(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる交通状況予測システムSの全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、交通状況予測システムSは、交通状況予測装置10と、路側計算装置2と、車両感知器4と、撮像装置3とを備える。路側計算装置2と、車両感知器4と、撮像装置3とは、高速道路等の道路脇に設置されるものとする。
交通状況予測装置10は、路側計算装置2から道路の交通状況に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、道路において所定の交通状況が発生する確率を予測する。交通状況予測装置10は、例えば、交通管制センター1に設けられ、交通状況予測装置10と伝送路等を介して接続する。
本実施形態においては、所定の交通状況は、渋滞とする。本実施形態において渋滞は、道路を走行する車両の平均車速が時速20km未満である状態とするが、他の定義を採用しても良い。また、所定の交通状況は、渋滞に限定されるものではなく、道路の車両密度が所定の値以上となること等であっても良い。
また、本実施形態においては、交通状況予測装置10が所定の交通状況が発生する確率を予測する対象とする道路を、予測対象道路という。
撮像装置3は、道路上を走行する車両5を撮影する固定カメラである。撮像装置3は、例えば、CCTV(Closed Circuit Television)カメラである。撮像装置3は、例えば道路から7m程度の高さの位置に設置され、道路上を走行する車両5を斜め上方から撮影する。撮像装置3は、車両5を撮影した撮影画像を、路側計算装置2に送信する。
車両感知器4は、道路上を走行する車両5の台数(車両台数)と、各車両5の車速(車両速度)とを計測するトラフィックカウンタである。車両感知器4は、計測した車両台数および車両速度を路側計算装置2に送信する。車両感知器4は、例えば超音波ソナーまたはレーダ等のセンサを備え、当該センサによる検出結果に基づいて、車両台数および車両速度を計測する。また、車両感知器4は、道路の下に埋設されて車両を感知するセンサを備えるものとしても良い。本実施形態においては、車両速度は、個々の車両5の車速でも良いし、一定時間内に検知された複数の車両5の平均車速であっても良い。
路側計算装置2は、撮像装置3および車両感知器4と通信路等を介して接続しており、撮像装置3によって撮像された撮像画像、および、車両感知器4によって計測された車両台数および車両速度を取得する。また、路側計算装置2は、取得した撮像画像を画像処理することにより、道路上を走行する車両5の台数と、各車両5の車速とを計測する。
路側計算装置2は、撮像画像に基づいて計測した車両台数および車両速度と、車両感知器4から取得した車両台数および車両速度とを、計測時刻および計測位置と対応付けて交通状況予測装置10に送信する。計測位置は、撮像装置3または車両感知器4が設置された位置である。なお、撮像装置3によって撮像された撮像画像から計測された車両台数および車両速度については、撮像時刻を計測時刻とする。
本実施形態においては、車両台数、車両速度、計測時刻、および計測位置を対応付けた情報を、車両情報という。
交通状況予測装置10、および路側計算装置2は、CPU(Central Processing Unit、プロセッサ)などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはCDドライブ装置などの外部記憶装置と、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
次に、交通状況予測装置10が備える機能の詳細について説明する。
図2は、本実施形態にかかる交通状況予測装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、交通状況予測装置10は、取得部101と、受付部102と、事前確率算出部103と、条件付確率算出部104と、出力部105と、記憶部150とを備える。
記憶部150は、後述の事前確率算出部103、および条件付確率算出部104によって実行される処理で使用される各種の情報を記憶する。また、記憶部150は、事前確率算出部103、および条件付確率算出部104によって算出された所定の交通状況が発生する確率を記憶する。本実施形態においては、所定の交通状況は渋滞とするため、所定の交通状況が発生する確率は、渋滞発生確率とする。記憶部150は、例えば、HDDまたはSSDなどの記憶装置である。
具体的には、記憶部150は、道路構成情報と、車両情報と、統計情報と、渋滞発生確率情報とを記憶する。
図3は、本実施形態における道路構成情報151の一例を示す図である。道路構成情報151は、各道路の連結関係と、道路に含まれる区間の始点および終点とを示す情報である。
図3に示すように、道路構成情報151は、道路7a,7b(以下、特に区別しない場合は単に道路7という)の位置および長さと、道路7に含まれる区間の始点または終点であるノード8a~8f(以下、特に区別しない場合は単にノード8という)の位置と、道路7aおよび道路7bが連結する連結地点9の位置とが対応付けられた情報である。
