JP7306659B1 - 監視システム、監視方法、監視プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】継続的に作動する装置の状態を外乱の影響を受けることなく適切に評価することができる監視システム、監視方法、監視プログラムを提供する。【解決手段】監視システム1は、装置に取り付けられ、振動と音との少なくとも一方を継続して検出する検出部21と、検出部21により得られる信号を設定時間幅毎に分割する信号分割部22と、信号分割部22により分割された分割信号をスペクトル強度で規格化して規格化分割信号に変換する信号変換部23と、複数の規格化分割信号の間におけるスペクトル強度の変動が設定範囲内である周波数帯を少なくとも1つ選択する周波数帯選択部24と、周波数帯選択部24が選択した周波数帯において規格化分割信号を評価する評価部25とを備える。【選択図】図3

Description

本開示は、継続的に作動する装置の状態を監視する監視システム、監視方法、監視プログラムに関するものである。
ベルトコンベア等のような継続的に作動する装置の状態を監視して異常発生の兆候を発見することは、工場等の稼働を維持するために重要である。従来、このような装置の状態の監視は、専ら、検査者の五感主体で行われ、その正確性を確保するには、高度な熟練を要するものであった。
異常の発生を音で判定するシステムが、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。
また、回転ローラの軸受を支持するフレームの共振周波数における振動数の振動レベルで評価する技術が、特許文献3に開示されている。
特開2018-24499号公報 特開2020-183307号公報 特開平3-44520号公報
しかし、ベルトコンベア等のような継続的に作動する装置では、稼働時に様々な個所から音や振動が発生していることから、得られる信号のS(シグナル)/N(ノイズ)比が低く、異常の検出を正確に行うことが難しかった。また、装置自体が発生する音や振動の他、装置の近くを車両が通過するといった外乱の影響によって、音や振動が突発的に発生する場合に、これを異常発生と誤判定してしまうおそれもあった。
本開示の課題は、継続的に作動する装置の状態を外乱の影響を受けることなく適切に評価することができる監視システム、監視方法、監視プログラムを提供することである。
本開示は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本開示の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の開示は、継続的に作動する装置(10)の状態を監視する監視システム(1)であって、前記装置(10)に取り付けられ、振動と音との少なくとも一方を継続して検出する検出部(21)と、前記検出部(21)により得られる信号を設定時間幅毎に分割する信号分割部(22)と、前記信号分割部(22)により分割された分割信号をスペクトル強度で規格化して規格化分割信号に変換する信号変換部(23)と、複数の前記規格化分割信号の間におけるスペクトル強度の変動が設定範囲内である周波数帯を少なくとも1つ選択する周波数帯選択部(24)と、前記周波数帯選択部(24)が選択した周波数帯において前記規格化分割信号を評価する評価部(25)と、を備える監視システム(1)である。
第2の開示は、第1の開示に記載の監視システム(1)において、前記周波数帯選択部(24)は、複数の前記規格化分割信号の間で差分を取得し、前記差分に基づいて周波数帯を選択する、監視システム(1)である。
第3の開示は、第2の開示に記載の監視システム(1)において、前記周波数帯選択部(24)は、新たに取得される前記規格化分割信号についても先に取得された前記規格化分割信号との間で差分を取得し、前記差分に基づいて選択する周波数帯を更新する、監視システム(1)である。
第4の開示は、第1の開示から第3の開示までのいずれかに記載の監視システム(1)において、前記評価部(25)は、正常状態における前記規格化分割信号と新たに取得された前記規格化分割信号とを比較することにより異常であるか否かの判断を行う、監視システム(1)である。
第5の開示は、第1の開示から第4の開示までのいずれかに記載の監視システム(1)において、前記評価部(25)は、クラスタ解析を行う、監視システム(1)である。
