概要
他の影響の中でも人の視力を削減又は除去する場合がある眼疾患又は眼障害は、主要な医学的関心である。例えば、加齢黄斑変性(AMD)は、特に50歳を超える被験者において、不可逆的失明を含んだ眼の機能障害の主要な原因である。すべての被検者は早期の非滲出性のいわゆる「乾性」AMDから始まる。早い段階では、乾性AMDは、黄斑として知られる眼の後極に臨床的に見ることができるドルーゼンとして知られる沈着物、又はいくつかの場合には偽ドルーゼンによって特徴付けられる。進行したAMDは、2つの形-後期「湿潤性」又は後期「乾性」-をとる場合がある。進行した「湿潤性」AMDのための一次治療のオプションは、抗血管新生薬の規則正しい眼内注射である。これらの注射は、それらが漏れ、出血する、又は組織損傷及び瘢痕を生じさせる中心網膜の真下に又は中に病理的な新しい血管が成長した後に与えられる。対照的に、早期又は後期の乾性AMDには治療はない。後期乾性AMDは、光受容体及びその関連する「ナース」細胞層、網膜色素上皮(RPE)の死滅又は萎縮により特徴付けられる。不可逆性RPEのパッチ及び光受容体組織の損失は「地図状萎縮」(GA)として知られている。GAは、中心窩の中で中心に発生し、(視力の減少として測定される)疾患の早期には被検者から彼らの中心視を奪う場合がある、又は余分に若しくは中心窩の近くに(juxta‐foveally)に蓄積し、重大な疾患にも関わらず中心視力をそのままの状態に保つ場合がある。これらの中心窩ではない(non-foveal)暗点、つまり盲点が、特に読書速度、追跡、及びテキスト、並びに中心ではない物体の検出又は識別に関して重大な身体障害を引き起こす。つまり、視力(例えば、視力検査表を読み取ること)は臨床試験の適切なエンドポイントではなく、臨床試験強化のための適切な手段でもない。
眼のバイオプシー及び例えば血液又は尿等の全身性の(例えば、眼ではない)試料の評価は眼の日常治療ではないため、眼科医及び視力専門医は、疾患の診断、分類、及び層化、患者管理、並びに臨床試験設計のためにインビボイメージングに頼っている。眼底自発蛍光(FAF)は、乾性AMDを撮像する現在の標準的な方法であり、例えば、青色のスペクトル内で蛍光性の光で刺激されるとき、正常な眼で拡散する均質のグラウンドグラス白熱光を提供する、RPE単層の中のリポフスチン色素等の内因性の蛍光色素分子の非侵襲性の検出に頼っている。RPEが失われる部位では(例えば、GAの部位では)、自発蛍光FAFシグナルも失われる。その広範囲に低蛍光で、多くの場合、くっきりした境界を有する黒色シグナルのため、GAの2次元(2D)領域は容易に数値化できる。これらの黒色シグナルは、灰色の可変シェード(グレイスケール)を示し、したがって患者訪問の間及び患者の間の両方で確実に測定できない画像の残りに対して著しく対照する。光干渉断層法(OCT)のより新しい方法は、スラブを形成するために再構築されるとき、GAの部位を明示するためにエンフェイスで見られてよい。しかしながら、現在、FAF以外のイメージング方法は、AMD又は他の眼疾患若しくは眼障害を特徴付けるために、広範囲に低蛍光の、つまり黒色のシグナルの容易に数値化可能な部位を提供していない。
疾患の他の適切な基準がない場合、GA及び経時的なその拡大率の数値化が、臨床試験設計を動かし、例えばそれぞれ試験対象患者基準又はエンドポイントとしての機能を果たすために使用されてよいということになる。しかしながら、GAのFAFによる検出は、すでに組織が見当たらない後に、したがってそれを救済又は回復できないときに、RPE及び光受容体の喪失の領域を同定する。それは、将来の喪失について危険性のある組織の基準とはならず、治療的な保護に適した組織の指示を提供せず、誰が(早期から後期乾性AMDに進行する)GAを発症する差し迫った危険性がある場合があるのかを同定せず、それは、疾病病因及び疾患サブタイプを知る上での手掛かりにもならない。したがって、早期及び後期乾性AMDの特徴を特徴付け、数値化するための方法が不足している。
したがって、AMDを含んだ眼疾患又は眼障害のための新しい、又は少なくとも代わりの眼のイメージング方法に対する必要性がある。係る方法は、(中心GAで失われる場合がある)患者の固視とは無関係である場合があり、(多くの場合患者の疲労のために衰える)長期に及ぶ又は集中的な活動に頼らない場合があり、(高齢者で、特に神経変性疾患を有する患者の間で減少する場合がある)著しい認知能力を必要としない場合がある。また、複数の画像診断法からの眼の画像の処理、記憶、及び取出しのための新しい代わりのイメージング技術及びシステムに対する必要性もある。さらに、創薬を加速/自動化し、患者のための健康管理及び医学的な解決策を最適化するために、オーダーメード医療、画像誘導医療、及びバイオマーカー探索に対する動きがある。このようにして、薬剤開発段階に希少資源をよりうまく分散させ、臨床試験中の可変性を最小限に抑えることができる。これを行うためには、機械学習、深層学習、人工知能、医療アナリティックス、及びクラウドコンピューティングシステムに対する計り知れない必要性がある。
本明細書に開示されるのは、インビボイメージング方法、画像処理方法の使用、及び統合プラットフォームの一部として、画像処理からの出力を使用するグラフィック表現の生成を含んだ、眼疾患又は眼障害の診断、治療、又は予防のために有用である場合がある方法、システム、及び組成物である。
本明細書に開示されるのは、既知と未知両方の疾患の表現型を含む網膜(眼の膜)の前例のない画像を生成した新規の機能イメージング方法、遅延近赤外解析(DNIRA)である。これらの複雑な画像は、個人の遺伝子構造(彼らの遺伝子型)及び個人の併発症、投薬、及びライフスタイルの履歴(個人のエピジェネティックス)に対して比較できる。このイメージングは、診断ツールとして、及び特定の臨床試験及び薬剤開発プログラムから利益を得る場合がある特定の被検者を同定するのを助け、及び最終的には臨床試験設計及び治療結果を誘導するために使用できる。いくつかの態様では、DNIRAが特にAMDを有する被検者を撮像するために使用されるとき、DNIRAは、AMDイメージング(AMDI)と呼ばれる。いくつかの態様では、DNIRAが眼メラノーマ患者における腫瘍随伴マクロファージ(TAM)を撮像するために使用されるとき、DNIRAは、腫瘍随伴マクロファージイメージング(TAMI)と呼ばれる。しかしながら、方法論は複数の眼障害に有用性があるので、方法論は、概してその広義な包括的な名称DNIRAで呼ぶことができる。
したがって、本明細書に説明されるのは、内因性の蛍光色素分子、発光団、若しくは化学発光化合物の存在に基づいて、又は局所的に若しくは全身的に提供され、それらの組織によって異なって処理若しくは代謝される場合がある外因性の蛍光色素分子、発光団、若しくは化学発光化合物の生理学的な摂取、処理、活性化、若しくは蓄積(ただし、必ずしもこれらに限定されない)に基づいて、RPE、光受容体、又は網膜の他の構成要素若しくは免疫系の細胞を含んだ関連組織の光学的な検出を強化することができる有効量の薬剤を、それを必要とする被験者に投与することを含んだ、眼疾患若しくは眼障害又はその後期失明性合併症(複数可)を検出するための方法である。
いくつかの態様では、本明細書に説明されるのは、例えばインドシアニングリーン(ICG)又はその誘導体等の全身性色素を被検者に投与すること、及び特殊イメージング設備を使用し、色素をさらに投与することなく、適切な励起フィルタ及び発光フィルタ又は光学システムを使用し、投与後の数時間及び数日中にその存在を写真撮影することを含んだ、全身的に投与された色素の生理学的な摂取、処理、活性化、又は蓄積を検出し、撮像する方法である。
いくつかの態様では、本明細書に説明されるのは、出力データのグラフィック表現を生成するために係る方法を使用し、得られる画像を処理するためのシステムである。いくつかの態様では、本明細書に説明されるのは、係る方法を使用し、得られる画像を解析し、定性的に数値化するための論理的なハードウェア及びソフトウェアユニットを提供できるシステムである。いくつかの態様では、本明細書に説明されるのは、画像の取得、処理、及び出力のための統合プラットフォームを提供する方法である。プラットフォームは、イメージングデータを記憶し、取り出し、イメージングデータのグラフィック表現を生成できる。いくつかの態様では、本明細書に説明されるのは、本明細書に説明される方法を使用し、得られた画像からのイメージングデータの動的グラフィック表現をグラフィックユーザインタフェース(GUI)に提供する方法である。いくつかの態様では、本明細書に説明されるのは、複数の画像診断法及び/又はクラウドサーバからの眼の画像の処理、記憶、及び取出しのための集中型の又はネットワーク化された画像処理プラットフォームを提供するシステムである。
様々な態様では、本明細書に説明されるシステムは、論理プロセス、ハードウェア及びソフトウェアのユニット、並びにその解析、解釈、普及、適用、及びAMD又はRPD、他の潜在的に失明性の疾患、及びマクロファージが存在する他の眼の異常を有する被検者を評価するために使用される他の画像診断法及び非画像診断法との統合のための統合プラットフォームとともに、遅延性近赤外線分析(DNIRA)の臨床適用から成るAMDI(AMDイメージング)に関する場合がある。
様々な態様では、本明細書に説明されるシステムは、論理プロセス、ハードウェア及びソフトウェアのユニット、並びにその解析、解釈、普及、適用、及び眼メラノーマ、眼の腫瘍、及びマクロファージが存在する他の眼の異常を有する被検者を評価するために使用される他の画像診断法及び非画像診断法との統合のための統合プラットフォームとともに、DNIRAの臨床適用から成るTAMI(腫瘍随伴マクロファージイメージング)に関する場合がある。
本明細書に説明される態様はさらに、受け入れ(entrance inclusion)若しくは除外基準、又は臨床試験設計のためのエンドポイント解析としてのDNIRA/AMDI/TAMIの使用に関する。いくつかの態様は、臨床試験設計及び薬剤開発のための補完的なバイオマーカーの開発及び適用を含む場合がある。いくつかの態様は、(AMD及びRPD、眼メラノーマ、糖尿病性網膜症、遺伝性網膜疾患、ブドウ膜炎、及び他を制限なく含んだ)眼疾患又は眼障害の診断及び/又は予後診断及び/又は進行のためのマーカーとしてのDNIRA/AMDI/TAMIの使用を含む場合がある。
また、本明細書に説明されるのは、コンピュータ支援解析診断(CAAD)のための統合システムの一部として、インビボイメージング方法、その出力、そのプロセス、及び管理の使用を含んだ、眼疾患又は眼障害の診断、治療、又は予防に有用である場合がある方法及び組成物である。システムは、入力として、比較処理のための様々な画像診断法からの眼(黄斑/後部網膜)の画像を使用し、出力として、眼の疾患のためのオーダーメード治療を基づかせる予後スコア及び診断スコアを含んだ、複数の基準のグラフィック表現を提供することができる。画像は、本明細書に説明される新規のイメージング種類だけではなく、標準的な臨床黄斑画像も含んでよい。
システムは、入力として、複数のモダリティ及びユーザ構成若しくはユーザパラメータからのデータ画像を使用できる。システムは、画像のための測定及び他の報告データを得るために画像処理を実施する。システムは、画像を登録し、関心のあるオブジェクトを画像からセグメント化し、セグメント化されたオブジェクトのパターン及び/又は画像の輝度テクスチャを定義するために1つ以上の処理構成要素を有する。情報は、システムによって各被験者のための特徴ベクトルに統合できる。被検者のデータは、本来は分類別又は連続的のどちらかである診断スコア及び予後スコアを生成するための統計モデルのための入力として使用できる。システムは、画像処理のための訓練又は構成情報を提供するために、及び画像処理からの出力を見直して結果の適合性を確認するためのフィードバックループを提供するために専門家ユーザに頼る場合がある。
また、本明細書に説明されるのは、画像データを取り込むための画像取得装置と、画像データを記憶し、取り出すためのデータストレージと、画像データを変換して出力画像データを生成するために前処理ユニット、後処理ユニット、及び広域アナリティクスユニットであって、データストレージが出力画像データを記憶する広域アナリティクスユニットで構成されたプロセッサと、画像出力データを表す視覚要素のグラフィックユーザインタフェース(GUI)を生成し、更新するために表示装置に接続するためのクライアントアプリケーションとを含んだ、画像処理及び表示のためのシステムである。いくつかの態様では、前処理ユニットは、画像データを登録し、正規化するように構成できる。いくつかの態様では、前処理ユニットは、登録パラメータを検証、承認、及び調整するための制御コマンドのフィードバックループを使用し、動的に調整される登録パラメータを使用し、画像データを登録するように構成できる。いくつかの態様では、後処理ユニットは、画像データをセグメント化し、セグメント化された画像データから特徴抽出するように構成できる。いくつかの態様では、広域アナリティクスユニットは、出力画像データの一部分として比較画像データを生成するために画像データを比較処理するように構成される。
いくつかの態様では、本明細書に説明されるシステムは、ある期間にわたる画像データのセグメントを相互参照し、比較するために、及びモダリティ全体で画像データのセグメントの特徴に対する変更がないか、画像データを自動的にモニタ視するために、デルタ画像ユニットを有する場合がある。いくつかの態様では、第1の時点での画像データの第1のセグメントは、その後の時点での画像データのその後のセグメント上で写像又はマスキングされる場合がある。いくつかの態様では、システムは、第1の画像セグメントを第2の画像セグメントに比較して、差分画像データを生成するためのデルタ画像ユニット、及び異なる画像データの視覚要素を生成して画像セグメント間の変化のレベルを視覚化するためのクライアントアプリケーションを有する場合がある。
また、本明細書に説明されるのは、画像データを記憶し、取り出すためのデータストレージと、前処理ユニット、後処理ユニット、及び画像データを変換して出力画像データを生成するように構成された広域アナリティクスユニットであって、データストレージが出力画像データを記憶する、広域アナリティクスユニットで構成されたプロセッサと、画像出力データを表す視覚要素のグラフィックユーザインタフェースを生成し、更新するために表示装置に接続するためのクライアントアプリケーションとを含んだ、画像処理及び表示のための装置である。いくつかの態様では、前処理ユニットは、画像データを登録し、正規化するように構成される。いくつかの態様では、前処理ユニットは、登録パラメータを検証、承認、及び調整するための制御コマンドのフィードバックループを使用し、動的に調整される登録パラメータを使用し、登録するように構成できる。いくつかの態様では、後処理ユニットは、画像データをセグメント化し、セグメント化された画像データから特徴抽出するように構成できる。いくつかの態様では、広域アナリティクスユニットは、出力画像データの一部分として比較画像データを生成するために画像データを比較処理するように構成できる。いくつかの態様では、装置は、ある期間にわたる画像データのセグメントを相互参照し、比較するために、及びモダリティ全体で画像データのセグメントの特徴に対する変更がないか、画像データを自動的にモニタ視するために、デルタ画像ユニットを有する場合がある。いくつかの態様では、第1の時点での画像データの第1のセグメントは、その後の時点での画像データのその後のセグメント上で写像又はマスキングされる場合がある。いくつかの態様では、装置は、第1の画像セグメントを第2の画像セグメントに比較して、差分画像データを生成するためのデルタ画像ユニット、異なる画像データの視覚要素を生成して画像セグメント間の変化のレベルを視覚化するためのクライアントアプリケーションを有する場合がある。
また、本明細書に開示されるのは、画像データの登録及び正規化によって画像データを前処理することと、出力画像データを生成するために画像データを変換することによって画像データを後処理し、経時的な画像データのセグメントでの変化を示すことと、画像出力データを表す視覚要素のグラフィックユーザインタフェースを生成し、更新することとを含んだ、表示のために画像データを変換するためのプロセスである。いくつかの態様では、プロセスは、コンピュータアルゴリズム/アナリティクスを使用し、検出された特徴を被検者の遺伝子危険因子及びエピジェネティックスに比較することを含む場合がある。
様々な例の詳細は、以下の添付説明に説明される。本明細書に説明されるものに類似する又は同等な方法及び材料は、様々な態様の実践又は試験で使用できる。例示的な方法及び材料は、例として説明される。他の特徴、目的、及び優位点は、説明から及び特許請求の範囲から明らかになる。明細書及び添付の特許請求の範囲では、文脈上明らかに他の意味に解釈すべき場合を除いて単数形は複数も含む。特別の定めのない限り、本明細書で使用されるすべての技術科学用語は、当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
いくつかの場合、本明細書に説明される方法は、色素をさらに注入することなく適切な光学イメージングシステムを用いた全身性血管投与後の数時間、数日、及び数週間内に、例えばRPE及びマクロファージ等の食細胞の中で検出できる、例えばICG、つまり眼の(網膜の及び脈絡膜の)脈管構造の評価に長く使用されてきた薬剤等の蛍光色素の投与を含む場合がある。この方法は、色素の提供がない内因性の蛍光色素分子に頼る自発蛍光とは異なり、色素の通過及び再循環の間に、並びにその直後の数分又は数時間内に実行される、血管の解剖学的構造及び開通性を評価するために使用される血管造影法とは異なる。係る方法、つまりDNIRAは、後期乾性AMDを有する被検者について説明されるFAFの方法と同様に、蚕食性のRPEの視覚化を強化し、それによってGA状のRPE及び光受容体のパッチの損失を可視にすることができる。したがって、いくつかの態様は、被験者のRPE/光受容体の層の視覚化を強化するための方法を含む場合がある。
いくつかの場合、方法は、細胞生存性の基準として外因性色素を内在化する/組み込むRPE/網膜細胞の能力を(生成されたグラフィック表現を介して)視覚化し、検出し、数値化し、このようにして初めて細胞活動、代謝、及び/又は機能不全の画像ベースの基準を提供することを含む場合がある。いくつかの態様では、方法は、疾患の負担を視覚化すること、検出すること、及び又は数値化することを含む場合がある。いくつかの態様では、方法は、喪失の差し迫った危険性がある組織を検出することを含む場合がある。いくつかの態様では、方法は、早期AMDを有する被検者の間で、GAの二次予防のための臨床調査又は治療に適した被検者を同定することを含む場合がある。
いくつかの場合、免疫細胞、特に(非限定的な例として、摂取、受動的な流入、膜取込みによって)外因性色素、蛍光色素分子、発色団、又は化学発光化合物を内在化する/取り入れることができる細胞は、被験者の眼の中でインビボで検出できる。データは、ImmunoD及びパルスDNIRAの観察に及ぶ場合がある。したがって、いくつかの態様では、方法は、最初に、非限定的な例として、ミクログリア、マクロファージ、単球、樹枝状細胞を含んだ、人間の眼の中の食作用性免疫細胞を視覚化することを含む場合がある。いくつかの態様では、方法は、進行する疾患を有する免疫細胞の共局在化を含む場合があり、したがって疾患進行におけるそれらの役割を示唆できる。係る疾患は、自然免疫機能不全の疾患を含む場合がある。
また、本明細書に開示されるのは、例えばFAF、赤外線等の他の既知のイメージング方法、又は光の任意の波長での他のエンフェイス方法、又は例えば光干渉断層法(OCT)等の他の断面方法からDNIRAを区別できる論理アルゴリズムである。
定義
本明細書で使用される専門用語は、特定の場合のみを説明するためであり、限定的になるように意図されていない。本明細書で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「ある(an)」、及び「その(the)」は、文脈上明らかに他の意味に解釈すべき場合を除いて、複数形も含むように意図される。さらに、用語「含んだ(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、又はその変形は、発明を実施するための形態及び/又は特許請求の範囲のどちらかで使用される限り、係る用語は、用語「含んだ(comprising)」に類似するように包括的となるように意図される。
用語「約(about)」又は「約(approximately)」は、例えば、測定システムの限度等、値がどのようにして測定又は決定されるのかに部分的に依存する場合がある、当業者によって決定される特定の値の許容誤差範囲内を意味する場合がある。例えば、「約(about)」は、当該技術における実算あたりプラス又はマイナス10%を意味する場合がある。代わりに、「約(about)」は、所与の値のプラス又はマイナス20%、プラス又はマイナス10%、プラス又はマイナス5%、あるいはプラス又はマイナス1%を意味する場合がある。代わりに、特に生物システム又は生物プロセスに関して、用語は、値の1桁分の範囲内、5倍の範囲内、又は2倍の範囲内を意味する場合がある。特定の値が出願書類及び請求項の中で説明される場合、特に明記しない限り、特定の値の許容誤差範囲内を意味する用語「約(about)」が仮定されるべきである。また、値の範囲及び/又は部分的な範囲が提供される場合、範囲及び/又は部分的な範囲は、範囲及び/又は部分的な範囲のエンドポイントを含む場合がある。
本明細書に使用される用語「被検者」、「患者」、又は「個人」は、哺乳類及び非哺乳類を包含する場合がある。哺乳類は、ヒト、例えばチンパンジー、サル、又は他のサルの種等のヒトではない霊長類、例えば畜牛、馬、羊、ヤギ、豚等の家畜、ウサギ、イヌ(又はイヌ科の動物)、及びネコ(又はネコ科の動物)等の家畜、例えばラット、ネズミ、及びモルモット等の齧歯動物を含んだ実験動物を含むが、これに限定されるものではない哺乳類の科目の任意の要素である場合がある。非哺乳類は、鳥、魚等を含む場合がある。いくつかの態様では、被験者は哺乳類である場合がある。いくつかの態様では、被験者はヒトである場合がある。いくつかの例では、ヒトは成人である場合がある。いくつかの例では、ヒトは小児である場合がある。いくつかの例では、ヒトは0~17歳である場合がある。いくつかの例では、ヒトは、18~130歳である場合がある。いくつかの例では、被験者は男性である場合がある。いくつかの例では、被験者は女性である場合がある。いくつかの例では、被験者は、病気又は疾患と診断される場合もあれば、病気又は疾患を有するらしいと疑われる場合もある。いくつかの例では、疾患又は病気はガンである場合がある。被検者は患者である場合がある。被検者は個人である場合がある。いくつかの例では、被験者、患者、又は個人は、同義で使用できる。
用語「治療する(treat)」、「治療している(treating)」、「治療(treatment)」、「改善する(ameliorate)」、又は「改善している(ameliorating)」、及び本明細書で使用される他の文法的な同義語は、疾患若しくは病気の兆候を緩和する又は弱めること、例えば疾患又は病気の発症を阻む等の疾患又は病気を抑制すること、疾患又は病気を軽減し、疾患又は病気の退縮を引き起こすこと、疾患又は病気により引き起こされる状態を軽減すること、あるいは疾患又は病気の症状を止めることを含む場合がある。用語「予防する」は、追加の症状を予防すること、症状の基本的な代謝の原因を改善する又は予防することを含む場合があり、予防法を含む場合がある。
用語「加齢黄斑変性イメージング」(AMDI)及び「遅延性近赤外線分析」(DNIRA)は、本明細書に説明される眼のイメージングの方法を説明するために同義で使用できる。
用語「接続された」又は「結合された」は、(互いに結合される2つの要素が互いに接触する)直接的な結合及び(少なくとも1つの追加の要素が、2つの要素間に位置する)間接的な結合の両方を含む場合がある。
図1は、DNIRA画像を得る、同定する、処理する、及び下流のアプリケーションでそれらを使用することに関与するプロセスの流れ図である。画像取得に続いて、クラウドベースの画像解析は、複雑な被検者の表現型を生成するために使用される。遺伝データ及びエピジェネティックデータとともに、この被検者表現型は、バイオマーカー開発、臨床試験設計改善、薬剤開発、新しい治療、及び最終的に個別化医療のための特定の治療のメニューオプションからの選択の下流ステップをフィードしてよい。(QA=品質保証)
イメージングシステム
本明細書に説明される装置、システム、及び方法は、ハードウェアとソフトウェアの両方の組合せで実施されてよい。様々な態様は、各コンピュータが少なくとも1つのプロセッサ、(揮発性メモリ又は不揮発性メモリ又は他のデータストレージ要素又はその組合せを含んだ)データストレージシステム、及び少なくとも1つの通信インタフェースを含んだプログラム可能なコンピュータで実施されてよい。
例示的な態様は、発明の要素の単一の組合せを表してよいが、開示される要素の考えられるすべての組合せは予想することができ、本明細書に提供される本開示の範囲内にある。例えば、1つの態様が要素A、B、及びCを含み、2つ目の態様が要素B及びDを含む場合、次いで本明細書に提供される本開示の範囲は、たとえ明示的に開示されていなくても、A、B、C、又はDの他の残りの組合せを含む場合がある。
プログラムコードは、本明細書に説明される機能を実行するために、及び出力情報を生成するために適用できる。出力情報は、1つ以上の出力装置に適用される。いくつかの例では、通信インタフェースは、ネットワーク通信インタフェースであってよい。いくつかの例では、要素は結合されてよい。例えば、通信インタフェースは、プロセス間通信用の通信インタフェース等のソフトウェア通信インタフェースであってよい。いくつかの例では、ハードウェア、ソフトウェア、及びその組合せとして実装される通信インタフェースの組合せがあってよい。
説明を通して、サーバ、サービス、インタフェース、ポータル、プラットフォーム、又はコンピューティング装置から形成される他のシステムに関して多数の参照がなされてよい。係る用語の使用が、コンピュータ可読有形非一過性媒体に記憶されたソフトウェア命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを有する1つ以上のコンピューティング装置を表すと見なされることが理解されるべきである。例えば、サーバは、説明される役割、責任、又は機能を遂行するようにウェブサーバ、データベースサーバ、又は他の種類のコンピュータサーバとして動作する1つ以上のコンピュータを含む場合がある。
本明細書に説明される技術的な解決策は、ソフトウェア製品の形をとってよい。ソフトウェア製品は、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、USBフラッシュディスク、又はリムーバブルハードディスクである場合がある、不揮発性又は非一過性の記憶媒体に記憶されてよい。ソフトウェア製品は、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク装置)が、本明細書に説明される方法を実行できるようにするいくつかの命令を含む。