図3に示す例では、道路7aは本線であり、道路7bは道路7aに合流する支線であるものとする。以下、道路7aを、第1の道路7a、道路7bを、第2の道路7bという。第1の道路7aおよび第2の道路7bは、高速道路等の有料道路とする。
本実施形態においては、道路7における2つのノード8の間の範囲を、区間という。高速道路の出入口、または複数の道路7の連結地点9が、各区間の区切りとなるため、これらの位置がノード8となる。また、出入口または連結地点9が少ない道路7では、一定の距離(例えば500m)単位で区間が定められても良い。ノード8の位置、つまり各区間の始点および終点は、有料道路事業者等によって予め定められるものとする。
第1の道路7aおよび第2の道路7bに含まれる各区間には、それぞれ、車両感知器4または撮像装置3が、少なくとも1台設置されるものとする。
連結地点9は、複数の道路7が合流または分岐する地点であり、例えば高速道路のジャンクションである。
図4は、本実施形態にかかる連結地点9の具体例を説明する図である。図3で示した連結地点9は、図4に示すジャンクションにおける第1の道路7aと、第2の道路7bとの合流地点に相当する。
なお、図3では、道路構成情報151をグラフィカルな情報として表したが、道路構成情報151は、各道路7に含まれるノード8の位置および複数の道路7同士の連結地点9の位置が対応付けられた情報であれば良く、データ構造は特に限定されるものではない。
統計情報は、車両情報が後述の事前確率算出部103によって統計処理された結果である。本実施形態においては、統計情報は、決定木等の予測モデルである。また、渋滞発生確率情報は、予測対象道路に含まれる各区間の渋滞発生確率と、各区間を特定する識別情報とが対応付けられた情報である。車両情報、統計情報、および渋滞発生確率情報の詳細については後述する。
図2に戻り、取得部101は、路側計算装置2から車両情報を取得し、記憶部150に保存する。車両情報は、車両台数、車両速度、計測時刻、および計測位置を対応付けた情報である。
図5は、本実施形態にかかる車両情報152の一例を示す図である。図5に示すように、本実施形態の車両情報152は、車両感知器4によって計測された車両台数および車両速度と、撮像画像から計測された車両台数および車両速度と、の両方を含むものとする。図5に示す計測位置“地点A”は、例えば、“区間A”の中のいずれかの地点であり、“地点X”は、例えば、“区間X”の中のいずれかの地点であるものとする。
図2に戻り、受付部102は、ユーザによる渋滞発生確率の予測開始の操作を受け付ける。この際、受付部102は、渋滞発生確率の予測の対象である予測対象道路の指定を受け付けるものとする。受付部102は、渋滞発生確率の予測開始の操作を受け付けた場合に、事前確率算出部103に、予測対象道路の指定と、渋滞発生確率の予測開始の通知とを送出する。本実施形態においては、予測対象道路として第1の道路7aが指定されるものとする。
事前確率算出部103は、過去の交通状況に基づいて、第1の道路7aにおいて渋滞が発生する確率(渋滞発生確率)である第1の確率と、第1の道路7aと連結する第2の道路において渋滞が発生する確率である第2の確率とを算出する。
より詳細には、第1の確率は、第1の道路7aのうち、第2の道路7bとの連結地点9の直前の区間(図3に示す“区間A”)において渋滞が発生する確率である。また、第2の確率は、第2の道路7bのうち、連結地点9の直前の区間(図3に示す“区間X”)において所定の交通状況が発生する確率である。本実施形態においては、第1の確率を確率P(A)、第2の確率を確率P(X)と表記する。事前確率算出部103は、記憶部150に保存された道路構成情報151に基づいて、第1の道路7aに連結する第2の道路7bと、“区間A”、および“区間X”を特定する。
事前確率算出部103は、確率P(A)および確率P(X)を、互いの相関関係を考慮せずに、それぞれ独立して求める。確率P(A)および確率P(X)は、ベイズ統計における事前確率である。
また、本実施形態においては、事前確率算出部103は、車両情報152に登録された車両感知器4によって計測された車両台数および車両速度と、撮像画像から計測された車両台数および車両速度と、のうち、統計処理または学習モデルに基づいて、一方または両方の車両台数および車両速度を使用する。
一例として、夜間など撮像条件が悪化する時間帯においては、事前確率算出部103は、車両感知器4によって計測された車両台数および車両速度を使用してもよい。また、その他の時間帯においては、事前確率算出部103は、車両感知器4によって計測された車両台数と撮像画像から計測された車両台数との平均値を車両台数として使用し、車両感知器4によって計測された車両速度と撮像画像から計測された車両速度との平均値を車両速度として使用しても良い。また、ある区間において車両感知器4によって計測された車両台数および車両速度、または撮像画像から計測された車両台数および車両速度のいずれか一方しか車両情報152として登録されていない場合は、事前確率算出部103は、登録されている車両台数および車両速度を使用するものとする。
