(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領
域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(ElectroLuminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって
、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図
柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変
動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組合せて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されて
いる可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(ReadOnlyMemory)101と、RAM(RandomAccessMemory)102と、CPU(CentralProcessingUnit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコ
ンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(VideoDisplayProcessor)、CGROM(CharacterGeneratorROM)、VRAM(VideoRAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行す
る演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイク
ロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、
前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報
を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装
置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり
)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理
では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよ
い。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部020F~021Fに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部020F~021Fについて説明する。特徴部020F~021Fは、タイマ画像を用いた演出を実行することに特徴がある。演出制御用CPU120は、画像表示装置5の画面上にタイマ画像を表示するタイマ演出を実行する。タイマ演出は、時間の経過を遊技者に体感させた後に、その時間の経過後に何等かの結果を出す演出である。例えば、所定時間を計時する様子を表示させ、その計時値が特定の値に達したときに、対応する結果として特定の演出(以下、単に特定演出と称する。)を実行する。もちろん、計時値が特定の値に達した時に、常に同じ内容の特定演出が実行される訳ではなく、特定の値に達したタイミングに応じて特定演出が実行される。
タイマ演出では、飾り図柄(演出図柄とも称する)の可変表示(変動表示とも称する)が実行されている間に、大当りの期待度に関する特定演出を実行するものであり、その特定演出が実行されることに対する遊技者の期待を煽る趣旨でタイマ演出が実行される。例えば、タイマ演出では、タイマの演出期間(設定されたタイマの初期秒数)が特定態様である0秒の表示となるまでタイマ値が更新される。タイマ演出中に表示されるタイマ画像は、画像表示装置5の所定領域であるタイマ表示領域に表示される。
特徴部020F~021Fでは、このようなタイマ画像が表示され、0秒の表示となるまでの期間において、タイマの値の動作態様が複数設けられている。具体的には、タイマの値の動作態様として、加算状態、停止状態、減算状態の3つの状態の動作態様が設けられている。加算状態はタイマの数値が増加していく状態であり、停止状態はタイマの数値の更新が停止される状態であり、減算状態はタイマの数値がカウントダウンされて減算していく状態である。最終的なタイマの数値が減算される演出の前に、いずれかの動作状態によるタイマ画像が表示される。このようなタイマ演出について、以下に説明する。
図8-1は、タイマ演出の演出例を示す表示画面図である。画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の変動が開始されることが下向きの矢印により示されている。タイマ画像を用いたタイマ演出は、画像表示装置5の画面上の左下の所定領域020F001において実行される。所定領域020F001の拡大図が図8-1(a)~(j)に示されている。タイマ演出は、図8-1(a)~(j)の順で実行される。
図8-1(a)に示すように、タイマ演出としてまず、加算状態の期間から開始される。図8-1(a)に示すように、タイマ画像は、「00:00」のタイマ値020F002が表示され、タイマ値020F002の上側には現在加算状態であることを示す「加算」の文字が表示される。次いで、この加算状態が図8-1(b)~(d)にかけて実行される。図8-1(b)は、タイマ値020F002が0秒から加算されて「10:45」となった状態を示している。図8-1(c)は、さらに数値が加算されタイマ値020F002が「30:18」となった状態を示している。図8-1(d)は、さらに数値が加算されタイマ値020F002が「60:00」となった状態を示している。
その後、図8-1(e)に示すように、タイマの値が「60:00」となっている状態でタイマ値020F002が停止し、タイマ値020F002の上側に現在停止状態であることを示す「停止」の文字が表示される。停止状態が所定期間経過すると、図8-1(f)に示すように、タイマ値020F002がカウントダウンされていく減算状態となる。図8-1(f)では、タイマの値が「59:59」となっている減算状態であることが、タイマ値020F002の上側の「減算」の文字で示されている。図8-1(g)に示すように、タイマ値020F002が「30:24」となり、さらに減算している状態が
示されている。
その後、図8-1(g)に示すように、タイマの値が「30:00」となっている状態でタイマ値020F002が停止し、タイマ値020F002の上側に現在停止状態であることを示す「停止」の文字が表示される。停止状態が所定期間経過すると、図8-1(i)に示すように、タイマ値020F002がカウントダウンされていく減算状態となる。図8-1(i)では、タイマの値が「29:59」となっている減算状態であることが、タイマ値020F002の上側の「減算」の文字で示されている。その後、図8-1(j)に示すように、タイマ値020F002が特定態様としての「00:00」となる。そして、タイマ値020F002が0秒を示す値となったことに基づいて、演出が実行される。
タイマ値020F002が0秒となったときに実行される特定演出としては、例えば、「チャンス」や「激熱」の文字を表示する演出がある。また、特定演出としては、リーチ終盤でキャラクタ画像がカットインされることにより最終の表示結果を煽るカットイン演出が実行されることがある。また、特定演出としては、他にどのような演出があってもよく、キャラクタが表示される演出やアクティブ表示が変化する演出でもよく、操作手段としてのプッシュボタン31B等を操作させる演出が実行されるようにしてもよい。
次に、タイマ演出の各種パターンについて説明する。タイマ演出には、タイマ値の動作状態の組合せや動作状態の期間が異なる複数種類のパターンが設けられている。図8-2は、タイマ演出のパターンを示すタイミングチャートである。図8-2に示すように、タイマ演出は、飾り図柄の変動が開始され変動が停止されるまでの一変動内で実行される。また、タイマ演出は、一変動内においてリーチとなるまでの通常変動中において開始され、特定演出として実行される0秒となったときの演出はリーチ後のスーパーリーチとなったときに実行される場合について説明する。しかしながら、タイマ演出の開始時期や終了時期は、その他のタイミングであってもよく、複数変動にまたがるタイマ演出が実行されるようにしてもよい。例えば、ターゲットとなる変動表示が開始される前の複数変動において停止状態のタイマ画像が表示されることにより、その後にタイマ演出が実行されることが事前に示唆されるようにしてもよい。
図8-2に示すように、タイマ演出には、120秒タイマパターンA~C、90秒タイマパターンD~F、60秒タイマパターン、30秒タイマパターンという複数種類のタイマパターンが設けられている。120秒タイマパターンA~Cは、タイマ演出の実行期間が共通の120秒に設定されているが、タイマ値の動作状態が異なっている。具体的には、120秒タイマパターンAは、加算状態、停止状態、加算状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化するパターンである。また、120秒タイマパターンBは、加算状態、停止状態、減算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化するパターンである。また、120秒タイマパターンCは、加算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化するパターンである。
90秒タイマパターンD~Fは、タイマ演出の実行期間が共通の90秒に設定されているが、タイマ値の動作状態が異なっている。具体的には、90秒タイマパターンDは、加算状態、停止状態、減算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化するパターンである。また、90秒タイマパターンEは、加算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化するパターンである。また、90秒タイマパターンFは、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化するパターンである。また、60秒タイマパターンは、一種類のみ設定されており、加算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化するパターンである。また、30秒タイマは、減算状態のみが実行されるタイマパターンである。なお、60秒タイマパターン、30秒タイマパターンにタ
イマ値の動作状態が異なる複数のパターンが存在するようにしてもよい。
図8-2に示したタイマパターンにおいて、大当り時には、はずれ時よりも長い秒数のタイマパターンに決定されやすくなっている。また、同じ秒数のタイマパターンにおいては、加算状態と停止状態と減算状態との期間の長さの組合せに応じて大当り遊技状態に制御される期待度が異なる。例えば、120秒タイマパターンにおいては、120秒タイマパターンC<120秒タイマパターンB<120秒タイマパターンAの順に大当り期待度が高い。また、90秒タイマパターンにおいては、90秒タイマパターンF<90秒タイマパターンE<90秒タイマパターンFの順に大当り期待度が高い。このようにすれば、タイマ画像の動作態様に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
また、120秒タイマパターンAと120秒タイマパターンCとを比較すると、減算状態の期間の長さは、同じである。しかしながら、減算状態となる前の加算状態の期間の長さと停止状態の期間の長さとの組合せに応じて大当り遊技状態に制御される期待度が異なる。このようにすれば、タイマ画像の動作態様に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
また、90秒タイマパターンFは、減算状態の前に加算状態を含まないパターンである。この90秒タイマパターンFは、加算状態を含む90秒タイマパターンEよりも大当り期待度が低くなっている。このようにすれば、タイマ画像の動作態様に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
次に、タイマ演出の各種内容を決定するためのテーブルについて説明する。図8-3は、タイマ演出実行決定テーブルおよびタイマ期間決定テーブルを示す説明図である。図8-3(A)は、表示結果が大当りとなるときにタイマ演出の実行の有無を決定するときに用いられる大当り時タイマ演出実行決定テーブルである。図8-3(B)は、表示結果がはずれとなるときにタイマ演出の実行の有無を決定するときに用いられるはずれ時タイマ演出実行決定テーブルである。図8-3(C)は、表示結果が大当りとなるときのタイマ演出の期間を決定するための大当り時タイマ期間決定テーブルである。図8-3(D)は、表示結果がはずれとなるときのタイマ演出の期間を決定するためのはずれ時タイマ期間決定テーブルである。これらのテーブルは、ROM121に記憶されている。なお、テーブルの割合は割振られた乱数値をパーセント表示したものである。
