JP7297930B2 - クローン病を治療する方法に使用するためのミリキズマブ - Google Patents
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Description
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを患者に投与することであって、誘導用量が、約200mg~約1200mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを患者に投与することであって、維持用量が、約100mg~約600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
a)3回の誘導用量のミリキズマブを静脈内注射によって患者に投与することであって、各誘導用量が、約900mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを、約4週間または約8週間間隔で皮下注射によって患者に投与することであって、初回の維持用量は、最後の誘導用量が投与されてから約4週間または約8週間後に投与され、各維持用量が、200mgまたは300mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含み、
CDが、中等度から重度のCDである。
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを患者に投与することであって、誘導用量が、約200mg~約1200mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを患者に投与することであって、維持用量が、約100mg~約600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
a)3回の誘導用量のミリキズマブを静脈内注射によって患者に投与することであって、各誘導用量が、約900mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを、約4週間または約8週間間隔で皮下注射によって患者に投与することであって、初回の維持用量が、最後の誘導用量が投与されてから約4週間または約8週間後に投与され、各維持用量が、200mgまたは300mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含み、
CDが、中等度から重度のCDである。
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを患者に投与することであって、誘導用量が、約200mg~約1200mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを患者に投与することであって、維持用量が、約100mg~約600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
a)3回の誘導用量のミリキズマブを静脈内注射によって患者に投与することであって、各誘導用量が、約900mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを、約4週間または約8週間間隔で皮下注射によって患者に投与することであって、初回の維持用量は、最後の誘導用量が投与されてから約4週間または約8週間後に投与され、各維持用量が、200mgまたは300mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含み、
CDが、中等度から重度のCDである。
-便通回数(Bowel Movement Count)(BMC)
-クローン病活動性指標-排便回数(Stool Frequency)(CDAI-SF)
注:ブリストル便形状スケールは、CDAI-SFを完成させるための参照として使用される。
-クローン病活動性指標-腹痛(CDAI-AP)
-クローン病活動性指標-ウェルビーイング(CDAI-ウェルビーイング)
-腹痛NRS
-緊急性(Urgency)NRS
-患者の重症度全般評価(PGRS)
-慢性疾患治療の機能的評価-疲労用(FACIT-疲労用)
-炎症性腸疾患アンケート(IBDQ)
概要