事前確率算出部103は、車両情報152を統計処理すること、または車両情報152に基づいて機械学習をすることにより、第1の確率および第2の確率を算出する。一例として、事前確率算出部103は、車両情報152から決定木を生成し、生成した決定木を予測モデルとして用いて、第1の確率および第2の確率を算出する。
事前確率算出部103は、例えば、「第1の道路7aの“区間A”で渋滞が発生した」、つまり、「“区間A”における車両速度が時速20km未満となった」という結論に帰結する条件を車両情報152から特定し、当該条件に基づいて車両情報152をクラスタリングする決定木を生成する。
図6は、本実施形態にかかる決定木の一例を示す図である。図6の決定木は、事前確率算出部103によって生成される。図6の決定木のノードN1~N13において、上段の数値(例えばノードN1における「0.014」)は、渋滞が発生する確率(渋滞/(渋滞+非渋滞))で、下段(例えばノードN1における「100%」)は分析対象のデータが当該クラスに属する確率(分析対象のデータがそのクラスに辿り着くまでの判定条件を満たす確率)である。ノードN1においては、車両情報152に登録されたデータの全件が対象となるため、分析対象のデータが当該クラスに属する確率は100%となる。
また、この決定木では、渋滞予測対象の“区間A”の番号を#1とする。まず、ノードN1では、区間#1の1つ上流である区間#2の0分前の車両速度(V)が34[km/h]以上か否かによって車両情報152を分類し、Yesの場合はノードN2に進み、Noの場合はノードN3に進む。
ノードN2では、区間#2の0分前の交通量(車両台数)(Q)が17[台/分]以上か否かによって車両情報152をさらに分類し、Yesの場合はノードN4に進み、Noの場合はノードN9に進む。
ノードN3では、区間#2の25分前の交通量(Q)が348[台/分]未満か否かによって車両情報152をさらに分類し、Yesの場合はノードN5に進み、Noの場合はノードN13に進む。
ノードN4では、区間#2の25分前の交通量(Q)が399[台/分]未満か否かによって車両情報152をさらに分類し、Yesの場合はノードN7に進み、Noの場合はノードN8に進む。
ノードN5では、計測時刻が08:38以降か否かによって車両情報152をさらに分類し、Yesの場合はノードN6に進み、Noの場合はノードN12に進む。
ノードN6では、区間#1の0分前の車両速度(V)が42[km/h]以上か否かによって車両情報152をさらに分類し、Yesの場合はノードN10に進み、Noの場合はノードN11に進む。
図6に示す決定木によれば、車両情報152がノードN13に至る判定条件をすべて満たす場合、“区間A”において67%の確率で渋滞が発生する。各区間ごとに、「渋滞が発生した」という結論に到達するための条件は異なる場合があるため、本実施形態においては、事前確率算出部103は、区間ごとに決定木を生成する。
ここで、図6に示す例では、事前確率算出部103は、過去の25分前までに計測された車両情報152に基づいて渋滞発生確率を算出するものとしたが、25分は一例であり、渋滞発生確率の算出根拠となる車両情報152はこれに限定されるものではない。
事前確率算出部103は、記憶部150に蓄積された過去の車両情報152に基づいて決定木等の予測モデルを予め生成し、統計情報として記憶部150に保存する。
事前確率算出部103は、受付部102から渋滞発生確率の予測開始の通知を受けた場合に、車両情報152に登録されたデータのうち、現在時刻(つまり、算出処理の実行時刻)から所定の時間以内の過去に計測されたデータを予測モデルに入力することにより、第1の確率および第2の確率を算出する。
所定の時間は、現在時刻から予測対象時刻までの時間よりも、十分に長い時間とする。例えば、事前確率算出部103は、現在時刻から予測対象時刻までの時間が10分間である場合は、現在時刻から25分間以内に計測された車両情報152を、第1の確率および第2の確率の算出に使用する。また、例えば、事前確率算出部103は、現在時刻から予測対象時刻までの時間が10分間よりも長い場合は、現在時刻から25分よりも前に計測された車両情報152も、第1の確率および第2の確率の算出に使用するものとする。所定の時間は、一例として、決定木によって特定されるものとしても良い。
また、事前確率算出部103は、過去の交通状況に基づいて、第1の道路7aの“区間A”で渋滞が発生した時間帯において、第2の道路7bの“区間X”で渋滞が発生した確率である第3の確率を算出する。例えば、事前確率算出部103は、車両情報152から、過去において“区間A”の車両速度が時速20km未満となった計測時刻を検索し、検索の結果取得した計測時刻において、“区間X”における車両速度が時速20km未満となった割合を、第3の確率として算出する。本実施形態においては、第3の確率を確率P(X|A)と表記する。
車両情報152は、過去の交通状況を示す情報の一例であり、事前確率算出部103は、車両情報152以外の過去の交通状況を示す情報を用いて、確率P(A)、確率P(X)、確率P(X|A)を算出しても良い。また、上述の確率A(X)、確率P(X)、確率P(X|A)の算出の手法は一例であり、他の公知の手法を採用しても良い。
また、事前確率算出部103は、第1の確率または第2の確率の算出と同様の手法を用いて、第1の道路7aに含まれる区間A以外の各区間についても、区間ごとの渋滞発生確率を算出する。
