JP7299739B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記手法1における課題を解決することを目的とする。前述したように、フッ素系のクリーニングガスをシャワープレート側から導入する場合には、シャワープレートの上面[基板支持部と対向する面(下面)の反対側の面]もクリーニングガスに含まれるフッ素ラジカルに曝されることになる。シャワープレートの表面(上面や下面)にはアルミニウム合金あるいはそれを陽極酸化した皮膜が形成されているが、フッ素ラジカルによりフッ化アルミニウムの生成反応が起こり、これがパーティクルとなってしまう問題がある。
プラズマ処理装置であって、
チャンバと、ガス導入口を有する電極フランジと、前記チャンバ及び前記電極フランジによって挟まれた絶縁フランジとから構成され、成膜空間(反応室)を有する処理室と、 前記成膜空間内に収容され、処理面を有する基板が載置され、前記基板の温度を制御する支持部と、
前記成膜空間内に収容され、前記処理面に対向するように配置され、前記基板に向けてプロセスガスを供給する複数の小孔を有するシャワープレートと、
前記シャワープレートと前記支持部との間に電圧を印加し、前記プロセスガスのプラズマを生成する電圧印加部と、前記電極フランジと前記シャワープレートとの間に設けられた空間内へ活性化(ラジカル化)されたクリーニングガスを導入するクリーニングガス供給手段と、
を含み、
前記クリーニングガス供給手段は、
前記活性化されたクリーニングガスを製造する発生部と、前記発生部において製造されたクリーニングガスが前記空間と接する前記シャワープレートの上面に沿って該空間内を流れる位置に、前記クリーニングガスの吐出部と、前記発生部と前記吐出部との間に、前記活性化されたクリーニングガスの流速を抑制する減速部と、を備え
前記減速部は、前記活性化されたクリーニングガスの温度を低下させるための冷却部を備えた、
ことを特徴とする。
プラズマ処理装置であって、
チャンバと、ガス導入口を有する電極フランジと、前記チャンバ及び前記電極フランジによって挟まれた絶縁フランジとから構成され、成膜空間(反応室)を有する処理室と、 前記成膜空間内に収容され、処理面を有する基板が載置され、前記基板の温度を制御する支持部と、
前記成膜空間内に収容され、前記処理面に対向するように配置され、前記基板に向けてプロセスガスを供給する複数の小孔を有するシャワープレートと、
前記シャワープレートと前記支持部との間に電圧を印加し、前記プロセスガスのプラズマを生成する電圧印加部と、
前記電極フランジと前記シャワープレートとの間に設けられた空間内へ活性化(ラジカル化)されたクリーニングガスを導入するクリーニングガス供給手段と、
を含み、
前記クリーニングガス供給手段は、前記活性化されたクリーニングガスを製造する発生部と、前記発生部において製造されたクリーニングガスが前記空間と接する前記シャワープレートの上面に吹き付ける方向へ該空間内を流れる位置に、前記クリーニングガスの吐出部を有し、かつ、
前記クリーニングガス供給手段は、前記発生部と前記吐出部との間に、前記活性化されたクリーニングガスの流速を抑制する減速部を備え、
前記減速部は、前記活性化されたクリーニングガスの温度を低下させるための冷却部を備えたことを特徴とする。
これにより、活性化されたクリーニングガスが、電極フランジとシャワープレートとの間に設けられた空間内へ供給された際に、クリーニングガスは、シャワープレートの上面に沿って進行する。すなわち、クリーニングガスは、シャワープレートの上面に水平方向から導入される。
そのため、クリーニングガスは、シャワープレートの上面を撫でるように、シャワープレートの表面に対して柔らかな接触を保ちながら、シャワープレートの上面に沿って通過あるいは拡散する。
ゆえに、クリーニング時の電極内部に対する活性化されたクリーニングガスによるダメージが軽減するので、電極内部の部材が活性化されたクリーニングガスと反応することで発生するパーティクルを低減させることが可能となる。
また、処理室の成膜空間である反応室内部をクリーニングする際に、シャワープレートの上方からシャワープレートの上面に対してクリーニングガスを均一に反応室内部へ導入することによって、効率的にかつ均一に、反応室内部、および、シャワープレートの下面に着膜した堆積物をクリーニングすることが可能となる。