図8-3(A)に示すように、大当り時には、タイマ演出の実行有りに60%の割合で決定され、タイマ演出の実行無しに40%の割合で決定される。また、図8-3(B)に示すように、はずれ時には、タイマ演出の実行有りに40%の割合で決定され、タイマ演出の実行無しに60%の割合で決定される。
図8-3(A),(B)に示すテーブルの関係から、大当り時にははずれ時よりもタイマ演出が実行されやすくなっている。つまり、タイマ演出が実行される場合の方が実行されない場合よりも大当り期待度が高くなるように設定されている。
また、図8-3(C),(D)に示すように、タイマ演出の実行期間と実行期間に応じた減算期間とが決定される。減算期間は、タイマ画像が表示されている際にタイマ値が減算状態となる期間の合計値を示す秒数で表されている。図8-3(C),(D)に示すように、120秒のタイマ演出期間であれば減算期間が90秒に設定され、90秒のタイマ演出期間であれば減算期間が60秒に設定され、60秒のタイマ演出期間であれば減算期間が30秒に設定され、30秒のタイマ演出期間であれば減算期間が30秒に設定されている。
図8-3(C)に示すように、大当り時には、タイマ演出の期間(減算期間)として、30秒(30秒)<60秒(30秒)<90秒(30秒)<120秒(30秒)となる割合でタイマ演出の期間が決定されやすくなっている。また、図8-3(D)に示すように、はずれ時には、タイマ演出の期間(減算期間)として、120秒(30秒)<90秒(30秒)<60秒(30秒)<30秒(30秒)となる割合でタイマ演出の期間が決定されやすくなっている。
図8-3(C),(D)に示すテーブルの関係から、大当り時にははずれ時よりもタイマ演出の期間が長いパターンが選択されやすくなっている。つまり、タイマ演出の期間が長い場合の方が短い場合よりも大当り期待度が高くなるように設定されている。
次に、タイマの秒数に応じたタイマ演出の内容を決定するためのタイマパターン決定テーブルについて説明する。図8-4は、120秒タイマパターン決定テーブルおよび90秒タイマパターン決定テーブルを示す説明図である。図8-4(A)は、表示結果が大当りかつ120秒のタイマ演出期間に決定されたときに用いられる大当り時120秒タイマパターン決定テーブルである。図8-4(B)は、表示結果がはずれかつ120秒のタイマ演出期間に決定されたときに用いられるはずれ時120秒タイマパターン決定テーブルである。図8-4(C)は、表示結果が大当りかつ90秒のタイマ演出期間に決定されたときに用いられる大当り時90秒タイマパターン決定テーブルである。図8-4(B)は、表示結果がはずれかつ90秒のタイマ演出期間に決定されたときに用いられるはずれ時90秒タイマパターン決定テーブルである。
図8-4(A)に示すように、大当り時には、120秒タイマパターンとして、タイマパターンC<タイマパターンB<タイマパターンAとなる割合でタイマ演出のパターンが決定されやすくなっている。また、図8-4(B)に示すように、はずれ時には、120秒タイマパターンとして、タイマパターンA<タイマパターンB<タイマパターンCとなる割合でタイマ演出のパターンが決定されやすくなっている。
また、図8-4(C)に示すように、大当り時には、90秒タイマパターンとして、タイマパターンF<タイマパターンE<タイマパターンDとなる割合でタイマ演出のパターンが決定されやすくなっている。また、図8-4(D)に示すように、はずれ時には、90秒タイマパターンとして、タイマパターンD<タイマパターンE<タイマパターンFとなる割合でタイマ演出のパターンが決定されやすくなっている。
図8-4(A),(B)に示すテーブルの関係から、120秒タイマパターンとして、タイマパターンC<タイマパターンB<タイマパターンAとなる順に大当り期待度が高くなるように設定されている。このように、加算状態と、停止状態、減算状態とをいずれの順序で表示するかに応じて、大当り遊技状態に制御される期待度が異なるように設定されている。このようにすれば、タイマ画像の動作態様に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
また、図8-4(C),(D)に示すテーブルの関係から、90秒タイマパターンとして、タイマパターンF<タイマパターンE<タイマパターンDとなる順に大当り期待度が高くなるように設定されている。このように、加算状態と、停止状態、減算状態とをいずれの順序で表示するかに応じて、大当り遊技状態に制御される期待度が異なるように設定されている。このようにすれば、タイマ画像の動作態様に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
また、図8-4(A),(B)に示すように、タイマパターンの種類により、停止状態
の前後の動作状態が異なっている。具体的には、タイマパターンAは、停止状態の前後に加算状態、加算状態が設けられている。また、タイマパターンBは、停止状態の前後に減算状態、減算状態が設けられている。また、タイマパターンCは、停止状態の前後に加算状態、減算状態が設けられている。つまり、停止状態の前後を含めたパターンとして、加算状態、減算状態(タイマパターンC)<減算状態、減算状態(タイマパターンB)<加算状態、加算状態(タイマパターンA)の順に大当り期待度が高くなっている。このようにすれば、停止状態の前後の動作状態に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。また、このようにすれば、意外性のあるタイミングでの停止状態の発生によって期待感を高められるため、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
〔設定変更機能付きパチンコ遊技機について〕
パチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。例えば、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も出玉率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど出玉率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。また、設定値は、最も大きい値である6が最も遊技場側にとって不利な値であり、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技場側にとって有利な値となる。なお、設定値に応じて出玉率が変われば、例えば、大当りの確率が設定値によって変わっていてもよいし、大当り確率は一定であるものの大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値によって変わっていてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかを設定可能に構成されている。パチンコ遊技機1において設定されている設定値は、主基板11の側から演出制御基板12の側へ設定値指定コマンドが送信されることにより通知される。
図8-5(A)及び図8-5(B)は、表示結果判定テーブルを示す説明図である。このうち、図8-5(A)は変動特図が第1特図である場合に用いられる第1特図用表示結果判定テーブルの構成例を示し、図8-5(B)は変動特図が第2特図である場合に用いられる第2特図用表示結果判定テーブルの構成例を示している。表示結果判定テーブルは、ROM101に記憶されているデータの集まりであり、設定値毎に乱数値MR1と比較される当り判定値が特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)に設定されたテーブルである。乱数値MR1は、表示結果決定用の乱数値であり、0~65535の範囲でランダムに値が更新される。表示結果判定テーブルにおける当り判定値も、0~65535の範囲で特図表示結果に割り当てられている。表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるものに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
設定値が1であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1237までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が1であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1346までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が1であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1237までが「大当り」に割り当てられ
、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が1であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1346までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
設定値が2であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1253までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が2であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1383までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が2であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1253までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が2であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1383までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
設定値が3であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1272までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が3であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1429までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が3であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1272までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が3であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1429までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
設定値が4であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1292までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が4であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1487までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が4であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1292までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズ
レ」に割り当てられている。設定値が4であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1487までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
