JP7299378B2 - フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 - Google Patents
フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7299378B2 JP7299378B2 JP2022081377A JP2022081377A JP7299378B2 JP 7299378 B2 JP7299378 B2 JP 7299378B2 JP 2022081377 A JP2022081377 A JP 2022081377A JP 2022081377 A JP2022081377 A JP 2022081377A JP 7299378 B2 JP7299378 B2 JP 7299378B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive layer
- display device
- laminate
- image display
- pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
本発明のフレキシブル画像表示装置用積層体は、複数の粘着剤層と、光学フィルムと、を含むことを特徴とする。
本発明のフレキシブル画像表示装置用積層体は、少なくとも偏光膜を含む光学フィルムを含むことを特徴とし、前記光学フィルムとしては、前記偏光膜に加えて、例えば、透明樹脂材料から形成される保護膜や位相差膜などのフィルムを含むものを指す。
また、本発明において、前記光学フィルムとして、前記偏光膜と、前記偏光膜の第1の面に有する透明樹脂材料の保護膜と、前記偏光膜の前記第1の面とは異なる第2の面に有する位相差膜と、を含む構成を光学積層体という。なお、前記光学フィルム中には、後述する第1の粘着剤層などの複数の粘着剤層は含まれない。
本発明の光学フィルムに含まれる偏光膜(偏光子ともいう。)は、空中延伸(乾式延伸)やホウ酸水中延伸工程等の延伸工程によって延伸された、ヨウ素を配向させたポリビニルアルコール(PVA)系樹脂を用いることができる。
本発明に用いられる光学フィルムには、位相差膜を含むことができ、前記位相差膜(位相差フィルムともいう。)は、高分子フィルムを延伸させて得られるものや液晶材料を配向、固定化させたものを用いることができる。本明細書において、位相差膜は、面内及び/又は厚み方向に複屈折を有するものをいう。
本発明に用いられる光学フィルムには、透明樹脂材料から形成される保護膜を含むことができ、前記保護膜(透明保護フィルムともいう。)は、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂などを用いることができる。
本発明のフレキシブル画像表示装置用積層体に用いる複数の粘着剤層の内、第1の粘着剤層は、前記保護膜に対して、前記偏光膜と接している面と反対側に、配置されることが好ましい。
前記粘着剤組成物として、アクリル系粘着剤を使用する場合、モノマー単位として、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~24のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを含む(メタ)アクリル系ポリマーを含有することが好ましい。前記直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~24であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、屈曲性に優れた粘着剤層が得られる。なお、本発明における(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマーおよび/またはメタクリル系ポリマーをいい、また(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。
本発明の粘着剤組成物には、架橋剤を含有することができる。架橋剤としては、有機系架橋剤や多官能性金属キレートを用いることができる。有機系架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤等が挙げられる。多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合又は配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Ti等が挙げられる。共有結合又は配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等が挙げられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等が挙げられる。中でも、イソシアネート系架橋剤(特に、三官能のイソシアネート系架橋剤)は、耐久性の点で好ましく、また、過酸化物系架橋剤とイソシアネート系架橋剤(特に、二官能のイソシアネート系架橋剤)は、屈曲性の点から、好ましい。過酸化物系架橋剤や二官能のイソシアネート系架橋剤は、どちらも柔軟な二次元架橋を形成するのに対して、三官能のイソシアネート系架橋剤は、より強固な三次元架橋を形成する。屈曲時には、より柔軟な架橋である二次元架橋が有利となる。ただし、二次元架橋のみでは耐久性に乏しく、ハガレが生じやすくなるため、二次元架橋と三次元架橋のハイブリッド架橋が良好であるため、三官能のイソシアネート系架橋剤と、過酸化物系架橋剤や二官能のイソシアネート系架橋剤を併用することが好ましい態様である。
