JP7300962B2 - 画像処理装置、画像処理方法、撮像装置、プログラム、および記憶媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、撮像装置、プログラム、および記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、撮像装置、プログラム、および記憶媒体に関する。
従来、交換レンズシステムの一つとして立体撮影用レンズが知られている。例えば特許文献1には、2組の光学系が並列に配置され、一つの撮像素子に2つのイメージサークルが並列に結像するレンズが開示されている。2組の光学系は所定の距離だけ離間して水平方向に並べられる。この距離を基線長と称する。結像側から見て、右の光学系で結像する像が右眼用の動画または静止画として記録され、左の光学系で結像する像が左眼用の動画または静止画として記録される。これらの映像は3DディスプレイやVRゴーグル等によって再生されうる。鑑賞者の右眼には右眼用の映像が映り、左眼には左眼用の映像が映る。このとき、右眼と左眼には撮影用レンズの基線長に応じた視差のある映像が投影されるため、鑑賞者は再生される映像に立体感を感じることができる。
一般に、光学系を介して結像される像には倍率色収差などの影響による色ずれ(color deviation)が発生しうる。また、光軸の傾きなどに起因して画像中の四隅で色ずれの程度が偏る現象(片ボケ)が発生しうる。特に、2組の独立した光学系を用いて視差画像を取得する場合には、左右それぞれの光学系の光軸の傾きに起因して、視差画像を構成する左右の画像間で色ずれの程度に差異が生じうる。このような差異は、VRゴーグル等を用いた再生時、鑑賞者に違和感(ちらつき)を与える場合がある。
2組の光学系を用いて視差画像を取得する撮像装置において色ずれを補正する技術が、例えば特許文献2に開示されている。特許文献2では、色成分毎に相対的な像位置ずらしを行うことによって光学系毎に独立して色ずれの補正が行われる。
特開2012-113281号公報 特開2003-47028号公報
しかし、従来のように、予め決められた補正量を用いた色ずれ補正では、無視できない補正残差が発生してしまうという課題があった。これは、実際には撮像装置本体とレンズとの接合部のがたつき等により片ボケの程度が変わってしまうためである。
本発明は、視差画像を構成する画像間の色ずれの差異の補正の精度の点で有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、視差画像を構成する第1画像および第2画像を処理する画像処理装置であって、前記第1画像の着目領域における第1色信号の色差である第1色差と、前記視差画像の視差量に応じた前記着目領域に対応する前記第2画像の対応領域における第2色信号の色差である第2色差とを算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記第1色差と前記第2色差との比較に基づいて、色信号に関する補正量を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記補正量に基づいて前記第1色信号または前記第2色信号を補正する補正手段と、を有することを特徴とする画像処理装置が提供される。
本発明によれば、視差画像を構成する画像間の色ずれの差異の補正の精度の点で有利な技術を提供することができる。
実施形態における撮像装置の構成を示す図。 視差画像の一例を示す図。 視差画像の座標位置を説明する図。 画像の色ずれを説明する図。 実施形態における色ずれ補正のフローチャート。 エッジ検出フィルタの一例を示す図。 パターンマッチング処理に使用されるテンプレートの例を示す図。 テンプレートのずらし量とSAD値との関係の例を示すグラフ。 実施形態における色ずれ補正量の調整を説明する図。 倍率色収差による色ずれが変化する方向を示す図。 エッジ検出を行う方向が互いに異なる複数のフィルタの例を示す図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<撮像装置の構成>
図1は、実施形態における、立体映像を撮影可能な撮像装置100の構成を示す図である。図1において、撮像装置100は、カメラ本体110とレンズ120とを有する。レンズ120は、カメラ本体110に対して着脱可能なものでもよいし、カメラ本体110と一体となっているものでもよい。本実施形態では、レンズ120はカメラ本体に着脱可能な交換レンズシステムとする。