設定値が5であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1317までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が5であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1556までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が5であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1317までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が5であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1556までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
設定値が6であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1346までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が6であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1674までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が6であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1346までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が6であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1674までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
各表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(例えば、設定値が1の場合は1/300、設定値が2の場合は1/280、設定値が3の場合は1/260、設定値が4の場合は1/240、設定値が5の場合は1/220、設定値が6の場合は1/200)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(例えば、設定値が1の場合は1/200、設定値が2の場合は1/180、設定値が3の場合は1/160、設定値が4の場合は1/140、設定値が5の場合は1/120、設定値が6の場合は1/100)。大当り遊技状態に制御すると決定される確率は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて高くなるように、各表示結果判定テ
ーブルでは、判定値が大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
各設定値に応じて通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率がそれぞれ異なる(例えば、設定値1であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.5倍であり、設定値2であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は約1.56倍であり、設定値3であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.625倍である)ように設定されている形態に限定されるものではなく、各設定値での通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は全て一定(例えば、5倍)に設定してもよい。
各第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。具体的には、図8-5(A)に示すように、第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が1/200に設定されている。一方で、各第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。具体的には、図8-5(B)に示すように、第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が1/100に設定されている。
設定値にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一確率である形態に限定されるものではなく、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。変動特図に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が異なる形態に限定されるものではなく、変動特図にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
各表示結果判定テーブルにおいて「大当り」や「小当り」に割り当てられている当り判定値の数値範囲に着目すると、遊技状態が通常状態または時短状態の場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1237までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1238~1253の範囲、設定値3では1238~1272の範囲、設定値4では1238~1292の範囲、設定値5では1238~1317の範囲、設定値6では1238~1346の範囲にそれぞれ設定されている。このように、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、設定値が1の場合は共通数値範囲(1020~1237)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1238を基準として増加していく。このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち32767~33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が6の場合に注目すると、この場合に当り判定値のうち1020~1346までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、設定値が6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1346)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33094の範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
遊技状態が確変状態の場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち1020~1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1346までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1347から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1347~1383の範囲、設定値3では1347~1429の範囲、設定値4では1347~1487の範囲、設定値5では1347~1556の範囲、設定値6では1347~1674の範囲にそれぞれ設定されている。このように、遊技状態が確変状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、設定値が1の場合は共通数値範囲(1020~1346)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1347を基準として増加していく。このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
遊技状態が確変状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルと同じく、当り判定値のうち32767~33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が6の場合に注目すると、この場合に当り判定値のうち1020~1674までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、設定値が6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1674)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33094の範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
遊技状態が通常状態または時短状態の場合における第2特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1237までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1238~1253の範囲、設定値3では1238~1272の範囲、設定値4では1238~1292の範囲、設定値5では1238~1317の範囲、設定
値6では1238~1346の範囲にそれぞれ設定されている。このように、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルでは、0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、設定値が1の場合は共通数値範囲(1020~1237)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1238を基準として増加していく。このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち32767~33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が6の場合に注目すると、この場合に当り判定値のうち1020~1346までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1346)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33421の範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
遊技状態が確変状態の場合における第2特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち1020~1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1346までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1347から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1347~1383の範囲、設定値3では1347~1429の範囲、設定値4では1347~1487の範囲、設定値5では1347~1556の範囲、設定値6では1347~1674の範囲にそれぞれ設定されている。このように、遊技状態が確変状態である場合における第2図用表示結果判定テーブルでは、0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、設定値が1の場合は共通数値範囲(1020~1346)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1347を基準として増加していく。このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
遊技状態が確変状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルと同じく、当り判定値のうち32767~33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が6の場合に注目すると、この場合に当り判定値のうち1020~1674までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1674)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33421の範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
各表示結果判定テーブルにおいて、遊技状態及び設定値にかかわらず、当り判定値の1020を基準として共通数値範囲または共通数値範囲と非共通数値範囲とからなる連続した1の数値範囲内に含まれる判定値を大当り判定値の数値範囲とするとともに、遊技状態及び設定値にかかわらず、当り判定値の32767を基準として連続した1の数値範囲(共通数値範囲)内に含まれる判定値を小当り判定値の数値範囲として、可変表示結果を判定するようになっている。
