を生成する。
射影変換部は、固定カメラ映像に含まれるオブジェクトの位置群を、固定カメラの撮影空間を上から見た変換用座標系に射影変換し、変換用座標系に変換されたオブジェクトの位置群を、固定カメラ映像と異なる視点の座標系に射影変換する。
位置補正部は、固定カメラの座標系及び変換用座標系において、オブジェクトの各位置と、オブジェクトの各位置からオブジェクトの位置群の平滑化曲線までの距離と、オブジェクトの軌跡全長に対するオブジェクトの軌跡先頭から各位置までの長さの割合とが含まれる誤差特徴量を算出する誤差特徴量算出部と、オブジェクトの位置が補正されたときの誤差特徴量を正例、及び、オブジェクトの位置が補正されなかったときの誤差特徴量を負例として予め機械学習した識別器により、射影変換部が算出したオブジェクトの位置群を平滑化曲線上に補正する補正部と、を備える。
このように、オブジェクト軌跡生成装置は、人手によるオブジェクトの軌跡の補正結果を学習した識別器を用いるので、その補正結果がオブジェクトの軌跡に反映されることになる。
本発明の実施形態について、オブジェクトとしてのカーリングのストーンの追跡に適用した場合を例にとり、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図3を参照し、実施形態に係るオブジェクト軌跡生成システム1の全体構成について説明する。
図3に示すように、オブジェクト軌跡生成システム1は、カーリングにおける長さLA約45[m]、幅WA約5[m]のカーリングシート2の撮影結果に、移動するオブジェクト4としてのストーンの軌跡を表示する。カーリングシート2の長さ方向両端部には、それぞれハウス3A,3Bが設けられている。オブジェクト4は、奇数エンドにおいてハウス3B側からハウス3Aへ向けて投じられ、偶数エンドにおいてハウス3A側からハウス3Bへ向けて投じられる。オブジェクト軌跡生成システム1は、固定カメラ10(10A~10C)と、スイッチャ20と、操作部30と、表示部40と、オブジェクト軌跡生成装置50と、インサータ60と、を備える。
第一の固定カメラ10Aは、カーリングシート2の長さ方向一端部に設けられたハウス3Aに向けて投じられたオブジェクト4を撮影するためのものであって、カーリングシート2をハウス3A側から撮影する。第一の固定カメラ10Aの撮影結果は、スイッチャ20へ出力される。ここで、図4(a)及び(b)に示すように、第一の固定カメラ10Aの撮影結果において、オブジェクト4は、画面の奥側(ハウス3B側)から手前側(ハウス3A側)に向かって移動する。
第二の固定カメラ10Bは、カーリングシート2の長さ方向他端部に設けられたハウス3Bに向けて投じられたオブジェクト4を撮影するものであって、カーリングシート2をハウス3B側から撮影する。第二の固定カメラ10Bの撮影結果は、スイッチャ20へ出力される。
第三の固定カメラ10Cは、第一の固定カメラ10Aと同様、ハウス3Aに向けて投じられたオブジェクト4を撮影するものであって、カーリングシート2をハウス3A側から撮影する。第三の固定カメラ10Cの撮影結果は、スイッチャ20へ出力される。すなわち、第一の固定カメラ10A及び第三の固定カメラ10Cは、カーリングシート2を同一方向から異なる画角で撮影する。例えば、第三の固定カメラ10Cは、第一の固定カメラ10Aで撮影したカーリングシート2に隣接するカーリングシート2を撮影する。また、第三の固定カメラ10Cは、第一の固定カメラ10Aで撮影したカーリングシート2を、異なる時間に異なる画角で撮影してもよい。
スイッチャ20は、固定カメラ10の撮影結果を取得し、ユーザによる操作結果に基づいて、取得した撮影結果をオブジェクト軌跡生成装置50及びインサータ60へ出力する。奇数エンドでは、スイッチャ20は、固定カメラ10の撮影結果のうち、第一の固定カメラ10Aの撮影結果をオブジェクト軌跡生成装置50及びインサータ60へ出力する。偶数エンドでは、スイッチャ20は、固定カメラ10の撮影結果のうち、第二の固定カメラ10Bの撮影結果をオブジェクト軌跡生成装置50及びインサータ60へ出力する。
操作部30は、キーボード、マウス等によって構成されており、ユーザによる当該操作部30の操作結果をオブジェクト軌跡生成装置50へ出力する。
表示部40は、モニタ等によって構成されており、オブジェクト軌跡生成装置50から入力された画像を表示する。
オブジェクト軌跡生成装置50は、固定カメラ映像に含まれるオブジェクト4の軌跡Tを生成し、生成したオブジェクト4の軌跡Tをインサータ60に出力する。なお、オブジェクト軌跡生成装置50の詳細は後記する。なお、固定カメラ映像とは、固定カメラ10で撮影された映像のことである。
インサータ60は、スイッチャ20から入力された固定カメラ10の画像、及び、軌跡出力部56から入力された軌跡Tを取得する。そして、インサータ60は、取得した軌跡Tを固定カメラ10の画像上に合成し、合成画像を出力する。オブジェクト4の軌跡Tが合成された合成画像は、図示しない表示装置に表示される。
図5を参照し、オブジェクト軌跡生成装置50の構成ついて説明する。