本明細書に説明される方法は、コンピューティング装置、サーバ、受信機、送信機、プロセッサ、メモリ、ディスプレイ、及びネットワークを含んだ物理的なコンピュータハードウェアによって実施できる。本明細書に説明される方法は、有用な物理的な機械、及び方法の実行のために特に構成されたコンピュータハードウェア装置を含む場合がある。いくつかの態様では、電子機械、及び様々な種類の情報を表す電磁信号を処理し、変換するために適応された電子機械によって実施される方法が意図される。
図2は、いくつかの態様に係る眼の画像の処理、記憶、及び取出しのための装置の概略図である。システム100は、1つ以上のモダリティの眼の画像を受け取るために画像取得装置106に接続できる。また、システム100は、1つ以上のモダリティの眼の画像にアクセスするために外部画像ストレージユニット102に接続することもできる。システム100は、出力データを生成するために本明細書に説明されるように画像を処理できる。特に、システム100は、ユーザ装置104での表示のために出力データの(視覚要素の)グラフィック表現を生成できる。また、ユーザ装置104は、動的にディスプレイを制御して、タイミング及び被検者データに基づいてグラフィック表現を更新するためにだけではなく、フィードバック及び入力データを提供するためにもユーザ構成及びユーザパラメータをシステム100に提供できる。
システム100は、直接的に結合、及びネットワーク108を介して間接的に結合を含んだ様々な方法で他の構成要素に接続できる。ネットワーク108(又は複数のネットワーク)は、データを送信できる。ネットワーク108は、有線接続、無線接続、又はその組合せを伴う場合がある。ネットワーク108は、例えば、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM(登録商標))、符号分割多元接続(CDMA)、無線ローカルループ、WiMAX、WiFi、ブルートゥース(登録商標)、ロングタームエボリューション(LTE)等の異なるネットワーク通信技術、規格、及びプロトコルを伴ってよい。ネットワーク108は、同軸ケーブル、光ファイバ、トランシーバステーション等の異なる物理的な媒体を伴ってよい。例のネットワーク種類は、インターネット、イーサネット(登録商標)、基本電話サービス(POTS)回線、公衆交換電話網(PSTN)、総合デジタル通信網(ISDN)、デジタル加入者線(DSL)、及びこれらの任意の組合せを含んだその他を含む。ネットワーク108は、ローカルエリアネットワーク又は広域ネットワークである場合がある。
図3は、いくつかの態様に係る眼の画像の処理、記憶、及び取出しのためのシステム100の概略図である。システム100は、サーバ200、データベース202、クライアントアプリケーション204、ユーザ装置206、及び撮像装置208を含む。システム100は、眼疾患又は眼障害の診断、治療、又は予防に有用であってよい。システム100及び特に撮像装置208は、出力データを生成するためにインビボイメージング方法を使用できる。システム100は、コンピュータ支援解析診断(CAAD)のための統合プラットフォームを提供する。システム100は、比較処理のために(撮像装置208によって取り込まれる)様々な画像診断法から眼(黄斑)の画像を受け取り、出力として眼疾患のためのオーダーメード治療を基づかせる予後スコア及び診断スコアを含んだ、複数の基準のグラフィック表現を提供することができる。画像は、本明細書に説明される新規のイメージング種類だけではなく、標準的な臨床黄斑画像も含む場合がある。
システム100は、サーバ200とユーザ装置206と撮像装置108との間でデータを交換するためのクライアントアプリケーション204を含む場合がある。サーバ200は、入力データとして、撮像装置108によって取り込まれた複数のモダリティからの画像、及びユーザ装置206によって受け取られるユーザ構成又はユーザパラメータを使用する。サーバ200は、画像のための測定及び他の報告データを得るために画像処理を実施する。サーバ200は、画像を登録し、関心のあるオブジェクトを画像からセグメント化し、セグメント化されたオブジェクトのパターン及び/又は画像の輝度テクスチャを定義するために1つ以上の処理構成要素を有する。情報は、サーバ200によって各被験者のための特徴ベクトルに統合できる。被検者のデータは、本来は分類別又は連続的のどちらかである診断スコア及び予後スコアを生成するために統計モデルのための入力として使用できる。システム100は、画像処理のための訓練又は構成情報を提供するために、及び画像処理からの出力を見直して結果の適合性を確認するためのフィードバックループを提供するために専門家ユーザと対話する場合がある。
クライアントアプリケーション204は、ウェブベースである、又はダウンロードされるかのどちらかの場合があり、指定されたコンピューティングマシン(ユーザ装置206)でローカルに実行できる。ユーザ装置206は、クライアントアプリケーション204によって制御され、生成されるグラフィックユーザインタフェース(GUI)のを表示する。GUIは、出力データの様々なグラフィック表現を表示し、画像処理を更新するための制御コマンドを受け取る場合がある。クライアントアプリケーション204は、眼の画像の画像解析及び記憶のためのプラットフォームを提供する処理ツール及び解析ツールのセットを含む。
画像は、いったんインポートされると、前処理モジュール/段階を経る。前処理は、ローカルクライアントアプリケーション又はウェブベースのアプリケーションを介して適切なコンピュータシステムを使用し、実施されてよい。画像は、自動的に正規化され、登録されてよい。これは、無事に正規化され、登録された画像の新しいセット(複製)を作り出すために画像ごとに実行されるプロセスである。経時的に取得された画像全体での固有の可変性を所与として、画像が十分に処理されない場合(正規化及び/又は登録の失敗)、臨床医又は診断医はプロンプトを出されてよい、又は画像は後日臨床専門家による評価のためにタグを付けられてよい。図4は、いくつかの態様に係る眼の画像の処理、記憶、及び取出しのための方法300の流れ図である。302で、システム100は、様々なモダリティで眼の画像を取得する。システム100は、撮像装置208を使用し、又はデータベース202から画像を取得できる。
いくつかの態様では、システム100は、外部画像ストレージユニット102又は画像取得装置106から様々なモダリティで眼の画像を取得できる。画像取得段階で、システム100は、様々な眼球イメージング設備を使用し、画像を取得できる。いったん取得されると、画像はデータベースにローカルに又は専用ローカルサーバ200に又は外部で画像ストレージユニット102に記憶される。そこから、臨床医及び診断医はユーザ装置104、206を使用して、さらなる処理及び解析のためにクライアントアプリケーション204に取得された画像をインポートできる。画像は、様々な方法で及び異なるフォーマットでインポートできる。画像は、ある期間にわたって診断医(例えば、眼科医)によって見られる特定の被験者のために時間で順序付けできる。臨床医又は診断医は、ユーザ装置104、206を使用して、画像が患者の訪問単位で取得されるにつれて画像をインポートし、処理する、又は複数の患者のために一定期間にわたって及ぶ画像の一区分をインポートできる。画像メタデータは、画像の適切な連続時間枠を確立し、将来の参照のためにタグを作成してよい。304で、システム100は、眼の画像の前処理を実施できる。前処理は、概して眼の画像の登録及び正規化を伴ってよい。306で、システム100は、眼の画像の後処理を実施できる。後処理は、概して眼の画像のセグメンテーション及び特徴抽出を伴ってよい。308で、システム100は、出力データを生成するために眼の画像の広域アナリティクスを実施できる。広域アナリティクスは、概して比較処理、及び/又はレポート生成を伴ってよい。サーバ200は、ユーザ装置206での表示のために出力データのグラフィック表現を生成する。サーバ200は、構成及びパラメータに関係するデータとともに、画像データ及び出力データを記憶し、取り出す。データベース202は、出力データを生成する際のサーバ200による機械学習及びパターンマッチングのための履歴データセット及び比較データセットを記憶できる。例えば、ワークフローの態様は、サーバ200、クライアントアプリケーション204、又はその組合せによって実施されてよい。
図5は、いくつかの態様に係る眼の画像の処理、記憶、及び取出しのためのシステム100の概略図である。システム100は、網膜画像取込みユニット402、表示装置450、及びサーバ200を有する場合がある。サーバ200は、前処理ユニット404、後処理ユニット408、及び広域アナリティクスユニット408を含んだ様々なハードウェア及びソフトウェアのユニットを含む場合がある。サーバ200は、網膜画像取込みユニット402から受け取られる眼の画像を記憶できる。サーバ200は、表示装置450上のGUIの一部として表示のために出力データのグラフィック表現を生成できる。サーバ200は、表示装置450からコマンド、構成、及びパラメータを受け取る場合がある。サーバ200は、表示装置450上に処理された画像を表示できる。前処理ユニット404は、概して記憶された眼の画像412の登録410及び正規化414を伴う。
登録410は、画像データの異なる集合を、例えばターゲットの画像空間、ドメイン、又は座標系に変換できる。画像データは、複数のモダリティ、異なる画像装置からのデータ、回数、深さ、又は視点であってよい。登録410は、異なるモダリティ、フォーマット、及び測定から得られる画像データを比較又は統合する能力を提供できる。登録410は、変換モデルを使用し、記憶されている眼の画像412からの画像データの異なる集合を基準画像空間からターゲット画像空間に変換するために登録パラメータ422を受け取る場合がある。変換モデルは、入力として登録パラメータ422を受け取る場合がある。フィードバックは、登録パラメータ422が改善420を必要とするかどうかを示すために受け取られる場合がある。前処理ユニット404は、制御コマンド又はデータ処理が、それらが改善420を必要とすることを示す場合にパラメータ416を調整する。登録410は、登録された画像データで記憶されている眼の画像412を更新する前に検証又は承認418を受け取る。
正規化414は、記憶されている眼の画像412のピクセル輝度値の範囲を変更できるプロセスである場合がある。いったん登録され、正規化されると、後処理ユニット460は、様々な眼疾患の段階及び進行に関する一意の情報を生成するために記憶されている網膜画像412をさらに処理する。追加の処理特徴は、スタンドアロンで又は連続的に実施できる。
セグメンテーションユニット404は、網膜画像412の部位を検出し、セグメント化する。眼の画像は、経時的に変化しそうにない、例えば脈管等のいくつかの特徴的な特徴を本質的に有する。眼の画像は、生物学的意義から生じる生理学的な変化の視覚化した事物を生成するために使用できる。眼の画像上の関心のある領域及び特徴をセグメント化することによって、セグメント化された部位は、例えば形状又はサイズ等、変化がないか経時的に自動的に監視される場合がある。例えば、1~2カ月あけて4枚の画像が取得される単一の患者の場合、セグメンテーションユニット404は、特徴サイズ及び形状のベースラインとしての機能を果たすために、画像の部位、及び最初の訪問で取得された画像内の関心のある特徴をセグメント化できる。一連の画像を比較分析するとき、元のセグメンテーションは、その後の画像上で写像及び/又はマスキングできる。さらに、第1の画像内のセグメント化された領域は、後の画像でのサイズの変化を数値化するために使用できる。
特徴選択430は、画像412内の特徴及び画像412のセグメントを選択し、同定するために使用できる。特徴抽出434は、有益且つ非冗長であることが意図される特徴を抽出し、その後の学習ステップ及び汎化ステップを容易にする場合がある。特徴抽出430は、次元縮退に関係する場合がある。特徴選択430は、大量の画像データを特徴(例えば、特徴ベクトル)の縮小された集合に変換することを容易にしてよい。選択された特徴は、入力データから関連性のある情報を含み、これにより比較処理は、完全な初期データの代わりに、この縮小表現を使用することによって実行できる。
広域画像アナリティクス408は、画像の比較処理に基づいて出力値を引き出すために使用できる。画像412が複数の訪問での被験者のために処理されるとき、プロセスを通して量的な情報428を生成し、記憶することができる。臨床医又は診断医が、経時的に複数の被検者について主要な特徴的な変化をコンパイルし、解析することに関心がある場合、データは、集まった量的な結果428を生じさせるために選択、プール、及び再処理することができる。例えば、臨床医が、特定の疾患のための一般的な治療処置を受ける被験者プールについて、地図状萎縮の変化を解析することに関心がある場合、彼らは、被験者の訪問にわたって被検者の結果を統合して、被験者のプールに関する量的な測定及び情報を生じさせることができる。
量的な測定基準428は、異なる出力データ値を生成する場合がある。例の量的な測定基準428は、デルタである。システム100の機能は、画像を解析し、経時的に異なるモダリティ全体で特徴的な特徴を相互参照し、比較する能力である場合がある。特徴選択430及び特徴抽出430は、画像412のセグメントから特徴を分離するためのツールである。
特徴差の比較分析446は、同じモダリティの中で時間的に連続して撮影された2つの画像の間で実行できるが、それは、複数の介在するイメージング時点(例えば、時点1対時点4)で分離された画像上で差を観察し、測定するために使用することもでき、それは、例えば眼底自発蛍光(FAF)、赤外線(IR)、又はDNIRA等の異なるモダリティから採取される画像を比較するために拡張できる。レポートユニット448は、GUIの一部として表示装置450上の表示のために出力データのグラフィック表現を生成できる。データ選択436は、比較のため、又はレポート生成448による使用のためにデータセットを選択し、分離する。
図6は、本明細書に説明される装置及び方法の様々なユニット及びアプリケーションを示す。図5と一貫する例示的な装置の構成は、図6及び図7に示される。図6は、いくつかの態様に係る眼の画像の処理、記憶、及び取出しのためのシステムの概略図である。図示されるように、いくつかの態様では、サーバ200は、広域アナリティクス408の態様を含む場合もあれば、含まない場合もある。図6は、いくつかの態様に係る眼の画像の処理、記憶、及び取出しのためのシステムの概略図である。未処理画像入力602は、適格化された画像データ608を生成するために画像前処理ユニット404に提供される場合がある。画像後処理ユニット406は、セグメンテーション424及び特徴抽出434を使用し、適格化された画像データ608をさらに変換し、処理する。
デルタユニット614は、出力データとしてデルタ画像を生成する場合がある。システム100の機能は、経時的に異なるモダリティ全体で画像の特徴的な特徴を相互参照し、比較するために画像を処理する能力である場合がある。特徴選択430及び特徴抽出430は、画像412のセグメントから特徴を分離するためのツールである場合がある。
特徴差の比較分析は、同じモダリティの中で時間的に連続して撮影された2つの画像の間で実行できる。また、比較分析は、複数の介在するイメージング時点(例えば、時点1対時点4)で分離された画像上で差を観察し、測定するために使用することもでき、それは、例えば眼底自発蛍光(FAF)、OCT、眼底写真、無赤色、赤外線(IR)、血管造影法、又はDNIRA等の異なるモダリティから採取される画像を比較するために拡張できる。
画像識別、つまりデルタプロセス614は、2つ、又は2つ以上の前処理された画像を互いと比較し、それらの間の変化のレベルを決定又は視覚化するために統計プロセス及びアルゴリズムプロセスを利用する。また、差は、ピクセル単位で、又はピクセルの部位レベルで数値化できる。一般的に、2つの画像412は、他方から一方を差し引いて差分画像を生成することによって互いと比較される。この差分画像は、GUI及び表示装置450のために視覚表現を生成するために使用できる例の出力データである場合がある。
デルタ画像生成ユニット614は、画像間で、画像単位又は一般的なベースライン画像を参照してのどちらかで、比較時間基準にリンクされた一連のデルタ画像出力を生成するように構成される。このデルタ生成プロセス614のための画像の選択は自動化されてよく、手動入力を伴ってもよい。臨床医又は診断医は、単一の画像又は一連の画像をベースライン基準に比較し、経時的に主要な変化を強調表示するように差分データをアセンブルするように分析を構成できる。
出力デルタ画像(量的な出力620及び画像出力618)が作成され、(ローカルに又は外部に)記憶される場合がある。デルタ画像出力は、GUIの一部として統合ビューワを通して見て、処理し、表示装置450に表示することができる。統合フォーマットで視覚化されるとき、差分画像は、ユーザが、変化が経時的にどのようにして現れたのかを観察できるように異なる色でオーバレイされてよい。また、デルタ画像解析は、各画像が視覚表現の中の前の画像の上に重ね合せられるオーバレイフォーマットを提示することもできる。眼の構造に比して画像差を表示装置に表示できるようにすることによって、ユーザは、差が眼の構造にどのように匹敵するのかを確かめ、疾患の診断をより容易にする機会を与えられる。
図7は、いくつかの態様に係る眼の画像の処理、記憶、及び取出しのための(サーバ200又はユーザ装置104、206を含んだ)システム100の態様を実施するためのコンピューティング装置の概略図である。簡単にするために、1つしかコンピューティング装置が示されていないが、システムはリモートネットワークリソースにアクセスし、データを交換するためにユーザによって操作可能なより多くのコンピューティング装置を含んでよい。コンピューティング装置は、同じ又は異なる種類の装置であってよい。コンピューティング装置は、少なくとも1つのプロセッサ、(揮発性メモリ又は不揮発性メモリ又は他のデータストレージ要素又はその組合せを含んだ)データストレージ装置、及び少なくとも1つの通信インタフェースを含んでよい。コンピューティング装置の構成要素は、直接的に結合、及びネットワークを介して間接的に結合を含んだ様々な方法で他の構成要素に接続され、広い地理的地域にわたって分散され、(「クラウドコンピューティング」と呼ばれることがある)ネットワークを介して接続されてよい。
いくつかの態様で、コンピューティング装置は、サーバ、ネットワーク機器、セットトップボックス、埋め込み装置、コンピュータ拡張モジュール、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、パーソナルデータアシスタント、携帯電話、スマートフォン装置、撮像装置、表示端末、及び無線ハイパーメディア装置、又は本明細書に説明される方法を実施するように構成されることが可能な任意の他のコンピューティング装置であってよい。コンピューティング装置(例えば、システム100、サーバ200、又はユーザ装置104、206)は、少なくとも1つのプロセッサ702、メモリ704、少なくとも1つのI/Oインタフェース706、及び少なくとも1つのネットワークインタフェース708を含む場合がある。
各プロセッサ702は、例えば、任意の種類の汎用マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ、デジタル信号処理(DSP)プロセッサ、集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、再構成可能プロセッサ、又はその任意の組合せであってよい。メモリ704は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、電気光学メモリ、光磁気メモリ、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能型読取専用メモリ(EEPROM)、強誘電体RAM(FRAM(登録商標))等の内部又は外部のどちらかに位置する任意の種類のコンピュータメモリの適切な組合せを含んでよい。
各I/Oインタフェース706は、コンピューティング装置が、例えばキーボード、マウス、カメラ、タッチスクリーン、及びマイク等の1つ以上の入力装置と、又は例えば表示画面及びスピーカ等の1つ以上の出力装置と相互接続できるようにする。各ネットワークインタフェース708は、コンピューティング装置が、他の構成要素と通信すること、他の構成要素とデータを交換すること、ネットワークリソースにアクセスし、接続すること、アプリケーションを供給すること、データを送信可能な1つのネットワーク(又は複数のネットワーク)に接続することによって他のコンピューティングアプリケーションを実行することを可能にする。コンピューティング装置は、アプリケーション、ローカルネットワーク、ネットワークリソース、他のネットワーク、及びネットワークセキュリティ装置にアクセスを提供する前に、(例えば、ログイン、一意の識別子、及びパスワードを使用し)ユーザを登録し、認証するよう作動できる。コンピューティング装置は、1人のユーザ又は複数のユーザに役立ってよい。
図8は、眼の画像の処理、記憶、及び取出しのための方法の例示的な流れ図である。プロセスは、経時的に画像の特徴を比較するために、入力として、第1の画像802及び第2の画像804(及び追加の画像)を使用する。プロセスは、出力として、期間にわたる特徴に対する変化を示すためにGUIのための視覚要素又は表現を生成する。
いくつかの態様では、プロセスは、様々な画像診断法の中及び間で画像の比較分析を提供できる。方法は、登録410のために、画像間の点対応又はターゲット画像空間を確立することによって互いとの2つ以上の画像802、804を提供できる。登録410は、個別DNIRA画像等の画像診断法の中で、又は例えばFAF、OCT、眼底写真、無赤色、赤外線(IR)、血管造影法、及びOCTA画像とともにDNIRA等の異なるモダリティ間の画像間で、特定の時点で又はある期間にわたり採取された画像間の特徴的な差を視覚化し、対処するように実行される。登録の例は、図8に示される。登録410のプロセスは、一方の画像内の各点を他方の画像のそれぞれの対応する点の上に写像する。特定の態様では、登録410は、相関及び/又は特徴位置マッチングを使用し、登録パラメータ422を決定することによって達成され得る。画像は、次いで登録機能410を介して互いと登録されてよい。代わりに、機械的変形モデルが登録410に使用されてもよい。異なる登録方法は、差又は変化について画像を比較する前に互いと画像を登録するために利用されてよい。これは、コンピュータ支援手動登録、又は様々な程度の手動介入を使用する異なる登録手法だけではなく、完全自動登録も含む。2つ以上の画像を登録するために、画像は対で登録されてよい。例えば、第1の画像及び第2の画像が登録され、別に第2の画像及び第3の画像が登録される場合、次いで登録機能の構成別に、第1の画像及び第3の画像が実質的に登録される。この概念は、任意の数の画像に拡張できる。したがって、対登録410プロセスを使用し、人は任意の数の画像を登録できる。さらに、2つ以上の画像を同時に登録する登録410プロセスは、現在の技術によって利用されてもよい。
いくつかの例では、登録410は、ランドマーク抽出に基づいてよい、又は特徴に基づいてよい。画像の登録410は、解剖学的構造の大規模な動き及び局所的な歪みをモデル化することによって達成され得る。いくつかの例では、これらの動きを定義するモデルの登録パラメータ422は、推定され、選択される。検索は、次いで経時的にモダリティの中で及びモダリティの間で画像の最善の位置合わせを生じさせるパラメータ値を見つけるために実行される。この位置合わせの質は、元の画像の中の対応する点の比較に基づいてよい。
本明細書に説明されるいくつかの態様では、ピクセル輝度は、画像診断法の中及び画像診断法の間の両方で、画像間で大幅に変わり、画像の貴重な特徴を潜在的に分かりにくくする場合がある。画像の正規化414は、画像間の可変輝度を補正できる。登録410は、共通のターゲット画像空間での他の画像に対する比較のために、画像をターゲット画像空間に変換できる。
低蛍光シグナルの処理
本明細書に開示されるのは、組織喪失(構造上の損傷)及び「病気の」つまり異常な組織(機能上の損傷)の両方を同定可能な、非滲出型(乾性)加齢黄斑変性(AMD)等の眼疾患又は眼障害の評価のためのエンフェイス機能イメージングシステム及び方法である。この方法は、本明細書ではAMDイメージング(AMDI)又は遅延性近赤外線分析(DNIRA)と呼ばれる場合がある。実例として、DNIRA方法は、眼底自発蛍光(FAF)に比較できる。DNIRAは、FAFのように、それ以外の場合グレイスケール画像の広範囲な低蛍光(黒色)の部位の検出に基づき、構造化されたコンピュータ学習を使用し、容易に数値化可能である画像を生成できる。FAFは、網膜色素上皮(RPE)及び光受容体の不可逆的喪失の後にだけ、地図状萎縮(GA)を有する進行した後期乾性AMDを数値化することしかできない場合がある。
イメージングシステムは、DNIRAと、容易に数値化可能な画像を生成可能な任意の他のイメージング方法との間のモード間比較を登録し、セグメント化し、提供するために使用できる。例えば、イメージングシステムは、経時的な任意の他の画像診断法に対する経時的なDNIRAのモード内比較を登録し、セグメント化し、提供できる。いくつかの態様では、DNIRA及びFAFの、眼の画像を生成できる他のエンフェイス画像診断法又は横断的画像診断法に対するモード間比較及びモード内比較を登録し、提供するためのイメージングシステム。いくつかの態様では、DNIRA及びFAFの、眼底の状態/健康についての情報を生成できる任意の機能モダリティに対するモード間比較及びモード内比較を登録し、提供するためのイメージングシステム。非限定的な例として、係る方法は、マイクロペリメトリ、低輝度視力、及び暗順応測定法を含む場合があるであろう。
本明細書に説明されるイメージングシステムは、例えば例により限定されない、例えば、CFH、C2、C3、C5、C6、C7、C8、C9、CFI、CFD、MCP-1、MCP-2、MCP-3、ARMS2/HTRA1、TIMP3、SLC16A8、COL4A3、COL8A1、CETP、LIPC、APOE、VEGFA、VEGFC、ABCA1、ABCA4、MMP9、VTN、NFkappaB等の遺伝子内の単一ヌクレオチド多型に比較する遺伝子解析等の他の現在使用されている非画像診断法に対する、DNIRA、FAF、及び他の画像診断法のモード間比較及びモード内比較を登録し、提供できる。代わりに、画像は、例えば制限なく上記遺伝子のいずれかのコピー数の多様性の遺伝子解析に比較されてよい。
