1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(図4参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、図2に示すように、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。
前扉23には、図3に示すように、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が押下操作し得る演出ボタン40k(操作手段、第1可動体)及びセレクトボタン42kが設けられている。演出ボタン40kは、後述するように振動可能なものであるが、この点については後に詳述する。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
図4に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、透過液晶表示装置7、後方液晶表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、透過液晶表示装置7と後方液晶表示装置50(表示手段)とが前後方向に離れて配置されている(図8参照)。透過液晶表示装置7については、後に詳述する。後方液晶表示装置50は、画像を表示可能な液晶表示装置であるが、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。後方液晶表示装置50の表示画面50a(表示画面)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。後方液晶表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b(図6参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特図表示器81a(図6参照)や第2特図表示器81bにより把握するのではなく、後方液晶表示装置50にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
後方液晶表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また後方液晶表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(図6参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(図6参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって後方液晶表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な第1盤可動体55kが設けられている。第1盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における後方液晶表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域6における第1始動口11の右上方には、大入賞口14(特別入賞口)を備えた大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14kを備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、大入賞口ソレノイド14s(図15参照)により駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この大入賞口14は、後述する大当たり遊技の実行中に開放する。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの右上方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12を備える第2始動入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、可変入球口ともいう。また電チュー12Dを、可変入球手段ともいう。第2始動口12(入球口))への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。
電チュー開閉部材12k(開閉部材)は、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また、遊技領域6における電チュー12Dの上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、第2始動口12(電チュー12D)と、大入賞口14(大入賞装置14D)と、一般入賞口10と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。
続いて、図5に基づいて、大入賞口14に入球した遊技球の流れについて説明する。図5(A)(B)に示すように、大入賞装置14Dの内部には、大入賞口14を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)16および非特定領域17が形成されている。なお、大入賞装置14Dにおいて、特定領域16および非特定領域17の上流には、大入賞口14への遊技球の入賞を検知する大入賞口センサ14aが配置されている。また、特定領域16には、特定領域16への遊技球の通過を検知する特定領域センサ16aが配されている。また、非特定領域17には、非特定領域17への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ17aが配されている。大入賞装置14Dは、大入賞口14を通過した遊技球を特定領域16または非特定領域17のいずれかに振り分ける振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16s(図5(A)(B)では図示省略))とを備えている。
図5(A)は、振分ソレノイド16sの通電時を示している。図5(A)に示すように、振分ソレノイド16sの通電時には、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、大入賞口14に入賞した遊技球は、大入賞口センサ14aを通過したあと特定領域16を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図5(B)は、振分ソレノイド16sの非通電時を示している。図5(B)に示すように、振分ソレノイド16sの通電時には、振分部材16kの特定領域16への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、大入賞口14に入賞した遊技球は、大入賞口センサ14aを通過したあと非特定領域17を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機PY1では、特定領域16への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域16は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域17は、確変作動口ではない。
図4に示す遊技盤1の説明に戻る。図4に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図6に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいい、第1特別図柄と第2特別図柄とをまとめて「特別図柄(識別図柄)」ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における大入賞口14の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄(識別図柄)を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11又は第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11又は第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、大当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図6参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
ここで図7は、遊技盤1の縦断面図である。図7に示すように、本パチンコ遊技機PY1では、透過液晶表示装置7が、後方液晶表示装置50よりも前方にて、鉛直方向に起立している点に特徴がある。即ち、図8に示すように、透過液晶表示装置7と後方液晶表示装置50とは、前後方向に離れていて、平行に配置されている。
後方液晶表示装置50では、従来のパチンコ遊技機の液晶表示装置と同様に、演出図柄EZの変動表示及び停止表示を伴う変動演出が実行されたり、客待ち演出が実行されるようになっている。これに対して、透過液晶表示装置7では、基本的には何も表示されておらず、当該透過液晶表示装置よりも後方を視認可能にしている。従って遊技者には、透過液晶表示装置7の存在をできるだけ意識させないようにして、透過液晶表示装置7よりも後方にある後方液晶表示装置50での演出に意識を向かわせるようにしている。但し、後方液晶表示装置50で実行される演出(演出画像等)に応じて、透過液晶表示装置7の表示画面7aでも演出画像が適宜表示される。これにより遊技者には、後方液晶表示装置50での演出を見せつつ、その演出よりも前方で演出画像を新たに見せることで、従来にはない斬新な演出画像の見せ方を提供することが可能である。
図7に示すように、前後方向において、透過液晶表示装置7と後方液晶表示装置50との間に、第1盤可動体55kと第2盤可動体56kが配置されている。第1盤可動体55kは、遊技盤1の上側に配置されている原点位置(図7参照)と、後方液晶表示装置50の中央部分と前後方向に重なる演出位置(図示省略)との間で移動可能である。一方、第2盤可動体56k(第2可動体)は、遊技盤1の下側に配置されている待機位置(図7参照)と、後方液晶表示装置50の下側部分と前後方向に重なる動作位置(図14(A)参照)との間で移動可能である。
よって、第1盤可動体55kが原点位置(図4参照)から後方液晶表示装置50の表示画面50aの中央部分と前後方向に重なる演出位置(図示省略)に移動した状態で、透過液晶表示装置7の表示画面7aに演出画像を表示すれば、表示画面7aに表示された演出画像を第1盤可動体55kの前方側にて重ねることが可能である。また第2盤可動体56kが待機位置(図7参照)から後方液晶表示装置50の表示画面50aの下側部分と前後方向に重なる動作位置(図14(A)参照)に移動した状態で、透過液晶表示装置7の表示画面7aに演出画像を表示すれば、表示画面7aに表示された演出画像を第2盤可動体56kの前方側にて重ねることが可能である。その結果、第1盤可動体55k又は第2盤可動体56kを演出画像で装飾することが可能であり、印象の異なる第1盤可動体55k又は第2盤可動体56kを見せることが可能である。
また図7に示すように、透過液晶表示装置7の下側であって、且つ透過液晶表示装置7の直ぐ後方に、下側装飾部材61xが配置されている。つまり、前後方向において、透過液晶表示装置7と後方液晶表示装置50との間に、下側装飾部材61x(図4参照)が配置されている。従って、後方液晶表示装置50の表示画面50aに演出画像が表示される場合には、その演出画像が下側装飾部材61xの前方側に重なって見えることはない(図10(A)参照)。これに対して、透過液晶表示装置7の表示画面7aに演出画像が表示される場合には、その演出画像が下側装飾部材61xの前方側に重なって見えることがある(図10(B)参照)。その結果、下側装飾部材61xに演出画像が重なることがないと思っている遊技者に対して、驚きを与えることが可能である。
図8に示すように、透過液晶表示装置7は、後方液晶表示装置50よりも大きいものである。具体的に、透過液晶表示装置7の表示画面7aは19インチであるのに対して、後方液晶表示装置50の表示画面50aは17インチである。そして、遊技者側から見た場合(透過液晶表示装置7に正対して透過液晶表示装置7を見た場合)、透過液晶表示装置7の表示画面7aの枠縁(上縁、下縁、左縁、右縁)及び四隅は、後方液晶表示装置50の表示画面50aの枠縁(上縁、下縁、左縁、右縁)及び四隅よりも、外側に配置されている(図10(A)(B)参照)。即ち、透過液晶表示装置7の表示画面7aには、後方液晶表示装置50の表示画面50aよりも外側にある外側表示領域7xがある。
よって例えば、遊技者が後方液晶表示装置50の表示画面50aに意識が向いているときに、透過液晶表示装置7の表示画面7aのうち外側表示領域7xも含めて演出画像を表示する(図10(B)参照)。これにより、遊技者にとっては、後方液晶表示装置50の表示画面50aよりも外側に演出画像がはみ出て見える。よって遊技者には、想定外の位置で演出画像を見せて、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
次に、図9に基づいて、透過液晶表示装置7の構造について説明する。透過液晶表示装置7は、表示画面7aよりも後方を視認できる状態と、表示画面7aよりも後方を視認できない又は視認し難い状態とを切替え可能な表示装置である。図9に示すように、透過液晶表示装置7は、主に、フレーム枠700と、上側構造部710と、下側構造部720と、左側構造部730と、右側構造部740と、導光板750と、液晶パネル760と、透過フィルム770と、保護パネル780と、を備えている。
フレーム枠700は、透過液晶表示装置7の外郭を構成するものであり、上側に上面部701を有し、下側に下面部702を有し、左側に左面部703を有し、右側に右面部704を有し、前側に前面部705を有している。上面部701と下面部702とは、上下対称の形状になっていて、それぞれ長方形状になっている。左面部703と右面部704とは、左右対称の形状になっていて、それぞれ長方形状になっている。前面部705は矩形の枠状になっていて、中央の開口部にて液晶パネル760を前方に臨ませるようになっている。
上側構造部710は、フレーム枠700の上面部701の内側(下面側)に組付けられるものである。この上側構造部710は、図9に示すように、上側制御基板711と、上側ヒートシンク712と、上側組付カバー713とを備えている。上側制御基板711の上方に上側ヒートシンク712を載置して、これら上側制御基板711及び上側ヒートシンク712に対して下方から上側組付カバー713を組付けることで、上側制御基板711と上側ヒートシンク712と上側組付カバー713とが一体化されている。
上側制御基板711は、液晶パネル760での画像制御を行うものであると共に、各LEDの発光を制御するものである。上側制御基板711は、前端側の縁部に、左右方向に沿って多数の上側表示用LED714を実装している。各上側表示用LED714は、導光板750の周面のうちの上面に向かって、表示用の光を下方へ照射するものである。よって上側制御基板711は、上側表示用LED714の点灯及び消灯を制御することで、上側表示用LED714による表示用の光が導光板750の上面に供給される状態と、供給されない状態とを切替えることが可能である。
また上側制御基板711は、上側表示用LED714よりも後方に、左右方向に沿って多数の上側役物用ライト715を実装している。上側役物用ライト715は、下方に向かって照明用の光を照射するものである。よって上側制御基板711は、上側役物用ライト715の点灯及び消灯を制御することで、第1盤可動体55kや第2盤可動体56k等を上側役物用ライト715による照明用の光で照らす状態と、照らさない状態とを切替えることが可能である。
上側ヒートシンク712は、上側表示用LED714又は上側役物用ライト715の点灯によって生じる熱を逃がすためのものであり、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。上側表示用LED714又は上側役物用ライト715の点灯によって生じる熱は、上側ヒートシンク712及びフレーム枠700の上面部701に伝達して、上面部701の上方にある空気によって冷却されることになる。
下側構造部720は、フレーム枠700の下面部702の内側(上面側)に組付けられるものである。この下側構造部720は、図9に示すように、下側制御基板721と、下側ヒートシンク722と、下側組付カバー723とを備えている。下側制御基板721には、左右方向に沿って多数の下側表示用LED724と、多数の下側役物用ライト725が実装されている。下側構造部720と上側構造部710の構造とは、上下対称で同様であるため、詳細な説明を省略する。
左側構造部730は、フレーム枠700の左面部703の内側(右面側)に組付けられるものである。この左側構造部730は、図9に示すように、左側制御基板731と、左側ヒートシンク732と、左側組付カバー733とを備えている。左側制御基板731の左方に左側ヒートシンク732を載置して、これら左側制御基板731及び左側ヒートシンク732に対して右方から左側組付カバー733を組付けることで、左側制御基板731と左側ヒートシンク732と左側組付カバー733とが一体化されている。
左側制御基板731は、前端側の縁部に、上下方向に沿って多数の左側表示用LED734を実装している。各左側表示用LED734は、導光板750の周面のうちの左面に向かって、表示用の光を右方へ照射するものである。よって左側制御基板731は、左側表示用LED734の点灯及び消灯を制御することで、左側表示用LED734による表示用の光が導光板750の左面に供給される状態と、供給されない状態とを切替えることが可能である。
また左側制御基板731は、左側表示用LED734よりも後方に、上下方向に沿って多数の左側役物用ライト735を実装している。左側役物用ライト735は、右方に向かって照明用の光を照射するものである。よって左側制御基板731は、左側役物用ライト735の点灯及び消灯を制御することで、第1盤可動体55kや第2盤可動体56k等を左側役物用ライト735による照明用の光で照らす状態と、照らさない状態とを切替えることが可能である。
左側ヒートシンク732は、左側表示用LED734又は左側役物用ライト735の点灯によって生じる熱を逃がすためのものであり、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。左側ヒートシンク732には、冷却性能を向上させるために、左方に延びる複数のフィン(図示省略)が形成されている。左側表示用LED734又は左側役物用ライト735の点灯によって生じる熱は、左側ヒートシンク732及びフレーム枠700の左面部703に伝達して、左面部703の左方にある空気によって冷却されることになる。
右側構造部740は、フレーム枠700の右面部704の内側(左面側)に組付けられるものである。この右側構造部740は、図9に示すように、右側制御基板741と、右側ヒートシンク742と、右側組付カバー743とを備えている。右側制御基板741には、上下方向に沿って多数の右側表示用LED744と、多数の右側役物用ライト745が実装されている。右側構造部740と左側構造部730の構造とは、左右対称で同様であるため、詳細な説明を省略する。
導光板750は、光を透過可能な透過性を有する透明な合成樹脂板で構成されていて、長方形状である。この導光板750は、図示しない表示用LEDからの表示用の光を周面(上面、下面、左面、右面)を通して入射する。そして、入射した表示用の光を内部で反射させて、前面751から出射させるようになっている。なお導光板750の後面には、表示用の光を前方に向かって反射させるための凹凸状の粗面(図示省略)が形成されている。
図9に示すように、導光板750の前方には透過フィルム770が配されていて、透過フィルム770の前方には液晶パネル760が配されている。従って、表示用LEDが点灯すると、表示用の光が導光板750の前面751から面発光として出射される。そして導光板750の前面751から面発光された表示用の光を、透過フィルム770を介して液晶パネル760に供給可能となっている。なお、表示用LEDと導光板750とをまとめて、「バックライト」とも呼ぶことにする。
液晶パネル760は、マトリックス状に配されている多数の画素を有し、各画素で透過率を制御する。これにより液晶パネル760は、バックライトからの表示用の光を前方に透過させて、前面(表示画面7a)にて画像を表示することが可能である。即ち、液晶パネル760の各画素に、バックライトからの表示用の光が供給されると、表示画面7aに表示される画像を前方から視認できるようになっている。液晶パネル760は、長方形の薄板状になっていて、フレーム枠700の前面部705の後側に配されている。なお液晶パネル760の前面が、上述した透過液晶表示装置7の表示画面7aである。
透過フィルム(透過性切替手段)770は、後方を視認可能な透過状態と、後方を視認不可能な非透過状態とに切替可能なものであり、図9に示すように、長方形の薄板状になっている。この透過フィルム770は、液晶パネル760と導光板750との間に介装されていて、2つのフレキシブルプリント基板(FPC)775を介して上側制御基板711に接続されている。そのため上側制御基板711は、フレキシブルプリント基板775を介して透過フィルム770に電圧を作用させることで、透過フィルム770の透過状態と非透過状態とを切替えることが可能である。
こうして、透過フィルム770が非透過状態であれば、表示画面7a(透過フィルム770)よりも後方(後方液晶表示装置50)を視認することができなくて、主に透過液晶表示装置7の表示画面7aに表示される演出画像に注目させることになる。これに対して、透過フィルム770が透過状態であれば、表示画面7aよりも後方を視認することができて、主に後方液晶表示装置50の表示画面50aに表示される演出画像や、第1盤可動体55k等に注目させることになる。なお非透過状態を、透過フィルム770よりも後方を完全に視認できない状態としたが、後方を僅かに視認できる状態としても良い。
保護パネル780は、図9に示すように、透過フィルム770の後側に配されていて、透過液晶表示装置7の後方からの外力に対して透過フィルム770、導光板750、及び液晶パネル760を保護するものである。この保護パネル780は、光を透過可能な透過性を有する透明な合成樹脂板で構成されていて、長方形状になっている。
次に、図10(A)(B)に基づいて、透過液晶表示装置7に演出画像が表示されない場合と、演出画像が表示される場合の違いについて説明する。図10(A)では、透過液晶表示装置7の表示画面7a(表示画面7aの全表示領域)に演出画像が表示されていない状態が示されている。そしてこの状態では、透過フィルム770が透過状態になっているため、透過フィルム770よりも後方の領域が視認可能になっている。ここで図10(A)では、後方液晶表示装置50の表示画面50aにおいて、昼の背景を示す昼背景画像H1が表示された状態で、変動演出が実行されている。このようにして遊技者には、基本的に、後方液晶表示装置50の表示画面50aで実行される演出画像に注目させるようにしている。
続いて、図10(B)では、透過液晶表示装置7の表示画面7aに、黒色画像BLが表示されている状態が示されていて、黒色画像BLには一部分が円形状に切り欠かれている切り欠き部BLaが設けられている。そしてこの状態では、図10(A)と同様、透過フィルム770が透過状態になっていて、後方液晶表示装置50の表示画面50aにおいて、昼背景画像H1が表示されている。そのため、黒色画像BLの切り欠き部BLaを通して、後方液晶表示装置50の表示画面50aに表示されている昼背景画像H1の一部(太陽が示されている部分)を視認することが可能である。
