JP7300882B2 - 舟体および集電舟装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の摺り板素子からなる摺り板を支持するための舟体、および、該舟体を備える集電舟装置に関する。
鉄道車両の屋根の上方には集電舟を備えたパンタグラフ装置を支持し、架線から電力を取り入れるようにしている。すなわち、パンタグラフ装置により、集電舟の上面に支持した、導電材製の摺り板を架線の下縁に向け弾性的に押し付け、この架線から車両に電気を取り入れるようにしている。
新幹線などの高速車両では、摺り板が架線から離れる(離線する)ことによって、アークが発生するのを防止するため、車両の幅方向に分割され、かつ、幅方向に並んで配置された複数個の摺り板素子からなる、多分割式の摺り板を備える集電舟装置が使用されている。このような集電舟装置は、例えば特開2006-67710号公報に記載されているように、幅方向に並んで配置された複数個の摺り板素子(すり板)と、上面に開口する収容凹部を有する舟体(舟体枠)と、摺り板素子の下面と収容凹部の底面との間に配置された複数個の圧縮コイルばね(微動バネ機構)とを備える。多分割式の摺り板を備える集電舟装置によれば、架線に対する追従性を良好にすることができて、アークの発生を防止することができる。
特開2006-67710号公報
上述のように、集電舟装置は、車両の幅方向に長い略柱状の部材である。したがって、車両が高速で走行すると、集電舟装置の後方に発生するカルマン渦に基づいて、エオルス音(風切り音)と呼ばれる騒音(空力音)が発生する。特に、特開2006-67710号公報に記載の集電舟装置では、舟体として、進行方向両側面が互いに平行な平坦面であって、上部が開口した断面矩形状のものを使用しているため、集電舟装置からの騒音が大きくなりやすい。このような騒音は、舟体として、略流線形の断面形状を有するものを使用することにより低減することができる。
しかしながら、略流線形の断面形状を有する舟体は、下面が、進行方向中央部が最も下方に突出した凸曲面により構成されているため、揚力を十分に得ることができず、架線に対する摺り板の上面の押し付け力が不足してしまう可能性があることが、本発明者らの研究によりわかった。これに対して、本発明者等は、多くの実験やシミュレーションを繰り返した結果、下面を、なびき方向前側から後側に向かうにしたがって、下方に向かう方向に傾斜する傾斜面とすることにより、車両がなびき方向に走行する際に、舟体に作用する揚力を十分大きくすることができるとの知見を得た。しかしながら、このような構造では、車両が反なびき方向に走行する際に、舟体に作用する揚力を十分確保することができないと言った問題を生じることもわかった。ここで、なびき方向とは、シングルアーム型のパンタグラフ枠を構成するヒンジ部が、車両の進行方向前側を向く方向をいい、反なびき方向とは、前記ヒンジ部が、車両の進行方向後側を向く方向をいう。
本発明は、上述のような事情を鑑み、舟体に作用する揚力を、車両のなびき方向の走行時と、反なびき方向の走行時とで互いに独立に調整することができる、舟体および集電舟装置の構造を実現することを目的としている。
本発明者等は、上記の課題を解決するために多くの実験やシミュレーションを行った結果、反なびき方向の走行時に前側を向く面を、平坦面により構成することで、なびき方向の走行時に前側を向く面および下面の形状にかかわらず、舟体に作用する揚力を、車両のなびき方向の走行時と、反なびき方向の走行時とで互いに独立に調整することができるとの知見を得た。本発明は、この知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の舟体は、
上面に開口する収容凹部と、
進行方向片側面に形成された、凸曲面部と、
進行方向他側面に形成された、平坦面部と、
を備える。なお、凸曲面部は、円弧や部分楕円、放物線などの曲線状、または、複数の曲線や直線を滑らかに連続させてなる複合曲線状の断面形状を有する。
本発明の舟体は、下面のうち、少なくとも進行方向他側部分に、進行方向他側に向かうほど、下方に向かう方向に傾斜した傾斜面部をさらに備えることができる。