さらに、本明細書に説明されるイメージングシステムは、例えば慢性腎疾患だけではなく、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化又卒中等の心臓血管疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、及び神経学的な精神的外傷等の神経変性疾患、例えばリウマチ性関節炎、変形性関節症、強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデス、セリアック病、クリーン病、ベーチェット病等の炎症性疾患、例えば喘息、気腫及びアレルギーを含んだ慢性閉塞性肺疾患(COPD)等の肺疾患であるが、これに限定されるものではない、例えば併発症の分析等の他の要因に対する、DNIRA、FAF、及び他のモダリティのモード間比較及びモード内比較を登録し、提供できる。いくつかの態様では、イメージングシステムは、例えばMCP-1、MCP-2、MCP-3等の単球遊走促進因子(MCP)、例えばIL-6、IL-8等のインターロイキン(IL)、例えばVEGF-A等の血管内皮増殖因子(VEGF)、例えばTNFa等の腫瘍壊死因子(TNF)、例えばNOS-2等の一酸化窒素シンターゼ(NOS)、例えばC1~C9の補体成分、例えばCFD、CFH、CFI等の補体調節因子(complement regulator)、例えばApoE、ApoB、C反応性タンパク等のアポリポたんぱく質(Apo)、及び例えばエオタキシン-1等のエオタキシンであるが、これに限定されるものではない、眼内バイオメーカー及び全身性バイオマーカーに対する、DNIRA及びFAFのモード間比較及びモード内比較を登録し、提供できる。いくつかの例示的な態様では、イメージングシステムは、例えば喫煙、肥満、血圧、ボディマスインデックス、ウエスト対ヒップ率、コレステロール値、脂質パネル、家族歴、年齢及び食餌性ビタミンの摂取、並びに投薬等の環境/エピジェネティック危険因子に対する、DNIRA、FAF、及び他の画像診断法のモード間比較及びモード内比較を登録し、提供できる。
本明細書に説明される態様は、試験のための2つの反復的に改良されるデータ分析プロセスを提供できる。ベータバージョン1は、臨床医の入力を含んだ新規の生物学に基づいた反復改良による認知と関連しない画像解析のために、またマルチモーダル画像比較も含むために構成されてよい。ベータバージョン2は、大規模なデータアナリティクス、クラウドベース解析のための、マルチモーダル画像ベース比較のための、及び他の被検者中心のデータベース(例えば、遺伝的特徴、併発症、投薬、食事療法)とのモード内比較のための反復改良を伴う認知画像解析及び認知と関連しない画像解析のために構成されてよい。
本明細書に説明される態様は、以下、つまり取得装置からの画像出力、ネイティブ画像の登録、画像領域のセグメンテーション、(他のモダリティに対して、及び経時的に比較される)特徴抽出特有の疾患関連観察、モード間画像解析、及びデルタ画像データ(例えば、FAF等の別の画像診断法を減算するDNIRA)の生成、及び経時的なセグメンテーションを実施するためにイメージングシステムを提供できる。
システム100が、取得装置から画像出力を生成するとき、「最善の」被検者画像、機密ではない画像出力フォーマットへのゆっくりとした変換、長いディレクトリ名、及び下流バッチ処理に適するための必要性において課題がある場合がある。取得装置から画像出力を生成するための目的は、装置に無関係な(依存しない)下流解析のための適切な画像の選択のためである。システム100は、例えばユーザ装置104でレンダリングされ、更新される、例えば画像ベースの対話型GUIインタフェースによって医師の使用に適する場合がある。
システム100がネイティブ画像の登録を実施するとき、傾き、スキュー、画像間の微妙な拡大変化を生じさせるヒトの眼の球形の形状に起因する課題がある場合があり、潜在的にヒトの特徴は経時的に大幅な差をもたらす(例えば、白内障)。ネイティブ画像の登録の目的は、モード間及び時間の画像比較である。これは、1つ以上のモダリティで発生し、経時的にサイズ(面積)が増加する、減少する、又は変化しないままである画像ベースの特徴の検出を可能にする。計算要件は、網膜血管上の分岐点の同定、視神経頭(ONH)の視覚化である。最適化は、画像が、a)歪みのため破棄された外輪、b)関心領域及び大きい血管に対する媒質の不足のために使用されない中心輪を含むコンセントリックリング/ゾーン内で処理されることである。最適化は、画像が反復して見直され、医師又は専門家が機械学習プロセスのためのトレーニング入力として許容できる及び許容できない差に関するフィードバックを提供することであってよい。最適化は、例えば(例えば、手動登録のために<15%を拒絶するために)全画像の>85%等の閾値によるバッチ処理のためであってよい。
最適化は、脈管マーキング(3つの別々の時点に撮影された画像)を使用する3つの画像の登録であってよい。様々な態様では、より多くの又はより少ない画像が使用されてよい。図17A及び図17Bは、3つの別々の時点での3つの画像の視覚表現として画像出力データを示す。ネイティブ画像の登録の出力は、下流の操作及び処理のための登録画像のスタックであってよい。システム100は、パラメータに対する反復改良のための医師の入力に適する場合がある。システム100は、大規模なデータ解析プラットフォームのための適切なエクスポート準備完了クラウドベース処理である場合がある。
システム100が画像のセグメンテーションを実施するとき、グレイスケール背景から黒色の領域を区別するために登録後に課題がある場合がある。登録後、黒の領域は、例えば血管及びONH等の一定の特徴を除外する必要がある。セグメンテーションの目的は、広範囲に低蛍光(黒色)として同定された高コントラストの特徴の同定及び数値化のためである。例えば、FAF技術を使用すると、黒色の領域は、不可逆的な組織喪失の部位に一致する。図17Aは、FAFイメージングにより視覚化された組織の進行性の不可逆的な喪失を示す。経時的に、黒色の領域はサイズが増加する、又は同じまま留まる(例えば、黒色の退縮又は縮小が観察される)。
DNIRAは、組織機能の数値化可能な機能読出しを提供する。DNIRAを使用し、システム100は、不可逆的な組織喪失の部位に、及び異常な組織又は病気の組織に一致する画像内の黒色の領域を検出できる。経時的に、黒色の領域は同じままとなる、サイズが増加する又は減少する場合がある。システム100は、「ベースラインDNIRA」画像の決定を実施する場合がある。システム100は、プリダイ(pre―dye)NIR画像からのシグナルをポストダイ(post-dye)NIR画像から除去することによってベースラインDNIRA画像を得ることができる。
システム100が、特徴抽出を実施するとき、組織喪失以外の疾患の特徴の同定及び数値化に関係する課題がある場合がある。このプロセスは、現在、4つのエンフェイス方法、及び1つの断面方法を含んだマルチモーダル画像の手動解釈に頼っている。システム100は、本明細書に説明される技術を使用し、このプロセスの態様を自動化できる。特徴抽出の目的は、被験者の診断、病期分類、重症度分類を支援し、最終的には臨床試験設計及び治療に対する反応の監視を支援する疾患に関連する特徴を同定することである。特徴抽出の目的は、画像処理を使用し、ドルーゼン、RPE剥離(RPED)、及び他の疾患の特徴の数値化及び分類を容易に可能にすることである。特徴抽出の目的は、ユーザ装置104に表示されるGUIのグラフィック表現及び視覚要素を使用し、疾患の動的変化の観察及び数値化を可能にすることである。例えば、以下のエンフェイス特徴、つまりa)小硬性ドルーゼン、b)中ドルーゼン、c)大ドルーゼン、d)融合性ドルーゼン、e)RPE剥離(たとえば、ドルーゼノイド、漿液性)、f)地図状萎縮(GA)の部位、g)血液の同定は、医師に、(臨床検査及びイメージング方法に基づいて)疾病重症度、及び被検者のリスクを知らせる。DNIRAを実施するシステム100は、構造化されたコンピュータプロセスを使用し、(単にGAを超えた)臨床上関連性がある特徴を同定し、数値化する可能性をもたらす。これは、画像データ内で、以下、つまりa)0.8以上の真円度を有する小さい黒いドット、<65μm直径、b)0.8以上の真円度を有する小さい黒色ドット、65~125μm直径、c)0.8以上の真円度を有する大きい黒いドット、>125μm直径、d)真円度>0.2を有する、ドルーゼン[フィンガリングポテト]の集合から生じると見なされる長方形、楕円形、又は丸い構造物、1つの次元で>125μm、e)大きい黒色領域>200μm直径、真円度>0.5、f)DNIRAとFAFの両方で見られる黒色領域、g)血液を検出してよい。
システム100は、モード間画像解析を実施し、デルタ画像データ(FAFを減算するDNIRA))を生成する。デルタ画像は、任意のイメージングセッションで、例えば黒色のFAFを超えた(したがって、GAの外部に存在する潜在的な損傷を受けた又は異常な組織を表す)黒色のDNIRAに対して、黒色のGAと一致する(したがってGAを表す)黒のDNIRAの領域を画定する。エンフェイスセグメンテーションに適した方法は、DNIRA及びFAFを含む。システム100は、モード間画像解析を実施し、モダリティ(FAF及びDNIRAのみ)の間、及び経時的にの両方で、登録され、セグメント化された画像の疾患関連の特徴を同定するためにデルタ画像データを生成する。システム100は、モード間画像解析を実施し、エンフェイス特徴の同定のためにデルタ画像データを生成し、例えば地図状萎縮(GA)の部位を含んだ、FAFに基づいて疾病重症度及び被検者のリスクを医師に知らせる。DNIRAは、構造化された計算プロセスを使用し、GAを同定し、数値化する可能性をもたらす。例えば、DNIRAを使用し、黒く見え、同じ空間場所でFAFでも観察される黒い部位に面積で等しい、又は大きい、>200μm、又はONHの直径に対して代わりに測定された部位。出力は、対応する黒色シグナルの部位を同定するために「FAF画像を差し引いたDNIRA」であるデルタ画像データである場合がある。
エンフェイス特徴の同定は、現在、医師に既知ではなく、例えばGAを含まない異常な細胞生理の部位を含んだ、GA(例えば、死滅組織ではなく罹患組織の範囲)の外の部位の異常なRPE/PhR生理学を医師に知らせる場合がある。DNIRAを使用し、黒に見える不連続部位>200μm(又はONHに対して測定された)は、改善を提供するFAFで明白ではない場合がある。デルタ画像データは、GAの境界を超えて拡張する、又は異なる空間領域に存在する黒色シグナルの部位を同定するために「FAFを差し引いたDNIRA」画像データを含む。
エンフェイスグレイスケール方法は、赤外線(IR)反射率、無赤色(RF)カラー、カラー(RGB)、カラー(CNYK)、[湿潤性AMDに有用であるが、乾性AMDに対してはあまり有用ではない場合がある]血管造影法、エンフェイス光干渉断層法(OCT)、及びOCT血管造影法(OCTA)を含む。モード間画像解析の目的は、グレイスケール画像において、モダリティ間で及び経時的にの両方で、登録された画像の疾患に関連する特徴を同定することである。モード間画像解析は、以下のエンフェイス特徴、つまりa)小硬性ドルーゼン、b)中ドルーゼン、c)大ドルーゼン、d)融合性ドルーゼン、e)RPE剥離(たとえば、ドルーゼノイド、漿液性、出血性)、f)血液、g)地図状萎縮(GA)の部位の同定を実施してよく、試験時に、及び現在利用可能なエンフェイスイメージング方法(FAFを除く)において、医師に疾病重症度及び患者リスクを知らせる。モード間画像解析は、出力データを生成し、画像データを変換するために非構造化計算プロセス(例えば、認知コンピューティング)を使用できる。
断面方法は、光干渉断層法(OCT)及びOCT血管造影法(OCTA)を含む。モード間画像解析は、OCTで検出される以下の断面特徴、つまりa)RPE及び/RPE下空間におけるドルーゼンの存在及び数、b)ドルーゼノイドRPE剥離、c)網膜下腔における偽ドルーゼン、d)地図状萎縮(より深い組織におけるより大きいOCTシグナルによるRPE/PhRの喪失)、e)ドルーゼン体積、f)ドルーゼン退縮の領域、g)外顆粒層(ONL)の厚さ及び体積、h)超反射OCT焦点、i)発生期のGAの存在、j)静止性CNVの存在、k)中心窩下脈絡膜厚さ、l)崩壊色素上皮剥離の同定を実施してよく、医師に疾病重症度及び被検者のリスクを知らせる。エンフェイスDNIRA又は他の画像診断法は、横断的画像診断法のグラフィック表現を生成する単一断面又は3次元再構成を使用し、OCTに対して比較される場合がある。
システム100は、選択され、抽出される異なる特徴が(例えば、それが面積又は数において増加しているのか、同じまま留まっているのか、それとも減少しているのかを判断するために)経時的にフォローされる場合、経時的にセグメンテーションを実施できる。システム100は、セグメンテーションを実施する場合があり、経時的にフォローされると、FAFは、医師がGAの部位を数値化し、その拡大率を経時的に測定できるようにする場合がある。このステップは、最高のGA拡大率を有する被検者の同定を可能にすることができ、臨床試験登録及びエンドポイント解析に有用である場合がある。しかしながら、それは、不可逆的な組織喪失の前の変化をフォローしない場合がある。さらに、GAの数値化は、偽である場合がある、疾患が一方向性である(例えば、特徴が蓄積するが、退行しない)ことを示唆する。3つの主要なパラメータ、つまりA.(GAを超える)全体的に黒色のDNIRAの変化、B.全体的なドルーゼンの変化、C.RPE剥離の変化が評価できる。経時的なセグメンテーションの目的は、疾患の臨床上関連性がある特徴(例えば、ドルーゼン、RPED等)を数値化し、経時的にGAの面積、(疾患の負担の潜在的な基準としての)GAを超える総面積、及び疾患のサブセグメント化された特徴の面積(例えば、小、中、大ドルーゼン、RPED等)を含む、その変化を決定することである場合がある。データは、黒色のDNIRAの部位が増加するだけではなく、経時的に減少する場合があることを確認し、最も典型的にはカラー写真で観察される疾患の動的特徴を確認する(例えば、ドルーゼン退縮)。これは、ドルーゼン退縮である場合がある。システム100は、小、中、又は大での経時的な黒色DNIRAシグナルの減少として測定できるデルタ時間(DNIRA)を生成するために経時的にセグメンテーションを実施する。システム100は、以下の出力、つまりa)経時的な全体的に黒のDNIRAの変化、b)経時的な「FAFを差し引いたデルタDNIRA」の変化、c)例えば、小ドルーゼンの変化、中ドルーゼンの変化、及び大ドルーゼンの変化等の特にセグメント化された特徴の変化を生成するために経時的にセグメンテーションを実施する。
(GAの外の)疾患負担の変化は、既知の手法を使用し、検出され得ない。全体的に病気の又は機能不全の組織を同定するために、このパラメータは、疾患負担の基準を提供し、臨床試験登録を支援するであろう。「デルタ画像=FAFを差し引いたDNIRA」の出力は、経時的にサイズ(面積)が増加する部位を示す場合がある。
システム100は、病気の又は機能不全の組織の範囲を数値化するために経時的にセグメンテーションを実施する。出力「デルタ画像=FAFを差し引いたDNIRA」は、経時的にサイズ(面積)が変化しないままである部位を示す。出力「デルタ画像=FAFを差し引いたDNIRA」は、経時的にサイズ(面積)が減少する部位を示す。
経時的なドルーゼン蓄積の変化は、同定するのが困難であり、数値化するのはなおさらに困難である場合がある。ドルーゼンは、FAF又は他のエンフェイス方法で均一に検出されない。DNIRAは、ドルーゼンの蓄積及び退縮の動的な変化を検出し、数値化するために使用されてよい。ドルーゼンの蓄積(数、面積、又は3D体積)は疾患に比例することは広く支持されている。出力「デルタ画像=FAFを差し引いたDNIRA」は、経時的にサイズ(面積)が増加する部位を示す。出力「デルタ画像=FAFを差し引いたDNIRA」は、経時的にサイズ(面積)が変化しないままである部位を示す。
(多くの場合、カラー写真で、又は数、面積、若しくは3次元体積で見られる)ドルーゼン退縮は、進行する疾患の兆候である場合がある。ドルーゼン喪失は、GA又はCNVMを伴う後期MADを前触れとなる場合がある。出力「デルタ画像=FAFを差し引いたDNIRA」は、経時的にサイズ(面積)が減少する部位を示す。
ドルーゼンは、3次元スラブ解析とともにOCTを使用し、検出されてよい。ドルーゼンの蓄積(数、面積、又は3次元体積)が疾患に比例する場合があると考えられている。出力「デルタ画像=FAFを差し引いたDNIRA」は、経時的にサイズ(面積)が増加する部位を示し、これはOCTに比較するために使用され得る。
経時的なRPE剥離(RPED)サイズ(面積、高さ、体積)の変化は、同定が困難であり、数値化が困難である場合がある。システム100は、RPEDサイズ(面積)及び数の動的変化を検出し、数値化できる。RPEDの分解能[特にドルーゼノイドの多様性]が後期失明性GAへの進行のリスクを示唆すると考えられている。出力「デルタ画像=FAFを差し引いたDNIRA」は、経時的にサイズ(面積)が増加するRPEDの部位を示す。出力「デルタ画像=FAFを差し引いたDNIRA」は、経時的にサイズ(面積)が変化しないままである部位を示す。出力「デルタ画像=FAFを差し引いたDNIRA」は、経時的にサイズ(面積)が減少する部位を示す。
ドルーゼンの蓄積は継続中の疾患を反映するが、(多くの場合、カラー写真で又は数、面積、若しくは3次元体積で見られる)ドルーゼン退縮の部位は、進行する疾患の兆候である。ドルーゼン喪失は、GA又はCNVMを伴う後期MADを前触れとなる場合がある。いくつかの態様では、AMDIは、ドルーゼンの退縮を検出することができ、AMDの進行の決定を可能にする。
いくつかの態様では、AMDI画像は、例えばOCT-血管造影法(OCT-A)等の他のイメージング方法に比較できる。係る比較は、病的な血流(脈絡毛細管枝若しくは脈絡膜の他の層のどちらかを通る減少した流量)の部位、あるいは漏出性若しくは非漏出性の新生血管(脈絡新生血管)又は(脈絡膜網状組織、ポリープ、動脈瘤、吻合等の)血管病変の領域への潜在的に増加した流量の部位の同定を可能にする。
例示的な出力データ
図11Aから図11Dは、本明細書に説明されるシステムを使用し、視覚化できる視覚表現の例示的な実物説明である。図11Aは、複数の小さい黒いドット及び中位のドット(<65μm及び65~125μm)の視覚表現として画像出力データを示す。図11Bは、大ドルーゼン(>125μm)の視覚表現として画像出力データを示す。図11Cは、融合性ドルーゼンの視覚表現として画像出力データを示す。図11Dは、GAの視覚表現として画像出力データを示す。
いくつかの場合、出力データは、図12及び図13に表される複数の黒のドットとして示される場合がある。FAFとは異なり、DNIRAシグナルは黒であり、RPEは、例えばドルーゼン等の構造によりBM及び脈絡膜から分離される(DNIRA画像にオーバレイされた矢印が代表的なドルーゼンを示す)。図13に示されるように、軟性の融合性ドルーゼンは、DNIRAを使用し、広範囲に低蛍光(黒色)である長方形の足型を明示する。軟性ドルーゼンは、通常、カラー眼底写真撮影により画定される。軟性ドルーゼンはグレイスケールであり、したがって他の波長で数値化できない。
いくつかの場合、DNIRAにより得られる出力画像データは、分離して画像を解析するとき必ずしも明らかではないであろう画像対の特徴を解明するために他の方法によって得られる、比較された出力画像データである場合がある。例えば、図12は、IRイメージング、FAFイメージング、DNIRAイメージング、及びOCTイメージングによって得られた比較網膜画像を示す。矢印は、DNIRA画像で可視のドルーゼンの場所を示す。これらのドルーゼンは、対応するIR画像又はFAF画像では容易に見えない。また、図14は、FAFにより取得された画像とともに、DNIRAを使用し、取得された画像間の差も示す。図14は、FAF(左)で観察された中心GAを有する患者の代表的なDNIRA画像を示す。図14に示されるように、FAFイメージング(左)からの画像出力データはより黒くない(GA)を示す。一方、DNIRA画像(右)はより黒を示す。DNIRA画像(右)は、より多数の低蛍光シグナル、低蛍光のより大きい総面積、及び低蛍光のより大量の周縁/境界を示す。これらの2つの画像の差は、シグナルの「デルタ」部分を表す。デルタ画像データは、GAがない場合、病気組織の又は機能不全の組織の面積である、「DNIRA黒色の面積-(マイナス)FAF黒色の面積」である場合がある。
図15Aは、視覚表現として画像出力データを示し、上部画像は、DNIRAを使用し、黒く見える大きいRPE剥離を表し、下部画像は、RPE層の上昇(高い濃い白色の線)を示す。青色の水平線は、OCT断面が得られた高さを示す。図15Bは、視覚表現として、黒色部位を示すDNIRAの上部及び、小さいドルーゼノイドRPE剥離(精細度>200μm)を示すOCTの下部を有する画像出力データを示す。右画像は、一部の残っている黒色シグナルを示すDNIRAの上部、及びRPE剥離の分解能を示すOCTの下部を有する。右画像が、マクロファージの存在を示唆するRPEDとの明るいドットの関連を示すことにも留意されたい。
いくつかの態様では、複数のイメージング方法からの画像データの解析は、RPEの特徴を視覚化するために使用できる。図16は、IRのための左画像、FAFのための中央の画像、及びDNIRAのための右の画像を有する視覚表現として画像出力データを示す。低蛍光(黒色)部位は、RPEの喪失を示す。
いくつかの例では、画像は、疾患の状態又は状況の変化を解明するために時間の関数として収集できる。例えば、図17Aは、時間t=1での左画像、t=2での中央画像、及び時間t=3での右画像(すべて4カ月離す)の視覚表現として画像出力データを示す。黒色部位は、第2の画像よりも第1の画像において大きく、特徴が減少していることを示す。図18及び図19Aから図19Jは、TAMi合成画像の集合が、開示されているイメージング方法の現在の臨床モダリティとの相関を可能にできることを示す。眼底自発蛍光(FAF、図19B)及びTAMi合成画像(図19C)は、カラー写真(図19A)上のオーバレイとして集められた。マルチモーダル解析は、腫瘍部位(i)、現在の又は以前の体液の領域(ii)、及び周辺(追加の損傷性(extra-lesional)部位(iii)を含んだ関心領域(図19F)の同定を可能にした。mm2での部位面積は、ImageJ測定を使用し、決定され、超蛍光ドット密度計算(図19H)で使用された。これらは、臨床医のグラウンドトゥルースによって決定されるように、メラノーマ、確定できない病変、又は良性の母斑を有する患者全体で比較された。平均ドット密度は、ドット/mm2±SEMの数として示される。一元配置分散分析及び事後の複数の比較(図19I)は、周辺部以内ではないが、病変及び流体領域を考慮するとき、悪性黒色腫(melanoma arm)における著しく高いドット密度を示す。(図19J)リスクグループの中の各部位のドット密度の複数の比較は、メラノーマが、周辺領域と比較されるとき、病変及び流体領域で著しく高いドット密度を有していたことが分かった。これは、他のリスクグループでは観察されなかった。
低蛍光 NIRAシグナル
いくつかの態様では、方法は、例えば黄斑の中等、それ以外の場合内在化、吸収、処理、又は蓄積されるべきである色素、蛍光色素分子、発色団、若しくは化学発光分子があることができず(又は比較的規模は小さいが、ある場合があり)、したがってその検出を妨げる又は削減する、眼の不連続部位を同定することを含む場合がある。これは、例えば、非限定的な例として、RPE単層の不連続部位等の特定の層又は組織の中で発生する場合がある。その低蛍光/黒色シグナルにより可視にされる係る部位は、単一画像の中で及び経時的に複数の画像全体で計算されたその変化速度の範囲内での両方で、DNIRA/AMDIによって同定及び数値化できる。
類似する観察は、例えば、非存在シグナルの領域が、地図状萎縮で発生するようなRPE/光受容体喪失の部位と空間的に一致するFAFを使用し、行われてきた。FAFは、光受容体により作り出され、RPEの中に蓄積される内在蛍光色素分子を検出し、したがってRPEが失われるとき、FAFシグナルも失われる。GAの部位は、例えばサイズがより小さくなる等、退行できないため、広範囲に低蛍光/黒色のFAFの領域は、経時的にサイズが同じままとなる、又は大きくなるかのどちらかである。
本明細書に説明される態様は、部分的に、経時的に拡大を明示するDNIRA画像の時間的変化に関する。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、低蛍光/黒色DNIRAの領域の係る増加は、疾患の負担の増加を表すことがあるであろう。このようにして、これらの部位は、異常な又は損傷を受けたRPE/光受容体が色素を内在化することができない領域を表すことがあるであろう。再び、いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、係る増加は、(i)組織解剖学的構造の変化が、それ以外の場合正常なRPE/光受容体細胞の存在下で色素の摂取を妨げる若しくは削減する部位を表す、又は(ii)解剖学的構造が正常であるが、細胞生理が異常である部位を表すことがあるであろう。
いくつかの態様では、DNIRAの時間的変化は、経時的に広範囲に低蛍光/黒色の領域の削減を明示するために利用できる。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、低蛍光/黒色のDNIRAの領域の減少は、疾患の負担の減少、改善、又は軽減を表すことがあるであろう。このようにして、これらの部位は、異常な又は損傷を受けたRPE/光受容体が色素をより良く内在化できる領域を表すことがあるであろう。再び、いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、低蛍光/黒色シグナルの係る減少は、組織解剖学的構造の変化が改善され、それによってそれ以外の場合正常なRPE/光受容体細胞の存在下での色素の摂取を容易にする部位を表すこともあるであろう。例として、係る減少は、RPE層がそれ自体をその下にあるブルッフ膜と再並置できるようにするRPE剥離(RPED)の消退とともに発生し、したがって例えばICG等の色素の下にある脈絡膜脈管構造からの摂取を容易にするであろう。超蛍光/黒色部位のサイズの係る減少は、FAF又は他の画像診断法を使用し、報告されていない。したがって、これらの特徴はDNIRAをさらにFAF及び他の静的な画像診断法から区別するDNIRAのダイナミックな質を明示する。
本明細書に説明される態様は、経時的に変化しないままである広範囲に低蛍光/黒色の部位の残留を明示するDNIRA/AMDIの時間的変化に関係する場合がある。FAFの広範囲に低蛍光/黒色の部位と一致するとき、それらは、RPE/光受容体が死滅し、なくなった後のRPE/光受容体喪失の部位を反映すると仮定される。対照的に、DNIRAの広範囲に低蛍光/黒色の部位の他の部位は、いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、例えばICG等の色素の下にある脈絡膜脈管構造からの摂取を妨げ、それらがおもに変化しないままである解剖学的領域を反映してよい。例えば、RPE/光受容体を下にある脈絡膜脈管構造から分離するRPE剥離に加えて、ドルーゼンとして知られる小さい沈着物、基底膜沈着物、又は基底線形沈着物の介在も色素の摂取を妨げるであろう(図10)。したがって、他の画像診断法(例えば、IR、無赤色、カラー眼底写真撮影、OCT、血管造影法、OCTA)で観察されるドルーゼンと、サイズ及び場所において一貫性があると測定される、広範囲に低蛍光/黒色のドットの存在は、ドルーゼン総面積を測定するための新規の方法を提供するであろう。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、ドルーゼン体積は、疾患の負担の全体的な基準と見なされるが、その数値化は、例えばIR又はFAF等のイメージング方法を使用すると、そのグレイスケール性質及び例えばOCT等の他の方法での3次元(3D)体積測定再構成の必要性により困難である。本態様では、例えば小滴(小さい非病理性の加齢沈着物)より大きく、ドルーゼノイドRPEDより小さい(例えば200~250μm)等、所与のサイズ範囲での小さい広範囲に低蛍光/黒色のドットを数値化する能力は、疾患の負担を数値化するまったく新規の方法を提供するであろう。