オブジェクト軌跡生成装置50は、固定カメラ映像に含まれるオブジェクト4の軌跡を生成する。図5に示すように、オブジェクト軌跡生成装置50は、オブジェクト追跡部51と、射影変換部52と、位置補正部53と、軌跡生成部54と、記憶部55と、軌跡出力部56と、を備える。
オブジェクト追跡部51は、固定カメラ映像に含まれるオブジェクト4の位置を映像内において追跡する。オブジェクト追跡部51は、オブジェクト候補画像生成部51aと、追跡部51bと、を備える。
オブジェクト候補画像生成部51aは、固定カメラ映像を構成するフレームである固定カメラ画像から、オブジェクト候補画像を生成する。オブジェクト候補画像は、予め設定された探索範囲内において、オブジェクト4の候補が抽出された画像である。
追跡部51bは、オブジェクト候補画像生成部51aから入力されたオブジェクト候補画像に逐次学習型の追跡手法を施し、オブジェクト候補画像に含まれるオブジェクト4の位置を追跡する。
射影変換部52は、追跡部51bによって追跡されたオブジェクト位置群Pf Cを射影変換する。射影変換部52は、第一の変換部52aと、第二の変換部52bと、を備える。
第一の変換部52aは、追跡部51bから入力されたオブジェクト位置群Pf Cを真上視点座標系へ射影変換し、真上視点座標系のオブジェクト位置群Pf Tを誤差特徴量算出部53aへ出力する。また、第一の変換部52aは、追跡部51bから入力されたカメラ座標系のオブジェクト位置群Pf Cを誤差特徴量算出部53aへ出力する。変換後の座標(xp,yp)は、変換前の座標を(xc,yc)とすると、以下の式(5)で表される。
第二の変換部52bは、後記する補正部53cから補正後のオブジェクト位置群Pf T´が入力された場合、真上視点座標系のオブジェクト位置群Pf T´を、他の固定カメラ10に対応したカメラ座標系へ射影変換する。ここで、第二の変換部52bは、第一の変換部52aと同様の手順で射影変換を行い、他の固定カメラ10に対応したカメラ座標系のオブジェクト位置群Pf C´を軌跡生成部54に出力する。
位置補正部53は、後記する識別器53dにより、射影変換部52が算出したオブジェクト位置群Pf Tを補正し、補正後のオブジェクト位置群Pf T´を射影変換部52に出力する。図5に示すように、位置補正部53は、誤差特徴量算出部53aと、学習部53bと、補正部53cと、識別器53dとを備える。
学習時において、誤差特徴量算出部53aは、オペレータが補正したオブジェクト位置(正例)、及び、オペレータが補正しなかったオブジェクト位置(負例)が入力される。誤差特徴量算出部53aは、前記式(7)を用いて、オペレータが補正したオブジェクト位置の誤差特徴量を正例、及び、オペレータが補正しなかったオブジェクト位置の誤差特徴量を負例として算出する。そして、誤差特徴量算出部53aは、正例及び負例の誤差特徴量を学習部53bに出力する。
学習時において、学習部53bは、誤差特徴量算出部53aから入力された正例及び負例の誤差特徴量を機械学習することで、識別器53dを生成する。本実施形態では、学習部53bは、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト(Random Forest)、アダブースト(Adaboost)等の機械学習を用いて、識別器53dを生成する。
識別時において、補正部53cは、識別器53dにより、射影変換部52が算出したオブジェクト位置群Pf Tの補正の要否を判定し、補正が必要な場合、オブジェクトの位置Pf T(i)を平滑化曲線上に補正する。
合計値が閾値未満の場合、補正部53cは、何れかのオブジェクト位置Pf T(i)で補正が必要と判定する。この場合、補正部53cは、全オブジェクト位置Pf T(i)で補正が必要ないと判定されるまで、オブジェクト位置Pf T(i)の補正を繰り返す。
識別器53dは、オペレータによるオブジェクト位置群の補正結果を予め機械学習したものである。この識別器53dは、学習部53bによって生成され、補正部53cによって参照される。
軌跡生成部54は、第二の変換部52bから入力されたオブジェクト位置群Pf C´に基づいて、オブジェクト4の軌跡Tを生成する。すなわち、軌跡生成部54は、得られたオブジェクト位置群Pf C´を用いて、オブジェクト4の軌跡Tを生成し、生成した軌跡Tを記憶部55に記憶させる。ここで、検出された全てのフレームにおけるオブジェクト位置Pf C(i)´を繋ぐと、誤検出や検出漏れが発生するため、滑らかな軌跡を描画することは困難である。このため、軌跡生成部54は、オブジェクト位置Pf C(i)´の数点をサンプリングし、サンプリングされたオブジェクト位置Pf C(i)´にスプライン補間を行う。これにより、滑らかなオブジェクト4の軌跡Tを生成できる。
記憶部55は、軌跡生成部54が生成した軌跡Tを記憶するメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。
軌跡出力部56は、オペレータによる操作部30の操作結果に基づいて、記憶部55に記憶された軌跡Tを読み出し、読み出した軌跡Tをインサータ60へ出力する。