以上により本形態では、図8に示すように、後方液晶表示装置50の前方に透過液晶表示装置7を配置しても、遊技者には、図10(A)に示すように後方液晶表示装置50で表示される演出画像を見せたり、図10(B)に示すように透過液晶表示装置7で表示される演出画像を見せることが可能である。更に、図10(B)に示すように、透過液晶表示装置7に表示される演出画像も見せつつ、後方液晶表示装置50に表示される演出画像の一部も見せることが可能である。
また本形態では、図8に示すように、前方に配置されている透過液晶表示装置7の表示画面7aは、後方に配置されている後方液晶表示装置50の表示画面50aよりも大きい。そして上述したように、基本的には、透過液晶表示装置7の表示画面7aには演出画像が何も表示されなくて(図10(A)参照)、遊技者には、後方液晶表示装置50の表示画面50aに表示される演出画像に注目させている。その上で、いきなり透過液晶表示装置7の表示画面7aに演出画像を表示することで、後方液晶表示装置50の表示画面7aの方に意識が向いている遊技者に対して、演出画像が拡大且つ接近してくるかのように見せることが可能である。
また本パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する遊技者や、透過液晶表示装置7の存在を把握していない遊技者の場合、一般的には、後方液晶表示装置50の表示画面50aよりも外側で演出画像が表示されることはないと思っている。そこで、例えば図10(B)に示すように、透過液晶表示装置7の表示画面7aで黒色画像BLを表示する。つまり、透過液晶表示装置7の表示画面7aの表示領域のうち、後方液晶表示装置50の表示画面50aの表示領域と前後方向に重ならない外側表示領域7xで、演出画像を表示する。これにより、遊技者にとっては後方液晶表示装置50の表示画面50aよりも外側で演出画像が表示されたかのように見える。その結果、遊技者にとって想定外の位置で演出画像を見せることができて、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
2.通常ロゴフラッシュ演出及び拡大ロゴフラッシュ演出
次に本形態の特徴である演出について説明する。本形態では、変動演出の実行中で大当たりか否かが示される前に(特別図柄が停止表示する前に)、大当たりへの当選期待度を示唆する予告演出が実行されることがある。この予告演出の一つとして、通常ロゴフラッシュ演出(第1前方予告演出)と拡大ロゴフラッシュ演出(第2前方予告演出)とがある。
先ず、通常ロゴフラッシュ演出について説明する。通常ロゴフラッシュ演出は、図11(A)に示すように、透過液晶表示装置7の表示画面7aに、本パチンコ遊技機PY1のメインキャラクタの顔(特定のモチーフ)を示す通常ロゴフラッシュ画像TG(第1表示像)を表示する演出である。この通常ロゴフラッシュ演出は、後方液晶表示装置50の表示画面50aで変動演出が実行されている途中で割り込むように、約0.5秒だけ実行される。つまり、後方液晶表示装置50の表示画面50aでの変動演出が途中で中断し、約0.5秒だけ透過液晶表示装置7の表示画面7aに通常ロゴフラッシュ画像TGが表示されて、その後に後方液晶表示装置50の表示画面50aで中断していた変動演出が再開することになる。こうして、後方液晶表示装置50の表示画面50aに注目している遊技者に、いきなり透過液晶表示装置7の表示画面7aで実行される通常ロゴフラッシュ演出を見せることで、演出的な驚きを与えると共に、大当たりへの当選期待度が高くなることによる高揚感を与えることが可能である。なお通常ロゴフラッシュ演出の実行中、及び通常ロゴフラッシュ演出が実行される前後においても、透過フィルム770は透過状態に制御されたままになっている。
また図11(A)に示すように、通常ロゴフラッシュ演出で表示される通常ロゴフラッシュ画像TGの一部は、透過液晶表示装置7の外側表示領域7xに表示される。従って、後方液晶表示装置50の表示画面50aに注目していた遊技者に対して、その表示画面50aよりも外側という想定外の位置で通常ロゴフラッシュ画像TGをいきなり見せることになる。よって、透過液晶表示装置7の表示画面7aで表示される通常ロゴフラッシュ画像TGを、より大きく際立たせて見せることが可能である。更に、通常ロゴフラッシュ画像TGの一部は、下側装飾部材61xの一部や、第1盤可動体55kの一部に重なって表示される。よって、演出画像が装飾部材や可動体に重なることを想定していない遊技者に対して、通常ロゴフラッシュ画像TGが下側装飾部材61xや第1盤可動体55kに重なるほど、前方に表示されることによる驚きを与えることが可能である。
ここで、通常ロゴフラッシュ画像TGには、大当たりへの当選期待度を異ならせて示唆する2つの表示態様(期待度態様)がある。具体的には、図11(A)に示すように、通常ロゴフラッシュ画像TGで示されるメインキャラクタの顔が青色になっている表示態様と、通常ロゴフラッシュ画像TGで示されるメインキャラクタの顔が赤色になっている表示態様とがある。以下では、メインキャラクタの顔が青色になっている表示態様の通常ロゴフラッシュ画像TGを、青通常ロゴフラッシュ画像TG1と呼び、メインキャラクタの顔が赤色になっている表示態様の通常ロゴフラッシュ画像TGを、赤通常ロゴフラッシュ画像TG2と呼ぶことにする。
本形態では、図12(A)に示すように、通常ロゴフラッシュ演出として、青通常ロゴフラッシュ画像TG1が表示される場合には、大当たりへの当選期待度が5%であることを遊技者に示唆するように設定している。また赤通常ロゴフラッシュ画像TG2が表示される場合には、大当たりへの当選期待度が30%であることを遊技者に示唆するように設定している。こうして、通常ロゴフラッシュ演出が実行された場合、遊技者には、青通常ロゴフラッシュ画像TG1又は赤通常ロゴフラッシュ画像TG2のどちらが表示されたのかを注目させて、大当たりへの当選期待度の高さを詳細に把握させることが可能である。
次に、拡大ロゴフラッシュ演出について説明する。拡大ロゴフラッシュ演出は、図11(B)に示すように、透過液晶表示装置7の表示画面7aに、拡大ロゴフラッシュ画像KG(第2表示像)を表示する演出である。ここで、図11(B)と図11(A)との比較から分かるように、拡大ロゴフラッシュ画像KGは、通常ロゴフラッシュ画像TGよりも、本パチンコ遊技機PY1のメインキャラクタの顔(特定のモチーフ)が大きく示されているものである。言い換えると、拡大ロゴフラッシュ画像KGは、通常ロゴフラッシュ画像TGが拡大した印象を与え得るものになっている。そして拡大ロゴフラッシュ演出は、通常ロゴフラッシュ演出と同様、後方液晶表示装置50の表示画面50aで変動演出が実行されている途中で割り込むように、約0.5秒だけ実行される。こうして、後方液晶表示装置50の表示画面50aに注目している遊技者に、いきなり透過液晶表示装置7の表示画面7aで実行される拡大ロゴフラッシュ演出を見せることで、演出的な驚きを与えると共に、大当たりへの当選期待度が高くなることによる高揚感を与えることが可能である。なお拡大ロゴフラッシュ演出の実行中、及び拡大ロゴフラッシュ演出が実行される前後においても、透過フィルム770は透過状態に制御されたままになっている。
ここで、図11(A)に示すように、通常ロゴフラッシュ演出が実行された場合には、透過液晶表示装置7の表示画面7aに通常ロゴフラッシュ画像TGが表示されるため、メインキャラクタの顔が前方に向かって接近するように見える。その一方、図11(B)に示すように、拡大ロゴフラッシュ演出が実行された場合には、透過液晶表示装置7の表示画面7aに拡大ロゴフラッシュ画像KGが表示されるため、メインキャラクタの顔が遠近法により通常ロゴフラッシュ画像TGよりも更に前方に向かって接近するように見える。こうして、拡大ロゴフラッシュ演出が実行される場合には、通常ロゴフラッシュ演出が実行される場合よりも、メインキャラクタの顔によるインパクトを増大させることが可能であり、より迫力のある演出を提供することが可能である。また、通常ロゴフラッシュ画像TG又は拡大ロゴフラッシュ画像KGの何れかが表示されるかによって、メインキャラクタの顔の接近度合いが変化して見えることになる。従って、後方液晶表示装置50の表示画面50aの前方で視認可能な予告演出として、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
ところで、拡大ロゴフラッシュ画像KGには、大当たりへの当選期待度を異ならせて示唆する5つの表示態様(期待度態様)がある。具体的には、図11(B)に示すように、拡大ロゴフラッシュ画像KGで示されるメインキャラクタの顔が青色になっている表示態様と、拡大ロゴフラッシュ画像KGで示されるメインキャラクタの顔が緑色になっている表示態様と、拡大ロゴフラッシュ画像KGで示されるメインキャラクタの顔が赤色になっている表示態様と、拡大ロゴフラッシュ画像KGで示されるメインキャラクタの顔が金色になっている表示態様と、拡大ロゴフラッシュ画像KGで示されるメインキャラクタの顔が虹色になっている表示態様と、がある。以下では、メインキャラクタの顔が青色になっている表示態様の拡大ロゴフラッシュ画像KGを、青拡大ロゴフラッシュ画像KG1と呼び、メインキャラクタの顔が緑色になっている表示態様の拡大ロゴフラッシュ画像KGを、緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2と呼び、メインキャラクタの顔が赤色になっている表示態様の拡大ロゴフラッシュ画像KGを、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3と呼び、メインキャラクタの顔が金色になっている表示態様の拡大ロゴフラッシュ画像KGを、金拡大ロゴフラッシュ画像KG4と呼び、メインキャラクタの顔が虹色になっている表示態様の拡大ロゴフラッシュ画像KGを、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5と呼ぶことにする。
本形態では、図12(B)に示すように、拡大ロゴフラッシュ演出として、青拡大ロゴフラッシュ画像KG1が表示される場合には、大当たりへの当選期待度が10%であることを遊技者に示唆するように設定している。また緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2が表示される場合には、大当たりへの当選期待度が20%であることを遊技者に示唆するように設定している。また赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3が表示される場合には、大当たりへの当選期待度が40%であることを遊技者に示唆するように設定している。また金拡大ロゴフラッシュ画像KG4が表示される場合には、大当たりへの当選期待度が60%であることを遊技者に示唆するように設定している。また虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5が表示される場合には、大当たりへの当選期待度が100%であることを遊技者に示唆するように設定している。
こうして、拡大ロゴフラッシュ演出が実行された場合、遊技者には、青拡大ロゴフラッシュ画像KG1、緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3、金拡大ロゴフラッシュ画像KG4、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5の何れが表示されたのかに注目させることになる。特に、拡大ロゴフラッシュ画像KGには、大当たりへの当選期待度の高さに応じて5種類の拡大ロゴフラッシュ画像KG1~KG5があるのに対して、上述したように通常ロゴフラッシュ画像TGには、大当たりへの当選期待度の高さに応じて2種類の通常ロゴフラッシュ画像TGだけになっている。従って、拡大ロゴフラッシュ演出の方が、通常ロゴフラッシュ演出よりも、大当たりへの当選期待度の高さをより詳細に(より細かく)把握させることが可能である。
また図12(A)と図12(B)との比較から分かるように、青通常ロゴフラッシュ画像TG1が表示される場合の当選期待度は5%であるのに対して、青拡大ロゴフラッシュ画像KG1が表示される場合の当選期待度は10%である。また赤通常ロゴフラッシュ画像TG2が表示される場合の当選期待度の高さは30%であるのに対して、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3が表示される場合の当選期待度の高さは40%である。従って、通常ロゴフラッシュ演出と拡大ロゴフラッシュ演出とにおいて、メインキャラクタの顔が同じ色として示される場合、拡大ロゴフラッシュ画像KGの方が、通常ロゴフラッシュ画像TGよりも、当選期待度が高いことを示唆している。よって遊技者には、通常ロゴフラッシュ演出よりも、拡大ロゴフラッシュ演出が実行されるのを期待させることが可能である。即ち、透過液晶表示装置7の表示画面7aで示されるメインキャラクタの顔が大きい方が(より接近して見える方が)、遊技者に当選期待度が高いことによる高揚感を与えることが可能である。
また拡大ロゴフラッシュ演出において、図12(B)に示すように、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5(当たり示唆態様)が表示される場合には、当選期待度が100%であるため、大当たりへの当選が確定していることになる。即ち、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5の表示は、大当たりへの当選報知を意味していて、ハズレになることはない。これに対して、通常ロゴフラッシュ演出において、図12(A)に示すように、青通常ロゴフラッシュ画像TG1又は赤通常ロゴフラッシュ画像TG2の何れが表示されても、当選期待度が100%未満であるため、大当たりへの当選が確定しているわけではない。以上、通常ロゴフラッシュ演出が実行される場合には、通常ロゴフラッシュ画像TGの表示により当選報知になることはない一方、拡大ロゴフラッシュ演出が実行される場合には、拡大ロゴフラッシュ画像KGの表示により当選報知になることがあり得る。よって、透過液晶表示装置7の表示画面7aで示されるメインキャラクタの顔が大きいと(より接近して見えると)、当選報知かもしれないという大きな期待感を遊技者に抱かせることが可能である。なお拡大ロゴフラッシュ演出におけるその他の作用効果は、上述した通常ロゴフラッシュ演出における作用効果と実質的に同一であるため、その説明を省略する。
上述した通常ロゴフラッシュ演出は、後述する予告演出選択処理(S4505)の通常ロゴフラッシュ演出実行抽選処理(S4601)において、所定の通常ロゴフラッシュ実行抽選テーブル(図示省略)を用いて、実行するか否かが決定される。通常ロゴフラッシュ演出を実行すると決定された場合、後述する予告演出選択処理(S4505)の通常ロゴフラッシュ画像抽選処理(S4603)において、図13(A)に示す通常ロゴフラッシュ演出テーブルを用いて、青通常ロゴフラッシュ画像TG1又は赤通常ロゴフラッシュ画像TG2の何れを表示するのかが決定される。
また上述した拡大ロゴフラッシュ演出は、後述する予告演出選択処理(S4505)の拡大ロゴフラッシュ演出実行抽選処理(S4604)において、所定の拡大ロゴフラッシュ実行抽選テーブル(図示省略)を用いて、実行するか否かが決定される。拡大ロゴフラッシュ演出を実行すると決定された場合、後述する予告演出選択処理(S4505)の拡大ロゴフラッシュ画像抽選処理(S4606)において、図13(B)に示す拡大ロゴフラッシュ演出テーブルを用いて、青拡大ロゴフラッシュ画像KG1、緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3、金拡大ロゴフラッシュ画像KG4、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5の何れを表示するのかが決定される。
3.連動振動演出
次に本形態の特徴である連動振動演出について説明する。連動振動演出は、演出ボタン40kと第2盤可動体56kとが共に振動している演出である。そこで先ず、第2盤可動体56kが振動する場合について、図14に基づいて説明する。
上述したように、第2盤可動体56kは、初期状態にある位置として、図7に示す待機位置にあり、遊技盤1の下側に配置されている。この場合、遊技者は、待機位置にある第2盤可動体56kを視認することはできない。これに対して、第2盤可動体56kは、待機位置から上方に移動して、図14(A)に示す動作位置へ移動可能である。第2盤可動体56kが動作位置にあるときには、図14(A)に示すように、後方液晶表示装置50の表示画面50aの下側部分の前方に配置されている。この場合、遊技者は、動作位置にある第2盤可動体56kを視認することが可能である。
本形態では、変動演出の実行中に、第2盤可動体56kが待機位置(図7参照)から動作位置(図14参照)に移動する可動体駆動演出が実行される場合がある。この可動体駆動演出は、表示画面50aの下側部分の前方に出現する第2盤可動体56kを遊技者に見せることで、大当たりへの当選期待度が高くなっていること示唆する演出である。つまり、可動体駆動演出が実行される場合には、可動体駆動演出が実行されない場合よりも、大当たりへの当選期待度が高いことを遊技者に把握させるようにしている。
ここで第2盤可動体56kは、図14(B)に示すように、実線で示す動作位置から、二点鎖線で示す左側の揺動位置に向かって左方へ移動可能である。そして第2盤可動体56kは、二点鎖線で示す左側の揺動位置から、実線で示す動作位置に向かって右方へ移動可能である。また第2盤可動体56kは、実線で示す動作位置から、二点鎖線で示す右側の揺動位置に向かって右方へ移動可能である。そして第2盤可動体56kは、二点鎖線で示す右側の揺動位置から、実線で示す動作位置に向かって左方へ移動可能である。こうして第2盤可動体56kは、動作位置(図14(B)に示す実線)から揺動位置(図14(B)に示す二点鎖線)を経て再び動作位置(図14(B)に示す実線)へ戻る動作を複数回繰り返することで、振動できるようになっている。なお本形態において、或る位置から別の位置を経て再び或る位置へ戻る往復動作を複数回繰り返すことを、「振動」と呼ぶことにする。
図14(B)に示すように、第2盤可動体56kは、エンブレムの形状を模した円盤形状に形成されている。この第2盤可動体56kが待機位置(図7参照)から図14(A)に示す動作位置へ移動することで、遊技者には、円盤形状の第2盤可動体56kが、後方液晶表示装置50の表示画面50aの前方に突然出現するように見える。そして、第2盤可動体56kが動作位置⇒揺動位置⇒動作位置への振動を行うことで、遊技者には、その後に実行される演出への煽りのように見える。こうして、第2盤可動体56kの出現と振動とによって、遊技者にはその後の演出の行方に注目(期待)させることが可能である。
次に、演出ボタン40kが振動する場合について、図15に基づいて説明する。演出ボタン40kは、図1に示すように、上皿34の前方に配置されていて、初期状態にある位置として、通常位置にある。図15(A)では、通常位置にある演出ボタン40kが、実線で示されている。この演出ボタン40kは、ドーム形状(半球体状)に形成されていて、左右方向に振動可能に構成されている。ここで演出ボタン40kが振動する際の振動態様には、第1振動態様(第1振動パターン)と第2振動態様(第2振動パターン)という2種類の振動態様がある。なお上述した第2盤可動体56kの振動態様は、図14(B)に示すように、1種類だけである。
演出ボタン40kは、図15(A)に示すように、実線で示す通常位置から、二点鎖線で示す左側の振動位置に向かって左方へ移動可能である。そして演出ボタン40kは、二点鎖線で示す左側の振動位置から、実線で示す通常位置に向かって右方へ移動可能である。また演出ボタン40kは、実線で示す通常位置から、二点鎖線で示す右側の揺動位置に向かって右方へ移動可能である。そして演出ボタン40kは、二点鎖線で示す右側の揺動位置から、実線で示す通常位置に向かって左方へ移動可能である。こうして演出ボタン40kは、通常位置(図15(A)に示す実線)から振動位置(図15(A)に示す二点鎖線)を経て再び通常位置(図15(A)に示す実線)へ戻る動作を複数回繰り返すことで、振動できるようになっている。図15(A)に示すように演出ボタン40kが振動するときの振動態様が、第1振動態様である。
これに対して演出ボタン40kは、図15(B)に示すように、実線で示す通常位置から、二点鎖線で示す左側の微振動位置に向かって左方へ移動可能である。この左側の微振動位置(図15(B)の左側の二点鎖線)は、上述した振動位置(図15(A)の左側の二点鎖線)よりも、演出ボタン40kが通常位置から左方へ移動する移動量が少ない位置である。そして演出ボタン40kは、二点鎖線で示す左側の微振動位置から、実線で示す通常位置に向かって右方へ移動可能である。また演出ボタン40kは、実線で示す通常位置から、二点鎖線で示す右側の微振動位置に向かって右方へ移動可能である。この右側の微振動位置(図15(B)の右側の二点鎖線)は、上述した振動位置(図15(A)の右側の二点鎖線)よりも、演出ボタン40kが通常位置から右方へ移動する移動量が少ない位置である。そして演出ボタン40kは、二点鎖線で示す右側の微振動位置から、実線で示す通常位置に向かって左方へ移動可能である。こうして演出ボタン40kは、通常位置(図15(B)に示す実線)から微振動位置(図15(B)に示す二点鎖線)を経て再び通常位置(図15(A)に示す実線)へ戻る動作を複数回繰り返すことで、振動できるようになっている。図15(B)に示すように演出ボタン40kが振動するときの振動態様が、第2振動態様である。
以上、演出ボタン40kの第1振動態様と第2振動態様とを比較すると、第1振動態様では演出ボタン40kが相対的に大きく振動する(振幅が大きい)のに対して、第2振動態様では演出ボタン40kが相対的に小さく振動する(振幅が小さい)。そのため、演出ボタン40kが第1振動態様で振動するときには、左右方向に大きく揺れる演出ボタン40kが遊技者の目に留まり易く、遊技者にはその後に実行される演出への煽りのように見える。こうして、演出ボタン40kが第1振動態様で振動する場合には、遊技者にはその後の演出の行方に注目(期待)させることが可能である。
特に演出ボタン40kは、遊技者が押下操作可能な操作手段であるが、本形態では、遊技者による押下操作を契機としないで、演出ボタン40kが第1振動態様で振動し得るようになっている。従って一般的に、遊技者は、演出ボタン40kに手を触れていない状況で、第1振動態様で左右方向に大きく揺れる演出ボタン40kを見ることになる。従って遊技者には、演出ボタン40kを押下操作していないにも拘わらず、自然に(後述する第2振動態様よりも)大きく振動する演出ボタン40kを見せることで、その後の演出の行方に一層大きな期待感を抱かせることが可能である。
その一方で、本形態では、遊技者による押下操作を契機として、演出ボタン40kが第2振動態様で振動し得るようになっている。従って一般的に、遊技者は、演出ボタン40kに手を触れている状況で、第2振動態様で左右方向に小さく(細かく)揺れる演出ボタン40kを手で体感することになる。従って遊技者には、演出ボタン40kを押下操作することにより、細かく振動する演出ボタン40kを感じさせて、演出への積極的な関与を楽しませることが可能である。
ここで、図16(A)に基づいて、ボタン振動演出について説明する。ボタン振動演出は、演出ボタン40kが第2振動態様で振動する演出である。図16(A)に示すように、ボタン振動演出では、演出ボタン40kの振幅がSP1になっていて、演出ボタン40kの振動周期が1/4秒(s)になっている。このボタン振動演出において、演出ボタン40kの振幅は、演出ボタン40kが通常位置(図15(B)の実線)から微振動位置(図15(B)の二点鎖線)へ移動するときの移動量のことである。また演出ボタン40kの振動周期は、演出ボタン40kが通常位置(図15(B)の実線)から微振動位置(図15(B)の二点鎖線)を経て再び通常位置へ戻ってくるまでの時間(s)のことである。