また、反応室や、シャワープレートの下面を均一にクリーニングを行うことにより、これらの部材がオーバークリーニングされる虞がなくなるので、過度のフッ素ラジカルとの反応から生じるパーティクルの発生を抑制することが可能になる。
よって、このクリーニングによれば、シャワープレートの上面(表面)におけるパーティクル発生が減少するので、シャワープレートの上面(表面)から下面(裏面)に向けて貫通する、複数の小孔の内側面に対しても均一なクリーニング効果も期待できる。
そのため、クリーニングガスは、シャワープレートの上面に衝突する衝撃力が弱まり、シャワープレートの表面に対して柔らかな接触を保ちながら、シャワープレートの上面に沿って通過あるいは拡散する。
つまり、減速部は、活性化されたクリーニングガスがその運動エネルギーを低減させたのち電極内部に導入されるように機能するので、電極内部の部材が活性化されたクリーニングガスと反応することで発生するパーティクルを低減させることが可能となる。
したがって、クリーニングガスがシャワープレートを通して導入される手法に際して、
クリーニングガスと反応して発生するパーティクルを抑制できる、プラズマ処理装置(図8)をもたらす。
よって、本発明(図8のプラズマ処理装置)は、シャワープレートの上面(表面)におけるパーティクル発生が減少するので、シャワープレートの上面(表面)から下面(裏面)に向けて貫通する、複数の小孔の内側面に対しても均一なクリーニング効果も期待できる。
後述するとおり、実施形態1~6は何れも、クリーニングガスを水平導入するタイプ(クリーニングガスがシャワープレートの上面に沿って流れる位置に、クリーニングガスの吐出部を備えたタイプ)である。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。実施形態1~6においては、プラズマ処理装置としてプラズマCVD法を用いた成膜装置を説明する。
図1は、本実施形態におけるプラズマ処理装置A1(1)の一構成例を示す概略断面図である。
図1に示すように、プラズマ処理装置A1は、反応室である成膜空間2aを有する処理室101を含む。処理室101は、真空チャンバ2と、電極フランジ4と、絶縁フランジ81とを含む。絶縁フランジ81は、真空チャンバ2及び電極フランジ4に挟まれている。
また、電極フランジ4は、シャワープレート5と対向する上壁41を有する。上壁41には、成膜やエッチングに使用されるプロセスガスのガス導入口42が設けられている。
また、処理室101の外部に設けられたプロセスガス供給部21とガス導入口42との間には、ガス導入管7が設けられている。ガス導入管7の一端は、ガス導入口42に接続され、他端は、プロセスガス供給部21に接続されている。ガス導入管7を通じて、プロセスガス供給部21から空間24にプロセスガスが供給される。即ち、空間24は、プロセスガスが導入されるガス導入空間として機能する。
また、処理室101の外部に設けられたクリーニングガス供給部22とガス導入口44との間には、ガス導入管8が設けられている。クリーニングガス供給部22としては、たとえば、「クリーニングガスがNF3ガスの場合はNF3ガスが充填されたボンベ」が用いられる。また、ガス導入管8とクリーニングガス22と表示した「クリーニングガスの供給部」との間には、ラジカル源23と表示した「供給部から供給されるクリーニングガスから活性化されたクリーニングガスを製造する発生部」が配置されている。
これにより、活性化されたクリーニングガスは、ガス導入管8Aの吐出部8aを通じて空間24に導入される。これにより、活性化されたクリーニングガスは、ガス導入管8Aの吐出部8aを通じて空間24に導入される。すなわち、空間24は、活性化されたクリーニングガスが導入されるガス導入空間としても機能する。
支持部15は、表面が平坦に形成された板状の部材である。支持部15の上面には、基板10が載置される。支持部15は、接地電極、つまりアノード電極72として機能する。このため、支持部15は、導電性を有する、たとえば、アルミニウム合金で形成されている。基板10が支持部15上に配置されると、基板10とシャワープレート5とは互いに近接して平行に位置される。より具体的には、基板10の処理面10aとシャワープレート5の下面との間の距離(ギャップ)G1は、15mm以上40mm以下のナローギャップに設定されている。
