JP7312046B2 - 生物種の音声把握システム - Google Patents

生物種の音声把握システム Download PDF

Info

Publication number
JP7312046B2
JP7312046B2 JP2019137682A JP2019137682A JP7312046B2 JP 7312046 B2 JP7312046 B2 JP 7312046B2 JP 2019137682 A JP2019137682 A JP 2019137682A JP 2019137682 A JP2019137682 A JP 2019137682A JP 7312046 B2 JP7312046 B2 JP 7312046B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
basic
value
data
frequency
actual
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019137682A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021021815A (ja
Inventor
聖哉 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Research Institute of Electric Power Industry filed Critical Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority to JP2019137682A priority Critical patent/JP7312046B2/ja
Publication of JP2021021815A publication Critical patent/JP2021021815A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7312046B2 publication Critical patent/JP7312046B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

本発明は、生物種の音声把握システムに関する。
環境アセスメントの重要性が高まり、鳥類や哺乳類、両生類、昆虫類等の野生動物(生物種)の生息状況を把握することが重要になってきている。このため、調査対象地域に生物種の鳴き声等の音声を収集する音源検出手段を備え、通信網を介して音源検出手段で得られた音声情報をデータベースに登録する、生物種の生息状況を把握するシステム(生物種の音声把握システム)が従来から提案されている(例えば、特許文献1)。
従来から提案されている生物種の音声把握システムでは、無線端末等を特定の生物種に保持させることなく、生物種の音声データを基にして行動をデータベース化することができる。このため、現地での調査やデータ収集等を行うことなく、調査対象の制限を少なくして生物種の音声データを収集し、生息状況を把握することができる。
従来から提案されている生物種の音声把握システムでは、無線端末等を特定の生物種に保持させることなく、音声データを収集することができる。所望の生物種の音声だけを容易に抽出するためには、録音された音声データと所望の生物種の音声データとを比較し、機械的に適切に判別する必要がある。
しかし、特許文献1に開示された技術では、継続して長時間、もしくは、反復して長期間にわたり、録音された音声データと所望の生物種の音声データとを、機械的に適切に判別する点は考慮されておらず、所望の生物種の音声だけを短時間で容易に抽出するには至っていないのが現状である。
特願2018-99114号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、所望の生物種の音声だけを短時間で容易に抽出して生物種の音声を把握することができる生物種の音声把握システムを提供することを目的とする。
特に、継続して長時間、もしくは、反復して長期間にわたり、録音された音声データを基に、所望の生物種の音声だけを短時間で容易に抽出して生物種の音声を把握することができる生物種の音声把握システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の生物種の音声把握システムは、対象となる生物種の音声データが基礎音声データとして記憶される基礎音声データ記憶手段と、所望の場所における音声を録音して対象となる生物種の実音声データを含む実データを得る録音手段と、前記基礎音声データ記憶手段に記憶されている前記基礎音声データ、及び、前記録音手段で録音された前記実データを比較し、前記実データの中から対象となる生物種の実音声データの部分を特定する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記基礎音声データと前記実データの周波数を比較することで、実音声データの部分を特定する比較機能と、前記基礎音声データと比較する前記実データに、比較対象となる周波数の範囲を設定するフィルター処理を施すフィルター機能とを有している。
