NRでは、UEがコードブック(CB:Codebook)ベース送信及びノンコードブック(NCB:Non-Codebook)ベース送信の少なくとも一方をサポートすることが検討されている。例えば、UEは少なくとも測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)リソースインデックス(SRI:SRS Resource Index)を用いて、CBベース及びNCBベースの少なくとも一方のPUSCH送信のためのプリコーダ(プリコーディング行列)を判断することが検討されている。
例えば、UEは、CBベース送信の場合、SRI、送信ランク指標(TRI:Transmitted Rank Indicator)及び送信プリコーディング行列指標(TPMI:Transmitted Precoding Matrix Indicator)に基づいて、PUSCH送信のためのプリコーダを決定してもよい。UEは、NCBベース送信の場合、SRIに基づいてPUSCH送信のためのプリコーダを決定してもよい。
CBベース送信に適用されるプリコーディングは、CBベースプリコーディングと呼ばれてもよい。NCBベース送信に適用されるプリコーディングは、NCBベースプリコーディングと呼ばれてもよい。
なお、CBベース送信及びNCBベース送信は、それぞれCB送信及びNCB送信と呼ばれてもよい。
4レイヤまでのCB送信及びNCB送信がサポートされてもよい。4アンテナポートに対して周波数選択プリコーディング(frequency selective precoding)がサポートされてもよい。
図1は、CB送信の一例を示す図である。UEは、所定数のSRSリソースについてのSRSリソースセットを設定されてもよい。
SRSリソースは、SRSリソースの位置(例えば、時間及び/又は周波数リソース位置、リソースオフセット、リソースの周期、SRSシンボル数、SRS帯域幅、Comb、系列IDなど)、SRSポート数、SRSポート番号、SRSリソース番号(SRSリソース設定ID(SRS-ResourceConfigId)などと呼ばれてもよい)などのうち少なくとも1つの情報に基づいて特定されてもよい。
SRSリソースセット(SRSリソース)に関する情報は、上位レイヤシグナリングを用いてUEに設定されてもよい。
ステップS102において、UEは、設定されたSRSリソースセットを用いてSRSを送信する。基地局は、SRSリソースを用いて、測定(例えば、チャネル測定)を行ってもよい。
ステップS103において、UEは、SRI、TRI、TPMIの少なくとも1つに関する情報を、上位レイヤシグナリング、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information))又はこれらの組み合わせを用いて、基地局から通知されてもよい。当該情報は、PUSCH送信をスケジュールするDCI(ULグラントと呼ばれてもよい)に含まれてもよい。当該DCIは、PUSCH送信のためのMCS(Modulation and Coding Scheme)を含んでもよい。
例えば、UEは、受信したDCIに含まれるSRIに基づいて、設定されたSRSリソースから1つのSRSリソースを選択してもよい。UEは、受信したDCIに含まれるTPMIに基づいて、選択したSRSリソース内のSRSポート用に好ましいプリコーダを決定してもよい。UEは、受信したDCIに含まれるTRIに基づいて、選択したSRSリソース内のSRSポートから送信に用いるポート数を決定してもよい。
ステップS104において、UEは、DCIによって指定されたSRSリソースのSRSポートを用いて、TPMI及びTRIを利用してプリコーダ(コードブック)を決定し、当該プリコーダを用いてPUSCH送信を行う。
図2は、NCB送信の一例を示す図である。ステップS201において、基地局(gNB、送受信ポイント(TRP:Transmission/Reception Point)などと呼ばれてもよい)は参照信号(RS:Reference Signal)を送信し、UEは当該参照信号を用いた測定を実施する。
当該RSは、チャネル状態測定用RS(CSI-RS:Channel State Information RS)、プライマリ同期信号(PSS:Primary SS)、セカンダリ同期信号(SSS:Secondary SS)、モビリティ参照信号(MRS:Mobility RS)、トラッキング参照信号(TRS:Tracking RS)、同期信号ブロック(SSB:Synchronization Signal Block)に含まれる信号、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、ビーム固有信号などの少なくとも1つ、又はこれらを拡張及び/又は変更して構成される信号(例えば、密度及び/又は周期を変更して構成される信号)であってもよい。
ステップS201のRSはCSI-RSとして説明するが、これに限られない。CSI-RSは、上述のRSのいずれかで読み替えられてもよい。
ステップS202において、UEは、プリコードされたシングルポートのSRSリソース(Precoded SRS resources w/ single port)を用いてSRSを送信してもよい。
UEは、SRSに適用するプリコーダ(SRSプリコーダ(SRS precoder))を、レシプロシティ(reciprocity)ベースの方法で決定してもよい。例えば、UEは、SRSプリコーダを、関連するCSI-RS(例えば、ステップS201で測定したCSI-RSリソース、当該CSI-RSリソースの位置、当該リソースを用いた測定結果など)に基づいて決定してもよい。
なお、UEに対しては、1つ又は複数のSRSリソースが設定(configure)されてもよい。UEは、所定数のSRSリソースに関連するSRSリソースセット(SRS resource set)を設定されてもよい。UEに対して設定されるSRSリソース又はSRSリソースセットの数は、最大の送信ランク(レイヤ数)によって制限されてもよい。各SRSリソースは、1つ又は複数のSRSポートを有してもよい(1つ又は複数のSRSポートに対応してもよい)。
この例では、UEはN個のSRSリソース(それぞれSRI=0~N-1に対応するSRSリソース#0~#N-1)を含むSRSリソースセットを設定されていると想定する。また、各SRSリソースは、1つのSRSポートを有すると想定する。
SRSリソースは、SRSリソースの位置(例えば、時間及び/又は周波数リソース位置、リソースオフセット、リソースの周期、SRSシンボル数、SRS帯域幅、Comb、系列IDなど)、信号系列、SRSポート数、SRSポート番号、SRSリソース番号(SRSリソース設定ID(SRS-ResourceConfigId)などと呼ばれてもよい)などのうち少なくとも1つの情報に基づいて特定されてもよい。
SRSリソースセット及び/又はSRSリソースに関する情報は、上位レイヤシグナリング、物理レイヤシグナリング又はこれらの組み合わせを用いてUEに設定されてもよい。
UEは、SRSプリコーダ及び関連するCSI-RSとの対応関係に関する情報を、上位レイヤシグナリングなどを用いて設定されてもよい。
ステップS202において、UEは、プリコードされたSRSリソース#0~#N-1のそれぞれを送信してもよい。
基地局は、ステップS202におけるプリコードされたSRSリソースを用いて、測定(例えば、チャネル測定)を行ってもよい。基地局は、測定結果に基づいてビーム選択を行う。この例では、基地局はN個のSRSリソースから3つのSRSリソースを選択し、TRIを3と決定する。