レンズ120は、左眼光学系200L(第1撮影レンズ)と右眼光学系200R(第2撮影レンズ)とレンズシステム制御部121とを有する。カメラ本体110は、撮像素子111、A/D変換器112、画像処理部113、表示部114、操作部115、記憶部116、本体システム制御部117を有する。レンズ120がカメラ本体110に装着されると、本体システム制御部117とレンズシステム制御部121とが電気的に接続される。
撮像素子111は、被写体の像を撮像する。左眼光学系200Lを介して結像される左眼画像(第1画像)と、右眼光学系200Rを介して結像される右眼画像(第2画像)とが並んで撮像素子111に結像される。これによって、互いに異なる視点からみた視差画像が得られる。撮像素子111は、結像された被写体の像(光信号)を電気信号に変換する。A/D変換器112は、撮像素子111から出力されたアナログの電気信号をデジタル信号(画像信号)に変換する。A/D変換器112によって得られた画像信号は、複数色の色信号を含む。
画像処理部113は、A/D変換器112から出力された画像信号に対して色ずれ補正を含む種々の画像処理を行う。画像処理部113は本発明の画像処理装置を構成しうる。表示部114は、各種の情報を表示する。表示部114は、例えば、電子ビューファインダや液晶パネルを用いることにより実現される。操作部115は、ユーザによって操作されることで撮像装置100に対する指示を出力するユーザインタフェースとしての機能を有する。なお、表示部114がタッチパネルを有する場合には、タッチパネルも操作部115の一つになる。
記憶部116は、画像処理部113で画像処理が行われた画像データ等、各種のデータを記憶する。また、記憶部116は、画像処理用のプログラムも記憶する。記憶部116は、例えば、ROM、RAM、HDD等により実現されうる。
本体システム制御部117は、撮像装置100全体を統括制御する。本体システム制御部117は、例えば、CPUにより実現されうる。なお、本実施形態では、画像処理部113は本体システム制御部117とは別の専用プロセッサにより実現されうるが、本体システム制御部117が画像処理部113の機能を含んでいてもよい。
<視差画像の色ずれ>
撮像装置100により取得される視差画像の概要を、図2を用いて説明する。上記したように、左眼光学系200Lを介して結像される左眼画像(第1画像)と、右眼光学系200Rを介して結像される右眼画像(第2画像)とが並んで撮像素子111に結像されることで、視差画像が得られる。図2において、撮像素子111の有効画素領域200には、左眼画像201と右眼画像202が水平方向に並んで結像される。一般的に立体撮影用の光学素子は広範囲を撮影することができる円周魚眼レンズが使用されるため、左眼画像201および右眼画像202の結像形状は円形領域(イメージサークル)となる。また、イメージサークルの周辺には、光学的に遮光された遮光領域203が存在しうる。
図3は、図2に示された境界線204を境に有効画素領域200を右と左に分割して、左眼画像201と右眼画像202を切り出した図である。図3において、それぞれの画像の左上端をx-y座標の原点位置(0,0)とする。また、左眼画像201中の被写体の着目領域P(図3では屋根の頂点)の座標を(XPL,YPL)とする。このとき、着目領域Pに対応する右眼画像202中の被写体の対応領域PRの座標(XPR,YPR)は、次式で示されるように、水平方向(x方向)にDだけずれた位置となる。
(XPR,YPR)=(XPL+D,YPL)・・・・(式1)
このDが、視差画像を構成する左眼画像201と右眼画像202との水平方向の視差量(disparity)である。したがって、着目領域PLに対応する対応領域PRは、視差画像の視差量Dに応じた領域である。視差量Dは、被写体までの距離、レンズ120の構成、焦点距離によって変化しうる。左右の画像に視差量があることでVRゴーグル等を用いた鑑賞時に、鑑賞者は立体感を感じることができる。