各表示結果判定テーブルにおいては、変動特図が同一である場合は、遊技状態にかかわらず小当り判定値の数値範囲は同一(小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が同一)である。また、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が異なる(第1特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は328個であるのに対して、第2特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は655個と約2倍である)一方で、小当り判定値の数値範囲自体は、32767を基準値(小当り基準値)として設定されている。
各遊技状態においては、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1の場合が特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が最も低く、設定値の値が大きくなるほど特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように判定値が割り当てられている(大当り確率:設定値6>設定値5>設定値4>設定値3>設定値2>設定値1)。CPU103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、乱数値MR1の値が大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA~大当りC)とすることを決定する。また、乱数値MR1が小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。こうして、設定値に応じた確率で大当り及び小当りの当選を決定する。図8-5に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
パチンコ遊技機1に設定可能な設定値として1~6の計6個の設定値を設けている形態に限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値が大きいほど遊技者にとって有利となる(大当り確率が高まることや、特定の大当り種別が決定されやすくなること等)形態に限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて大当り確率が変化する一方で、遊技性自体は変化しない形態に限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(所謂確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が該所定スイッチを通過する割合が異なる遊技性(所謂V確変タイプ)とし、パチンコ
遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320且つ小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(所謂1種2種混合タイプ)としてもよい。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1~3のいずれかである場合は遊技性が同一であるが、これら設定値が1~3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4~6のいずれかである場合)を設けてもよい。設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、設定値が1~3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを演出用スイッチ(遊技球が所定領域を通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が4~6の場合は、所定スイッチを遊技用スイッチ(遊技球が所定スイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
〔設定示唆演出について〕
次に、現在設定されている設定値がいずれの値であるのかを示唆する設定示唆演出について説明する。例えば、設定示唆演出は、上述したタイマ画像を用いて実行される。具体的には、タイマ画像としてのタイマの数値およびタイマ画像の枠が表示されるときの色の変化により設定示唆演出が行われる。タイマ画像の色は、設定示唆が実行されない通常のタイマ画像としては、白色で表示される。なお、タイマ画像の色は、タイマの数値やタイマの枠ではなく、タイマの背景色が変化するものであってもよい。また、色で設定を示唆するのではなく、キャラクタ画像を付与することや、タイマ画像の背景色を変化させることにより設定示唆を実行するようにしてもよい。図8-6は、設定示唆演出実行決定テーブルおよび設定示唆演出決定テーブルを示す説明図である。これらのテーブルを用いて設定示唆演出の実行の有無と、実行されるとき設定示唆演出の態様が決定される。
演出制御用CPU120は、タイマ演出が実行される場合に、設定示唆演出の実行の有無を決定することができる。設定示唆演出の実行の有無は、図8-6(A)の設定示唆演出実行決定テーブルを用いて決定される。図8-6(A)に示すように、設定示唆演出の実行の有無が、設定示唆演出の実行有り10%、設定示唆演出の実行無し90%の割合で決定される。なお、タイマ演出が実行される場合に必ず設定示唆演出が実行されるようにしてもよい。また、設定示唆演出は、大当り時とはずれ時とで実行割合が異なるようにしてもよい。
設定示唆演出を実行することが決定された場合には、図8-6(B)の設定示唆演出決定テーブルを用いて設定示唆演出の演出内容が決定される。図8-6(B)に示すように、各タイマの色のうち、青色タイマは現在の設定値が1,3,5のような奇数設定であることを示唆する奇数設定示唆のタイマである。黄色タイマは現在の設定値が2,4,6のような偶数設定であることを示唆する偶数設定示唆のタイマである。赤色タイマは現在の設定値が2以上であること(設定値が1でないこと)を示す設定2以上示唆のタイマである。金色タイマは現在の設定値が最高設定値の6であることを示す最高設定確定示唆のタイマである。
設定1の場合には、奇数設定示唆(青色タイマ)に95%の割合で決定され、偶数設定示唆(黄色タイマ)に5%の割合で決定され、その他の設定示唆に決定されることはない。設定2の場合には、奇数設定示唆(青色タイマ)に5%の割合で決定され、偶数設定示唆(黄色タイマ)に85%の割合で決定され、設定2以上示唆(赤色タイマ)に10%の割合で決定され、最高設定確定示唆(金色タイマ)に決定されることはない。設定3の場合には、奇数設定示唆(青色タイマ)に85%の割合で決定され、偶数設定示唆(黄色タイマ)に5%の割合で決定され、設定2以上示唆(赤色タイマ)に10%の割合で決定さ
れ、最高設定確定示唆(金色タイマ)に決定されることはない。
設定4の場合には、奇数設定示唆(青色タイマ)に5%の割合で決定され、偶数設定示唆(黄色タイマ)に75%の割合で決定され、設定2以上示唆(赤色タイマ)に20%の割合で決定され、最高設定確定示唆(金色タイマ)に決定されることはない。設定5の場合には、奇数設定示唆(青色タイマ)に75%の割合で決定され、偶数設定示唆(黄色タイマ)に5%の割合で決定され、設定2以上示唆(赤色タイマ)に20%の割合で決定され、最高設定確定示唆(金色タイマ)に決定されることはない。設定6の場合には、奇数設定示唆(青色タイマ)に5%の割合で決定され、偶数設定示唆(黄色タイマ)に70%の割合で決定され、設定2以上示唆(赤色タイマ)に22%の割合で決定され、最高設定確定示唆(金色タイマ)に3%の割合で決定される。
このように、タイマ画像の色を設定値に対応する色に変更する設定示唆演出が実行される。しかしながら、タイマ値が0秒となったときの特定演出において設定示唆演出が実行されることはない。つまり、タイマ画像の表示色により設定示唆演出を実行可能であるが、タイマが0秒となったときの演出として設定示唆演出を実行しないようになっている。特定演出では、大当り遊技状態に制御されることを示唆する予告が実行される。よって、このような予告演出の1つとして設定示唆演出が実行されてしまうと遊技者に演出を混乱させてしまうことも考えられる。タイマ値が0秒になったときの演出として設定示唆演出を実行しないようにすることにより、遊技者に設定示唆演出を認識しやすくすることができるため、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
次に、タイマ演出を設定するためのタイマ演出設定処理について説明する。図8-7は、タイマ演出設定処理を示すフローチャートである。タイマ演出設定処理は、可変表示開始設定処理(図7のS171)において実行される処理に含まれる。演出制御用CPU120は、まず、今回実行される可変表示の変動パターンがタイマ演出が実行可能なスーパーリーチ(SPリーチ)であるか否かを判定する(020FS001)。SPリーチであるか否かは、メイン側からサブ側に送られてくる変動パターン指定コマンドの値から判定すればよい。なお、SPリーチの変動パターン全てにおいてタイマ演出を実行するのではなく、一部のSPリーチの変動パターンでのみタイマ演出を実行するようにしてもよい。
演出制御用CPU120は、タイマ演出が可能なSPリーチでないと判定した場合(020FS001;N)は、処理を終了する。演出制御用CPU120は、タイマ演出が可能なSPリーチであると判定した場合(020FS001;Y)には、可変表示の表示結果に応じて、図8-3(A)または図8-3(B)のタイマ演出実行決定テーブルにより、タイマ演出の実行有無を決定する(020FS002)。次いで、演出制御用CPU120は、タイマ演出を実行するか否かを判定する(020FS003)。なお、可変表示の表示結果は、メイン側からサブ側に送られてくる表示結果指定コマンドの値から判定すればよい。
演出制御用CPU120は、タイマ演出を実行しないと判定した場合(020FS003;N)には、処理を終了する。演出制御用CPU120は、タイマ演出を実行すると判定した場合(020FS003;N)には、可変表示の表示結果に応じて、図8-3(C)または図8-3(D)のタイマ期間決定テーブルにより、タイマ演出の期間を決定する(020FS004)。次いで、演出制御用CPU120は、タイマ演出の期間が120秒であるか否かを判定する(020FS005)。
演出制御用CPU120は、タイマ演出の期間が120秒であると判定した場合(020FS005;Y)には、可変表示の表示結果に応じて、図8-4(A)または図8-4(B)のタイマパターン決定テーブルにより、タイマパターン(タイマ演出の内容)を決
定する(020FS006)。次いで、020FS010の処理へ移行する。演出制御用CPU120は、020FS005において、タイマ演出の期間が120秒でないと判定した場合(020FS005;N)には、タイマ演出の期間が90秒であるか否かを判定する(020FS007)。
演出制御用CPU120は、タイマ演出の期間が90秒であると判定した場合(020FS007;Y)には、可変表示の表示結果に応じて、図8-4(C)または図8-4(D)のタイマパターン決定テーブルにより、タイマパターン(タイマ演出の内容)を決定する(020FS008)。次いで、020FS010の処理へ移行する。演出制御用CPU120は、020FS007において、タイマ演出の期間が90秒でないと判定した場合(020FS007;N)には、タイマ演出の期間が60秒であるか30秒であるかに応じたタイマ演出の内容に決定する(020FS009)。次いで、020FS010の処理へ移行する。
演出制御用CPU120は、020FS010において、図8-6(A)の設定示唆演出実行決定テーブルにより、設定示唆演出の実行有無を決定する。次いで、演出制御用CPU120は、設定示唆演出を実行するか否かを判定する(020FS011)。演出制御用CPU120は、設定示唆演出を実行しないと判定した場合(020FS011;N)には、020FS013の処理へ移行する。演出制御用CPU120は、020FS011において、設定示唆演出を実行すると判定した場合(020FS011:Y)には、図8-6(B)に示す設定示唆演出決定テーブルにより、設定値に応じた設定示唆演出を決定する(020FS012)。次いで、演出制御用CPU120は、決定された演出内容を実行するように設定し(020FS013)、処理を終了する。
〔変形例のタイマパターンついて〕
次に、タイマ演出において実行されるタイマパターンの変形例について説明する。図8-8は、変形例のタイマ演出のパターンを示すタイミングチャートである。図8-8には、変形例のタイマパターンとして、タイマパターンR~Zが示されている。いずれのパターンもタイマ値の動作状態が最終的な減算状態となってからタイマ値が0秒となるまでの期間は、同じものである。ここでは、タイマパターンR,Sと、タイマパターンT~Wと、タイマパターンX~Zとの3つの分類に分けて説明する。