ステップS203において、基地局は、UEにULデータ送信をスケジュールするためのULグラントを送信する。ステップS204において、UEは、ステップS203のULグラントに基づいて、所定のプリコーダ(例えば、SRSプリコーダの少なくとも1つ)を適用した信号(例えば、PUSCH)を送信する。
ステップS203のULグラントには、ULデータ送信に用いるプリコーダを特定するための情報(例えば、SRI)が含まれることが好ましい。当該ULグラントには、ULデータ送信に適用するパラメータ(例えば、MCS(Modulation and Coding Scheme))に関する情報が含まれてもよい。また、当該ULグラントには、ULデータ送信に適用するTRI及び/又はTPMIが含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
gNBは、例えばSRIの通知によって、UEがPUSCH送信に用いるプリコーダを絞りこんでもよい。例えば、UEは、ステップS203において受信したULグラントに含まれる1つ又は複数のSRIに基づいて、設定されたSRSリソースから1つ又は複数のSRSリソースを特定してもよい。この場合、UEは、特定されたSRSリソースに対応するプリコーダを用いて、特定されたSRSリソースの数に対応するレイヤ数のPUSCHを、ステップS204において送信してもよい。
この例においては、ステップS203のULグラントによってTRI=3と、3つのSRIが指定され、UEはステップS204において3つのSRIに対応するプリコーダを用いてPUSCHポート#0~#2の3レイヤ送信を実施する。
なお、UEは、ULグラントによって指定されるSRI以外のSRIに基づいてプリコーダを決定し、送信を行ってもよい。
なお、UEは、受信したULグラントにTPMIが含まれる場合、当該TPMIに基づいて、選択したSRSリソース内のSRSポート用に好ましいプリコーダを決定してもよい。UEは、受信したULグラントに含まれるTRIが含まれる場合、当該TRIに基づいて、選択したSRSリソース内のSRSポートから送信に用いるポート数を決定してもよい。
UEは、プリコーダタイプに関するUE能力情報(UE capability information)を報告し、基地局から上位レイヤシグナリングによって当該UE能力情報に基づくプリコーダタイプを設定されてもよい。当該UE能力情報は、UEがPUSCH送信において用いるプリコーダタイプの情報(パラメータ「pusch-TransCoherence」で表されてもよい)であってもよい。
UEは、上位レイヤシグナリングで通知されるPUSCH設定情報(RRCシグナリングのPUSCH-Config情報要素)に含まれるプリコーダタイプの情報(パラメータ「codebookSubset」で表されてもよい)に基づいて、PUSCH(及びPTRS)送信に用いるプリコーダを決定してもよい。
なお、プリコーダタイプは、完全コヒーレント(full coherent、fully coherent、coherent)、部分コヒーレント(partial coherent)及びノンコヒーレント(non coherent、非コヒーレント)のいずれか又はこれらの少なくとも2つの組み合わせ(例えば、「完全及び部分及びノンコヒーレント(fullyAndPartialAndNonCoherent)」、「部分及びノンコヒーレント(partialAndNonCoherent)」などのパラメータで表されてもよい)によって指定されてもよい。
完全コヒーレントは、送信に用いるアンテナポートの同期がとれている(位相を合わせることができる、適用するプリコーダが同じである、などと表現されてもよい)ことを意味してもよい。部分コヒーレントは、送信に用いるアンテナポートのうち、一部は同期がとれているが、同期がとれないことを意味してもよい。ノンコヒーレントは、送信に用いるアンテナポートの同期がとれないことを意味してもよい。
NRのULコードブック設計のために、図3に示すUEアンテナモデルが検討されている。完全コヒーレント、部分コヒーレント、ノンコヒーレントに対してコードブックが定義されてもよい。
2アンテナポート(2-Tx)に対し、完全コヒーレントは、2アンテナポートが1つのRF回路に接続され、2アンテナポート間の位相の調整が可能である。部分コヒーレントは、適用されない。ノンコヒーレントは、各アンテナポートが異なるRF回路に接続され、2アンテナポート間の位相の調整が不可能である。4アンテナポート(4-Tx)に対し、完全コヒーレントは、4アンテナポートが1つのRF回路に接続され、4アンテナポート間の位相の調整が可能である。部分コヒーレントは、2アンテナポートの組が1つのRF回路に接続され、各組内の2アンテナポートの位相の調整が可能であるが、各組が異なるRF回路に接続され、2組の間の位相の調整が不可能である。ノンコヒーレントは、各アンテナポートが異なるRF回路に接続され、4アンテナポート間の位相の調整が不可能である。
MIMO(Multi-Input Multi-Output)のアンテナがパネルを用いて構成される場合を例に挙げてコヒーレンシーについて説明する。ここでは、パネルごとにRF(Radio Frequency)回路が別である(独立している)ことを想定する。この場合、パネル内のアンテナポート(ひいてはアンテナ素子)は同期がとれるが、パネル間では同期がとれるとは保証できない。
UEが1つのパネルに対応するアンテナポートのみを用いてUL送信する場合は、完全コヒーレントであると想定されてもよい。UEが複数のパネルに対応するアンテナポートを用いてUL送信する場合であって、少なくとも1つのパネルに対応するアンテナポートが複数ある場合は、部分コヒーレントであると想定されてもよい。UEが複数のパネルに対応するアンテナポートを用いてUL送信する場合であって、各パネルに対応するアンテナポートが1つずつの場合は、ノンコヒーレントであると想定されてもよい。
なお、完全コヒーレントのプリコーダタイプをサポートするUEは、部分コヒーレント及びノンコヒーレントのプリコーダタイプをサポートすると想定されてもよい。部分コヒーレントのプリコーダタイプをサポートするUEは、ノンコヒーレントのプリコーダタイプをサポートすると想定されてもよい。
プリコーダタイプは、コヒーレンシー、PUSCH送信コヒーレンス、コヒーレントタイプ、コヒーレンスタイプ、コードブックタイプ、コードブックサブセット、コードブックサブセットタイプなどで読み替えられてもよい。
UEは、CBベース送信のための複数のプリコーダ(プリコーディング行列)から、UL送信をスケジュールするDCIから得られるTPMIインデックスに対応するプリコーディング行列(コードブック)を決定してもよい。
例えば、図4に示すように、DFT-S-OFDM(Discrete Fourier Transform-Spread-OFDM、変換プリコーディング(transform precoding)が有効である)又はCP(Cyclic Prefix)-OFDM(変換プリコーディングが無効である)を用い、最大ランクが1である場合の、4アンテナポートに対するプリコーディング情報(レイヤ数、TPMI)が仕様に規定されてもよい。プリコーダタイプ(codebookSubset)が、完全及び部分及びノンコヒーレント(fullyAndPartialAndNonCoherent)である場合、UEは、シングルレイヤに対して、0から27までのいずれかのTPMIを設定される。プリコーダタイプが、部分及びノンコヒーレント(partialAndNonCoherent)である場合、UEは、シングルレイヤに対して、0から11までのいずれかのTPMIを設定される。プリコーダタイプが、ノンコヒーレント(nonCoherent)である場合、UEは、シングルレイヤに対して、0から3までのいずれかのTPMIを設定される。