また、支持部15の内部には加熱手段(たとえばヒータ線)16が設けられている。加熱手段16によって支持部15の温度が所定の温度に調整される。加熱手段16は、支持部15の鉛直方向から見た支持部15の略中央部の裏面17から突出されている。加熱手段16は、支持部15の略中央部に形成された貫通孔18及び支柱25の内部に挿通され、真空チャンバ2の外部へと導かれている。
更に、支持部15の外周縁には、支持部15と真空チャンバ2との間を接続するように複数のアース30が略等間隔で配設されている。アース30は、たとえば、アルミ合金などで構成されている。
プラズマ処理装置A1において、クリーニングガス供給手段KA1は、クリーンニングガス22と表示した「クリーニングガスの供給部(たとえば、クリーニングガスがNF 3 ガスの場合はNF3ガスが充填されたボンベ)」と、ラジカル源23と表示した「供給部から供給されるクリーニングガスから活性化されたクリーニングガスを製造する発生部」と、ガス導入管8A(8)とから構成されている。これにより、活性化されたクリーニングガスは、ガス導入管8Aの吐出部8aを通じて空間24に導入される。
ここで、クリーニングガスとしては、たとえば、NF3ガスの他に、C2F6ガス、CF4ガス、SF6ガスなどが挙げられる。中でも、クリーニング効率が良いことから、本発明ではNF3ガスが好適に用いられる。
ゆえに、本発明(実施形態1のプラズマ処理装置A1)によれば、従来(図12に示す構成のプラズマ処理装置C)のように、クリーニングガスがシャワープレートの上面に衝突する現象を回避できるので、ラジカルがシャワープレートの表面(上面)と反応してパーティクルが発生する現象を著しく抑制できることが分かった。
図2は、実施形態2(プラズマ処理装置A2)を示す概略構成図である。
プラズマ処理装置A2は、ガス導入管8Aが減速部(クランク)TA1を有する点のみ、プラズマ処理装置A1と異なっている。他の点は、プラズマ処理装置A1と同一である。
すなわち、プラズマ処理装置A2では、クリーニングガス供給手段KA2(K)が、発生部(ラジカル源23)と吐出部8aとの間に、活性化されたクリーニングガスの流速を抑制する減速部TA1を備えている。
本発明の減速部TA1としては、上記のクランク形状の他に、らせん形状、S字形状などが挙げられ、「活性化(ラジカル化)されたクリーニングガス」に対して減速効果が期待できる形状であれば、クランク形状に限定されない。
図3は、実施形態3(プラズマ処理装置A3)を示す概略構成図である。
プラズマ処理装置A3は、ガス導入管8Aが減速部(クランク)TA1と冷却部TA2を有する点のみ、プラズマ処理装置A1と異なっている。他の点は、プラズマ処理装置A1と同一である。
すなわち、プラズマ処理装置A3では、クリーニングガス供給手段KA3(K)が、発生部(ラジカル源23)と吐出部8aとの間に、活性化されたクリーニングガスの流速を抑制する減速部TA1に加えて、減速部KTA1の温度を低温に保つために冷却部TA2も備えている。
冷却部TA2を備えた場合(プラズマ処理装置A3)には、減速部TA1の温度を、たとえば50℃程度に保つことができる。これに対して、前述した冷却部TA2のない場合(プラズマ処理装置A2)には、減速部TA1の温度が、たとえば200℃を越えてしまう場合もある。
図4は、実施形態4(プラズマ処理装置A4)を示す概略構成図である。
プラズマ処理装置A4は、ガス導入管8Aが減速部(クランク)TA1と冷却部TA2に加えて、希釈ガスを添加させる導入部TA3を有する点のみ、プラズマ処理装置A1と異なっている。他の点は、プラズマ処理装置A1と同一である。
すなわち、プラズマ処理装置A4では、クリーニングガス供給手段KA4(K)が、発生部(ラジカル源23)と吐出部8aとの間に、活性化されたクリーニングガスの流速を抑制する減速部TA1を備える。また、これに加えて、減速部TA1の温度を低温に保つために冷却部TA2を備える。さらに、減速部TA1を通過する活性化されたクリーニングガスに対して、導入部TA3は希釈ガスを添加させることにより、活性化(ラジカル化)のレベル(度合い)を低下させる。
ここで、希釈ガスとしては、たとえば、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス、N2ガスなどが挙げられる。中でも、安価であることから、本発明ではArガスが好適に用いられる。