次に、図4を用いて、画像の色ずれについて説明する。色ずれとは、倍率色収差等の影響により本来白色となる被写体でR、G、B信号のそれぞれの結像位置がずれるために色がついて見える現象である。色ずれは、特に輝度の勾配が大きい領域(エッジ)で顕著に現れる。図4(a)には、y方向に延びる白領域と黒領域(ハッチングで示される)の境界であるエッジEが示されている。このエッジEを横切る矢線400の方向(x方向)の各画素位置におけるR,G,B信号をそれぞれ観測することにより、各色成分の画素値のプロファイルが得られる。色ずれが生じていなければ、図4(b)に示されるように、R、G、Bそれぞれの画素値のプロファイルは、全て一致して重なった状態となる。一方、色ずれが生じていると、図4(c)に示されるように、基準信号であるG信号に対してR信号およびB信号の結像位置が前後にずれる。このため、エッジ部に色つき(tint)が発生する。
色ずれが生じる主な要因は倍率色収差である。倍率色収差による色ずれの程度は、レンズと撮像素子が固定であれば、撮影条件と画像位置に応じて一意に決まる。この場合、色ずれの補正は画像中の位置に応じて予めレンズの設計情報から得られた補正量を用いてR信号およびB信号を基準信号であるG信号に合わせるように補正することで色つきを解消することができる。
しかし、レンズが本体に対して着脱可能な場合、レンズ装着時のがたつきによる光軸の傾きによって画像の四隅で色ずれの程度が変化するため(片ボケ)、レンズの設計情報から得られた一律の補正値では色ずれを補正しきれずに色ずれが残ってしまう。視差画像を得るために2つの光学系を持つ撮像装置では、光軸の傾きによる補正残差によって左右の画像で色ずれの差異が発生し、この色ずれの差異が鑑賞時の画像品質を低下させることになる。
<色ずれ補正処理の第1実施例>
以下、画像処理部113による視差画像に対する色ずれ補正処理の第1実施例を、図5のフローチャートを用いて説明する。S501で、画像処理部113は、左眼画像のイメージサークル内から処理対象とする画像の領域(以降、着目領域)を選択する。着目領域の選択は、図3に示したように左眼画像、右眼画像それぞれの左上を(0,0)とするx-y座標において画素を指定することで行われる。このように本実施形態では着目領域は画素単位で選択されるため、着目領域は着目画素とも言いうる。
S502で、画像処理部113は、選択された着目領域に対してエッジ検出処理を実施する。ここでエッジ検出処理を行うのは、上記したように、倍率色収差による色ずれは画像のエッジ部において顕著に現れるためである。エッジ検出処理において、画像処理部113はまず、着目領域のR、G、Bの各信号値から、着目領域の輝度信号(Y信号)を求める。Y信号は、例えば次式により算出される。
Y =3*R+6*G+1*B・・・(式2)
画像処理部113は、算出されたY信号に対して例えば図6のようなフィルタを適用する。図6は、水平方向および垂直方向のエッジを同時検出するためのフィルタ係数を持つフィルタの一例を示している。エッジ検出は、フィルタの出力値が予め決められた閾値よりも大きいか否かを判定することによって行われる。
S503で、画像処理部113は、S502でのエッジ検出処理の結果に基づいて、着目領域がエッジ領域であるか否かを判定する。着目領域がエッジ領域ではないと判定された場合、処理はS508に進む。S508では、画像処理部113は、全ての画素について処理が完了したか否かを判定する。全ての画素について処理が完了したと判定された場合、この色ずれ補正処理は終了となる。まだ全ての画素について処理が完了していないと判定された場合、S501に戻って処理が繰り返される。
S503で着目領域がエッジ領域であると判定された場合、処理はS504に進む。S504では、画像処理部113は、左眼画像の着目領域に対応する右眼画像の同一被写体領域(以降、対応領域)を取得する。対応領域は前述の視差により着目領域の座標位置とは異なる座標位置となる。対応領域の座標位置の取得方法は、距離情報がある場合とない場合で異なる。
撮影画像に対する画素単位の距離情報(以降、距離マップ)がある場合、画像処理部113は、次式に従い左眼画像と右眼画像との視差量Dを算出する。
D=(B*F)/Z ・・・・(式3)
ここで、Bはレンズ120の基線長、Fは焦点距離、Zは被写体距離である。
基線長Bと焦点距離Fは、レンズ120の構造から決定される。被写体距離Zは距離マップから取得される。算出された視差量Dと前述の式1から、対応領域の座標位置が決まる。
