JP7298216B2 - サーバ冷却装置、サーバシステム及びサーバの冷却方法 - Google Patents
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Description
本実施形態に係るサーバシステムと、そのサーバシステムに備えられ、サーバを冷却するサーバ冷却装置について説明する。
図1は、第1実施形態のサーバシステムの水平断面図である。図2は、図1におけるA-A断面の鉛直方向断面図である。本実施形態に係るサーバ冷却装置が適用されるサーバシステムは、少なくとも2つのサーバラックを有する。図1及び図2において、サーバシステムは、サーバラック90a、90bを備える。サーバラック90aは、第1のラックの一例であり、サーバラック90bは、第2のラックの一例である。サーバラック90a、90bのそれぞれの数は、1つに限らず2つ以上でも良い。
サーバシステムのサーバラック90aには複数のサーバ20aが鉛直方向に搭載され、サーバラック90bには複数のサーバ20bが鉛直方向に搭載される。サーバ20a、20bは、第1のサーバ、第2のサーバの一例である。
サーバ20a、20bは、フロント側(前面)の開口部(吸気口)から空気を吸引し、リア側(背面)の開口部(排気口)から空気を排出する。ただし、サーバ20a、20bのフロント及びリアの向きは、互いに逆方向となっている。サーバ20a、20bはCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの高消費電力部品を備える。高消費電力部品は発熱し、高温になるため、特に冷却する必要がある。サーバ内を空気が通過することで、サーバ上の高消費電力部品を空冷することができる。また高消費電力部品はコールドプレート等を用いて直接液冷することができる。高消費電力部品は、サーバ20a、20bの開口部の近くに配置される。サーバ20a、20bは、図2に示すように、サーバラック90a、90bに多段に積み重ねられて搭載される。各サーバ20a、20bは、ラックマウントサーバであっても、ブレードサーバであってもよい。
サーバラック90aのラックマウント機構は、サーバ20aを固定するための4本の柱(柱11a、柱12a、柱13a、柱14a)を含む。同様に、サーバラック90bのラックマウント機構は、サーバ20bを固定するための4本の柱(柱11b、柱12b、柱13b、柱14b)を含む。EIA-310規格において、ラックの横幅は、柱の中心同士の間隔が465 mmとなるよう定められている。4本の柱には、EIA-310規格で設定されたEIAユニバーサルピッチで、サーバ20a、20bを取り付けるための取り付け穴が設けられる。サーバ20a、20bは、ラックマウントレールを介して4本の柱に対して取り付けられる。ラックマウントレールは、固定されるサーバ毎に固有の形状を有している。搭載するサーバ20a、20bの奥行寸法に合わせて、サーバラック90a、90bの奥行は設定される。サーバラック90の奥行は、一般的には柱の間隔が700 mmから800 mmの間となるよう設定される。本実施形態において、ラックマウント機構は、以上に限定されない。
サーバ冷却装置における冷却機構の主な配置領域は、隔壁30a、30bによって他の領域と分離されてもよい。隔壁30の形状は図1の形態に限られない。隔壁30は1つであっても、2つ以上であってもよい。
サーバ冷却装置はさらに密閉筐体100を備えてもよい。密閉筐体100は、サーバラック90aとサーバラック90bと冷却機構の主な配置領域との全体の、例えば上下前後左右を密閉する。サーバラック90a、90bを囲い込むことにより、サーバ20の吸気及び排気は密閉筐体に閉じ込められる。サーバ20a、20bの開口部と、開口部の前後の密閉筐体100の壁の間には、空気の通路となる空間が設けられてもよい。密閉筐体100の密閉の程度は可能な限り高いことが好ましいが、密閉筐体100の内側に空気を留める程度であってもよい。
本実施形態において空冷機構の主な配置領域の空気の流入及び流出が可能な部分に、液冷式の熱交換器40a、40bが収められる。熱交換器40a、40bは、第1の熱交換器、第2の熱交換器の一例である。例えば、熱交換器40は各サーバラックのリア側にそれぞれ設けられる。図1において、サーバシステムは、熱交換器40a、40bを備える。熱交換器40a、40bはサーバ20a、20bのリア側からの排気を吸気し、冷却する。熱交換器40a、40bは冷却した空気を、サーバ20a、20bのフロント側に吸気として供給する。熱交換器40a、40bは、熱交換器40a、40bの高さが、サーバラックの下部から上部までの高さと同じになるよう設計される。サーバシステムの外部から水冷式熱交換器40a、40bへの給液、及び外部への排液のための配管(図示せず)は、密閉筐体100の床下(図1の紙面奥側)、又は天井(図1の紙面手前側)から接続される。
図1に示すように、冷却機構の主な配置領域に冷却液供給用配管50a、50bと冷却液排出用配管60a、60bが配置される。冷却液供給用配管50a、50b及び冷却液排出用配管60a、60bは、冷却液配管の一例である。冷却液供給用配管50a、50bは、冷却液を外部から供給し、冷却液排出用配管60a、60bは冷却液を外部へ運び出す。冷却液供給用配管50a、50b及び冷却液排出用配管60a、60bは、サーバシステムの外部に、密閉筐体100の床下(紙面下側)、及び天井(紙面上側)から接続される。