ミリキズマブが中等度から重度のCDの被験者に安全で有効であるかどうかを判断するために、第2相試験が実施され得る。このような研究は、安全性を評価することができ、CD活動性尺度と主要な患者報告アウトカム(PRO)尺度の改善によって定義される臨床活動を決定することができる。
このような第II相試験の主要目的は、ミリキズマブによる治療が12週目の内視鏡的反応の誘発においてプラセボよりも優れていることを実証することである。副次的目的には、以下が含まれ得る:
-ミリキズマブによる治療の安全性および忍容性の評価、
-52週目に内視鏡的反応を示した被験者の割合に対するミリキズマブの効果の評価、
-12週目の内視鏡的寛解において、プラセボよりも優れているミリキズマブの有効性の評価、
-52週目に内視鏡的寛解を示した被験者の割合に対するミリキズマブの効果の評価、
-12週目のPRO寛解において、プラセボよりも優れているミリキズマブの効果の評価、
-52週目にPRO寛解を示した被験者の割合に対するミリキズマブの効果の評価、
-12週目および52週目の健康アウトカム/生活の質の尺度に対するミリキズマブの効果の評価、および
-ミリキズマブのPKプロファイルの特性。
この研究は、約191名がランダム化された多施設共同ランダム化並行群間プラセボ対照試験であり得る。被験者は、以下のカテゴリに層別化され得、いずれかのグループに登録される正確な数は、各被験者集団の登録率によって異なる:
i)被験者の最低約30%が生物学的CD療法(実験的生物学的CD療法を含む)を受けたことがなく(naive)、および
ii)被験者の少なくとも50%は以前に生物学的CD療法経験者
(実験的生物学的CD療法の経験を含む)であった。
この研究は、以下の期間で構成される:
被験者を、ベースライン来診前<28日に、研究適格性について評価し得る。被験者は、特に定義されていない限り、研究治療開始前<28日のスクリーニング期間内に以下の基準をすべて満たす場合にのみ、研究の対象となり得る:
被験者と疾患特性のタイプ
i)ベースライン>3か月前にCDと診断されている
ii)絶対的SF>4(ブリストル便形状スケールカテゴリ6または7として定義された軟便および水様便)としておよび/または研究治療の初回投与前14日以内にベースラインでAP>2のSES-CDスコアが回腸結腸疾患の被験者では>7(中央読影)のまたは単独性回腸疾患の被験者では>4として定義された活動性CDを有する
A)被験者はCDの従前治療を受けている必要がある(以下の「a)」または「b)」のいずれか、または両方の組み合わせによる):
a)アミノサリチル酸塩(aminosalicylsate)、6-メルカプトプリン(6-MP)またはアザチオプリン(AZA)の、経口またはIVコルチコステロイドに対する不十分な反応の病歴、もしくは治療を耐容できない病歴、またはコルチコステロイド依存(CDの再発なしにコルチコステロイドを首尾良く漸減できない)の病歴
または
b)>1の生物学的薬剤(TNF拮抗薬、ベドリズマブ、実験的生物学的CD治療薬など)による治療を受けたが、そのような治療に反応できなかったまたは耐容できなかったという記録された病歴があるもしくはない、治療を受けたことがある。
-治療は、以下のタイムラインに従って中止されている必要がある:
-ベースラインの少なくとも8週間前に抗TNF療法
-ベースラインの少なくとも12週間前のベドリズマブ治療
-ベースラインの少なくとも8週間前に実験的な生物学的CD療法。
a)経口5-アミノサリチル酸(ASA)化合物:スクリーニング結腸内視鏡検査の少なくとも3週間前に処方された用量が安定していた場合、またはスクリーニング結腸内視鏡検査の少なくとも3週間前に治療を中止した場合、
b)経口コルチコステロイドは、プレドニゾンと同等の用量である<20mg/日または<9mg/日のブデソニドである必要があり、スクリーニング結腸内視鏡検査の少なくとも3週間前に安定した用量である必要がある。ベースラインの前に経口コルチコステロイド治療を中止する場合は、スクリーニング結腸内視鏡検査の少なくとも3週間前に中止する必要があり、
c)AZA、6-MP、またはメトトレキサート(MTX):スクリーニング内視鏡検査の少なくとも約4週間前に処方された用量が安定している場合。AZA、6-MP、またはMTXによる治療を中止した被験者は、登録の資格があるとみなされるために、スクリーニング内視鏡検査の少なくとも約4週間前に投薬を停止している必要がある。
c)CD特異的抗生物質:処方された用量がベースラインの約4週間前に安定していたか、スクリーニング内視鏡検査の少なくとも3週間前に治療を中止した場合。