請求項1に係る本発明では、対象となる生物種の実音声データを含む実データ(生物種の実際の鳴き声と周囲の音全て)に、比較対象となる周波数の範囲を設定するフィルター処理を施し、フィルター処理が施された実データと基礎音声データとを比較し、周波数の範囲が設定された実データから実音声データ(実際の鳴き声の部分)を抽出する。
所望の場所で、継続して長時間、もしくは、反復して長期間にわたり、録音された実データの中から実音声データを抽出することができ、対象となる生物種の鳴き声が生じている時期(時刻)や頻度を明らかにして、生物種の生息状況を把握することが可能になる。
従って、所望の生物種の音声だけを短時間で容易に抽出して生物種の音声を把握することが可能になる。
そして、前記制御手段は、実データの音声の時間範囲を所定区分の音節に分割する音節区分機能を有し、前記比較機能は、前記音節区分機能で分割された音節の単位で周波数を比較する。
これにより、生物種の音声(鳴き声)が生じている部分を音節として区分し、区分した音節を単位で周波数を比較することで、生物種の音声を把握することができる。
また、前記制御手段は、前記音節区分機能で分割された音節における時間経過の音の周波数の変化を、音の大きさと周波数との関係である周波数特性に変換する変換機能を有し、前記比較機能は、前記変換機能で変換された前記周波数特性を比較する。
これにより、音節における音の経時変化を、音の大きさ(強度)と周波数との関係である周波数特性に変換し、周波数の特性を比較することで、生物種の音声を把握することができる。
また、前記制御手段の前記比較機能は、周波数特性を比較する際に、パラメータとして、音の周波数が上昇から低下に変わる値の最大値である最大ピーク値、音の周波数が低下から上昇に変わる値の最小値である最小ピーク値、最大ピーク値と最小ピーク値の差であるピーク差値、音の周波数が上昇から低下に変わる値及び音の周波数が低下から上昇に変わる値の平均値である平均ピーク値の少なくとも一つを用いる。
これにより、音の周波数が変化する位置での値(ピークの値)を用いることで、特徴が出やすい部分を比較することができる。
また、前記基礎音声データ記憶手段では、前記基礎音声データは、音声の時間範囲が所定区分の音節である基礎音節に分割され、基礎音節の時間経過が、大きさと周波数との関係である基礎周波数特性に変換され、基礎周波数特性から基礎パラメータとして、音の周波数が上昇から低下に変わる値の最大値である基礎最大ピーク値、音の周波数が低下から上昇に変わる値の最小値である基礎最小ピーク値、基礎最大ピーク値と基礎最小ピーク値の差である基礎ピーク差値、音の周波数が上昇から低下に変わる値及び音の大きさが低下から上昇に変わる値の平均値である基礎平均ピーク値が定義され、基礎パラメータの少なくとも二つを含む複数の基礎パラメータが抽出され、複数の基礎パラメータの値から、多変量の分散行列に基づいて発生させた正規乱数を発生させ、発生させた正規乱数に基づいて外れ値が排除された状態の二次基礎パラメータが特定され、前記制御手段では、二次基礎パラメータと実データの周波数特性が比較されることで、実音声データと基礎音声データの周波数が比較される。
これにより、比較の基礎となる基礎音声データとして、鳴き声の部分の音節、音の周波数が変化する位置での値の基礎パラメータに基づいた状態で、及び、データの平均とばらつきから正規乱数を多数生成すると共に外れ値を排除した状態で、二次基礎パラメータが特定され、二次基礎パラメータと実データの周波数特性が比較されることで、実音声データと基礎音声データの周波数が比較される。
このため、基礎音声データの雑音が排除されると共に、基礎音声データの地域差等によるばらつきを補正することができ、二次基礎パラメータを比較の対象として用いることで、機械的な比較を容易に実施することができる。
本発明の生物種の音声把握システムは、所望の生物種の音声だけを短時間で容易に抽出して生物種の音声を把握することが可能になる。
つまり、本発明の生物種の音声把握システムは、継続して長時間、もしくは、反復して長期間にわたり、録音された音声データを基に、所望の生物種の音声だけを短時間で容易に抽出して生物種の音声を把握し、所望の生物種が、いつ(時間、時季)いるのか、どの程度いるのか、その場所にはいないのかを確認することが可能になる。