給排手段は、給液用マニホールドと排液用マニホールドと連通して接続され、冷却液配管(冷却液供給用配管50a、50b)の冷却液をサーバ20a、20bに付加された受熱部に分配する。本実施形態において、給排手段は直径10 mm程度のゴム製ホースである。ただし給排手段の冷却液の分配方法、材質やサイズは問わない。材質は金属、ガラス、樹脂であってもよい。給液用マニホールド及び排液用マニホールドと給排手段との接続及び、サーバ20a、20bと給排手段の接続には、例えばカプリングなどの流体継手を使用してもよい。
サーバ20a、20bの高発熱部品(図示せず)の上には、図1に破線で示すように、液冷式の受熱部が取り付けられる。受熱部として、一般的なサーバに取り付けられているヒートシンクを取り外して、コールドプレートが付加されてもよい。高発熱部品とコールドプレートの間には放熱グリースなど熱界面材料(TIM:Thermal interface material)が塗布される。コールドプレート内に水を流すことで、サーバ20a、20bの高発熱部品の熱を冷却水に移動させることができる。熱くなった冷却水は排出手段によりサーバの外に運び出される。空気を水冷する前述の間接水冷に対して、高発熱部品を水で直接冷却するこの冷却機構を直接水冷と呼ぶ。
<間接液冷(空冷)機構の動作>
サーバ20a、20bの放熱により、空気の対流が発生し、サーバ20a、20bの開口部から空気が排出される。サーバ20bのリア側から排気された空気は液冷式の熱交換器40aに吸気され、冷却される。熱交換器40aで冷却され、排気された空気は、サーバ20aのフロント側から吸気され、サーバ20aの冷却に利用される。サーバ20aのフロント側とサーバ20bのリア側が同じ方向を向くよう、配置されており、さらに2つのサーバラックは密閉筐体100により密閉されているため、空気は密閉筐体100内で循環する。よってサーバ20aの排気は熱交換器40bで冷却され、排気された空気は、サーバ20bのフロント側から吸気され、サーバ20bの冷却に利用される。本実施形態において密閉筐体100内の空気の流路は天井側から見て1つの閉曲線を描いている。
サーバシステムの外部から冷却水が冷却液配管に供給される。冷却水は冷却液供給用配管50aの給水用マニホールドを通り、第1の給水手段51aを用いて、サーバ20aのフロント側に分配される。分配された冷却水は、サーバ20a内のフロント側に位置する高発熱部品に付加されたコールドプレート内を流れ、高発熱部品を直接水冷する。コールドプレート内で吸熱し、温度が上がった冷却水は、第1の排水手段61aを用いて、サーバ20aから排水用マニホールドに移動する。温度が上がった冷却水は排水用マニホールドを通って冷却液排出用配管60aに排出される。サーバの熱は冷却液排出用配管を通ってサーバシステム外部に運ばれる。
特許文献2、3のように、水冷配管がラックのリア側に配置されると、サーバシステム全体の設置面積が大きくなってしまう。本実施形態によれば、冷却液配管が2つのサーバラックの間の領域に設けられているため、サーバシステムが省スペースで設置可能となる。
<ファン70>
本実施形態に係るサーバシステムのサーバ冷却装置は、空気を強制的に循環させる送風機としてブロアーファン70を備えてもよい。ファン70は、熱交換器40の吸気側又は排気側の冷却機構の主な配置領域内に設けられる。図3は、熱交換器40a、40bの排気側にファン70a、70bを備える場合を示す図である。
本実施形態に係るサーバシステムのサーバ冷却装置は、さらに冷却液の中継手段を備えてもよい。図4は、給排手段がさらに中継手段56a、56b、57a、57bを備える場合を示す図である。図4においてサーバ20a、20bはフロント側及びリア側にそれぞれ、2つの給水口と2つの排水口と第1の受熱部と第2の受熱部とを備える。給水口及び排水口はそれぞれ、中継手段56a、56b、57a、57b、供給手段51a、51b、52a、52b、又は排出手段61a、61b、62a、62bを介して、サーバ内で受熱部に連通して接続されている。なお、給水口及び排水口の位置はフロント側及びリア側に限られず、サーバ20a、20bの側面、上面、下面に設けられてもよい。
給排手段の態様は図1の態様に限られない。図5は、図1に示した給排手段の他の態様を示す図である。図5に示す供給手段51a、51b、52a、52bは、それぞれ分岐し、2つの受熱部に冷却液を供給する。図5に示す排出手段61a、61b、62a、62bは2つの受熱部からの冷却液を回収する。
図6は、第2実施形態によるサーバシステムの一例を示す図である。本実施形態において、第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付した。