第6の開示は、継続的に作動する装置(10)の監視方法であって、前記装置(10)に取り付けられた検出部(21)が、振動と音との少なくとも一方を継続して検出するステップと、信号分割部(22)が、前記検出部(21)により得られる信号を設定時間幅毎に分割するステップと、信号変換部(23)が、前記信号分割部(22)により分割された分割信号をスペクトル強度で規格化して規格化分割信号に変換するステップと、周波数帯選択部(24)が、複数の前記規格化分割信号の間におけるスペクトル強度の変動が設定範囲内である周波数帯を少なくとも1つ選択するステップと、評価部(25)が、前記周波数帯選択部(24)が選択した周波数帯において前記規格化分割信号を評価するステップと、を備える監視方法である。
第7の開示は、継続的に作動する装置(10)の監視プログラムであって、コンピュータ(20)に、前記装置(10)に取り付けられた検出部(21)が、振動と音との少なくとも一方を継続して検出するステップと、信号分割部(22)が、前記検出部(21)により得られる信号を設定時間幅毎に分割するステップと、信号変換部(23)が、前記信号分割部(22)により分割された分割信号をスペクトル強度で規格化して規格化分割信号に変換するステップと、周波数帯選択部(24)が、複数の前記規格化分割信号の間におけるスペクトル強度の変動が設定範囲内である周波数帯を少なくとも1つ選択するステップと、評価部(25)が、前記周波数帯選択部(24)が選択した周波数帯において前記規格化分割信号を評価するステップと、を実行させるための監視プログラムである。
本開示によれば、継続的に作動する装置の状態を外乱の影響を受けることなく適切に評価することができる監視システム、監視方法、監視プログラムを提供することができる。
本開示による監視システム1及びベルトコンベア装置10の実施形態の概要を示す図である。 図1中の矢印A-Aの位置でベルトコンベア装置10を切断した断面図である。 監視システム1の構成を示すブロック図である。 メインコンピュータ20によるベルトコンベア装置10の監視動作の流れを示すフローチャートである。 検出部21によって検出される信号の処理過程を説明する図である。 周波数帯選択部24が行う周波数帯の選択を説明する図である。 上記図6の例を説明用により簡素化して示した図である。 相違性Dijを説明する図である。 相違性Dijからなる行列と、「toorPIA」に入力する要素を説明する図である。 toorPIAマップの一例を示す図である。
以下、本開示を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本開示による監視システム1及びベルトコンベア装置10の実施形態の概要を示す図である。なお、図1は、ベルトコンベア装置10の搬送路の一部分のみを示している。
図2は、図1中の矢印A-Aの位置でベルトコンベア装置10を切断した断面図である。
なお、図1及び図2を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本実施形態の監視システム1は、ベルトコンベア装置10の監視を行い、その状態を評価することで、故障等の予兆を検出したり、異常の発生を検出したりする。
ベルトコンベア装置10は、パネル11と、ローラ12と、ベルト13とを備えている。
パネル11は、ベルトコンベア装置10の延在する方向に沿って多数配置されている。パネル11は、板状に構成されており、不図示の基礎部分を介して地面に固定されている。パネル11は、例えば、5m間隔で配置することができるが、この間隔は適宜変更可能である。パネル11には、ベルト13が貫通する貫通孔11aが設けられている。
ローラ12は、略円柱形状をしており、円柱の軸周りで回転自在に不図示のベアリングによって支持されている。ローラ12は、パネル11の貫通孔の周囲に6つが周方向に均等に配置されており、ベルト13の周囲をガイドしている。なお、ローラ12は、不図示の取り付け部材を介してパネル11に取り付けられている。
ベルト13は、帯状のベルトであって両端が接続されてエンドレスの形態に構成されている。ベルト13は、投入位置及び排出位置の付近では平板状になっているが、搬送経路中では、図2に示すように略円筒形状に変形されており、ローラ12によって案内されている。ベルト13によって搬送される被搬送物としては、例えば、石炭、鉄鉱石、砂利、穀物等を例示できるが、被搬送物はどのようなものであってもよい。
図3は、監視システム1の構成を示すブロック図である。
監視システム1は、メインコンピュータ20と、検出部21と、サブコンピュータ31、32、33、34とを有している。