例えば、図5に示すように、DFT-S-OFDMを用いる(変換プリコーディングが有効である)場合の4アンテナポートを用いるシングルレイヤ送信に対する複数のプリコーディング行列が仕様に規定されてもよい。同様にして、CP-OFDMを用いる(変換プリコーディングが無効である)場合の4アンテナポートを用いるシングルレイヤ送信に対する複数のプリコーディング行列が仕様に規定されてもよい。複数のTPMIインデックスに複数のプリコーディング行列がそれぞれ関連付けられてもよい。
プリコーダタイプ「完全及び部分及びノンコヒーレント(fullyAndPartialAndNonCoherent)」に対応するTPMIのうち、プリコーダタイプ「部分及びノンコヒーレント(partialAndNonCoherent)」に対応するTPMIを除くTPMI(12から27まで)は、完全コヒーレントのプリコーディング行列に対応する。完全コヒーレントのプリコーディング行列では、4つの要素(値)が非ゼロであるため、4アンテナポートが同じ振幅になる。
プリコーダタイプ「部分及びノンコヒーレント」に対応するTPMIのうち、プリコーダタイプ「ノンコヒーレント(nonCoherent)」に対応するTPMIを除くTPMI(4から11まで)は、部分コヒーレントのプリコーディング行列に対応する。部分コヒーレントのプリコーディング行列では、2つの要素が非ゼロであるため、4アンテナポートのうち2アンテナポートの振幅だけが送信電力を割り当てられ、残りの2アンテナポートの送信電力が0になる。
プリコーダタイプ「ノンコヒーレント」に対応するTPMI(0から3まで)は、ノンコヒーレントのプリコーディング行列に対応する。ノンコヒーレントのプリコーディング行列では、1つの要素が非ゼロであるため、4アンテナポートのうち3アンテナポートの送信電力が0になる。
NCB送信の場合も、ノンコヒーレントのプリコーダタイプ、又は部分コヒーレント及びノンコヒーレントのプリコーダタイプを報告したUEは、プリコーディング行列における一部の要素が0になる場合がある。
また、UEは、送信電力制御(TPC)によってPUSCHに利用可能な送信電力を決定する。UEは、非ゼロPUSCH送信に用いられるアンテナポート数と、送信方式に対して設定されたアンテナポートの数との比によって、送信電力の線形値を調整する。これによってスケールされた電力は、非ゼロPUSCHが送信されるアンテナポートにわたって均等に分けられる(送信電力の分配)。
UEは、送信電力を複数のアンテナポートに分け、複数のアンテナポートの信号にプリコーディング行列を乗ずるため、部分コヒーレントのプリコーディング行列又はノンコヒーレントのプリコーディング行列のように、プリコーディング行列がゼロの要素を有する場合、対応するアンテナポートの送信電力分だけ、総送信電力が減少する。
したがって、UEがCP-OFDM(変換プリコーディングが無効)又はDFT-S-OFDM(変換プリコーディングが有効)の上りMIMOを行い(2以上のアンテナポートを用い)、ランクが1である場合、NCBベース送信又はCBベース送信において、ノンコヒーレント又は部分コヒーレントのプリコーディング行列を用いるUEは、完全コヒーレントのプリコーディング行列を用いる場合に比べて、総送信電力が減少する。言い換えれば、ノンコヒーレント又は部分コヒーレントのプリコーディング行列を用いるUEは、送信電力制御によって決定された送信電力の全てを用いることができない。
そこで、本発明者らは、プリコーディング行列の一部の値が0になる場合に送信電力を補正する方法を着想した。
また、UEが、送信電力を補正する機能をサポートする場合、NW(ネットワーク、例えば、基地局、gNB)は、UEとRRC接続するまで、当該UEが当該機能をサポートするか、どの仕様(リリース)に準拠しているか、を知ることができない。よって、図6に示すように、送信電力を補正する場合のカバレッジが、送信電力を補正しない場合のカバレッジより大きくなるとしても、RRC接続前に当該機能を用いることができなければ、当該機能を持つUEのカバレッジは、当該機能を持たないUEのカバレッジと同じになってしまう。
そこで、本発明者らは、送信電力を補正する機能をサポートする場合にカバレッジを改善する方法を着想した。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
なお、本開示の説明におけるPUSCHは、ULチャネル(PUCCHなど)、UL信号(SRSなど)、などで読み替えられてもよい。
以下の実施形態では、主にCB送信について説明するが、この実施形態はNCB送信にも適用できる。以下の実施形態は、CP-OFDMを用いるUL送信にも、DFT-S-OFDMを用いるUL送信にも、適用できる。
また、本開示において、上位レイヤシグナリングは、例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、ブロードキャスト情報などのいずれか、又はこれらの組み合わせであってもよい。
MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))、MAC PDU(Protocol Data Unit)などを用いてもよい。ブロードキャスト情報は、例えば、マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)、最低限のシステム情報(RMSI:Remaining Minimum System Information)、その他のシステム情報(OSI:Other System Information)などであってもよい。
(無線通信方法)
<態様1>
UEは、次の送信電力決定方法1~3の少なくとも1つをサポートしてもよい。送信電力決定方法1~3の少なくとも1つがタイプとして規定されてもよい。
>送信電力決定方法1
UEは、初めに送信電力をアンテナポート毎に分けてから(送信電力の分配)、プリコーディングを行う。
>送信電力決定方法2
UEは、NWから設定された情報(TPMIインデックスなど)及びUEによって報告されたUE能力情報(プリコーダタイプなど)の少なくとも1つに基づいて、プリコーダが完全コヒーレントであるか(TPMIインデックスが12から27までの値である、プリコーディング行列の全ての要素(値)が非ゼロである、など)、部分又はノンコヒーレントであるか(TPMIインデックスが0から11までの値である、プリコーディング行列の一部の要素がゼロである、UEがpartialAndNonCoherent又はnonCoherentを報告した、など)を判定し、判定結果に応じて、次の、完全コヒーレント送信電力決定方法、部分又はノンコヒーレント送信電力決定方法、のいずれかを行う。
≫>完全コヒーレント送信電力決定方法
UEは、初めに送信電力をアンテナポート毎に分けてから、プリコーディングを行う(送信電力決定方法1と同様)。
≫>部分/ノンコヒーレント送信電力決定方法
UEは、使うプリコーダタイプに応じて、アンテナポート当たりの送信電力を決定する。
UEは、次のアンテナポート送信電力決定方法1~3の1つに従って、アンテナポート当たりの送信電力を決定してもよい。