これにより、シャワープレート5の上面に対するクリーニングガスの影響が緩和され、ラジカルがシャワープレートの表面(上面)と反応してパーティクルが発生することを更に抑制できる。図7に示すように、パーティクルの発生数が激減することが確認された(プラズマ処理装置C:1.0→プラズマ処理装置A4:0.04)。ここで、プラズマ処理装置A4における「0.04」とは、従来装置(プラズマ処理装置C)において観測されたパーティクルの発生数を1として規格化された数値である。
図5は、実施形態5(プラズマ処理装置A5)を示す概略構成図である。
プラズマ処理装置A5は、ガス導入管8Aが減速部(クランク)TA1と冷却部TA2と導入部TA3に加えて、活性化されたクリーニングガスを空間24に導入するガス導入管8の開口部(吐出部8a)が、発生部23の側あるいは減速部KA1の側から見て、広がる形状(テーパー形状)をなしている点のみ、プラズマ処理装置A1と異なっている。他の点は、プラズマ処理装置A1と同一である。
なお、ガス導入管8の開口部(吐出部8a)の近傍に配置された、この広がる形状(テーパー形状)を有する部位のことを、以下では「拡張部TA4」とも呼ぶ。
なお、図5における拡張部TA4は、紙面の上下方向に広がる形状を描写しているが、広がる方向はこれに限定されず、紙面の手前方向や奥行き方向に広がる形状を備えていても構わない。
これにより、シャワープレート5の上面に対するクリーニングガスの影響が緩和され、ラジカルがシャワープレートの表面(上面)と反応してパーティクルが発生することを更に抑制できる。図7に示すように、パーティクルの発生数が激減することが確認された(プラズマ処理装置C:1.0→プラズマ処理装置A5:0.006)。ここで、プラズマ処理装置A5における「0.006」とは、従来装置(プラズマ処理装置C)において観測されたパーティクルの発生数を1として規格化された数値である。
図6は、実施形態6(プラズマ処理装置A6)を示す概略構成図である。
プラズマ処理装置A6は、ガス導入管8Aが減速部(クランク)TA1に加えて、前述した拡張部TA4を有する点のみ、プラズマ処理装置A1と異なっている。他の点は、プラズマ処理装置A1と同一である。
これにより、シャワープレート5の上面に対するクリーニングガスの影響が緩和され、ラジカルがシャワープレートの表面(上面)と反応してパーティクルが発生することを抑制できる。図7には示さないが、プラズマ処理装置A6におけるパーティクルの発生数は、プラズマ処理装置A1の場合より低減することが確認された。プラズマ処理装置A6の結果は、「拡張部TA4」を備えることによる作用・効果が、「冷却部TA2」や「導入部TA3」を並存しなくても得られることを表している。
後述するとおり、実施形態11~14は何れも、クリーニングガスを垂直導入するタイプ(クリーニングガスがシャワープレートの上面に吹き付ける方向へ流れる位置に、クリーニングガスの吐出部を備えたタイプ)である。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。実施形態11~14においては、プラズマ処理装置としてプラズマCVD法を用いた成膜装置を説明する。
図8は、本実施形態におけるプラズマ処理装置B1(1)の一構成例を示す概略断面図である。
図8のプラズマ処理装置B1(1)は、以下の2点(b1、b2)について、前述したプラズマ処理装置A1(1)と異なる。他の点は、プラズマ処理装置A1と同一である。
(b2)発生部(ラジカル源23)において製造されたクリーニングガスが前記空間24と接する前記シャワープレート5の上面に吹き付ける方向へ該空間24内を流れる位置に、前記クリーニングガスのガス導入管8Bの吐出部8bが配置される。
そのため、クリーニングガスは、シャワープレートの上面に付着した堆積物を撫でるように、堆積物に対して柔らかな接触を保ちながら、シャワープレートの上面に沿って通過あるいは拡散する。
ゆえに、本発明(実施形態11のプラズマ処理装置B1)によれば、従来(図12に示す構成のプラズマ処理装置C)のように、クリーニングガスがシャワープレートの上面に衝突する現象を回避できるので、ラジカルがシャワープレートの表面(上面)と反応してパーティクルが発生する現象を抑制できることが分かった。
図9は、実施形態12(プラズマ処理装置B2)を示す概略構成図である。