検出部21は、多数設けられているパネル11のそれぞれに1つずつ取り付けられたセンサである。本実施形態の検出部21は、ピエゾセンサを用いており、パネル11に生じる振動を継続して検出することができる。なお、検出部21としては、振動と音との少なくとも一方を検出可能であればよく、例えば、マイクを用いてもよい。
サブコンピュータ31、32、33、34は、それぞれに2つの検出部21が接続されており、各検出部からの信号を取得する。なお、図3では、サブコンピュータ31~34に接続されている検出部21は、1つのみ図示した。なお、サブコンピュータに接続されるセンサの数は、データ量とコンピュータの能力に応じて適宜決定すればよく、例えば、サブコンピュータに接続されたセンサは1個でも良いし、10個以上でもよい。また、サブコンピュータ31、32、33、34の4つのサブコンピュータを設ける例を示しているが、ベルトコンベア装置10の長さは数百mとなるものもあり、実際にはより多くのサブコンピュータと検出部が配置される。
メインコンピュータ20は、サブコンピュータ31、32、33、34と同様に、2つの検出部21が接続されており、各検出部からの信号を取得する。なお、図3では、メインコンピュータ20に接続されている検出部21は、1つのみ図示した。
また、メインコンピュータ20は、サブコンピュータ31、32、33、34と接続されており、サブコンピュータ31、32、33、34が取得した検出部21からの信号を取得する。
メインコンピュータ20は、信号分割部22と、信号変換部23と、周波数帯選択部24と、評価部25とを備えている。メインコンピュータ20は、これらの構成によって、検出部21から得られた信号に基づいて、ベルトコンベア装置10の監視を行い、かつ、ベルトコンベア装置10の状態を評価する。
先ず、メインコンピュータ20の各部構成について簡単に説明した後に、メインコンピュータ20によるベルトコンベア装置10の監視動作の流れに沿って監視動作についてより具体的に説明する。
信号分割部22は、すべての検出部21により得られる信号を設定時間幅毎に分割する。
信号変換部23は、信号分割部22により分割された分割信号をスペクトル強度で規格化(正規化)して規格化分割信号に変換する。具体的には、信号変換部23は、高速フーリエ変換(FFT)処理によって分割信号を規格化分割信号に変換する。
周波数帯選択部24は、複数の規格化分割信号の間におけるスペクトル強度の変動が設定範囲内である周波数帯を少なくとも1つ選択する。より具体的には、周波数帯選択部24は、複数の規格化分割信号の間で変動係数CV(f)を取得し、この変動係数CV(f)に基づいて評価対象とする周波数帯を選択する。
また、周波数帯選択部24は、新たに取得される規格化分割信号についても先に取得された規格化分割信号との間で変動係数CV(f)を取得し、この変動係数CV(f)に基づいて選択する周波数帯を更新する。
評価部25は、周波数帯選択部24が選択した周波数帯において規格化分割信号を評価することにより、ベルトコンベア装置10の状態を評価する。より具体的には、評価部25は、正常状態で抽出された規格化分割信号と新たに取得された規格化分割信号とを比較することにより異常であるか否かの判断を行う。
本実施形態の信号分割部22と、信号変換部23と、周波数帯選択部24と、評価部25とを備えるメインコンピュータ20は、コンピュータ装置に監視プログラム(コンピュータプログラム)をインストールして実行することにより実現することができる。メインコンピュータ20及びサブコンピュータ31、32、33、34は、汎用のスマートフォン、タブレット端末であってもよいし、ノートパソコン等であってもよいし、監視システム1に特化した専用のコンピュータであってもよい。本発明でいうコンピュータ装置とは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいう。
また、ここでは、メインコンピュータ20内に、信号分割部22と、信号変換部23と、周波数帯選択部24と、評価部25とを備えているものとして説明した。これに限らず、例えば、メインコンピュータ20内の各構成の内の少なくとも一部をクラウド上のサーバ等に設けるようにしてもよい。
さらに、サブコンピュータ31、32、33、34を設けずに、検出部21の検出結果をメインコンピュータ20に直接伝える構成としてもよい。
次に、メインコンピュータ20によるベルトコンベア装置10の監視動作の流れに沿って、監視システム1が行う監視方法についてより具体的に説明する。