事前確率算出部103は、予測対象道路である第1の道路7aに含まれる各区間の渋滞発生確率を、各区間を特定する識別情報と対応付けて、渋滞発生確率情報として、記憶部150に保存する。
また、事前確率算出部103は、算出した第1の確率(確率A(X))、第2の確率(確率P(X))、および第3の確率(確率P(X|A))を、条件付確率算出部104に送出する。
図2に戻り、条件付確率算出部104は、事前確率算出部103によって算出された第1の確率、第2の確率、および第3の確率に基づいて、第2の道路7bの“区間X”における渋滞の発生を条件として第1の道路7aの“区間A”において渋滞が発生する条件付確率である確率P(A|X)を算出する。
例えば、図3に示したように複数の道路7が連結する場合、連結地点9と隣接する区間の交通状況は、道路7に連結する他の道路の交通状況の影響を受ける。例えば、図3に示す道路においては、第1の道路7aの“区間A”の交通状況は、第2の道路7bの“区間X”の交通状況の影響を受ける。このため、条件付確率算出部104は、事前確率算出部103によって算出された“区間A”の渋滞発生確率を、“区間X”の渋滞発生確率の影響を加味して算出し直すことにより、より高精度に“区間A”の渋滞発生確率を算出する。
条件付確率算出部104は、第3の確率に第1の確率を乗算した値を、第2の確率で除算することにより、条件付確率を算出する。より詳細には、条件付確率算出部104は、ベイズの定理に基づく式(1)に、第1の確率(確率A(X))、第2の確率(確率P(X))、および第3の確率(確率P(X|A))を入力することにより、条件付確率P(A|X)を算出する。
条件付確率算出部104は、記憶部150に保存された渋滞発生確率情報のうち、“区間A”の渋滞発生確率を、式(1)によって算出した条件付確率P(A|X)に置換する。条件付確率算出部104は、渋滞発生確率情報の置換を完了した場合に、出力部105に処理の完了を通知する。
本実施形態においては、条件付確率算出部104は、ベイズの定理を用いて第2の道路7bの“区間X”において渋滞が発生することを条件として第1の道路7aの“区間A”において渋滞が発生する条件付確率P(A|X)を算出しているが、他の数式モデル等を採用しても良い。
図2に戻り、出力部105は、条件付確率算出部104によって区間Aの渋滞発生確率が条件付確率P(A|X)に置換された渋滞発生確率情報を出力する。例えば、出力部105は、予測対象道路である第1の道路7aに含まれる各区間の渋滞発生確率を、表示装置に表示する。また、出力部105は、渋滞発生確率情報を他の情報処理装置等に送信してもよい。
出力部105は、単に各区間の渋滞発生確率の数値を出力するものとしても良いし、交通状況を表す表現でラベル付けして表示しても良い。例えば、出力部105は、渋滞発生確率が閾値以上の区間を“渋滞”、渋滞発生確率が閾値未満の区間を“順調”と表示しても良い。渋滞発生確率の閾値は、例えば67%とするが、これに限定されるものではない。
次に、以上のように構成された交通状況予測装置10で実行される交通状況予測処理の流れについて説明する。
図7は、本実施形態にかかる交通状況予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理が開始する前に、取得部101は、路側計算装置2から車両情報152を取得し、記憶部150に保存しているものとする。また、事前確率算出部103は、記憶部150に保存された車両情報152に基づいて、決定木を生成し、生成した決定木を記憶部150に保存しているものとする。
まず、受付部102は、予測対象道路の指定および予測処理の開始の操作を受け付けたか否かを判断する(S1)。予測対象道路の指定および予測処理の開始の操作を受け付けていないと判断した場合(S1“No”)、受付部102は、S1の処理を繰り返す。
予測対象道路の指定および予測処理の開始の操作を受け付けたと判断した場合(S1“Yes”)、受付部102は、事前確率算出部103に、予測対象道路の指定と、渋滞発生確率の予測開始の通知とを送出する。本実施形態においては、予測対象道路として第1の道路7aが指定されるものとする。
次に、事前確率算出部103は、渋滞発生確率の予測開始の通知を受けた場合に、車両情報152に登録されたデータのうち、計測時刻が現在時刻から所定の時間以内の過去に計測されたデータを、記憶部150に保存された決定木に入力することにより、指定された予測対象道路(第1の道路7a)に含まれる各区間の渋滞発生確率を算出する(S2)。事前確率算出部103は、算出した渋滞発生確率を、第1の道路7aに含まれる各区間を特定する識別情報と対応付けて、渋滞発生確率情報として、記憶部150に保存する。
この際、事前確率算出部103は、第1の道路7aに含まれる区間のうち、連結地点9の直前の区間である“区間A”で渋滞が発生する確率P(A)も算出するものとする。
次に、事前確率算出部103は、記憶部150に保存された道路構成情報151から、連結地点9を特定し、特定した連結地点9において予測対象道路に連結する道路(第2の道路7b)を特定する(S3)。
また、事前確率算出部103は、道路構成情報151から、第1の道路7aに含まれる区間のうち連結地点9の直前の区間である“区間A”、および第2の道路7bに含まれる区間のうち連結地点9の直前の区間である“区間X”を特定する(S4)。