あるいは、本発明の舟体は、下面を、屋根面と平行な平坦面により構成することもできる。
前記平坦面部は、鉛直面に対し傾斜することができる。この場合、前記平坦面部は、上方に向かうほど進行方向他側に向かう方向に傾斜することが好ましい。
本発明の集電舟装置は、舟体と、摺り板支持機構と、摺り板とを備える。
前記舟体は、上面に開口する収容凹部を有する。
前記摺り板支持機構は、前記収容凹部の内側に収容された状態で、前記舟体に対し支持固定された固定フレーム、および、前記固定フレームの幅方向複数箇所に、該固定フレームに対する上下方向の変位を可能に支持された複数個の可動ガイドを有する。
前記摺り板は、前記可動ガイドのそれぞれの上面に1個ずつ支持固定された、複数個の摺り板素子を有する。なお、前記可動ガイドの上面と、前記摺り板素子の下面との間に、通電板や撓み板、風切板などを挟持することもできる。
特に、本発明の集電舟装置では、前記舟体を、上述のような本発明の舟体とする。
本発明の集電舟装置においては、前記舟体と前記固定フレームとに、該舟体と該固定フレームとを進行方向に貫通するように通気路を形成することが好ましい。
上述のような本発明の舟体および集電舟装置によれば、舟体に作用する揚力を、車両のなびき方向の走行時と、反なびき方向の走行時とで互いに独立に調整することができる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例に係る集電舟装置を示す、模式図である。 図2(A)は、本発明の実施の形態の第1例に係る集電舟装置を構成する舟体を取り出して、上方から見た平面図であり、図2(B)は、図2(A)の下方から見た進行方向側面図である。 図3は、図1のA-A断面図である。 図4は、図1のB-B断面図である。 図5は、本発明の実施の形態の第1例に係る集電舟装置を構成する摺り板支持機構と摺り板とを取り出して示す、部分切断側面図である。 図6は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図4と同様の図である。
[実施の形態の第1例]
図1~図5は、本発明の実施の形態の第1例を示している。なお、本例を含めて、本発明の舟体および集電舟装置の特徴は、車両の走行中の騒音(空力音)を低減しつつ、揚力の変動を抑えることができる構造にある。
本例の集電舟装置は、幅方向に並んで配置された複数個の摺り板素子1a、1bからなる摺り板2を、舟体3の収容凹部4の内側に支持された摺り板支持機構5を介して、舟体3に上下方向に関する変位を可能に支持してなる。
舟体3は、アルミニウム合金などの金属製の素材を削り出し加工するか、あるいは、ダイキャスト成形することにより、全体を一体に造られており、幅方向(図1および図2の左右方向)に関して対称な略船形の形状を有する。すなわち、舟体3は、幅方向中央部に配置され、かつ、略コ字形の断面形状を有する舟体中央部6と、幅方向両側の端部に配置され、かつ、上下方向から見て略台形状の平面形状を有するとともに、進行方向から見て略台形状の側面形状を有する、1対の舟体端部7とからなる。
本例の舟体3は、上面に開口する収容凹部4と、進行方向片側面(図2(A)の上側面、図3および図4の右側面)に形成された、凸曲面部8と、進行方向他側面(図2(A)の下側面、図3および図4の左側面)に形成された、平坦面部9とを備える。
凸曲面部8は、略半円形の断面形状を有する。本例では、凸曲面部8は、舟体中央部6の進行方向片側面に形成され、幅方向に関して断面形状が変化しない(断面形状の曲率半径が一定の)中央凸曲面部10と、舟体端部7のそれぞれの進行方向片側面に形成され、幅方向外側に向かうほど断面形状の曲率半径が小さくなる外側凸曲面部11とからなる。
平坦面部9は、舟体中央部6の進行方向他側面に形成された中央平坦面部12と、舟体端部7のそれぞれの進行方向他側面に形成された外側平坦面部13とからなる。中央平坦面部12は、(車両の屋根面に直交する)鉛直面により構成されている。外側平坦面部13のそれぞれは、幅方向外側に向かうほど進行方向片側に向かう方向に傾斜した鉛直面により構成されている。