>≫>アンテナポート送信電力決定方法1
UEは、全アンテナポートの総送信電力(合計送信電力)が、完全コヒーレントのプリコーディング行列を用いる場合の総送信電力と等しくなるように、アンテナポート当たりの送信電力を決定する。
アンテナポート数をM、プリコーディング行列における非ゼロの要素数をNとすると、UEは、プリコーディング行列を乗算する信号又は乗算結果の振幅を、(M/N)2倍してもよい。
例えば、UEは、4アンテナポート(アンテナポート#0~#3)において、ノンコヒーレントのプリコーディング行列1/2(1,0,0,0)を用いる場合、完全コヒーレントのプリコーディング行列を用いる場合に比べて総送信電力が1/4になるため、アンテナポート#0の送信電力を4倍に補正する(振幅を16倍に補正する)。
UEは、完全コヒーレントのプリコーディング行列を用いる場合と同じ総送信電力を用いて送信できるため、カバレッジ及びSN比(通信品質)を改善できる。
>≫>アンテナポート送信電力決定方法2
UEは、全アンテナポートの総送信電力(合計送信電力)が、完全コヒーレントのプリコーディング行列を用いる場合の総送信電力のα1倍になるように、アンテナポート当たりの送信電力を決定する。ここで、α1は1以下であってもよいし、1より小さくてもよい。
アンテナポート当たりの送信電力が増大すると、UEの信号増幅器の所要性能が高くなり、コストが増大するおそれがある。α1を設定することによって、送信電力を抑え、信号増幅器の所要性能を抑えることができる。
α1は、仕様で規定されてもよい。UEは、上位レイヤシグナリングによって、α1を設定されてもよい。UEは、UE能力情報によって報告した値を用いてもよい。ここで、UEは、仕様に規定された複数の候補の1つを報告してもよい。
UEは、プリコーディング行列を乗算する信号又は乗算結果の振幅を、(M/N)2倍し、その電力をα1倍してもよい。
>≫>アンテナポート送信電力決定方法3
UEは、部分又はノンコヒーレントのプリコーディング行列に対し、アンテナポート当たりの送信電力をα2倍する。ここで、α2は1以上であってもよいし、1より大きくてもよい。
α2は、図4のようなプリコーディング行列に乗ずる係数であってもよい。UEは、TPMIインデックス毎の係数を設定されてもよいし、ノンコヒーレント用の(TPMIが0から3までに対応する)係数と、部分コヒーレント用の(TPMIが4から11までに対応する)係数と、の2値を設定されてもよい。
α2は、仕様で規定されてもよい。UEは、UE能力情報によって報告した値をα2として用いてもよい。ここで、UEは、仕様に規定された複数の候補の1つを報告してもよい。
UEは、上位レイヤシグナリングによって、α2を設定されてもよい。ここで、UEは、ランク毎にα2を設定されてもよい。
UEは、上位レイヤシグナリングによってα2の複数の候補を設定され、DCI(例えば、PUSCHをスケジュールするULグラント、DCIフォーマット0_0、0_1)によって複数の候補の1つを指定されてもよい。このDCIは、候補を指定するビットフィールドを含んでもよいし、複数のビットフィールドの組み合わせによって候補を指定してもよい。
UEは、プリコーディング行列を乗算する信号又は乗算結果の振幅を、α2倍してもよい。
送信電力決定方法2又は部分/ノンコヒーレント送信電力決定方法は、送信電力補正方法、補正、送信電力増加方法、full powerなどと呼ばれてもよい。
この送信電力決定方法2によれば、部分コヒーレント又はノンコヒーレントのプリコーディング行列を用いる場合の総送信電力の減少を抑えることができる。
>送信電力決定方法3
UEは、送信電力制御によって決定される送信電力を、設定された複数のアンテナポートに分配するのではなく、送信電力制御によって決定される送信電力を、プリコーディング行列の要素の比に基づいて複数のアンテナポートに分配してもよい。
例えば、UEは、送信電力制御によって決定される送信電力を、プリコーディング行列内の非ゼロの要素に対応するアンテナポートに対して均等に分配してもよい。プリコーディング行列内の非ゼロの要素の数が1である場合、UEは、その要素に対応する1つのアンテナポートに対して、送信電力制御によって決定される送信電力を割り当ててもよい。プリコーディング行列内の非ゼロの要素の数が2である場合、UEは、それらの要素に対応する2つのアンテナポートに対して、送信電力制御によって決定される送信電力を均等に割り当ててもよい。
この送信電力決定方法3によれば、部分コヒーレント又はノンコヒーレントのプリコーディング行列を用いる場合の総送信電力の減少を抑えることができる。
<態様2>
UEは、UE能力情報によって送信電力決定方法2に関する能力を報告してもよい。
UEは、次の報告方法1、2のいずれかを用いてもよい。
>報告方法1
UE能力情報(例えば、codebook MIMO、pusch-TransCoherence)によってノンコヒーレント(nonCoherent)のプリコーダタイプ、又は、部分及びノンコヒーレント(partialAndNonCoherent)のプリコーダタイプを報告したUEは、次のUE能力1~4の少なくとも1つを報告してもよい。
・UE能力1:送信電力決定方法2をサポートしているか
・UE能力2:UEがα1(前述のアンテナポート送信電力決定方法2)をサポートしているか、及び、α1の値の少なくとも1つ
・UE能力3:UEがα2(前述のアンテナポート送信電力決定方法3)をサポートしているか、及び、α2の値の少なくとも1つ
・UE能力4:UEがアンテナポート当たりの送信電力又は振幅を何倍まで大きくできるかを示すβ(最大増幅率、最大補正係数)の値
βは1以上であってもよい。例えば、UEが4アンテナポート(アンテナポート#0~#3)において、ノンコヒーレントのプリコーディング行列1/2(1,0,0,0)を用いる場合にアンテナポート送信電力決定方法1を適用すると、完全コヒーレントのプリコーディング行列を用いる場合に比べて、アンテナポート#0の送信電力を4倍に補正する(振幅を16倍に補正する)必要がある。
βを報告したUEは、部分又はノンコヒーレントに対応するTPMIを設定された場合、部分又はノンコヒーレント用決定方法において、アンテナポート当たりの送信電力又は振幅を最大でβ倍まで増幅してもよい。これによって、UEは、送信電力決定方法2に基づく増幅を、βによって制限することができる。UEは、信号増幅器の性能に基づくβを報告することによって、信号増幅器の性能に応じた補正を行うことができ、信号増幅器の性能を超過する補正を防ぎ、所要性能を抑えることができる。
>報告方法2
UEは、新たなUE能力情報を報告してもよい。このUE能力情報は、ノンコヒーレント、部分コヒーレント、完全コヒーレント、の少なくとも1つを示してもよい。ノンコヒーレント、部分コヒーレントの少なくとも1つが、前述のUE能力1~4の少なくとも1つの有無によって、複数のタイプに分けられ、UE能力情報は、1つのタイプを示してもよい。
この態様2によれば、UEは、UE能力に応じて送信電力を適切に決定できる。
<態様3>
送信電力決定方法2をサポートするUEは、次の動作1~4の少なくとも1つを行ってもよい。
>動作1
UEは、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)によって送信電力決定方法2を設定される。
UEは、前述のα1、α2、βの少なくとも1つを通知されることによって、送信電力決定方法2を設定されてもよい。NWは、UEから報告されたUE能力情報に基づいて、α1、α2、βの少なくとも1つを通知してもよい。