そして、事前確率算出部103は、車両情報152に登録されたデータのうち、計測時刻が現在時刻から所定の時間以内の過去に計測されたデータを、記憶部150に保存された決定木に入力することにより、第2の道路7bの“区間X”で渋滞が発生する確率P(X)を算出する(S5)。
次に、事前確率算出部103は、車両情報152に基づいて、“区間A”で渋滞が発生した時刻において、“区間X”が渋滞した確率P(X|A)を算出する(S6)。事前確率算出部103は、算出した確率P(A)、確率P(X)、および確率P(X|A)を条件付確率算出部104に送出する。
そして、条件付確率算出部104は、事前確率算出部103によって算出された確率P(A)、確率P(X)、および確率P(X|A)を、ベイズの定理に基づく式(1)に入力することにより、第2の道路7bの“区間X”において渋滞が発生することを条件として第1の道路7aの“区間A”において渋滞が発生する条件付確率である確率P(A|X)を算出する(S7)。
次に、条件付確率算出部104は、記憶部150に保存された渋滞発生確率情報のうち、“区間A”の渋滞発生確率を、式(1)によって算出した条件付確率P(A|X)に置換する(S8)。
そして、出力部105は、条件付確率算出部104による置換の終了後に、記憶部150に保存された渋滞発生確率情報を、表示装置に表示する(S9)。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
なお、図3に示した例では、予測対象道路である第1の道路7aに連結する第2の道路7bは1本であったが、第1の道路7aが複数の他の道路と連結する複雑な道路構造であっても、本実施形態の手法を適用することができる。
図8は、本実施形態にかかる道路構成情報151の他の一例を示す図である。図8に示す例では、第2の道路7bに加えて、第3の道路7cおよび第4の道路7dが第1の道路7aに連結する。第3の道路7cおよび第4の道路7dは、第1の道路7aの支線とする。図8に示すノード8a~8qは、図3と同様に、道路7の区間の始点または終点である。
例えば、条件付確率算出部104は、第1の道路7aに含まれる区間のうち、連結地点9a~9cと隣接する“区間A1”、“区間A2”、および“区間A3”において渋滞が発生する確率を、第2の道路7bの“区間X1”、第3の道路7cの“区間X2”、および第4の道路7dの“区間X3”において渋滞が発生する確率を用いて算出しても良い。
複数の道路が連結する複雑な構造の道路においては、複数の道路の合流地点において一時的に車両密度が高くなるため、渋滞が発生しやすくなることが知られている。また、剛路の連結地点における交通状況は、当該道路から分岐する道路または当該道路に合流する他の道路の交通状況の影響を受けることが知られている。しかしながら、従来技術においては、交通状況の予測対象道路の単独の渋滞発生確率については算出されていたが、連結する他の道路の交通状況が予測対象道路の交通状況に与える影響については、十分に考慮されていない場合があった。このため、予測対象道路と連結する道路の交通状況の影響を考慮して予測対象道路の交通状況を高精度に予測することが求められていた。
本実施形態の交通状況予測装置10では、第1の道路7aにおいて所定の交通状況が発生する確率である第1の確率と、第1の道路7aと連結する第2の道路7bにおいて所定の交通状況が発生する確率である第2の確率とに基づいて、第2の道路7bにおける所定の交通状況の発生を条件として第1の道路7aにおいて所定の交通状況が発生する条件付確率を算出する。このため、本実施形態の交通状況予測装置10によれば、予測対象道路である第1の道路7aが複数の道路が連結する複雑な構造であっても、第1の道路7aの交通状況を高精度に予測することができる。
また、本実施形態において、第1の確率は、第1の道路7aのうち、第2の道路7bとの連結地点9の直前の区間である“区間A”において所定の交通状況が発生する確率であり、第2の確率は、第2の道路7bのうち、連結地点9の直前の区間である“区間X”において所定の交通状況が発生する確率である。本実施形態の交通状況予測装置10は、“区間X”において所定の交通状況が発生することを条件として、“区間A”において所定の交通状況が発生する条件付確率(P(A|X))を算出する。このため、本実施形態の交通状況予測装置10によれば、予測対象道路である第1の道路7aのうち、特に第2の道路7bの交通状況の影響を受ける“区間A”について、所定の交通状況が発生する確率、例えば渋滞発生確率をより高精度に算出することができる。
また、本実施形態の交通状況予測装置10は、さらに、第1の道路7aにおいて所定の交通状況が発生した時間帯において、第2の道路7bにおいて所定の交通状況が発生した確率である第3の確率(P(X|A))を算出し、第3の確率(P(X|A))に第1の確率(P(A))を乗算した値を、第2の確率(P(X))で除算することにより、条件付確率(P(A|X))を算出する。このため、本実施形態の交通状況予測装置10によれば、複雑に連結する道路7においても、連結対象の道路の交通状況の影響を加味した渋滞発生確率を容易に算出することができる。