タイマパターンRとタイマパターンSとを比較すると、タイマ値が減算状態である期間は同じである。しかし、減算状態前の期間において、加算状態と停止状態との期間の長さが異なっている。タイマパターンRの方がタイマパターンSPよりも加算状態の期間の長さも停止状態の期間の長さも長くなっている。そして、大当り遊技状態に制御される割合がタイマパターンRとタイマパターンSとで異なっている。例えば、タイマパターンR>タイマパターンSと関係となるように大当り遊技状態に制御される期待度が異なる。このように、タイマパターンRとタイマパターンSとを比較すると、減算状態の期間の長さが同じであっても、加算状態の期間の長さと停止状態の期間の長さとの組合せに応じて大当り遊技状態に制御される期待度が異なっている。このようにすれば、タイマ画像の動作態様に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
なお、加算状態および停止状態の期間の長さが短いタイマパターンSの方がこれらの期間が長いタイマパターンRよりも大当り遊技状態に制御される期待度が高いようにしてもよい。また、加算状態、停止状態のいずれかの期間の長さが異なることにより、大当り遊技状態に制御される期待度が異なるようにしてもよい。
次に、タイマパターンT~Wについて説明する。これらのタイマパターンは、タイマ演出の実行期間が同じである。タイマパターンTは、加算状態、停止状態、減算状態の順に
タイマ値の動作状態が変化していくパターンである。タイマパターンUは、加算状態、停止状態、加算状態、停止状態、減算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化していくパターンである。タイマパターンVは、加算状態、停止状態、減算状態、停止状態、加算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化していくパターンである。タイマパターンWは、加算状態、減算状態、加算状態、減算状態、加算状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化していくパターンである。
タイマパターンUやタイマパターンVは、最終の減算状態が開始されるまでの期間において、停止状態が3回実行されるパターンである。例えば、最終の減算状態が開始されるまでの停止状態の回数により大当り遊技状態に制御される期待度が異なるようにしてもよい。具体的には、全体のタイマ演出の実行時間が同じであってもタイマ値が停止状態となる回数が1回のタイマパターンTよりも停止状態が3回設けられているタイマパターンUやタイマパターンVの方が、大当り遊技状態に制御される期待度が高い。
また、最終の減算状態が開始されるまでの停止状態の回数が同じであっても、加算状態、停止状態、加算状態、停止状態、減算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化していくタイマパターンUの方が、加算状態、停止状態、減算状態、停止状態、加算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化していくタイマパターンVよりも大当り遊技状態に制御される期待度が高い。このように、停止状態の回数が同じであってもタイマ値の動作状態の組合せにより大当り遊技状態に制御される期待度が異なるため、タイマ画像の動作態様に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
また、タイマパターンWのように、加算状態と減算状態との間に停止状態が設けられていないパターンがあってもよい。このようなタイマパターンの場合には、加算状態としてタイマ値がカウントアップする演出が終了したときにタイマ値がカウントダウンする演出が開始されることになる。しかし、カウントアップからカウントダウンの間に一瞬タイマ値が停止される状態を設けてもよい。また、停止状態がないタイマパターンWは、停止状態が設けられているタイマパターンT~Vよりも大当り遊技状態に制御される期待度が高いようにしてもよい。また、逆に、停止状態が設けられているタイマパターンT~Vの方が、停止状態がないタイマパターンWよりも大当り遊技状態に制御される期待度が高いようにしてもよい。
次に、タイマパターンX~Zについて説明する。これらのタイマパターンは、タイマ演出の実行期間が同じである。タイマパターンXは、加算状態、停止状態、減算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化していくパターンである。タイマパターンYは、減算状態、停止状態、減算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化していくパターンである。タイマパターンZは、加算状態、停止状態、加算状態、停止状態、減算状態の順にタイマ値の動作状態が変化していくパターンである。
タイマパターンX~Zの違いは、1回目の停止状態の前後の動作状態の違いである。タイマパターンXは、1回目の停止状態の前後の動作状態が、加算状態と減算状態との組合せからなるパターンである。タイマパターンYは、1回目の停止状態の前後の動作状態が、減算状態と減算状態との組合せからなるパターンである。タイマパターンZは、1回目の停止状態の前後の動作状態が加算状態と加算状態との組合せからなるパターンである。このような、停止状態の前後の動作状態の組合せにより大当り遊技状態に制御される期待度が異なるようにしてもよい。例えば、停止状態の前後の組合せにより、タイマパターンX<タイマパターンY<タイマパターンZの順に大当り遊技状態に制御される期待度が高くなっている。このようにすれば、停止状態の前後の動作状態に注目させることができるため、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
なお、図8-2や図8-8に示すパターン以外にも動作状態の組合せがあるようにしてもよい。また、動作状態に応じた大当り遊技状態に制御される期待度は、これら複数種類のパターンにおいて、どのような動作状態の組合せとなるかにより異なるようにすればよい。例えば、タイマ演出全体の実行期間が短い場合であっても動作状態の組合せによりタイマ演出の実行期間が長い場合よりも大当り期待度が高いようにしてもよい。また、加算状態、停止状態、減算状態のうちいずれかの状態の回数が多いことや少ないこと、実行期間が長いことや短いことにより大当り期待度が異なるようにしてもよい。
〔特徴部020F~021Fにより得られる主な構成や効果〕
[1] 図8-2に示したタイマパターンにおいて、大当り時には、はずれ時よりも長い秒数のタイマパターンに決定されやすくなっている。また、同じ秒数のタイマパターンにおいては、加算状態と停止状態と減算状態との期間の長さの組合せに応じて大当り遊技状態に制御される期待度が異なる。例えば、120秒タイマパターンにおいては、120秒タイマパターンC<120秒タイマパターンB<120秒タイマパターンAの順に大当り期待度が高い。また、90秒タイマパターンにおいては、90秒タイマパターンF<90秒タイマパターンE<90秒タイマパターンFの順に大当り期待度が高い。このようにすれば、タイマ画像の動作態様に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
[2] 図8-2に示すように、120秒タイマパターンAと、120秒タイマパターンCとを比較すると、減算状態の期間の長さが同じであっても、加算状態の期間の長さと停止状態の期間の長さとの組合せに応じて大当り遊技状態に制御される期待度が異なる。また、図8-8に示すように、タイマパターンRとタイマパターンSとを比較すると、減算状態の期間の長さが同じであっても、加算状態の期間の長さと停止状態の期間の長さとの組合せに応じて大当り遊技状態に制御される期待度が異なる。このようにすれば、タイマ画像の動作態様に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
[3] 図8-2に示すように、90秒タイマパターンFは、減算状態の前に加算状態を含まないパターンである。また、90秒タイマパターンEは、減算状態の前に加算状態を含むパターンである。そして、図8-4に示すように、90秒タイマパターンEの方が90秒タイマパターンFよりも大当り遊技状態に制御される期待度が高い。このようにすれば、タイマ画像の動作態様に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
[4] 図8-4に示すように、加算状態と、停止状態、減算状態とをいずれの順序で表示するかに応じて、大当り遊技状態に制御される期待度が異なる。このようにすれば、タイマ画像の動作態様に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
[5] 図8-4(A),(B)に示すように、タイマパターンの種類により、停止状態の前後の動作状態が異なり、それにより大当り期待度が異なっている。このようにすれば、停止状態の前後の動作状態に着目させることができ、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
[6] 図8-6に示すように、タイマ画像の色を設定値に対応する色に変更する設定示唆演出が実行される。しかしながら、タイマ値が0秒となったときの特定演出において設定示唆演出が実行されることはない。つまり、タイマ画像の表示色により設定示唆演出を実行可能であるが、タイマが0秒となったときの演出として設定示唆演出を実行しない
ようになっている。特定演出では、大当り遊技状態に制御されることを示唆する予告が実行される。よって、このような予告演出の1つとして設定示唆演出が実行されてしまうと遊技者に演出を混乱させてしまうことも考えられる。タイマ値が0秒になったときの演出として設定示唆演出を実行しないようにすることにより、遊技者に設定示唆演出を認識しやすくすることができるため、タイマ画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
〔特徴部020F~021Fのその他の変形例〕
[1] 前述した実施の形態において、大当り遊技状態に制御される期待度に応じてタイマの色が異なるようにしてもよい。そして、タイマ画像の動作態様が切り替わるときにタイマの色を切り替えるようにしてもよい。このようにすれば、タイマ画像の動作態様が切り替わるときに意外性を持たせることができ、所定表示を用いた演出の興趣を向上させることができる。
[2] 前述した実施の形態において、図8-6に示すように、設定示唆演出としてタイマ画像の色が異なる場合について説明した。このタイマ画像の色の変化タイミングは、タイマ画像の表示開始時から変化しているものであった。しかし、タイマ画像の色は、停止状態を契機として変化するものであってもよい。また、停止状態中のみ色が変化するようなものでもよい。このようにすれば、タイマ値の動作状態が停止状態となっているときに注目を集めることができる。なお、停止状態以外の状態においてタイマ画像の色が変更されるようにしてもよい。また、各動作状態の開始時にすぐに色が変化するのではなく、時間の経過とともに徐々に色が変化するようにしてもよい。
[3] 前述した実施の形態において、タイマ画像の色の変化を示唆する示唆演出を実行してもよい。具体的には、キャラクタが登場してタイマに作用する演出(例えば、タイマ画像をたたく演出等)を実行することによって、タイマ画像の色が変化するようにしてもよい。このような場合に、示唆演出が成功するパターンと失敗するパターンとを設けてもよい。また、キャラクタの違いによりタイマ画像の色が変化する成功パターンの割合が異なるようにしてもよい。また、このような示唆演出は、タイマ画像の動作状態が停止状態であるときに実行されるようにしてもよい。また、その他の動作状態において示唆演出が実行されるようにしてもよい。
[4] 前述した実施の形態において、タイマ画像の動作態様が変化するときに、タイマ画像に作用することによりタイマ値の状態が変化するようにしてもよい。具体的には、加算状態においてキャラクタがタイマ画像に作用する演出(例えば、タイマ値を引き上げる演出)により、タイマ値が加算されるようにしてもよい。同様に、停止状態や減算状態においてもタイマ画像に作用する演出により、タイマ値が停止したり減算したりするようにしてもよい。
[5] 前述した実施の形態において、タイマ画像の色で設定示唆演出を実行するのではなく、タイマ画像の周囲にキャラクタ画像を付加することにより、そのキャラクタの違いで設定示唆演出を実行するようにしてもよい。このような場合には、所定の割合でキャラクタが表示されるようにしてもよい。また、キャラクタはタイマ画像の演出とともにいつも表示されるが、設定示唆演出の実行に当選した場合に通常とは異なるキャラクタが表示されるようにしてもよい。キャラクタによる設定示唆演出が実行されることにより、画面上で実行されるその他の予告を邪魔することなしに設定を示唆できるとともに、タイマ演出が実行される長い期間に亘って設定を示唆することができ、設定示唆を遊技者に認識しやすくすることができる。
[6] 前述した実施の形態において、タイマ演出の実行期間の長さにより、設定示唆