>動作2
UEは、DCIによって送信電力決定方法2を設定される。DCIは、例えば、PUSCHをスケジュールするULグラントであってもよい。
このDCIは、送信電力決定方法2を指示するビットフィールドを含んでもよいし、複数のビットフィールドの組み合わせによって送信電力決定方法2を指示してもよい。
>動作3
UE能力情報によって送信電力決定方法2をサポートすることを報告するUEは、報告後(RRC接続後)のPUSCH送信に送信電力決定方法2を適用する。すなわち、UEは、NWから指示されることなく、送信電力決定方法2を適用する。UEは、Msg.3 PUSCH(RRC接続前)に送信電力決定方法2を適用しない。
Msg.3 PUSCHに送信電力決定方法2を適用されないことにより、カバレッジは改善されないが、RRC接続後のSN比(通信品質)を改善できる。
UEは、Msg.3以外のPUSCHにCP-OFDMを適用してもよい(変換プリコーディングを適用しなくてもよい(disable))。通常、Msg.3 PUSCHにDFT-S-OFDM(変換プリコーディング)を適用し(enable)、RRC接続後のPUSCHにCP-OFDMを適用する場合、DFT-S-OFDMに比べてCP-OFDMではPAPRが増大するため、DFT-S-OFDMに比べてCP-OFDMではカバレッジが縮小する。そこで、UEがRRC接続後のPUSCHに送信電力決定方法2を適用することによって、カバレッジを改善できる。
>動作4
UE能力情報によって送信電力決定方法2をサポートすることを報告するUEは、Msg.3以降のPUSCH送信に送信電力決定方法2を適用する。UEは、常に送信電力決定方法2を適用してもよい。
UEがRRC接続前に送信電力決定方法2を適用することによって、カバレッジを改善できる。
この態様3によれば、UEは、送信電力決定方法2を適切に適用できる。
<態様4>
送信電力決定方法2をサポートするUEは、ランダムアクセス手順(RRC接続前)においてMsg.3 PUSCH送信に送信電力決定方法2を適用してもよい。
図7に示すように、送信電力決定方法2をサポートするUEは、Msg.1のRACH(Random Access Channel)リソースの選択によって、送信電力決定方法2をサポートしていることを報告してもよい。
送信電力決定方法2をサポートするUEは、NWから通知されたRACHリソースを、所定の方法によって読み替えることによってRACHリソースを決定し、決定されたRACHリソースを用いてMsg.1を送信してもよい。送信電力決定方法2をサポートしないUEは、NWから通知されたRACHリソースを用いてMsg.1を送信してもよい。
送信電力決定方法2をサポートするUEは、以下のRACHリソース選択方法によって、RACHリソースを選択し、選択されたRACHリソースを所定の方法で読み替えることによってRACHリソースを決定してもよい。例えば、UEは、選択されたRACHリソースに、所定のリソースオフセットを加えることによって、RACHリソースを決定してもよい。
《RACHリソース選択方法》UEは、1つのPRACH(Physical Random Access Channel)機会(occasion)に関連付けられたSS/PBCH(Synchronization Signal/Physical Broadcast Channel)ブロックの数Nと、SS/PBCHブロック当たりのコンテンションベースプリアンブルの数Rと、を上位レイヤパラメータによって提供されてもよい。Nが1より小さい場合、1つのSS/PBCHブロックが1/N個の連続するPRACH機会にマップされる。Nが1以上である場合、PRACH機会当たり、SS/PBCHブロックn(0≦n≦N-1)に関連付けられた連続インデックスを有するR個のコンテンションベースプリアンブルは、プリアンブルインデックスn 64/Nから開始する。SS/PBCHブロックインデックスは、単一のPRACH機会内のプリアンブルインデックス、周波数多重されるPRACH機会に対する周波数リソースインデックス、1つのPRACHスロット内に時間多重される時間リソースインデックス、PRACHスロットのインデックス、に従って、PRACH機会にマップされてもよい。
リソースオフセットは、プリアンブル(系列)インデックス、周波数リソースインデックス、時間リソースインデックス、PRACHスロットインデックス、の少なくとも1つであってもよい。
送信電力決定方法2をサポートするUEが、Msg.3に送信電力決定方法2を適用する要求する(送信電力決定方法2をサポートしていることをMsg.1によって報告する)かどうかは、UE次第であってもよい(UE実装に依存してもよい)し、NWからブロードキャスト情報(例えば、SS/PBCHブロック)によって指示されてもよい。
送信電力決定方法2をサポートしないUEは、前述のRACHリソース選択方法によって、RACHリソースを決定してもよい。
送信電力決定方法2をサポートするUEは、Msg.3 PUSCHに送信電力決定方法2を適用するかどうかを、次のMsg.3送信方法1、2の少なくとも1つに従ってもよい。
>Msg.3送信方法1
図7に示すように、UEは、Msg.3 PUSCHに送信電力決定方法2を適用するかどうかを、Msg.2を用いてNWから指示されてもよい。
Msg.3 PUSCHに送信電力決定方法2を適用するかどうかの指示は、次の指示1~4のいずれかであってもよい。
・指示1:UEは、Msg.2 DCIに含まれるビット{0,1}によって指示を通知されてもよい。
・指示2:UEは、Msg.2 DCIに含まれる複数のビットフィールドの組み合わせによって指示を通知されてもよい。
・指示3:UEは、Msg.2 PDCCHの物理リソース(例えば、周波数リソース)を用いて指示を通知されてもよい。例えば、UEは、Msg.2 PDCCHのCCEインデックスをアグリゲーションレベルで除した値が偶数か奇数かによって、指示を通知されてもよい。UEは、CCEインデックスに紐付けられた値によって、指示を通知されてもよい。
・指示4:UEは、Msg.2 PDCCHのサーチスペース又はCORESETの選択によって指示を通知されてもよい。UEは、Msg.2を受信したサーチスペースID又はCORESET IDの2つの候補のいずれを用いるかによって、指示を通知されてもよい。
このMsg.3送信方法1によれば、Msg.3 PUSCHに送信電力決定方法2を適用するかどうかを柔軟に設定できる。
>Msg.3送信方法2
図8に示すように、UEがMsg.3 PUSCHに送信電力決定方法2を適用するかどうかは、NWから指示されなくてもよい。UEは、Msg.3 PUSCH送信に送信電力決定方法2を適用してもよい。
このMsg.3送信方法2によれば、完全コヒーレントのプリコーディング行列を用いる場合と同じ総送信電力を用いて送信できるため、カバレッジ及びSN比(通信品質)を改善できる。
Msg.3 PUSCHに送信電力決定方法2を適用するUEは、Msg.3 PUSCHからRRC接続までのPUSCHに送信電力決定方法2を適用するかどうかについて、次のPUSCH送信方法1-1、1-2のいずれかに従ってもよい。
>PUSCH送信方法1-1
送信電力決定方法2をサポートするUEは、Msg.3に送信電力決定方法2を適用し、Msg.3 PUSCHからRRC接続までのPUSCH(例えば、Msg.4 HARQ-ACK)に送信電力決定方法2を適用する。