さらに、本例では、舟体中央部6の下面に、進行方向片側から順に、片側傾斜面部14と、接続面部15と、傾斜面部16とを備える。片側傾斜面部14は、舟体中央部6の下面のうち、進行方向片側部分に配置され、進行方向他側に向かうほど下方に向かう方向に傾斜している。片側傾斜面部14の進行方向片端縁は、中央凸曲面部10の下端縁と滑らかに連続している。傾斜面部16は、舟体中央部6の下面のうち、進行方向他側部分に配置され、進行方向他側に向かうほど下方に向かう方向に傾斜している。接続面部15は、(車両の屋根面と平行な)水平面により構成されており、片側傾斜面部14の進行方向後端縁と傾斜面部16の進行方向前端縁を接続する。
なお、本例の舟体3では、舟体中央部6の進行方向両側に配置された側壁部17のうち、幅方向に関して互いに整合する複数箇所に、それぞれの部分を進行方向に貫通する通孔18aを形成している。通孔18aのそれぞれは、長円形の開口形状を有する。
舟体3は、上枠と下枠とをヒンジ部を介して略く字形に接続してなる、シングルアーム型のパンタグラフ枠(図示省略)の上端部に、長辺を幅方向に向けた状態で支持される。なお、舟体3は、パンタグラフ枠の起倒にかかわらず、舟体3の上面を車両の屋根面と平行とすることができるように、従来から鉄道車両用のパンタグラフ装置の技術分野で広く知られているような、図示しないリンク機構を介して、パンタグラフ枠の上端部に、幅方向に配置された枢軸を中心とする揺動を可能に支持される。
摺り板支持機構5は、固定フレーム19と複数個の可動ガイド20とを、複数個の圧縮コイルばね21を介して組み合わせてなる。
固定フレーム19は、アルミニウム合金などの金属製の素材を削り出し加工することにより、幅方向に伸長する略矩形柱状に形成されている。固定フレーム19は、幅方向の複数箇所で、かつ、進行方向2箇所位置にそれぞれ、上面に開口する凹部22を有する。固定フレーム19は、舟体3の収容凹部4の内側に配置された状態で、舟体3に対し支持固定されている。さらに、固定フレーム19は、収容凹部4の内側に支持固定された状態で、舟体中央部6の側壁部17のそれぞれに形成された通孔18aと整合する部分であって、後述する可動ガイド20が配置された部分から幅方向に外れた部分に、固定フレーム19を進行方向に貫通する通孔18bをそれぞれ有する。なお、通孔18bは、通孔18aの開口形状と同一である、長円形の開口形状を有する。
本例の集電舟装置では、舟体中央部6の側壁部17のそれぞれと、固定フレーム19とにそれぞれ形成された通孔18a、18bにより、舟体3を進行方向に貫通する(舟体3の進行方向片側面と他側面とを連通する)通気路23を構成している。
可動ガイド20は、金属板を曲げ成形してなるもので、進行方向に関する幅寸法を、固定フレーム19の進行方向に関する幅寸法よりも僅かに大きくするとともに、上下方向寸法を、固定フレーム19の上下方向寸法よりも大きくしている。このような可動ガイド20を、固定フレーム19のうち、幅方向に関して凹部22と整合する部分の周囲に配置するとともに、凹部22の底部と可動ガイド20の上板部との間に圧縮コイルばね21を弾性的に圧縮した状態で挟持している。これにより、可動ガイド20を固定フレーム19に対して、上下方向の変位を可能に支持するとともに、可動ガイド20に上向きの弾力を付与している。
なお、可動ガイド20のうち、幅方向両端に配置された可動ガイドは、進行方向両側に配置された側板部から幅方向に延出した延出部を備え、該延出部を、固定フレーム19の進行方向両側面に、進行方向に配置した枢軸を中心とする揺動変位を可能に支持している。すなわち、幅方向両端に配置された可動ガイドは、前記枢軸を中心に揺動することにより、上下方向に変位する。
摺り板2は、幅方向に分割されてこの幅方向に並んで(直列に)配置された複数個の摺り板素子1a、1bからなる。摺り板素子1a、1bの幅方向端縁(幅方向両端を除く中間部に配置された摺り板素子1aの幅方向両端縁、および幅方向両端に配置された摺り板素子1bの幅方向内端縁)は、車両の進行方向に対し傾斜し、かつ、微小隙間を介して近接対向している。このため、幅方向中間部に配置された摺り板素子1aは、上下方向から見て略平行四辺形の平面形状を有する。