治療グループへの割り当ては、対話型Web応答システム(IWRS)を使用してコンピューターで生成されたランダムシーケンスによって決定することができる。グループ間の比較可能性を達成するために、被験者は以前の治療に基づいてこれらの治療群に層別化され(下記)、この層別化はIWRSによって制御される。
-被験者の最低約30%が生物学的CD療法(実験的生物学的CD療法を含む)を受けたことがなくてもよい。
-被験者の少なくとも50%が以前に生物学的CD療法経験者(実験的生物学的CD療法の経験を含む)であり得る。
-期間2では、ベースラインでミリキズマブに割り当てられた被験者は、ベースライン治療割り当てまたは300mg SCミリキズマブQ4Wのいずれかにランダム化され得るが、ただし、プラセボグループのすべての被験者と、1000mgの静脈内(IV)ミリキズマブQ4Wの投与を受けた、12週目のベースラインからのSES-CDスコア(中央読影によって決定)に改善が見られなかったミリキズマブ治療グループの被験者は除かれる。好ましくは、すべての被験者は、ダブルダミーデザインで、期間2の間にミリキズマブまたはプラセボのいずれかのIVおよびSC投与を受ける。
0、4、8週目に静脈内(IV)投与されたミリキズマブの有効性と安全性を評価するために、12週間の誘導投薬期間を設計することができる。ベースラインでは、被験者は4つの治療群に2:1:1:2の配分でランダム化され、CD治療のための生物学的療法への以前の曝露に基づいて層別化され得る。
期間2(12週目~52週目)では、ベースライン治療レジメンとSC投薬の調査により、有効性と安全性の継続的な評価が可能になるが、ただし、プラセボグループのすべての被験者と、12週目のベースラインからのCD-SESスコアに改善が見られなかったミリキズマブ治療グループの被験者は除かれる。
期間3は、臨床的利益を受けていると考えられる被験者に延長療法を提供することを目的とし、臨床的利益の安全性と持続性の長期評価を提供する。
104週目に、被験者は治療を中止し、安全のためにさらに16週間追跡される。
主要評価項目は、12週目の内視鏡的反応率(SES-CDの50%低減として定義)である。内視鏡的反応の場合、想定されるミリキズマブとプラセボの割合はそれぞれ35%と15%である。
期間1
治療意図(ITT)集団は191人の被験者であり、プラセボグループで64人の被験者、ミリキズマブ200mg IVグループで31人の被験者、ミリキズマブ600mg IVグループで32人の被験者、ミリキズマブ1000mgIVグループで64人の被験者であった。
期間2で治療を継続した176人の被験者のうち、28人の被験者が中間解析データベースのロック日時点で中止した。期間2(第52週)の終わりまでに中止した28人の被験者のうち、11人がAEのために中止した:ミリキズマブ1000mg IVグループの1人の被験者、ミリキズマブ300mgSCグループの1人の被験者、NIグループのミリキズマブ1000mgIVの3人の被験者、プラセボ/1000mgミリキズマブIVグループの6人の被験者。被験者の決定(「被験者による離脱」)のため、8人の被験者が早期に中止した。
人口統計学的特性
人口統計学的特性は、ミリキズマブグループ全体とプラセボとの間でバランスが取れていた。ランダム化された191人の被験者のうち、98人の被験者(51.3%)が女性であった。平均年齢(±標準偏差)は、38.65歳(±12.86歳)であった。合計159人の被験者(83.2%)が白人であった。
疾患特性は、ミリキズマブ治療グループ全体と個々の投薬グループおよびプラセボとの間でバランスが取れていた。全体として、被験者の62.8%は以前に生物学的療法に曝露されて(exposed)おり、この割合は治療グループ間でバランスが取れていた。疾患期間、以前の生物学的使用、疾患活動性(CDAI、内視鏡スコアおよびPRO)などの重要なベースライン疾患特性は、4つの治療グループ間で概ねバランスが取れていた。ミリキズマブ200mgグループの切除歴のある患者の割合は、他の治療グループよりも低かった。
期間1