このPUSCH送信方法1-1によれば、RRC接続前のPUSCHに送信電力決定方法2を適用することによって、カバレッジを改善できる。
>PUSCH送信方法1-2
送信電力決定方法2をサポートするUEは、Msg.3に送信電力決定方法2を適用し、Msg.3 PUSCHからRRC接続までのPUSCH(例えば、Msg.4 HARQ-ACK)に送信電力決定方法2を適用しない。
このPUSCH送信方法1-2によれば、NWは、RRC接続後の送信電力決定方法2の適用の有無を柔軟に設定できる。
Msg.3 PUSCHに送信電力決定方法2を適用するUEは、RRC接続後のPUSCHに送信電力決定方法2を適用するかどうかについて、次のPUSCH送信方法2-1、2-2のいずれかに従ってもよい。
>PUSCH送信方法2-1
送信電力決定方法2をサポートするUEは、Msg.3に送信電力決定方法2を適用し、RRC接続後のPUSCHに送信電力決定方法2を適用する。すなわち、UEは、NWからの指示に依らず、RRC接続後のPUSCHに送信電力決定方法2を適用する。
このPUSCH送信方法2-1によれば、RRC接続後のPUSCHに送信電力決定方法2を適用することによって、カバレッジを改善できる。
>PUSCH送信方法2-2
送信電力決定方法2をサポートするUEは、Msg.3に送信電力決定方法2を適用し、RRC接続後に上位レイヤシグナリングによって送信電力決定方法2を設定された場合、RRC接続後のPUSCHに送信電力決定方法2を適用する。RRC接続後に上位レイヤシグナリングによって送信電力決定方法2を設定されない場合、RRC接続後のPUSCHに送信電力決定方法2を適用しない。
このPUSCH送信方法2-2によれば、NWは、RRC接続後の送信電力決定方法2の適用の有無を柔軟に設定できる。
この態様4によれば、UEは、RRC接続前にも送信電力決定方法2を適用することによって、カバレッジを改善できる。
<他の態様>
以上の各態様は、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、位相追従参照信号(PTRS:Phase Tracking Reference Signal)、などのUL信号の送信に適用されてもよいし、PUCCHなどのULチャネルの送信に適用されてもよい。
(無線通信システム)
以下、一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
図9は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、NR(New Radio)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する基地局12(12a-12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。各セル及びユーザ端末20の配置、数などは、図に示す態様に限定されない。
ユーザ端末20は、基地局11及び基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1及びスモールセルC2を、CA又はDCを用いて同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、5個以下のCC、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用してもよい。
ユーザ端末20と基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、legacy carrierなどとも呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
また、ユーザ端末20は、各セルで、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)及び/又は周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を用いて通信を行うことができる。また、各セル(キャリア)では、単一のニューメロロジーが適用されてもよいし、複数の異なるニューメロロジーが適用されてもよい。
基地局11と基地局12との間(又は、2つの基地局12間)は、有線(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線によって接続されてもよい。
基地局11及び各基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されない。また、各基地局12は、基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、基地局12は、局所的なカバレッジを有する基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、基地局11及び12を区別しない場合は、基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE-Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末(移動局)だけでなく固定通信端末(固定局)を含んでもよい。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア-周波数分割多元接続(SC-FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)及び/又はOFDMAが適用される。
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC-FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックによって構成される帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限らず、他の無線アクセス方式が用いられてもよい。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHによって、MIB(Master Information Block)が伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHによって、PDSCH及び/又はPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。
なお、DCIによってスケジューリング情報が通知されてもよい。例えば、DLデータ受信をスケジューリングするDCIは、DLアサインメントと呼ばれてもよいし、ULデータ送信をスケジューリングするDCIは、ULグラントと呼ばれてもよい。
PCFICHによって、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHによって、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ-ACK、ACK/NACKなどともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報などが伝送される。また、PUCCHによって、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報、スケジューリングリクエスト(SR:Scheduling Request)などが伝送される。PRACHによって、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)などが伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