摺り板素子1a、1bは、摺り板支持機構5の可動ガイド20の上面に1個ずつ支持固定されている。すなわち、摺り板素子1a、1bの下面を、可動ガイド20の上面に重ね合わせた状態で、可動ガイド20の上板部24の下から挿通したボルト25を、摺り板素子1a、1bに形成されたねじ孔26に螺合し、さらに締め付けることにより、摺り板素子1a、1bを可動ガイド20に支持固定している。
なお、摺り板素子1a、1bの下面と可動ガイド20の上面との間に、通電板や撓み板、風切板を挟持することもできる。通電板は、銅などの導電性を有する金属製で、架線から取り入れた電力の通電経路を確保するためのものである。また、撓み板は、ステンレス鋼板等の弾性を有する金属板(板ばね)製で、可動ガイド20が上下方向に変位することに対して適度な抵抗を付与する。風切板は、鋼板などの十分な剛性を有する金属板を、略コ字形に曲げ成形してなるもので、舟体3の収容凹部4内に雪などの異物が侵入するのを防止するとともに、摺り板2の下面と側壁部17の上面との間の開口部を小さくして、車両走行時における騒音を抑える。
なお、複数個の摺り板素子1a、1bの上面は、車両が水平面に位置し、かつ、何れの摺り板素子1a、1bも架線に摺接していない状態で、同一水平面上に存在する。
車両の通常走行時には、架線は、摺り板2を構成する摺り板素子1a、1bのうち、幅方向中間部に配置された摺り板素子1a、特に幅方向中央付近に位置する摺り板素子1aの上面と擦れ合う(摺り板素子1aの上面に押し付けられる)。一方、ポイント通過時などの低速走行時には、幅方向両端に配置された摺り板素子1bの上面と架線とが擦れ合う場合もある(架線が摺り板素子1bの上面に押し付けられる場合もある)。何れにしても、車両の走行時に、車両の屋根面に対する架線の上下位置が変化すると、この架線と擦れ合う摺り板素子1a、1b、およびこれら摺り板素子1a、1bを支持する可動ガイド20が、固定フレーム19と可動ガイド20との間に配置された弾性部材である圧縮コイルばね21の弾力に基づいて上昇したり、あるいは、この弾性部材の弾力に抗して下降したりする。これにより、摺り板素子1a、1bを、架線に追従させる。
本例の集電舟装置を車両に組み込む場合、1編成当たり、少なくとも2台の集電舟装置を、凸曲面部8を互いに逆方向に向けた状態で、車両の屋根に、それぞれのヒンジ部が、凸曲面部8と同じ方向を向いたシングルアーム型のパンタグラフ枠を介して支持する。そして、通常走行(なびき方向の走行)時には、少なくとも2台の集電舟装置のうち、ヒンジ部が、その時の車両の進行方向に関する前側を向いたパンタグラフ枠を上昇させることにより、進行方向前側面に、凸曲面部8が存在する集電舟装置を上昇させ、摺り板2を架線に押し付け、架線から車両に電気を取り入れる。ただし、何らかの故障が発生した緊急時には、通常走行時とは逆に、平坦面部9が、進行方向前側を向くようにして、(反なびき方向に)走行することもできる。
本例によれば、車両の走行中の騒音を低減しつつ、舟体3に作用する揚力を、車両のなびき方向の走行する時と、反なびき方向の走行時とで互いに独立に調整することができる。
すなわち、本例の舟体3は、下面のうちの進行方向他側部分に、進行方向他側に向かうほど下方に向かう方向に傾斜した傾斜面部16を有している。このため、車両のなびき方向の走行時に、凸曲面部8が形成された進行方向片側面が、進行方向前側を向くようにして走行した場合でも、舟体3に作用する揚力を十分確保して、架線に対する摺り板2の上面の押し付け力を適切な大きさとすることができる。ここで、接続面部15に対する傾斜面部16の傾斜角度θを大きくするほど、舟体3に作用する揚力が大きくなる。ただし、舟体3に作用する揚力が過度に大きくなると、架線に対する摺り板2の上面の押し付け力が大きくなりすぎて、架線を過大に押し上げ、この架線を吊り下げるための金具(ハンガ)が外れてしまう可能性がある。そこで、接続面部15に対する傾斜面部16の傾斜角度θは、架線から安定して電気を取り入れることができる程度の揚力を得られるように、架線の材質および張力などの条件を考慮して、実験や計算(シミュレーションを含む)により求める。本例では、傾斜角度θを、具体的には、、0度よりも大きく、20度以下とすることが好ましく、図示の例では、約5度としている。ただし、適切な傾斜角度θは、舟体の形状やパンタグラフ全体の揚力特性によっても異なるため、0度以下としたり、20度よりも大きくしたりすることもできる。