なお、本実施形態においては、条件付確率算出部104は、本線である第1の道路7aの渋滞発生確率を算出するために、支線である第2の道路7b、第3の道路7cまたは第4の道路7dの渋滞発生確率を使用したが、条件付確率算出部104は、支線の渋滞発生確率を使用するために、本線の渋滞発生確率を使用しても良い。
また、本実施形態においては、第1の道路7aおよび第2の道路7bを区間ごとに区切って渋滞発生確率を算出していたが、第1の道路7a全体、または第2の道路7b全体を対象として渋滞発生確率を算出しても良い。
また、本実施形態においては、受付部102が渋滞発生確率の予測開始の操作を受け付けた場合に、事前確率算出部103および条件付確率算出部104が事前確率および条件付確率の算出処理を実行するものとしたが、事前確率算出部103および条件付確率算出部104は、定期的に、事前確率および条件付確率の算出処理を実行するものとしても良い。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態においては、交通状況予測装置10は、過去の交通状況に基づいて、第1の確率、第2の確率、および第3の確率を算出していた。この第2の実施形態においては、交通状況予測装置10は、さらに、天候に基づいて第1の確率、第2の確率、および第3の確率を算出する。
本実施形態における交通状況予測システムSの全体構成、および交通状況予測装置10の機能的構成は、図1、および図2で説明した第1の実施形態と同様である。
本実施形態の交通状況予測装置10は、第1の実施形態と同様に、取得部101と、受付部102と、事前確率算出部103と、条件付確率算出部104と、出力部105と、記憶部150とを備える。受付部102と、条件付確率算出部104と、出力部105とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の取得部101は、第1の実施形態の機能を備えた上で、外部装置から、地域ごとの過去の天候を示す天候記録情報、および、地域ごとの現在時刻以降の天気予報情報を定期的に取得する。取得部101は、天候記録情報および天気予報情報を記憶部150に保存する。天候記録情報および天気予報情報は、地域ごとの天候を“晴天”または“降雨(雨天)”の2分類で表すものでも良いし、降雨量、台風の位置などを含むものとしても良い。
本実施形態の事前確率算出部103は、第1の実施形態の機能を備えた上で、記憶部150に保存された車両情報152、天候記録情報、および天気予報情報に基づいて、第1の確率、および第2の確率を算出する。
より詳細には、事前確率算出部103は、第1の道路7aと第2の道路7bにおける過去の交通状況を、時刻、車両台数(交通量)、車両速度、または天候によって分類した予測モデルを生成する。予測モデルは、例えば第1の実施形態と同様の決定木とする。そして、事前確率算出部103は、現在時刻から所定の時間以内の過去における交通量、車両速度、または天候を予測モデルに入力することにより、第1の確率および第2の確率を算出する。
図9は、天候と車両速度との関係の一例を示す図である。図9は、図8に示した第1の道路7aにおける7月4~6日の3日間における区間別かつ時間単位別の平均車両速度を示す。図9に示す図の各行は、第1の道路7aにおける1区間に相当する。図9の“スタート”と“エンド”は、それぞれ、第1の道路7aの始点と終点である。“スタート”は図8に示すノード8aに相当し、“エンド”は、ノード8qに相当する。
また、図9に示す“連結地点A”は、図8に示す連結地点9aに相当する。また、“連結地点B”は、図8に示す連結地点9bに相当する。“連結地点C”は、図8に示す連結地点9cに相当する。
また、図9に示す図に含まれる各セルの柄は、所定の時間単位ごとの平均車速を示す。黒く塗りつぶされているセルは、当該区間における平均車両速度が時速20km未満となり、渋滞が発生したことを示す。また、図9には記載していないが、7月4~6日の3日間における車両台数および車両密度には大きな差はないものとする。
図9に示すように、天候が晴天であった7月4日においては、いずれの区間においても渋滞が発生していないが、7月5日および6日においては、天候が降雨(雨天)となっている間、または降雨後の時間帯に渋滞が発生している。また、図9の7月5日または6日には、複数の道路7の連結地点9a~9cに隣接する複数の区間において、降雨の発生中または発生後に渋滞が発生している。
このように、連結地点9に隣接する区間においては、特に、天候によって渋滞発生確率が変化する場合がある。
本実施形態の交通状況予測装置10によれば、第1の道路7aと第2の道路7bにおける過去の交通状況を、時刻、車両台数(交通量)、車両速度、または天候によって分類した予測モデルを生成し、当該予測モデルに基づいて、第1の確率、および第2の確率を算出するため、より構成度に渋滞発生確率を算出することができる。図9に示したように、特に、連結地点9に隣接する区間においては、天候によって渋滞発生確率が変化する場合があるため、本実施形態の交通状況予測装置10によれば、複数の道路が連結する複雑な構造の道路においてより高精度に渋滞発生確率を算出することができる。