主要評価項目は、12週目の内視鏡的反応(SES-CDの50%低減として定義)であった。データは、ミリキズマブ用量の増加に伴う有効性の増加(または改善)を示す:プラセボグループの被験者で10.9%、95%CI(3.3%、18.6%)、ミリキズマブ200mg IVの被験者で25.8%、95%CI(10.4%、41.2%)、ミリキズマブ600mg IVの被験者で37.5%、95%CI(20.7%、54.3%)、およびミリキズマブ1000mg IVの被験者で43.8%、95%CI(31.6%、55.9%))、が内視鏡的反応のエンドポイントに到達する。生物学的製剤経験者(bio-experienced)の被験者のサブグループ分析では、600mgの用量と比較して1000mgの用量で12週目に内視鏡的反応を有した被験者の割合は数値的に大きく、46.2%対31.6%の反応であった。
a)再ランダム化されたグループ
ミリキズマブの投与を受け、12週目にベースラインからSES CDスコアの改善を達成した被験者は、期間1の治療割り当てを継続するようにランダム化される(ミリキズマブ1000mg IV、600mg IV、または200mg IV Q4Wと、プラセボ投与SCまたはプラセボIV Q4Wとミリキズマブ300mg SC Q4W)。この再ランダム化は、SC投薬と比較してIV投薬を継続することの利点があるかどうかの問題に対処するため、および広範囲の曝露を表す様々な投薬グループ間の有効性の可能な違いを評価するために設計される。
ミリキズマブの投与を受け、SES CDスコアの改善が得られなかった被験者は、期間2にIVミリキズマブ1000mgとSCプラセボの投与を受ける。さらに、期間1でプラセボの投与を受けたすべての被験者は、期間2でIVミリキズマブ1000mgとSCプラセボの投与を受けた。これらの患者は、内視鏡的改善が最初に欠如している患者に対する最大曝露の任意の影響を評価し、以前にプラセボにランダム化された患者に対するより短い曝露期間(9か月)の影響を評価するために、最高のIV用量に割り当てられる。これらの理由により、これら2つのグループの患者は別々の患者集団を表し、内視鏡的改善が見られないか、または未治療の疾患が12週間続くため、1000mg IVに再ランダム化された患者と比較して基本的なベースライン特性が異なる。したがって、1000mg IVへの長期曝露を評価する際には、これらのグループを個別に分析する。
a)PK分析-誘導期間および維持期間中のミリキズマブ血清曝露の概要
図1は、期間1(誘導期間)中のミリキズマブの平均濃度を示し、これは、母集団PK分析によって推定された個々の被験者のクリアランスと各被験者が誘導期間中に投与を受けた合計用量を使用して計算される。これらのグラフに示されているように、ミリキズマブの血清曝露は用量とともに増加し、評価された用量全体で個々の被験者の曝露がいくらか重複していた。一部の個々の被験者は、同じ治療グループの他の被験者と比較して平均濃度が非常に低いことに注意されたい。これは主に、これらの被験者が研究から脱落し、計画されたすべての用量の投与を受けなかった結果であり、その結果、12週間の誘導期間全体にわたって平均濃度が低くなる。
この研究の中間分析の時点で、誘導、延長、および維持期間からの186人の患者の合計1814の血清ミリキズマブ濃度試料がPK分析に含まれていた。これらの濃度データを、母集団PK法を使用して分析した。SC維持用量に対する一次吸収を伴う2コンパートメントモデルが、ミリキズマブのPKを最良に表すことが分かった。推定された典型的な母集団の全身クリアランスは0.028L/時(推定の4.3%標準誤差)であり、見かけのクリアランスにおける患者間の変動は24%(変動係数%)であった。推定SCバイオアベイラビリティは、42%であった。中心および周辺の分布容積ならびにコンパートメント間のクリアランスについての推定される典型的な母集団値は、それぞれ、3.2L、4.2L、および0.067L/時であった。合計24個の試料(1.2%)が、ミリキズマブアッセイの定量下限(100ng/mL)未満であった。これらの試料を除外して、PKモデリングで標準的な補完または条件付き推定方法と比較し、推定PKパラメータへの影響は認められなかった。
12週目~52週目までのSESCD、PRO2、およびCDAIの絶対変化と、維持期間中のPKモデルの推定Cavgとの関係を評価した(データは示さず)。誘導期間と同様に、観察された関係は、治療グループの個々の被験者間でスコアの変化に大きな重複を示している。維持療法グループ全体で識別可能な曝露-反応傾向は見られなかった。