演出の実行割合が異なるようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態に制御される期待度が高いタイマ演出の実行期間が長いパターンのときには、実行期間が短いパターンより設定示唆演出の実行割合が高くなるようにしてもよい。また、逆にタイマ演出の実行期間が短いパターンのときの方が、実行期間が長いパターンよりも設定示唆演出の実行割合が高くなるようにしてもよい。
[7] 前述した実施の形態において、図8-8に示すように、最終の減算状態が開始されるまでに複数回の停止状態が設けられているパターンがあった。このような複数回の停止状態が設けられているパターンにおいては、停止状態となることを分岐のポイントとしていずれの動作状態となるようにしてもよい。
[8] 前述した実施の形態において、加算状態、停止状態、減算状態が複数存在するタイマパターンの場合に、動作状態の合計時間に大当り遊技状態に制御される期待度が異なるようにしてもよい。例えば、加算状態の合計期間が最も長いパターンがその他のパターンにより大当り期待度が高いようにしてもよい。
[9] 前述した実施の形態において、タイマ画像の動作態様が遊技者の動作を伴い変化するようにしてもよい。例えば、遊技者が操作手段としてのプッシュボタン31Bを連打することによりタイマ値が加算されていく演出が実行されるようにしてもよい。このような場合、遊技者が動作しない場合には加算された合計値のみが操作の有効期間後に表示されるようにしてもよい。
[10] 遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示したが、前述した実施形態はこれに限定されるものではなく、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロットマシンに適用してもよい。例えば、このようなスロットマシンに適用する場合には、遊技者にとって有利なボーナス、AT(遊技者にストップボタン操作の操作手順を報知する状態)、CZ(報知状態であるATへの制御に関する有利度が高い状態)、ART(AT+リプレイ確率が高いRTである状態)等へ移行していること、あるいは移行することを示唆する特定演出により予告する前の演出として前述のタイマ演出が実行されるようにしてもよい。
(特徴部154F~156Fに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部154F~156Fについて説明する。特徴部154F~156Fについては、次のように大当りの当選確率のような遊技者にとって有利度の異なる複数の設定値のうちのいずれかの設定値へ設定可能なパチンコ遊技機を対象とした技術を説明する。
特徴部154Fについては、大当り遊技状態に制御されるか否かを示唆する演出としてバトル演出が実行される。バトル演出は、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで大当りとなり、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北することではずれとなる。このようなバトル演出の実行前には、リーチ状態においてバトル演出に発展するか否かを示唆する(煽る)演出として、発展演出が実行される。また、画像表示装置5の画面上には、遊技者が打ち出したアウト球の数が合計アウト数表示として表示される。合計アウト数表示は、所定期間中に検出されたアウト数が加算される変化演出により更新されることがある。特徴部154Fにおいては、合計アウト数表示の表示態様を変化させる演出を行うタイミングに特徴がある。
特徴部155Fについては、合計アウト数が特定態様としての350以上となった場合
に、設定示唆演出が実行される。設定示唆演出とは、現在設定されている設定値を示唆する演出である。具体的に設定示唆演出では、合計アウト数が350以上となった場合に箱が開き、その中から現在の設定値を示唆する表示が出てくる演出が実行される。特徴部155Fにおいては、合計アウト数表示の表示態様を変化させる演出を行うタイミングと、その変化させる演出を契機に実行される設定示唆演出の実行タイミングとに特徴がある。
特徴部156Fについては、大当り遊技状態に制御される場合に、バトル演出を実行した後、一旦大当り遊技状態に制御されないことを示唆した後に、大当り遊技状態に制御されることを報知する復活演出が実行される。特徴部156Fについては、復活演出が実行される際に、合計アウト数表示の表示態様を変化させる演出を行うタイミングに特徴がある。
特徴部154F~156Fについて実行されるアウト球の検出を用いた各種演出について以下に詳細に説明する。図9-1は、各種演出パターンを示すタイミングチャートである。図9-1(A)は、通常パターンを示すタイミングチャートである。可変表示が開始されると、3つの飾り図柄が変動を開始する。図柄は1つずつ仮停止し、3つ目の図柄が仮停止した後に全ての図柄が完全に停止する図柄確定停止がされる。合計アウト数表示の表示態様を変化させる変化演出は、3つ目の図柄が仮停止された後、図柄確定停止の間に実行される。また、変化演出により合計アウト数が350以上となった場合には、変化演出の実行後、図柄確定停止前に設定示唆演出が実行される。
図9-1(B)は、発展演出成功パターンを示すタイミングチャートである。可変表示が開始されると、3つの飾り図柄が変動を開始する。その後、2つの図柄が同じ図柄で仮停止するリーチ状態となる。そして、リーチ状態からバトル演出が実行されるか否かを示唆する発展演出が実行される。発展演出では、バトル演出に発展することを示唆するSP図柄を停止するか否かを煽る演出が実行される。リーチ状態となっているときにSP図柄が残りの領域に仮停止されることにより、バトル演出へと発展する。その後は、バトル演出が実行され、最終的にバトル勝利、バトル敗北のいずれの結果であったとしても、3つの飾り図柄が仮停止した後に変化演出が実行される。そして、変化演出の実行後に合計アウト数が350以上となった場合には、設定示唆演出が実行され、図柄が確定停止する。
図9-1(C)は、発展演出失敗パターンを示すタイミングチャートである。発展演出が実行されるまでは、図9-1(B)で示した発展演出成功パターンと同じである。発展演出失敗パターンでは、リーチ状態となった後にSP図柄が仮停止されるときにSP図柄に失敗を示すバツが表示される。その後、通常パターンのように変化演出が実行されずに図柄が確定停止する。そして、次の可変表示が開始されてすぐに変化演出が実行される。そして、変化演出の実行後に合計アウト数が350以上となった場合には、設定示唆演出が実行され、その後図柄が確定停止する。
図9-1(D)は、発展演出失敗+次回大当りパターンを示すタイミングチャートである。発展演出が実行されるまでは、図9-1(B),(C)と同じである。図9-1(C)の発展演出失敗では、リーチ状態となった後にSP図柄が仮停止されるときにSP図柄に失敗を示すバツが表示され、その後変化演出が実行されることが無かった。しかし、図9-1(D)に示す発展演出失敗+次回大当りパターンでは、リーチ状態となった後にSP図柄が仮停止されるときにSP図柄に失敗を示すバツが表示された後すぐに変化演出が実行される。そして、変化演出の実行後に合計アウト数が350以上となった場合には、設定示唆演出が実行され、その後図柄が確定停止する。また、次の可変表示は、大当りの可変表示が実行され、このときは図柄確定停止付近で変化演出が実行される。
図9-1(E)は、発展演出失敗+次回大当りパターンを示すタイミングチャートであ
る。発展演出が実行されるまでは、図9-1(B),(C),(D)と同じである。発展演出が実行された後、図9-1(B)と同じように、SP図柄が仮停止しバトル演出へと発展する。その後、バトル演出で敗北し、はずれの図柄で飾り図柄が仮停止するように見せかける演出が実行される。図柄仮停止見せかけの演出の後は、変化演出が実行された後に復活演出が実行される。復活演出により味方キャラクタが復活し、敵キャラクタを倒す演出が実行される。そして、図柄仮停止見せかけの後の変化演出により合計アウト数が350以上となっていた場合には、大当りの図柄が確定停止される前に設定示唆演出が実行される。なお、変化演出は、図柄仮停止見せかけの後に実行されるとともに、設定示唆演出の実行前に実行されるようにしてもよい。具体的には、図柄仮停止見せかけの後に演出の途中まで実行され、残りの演出が設定示唆演出の実行前に実行されるようにすればよい。
図9-2は、演出例を示す表示画面図である。図9-2(A)~(D)は、通常パターンのアウト球の検出を用いた各種演出を示す画像表示装置5の表示画面図である。図9-2(A)に示す変動開始時には、画面の中央領域において3つの飾り図柄が変動を開始する。画面の左下の領域には、現在の可変表示に対応した表示としてのアクティブ表示が台座の上に表示され、その右側の領域に2つの未だ実行されていない可変表示に対応した保留表示が表示される。また、画面右下の領域には、遊技領域に到達した遊技球の数を検出可能なアウト球センサが計数したアウト球の合計数が合計アウト数表示154F001として表示される。
合計アウト数表示154F001は、分母に350と表示され、分子には現在のアウト球数の合計数が表示されている。現在のアウト球の合計数は340であるため、その数値が表示される。また、合計アウト数表示154F001の左側には、箱画像154F002が表示される。箱画像154F002は、アウト球の合計数が分母の350以上となる所定条件の成立で開放され、中から設定示唆に関する画像が表示されることがある。なお、アウト球センサは、打ち込まれた遊技球が最終的に排出される位置に設けられている。
図9-2(B)に示す変化演出実行時には、3つの飾り図柄が画面中央で仮停止されているときに、図柄の仮停止中に合計アウト数表示154F001の上方にアウト画像154F003が表示される。アウト画像154Fは、前回の可変表示開始から今回の可変表示開始までのアウト球の合計数を示す表示である。変化演出では、合計アウト数表示154F001にアウト画像154F003が作用する(当接する)ことで、分子の数値がアウト球数分増加する演出が実行される。
次いで、図9-2(C)に示す設定示唆演出実行時には、3つの飾り図柄が画面中央で仮停止されているときに、図柄の仮停止中に箱画像154F002の中から「梅」の文字で表示される設定示唆画像154F004が表示される。「梅」の文字は、現在の設定値が奇数(設定1,3,5)であるときに高い割合で表示される表示であるため、奇数設定示唆として機能する。また、合計アウト数表示154F001は、変化演出により分子が340から353に更新されている。このように、設定示唆演出として設定示唆画像154F004が表示されるのは、分母である350の数値をアウト球の合計数を超えたときである。
次いで、図9-2(D)に示す、次の可変表示時には、画面の中央領域において3つの飾り図柄が変動を開始する。また、画面右下の領域に表示されている合計アウト数表示154F001の表示態様が更新されて、分子が3の数値として表示される。このように、合計アウト数表示154F001は、分母の350に到達すると一旦リセットされて、350を超える分のみが分子に表示される。
別パターンの演出例について説明する。図9-3は、演出例を示す表示画面図である。図9-3(A)に示す変動開始時の表示は、図9-2の変動開始時と同様である。このような状態から、図9-3(B)に示す発展演出実行時には、「5」図柄でリーチ状態となっている場合に残りの中領域に「SP」の文字から成る発展図柄154F005が画面の上方から下方へゆっくり流れて来る発展演出が実行される。発展演出には、発展図柄154F005が中領域に止まり、バトル演出であるSPリーチに発展する発展演出成功パターンと、発展図柄154F005が中領域に止まりバツの表示がされ、バトル演出であるSPリーチに発展しない発展演出失敗パターンとが含まれる。
図9-3(C)~(E)は、発展演出成功パターンの演出の流れを示している。図9-3(C)に示すように、発展図柄154F005が中領域に仮停止した状態から、図9-3(D)に示すバトル演出が実行される。バトル演出では、敵キャラクタと味方キャラクタとが戦うバトル演出が実行される。その後、バトルの結果として味方キャラクタが勝利する演出が実行された後、大当り図柄である「555」の組合せが画面の中央に表示される。図柄が仮停止しているタイミングで変化演出が実行された後に、図9-3(E)に示すような、箱画像154F002の中から設定示唆画像154F004が表示される設定示唆演出が実行される。
また、図9-3(F)~(H)は、発展演出失敗パターンの演出の流れを示している。図9-3(F)に示すように、発展図柄154F005が中領域に仮停止した状態から、図9-3(G)に示すように、発展図柄154F005にバツが表示されSPリーチであるバトル演出へ発展しないことが示される。そして、発展演出失敗パターンでは、発展図柄154F005にバツが表示され図柄が仮停止しているタイミングでは、変化演出および設定示唆演出が実行されない。そして、次の可変表示の開始時に変化演出が実行され、その後、図9-3(H)に示すような箱画像154F002の中から設定示唆画像154F004が表示される設定示唆演出が実行される。