本発明の一実施例に係る生物種の音声把握システムの全体の状況を説明する概念図である。 本発明の一実施例に係る生物種の音声把握システムの概略ブロック構成図である。 比較の基礎となる基礎音声データの基礎音節を説明する音声レベルの図(基礎周波数特性)である。 基礎音節の中のピーク周波数の経時変化(基礎パラメータ)を表す図である。 基礎周波数特性から発生させた正規乱数の概念図である。 実データの音節を説明する音声レベルの図(周波数特性)である。 音節の中のピーク周波数の経時変化(パラメータ)を表す図である。
環境アセスメントにおいて、調査の対象となる生物種、例えば、特定の鳥類(単に鳥類と記す)の生息状況を把握する必要がある場合、鳥類の鳴き声(音声データ)が基礎音声データとして準備される。そして、所望の場所で、鳥類の実際の鳴き声と周囲の音全てを含む音声(実データ)を所定の期間継続して、もしくは、反復して長時間にわたり録音し、実データと基礎音声データとを比較することで、実データの中から鳥類の実際の鳴き声(実音声データ)を抽出する(特定する)。
鳥類の実際の鳴き声(実音声データ)を抽出する(特定する)ことで、所望の場所で、鳥類の鳴き声が生じている時刻、時季、頻度等を明らかにして、生物種の生息状況を把握することができる。つまり、所望の鳥類が、いつ(時間、時季)いるのか、どの程度いるのか、その場所にはいないのかを確認することが可能になる。
本発明では、鳥類の実際の鳴き声(実音声データ)を抽出する場合に、実データと基礎音声データの周波数を比較して鳥類の実際の鳴き声を特定する。そして、比較をする際に、フィルター処理を施すことで、雑音等を排除すると共に、鳥類の鳴き声であることが、ほぼ確実な部分の音声を抽出し、比較の対象となる周波数の範囲を特定することが特徴となっている。
具体的には、バンドパスフィルターにより、周波数の上限値と下限値を設定し、上限値よりも大きな周波数と下限値よりも小さな周波数の音声の情報を排除して実データと基礎音声データの周波数を比較する。
このため、明らかな雑音や鳥類の鳴き声以外の音声の情報が存在しないデータを比較することができ、所望の鳥類の鳴き声だけを短時間で容易に抽出して鳥類の音声を把握することが可能になる。
図面を参照して本願発明を具体的に説明する。
図1には本発明の一実施例に係る生物種の音声把握システムの全体の状況を説明するための概念を示してある。
図に示すように、所望の生物種である、特定の鳥類(対象となる生物種)の生息状況を調査するため、調査対象となる場所、例えば、市街地に隣接する農地1、市街地から外れた山間部2、海沿いに広がる林群3には、録音手段5が設置される。録音手段5では、所望の場所(農地1、山間部2、林群3)における音声を録音して特定の鳥類の実音声データ(特定の鳥類の鳴き声)を含む実データ(全ての録音データ)が得られる。
所望の鳥類の実際の鳴き声のデータが基礎音声データ(音声データ)として記憶される基礎音声データ記憶手段6が備えられ、基礎音声データ記憶手段6の情報は制御手段7に収められている。制御手段7には、録音手段5で録音された、特定の鳥類の実音声データ(特定の鳥類の鳴き声)を含む実データ(全ての録音データ)が入力される。
制御手段7では、基礎音声データ(音声データ)の周波数と、実データ(全ての録音データ)の周波数が比較され、特定の鳥類の実音声データ(特定の鳥類の鳴き声)の部分が特定される(比較機能)。そして、基礎音声データ(音声データ)と比較する実データには、比較対象となる周波数の範囲を設定するフィルター処理が施される(フィルター機能)。
図2に基づいて制御手段7における機能の構成を説明する。図2には本発明の一実施例に係る音声把握システムの制御手段7における機能の概略のブロック構成を示してある。
図に示すように、制御手段7には録音手段5で録音された実データが入力される。制御手段7は、比較対象となる実データの周波数の範囲を設定するフィルター機能11を有している。また、実データの音声の時間範囲を所定区分の音節(音素の集合)に分割する音節区分機能12を有している。
そして、制御手段7は、音節区分機能12で分割された音節における時間経過の音の大きさの変化を、音の大きさと周波数との関係である周波数特性に変換する変換機能13を有している。そして、変換機能13で変換された周波数特性が比較機能14に送られ、比較機能14は変換機能13で変換された周波数特性を比較する。
このため、鳥類の音声(鳴き声)が生じている部分を音節として区分し、区分した音節を単位で周波数を比較することで、鳥類の音声を把握することができる。
制御手段7の比較機能14は、周波数特性を比較する際に、パラメータとして、音の周波数が上昇から低下に変わる値の最大値である最大ピーク値、音の周波数が低下から上昇に変わる値の最小値である最小ピーク値、最大ピーク値と最小ピーク値の差であるピーク差値、音の周波数が上昇から低下に変わる値、及び、音の周波数が低下から上昇に変わる値の平均値である平均ピーク値が求められる。
このため、音の周波数が変化する位置での値(ピークの値)を用いることで、特徴が出やすい部分を比較することができる。