ロジスティック回帰モデルを使用して、個々の患者におけるミリキズマブ曝露と、12週目に内視鏡的反応、内視鏡的寛解、またはPRO寛解を達成する確率との関係を評価した。モデルは、12週目のSES-CDスコアの変化とミリキズマブ曝露との関係を評価するためにも使用された。ミリキズマブ曝露とこれらのエンドポイントの間の最大効果(Emax)の関係を仮定したが、線形モデルも試験した。モデルで評価された曝露尺度は、12週目の観測濃度、PKモデルによる12週目の推定濃度、およびPKモデルによる推定Cavgであった。次の共変量もこれらのモデルで評価された:ベースラインアルブミン、ベースラインCRP、ベースライン糞便カルプロテクチン、以前の生物学的治療状態、疾患期間、ベースラインSES-CD、ベースラインCDAI、ベースラインSFサブスコア、ベースラインAPサブスコア、および体重。
この研究におけるミリキズマブのPKは用量に比例し、以前の研究と一致し、モノクローナル抗体として典型的であった。血清アルブミン、ベースラインSES-CDスコア、および体重は、ミリキズマブPKに影響を与える統計的に有意な要因であったが、ランダムPK変動に対するこれらの要因の影響の大きさ、および個々の患者における有効性が、実施例2の研究での関心のある範囲内の曝露に強く依存していない観察結果から、これらの患者の要因が、実施例2の研究におけるPKまたは有効性に臨床的に関連する影響を及ぼさないことを示唆している。
維持期間において、評価された投薬レジメンは、広範囲のミリキズマブ曝露をもたらした。維持療法グループ全体で、ミリキズマブ曝露と52週目の有効性との間に識別可能な関係はなかった。
概要
ミリキズマブの第III相、多施設、ランダム化、二重盲検、ダブルダミー、並行グループ、実薬対照およびプラセボ対照のトリートスルー(treat-through)デザイン研究は、中等度から重度のCD患者において実施され得る。より具体的には、第1期の3つの介入グループと第2期の4つの介入グループを、中等度から重度のCDの参加者で研究することができる:
-ミリキズマブ900mgを4週間ごとに3回静脈内投薬し、その後300mgを4週間ごとに皮下投薬。
-ウステキヌマブ約6mg/kgを1回静脈内投薬し、その後8週間ごとに90mgを皮下投薬。
-プラセボ
-期間1が終了すると(第12週目)、反応者(responder)は引き続きプラセボの投与を受け、および
-12週目の非反応者(NR)は、上記のようにミリキズマブの投与を受ける。
主要目的は、52週目の内視鏡的反応および52週目のPROによる臨床的寛解によって評価される中等度から重度のCDの治療において、ミリキズマブによる治療がプラセボより優れているかどうかを評価することである。副次的な目的には、以下のものが含まれる。
-12週目の内視鏡的反応において、ミリキズマブによる治療の有効性を、プラセボと比較して評価すること、
-12週目のPROによる臨床的寛解において、ミリキズマブによる治療の有効性を、プラセボと比較して評価すること、
-52週目の内視鏡的寛解において、ミリキズマブによる治療の有効性を、プラセボと比較して評価すること、
-52週目のPROによるコルチコステロイドフリーの臨床的寛解または内視鏡的寛解において、ミリキズマブによる治療の有効性を、プラセボと比較して評価すること、
-52週目までのPROによる臨床的寛解の安定性において、ミリキズマブによる治療の有効性を、プラセボと比較して評価すること、
-52週目の内視鏡的反応の持続性において、ミリキズマブによる治療の有効性を、プラセボと比較して評価すること、
-12週目の内視鏡的寛解において、ミリキズマブによる治療の有効性を、プラセボと比較して評価すること、
-52週目の内視鏡的反応を達成する上でミリキズマブがウステキヌマブより優れているかどうかを評価すること、
-52週目の内視鏡的寛解を達成する上でミリキズマブがウステキヌマブより優れているかどうかを評価すること、
および
-52週目のCDAIによる臨床的寛解において、ミリキズマブがウステキヌマブに劣っていないかどうかを評価すること。
-内視鏡的反応:SES CDスコアのベースラインから50%低減。
-内視鏡的寛解:SES-CDスコアが回腸結腸疾患では<4、または単独性回腸疾患では<2、サブスコア>1なし、を有する。
-PROによる臨床的寛解:1日平均APスコア<1(かつベースラインよりも悪くない)および1日平均SF<3.0(ブリストル便形状スケールカテゴリ6または7を使用して定義された液状または非常に柔らかい便、すなわち、液状または水様便の絶対数)(かつベースラインよりも悪くない)を有する。