第2実施形態において、冷却液供給用配管50と冷却液排出用配管60は1組に限られない。図7A、図7Bは、第2実施形態によるサーバシステムの第1の変形例と第2の変形例を示す図である。第1の変形例において、図1に示すサーバシステムのサーバラックと同様にサーバラック90a、90bは横に並べて、フロント側が異なる方向を向くように配置されている。冷却液供給配管50bは、供給手段52aを介してサーバラック90aのリア側に付された受熱部に冷却液を供給する。冷却液供給配管50aは、供給手段52bを介してサーバラック90bのリア側に付された受熱部に冷却液を供給する。第2の変形例において、サーバラック90a、90bは横に並べて、フロント側が同じ方向を向くように配置されている。冷却液供給配管50aは、供給手段51bを介してサーバラック90bのフロント側に付された受熱部に冷却液を供給する。
本実施形態によれば、冷却液配管が第1のサーバを搭載可能な第1のラックの側面と第2のサーバを搭載可能な第2のラックの側面との間の領域に配置され、給排手段は、第1のサーバ又は前記第2のサーバの発熱部に対して冷却液配管の冷却液を給排液するので、サーバシステムが省スペースで設置可能となる。
20 サーバ
30 隔壁
40 熱交換器
50 冷却液供給用配管
60 冷却液排出用配管
70 ファン
Claims (8)
- 第1のサーバを搭載可能な第1のラックの側面と第2のサーバを搭載可能な第2のラックの側面との間の領域に配置され、冷却液を給排液する、冷却液配管と、
前記冷却液配管と前記第1のサーバ又は前記第2のサーバの発熱部に付加された受熱部とに接続され、前記冷却液を前記受熱部に対して給排液する給排手段と、
前記第1のサーバから排気される空気を冷却し前記第2のサーバに供給する液冷式の第1の熱交換器と、
前記第2のサーバから排気される空気を冷却し前記第1のサーバに供給する液冷式の第2の熱交換器と、
前記第1のラック、前記第2のラック、前記領域並びに前記第1のラック及び前記第2のラックの前面側及び背面側の空間を取り囲む筐体と、を備え、
前記第1のラック及び前記第2のラックは、互いの側面が対向し、一方のラックに搭載されるサーバの吸気口が他のラックに搭載されるサーバの排気口と同じ方向を向くよう配置され、
前記筐体内で空気の流路が、前記第1のサーバ、前記第1の熱交換器、前記第2のサーバ及び前記第2の熱交換器の間で循環するよう形成され、
前記冷却液配管は、前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器の内側に配置される、
サーバ冷却装置。 - 前記冷却液配管は、前記筐体の床下側及び天井側から、前記筐体の外部に接続される
請求項1に記載のサーバ冷却装置。 - 前記給排手段は、前記第1のサーバ又は前記第2のサーバの吸気口側または排気口側から前記発熱部と接続される
請求項1または2に記載のサーバ冷却装置。 - 前記第1の熱交換器および前記第2の熱交換器の排気側又は吸気側に送風機を有する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のサーバ冷却装置。 - 前記領域を仕切る隔壁を備える
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサーバ冷却装置。 - 前記受熱部は第1の受熱部と第2の受熱部を含み、
前記第1の受熱部から前記第2の受熱部に前記冷却液を中継する中継手段を備える、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のサーバ冷却装置。 - 前記第1のサーバと、
前記第2のサーバと、
前記第1のラックと、
前記第2のラックと、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のサーバ冷却装置と、を備えるサーバシステム。 - 第1のサーバを搭載可能な第1のラックの側面と第2のサーバを搭載可能な第2のラックの側面との間の領域に配置され、冷却液を給排液する、冷却液配管と、
前記冷却液配管と前記第1のサーバ又は前記第2のサーバの発熱部に付加された受熱部とに接続され、前記冷却液を前記受熱部に対して給排液する給排手段と、
前記第1のサーバから排気される空気を冷却し前記第2のサーバに供給する液冷式の第1の熱交換器と、
前記第2のサーバから排気される空気を冷却し前記第1のサーバに供給する液冷式の第2の熱交換器と、
前記第1のラック、前記第2のラック、前記領域並びに前記第1のラック及び前記第2のラックの前面側及び背面側の空間を取り囲む筐体と、を備えるサーバ冷却装置を用いる方法であって、
前記第1のラック及び前記第2のラックは、互いの側面が対向し、一方のラックに搭載されるサーバの吸気口が他のラックに搭載されるサーバの排気口と同じ方向を向くよう配置され、
前記冷却液配管は、前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器の内側に配置され、
前記冷却液により前記受熱部は、前記第1のサーバ及び前記第2のサーバを冷却し、
前記第1のサーバ、前記第1の熱交換器、前記第2のサーバ及び前記第2の熱交換器の間で循環する前記筐体内の空気が第1のサーバ及び第2のサーバを冷却する
サーバの冷却方法。
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