一方、基礎音声データ記憶手段6では、基礎音声データは、音声の時間範囲が所定区分の音節である基礎音節に分割され、基礎音節の時間経過が、大きさと周波数との関係である基礎周波数特性に変換される。
そして、基礎周波数特性から基礎パラメータとして、音の周波数が上昇から低下に変わる値の最大値である基礎最大ピーク値、音の周波数が低下から上昇に変わる値の最小値である基礎最小ピーク値、基礎最大ピーク値と基礎最小ピーク値の差である基礎ピーク差値、音の周波数が上昇から低下に変わる値、及び、音の周波数が低下から上昇に変わる値の平均値である基礎平均ピーク値が定義され、基礎パラメータを含む複数の基礎パラメータが抽出される。
更に、複数の基礎パラメータの値から、多変量の分散行列に基づいて発生させた正規乱数を発生させ、発生させた正規乱数に基づいて外れ値が排除された状態の二次基礎パラメータが特定される。
制御手段7の比較機能14では、基礎音声データの二次基礎パラメータと実データの周波数特性が比較されることで、実音声データと基礎音声データの周波数が比較される。
このため、比較の基礎となる基礎音声データとして、鳴き声の部分の音節、音の周波数が変化する位置での値の基礎パラメータに基づいた状態で、及び、データの平均とばらつきから正規乱数を多数生成すると共に外れ値を排除した状態で、二次基礎パラメータが特定され、二次基礎パラメータと実データの周波数特性が比較されることで、実音声データと基礎音声データの周波数が比較される。
図3から図5に基づいて音声データが基礎音声データとして記憶される基礎音声データ記憶手段6を具体的に説明する。即ち、二次基礎パラメータを得るまでの状況を具体的に説明する。
図3には比較の基礎となる基礎音声データの基礎音節を説明する音声レベルの時間経過、図4には基礎音節の中のピーク周波数の経時変化(基礎周波数特性、基礎パラメータ)、図5には基礎周波数特性から発生させた正規乱数の概念を示してある。
図3に示すように、基礎音声データは、音声の時間範囲が所定区分(1)(2)(3)(4)・・・・・(n)の音節である基礎音節に分割される。例えば、鳥の鳴き声であれば、音声の時間範囲が「ピーッ」「ピーッ」といった音節の単位で分割される。多数の基礎音節の時間経過が、大きさと周波数との関係である基礎周波数特性に変換される。基礎周波数特性の基礎音節は、多数の音素の集合体となっている。
そして、基礎周波数特性のそれぞれに対し、基礎パラメータとして、音の周波数が上昇から低下に変わる値の最大値である基礎最大ピーク値、音の周波数が低下から上昇に変わる値の最小値である基礎最小ピーク値、基礎最大ピーク値と基礎最小ピーク値の差である基礎ピーク差値、音の周波数が上昇から低下に変わる値、及び、音の周波数が低下から上昇に変わる値の平均値である基礎平均ピーク値が定義され、基礎パラメータが抽出される。
抽出された基礎パラメータに基づいて、基礎音節(1)(2)(3)(4)・・・・・(n)それぞれに対し、基礎音節の中のピーク周波数の経時変化(1a)(2a)(3a)(4a)・・・・・(na)が示される。例えば、基礎音節(2)の基礎音節の中のピーク周波数の経時変化(2a)を例に挙げると、周波数の大きさと時間との関係が、ピークの経時変化として図4に示すように示される。
つまり、図4に示すように、ピーク周波数の経時変化として、基礎最大ピーク値M、基礎最小ピーク値m、基礎最大ピーク値Mと基礎最小ピーク値mの差である基礎ピーク差値、ピーク周波数の平均値である基礎平均ピーク値aが定義される。
更に、図5に示すように、互いに相関する二つ(複数)の基礎パラメータの値(例えば、基礎最大ピーク値と基礎最小ピーク値)から、多変量の分散行列に基づいて正規乱数を発生させる。例えば、図中点線の中に納まっていない外れ値が●で示すように存在する。
図5中点線の中に納まっていない外れ値は、例えば、図3中の基礎音節の中のピーク周波数の経時変化(1a)(7a)に相当することが判断される。即ち、基礎音節の中のピーク周波数の経時変化(1a)(7a)が、図4に示した状態に近似していないと判断されて、外れ値に該当する基礎音節の中のピーク周波数の経時変化(1a)(7a)とされる。
そして、図5中点線の中に納まっていない外れ値の基礎音節(1)(7)が排除され、外れ値が排除された状態の基礎周波数特性(図中点線の中に納まっている基礎音節の基礎周波数特性)が二次基礎パラメータとして特定される。つまり、図3に示した状態における、基礎音節(2)(3)(4)(5)(6)における周波数の特性が二次基礎パラメータとして特定される。
即ち、図3に示した状態では、基礎音節(1)(2)(3)(4)・・・・・(n)に対し、例えば、基礎音節の中のピーク周波数の経時変化(2a)(3a)(4a)(5a)(6a)が図4に示した状態に近似していると判断され、二次基礎パラメータとして特定される。