(基地局)
図10は、一実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す図である。基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
下りリンクによって基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102によって増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの呼処理(設定、解放など)、基地局10の状態管理、無線リソースの管理などを行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
図11は、一実施形態に係る基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。
ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、基地局10に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部104に含まれなくてもよい。
制御部(スケジューラ)301は、基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
制御部301は、例えば、送信信号生成部302における信号の生成、マッピング部303における信号の割り当てなどを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304における信号の受信処理、測定部305における信号の測定などを制御する。
制御部301は、システム情報、下りデータ信号(例えば、PDSCHで送信される信号)、下り制御信号(例えば、PDCCH及び/又はEPDCCHで送信される信号。送達確認情報など)のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、制御部301は、上りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、下り制御信号、下りデータ信号などの生成を制御する。また、制御部301は、同期信号(例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))、下り参照信号(例えば、CRS、CSI-RS、DMRS)などのスケジューリングの制御を行う。
また、制御部301は、上りデータ信号(例えば、PUSCHで送信される信号)、上り制御信号(例えば、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される信号。送達確認情報など)、ランダムアクセスプリアンブル(例えば、PRACHで送信される信号)、上り参照信号などのスケジューリングを制御する。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下りデータの割り当て情報を通知するDLアサインメント及び/又は上りデータの割り当て情報を通知するULグラントを生成する。DLアサインメント及びULグラントは、いずれもDCIであり、DCIフォーマットに従う。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、受信処理によって復号された情報を制御部301に出力する。例えば、HARQ-ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ-ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
例えば、測定部305は、受信した信号に基づいて、RRM(Radio Resource Management)測定、CSI(Channel State Information)測定などを行ってもよい。測定部305は、受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)、SNR(Signal to Noise Ratio))、信号強度(例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator))、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
(ユーザ端末)
図12は、一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤ及びMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、ブロードキャスト情報もアプリケーション部205に転送されてもよい。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202によって増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
図13は、一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、本例においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。
ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、ユーザ端末20に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部204に含まれなくてもよい。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
制御部401は、例えば、送信信号生成部402における信号の生成、マッピング部403における信号の割り当てなどを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404における信号の受信処理、測定部405における信号の測定などを制御する。
制御部401は、基地局10から送信された下り制御信号及び下りデータ信号を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号及び/又は下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号及び/又は上りデータ信号の生成を制御する。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報、チャネル状態情報(CSI)などに関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、基地局10から送信される下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
受信信号処理部404は、受信処理によって復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、ブロードキャスト情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。また、受信信号処理部404は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