プラセボおよびウステキヌマブと比較したミリキズマブの安全性と有効性を評価するための第III相、多施設、ランダム化、二重盲検、ダブルダミー、並行グループ、プラセボおよび実薬対照のトリートスルー研究を実施することができる。研究集団には、CDの従来のまたは生物学的療法に対する反応が不十分、反応の喪失、または不耐性のある中等度から重度の活動性CDの参加者を含める必要がある。
-ミリキズマブ900mgを4週間ごとに3回静脈内投薬し、その後300mgを4週間ごとに皮下投薬。
-ウステキヌマブ約6mg/kgを1回静脈内投薬し、その後8週間ごとに90mgを皮下投薬
-プラセボ
-期間1が終了すると(第12週目)、反応者は引き続きプラセボの投与を受け、および
-12週目のプラセボに対する非反応者(NR)は、上記のようにミリキズマブの投与を受ける。
各参加者の研究参加の最大合計期間は、以下の研究期間にわたって72週間である:
i)スクリーニング:最大4週間、
ii)介入期間1:12週間、
iii)介入期間2:40週間、および
iv)治療後のフォローアップ:12~16週間
CDの参加者は、下記で特に指定されていない限り、スクリーニング中に以下のすべての基準を満たしている場合にのみ登録の対象となり得る。
a)患者特性
-初回スクリーニング時に>18歳および<80歳の男性または女性患者
b)疾患特性
-臨床的、内視鏡的、および組織学的基準によって確認された登録の少なくとも3か月前に確立されたCDまたは瘻孔を伴うCDの診断されている。
注:この選択基準を満たすために、CDの診断を裏付ける組織病理学的報告書が、ランダム化の前に原資料で入手できる必要がある。CDの診断を裏付ける組織病理学的報告書がランダム化の前に原資料で入手できない場合、治験責任医師はスクリーニング内視鏡検査でこの目的のために追加の生検を取得することができる(現地の組織病理学研究所に送られる)。
-重み付けされていない1日平均SF>4(ブリストル便形状スケールカテゴリ6または7として定義される緩い水様便)および/またはベースラインでの重み付けされていない1日平均AP>2(訪問2)で定義される中等度から重度の活動性CDを有する。
-研究治療の初回投与前14日以内に、回腸結腸疾患の患者では>7、または単独性回腸疾患の患者では>4のSES-CDスコアを中央読影する。
-直腸結腸癌の家族歴、直腸結腸癌リスクの増加の個人歴、年齢>50歳、または他の既知のリスク因子を有する参加者は、地域のガイドラインに従って、結腸直腸癌のサーベイランスを最新の状態で受ける必要がある。そうでない場合、スクリーニング中に地域のガイドラインに従ってこの陰性結腸直腸癌サーベイランスの文書を作成することができる。
c)以前の投薬不成功基準
-参加者は、選択基準[A]または[B]に記載されている薬剤の少なくとも1つに対して、不十分な反応、反応の喪失、または不耐性を有している必要がある。これらの基準で指定された関連する薬剤については、投与量、頻度、投与経路、および適格性不成功(qualifying failure)の期間の文書化が必要である。
[A]従来薬不成功である患者:以下の薬剤のうちの少なくとも1つに対して不十分な反応、反応の喪失を有する、または不耐性である患者:
-コルチコステロイド
-コルチコステロイド不応性疾患は、少なくとも30mg/日の用量で最低4週間、経口プレドニゾン(または同等物)を投与したにもかかわらず、活動性CDの兆候および/または症状を示すものとして定義される。
-コルチコステロイド依存性疾患、以下のように定義される:
a.活動性CDの兆候および/または症状が再発することなく、コルチコステロイドを開始してから3か月以内に、コルチコステロイドをプレドニゾン10mg/日の同等量未満またはブデソニド3mg/日未満に減らすことができない、または
b.コルチコステロイドのコースを完了してから3か月以内に再発する。
-コルチコステロイドの不耐性の病歴(クッシング症候群、骨減少症/骨粗鬆症、高血糖症、またはコルチコステロイド治療に関連する不眠症を含む神経精神医学的副作用を含むがこれらに限定されない、コルチコステロイドによる継続的な治療を妨げるほど深刻な副作用の証拠が含まれる)。
-免疫調節剤:
-以下のうちの1つによる少なくとも3か月の治療にもかかわらず、持続性活動性疾患の兆候および/または症状を有する。
-経口AZA(>1.5mg/kg/日)もしくは6-MP(>0.75mg/kg/日)もしくはメトトレキサート25mg(筋肉内[IM]またはSC毎週)、または
チオグアニン代謝物検査によって判定される治療範囲内の経口AZAもしくは6-MP、または