さらに本発明における粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、各種シランカップリング剤、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのポリエーテル化合物、着色剤、顔料等の粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、帯電防止剤(イオン性化合物であるアルカリ金属塩やイオン液体など)、無機又は有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物等を使用する用途に応じて適宜添加することができる。また、制御できる範囲内で、還元剤を加えてのレドックス系を採用してもよい。
本発明のフレキシブル画像表示装置用積層体に用いる複数の粘着剤層の内、第2の粘着剤層を、前記位相差膜に対して、前記偏光膜と接している面と反対側に配置することができる。
本発明における複数の粘着剤層は、前記粘着剤組成物から形成されることが好ましい。粘着剤層を形成する方法としては、例えば、前記粘着剤組成物を剥離処理したセパレータ等に塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を形成する方法を挙げることができる。また、偏光フィルム等に前記粘着剤組成物を塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を偏光フィルム等に形成する方法等により作製することもできる。なお、粘着剤組成物の塗布にあたっては、適宜に、重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
また、例えば、前記光学フィルムとして、前記光学積層体を用いる場合、貯蔵弾性率(G’)が前記位相差膜側を凸側(外側)にして、前記フレキシブル画像表示装置用積層体を中央で折り曲げた場合に前記凸側に向かって小さくなる場合、位相差側の粘着剤層は引っ張り方向の力を受け、凸側(外側)から凹側(内側)に向けて引っ張りの力は小さくなっていく。引っ張り方向の力を受ける粘着剤層は応力を緩和する粘着剤層、すなわちG’が小さい方が光学フィルムなどのフィルムにかかる応力が小さくなり、破断や層間のハガレが発生しにくくなる。凸側(外側)から凹側(内側)に向けてかかる応力は小さくなるので、G’が最表層側よりも大きくなっても、耐屈曲性は確保される。前記凸側(外側)に向かって大きくなる場合と比較して、各膜・各層の破断や層間ハガレがなくなり、好ましい態様となる。
なお、略同一とは、粘着剤層間の貯蔵弾性率(G’)の差異が、複数の粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)の平均値に対して、±15%範囲内であり、好ましくは、±10%範囲内であることを指す。
また、前記フレキシブル画像表示装置用積層体を中央で折り曲げた場合に前記凸側(外側)の最外側の貯蔵弾性率(G’)は、25℃において、好ましくは0.01~0.15MPaであり、より好ましくは、0.01~0.1MPaである。0.15MPaを超えると、屈曲時に発生するずり応力を緩和できず、光学フィルムなどフィルムの破断が生じやすくなる。また0.01MPa未満であると、連続屈曲時のフィルム間の寸法変化に完全に追従するため、粘着剤層の疲弊劣化によって屈曲部の耐久性が悪化し、ハガレや発泡が生じやすくなる。
複数の粘着剤層が存在する場合、中間に位置する粘着剤層の貯蔵弾性率(G‘)は25℃において、好ましくは0.01~0.2MPaであり、より好ましくは0.01~0.15MPaである。該粘着剤層は積層品の中間に位置するため、最も応力がかかりにくいため、複数の粘着剤層の凸側(外側)と凹側(内側)の粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)の範囲を合わせたものが適応範囲となる。そして、前記範囲内であれば、屈曲時に凸側のフィルムの破断等が発生せず、好ましい。
透明導電層を有する部材としては、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができるが、透明フィルム等の透明基材上に透明導電層を有するものや、透明導電層と液晶セルを有する部材を挙げることができる。
また、本発明のフレキシブル画像表示装置用積層体は、導電性を有する層(導電性層、帯電防止層)を有していても構わない。前記フレキシブル画像表示装置用積層体は、屈曲機能を有し、非常に薄い厚み構成となるため、製造工程等で生じる微弱な静電気に対して反応性が大きく、ダメージを受けやすいが、前記積層体に導電性層を設けることで、製造工程等での静電気による負荷が大きく軽減され、好ましい態様となる。
本発明のフレキシブル画像表示装置は、上記のフレキシブル画像表示装置用積層体と、有機EL表示パネルとを含み、有機EL表示パネルに対して視認側にフレキシブル画像表示装置用積層体が配置され、折り曲げ可能に構成されている。任意ではあるが、フレキシブル画像表示装置用積層体に対して視認側にウインドウを配置することができる。
[偏光膜]
熱可塑性樹脂基材として、イソフタル酸ユニットを7モル%有するアモルファスのポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう。)(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用意し、表面にコロナ処理(58W/m2/min)を施した。一方、アセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業(株)製、商品名:ゴーセファイマーZ200(平均重合度:1200、ケン化度:98.5モル%、アセトアセチル化度:5モル%)を1重量%添加したPVA(重合度4200、ケン化度99.2%)を用意して、PVA系樹脂が5.5重量%であるPVA水溶液の塗工液を準備し、乾燥後の膜厚が12μmになるように塗工し、60℃の雰囲気下において熱風乾燥により10分間乾燥して、基材上にPVA系樹脂の層を設けた積層体を作製した。