ミッドグレー低蛍光シグナル
いくつかの例では、AMDIは、中間色調―広範囲に超蛍光/黒色でもなく、明るく超蛍光でもない―の灰色の部位を同定する。これらの2次元部位は、すべてではないが一部の被検者で発生し、(例えばFAFにより決定される)先在するGAの存在下又は非存在下で発生する場合がある。広範囲に低蛍光/黒色の部位とは異なり、構造上の異常(例えば、ドルーゼンなし、RPE剥離なし、GAなし)は観察されなかった。代わりに、RPE細胞及び網膜は、他のエンフェイスモダリティ(例えば、IR、FAF、無赤色、カラー、血管造影法、OCTA、及び他)を使用するだけではなく、断面で(例えば、OCT)も解剖学的に正常に見える。これらの細胞は、生理学的に乱れている、損傷を受けている、又は遺伝学的に正常な細胞とは異なっている場合があり、したがって例えばICG等の色素を内在化することができない。したがって、いくつかの態様では、AMDIは、機能不全のRPE/網膜を同定し、数値化するために使用できる。
図20は、IRイメージング、FAFイメージング、及びDNIRAイメージングにより得られた比較網膜画像を示す。FAFとは異なり、明らかに「正常な」RPEの部位は、DNIRA画像では中間灰色に見える。FAFとは異なり、DNIRA画像は、中間灰色の背景に対して(黄色の線により強調表示される)より暗い灰色として異常な、つまり「病気の」RPEを明らかにする。
超蛍光シグナルの処理
本明細書に説明されるいくつかの態様では、インビボ機能イメージング方法は、例えば、眼疾患又は眼障害を有する被験者の眼の中のマクロファージ又はミクログリア(総称的にマクロファージ)等の食作用性免疫細胞の検出のために利用できる。DNIRAを実施するシステム100は、眼内腫瘍及びAMDを有する被検者の眼の中の推定マクロファージを同定し、これらの潜在的に侵攻性の細胞を組織損傷及び炎症の部位に近接して配置する。さらに、超蛍光、正常蛍光、及び低蛍光の複雑な2次元パターンは、最初に、DNIRAを使用し、同定される-これらのグレイスケール画像は、その解析及び解釈のために認知コンピューティングを実施するためにシステム100によって使用され得る。
現在、生きているヒトの眼の中の免疫細胞を検出するための方法はない可能性があり、組織バイオプシーが実行可能な選択ではないため、インビボ研究結果と死滅後の組織病理との間の臨床病理学的な相関を提供する方法は存在しない。
いくつかの場合、システム100は、以下、つまり1)推定マクロファージの空間時間分布を同定するために登録されたDNIRA画像を使用すること、2)疾患の高リスク及び晩期特徴を有する推定マクロファージの共分布を同定するために登録されたDNIRA画像を使用すること、3)マクロファージの空間時間分布及び共分布の変化、並びに経時的な疾患の高リスク及び晩期特徴を同定するために登録されたDNIRA画像を使用すること、4)疾患表現型の新規の複雑なパターンを同定すること、及び5)他の経時的なエンフェイスモダリティ及び横断的モダリティに対してDNIRA画像を比較することを実施できる。システム100は、概して画像取得ユニットからの画像出力処理、ネイティブ画像の登録、及び画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概して画像取得ユニットからの画像出力処理を実施できる。a)「最善の」被検者画像の選択、b)機密ではない画像出力フォーマットへのゆっくりとした変換、c)長いディレクトリ名、及びd)下流バッチ処理に適するための必要性に関係する課題がある場合がある。システム100は、概して装置に無関係な(依存しない)下流解析のための適切な画像の選択のための画像出力処理を実施できる。システム100は、概してネイティブ画像の登録を実施できる。
システム100は、概して画像のセグメンテーションを実施できる。登録後のように課題がある場合がある。個々の明るいドットは、周囲の黒色の及びグレイスケールの背景の領域から区別されてよい。追加の明るい推定マクロファージドットは、経時的に数値化されてよい。システム100は、概して明るいマクロファージの空間時間分布を同定するための画像のセグメンテーションを実施できる。マクロファージは、疾患活動性と関連付けられていると考えられる。システム100は、概して、関心領域「ROI」を選択するための画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概してそれ以外の場合グレイスケール背景から分離するために明るいシグナルを閾値化するための画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概して適切なドットサイズを同定するための画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概してROI内の明るいDNIRAマクロファージの数を数値化するための画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概して明るいシグナルを取り込むための閾値化の許容誤差の範囲を示すために画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概してドットサイズを取り込むための許容誤差の範囲を示すために画像のセグメンテーションを実施できる。
システム100は、概して明るいマクロファージの分布を高リスク疾患特徴の部位と相互に関連付けるために画像のセグメンテーションを実施できる。疾患の高リスク特徴は、疾患の進行を予測できる。したがって、マクロファージをこれらの高リスク特徴に相互に関連付けることは、疾患の別の生物学的予測因子を提供し、予測力を増してよい。システム100は、概して疾患活動性の領域内でROIを選択するための画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概して本明細書に説明されるプロセスを使用し、ROI内の明るいDNIRAマクロファージの数を数値化するための画像のセグメンテーションを実施できる。
システム100は、概してマクロファージの空間時間分布及び共分布の変化、並びに経時的な疾患の高リスク及び晩期特徴を同定するために画像のセグメンテーションを実施できる。マクロファージは、その組織環境に基づいて空間的に且つ時間的に変化するきわめて成形的且つ動的な細胞であり、したがってその変化は将来の疾患活動性を予測するのにさらに役立つ場合がある。システム100は、概してそれ以外の場合グレイスケール背景から分離するために明るいシグナルを閾値化するための画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概して適切なドットサイズを同定するための画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概して数値化するためにROI内の明るいドットを取り込むための画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概してある時点からのROI内の明るいドットを、数量の変化(経時的な増加/減少)又は同じROIの中の局所化の変化(増加/減少はないが、空間的な変化)を示す次の時点に比較するための画像のセグメンテーションを実施できる。
システム100は、概して疾患表現型の複雑なパターンを同定するために画像のセグメンテーションを実施できる。被検者の眼の中でインビボでマクロファージを撮像することは以前に報告されたことはなく、本明細書に開示されるのは、以前に同定されたことがなく、特徴付ける必要がある新しいパターンを同定する方法である。システム100は、概してそれ以外の場合グレイスケール背景から分離するために明るいシグナルを閾値化するための画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概して適切なドットサイズを同定するための画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概してグループ化されたドットの集団を同定するための画像のセグメンテーションを実施できる。システム100は、概して被検者全体で特徴を共有する異なるパターンを示すためにドットの集団の共通性を同定するための画像のセグメンテーションを実施できる。例えば、類似した数のグループ化されたドット、集団間の類似した距離、及び類似した局所化のパターンは兆候を提供してよい。
システム100は、概して経時的にDNIRA画像を他のエンフェイスモダリティ及び横断的モダリティに比較するために画像のセグメンテーションを実施できる。DNIRAは、他の眼のモダリティによって先例のない特徴を提供し、他のモダリティに比較することにより、DNIRAと関連付けられた能力を高めることができるが、生態がいままで未知であったそれらのモダリティでの潜在的な特徴を同定するのにも役立つ。例の比較は、DNIRA対FAF、DNIRA対OCT、DNIRA対IR、DNIRA対NIF-AF、DNIRA対RF、DNIRA対血管造影法、DNIRA対OCTAを含む。
以下は、画像データの例のグラフィック表現を提供する図20に関して登録及び解析の例を提供する。システム100は、以下の(おもにデフォルトの)(試行錯誤を通して決定された)設定値でSIFTプラグインとの線形スタック位置合わせを使用し、各時点を登録する場合がある。初期ガウスぼかし:1.60ピクセル、スケールオクターブあたりの段:3ピクセル、特徴記述子サイズ:4ピクセル、特徴記述子配向ビン:8、最も近い/次に最も近い率:0.92、最大位置合わせ誤差:25ピクセル、内座層率=0.05。予測変換はアフィンであってよい。システム100は、元の画像から各画像のぼやけたバージョンを除去できる。これは、画像背景の大部分を削除するはずであるが、結果としてコントラストは低い場合がある。ぼやけた画像は、シグマ=50μMのガウスぼやけを提供する。システム100は、ローリングボール半径=4μMの「背景の除去」プラグインを使用し、残りの背景を除去できる。これは、背景の最後の痕跡を除去するのに役立つ。システム100は、コントラストを強化し、ピクセルの0.2%を飽和し、ヒストグラムを正規化できる。システム100は、「ブリーチ補正(Bleach Correction)」プラグインを使用し、時点1のピクセル輝度を模倣するために時点2のヒストグラムを引き伸ばすことができる。平均化数、影、及びより多くの差は、2つの時点間のドットの相対輝度を改変できるため、これが行われる。閾値は適用されてよいので、ドットは両方の画像で同様に明るくてよい。このプラグインは、元は、長期間にわたって敏感な蛍光色素分子を撮像するとき信号強度を弱めることを補償することを目的としていた。システムは、「モード間」閾値化アルゴリズムを適用し、マスクに変換できる。このステップでは、「モード間」アルゴリズムで決定される閾値輝度値を超えるなんでも取り込むことができ、他のすべては削除できる。理論上、これは最も明るいシグナルだけを選択するべきである。いくつかの態様では、これはドットのすべてを選択する。
さらに、システム100は、スペックル除去する、ウォーターシェッドする(watershed)、及び拡張させることができる(ノイズ除去するためにスペックル除去し、互いに近いドットを分離するためにアルゴリズムをウォーターシェッドし、プログラムが単一の大きいドットとしてドットの集合を間違って同定するのを防ぐ)。システム100は、ピクセル単位で進むために「画像計算機」特徴を使用し、2つの時点間の「最大」輝度値と「最小」輝度値のために選択し、この説明は、次のスライドに概略される。システム100は、「最小」画像から「最大」画像を除去できる。システム100は、以下の設定値、つまりサイズ<400μM2、真円度=0.50~1.00のパッチを解析できる。逆算すると、400μM2は、22μMの直径につながる。これは、サイズに関してマクロファージ領域に到達しているが、これはDNIRAの現在の解像度限界にも到達する。点差関数と関連付けられたぼやけは、DNIRAのドットがおそらく該ドットのソースよりも大きいことを意味する。システム100は、マンダー共局在化試験を実施するための適切な手段を使用できる。これは、IHCのために一般的に使用される共局在化試験であるが、現在は静的ドット対動的ドットを同定するシステムの能力を試験するために適用されている。
超蛍光DNIRAシグナル
いくつかの態様では、DNIRAは、被験者の眼の中の小さい超蛍光ドットを同定できる。驚くべきことに、これらのドットのいくつかは被検者の訪問の間静止している。一方、他は動的であり、いくつかの時点では存在しており、他では存在しておらず、異なる場所に常駐している。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、DNIRAを使用し、同定されたこれらの小さい超蛍光ドットは、例えばマクロファージ等の、経時的に移動し、分割し、現れ、又は消える食作用性免疫細胞を表す場合がある。例えばマクロファージ等の細胞がICGを内在化することができ、その後色素のスペクトル特性と一致する励起フィルタ/発光フィルタを使用し、生きている眼の中で視覚化できることは、以前、DNIRA及びDNIRAの2つの変形―ImmunoDNIRA及びPulsed-DNIRA-を使用し、前臨床で明示されていた。本明細書に開示されるのは、AMDを有する被検者の眼の中で同定されたドットの静止集団又は動的集団が、例えばマクロファージ等の免疫細胞になるために適切なサイズ及び形状であるという前例のない研究結果である。
図18及び図19に関して、概念実証として、類似したサイズの超蛍光ドットが、ブドウ膜メラノーマ又は高リスクの確定できないメラニン細胞性病変を有する眼に存在することも観察される。それらは、母斑及び低リスクの確定できない病変からは非存在である。炎症はガンの顕著な特徴であり、ブドウ膜メラノーマ、特に高グレード(第三染色体モノソミー)のものの病理組織標本は多数のマクロファージと関連付けられる。一方、母斑は関連付けられていない。この相関関係は、「TAMI」(TAMイメージング)と名付けられた方法によって腫瘍随伴マクロファージ(TAM)を視覚化するためにDNIRAを使用し、インビボで確認される。TAMIを使用し、関心領域が、超蛍光DNIRA標識化ドットのその存在又は非存在に基づいてセグメント化できることが確認される。これらの部位は、数値化できる明るいドットの濃度の差に相当する。超蛍光ドットは、数、密度、濃度、サイズ若しくは半径、蛍光輝度、又は場所別に同定されてよい。より大量のドットを有する部位は、確定できない病変又は良性の母斑と比較してメラノーマの発生率に相関関係をもつので、ドットの数値化は疾患の負担と著しく相関関係をもつ。
DNIRAシグナルの2次元パターン
いくつかの態様では、DNIRA/AMDIを被験者に適用する本明細書に説明される早期研究は、図21Aから図21Eで観察されるように、新規の二次元(2D)グレイスケールパターンを同定している。これらは、黄斑の中で中心で、又は黄斑若しくは網膜中央でより末梢に発生する場合がある。これらのパターンは、多くの場合、織り合わされた構成、レース状の構成、網状の構成、又は斑点状の構成を有する。いくつかの例では、アスペクトでより粗い(より広い)又はアスペクトでより細かい(より密着した)パターンが観察される。いずれの先例もなく、いくつかの場合、これらはそれぞれ「緩い模様」(図21A)又は「隙間がない模様」(図21B)と呼ばれる。これらのパターンは、異なるサブタイプのAMD、したがって実施例7に示されるように治療法の選択肢に対する異なる反応を示す場合がある。
したがって、いくつかの態様では、論理的なアルゴリズム及びソフトウェアアルゴリズムが、DNIRA/AMDIを使用し、観察されるその2次元パターン別に被験者を同定し、分類又は階層化するために使用されてよいという結果になる。これらのパターンは、従来のソフトウェアプログラミング(例えば、登録及びセグメンテーション)によって容易に説明されないので、非構造化計算アルゴリズムが、その説明を精緻化するために適用される。
デルタ―FAF及びDNIRAの比較
いくつかの態様では、(RPE/光受容体が死滅し、なくなっている)FAFにおける広範囲に低蛍光/黒色のシグナルの部位を、DNIRAにおいて広範囲に超蛍光/黒色である部位から区別するための方法が提供される。FAFに比較して、DNIRA画像はつねに同量又はFAFが有するよりもより大量の広範囲に低蛍光/黒色の領域を有しており、我々が図14に示される差、つまりデルタを計算できるようにする。このデルタは、それらの喪失よりむしろ異常な生理を有するRPE/光受容体を表してよい。したがって、いくつかの態様では、DNIRAは、疾患の部位を検出できる。
いくつかの態様は、他の画像診断法(例えば、2つのモダリティの差、つまりデルタを提供するFAF、IR、カラー、無赤色、セグメント化、又は非セグメント化、断面、又はエンフェイスOCT、OCTA)に比較されるDNIRA画像の変化に関係する場合がある。
さらに、それは、経時的なFAFの時間的変化に比較される経時的なDNIRAの時間的変化に関係する。例えば、及びいかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、時点1で見られる広範囲に低蛍光/黒色DNIRAの部位は先行し、後のときの例えばFAF等の他のモダリティで見られる変化を予測してよい。したがって、DNIRAは、早期変化を検出するための方法として見ることができる。したがって、いくつかの態様では、DNIRAは、RPE/光受容体の損傷の部位を、その喪失前に、及びFAFを使用し検出されたRPE/光受容体喪失の広範囲に低蛍光/黒色の部位の発症前に同定できるという結果になる。したがって、DNIRA/AMDIは、それゆえ例えば、早期AMDから後期乾性AMDに進行する、GAを発症する危険性のある被検者を同定するために使用できる。このようにして、DNIRAは、GAの発症を予防するための臨床試験の登録のために、又は万一GAが発生した場合は治療のために被検者を同定する新規の方法を提供する。
画像処理のための論理生物学駆動のハードウェア及びソフトウェア
本明細書に説明される態様は、ソフトウェア及びハードウェアの設計を動かすために使用される論理アルゴリズムに関する。これらは、例えばDNIRAの時間的変化及びDNIRAと他の方法とのクロスモダリティ差、並びに時間に関係するクロスモダリティ変化等の上述されたものを含むが、これに限定されるものではない。AMDIは、以前には報告されていない。本明細書に開示される例示的なデータは、臨床環境に対する初めてのDNIRAの応用から引き出されている。したがって、これらの観察のそれぞれが新規である。いくつかの場合、本明細書に説明されるシステムは、本明細書に説明される論理プロセスを実装するソフトウェアモジュールを含む場合がある。さらに、本明細書に説明されるシステムは、統合画像処理、画像解析、及び画像出力プラットフォームを含む場合がある。
いくつかの態様では、係る論理アルゴリズム及びソフトウェアアルゴリズムは、経時的に及びモダリティ間で、広範囲に低蛍光/黒色のDNIRAの部位を同定、数値化、及び位置合わせできる。いくつかの態様では、係る論理アルゴリズム及びソフトウェアアルゴリズムは、超蛍光ドットを同定、数値化、及び位置合わせし、その数、サイズ、及び場所を評価できる。係る論理アルゴリズム及びソフトウェアアルゴリズムは、経時的に及びモダリティ間で、広範囲に低蛍光/黒色のDNIRAの部位に対して明るい超蛍光ドットを同定、数値化、及び位置合わせできる。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、例えばRPE/光受容体損失の領域に近接するマクロファージ等の推定免疫細胞の時空局所化は、RPE/光受容体喪失を有する食作用活性を暗示する。共局在化が本明細書に説明される。したがって、DNIRAは、免疫調節療法に適した被検者を同定するために使用できるであろう。
いくつかの態様では、眼疾患又は眼障害は、乾性AMD、RPD、白点症候群(例えば、蛇行性脈絡膜症、蛇行性網膜症、急性後部多発性小板状色素上皮症(APMPPE)、多発消失性白点症候群(MEWDS)、急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)、点状内層脈絡膜症(PIC)、びまん性網膜下線維症(DSF))、晩期発症型網膜変性(LORD、例えばQ1qTNF5欠損症)、及び中心性漿液性網膜症(CSR)のうちの1つ以上である場合がある。いくつかの態様では、眼疾患又は眼障害は、任意選択でlrat関連レーバー先天黒内障、及び網膜ジストロフィー、初期発症、重症に関連付けられる、レシチンレチノールアシルトランスフェラーゼ(Lecithin Retinol Acryltransferase)(LRAT)欠損症である場合がある。いくつかの態様では、眼疾患又は眼障害は白点状眼底であり、これは、以下の遺伝子の位置、つまり3q22.1(白点状網膜炎、RHO)、6p21.1(白点状網膜炎、PRPH2)、12q13.2(白点状眼底、RDH5)、15q26.1(白点状網膜炎、RLBP1)、及び15q26.1(白点状眼底、RLBP1)のうちの1つ以上に関連付けられてよい。いくつかの態様では、食作用性免疫細胞の存在は、DNIRAによって測定される。
いくつかの態様では、眼疾患又は眼障害は、糖尿病性眼疾患(例えば糖尿病性網膜症及びDME)、フォークト・小柳・原田病(VKH)、サルコイドブドウ膜炎、眼ヒストプラスマ症及び/又は推定眼ヒストプラスマ症候群、突発性ブドウ膜炎、自己免疫性ブドウ膜炎;全身性疾患、例えばループス、クローン病、関節リウマチ、及び他の既知の免疫起源の疾患に関連したブドウ膜炎、後部ぶどう膜炎(Posterior uveitis)(まだ診断され得ないものを含む)、前部ブドウ膜炎(例えば虹彩炎)、ベーチェット病、結節性多発動脈炎、並びにウェゲナー肉芽腫症のうちの1つ以上である場合がある。これは、実施例21、及び図39に示される。
いくつかの態様では、RPD疾患は、被験者の眼の中での網膜イメージングの異なるパターンの1つ以上の領域の存在によって同定可能である場合がある。網膜イメージングは、白色光、無赤色光、青色光、FAF、近赤外線(NIR)、赤外線(IR)、血管造影法、及びDNIRA、及び/又は被検者の眼の中の異常に蛍光性のFAFの1つ以上の領域の存在、及び/又は非疾患状態に比した脈絡膜と網膜との間の被検者の上皮バリアを通した(一過性増加を含んだ)透過性の増加、及び/又は非疾患状態に対する被検者のRPE全体での食作用免疫細胞の存在のうちの1つ以上である場合がある。
いくつかの態様では、方法は、被験者における眼疾患又は眼障害が、被験者の免疫細胞の機能を阻害する又は修正する薬剤での治療に反応するかどうかを判断でき、被験者の眼の中の免疫細胞の存在を検出すること、非存在を検出すること、又は免疫細胞の量を測定することを含み、被験者の眼は、約600nm~約900nmの波長を有する光に応答して蛍光する、方法を提供する。いくつかの実施形態では、光は、約400nm~約900nmの波長を有する場合がある。
本明細書に説明される方法は、被験者に有効量の蛍光性化合物を投与することをさらに含む場合があり、検出すること又は測定することは、蛍光性化合物の投与から少なくとも1日後に発生する。いくつかの態様では、検出すること又は測定することは、被験者に有効量の蛍光化合物を投与してから少なくとも1日後に発生する場合がある。いくつかの態様では、本明細書に説明される方法は、被験者の眼の中のFAFを検出又は測定するステップをさらに含む場合がある。いくつかの態様では、本明細書に説明される方法は、FAFパターンを被験者の眼の中の免疫細胞の存在、非存在、又は量に相互に関連付けるステップをさらに含む場合がある。いくつかの態様では、検出すること又は測定することは、cSLO、FAF、DNIRA、OCT、又はOCTAを実行することと、これらのモダリティを被験者の眼の中の免疫細胞の存在、非存在、又は量に相互に関連付けることを含む場合がある。いくつかの態様では、免疫細胞は、被験者の自然免疫系の細胞及び/又はマクロファージ及び/又はミクログリア細胞、樹枝状細胞、単球、単核食細胞、食作用免疫細胞である場合がある。
DNIRA
様々な態様では、システム100は、様々な技術を使用し、光学イメージングを使用できる。例えば、係る技術は、このようなものの三次元再構築を含んだ、眼底写真撮影、cSLO、FAF、血管造影法、OCT、OCTAを含むが、これに限定されるものではない。様々な態様では、光に眼を曝露することは、cSLO、FAF、DNIRA、血液造影法、又はOCTを実行することを含む。様々な態様では、イメージングはDNIRAである。様々な態様では、上記技術のいずれかの組合せが使用されてよい。
発明者は以前に、臨床試験から予測されるであろうように(データ不図示)、ヨウ素酸ナトリウムの全身送達に続いて、(非臨床状況、つまりヒト以外の眼において)低蛍光FAFのパッチがRPE喪失の領域でインビボで観察されないことを明示した。しかしながら、RPEを、例えば近赤外線(NIR)色素インドシアニングリーン(ICN)等の蛍光色素であらかじめ標識化すること、つまり遅延性の近赤外線解析(DNIRA)と呼ばれる技術によって、RPEは、cSLOイメージングを使用し、可視にされる。いったん標識化されると、RPE喪失の領域は、臨床的に観察されたものに類似する低蛍光の数値化可能なパッチとして明らかになる。様々な態様では、NaIO3、FAF、及びDNIRAが、例として、RPE喪失、マクロファージ、マクロファージ分極化、及びM1応答の調節の間の関係性を示すためにともに使用されてよい。
DNIRAの場合、例えば所与の非毒性の用量で投与されるとき、ICG等の近赤外線(NIR)色素を含んだ蛍光検出に適した化合物は、RPEを標識化し、したがってその後数日間又は数週間のうちにICG励起フィルタ/発光フィルタを使用し、見られるとき、RPEを可視にすることができる。重要なことに、その後数日間及び数週間でのこの視覚化は、色素の再投与なしであってよい。したがって、いくつかの態様では、DNIRA技術の中心的な構成要素はそのタイミングにある。これは、色素の脈管内局所化及びその即時の血管外漏出を決定するために、注射直後に、通過段階中、又は注射直後の数分間から数時間で見られる、ICG又は他の血液造影色素の現在の使用とは異なる。
いくつかの態様では、DNIRAは、実験動物で使用できる。一態様では、DNIRAは、RPE喪失のパッチ状の地理的地域(例えば、NAIO3)を生じさせ、任意選択で約1日以上(又は約1週間、又は約1か月、又は約3カ月)での、追加量のNaIO3若しくはパッチ状のRPE喪失の領域の拡大を生じさせる別の薬剤が後に続く、毒素又は他の薬剤を用いた投与の約1日以上前の、蛍光検出に適切な化合物、非限定的な例として、ICGの投与(及び任意選択で血管造影法)を伴う。例えば、(例えば最初の投与、又は2回目、又は3回目、又は4回目の投与として)地図状萎縮の拡大を引き起こす他の課題は、細胞の生存、細胞死、生存、オートファジー、増殖、再生等のモジュレータである場合がある。