距離マップがない場合は、画像処理部113は、左眼画像のエッジが検出された着目画素およびその周辺画素をテンプレートとして右眼画像の同じ座標位置の周辺を水平方向にずらしながらパターンマッチング処理を行う。このパターンマッチング処理の結果、最も一致度の高い位置が対応領域として設定される。パターンマッチング処理においては、画像処理部113は、例えば、図7に示されるような、着目領域701を中心とする7×7画素の領域をテンプレートに設定する。画像処理部113は、左眼画像の着目領域701と同じ右眼画像の座標位置を中心にして左右にテンプレートを1画素ずつずらしながら、各ずらし位置kで、テンプレートの各画素と右眼画像のY信号との差分絶対値和(SAD値)を取得する。ずらし位置kにおけるSAD値は次式で表される。
Figure 0007300962000001
テンプレートのずらし位置kとSAD値の関係を示すグラフの例を図8に示す。図8では、左右に±8画素の範囲で各ずらし位置でのSAD値が得られている。図8のグラフによれば、SAD値が最小となるずらし位置kは4であり、この値が視差量Dとなる。算出された視差量Dと式1を用いて対応領域の座標位置が算出される。
S505で、画像処理部113は、左眼画像の着目領域における色信号(第1色信号)の色差(第1色差)と、右眼画像の対応領域における色信号(第2色信号)の色差(第2色差)とを算出する。以下の説明では、G信号を簡易輝度として扱う。この場合、色差は、同一座標位置におけるR信号とG信号との差分(Cr)、および、B信号とG信号との差分(Cb)でありうる。
左眼画像の色信号であるR、G、B信号をそれぞれR_L、G_L、B_Lとすると、左眼画像の着目領域(X,Y)における色差Cr_L、Cb_Lは、次式で表される。
Cr_L=R_L(X,Y)-G_L(X,Y) ・・・(式5)
Cb_L=B_L(X,Y)-G_L(X,Y) ・・・(式6)
また、右目画像の色信号であるR、G,B信号をそれぞれR_R、B_R、G_Rとすると、右眼画像の対応領域(X+D,Y)における色差Cr_R、Cb_Rは、以下で表される。
Cr_R=R_R(X+D,Y)-G_R(X+D,Y) ・・・(式7)
Cb_R=B_R(X+D,Y)-G_R(X+D,Y) ・・・(式8)
S506で、画像処理部113は、左眼画像の着目領域、右眼画像の対応領域それぞれにおける色信号に関する補正量として、R信号およびB信号の補正量を決定する。補正量は、左眼画像の色信号の色差(第1色差)と右眼画像の色信号の色差(第2色差)との比較に基づいて決定されうる。例えば、補正量は、S505で算出された左眼画像、右眼画像それぞれの色差のうちその絶対値が小さい方の色差に合わせるように左眼画像または右眼画像のR信号、B信号を補正するための補正量に決定される。以下に補正量を決定する処理の具体例を示す。
左眼画像のR信号、B信号の補正量をそれぞれ、ΔR_L、ΔB_Lとすると、下記の条件式1、条件式2の結果に応じて、ΔR_L、ΔB_Lは、下記の式で算出される。
|Cr_L|>|Cr_R| ・・・(条件式1)
条件式1が成立する場合:
ΔR_L=Cr_R-Cr_L ・・・(式9)
条件式1が成立しない場合:
ΔR_L=0 ・・・(式10)
|Cb_L|>|Cb_R| ・・・(条件式2)
条件式2が成立する場合:
ΔB_L=Cb_R-Cb_L ・・・(式11)
条件式2が成立しない場合:
ΔB_L=0 ・・・(式12)
同様に、右眼画像のR信号、B信号の補正量をそれぞれ、ΔR_R、ΔB_Rとすると、下記の条件式3、条件式4の結果に応じて、ΔR_R、ΔB_Rは、下記の式で算出される。
|Cr_R|>|Cr_L| ・・・(条件式3)
条件式3が成立する場合:
ΔR_R=Cr_L-Cr_R ・・・(式13)
条件式3が成立しない場合:
ΔR_R=0 ・・・(式14)
|Cb_R|>|Cb_L| ・・・(条件式4)
条件式4が成立する場合:
ΔB_R=Cb_L-Cb_R ・・・(式15)
条件式4が成立しない場合:
ΔB_R=0 ・・・(式16)
S507で、画像処理部113は、左眼画像の色信号および右眼画像の色信号に対して色ずれ補正を行う。色ずれ補正は、S506で決定された補正量で左眼画像の色信号または右眼画像の色信号を補正することにより行われる。例えば、色ずれ補正は、左眼画像の色信号または右眼画像の色信号に、S506で決定されたそれぞれの色信号に対応する補正量を加算することにより行われうる。