保護膜としては、グルタルイミド環単位を有するメタクリル樹脂ペレットを、押し出して、フィルム状に成形した後、延伸したものを用いた。この保護膜の厚み20μmであり、透湿度160g/m2のアクリル系フィルムであった。
HEAA:ヒドロキシエチルアクリルアミド
M-220:ARONIX M-220、トリプロピレングリコールジアクリレート)、東亞合成社製
ACMO:アクリロイルモルホリン
AAEM:2-アセトアセトキシエチルメタクリレート、日本合成化学社製
UP-1190:ARUFON UP-1190、東亞合成社製
IRG907:IRGACURE907、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、BASF社製
DETX-S:KAYACURE DETX-S、ジエチルチオキサントン、日本化薬社製
本実施例の位相差膜(1/4波長位相差板)は、液晶材料が配向、固定化された1/4波長板用位相差層、1/2波長板用位相差層の2層から構成される位相差膜であった。具体的には以下のように製造された。
1/2波長板用位相差層、1/4波長板用位相差層を形成する材料として、ネマチック液晶相を示す重合性液晶材料(BASF社製:商品名PaliocolorLC242)を用いた。当該重合性液晶材料に対する光重合開始剤(BASF社製:商品名イルガキュア907)をトルエンに溶解した。さらに塗工性向上を目的としてDIC製のメガファックシリーズを液晶厚みに応じて0.1から0.5%程度加え、液晶塗工液を調製した。配向基材上に、当該液晶塗工液をバーコーターにより塗工した後、90℃で2分間加熱乾燥後、窒素雰囲気下で紫外線硬化により配向固定化させた。基材は、例えばPETのように液晶コーティング層を後から転写できるものを使用した。さらに塗工性向上を目的としてDIC製のメガファックシリーズであるフッ素系ポリマーを液晶層の厚みに応じて0.1%から0.5%程度加え、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シクロヘキサノン、またはMIBKとシクロヘキサノンの混合溶剤を用いて固形分濃度25%に溶解して塗工液を作製した。この塗工液をワイヤーバーにより基材に塗工して65℃設定で3分間の乾燥工程を得て、窒素雰囲気下で紫外線硬化により配向固定して作製した。基材は、例えばPETのように液晶コーティング層を後から転写できるものを使用した。
図8を参照して、本実施例の製造工程を説明する。なお、図8中の番号は、その他図面中の番号とは異なる。この製造工程20は、基材14がロールにより提供され、この基材14を供給リール21から供給した。製造工程20は、ダイ22によりこの基材14に紫外線硬化性樹脂10の塗布液を塗布した。この製造工程20において、ロール版30は、1/4波長位相差板の1/4波長板用配向膜に係る凹凸形状が周側面に形成された円筒形状の賦型用金型であった。製造工程20は、紫外線硬化性樹脂が塗布された基材14を加圧ローラ24によりロール版30の周側面に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置25による紫外線の照射により紫外線硬化性樹脂を硬化させた。これにより製造工程20は、ロール版30の周側面に形成された凹凸形状をMD方向に対して75°になるように基材14に転写した。その後、剥離ローラ26により硬化した紫外線硬化性樹脂10と一体に基材14をロール版30から剥離し、ダイ29により液晶材料を塗布した。またその後、紫外線照射装置27による紫外線の照射により液晶材料を硬化させ、これらにより1/4波長板用位相差層に係る構成を作成した。
続いてこの工程20は、搬送ローラ31により基材14をダイ32に搬送し、ダイ32によりこの基材14の1/4波長板用位相差層上に紫外線硬化性樹脂12の塗布液を塗布した。この製造工程20において、ロール版40は、1/4波長位相差板の1/2波長板用配向膜に係る凹凸形状が周側面に形成された円筒形状の賦型用金型であった。製造工程20は、紫外線硬化性樹脂が塗布された基材14を加圧ローラ34によりロール版40の周側面に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置35による紫外線の照射により紫外線硬化性樹脂を硬化させた。これにより製造工程20は、ロール版40の周側面に形成された凹凸形状をMD方向に対して15°になるように基材14に転写した。その後、剥離ローラ36により硬化した紫外線硬化性樹脂12と一体に基材14をロール版40から剥離し、ダイ39により液晶材料を塗布した。またその後、紫外線照射装置37による紫外線の照射により液晶材料を硬化させ、これらにより1/2波長板用位相差層に係る構成を作成し、1/4波長板用位相差層、1/2波長板用位相差層の2層から構成される厚み7μmの位相差膜を得た。
上記のように得られた位相差膜と、上記のように得られた偏光フィルムとを上記接着剤を用いてロールツーロール方式を用いて連続的に貼り合わせ、遅相軸と吸収軸の軸角度が45°となるように、積層フィルム(光学積層体)を作製した。