様々な態様では、DNIRA技術は、ヒトの被検者で使用できる。例えば、ヒトの被検者でのDNIRAは、毒素の使用を含まない場合がある。ヒトの被検者でのDNIRAは、適所に励起フィルタ/発光フィルタを用いるが、血管造影法は使用せず、色素投与後数時間若しくは数日の遅れに続いて、蛍光色素を使用する眼の中の正常な変化又は疾患関連の変化の評価を含んでよい。
地図状萎縮の拡大は、米国食品医薬局(FDA)が許容できる臨床試験設計の主要な結果である。したがって、本明細書に説明される方法及びシステムは、動物モデルにおける地図状萎縮、特に地図状萎縮の拡大の観察を可能にし、このようにして前臨床疾患モデルと臨床試験設計との間の相関を可能にできる。動物の眼において地図状萎縮、又は地図状萎縮の拡大を明確に同定することができないことから、前臨床研究と臨床観察との間の直接的な相関が妨げられていた。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるシステムは、ヒトの被検者において、地図状萎縮の拡大を含んだ地図状萎縮の拡大のサイズ及び速度の臨床評価を可能にできる。
いくつかの態様では、蛍光検出に適した化合物は、蛍光の様々な波長を用いるイメージングに適している場合がある。いくつかの態様では、これらの波長は、例えば青色光、白色光、及び近赤外線を含んだ、例えば、390nm~1mmまで等、可視光から赤外線に及ぶ。いくつかの態様では、色素は近赤外色素である。いくつかの態様では、色素はICGである。
いくつかの態様では、DNIRAは、投与から約6時間後、12時間後、24時間後、又は約2日後、若しくは約3日後、若しくは約4日後、若しくは約5日後、若しくは約6日後、若しくは約7日後、若しくは約10日後、若しくは約14日後、若しくは約21日後に実行できる(及び/又は遅延性近赤外線蛍光(DNIRF)が観察される)。いくつかの態様では、DNIRAは、投与から少なくとも1日後、又は投与から少なくとも2日後、又は少なくとも3日後、又は少なくとも4日後、又は少なくとも5日後、又は少なくとも6日後、又は少なくとも7日後、又は少なくとも10日後、又は少なくとも14日後、又は少なくとも21日後に実行できる。いくつかの態様では、DNIRAは、投与から少なくとも約2時間後、4時間後、8時間後、24時間後、又は少なくとも約7日後、若しくは少なくとも約30日後、若しくは少なくとも60日後、若しくは少なくとも90日後に実行できる。いくつかの態様では、DNIRAは、通過段階(例えば、色素が眼の血管を通って眼の組織の中に流れ込むときの色素の最初の通過)、又はその後数分の間実行されない場合がある。いくつかの態様では、血管造影イメージングは必要とされない場合があり、このようにして現在の色素をベースにしたイメージングシステムをDNIRAから区別する。
いくつかの態様では、視覚化は、cSLOを使用し、達成できる。いくつかの態様では、視覚化は、白色光及び適切なフィルタを使用し、達成できる。いくつかの態様では、ICG励起フィルタ/発光フィルタは、795nm(励起)フィルタ/810nm(発光)フィルタである場合がある。いくつかの場合、視覚化は、眼底カメラ又は適切なスペクトルを有する他の眼の撮像装置を使用し、達成できる。
RPEは、眼の特殊化された光受容体、桿体、及び錐体のための「ナース細胞」機能を果たす臨床上皮単層である。例えばAMD及びRPD等の眼疾患又は眼障害は、いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、RPEの異常に部分的に因果的にリンクされる。DNIRAは、動物の眼の中でインビボでRPE層を明確に同定できるようにする。さらに、ヒトの眼の中でRPEを検出するために使用される主要な技術、FAF、は、おそらく例えば(非限定的な例として)齧歯動物の眼では効果がない、又は例えばリポフスチン等、蛍光色素分子の相対的な不足のために、不十分に効果的である。ヒトの眼におけるFAFイメージングは、刺激フィルタ/発光フィルタの存在下で非コヒーレント光の青色スペクトル、又は、コヒーレント青色光を使用して実行され、非存在RPE(例えば、低蛍光シグナル)又は異常RPE(例えば、超蛍光シグナル)の領域を同定できる。DNIRA非存在下で、動物の眼でRPEを明確に同定できないため、前臨床研究と臨床観察との間の直接的な相関が妨げられてきた。
したがって、様々な態様では、眼疾患又は眼障害の前臨床調査用の動物の眼の中で、例えばDNIRA等、RPE層を可視にする方法が提供される。さらに、本明細書に説明されるように、DNIRA又はその変形は、動物の眼の蛍光免疫細胞の視覚化を可能にできる。さらに、本明細書に説明されるように、DNIRA又はその変形は、ヒトの被検者の眼の中の蛍光免疫細胞の視覚化を可能にできる。いくつかの態様では、ヒト被験者を用いる本明細書に説明される方法の実践は、毒素投与を含まない場合がある。
いくつかの態様では、DNIRAは、眼疾患又は眼障害を治療するために効果的である薬剤の同定で使用できる。いくつかの態様では、DNIRAは、(制限なくAMD及びRPDを含んだ)眼疾患又は眼障害を有する又は有する場合がある被検者を評価するための方法として使用できる。いくつかの態様では、DNIRAは、(制限なくAMD及びRPDを含んだ)眼疾患又は眼障害の診断及び/又は予後診断及び/又は進行のための代理バイオマーカーである場合がある。例えば、DNIRAは、(制限なくAMD及びRPDを含んだ)眼疾患状態を示す他の画像診断法では見られない交互の超蛍光DNIRA及び低蛍光DNIRAのレース状のパターン、網目状のパターン、又はヒョウ柄パターンを含んだパターンを同定するために使用されてよい。また、DNIRAは、超蛍光DNIRA及び低蛍光DNIRAの領域を同定し、数値化するためにも使用され得る。
様々な態様では、DNIRAは、眼の低蛍光特徴を同定するために使用できる。例えば、これらの領域は、撮像時黒く見え、したがって(ICGイメージングと対照的に、又は白黒よりもむしろグレイスケールである、超蛍光シグナルと対照的に)容易な数値化を可能にする。いくつかの態様では、低蛍光DNIRAの検出は、損傷を受けた又は死滅したRPEを予測できる。例えば、低蛍光DNIRAは、RPEの非存在、(ICG色素を摂取できない)異常/不健康なRPE、ブルッフ膜と接触していない(したがって、脈絡膜脈管構造からもはやICG色素を摂取するための位置にいない)RPE、及びRPEとBMとの間に位置するであろう(したがって、ICG摂取を阻む)又はRPEにとって内部であろう(したがって、RPEシグナルを阻む)脂質の存在のうちの1つ以上を示す場合がある。
様々な態様では、DNIRAは、眼の超蛍光特徴を同定するために使用できる。例えば、これらの領域は撮像時明るく見え、したがって容易な数値化を可能にする。超蛍光DINIRAの検出は、いくつかの態様では、M1及び/又はM2マクロファージを含んだマクロファージを予測する。
様々な態様では、DNIRAは、眼疾患(制限なくAMD及びRPD)状態の診断のバイオマーカーとして使用することができ、さらなる評価及び/又は本明細書に説明されるものを制限なく含んだ1つ以上の薬剤を用いた治療を促す。様々な態様では、DNIRAは、眼疾患の状態(制限なくAMD及びRPD)の診断のためのバイオマーカーとして使用することができ、さらなる評価及び/又は本明細書に説明されるものを制限なく含んだ1つ以上の薬剤を用いた治療を促す。様々な態様では、DNIRAは、研究の動員のための適切な被検者の同定を改善するために、及び疾患の進行を評価するために使用できる。様々な態様では、DNIRAは、疾患の進行を監視するために使用できる。
様々な態様では、DNIRAは、遺伝子治療、幹状部/前駆細胞、若しくは他の細胞療法、又は複合遺伝子治療/細胞療法に修正可能である場合がある疾患の部位を同定するために使用できる。非限定的な例として、細胞置換又は栄養素支援による救済に適した部位は、同定し、療法のために標的とすることができる。
様々な態様では、DNIRAは、本明細書に説明される薬剤のいずれかに対する比較診断として使用できる。様々な態様では、DNIRAは、(本明細書に説明される薬剤の効果及び/又は本明細書に説明される薬剤のいずれかに対する反応の見込みを評価することを含んだ)本明細書に説明される薬剤のいずれかに対する被検者の反応を評価するために使用できる。様々な態様では、DNIRAの使用は、受入れ又は除外基準、又は臨床試験計画のためのエンドポイント解析を必然的に伴う場合がある。
様々な実施形態では、本発明は、本明細書に説明されるシステム及び方法を使用し、拘束力のある眼疾患を評価するための方法に関する。例えば、様々な実施形態では、DNIRAを使用し(例えば、本明細書に説明されるシステム及び方法を使用し)被験者の眼を評価するための方法が提供される。様々な実施形態では、例えばインドシアニングリーン(ICG)であるような、(制限なく、網膜色素上皮(RPE)細胞及び例えばマクロファージ等の免疫系の細胞を含んだ)1つ以上の細胞によって摂取される蛍光化合物を投与し、眼を約600nmから約900nmの波長を有する光に曝露することによって、被験者の眼を評価するための方法が提供され、曝露することは、蛍光化合物を投与し、その拘束力のある眼疾患又は病期を示す1つ以上の特徴について眼の中の蛍光パターンを評価してから、少なくとも24時間後(例えば、約24時間後、36時間後、又は約2日後、若しくは約3日後、若しくは約4日後、若しくは約5日後、若しくは約6日後、若しくは約7日後、又は約2週間後、又は約1か月後等)に発生する。失明性眼疾患を示す特徴は、(例えば、失明性眼疾患又はその病期を有する実験グループ、及び失明性眼疾患を有していないコンパレータグループを含んだ)患者のコホートの解析に基づいて選択及び/又は同定されてよい。特徴は、パターン認識及び/又は集団化分析を使用し、選択及び/又は同定されてよい。被検者の画像の中の特徴の存在は、コホート(複数可)からの画像及び分析を使用し、訓練されてよい分類子アルゴリズムを使用し、決定されてよい。
係る方法論は、例えば拘束力のある眼疾患の治療法の研究への患者の登録又は除外を指示する等、臨床試験設計を指導するように被検者蛍光パターン情報のビニング又は分類を可能にする。例えば、係る方法論は、様々な実施形態では、拘束力のある眼疾患を有する被検者と拘束力のある眼疾患を有していない被験者を区別することを可能にする。さらに、様々な実施形態では、係る方法論は、例えば、病期又は疾患の進行、疾患サブタイプ、関係する分子遺伝学、病理遺伝学、薬物反応等について失明性眼疾患を有する被検者の中で又は間での区別を可能にする。係る区別及び結果として生じる臨床試験意思決定の方向性は、本明細書の他の箇所でさらに説明される。係る区別及び臨床治療の方向性は、カスタマイズ若しくは個人化される臨床試験設計又はオーダーメード医療と一致している。
さらに、潜在的な又は様々な治療の存在下で、係る方法論は、例えば、必要に応じて失明性眼疾患の治療を指示する等、臨床意思決定を誘導するように被検者蛍光パターン情報のビニング又は分類を可能にする。例えば、係る方法論は、様々な実施形態では、失明性眼疾患を有する被検者と失明性眼疾患を有していない被験者を区別することを可能にする。さらに、様々な実施形態では、係る方法論は、例えば病期又は疾患の進行、疾患サブタイプ、関係する分子遺伝学、病理生物学、薬物反応等について失明性眼疾患を有する被検者の中で又は間での区別を可能にする。係る区別及び結果として生じる臨床意思決定の方向性は、本明細書の他の箇所でさらに説明される。係る区別及び臨床治療の方向性は、オーダーメード医療と一致している。
様々な実施形態では、本方法は、拘束力のある眼疾患の存在又は拘束力のある眼疾患のステータス若しくは病期(例えば、(方法がモニタリングのために使用されている場合)治療に応えて進行している又は退行している)について被験者の画像を分類するためのアルゴリズムを訓練するために試験グループの眼と(例えば、失明性眼疾患を有していない)対照群の眼の比較を可能にする。例えば、様々な実施形態では、本方法は、コホート内の眼の様々なパターン又は特徴のデータベースの集合を可能にし、係るコホートは、疾患、非疾患、早期疾患、晩期疾患、疾患サブタイプ等から選択されるグループを含む。したがって、様々な実施形態では、画像は、分類の基礎を成す場合がある特徴又はパターンの抽出を可能にするために比較される。様々な実施形態では、機械学習方法論を使用するパターン認識は、さらなる画像が解析されると、分類子の能力を継続的に強化するために使用され、(例えば、失明性の眼の状況の診断及び予後診断で医療専門家を支援するための、及び臨床試験設計で研究者を支援するための客観的な決定支援ツールを提供することによって)臨床意思決定のための条件を区別するために能力の継続的な改善を提供でき、る。
様々な実施形態では、解析時に、様々な眼の画像プロファイルが、例えば失明性眼疾患の存在、非存在、程度、サブタイプ等について情報を提供する様々な特徴の抽出を可能にする。画像プロファイル解析及び/又は特徴抽出は、任意の適切なアルゴリズムを利用できる。係るアルゴリズムは、失明性眼疾患を患うグループと患っていないグループとの間で試料を分類してよい。例えば、試料は、例えば、非失明性眼疾患集団(例えば、一般的な集団からのコホート又は失明性眼疾患以外の疾患を有する患者コホート)に対する、又は他の失明性若しくは非失明性眼疾患集団(例えば、異なる拘束力のある若しくは非失明性眼疾患に対して比較される特定の失明性眼疾患を有するコホート)に対する、失明性眼疾患を有する、又は失明性眼疾患を有すると疑われる被検者において、本明細書に説明されるイメージング特徴に基づいて分類されてよい。様々な分類方式が、決定木、ロジスティック回帰、主成分分析、ナイーブベイズモデル、サポートベクトルマシンモデル、及び最近傍モデルを含んだ、2つ以上のグループの間で試料を分類するために知られている。さらに、いくつかの異なるアルゴリズムが、眼イメージングデータの解析のために活用されてよい。アルゴリズムは、例えば、機械学習単一部分類子又は異常検出器アルゴリズムを含んでよい。上記に示されるように、検出アルゴリズムは、サポートベクトルデータ記述法(SVDD)に基づいてよい。追加アルゴリズムは、サポートベクトルマシン(SVM)、関連ベクトルマシン(RVM)、ニューラルネットワーク、ニューラル解析、ラージマージン分類器、カーネルベース分類子、確率密度関数(PDF)推定器に基づいた分類子、パルツェンPDF推定器に基づいた分類子、ベイズ識別子、定誤アラームレート(CFAR)検出器、ファジー論理に基づいた分類子、及び/又は類似する検出アルゴリズムを含んでよい。さらに、複数のモデル又はアルゴリズムからの予測は、全体的な予測を生成するために結合される場合がある。
様々な実施形態では、本評価方法は、例えばディープニューラルネットワーク等の機械学習及び計算知能技術、並びに監視学習技術、半監視学習技術、及び教師なし学習の組合せを利用する。係る機械学習及び計算知能技術は、様々な実施形態では、画像分類、画像解析、コンピュータ支援診断及び予後診断、及び/又はパターン認識情報を提供する。
様々な実施形態では、本評価方法は、監視アルゴリズム(非限定的な例として、線形領域、ランダムフォレスト分類、決定木学習、アンサンブル学習、ブートストラップアグリゲーティング等)を利用する。様々な実施形態では、本評価方法は、監視していないアルゴリズム(非限定的な例として、クラスタ化又は関連付け)を利用する。
様々な実施形態では、本システム及び方法は、例えば本明細書に説明される失明性眼疾患に対する関連性の様々な特徴のパターン認識を可能にする。
様々な実施形態では、判別分析及び/又は分類解析は、眼のステータス(例えば、疾患の存在又は非存在、疾病重症度、疾患の正体等)に関して知らせるように患者のビニングを可能にする。
様々な実施形態では、本システム及び方法は、本明細書の他の箇所に示されるように、様々な眼の特徴の解釈で有用である。
様々な実施形態では、本システム及び方法は、非限定的な例として、くっきりした(容易に区別される)境界又は柔らかな(ぼやけた若しくはファジーな)境界を有する場合がある、広範囲の低蛍光(PHoF)、中間の低蛍光(IHoF)、低い低蛍光(LHoF)の領域の存在、非存在、又は程度を含んだ、低蛍光パターンの検出(低蛍光の係るレベルは、例えば、視神経頭(ONH)で測定される低蛍光の約90%以上への蛍光減少(例えば、ONHの60~90%、ONHの20~60%)等、画像規格に対して評価されてよい)、及び、複雑な蛍光パターン(例えば、「緩い模様」パターン、「隙間がない模様」パターン、「ヒョウ柄」パターン、「灰色の染み」パターン、「フィンガリングポテト」パターン等)の検出で有用である。
様々な実施形態では、本システム及び方法は、非限定的な例として、くっきりとした(容易に区別される)境界又は柔らかな(ぼやけた若しくはファジーな)境界、又は「明るいドット」、「明るい点」、「大きい明るい点」、及び「ハロー」を含んだ様々な複雑なパターンを有する場合がある、広範囲の超蛍光(PHrF)、中間の超蛍光(IHrF)、低い超蛍光(LHrF)の領域の存在、非存在、又は程度を含んだ、超蛍光のパターンの検出で有用である。
様々な実施形態では、本システム及び方法は、複雑な2次元パターン、非限定的な例として、標識化された「隙間がない模様」、「緩い模様」、「灰色の染み」、「オイルステイン」、「弾痕」等の検出で有用である。
様々な実施形態では、本システム及び方法は、地図状萎縮、斑状皮膚萎縮症(MA)、又は脈絡膜新生血管の非存在下でのドルーゼン又は偽ドルーゼンの存在から、地図状萎縮、斑状皮膚萎縮症、又は脈絡膜新生血管の存在下でのドルーゼン又は偽ドルーゼンの存在への遷移の検出を可能にする。様々な実施形態では、本システム及び方法は、ドルーゼン退縮(例えば、約25%、又は約50%、又は約75%、又は約100%のドルーゼンの減少)の検出を可能にする。
様々な実施形態では、本システム及び方法は、眼の組織喪失(例えば、眼の組織喪失の約25%、又は約50%、又は約75%、又は約100%の減少)の検出を可能にする。
様々な実施形態では、本システム及び方法は、地図状萎縮、斑状皮膚萎縮症、又は脈絡膜新生血管の非存在下でのドルーゼン、偽ドルーゼン、魚形の病変、炎症性浸潤、網膜下液、可変的に形成された色素過剰の又は色素不足の部位(標的病変)の存在、非存在、又は程度、又は、任意の組織喪失、地図状萎縮、斑状皮膚移植症、又は脈絡膜新生血管のいずれかの存在下でのドルーゼン、偽ドルーゼン、魚形の病変、炎症性浸潤、網膜下液、可変的に形成された色素過剰の又は色素不足の部位(標的病変)の存在の検出を可能にする。
様々な実施形態では、本システム及び方法は、実施例22及び図40に示されるように、ドルーゼンの総数、ドルーゼンのサイズ、軟性融合性ドルーゼンの存在、色素沈着過度、RPE剥離、色素沈着減少、低反射網膜下物質、超反射ドット、網膜下基底膜及び/又は基底線形沈着物の検出を可能にする。
様々な実施形態では、本システム及び方法は、例えばドルーゼンの総数、ドルーゼンのサイズ、ドルーゼンの面積、ドルーゼン体積、ドルーゼン境界、軟性ファジードルーゼンの存在、軟性融合性ドルーゼンの存在、色素沈着過度、RPE剥離、色素沈着減少、低反射網膜下物質、超反射ドット、網膜下基底膜又は基底線形沈着物等の高リスク特徴と一致する、低蛍光DNIRAシグナルの領域の(非限定的な例として、面積、面積の平方根、周縁、最適真円(best-fit circle)の直径を活用する)程度の検出を可能にする。この実例は、図40で例証され、実施例22に示される。
いくつかの実施形態では、方法は、RPE及び網膜外層の蛍光の喪失に基づいたパターンを含んだ、被験者のRPE及び網膜の外層の蛍光でのパターン認識を提供する。RPE及び網膜外層の蛍光パターンは、失明性眼疾患の評価のための分類子アルゴリズムを訓練するために使用できる。
したがって、様々な実施形態では、本発明は、眼の評価を可能にするために眼の画像ベースのバイオマーカーを提供する。いくつかの実施形態では、係る眼の画像ベースのバイオマーカーは、疾患の診断を強化するために、疾患の以前に既知の及び未知のサブタイプを同定するために、疾患を発症する可能性がある患者を同定するために、疾患の進行に苦しむ可能性がある患者を同定するために、特定の介入(例えば、治療法)に反応する若しくは反応しない可能性がある患者を同定するために、及び/又は将来の結果又は安全が、疾患の進行、疾患の介入、又は環境の影響により損なわれる場合がある患者を同定するために、単独で、又は他の眼の画像ベースのバイオマーカー(例えば、カラー、FAF、IR、NIR、OCT、OCT-A、血管造影法等であるが、これに限定されるものではない)若しくは画像ベースではないバイオマーカー(例えば、ゲノミクス、組織生化学、疾患の機能評価基準、及び例えばQALY(生活の質で調整した生存年数)等の他の結果評価基準を含むが、これに限定されるものではない)と併せて使用されるべきである。
様々な実施形態では、本発明は、失明性眼疾患を有する患者を疾患の過程/進行において早期に同定するための方法を提供する。早期に検出される場合、早期介入が遂行されてよい。代わりに、本発明は、疾患の過程/進行において後期に失明性眼疾患を有する患者を同定するための方法を提供する。後期に検出される場合、より負担にならない介入が遂行されてよい。
様々な実施形態では、本発明は、早期疾患から後期疾患へ進行する可能性が高い患者を検出する方法を提供する(例えば、予後バイオマーカー)。
様々な実施形態では、本発明は、経時的に疾患の進行の速度又は1つ以上の治療薬に対する(例えば、病害応答)介入の影響を測定又はモニタするための方法を提供する(例えば、予後バイオマーカー、予想バイオマーカー、又はモニタリングバイオマーカー)。
様々な実施形態では、本発明は、例えば、AMD、RPD、黄斑症、中心性漿液性網膜症、ブドウ膜炎、遺伝型網膜変性、及び本明細書の他の箇所に言及される他の疾患等の失明性眼疾患を有する患者における臨床兆候、病気の再発、又は疾患の進行の見込みを同定するために、患者予後診断を決定する方法を提供する。
様々な実施形態では、本発明は、バイオマーカーを使用しない類似する個人よりも、医薬品又は環境要因に対する曝露から好ましい又は好ましくない影響を経験する可能性が高い個人を同定するために、介入(例えば、療法)に対する患者又は患者のグループの反応を予測するための方法を提供する。例えば、係る方法は、患者が療法に対する反応者であり得ると予測する。反応者である場合、様々な実施形態では、係る患者は、該療法を伴う治療を受けるように指示されてよい。代わりに、係る方法は、患者が療法に反応しない場合があると予測する。反応しない場合、様々な実施形態では、係る患者は、該療法を伴う治療を受けないように指示される場合があり、したがって代替療法に導かれる場合がある(例えば、予後バイオマーカー、予測バイオマーカー、モニタリングバイオマーカー、又は安全バイオマーカー)。
様々な実施形態では、本発明は、医薬品又は環境要因に曝露されたことのある個人において生物学的反応が発生したことを明示するための方法を提供する(例えば、予測バイオマーカー又は安全バイオマーカー)。
様々な実施形態では、本発明は、臨床試験設計を動かすための補完的なバイオマーカーを提供する。様々な実施形態では、本発明は、臨床試験設計を動かすためのコンパニオンバイオマーカーを提供する。様々な実施形態では、本システム及び方法は、臨床試験薬物又は他の臨床試験介入に反応する可能性がある患者の選択を可能にし、したがって臨床試験のための適切な集団の動員を可能にする。
様々な実施形態では、本発明は、個人化された薬剤開発又はオーダーメード医療のための方法を提供する。例えば、本方法は、様々な実施形態で、個別の患者の予測される反応又は疾患のリスクに基づいて個別の患者に合わせられている介入及び/又は製品を可能にする。
実例として、様々な実施形態では、本方法は、診断バイオマーカー又は方法を提供する。例えば、本方法及びシステムは、失明性眼疾患(例えばAMD)の家族歴を有するが、個人的な臨床診断はない患者における低蛍光シグナルの減少の複雑な3次元パターンを同定する。このようにして、DNIRAは、病気を発症する可能性がある患者又は患者の部分集合の早期診断を可能にしてよい。対照的に、既知の家族歴又は個人歴を有さない患者は同じ低蛍光のパターンを有さない。係る情報は、準備が完了した介入を指示する。様々な実施形態では、本診断バイオマーカー又は方法は、失明性眼疾患(例えばAMD)の家族歴又は個人歴を有するが、このようなものの知識を欠いている患者の早期診断を可能にしてよい。したがって、係る方法は、それ以外の場合治療されないであろう患者の早期治療を指示し得る。
様々な実施形態では、本発明は、例えば、制限なくセマピモド、MIF阻害剤、CCR2阻害剤、CKR-2B阻害剤、2チオイミダゾール、CAS445479-97-0、CCX140、クロドロン酸、クロドロン酸-リポソーム調製品、又はガドリニウムクロリドだけではなく、抗VEGF剤、ACE阻害剤、PPARガンマアゴニスト又は半アゴニスト、レニン阻害剤、ステロイド、及びオートファジーを調節する薬剤等の1つ以上の治療薬を用いる治療を知らせる。
本方法で有用な抗VEGF剤の非限定的な例は、ラニビズマブ、ベバシズマブ、アフリベルセプト、KH902VEGF受容体‐Fc、融合タンパク質、2C3抗体、ORA102、ペガプタニブ、ベバシラニブ、SIRNA‐027、デクルシン、デクルシノール、ピクロポドフィリン、ググルステロン、PLG101、エイコサノイドLXA4、PTK787、パゾパニブ、アキシチニブ、CDDO‐Me、CDDO‐Imm、シコニン、ベータ‐、ヒドロキシイソバレリルシコニン、ガングリオシドGM3、DC101抗体、Mab25抗体、Mab73抗体、4A5抗体、4E10抗体、5F12抗体、VA01抗体、BL2抗体、VEGF‐関連タンパク質、sFLT01、sFLT02、ペプチドB3、TG100801、ソラフェニブ、G6‐31抗体、融合抗体、及びVEGFのエピトープに結合する抗体を含む。本方法に有用な抗VEGF剤の追加の非限定的な例は、ヒトの血管内皮増殖因子‐A(VEGF‐A)、ヒトの血管内皮増殖因子‐B(VEGF‐B)、ヒトの血管内皮増殖因子‐C(VEGF‐C)、ヒトの血管内皮増殖因子‐D(VEGF‐D)及びヒトの血管内皮増殖因子‐E(VEGF‐E)のうちの1つ以上に明確に結合する物質、並びにVEGFのエピトープに結合する抗体を含む。
いくつかの実施形態では、抗VEGF剤は、抗体のラニビズマブまたはその薬学的に許容可能な塩である。ラニビズマブは、商標LUCENTISの下で市販されている。別の実施形態では、抗VEGF剤は、抗体のベバシズマブまたはその薬学的に許容可能な塩である。ベバシズマブは、商標AVASTINの下で市販されている。別の実施形態では、抗VEGF剤は、アフリベルセプトまたはその薬学的に許容可能な塩である。アフリベルセプトは、商標EYLEAの下で市販されている。一実施形態では、抗VEGF剤は、ペガプタニブまたはその薬学的に許容可能な塩である。ペガプタニブは、商標MACUGENの下で市販されている。別の実施形態では、抗VEGF剤は、VEGF‐A、VEGF‐B、VEGF‐C、VEGF‐D、またはVEGF‐Eのエピトープ等のVEGFのエピトープに結合する抗体または抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、VEGFおよびVEGFRの結合性が阻害されるように、VEGFアンタゴニストがVEGFのエピトープに結合する。一実施形態では、エピトープは、エピトープがフォールディングされたVEGF分子の表面に曝露されているように表されるVEGFの3次元構造の構成要素を含む。一実施形態では、エピトープは、VEGF由来の直線状のアミノ酸配列である。