図4は、メインコンピュータ20によるベルトコンベア装置10の監視動作の流れを示すフローチャートである。
図5は、検出部21によって検出される信号の処理過程を説明する図である。
ステップ(以下、単にS)11では、検出部21が、パネル11の振動を検出する。このステップでは、図5(a)に示すように継続的に信号の検出を行うことにより、時系列の信号が取得される。検出部21が検出した振動の信号(生データ)は、サブコンピュータ31、32、33、34を介して、又は、直接、メインコンピュータ20の信号分割部22へ伝えられる。なお、検出部21による振動の検出は、ベルトコンベア装置10の稼働中休みなく継続してもよいし、例えば、1時間毎に1分間のデータ計測(すべての検出部21で同時並列取得)を行うようにしてもよい。
S12では、信号分割部22が、すべての検出部21により得られる信号を設定時間幅毎に分割して図5(b)に示すような多数の分割信号とする。このとき、信号分割部22が分割する分割信号は、漏れのないように、図5に示すように隣り合う分割信号同士が部分的に重なって(オーバーラップして)分割される。
S13では、信号変換部23が、信号分割部22により分割された分割信号をスペクトル強度で規格化(正規化)して規格化分割信号に変換する。具体的には、信号変換部23は、高速フーリエ変換(FFT)処理によって分割信号を規格化分割信号に変換する。これにより分割信号はスペクトラムに変換される(図5(c))。
S14では、周波数帯選択部24が、複数の規格化分割信号の間におけるスペクトル強度の変動が設定範囲内である周波数帯を少なくとも1つ選択する。より具体的には、周波数帯選択部24は、複数の規格化分割信号の間で差分を変動係数CV(f)として取得し、この変動係数CV(f)に基づいて評価対象とする周波数帯を選択する。
ある期間に取得されたN個の規格化分割信号のスペクトルをs(f) (ここで、i=1,2,・・・N)とおく。
ここでs(f)は、元のスペクトルS(f)の積分値で規格化したものであり、以下のように示すことができる。
Figure 0007306659000002
この時、N個の規格化分割信号集団における平均値s(f)と標準偏差σ(f)は、次のように求められる。
Figure 0007306659000003
変動係数CV(f)は、以下の式(1)により得られ、このCV(f)が設定範囲内である周波数帯を選択する。
Figure 0007306659000004
図6は、周波数帯選択部24が行う周波数帯の選択を説明する図である。
図6(a)、(b)、(c)、(d)のデータは、連続する4日間の同一時間帯における15分間の規格化分割信号である。図6(e)は、図6(a)、(b)、(c)、(d)のデータについて、周波数帯選択部24が上記式(1)によって変動係数CV(f)を求めた結果である。図6(e)中でP1の符号をつけたピークが現れている周波数70Hz付近に対応する図6(a)、(b)、(c)、(d)における波形の変化は、ベルトコンベア装置10の周辺に設置されたホッパーの稼働の影響を大きく受けていることが分かっている。そのため、ホッパーの稼働状況の変化によって、図6(a)、(b)、(c)、(d)のデータにおいて波形に違いが生じ、図6(e)中のP1の部分で変動係数CV(f)が大きくなっている。
これに対して、図6(e)中で1100Hzから1600Hzの周波数帯が他の周波数帯に比べて変動係数CV(f)が小さい。変動係数CV(f)が小さいということは、環境ノイズ等の外乱の影響を受けにくい周波数帯であると考えられる。したがって、この図6の例の場合には、周波数帯選択部24は、1100Hzから1600Hzの周波数帯を評価対象とする周波数帯として選択する。なお、単に変動係数CV(f)の値だけを閾値としてしまうと、図6(e)中の波形で局所的に変動係数CV(f)の値が低下している周波数帯までも選択してしまう場合がある。そのような場合には、変動係数CV(f)の値の閾値に加えて、所定の周波数帯幅にわたってその閾値を超えない周波数帯を選択するとよい。
図7は、上記図6の例を説明用により簡素化して示した図である。
図7(a)は、正常時の規格化分割信号を示している。
図7(b)は、ホッパーの稼働の影響でP2の符号をつけた部分に波形の変化が生じたときの規格化分割信号を示している。
図7(c)は、図7(a)と図7(b)とを重ねて示した図である。