<(メタ)アクリル系ポリマーA1の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート(BA)99重量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)1重量部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。
さらに、前記モノマー混合物(固形分)100重量部に対して、重合開始剤として2,2´-アゾビスイソブチロニトリルを0.1重量部を酢酸エチルと共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って7時間重合反応を行った。その後、得られた反応液に、酢酸エチルを加えて、固形分濃度30%に調整した、重量平均分子量160万の(メタ)アクリル系ポリマーA1の溶液を調製した。
得られた(メタ)アクリル系ポリマーA1溶液の固形分100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名:タケネートD110N、トリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート、三井化学(株)製)0.1重量部、過酸化物系架橋剤のベンゾイルパーオキサイド(商品名:ナイパーBMT、日本油脂(株)製)0.3重量部と、シランカップリング剤(商品名:KBM403、信越化学工業(株)製)0.08重量部を配合して、アクリル系粘着剤組成物を調製した。
前記アクリル系粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、透明基材、セパレータ)の表面に、ファウンテンコータで均一に塗工し、155℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥し、基材の表面に厚さ25μmの粘着剤層1(第2の粘着剤層)を形成した。
次いで、得られた光学積層体の保護膜側(コロナ処理済み)に、粘着剤層1(第2の粘着剤層)を形成したセパレータを移着させ、粘着剤層付光学積層体を作製した。
上記第2の粘着剤層と同様にして、粘着剤層4(第1の粘着剤層)を表2及び表3の配合内容に基づき、厚さ50μmの粘着剤層4(第1の粘着剤層)を形成し、厚さ75μmのPETフィルム(透明基材、三菱樹脂(株)製、商品名:ダイヤホイル)の表面(コロナ処理済み)に粘着剤層4を形成したセパレータを移着させ、粘着剤層付きPETフィルムを形成した。
上記第2の粘着剤層と同様にして、粘着剤層2(第3の粘着剤層)を表2及び表3の配合内容に基づき、厚さ50μmの粘着剤層2(第3の粘着剤層)を形成し、厚さ77μmのポリイミドフィルム(PIフィルム、東レ・デュポン(株)製、カプトン300V、基材)の表面(コロナ処理済み)に粘着剤層2を形成したセパレータを移着させ、粘着剤層付きPIフィルムを形成した。
図6に示すように、上記のように得られた第1~第3の粘着剤層(各透明基材とともに)を、保護膜2となる(メタ)アクリル系樹脂フィルムに、第2の粘着剤層12-2を貼り合わせ、位相差膜3に第3の粘着剤層12-3を貼り合わせ、更に、第2の粘着剤層12-2が貼付されている透明基材8-2(PETフィルム)に、第1の粘着剤層12-1を貼り合わせることにより、実施例1で使用する構成Aに相当するフレキシブル画像表示装置用積層体11を作製した。なお、構成Bに相当するフレキシブル画像表示装置用積層体11は、図7に示した。
フラスコ内の液温を55℃付近に保って7時間重合反応を行った際に、酢酸エチルとトルエンの配合割合(重量比)が95/5になるようにして、重合反応を行ったこと以外は、(メタ)アクリル系ポリマーA1の調製と同様に行った。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート(BA)99重量部、アクリル酸(AA)2重量部、2-メルカプトエタノール3重量部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、およびトルエン140重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して十分に窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系オリゴマー溶液を調製した。上記アクリル系オリゴマーの重量平均分子量は4500であった。得られたオリゴマーは、架橋剤等を混合する際に所定量添加し、アクリル系粘着剤組成物を調製した。このようなオリゴマーを用いることで、粘着剤層の耐久性向上や発泡を抑制する効果が期待できる。
付加反応型シリコーン系粘着剤(商品名「X-40-3306」、信越化学工業株式会社製)100重量部、及び、白金系触媒(商品名「CAT-PL-50T」、信越化学工業株式会社製)0.2重量部を混合して、シリコーン系粘着剤組成物を得た。これを、透明基材であるPETフィルム、及び、PIフィルムに塗布し、乾燥後の厚みが、それぞれ第1の粘着剤層、及び、第3の粘着剤層は50μm、第2の粘着剤層は25μmになるように塗布し、100℃で3分間乾燥させ、シリコーン系粘着剤層(粘着剤層6)(第1~第3の粘着剤層共通)を得た。
[偏光膜]
厚さ50μmのポリビニルアルコールフィルムを下記[1]~[5]の5浴に周速の異なる複数セットのロール間を通して順次フィルム長手方向に張力を付与しながら浸漬し、最終的な延伸倍率がフィルム元長に対し、6.0倍になるように延伸した。このフィルムを50℃オーブンで4分間乾燥させ、厚み22μmの偏光膜を得た。
[1]膨潤浴:30℃の純水