なお、本実施形態の事前確率算出部103は、第3の確率については、第1の実施形態と同様の手法で算出するものとするが、過去における天候別に第3の確率を算出しても良い。
(第3の実施形態)
この第3の実施形態においては、交通状況予測装置10は、さらに、交通事故の有無、付近で開催されるイベントの有無、または付近の一般道の交通状況に基づいて、予測対象道路における渋滞発生確率を算出する。
本実施形態における交通状況予測システムSの全体構成、および交通状況予測装置10の機能的構成は、図1、および図2で説明した第1の実施形態と同様である。
本実施形態の交通状況予測装置10は、第1の実施形態と同様に、取得部101と、受付部102と、事前確率算出部103と、条件付確率算出部104と、出力部105と、記憶部150とを備える。受付部102と、条件付確率算出部104と、出力部105とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の取得部101は、第1の実施形態の機能を備えた上で、外部装置から、過去の交通事故の発生位置、および発生時刻を示す事故情報を取得する。また、取得部101は、過去に開催されたイベントおよび将来開催予定のイベントの名称、開催時刻、終了時刻、開催位置、および参加人数等が対応付けられたイベント情報を外部装置から取得する。イベント情報の内容はこれらに限定されるものではなく、これらの一部のみでも良いし、さらにイベントに関する他の情報を含むものとしても良い。
イベントは、例えば、花火大会、または祭り等であり、所定の基準値以上の人数が参加するものとする。
また、取得部101は、第1の道路7aまたは第1の道路7aと連結する他の道路7(例えば第2の道路7b)の出入口と接続する一般道の交通状況を示す情報を取得する。一般道の交通状況を示す情報は、例えば、一般道における車両台数および車両速度である。取得部101は、取得したこれらの情報を、記憶部150に保存する。
また、事前確率算出部103は、第1の実施形態の機能を備えた上で、第1の道路7aまたは第2の道路7bにおける交通事故の有無、または、第1の道路7aまたは第2の道路7bから所定の距離以内で催されるイベントの有無に基づいて、第1の確率および第2の確率を算出する。
また、事前確率算出部103は、第1の道路7aまたは第2の道路7bの入口または出口と接続する一般道の交通状況に基づいて、第1の確率および第2の確率を算出する。一般道の交通状況は、一例として、一般道における車両密度、平均車両速度、渋滞の発生の有無等である。例えば、第1の道路7aの出口に接続する一般道で渋滞が発生している場合、第1の道路7aにおいても渋滞が発生する場合がある。
より詳細には、事前確率算出部103は、車両情報152に登録されたデータを、第1の実施形態における分類に加えて、さらに、交通事故の有無、イベントの有無、または付近の一般道の交通状況で分類した予測モデルを生成する。予測モデルは、例えば第1の実施形態と同様の決定木とする。そして、事前確率算出部103は、第1の確率および第2の確率を算出する時点における交通事故の有無、イベントの有無、または付近の一般道の交通状況を予測モデルに入力することにより、第1の確率および第2の確率を算出する。
また、事前確率算出部103は、通常時(交通事故およびイベントが発生していない状態)と、交通事故が発生した場合と、イベントが開催された場合とで別個に予測モデルを生成し、第1の確率および第2の確率を算出する時点における第1の道路7aまたは第2の道路7bにおける交通事故またはイベントの有無に応じて、使用する予測モデルを使い分けても良い。
また、事前確率算出部103は、イベントの開催時に計測された車両情報152に基づいて、当該イベントが交通状態に影響を及ぼす地域の範囲、および影響の度合を、当該イベントの名称と対応付けて、記憶部150に保存しても良い。この場合、事前確率算出部103は、次回以降に第1の確率および第2の確率を算出する際に、記憶部150に保存された過去のイベントの情報を使用するものとする。
また、事前確率算出部103は、公知の交通シミュレータを用いて、開催予定のイベントの開催によって交通状況が変化する区間、および時間帯について予測し、当該予測結果を予測モデルに入力することにより、第1の確率および第2の確率を算出しても良い。
このように、本実施形態の交通状況予測装置10によれば、第1の道路7aまたは第2の道路7bにおける交通事故の有無、第1の道路7aまたは第2の道路7bから所定の距離以内で催されるイベントの有無、または第1の道路7aまたは第2の道路7bの入口または出口と接続する一般道の交通状況に基づいて、第1の確率および第2の確率を算出するため、第1の道路7aの交通状況をより高精度に予測することができる。
なお、事前確率算出部103は、交通事故の有無、イベントの有無、または一般道の交通状況のいずれか1つまたは2つを第1の確率および第2の確率に用いるものとしても良いし、全てを用いるものとしても良い。
(変形例1)
上述の各実施形態においては、事前確率算出部103は、区間ごとに決定木等の予測モデルを生成するとしたが、隣接する区間同士であれば交通状況が類似するため、1つの区間の予測モデルを、隣接する他の区間に援用しても良い。