しかし、本発明者の検討によれば、上記のように決定された補正量を加算することにより、左右の画像間で色差の大きさを合わせることができても、色むらを増大させてしまう場合があることがわかった。そこで、S507は、そのような色むらを抑制するように補正量を調整する工程を含みうる。以下、図9を参照して補正量を調整する処理を説明する。
図9(A)には、G信号および、補正前のB信号の画素値のプロファイルが示され、図9(B)には、G信号および、上記のよう算出された補正量(暫定補正量)で補正されたB信号の画素値のプロファイルが示されている。画素位置の区間Sでは、補正前(図9(A))と暫定補正量による補正後(図9(B))との間で、色差B-Gの符号が反転している。このような、補正前後での色差の符号の反転は、色むらを生じる可能性がある。そこで実施形態では、画像処理部113は、暫定補正量で補正した場合には色差の符号が補正前の符号に対して反転してしまう区間Sでは、図9(C)に示されるように、色差が0になるように(B信号がG信号と一致するように)補正量を調整する。以上を考慮して、S506で、画像処理部113は、具体的には以下のような処理を行う。
左眼画像の補正後のR信号Rcor_Lは、下記の条件式5の結果に応じて、下記の式17または式18で算出される。
Cr_L*(Cr_L+ΔR_L)<0 ・・・(条件式5)
補正前と暫定補正量による補正後との間で、G信号に対するR信号の色差の符号が反転している場合、この条件式5が成立する。
条件式5が成立する場合:
Rcor_L=G_L ・・・(式17)
(式17を満たすためには、ΔR_LはG_L-R_Lに調整される。)
条件式5が成立しない場合:
Rcor_L=R_L+ΔR_L ・・・(式18)
左眼画像の補正後のB信号Bcor_Lは、下記の条件式6の結果に応じて、下記の式19または式20で算出される。
Cb_L*(Cb_L+ΔB_L)<0 ・・・(条件式6)
補正前と暫定補正量による補正後との間で、G信号に対するB信号の色差の符号が反転している場合、この条件式6が成立する。
条件式6が成立する場合:
Bcor_L=G_L ・・・(式19)
(式19を満たすためには、ΔB_LはG_L-B_Lに調整される。)
条件式5が成立しない場合:
Bcor_L=B_L+ΔB_L ・・・(式20)
同様に、右眼画像の補正後のR信号Rcor_Rは、下記の条件式7の結果に応じて、下記の式21または式22で算出される。
Cr_R*(Cr_R+ΔR_R)<0 ・・・(条件式7)
補正前と暫定補正量による補正後との間で、G信号に対するR信号の色差の符号が反転している場合、この条件式7が成立する。
条件式7が成立する場合:
Rcor_R=G_R ・・・(式21)
(式21を満たすためには、ΔR_RはG_R-R_Rに調整される。)
条件式7が成立しない場合:
Rcor_R=R_R+ΔR_R ・・・(式22)
同様に、右眼画像の補正後のB信号Bcor_Rは、下記の条件式8の結果に応じて、下記の式23または式24で算出される。
Cb_R*(Cb_R+ΔB_R)<0 ・・・(条件式8)
補正前と暫定補正量による補正後との間で、G信号に対するB信号の色差の符号が反転している場合、この条件式8が成立する。
条件式8が成立する場合:
Bcor_R=G_R ・・・(式23)
(式23を満たすためには、ΔB_RはG_R-B_Rに調整される。)
条件式8が成立しない場合:
Bcor_R=B_R+ΔB_R ・・・(式24)
次に、S508で、画像処理部113は、全ての有効画素が着目領域として処理されたか否かを判定する。全ての有効画素が着目領域として処理されていない場合は、S501に戻って処理が繰り返される。全ての有効画素が着目領域として処理された場合は、色ずれ補正処理は終了する。
以上の処理によって、左眼画像、右眼画像のエッジ部の色つきがイメージサークル内の全ての画像領域で均等に補正される。これにより、レンズ装着時の片ボケに起因する左眼画像、右眼画像の色ずれの差異が解消され、VRゴーグルによる鑑賞時のちらつきを低減することが可能となる。
<色ずれ補正処理の第2実施例>
本実施例では、元々色がついている被写体に対して色ずれ補正を行うことによる色抜けの弊害を抑制する。色ずれ補正処理の大部分は第1実施例と同様であるが、図5のフローチャートにおけるS502のエッジ検出とS507の色ずれ補正の内容が一部異なる。