また、本例の舟体3は、反なびき方向の走行時に、進行方向前側を向く進行方向他側面に、平坦面部9を有している。このため、車両の反なびき方向の走行時に、舟体3に作用する揚力を、舟体の進行方向他側面にも凸曲面部を形成した構造と比較して、大きくすることができる。この結果、反なびき方向の走行時にも、架線に対する摺り板2の上面の押し付け力を適切な大きさに確保しやすくすることができる。
上述のように、本例によれば、舟体3に作用する揚力を、該舟体3の進行方向両側面の形状をそれぞれ調整することにより、車両の進行方向ごとに独立して調整することができる。なお、平坦面部9が進行方向前側を向く、反なびき方向の走行時には、何らかの故障が発生している状態であるから、車両は、通常時ほど、速い速度で高速走行することはない。
また、本例の集電舟装置では、固定フレーム19と可動ガイド20とを有する摺り板支持機構5により、摺り板2を構成する摺り板素子1a、1bを、上下方向に関する変位を可能に支持している。そして、舟体中央部6の側壁部17のそれぞれと、固定フレーム19との互いに整合する部分にそれぞれ形成された通孔18a、18bにより、舟体3の進行方向片側面と他側面とを連通する通気路23を構成している。このため、車両走行時の空気抵抗を軽減することができて、車両走行中の騒音を低減することができる。
なお、本例では、凸曲面部8(中央凸曲面部10および1対の外側凸曲面部11)を、断面円弧形の凸曲面により構成しているが、本発明を実施する場合、車両の反なびき方向の走行時に、進行方向前側を向く片側面に備えられる凸曲面部の形状は、集電舟装置の後方でのカルマン渦の発生を抑えて、車両の走行中の騒音を低減することができる限り、特に限定されない。具体的には、凸曲面部を、部分楕円形や放物線形の断面形状を有する凸曲面、あるいは、複数の曲線や直線を滑らかに連続してなる複合曲面により構成することもできる。
また、本例の舟体3は、下面のうちの進行方向他側部分に、進行方向他側に向かうほど下方に向かう方向に傾斜した傾斜面部16を有しているが、本発明を実施する場合、舟体の下面は、屋根面と平行な平坦面により構成する、換言すれば、接続面部15に対する傾斜面部16の傾斜角度θを0度以下にすることもできる。舟体の下面を、屋根面と平行な平坦面により構成した場合、下面が、進行方向中央部が最も下方に突出した突曲面により構成されている構造と比較して、舟体に作用する揚力を低い値に調整することができる。また、θを0度よりも小さくした場合は、舟体の下面は、進行方向中央部が最も突出しているため、舟体には、負の揚力が生じることになる。パンタグラフの特性によっては舟体以外の部分で生じる揚力が過大な場合があるため、その際には、舟体の揚力を負の値とすることで、パンタグラフ全体としての揚力を適正な値に調整することが可能である。
本例では、舟体3は、全体を一体に造られているが、本発明の舟体は、複数の部材を組み合わせて構成することもできる。具体的には、例えば、収容凹部を有する舟体本体に、他の部材であるアタッチメントを取り付けることで、凸曲面部や平坦面部、傾斜面部を設けることができる。なお、アタッチメントは、舟体本体と同じ材料により構成することもできるし、異なる材料により構成することもできる。また、進行方向片側面に形成された凸曲面部と、進行方向他側面に形成された平坦面部とは、強化繊維プラスチック(FRP)など、耐アーク性を有する材料により構成することが好ましい。
[実施の形態の第2例]
図6は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の舟体3aでは、車両の通常走行時に進行方向後側を向く進行方向他側面に形成された、平坦面部9aが、(車両の屋根面に直交する)鉛直面αに対し傾斜している。なお、図示の例では、平坦面部9aは、上方に向かうほど進行方向他側に向かう方向に傾斜しているが、平坦面部9aを、上方に向かうほど進行方向片側に向かう方向に傾斜させることもできる。