このため、基礎音声データの雑音が排除されると共に、基礎音声データの地域差等によるばらつきを補正することができ、二次基礎パラメータを比較の対象として用いることで、機械的な比較を容易に実施することができる。
尚、多変量の分散行列に基づいて正規乱数を発生させる複数の基礎パラメータの値は、他のパラメータの組み合わせでも同様に正規乱数を発生させる。
上述したように構築された基礎音声データの二次基礎パラメータが基礎音声データ記憶手段6に記憶され、制御手段7の比較機能14で実データの周波数特性と比較される。
尚、基礎音声データの二次基礎パラメータの構築は上述した実施例の手法に限定されず、多数のデータをデータベース化し、データベースの中から使用目的に応じて種々選択して目的の二次基礎パラメータとすることも可能である。
図6、図7に基づいて実音声データ(特定の鳥類の鳴き声)を含む実データ(全ての録音データ)から、二次基礎パラメータと比較される周波数特性を設定するフィルター機能11(図2)、音節区分機能(図2)、変換機能13(図2)の状況を具体的に説明する。
図6には実音声データ(特定の鳥類の鳴き声)を含む実データ(全ての録音データ)の音節を説明する音声レベルの時間経過、図7には音節の中のピーク周波数の経時変化(周波数特性、パラメータ)を示してある。
実データには、雑音や周囲の他の生き物の生息音等が含まれているため、フィルター機能11により、周波数の範囲が設定される。つまり、所定の周波数の範囲のバンドパスフィルターにより、周波数の上限値と下限値を設定し、上限値よりも大きな周波数と下限値よりも小さな周波数の音声の情報を排除する。このため、明らかな雑音が排除され、特定の鳥類の鳴き声の周波数で間違えない範囲の周波数帯が設定される。
対象となる鳥類の実音声データを含む実データ(鳥類の実際の鳴き声と周囲の音全て)に、比較対象となる周波数の範囲を設定するフィルター処理を施したことにより、フィルター処理が施された実データと基礎音声データとを比較し、周波数の範囲が設定された実データから実音声データ(実際の鳴き声の部分)を抽出することができる。
このため、所望の場所で、継続して長時間、もしくは、反復して長期間にわたり、録音された実データの中から実音声データを抽出することができ、対象となる鳥類の鳴き声が生じている時期(時刻)や頻度を明らかにして、鳥類の生息状況を把握することが可能になり、所望の鳥類の音声だけを短時間で容易に抽出して鳥類の音声を把握することが可能になる。
図6に示すように、所定の周波数帯が設定された実音声データは、音声の時間範囲が所定区分(1)(2)(3)(4)・・・・・(n)の音節に分割される(音節区分機能12)。基礎音節と同様に、例えば、鳥の鳴き声であれば、音声の時間範囲が「ピーッ」「ピーッ」といった音節の単位で分割される。
多数の音節の時間経過が、大きさと周波数との関係である周波数特性に変換される(変換機能13)。周波数特性の音節は、多数の音素の集合体となっている。そして、周波数特性のそれぞれに対し、パラメータとして、音の周波数が上昇から低下に変わる値の最大値である最大ピーク値、音の周波数が低下から上昇に変わる値の最小値である最小ピーク値、最大ピーク値と最小ピーク値の差であるピーク差値、音の周波数が上昇から低下に変わる値、及び、音の周波数が低下から上昇に変わる値の平均値である平均ピーク値が定義され、少なくとも一つのパラメータが抽出される。
抽出されたパラメータに基づいて、音節(1)(2)(3)(4)・・・・・(n)それぞれに対し、音節の中のピーク周波数の経時変化(1b)(2b)(3b)(4b)・・・・・(nb)が示される。例えば、音節(2)の基礎音節の中のピーク周波数の経時変化(2b)を例に挙げると、周波数の大きさと時間との関係が、ピークの経時変化として図7に示すように示される。
つまり、図7に示すように、ピーク周波数の経時変化として、最大ピーク値M、最小ピーク値m、最大ピーク値Mと最小ピーク値mの差であるピーク差値、ピーク周波数の平均値である平均ピーク値aが定義される。
即ち、抽出されたパラメータに基づいて、音節(1)(2)(3)(4)・・・・・(n)それぞれに対し、音節(1)(2)(3)(4)・・・・・(n)の中のピーク周波数の経時変化(1b)(2b)(3b)(4b)・・・・・(nb)が示される(変換機能13)。音節の中のピーク周波数の経時変化が用いられて、周波数特性が比較される。音の周波数が変化する位置での値(ピークの値)を用いることで、特徴が出やすい部分を比較することができる。
制御手段7の比較機能14では、音の大きさが変化する位置での値(ピークの値)が加味された基礎パラメータ、及び、パラメータが考慮されて、二次基礎パラメータと実データの周波数特性が比較されることで、実音声データと基礎音声データの周波数が比較される。