また、図9-3(I)~(K)は、保留内に大当りパターンがある場合の演出の流れを示している。保留内に大当りがあるとは、今回実行されている次の可変表示の保留情報に大当り遊技状態に制御される保留情報が記憶されていることである。図9-3(I)に示すように、発展図柄154F005が中領域に仮停止した状態から、図9-3(J)に示すように、発展図柄154F005にバツが表示されSPリーチであるバトル演出へ発展しないことが示される。保留内に大当りがあるパターンでは、図9-3(G)で示した場合と異なり、合計アウト数表示154F001にアウト画像154F003が作用する変化演出が実行される。この変化演出により、図9-3(K)に示すような箱画像154F002の中から設定示唆画像154F004が表示される設定示唆演出が実行される。
別パターンの演出例について説明する。図9-4は、演出例を示す表示画面図である。図9-4(A)は、発展演出に成功しバトル演出が実行されているときの様子を示す図である。図9-4(A)に示すように、味方キャラクタと敵キャラとが戦うバトル演出が開始された後、図9-4(B)に示すように、バトルに敗北したときには、味方キャラクタが敵キャラクタに倒される演出が実行される。その後、最終的にはずれ表示結果となる場合は、図9-4(C)~(D)のような演出の流れとなる。また、最終的に大当り表示結果となる場合は、図9-4(E)~(H)のような演出の流れとなる。
図9-4(C)に示すように、最終的にはずれ表示結果となる場合は、はずれ図柄の組合せで飾り図柄が仮停止しているときに、合計アウト数表示154F001にアウト画像154F003が作用する変化演出が実行される。その後、図9-4(D)に示すように、合計アウト数表示154F001が350を超えるているため、箱画像154F002の中から設定示唆画像154F004が表示される設定示唆演出が実行される。
図9-4(E)に示すように、最終的に大当り表示結果となる場合は、はずれ図柄の組合せで飾り図柄が一旦仮停止しているときに、合計アウト数表示154F001にアウト画像154F003が作用する変化演出が実行される。その後、図9-4(F)に示すように、画面中央に「復活」の文字とエフェクト画像とが表示される復活演出が実行される。次いで、図9-4(G)に示すように、復活演出として味方キャラクタが立ち上がり敵キャラクタを攻撃する演出が実行される。その後、味方キャラクタが勝利することにより、図9-4(H)に示すように、大当り表示結果組合せが仮停止する。そして、合計アウト数表示154F001が350を超えるているため、箱画像154F002の中から設定示唆画像154F004が表示される設定示唆演出が実行される。
次に、設定示唆演出が実行されるときに箱画像154F002の中から出てくる設定示唆画像154F004の表示態様を決定するためのテーブルについて説明する。図9-5は、設定示唆演出決定テーブルを示す説明図である。設定示唆演出決定テーブルは、ROM121に記憶されている。
図9-5の設定示唆演出決定テーブルに示すように、設定値1~6に対して決定される演出内容の割合が異なるように設定されている。設定値1の場合には、演出内容として、設定示唆演出として「?」を表示することが70%の割合で決定され、設定示唆演出として「梅」を表示することが25%の割合で決定され、設定示唆演出として「竹」を表示することが5%の割合で決定され、設定示唆演出として「松」を表示することが0%の割合で決定される。ここで、「?」の表示は全ての設定値において高い割合で均一に表示される設置値の示唆をしない表示である。また、「梅」の表示は奇数設定を示唆し、「竹」の表示は偶数設定を示唆し、「松」の表示は設定2以上が確定することを示唆している。
設定値2の場合には、演出内容として、設定示唆演出として「?」を表示することが70%の割合で決定され、設定示唆演出として「梅」を表示することが5%の割合で決定され、設定示唆演出として「竹」を表示することが20%の割合で決定され、設定示唆演出として「松」を表示することが5%の割合で決定される。設定値3の場合には、演出内容として、設定示唆演出として「?」を表示することが70%の割合で決定され、設定示唆演出として「梅」を表示することが20%の割合で決定され、設定示唆演出として「竹」を表示することが5%の割合で決定され、設定示唆演出として「松」を表示することが5%の割合で決定される。
設定値4の場合には、演出内容として、設定示唆演出として「?」を表示することが70%の割合で決定され、設定示唆演出として「梅」を表示することが5%の割合で決定され、設定示唆演出として「竹」を表示することが15%の割合で決定され、設定示唆演出として「松」を表示することが10%の割合で決定される。設定値5の場合には、演出内容として、設定示唆演出として「?」を表示することが70%の割合で決定され、設定示唆演出として「梅」を表示することが10%の割合で決定され、設定示唆演出として「竹」を表示することが5%の割合で決定され、設定示唆演出として「松」を表示することが15%の割合で決定される。
設定値6の場合には、演出内容として、設定示唆演出として「?」を表示することが70%の割合で決定され、設定示唆演出として「梅」を表示することが5%の割合で決定され、設定示唆演出として「竹」を表示することが10%の割合で決定され、設定示唆演出として「松」を表示することが15%の割合で決定される。このように設定値に応じて設定示唆演出の実行割合が異なるため、実行される設定示唆演出から設定値を推測することができる。例えば、「松」が表示された場合には設定値1が否定されるため、遊技の継続を促す面白みを提供することができる。
また、図9-5の設定示唆演出決定テーブルに示すように、設定値が上がるに連れて「松」の表示される割合が高くなっている。なお、「?」の表示は設定値に応じて異なる割合となるようにしてもよい。また、演出内容として、特定の設定値であることが確定するような表示を設けてもよい。具体的には、虹色の画像が表示された場合には、設定6が確定であるようにしてもよい。また、奇数設定であれば偶数設定を示唆する「竹」が表示されることがなく、偶数設定であれば奇数設定を示唆する「梅」が表示されないようにしてもよい。
なお、演出制御用CPU120は、可変表示開始時に遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力される設定値情報、または、設定変更時に遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力され演出制御用CPU120側で記憶してある設定値情報に基づいて、図9-5のテーブルの設定値のいずれかを選択し、演出内容を決定するようにすればよい。
次に、アウト球数が加算されることによって実行される各種処理について説明する。図9-6は、アウト加算処理を示すフローチャートである。アウト加算処理は、先読予告設定処理(図7のS161)において実行される処理に含まれる。演出制御用CPU120は、まず、アウト検出センサで遊技球が検出されたか否かについて判定する(154FS001)。アウト検出センサでの検出が無ければ(154FS001;N)、処理を終了する。アウト検出センサでの検出があれば(154FS001;Y)、アウト加算カウンタを+1する(154FS002)。アウト加算カウンタは、例えば、RAM122内に記憶され、アウト検出スイッチからの検出信号によるコマンドをサブ側で受信することにより、演出制御用CPU120により1ずつカウントされる。
次いで、演出制御用CPU120は、可変表示開始タイミングであるか否かを判定する(154FS003)。可変表示開始タイミングであるか否かは、例えば、演出プロセスフラグの値を確認すればよい。可変表示開始タイミングでなければ(154FS003;N)、処理を終了する。可変表示開始タイミングであれば(154FS003;Y)、次回フラグがセットされているか否かを判定する(154FS004)。次回フラグは、後述するアウト加算演出処理において設定されるフラグであって、今回の変動ではなく次回の変動でアウト加算演出が実行されることを示すフラグである。
次回フラグがセットされている場合(154FS004;Y)には、処理を終了する。次回フラグがセットされていない場合(154FS004;N)には、154FS005の処理へ移行する。154FS005の処理においては、前回の可変表示開始から今回の可変表示開始までの合計のアウト数を加算する変化演出を実行するように設定する。154FS005の処理により、可変表示から次の可変表示までの期間を区切りとした合計のアウト数による変化演出が実行されることとなる。次いで、変化演出実行フラグをセットする(154FS006)。
次いで、演出制御用CPU120は、変化演出により合計アウト数が350以上となったか否かを判定する(154FS007)。合計アウト数が350以上となっていなければ(154FS007;N)、処理を終了する。合計アウト数が350以上となっていれば(154FS007;Y)、設定示唆演出実行フラグをセットし(154FS008)、処理を終了する。
図9-7は、アウト加算演出処理を示すフローチャートである。アウト加算演出処理は、可変表示開始設定処理(図7のS171)において実行される処理に含まれる。演出制御用CPU120は、まず、次回フラグがセットされいるか否かを判定する(154FS
010)。次回フラグは、後述する154FS016で設定されるフラグであって、今回の可変表示ではなく、次回の可変表示の開始時にアウト加算演出を実行するためにセットされるフラグである。次回フラグがセットされていれば(154FS010;Y)、154FS027の処理へ移行する。
次回フラグがセットされていなければ(154FS010;N)、変化演出実行フラグがセットされているか否かを判定する(154FS011)。変化演出実行フラグは、前述の154FS006においてセットされるフラグであり、変化演出が今回の可変表示で実行されることを示すフラグである。変化演出実行フラグがセットされていなければ(154FS011;N)、処理を終了する。変化演出実行フラグがセットされていれば(154FS011;Y)、発展演出を実行する可変表示か否かを判定する(154FS012)。発展演出を実行する可変表示か否かは、変動パターンコマンド等により判定すればよい。
発展演出を実行する可変表示である場合(154FS013;Y)には、バトル演出に発展する可変表示であるか否かを判定する(154FS013)。発展演出を実行する可変表示でない場合(154FS013;N)には、154FS017の処理へ移行する。バトル演出を実行する可変表示か否かは、変動パターンコマンド等により判定すればよい。バトル演出に発展しない場合(154FS013;N)には、保留記憶バッファに記憶されている情報を確認し、次回の保留記憶が大当りか否かを判定する(154FS015)。次回の保留記憶が大当りの場合(154FS014;Y)には、154FS017の処理へ移行する。
次回の保留記憶が大当りでない場合(154FS014;N)には、図柄仮停止時に変化演出を実行せずに次回可変表示時に変化演出を実行するように設定する(154FS015)。次いで、次回フラグをセットし(154FS016)、処理を終了する。154FS012~154FS016の処理により、発展演出を実行するが、バトル演出に発展しない発展演出失敗パターンでは、今回の可変表示における変化演出の実行が制限される。
154FS013においてバトル演出に発展する場合(154FS013;Y)には、今回の可変表示が大当りであるか否かを判定する(154FS023)。今回の可変表示が大当りであるか否かは、表示結果を示すコマンド等により判定すればよい。今回の可変表示が大当りでない場合(154FS023;N)には、154FS017の処理へ移行する。今回の可変表示が大当りの場合(154FS023;Y)には、今回の可変表示が復活パターンであるか否かを判定する(154FS024)。今回の可変表示が復活パターンでない場合(154FS024;N)には、154FS017の処理へ移行する。
今回の可変表示が復活パターンである場合(154FS024;Y)には、はずれ図柄で停止するような図柄仮停止見せかけ時に変化演出を実行し、合計アウト数表示を更新するように設定する(154FS025)。次いで、変化演出実行フラグをリセットし(154FS026)、154FS019の処理へ移行する。154FS012~154FS013、154FS023~154FS026の処理により、発展演出を実行しバトル演出へ発展した後、バトル演出で一旦敗北したと見せかけて復活する復活演出が実行されるパターンにおいて図柄仮停止見せかけ時のタイミングで変化演出を実行することができる。
154FS012において発展演出を実行しない場合(154FS012;N)、154FS014において次回の保留記憶が大当りの場合(154FS014;Y)、154FS023において今回の可変表示が大当りでない場合(154FS023;N)、今回
の可変表示が復活パターンでない場合(154FS024;N)には、154FS017において、図柄仮停止時に変化演出を実行し、合計アウト数表示を更新するように設定する。次いで、変化演出実行フラグをリセットし(154FS018)、154FS019の処理へ移行する。