様々な実施形態では、本方法は、ビタミンサプリメント、補体阻害剤又は活性剤、視覚サイクルモジュレータ、アミロイド阻害薬又は阻害剤、神経保護剤、オートファジー阻害剤、抗炎症薬、マクロファージ挙動又は活性のモジュレータ、CD36のモジュレータ、チロシンキナーゼ阻害剤、RNAモジュレータ、遺伝子治療又は細胞療法であるが、これに制限されない1つ以上の治療薬を用いる治療を知らせる。これらの例は、APL-2、エクリズマブ、LFG316、シロリムス、フオシノロンアセトニド(イルビエン)、フェンレチニド、エミクススタト、トリメタジジン、アルプロスタジル、モクサベリン、シルデナフィル、MC-1101(MacuClear)、OT5551、タンドスピロン、GSK933766、ランパリズマブ、ARC-1905、RNG6、オラセア、ブリモニジン、タートレート、FMX-103、CLG-561、BIO-201、BIO-203、テシドルマブ、イソプロピルウノプロストン、GS-030、ICR-14967、メトトレキサート、ONL-1204、RST-001、TT-231、KSI-401、OCU-100、RC-1アルファ、ACU-02、ACU-3223、アルプロスタジル、AVT-2、HMR-59、INO-6001、INO-6002、MCT-355、NT-501、SIR-1046、SIR-1047、SIR-1076、亜鉛モノシステイン、EBI-028、EG-30、RNA-144101を含む。
様々な実施形態では、本方法は、例えば補体阻害剤又は活性剤、視覚サイクルモジュレータ、アミロイド阻害薬又は阻害剤、神経保護剤、オートファジー阻害剤、抗炎症薬、及びマクロファージの挙動又は活性のモジュレータ等の1つ以上の治療薬を用いる治療を知らせる。
様々な実施形態では、本方法は、例えば、失明性眼疾患(例えばAMD)の既知の診断を有する患者の中で疾患サブタイプの同定を提供する。
現在、AMDの分類は、早期(ドルーゼン)、後期(湿潤性(新生血管)又は乾性(GAを有する)である場合がある)に限定される。臨床検査及び眼底カラー写真撮影で見られる可変的なサイズに作られたドルーゼン(小、中、及び大)及び色素の共存は、低リスク及び中リスク(又は高リスク早期)のサブカテゴリに早期疾患をさらに階層化する場合がある。しかしながら、AMDの多重遺伝子性(multigenicity)を所与として、30以上の遺伝子及び200SNPで、これは著しい簡略化を表し、(過大包摂の臨床試験設計を通して)幅広い標的とされた、又は例えばカスタマイズされた等、サブタイプに特有の療法、及び最終的には個人化された療法の開発を妨げる。さらに、明確に定義された及び明確に定義されていない特徴を有する画像ベースのバイオマーカーとして働く、DNIRAを使用し、得られる新規の鮮やかな画像は、新規のAIから抽出されたパターン認識のための認知コンピューティングの使用に特に良く適している。遺伝データ、エピジェネティックデータ、及びライフスタイルデータと結合され、DNIRAは、効率的でカスタマイズされた臨床試験設計及び個人化された療法を指す、以前は未知であった相関関係を提供する。
例として、湿潤性AMDとの関連でのサブタイプは、CNVの場所(例えば、中心窩下、中心窩傍、中心窩外、及び乳頭周囲)別の分離及び/又は従来の分類(例えば、完全にクラシック、おもにクラシック、最小クラシック、及びのオカルトクラシックなし)を含む。
様々な実施形態では、本方法は、診断精度及び新しい診断分類を支援するために、類似した臨床的所見の疾患を区別する(例えば、差別化する、判別する、知覚する)際に利用される。例えば、本方法は、AMD以外の眼の状態を有する患者では不在である、又はAMDとして頻繁に誤診される、複雑な画像ベースのパターンを明らかにする。相互に、本方法は、それ以外の場合、AMDと診断されるであろう、例えばスタルガルト病、成人卵黄様疾患、Biettiクリスタリン角膜網膜状ジストロフィー、パターンジストロフィー、その他などこれらに限定されない特定の疾患の正しい診断につながる場合がある。これらの他の状態は、区別の能力を高めるためにコンパレータコホートに含まれる場合がある。したがって、様々な実施形態では、本方法は、診断精度の改善、臨床試験登録の強化、及び個々の患者のための指示され、より適切な個人化された療法計画を可能にする。
様々な実施形態では、本方法は、経時的に失明性眼疾患の進行及び/又は治療の効果をモニタする際に利用される。したがって、様々な実施形態では、本方法は、モニタリングバイオマーカーとして利用される。例えば、実例として、本方法を使用し、暗い(例えば、低蛍光性の)部位を測定する能力は、それを有用なモニタリングバイオマーカーにする。経時的に連続して評価されると、本方法は、例えばAMD等の失明性眼疾患の存在、ステータス、又は程度を検出し、測定する、又は医薬品若しくは環境要因に対する曝露を含んだ介入効果又は曝露の証拠を提供する。
様々な実施形態では、本方法は、進行を予測するために既知の疾患の態様を数値化する、又はよりうまく定性的に記述する際に利用される(予後バイオマーカー)。様々な実施形態では、本方法は、例えば大きい軟性且つ融合性のドルーゼン等の疾患の既知の高リスク特徴を同定し、数値化する。AREDS1及び2臨床研究は、早期から後期AMDへの進行のリスクの増加と相関関係をもつ危険因子を同定し、これらの最も強力な進行の予測因子の中には、色素変化のある又は色素変化のない大きい軟性の融合性ドルーゼンの存在がある。軟性ドルーゼンは、臨床検査中に同定することができ、眼底カラー写真撮影を使用し、文書化されるが、生来不明瞭な、つまり「ファジーな」境界を有し、例えば、光干渉断層法(横断及びエンフェイスの両方)等の代替イメージング方法を用いてもその精密な数値化を妨げる。本方法は、例えば軟性ドルーゼン等のリスク特徴の検出及び数値化を可能にし、したがって危険性がある患者を同定し、進行のリスクを階層化し、臨床試験(特に、後期疾患、脈絡膜新生血管、地図状萎縮、又は斑状皮膚萎縮症のどちらかを予防することを目的とする試験)でどの患者に協力を求めるのかを指示することができる。
様々な実施形態では、本方法は、進行を予測するために現在仮定される疾患の態様を数値化するために使用される(予測バイオマーカー)。様々な実施形態では、本方法は、疾患と相関関係をもつと予測されるが、現在は数値化できず、したがって明示されない疾患特徴の時空的変化を同定し、数値化し、経時的にフォローする。例えば、様々な実施形態では、本方法は、ドルーゼン総負荷、経時的な同の変化等を数値化できる。
さらに、経時的に、例えば、大ドルーゼン及び中ドルーゼンが疾病リスク及び進行のリスクを参照するが、その動的変化は観察するのが難しい。本方法は、単一の時点若しくは複数の時点でドルーゼン総負担を計算できる、又は特定のドルーゼンサブタイプの変化を計算できる動的ドルーゼンインデックス(Dynamic Drusen Index)(DDI)の確立を可能にする。ドルーゼンの現在の分類に依存すると、DDIは(すべてのドルーゼンタイプのための)総DDI、融合性動的大ドルーゼンインデックス(LC-DDI)、動的大ドルーゼンインデックス(L-DDI)、動的中ドルーゼンインデックス(M-DDI)、及び動的小ドルーゼンインデックス(S-DDI)として定義される。様々な実施形態では、DDIは、特定の臨床試験でどの患者に優先的に協力を求めるのかを指示する。
様々な実施形態では、本方法は、例えば、制限なく、本明細書に説明される疾患(例えば、AMD、RPD、炎症性疾患、遺伝型黄斑変性症、網膜変性、及び眼腫瘍)等の疾患を有する患者の眼内で推定マクロファージを同定し、このようにしてバイオマーカーを使用しない類似した個人よりも、例えばマクロファージ調節療法等の医薬品又は環境要因への曝露から好ましい又は好ましくない影響を経験する可能性がより高い個人を同定する。例えば、乾性AMDが自然免疫系の疾患であるという現在の理解にも関わらず、現在、乾性AMDに利用可能な療法はない。補体カスケードを標的とするIII段階研究はまだ成功していない。様々な実施形態では、本方法は、細胞性(celluar arm)自然免疫系を調査することを可能にする。例えば、マクロファージ集団(集合的に、血管周囲マクロファージ、ミクログリア、在住実質性マクロファージ、樹枝状細胞、及び循環単球を含むが、これに限定されるものではない集合的に全食作用免疫細胞)を調査すること、及び/又は経時的に若しくは治療あり対治療なしでいくつかのマクロファージの数値化を可能にする。
いくつかの実施形態では、本方法は、単独で又は組合せで、例えばビンダリット、その誘導体、及び関係する化合物、マクロファージ調節剤、メトトレキサート、IkBa阻害剤、及びNFkB阻害剤、補体モジュレータ、他の抗炎症性化合物、又は環境要因であるが、これに限定されるものではない医薬品に曝露されたことがある個人で生物学的反応が発生したことを明示するための方法を提供する。
様々な実施形態では、本方法は、係る治療に対する薬力学反応を定性的に評価し、数値化するために使用され、それによって薬物又は他の療法が、臨床的利点に関係すると考えられるヒトでの所望される薬理反応を生じさせるという概念実証を確立するために、及び用量反応研究を誘導するために有用である。様々な実施形態では、本方法は、標的関与の証拠をさらに提供できる。
様々な実施形態では、本方法は、幹細胞治療に対する薬力学反応を定性的に評価し、-例えば、損傷を受けた又は見当たらないRPEを復元するために、その生存及び/又は使用におけるマクロファージ調節の考えられる有益な効果として-数値化するために使用される。
様々な実施形態では、本評価方法に関連する、例示的な失明性眼疾患は、例えば乾性AMD、湿潤性AMD、網状偽ドルーゼン(RPD)、LOAD(晩期発症型網膜変性)、clqTNF5欠損症若しくはその対応する遺伝子変異に関連付けられた網膜変性、又は網膜色素変性症(RP)及び関連疾患だけではなく、スタルガルト病、パターンジストフィーを含むが、これに限定されるものではない別の黄斑変性症を含む。一実施形態では、黄斑変性症は遺伝型である。他の実施形態では、本評価方法に関連する失明性眼疾患は、いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、白点症候群(例えば、蛇行性脈絡膜症、蛇行性網膜症、急性後部多発性小板状色素上皮症(APMPPE)、多発消失性白点症候群(MEWDS)、急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)、点状内層脈絡膜症(PIC)、びまん性網膜下線維症(DSF))を含むが、これに限定されるものではない、黄斑変性が付随する又は付随しない、網膜炎症によって特徴付けられてよい突発性疾患である。他の実施形態では、本評価方法に関連する失明性眼疾患は、中心性漿液性網膜症(CSR)である。他の実施形態では、本評価方法に関連する失明性眼疾患は、糖尿病性網膜症を含んだ網膜症である。
様々な実施形態では、本評価方法は、眼の腫瘍の評価で利用される。例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、例えば腫瘍随伴マクロファージ等、マクロファージの検出を可能にする。例えば、本方法は、超蛍光の明るいドットの検出及び/又は超蛍光の明るいドット密度の数値化を可能にする。係るドット密度は、(例えば、臨床医の観察/仕分けによって決定される)臨床分類と相関関係をもち、つねに診断の標準化及びより主観的ではない分類方式のためである。様々な実施形態では、本方法は、眼腫瘍関連体液、眼腫瘍の高さ等の検出又は予測を可能にする。
様々な実施形態では、本評価方法は、例えば、基底細胞がん、胆道がん、膀胱がん、骨肉腫、脳神経及び中枢神経系のがん、乳がん、腹膜のがん、子宮頸がん、絨毛腫、大腸がん、結合組織がん、消化器がん、子宮内膜がん、食道がん、眼がん、頭頚部がん、(消化管がんを含んだ)胃がん、グリア芽腫、肝がん、ヘパトーマ、上皮内新生物、腎臓又は腎臓がん、喉頭がん、白血病、肝臓がん、肺がん(例えば、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、及び肺の扁平上皮がん)、メラノーマ、骨髄腫、神経芽腫、口腔がん(唇、下、口、及び咽頭)、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、直腸がん、呼吸器系のがん、唾液腺がん、肉腫、皮膚がん、扁平上皮がん、胃がん、精巣腫瘍、甲状腺がん、子宮体がん、泌尿器系のがん、外陰がん、(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を含んだ)B細胞リンパ腫だけではなくホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫を含んだリンパ腫、小リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL、巨大腫瘤性病変NHL、マントル細胞リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病、及び他の癌腫と肉腫、並びに移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、及び神経皮膚症候群と関連する異常血管増殖、浮腫(例えば、脳腫瘍と関連する浮腫)、並びにメーグス症候群の(例えば、眼に対する転移の)うちの1つ以上である腫瘍等、眼の腫瘍の評価で利用される。
様々な実施形態では、本評価方法は、例えば原発性の眼球内がん(例えば、制限なく、眼内メラノーマ又は原発性の眼球内リンパ腫)等の眼の腫瘍の評価で使用される。様々な実施形態では、本評価方法は、網膜芽細胞腫又は髄様上皮腫の評価で使用される。
画像解析プラットフォーム及び出力
本明細書に説明されるシステムは、ユーザ解析用の未処理画像、又はエンドユーザ(消費者)活用用の処理済み画像のどちらかの形で出力を提供できる。出力は、GUIディスプレイに視覚要素として表されてよい。一態様では、出力は、無作為に又は連続して配置された単一の画像又は合成画像として提供される、その登録、位置合わせ、強化、調整、セグメンテーション、又は任意の他の関連性のある画像処理の前にAMD及び/又は他の失明性疾患を有する被検者へのDNIRAの適用から得られる未処理画像から成る場合がある。
いくつかの対応では、出力は、無作為に又は連続して配置された単一の画像又は合成画像として提供される、登録、位置合わせ、強化、調整、セグメンテーション、又は任意の他の関連性のある画像処理のいずれか又はすべてを含むであろう初期処理後にAMD及び/又は他の失明性疾患を有する被検者へのDNIRAの適用から得られる処理済みの画像から成る場合がある。
本明細書に説明されるシステム及び装置は、集中画像解析センタ若しくはプラットフォームを通した独立したユーザによる及び/又はユーザのための画像活用を提供できる。独立したユーザは、医師、ビジョンケア専門家、眼科技術スタッフ、視覚科学者、契約研究機関、薬剤開発部門、及び臨床試験設計及び実行に関与する人を含むが、これに限定されるものではない。集中型画像プラットフォームは、非限定的な例として、クラウドベースシステム、ウェブベースシステム、ネットワークベースシステム、及びローカルにアクティブなネットワーク(LAN)ベースのシステムを含む場合があるであろう。
本明細書に説明されるシステム及び装置は、独立したユーザ及び/又は集中したユーザにデスクトップ装置、ラップトップ装置、又はハンドヘルド装置用の複数のシステムと互換性のあるグラフィックユーザインタフェース(GUI)を提供できる。本明細書に説明されるシステム及び装置は、集中したユーザに追加の分析のためにDNIRA画像ソフトウェアを提供できる。DNIRA画像ソフトウェアは、係る分析のために実装される場合がある。DNIRA画像ソフトウェアは、例えば低蛍光シグナル、超蛍光シグナル、超蛍光ドット、複雑な2次元パターンの領域等の事前に定義された特徴の構造化分析のための、例えば登録、位置合わせ、コントラスト調整、鮮明化、セグメンテーション等のプロセスを可能にするが、これに限定されるものではない。
本明細書に説明されるシステム及び装置は、集中したユーザに構造化分析により対処される特徴以外の未定義の又は複雑な特徴の非構造化分析のために、例えば登録、位置合わせ、コントラスト調整、鮮明化、セグメンテーション等のプロセスであるが、これに限定されるものではないプロセスを可能にするDNIRA画像ソフトウェアを提供できる。
グラフィックユーザインタフェース
本明細書に説明されるシステムは、日々の及び専門ユーザにより指導される画像操作及び画像解析を最適化するように意図される、反復的に改良されたグラフィックユーザインタフェース(GUI)を提供できる。係るGUIは、ハンドヘルド装置、iPad(登録商標)、ラップトップ、及び他の個人向けコンピューティングシステムで利用可能にされるであろう。係るGUIは、DNIRAのために最適化された、市販されている撮像設備又は目的に特有の装置に埋め込まれるであろう。
態様では、GUIは、本明細書に説明されるように、制御コマンド及び画像出力データに基づいて動的に更新する一連の視覚要素を含む場合がある。GUIは、例えば、拡大された画像、グリッドでタイル表示されるアレイ、又は拡大なしでタイル表示されるアレイであるイメージカルーセルを含んでよい。
普及用のソフトウェア組み込みチップ及び/又はソフトウェアプログラム
いくつかの態様では、任意の適切なイメージングシステム(例えば、cSLO又は非cSLOベース)から取得されたDNIRA画像を処理できる。装置と無関係のソフトウェアプログラムを開発できる。いくつかの態様では、ソフトウェアプログラムは、現在の又は将来の装置の中への取入れのために利用できるようにされる場合がある。別の態様では、ソフトウェアプログラムは、取得後画像解析のために現在の装置製造メーカ及びソフトウェア製造メーカが利用できるようにされる。
データ解析及び反復プログラム開発のための集中型ソフトウェアシステム
いくつかの態様では、本明細書に説明されるシステムは、例えば、制限なく、クラウドベース、インターネットベース、ローカルにアクセス可能なネットワーク(LAN)をベースした、又は先在するプラットフォーム若しくは新しいプラットフォームを使用する専用読取りセンタであるであろう、集中型画像処理を含む場合がある。
いくつかの態様では、ソフトウェアは、集中処理出力が下流解析のために準備完了にされる、例えば登録、セグメンテーション、及び他の機能を提供する構造化計算に依存するであろう。この場合、出力は、その後の使用のために、無作為な又は無作為ではない順序でユーザに提供される単一の又は一連の調整された画像(例えば、位置合わせ、コントラスト、鮮明さ等)であろう。
本態様の変形形態では、ソフトウェアは構造化計算に頼り、出力はユーザのために事前に分析され、疾患のための関連性がある修正可能な危険因子又は修正不可の危険因子に対して比較される。この場合、出力は、画像コンテンツ(複数可)の定性的な又は定量的な説明とともにユーザに提供される、単一の又は一連の調整済み画像(例えば、位置合わせ、コントラスト、鮮明さ等)であるであろう。
いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、非構造化計算、人工知能、又は深層学習に頼り、これにより(例えば広範囲に低蛍光/明るい領域又は超蛍光ドット等の)容易に定義された特徴に加えて、可変グレイスケールの部位が、層化処理又は多層処理を使用し、反復して解析されるであろう。非構造化計算は増えつつある多数の画像から恩恵を受けるので、非構造化DNIRA解析は、クラウドベースプラットフォーム、ネットワークプラットフォーム、又は読取りセンタベースのプラットフォームに特に適切であろう。
本態様の変形形態では、ソフトウェアは非構造化計算に依存し、これにより高複雑度の部位は、層化処理又は多層化処理を使用し、反復して解析されるであろう。非限定的な例として、これらは、変化するグレイスケール密度の複雑な2次元パターンを含む場合がある。出力は、潜在的に経時的に、画像コンテンツの(複数可)の定性的又は定量的な説明とともに、及び例えば処理を伴い及び処理を伴わずに、ユーザに提供される単一の又は一連の調整された画像(例えば、位置合わせ、コントラスト、鮮明さ等)であるであろう。
本態様の追加の変形形態では、ソフトウェアは非構造化計算、つまりいわゆる「人工知能」又は「深層学習」に頼り、これにより(例えば、広範囲に低蛍光/明るい領域又は超蛍光ドット等の)容易に定義された特徴に加えて、可変グレイスケールの部位が、層化処理又は多層化処理を使用し、反復して解析されるであろうが、この場合、出力は、潜在的に経時的に、及び例えば処理を伴い及び処理を伴わずに、画像コンテンツ(複数可)の定性的又は定量的な説明とともにユーザに提供されるであろう。
AMDI表現型決定及び遺伝子型決定
AMDを有する被検者を分類する又は説明するための本システムは、制限されている。例えば、臨床検査及び眼底カラー写真に基づいた一般的に使用されるシステムでは、被験者は、早期に又は後期にどちらかで分類される。早期疾患を有するすべての被験者は、「乾性」見なされ、「小滴」よりも大きい(<10μm)5つ以上のドルーゼンの存在により一般的に診断される。後期AMDは、滲出性(新生血管又は「湿潤性」)又は非滲出性(萎縮性又は「乾性」)である場合があり、ともに失明と関連付けられ、後期疾患の両方の形は共存する場合がある。後期「湿潤性」AMDは、早期乾性又は後期乾性と共存する場合がある。
一般的に使用されるシステムは、いわゆる「簡略なスコア」を使用して、早期疾患から後期疾患に進行する(滲出性又は非滲出性のどちらか)高リスクにある被検者を同定する。したがって、片眼の2つ以上の大ドルーゼン(>125μm)の存在、又は片眼の色素の塊は、それぞれ1のスコアを生じさせる。したがって、両眼の両方の存在は、4のスコアを生じさせる。3以上のスコアを有する被検者は、早期AMDから後期AMDに進行する可能性がより高い。いくつかのシステムでは、これらの被検者は、「高リスク早期」と分類される、又はいくつかのシステムでは「中間」AMDとして分類される。
これらの簡略な分類とは対照的に、AMDは、単独で又は組み合わせて遺伝される場合がある20を超える関連変異/SNPを伴う、複雑な多重遺伝子疾患であることが知られている。病気発現は、例えば禁煙、食生活、及び栄養素供給等のエピジェネティック危険因子によりさらに修正される。
FAFは、乾性AMDの解析のための標準的な方法であり、広範囲に低蛍光/暗いシグナルの部位は、GA、したがって後期疾患の存在を示す。また、超蛍光FAFの複雑な2次元パターンが観察される場合があり、GAのパッチと併せて発見されるとき、いくつかはパッチ拡大率の増加と関連付けられる。これらは、例えば縞があり、びまん性の(小さな斑点のある)パターンを含む。今日まで、AMDの遺伝学(遺伝子型)と、臨床検査又は例えばFAF若しくはOCT等の特殊イメージングによって決定される臨床パターン(表現型)との間には明確な相関関係はない。
AMDIは、以前には未知であった、疾患の画像ベースのパターンを同定でき、例えば個々の被検者の新規の表現型説明を提供する。したがって、被験者を、進行の速度、エピジェネティックリスクに対する感受性、異なる療法に対する反応、及び最終的には失明率に従って異なる場合がある、異なるサブタイプの疾患に階層化できる画像ベースのシステムに対する必要性がある。AMDIは、これらのグループを定義する能力を劇的に高めることができる。AMDIは、疾患の異なるパターン又はサブタイプの前例のない説明を提供するので、構造化学習及び非構造化学習を使用し、反復的に改良された集中型イメージングプラットフォームの結果は、次いでGWAS解析、エピジェネティックステータス、及び他の医学情報又は人口統計情報と比較できる。
DNIRAの生態
図22及び図23は、それぞれRPE及びマクロファージでのDNIRAシグナルの生態のグラフィック図である。図22は、RPEでのDNIRAシグナルの構造上の態様及び機能上の態様を示し、広範囲に低蛍光性/黒色のシグナルはいくつかの病理学的変化に関連して発生する。緑色の矢印は、脈絡膜循環からRPE単層へのICG色素の移動/摂取を示す。DNIRAシグナルの「正常な」レベルは、色素を内在化できる明るい緑色の細胞として示される。下部パネルでは、正常なRPE、ブルッフ膜(BrM)、及び脈絡膜脈管構造が、乾性AMDで発生する一般的に観察される変化とともに示される。低蛍光は、GA、RPE剥離、及びドルーゼン又は他のRPE下沈着物(基底線形、基底膜沈着物)と関連して観察される。ミッドグレーシグナルは、RPEが脈絡膜血管に対してその正しい解剖学的な位置にあるが、細胞代謝が異常であると推量される部位に示される。図23は、マクロファージのDNIRAシグナルの構造上の態様及び機能上の態様を示す。(特定のサイズ、形状、及び運動性の)超蛍光ドットは、図22で得られたシグナルと併せて現れる場合がある。緑色の矢印は、脈絡膜循環から、組織マクロファージが色素を内在化できる網膜/RPE層への色素の移動/摂取を示す。細胞自体が網膜/RPE組織の中へ流入する前に、マクロファージが循環で直接的に色素を内在化し得るという事実に加えて。炎症の間、食作用活性の増加は、色素摂取の増加及び明るく蛍光性のドットの生成と相関関係をもつ場合がある。また、通常は脈絡膜(マクロファージ)内又は内網膜(ミクログリア)内深くに位置し、RPE及び光受容体損傷の部位へのそれらの動員は、明るいDNIRAドットの存在を示唆するであろう。
DNIRAは、以前は未知であった、疾患の画像ベースのパターンを同定することができ、例えば個々の被検者の新規表現型説明を提供する。したがって、被験者を、進行の速度、エピジェネティックリスクに対する感受性、異なる療法に対する反応、及び最終的には失明率に従って異なる場合がある、異なるサブタイプの疾患に階層化できる画像ベースのシステムに対する必要性がある。DNIRAは、これらのグループを定義する能力を劇的に高めることができる。DNIRAは、これらのグループを定義する能力を劇的に高めることができる。DNIRAは、疾患の異なるパターン又はサブタイプの前例のない説明を提供するので、構造化学習及び非構造化学習を使用し、反復的に改良された集中型イメージングプラットフォームの結果は、次いでGWAS解析、エピジェネティックステータス、及び他の医学情報又は人口統計情報と比較できる。
色素
ICG色素が参照されてきたが、いくつかの態様では、他の蛍光化合物がICGの代わりに使用され、上述された態様のいずれかに含まれる。係る蛍光化合物は、様々な波長の蛍光を用いるイメージングに適切である場合がある。いくつかの態様では、これらの波長は、可視光から、例えば青色光、白色光、及び近赤外線を含んだ、例えば390nm~1mm等赤外線に及ぶ。いくつかの態様では、色素は近赤外色素である場合がある。
いくつかの態様では、蛍光化合物は、約600nm~約900nmの波長で光を吸収する、及び/又は約750nm~約950nmの波長で光を発する。いくつかの態様では、蛍光化合物は、以下の特徴、つまり約795nm(励起)及び約810nm(発光)を有する場合がある。