[2]染色浴:水100重量部に対し、ヨウ素濃度を0.02~0.2重量%の範囲内とし、ヨウ化カリウム濃度を0.14~1.4重量%の範囲内とした。ヨウ素とヨウ化カリウムの濃度の比は1対7である。これらを含む30℃の水溶液へ、最終的な偏光膜の単体透過率が40~44%となるように任意の時間浸漬した。
[3]第1の架橋浴:3重量%のヨウ化カリウムと3重量%のホウ酸とを含む、40℃の水溶液。
[4]第2の架橋浴:5重量%のヨウ化カリウムと4重量%のホウ酸とを含む、60℃の水溶液。
[5]洗浄浴:3重量%のヨウ化カリウムを含む、25℃の水溶液
次いで、前記偏光膜と実施例1で用いた保護膜を実施例1で用いた接着剤を用いて貼り合わせ、偏光フィルムとした。
実施例1で用いた位相差膜と、上記のように得られた偏光フィルムとを実施例1で用いた接着剤を用いて貼り合わせ、遅相軸と吸収軸の軸角度が45°となるように、積層フィルムを作製した。
使用するポリマー((メタ)アクリル系ポリマー)、粘着剤組成物、及び、粘着剤層の調製にあたり、特記したもの以外で、表2~表4に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にし、フレキシブル画像表示装置用積層体を作製した。なお、実施例5のみ、第2の粘着剤層を含まない構成B(図7参照)を採用した。
BA:n-ブチルアクリレート
2EHA:2-エチルへキシルアクリレート
AA:アクリル酸
HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート
HEA:2-ヒドロキシエチルアクリレート
D110N:トリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネート付加物(三井化学製、商品名:タケネートD110N)
C/L:トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネートL)
過酸化物:ベンゾイルパーオキサイド(過酸化物系架橋剤、日本油脂(株)製、商品名:ナイパーBMT)
<(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)の測定>
得られた(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
・分析装置:東ソー社製、HLC-8120GPC
・カラム:東ソー社製、G7000HXL+GMHXL+GMHXL
・カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm 計90cm
・カラム温度:40℃
・流量:0.8ml/min
・注入量:100μl
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計(RI)
・標準試料:ポリスチレン
偏光膜、位相差膜、保護膜、光学積層体、及び、粘着剤層等の厚みは、ダイヤルゲージ(ミツトヨ製)を用いて測定した。
各実施例および比較例の粘着シートからセパレータを剥離し、複数の粘着シートを積層して、厚さ約1.5mmの試験サンプルを作製した。この試験サンプルを直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートに挟み込み、Rheometric Scientific社製「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」を用いて、以下の条件により、動的粘弾性測定を行い、測定結果から、25℃における粘着剤層の貯蔵弾性率G’を読み取った。
(測定条件)
変形モード:ねじり
測定温度:-40℃~150℃
昇温速度:5℃/分
図5に180°耐折性試験機(井元製作所製)の概略図を示す。本装置は、恒温槽内で、マンドレルを挟んで片側のチャックが180°曲げを繰り返す機構となっており、マンドレルの直径により折り曲げ半径を変えることができる。フィルム破断すると試験が停止する機構になっている。試験は、各実施例及び比較例で得られた5cm×15cmのフレキシブル画像表示装置用積層体を装置にセットし、温度25℃、曲げ角度180°、曲げ半径3mm、曲げ速度1秒/回、重り100gの条件で実施した。フレキシブル画像表示装置用積層体の破断までの回数で耐折強さを評価した。ここで、折り曲げの回数が20万回に達した場合は、試験を打ち切った。
なお、測定(評価)方法としては、フレキシブル画像表示装置用積層体の第1の粘着剤層側を内側(凹側)にして折り曲げる場合(実施例1のみ)、第1の粘着剤層を外側(凸側)にして折り曲げる場合の、折り曲げ(曲げ)方向として、2種類について、評価した。
<破断の有無>
○:破断なし
△:屈曲部の端部にわずかな破断有り(実用上問題なし)
×:屈曲部の全面に破断有り(実用上問題あり)
<外観(ハガレ)の有無>
○:折れ・ハガレ等が確認されない
△:屈曲部にわずかに折れ・ハガレ等が確認される(実用上問題なし)
×:屈曲部の全面に折れ・ハガレ等が確認される(実用上問題あり)
2 保護膜
2-1 保護膜
2-2 保護膜
3 位相差層
4-1 透明導電フィルム
4-2 透明導電フィルム
5-1 基材フィルム
5-2 基材フィルム
6 透明導電層
6-1 透明導電層
6-2 透明導電層
7 スペーサー
8 透明基材
8-1 透明基材(PETフィルム)
8-2 透明基材(PETフィルム)
9 基材(PIフィルム)
10 有機EL表示パネル
10-1 有機EL表示パネル(タッチセンサ付き)
11 フレキシブル画像表示装置用積層体(有機EL表示装置用積層体)
12 粘着剤層
12-1 第1の粘着剤層
12-2 第2の粘着剤層
12-3 第3の粘着剤層
13 加飾印刷フィルム
20 光学積層体
30 タッチパネル
40 ウインドウ