S502のエッジ検出について、第1実施例では、図6のような水平方向および垂直方向のエッジを同時検出するフィルタ係数を用いてエッジの検出を行った。しかし、倍率色収差による色ずれは、図10において矢印で示すように、光軸の中心から周辺方向に向かって変化する。そこで本実施例では、着目領域で検出されたエッジの方向と図10の矢印の方向との一致度合いを信頼度として算出し、その信頼度に応じて色ずれ補正の効果を制御する。これにより、色抜けの弊害を抑えることができる。
本実施例では、エッジ検出を行う方向が互いに異なる複数のフィルタを用いてエッジ検出が行われる。例えば、図11に示すような、縦、横、斜め方向のエッジ検出フィルタを用意し、それぞれのフィルタを用いてエッジ検出を行い、エッジ検出によって検出されたエッジの方向に基づいて信頼度Kが調整される。例えば、倍率色収差の発生方向として予め定められた方向(図10の矢印の方向)のフィルタでエッジが検出され、かつ他の方向のフィルタではエッジは検出されなかった場合は、K=1.0に設定される。また、倍率色収差の発生方向(図10の矢印)のフィルタでエッジが検出され、かつ他の方向のフィルタでもエッジが検出された場合は、フィルタ出力結果の比較に基づいて、Kは0~0.9の範囲で調整される。倍率色収差の発生方向(図10の矢印)のフィルタでエッジが検出されなかった場合は、K=0に設定される。
S507の色ずれ補正については、本実施形態では、上記のようにS502で得られた信頼度Kを考慮した色ずれ補正を行う。具体的には、第1実施形態のS507で使用した条件式5~8がそれぞれ、下記の条件式に置き変えられる。
Cr_L*(Cr_L+K*ΔR_L)<0・・・(条件式5b)
Cb_L*(Cb_L+K*ΔB_L)<0・・・(条件式6b)
Cr_R*(Cr_R+K*ΔR_R)<0・・・(条件式7b)
Cb_R*(Cb_R+K*ΔB_R)<0・・・(条件式8b)
また、第1実施例のS507の色ずれ補正による補正後のR,B信号値の算出式(式18、式20、式22、式24)がそれぞれ、以下の式に置き換えられる。
Rcor_L=R_L+K*ΔR_L ・・・(式18b)
Bcor_L=B_L+K*ΔB_L ・・・(式20b)
Rcor_R=R_R+K*ΔR_R ・・・(式22b)
Bcor_R=B_R+K*ΔB_R ・・・(式24b)
以上説明した第2実施例によれば、倍率色収差の発生方向とエッジ検出により検出されたエッジの方向との一致度に応じて色ずれ補正の効果が制御される。これにより、元々色がついている被写体に対して色ずれ補正を行うことによる色抜けの弊害を抑制することができる。
<色ずれ補正処理の第3実施例>
第3実施例では、ユーザインタフェースである操作部115からのユーザ入力により補正効果が制御される。ここで、操作部115を介してユーザにより入力された色ずれ補正の効果を調整するパラメータを、係数Eとする。係数Eは、暫定補正量に対する調整量に対応し、0~1の間の値をとりうる。
色ずれ補正の方法の大部分は第1実施例と同様であるが、図5のフローチャートにおけるS507の色ずれ補正の条件式5~8がそれぞれ、係数Eを用いて以下の式に置き換えられる。
Cr_L*(Cr_L+E*ΔR_L)<0・・・(条件式5c)
Cb_L*(Cb_L+E*ΔB_L)<0・・・(条件式6c)
Cr_R*(Cr_R+E*ΔR_R)<0・・・(条件式7c)
Cb_R*(Cb_R+E*ΔB_R)<0・・・(条件式8c)
また、第1実施例のS507の色ずれ補正による補正後のR,B信号値の算出式(式18、式20、式22、式24)がそれぞれ、係数Eを用いて以下の式に置き換えられる。
Rcor_L=R_L+E*ΔR_L ・・・(式18c)
Bcor_L=B_L+E*ΔB_L ・・・(式20c)
Rcor_R=R_R+E*ΔR_R ・・・(式22c)
Bcor_R=B_R+E*ΔB_R ・・・(式24c)
以上説明したそれぞれの実施例によれば、レンズ装着時の左右の光学系それぞれの片ボケに起因する左右の画像の色ずれの差異が低減され、VRゴーグル等での鑑賞時にエッジ部のちらつきが少ない、高品質な立体映像を得ることが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:撮像装置、110:カメラ本体、111:撮像素子、113:画像処理部、117:本体システム制御部、120:レンズ、121:レンズシステム制御部、200L:左眼光学系、200R:右眼光学系