このボタン振動演出は、後述するように、遊技者による演出ボタン40kへの押下操作を契機として、実行される(図19(C-1)参照)。具体的には後述するように、演出ボタン40kへの押下操作を促すボタン押下促進演出(図19(B)参照)が実行された後に、遊技者が演出ボタン40kを押下操作すると、ボタン振動演出が実行される場合がある。この場合、ボタン振動演出に合わせて、大当たりへの当選を報知する当選報知演出(図19(C-1))が実行される。従って遊技者には、当選報知演出及びボタン振動演出により、大当たりへの当選を把握させると共に、相対的に振動周期が短い演出ボタン40kの振動を手で感じさせて、当選への喜びを助長することが可能である。
次に図16(B)に基づいて、ボタン煽り演出について説明する。ボタン煽り演出は、演出ボタン40kが第1振動態様で振動する演出である。図16(B)に示すように、ボタン煽り演出では、演出ボタン40kの振幅がSP2になっていて、演出ボタン40kの振動周期が1秒(s)になっている。このボタン煽り演出において、演出ボタン40kの振幅は、演出ボタン40kが通常位置(図15(A)の実線)から振動位置(図15(A)の二点鎖線)へ移動するときの移動量のことである。また演出ボタン40kの振動周期は、演出ボタン40kが通常位置(図15(A)の実線)から振動位置(図15(A)の二点鎖線)を経て再び通常位置へ戻ってくるまでの時間(s)のことである。
このボタン煽り演出は、後述するように、遊技者による演出ボタン40kへの押下操作を契機とないで、実行される(図19(A)参照)。具体的には後述するように、演出ボタン40kへの押下操作を促すボタン押下促進演出(図19(B)参照)が実行される前に、ボタン押下促進演出に至るまでの煽り演出として、ボタン煽り演出が実行される場合がある。この場合、ボタン煽り演出では、演出ボタン40kは相対的に振幅が大きく且つ相対的に振動周期が長く振動する。特に、このときの振動周期が1秒であるため、人間の心拍のような周期(約1秒)になっている。従って遊技者には、ボタン煽り演出により、心臓の鼓動を感じさせるような緊迫感を与えつつ、その後の演出の行方に大きな期待感を抱かせることが可能である。
ところで従来のパチンコ遊技機の演出ボタンでは、図16(A)に示すボタン振動演出のように、相対的に振幅が小さく且つ相対的に振動周期が短い振動であるのが一般的である。即ち、演出ボタン(操作手段)の振動態様としては、図15(B)に示す第2振動態様のような1種類の振動態様しかないのが一般的である。
そこで本形態では、演出ボタン40kが、一般的な第2振動態様(図15(B)参照)で振動できることに加えて、第2振動態様よりも振幅が大きく且つ振動周期が長い第1振動態様(図15(A)参照)で振動できるようになっている。これにより、演出ボタン40が従来の印象よりも、振幅が大きく且つゆったりと(振動周期が長く)振動するのを体感させることが可能である。こうして従来にはない演出ボタン40での振動を楽しませることが可能である。
そして、演出ボタン40kによる第2振動態様の振動は、遊技者による演出ボタン40kへの押下操作を契機としているのに対して、演出ボタン40kによる第1振動態様の振動は、遊技者による演出ボタン40kへの押下操作を契機としていない。従って、演出ボタン40が第1振動態様で振動するときには、遊技者は、意図していないタイミングで、一般的に想定している第2振動態様よりも振幅が大きく且つ振動周期が長い振動を見ることになる。これにより遊技者には、演出ボタン40による想定外の振動を視認させて、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
続いて図17に基づいて、連動振動演出について説明する。連動振動演出(共同振動演出)は、上述したように、演出ボタン40kと第2盤可動体56kとが共に振動している演出であり、具体的には、演出ボタン40kが第1振動態様で振動すると共に、第2盤可動体56kが動作位置(図14(B)の実線)から揺動位置(図14(B)の二点鎖線)を経て動作位置に移動する振動を繰り返す演出である。なお連動振動演出において、演出ボタン40kが第1振動態様で振動し始めるタイミングと、第2盤可動体56kが振動し始めるタイミングとは同じである。更に、演出ボタン40kが振動を終了するタイミングと、第2盤可動体56kが振動を終了するタイミングとは同じである。つまり、演出ボタン40kの振動時間(振動期間)と第2盤可動体56kの振動時間(振動期間)とは同じになっている。
こうして、連動振動演出により遊技者には、2つの振動可能な可動体(演出ボタン40k、第2盤可動体56k)が同時に振動しているという驚きを与えることが可能である。特に、遊技者が操作可能な操作手段としての演出ボタン40と、演出可動体としての第2盤可動体56kとが同時に振動する。従って、遊技者には異なる性質である2つの演出手段が、同時に振動するという意外性を与えることが可能である。そして本形態の連動振動演出は、ボタン押下促進演出(図19(B)参照)に至るまでの煽り演出として実行される(図19(A)参照)。そのため、上述したようにボタン煽り演出での演出ボタン40kの振動と、第2盤可動体56kの振動とが合わさることで、心臓の鼓動を感じさせるような緊迫感をより強く与えることが可能である。
また本形態において、連動振動演出は、遊技者による演出ボタン40kへの押下操作を契機としないで実行されるため(図19(A)参照)、遊技者にとっては意図しないタイミングで、第2盤可動体56kと演出ボタン40kとが自動で動いているように見える。従って遊技者には、その後により強いインパクトがある演出が実行されるのではないか(何か凄い演出の前兆ではないのか)という期待感を抱かせることが可能である。こうして連動振動演出により、ボタン押下促進演出(図19(B)参照)に至るまでの過程を一層盛り上げることが可能である。
ここで本形態の連動振動演出では、図17に示すように、第2盤可動体56kが振動するときの振幅がSP3になっている。なお第2盤可動体56kの振幅は、第2盤可動体56kが動作位置(図14(B)の実線)から揺動位置(図14(B)の二点鎖線)へ移動するときの移動量のことである。また第2盤可動体56が振動するときの振動周期が1秒(s)になっている。なお第2盤可動体56kの振動周期は、第2盤可動体56kが動作位置(図14(B)の実線)から揺動位置(図14(B)の二点鎖線)を経て再び動作位置へ戻ってくるまでの時間(s)のことである。こうして連動振動演出では、演出ボタン40kの振動周期と、第2盤可動体56kの振動周期とが共に1秒で同一になっている。
よって、本形態の連動振動演出では、振動周期が同じ演出ボタン40kの振動と第2盤可動体56kの振動であるため、2つの可動体(演出ボタン40k、第2盤可動体56k)の振動が完全にリンクしていると遊技者に把握させることが可能である。特に、演出ボタン40kの振動周期と第2盤可動体56kの振動周期は共に、人間の心拍の周期と近い1秒である。従って、異なる2箇所の部位から、心臓の鼓動のように同期した2つの振動を遊技者に視認させることで、煽り演出としての効果を一層高めることが可能である。
4.演出例
次に、図18に基づいて、本形態の演出例を説明する。先ず図18(A)に示すように、後方液晶表示装置50の表示画面50aでは、昼背景画像H1が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。このとき、透過液晶表示装置7の表示画面7aには演出画像が何も表示されておらず、透過フィルム770は透過状態に制御されている。そのため、遊技者は透過フィルム770(透過液晶表示装置7)を通して、後方液晶表示装置50の表示画面50aに表示されている演出画像(昼背景画像H1、演出図柄EZ)を視認することが可能である。こうして基本的には、遊技者に後方液晶表示装置50の表示画面50aで実行されている変動演出を注目させて、透過液晶表示装置7を意識させないようにしている。なおこの演出例において、以降で説明する図18(B)、図18(C)、図18(D)、図18(E)、図18(F)、図18(G)、図18(H)、図19(A)、図19(B)、図19(C-1)、図19(C-2)に示す何れの状態においても、透過液晶表示装置7の透過フィルム770は、透過状態に制御されている。
次に、演出図柄EZが「4↓4」で停止表示してリーチになり、図18(B)に示すように、SPリーチへ発展することを示唆するSPリーチ発展示唆演出が実行される。具体的には、後方液晶表示装置50の表示画面50aに、主人公キャラが鎧を召喚していることを示す鎧召喚画像YS1が表示される。なおこのときにも、透過液晶表示装置7の表示画面7aには演出画像が何も表示されていない。
続いて、図18(C)に示すように、SPリーチに発展したことを示唆するSPリーチ発展演出が実行される。具体的には、後方液晶表示装置50の表示画面50aに、主人公キャラが本パチンコ遊技機PY1のメインキャラクタに変身したことを示す主人公キャラ登場画像SK1が表示される。なおこのときにも、透過液晶表示装置7の表示画面7aには演出画像が何も表示されていない。その後、SPリーチが開始されて、後方液晶表示装置50の表示画面50aでは、SPリーチに応じた演出画像が適宜表示されていく。
ここでSPリーチの実行途中で、図18(D)に示すように、透過液晶表示装置7の表示画面7aで、通常ロゴフラッシュ演出が実行される。即ち、後方液晶表示装置50の表示画面50aでSPリーチに応じた演出画像が表示されている途中で、通常ロゴフラッシュ演出が約0.5秒だけ割り込んで実行される。このとき通常ロゴフラッシュ演出では、メインキャラクタの顔が赤色になっている赤通常ロゴフラッシュ画像TG2が表示される。従って遊技者には、当選期待度が30%であることを把握させて、当選期待度が高いことによる高揚感を与えることが可能である。更に、後方液晶表示装置50の表示画面50aに注目していた遊技者に対して、赤通常ロゴフラッシュ画像TG2が前方にある表示画面7aにて大きく表示されるため、赤通常ロゴフラッシュ画像TG2が差し迫ってきたかのような驚きを与えることが可能である。
図18(D)に示す通常ロゴフラッシュ演出が終了すると、透過液晶表示装置7の表示画面7aには演出画像が何も表示されなくなる一方、後方液晶表示装置50の表示画面50aでSPリーチに応じた演出画像が表示される。従って、後方液晶表示装置50の表示画面50aで実行されるSPリーチに、遊技者の意識を再び向かわせる。そして、図18(E)に示すように、後方液晶表示装置50の表示画面50aでSPリーチにおけるバトル演出が開始される。具体的には、後方液晶表示装置50の表示画面50aに、「敵キャラを撃破せよ!」の文字を示すバトル開始画像BK1が表示される。なおこのときにも、透過液晶表示装置7の表示画面7aには演出画像が何も表示されていない。
続いて、図18(F)に示すように、後方液晶表示装置50の表示画面50aには、戦う準備をしているメインキャラクタを大きく示すキャラアップ画像KU1が表示される。こうして、バトル演出において、大当たり又はハズレの当落分岐時点(図19(B)参照)に至るまでの過程を煽るような演出画像が適宜表示されていく。なおこのときにも、透過液晶表示装置7の表示画面7aには演出画像が何も表示されていない。
ここでバトル演出の実行途中で、図18(G)に示すように、透過液晶表示装置7の表示画面7aで、拡大ロゴフラッシュ演出が実行される。即ち、後方液晶表示装置50の表示画面50aでバトル演出に応じた演出画像が表示されている途中で、拡大ロゴフラッシュ演出が約0.5秒だけ割り込んで実行される。このとき拡大ロゴフラッシュ演出では、メインキャラクタの顔が赤色になっている赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3が表示される。従って遊技者には、当選期待度が40%であることを把握させて、当選期待度がより高くなったことによる高揚感を与えることが可能である。更に、後方液晶表示装置50の表示画面50aに注目していた遊技者に対して、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3が前方にある表示画面7aにて非常に大きく表示されるため、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3が差し迫ってきたかのような驚きを与えることが可能である。
特に、図18(G)に示す赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3は、図18(D)に示す赤通常ロゴフラッシュ画像TG2よりも、メインキャラクタの顔を大きく示すと共に、当選期待度がより高いことを示唆するものである。従って、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3を把握した遊技者には、赤通常ロゴフラッシュ画像TG2よりも、メインキャラクタの顔がより前方に差し迫ってくる印象を与えつつ、当選期待度がより高いことを認識させて、驚きと高揚感とが入り交ざった遊技興趣を与えることが可能である。
図18(G)に示す拡大ロゴフラッシュ演出が終了すると、透過液晶表示装置7の表示画面7aには演出画像が何も表示されなくなる一方、後方液晶表示装置50の表示画面50aでSPリーチに応じた演出画像が表示される。従って、後方液晶表示装置50の表示画面50aで実行されるバトル演出に、遊技者の意識を再び向かわせる。そして、SPリーチ(バトル演出)の終盤になると、図19(H)に示すように、後方液晶表示装置50の表示画面50aで、メインキャラクタが敵キャラを倒すことができるか否かを煽る勝敗分岐画像SB1が表示される。
そして図19(A)に示すように、連動振動演出が実行される。即ち、先ず第2盤可動体56kが待機位置(図7参照)から上方に移動して、動作位置(図14の実線)まで移動する。そして第2盤可動体56kは、動作位置から揺動位置(図14(B)の二点鎖線)を経て動作位置へ戻る移動を繰り返して、振動し始める。このときの第2盤可動体56kの振動周期は1秒である(図17参照)。
また連動振動演出では、図19(A)に示すように、演出ボタン40kが、第2盤可動体56kの振動開始に伴って、第1振動パターンで振動し始める(図15(A)参照)。即ち、演出ボタン40kが、遊技者による押下操作を契機としないで、通常位置(図15(A)に示す実線)から振動位置(図15(A)に示す二点鎖線)を経て通常位置へ戻る移動を繰り返して、振動し始める。このときの演出ボタン40kの振動周期は、第2盤可動体56kの振動周期と同じ1秒である。
こうして、第2盤可動体56kと演出ボタン40kとが同じ振動周期で振動する連動振動演出を把握した遊技者には、斬新な煽り演出による振動を視認させることが可能である。特に連動振動演出が実行されているときには、図19(A)に示すように、スピーカ610から、1秒である振動周期に対応して(同じ周期で)、「ドクドクドク」という音声が出力される。これにより遊技者には、心臓の鼓動を感じるような緊迫感をより強く与えることができて、その後の演出への行方に大きく期待させることが可能である。連動振動演出は約3秒間実行されて、連動振動演出の終了に伴って第2盤可動体56kは振動を終了して、動作位置から待機位置へ移動する。また第2盤可動体56kによる振動の終了に伴って、演出ボタン40kも振動を終了する。
図19(A)に示す連動振動演出を経て、図19(B)に示すように、遊技者に演出ボタン40kへの押下操作を促すボタン押下促進演出が実行される。このボタン押下促進演出(操作促進演出)では、演出ボタン40kの形状を模したボタン画像BTと、「押せ!」の文字を示す文字画像MOとが、後方液晶表示装置50の表示画面50aに表示される。なおこのボタン押下促進演出が実行されるタイミングが、勝敗分岐タイミングである。
ここで、大当たりに当選している状況であれば、図19(C-1)に示すように、遊技者に大当たりに当選していることを示す当選報知演出が実行される。当選報知演出では、メインキャラクタが敵キャラに勝利したことを示す勝利画像WIが後方液晶表示装置50の表示画面50aで表示される。また図19(B)に示すボタン押下促進演出の実行中に、演出ボタン40kが押下操作されていれば、演出ボタン40kが第2振動態様で振動する(図15(B)参照)。即ち、図16(A)に示すボタン振動演出が実行される。更に当選報知演出では、スピーカ610から大当たりに当選していることを示す専用の「ピロリーン」という効果音(音声)が出力される。こうして遊技者には、勝利画像WIにより視覚で当選を把握させる。更に演出ボタン40kの細かい振動により触覚で当選を把握させる。加えて「ピロリーン」という効果音により聴覚でも当選を把握させる。以上により、当選を引き当てたことによる大きな高揚感を与えることが可能である。なお大当たりに当選している状況であっても、図19(B)に示すボタン押下促進演出の実行中に演出ボタン40kが押下操作されていなければ、演出ボタン40kは振動しないことになる。
一方、ハズレである状況であれば、図19(C-2)に示すように、遊技者にはハズレであることを示唆するハズレ示唆演出が実行される。ハズレ示唆演出では、メインキャラクタが敵キャラに敗北したことを示す敗北画像LOが後方液晶表示装置50の表示画面50aで表示される。なおハズレである状況の場合、図19(B)に示すボタン押下促進演出の実行中に演出ボタン40kが押下操作されているか否かに拘わらず、演出ボタン40kは振動しないことになる。またハズレ示唆演出では、スピーカ610からハズレであることを示唆する「ヒュー」という効果音が出力される。こうして遊技者には、敗北画像LOにより視覚でハズレを把握させる。更に、演出ボタン40kが振動しないという感覚でもハズレを把握させる。加えて「ヒュー」という音声により聴覚でもハズレを把握させることになる。
5.遊技機の電気的構成
次に図20及び図21に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図20及び図21に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(透過液晶表示装置7、後方液晶表示装置50、スピーカ610、盤ランプ54、第1盤可動体55k、第2盤可動体56k、演出ボタン40k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図20に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、特定領域センサ16a、および非特定領域センサ17aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて、大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ16aは、特定領域16内に設けられて、特定領域16を通過する遊技球を検出するものである。非特定領域センサ17aは、非特定領域17内に設けられて、非特定領域17を通過する遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、および大入賞口ソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。大入賞口ソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。振分ソレノイド16sは、大入賞装置14Dの振分部材16kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図21に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図21に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、第1盤可動体移動モータ55m(第1盤可動体55k)、第2盤可動体移動モータ56m(第2盤可動体56k)、第2盤可動体振動モータ56s(第2盤可動体56k)、演出ボタン振動モータ40s(演出ボタン40k)が接続されている。第1盤可動体移動モータ55mは、第1盤可動体55kを移動させるためのモータである。第2盤可動体移動モータ56mは、第2盤可動体56kを移動させるためのモータである。第2盤可動体振動モータ56sは、第2盤可動体56kを振動させるためのモータである。演出ボタン振動モータ40sは、演出ボタン40kを振動させるためのモータである。
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に後方液晶表示装置50及び透過液晶表示装置7の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、後方液晶表示装置50及び透過液晶表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して第1盤可動体移動モータ55m(第1盤可動体55k)、第2盤可動体移動モータ56m(第2盤可動体56k)、第2盤可動体振動モータ56s(第2盤可動体56k)、演出ボタン振動モータ40s(演出ボタン40k)の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、第1盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って第1盤可動体55kを駆動させるために第1盤可動体移動モータ55mの駆動制御を行う。
また演出制御用マイコン121は、第2盤可動体56kの動作態様を決める動作パターンデータを作成し、動作パターンデータに従って第2盤可動体56kを駆動させるために第2盤可動体移動モータ56m及び第2盤可動体振動モータ56sの駆動制御を行う。なお第2盤可動体56kの駆動データには、待機位置と動作位置との間で第2盤可動体56kを移動させるための駆動データと、動作位置と揺動位置との間で振動させるための駆動データが含まれている。また演出制御用マイコン121は、演出ボタン40kの動作態様を決める動作パターンデータを作成し、動作パターンデータに従って演出ボタン40kを駆動(振動)させるために演出ボタン振動モータ40sの駆動制御を行う。なお演出ボタン40kの駆動データには、第1振動態様(図15(A)参照)で振動させるための駆動データと、第2振動態様(図15(B)参照)で振動させるための駆動データが含まれている。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図20及び図21は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図20及び図21に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図20又は図21に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図20又は図21に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