100 フレキシブル画像表示装置(有機EL表示装置)
Claims (8)
- 複数の粘着剤層と、
偏光膜と、前記偏光膜の第1の面に設けられた透明樹脂材料の保護膜と、前記偏光膜の前記第1の面とは異なる第2の面に設けられた位相差膜と、を含む光学積層体を含むフレキシブル画像表示装置用積層体であって、
前記複数の粘着剤層の内、前記保護膜に対して、前記偏光膜に接している面と反対側に、第1の粘着剤層が配置されており、
前記複数の粘着剤層の内、前記位相差膜に対して、前記偏光膜と接している面と反対側に、第2の粘着剤層が配置されており、
前記第1の粘着剤層と前記保護膜の間、前記位相差膜と前記第2の粘着剤層の間は、いずれも導電性層(但し、タッチセンサを構成する透明導電層を除く)を介して、または介することなく、直接、積層されており、
前記偏光膜の厚みが、20μm以下であり、
前記複数の粘着剤層のうち、前記光学積層体の位相差膜が設けられた側を内側に折り曲げた場合の凸側の最外面の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率G'が、前記第2の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率G'より小さく、かつ、他の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率G'と略同一、又は、小さいことを特徴とするフレキシブル画像表示装置用積層体。 - 前記凸側の最外面の粘着剤層が、前記第1の粘着剤層であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル画像表示装置用積層体。
- 前記第2の粘着剤層に対して、前記位相差膜と接している面と反対側に、タッチセンサを構成する透明導電層が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブル画像表示装置用積層体。
- 前記タッチセンサを構成する透明導電層に対して、前記第2の粘着剤層と接している面と反対側に、第3の粘着剤層が配置されており、前記凸側の最外面の粘着剤層が、前記第3の粘着剤層であることを特徴とする請求項3に記載のフレキシブル画像表示装置用積層体。
- 前記第1の粘着剤層に対して、前記保護膜が設けられた前記偏光膜の第1の面と反対側に、タッチセンサを構成する透明導電層が配置されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかにに記載のフレキシブル画像表示装置用積層体。
- 前記複数の粘着剤層の内、前記タッチセンサを構成する透明導電層に対して、前記第1の粘着剤層と接している面と反対側に、第3の粘着剤層が配置されており、前記凸側の最外面の粘着剤層が、前記第1の粘着剤層であることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル画像表示装置用積層体。
- 請求項1~6のいずれかに記載のフレキシブル画像表示装置用積層体と、有機EL表示パネルと、を含み、
前記有機EL表示パネルに対して、視認側に前記フレキシブル画像表示装置用積層体が配置されることを特徴とするフレキシブル画像表示装置。 - 前記フレキシブル画像表示装置用積層体に対して、視認側にウインドウが配置されていることを特徴とする請求項7に記載のフレキシブル画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022081377A JP7299378B2 (ja) | 2022-01-12 | 2022-05-18 | フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022002675A JP7353399B2 (ja) | 2016-08-15 | 2022-01-12 | フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 |
JP2022081377A JP7299378B2 (ja) | 2022-01-12 | 2022-05-18 | フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022002675A Division JP7353399B2 (ja) | 2016-08-15 | 2022-01-12 | フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022116091A JP2022116091A (ja) | 2022-08-09 |
JP7299378B2 true JP7299378B2 (ja) | 2023-06-27 |
Family
ID=86900668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022081377A Active JP7299378B2 (ja) | 2022-01-12 | 2022-05-18 | フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7299378B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009244486A (ja) | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Toagosei Co Ltd | 位相差一体型複合偏光板及びそれを用いた画像表示装置 |