Claims (11)

  1. 視差画像を構成する第1画像および第2画像を処理する画像処理装置であって、
    前記第1画像の着目領域における第1色信号の色差である第1色差と、前記視差画像の視差量に応じた前記着目領域に対応する前記第2画像の対応領域における第2色信号の色差である第2色差とを算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記第1色差と前記第2色差との比較に基づいて、色信号に関する補正量を決定する決定手段と、
    前記決定手段により決定された前記補正量に基づいて前記第1色信号または前記第2色信号を補正する補正手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記着目領域におけるエッジ検出を行うエッジ検出手段を更に有し、
    前記エッジ検出の結果に基づいて前記着目領域がエッジ領域であると判定された場合に、前記算出手段、前記決定手段、および前記補正手段による各処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記決定手段は、前記第1色差と前記第2色差のうち絶対値が小さい方の色差に合わせるように前記補正量を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記補正手段は、前記決定手段により決定された前記補正量で前記第1色信号または前記第2色信号を補正すると該補正の前後で色差の符号が反転する場合には、該色差が0になるように前記補正量を調整し、該調整された補正量で前記第1色信号または前記第2色信号を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記補正手段は、倍率色収差の発生方向として予め定められた方向と、前記エッジ検出手段により検出されたエッジの方向との一致度に応じて、前記補正量を調整し、該調整された補正量で前記第1色信号または前記第2色信号を補正することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 前記補正手段は、ユーザインタフェースを介して入力された調整量で前記補正量を調整し、該調整された補正量で前記第1色信号または前記第2色信号を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 視差画像を構成する第1画像および第2画像を処理する画像処理方法であって、
    前記第1画像の着目領域における第1色信号の色差である第1色差と、前記視差画像の視差量に応じた前記着目領域に対応する前記第2画像の対応領域における第2色信号の色差である第2色差とを算出する算出ステップと、
    前記算出ステップで算出された前記第1色差と前記第2色差との比較に基づいて、色信号に関する補正量を決定する決定ステップと、
    前記決定ステップで決定された前記補正量に基づいて前記第1色信号または前記第2色信号を補正する補正ステップと、
    とを有することを特徴とする画像処理方法。
  8. 撮像素子と、
    前記撮像素子で得られた画像に対して画像処理を行う請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
    を有することを特徴とする撮像装置。
  9. 前記撮像素子には、第1撮影レンズを介して結像される前記第1画像と、第2撮影レンズを介して結像される前記第2画像とが並んで結像されることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  10. コンピュータを、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置が有する各手段として機能させるためのプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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