6.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり(大当たり当選)」、「ハズレ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」であるときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別(大当たりの種別)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たり(大当たり図柄)には、図22に示すように複数の種類がある。本形態では、大きく分けて2つの種類がある。「確変大当たり」と「通常大当たり」である。「確変大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域16への遊技球の通過が容易に可能な通過開放パターン(Vロング開放パターン)でAT開閉部材14kを作動させる大当たりである。「通常大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域16への遊技球の通過が不可能又は困難な非通過開放パターン(Vショート開放パターン)でAT開閉部材14kを作動させる大当たりである。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中の特定領域16への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記の確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域16へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域16へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。なお「確変大当たり」に当選した場合であっても、大当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域16を通過しなかった場合には、通常確率状態になる。
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後の遊技状態が後述する時短状態に制御される。なお、時短状態に制御されたときに時短回数が160回又は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
ここで本パチンコ遊技機PY1の遊技状態は、大きく分けて3つの遊技状態からなる。通常確率状態且つ非時短状態(以下「低確非時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ時短状態(以下「高確時短状態」とも呼ぶ)と、通常確率状態且つ時短状態(以下「低確時短状態」とも呼ぶ)とがある。なお初期設定では、低確非時短状態(通常遊技状態)である。
第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別には、2種類ある。具体的には、「確変大当たり(確変大当たり1、確変大当たり2)」、又は「通常大当たり」がある。
図22に示すように、「確変大当たり1」は、10R(ラウンド)大当たりであり、1Rにつき大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。なお本形態では9R目に大入賞口14内の特定領域16への通過(V入賞)が容易にできるように振分部材16k(図5(A)参照)の作動が制御されている。なお9R目以外ではV入賞できないように、振分部材16k(図5(B)参照)の作動が制御されている。
本形態では、「確変大当たり1」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御される。このときは、時短回数が160回に設定される。またST回数が160回に設定される。ST回数とは、高確率状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。但しイレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確時短状態に制御される。なお「確変大当たり1」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_確変図柄」が停止表示される。
また図22に示すように、「通常大当たり」は、16R(ラウンド)大当たりであり、1Rにつき大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。通常大当たりにおける9R目では、大入賞口14の開放タイミングと振分部材16kの作動タイミング(第2状態(図5(B)参照)から第1状態(図5(A)参照)に制御されるタイミング)との関係から、特定領域16に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。但し、イレギュラーな場合として、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御される。なお「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
続いて、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別について説明する。特図2の抽選で当選可能な大当たりは、1種類だけである。具体的には、「確変大当たり2」だけである。つまり、特図2の抽選で当選した大当たりは、大当たり遊技中に特定領域16への遊技球の通過が容易な大当たりになる。
図22に示すように、「確変大当たり2」は、10R大当たりであり、1Rにつき大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。上述したように9R目には、大入賞口14内の特定領域16への通過(V入賞)が容易にできるように振分部材16k(図5(A)参照)の作動が制御されている。本形態では「確変大当たり2」に当選して、V入賞の場合には、時短回数が160回に設定される。またST回数が160回に設定される。但しイレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確時短状態に制御される。なお「確変大当たり2」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄」が停止表示される。
本形態では、大当たりに当選した場合の開放パターンは、図22に示す通りである。即ち、先ず、4.0秒だけオープニングが実行される。その後、上述したようにAT開閉部材14kが開放するラウンド遊技が実行される。最後に、1.5秒だけエンディングが実行される。
また図22に示すように、特図1の抽選における各大当たりの振分率では、確変大当たり1が35%である一方、通常大当たりが65%である。また特図2の抽選における大当たりでは、上述したように確変大当たり2が100%である。なお大当たり遊技の1ラウンド中に、複数回大入賞口14を開放させることがあってもよい。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図23(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。図23(B)に示すように、当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図23(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
7.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図24(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図25参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースを早くして、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりへの当選を狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図24(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では図24(D)に示すように、普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選の結果が当たり又はハズレの何れであっても、非時短状態では30秒であるのに対して、時短状態では1秒である。なお普通図柄の停止時間は、時短状態である場合に8ms(図示省略)に設定され、非時短状態である場合に500ms(図示省略)に設定される。
更に時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。具体的には図26に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが0.2秒だけ開放するのに対して、時短状態では、電チュー12Dが2.0秒だけ開放する。
加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図26参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。具体的には図26に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1回しか開放しないのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3回開放する。時短状態において、電チュー12Dが閉鎖してから次の開放までのインターバル時間は、1.0秒に設定されている。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が入球し易くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「入球容易状態」といい、作動していない状態を「非入球容易状態」という。なお、入球容易状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、入球容易状態を電サポ制御状態や高ベース状態ともいう。これに対して、非入球容易状態を非電サポ制御状態や低ベース状態ともいう。
入球容易状態(高ベース状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、入球容易状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後に高確率状態に制御されると、その高確率状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確率状態に移行すると、ST回数が160回に設定される。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
8.遊技制御用マイコン101の動作
[主制御メイン処理]次に図27~図42に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図27に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図18に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図28に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a等(図20参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶(セット)する。また、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図27の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図23に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、特定領域センサ検出処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器83bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器83aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図27参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図29に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート13に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理を行う(S202)。一方、遊技球がゲート13を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS207に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行う(S206)。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図23(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部105bの記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には処理を終えるが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S208)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S208でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S208でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S210)を行って、本処理を終える。特図1関係乱数取得処理(S210)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図23(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部105aの記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図30に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理を行う(S303)。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値、図23(B)参照)を取得し、その取得乱数値を遊技用RAM104の普図保留記憶部106のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図28参照)。図31に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、図24(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図24(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図26の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図26の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う(図28参照)。図32に示すように特別動作処理(S106)では、特図表示器81および大入賞装置14Dに関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図33に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1415)。ONであれば(S1415でYES)本処理を終え、ONでなければ(S1415でNO)、客待ちコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ちフラグをONにして(S1417)、本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)、処理を終える。上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図34に基づいてまとめて説明する。図34に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、遊技用RAM104の第2特図保留記憶部105bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、遊技用RAM104の第1特図保留記憶部105aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図24(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図24(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「204」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図24(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「655」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図22に示す当たり種別判定テーブルに基づいて当たり種別を判定する(S1506)。当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図22参照)を、遊技用RAM104に設けた当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図35及び図36に基づいてまとめて説明する。図35に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たり通常テーブル(図25に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。図25に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
本パチンコ遊技機PY1の変動演出では、ドハズレ、ノーマルリーチの他、SP(スーパーリーチ)が実行され得る。ドハズレとは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせが、バラケ目(例えば「458」)で停止表示される変動演出のことである。ノーマルリーチは、上述したリーチを形成した後に発展演出が実行されずに、変動表示し続けている残り一つの演出図柄が停止表示される変動演出のことである。SPリーチは、上述したリーチを形成した後に発展演出が実行されて、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長い変動演出のことである。こうして本形態では、ドハズレ、ノーマルリーチ、SPリーチが実行され得るように、変動パターンが選択される。
SPリーチでは、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている(図25参照)。従って遊技者は、変動時間が長いSPリーチを見れば、ノーマルリーチよりも当選期待度が高いことを把握することができる。ここでSPリーチの中には、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチという種類が設けられている。弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に、大当たりへの当選期待度が高くなるように、各種の変動パターンの振分率が設定されている。よって遊技者は、強SPリーチを見れば当選期待度が非常に高いことを把握することができ、弱SPリーチBを見れば当選期待度がある程度高いことを把握することができ、弱SPリーチAを見れば当選期待度があまり高くないことを把握することができる。
図35に示すステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図19(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」~「13」であり、時短状態であれば「0」~「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図25に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図25に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている(図25参照)。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図36に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図25に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602~S1606と同様の流れで処理(S1607~S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図25の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば、図25の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図25の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
なお、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図25に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図35に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)により演出制御基板120に送られる。
[特別図柄変動中処理]図37に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図25参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図38に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図25参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図22参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1904に続いて、遊技状態リセット処理を行う(S1905)。遊技状態リセット処理(S1905)ではまず、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、本処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図39に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントして(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFにして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2009に進む。
ステップS2005では、時短フラグがONか否か判定する。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントして(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFにして(S2008)、ステップS2009に進む。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2009に進む。ステップS2009では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、確変カウンタの値及び時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]特別電動役物処理は、大当たり遊技の実行のための処理である。図40に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(大入賞装置14D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、大入賞口14の開放中か否か(すなわち大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技が確変大当たり(図22参照)に基づく大当たり遊技か否かを判定する(S2704)。確変大当たりでなければ(S2704でNO)、ステップS2707に進むが、確変大当たりであれば(S2704でYES)、特定領域16への通過が可能な9R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2705)。9R目を開始するタイミングでなければ(S2705でNO)、そのままステップS2707に進む。これに対して、9R目を開始するタイミングであれば(S2705でYES)、V有効期間設定処理を行う(S2706)。
V有効期間設定処理(S2706)では、確変大当たりの9R目における大入賞口14の開放中及び大入賞口14の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図42参照))ということである。また、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に大入賞口14の閉塞後の数秒間を含めているのは、大入賞口14の閉塞直前に大入賞口14へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域16への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図41参照))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2707では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図22参照)に従って大入賞口(大入賞口14)を開放させる。なお、振分部材16kは、第1ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。確変大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第9ラウンドにおいて、大入賞口14に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域16を通過できるようにAT開閉部材14kが開放される。これに対して、通常大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第9ラウンドにおいて、遊技球が大入賞口14に入賞しても特定領域16を通過することができないように、振分部材16kの動作に対するAT開閉部材14kの開放タイミングが設定されている。
続いてステップS2708では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2708)では、ステップS2703での大入賞口14の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口14の開放がなされることはない。そのため、このステップS2708では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2702において、大入賞口14の開放中であれば、大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2709)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口14を開放してから所定の開放時間(図22参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2709でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合(S2709でYES)には、大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2710)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2711)。終了していなければ(S2711でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2711でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2712)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2713)。「0」でなければ(S2713でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2713でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2714)、大当たりのエンディングを開始する(S2715)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2716)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2717)、エンディング時間が経過していなければ(S2717でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2717でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2718)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2719)。続いて、大当たりフラグをOFFにする(S2720)。続いて、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2721)、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図41に示すように、遊技状態設定処理(S2719)ではまず、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2801)。ONであれば(S2801でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2802)、時短フラグをONにする(S2803)。これにより、大当たり遊技後に高確時短状態に制御されることになる。続いて、確変カウンタに「160」をセットすると共に(S2804)、時短カウンタに「160」をセットして(S2805)、ステップS2808に進む。これにより、ST回数が160回であり且つ時短回数が160回である高確時短状態に制御されることになる。
一方、ステップS2801において、VフラグがONでないと判定すれば(S2801でNO)、時短フラグをONにする(S2806)。即ち、このときには確変フラグをONにしない。これにより、大当たり遊技後に低確時短状態に制御されることになる。続いて、時短カウンタに「100」をセットして(S2807)、ステップS2808に進む。即ち、これにより、時短回数が100回である低確時短状態に制御されることになる。
ステップS2808では、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2719)を終える。
[特定領域センサ検出処理]図42に示すように、特定領域センサ検出処理(S107)ではまず、特定領域センサ16aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S3001)。なお本形態では、特定領域センサ16aによる遊技球の検知は、振分部材16kが図5(A)に示す第1状態に制御されているときのみなされる。ステップS3001にて検知がなければ(S3001でNO)、本処理を終えるが、検知があれば(S3001でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S3002)。V有効期間中でなければ(S3002でNO)、本処理を終える。一方、V有効期間中であれば(S3002でYES)、VフラグをONする(S3003)。そして、V通過コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S3004)、本処理を終える。V通過コマンドは、演出制御基板120にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
9.演出制御用マイコン121の動作
[サブ制御メイン処理]次に図43~図49に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、演出用RAM124の初期化をせずにステップS4004に進む。即ち電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には(S4002でNO)、演出用RAM124を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったが演出用RAM124内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、演出用RAM124を初期化しない。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン抽選乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い後方液晶表示装置50及び透過液晶表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力したり、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり、第1盤可動体55k、第2盤可動体56k、演出ボタン40kを駆動させたりする。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、遊技制御基板100から送られたストローブ信号(STB信号)が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されることに基づいて行われる。つまり、ストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されなければ、受信割り込み処理(S4008)は行われない。図44に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図45に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検知センサ40a(図21参照)、セレクトボタン検知センサ42aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理(S4010)におけるその他の処理(S4305)で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ212を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理を行う(S4203)。駆動制御処理(S4203)では、SPリーチや大当たり演出中等の演出に合うタイミングで第1盤可動体55k、第2盤可動体56k、演出ボタン40kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、第1盤可動体55k、第2盤可動体56k、演出ボタン40kを所定の動作態様で駆動させる。従って例えば、第2盤可動体56kを振動させる場合には(図15(B)参照)、第2盤可動体56kを動作位置と揺動位置との間で振動させるための駆動データが作成されて、サブドライブ基板162に出力される。またボタン煽り演出を実行する場合には、演出ボタン40kを第1振動態様(図15(A)参照)で振動させるための駆動データが作成されて、サブドライブ基板162に出力される。またボタン振動演出を実行する場合には、演出ボタン40kを第2振動態様(図15(B)参照)で振動させるための駆動データが作成されて、サブドライブ基板162に出力される。また連動振動演出を実行する場合には、第2盤可動体56kを動作位置と揺動位置との間で振動させるための駆動データと、演出ボタン40kを第2振動態様で振動させるための駆動データとが作成されて、これらがサブドライブ基板162に出力される。
駆動制御処理(S4203)の後、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図46に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。
続いて、1msタイマ割り込み処理(S4009)の入力処理(S4201)で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。そして、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
そのためスイッチ処理(S4303)において、例えば大当たりに当選している状況でボタン押下促進演出(図19(B)参照)の実行中に、遊技者が演出ボタン40kを押下操作すると、その押下操作によるスイッチデータに基づいて、表示画面50aに勝利画像WI(図19(C-1)参照)を表示するための設定を行う。一方、ハズレの状況でボタン押下促進演出(図19(B)参照)の実行中に、遊技者が演出ボタン40kを押下操作すると、その押下操作によるスイッチデータに基づいて、表示画面50aに敗北画像LO(図19(C-2)参照)を表示するための設定を行うことになる。
続いて、音声制御処理(S4304)を行う。音声制御処理(S4304)では、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ610から出力される。例えば連動振動演出を実行する場合には(図19(A)参照)、「ドクドクドク」という音声を出力するための音声データが作成されて、音声制御基板161へ出力される。また当選報知演出を実行する場合には(図19(C-1)参照)、「ピロリーン」という効果音を出力するための音声データが作成されて、音声制御基板161へ出力される。またハズレ示唆演出を実行する場合には(図19(C-2)参照)、「ヒュー」という効果音を出力するための音声データが作成されて、音声制御基板161へ出力される。
ステップS4304の音声制御処理の後、各種の演出用の乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4305)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図47に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していればモードステータス設定処理を行う(S4402)。モードステータス設定処理(S4402)では、受信した遊技状態指定コマンドを解析して、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態の情報に基づいて、モードステータスの値を設定する。モードステータスの値は、通常遊技状態であれば「1」に設定され、高確時短状態であれば「2」に設定され、低確時短状態であれば「3」に設定される。こうして演出制御用マイコン121は、現時点での遊技状態を把握することが可能である。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド又は特図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4406)。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4408)。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4410)。ラウンド演出選択処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4413)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば客待ちコマンドの受信に基づいて変動演出が実行されていないことを示す客待ち演出を行うための処理、V通過コマンドの受信に基づいてV通過があったことを示すV通過報知演出を行うための処理、普通図柄変動開始コマンドの受信に基づいて普図変動演出を行うための処理)を行って、受信コマンド解析処理(S4301)を終える。
[変動演出開始処理]図48に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S4501)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理や特図2大当たり判定処理(図34参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理や特図2変動パターン選択処理(図35及び図36参照)でセットされた変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン121が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン121は、現時点で設定されているモードステータスの値を参照する(S4502)。続いて、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の選択を行う(S4503)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン121は、変動演出パターン選択処理を実行する(S4504)。変動演出パターン選択処理(S4504)では、演出モードの種類(モードステータスの値)および変動パターンの種類に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン抽選乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。こうして変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
本形態では、この変動演出パターン選択処理(S4504)において、SPリーチとなる変動パターンに応じて分類されているテーブルに基づいて、変動演出パターン抽選乱数が判定されることにより、連動振動演出(図19(A)参照)を実行する変動演出パターンが選択されることがある。つまり、本形態の連動振動演出は、大当たりへの当選期待度が比較的高いSPリーチ(特にバトル演出)が実行される場合に限って、抽選によって実行されることがある演出である。そして、連動振動演出が実行される場合の方が、連動振動演出が実行されない場合よりも、大当たりへの当選期待度が高いことを示唆するように設定されている。即ち、SPリーチ大当たりとなる変動パターンの場合には、連動振動演出を実行する変動演出パターンが選択され易く、SPリーチハズレとなる変動パターンの場合には、連動振動演出を実行する変動演出パターンが選択され難いように設定されている。こうして、SPリーチのバトル演出の勝敗に注目している遊技者に対して、連動振動演出が実行された場合には、大当たりへの当選(当選報知演出)をより期待させることが可能である。
また変動演出パターン選択処理(S4504)において、変動パターンに応じて分類されているテーブルに基づいて、変動演出パターン抽選乱数が判定されることにより、第2盤可動体56kを待機位置(図7参照)から動作位置(図14(A)参照)へ移動させる可動体駆動演出を実行する変動演出パターンが選択されることがある。なお可動体駆動演出を実行する変動演出パターンが選択された場合、第2盤可動体56kを待機位置から動作位置へ移動させる駆動データが演出用RAM124にセットされる。こうして、可動体駆動演出を実行する変動演出パターンが選択されると、変動演出の実行中に、第2盤可動体56kは待機位置から動作位置へ移動して、遊技者に大当たりへの当選期待度が高くなっていることが示唆される。なお可動体駆動演出を実行する変動演出パターンが選択されることが、「所定の演出条件の成立」に相当する。
演出制御用マイコン121は、変動演出パターン選択処理(S4504)の後、後述する予告演出選択処理を実行する(S4505)。その後、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とに基づく変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4506)、本処理を終える。ステップS4606でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
[予告演出選択処理]図49に示すように、予告演出選択処理(S4505)ではまず、通常ロゴフラッシュ演出実行抽選処理(S4601)を実行する。通常ロゴフラッシュ演出実行抽選処理(S4601)では、所定の通常ロゴフラッシュ実行抽選テーブル(図示省略)の中から、変動パターン(変動開始コマンドの解析に基づいて取得した変動パターンの情報)の種類に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、所定の予告演出決定用乱数を取得して、選択した一つのテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、通常ロゴフラッシュ演出を実行するか否かを決定する。
これにより、通常ロゴフラッシュ演出を実行すると決定すれば(S4602でYES)、通常ロゴフラッシュ画像抽選処理を実行して(S4603)、ステップS4604に進む。通常ロゴフラッシュ画像抽選処理(S4603)では、図13(A)に示す通常ロゴフラッシュ演出テーブルの中から、大当たり又はハズレであるかを示す変動パターンの情報に基づいて、一つのテーブルを選択する。そして、所定の予告演出決定用乱数を取得して、選択した一つのテーブルを用いて、青通常ロゴフラッシュ画像TG1又は赤通常ロゴフラッシュ画像TG2の何れを表示するかを決定する。一方、ステップS4602で通常ロゴフラッシュ演出を実行しないと決定すれば(S4602でNO)、通常ロゴフラッシュ画像抽選処理(S4603)をパスして、ステップS4604に進む。
なお予告演出決定用乱数を判定することによって、青通常ロゴフラッシュ画像TG1又は赤通常ロゴフラッシュ画像TG2が選択される選択率は、図13(A)に示す通りである。そして、各変動パターンに基づいて通常ロゴフラッシュ演出が実行される割合と、青通常ロゴフラッシュ画像TG1又は赤通常ロゴフラッシュ画像TG2が選択される選択率とに基づいて、図12(A)に示す当選期待度になるように設定されている。
ステップS4604では、拡大ロゴフラッシュ演出実行抽選処理を実行する。拡大ロゴフラッシュ演出実行抽選処理(S4604)では、所定の拡大ロゴフラッシュ実行抽選テーブル(図示省略)の中から、変動パターンの種類に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、所定の予告演出決定用乱数を取得して、選択した一つのテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、拡大ロゴフラッシュ演出を実行するか否かを決定する。
これにより、拡大ロゴフラッシュ演出を実行すると決定すれば(S4605でYES)、拡大ロゴフラッシュ画像抽選処理を実行して(S4606)、ステップS4607に進む。拡大ロゴフラッシュ画像抽選処理(S4606)では、図13(B)に示す拡大ロゴフラッシュ演出テーブルの中から、大当たり又はハズレであるかを示す変動パターンの情報に基づいて、一つのテーブルを選択する。そして、所定の予告演出決定用乱数を取得して、選択した一つのテーブルを用いて、青拡大ロゴフラッシュ画像KG1、緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3、金拡大ロゴフラッシュ画像KG4、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5の何れを表示するかを決定する。一方、ステップS4605で拡大ロゴフラッシュ演出を実行しないと決定すれば(S4605でNO)、拡大ロゴフラッシュ画像抽選処理(S4606)をパスして、ステップS4607に進む。
なお予告演出決定用乱数を判定することによって、青拡大ロゴフラッシュ画像KG1、緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3、金拡大ロゴフラッシュ画像KG4、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5が選択される選択率は、図13(B)に示す通りである。そして、各変動パターンに基づいて拡大ロゴフラッシュ演出が実行される割合と、青拡大ロゴフラッシュ画像KG1、緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3、金拡大ロゴフラッシュ画像KG4、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5が選択される選択率とに基づいて、図12(B)に示す当選期待度になるように設定されている。
ステップS4607では、その他の予告演出を選択して、本処理を終える。その他の予告演出を選択する場合(S4607)、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無等に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。なお予告演出は、変動演出の実行中に必ず実行されるわけではなく、変動演出において実行されないこともあり得る。
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技者が押下操作可能な演出ボタン40kが、第1振動態様(図15(A)参照)で振動する場合と、第2振動態様(図15(B)参照)で振動する場合と、がある。つまり、図16(B)に示すようにボタン煽り演出が実行される場合と、図16(A)に示すようにボタン振動演出が実行される場合と、がある。そのため遊技者には、演出ボタン40kでの異なる振動態様を体感させることが可能であり、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また従来の演出ボタンにおいては、図15(B)に示す第2振動態様のように、振動周期が相対的に短い振動態様で振動することが一般的である。そこで本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、演出ボタン40kが第2振動態様よりも振動周期が長い第1振動態様で振動する場合がある(図16(A)(B)参照)。従って、演出ボタン40kが相対的に振動周期が短い第1振動態様で振動したときに(ボタン煽り演出が実行されたときに)、従来にはない斬新な振動を見せることが可能である
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技者が演出ボタン40kを押下操作することで演出ボタン40kが相対的に振動周期が短い第2振動態様で振動することがある(図19(C-1)に示すボタン振動演出が実行されることがある)一方で、遊技者が演出ボタン40kを押下操作しないで演出ボタン40kが相対的に振動周期が長い第1振動態様で振動することがある(図19(A)に示すボタン煽り演出が実行されることある)。従って、演出ボタン40kが第1振動態様で振動したときには、遊技者にとってあまり意識していないタイミングで、演出ボタン40kが通常とは違う振動周期で振動するため、意外性のある振動を見せることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図19(A)に示すように、演出ボタン40kが相対的に振動周期が長い第1振動態様で振動するボタン煽り演出が実行された後に、図19(B)に示すように、演出ボタン40kへの操作を促すボタン押下促進演出が実行される。そのため、ボタン煽り演出を把握した遊技者には、その後に演出ボタン40kを押下操作することを期待させて、ボタン押下促進演出に至るまでの期待感を増幅させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図19(A)に示すように、演出ボタン40kが振動すると共に第2盤可動体56kが振動する連動振動演出が実行される。そのため、連動振動演出を把握した遊技者には、上皿34の前方と後方液晶表示装置50の下側の前方という異なる2箇所で共に(同時に)振動する驚きを与えることが可能であり、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、連動振動演出において、図17に示すように、演出ボタン40kが振動する振動周期(1秒)と、第2盤可動体56kが振動する振動周期(1秒)とが同じになっている。そのため、遊技者には、演出ボタン40kの振動と第2盤可動体56kの振動とが完全にリンクしていることを把握させて、2つの可動体(演出ボタン40k、第2盤可動体56k)による斬新な振動を見せることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図19(A)に示すように、連動振動演出において振動する2つの対象物のうち、一方は遊技者が押下操作可能な演出ボタン40k(操作手段)であり、他方は移動可能な第2盤可動体56k(演出可動体)である。従って遊技者には、性質の異なる演出手段(演出ボタン40k、第2盤可動体56k)が共に振動するという驚きを与えることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図19(A)に示すように、遊技者が演出ボタン40kを押下操作しないで、演出ボタン40kが振動すると共に、第2盤可動体56kが振動する連動振動演出が実行される。従って、遊技者が意図したタイミングで連動振動演出が実行されるわけではないため、連動振動演出をより斬新な演出として見せることが可能である。即ち、遊技者が演出ボタン40kを押下していないにも拘わらず、遊技者には、連動振動演出(図19(A)参照)により演出ボタン40kと第2盤可動体56kとが自動的に振動しているよう見える。従って、その後の演出(ボタン押下促進演出)への煽りとして気持ちを高揚させることが可能である。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態(第1形態)のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
<第2形態>
上記形態(第1形態)では、図11(A)に示す通常ロゴフラッシュ演出が実行される場合と、図11(B)に示す拡大ロゴフラッシュ演出が実行される場合とがあった。これに対して第2形態では、図11(A)に示す通常ロゴフラッシュ演出に替えて、図50に示す縮小ロゴフラッシュ演出が実行されるようにしている。即ち第2形態では、図50に示す縮小ロゴフラッシュ演出(第1予告演出)が実行される場合と、図11(B)に示す拡大ロゴフラッシュ演出(第2予告演出)が実行される場合とがある。
第2形態の縮小ロゴフラッシュ演出は、図50に示すように、透過液晶表示装置7の表示画面7aに、縮小ロゴフラッシュ画像SG(第1表示像)を表示する演出である。ここで、図50と図11(B)との比較から分かるように、縮小ロゴフラッシュ画像SGは、拡大ロゴフラッシュ画像KGよりも、本パチンコ遊技機PY1のメインキャラクタの顔(特定のモチーフ)が小さく示されているものである。なお図50と図11(A)との比較から分かるように、縮小ロゴフラッシュ画像SGは、通常ロゴフラッシュ画像TGよりも、本パチンコ遊技機PY1のメインキャラクタの顔が小さく示されていて、透過液晶表示装置7の表示画面7aのうち、後方液晶表示装置50の表示画面50aと重なる表示領域にのみ表示されている。こうして、縮小ロゴフラッシュ画像SGは、拡大ロゴフラッシュ画像KGと比較すると、縮小した印象(小さい印象)を与え得るものであり、把握し難いものになっている。
そして縮小ロゴフラッシュ演出は、拡大ロゴフラッシュ演出と同様、後方液晶表示装置50の表示画面50aで変動演出が実行されている途中で割り込むように、約0.5秒だけ実行される。こうして、後方液晶表示装置50の表示画面50aに注目している遊技者に、いきなり透過液晶表示装置7の表示画面7aで実行される縮小ロゴフラッシュ演出を見せることになる。
ここで、縮小ロゴフラッシュ画像SGには、大当たりへの当選期待度を異ならせて示唆する2つの表示態様(期待度態様)がある。具体的には、図50に示すように、縮小ロゴフラッシュ画像SGで示されるメインキャラクタの顔が青色になっている表示態様と、縮小ロゴフラッシュ画像SGで示されるメインキャラクタの顔が赤色になっている表示態様とがある。以下では、メインキャラクタの顔が青色になっている表示態様の縮小ロゴフラッシュ画像SGを、青縮小ロゴフラッシュ画像SG1と呼び、メインキャラクタの顔が赤色になっている表示態様の縮小ロゴフラッシュ画像SGを、赤縮小ロゴフラッシュ画像SG2と呼ぶことにする。
第2形態では、図51(A)に示すように、縮小ロゴフラッシュ演出として、青縮小ロゴフラッシュ画像SG1が表示される場合には、大当たりへの当選期待度が30%であることを遊技者に示唆するように設定している。また赤縮小ロゴフラッシュ画像SG2が表示される場合には、大当たりへの当選期待度が60%であることを遊技者に示唆するように設定している。こうして、縮小ロゴフラッシュ演出が実行された場合、遊技者には、青通常ロゴフラッシュ画像TG1又は赤通常ロゴフラッシュ画像TG2のどちらが表示されたのかを注目させて、大当たりへの当選期待度の高さを詳細に把握させることが可能である。なお拡大ロゴフラッシュ演出については、上述した第1形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
ところで図51(A)と図51(B)との比較から分かるように、青縮小ロゴフラッシュ画像SG1が表示される場合の当選期待度は30%であるのに対して、青拡大ロゴフラッシュ画像KG1が表示される場合の当選期待度は10%である。また赤縮小ロゴフラッシュ画像SG2が表示される場合の当選期待度の高さは60%であるのに対して、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3が表示される場合の当選期待度の高さは40%である。従って、縮小ロゴフラッシュ演出と拡大ロゴフラッシュ演出とにおいて、主人公キャラの顔が同じ色として示される場合、縮小ロゴフラッシュ画像SGの方が、拡大ロゴフラッシュ画像KGよりも、当選期待度が高いことを示唆している。よって遊技者には、通常ロゴフラッシュ演出よりも、拡大ロゴフラッシュ演出が実行されるのを期待させることが可能である。即ち、透過液晶表示装置7の表示画面7aで示されるメインキャラクタの顔が小さい方が、遊技者に当選期待度が高いことによる高揚感を与えることが可能である。
特に縮小ロゴフラッシュ演出の場合、青縮小ロゴフラッシュ画像SG1又は赤縮小ロゴフラッシュ画像SG2の何れが表示された場合であっても、同じ色が付されている青拡大ロゴフラッシュ画像KG1又は赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3よりも、当選期待度が高いことを示唆している。よって、青色又は赤色の何れの色であっても同じ色であれば、透過液晶表示装置7の表示画面7aにて、把握し難い(インパクトの小さい)縮小ロゴフラッシュ画像SG(図50参照)の方が、把握し易い(インパクトの大きい)拡大ロゴフラッシュ画像KG(図11(B)参照)よりも、遊技者に大きな高揚感を与えるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
第2形態において、縮小ロゴフラッシュ画像SGと拡大ロゴフラッシュ画像KG(第2表示像)とを比較すると、縮小ロゴフラッシュ画像SGに対して当選期待度を示唆する色(期待度要素)が付される種類は、2種類(青色、赤色)である(図51(A)参照)。これに対して、拡大ロゴフラッシュ画像KGに対して当選期待度を示唆する色が付される種類は、5種類(青色、緑色、赤色、金色、虹色)である(図51(B)参照)。従って、拡大ロゴフラッシュ画像KGに対して付される色の種類の方が、縮小ロゴフラッシュ画像SGに対して付される色の種類よりも、多くなるように設定されている。
また第2形態において、縮小ロゴフラッシュ画像SGに対して大当たりに当選していることが確定していることを示唆する虹色(当たり要素)が付されることはない。これに対して、拡大ロゴフラッシュ画像KGに対して大当たりに当選していることが確定していることを示唆する虹色が付されることがある。こうして、拡大ロゴフラッシュ演出では、大当たりへの当選の確定が示唆されることがある一方、縮小ロゴフラッシュ演出では、大当たりへの当選の確定が示唆されることがないように設定されている。
[予告演出選択処理]次に第2形態の予告演出選択処理(S4505)について、図53に基づいて説明する。但し、第1形態の予告演出選択処理(S4505、図49参照)と異なる点を説明する。第2形態の予告演出選択処理(S4505)では、第1形態の予告演出選択処理(S4505)のステップS4601~S4603(図49参照)に替えて、ステップS4608~S4610が設けられている。
図53に示すように、予告演出選択処理(S4505)ではまず、縮小ロゴフラッシュ演出実行抽選処理(S4608)を実行する。縮小ロゴフラッシュ演出実行抽選処理(S4608)では、所定の縮小ロゴフラッシュ実行抽選テーブル(図示省略)の中から、変動パターンの種類に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、所定の予告演出決定用乱数を取得して、選択した一つのテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、縮小ロゴフラッシュ演出を実行するか否かを決定する。
これにより、縮小ロゴフラッシュ演出を実行すると決定すれば(S4609でYES)、縮小ロゴフラッシュ画像抽選処理を実行して(S4610)、ステップS4604に進む。縮小ロゴフラッシュ画像抽選処理(S4604)では、図52に示す縮小ロゴフラッシュ演出テーブルの中から、大当たり又はハズレであるかを示す変動パターンの情報に基づいて、一つのテーブルを選択する。そして、所定の予告演出決定用乱数を取得して、選択した一つのテーブルを用いて、青縮小ロゴフラッシュ画像SG1又は赤縮小ロゴフラッシュ画像SG2の何れを表示するかを決定する。一方、ステップS4609で縮小ロゴフラッシュ演出を実行しないと決定すれば(S4609でNO)、縮小ロゴフラッシュ画像抽選処理(S4610)をパスして、ステップS4604に進む。
なお予告演出決定用乱数を判定することによって、青縮小ロゴフラッシュ画像SG1又は赤縮小ロゴフラッシュ画像SG2が選択される選択率は、図52に示す通りである。そして、各変動パターンに基づいて縮小ロゴフラッシュ演出が実行される割合と、青縮小ロゴフラッシュ画像SG1又は赤縮小ロゴフラッシュ画像SG2が選択される選択率とに基づいて、図51に示す当選期待度になるように設定されている。なおステップS4604以降の処理については、第1形態で説明しているため、説明を省略する。
以上、第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、透過液晶表示装置7の表示画面7aには、メインキャラクタの顔(特定のモチーフ)を含む縮小ロゴフラッシュ画像SGを視認可能な縮小ロゴフラッシュ演出(図50参照)が実行される場合と、メインキャラクタの顔を含んでいて縮小ロゴフラッシュ画像SGよりも把握し易い拡大ロゴフラッシュ画像KGを視認可能な拡大ロゴフラッシュ演出(図11(B)参照)が実行される場合とがある。ここで、青色が付されている青縮小ロゴフラッシュ画像SG1と、青色が付されている青拡大ロゴフラッシュ画像KG1とを比較すると、小さくて把握し難い青縮小ロゴフラッシュ画像SG1の方が、大きくて把握し易い青拡大ロゴフラッシュ画像KG1よりも、当選期待度が高いことを示唆している(図51(A)(B)参照)。よって、青縮小ロゴフラッシュ画像SG1を見た遊技者には、当選期待度が高いことをよる高揚感に加えて、小さくて把握し難い方が当選期待度が高いという関係(特殊性)に気付いたときの特別感(特殊感)を与えることが可能であり、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、縮小ロゴフラッシュ画像SGに付される色と拡大ロゴフラッシュ画像KGに付される色とが同じである場合、縮小ロゴフラッシュ画像SGに付される色(青色又は赤色)が何れであっても、縮小ロゴフラッシュ演出の方が、拡大ロゴフラッシュ演出よりも当選期待度が高いことを示唆する(図51(A)(B)参照)。従って、同じ色が付されていれば、把握し難い縮小ロゴフラッシュ画像SGの方が、把握し易い拡大ロゴフラッシュ画像KGよりも遊技者にとって有利なであることを示唆している。従って、一般的に、大きくて把握し易い画像であるほど当選期待度が高いことを示唆していると思い込んでいる遊技者に対して、小さくて把握し難い縮小ロゴフラッシュ画像SGの方が当選期待度が高いという逆の印象を与えることが可能である。その結果、従来にはない斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、把握し易い拡大ロゴフラッシュ画像KGに対して色が付される種類(5種類)は、把握し難い縮小ロゴフラッシュ画像SGに対して色が付される種類(2種類)よりも、多い(図51(A)(B)参照)。従って、拡大ロゴフラッシュ画像KGが表示される場合の方が、縮小ロゴフラッシュ画像SGが表示される場合よりも、当選期待度の高さがより詳細に把握し易い。よって遊技者には、把握し難い縮小ロゴフラッシュ画像SGが表示される場合には、当選期待度が高いことによる高揚感を与えて、把握し易い拡大ロゴフラッシュ画像KGが表示される場合には、当選期待度の高さを詳細に把握させることになり、縮小ロゴフラッシュ画像SG又は拡大ロゴフラッシュ画像KGの何れであっても楽しませることが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、把握し易い拡大ロゴフラッシュ画像KGに対して、大当たりへの当選の確定を示唆する虹色が付されていることがある一方、把握し難い縮小ロゴフラッシュ画像SGに対して、虹色が付されていることはない。よって遊技者には、把握し難い縮小ロゴフラッシュ画像SGが表示される場合には、当選期待度が高いことによる高揚感を与えて、把握し易い拡大ロゴフラッシュ画像KGが表示される場合には、虹色が付されていることへの期待感を与えることになり、縮小ロゴフラッシュ画像SG又は拡大ロゴフラッシュ画像KGの何れであっても楽しませることが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図50に示す縮小ロゴフラッシュ画像SG(第1表示像)は、図11(B)に示す拡大ロゴフラッシュ画像KG(第2表示像)が縮小(収縮)した印象を与え得るものであるが、当選期待度が高いことを示唆している(図51(A)(B)参照)。従って遊技者には、大きい拡大ロゴフラッシュ画像KGが見えたときよりも、小さい縮小ロゴフラッシュ画像SGが見えたときに大きな高揚感を与えるため、従来とは逆の印象による遊技興趣を提供することが可能である。
<その他の変形例>
上記第1形態では、演出ボタン40kが、図16(B)に示すように、第1振動態様(第1振動パターン)で振動する場合と、図16(A)に示すように、第2振動態様(第2振動パターン)で振動する場合と、があった。しかしながら、第1振動パターンと第2振動パターンは、図16(B)に示す第1振動態様と図16(A)に示す第2振動態様に限られるものではなく、振幅、振動周期、振動時間等は、適宜変更可能である。
従って、例えば演出ボタン40kの第1振動パターンと第2振動パターンとでは、振動周期と振動時間は同じであるものの、振幅だけが異なっているようにしても良い。又は、振幅と振動時間は同じであるものの、振動周期だけが異なるようにしても良い。或いは、振幅と振動周期は同じであるものの、振動時間だけが異なるようにしても良い。なお上記形態では、演出ボタン40kの振動パターンとして、第1振動態様と第2振動態様という2種類の振動パターンが設けられていたが、3種類以上の振動パターンが設けられていても良い。
上記第1形態では、演出ボタン40kが第1振動態様(第1振動パターン)で振動する場合(図19(A)に示すボタン煽り演出を実行する場合)、演出ボタン40kに対する押下操作を契機としていなかった。しかしながら、演出ボタン40kに対する押下操作を契機として、演出ボタン40kが第1振動態様(第1振動パターン)で振動するようにしても良い。
上記第1形態では、演出ボタン40kが第2振動態様(第2振動パターン)で振動する場合(図19(C)に示すボタン振動演出を実行する場合)、演出ボタン40kに対する押下操作を契機としていた。しかしながら、演出ボタン40kに対する押下操作を契機としないで、演出ボタン40kが第2振動態様(第2振動パターン)で振動するようにしても良い。
上記第1形態では、第1振動態様(第1振動パターン)又は第2振動態様(第2振動パターン)で振動可能な操作手段が、押下操作可能な演出ボタン40kであった。しかしながら、第1振動パターン又は第2振動パターンで振動可能な操作手段は、演出ボタン40kに限られるものではなく、適宜可能である。例えば、引き込み操作可能な操作レバーや、回転操作可能な回転操作手段(ハンドル72k等)であっても良い。なお操作手段ではなく、演出可動体やハンドル等を第1振動パターン又は第2振動パターンで振動させるようにしても良い。
上記第1形態では、演出ボタン40kによる第1振動態様(第1振動パターン)での振動(ボタン煽り演出)と、演出ボタン40kによる第2振動態様(第2振動パターン)での振動(ボタン振動演出)は、SPリーチの実行中に実行された。しかしながら、ボタン煽り演出とボタン振動演出が実行されるタイミングは、適宜変更可能である。例えば、擬似連演出(特別図柄が変動表示を開始してから停止表示するまでの間に演出図柄EZの変動表示を伴うサイクルが複数回ある演出)、又は連続予告(複数回の特別図柄の変動表示に跨って実行される予告演出)が実行されるときに(特に演出図柄EZの変動開始時に)、演出ボタン40kによる第1振動パターンでの振動、演出ボタン40kによる第2振動パターンでの振動が実行されるようにしても良い。又は、リーチが形成されるタイミング、SPリーチへの発展時、復活演出の実行時、当選報知演出の実行時等に、演出ボタン40kによる第1振動パターンでの振動、演出ボタン40kによる第2振動パターンでの振動が実行されるようにしても良い。
上記第1形態では、演出ボタン40kによる第1振動態様(第1振動パターン)での振動(ボタン煽り演出)と、演出ボタン40kによる第2振動態様(第2振動パターン)での振動(ボタン振動演出)は、演出中の異なるタイミングで実行されるようにした。しかしながら、演出の分岐を経て、演出中の同じタイミングで、演出ボタン40kが第1振動パターンで振動する場合、又は演出ボタン40kが第2振動パターンで振動する場合があるようにしても良い。この場合、演出ボタン40kが第1振動パターンで振動する場合には、第2振動パターンで振動する場合よりも遊技者にとって有利であること(例えば当選期待度が高いこと、又は当選報知)を示すようにしても良い。その反対に、演出ボタン40kが第2振動パターンで振動する場合には、第1振動パターンで振動する場合よりも遊技者にとって有利であることを示すようにしても良い。
上記第1形態では、連動振動演出(共同振動演出)において、操作手段である演出ボタン40k(第1可動体)と、演出可動体である第2盤可動体56k(第2可動体)とが共に振動するようにした。しかしながら、共同振動演出において振動する第1可動体と第2可動体との組合せは、演出ボタン40kと第2盤可動体56kとに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、第1盤可動体55kと第2盤可動体56kとの組合せであっても良い。また遊技機枠2に設けられている枠可動体と遊技盤1に設けられている盤可動体(第1盤可動体55k又は第2盤可動体56k)との組合せでも良いし、枠可動体同士の組合せでも良い。またハンドル72kと演出可動体(盤可動体又は枠可動体)の組合せでも良いし、ハンドル72kと演出ボタン40kの組合せでも良い。また振動可能な遊技機枠2の一部を用いて、共同振動演出を実行するようにしても良い。また3つ以上の可動体が共に振動するようにしても良い。
上記第1形態では、連動振動演出(共同振動演出)において、演出ボタン40k(第1可動体)が振動し始めるタイミングと第2盤可動体56k(第2可動体)が振動し始めるタイミングとが同じであり、演出ボタン40kが振動を終了するタイミングと第2盤可動体56kが振動を終了するタイミングとが同じであった。即ち、演出ボタン40kの振動時間(振動期間)と第2盤可動体56kの振動時間とは同じあった。しかしながら、共同振動演出において、第1可動体と第2可動体とが振動し始めるタイミングと、振動を終了するタイミングとを同じにしなくても良く、振動時間も同じにしなくても良い。よって共同振動演出において、第1可動体と第2可動体が共に振動しているとは、当該第1可動体と第2可動体とが共に(同時に)振動しているタイミングが一瞬でも存在していれば良いこととする。
上記第1形態では、連動振動演出(共同振動演出)において、第2盤可動体56k(第2可動体)全体が振動するようにした(図14(B)参照)。しかしながら、第2盤可動体56k全体ではなく、第2盤可動体56kの一部分が或る位置から別の位置を経て再び或る位置へ戻る往復動作を繰り返す(振動する)ようにしても良い。即ち、可動体の一部分が往復動作によって揺動している場合も、可動体が振動していることとする。なお演出ボタン40k(第1可動体)も同様に、全体が振動しないで、一部分だけが揺動するようにしても良い。
上記第1形態では、連動振動演出(共同振動演出)において、図19(A)に示すように、表示画面50aにて、勝敗分岐画像SB1が表示されているようにした。しかしながら、共同振動演出の実行中に表示画面50aに表示される演出画像は、適宜変更可能である。例えば、演出ボタン40kと第2盤可動体56kとが共に振動していることを示す演出画像を表示画面50aに表示するようにしても良い。遊技者に連動振動演出が実行されていることをより分かり易くするためである。なお、演出ボタン40kと第2盤可動体56kのうち何れか一方が振動していることを示す演出画像を表示画面50aに表示するようにしても良い。
上記第1形態では、連動振動演出(共同振動演出)において、図17に示すように、演出ボタン40k(第1可動体)の振動周期(1秒)と、第2盤可動体56k(第2可動体)の振動周期(1秒)とを完全に同じにした。しかしながら、演出ボタン40k(第1可動体)の振動周期と、第2盤可動体56kの振動周期は、完全に同じでなくても良く、実質的に同じにしても良い。ここで第1可動体の振動周期と第2可動体の振動周期とが実質的に同じとは、長い方の振動周期と短い方の振動周期との差が、長い方の振動周期の3分の1(33.3%)以下であることを意味し、より好ましくは、長い方の振動周期の20%以下であることを意味する。このように振動周期が実質的に同じであれば、第1可動体(演出ボタン40k)の振動と第2可動体(第2盤可動体56k)の振動とがリンクしていると実質的に認識できるからである。
上記第1形態では、連動振動演出(共同振動演出)が、SPリーチの実行中に(特に図19(B)に示すボタン押下操作演出の前に)実行された(図19(A)参照)。しかしながら、共同振動演出が実行されるタイミングは、適宜変更可能である。例えば、擬似連演出、又は連続予告が実行されるときに(特に演出図柄EZの変動開始時に)、共同振動演出が実行されるようにしても良い。又は、リーチが形成されるタイミング、SPリーチへの発展時、復活演出の実行時、当選報知演出の実行時等に、共同振動演出が実行されるようにしても良い。
上記第1形態では、図19(A)に示すように、演出ボタン40kに対する押下操作を契機としないで、連動振動演出(共同振動演出)が実行されるようにした。しかしながら、演出ボタン40kに対する押下操作を契機として、連動振動演出(共同振動演出)が実行されるようにしても良い。この場合、遊技者が演出ボタン40kを押下操作することで、演出ボタン40kと第2盤可動体56kとが共に振動するようになるため、遊技者には自らの操作によって2つの可動体を共に振動させたという特別な操作感(興趣性)を与えることが可能である。
上記第1形態では、図19(B)に示すように、ボタン押下促進演出(操作促進演出)では、演出ボタン40kの形状を模したボタン画像BTと、「押せ!」の文字を示す文字画像MOとが、後方液晶表示装置50の表示画面50aに表示された。しかしながら、演出ボタン40kへの操作(押下操作)を促す操作促進演出では、上記した演出態様に限られるものではない。例えば、操作促進演出として、スピーカ610(音出力手段)から「演出ボタンを押せ!」という音声を出力したり、「押せ」を示す発光態様で枠ランプ212や盤ランプ54等の発光手段を発光させるようにしても良い。
上記第1形態では、図16(A)(B)に示すように、演出ボタン40kが第1振動態様(第1振動パターン)で振動する場合には、第2振動態様(第2振動パターン)で振動する場合よりも、振動周期が長く且つ振幅が大きいようにした。しかしながら、演出ボタン40kが第1振動パターンで振動する場合には、第2振動パターンで振動する場合よりも、振動周期が長いものの、振幅が小さいようにしても良い。この場合には、演出ボタン40kが第1振動パターンで振動すると、演出ボタン40kがゆっくり(相対的に振動周期が長く)且つ微弱に(相対的に振幅が小さく)振動するために、遊技者に弱弱しい斬新な振動を見せることが可能である。
上記各形態では、図8に示すように、後方液晶表示装置50の前方に、透過液晶表示装置7を配置した。しかしながら、後方液晶表示装置50に替えて、別の透過液晶表示装置を用いて、別の透過液晶表示装置の前方に、透過液晶表示装置7を配置するようにしても良い。即ち、複数(2つ以上)の透過液晶表示装置を前後方向に離して配置しても良い。この場合、透過液晶表示装置は、必ず鉛直方向(垂直方向)に起立している必要はなく、斜めに傾斜した状態で配置されていても良い。
上記各形態では、図8及び図10(A)(B)に示すように、後方液晶表示装置50の表示画面50aの全体が、前方に配置されている透過液晶表示装置7の表示画面7aと前後方向に重なるようになっていた。しかしながら、後方液晶表示装置50の表示画面50aの一部(上側の表示領域、下側の表示領域、左側の表示領域、右側の表示領域)が、前方に配置されている透過液晶表示装置7の表示画面50aと前後方向に重なるようにしても良い。なお透過液晶表示装置7は後方液晶表示装置50の前方に配置されているものの、透過液晶表示装置7の表示画面7aと後方液晶表示装置50の表示画面50aとが前後方向に重なっていないようにしても良い。
上記各形態では、通常ロゴフラッシュ画像TG(第1表示像、図11(A)参照)、拡大ロゴフラッシュ画像KG(第2表示像、図11(B)参照)、縮小ロゴフラッシュ画像SG(第1表示像、図50参照)において、メインキャラクタの顔(特定のモチーフ)が含まれていた。しかしながら、メインキャラクタの顔に替えて、その他のモチーフが含まれている画像にしても良く、適宜変更可能である。例えば、特定の数字、特定のアイテム、特定の模様、特定の文字、特定の図形、特定のキャラが含まれている画像にしても良い。
上記各形態では、通常ロゴフラッシュ画像TG(第1表示像)、拡大ロゴフラッシュ画像KG(第2表示像)、縮小ロゴフラッシュ画像SG(第1表示像)には、当選期待度高さを示唆する色(期待度要素)が付されるようになっていた(図11(A)(B)、図50参照)。しかしながら、通常ロゴフラッシュ画像TG、拡大ロゴフラッシュ画像KG、縮小ロゴフラッシュ画像SGには、色とは異なる当選期待度を示唆する期待度要素が付されるようにしても良い。例えば、星画像を付して、星画像の数の多さによって当選期待度の高さを示唆するようにしても良い。又は炎のエフェクト画像を付して、炎の大きさによって当選期待度の高さを示唆するようにしても良い。なおエフェクト画像の色によって当選期待度の高さを示唆するようにしても良い。また音声を付して、音声の大きさ、音声の長さ、音声の音高等によって、当選期待度の高さを示唆するようにしても良い。
上記各形態では、拡大ロゴフラッシュ演出において、虹色のメインキャラクタの顔を示す虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5(当たり示唆態様)が表示されると、大当たりへの当選の確定を示唆するようにした。しかしながら、当たり示唆態様は、虹色が付されている虹拡大ロゴフラッシュ画像に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、拡大ロゴフラッシュ画像に特定の模様や、特定のエフェクト、特定の効果音の当たり要素が付されているものを当たり示唆態様としても良い。
上記各形態では、通常ロゴフラッシュ演出(図11(A)参照)、拡大ロゴフラッシュ演出(図11(B)参照)、縮小ロゴフラッシュ演出(図50参照)は、後方液晶表示装置50の表示画面50aで変動演出が実行されている途中で割り込むように、約0.5秒だけ実行された。つまり、通常ロゴフラッシュ演出、拡大ロゴフラッシュ演出、縮小ロゴフラッシュ演出は、所謂カットイン予告のように、短時間だけ実行されるようにした。しかしながら、通常ロゴフラッシュ演出(第1前方予告演出)、拡大ロゴフラッシュ演出(第2前方予告演出、第2予告演出)、縮小ロゴフラッシュ演出(第1予告演出)の実行時間は、約0.5秒のように短時間に限られず、適宜変更可能である。例えば、ステップアップ予告のように段階的に演出画像が表示されたり、ムービーのように或る程度長い時間実行される演出としても良い。なお通常ロゴフラッシュ演出、拡大ロゴフラッシュ演出、縮小ロゴフラッシュ演出を、透過液晶表示装置7の表示画面7aで実行しないようにしても良い。
上記第1形態では、通常ロゴフラッシュ演出(図11(A)参照)と拡大ロゴフラッシュ演出(図11(B)参照)とを実行可能に構成し、上記第2形態では、縮小ロゴフラッシュ演出(図50参照)と拡大ロゴフラッシュ演出とを実行可能にした。しかしながら、
通常ロゴフラッシュ演出と拡大ロゴフラッシュ演出と縮小ロゴフラッシュ演出とを実行可能にしても良く、これら3つのロゴフラッシュ演出のうち何れか1つだけを実行可能にしても良い。
上記第1形態では、通常ロゴフラッシュ演出(第1前方予告演出)で表示される通常ロゴフラッシュ画像TGには、当選期待度を示唆する2種類の表示態様(期待度態様、青通常ロゴフラッシュ画像TG1、赤通常ロゴフラッシュ画像TG2)があった。しかしながら、通常ロゴフラッシュ画像TGにおいて、当選期待度を示唆する表示態様の種類を3種類以上にしても良い。
上記第1形態では、通常ロゴフラッシュ演出で表示される各通常ロゴフラッシュ画像TG(青通常ロゴフラッシュ画像TG1、赤通常ロゴフラッシュ画像TG2)の当選期待度は、図12(A)に示すように設定した。しかしながらこの当選期待度の値は、あくまで一例であって、適宜変更可能である。そして、通常ロゴフラッシュ演出において、大当たりへの当選の確定を示唆する通常ロゴフラッシュ画像が表示されることがあるようにしても良い。更に、大当たりへの当選の確定を示唆すると共に、大当たり遊技後に高確率状態に移行し得ることを示唆する通常ロゴフラッシュ画像が表示されることがあるようにしても良い。
上記各形態では、透過液晶表示装置7の表示画面7aに、通常ロゴフラッシュ画像TG、又は通常ロゴフラッシュ画像TGが拡大した印象を与え得る拡大ロゴフラッシュ画像KGが表示され得るようにした。しかしながら、拡大ロゴフラッシュ画像KGが更に拡大した印象を与え得る超拡大ロゴフラッシュ画像が表示され得るようにしても良い。この場合、超拡大ロゴフラッシュ画像が表示される場合には、拡大ロゴフラッシュ画像KGが表示される場合よりも、当選期待度が高いことを示唆しているようにしても良い。
上記第1形態では、拡大ロゴフラッシュ演出(第2前方予告演出)で表示される拡大ロゴフラッシュ画像KGには、当選期待度を示唆する5種類の表示態様(期待度態様、青拡大ロゴフラッシュ画像KG1、緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3、金拡大ロゴフラッシュ画像KG4、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5)があった。しかしながら、拡大ロゴフラッシュ画像KGにおいて、当選期待度を示唆する表示態様の種類を4種類以下、又は6種類以上にしても良い。
上記第1形態では、拡大ロゴフラッシュ演出で表示される各拡大ロゴフラッシュ画像KG(青拡大ロゴフラッシュ画像KG1、緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3、金拡大ロゴフラッシュ画像KG4、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5)の当選期待度は、図12(B)に示すように設定した。しかしながらこの当選期待度の値は、あくまで一例であって、適宜変更可能である。そして、通常ロゴフラッシュ演出において、大当たりへの当選の確定を示唆する通常ロゴフラッシュ画像が表示されることがあるようにする一方、拡大ロゴフラッシュ演出において、大当たりへの当選の確定を示唆する拡大ロゴフラッシュ画像(虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5)が表示されないようにしても良い。
上記第1形態では、拡大ロゴフラッシュ画像KGで当選期待度を示唆する表示態様の種類(5種類)を、通常ロゴフラッシュ画像TGで当選期待度を示唆する表示態様の種類(2種類)よりも多いようにした。しかしながら、拡大ロゴフラッシュ画像KGで当選期待度を示唆する表示態様の種類を、通常ロゴフラッシュ画像TGで当選期待度を示唆する表示態様の種類と同じ、又は少ないようにしても良い。
上記第1形態では、演出例において、通常ロゴフラッシュ演出(図14(D)参照)と、拡大ロゴフラッシュ演出(図14(G)参照)とが、SPリーチの実行途中に実行された。しかしながら、通常ロゴフラッシュ演出の実行タイミング、拡大ロゴフラッシュ演出の実行タイミングは、SPリーチ中に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、演出図柄EZの変動表示の開始時点、リーチになった時点であっても良い。また擬似連演出(特別図柄が変動表示を開始してから停止表示するまでの間に演出図柄EZの変動表示を伴うサイクルが複数回ある演出)、又は連続予告(複数回の特別図柄の変動表示に跨って実行される予告演出)が実行されるときに、通常ロゴフラッシュ演出又は拡大ロゴフラッシュ演出が実行され得るようにしても良い。
上記第2形態では、縮小ロゴフラッシュ画像SG(第1表示像)と拡大ロゴフラッシュ画像KG(第2表示像)は、透過液晶表示装置7の表示画面7aに表示され得るようにした。しかしながら、縮小ロゴフラッシュ画像SGと拡大ロゴフラッシュ画像KGは、透過液晶表示装置7以外の表示装置(例えば後方液晶表示装置50の表示画面50a)に表示されるようにしても良い。
上記第2形態では、縮小ロゴフラッシュ画像SG(第1表示像、図50参照)は、拡大ロゴフラッシュ画像KG(第2表示像、図11(B)参照)が収縮した印象を与え得るものであった。しかしながら、特定のモチーフを含む第1表示像と第2表示像との関係は、把握し難い又は把握し易い関係であれば良く、適宜変更可能である。例えば、第1表示像は明度が低い演出画像である一方、第2表示像は明度が高い演出画像であるようにしても良い。また例えば第1表示像は、表示画面50aの端部分に表示される一方、第2表示像は、表示画面50aの中央部分に表示されるようにしても良い。
上記第2形態では、縮小ロゴフラッシュ演出で表示される各縮小ロゴフラッシュ画像SG(青縮小ロゴフラッシュ画像SG1、赤縮小ロゴフラッシュ画像SG2)の当選期待度は、図51(A)に示すように設定した。しかしながらこの当選期待度の値は、あくまで一例であって、適宜変更可能である。そして、縮小ロゴフラッシュ演出において、大当たりへの当選の確定を示唆する縮小ロゴフラッシュ画像が表示されることがあるようにしても良い。更に、大当たりへの当選の確定を示唆すると共に、大当たり遊技後に高確率状態に移行し得ることを示唆する縮小ロゴフラッシュ画像が表示されることがあるようにしても良い。
上記第2形態では、拡大ロゴフラッシュ演出で表示される各拡大ロゴフラッシュ画像KG(青拡大ロゴフラッシュ画像KG1、緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3、金拡大ロゴフラッシュ画像KG4、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5)の当選期待度は、図51(B)に示すように設定した。しかしながらこの当選期待度の値は、あくまで一例であって、適宜変更可能である。そして、縮小ロゴフラッシュ演出において、大当たりへの当選の確定を示唆する縮小ロゴフラッシュ画像が表示されることがあるようにして、拡大ロゴフラッシュ演出において、大当たりへの当選の確定を示唆する拡大ロゴフラッシュ画像(虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5)が表示されないようにしても良い。
上記第2形態では、拡大ロゴフラッシュ画像KGで当選期待度を示唆する表示態様の種類(5種類)を、縮小ロゴフラッシュ画像SGで当選期待度を示唆する表示態様の種類(2種類)よりも多いようにした。しかしながら、拡大ロゴフラッシュ画像KGで当選期待度を示唆する表示態様の種類を、縮小ロゴフラッシュ画像SGで当選期待度を示唆する表示態様の種類と同じ、又は少ないようにしても良い。
上記第2形態において、縮小ロゴフラッシュ演出(図50参照)の実行タイミング、拡大ロゴフラッシュ演出(図11(B)参照)の実行タイミングは、何れであっても良い。例えば、演出図柄EZの変動表示の開始時点、リーチになった時点であっても良い。また擬似連演出(特別図柄が変動表示を開始してから停止表示するまでの間に演出図柄EZの変動表示を伴うサイクルが複数回ある演出)、又は連続予告(複数回の特別図柄の変動表示に跨って実行される予告演出)が実行されるときに、縮小ロゴフラッシュ演出又は拡大ロゴフラッシュ演出が実行され得るようにしても良い。
上記各形態では、大入賞口14が1つだけ設けられていた。しかしながら、第1大入賞口と第2大入賞口という2つの大入賞口を設けるようにしても良い。この場合、大当たり遊技によって第1大入賞口を開放し、小当たり遊技によって第2大入賞口を開放するようにしても良い。或いは、大当たり遊技では、ラウンドによって第1大入賞口の開放と第2大入賞口の開放とを切替えるようにしても良い。また第1大入賞口と第2大入賞口とを設ける場合、何れか一方に特定領域16を設けるようにすれば良い。
上記各形態では、大入賞口14内への特定領域16への通過に基づいて、高確率状態に制御する遊技機(所謂V確機)として構成した。しかしながら、当選した大当たり(大当たり図柄)の種類でのみ高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したり、当選した大当たりの種類と当選時の遊技状態とに基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成しても良い。また、所謂1種2種混合機、2種タイプの遊技機(羽根物タイプの遊技機)、抽選によって高確率状態から通常確率状態に転落する転落機等、他の種類の遊技機として構成しても良い。てもよい。
上記各形態では、図22に示すように、大当たりの種類(大当たり図柄の種類)を設けた。しかしながら、図22に示す大当たりの種類はあくまで一例であって、適宜変更可能である。
上記各形態では、特別図柄の抽選で小当たりに当選することがないように設定されていた。しかしながら、小当たりに当選することがあって、大入賞口14を開放可能な小当たり遊技が実行されることがあるようにしても良い。なお小当たり遊技では、少なくとも1球の入賞が可能な時間であれば、大入賞口14の開放時間は適宜変更可能である。但し意図しない量の賞球がなされないように、大入賞口14の総開放時間を1.8秒以下としておくことが望ましい。
上記各形態では、透過液晶表示装置7を用いて後方液晶表示装置50の表示画面50aよりも前方にて、通常ロゴフラッシュ画像TG、拡大ロゴフラッシュ画像KG、縮小ロゴフラッシュ画像SGを視認可能にした。しかしながら、透過液晶表示装置7以外の方法で、後方液晶表示装置50の表示画面50aよりも前方にて、通常ロゴフラッシュ画像TG、拡大ロゴフラッシュ画像KG、縮小ロゴフラッシュ画像SGのような表示像を視認可能にしても良い。例えば、後方液晶表示装置50に替えて、3次元的に(立体的に)画像を視認可能にする3D液晶表示装置を用いて、通常ロゴフラッシュ画像TG、拡大ロゴフラッシュ画像KG、縮小ロゴフラッシュ画像SGのような表示像を視認可能にしても良い。又は透過液晶表示装置7に替えて、イルミネーションパネル(LEDパネル)を用いて、通常ロゴフラッシュ画像TG、拡大ロゴフラッシュ画像KG、縮小ロゴフラッシュ画像SGのような表示像を視認可能にしても良い。
上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入球に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態において、「所定の制御条件の成立」とは、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されることである。
また上記各形態において、パチンコ遊技機PY1として構成したが、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成しても良い。ここでスロットマシンの場合、どのようなタイプであってもよい。ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機(Aタイプのスロットマシン)であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