このようにホッパーの稼働の影響でP2の符号をつけた部分に波形の変化が生じた場合、その部分の差分値として得られる変動係数CV(f)の値は、図7(c)にハッチングで示した部分の値として大きな値が得られてしまう。しかし、この波長帯域は選択範囲外であることから評価の対象とならない。よって、図7(b)のような外乱の影響(ホッパーの稼働の影響)を受けた場合であっても、本実施形態では、異常発生と判断するような誤った評価を防止できる。
図7(d)は、ローラ12に異常が発生した影響でP3の符号をつけた部分に波形の変化が生じたときの規格化分割信号を示している。
図7(e)は、図7(a)と図7(d)とを重ねて示した図である。
このようにローラ12に異常が発生した影響でP3の符号をつけた部分に波形の変化が生じた場合、その部分の差分値として得られる変動係数CV(f)の値は、図7(e)にハッチングで示した部分の値として大きな値が得られる。そして、この波長帯域は選択範囲内であることから評価の対象となる。よって、図7(d)のようにローラ12に異常が発生した影響を受けた場合には、本実施形態では、異常発生と正しく判断することができる。
なお、上述した図7の説明は、理解が容易になるように波形変化を強調して示しており、例えば、ローラ12に異常が発生した影響は、図7(d)のP3部分以外の波長域にも発生することが通常である。ローラ12に異常が発生した影響は広範囲の波長帯域に発生する。したがって、外乱の影響を受けにくい選択範囲の評価だけであっても、ローラ12の異常発生を適切に検出することができる。
また、本実施形態では、周波数帯選択部24は、新たに取得される規格化分割信号についても先に取得された規格化分割信号との間で変動係数CV(f)を取得し、この変動係数CV(f)に基づいて選択する周波数帯を更新する。これにより長期にわたって正常状態におけるデータを蓄積でき、より正確な評価を可能としている。なお、これに限らず、例えば、周波数帯選択部24は、所定の期間のデータに基づいて周波数帯を選択した後は、選択する周波数帯を固定として更新しないようにしてもよい。
図4に戻って、S15では、周波数帯選択部24が選択した周波数帯のみを通すバンドパスフィルタ処理を行い、評価対象を選択された周波数帯のみとする。
S16では、評価部25が、周波数帯選択部24が選択してバンドパスフィルタにより評価対象のみの周波数帯のデータとされた規格化分割信号を用いてマップを作成する。
評価部25では、クラスタ解析を行う。
クラスタ解析について、以下説明する。
規格化分割信号s(f)とs(f)が与えられれば、相違性Dijを次式で定義できる。
Figure 0007306659000005
ここでs(f)は、S(f)をスペクトル強度(スペクトルの積分値)で規格化したものである。
Figure 0007306659000006
現実の計算機実装系においてfは離散周波数f(ここで、k=1,2,・・・,m)となり、N個の規格化分割信号s{i=1,2,3,・・・,N}は全てm次元空間におけるベクトルとして表される。
このm次元空間で考えれば、Dijが小さくなるsとsとはベクトルの頂点が近くに存在し、逆にDijが大きくなるsとsとはベクトルの頂点が離れて存在していることになる。
すなわち、N個の規格化分割信号sベクトル群はm次元空間内で粗密構造(海島構造、クラスタ構造)を形成していることが理解できる。
より具体的には、「同一条件下で取得された同じような音・振動であるs」のグループは一箇所に密集して島構造を形成し、「異なる条件で取得された異なる音・振動であるs」のグループは互いに離れて疎(海)構造を形成することになる。
つまり、正常時に取得されたsはある限られた領域に島構造を形成することが期待され、これを基準範囲として識別できれば、そこから乖離したsを「異常信号」として検出することができる。
ここで、現実的には、本実施形態の例のように次元数が膨大になる場合には、「高次元空間内の構造」を定量的かつ連続的に識別することが必要である。そこで、本実施形態では、「高次元空間内の構造」を定量的かつ連続的に識別することが可能なクラスタ解析エンジンを用いている。
本実施形態の評価部25では、「高次元空間内の構造」を定量的かつ連続的に識別することが可能なクラスタ解析エンジンである「toorPIA」(株式会社toor製)によって、選択した周波数帯の規格化分割信号群から特徴属性群を抽出してマップを作成する。この「toorPIA」は、教師データを必要としない点で非常に利便性が高く、かつ、的確に特徴属性群を抽出することが可能である。
ここで、相違性Dijと「toorPIA」によるマップ作成について説明する。