本明細書に説明されるシステム及び方法は、以下の非限定的な実施例によりさらに説明される。
実施例
実施例1:広範囲に低蛍光/黒色のシグナルの部位を同定し、数値化し、フォローするためのDNIRA
DNIRAの解析は以前には報告されていないので、本発明は、すべての観察が新規であると考える。DNIRAは、広範囲に低蛍光/黒色シグナルの部位を同定するために使用できる。これらは、他の画像診断法により同定された部位又は区別する特徴と一致する場合もあれば、一致しない場合もある。RPE/光受容体の非存在を表し、したがってサイズが同じままである又は経時的に拡大するFAFの広範囲に低蛍光/黒色シグナルとは異なり、DNIRAの暗い部位は動的であり、拡大、減少、又は同じままとなる場合がある。したがって、非存在DNIRAシグナルの範囲を同定し、数値化するためにソフトウェアアルゴリズムが開発され、制限なく、登録、位置合わせ、コントラスト調整、鮮明化、及びセグメンテーションのためのソフトウェアを前提としている。図10は、DNIRA画像解析のグラフィック図である。
被検者の合意は、研究倫理委員会(REB)に承認されているすべての臨床研究プロトコルのために使用され、進んで同意し、同意できる被験者が順次登録される。
ベースラインインビボイメージング:ベースラインAMDI画像は、市販されている共焦点レーザー走査型検眼鏡(cSLO)(例えば、Heidelberg Retinal Angiography、HRA-2、Heidelberg Engineering、ドイツ)を使用し、取得される。画像は、cSLOを使用し、全身注射前に得られ、著しい光学的不透明度を有する画像は、(臨床的に指示される以外)さらなるイメージングから排除される。適切な光学的透明度を有する被検者の間で、追加の画像が、光干渉断層法(OCT)及び眼底カラー写真撮影とともに、無赤色、FAF(488/500nm励起/発光)、IR反射率チャネル(830nm)、及びICG蛍光チャネル(795/810nm励起/発光)で得られる。例えば1日と28日の間等、適切な短い期間内に、被験者は、血管造影法を含む場合もあれば、含まない場合もあるICG注射を受ける。
ICG注射:ICG色素(カーディオグリーン、シグマ)は、実験前に滅菌水中の5.0mg/mlの最終ストック濃度に新たに調製される。細かいゲージのカテーテルが静脈内に挿入され、ICG色素が注入される。血管造影法が実行される場合、画像は、注射の前に(ベースライン)、色素循環中に、及び通常その後40分又は2時間まで様々な間隔で取得される。
AMDイメージング:例えば1日から5日(であるが、潜在的にICG後24時間から120日まで)の適切な時間枠の中で、被験者は、ICG励起/発光フィルタ又は所定(795/810nm)のレーザーシステムを用いて得られるDNIRA画像のために戻るが、追加の色素の注射はない。中心窩及び視神経頭を中心とする画像を含んだ、各眼の複数の画像が、取得される。また、画像は黄斑の4つの四半部で撮影され、それによってより大きい領域の視覚化及び「疑似合成」画像の事後の解析を可能にする。
広範囲に低蛍光/暗いDNIRAシグナルの部位の検出のために論理プロセスが使用できる。
ソフトウェア及びハードウェアユニットは、登録、位置合わせ、及びセグメンテーションを受ける処理されていない高解像度DNIRA画像のために使用できる。ベースライン(ICG注射前)画像がICG注射前に明らかなシグナルを有する場合、このシグナルは他のすべての画像から除去される。単一の時点で評価されると、広範囲に低蛍光/黒色DNIRAシグナルの部位は同定され、数値化される。いくつかの点にわたって評価されると、画像は登録され、位置合わせされ、変化率が同定される。DNIRAは、その後に解析され、経時的にフォローできる黒色/低蛍光シグナルを検出する能力を有する。
実施例2:疾患及び疾患の負担のマーカーとしての低蛍光DNIRA総面積(診断バイオマーカー及び予後バイオマーカー)
図24は、この実施例のグラフィック表現である。
「低蛍光DNIRA総面積(複数可)」は、所与の時点での疾患の総合的な負担を反映する。低蛍光DNIRAシグナルは、容易にセグメント化可能及び数値化可能であり、(ここで図示されないFAFにより決定される)GAに加えて疾患の第1の容易に扱いやすい基準を提供する。
被検者の同意は、研究倫理委員会(REB)に承認されているすべての臨床研究プロトコルのために使用され、進んで同意し、同意できる被験者が順次登録される。
ベースラインインビボイメージング:ベースラインDNIRA画像は、市販されている共焦点レーザー走査型検眼鏡(cSLO)(例えば、Heidelberg Retinal Angiography、HRA-2、Heidelberg Engineering、ドイツ)を使用し、取得される。画像は、cSLOを使用し、全身注射前に得られ、著しい光学的不透明度を有する画像は、(臨床的に指示される以外)さらなるイメージングから排除される。適切な光学的透明度を有する被検者の間で、追加の画像が、光干渉断層法(OCT)及び眼底カラー写真撮影とともに、無赤色、FAF(488/500nm励起/発光)、IR反射率チャネル(830nm)、及びICG蛍光チャネル(795/810nm励起/発光)で得られる。例えば1日と28日の間等、適切な短い期間内に、被験者は、血管造影法を含む場合もあれば、含まない場合もあるICG注射を受ける。
ICG注射:ICG色素(カーディオグリーン、シグマ)は、実験前に滅菌水中の5.0mg/mlの最終ストック濃度に新たに調製される。細かいゲージのカテーテルが静脈内に挿入され、ICG色素が注入される。血管造影法が実行される場合、画像は、注射の前に(ベースライン)、色素循環中に、及び通常その後40分又は2時間まで様々な間隔で取得される。
DNIRAイメージング:例えば1日から5日(であるが、潜在的にICG後24時間から120日まで)の適切な時間枠の中で、被験者は、ICG励起/発光フィルタ又は所定(795/810nm)のレーザーシステムを用いて得られるDNIRA画像のために戻るが、追加の色素の注射はない。中心窩及び視神経頭を中心とする画像を含んだ、各眼の複数の画像が、取得される。また、画像は黄斑の4つの四半部で撮影され、それによってより大きい領域の視覚化及び「疑似合成」画像の事後の解析を可能にする。
反復DNIRAイメージング:経時的にDNIRA画像間の時間的変化を決定するために、被験者は、例えば1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、6カ月、8カ月、若しくは12カ月の間隔、又はより長く、反復試験のために戻る。
拡大する低蛍光DNIRAシグナルの部位の時間的解析のために論理プロセスが使用できる。論理プロセスは、拡大する低蛍光DNIRAシグナルの部位のモダリティ間解析にも使用できる。
画像の左の対は、相対的に小さい低蛍光DNIRA総面積を有する患者を示す。画像の右の対は、相対的により大きい低蛍光DNIRA総面積を有する患者を示す。この2つを比較すると、比率又は割合が確立できる。この場合、右側の患者はDNIRAを使用し、3倍以上低蛍光と同定されている。また、係る総面積は、漸次的変化又は動的変化の基準を提供するために経時的に測定することもできる。
実施例3:漸次的変化及び動的変化のマーカーとしての低蛍光DNIRA総面積(モニタリングバイオマーカー、予測バイオマーカー、又は予後バイオマーカー)
図17A及び図17Bは、この実施例のグラフィック表現である。
「低蛍光DNIRA総面積(複数可)」は、所与の時点での疾患の総合的な負担を反映する。低蛍光DNIRAシグナルは、容易にセグメント化可能及び数値化可能であり、(ここで図示されないFAFにより決定される)GAに加えて疾患の第1の容易に扱いやすい基準を提供する。
被検者の同意は、研究倫理委員会(REB)に承認されているすべての臨床研究プロトコルのために使用され、進んで同意し、同意できる被験者が順次登録される。
ベースラインインビボイメージング:ベースラインDNIRA画像は、市販されている共焦点レーザー走査型検眼鏡(cSLO)(例えば、Heidelberg Retinal Angiography、HRA-2、Heidelberg Engineering、ドイツ)を使用し、取得される。画像は、cSLOを使用し、全身注射前に得られ、著しい光学的不透明度を有する画像は、(臨床的に指示される以外)さらなるイメージングから排除される。適切な光学的透明度を有する被検者の間で、追加の画像が、光干渉断層法(OCT)及び眼底カラー写真撮影とともに、無赤色、FAF(488/500nm励起/発光)、IR反射率チャネル(830nm)、及びICG蛍光チャネル(795/810nm励起/発光)で得られる。例えば1日と28日の間等、適切な短い期間内に、被験者は、血管造影法を含む場合もあれば、含まない場合もあるICG注射を受ける。
ICG注射:ICG色素(カーディオグリーン、シグマ)は、実験前に滅菌水中の5.0mg/mlの最終ストック濃度に新たに調製される。細かいゲージのカテーテルが静脈内に挿入され、ICG色素が注入される。血管造影法が実行される場合、画像は、注射の前に(ベースライン)、色素循環中に、及び通常その後40分又は2時間まで様々な間隔で取得される。
DNIRAイメージング:例えば1日から5日(であるが、潜在的にICG後24時間から120日まで)の適切な時間枠の中で、被験者は、ICG励起/発光フィルタ又は所定(795/810nm)のレーザーシステムを用いて得られるDNIRA画像のために戻るが、追加の色素の注射はない。中心窩及び視神経頭を中心とする画像を含んだ、各眼の複数の画像が、取得される。また、画像は黄斑の4つの四半部で撮影され、それによってより大きい領域の視覚化及び「疑似合成」画像の事後の解析を可能にする。
反復DNIRAイメージング:経時的にDNIRA画像間の時間的変化を決定するために、被験者は、例えば1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、6カ月、8カ月、若しくは12カ月の間隔、又はより長く、反復試験のために戻る。
拡大する低蛍光DNIRAシグナルの部位の時間的解析のために論理プロセスが使用できる。論理プロセスは、拡大する低蛍光DNIRAシグナルの部位のモダリティ間解析にも使用できる。
図17Aで、「低蛍光DNIRA総面積」は、経時的にモニタし、指定された開始時刻(ベースライン)に対して繰り返し比較することができる。広範囲低蛍光のDNIRAは、セグメント化でき、特徴は抽出し、経時的に比較できる。また、画像の他の埋込みメタデータは、他の特徴を抽出するために使用することもできる。実施例は、低蛍光の部位がセグメントされ(緑色のトレース)、所与の時点での変化を検出するために互いに対して比較される経時的な3つの時点を示す。
図17Bで、上部パネルは、(FAF又はOCTを使用し、検出される)GAの観察とは異なり、経時的にサイズが小さくなる場合がある広範囲に低蛍光のDNIRA(中央のパネルの画像から)の部位の境界を示す緑色のトレース図を示す。これらのデータは、以前には認識されていなかった疾患のはるかにより動的且つ変化する態様を示唆し、GA又は斑状皮膚萎縮症(MA)の外の部位も容易に数値化できることを示す。また、DNIRA画像は、認知アナリティクス又は人工知能(AI)ベースのアナリティクスに適した非構造化画像ベースデータを表す複雑なセグメント不可能なパターンも明示する。他の形のメタデータも、画像を説明するために使用されてよい。右下の画像は、時間に依存する基準を提供するために動的変化が経時的に比較できることを示す。係るデータは、経時的に、疾患予後診断、予測、患者のモニタリングのために使用し、治療戦略を同定するのに役立てることができる。
実施例4:予後診断のマーカー又は介入に対する反応としての低蛍光DNIRA総面積の変化の速度
図25は、このプロセスのグラフィック図である。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、上述の例に説明されるように実行された。
拡大する低蛍光AMDIシグナルの部位の時間的解析のために論理プロセスが使用された。論理プロセスは、拡大する低蛍光AMDIシグナルの部位のモダリティ間解析にも使用された。
一番左のパネルは、この患者が、早期乾性AMDを有していることを示し、FAFを使用し、研究の過程全体で地図状萎縮(GA)の非存在を確認した。
中央のパネル及び右のパネルはDNIRAを示し、緑色のトレースは、(FAF又はOCTを使用し、検出された)GAの観察とは異なり、経時的にサイズがより小さくなる場合がある、広範囲低蛍光DNIRAの部位の境界を示す。前の実施例(実施例3、図17A及び図17B)に示される患者と比較されると、変化の速度は、より迅速であり、したがって個人のグループ間の比較を可能にし、後期AMDへのより迅速な遷移を潜在的に予測していた。
これらの特徴は、疾患の進行の予後診断だけではなく、この時間枠で発生する介入に対する反応も同定する上で特に有用である場合がある。
実施例5:DNIRAは、低蛍光/黒色FAFの部位を超えて拡張する広範囲の低蛍光/黒色シグナルの部位を同定する-疾患負担の基準としての「デルタ」の計算
図14は、この概念のグラフィック図である。
DNIRAは、後期乾性AMDを有する被検者の評価にとって現在のゴールドスタンダードであるFAFを使用し、観察されたものを超えた広範囲の低蛍光/黒色シグナルの部位を同定することができる。FAFは、(例えばリポフスチン等の内在蛍光色素分子が存在していない)GAとして知られるRPE/光受容体喪失の部位を同定する。存在するとき、GAの領域はつねに非存在DNIRAシグナルの領域内にある。したがって、非存在FAFシグナルを超える非存在DNIRAシグナルの範囲を同定し、数値化するために論理アルゴリズム及びソフトウェアアルゴリズムが開発されてきた。これは、組織が失われる領域よりむしろ、疾患の負担の基準を表す場合がある。図15A及び図15Bは、この例のグラフィック図である。
被検者の同意:すべての臨床研究プロトコルは研究倫理委員会(REB)承認であり、進んで同意し、同意できる被験者は順次登録される。
ベースラインインビボイメージング:ベースラインDNIRA画像は、市販されている共焦点レーザー走査型検眼鏡(cSLO)(例えば、Heidelberg Retinal Angiography、HRA-2、Heidelberg Engineering、ドイツ)を使用し、取得される。画像は、cSLOを使用し、全身注射前に得られ、著しい光学的不透明度を有する画像は、(臨床的に指示される以外)さらなるイメージングから排除される。適切な光学的透明度を有する被検者の間で、追加の画像が、光干渉断層法(OCT)及び眼底カラー写真撮影とともに、無赤色、FAF(488/500nm励起/発光)、IR反射率チャネル(830nm)、及びICG蛍光チャネル(795/810nm励起/発光)で得られる。例えば1日と28日の間等、適切な短い期間内に、被験者は、血管造影法を含む場合もあれば、含まない場合もあるICG注射を受ける。
ICG注射:ICG色素(カーディオグリーン、シグマ)は、実験前に滅菌水中の5.0mg/mlの最終ストック濃度に新たに調製される。細かいゲージのカテーテルが静脈内に挿入され、ICG色素が注入される。血管造影法が実行される場合、画像は、注射の前に(ベースライン)、色素循環中に、及び通常その後40分又は2時間まで様々な間隔で取得される。
DNIRAイメージング:例えば1日から5日(であるが、潜在的にICG後24時間から120日まで)の適切な時間枠の中で、被験者は、ICG励起/発光フィルタ又は所定(795/810nm)のレーザーシステムを用いて得られるDNIRA画像のために戻るが、追加の色素の注射はない。中心窩及び視神経頭を中心とする画像を含んだ、各眼の複数の画像が、取得される。また、画像は黄斑の4つの四半部で撮影され、それによってより大きい領域の視覚化及び「疑似合成」画像の事後の解析を可能にする。
論理プロセスは、背景シグナルの排除のために使用された。自発蛍光シグナルがベースラインDNIRA画像で(例えば、色素注射の前に)得られるいくつかの場合、係るベースラインシグナルは、さらなる画像解析の前に数学的に排除される。
論理プロセスは、「デルタ」、つまり低蛍光DNIRA画像とFAF画像の差の計算のために使用された。GAが存在する場合、DNIRAは、FAFを使用し、得られた広範囲の低蛍光/黒色シグナルの面積に同等又はより大きい広範囲の低蛍光/黒色シグナルの部位を同定する。
登録、位置合わせ、及びセグメンテーションを受ける処理されていない高解像度DNIRA画像及びFAF画像のためのソフトウェア及びハードウェアユニット。ベースライン(ICG注射前)画像が、ICG注射前の明らかなシグナルを明示する場合、このシグナルは、他のすべての画像から除去される。単一の時点で評価され、登録されたDNIRA画像及びFAF画像が比較され、暗いFAFの境界を越えて拡張し、又は、暗いFAFとは異なる部位に存在する低蛍光DNIRAの部位は、(別の画像内で、及び2層オーバレイの一部としての両方で)同定され、(セグメンテーションに続いて)数値化される。この例では、DNIRAは、黒色DNIRAシグナルの部位を含むFAF低蛍光の外の複数の部位を同定し、黒色低蛍光シグナルの総数、黒色シグナルの総面積、及び黒色の部位の周縁又は端縁を増加する。
実施例6:早期疾患及び早期疾患の異なる表現型を同定するためのDNIRA特徴(診断バイオマーカー)
図26A及び図26Bは、この実施例のグラフィック表現である。
DNIRAは、早期AMDの異なる表現型を区別し得る。これらは、潜在的に異なる療法及び標的療法に修正可能である基本的な生態(遺伝的又は環境)の差を表してよい。AMDは強力な遺伝要素を有するが、AMDは、最高で疾患感受性のほぼ2分の1しか占めていない。遺伝的背景を有する患者の間では、彼らが発病する場合もあれば、発病しない場合もある統計的な可能性が集団について計算できるが、個人については計算できない。対照的に、DNIRAの早期変化は、ドルーゼンの形成以前でさえ、肯定的な遺伝的形質、例えば非常に早期の疾患を確認し得る。
被検者の同意を得て、すべての臨床診断法が、前の例に説明されるように実行された。DNIRAイメージング手順は、提示の時点で個人履歴又は既知の家族歴を有していない患者に対して実行された。しかしながら、その後の質問で、臨床訪問の間のときに肯定的な家族歴が得られた。
図26Aでは、左パネルは、AMDの家族歴を有するが、個人的な診断はない(ドルーゼンの非存在が確認された)患者を示す。DNIRA画像は、かすかではあるが複雑な低蛍光パターンを示す。右パネルは、AMDの家族歴又は個人歴がなく、ドルーゼンが発見されないデカードが一致した(decade-matched)対象患者を示す。現在の臨床的定義を使用したAMDの非存在(ドルーゼンの非存在)は、臨床試験で確認された。これは、そうでない場合は、疾患の任意の同定可能な特徴で提示し得ない患者の微妙な変化を検出するDNIRAの能力を例示する。
図26Bでは、上部パネルは、臨床試験に基づいて早期AMDの診断を有する2人の患者を示す。左側には、著しい暗い灰色の緩やかな模様パターンを示す早期AMDを有する患者のDNIRA画像がある。右側には、微妙に緩やかな模様パターンを示すDNIRA画像がある。対応するFAF画像は、これらの2人の患者が早期乾性AMDを有していることを確認するが、このモダリティとの相対的に少しの差しか示さない。DNIRA画像及びFAF画像は、同じ時点で得られた。
したがって、早期AMDで観察されたDNIRAパターンは、他の方法よりも早期にAMDの個人化された診断を行うのを支援し、一意且つ標的とされた療法を可能にする。
実施例7:AMDの既知の診断を有する患者間で疾患サブタイプを識別し、疾病病因との相関関係をもつためのDNIRA特徴(予測バイオマーカー)
図21Aから図21Eは、この実施例のグラフィック表現である。
例えばAMD等の失明性疾患が複雑であり、著しい環境付加分にさらされる多重遺伝子の遺伝的形質(30以上の遺伝子及び200の単一ヌクレオチド多型)から生じ、治療の成功を困難にすることが知られている。疾患及び疾患特徴の新規のグループ分けは、複雑な継承される影響及びエピジェネティックな影響との相関関係を有する。
DNIRA及び関係する方法は、疾患の前には見られなかった特徴及び複雑な新しい表現型を同定できる。例えば、「隙間のない模様」、「緩い模様」、「灰色の染み」、「オイルステイン」、「弾痕」等と標識化されるいくつかの複雑な2次元パターンが同定されている。したがって、DNIRAは、新しい表現型、及びそれによってその後の新規の遺伝子型-表現型の相関関係を定義するために使用できる。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、前の例に説明されるように実行された。
図21Aから図21Eは、DNIRAが、図21A,「緩い模様」パターン、図21B「ヒョウ柄」、図21C「灰色の染み」、図21D「フィンガリングポテト」、及び図21F「非常に大きい明るい点」と名付けられた現在同定されている表現型によって例示される、新規の画像ベースの表現型を一意に同定する例を示す。
これらの種類の複雑な表現型は、以前は未知であり、任意の他の画像診断法を使用し、同定されたことはなく、それらを取り込むDNIRAの唯一無二の能力を示している。
実施例8:類似する臨床的所見の疾病を区別して、診断精度を支援するためのDNIRA特徴(診断バイオマーカー)
図27A及び図27Bは、この実施例のグラフィック表現である。
AMDの個人履歴がない、他の障害と関連して観察された複雑なDNIRAパターンは、早期診断バイオマーカーを提供してよい。例えば、早期の卵黄様疾病、特に成人発症型(AVD)は、多くの場合AMDに間違えられる中心窩病変により特徴付けられる。いくつかの場合、診断は(後期新生血管「湿潤性」AMDのために処方される)抗VEGF剤に対する無反応に続いて行われる。しかしながら、潜在的な診断バイオマーカーとして、DNIRAは、AVDを有する患者の中では観察されない低/超蛍光の複雑な2次元パターンを同定する。AMDと混同される場合がある別の非AMD疾患は、中心性漿液性網膜症(CSR)である。
ここで説明される場合では、被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、前の例に説明されるように実行された。
図27Aでは、上部パネルは、視力の愁訴、及び中心窩(カラー画像は不図示)の小さい黄味がかった物質の存在のため、AMDの仮の診断を有する患者の右眼の画像を示す。IR及びFAFは平凡である。一方DNIRAはかすかな可変外観を示す。下部パネルは、この患者の左眼の画像を示し、中心病変を横切る「体液ライン」の明らかな出現で、AVDの診断を確認する。中央下のパネルは、中心病変の領域での低蛍光を有するDNIRA画像を示し、(他の眼で注記されるように)ほとんど背景コントラストはない。これは、模様パターンが明らかである早期AMD(左下)を有する患者から得られるDNIRA画像とは際立って対照的である。
図27Bで、左眼にCSRを有する非AMD患者は、AMDの家族歴も個人歴もなく、どちらの眼にもドルーゼンがないにも関わらず、両眼に複雑な「緩やかな模様」パターンを示した。研究の間に、ドルーゼンは、非CSR眼で検出された(患っている眼で評価できない)。
Bの上部パネルは、赤外線及びFAFを使用し、右眼が正常であることを示すが、DNIRAは、「緩い模様」パターンを示す。中央パネルは、CSRの特徴及び模様の両方を有する左眼を示す。下部パネルは、色も正常な眼の検査を確認することを示すが、OCTは、本特許が研究を完了した(最初の検査から約2年後)のフォローアップ評価でドルーゼンの発現を確認した。2015年に撮影された最初のOCT画像は、AMDの個人又は家族歴のない患者におけるドルーゼンの非存在を明示する。一方、2017年の同じ患者の下方の画像は、クラシックドルーゼンの発現を明示し、AMDの診断を確認している。この診断は、「模様」パターンの存在により2015年に推量されていた。
これは、DNIRAが、AMD以外の眼の状態を有する患者では不在である、又は例えば成人卵黄様疾患、Biettiクリスタリン角膜網膜状ジストロフィー、パターンジストロフィー、その他であるが、これに限定されるものではない、頻繁にAMDとして誤診されるいくつかの複雑な画像ベースのパターンを明らかにしていることを例示する。
したがって、DNIRAは、臨床上AMDを模倣する障害を有する患者を同定するために使用でき、早期の眼の疾患を検出し、早期の療法、ライフタイル、又は環境介入を可能にするために診断バイオマーカーとして使用されてよい。
実施例9:DNIRA特徴は、遺伝性の単一遺伝子障害及びいまだ診断され得ない(NYD)疾患を同定する
図28A及び図28Bは、この実施例のグラフィック表現である。
複雑なDNIRAパターンは、例えばスタルガルト病、網膜色素変性症、レーバー先天黒内障(LCA)、又はバルデ―ビードル症候群(BBS)等の遺伝性の単一遺伝子病のための早期診断バイオマーカーを提供してよい。
この実施例では、遺伝性の単一遺伝子病(スタルガルト病)を有する患者が、疾患を検出し、これらの種類の疾患で早期から後期への疾患の進行の潜在的なリスクのある部位を検出するDNIRAの能力を示す。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、前の例に説明されるように実行された。
図28A(左パネル)では、左画像及び中央画像が、スタルガルト病を有する患者の左眼底のIR画像及びFAF画像を示し、特徴的な「魚形の」形状を有する明るい超蛍光病変が観察できる。右画像は、セグメント化可能で、色素の摂取又は蓄積が不十分な領域、及び/又は潜在的に削減された脈絡網流量を表すと推量される広範囲の低蛍光の部位が観察できることを示す。これらは、近赤外線自発蛍光(NIR-AF)、つまりNIR光を活用するが、NIR色素の早期送達はない(したがって、例えばメラニン等の色素からの自発蛍光を検出する)スタルガルト病の評価で使用される方法とは異なる。
拡大された黄色のボックス(一番右の画像)は、DNIRAを示し、低蛍光DNIRAの領域と関連して小さい超蛍光の明るいドットを同定する。これらのドットは、最終的にこの疾患で斑状皮膚萎縮症(MA)につながる活発に食作用を示すマクロファージを表してよい。画像全体で、それらは特に低蛍光性DNIRAシグナルの部位との関連で発見され、潜在的にマクロファージ活性を疾患の進行の帰し、このようにしてDNIRAを(例えば、マクロファージの調節又は阻害等の)潜在的な治療戦略と結び付ける。
図26Bで、DNIRA画像は、AMDとの遺伝的感受性のいくつかの態様を共有するが、まだ診断されていない(NYD)推定の遺伝性の眼の疾患を示す。
したがって、DNIRAは、AMD以外の障害を有する患者を診断するために使用することができ、早期の眼の疾患を検出し、早期の療法、ライフタイル、又は環境介入を可能にするために診断バイオマーカーとして使用されてよい。
実施例10:疾患の進行又は治療の効果を経時的に監視するためのDNIRA特徴(モニタリングバイオマーカー)
図29は、この実施例のグラフィック表現である。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、前の例に説明されるように実行された。