-チオグアニン代謝物検査によって判定される治療範囲内のチオプリンおよびアロプリノールの組み合わせ。
-少なくとも1つの免疫調節剤に対する不耐性の履歴(悪心/嘔吐、腹痛、膵炎、肝機能検査を含むが、これらに限定さない、およびCDの治療に承認された生物学的薬剤(抗TNF抗体または抗インテグリン抗体)に対する不耐性は不成功も実証もされていない。臨床的利益にもかかわらず中止した場合、CDの従来療法に不成功である、または不耐性であるとはみなされない。
[B]生物学的製剤不成功である患者:CDに対し承認された生物学的療法(抗TNF抗体または抗インテグリン抗体など)に対する反応が不十分、反応の喪失、または不耐性の参加者。治療責任医師は、誘導および/または維持用量の使用の適切な病歴を文書化可能にする必要がある。参加者は、次の基準のうちの1つを満たす必要がある。
-不十分な反応:使用時に製品ラベルに示されている承認された誘導用量での誘導治療にもかかわらず、持続性の活動性疾患の兆候および症状、または
-反応の喪失:承認された維持投薬による治療中の以前の臨床的利益に続く活動性疾患の兆候および症状の再発。または
-不耐性:インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ベドリズマブ、ナタリズマブ、または他の承認された生物学的製剤に対する不耐性(輸液関連事象、脱髄、鬱血性心不全、または用量の減少もしくは投薬の中止につながった任意の他の薬物関連のAEを含むが、これらに限定されない)の病歴。臨床的利益にもかかわらず中止した場合、CDの生物学的療法に不成功である、または不耐性であるとはみなされない。
登録のすべての基準を満たす参加者は、二重盲検治療にランダム化され得る。グループ間の比較可能性を達成するために、参加者はこれらの要因に基づいて治療グループに層別化され得る:a)生物学的製剤不成功の状態(有り/無し)、b)ベースラインのコルチコステロイド使用(有り/無し)、c)ベースラインSES-CD合計スコア(<12、>12)、d)地域(北アメリカ/ヨーロッパ/その他)、およびe)ベースラインSF>7および/またはベースラインAP>2.5(該当/非該当)。この層別化は、インタラクティブなWeb応答システム(interactive web-response system)(IWRS)によって制御される。期間1には3つの介入グループがある。
この調査を完了した参加者は、資格がある場合、延長研究に登録する選択肢が与えられる場合がある。延長研究の登録基準を満たさない参加者、または延長研究への参加を選択しない参加者は、2回の治療後のフォローアップ訪問に戻る。1回目のそのようなフォローアップ訪問は、最後の投与から4週間後であり得る。2回目のそのようなフォローアップ訪問は、最後の投与から12~16週間後であり得る。
Claims (5)
- 皮下注射に適した、ミリキズマブを含む、クローン病(CD)の治療剤との組み合わせにおいて用いるための、静脈内注射に適した、ミリキズマブを含む、患者におけるクローン病(CD)の治療剤であって、
前記静脈内注射に適したミリキズマブを含む治療剤は、3回の誘導用量のミリキズマブが静脈内注射によって前記患者に投与され、各誘導用量が、約900mgのミリキズマブを含むように用いられ、
前記皮下注射に適したミリキズマブを含む治療剤は、維持用量のミリキズマブが、約4週間または約8週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与され、初回の維持用量が、最後の誘導用量が投与されてから約4週間または約8週間後に投与され、各維持用量が、約200mgまたは約300mgのミリキズマブを含むように用いられ、
前記CDが、中等度から重度のCDである、治療剤。 - 前記患者が、従来薬不成功者(conventional-failed)である、請求項1に記載のCDの治療剤。
- 前記患者が、生物学的製剤経験者(biologic-experienced)である、請求項1に記載のCDの治療剤。
- 前記患者が、生物学的製剤不成功者(biologic-failed)である、請求項1に記載のCDの治療剤。
- 3回の誘導用量のミリキズマブが、約4週間間隔で投与され、前記初回の維持用量は、前記最後の誘導用量が投与されてから約4週間後に投与される、請求項1~4のいずれか一項に記載のCDの治療剤。
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