図8は、相違性Dijを説明する図である。
信号変換部23が行う高速フーリエ変換(FFT)処理によって分割信号を規格化分割信号として変換された離散スペクトルs(fk)は、n次元ベクトルとみなすことができる。ここで、k=1,2,・・・n(nは、セグメント長)である。このとき相違性Dijは、s(fk)とs(fk)の差の大きさ(頂点間の距離)に等しい(図8参照)。
「toorPIA」によるマップ作成を行うために、相違性Dijからなる行列(正方行列)の作成を行う。この行列は、n次元空間におけるデータ構造を正確に表したものに相当する。
図9は、相違性Dijからなる行列と、「toorPIA」に入力する要素を説明する図である。
相違性Dijからなる行列の上三角行列から対角要素(Dii=0)を除いた要素を「toorPIA」の入力として与えると二次元平面のマップ(toorPIAマップ)が出力される。
図4に戻って、S17では、評価部25が、toorPIAマップ上における基準範囲(基準値)を設定する。
図10は、toorPIAマップの一例を示す図である。
正常状態において得られたデータからtoorPIAマップを作成すれば、toorPIAマップ上のデータ群の近辺が正常な範囲であると設定できる。図10中の「基準範囲」は、「toorPIA」によって自動的に設定されるが、任意に設定するようにしてもよい。
図4に戻って、S18では、評価部25が、評価を実施する。ここで行う評価は、図10中の「基準範囲」が設定された後、ベルトコンベア装置10が長期間にわたって稼働している中で検出部21が検出する振動データを用いて行われる。この新たに得られた振動データについても、信号規格化、バンドパスフィルタ処理、「toorPIA」によるマップ化を行い、評価部25は、その位置がtoorPIAマップ上における基準範囲(基準値)内にあるか否かによって評価を行う。新たなデータが基準範囲内にあれば「正常」であると判断し、基準範囲外にあれば「異常」と判断する。なお、「異常」の場合には、基準範囲から離れているマップ上の距離に応じて、異常のレベルを評価してもよい。
一例として、先ず、新品から少し使用されているが状態が良好なローラ12を「Good」のローラとしてデータを取得した。また、交換を予定する程度に劣化したローラ12を「Bad」のローラとして用意し、これを6つのローラ12のうちのひとつのローラ12を「Bad」のローラに交換してデータを取得した。図10中には「Good」のデータを「+」で示し、「Bad」のデータを「×」で示している。「Good」のデータを含む範囲が基準範囲として設定されている。「Bad」のデータ群は、いずれも基準範囲から外れているので、評価部25は、この「Bad」のようなデータが得られた段階で、「異常」と判断して警告表示等を行うことができる。
なお、ここでは簡単のため、「Good」と「Bad」の2種類のデータ群に分類される例を例示したが、劣化の度合いに応じてより多くのデータ群に分類が可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、スペクトル強度の変動が設定範囲内である周波数帯を少なくとも1つ選択するので、外乱の影響を受けにくい周波数帯を適切に選択することができる。また、評価部は、周波数帯選択部が選択した周波数帯において規格化分割信号を評価するので、誤った評価を行うことが防止され、より適切な評価を行うことができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本開示の範囲内である。
(1)実施形態において、クラスタ解析エンジンtoorPIAを利用して評価部が評価を行う例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、最長距離法、群平均法、ウォード法等の、階層型クラスタ解析をはじめ、k-means等の非階層的クラスタ解析、自己組織化マップ(SOM)、ニューラルネットクワークによるクラスタリング(Deep Clustering)、近隣結合法、非加重結合法等の従来公知の手法を評価に利用してもよい。
(2)実施形態において、6つのローラがベルトを囲んで配置され、ベルトが略円筒形状に変形されて搬送を行うベルトコンベア装置を例に挙げて説明した。これに限らず、例えば、ベルトを囲むローラの数は6つよりも少なくてもよいし、多くてもよい。また、例えば、ベルトが平板状のまま搬送を行うベルトコンベア装置であってもよい。