比較機能14では、基礎音節の周波数の特性である二次基礎パラメータと、音節の周波数の特性である実データの周波数特性が比較され、比較の結果、例えば、一致の度合い(近時の度合い)が高い場合に、実データの音声が基礎音声データの音声とみなされ、基礎音声データに記録された鳥類の音声が実データから抽出された鳥類の音声と一致していると判断される。この結果、所望の鳥類の存在状況を具体的に確認することができる。
例えば、比較の結果、基礎音節(2)(3)(4)(5)(6)(7)における周波数の経時変化(2a)(3a)(4a)(5a)(6a)(7a)である二次基礎パラメータ(図3参照)に対し、音節(2)(4)(6)におけるピーク周波数の経時変化(2b)(4b)(6b)である周波数特性(図6参照)が近似した結果と判断される。このため、実データから抽出された音節(2)(4)(6)における鳥類の音声が基礎音声データに記録された鳥類の音声と一致していると判断される。
この結果、音節(2)(4)(6)に対応した時間に、所望の鳥類の存在状況を具体的に確認することができる。言い換えれば、音節(2)(4)(6)に対応した時間以外には、所望の鳥類が存在しないことを確認することができる。
上述した音声把握システムは、フィルター処理が施された実データと基礎音声データとを比較し、周波数の範囲が設定された実データから実音声データ(実際の鳴き声の部分)を抽出する。そして、音の大きさが変化する位置での値(ピークの値)のパラメータを考慮しているため、特徴が出やすい部分で実データと基礎音声データとを比較することができる。
従って、継続して長時間、もしくは、反復して長期間にわたり、録音された音声データを基に、鳥類の実際の鳴き声(実音声データ)を抽出する(特定する)ことが容易に行え、所望の場所で、鳥類の鳴き声が生じている時刻、時季、頻度等を明らかにして、鳥類の生息状況を把握することができる。
つまり、所望の鳥類が、いつ(時間、時季)いるのか、どの程度いるのか、その場所にはいないのかを容易に確認することが可能になる。即ち、所望の鳥類の音声だけを短時間で容易に抽出して鳥類の音声を把握することが可能になる。
尚、上述した実施例では、生物種として鳥類を例に挙げて説明したが、本願発明は、生物種として、哺乳類、両生類、昆虫類等の野生動物を対象とすることが可能であり、本願発明を適用することにより、種々の生物種の生息状況を把握することが可能になる。
本発明は、生物種の音声把握システムの産業分野で利用することができる。
1 農地
2 山間部
3 林群
5 録音手段
6 基礎音声データ記憶手段
7 制御手段
11 フィルター機能
12 音節区分機能
13 変換機能
14 比較機能

Claims (1)

  1. 対象となる生物種の音声データが基礎音声データとして記憶される基礎音声データ記憶手段と、
    所望の場所における音声を録音して対象となる生物種の実音声データを含む実データを得る録音手段と、
    前記基礎音声データ記憶手段に記憶されている前記基礎音声データ、及び、前記録音手段で録音された前記実データを比較し、前記実データの中から対象となる生物種の実音声データの部分を特定する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記基礎音声データと前記実データの周波数を比較することで、実音声データの部分を特定する比較機能と、
    前記基礎音声データと比較する前記実データに、比較対象となる周波数の範囲を設定するフィルター処理を施すフィルター機能とを有し
    前記制御手段は、
    実データの音声の時間範囲を所定区分の音節に分割する音節区分機能を有し、
    前記比較機能は、
    前記音節区分機能で分割された音節の単位で周波数を比較し、
    前記制御手段は、
    前記音節区分機能で分割された音節における時間経過の音の周波数の変化を、音の大きさと周波数との関係である周波数特性に変換する変換機能を有し、
    前記比較機能は、
    前記変換機能で変換された前記周波数特性を比較し、
    前記制御手段の前記比較機能は、
    周波数特性を比較する際に、パラメータとして、
    音の周波数が上昇から低下に変わる値の最大値である最大ピーク値、
    音の周波数が低下から上昇に変わる値の最小値である最小ピーク値、
    最大ピーク値と最小ピーク値の差であるピーク差値、
    音の周波数が上昇から低下に変わる値及び音の周波数が低下から上昇に変わる値の平均
    値である平均ピーク値
    の少なくとも一つを用い
    前記基礎音声データ記憶手段では、
    前記基礎音声データは、
    音声の時間範囲が所定区分の音節である基礎音節に分割され、
    基礎音節の時間経過が、大きさと周波数との関係である基礎周波数特性に変換され、
    基礎周波数特性から基礎パラメータとして、音の周波数が上昇から低下に変わる値の最大値である基礎最大ピーク値、音の周波数が低下から上昇に変わる値の最小値である基礎最小ピーク値、基礎最大ピーク値と基礎最小ピーク値の差である基礎ピーク差値、音の周波数が上昇から低下に変わる値、及び、音の周波数が低下から上昇に変わる値の平均値である基礎平均ピーク値が定義され、