プラズマ処理装置B2は、ガス導入管8Bが減速部(クランク)TB1と冷却部TB2を有する点のみ、プラズマ処理装置B1と異なっている。他の点は、プラズマ処理装置B1と同一である。
すなわち、プラズマ処理装置B2では、クリーニングガス供給手段KA2(K)が、発生部(ラジカル源23)と吐出部8aとの間に、活性化されたクリーニングガスの流速を抑制する減速部TB1に加えて、減速部KTB1の温度を低温に保つために冷却部TB2も備えている。
冷却部TB2を備えた場合(プラズマ処理装置B2)には、減速部TB1の温度を、たとえば50℃程度に保つことができる。これに対して、前述した冷却部TB2のない場合(プラズマ処理装置B1)には、減速部TB1の温度が、たとえば200℃を越えてしまう場合もある。
図10は、実施形態13(プラズマ処理装置B3)を示す概略構成図である。
プラズマ処理装置B3は、ガス導入管8Bが減速部(クランク)TB1と冷却部TB2に加えて、希釈ガスを添加させる導入部TB3を有する点のみ、プラズマ処理装置B1と異なっている。他の点は、プラズマ処理装置B1と同一である。
すなわち、プラズマ処理装置B3では、クリーニングガス供給手段KB3(K)が、発生部(ラジカル源23)と吐出部8aとの間に、活性化されたクリーニングガスの流速を抑制する減速部TB1を備える。また、これに加えて、減速部TB1の温度を低温に保つために冷却部TB2を備える。さらに、減速部TB1を通過する活性化されたクリーニングガスに対して、導入部TB3は希釈ガスを添加させることにより、活性化(ラジカル化)のレベル(度合い)を低下させる。
ここで、希釈ガスとしては、たとえば、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス、N2ガスなどが挙げられる。中でも、安価であることから、本発明ではArガスが好適に用いられる。
これにより、シャワープレート5の上面に対するクリーニングガスの影響が緩和され、ラジカルがシャワープレートの表面(上面)と反応してパーティクルが発生することを更に抑制できる。図13に示すように、パーティクルの発生数が激減することが確認された(プラズマ処理装置C:1.0→プラズマ処理装置B3:0.12)。ここで、プラズマ処理装置B3における「0.12」とは、従来装置(プラズマ処理装置C)において観測されたパーティクルの発生数を1として規格化された数値である。
図11は、実施形態14(プラズマ処理装置B4)を示す概略構成図である。
プラズマ処理装置B4は、ガス導入管8Bが減速部(クランク)TB1と冷却部TB2と導入部TB3に加えて、活性化されたクリーニングガスを空間24に導入するガス導入管8の開口部(吐出部8b)が、発生部23の側あるいは減速部TB1の側から見て、広がる形状(テーパー形状)をなしている点のみ、プラズマ処理装置B1と異なっている。他の点は、プラズマ処理装置B1と同一である。
なお、ガス導入管8の開口部(吐出部8b)の近傍に配置された、この広がる形状(テーパー形状)を有する部位のことを、以下では「拡張部TB4」とも呼ぶ。
なお、図5における拡張部TB4は、紙面の上下方向に広がる形状を描写しているが、広がる方向はこれに限定されず、紙面の手前方向や奥行き方向に広がる形状を備えていても構わない。
これにより、シャワープレート5の上面に対するクリーニングガスの影響が緩和され、ラジカルがシャワープレートの表面(上面)と反応してパーティクルが発生することを更に抑制できる。図13に示すように、パーティクルの発生数が激減することが確認された(プラズマ処理装置C:1.0→プラズマ処理装置B4:0.025)。ここで、プラズマ処理装置B4における「0.025」とは、従来装置(プラズマ処理装置C)において観測されたパーティクルの発生数を1として規格化された数値である。
なお、図11における拡張部TB4は、紙面の左右方向に広がる形状を描写しているが、広がる方向はこれに限定されず、紙面の手前方向や奥行き方向に広がる形状を備えていても構わない。
たとえば、実施形態1~6において、クリーニングガスのガス供給管8Aを真空チャンバの片側に設けた場合の図面(図1~図6)で説明をしたが、両側あるいは側面の複数箇所に設けてもよい。
さらに、本実施形態では矩形状基板10への成膜処理を行う矩形状の真空チャンバを例にして説明したが、半導体ウエハなどの円形状基板への成膜処理を行う円形状や多角形状の真空チャンバに本発明を適用することも可能である。
Claims (8)
- プラズマ処理装置であって、