(3)実施形態において、監視対象としてベルトコンベア装置を例示して説明を行った。これに限らず、例えば、配管装置、ポンプ、ファン、篩機等を監視対象としてもよく、継続的に作動する装置であれば、監視対象は適宜変更可能である。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本開示は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 監視システム
10 ベルトコンベア装置
11 パネル
11a 貫通孔
12 ローラ
13 ベルト
20 メインコンピュータ
21 検出部
22 信号分割部
23 信号変換部
24 周波数帯選択部
25 評価部
31、32、33、34 サブコンピュータ

Claims (7)

  1. 継続的に作動する装置の状態を監視する監視システムであって、
    前記装置に取り付けられ、振動と音との少なくとも一方を継続して検出する検出部と、
    前記検出部により得られる信号を設定時間幅毎に分割する信号分割部と、
    前記信号分割部により分割された分割信号をフーリエ変換することでスペクトル強度とした上で、当該スペクトル強度を当該スペクトル強度の周波数積分値で除算することで規格化分割信号に変換する信号変換部と、
    複数の前記規格化分割信号の間におけるスペクトル強度の変動が設定範囲内である周波数帯を少なくとも1つ選択する周波数帯選択部と、
    前記周波数帯選択部が選択した周波数帯において前記規格化分割信号を評価する評価部と、
    を備える監視システム。
  2. 請求項1に記載の監視システムにおいて、
    前記周波数帯選択部は、複数の前記規格化分割信号の間で差分を取得し、前記差分に基づいて周波数帯を選択する、監視システム。
  3. 請求項2に記載の監視システムにおいて、
    前記周波数帯選択部は、新たに取得される前記規格化分割信号についても先に取得された前記規格化分割信号との間で差分を取得し、前記差分に基づいて選択する周波数帯を更新する、監視システム。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の監視システムにおいて、
    前記評価部は、正常状態における前記規格化分割信号と新たに取得された前記規格化分割信号とを比較することにより異常であるか否かの判断を行う、監視システム。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の監視システムにおいて、
    前記評価部は、クラスタ解析を行う、監視システム。
  6. 継続的に作動する装置の監視方法であって、
    前記装置に取り付けられた検出部が、振動と音との少なくとも一方を継続して検出するステップと、
    信号分割部が、前記検出部により得られる信号を設定時間幅毎に分割するステップと、
    信号変換部が、前記信号分割部により分割された分割信号をフーリエ変換することでスペクトル強度とした上で、当該スペクトル強度を当該スペクトル強度の周波数積分値で除算することで規格化分割信号に変換するステップと、
    周波数帯選択部が、複数の前記規格化分割信号の間におけるスペクトル強度の変動が設定範囲内である周波数帯を少なくとも1つ選択するステップと、
    評価部が、前記周波数帯選択部が選択した周波数帯において前記規格化分割信号を評価するステップと、
    を備える監視方法。
  7. 継続的に作動する装置の監視プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記装置に取り付けられた検出部が、振動と音との少なくとも一方を継続して検出するステップと、
    信号分割部が、前記検出部により得られる信号を設定時間幅毎に分割するステップと、
    信号変換部が、前記信号分割部により分割された分割信号をフーリエ変換することでスペクトル強度とした上で、当該スペクトル強度を当該スペクトル強度の周波数積分値で除算することで規格化分割信号に変換するステップと、
    周波数帯選択部が、複数の前記規格化分割信号の間におけるスペクトル強度の変動が設定範囲内である周波数帯を少なくとも1つ選択するステップと、
    評価部が、前記周波数帯選択部が選択した周波数帯において前記規格化分割信号を評価するステップと、
    を実行させるための監視プログラム。
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