DNIRAを用いて同定された低蛍光性特徴は、経時的に拡大するために観察できる。これは、エンフェイスOCTを使用し、より最近に実行された、地図状萎縮(GA)の拡大率を数値化するために、眼底自発発光(FAF)を使用し、行われる観察に類似する。
現在、乾性AMDの潜在的な治療のための臨床試験設計を動かすために他の有用なマーカー非存在下で、GAの拡大率は、受入れ可能な段階III臨床試験エンドポイントである。これの例は、FAFがどのようにして、経時的にフォローされると、GAの拡大を明示する低蛍光シグナルの部位を同定するのかを示す上部パネルに示される。下部パネルは、DNIRAが、経時的に変化し、より多くの疾患を同定する、著しくより低蛍光性のシグナルを同定することを示す。
かすかな紫色の線は、上部パネルで異常な低蛍光FAFの周縁をトレースするために使用され、かすかな緑色の線は、下部DNIRAパネルで同じことを行うために使用されてきた。これらの抽出画像要素は、眼底画像の下方の下部の2つのパネルに示される。
したがって、DNIRAは、疾患の進行をモニタするために使用でき、多くの場合、例えばFAF等の現在の方法よりも多くの情報を提供する。
実施例11:疾患の進行をモニタし、モダリティの中及びモダリティにわたって経時的に他のイメージングバイオマーカーと比較するためのDNIRA特徴(モニタリングバイオマーカー及び予後バイオマーカー)
図30は、この実施例のグラフィック表示である。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、前の例に説明されるように実行された。
図に示されるのは、DNIRAが、モニタリングバイオマーカー及び予後バイオマーカーとしての機能を果たす場合がある特徴を同定するために、時点全体で他の画像診断法に比較された今日まで観察された事例である。
FAF及びDNIRA特徴は、それぞれ紫色及び緑色の線を使用し、トレースされ、異常な低蛍光性FAF又はDNIRAシグナルの周縁をトレースするために使用されてきた。これらの抽出された画像要素は、眼底画像と並行して示される。
この患者は、左眼に中心性漿液性網膜症を有し、最初の訪問時に、どちらの眼にもドルーゼンを有していない。しかしながら、著しい複雑な2次元「模様」パターンが両方の眼で観察された。研究の間に、ドルーゼンは、非CSR眼で検出された(患っている眼では評価できない)。一番左のパネルは、この患者におけるベースライン(DNIRA S1)で観察された低蛍光性DNIRAの広範囲な部位を示す。
右の2つの上部パネル画像は、ベースライン及び8カ月フォローアップFAF画像を示す。
下部パネルは、経時的に撮影された登録され、セグメント化されたDNIRA(緑色の外形)及びFAF(紫色の外形)画像を示し、低DNIRAシグナルの領域へのGAの進行を示す。
時点全体で比較すると、DNIRAセッション1(S1)は、FAFセッション3(S3)でしか明らかではない特徴を検出するために観察され、DNIRAが、疾患の進行をモニタするために使用できることを示す。
DNIRAを使用するGAの低蛍光性部位への拡大は、今日まですべての患者で観察されている。対照的に、低蛍光性DNIRAのすべての領域が、(少なくともこの研究の間に)GAの領域になるわけではない。
したがって、GAは、先在する低蛍光性DNIRAの領域の中だけに拡張する。このようにして、低蛍光性DNIRAシグナルのいくつかの領域は、GA拡大の部位を予測するために使用できる。
実施例12:後期疾患に進行する可能性がある患者を同定するためのバイオマーカーとしてのDNIRA特徴(予後バイオマーカー)
図31は、この実施例のグラフィック表現である。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、前の例に説明されるように実行された。
図に示されるのは、DNIRAを使用し、観察された特定の特徴及び複雑なパターンが、疾患の進行を予測し得る予後バイオマーカーとしての機能を果たすことができる特徴を同定するために、DNIRAが時点全体で他の画像診断法に比較された場合である。
いくつかの場合、これらの特徴は、以前には説明されていない場合があり、一方別の場合では、該特徴は、例えば大きなRPE剥離の存在等の疾患の進行の以前に既知の危険因子との相関関係を有する場合がある。
例示されているのは、早期乾性AMDを有する患者である。左パネルは、異常な広範囲の低蛍光の部位の非存在により示されるGAがないFAFを使用した早期AMDを示す。右パネルは、DNIRAと同じ時点で撮像された同じ部位を示す。ここで、DNIRAは、広範囲の低蛍光の数値化可能な部位と複雑な3次元パターンの両方を含んだ、疾患の複数の特徴を同定する。
中央パネルは、(4カ月間隔で)3つの時点で実行されたヒートマップ分析が、対応するFAF画像(赤色)がセッション1(S1、左)でDNIRA画像(緑色)に対して比較されると、より小さいが、DNIRAを使用し、傷つきやすいと同定された部位を漸次的に「塗りつぶす」ことを示す第2の事例を示す。8か月までに、FAFを使用し、同定されたGAの部位は、DNIRAにより最初に予測された部位を越えて拡大する。
一番下のパネルは、(8か月後に)同時のFAF及びDNIRAイメージングが、DNIRA部位もまた経時的に拡大したこと、及びFAFを使用し、同定されたGAの部位がその境界内に含まれる(マージされたシグナルに劣ったFAFシグナルの明白な拡大は、GAの領域の「ファジーな」境界がFAFを使用し、得られたことを反映する)ことを確認する。
したがって、DNIRAシグナルは、GA拡大の部位を予測するために使用できる。
実施例13:既知の疾患の態様を数値化して進行を予測するためのバイオマーカーとしてのDNIRA特徴(予後バイオマーカー)
図32は、この実施例のグラフィック表現である。
DNIRAは、疾患との相関関係をもつと予測されるが、現在は数値化できず、したがって明示されていない疾患の特徴の時空的変化を容易に同定し、数値化し、経時的にフォローすることができる。例えば、ドルーゼンは、患者が失明性後期AMD(湿潤性と乾性の両方)に進行する10年リスクを予測する重要な予後因子として同定された。大きく軟性の及び軟性で融合性のドルーゼンの臨床有用性は、研究を十分に促進するために必要な大きい試料サイズのため、予防研究でのその応用を妨げる。大ドルーゼン及び中ドルーゼンは、疾病リスク及び進行のリスクを与えるが、その経時的な動的変化は最近記述されたに過ぎない。容易に数値化できないので、現在、その変化の基準を提供することは可能ではない。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、前の例に説明されるように実行された。
図は、上部パネルに眼底カラー写真撮影(CFP)で観察された、黄味がかった円形/楕円形の沈着物として同定された大きい軟性且つ融合性軟性ドルーゼンを示す。下部パネルは、DNIRAを使用する画像の同じ部位を相互に関連付け、ドルーゼンが局所化している黒色の画定された領域を明確に示す。
したがって、DNIRAは、例えば大きい軟性及び融合性のドルーゼン等の疾患の既知の高リスク予後特徴を容易に同定し、数値化できる。
それをもって、我々は、単一時点又は複数時点での総ドルーゼン負担を計算できる、又は特定のドルーゼンサブタイプの変化を計算できる動的ドルーゼンインデックス(DDI)を説明する。ドルーゼンの現在の分類及びドルーゼンを同定するための新規DNIRA画像の実用性に頼り、(すべてのドルーゼンタイプのための)総DDI、融合性動的大ドルーゼンインデックス(LC-DDI)、動的大ドルーゼンインデックス(L-DDI)、動的中ドルーゼンインデックス(M-DDI)、及び動的小ドルーゼンインデックス(S-DDI)を提案する。DDIは、特定の臨床試験でどの患者に優先的に協力を求めるのかを指示し、それによって予測バイオマーカーを供給できる。
実施例14:疾病病因との相関関係をもつためにDNIRAを使用すること(予測バイオマーカー)
図33は、この実施例のグラフィック表現である。
ドルーゼンは、患者が失明性後期AMD(湿潤性と乾性の両方)に進行する10年リスクを予測する重要な予後因子として同定された。大きい軟性の及び軟性で融合性のドルーゼンの臨床有用性は、研究を十分に促進するために必要な大きい試料サイズのため、予防研究でのその応用を妨げる。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、上述の例に説明されるように実行された。
患者のDNIRAを、眼内のマクロファージを示す有効なモデルに相互に関連付けるために、網膜萎縮症が、酸化剤の全身注射を使用し、ラビットで誘発され、DNIRA法を使用し、撮像された。DNIRA画像は、市販されている共焦点レーザー走査型検眼鏡(cSLO)(例えば、Heidelberg Retinal Angiography、HRA-2、Heidelberg Engineering、ドイツ)を使用し、取得された。画像は、無赤色、FAF(488/500nm励起/発光)、IR反射率チャネル(830nm)、及びICG蛍光チャネル(795/810nm励起/発光)で、cSLOを使用し、全身注射前に得られる。ICG色素(カーディオグリーン、シグマ)は、実験前に滅菌水中の5.0mg/mlの最終ストック濃度に新たに調製される。細かいゲージのカテーテルが静注により周縁耳静脈の中に挿入され、ICG色素が注入される。毒素の注射後5~14日及び色素注射後2~3日以内に、DNIRA画像が、ICG励起/発光フィルタ又は所定のレーザーシステム(795/810nm)を用いて得られるが、追加の色素の注射なない。中心で及び周辺でを含んだ各眼の複数の画像が取得される。
左の画像は、低蛍光の部位をちょうど越えて位置する推定マクロファージと一致する超蛍光ドットの輪を明示する、患者のDNIRA画像を示す。
中央画像は、急性酸化的ストレス後のラビットの眼のDNIRA画像が、低蛍光部位の回りに明るく超蛍光性のドットの類似した列を明示するのを示す。
撮像後、ラビットの眼は、例えばIba-1等のマクロファージ用のマーカーを使用する免疫蛍光組織分析のために除去される。
右パネルは、網膜外側損傷及びRPE喪失の部位を取り囲むIba-1+マクロファージ(赤色)の存在がある、免疫蛍光標識付きのラビット網膜組織を示す(青色核染色法)。
さらに、下部パネルは、(輪及び外核層の回旋により示される)網膜外側損傷の小さい新規に形成された領域(青色核染色法)、及び地図状萎縮に類似する(緑色のRPEマーカーRPE65のまばらな染料によって示される)RPE喪失を取り囲むIba-1+マクロファージの分布を確認する。
このようにして、DNIRAは、例えばAMD又は眼腫瘍等の疾患を有する患者の眼内で推定マクロファージを同定し、バイオマーカーを使用しない類似した個人よりも、例えばマクロファージ調節療法等の医薬品又は環境要因への曝露から好ましい又は好ましくない影響を経験する可能性がより高い個人を同定できる。
実施例15:眼メラノーマにおける疾病重症度の予測因子としてDNIRA(TAMI)を使用する腫瘍随伴マクロファージ(TAM)の分析
図18及び図19Aから図19Jは、この実施形態のグラフィック表現である。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、上述の例に説明されるように実行された。
超蛍光TAMIシグナルを含んだ関心領域(ROI)の部位の同定のためのマルチモーダル及びクロスモーダルの解析。不連続の、ドットの、又は斑点状の超蛍光TAMIシグナルの時間的解析のための論理プロセス。ドット又は斑点状のTAMIシグナルの集合又は蓄積の時間的解析のための論理プロセス。超蛍光ドット又は斑点のモダリティ間解析のための論理プロセス。
図18は、ブドウ膜メラノーマの例のDNIRA対カラー写真及び臨床仕分けの比較を示す。左の2つの画像はブドウ膜母斑を示し、中央右の画像は確定できない病変を示し、右の画像はメラノーマ画像を示す。上部パネルでは、DNIRA画像は、腫瘍領域又は関連体液の領域内での明るい超蛍光ドットの非存在又は存在を示す。これらの画像は、図19Aから図19Gに説明される解析を実行するために使用された。
図19Aから図19Gは、TAMIイメージングの現在利用可能な臨床画像診断法との相関関係のために、TAMI合成画像を示す。TAMi合成画像の集合は、新規のイメージング方法の現在の臨床モダリティとの相関を可能にする。眼底自発蛍光(FAF、図19B)及びTAMi合成画像(図19C)は、カラー写真(図19A)上のオーバレイとして集められた。マルチモーダル解析は、腫瘍部位(i)、現在の又は以前の体液の領域(ii)、及び周辺(追加の損傷性)部位(iii)を含んだ関心領域の同定を可能にした。図19Dは、腫瘍部位の同定を可能にするマルチモーダル解析を示す。図19Eは、流体領域の同定を可能にするマルチモーダル解析を示す。図19Fは、腫瘍部位(i)、現在の又は以前の体液の領域(ii)、及び周辺(追加の損傷性)特徴の領域(iii)を含んだ同定された関心領域を示す。図19Gは、合成画像からの関心領域の同定を示す。mm2での部位面積は、ImageJ測定を使用し、決定され、超蛍光ドット密度計算(図19H)で使用された。これらは、臨床医のグラウンドトゥルースによって決定されるように、メラノーマ、確定できない病変、又は良性の母斑を有する患者全体で比較された。
オレンジ色素の存在、カラー眼底写真上の病変領域、病変厚さ、病変隆起、視神経頭への近接、網膜下液の存在、ホットスポットの存在、及び色素沈着の程度を含んだ被検者リスク特徴に対する比較。リスク特徴は、良性母斑、眼メラノーマを有する被検者、及び対照被検者で解析され、TAMI/DNIRAイメージングで観察された超蛍光ドットカウントに比較された。平均部位ドット密度は、ドット/mm2±SEMとして示される。
(図19I)一元配置分散分析及び事後の複数の比較は、周辺部以内ではないが、病変及び流体領域を考慮するとき、悪性黒色腫における著しく高いドット密度を示す。(図19J)リスクグループの中の各部位のドット密度の複数の比較は、メラノーマが、周辺領域と比較されるとき、病変及び流体領域で著しく高いドット密度を有していたことが分かる。これは、他のリスクグループでは観察されなかった。
超蛍光ドットの存在は、眼メラノーマの存在に相関関係にあったが、良性母斑、つまり対照被検者には相関関係になく、超蛍光ドットの存在が眼腫瘍の重症度を予測できることを示唆している。
実施例16:複数の種類の超蛍光ドットシグナルを検出するためのDNIRA(予測バイオマーカー)
図34Aから図34Dは、この実施例のグラフィック表現である。
DNIRAは、眼内マクロファージの存在が拡大する患者を同定し、予測バイオマーカーとしての機能を果たし、イメージングバイオマーカーと疾病病因との間の一意のリンクを提供する可能性を有する。ヒト被験者からの確認の眼バイオプシーは多くの場合可能ではないので、これらの特徴の解析は、以前は前臨床研究に相互に関連付けられていた。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、上述の例に説明されるように実行された。
ちょうど2人の患者からの、ここで例示された繰り返し分析は、相関前臨床研究でマクロファージであると明示された超蛍光ドットのサイズ分布を示す。
図34Aでは、左パネルは、DNIRAを使用し、数人の患者で見ることができる小さい超蛍光ドットを示す。これらは、高い真円度の程度を有し、ほぼ同じサイズである。中央パネルは、暗い中心を有する別の種類の明るいドットを示す。右パネルは、いくつかの形の疾患で観察される非常に大きい明るいドットを示す。
図34Bでは、クラスカルウォリス解析が、ドットのサイズ及び均一性がその細胞アイデンティティと一致していることを示す。ドットサイズの分布は、-定性的(ヒストグラフ)と定量的(クラスカルウォリスp値0.7577は、有意差を示さない)の両方で-かなり類似している。22.5μMの平均直径で、pt05の平均サイズは399μm2であり、24.8μMの平均直径で、pt010の平均サイズは483μm2である。生体内のマクロファージは、その活性ステータス及び他の影響に応じて、直径15~40μmに及ぶと予測され、これらのドットはマクロファージサイズと一致している。
図34Cでは、ドット真円度の分布は、-定性的(ヒストグラフ)と定量的(クラスカルウォリスp値0.1055は、有意差を示さない)の両方で-患者全体で類似している。pt005の平均真円度は0.926である。pt010の平均真円度は0.888である。これらの値は、ラビットの眼の前臨床研究からの測定値と一致している。
最後に、図34Dでは、[例えば、ビンダリット及びその誘導体、メトトレキサート、及び他であるが、これに限定されるものではない]マクロファージモジュレータを使用する前臨床調査で、マクロファージの数、サイズ及び場所は、未治療の対照に比較して、治療された動物の中で修正され、臨床実験のための患者を同定するためだけではなく、薬物反応をモニタするためのDNIRAの実用性を示唆することを我々は明示する。したがって、DNIRAは、ラビットの眼の中の前臨床試験でのマクロファージ調節療法に続いて著しくシグナルが削減されたことを明示する有用な薬力マーカーである。超蛍光シグナルの類似する減少は、マクロファージ薬剤及び免疫調節薬剤を受けている患者でも観察され得ることが予想される。
実施例17:静的及び動的超蛍光ドットシグナルを検出するためのDNIRA(予測バイオマーカー)
図35は、この実施例のグラフィック表現である。
DNIRA画像は、本来一過性又は過渡性である超蛍光(明るい)ドットを示す。これらのドットが移動したのか、消えて、再び現れたのか、それとも新しいドットが到着したのかは、既知ではない。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、上述の例に説明されるように実行された。
左の上部パネルは、DNIRAをFAFに比較する対の画像を示す。DNIRAは、これらの領域との関連で見つけられた明るい超蛍光ドットが加えられた、超蛍光シグナルの追加領域を示す。右の対の画像では、少なくとも3か月後に得られた同じ集合が、微妙な変化を示す。
中央パネルは、少なくとも3カ月離して撮影された、スタルガルト病を有する患者の2つのDNIRA眼底画像を示す。これらの画像の拡大は、両方の時点(青色の矢印)で存在する明るいドットを示す。他の部位で、明るいドットが、第1の訪問(黄色い矢印)で気付かれなかった第2の訪問で現れた。右画像内の青色の外形矢印は、以前そこにあったドットが移動した、消えた、又は潜在的により食作用を示さなくなり、したがってもはや色素を吸収しない部位を示す。
実施例18:DNIRAは、中心性漿液性網膜症で組織損傷の部位及びマクロファージ活性を検出する(予測バイオマーカー、予後バイオマーカー)
図36は、この実施例のグラフィック表現である。
中心性漿液性網膜症(CSR)は、脈絡膜から網膜下腔及び網膜内腔への体液の移動によって特徴付けられる疾患である。時間とともに、分解されにくい体液は不可逆性の網脈絡膜萎縮症(MA)と関連付けられる。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、上述の例に説明されるように実行された。
上部パネルのCSRを有する患者の画像は、それぞれ左から右へIR画像、FAF画像、及びDNIRA画像を示す。FAFは、以前の(及び潜在的に現在の)体液の領域内での超蛍光を示す。DNIRAは、同様に、体液と関連付けられた部位、及び黒色(低蛍光)に見える、色素を摂取する機能的能力が減少した部位も同定する。これらの部位は、将来の組織喪失に対する(FAFの標準的な方法を使用し、GAの領域としてまだ明らかではない)脆弱性を示唆する。
下部パネルでは、全身色素注射の前にICGチャネルで撮影された左の画像にはシグナルがない。中央画像及び右画像は、超蛍光ドットが、CSR関連体液及び組織損傷の領域の中で時空的に見つけられることを示す。
これらのデータは、マクロファージが組織損傷に寄与しており、マクロファージと組織損傷の両方とも、DNIRAを使用し、検出でき、早期検出及び予後診断を可能にすることを示唆する。
実施例19:DNIRAは、拡散トリックAMDで明るい超蛍光ドットの2つの集団を検出する(診断バイオマーカー、予後バイオマーカー)
図37は、この実施例のグラフィック表現である。
後期乾性AMDの拡散トリックリングの形は、通常、一意のFAFパターンによって定義される。ここでは、我々はAMDの拡散トリックリングサブタイプの新規バイオマーカーを同定する。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、上述の例に説明されるように実行された。
上部パネルでは、左画像及び中央画像は、それぞれIR及びFAFを示し、広範囲のGAを同定している。右画像はFAFとほぼ同じ領域である低蛍光の部位を有するDNIRAを示すが、境界の拡大された超蛍光ドットも示す。
下部パネルは、左のICG色素の全身送達の前のNIRイメージングを示し、これは検出可能なシグナルは示していない。中央画像は、上記と同じDNIRA画像及び特定の領域の拡大を示す。右で、DNIRAは、境界の、及び周囲のいわゆる「接合部ゾーン」の超蛍光(明るい)ドットの2つの集団を明示する。いくつかは、(例えば、腫瘍との関連で見られるように)推定マクロファージとして典型的なサイズである。一方、他は、はるかに大きく、潜在的にRPE細胞又は他の細胞の中の色素の蓄積を指す。
実施例20:網状偽ドルーゼンを検出するためのDNIRA
図38は、本実施例のグラフィック表現である。
網状偽ドルーゼン(RPD)は、乾性AMDの特に侵攻性のサブタイプ、及び疾患の進行のより速い速度と関連付けられる。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、上述の例に説明されるように実行された。
眼底の周辺部のDNIRA画像、及びその後の論理プロセスは、不連続の、ドットの、又は斑点状の超蛍光シグナルの存在を示すために使用される。このシグナルは、(矢印で示される)ドット又は斑点状のDNIRAシグナルの集合又は蓄積の時間的解析のために、及び超蛍光ドット又は斑点のモダリティ間解析のために使用できる。
このシグナルは、その後、網状偽ドルーゼン(RPD)負荷、つまり疾患の負担と関連付けるために使用され、疾患の進行の潜在的によりよい予測バイオマーカーを可能にする。
実施例21:炎症性眼疾患を検出するためのDNIRA
図39は、この実施形態のグラフィック表現である。
DNIRAは、炎症性眼疾患の解析に適用できる。推定される急性多発性後部小板状上皮症(AMPPE)のこの実施例では、DNIRAは、RPE/網膜外層の異常な色素摂取を明示する。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、上述の例に説明されるように実行された。
左パネルでは、IRイメージングは、超反射部位及び低反射部位を含んだ可変反射性、並びに点状のシグナルを示す。中央パネルでは、FAFは、潜在的な疾患活動性の領域と相関関係をもつと推定される超蛍光の部位とともに、同様に超蛍光領域及び低蛍光領域を明示する。右パネルでは、DNIRAイメージングは、色素を蓄積できない、又は潜在的にそのシグナルを遮る罹患組織の領域とおそらく相関関係を有する、広範囲の低蛍光の複数の部位を示す。さらに、ボックス内に示されるように、低蛍光の小さい領域が形成され(楕円形の領域)、DNIRA画像だけに存在し、他のチャネルではほとんど変化はない。この部位の中に、2つの大きい超蛍光ドットがある。前臨床研究に基づいて、これらのドットは食作用性マクロファージと相関関係をもち、例えば眼メラノーマ等の他の状態で見られるドットと一貫したサイズ及び形状である。
したがって、DNIRAは、炎症性眼疾患においてFAFイメージング又はIRイメージングのどちらかよりより大きい損傷の領域の輪郭を描き、診断バイオマーカー又は予後バイオマーカーとして使用できる。
実施例22:高リスクAMD特徴のマーカーとしてのDNIRA(予測バイオマーカー、予後バイオマーカー)
図40は、この実施例のグラフィック表現である。
DNIRAは、最初に、例えばAMD等の疾患の画像ベースの特徴を数値化し、よりよく特徴付けるために使用できる。そのうちのいくつかが、早期疾患から後期疾患(萎縮症の又は血管造影法のどちらか)への高い進行のリスクを与えるとすでに知られている。これらの特徴のいくつかは、例えば基底膜沈着物、基底線形沈着物、又は網膜下腔又はRPE下腔内に付着する細胞外の、免疫性の、及び明確に定義されていない物質の付着等の組織学的特徴との相関関係を有してよい。さらに、例えば超反射物質(網膜下腔内では、それは網膜下超反射物質SRHMとして知られる)等の一部の沈着物は、高リスクと関連付けられる。しかしながら、多くの他の物質は、OCTを使用し、観察され、超反射性ではなく、したがってエンフェイスで見られず、明らかに定義されていない。したがって、これらの特徴を経時的に数値化する又は比較することは可能ではない。
被験者の同意を得て、すべての臨床診断法が、上述の例に説明されるように実行された。
上部列では、左画像は、IRスペクトルで蛍光を発することが知られている、例えばメラミン等の色素の蓄積と相関関係をもつと考えられる超反射物質とともに、可変シグナルが観察できる赤外画像を示す。右上画像は、FAFが、この患者が明らかなGAはないが、超反射物質も存在する早期AMDを有することを確認することを示す。
中央列は、シグナルが見えない、色素注射前の試料DNIRA画像を示す。右画像は、上部パネルのFAF画像及びIR画像と同じセッションで得られたDNIRAを示し、広範囲の低蛍光の部位を示す。さらに、小さい点状の超蛍光及び低蛍光も観察され、前者は、全身に送達される色素を摂取できる色素標識化マクロファージ又は他の食細胞と相関関係を有してよい。
下段は、浅いドルーゼン、網膜下物質、及び広範囲に低蛍光性のDNIRAシグナルと関連付けられた浅いRPE下割れ目が観察されるOCT画像を示す。
したがって、DNIRAは、早期疾患と関連付けられた組織要素、及び疾患の進行の高リスクと関連付けられた組織要素と相関関係をもってよい、早期AMDの特徴を強調表示する能力を有し、予測バイオマーカー又は予後バイオマーカーとしての機能を果たす。
同等物
本開示は、その例示的な実施形態との関連で説明されてきたが、それが追加の修正を可能とし、本願が、一般的に本発明の原理に従う本発明のあらゆる変形形態、用途、又は適応をカバーし、本発明が関係する技術の範囲内の既知の又は慣習的な実践に含まれるとして、及びこれまでに説明され、添付特許請求の範囲の範囲内に続く基本的な特徴に適用され得るとして、本開示からの係る逸脱を含むことが意図されることが理解される。
当業者は、単なる日常的な実験を使用し、本明細書に明確に説明される特定の実施形態に対する多数の同等物を認識する、又は確かめることができる。係る同等物は、以下の特許請求の範囲の範囲に包含されることが意図される。
参照による援用
本明細書で参照されるすべての特許及び出版物は、その全体が参照により本願に援用される。
本明細書に説明される出版物は、本願の出願日前にその開示のためだけに提供される。本明細書のなにも、本発明が、以前の発明のおかげで係る出版物に先行する権限がないことの承認として解釈されるべきではない。
本明細書に使用されるように、すべての見出しは単に編成のためだけであり、いかなるようにも本開示を限定することを目的としていない。任意の個々の項の内容は、全項に等しく適用可能であってよい。