図9を参照し、オブジェクト軌跡生成装置50の動作ついて説明する。なお、図9では、識別器53dが学習済みであることとする。
図10を参照し、図9のオブジェクト位置群の補正処理について説明する。
図10に示すように、ステップS30において、誤差特徴量算出部53aは、真上視点座標系でオブジェクト位置群から平滑化曲線を算出し、オブジェクト4の各位置から平滑化曲線までの距離を算出する。
ステップS31において、誤差特徴量算出部53aは、カメラ座標系でオブジェクト位置群から平滑化曲線を算出し、オブジェクト4の各位置から平滑化曲線までの距離を算出する。
ステップS32において、誤差特徴量算出部53aは、前記式(7)を用いて、誤差特徴量を算出する。
補正が必要な場合(ステップS33でYes)、補正部53cは、ステップS34の処理に進む。
ステップS34において、補正部53cは、オブジェクトの位置群を平滑化曲線上に補正し、ステップS30の処理に戻る。
以上のように、オブジェクト軌跡生成装置50は、人手による軌跡Tの補正結果を学習した識別器53dを用いるので、その補正結果が軌跡Tに反映され、実軌跡に近い軌跡Tを自動的に生成することができる。例えば、カーリングの試合において、オブジェクト軌跡生成装置50は、オブジェクト4の軌跡Tの補正作業に要する労力を軽減することができる。
さらに、オブジェクト軌跡生成装置50は、正例及び負例の誤差特徴量を機械学習するので、高精度な識別器53dを生成することができる。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
前記した実施形態では、平滑化曲線がスプライン曲線であることとして説明したが、これに限定されない。例えば、平滑化曲線は、ベジェ曲線等の任意の曲線でもよい。
10 固定カメラ
10A 第一の固定カメラ
10B 第二の固定カメラ
10C 第三の固定カメラ
20 スイッチャ
30 操作部
40 表示部
50 オブジェクト軌跡生成装置
51 オブジェクト追跡部
51a オブジェクト候補画像生成部
51b 追跡部
52 射影変換部
52a 第一の変換部
52b 第二の変換部
53 位置補正部
53a 誤差特徴量算出部
53b 学習部
53c 補正部
53d 識別器
54 軌跡生成部
55 記憶部
56 軌跡出力部
60 インサータ
Claims (4)
- 固定カメラ映像に含まれるオブジェクトの軌跡を生成するオブジェクト軌跡生成装置であって、
移動する前記オブジェクトの位置を追跡する追跡部と、
前記追跡部によって追跡された前記オブジェクトの位置群を射影変換する射影変換部と、
前記オブジェクトの位置群の補正結果を予め機械学習した識別器により、前記射影変換部が算出したオブジェクトの位置群を補正する位置補正部と、
前記位置補正部が補正したオブジェクトの位置群に基づいて、前記オブジェクトの軌跡を生成する軌跡生成部と、
を備え、
前記射影変換部は、
前記固定カメラ映像に含まれる前記オブジェクトの位置群を、固定カメラの撮影空間を上から見た変換用座標系に射影変換し、
前記変換用座標系に変換された前記オブジェクトの位置群を、前記固定カメラ映像と異なる視点の座標系に射影変換し、
前記位置補正部は、
前記固定カメラの座標系及び前記変換用座標系において、前記オブジェクトの各位置と、前記オブジェクトの各位置から前記オブジェクトの位置群の平滑化曲線までの距離と、前記オブジェクトの軌跡全長に対する前記オブジェクトの軌跡先頭から各位置までの長さの割合とが含まれる誤差特徴量を算出する誤差特徴量算出部と、
前記オブジェクトの位置が補正されたときの前記誤差特徴量を正例、及び、前記オブジェクトの位置が補正されなかったときの前記誤差特徴量を負例として予め機械学習した前記識別器により、前記射影変換部が算出したオブジェクトの位置群を前記平滑化曲線上に補正する補正部と、
を備えることを特徴とするオブジェクト軌跡生成装置。 - 前記位置補正部は、正例及び負例の前記誤差特徴量を機械学習することで、前記識別器を生成する学習部、を備えることを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト軌跡生成装置。
- 前記オブジェクトは、カーリングのストーンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオブジェクト軌跡生成装置。
- コンピュータを、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のオブジェクト軌跡生成装置として機能させるためのプログラム。
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高橋 正樹 外5名,逐次学習を利用したカーリング競技でのストーン軌跡表示,2017年映像情報メディア学会年次大会,2017年09月01日 |
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