JP2012133312A (ja) | 2010-09-03 | 2012-07-12 | Nitto Denko Corp | 偏光膜、偏光膜を含む光学フィルム積層体、及び、偏光膜を含む光学フィルム積層体の製造に用いるための延伸積層体、並びにそれらの製造方法、並びに偏光膜を有する有機el表示装置 |
WO2013077220A1 (ja) | 2011-11-25 | 2013-05-30 | コニカミノルタ株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び円偏光板 |
US20150266272A1 (en) | 2014-03-18 | 2015-09-24 | Samsung Display Co., Ltd. | Flexible display device and method of manufacturing the same |
JP2016126130A (ja) | 2014-12-26 | 2016-07-11 | 日東電工株式会社 | 有機el表示装置用積層体及び有機el表示装置 |
-
2022
- 2022-05-18 JP JP2022081377A patent/JP7299378B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009244486A (ja) | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Toagosei Co Ltd | 位相差一体型複合偏光板及びそれを用いた画像表示装置 |
JP2012133312A (ja) | 2010-09-03 | 2012-07-12 | Nitto Denko Corp | 偏光膜、偏光膜を含む光学フィルム積層体、及び、偏光膜を含む光学フィルム積層体の製造に用いるための延伸積層体、並びにそれらの製造方法、並びに偏光膜を有する有機el表示装置 |
WO2013077220A1 (ja) | 2011-11-25 | 2013-05-30 | コニカミノルタ株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び円偏光板 |
US20150266272A1 (en) | 2014-03-18 | 2015-09-24 | Samsung Display Co., Ltd. | Flexible display device and method of manufacturing the same |
JP2016126130A (ja) | 2014-12-26 | 2016-07-11 | 日東電工株式会社 | 有機el表示装置用積層体及び有機el表示装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022116091A (ja) | 2022-08-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7253590B2 (ja) | フレキシブル画像表示装置用粘着剤層、フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 | |
JP7253589B2 (ja) | フレキシブル画像表示装置用粘着剤組成物、フレキシブル画像表示装置用粘着剤層、フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 | |
JP7042020B2 (ja) | フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 | |
JP7436205B2 (ja) | フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 | |
JP7268967B2 (ja) | フレキシブル画像表示装置用粘着剤層、フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 | |
WO2019026760A1 (ja) | フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 | |
JP7353399B2 (ja) | フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 | |
JP7299378B2 (ja) | フレキシブル画像表示装置用積層体、及び、フレキシブル画像表示装置 | |
TWI833702B (zh) | 撓性影像顯示裝置用積層體及撓性影像顯示裝置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220518 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230130 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230214 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230411 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230518 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230615 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7299378 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |