JP7295962B2 - 輸液反応性の改善された予測のための方法およびシステム - Google Patents

輸液反応性の改善された予測のための方法およびシステム Download PDF

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Description

[0001]本出願は、2018年10月15日出願の米国特許出願第16/160,778号の優先権を主張し、この米国特許出願第16/160,778号は、2015年7月27日出願の米国特許仮出願第62/197,429号の利益を主張する2016年7月27日出願の米国特許出願第15/221,128号の一部継続出願である。これらの出願のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
[0004]手術中に麻酔を受けている患者、または重症もしくは医療介入に無反応の患者を処置する医師にとって重要な問題は、静脈内輸液または輸血が行われる場合に、心拍出量を最適に維持するためには患者にどれくらいの静脈内輸液または輸血を投与すべきかを決定することである。実際、患者にとって最適かつ適切な輸液療法の方針を決定することは非常に難しく、医師にとって、その方針を正しく導くための臨床兆候はほとんどない。
[0005]血行動態的に不安的な患者への輸液投与は、血行動態パラメータをリアルタイムで測定することに関して言えば大きな問題である。初期治療方針として輸液蘇生を行うための判断と同じく、血液量減少(血液量が低減した状態)の正確な臨床的評価は困難である。具体的には、血行動態的に不安定な患者が輸液療法に対して陽性的に反応して、1回拍出量および心拍出量が増加するかどうかを予測することは、非常に困難である。一方では、輸液量または血液量の供給が不十分であれば、最適以下の(すなわち低減した)心拍出量を生じることがあり、ひいてはこれが低灌流、すなわち不十分な組織灌流につながり、最終的には臓器不全および/または機能障害につながることになる。他方では、輸液量または血液量の過剰供給も、連続的な血液凝固や間質への輸液の侵入(浮腫)により、肺不全もしくは心不全、換気時間の長期化、および/または血管系の内皮層の破壊につながり得ることが、最近の研究により示されている。さらに、輸液または血液の供給量を増やすことは、心拍数または心収縮性の低下した患者にとっていかなる利益ももたらさず、こうした患者は、その代わりに心筋強化薬物(たとえば、カテコールアミン、アドレナリン、またはそれらの誘導体)を必要とすることがある。したがって、患者の「輸液反応性」は、輸液投与の妥当性を評価するための、かつ最適な心機能および臓器灌流を確保する際の、最も重要な決定要素と考えられる。
[0006]したがって、生理学的な障害の状態で、心臓がその最適な動作範囲[1回拍出量×心拍数/分=心拍出量]で機能し続けるためにちょうど必要なレベルになるよう、輸液供給を調整することが非常に重要になっている。さらに、この輸液供給に対する心臓の反応、すなわち心臓の「輸液反応性」を、継続的に監視して、心臓機能を最適範囲内に維持しなくてはならない。
[0007]麻酔患者または重症患者の処置には、患者の血管内容量の状態(「心前負荷」)の正確な評価と、輸液チャレンジに対して患者が(「1回拍出量」の増大によって)反応する可能性(「輸液反応性」)とが必要である。1回拍出量とは、1回の収縮において心臓の左心室によって駆出される血液量のことである。心臓の左心室は、拡張期中には収縮まで血液で満たされている(拡張末期容量すなわちEDVとしても知られている)。収縮は収縮期中に生じ、収縮後に一部の血液は心室に残る(収縮末期容量すなわちESVとしても知られている)。次いで、EDVとESVの差として1回拍出量が計算される。次いで、1回拍出量をEDVで割って、駆出率すなわちEFが決定される。健康な対象者の典型的なEFの範囲は、55~70%である。1回拍出量は、前負荷および後負荷によっても影響される。前負荷とは、流入する血液容量の量によって心室に加えられる負荷、または伸展のことである。前負荷が増大するにつれて収縮の強さが増し、こうして1回拍出量が多くなる。後負荷とは、1回拍出量を駆出するために心室が対抗して拍動しなくてはならない抵抗のことである。
[0008]患者に対して輸液チャレンジを行う主な理由は、1回拍出量(輸液反応性)を増大させることである。輸液チャレンジによって1回拍出量が増大しなければ、容量負荷は、患者に対して有用な利益を提供しない(実際には有害なこともある)。フランク・スターリングの法則によれば、前負荷が増大するにつれて、左心室(LV)の1回拍出量は、最適な前負荷が達成されるまで増大し、この最適な前負荷の点で1回拍出量は相対的に一定に保たれる。正常な生理学的状態では、両方の心室は、フランク・スターリング(FS)曲線の上昇部分に沿って動作するはずである。大半の人間は、FS曲線の上昇部分において(容量チャレンジによる)前負荷の増大により、1回拍出量の著しい増大が生じる。
[0009]最適な心臓動作を維持するために、患者に輸液を投与または供給すべきか、またどのくらいの量を投与または供給すべきかを予測するための多数の方法および技術が開発されてきている。輸液反応性の有用な予測因子であることが証明されている方法は、1回拍出量変動(「SVV」)を使用することであり、この1回拍出量変動とは、人工呼吸下の心血管系と肺の相互作用から生じる、左室1回拍出量に見られる変動のことである。SVVは、人工呼吸に起因した胸腔内圧の周期的な増大および減少により引き起こされ、これが心前負荷および心後負荷の変動につながる。輸液反応性の有用な予測因子であることが証明されている別の方法は、脈圧変動(PPV)を使用することであり、この脈圧変動とは、動脈圧の呼吸性変動のことである。しかし、これらどちらの方法にも、少なくともある程度の侵襲性(たとえば、血圧を評価するための動脈ライン)が必要であることを含むいくつかの欠点があり、侵襲性が欠点である理由は、この分野が全体的に、低侵襲性、すなわち患者の状態の影響の受けやすさに相関した介入および監視を患者に提供することに向かってきているからである。たとえば、輸液が増加される患者(たとえば、ICU患者)は、通常影響を受けやすい状態にあり、したがって相対的に健康状態のよい患者に比べて低い侵襲性の(かつその患者の影響を受けやすい状態に対して最適な侵襲性の)処置を受けるべきである。具体的には、人工呼吸の場合のように、(たとえば、麻酔中またはICUにおいて)胸腔内圧が増大すると、心臓に向かう血液の環流が(数回の心拍にわたり)妨害されることがある。この影響は、血液循環の低減した(デマスキング/血液量減少を引き起こす恐れがある)患者に対してより高い血圧が加えられたとき、より一層顕著になることがある。
[0010]さらに、「輸液反応性」を予測するための現在の方法は、動脈測定から得た脈波曲線の微分係数、1回拍出量の直接測定(表面積積分)、およびAoKにおける血流速度の測定(ドップラー原理)のうちの1つまたは複数に基づく単一のパラメータを必要とする。しかし、これらの方法は、単一のパラメータに基づいており、生理学的変数の互いに対する影響によって生じる様々な変動を必ずしも考慮していないことから、十分に正確なわけではないことを含め、いくつかの限界がある。さらに、「輸液反応性」パラメータを決定するための現在知られているこれらの方法は、ほとんどすべて血流から派生している。
[0011]輸液反応性のための方法およびシステムが提供され、特に非限定的な実施形態により、最適な心拍出量を維持するために心電図信号を使用して輸液反応性を予測するための方法およびシステムが提供される。
[0012]本開示の実施形態は、心電図(ECGまたはEKG)信号の値だけを使用して輸液反応性を予測し、より早いECGサンプリング速度でこの機能を実行する。重要なことに、本開示の機能はECG信号の標準的な関数解析から派生するものなので、本開示は完全に非侵襲的であり、患者を決して撹乱しない。ECGは、心臓によって生成される電位をグラフ表示したものである。ECGは非侵襲的で継続的な監視方法であり、心拍、基礎律動、心房および心室の活動を電気信号の形で読み取ることができる情報を提供する。このような電気信号は、身体の表面に付けられたECGリードを介して記録される。ECGは、この時点まで、麻酔学および集中治療医療において心拍数および不整脈を監視するための監視プロセスとしてのみ使用されてきている。
[0013]本開示の例示的実施形態は、継続的な、より高い分解能のECG(たとえば、250Hz~1000Hz)を使用することにより、輸液反応性を予測して輸液反応性パラメータの変動を検出する。標準的な50HzのECGとは異なり、より高い分解能のECGは、心臓の状態が異常な患者の心室における非常に低い振幅信号(「遅延電位」と呼ばれる)を検出することができる。
[0014]また、本開示の実施形態は、単一のパラメータに基づくのではなく、複数の生理学的変数(心拍、呼吸、血管緊張など)が互いに及ぼす影響によって生じるECG信号の変動に基づくアルゴリズムに基づいており、したがって単一のパラメータを分析することからは得られない必要な精度を実現する。
[0015]本開示は、最適な心拍出量を維持するために、ECG信号からの心臓パラメータを使用して輸液反応性を予測するためのシステムおよび方法を提供する。具体的には、開示される実施形態は、継続的な、より高い分解能のECG(250Hz~好ましくは1000Hzの範囲)を使用して、ECG信号に基づき輸液反応性パラメータの変動を検出および処理し、これらの変動に基づき輸液反応性予測を生成することにより、輸液反応性を予測するための方法を提示する。代替的実施形態では、輸液反応性は、非継続的または一部継続的なより高い分解能のECGを使用して予測されてもよい。
[0016]本開示の実施形態では、少なくとも2つのセンサが提供されて、ECG信号が非侵襲的に取得されてもよい。ECG信号は、センサから、電子出力ファイルを介することを含む様々な方法により、コンピュータシステムに渡されてもよい。コンピュータシステム内のプロセッサは、ECG信号の輸液反応性パラメータの変動(すなわち、ECG曲線の直接的な変化)を検出および処理してもよい。ECG信号のこれらの変動が処理されると、プロセッサは、コンピュータシステムのメモリに記憶された数学的アルゴリズムを実行して、ECG信号の変動を分析および定量化し、輸液反応性予測を生成してもよい。また、輸液反応性予測の結果を表示するために、表示デバイスが提供されてもよい。
[0017]本開示の例示的実施形態によれば、ECG信号を使用して患者の輸液反応性を予測するための方法が提供される。方法は、センサを使用して非侵襲的にECG信号を取得するステップを含む。この方法は、ECG信号の輸液反応性パラメータの変動(すなわち、ECG曲線の直接的な変化)を、コンピュータシステムを使用して処理するステップを含む。この方法は、輸液反応性パラメータのこれらの変動を定量化するステップ、および患者の輸液反応性予測を、コンピュータシステム内に具体化された数学的アルゴリズムを使用して生成するステップを含む。この方法は、この輸液反応性予測の結果を、医師または他の医療従事者に表示デバイスを使用して表示するステップを含む。また、この方法は、医師または他の医療従事者が、自らの専門知識を使用し、この輸液反応性予測の結果を評価し、患者に対する次の適切な医療措置方針を決定するステップを含む。次の医療措置方針は、輸液または薬物を患者に投与すること、輸液反応性予測の結果に基づき他の医学的に適切なステップを必要に応じて実施すること、または医学的に適切な場合には何も行わないことを含んでもよいが、これらに限定されない。
[0002]本開示の例示的実施形態による、ECG信号を使用して患者の輸液反応性を予測する方法のフロー図である。 [0003]時間間隔にわたる典型的なECG信号を示す図である。
[0018]図1は、本開示の例示的実施形態による、患者の最適な心拍出量を維持するために、ECG信号を使用して患者の輸液反応性を予測する方法を示す。第1のステップは、患者から非侵襲的にECG信号を取得すること101を含んでもよい。第2のステップは、ECG信号の変動を処理すること102を含んでもよい。第3のステップは、輸液反応性予測を生成すること103を含んでもよい。第4のステップは、輸液反応性予測を医師または他の医療従事者に表示すること104を含んでもよい。最後に、任意選択の第5のステップは、輸液反応性予測の結果に基づき、輸液または薬物を投与すること105を含んでもよい。本開示の実施形態は、ECG信号を使用して輸液反応性を予測する方法を説明するが、代替的実施形態は、筋電図(EMG)信号、脳波図(EEG)信号などを含む任意の記録可能な生理学的(電気的)信号を使用してもよい。
[0019]図2は、時間間隔にわたる典型的なECG信号200を示す。心電図は、ある期間にわたる心臓の電気的活動を経胸壁的に(胸郭すなわち胸を通して)測定することを表し、これは、皮膚の外表面に取り付けられた電極によって検出され、身体外部にあるデバイスによって記録される。非侵襲的な手順によって作成されるこの記録は、EKGまたはECGと呼ばれる。ECGは、心拍の速度および規則性を測定するとともに、室の大きさおよび位置、心臓障害の有無、および心臓を調整するために使用された薬剤またはデバイス、たとえばペースメーカの効果を測定するためにも使用される。
[0020]図2において、ECG信号200を示す。ECG信号200は、P波202と、QRS複合波204と、T波206と、U波208とを含む。P波202は、心房性脱分極または心房の収縮を示す。QRS複合波204は、心室脱分極または心室の収縮を示す。T波206は、心室再分極を示す。U波208は、典型的にはT波206の後に続き、常に見られるとは限らない。U波208は、乳頭筋またはプルキンエ線維の再分極を示してもよい。U波208の大きさは、心拍数に反比例するので、U波208が大きくなるにつれて、心拍数は下がる。
[0021]再び図1を見ながら、患者の輸液反応性を予測する方法の各ステップを、ここで順番に検討する。患者から非侵襲的にECG信号を取得する第1のステップ101を参照すると、非侵襲的にという用語は、ECG信号の記録中に、胸腔内圧の増大を生じさせるためのいかなる人工的な方法も使用されないことを示す。人工的な方法は、ECG信号を取得するために、たとえば患者の皮膚を刺すことがある何らかの測定法を含んでもよい。人工的な方法は、たとえば取得される測定の品質を改善するために実施されることがある人工呼吸または患者の下肢挙上を含まない。いくつかの実施形態では、ECG信号は、患者に結合された少なくとも2つのセンサから取得されてもよい。センサは、継続的な高分解能のECGデータ(たとえば、250Hz~1000Hz)を生成可能なデバイスとすることができる。このようなデバイスの例は、GE Healthcare(登録商標)Inc.から市販されているECGセットアップを含む。本開示の代替的実施形態では、ECG信号がセンサから記憶デバイスに渡されてもよく、これによりECG信号が記憶デバイスから取得されてもよい。記憶デバイスは、継続的な高分解能のECGデータ(たとえば、250Hz~1000Hz)を提供可能な装置とすることができる。記憶デバイスの実施形態は、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブを含む。本開示の例示的実施形態は、継続的な高分解能のECG(少なくとも250Hz~好ましくは1000Hzの範囲)を使用して、輸液反応性予測を容易にしてもよい。開示される実施形態は、センサおよび記憶デバイスに言及しているが、ECG信号は、他の既知のタイプのECG取得ハードウェアから取得されてもよい。
[0022]本開示の実施形態では、ECG信号がセンサまたは記憶デバイスからコンピュータシステムに渡されてもよい。ECG信号をコンピュータシステムに渡すことは、電子出力ファイル(および/または関連するECG取得ハードウェア)を介することを含む様々なやり方で行われてもよい。さらなる実施形態では、センサは、無線チャネルを介してコンピュータシステムと通信するように構成されてもよい。たとえば、センサは、Bluetooth、近距離無線通信、WiFi、または他の無線通信プロトコルを使用して通信してもよい。センサは、軽量で、小型で、ポータブルであってもよい。いくつかの実施形態では、センサは、患者(または試験対象者)に装着され、このセンサを装着している人のECG信号を測定するように構成されてもよい。装着可能なセンサは、人の手首、腕、脚に装着され、人の胸部に巻き付けられるなどするように構成されてもよい。さらなる実施形態では、他の多くのタイプのセンサを使用してECG信号が測定されてもよく、そのようなECG信号を、利用可能な有線または無線の技術を使用して、コンピュータシステムに提供してもよい。
[0023]例示的実施形態では、コンピュータシステムは、継続的な高分解能のECGデータ(たとえば、250Hz~1000Hz)を処理することができるデバイス、装置、およびシステムとすることができる。コンピュータシステムの実施形態は、PowerMac(登録商標)などの市販のデスクトップコンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、内部バス、データ取得部、データ記憶部、ならびに/または表示デバイスおよびプリンタを含む入力/出力デバイスに接続されたプロセッサまたはマイクロプロセッサなどの汎用制御ユニットを含んでもよい。プロセッサまたはマイクロプロセッサは、本明細書に記載の機能を実行することの一部として、オペレーティングシステムおよび1つまたは複数のアプリケーションを含むことができるソフトウェアを実行するように構成されてもよい。リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ユーザ入力、および表示デバイスも、動作可能にバスに接続されてもよい。
[0024]RAMおよびROMは、例として示してあり、限定として示してあるのではない。任意の好適なコンピュータ読取り可能媒体が、システム内でデータ記憶用に使用されてもよい。コンピュータ読取り可能媒体は、マイクロプロセッサによって解釈可能な情報を記憶するように構成される。情報は、データであってもよく、または特定の機能および/またはコンピュータ実施方法をマイクロプロセッサに実行させるソフトウェアアプリケーションなど、コンピュータ実行可能命令の形態を取ってもよい。コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性の媒体、取外し可能および取外し不可能な媒体を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、または他の固体メモリ技術、CD‐ROM、DVD、または他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、または他の磁気記憶デバイス、または所望の情報を記憶するために使用可能な、システムの構成要素によってアクセスすることができる任意の他の媒体を含んでもよいが、これらに限定されない。
[0025]ここで、ECG信号の変動を処理する第2のステップ102を参照すると、コンピュータシステム内のプロセッサは、輸液反応性パラメータの変動(すなわち、ECG曲線の直接的な変化)を検出、分析、および処理して、予後指数を作成することができる。特に、プロセッサは、様々な生理学的変数の互いに対する影響によって生じるECG信号のP、Q、R、S、T、およびUの複合波(図2を参照)のうちの少なくとも1つの長さ、振幅、傾き、面積、深さ、および高さのうちの少なくとも1つの変動を検出および処理して、予後指数を作成するように構成されてもよい。この予後指数は、心拍数、呼吸、および/または血管緊張など、少なくとも2つ以上の生理学的変数の互いに対する影響によって生じるECG信号の輸液反応性パラメータにおける、処理済みの変動に基づいてもよい。ECG信号の変動は、容量の低減した患者において、人工呼吸器ハブの膨張の終わりのECG期間と、呼息期間の終わりのECG期間とを(すなわち、胸腔内圧が異なる期間同士を)比較して検出されてもよい。本開示の代替的実施形態は、自発呼吸している患者に本開示の方法およびシステムを使用することを含んでもよい。
[0026]具体的には、予後指数(およびそれに続き生成される輸液反応性予測)は、ECG曲線のP、Q、R、S、T、およびUの複合波のうちの少なくとも1つにおけるいくつかの相対的な変動に基づいてもよく、これらの変動は、P波の絶対長さ/10~25%、P波の絶対振幅/10~30%、P波の傾き/5~25%、P波の曲線下面積/10~30%、PQ部分/15~35%、QRS複合波の絶対長さ、等電点からQ点までの減少の傾き、R点に向かう増加の傾き、Q点の絶対深さ、R点の絶対高さ、QRS複合波の曲線下面積、ST部分の絶対長さ、T波を含むST部分の絶対長さ、U波を含むST部分の絶対長さ、P波の始まりおよびP波の頂点からRの頂点までの距離、P波の始まりおよびP波の頂点からRの頂点までの距離の傾き、Rの頂点からT波の終わりまでの距離、Rの頂点からT波の終わりまでの距離の傾き、および/またはP波の始まりとP波の頂点との両方からRの頂点までの距離と、その対応する傾きと、等電位線とから作られる三角形下の面積(たとえば、図2を参照)のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、2つ以上のECG信号が使用される場合、輸液反応性予測は、ベクトルの変化、すなわちそれぞれのECGリードの心電気軸の変化に基づいてもよい。ECG曲線のP、Q、R、S、およびTの複合波におけるこれらの変動はすべて、膨張(人工呼吸器ハブ)の終わりの期間の曲線と呼息の終わりとを比較するECG曲線のデジタルオーバレイにおいて、輸液反応のある患者に見られることがある。さらに、これらの変動はすべて、10~30%の範囲内にあってもよく、患者の容量が低減するほど(輸液反応性が高いほど)、患者の対応する胸郭内圧の差が大きくなる。
[0027]上に述べた、ECG曲線のP、Q、R、S、T、およびUの複合波の変動は、1人の患者において観察されなくてもよく、実際、人工呼吸中に複数の個人の患者において、このような変動がより多く観察および比較されるほど、またそれらの変動が顕著なほど、輸液反応性予測はより確実になる。様々な実施形態では、予後指数は、複数の患者における変動の観察および比較から導かれたデータを含んでもよい。特に、存在する実験データ点の数が多いほど、すなわち評価される患者の数が多いほど、より多くの比較データを得ることができる。さらに、個人の患者から実験データ点が長く記録/収集されるほど、より多くの比較データを得ることができる。したがって、いくつかの実施形態では、予後指数は、複数の患者における高分解能のECG信号のP、Q、R、S、T、およびUの複合波の変動に基づき収集された既存のデータと、同じ変動に基づき個人の患者から新しく収集されたデータとの両方を含んでもよく、またはそのいずれかを含んでもよい。既存のデータは、新しく収集されたデータと比較することができるベースラインとして機能してもよい。他の実施形態では、予後指数は、個人の患者から新しく収集したデータだけを含んでもよい。この実施形態では、新しく収集したデータ内の様々な情報が互いに分析および比較されてもよい。したがって、本方法の実施形態は、高分解能のECGデバイスを使用して、高分解能のECG信号のP、Q、R、S、T、およびUの複合波のうちの少なくとも1つにおける変動を、複数の患者から収集されたデータに基づき事前決定された予後指数に照らして比較することに基づき、または個人の患者から収集されたデータに基づいて互いに比較することに基づき、予後を生成することを含んでもよい。
[0028]本開示の実施形態は、複数のECG信号のP、Q、R、S、T、およびUの複合波のうちの少なくとも1つにおける変動を検出、分析、および処理するための様々な方法を使用してもよい。例示的実施形態では、この分析は、「シンプソンの公式」、またはその変形形態、たとえば「合成シンプソン公式」などとして知られている数学的積分に基づいてもよい。数値分析では、シンプソンの公式は、数値積分、すなわち定積分の数値近似のための方法である。積分される関数が、時間間隔にわたって相対的に平滑ならば、シンプソンの公式を使用して、正確な積分に対する基礎データの十分な推定近似を得ることができる。しかし、(本明細書に記載の予後指数のデータに該当するように)時間間隔にわたって平滑でない数値データを積分しようとすると、シンプソンの公式はそれほど正確ではないことがある。しかし、間隔を複数の小さいサブ間隔に分割することにより、シンプソンの公式をそれぞれのサブ間隔に適用することができ、その結果を足し合わせて、間隔全体にわたる積分の近似を得ることができる。したがって、特定の実施形態では、シンプソンの公式のこの変形の応用(すなわち、合成シンプソン公式)を使用して、予後指数のデータの分析および定量化を行うことができる。代替的実施形態では、他の好適な分析方法を使用して、予後指数のデータが分析されてもよい。
[0029]ここで、輸液反応性予測を生成する第3のステップ103を参照すると、プロセッサは、コンピュータシステムのメモリ内に記憶された数学的アルゴリズムを実行して、ECG信号の変動の予後指数を分析、定量化、および結合し、予後指数の数値データに基づき輸液反応性予測を生成してもよい。特に、輸液反応性予測は、予後指数の既存のデータと新しく収集したデータとの分析および比較に基づき取得されてもよい。いくつかの実施形態では、輸液反応性予測は、1つのデータセットから(すなわち評価対象の1人の患者から)取得したデータを、予後指数の確立された(すなわち複数の患者からの)データセットに照らして分析および比較することによって生成されてもよい。代替的実施形態では、輸液反応性予測は、個人の患者における輸液反応性の変動を分析および比較することによって生成されてもよい。たとえば、一実施形態では、ある患者から収集されたデータは、指数の既存データに基づく同じ患者の他のECG曲線または他の患者のECG曲線よりも相対的に高い「スパイク」/「ピーク」を有する特定のECG曲線を示すことがある。これらのスパイクは、本明細書に記載の分析方法により、数値データとして評価および特徴付けされてもよい。次いで、新しく収集されたデータと既存データを比較する輸液反応性予測が、表、リスト化、チャート、および/または他の好適な視覚的描写、たとえばECG曲線のデジタルオーバレイを含むがこれらに限定されない様々な形態で生成および表示されてもよい。
[0030]ここで、医療従事者または他の権限保有者に輸液反応性予測を表示する第4のステップ104を参照すると、生成された輸液反応性予測が、コンピュータシステムに通信可能に結合された表示デバイスに表示されてもよい。表示デバイスは、陰極線管ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、または他のタイプのモニタとすることができる。表示デバイスの実施形態は、アップルのThunderboltディスプレイなどの市販のモニタを含む。輸液反応性のレベルを示すために、ステータスバー、視覚的警告、聴覚的警告、任意の他の好適な指標、またはこれらの組合せなど、他の好適な計量基準が表示されてもよいことが理解される。また輸液反応性のレベルは、コンピュータ、コンピュータ読取り可能媒体、プリンタ、またはこれらの組合せなど、好適な出力デバイスに出力されてもよい。
[0031]本開示の例示的実施形態は、医師または他の医療従事者が、生成された輸液反応性予測の結果を表示デバイス上で確認し、患者に輸液を投与するための医学的判断を下すことができる任意選択の第5のステップ105をさらに含んでもよい。本開示の代替的な例示的実施形態は、医師または他の医療従事者が、生成された輸液反応性予測の結果を表示デバイス上で確認し、むしろ患者に薬物を投与するための判断を下す任意選択の第5のステップ105を含んでもよい。この状況は、輸液または血液の供給量を増やすことが、心拍数または心収縮性の低下した患者にとっていかなる利益ももたらさない場合に起こる可能性が高く、この患者は、その代わりに心筋強化薬物(たとえば、カテコールアミン、アドレナリン、またはそれらの誘導体)を必要とすることがある。
[0032]本開示の代替的な例示的実施形態は、医師または他の医療従事者が、生成された輸液反応性予測の結果を表示デバイス上で確認し、むしろ自らの専門知識に基づき、患者にとって医学的に適した別の措置方針に従うための判断を下すことができる任意選択の第5のステップ105を含んでもよい。本開示のさらに別の例示的実施形態は、医療従事者または他の権限保有者が、生成された輸液反応性予測の結果を表示デバイス上で確認し、患者には追加的な医学的処置が全く必要ないという結論に達することができる状況105を含んでもよい。
[0033]例示的であって限定的ではない一実施形態では、血行動態的に不安定な患者の輸液反応性が、以下の方法によって取得されてもよい。本明細書に記載の少なくとも2つのセンサが、最初に患者に結合され、患者のECG信号(たとえば、図2を参照)を取得するために使用されてもよい。ECG信号は、センサから、本明細書に記載のコンピュータシステムに渡されてもよい。次いで、コンピュータシステム内のプロセッサが、患者の様々な生理学的変数の互いに対する影響によって生じるECG信号のP、Q、R、S、T、およびUの複合波のうちの少なくとも1つの長さ、振幅、傾き、面積、深さ、および高さのうちの少なくとも1つの変動を検出、分析、および処理して、本明細書に記載の予後指数を作成してもよい。様々な実施形態では、患者のECG信号は、他の曲線より高い「スパイク」/「ピーク」を有する一部の曲線を示すことがある。いくつかの実施形態では、プロセッサは、「スパイクのある」曲線のQRS複合波の曲線下面積を、スパイクのない別の曲線のQRS複合波の曲線下面積に照らして分析および比較してもよい。スパイクのあるQRS複合波とスパイクのないQRS複合波の曲線下面積をこのように計算および分析することは、本明細書に記載の合成シンプソン公式を使用して行われてもよい。このデータが取得され、予後指数に記憶されると、次いでプロセッサは、このデータに基づき輸液反応性予測を生成してもよい。この特定の実施形態では、予後指数は、評価対象であるこの患者から新しく収集された関連データのみを含んでもよい。たとえば、スパイクのある曲線から得た関連データは、スパイクのない曲線から得たデータに照らして処理および比較され、目に見える好適なフォーマット、たとえば比較チャートで表示されてもよい。他の実施形態では、予後指数は、評価対象である患者から新しく収集された関連データと、この新しく収集されたデータと比較するための、複数の患者から得たベースラインデータとの両方を含んでもよい。次いで、この比較チャートを見る医師は、輸液もしくは薬物を投与するか、全く異なる医学的に適切な措置方針に従うか、またはさらなる措置は何もとらないかの医学的判断を下してもよい。
[0034]一実施形態によれば、輸液反応性とECG信号の関係のモデルを生成するために、機械学習アルゴリズムが使用されてもよい。たとえば、機会学習アルゴリズムは分類器モデルを生成してもよい。これに関して、モデルを生成するために、複数の訓練データセットが使用されてもよい。各データセットが処理されて、データの複数の特徴が識別されてもよい。たとえば、各ECG信号が分析されて、複数の特徴が決定されてもよい。特徴は、ECG信号のピークに対応してもよく、各ピークは、ピーク高さ、ピークに対応した信号部分に対するECG信号の曲線下面積などによって特徴付けされてもよい。上でさらに詳細に説明したように、特徴P、Q、R、S、T、およびUが、ECG信号の特徴として識別されてもよい。
[0035]各特徴は、多次元空間において座標方向を定義するとみなされてもよい。次いで、各ピークに関連する値が、多次元空間における座標を定義するために取得されてもよい。したがって、所与のピークに関するピーク高さ、曲線下面積などを使用して、多次元空間における座標を定義することができる。したがって、所与のECG信号は、多次元空間における単一の点として表されてもよい。たとえば、ECG信号が分析されて、特徴P、Q、R、S、T、およびUを特徴付ける特徴値(p、q、r、s、t、u)が決定されると仮定すると、データは、点(p、q、r、s、t、u)によって表されることが可能である。これに関して、pは、特徴Pに関するピーク高さまたは曲線下面積であってもよく、qは、特徴Qに関するピーク高さまたは曲線下面積であってもよいなどということになる。こうして、複数のN個のデータセットが、多次元空間において対応する複数のN個の点に還元されることが可能である。この例では、空間は、6つの特徴P、Q、R、S、T、およびUに対応した6次元空間である。
[0036]分類器は以下のように構築されてもよい。N個のECG曲線のセットが、訓練データとして取得されてもよい。各ECG曲線が分析されて、各ECG曲線を特徴付ける値(p、q、r、s、t、u)のセットが決定されてもよい。こうして、N個の訓練データセットが、多次元空間においてN個の点に還元される。次いで、訓練データセットが1つまたは複数の分類に分割されてもよい。たとえばバイナリ分類器モデルでは、それぞれのデータセットに2つのラベル(たとえば、0および1)のうちの1つが与えられてもよく、このラベルが、各点をデータの一方のクラスか他方のクラスにあるものとして分類する。次いで、モデルを構築するために機械学習技法が使用されてもよい。これに関して、モデルは、データを2つのクラスに最良の形で分離する多次元空間における超平面(すなわち、線形セパレータ)か、超曲面(すなわち、非線形セパレータ)として数学的に表される。
[0037]実施形態によれば、超平面または超曲面は、多次元空間においてそれぞれ線形関数または非線形関数として表されてもよい。超平面または超曲面が確立されると、それを使用してモデルの予測が生成されてもよい。たとえば、多次元データ点(たとえば、上記の例に関して形状の点(p、q、r、s、t、u))が、モデルに対する入力として提供されてもよい。確立された超平面または超曲面を前提として、入力された点は、モデルを定義するために使用された2つのクラスのうちの1つに対応すると予測されてもよい。こうして、新規データ点(すなわち、前に見られなかったデータ点)は、分類器モデルを定義する超平面または超曲面に対する、多次元空間におけるモデルの位置に基づき、モデルを定義するために使用された2つのクラスのうちの1つに属するものとして分類されてもよい。
[0038]様々な実施形態によれば、患者のECG信号と輸液反応性との相関関係が決定されてもよい。したがって、複数の訓練データセット(すなわち、ECG信号)が分析されて、多次元座標(p、q、r、s、t、u)が決定されてもよい。さらに、各データ点が、(0)輸液無反応か、(1)輸液反応として特徴付けられてもよい。次いで、輸液反応性のモデルが、訓練データから生成されてもよい。モデルが構築されると、反応性指数が、新規ECG信号に対応した各新規データ点について定義されてもよい。したがって、このモデルに基づき、患者のECG信号が測定されてもよく、このモデルに基づき反応性指数が決定されてもよい。
[0039]さらなる実施形態では、訓練データのセットが3つ以上の分類に分けられてもよい。したがって、3つ以上の分類カテゴリに対応する多次元空間における様々な領域を定義するために、機械学習法が適用されてもよい。したがって、新規(すなわち初見の)データに関する予測を行うために、モデルが構築されてもよい。モデルによって予測される様々な選択肢は、所与の患者に対する、この患者の測定されたECG信号に基づく処置オプションの3つ以上の分類に対応してもよい。
[0040]一実施形態によれば、上述した方法は、以下のようにまとめられてもよい。(高周波数サンプリングで取得済みの)生のECG信号が入力として提供され、輸液反応性指数が、モデルによって出力として生成される。たとえば、ECG信号は、1000HzのECGデバイスから読み取られてもよい。次いで、計算技法が適用されて、入力されたECG信号から特徴のセットが決定され、それにより多次元空間における座標という観点から信号が特徴付けされてもよい。訓練段階中に、複数のそのようなデータ点を使用してモデルが生成される。試験/予測の段階中に、入力されたECG信号に基づくモデルにより、輸液反応性指数が生成される。輸液反応性指数は、患者にとって輸液/血液の投与が有効で、それによりひいては患者の心拍出量が増大するかどうかを特徴付けることができる。輸液/血液の投与が患者にとって有効ではないと輸液反応性指数が予測した場合には、代替処置が処方されてもよい。このような場合には、カテコールアミン、アドレナリンなどの心臓強化薬物が、患者にとって有効なことがある。これは、患者の測定されたECGなど、測定された入力信号に基づき自動的に診断を決定するために、実施形態の方法をどのように利用できるかという例である。
[0041]上記の検討は、説明を簡単にするために分類器モデルの概念を用いている。さらなる実施形態では、様々な他の機械学習法が使用されてもよい。たとえば、機械学習モデルは、回帰モデル、決定木、ニューラルネットワークなどに基づいてもよい。
A.操作バージョン
[0042]一実施形態によれば、特徴は事前決定されてもよい。たとえば、唯一の特徴が、上述したP、Q、R、S、T、およびUの特徴であると仮定することにより、モデルが構築されてもよい。この場合、上述したように、事前決定された特徴のそれぞれに関する特徴値(p、q、r、s、t、u)を決定するために、計算技法が使用されてもよい。特徴値が決定されると、上述したように、機械学習技法を使用してモデルが構築されてもよい。検討をわかりやすくするために、この実施形態は、方法の操作バージョンと呼ばれてもよい。
B.深層学習バージョン
[0043]さらなる実施形態によれば、特徴自体が訓練プロセス中に識別されてもよい。A(操作バージョン)との違いは、特徴が決定される方法である。ここでは、設定される特徴は事前決定されておらず、訓練プロセス中に自動的に決定される。この状況の例として、生の信号(またはその信号の何らかの適切な事前処理がされたバーション)が、深層学習ネットワークを介して供給され、この深層学習ネットワークは、最適な特徴セットを計算することと、次いでこのセットを活用して輸液反応性指数を決定することとの両方を行うように、訓練プロセス中に訓練されている。
[0044]一実施形態によれば、方法(すなわちアルゴリズム)が、上記の方法Aと方法Bの間にあるように定義されてもよい。言い換えれば、最初の生のECG信号に作用し、その生のECG信号を変換して「学習済みの」特徴を生成するニューラルネットワーク、たとえば再帰ニューラルネットワーク(RNN)を考えてもよい。次いで、学習済みの特徴が、たとえば連結によって組み合わされて、学習済みの特徴と操作済みの特徴との両方を含むより大きいオブジェクト(たとえば、ベクトルまたはテンソル)にされてもよい。次いで、より大きいオブジェクトがニューラルネットワークに対する入力として使用され、このニューラルネットワークが、(マルチタスク)分類の場合にはクラスのセットを出力し、または(マルチタスク)回帰のクラスにおいて実数のセットを出力する。さらなる実施形態では、ECG信号の代わりにまたはそれに加えて他の生体信号を使用して、輸液反応性が特徴付けされてもよい。さらなる実施形態では、特徴のピークに対応したピーク高さおよび曲線下面積に加えてまたはその代わりに、他の特徴が定義されてもよい。このような特徴は(限定されないが)以下を含んでもよい。
・ サンプリングされた高周波数(たとえば、1000Hz)の生のECG信号自体
・ 生の信号から計算されたフーリエ成分またはウェーブレット成分
・ ECG信号から算出された(任意の次数の)微分係数もしくは積分、またはこれらの一部分
・ 微分係数に関するフーリエ成分またはウェーブレット成分
・ 上述したECG信号から導かれた特徴
・ 任意の一連の心周期に関する上記のうちのいずれか
・ 異なる、おそらくは一連の心周期に関する上記(およびさらに高次の変動)のうちのいずれかの差異
・ 異なる波形(p、QRS)の距離、曲線の始まりの角度の上昇および下降など
[0045]このような特徴は、明示的に操作されるのではなく、モデルにより、たとえば多層パーセプトロン、深層畳み込みニューラルネットワーク、再帰ニューラルネットワーク、制限ボルツマンマシンなどを含む(がこれらに限定されない)近年のニューラルネットワーク手法を使用して決定されてもよい。
[0046]また特徴は、補助的な教師なし学習中に自動的に取得されてもよい。機械学習法は、(限定されないが)k平均法、混合ガウス、因子分析もしくは主成分分析、深層(変分)オートエンコーダ、または深層生成モデルを含んでもよい。上記の補助的なモデルに対する入力は、生のECG信号自体を含む手動で操作された特徴の任意のセットであってもよい。次いで、自動的に取得されたこれらの特徴は、輸液反応性を決定するためのメイン訓練プロセスの一部として利用されてもよい。
[0047]上述したように、機械学習モデルは、訓練プロセスに基づき生成されてもよい。訓練プロセスは、輸液反応性予測がすでに測定されたECG信号の訓練データセットに基づいていてもよい。たとえば、測定は、ヒト対象者に対して行われてもよく、または動物を使った実験中に行われてもよい。たとえば、ECG信号は、ブタ、ヒツジなどを含む動物被検体に関して測定されてもよい。
[0048]これに関して、動物被検体は、測定されたECG信号と輸液反応性との相関関係を決定するために使用されてもよい。たとえば、動物被検体に対して(たとえばブタまたはヒツジに対して行われる)輸液レベルが、(たとえば輸液負荷によって)増大されてもよく、または(たとえば、出血によって)低減されてもよい。麻酔を受けているヒト対象者についてのデータも収集されてよい。次いで、動物被検体に基づく傾向が、ブランド-アルトマンプロット/相関技法を使用して、ヒト対象者に基づく傾向と相関されてもよい。動物被検体では、データセットは実験中に収集されてもよく、その実験では、実験中に所定のやり方で(すなわち、出血または輸液負荷を使用して)特定の輸液容量が変更される。このようなデータセットは、機械学習アルゴリズムのための訓練データセットとして使用されるのに十分に好適であり得る。
[0049]訓練データセットに関して測定されたECG信号から計算された特徴のセットは、Xと呼ばれてもよく、その一方で測定された出力(すなわち、測定された輸液反応性)は、Yと呼ばれてもよい。機械学習モデルは、XとYの間の相関関係を決定する。出力Yは、(マルチタスク)分類の場合にはクラスのセットから構成されてもよく、(マルチタスク)回帰のクラスにおいて実数のセットから構成されてもよい。一実施形態によれば、機械学習モデルの訓練は、教師あり学習アルゴリズムによって進行してもよく、モデルアーキテクチャは(限定されないが)以下を含んでもよい。
・ 識別学習アルゴリズム、たとえば(おそらくカーネル法を使用する)線形回帰、ニューラルネットワークアルゴリズム、たとえば多層パーセプトロン、深層畳み込みニューラルネットワーク、再帰ニューラルネットワーク、制限ボルツマンマシン、または
・ 生成学習アルゴリズム、たとえば混合モデル、隠れマルコフモデル、制限ボルツマンマシン、もしくは敵対的生成ネットワーク
[0050]一実施形態によれば、生成モデルでは、理論モデルによって、つまりECG信号を心臓の血液拍出量に関連付ける理論的な等式のセットによって、出力が決定されてもよい。このような相関関係は、血圧変動、酸素測定曲線などの他の計量基準、または他のホメオスタシス的な時間依存性の計量基準を含むことに基づいてもよい。
[0051]ニューラルネットワークモデルの場合には、さらなる最適化(たとえば、ベイズ的最適化または強化学習技法)が、モデルのハイパーパラメータに対して実行されてもよく、このハイパーパラメータは、(限定されないが)複数の隠れ層、層の大きさ、回帰層か畳み込み層か完全結合層かの選択を含んでもよい。特定のアーキテクチャに関するパラメータは、予測された出力と測定された出力Yとの差を、適切なコスト関数、たとえば(限定されないが)二次コスト関数、交差エントロピー、ヘリンジャー距離、またはカルバック・ライブラー発散を利用して最小にすることを目的とする標準的な最適化手法を使用して決定されてもよい。
[0052]深層ニューラルネットワークアルゴリズムの特定の利点は、上述したような複雑な特徴を操作する必要性を回避可能でありながらも、生の入力データに対して、または必要に応じて遮断周波数を用いた単純な変換もしくはその粗視化、たとえばフーリエ変換に対して良好に機能できることである。これに関して、深層ニューラルネットワークアルゴリズムは、深層学習アルゴリズムが発展する前に使用されていたアルゴリズムよりも、はるかにデータアグノスティックである。深層学習アルゴリズムは、心臓病学に固有の特徴の詳細な知識を必要とせず、その性能は、深層学習アルゴリズムの発展の前から存在するアルゴリズムより優れていることが多い。この意味で、生のECG信号自体が入力として使用されて、(たとえば、輸液反応性を決定するための)所望の出力を生成するために最も適した最適な特徴を、ニューラルネットワークが決定してもよい。たとえば、ECG曲線のS特徴とT特徴との間の距離(すなわち、時間間隔)の変動の傾向を検出することにより低酸素状態を検出するモデルに対して、完全なECG曲線が入力として使用されてもよい。このような方法は、心律動学の他の用途にも適用されてよい。たとえば、病的な心律動(たとえば、期外収縮、細動など)が発現する前に、ECG曲線に特徴的な変動が存在することがある。上述したニューラルネットワークモデルは、植え込み型自動除細動器において使用されるものであってもよい。
[0053]上述したように、他の機械学習モデル(たとえば、回帰型ニューラルネットワークモデル)によって取得された結果を補完/検証するために、離散分類器モデル(たとえば、深層ニューラルネットワークに基づく分類器モデル)が使用されてもよい。このような離散分類器モデルの結果は、輸液チャレンジ(たとえば、PEEPを増大すること)を患者に施すべきかどうかの処方になる。他の状況では、離散分類器モデルは、3つ以上の考えられる措置から1つの措置方針を処方してもよい。離散分類器モデルを使用する機械学習技法は(限定されないが)、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、または上に述べたニューラルネットワーク手法のいずれかであるが離散出力を有するもの(たとえばソフトマックス層により達成される)を含んでもよい。
[0054]そのような分類器モデル用の訓練データは、様々なカテゴリという観点から分類されてもよい。たとえば、様々な対応する医師判断が行われた状況から得られたデータに、いくつかのカテゴリが割り当てられてもよい。このようなカテゴリ化データが、分類器モデル用の訓練データとして使用されてもよい。別の例示的実施形態では、受動的下肢挙上試験を実施することによる、または輸液反応性指数が特定値を下回ったときに血液を投与することによる短期的なPEEPの増大など、1つまたは複数の簡単な測定を介して容量の低減を識別することにより、訓練データが取得されてもよい。
[0055]これに関して、輸液を投与するための判断は、輸液反応性指数の値が第1の値範囲内にあるときに基づき行われてもよい。さらに、輸液の量は、第1の値範囲内の輸液反応性指数の値に基づき決定されてもよい。同様に、ヒト対象者に対して薬物を投与するための判断は、輸液反応性指数の値が第2の値範囲内にあるときに基づき行われてもよい。さらに、薬物の用量は、第2の値範囲内の輸液反応性指数の値に基づき決定されてもよい。
[0056]本明細書に記載の様々な実施形態は、プロセッサまたはコンピュータがシステムを動作させて本明細書に記載の方法の1つまたは複数の実施形態を実施するための命令が記録されている、有形で非一時的な(たとえば、電気信号ではない)1つまたは複数の機械読取り可能媒体を提供する。1つまたは複数の媒体は、任意のタイプのCD-ROM、DVD、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、フラッシュRAMドライブ、または他のタイプのコンピュータ読取り可能媒体、またはこれらの組合せとすることができる。
[0057]様々な実施形態および/または構成要素、たとえば制御ユニット、モジュール、またはその中の構成要素およびコントローラも、1つまたは複数のコンピュータもしくはプロセッサの一部として実装されてもよい。コンピュータまたはプロセッサは、たとえばインターネットにアクセスするためのコンピューティングデバイス、入力デバイス、表示ユニット、およびインターフェースを含んでもよい。コンピュータまたはプロセッサは、マイクロプロセッサを含んでもよい。マイクロプロセッサは、通信バスに接続されてもよい。また、コンピュータまたはプロセッサは、メモリを含んでもよい。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、およびリードオンリメモリ(ROM)を含んでもよい。また、コンピュータまたはプロセッサは、記憶デバイスを含んでもよく、この記憶デバイスは、ハードディスクドライブ、またはフロッピーディスクドライブ、光ディスクドライブなどの取外し可能記憶デバイスであってもよい。また、記憶デバイスは、コンピュータプログラムまたは他の命令をコンピュータまたはプロセッサにロードするための、他の同様のシステムであってもよい。
[0058]コンピュータまたはモジュールという用語は、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、および本明細書に記載の機能を実行可能な任意の他の回路またはプロセッサを使用するシステムを含む、任意のプロセッサベースまたはマイクロプロセッサベースのシステムを含んでもよい。上記の例は、単なる例示であり、したがってコンピュータという用語の定義および/または意味を決して限定するものではない。
[0059]コンピュータまたはプロセッサは、入力データを処理するために、1つまたは複数の記憶要素に記憶された命令のセットを実行する。また、記憶要素は、所望または必要に応じて、データまたは他の情報を記憶してもよい。記憶要素は、情報源の形態であってもよく、または処理機械内の物理的なメモリ要素の形態であってもよい。
[0060]命令のセットは、本明細書に記載の主題の様々な実施形態の方法およびプロセスなどの特定の動作を実行するよう、処理機械としてのコンピュータまたはプロセッサに命令する様々なコマンドを含んでもよい。命令のセットは、ソフトウェアプログラムの形態であってもよい。ソフトウェアは、システムソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアなど、様々な形態であってもよい。さらに、ソフトウェアは、別個のプログラムもしくはモジュールの集まりの形態、より大きいプログラムの中のプログラムモジュールの形態、またはプログラムモジュールの一部分の形態であってもよい。また、ソフトウェアは、オブジェクト指向プログラミングの形態のモジュラープログラミングを含んでもよい。処理機械による入力データの処理は、ユーザのコマンドに応答するものであってもよく、または前の処理の結果に応答するものであってもよく、または別の処理機械によって行われた要求に応答するものであってもよい。
[0061]ソフトウェアという用語とファームウェアという用語は入替え可能であり、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、および不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含むメモリに記憶された、コンピュータによって実行するための任意のコンピュータプログラムを含む。上述したメモリタイプは単なる例示であり、したがってコンピュータプログラムの記憶装置に対して使用可能なメモリのタイプに関して限定するものではない。
[0062]様々な実施および活用に関して実施形態を説明しているが、これらの実施形態は例であり、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されないことが理解される。多くの変形、修正、追加、および改善が可能である。さらに、本明細書に記載の任意のステップは、任意の所望の順序で実施されてもよく、任意の所望のステップが追加されてもよく、または削除されてもよい。

Claims (18)

  1. 輸液反応性を決定し、決定された前記輸液反応性に基づきヒト対象者に施されるべき処置を決定するプロセッサ実施方法であって、
    ヒト対象者の心電図信号を、センサが継続的に測定するステップであって、前記心電図信号は、250Hzより大きく1000Hzまでの周波数を有する、ステップと、
    前記心電図信号の特徴を継続的に決定するために、前記心電図信号を第1の機械学習モデルに対する入力として使用して、前記第1の機械学習モデルの動作をプロセッサが実行するステップと、
    輸液反応性指数を第2の機械学習モデルの出力として生成するために、決定された前記特徴を前記第2の機械学習モデルに対する入力として使用して、前記第2の機械学習モデルの動作をプロセッサが実行するステップであって、前記第2の機械学習モデルに対する入力として使用される決定された前記特徴のうちの少なくとも1つは、前記心電図信号のQRS複合波の立ち上がり角度である、ステップと、
    前記輸液反応性指数に基づき、前記ヒト対象者に対して施されるべき一連の処置をプロセッサが決定するステップと
    を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記心電図信号の特徴を決定するステップは、
    前記心電図信号の複数の事前決定された特徴のそれぞれに関する特徴値を、プロセッサが決定するステップ
    を含み、特徴値は、前記事前決定された特徴の長さ、振幅、傾き、面積、深さ、および高さのうちの1つまたは複数を表す、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記事前決定された特徴は、前記心電図信号のP、Q、R、S、T、およびUの複合波のうちの1つまたは複数を含む、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、
    前記特徴を決定するために、ニューラルネットワークアルゴリズムの動作をプロセッサが実行するステップ
    をさらに含む方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、前記第1の機械学習モデルの動作を実行するステップは、
    教師なし学習アルゴリズムの動作をプロセッサが実行するステップ
    を含み、前記教師なし学習アルゴリズムは、k平均法アルゴリズム、因子分析もしくは主成分分析のアルゴリズム、深層(変分)オートエンコーダアルゴリズム、深層生成モデル、または、混合ガウスアルゴリズムを含む、方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記輸液反応性指数を生成する前記第2の機械学習モデルは、
    線形回帰アルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、多層パーセプトロン、深層畳み込みニューラルネットワーク、再帰ニューラルネットワーク、または、制限ボルツマンマシンを含む識別学習アルゴリズムを含む、
    方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、前記輸液反応性指数を生成する前記第2の機械学習モデルは、
    混合モデル、隠れマルコフモデル、制限ボルツマンマシン、または、敵対的生成ネットワークを含む生成学習アルゴリズムを含む、
    方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、
    プロセッサが、前記輸液反応性指数を生成する前記第2の機械学習モデルを、訓練プロセスを実行することによって生成するステップであって、前記訓練プロセスは、
    複数の(X、Y)訓練データセットを受け取るステップであって、Xはヒト対象者に関して測定された心電図信号の特徴を表し、Yは測定された前記心電図信号を有する前記ヒト対象者の測定された輸液反応性を表す、ステップと、
    前記複数の(X、Y)訓練データセットに関してXとYの相関関係を決定するステップと、
    XとYの前記相関関係を数学的関係として表すステップと
    を含む、ステップと、
    前記数学的関係に従い、前記第2の機械学習モデルの入力として使用される決定された前記特徴X*に基づき、前記第2の機械学習モデルの出力Y*として前記輸液反応性指数を生成するステップと
    をさらに含む方法。
  9. 請求項に記載の方法であって、
    前記第2の機械学習モデルは回帰モデルであり、前記数学的関係は、YをXの関数として表す等式であるか、または、
    前記第2の機械学習モデルは分類器モデルであり、前記数学的関係は、2つ以上の領域への多次元(X、Y)空間の分割であり、前記2つ以上の領域は、Xの関数としてのY値の2つ以上のそれぞれのクラスを表す、
    方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、前記輸液反応性指数に基づき、前記ヒト対象者に対して施されるべき一連の処置をプロセッサが決定するステップは、
    前記輸液反応性指数の値が第1の値範囲内にあるときに、前記ヒト対象者に対して輸液を投与すべきと決定するステップであって、前記第1の値範囲内の前記輸液反応性指数の前記値に基づき輸液の量が決定される、ステップ、または、
    前記輸液反応性指数の前記値が第2の値範囲内にあるときに、前記ヒト対象者に対して薬物を投与すべきと決定するステップであって、前記第2の値範囲内の前記輸液反応性指数の前記値に基づき薬物の用量が決定される、ステップ
    を含む、方法。
  11. 輸液反応性を決定し、決定された前記輸液反応性に基づきヒト対象者のための一連の処置を決定するシステムであって、
    ヒト対象者の心電図信号を継続的に測定するように構成されたセンサであって、前記心電図信号は、250Hzより大きく1000Hzまでの周波数を有する、前記センサと、
    動作を継続的に実行するように構成されたプロセッサであって、前記動作は、
    ヒト対象者の測定された前記心電図信号を受け取るステップと、
    前記心電図信号の特徴を決定するために、前記心電図信号を入力として使用して第1の機械学習モデルの動作を実行するステップと、
    輸液反応性指数を第2の機械学習モデルの出力として生成するために、決定された前記特徴を前記第2の機械学習モデルに対する入力として使用して、前記第2の機械学習モデルの動作を実行するステップであって、輸液反応性指数生成するために前記第2の機械学習モデルにより入力として使用される決定された前記特徴のうちの少なくとも1つは、前記心電図信号のQRS複合波の立ち上がり角度である、ステップと、
    前記輸液反応性指数に基づき、前記ヒト対象者に対して施されるべき一連の処置を決定するステップと
    を含む、前記プロセッサと
    を備えるシステム。
  12. 請求項11に記載のシステムであって、前記プロセッサは、
    前記心電図信号の複数の事前決定された特徴のそれぞれに関する特徴値を決定するステップ
    を含む動作を実行することにより、前記心電図信号の特徴を決定するようにさらに構成され、特徴値は、前記事前決定された特徴の長さ、振幅、傾き、面積、深さ、および高さのうちの1つまたは複数を表す、システム。
  13. 請求項12に記載のシステムであって、前記プロセッサは、前記心電図信号のP、Q、R、S、T、およびUの複合波のうちの1つまたは複数を含む事前決定された特徴の特徴値を決定するようにさらに構成された、システム。
  14. 請求項11に記載のシステムであって、前記第1の機械学習モデルの動作を実行することは、
    ニューラルネットワークアルゴリズムの動作を実行すること、または、
    教師なし学習アルゴリズムの動作を実行すること
    を含み、
    前記教師なし学習アルゴリズムは、k平均法アルゴリズム、因子分析もしくは主成分分析のアルゴリズム、深層(変分)オートエンコーダアルゴリズム、深層生成モデル、または、混合ガウスアルゴリズムを含む、
    システム。
  15. 請求項11に記載のシステムであって、前記プロセッサは、識別学習アルゴリズムの動作を実行することにより、前記輸液反応性指数を生成するようにさらに構成され、前記識別学習アルゴリズムは、
    線形回帰アルゴリズム、
    ニューラルネットワークアルゴリズム、
    多層パーセプトロン、
    深層畳み込みニューラルネットワーク、
    再帰ニューラルネットワーク、または、
    制限ボルツマンマシン
    を含む、システム。
  16. 請求項11に記載のシステムであって、前記プロセッサは、生成学習アルゴリズムの動作を実行することにより、前記輸液反応性指数を生成するようにさらに構成され、前記生成学習アルゴリズムは、
    混合モデル、
    隠れマルコフモデル、
    制限ボルツマンマシン、または、
    敵対的生成ネットワーク
    を含む、システム。
  17. 請求項11に記載のシステムであって、前記プロセッサは、
    前記輸液反応性指数を生成する前記第2の機械学習モデルを、訓練プロセスであって、
    複数の(X、Y)訓練データセットを受け取るステップであって、Xはヒト対象者に関して測定された心電図信号の特徴を表し、Yは測定された前記心電図信号を有する前記ヒト対象者の測定された輸液反応性を表す、ステップと、
    前記複数の(X、Y)訓練データセットに関してXとYの相関関係を決定するステップと、
    XとYの前記相関関係を数学的関係として表すステップと
    を含む前記訓練プロセスを実行することによって生成し、
    前記数学的関係に従い、前記第2の機械学習モデルの入力として使用される決定された前記特徴X*に基づき、前記第2の機械学習モデルの出力Y*として前記輸液反応性指数を生成する
    ように更に構成され、
    前記第2の機械学習モデルは回帰モデルであり、前記数学的関係は、YをXの関数として表す等式であるか、または、
    前記第2の機械学習モデルは分類器モデルであり、前記数学的関係は、2つ以上の領域への多次元(X、Y)空間の分割であり、前記2つ以上の領域は、Xの関数としてのY値の2つ以上のそれぞれのクラスを表す、
    システム。
  18. 請求項11に記載のシステムであって、前記プロセッサは、
    前記輸液反応性指数の値が第1の値範囲内にあるときに、前記ヒト対象者に対して輸液が投与されるべきであると決定し、前記第1の値範囲内の前記輸液反応性指数の前記値に基づき投与されるべき輸液の量を決定するステップ、または、
    前記輸液反応性指数の前記値が第2の値範囲内にあるときに、前記ヒト対象者に対して薬物が投与されるべきであると決定し、前記第2の値範囲内の前記輸液反応性指数の前記値に基づき薬物の用量を決定するステップ
    を含む動作を実行することにより、前記輸液反応性指数に基づき前記ヒト対象者に施すべき前記一連の処置を決定するようにさらに構成された、システム。
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