12.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
振動可能且つ遊技者が操作可能(押下操作可能)な操作手段(演出ボタン40k)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記演出制御手段は、前記操作手段を第1振動パターン(図15(A)に示す第1振動態様)で振動させる場合と、前記操作手段を前記第1振動パターンと異なる第2振動パターン(図15(B)に示す第2振動態様)で振動させる場合と、があることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、操作手段が第1振動パターンで振動する場合と、第2振動パターンで振動する場合とがある。そのため遊技者には、操作手段での異なる振動パターンを体感させることが可能であり、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記第1振動パターン(図16(B)参照)は、前記第2振動パターン(図16(A)参照)よりも、前記操作手段が振動する振動周期を長くする振動パターンである(図16(A)(B)の比較参照)ことを特徴とする遊技機である。
従来の操作手段においては、振動周期が相対的に短い振動パターンで振動することが一般的である。そこでこの構成の遊技機によれば、操作手段が第2振動パターンよりも振動周期が長い第1振動パターンで振動する場合がある。従って、操作手段が相対的に振動周期が短い第1振動パターンで振動したときに、遊技者には従来にはない斬新な振動を見せることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記操作手段に対する操作を契機として(遊技者が演出ボタン40kを押下操作して)前記操作手段を前記第2振動パターンで振動させる場合(図19(C-1)に示すボタン振動演出が実行される場合)と、前記操作手段に対する操作を契機としないで(遊技者が演出ボタン40kを押下操作しないで)前記操作手段を前記第1振動パターンで振動させる場合(図19(A)に示すボタン煽り演出が実行される場合)と、があることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者が操作手段を操作することで操作手段が相対的に振動周期が短い第2振動パターンで振動することがある一方で、遊技者が操作手段を操作しないで操作手段が相対的に振動周期が長い第1振動パターンで振動することがある。従って、操作手段が第1振動パターンで振動したときには、遊技者にとってあまり意識していないタイミングで操作手段が通常とは違う振動周期で振動するため、意外性のある振動を見せることが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A2又は手段A3に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記操作手段を前記第1振動パターンで振動させる振動煽り演出(図19(A)に示すボタン煽り演出)を実行した後に、前記操作手段への操作を促す操作促進演出(図19(B)に示すボタン押下促進演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、操作手段が相対的に振動周期が長い第1振動パターンで振動する振動煽り演出が実行された後に、操作手段への操作を促す操作促進演出が実行される。そのため、振動煽り演出を把握した遊技者には、その後に操作手段を操作することを期待させて、操作促進演出に至るまでの期待感を増幅させることが可能である。
ところで、特開2010-279530号公報に記載の遊技機では、遊技者が押下操作可能な演出ボタン(操作手段)が設けられていて、この演出ボタンは押下操作に基づいて振動可能に構成されている。そのため、遊技者が演出ボタンを押下操作したときに、演出ボタンが振動することで、遊技者には演出ボタンを押下操作した後の当該演出ボタンのリアクションを楽しませるようになっている。しかしながら特開2010-279530号公報に記載の遊技機のように、振動可能な操作手段が振動するときの振動パターンは1種類だけである。従って遊技者には、操作手段が振動するか否かだけを楽しませるようになっていて、操作手段を用いた遊技興趣には改善の余地があった。そこで上記した手段A1~A4に係る発明は、特開2010-279530号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、操作手段を第1振動パターンで振動させる場合と、操作手段を第1振動パターンと異なる第2振動パターンで振動させる場合と、がある点で相違している。これにより、斬新な遊技興趣を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)することが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
振動可能な第1可動体(演出ボタン40k)と、
振動可能な第2可動体(第2盤可動体56k)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記演出制御手段は、
前記第1可動体を振動させると共に前記第2可動体を振動させる共同振動演出(図19(A)に示す連動振動演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1可動体が振動すると共に第2可動体が振動する共同振動演出が実行される。そのため、共同振動演出を把握した遊技者には、異なる箇所で共に振動する驚きを与えることが可能であり、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記共同振動演出において、前記第1可動体が振動する振動周期(1秒)と前記第2可動体が振動する振動周期(1秒)とを同じ又は実質的に同じにすることが可能である(図17(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、共同振動演出において、第1可動体が振動する振動周期と第2可動体が振動する振動周期とが、同じ又は実質的に同じになっている。そのため、遊技者には、第1可動体の振動と第2可動体の振動とが完全にリンクしていることを把握させて、2つの可動体による斬新な振動を見せることが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B1又は手段B2に記載の遊技機において、
前記第1可動体は、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン40k)であり
前記第2可動体は、所定の演出条件の成立(変動演出パターン選択処理(S4504)で可動体駆動演出を実行する変動演出パターンが選択されること)に基づいて移動可能な演出可動体(第2盤可動体56k)であり、
前記演出制御手段は、
前記共同振動演出として、前記操作手段を振動させると共に前記演出可動体を振動させることが可能である(図19(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、操作手段が振動すると共に演出可動体が振動する共同振動演出が実行される。従って遊技者には、性質の異なる演出手段(操作手段と演出可動体)が共に振動するという驚きを与えることが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B1又は手段B2に記載の遊技機において、
前記第1可動体は、遊技者が操作可能(押下操作可能)な操作手段(演出ボタン40k)であり
前記演出制御手段は、
前記操作手段に対する操作を契機としないで(遊技者が演出ボタン40kを押下操作しないで)、前記共同振動演出として、前記操作手段を振動させると共に前記第2可動体を振動させることが可能である(図19(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者が操作手段を操作しないで、操作手段が振動すると共に第2可動体が振動する共同振動演出が実行される。従って、遊技者が意図したタイミングで共同振動演出が実行されるわけではないため、共同振動演出をより斬新な演出として見せることが可能である。
ところで、特開2010-279530号公報に記載の遊技機では、遊技者が押下操作可能な演出ボタン(可動体)が振動可能に構成されている。そのため、遊技者が演出ボタンを押下操作したときに、演出ボタンが振動することで、遊技者には演出ボタンを押下操作した後の当該演出ボタンのリアクションを楽しませるようになっている。しかしながら特開2010-279530号公報に記載の遊技機のように、演出ボタンのような可動体が振動するときには、振動する箇所が1箇所である。そのため、可動体を用いた振動としては、遊技者にありきたりな印象を抱かれつつあった。従って、可動体を用いた振動による遊技興趣には、改善の余地があった。そこで上記した手段B1~B4に係る発明は、特開2010-279530号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、第1可動体を振動させると共に第2可動体を振動させる共同振動演出を実行可能である点で相違している。これにより、斬新な遊技興趣を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)することが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
所定の表示画面(50a)を有する表示手段(後方液晶表示装置50)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記演出制御手段は、
前記表示画面よりも前方にて第1表示像(図11(A)に示す通常ロゴフラッシュ画像TG)を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度(大当たりへの当選期待度)を示唆する第1前方予告演出(通常ロゴフラッシュ演出)を実行する場合と、
前記表示画面よりも前方にて前記第1表示像が拡大した印象を与え得る第2表示像(図11(B)に示す拡大ロゴフラッシュ画像KG)を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2前方予告演出(拡大ロゴフラッシュ演出)を実行する場合と、があることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1前方予告演出が実行される場合には、表示画面よりも前方にて第1表示像が視認可能になる。そのためこの場合には、第1表示像が迫ってくるような印象を遊技者に抱かせることが可能である。一方、第2前方予告演出が実行される場合には、表示画面よりも前方にて、第1表示像が拡大した印象を与え得る第2表示像が視認可能になる。そのためこの場合には、第1前方予告演出よりも、第1表示像が更に前方に迫ってくるような印象を遊技者に抱かせることが可能である。こうして、表示画面よりも前方にて、第1表示像の接近度合いが変化しているように見せることが可能であり、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記第1表示像には、前記特別遊技状態に制御される期待度を異ならせて示唆する複数の期待度態様(青通常ロゴフラッシュ画像TG1、赤通常ロゴフラッシュ画像TG2、図11(A)参照)があり、
前記第2表示像には、前記特別遊技状態に制御される期待度を異ならせて示唆する複数の期待度態様(青拡大ロゴフラッシュ画像KG1、緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3、金拡大ロゴフラッシュ画像KG4、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5、図11(B)参照)があり、
前記第2表示像での複数の期待度態様の種類(5種類)は、前記第1表示像での複数の期待度態様の種類(2種類)よりも多いことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2表示像での複数の期待度態様の種類は、第1表示像での複数の期待度態様の種類よりも多い。即ち、第2前方予告演出が実行される場合の方が、第1前方予告演出が実行される場合よりも、遊技者に期待度の高さをより詳細に把握させることが可能である。よって遊技者には、第1前方予告演出よりも、第1表示像がより迫って見える第2前方予告演出の方に、関心を抱かせることが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記第1表示像には、前記特別遊技状態に制御される期待度を異ならせて示唆する複数の期待度態様(青通常ロゴフラッシュ画像TG1、赤通常ロゴフラッシュ画像TG2、図11(A)参照)があり、
前記第2表示像には、前記特別遊技状態に制御される期待度を異ならせて示唆する複数の期待度態様(青拡大ロゴフラッシュ画像KG1、緑拡大ロゴフラッシュ画像KG2、赤拡大ロゴフラッシュ画像KG3、金拡大ロゴフラッシュ画像KG4、虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5、図11(B)参照)があり、
前記第2表示像での複数の期待度態様の中には、前記特別遊技状態に制御されることを示唆する当たり示唆態様(虹拡大ロゴフラッシュ画像KG5)がある一方、前記第1表示像での複数の期待度態様の中には、前記当たり示唆態様がないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2表示像での複数の期待度態様の種類の中には、当たり示唆態様がある一方、第1表示像での複数の期待度態様の種類の中には、当たり示唆態様がない。よって遊技者には、第1前方予告演出よりも、第1表示像がより迫って見える第2前方予告演出が実行されたときに、当たり示唆態様であるか否かに大きな関心を抱かせることが可能である。
ところで、特開2014-131700号公報に記載の遊技機では、特別図柄が停止表示される前に、当選期待度(特別遊技状態に制御される期待度)を示唆する予告演出が実行されることがある。この予告演出により、遊技者に当選期待度の高さを把握させて、高揚感を与え得るようにしている。ここで特開2014-131700号公報に記載の遊技機のように、予告演出では一般的に、表示手段の表示画面に特定の演出画像(表示像)が表示される。しかしながら、単に表示画面に特定の演出画像を表示するという見せ方ではありきたりであり、予告演出での遊技興趣には改善の余地があった。そこで上記したC1~C3に係る発明は、特開2014-131700号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、表示画面よりも前方にて第1表示像を視認可能にすることで、特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1前方予告演出を実行する場合と、表示画面よりも前方にて第1表示像が拡大した印象を与え得る第2表示像を視認可能にすることで、特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2前方予告演出を実行する場合と、がある点で相違している。これにより、斬新な遊技興趣を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)することが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記演出制御手段は、
特定のモチーフ(本パチンコ遊技機PY1のメインキャラクタの顔)を含む第1表示像(図50に示す縮小ロゴフラッシュ画像SG)を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度(大当たりへの当選期待度)を示唆する第1予告演出(縮小ロゴフラッシュ演出)を実行する場合と、
前記特定のモチーフを含んでいて前記第1表示像よりも遊技者に認識させ易い第2表示像(図11(B)に示す拡大ロゴフラッシュ画像KG)を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2予告演出(拡大ロゴフラッシュ演出)を実行する場合と、があり、
前記第1表示像に前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する特定の期待度要素(例えば青色)が付されている場合(青縮小ロゴフラッシュ画像SG1)と、前記第2表示像に前記特定の期待度要素(青色)が付されている場合(青拡大ロゴフラッシュ画像KG1)とでは、前記第1予告演出の方が、前記第2予告演出よりも、前記特別遊技状態に制御される期待度が高い(図51(A)(B)比較参照)ことを示唆していることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定のモチーフを含む第1表示像を視認可能な第1予告演出が実行される場合と、特定のモチーフを含んでいて第1表示像よりも認識し易い第2表示像を視認可能な第2予告演出が実行される場合とがある。ここで、第1表示像に特定の期待度要素が付されている場合と、第2表示像に特定の期待度要素が付されている場合とでは、第1予告演出の方が第2予告演出よりも、期待度が高いことを示唆している。よって、第2表示像(第2予告演出)を見た遊技者には、期待度が高いことによる高揚感に加えて、把握し難い方が期待度が高いという関係に気付いたときの特別感(特殊感)を与えることが可能であり、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記第1表示像(図50に示す縮小ロゴフラッシュ画像SG)には、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する複数種類の期待度要素(青色、赤色)のうち何れかが付され、
前記第2表示像(図11(B)に示す拡大ロゴフラッシュ画像KG)には、前記複数種類の期待度要素を含む期待度要素(青色、緑色、赤色、金色、虹色)のうち何れかが付され、
前記第1表示像に付される期待度要素と前記第2表示像に付される期待度要素とが同じ(青色、赤色)である場合、当該第1表示像に付される期待度要素が前記複数の期待度要素のうち何れの期待度要素であっても、前記第1予告演出の方が、前記第2予告演出よりも、前記特別遊技状態に制御される期待度が高いことを示唆している(図51(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1表示像に付される期待度要素と第2表示像に付される期待度要素とが同じである場合、当該第1表示像に付される期待度要素が何れであっても、第1予告演出の方が第2予告演出よりも期待度が高いことを示唆する。従って、同じ期待度要素が付されていれば、把握し難い第1表示像の方が、把握し易い第2表示像よりも遊技者にとって有利であることを示唆するという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記第2表示像(図11(B)に示す拡大ロゴフラッシュ画像KG)に対して前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する期待度要素が付される種類(5種類)は、前記第1表示像(図50に示す縮小ロゴフラッシュ画像SG)に対して前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する期待度要素が付される種類(2種類)よりも、多い(図51(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、把握し易い第2表示像に対して期待度要素が付される種類は、把握し難い第1表示像に対して期待度要素が付される種類よりも多い。従って、第2表示像が表示される場合の方が、第1表示像が表示される場合よりも、期待度の高さがより詳細に把握し易い。よって遊技者には、把握し難い第1表示像が表示される場合には期待度が高いことによる高揚感を与えて、把握し易い第2表示像が表示される場合には期待度の高さを詳細に把握させることになり、第1表示像又は第2表示像の何れであっても楽しませることが可能である。
手段D4に係る発明は、
手段D2又は手段D3に記載の遊技機において、
前記第2表示像(図11(B)に示す拡大ロゴフラッシュ画像KG)に対して前記特別遊技状態に制御されることを示唆する当たり要素(虹色)が付されることがある一方、前記第1表示像(図50に示す縮小ロゴフラッシュ画像SG)に対して前記当たり要素が付されることがないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、把握し易い第2表示像に対して当たり要素が付されていることがある一方、把握し難い第1表示像に対して当たり要素が付されていることはない。よって遊技者には、把握し難い第1表示像が表示される場合には期待度が高いことによる高揚感を与えて、把握し易い第2表示像が表示される場合には当たり要素が付されていることへの期待感を与えることになり、第1表示像又は第2表示像の何れであっても楽しませることが可能である。
手段D5に係る発明は、
手段D2乃至手段D4の何れかに記載の遊技機において、
前記第1表示像(図50に示す縮小ロゴフラッシュ画像SG)は、前記第2表示像(図11(B)に示す拡大ロゴフラッシュ画像KG)が縮小した印象を与え得るものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、小さい印象を与え得る第1表示像の方が、大きい印象を与え得る第2表示像よりも、期待度が高いことを示唆している。従って遊技者には、大きい第2表示像が見えたときよりも、小さい第1表示像が見えたときに大きな高揚感を与えるため、従来とは逆の印象による遊技興趣を提供することが可能である。
ところで、特開2014-131700号公報に記載の遊技機では、特別図柄が停止表示される前に、当選期待度(特別遊技状態に制御される期待度)を示唆する予告演出が実行されることがある。この予告演出により、遊技者に当選期待度の高さを把握させて、高揚感を与え得るようにしている。ここで特開2014-131700号公報に記載の遊技機のように、予告演出では一般的に、表示手段の表示画面に特定のキャラクタ等のモチーフを含む演出画像(表示像)が表示される。しかしながら、予告演出において、遊技者に単に特定のモチーフを含む演出画像を視認させるだけではありきたりであり、予告演出での遊技興趣には改善の余地があった。そこで上記したD1~D5に係る発明は、特開2014-131700号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、特定のモチーフを含む第1表示像を視認可能にすることで、特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1予告演出を実行する場合と、特定のモチーフを含んでいて第1表示像よりも遊技者に認識させ易い第2表示像を視認可能にすることで、特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2予告演出を実行する場合と、があり、第1表示像に特別遊技状態に制御される期待度を示唆する特定の期待度要素が付されている場合と、第2表示像に特定の期待度要素が付されている場合とでは、第1予告演出の方が、第2予告演出よりも、特別遊技状態に制御される期待度が高いことを示唆している点で相違している。これにより、斬新な遊技興趣を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)することが可能である。