例えば、測定部405は、受信した信号に基づいて、RRM測定、CSI測定などを行ってもよい。測定部405は、受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、SINR、SNR)、信号強度(例えば、RSSI)、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
送受信部203は、プリコーディング行列(プリコーダ、コードブック)に基づく信号を送信してもよい。
前記プリコーディング行列の一部の値(要素)がゼロである場合、制御部401は、前記信号の送信電力の補正を行ってもよい。
制御部401は、基地局から通知される情報(上位レイヤシグナリング、プリコーダタイプ(codebookSubset)、DCI、など)と、前記プリコーディング行列に関する能力について前記基地局へ報告した情報(UE能力情報、プリコーダタイプ)と、の少なくとも1つに基づいて、前記補正を適用するかを決定してもよい。
前記プリコーディング行列の一部の値がゼロである場合、制御部401は、全アンテナポートの送信電力の第1合計(完全コヒーレントのプリコーディング行列を用いる場合の送信電力の合計)を、前記プリコーディング行列を全ての値が非ゼロである場合の全アンテナポートの送信電力の第2合計(部分コヒーレント又はノンコヒーレントのプリコーディング行列を用いる場合の送信電力の合計)に等しくすることと、前記第1合計を、1よりも小さい第1係数(例えばα1)を前記第2合計に乗じた値に等しくすることと、前記プリコーディング行列の値に1よりも大きい第2係数(例えばα2)を乗ずること、の1つを行ってもよい。
制御部401は、前記補正をサポートするかと、前記第1係数と、前記第2係数と、前記補正によって前記信号の電力又は振幅の最大増幅率(例えば、β)と、の少なくとも1つを報告してもよい。
制御部401は、ランダムアクセス手順における上り共有チャネル(Msg.3、Msg.4 HARQ-ACKの少なくとも1つ)に前記補正を適用してもよい。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
ここで、機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、みなし、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)、送信機(transmitter)などと呼称されてもよい。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施形態における基地局、ユーザ端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図14は、一実施形態に係る基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、部(section)、ユニットなどの文言は、互いに読み替えることができる。基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部103(203)は、送信部103a(203a)と受信部103b(203b)とで、物理的に又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル、シンボル及び信号(シグナル又はシグナリング)は、互いに読み替えられてもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
ここで、ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)によって構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。なお、本開示におけるフレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、シンボルなどの時間単位は、互いに読み替えられてもよい。
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックによって構成されてもよい。
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本開示において明示的に開示したものと異なってもよい。様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ及び下位レイヤから上位レイヤの少なくとも一方へ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))を用いて通知されてもよい。
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。
本開示において、「プリコーディング」、「プリコーダ」、「ウェイト(プリコーディングウェイト)」、「擬似コロケーション(QCL:Quasi-Co-Location)」、「TCI状態(Transmission Configuration Indication state)」、「空間関係(spatial relation)」、「空間ドメインフィルタ(spatial domain filter)」、「送信電力」、「位相回転」、「アンテナポート」、「アンテナポートグル-プ」、「レイヤ」、「レイヤ数」、「ランク」、「リソース」、「リソースセット」、「リソースグループ」、「ビーム」、「ビーム幅」、「ビーム角度」、「アンテナ」、「アンテナ素子」、「パネル」などの用語は、互換的に使用され得る。
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(TP:Transmission Point)」、「受信ポイント(RP:Reception Point)」、「送受信ポイント(TRP:Transmission/Reception Point)」、「パネル」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」、「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
本開示において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム、これらに基づいて拡張された次世代システムなどに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE又はLTE-Aと、5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
本開示に記載の「最大送信電力」は送信電力の最大値を意味してもよいし、公称最大送信電力(the nominal UE maximum transmit power)を意味してもよいし、定格最大送信電力(the rated UE maximum transmit power)を意味してもよい。
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。
本開示において、2つの要素が接続される場合、1つ以上の電線、ケーブル、プリント電気接続などを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。