チャンバと、ガス導入口を有する電極フランジと、前記チャンバ及び前記電極フランジによって挟まれた絶縁フランジとから構成され、成膜空間を有する処理室と、
前記成膜空間内に収容され、処理面を有する基板が載置され、前記基板の温度を制御する支持部と、
前記成膜空間内に収容され、前記処理面に対向するように配置され、前記基板に向けてプロセスガスを供給する複数の小孔を有するシャワープレートと、
前記シャワープレートと前記支持部との間に電圧を印加し、前記プロセスガスのプラズマを生成する電圧印加部と、
前記電極フランジと前記シャワープレートとの間に設けられた空間内へ活性化されたクリーニングガスを導入するクリーニングガス供給手段と、
を含み、
前記クリーニングガス供給手段は、
前記活性化されたクリーニングガスを製造する発生部と、前記発生部において製造されたクリーニングガスが前記空間と接する前記シャワープレートの上面に沿って該空間内を流れる位置に、前記クリーニングガスの吐出部と、前記発生部と前記吐出部との間に、前記活性化されたクリーニングガスの流速を抑制する減速部と、を備え
前記減速部は、前記活性化されたクリーニングガスの温度を低下させるための冷却部を備えた、
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記減速部は、前記活性化されたクリーニングガスを流すための流路に設けたクランク形状部である、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。 - 前記減速部は、前記活性化されたクリーニングガスを流すための流路に、希釈ガスを添加させる導入部を備えた、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。 - 前記吐出部において、前記活性化されたクリーニングガスを前記空間に導入する配管の開口部が、前記発生部の側あるいは前記減速部の側から見て、広がる形状をなしている、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
- プラズマ処理装置であって、
チャンバと、ガス導入口を有する電極フランジと、前記チャンバ及び前記電極フランジによって挟まれた絶縁フランジとから構成され、成膜空間を有する処理室と、
前記成膜空間内に収容され、処理面を有する基板が載置され、前記基板の温度を制御する支持部と、
前記成膜空間内に収容され、前記処理面に対向するように配置され、前記基板に向けてプロセスガスを供給する複数の小孔を有するシャワープレートと、
前記シャワープレートと前記支持部との間に電圧を印加し、前記プロセスガスのプラズマを生成する電圧印加部と、
前記電極フランジと前記シャワープレートとの間に設けられた空間内へ活性化されたクリーニングガスを導入するクリーニングガス供給手段と、
を含み、
前記クリーニングガス供給手段は、前記活性化されたクリーニングガスを製造する発生部と、前記発生部において製造されたクリーニングガスが前記空間と接する前記シャワープレートの上面に吹き付ける方向へ該空間内を流れる位置に、前記クリーニングガスの吐出部を有し、かつ、
前記クリーニングガス供給手段は、前記発生部と前記吐出部との間に、前記活性化されたクリーニングガスの流速を抑制する減速部を備え、
前記減速部は、前記活性化されたクリーニングガスの温度を低下させるための冷却部を備えた、
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記減速部は、前記活性化されたクリーニングガスを流すための流路に設けたクランク形状部である、
ことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。 - 前記減速部は、前記活性化されたクリーニングガスを流すための流路に、希釈ガスを添加させる導入部を備えた、
ことを特徴とする請求項5または6に記載のプラズマ処理装置。 - 前記吐出部は、前記活性化されたクリーニングガスを前記空間に導入する配管の開口部が、前記発生部の側あるいは前記減速部の側から見て、広がる形状をなしている、
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
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