    基礎パラメータの少なくとも二つを含む複数の基礎パラメータが抽出され、
    複数の基礎パラメータの値から、多変量の分散行列に基づいて発生させた正規乱数を発生させ、発生させた正規乱数に基づいて外れ値が排除された状態の二次基礎パラメータが特定され、
    前記制御手段では、
    二次基礎パラメータと実データの周波数特性が比較されることで、実音声データと基礎音声データの周波数が比較される
    ことを特徴とする生物種の音声把握システム。
JP2019137682A 2019-07-26 2019-07-26 生物種の音声把握システム Active JP7312046B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019137682A JP7312046B2 (ja) 2019-07-26 2019-07-26 生物種の音声把握システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019137682A JP7312046B2 (ja) 2019-07-26 2019-07-26 生物種の音声把握システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021021815A JP2021021815A (ja) 2021-02-18
JP7312046B2 true JP7312046B2 (ja) 2023-07-20

Family

ID=74574446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019137682A Active JP7312046B2 (ja) 2019-07-26 2019-07-26 生物種の音声把握システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7312046B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003255984A (ja) 2002-03-06 2003-09-10 Asahi Kasei Corp 野鳥の鳴き声認識装置及びその認識方法
JP2008310138A (ja) 2007-06-15 2008-12-25 Toshiba Corp シーン分類装置
JP2016181780A (ja) 2015-03-24 2016-10-13 株式会社Jvcケンウッド 撮影制御装置、撮影制御方法及び撮影制御プログラム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09179579A (ja) * 1995-12-25 1997-07-11 Casio Comput Co Ltd 検索装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003255984A (ja) 2002-03-06 2003-09-10 Asahi Kasei Corp 野鳥の鳴き声認識装置及びその認識方法
JP2008310138A (ja) 2007-06-15 2008-12-25 Toshiba Corp シーン分類装置
JP2016181780A (ja) 2015-03-24 2016-10-13 株式会社Jvcケンウッド 撮影制御装置、撮影制御方法及び撮影制御プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021021815A (ja) 2021-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6761131B2 (en) Apparatus for determining dog's emotions by vocal analysis of barking sounds and method for the same
Liu et al. Acoustic variability and distinguishability among mouse ultrasound vocalizations
Medvin et al. Signals for parent-offspring recognition: a comparative analysis of the begging calls of cliff swallows and barn swallows
Hartwig Individual acoustic identification as a non-invasive conservation tool: an approach to the conservation of the African wild dog Lycaon pictus (Temminck, 1820)