より詳細には、事前確率算出部103は、第1の道路に含まれる複数の区間のうち、いずれか1つの区間において計測された過去の交通状況に基づいて予測モデルを生成する。そして、事前確率算出部103は、予測モデルに対して、予測モデルの生成の根拠となった区間および当該区間と隣接する他の区間において現在時刻から所定の時間以内の過去における交通量、車両の速度、または天候を入力することにより、当該区間および当該区間と隣接する他の区間における渋滞発生確率を算出する。
本変形例の交通状況予測装置10によれば、予測モデルの生成処理の負荷を低減することができる。
また、事前確率算出部103は、隣接する区間だけではなく、連続する複数の区間に対して、同一の予測モデルを適用しても良い。
例えば、事前確率算出部103は、図8に示したノード8jからノード8nまでの間に存在する複数の区間のように、連結地点9と隣接しない連続した複数の区間において、いずれか1つの区間の予測モデルを、他の区間における渋滞発生確率の算出に使用する。また、事前確率算出部103は、図8に示した“区間A1”、“区間A2”、および“区間A3”のように、他の道路7との連結地点9と隣接する区間においては、個別の予測モデルを使用して第1の確率を算出する。
また、事前確率算出部103は、予測モデルを援用するだけではなく、隣接する複数の区間に対して同一の渋滞発生確率をしても良い。例えば、事前確率算出部103は、連結地点9と隣接しない連続した複数の区間において、いずれかの区間を代表区間とし、当該代表区間の渋滞発生確率を、これら複数の区間の渋滞発生確率として記憶部150に保存しても良い。
(変形例2)
また、上述の各実施形態においては、事前確率算出部103は、車両情報152に登録されたデータのうち、現在時刻から所定の時間以内の過去に計測されたデータを予測モデルに入力することにより、第1の確率および第2の確率を算出していた。しかしながら、第1の確率および第2の確率の算出の手法はこれに限定されるものではない。
例えば、事前確率算出部103は、予測対象時刻における車両台数(交通量)、車両の速度、または天候を、記憶部150に保存された車両情報152または天候情報に基づいて予測し、予測結果を予測モデルに入力することにより、第1の確率および第2の確率を算出しても良い。
また、当該構成を採用する場合、受付部102は、ユーザによる予測対象時刻の指定を受け付け、受け付けた予測対象時刻を、事前確率算出部103に送出するものとする。
本変形例の交通状況予測装置10によれば、現在時刻に近い時刻における渋滞発生確率だけではなく、任意に指定された予測対象時刻における渋滞発生確率を算出することができる。
(変形例3)
また、上述の各実施形態においては、路側計算装置2が、撮像画像を画像処理することにより、道路7を走行する車両5の台数と、各車両5の車速とを計測するとしたが、交通状況予測装置10が当該処理を実行するものとしても良い。例えば、交通状況予測装置10は、撮像画像から車両台数および車両速度を特定する画像処理部を備えても良い。
また、車両情報152の内容は、上述の各実施形態で説明した内容に限定されるものではなく、例えば、道路7を通行する個々の車両同士の車間距離、または平均車間距離を含んでも良い。当該構成を採用する場合、路側計算装置2または交通状況予測装置10は、撮像画像から道路を通行する車両同士の車間距離を計測するものとする。また、当該構成を採用する場合、条件付確率算出部104は、車間距離(または平均車間距離)を用いて、第1の確率または第2の確率を算出しても良い。
また、路側計算装置2または交通状況予測装置10は、車両5が車線変更をした場合にも、連続して撮像された撮像画像からパターン認識等の画像処理によって車両5を検出することにより、高精度に車両台数および車両速度を算出するものとしても良い。
以上説明したとおり、第1から第3の実施形態の交通状況予測装置10によれば、複数の道路と連結する複雑な構造の道路における交通状況を、高精度に予測することができる。
上述の各実施形態の交通状況予測装置10で実行される交通状況予測プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、上述の各実施形態の交通状況予測装置10で実行される交通状況予測プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の交通状況予測装置10で実行される交通状況予測プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、上述の各実施形態の交通状況予測プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
上述の各実施形態の交通状況予測装置10で実行される交通状況予測プログラムは、上述した各部(取得部、受付部、事前確率算出部、条件付確率算出部、出力部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から交通状況予測プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、取得部、受付部、事前確率算出部、条件付確率算出部、出力部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。