本例の舟体3aでは、平坦面部9aを、鉛直面αに対し傾斜させている。このため、反なびき方向の走行時に、舟体3に作用する揚力を、実施の形態の第1例に係る舟体3の場合よりも大きくすることができる。
なお、本例では、平坦面部9aは、上方に向かうほど進行方向他側に向かう方向に傾斜しているが、上方に向かうほど進行方向片側に向かう方向に傾斜させることもできる。この場合の鉛直面αに対する傾斜角度は、反なびき方向の走行時に、舟体3aに作用させるべき揚力の大きさに応じて、適宜調整することができる。ここで、鉛直面αに対する平坦面部9aの傾斜角度φを正の方向に大きくするほど、反なびき方向の走行時に舟体3aに作用する揚力は大きくなる。傾斜角度φの正負は、平坦面部9aが鉛直面αに対して、上方に向かうほど進行方向他側に向かう方向に傾斜している場合を正とし、上方に向かうほど進行方向片側に向かう方向に傾斜している場合を負とする。反なびき走行時に、舟体3aに作用する揚力が過度に大きくなると、架線に対する摺り板2の上面の押し付け力が大きくなりすぎて、架線を過大に押し上げ、この架線を吊り下げるための金具(ハンガ)が外れてしまう可能性がある。そこで、鉛直面αに対する平坦面部9aの傾斜角度φは、架線から安定して電気を取り入れることができる程度の揚力を得られるように、架線の材質および張力などの条件を考慮して、実験や計算(シミュレーションを含む)により求める。本例では、具体的には、傾斜角度φは、±20度以内にすることが好ましい。ただし、傾斜角度φは、±20度以内に限らず、-20度よりも小さくすることもできるし、20度よりも大きくすることもできる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
1a、1b 摺り板素子
2 摺り板
3、3a 舟体
4 収容凹部
5 摺り板支持機構
6 舟体中央部
7 舟体端部
8 凸曲面部
9、9a 平坦面部
10 中央凸曲面部
11 外側凸曲面部
12 中央平坦面部
13 外側平坦面部
14 片側傾斜面部
15 接続面部
16 傾斜面部
17 側壁部
18a、18b 通孔
19 固定フレーム
20 可動ガイド
21 圧縮コイルばね
22 凹部
23 通気路
24 上板部
25 ボルト
26 ねじ孔

Claims (6)

  1. 上面に開口する収容凹部と、
    進行方向片側面に形成された、凸曲面部と、
    進行方向他側面に形成された、平坦面部とを備え
    下面のうち、少なくとも進行方向他側部分に、進行方向他側に向かうほど、下方に向かう方向に傾斜した傾斜面部をさらに備える、
    舟体。
  2. 前記平坦面部が、鉛直面に対し傾斜している、
    請求項1に記載の舟体。
  3. 上面に開口する収容凹部と、
    進行方向片側面に形成された、凸曲面部と、
    進行方向他側面に形成された、平坦面部とを備え
    前記平坦面部が、鉛直面に対し傾斜している、
    舟体。
  4. 前記平坦面部が、上方に向かうほど進行方向他側に向かう方向に傾斜している、
    請求項2または3に記載の舟体。
  5. 上面に開口する収容凹部を有する舟体と、
    前記収容凹部の内側に収容された状態で、前記舟体に対し支持固定された固定フレーム、および、前記固定フレームの幅方向複数箇所に、該固定フレームに対する上下方向の変位を可能に支持された複数個の可動ガイドを有する摺り板支持機構と、
    前記可動ガイドのそれぞれの上面に1個ずつ支持固定された、複数個の摺り板素子を有する摺り板とを備え、
    前記舟体が、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載の舟体である、集電舟装置。
  6. 前記舟体と前記固定フレームとに、該舟体と該固定フレームとを進行方向に貫通するように通気路が形成されている、請求項5に記載の集電舟装置。
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