Garcia et al. Temporal and spectral analyses reveal individual variation in a non‐vocal acoustic display: The drumming display of the ruffed grouse (Bonasa umbellus, L.)
Brauer et al. A comparison of acoustic monitoring methods for common anurans of the northeastern United States
Eakle et al. Identification of individual breeding bald eagles by voice analysis
Hending et al. The use of vocalizations of the Sambirano mouse lemur (Microcebus sambiranensis) in an acoustic survey of habitat preference
Ting Yuan et al. Frog sound identification system for frog species recognition
Ethier et al. Using microphone arrays to investigate microhabitat selection by declining breeding birds: Oroignal
JP7312046B2 (ja) 生物種の音声把握システム
McIlraith et al. Bird song identification using artificial neural networks and statistical analysis
Vögeli et al. Who are we sampling? Apparent survival differs between methods in a secretive species
CN115510265A (zh) 一种输电线路中杆塔的动物危害分布判定方法和系统
Sobroza et al. Vocal repertoire and its behavioral contexts in the pied tamarin, Saguinus bicolor
Anđelić et al. Sound-based logging detection using deep learning
JP4209122B2 (ja) 野鳥の鳴き声及び人の音声認識装置及びその認識方法
Clink et al. Limited evidence for individual signatures or site-level patterns of variation in male northern gray gibbon (Hylobates funereus) duet codas
Stehelin et al. Social stimulation of dawn singing in Dusky Flycatchers: a serendipitous experiment
Ramasubramanian et al. Averting human-elephant conflict using iot and machine learning of elephant vocalizations
Spillmann Long calls mediate male-male competition in Bornean orangutans: an approach using automated acoustic localization
KR20140122881A (ko) 동물 속(종) 식별 장치 및 방법
Afendi et al. Mel-log energies analysis of authentic audible intrusion activities in a Malaysian forest
Steen et al. Audio-based detection and recognition of conflict species in outdoor environments using pattern recognition methods
JP2023121327A (ja) 騒音特定装置、騒音特定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7312046

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150