154FS019の処理においては、設定示唆演出実行フラグがセットされているか否かを判定する。設定示唆演出実行フラグは、前述の154FS008において設定されるフラグであって、変化演出により合計アウト数が350以上となったことを条件に設定されるフラグである。設定示唆演出実行フラグがセットされていなければ(154FS019;N)、処理を終了する。設定示唆演出実行フラグがセットされていれば(154FS019;Y)、図9-5で示した設定示唆演出決定テーブルにより設定示唆演出の内容を決定する(154FS020)。次いで、設定示唆演出実行フラグをリセットする(154FS021)。その後、合計アウト数表示をリセットし、変化演出に対応した値に更新し(154FS022)、処理を終了する。
154FS010の処理において、次回フラグがセットされている場合(154FS010;Y)には、可変表示開始時に変化演出を実行し、合計アウト数表示を更新するように設定する(154FS027)。次いで、変化演出実行フラグをリセットし(154FS028)、154FS019の処理へ移行する。
154FS017~154FS022の処理により、図柄仮停止のタイミングで変化演出が実行されることとなる。そして、変化演出が実行されることにより設定示唆演出が続いて実行されることとなる。なお、154FS017026の処理から154FS019の処理へ移行する復活演出パターンの場合には、図柄仮停止見せかけ時に変化演出を実行し、図柄仮停止時に設定示唆演出が実行されることとなる。また、154FS028の処理から154FS019の処理へ移行するパターンの場合には、可変表示開始時のタイミングで変化演出が実行されるとともに、その変化演出の後に設定示唆演出が続けて実行されることとなる。
〔特徴部154F~156Fにより得られる主な構成や効果〕
[1] 設定機能のある遊技機において表示態様を変化させる演出を好適なタイミングで実行することは考慮されていなかった。特徴部154Fでは、大当りに制御されるか否かを示唆するバトル演出が実行可能である。バトル演出の実行前には、バトル演出が実行されるか否かを示唆する発展演出が実行可能である。また、図9-2に示すように、図柄確定停止前に合計アウト数表示154F001の表示態様を変化させる変化演出を実行可能である。また、図9-2(C)に示すように、合計アウト数表示154F001の表示態様が350以上となることによって、設定示唆画像154F004を表示することが可能である。さらに、図9-1(B)に示す発展演出成功パターンと図9-1(C)に示す発展演出失敗パターンとを実行可能である。このような構成を有する特徴部154Fにおいては、図9-1(C)に示す発展演出失敗パターンにおいて、変化演出の実行が制限される。これにより、発展演出を実行した後にバトル演出を実行しない発展演出失敗パターン演出を実行する可変表示においては変化演出の実行が制限されるため、変化演出が実行されてしまうことでバトル演出が実行されないことが事前にバレてしまうことを防ぐことができる。これにより、設定機能のある遊技機において表示態様を変化させる演出を好適なタイミングで実行することが可能となる。
[2] 図9-1(A)に示すように、バトル演出が実行されない通常パターンでは、設定示唆演出を実行可能であるが、図9-1(C)に示す発展演出失敗パターンでは、設定示唆演出の実行が制限される。これにより、発展演出を実行した後にバトル演出を実行しない発展演出失敗パターン演出を実行する可変表示においては設定示唆演出の実行が制
限されるため、設定示唆演出が実行されてしまうことでバトル演出が実行されないことが事前にバレてしまうことを防ぐことができる。これにより、設定機能のある遊技機において表示態様を変化させる演出を好適なタイミングで実行することが可能となる。
[3] 図9-1(C)に示す発展演出失敗パターンにおいて可変表示において変化演出の実行が制限された場合には、次の可変表示の開始時に変化演出が実行される。これにより、変化演出が実行されてしまうことでバトル演出が実行されないことが事前にバレてしまうことを防ぐことができ、可変表示の終了後の次の可変表示のタイミングにおいて変化演出を実行することができる。よって、設定機能のある遊技機において表示態様を変化させる演出を好適なタイミングで実行することが可能となる。
[4] 図9-3に示すように、発展演出の実行中の合計アウト数表示154F001を表示しないようになっている。これにより、発展演出の実行中は合計アウト数表示154F001の表示態様が視認困難となるため、発展演出を目立たせることができる。
[5] 図9-3(I)~(K)に示すように、保留内に大当りがあるパターンの場合には、発展演出失敗パターンを実行している場合であっても変化演出を実行するようになっている。これにより、意外性のある演出を実行でき、遊技の興趣を向上させることができる。
[6] 遊技球を遊技領域に発射することにより遊技が可能であり、遊技領域に到達した遊技球の数がアウト球検出センサにより検出される。そして、アウト球検出センサが検出した遊技球の数に応じて合計アウト数表示154F001の表示態様が変化する。これにより、アウト球検出センサが検出した遊技球の数に応じた合計アウト数表示154F001の表示態様の変化により、好適な変化演出を実行することができる。
[7] 設定機能のある遊技機において表示態様を変化させる演出を好適なタイミングで実行することは考慮されていなかった。特徴部155Fでは、大当りに制御されるか否かを示唆するバトル演出が実行可能である。バトル演出の実行前には、バトル演出が実行されるか否かを示唆する発展演出が実行可能である。また、図9-2に示すように、図柄確定停止前に合計アウト数表示154F001の表示態様を変化させる変化演出を実行可能である。また、図9-2(C)に示すように、合計アウト数表示154F001の表示態様が350以上となることによって、設定示唆画像154F004を表示することが可能である。さらに、図9-1(B)に示す発展演出成功パターンと図9-1(C)に示す発展演出失敗パターンとを実行可能である。このような構成を有する特徴部155Fにおいては、図9-1(C)に示す発展演出失敗パターンにおいて、設定示唆演出の実行が制限される。これにより、発展演出を実行した後にバトル演出を実行しない発展演出失敗パターン演出を実行する可変表示においては設定示唆演出の実行が制限されるため、変化演出が実行されてしまうことでバトル演出が実行されないことが事前にバレてしまうことを防ぐことができる。これにより、設定機能のある遊技機において表示態様を変化させる演出を好適なタイミングで実行することが可能となる。
[8] 図9-1(C)に示す発展演出失敗パターンにおいて可変表示において設定示唆演出の実行が制限された場合には、次の可変表示の開始時に設定示唆演出が実行される。これによれば、設定示唆演出が実行されてしまうことで特定演出が実行されないことが事前にバレてしまうことを防ぐことができ、可変表示の終了後に設定示唆演出を実行することができる。これにより、設定機能のある遊技機において表示態様を変化させる演出を好適なタイミングで実行することが可能となる。
[9] 図9-1(C)に示す発展演出失敗パターンにおいて可変表示において設定示
唆演出の実行が制限された場合には、次の可変表示の開始時に設定示唆演出が実行される。これによれば、設定示唆演出が実行されてしまうことでバトル演出が実行されないことが事前にバレてしまうことを防ぐことができ、可変表示の終了後に設定示唆演出を実行することができる。これにより、設定機能のある遊技機において表示態様を変化させる演出を好適なタイミングで実行することが可能となる。
[10] 設定機能のある遊技機において表示態様を変化させる演出を好適なタイミングで実行することは考慮されていなかった。特徴部156Fでは、大当りに制御されるか否かを示唆するバトル演出が実行可能である。また、図9-2に示すように、図柄確定停止前に合計アウト数表示154F001の表示態様を変化させる変化演出を実行可能である。また、図9-2(C)に示すように、合計アウト数表示154F001の表示態様が350以上となることによって、設定示唆画像154F004を表示することが可能である。また、大当り遊技状態に制御される場合に、バトル演出を実行した後、バトル敗北により一旦はずれ図柄による図柄仮停止見せかけ後に、大当り遊技状態に制御されることを報知する復活演出を実行可能である。そして、図9-4(C)に示すように、バトル演出を実行して復活演出を実行しない場合に、バトル演出を実行した後に変化演出を実行するとともに、図9-4(E)に示すように、バトル演出を実行して復活演出を実行する場合に、バトル演出を実行した後、復活演出を実行するまでに変化演出を実行する。これにより、バトル演出を実行して復活演出を実行しない場合に、バトル演出を実行した後に変化演出を実行するとともに、バトル演出を実行して復活演出を実行する場合に、バトル演出を実行した後、復活演出を実行するまでに変化演出を実行するため、復活演出が実行されることが事前にバレてしまうことを防ぐことができる。よって、設定機能のある遊技機において表示態様を変化させる演出を好適なタイミングで実行することが可能となる。
[11] バトル演出および復活演出の実行中の合計アウト数表示154F001を表示しないようになっている。これにより、バトル演出および復活演出の実行中は合計アウト数表示154F001の表示態様が視認困難となるため、バトル演出および復活演出を目立たせることができる。
[12] 図9-4(H)に示すように、復活演出の実行中に合計アウト数表示154F001の態様が350以上となった場合には、復活演出の実行中に設定示唆演出を実行する。これにより、合計アウト数表示154F001の態様が350以上となったにも関わらず設定演出が実行されないことによる遊技の興趣の低下を防止することができる。より具体的には、復活演出実行後は必ず大当りとなるので、設定示唆演出が今回の可変表示で実行されない場合には大当り終了後に設定示唆演出が実行されることとなる。このようになれば設定示唆演出がかなり後のタイミングとなってしまうため、復活演出中に設定示唆演出が実行されることでこのような自体を防ぐことができる。なお、設定示唆演出は、大当りのラウンド中等に実行されるようにしてもよい。
〔特徴部154F~156Fのその他の変形例〕
[1] 前述した実施の形態において、合計アウト数表示154F001の表示態様が設定値により異なる表示態様に変化するようにしてもよい。具体的には、特定の設定値として設定4,5,6の場合には、設定4,5,6が確定する赤色で合計アウト数表示154F001を表示してもよい。そして、赤色で合計アウト数表示154F001を行っているときに変化演出を制限する場合には、制限されている可変表示の終了後に変化演出が実行されることを特定する「後ほど加算」のメッセージが表示されるようにすればよい。これにより、変化演出が制限されたとしても「後ほど加算」のメッセージにより将来的に特定の設定値であることが示唆されることを示すことができ、遊技者に安心感を与えることができる。なお、合計アウト数表示154F001を赤色に変化させるタイミングは、合計アウト数が350の近傍(例えば、330)で実行されるようにしてもよいし、35
0がリセットされて0となるタイミングで変化するようにしてもよい。また、最高設定6であることを虹色の表示で示すようにしてもよい。
[2] 前述した実施の形態において、変化演出で加算されるアウト球数の値は、前回の可変表示開始から今回の可変表示開始までにアウト球センサで検出された遊技球の数であった。しかし、変化演出が実行されるまでに検出されたアウト球数の数が変化演出により加算されるようにしてもよい。このような場合には、発展演出やバトル演出が実行されている間に検出された遊技球がその後の変化演出で加算されることになる。また、復活演出のパターンであれば、バトル演出および復活演出の実行中においてアウト球検出センサが検出した遊技球の数については、復活演出が実行された後に変化演出を実行することで合計アウト数表示154F001の表示態様を変化させるようにすればよい。このようにすれば、復活演出が実行された後に変化演出が実行されるため、変化演出が実行されるタイミングが後になり過ぎて遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[3] 前述した実施の形態において、合計アウト数表示154F001の画像の表示順位は、その他の予告演出の画像の表示順位よりも高いことが望ましい。つまり、合計アウト数表示154F001の画像がその他の予告演出の画像よりも前面に表示されるようにすればよい。
[4] 前述した実施の形態において、発展演出、バトル演出、復活演出等においては、合計アウト数表示154F001が表示されない場合について説明した。しかしながら、これらの演出実行中に合計アウト数表示154F001が半透明となり通常よりも視認し難いが遊技者から視認できるような態様で表示されるようにしてもよい。
[5] 前述した実施の形態において、アウト球センサで検出される遊技球は、遊技領域に打ち込まれたアウト球全てであった。しかし、遊技者側へ払い出される球数に基づいて変化演出が実行されるようにしてもよいし、始動入賞口等の特定の入賞口へ入賞した遊技球を対象として変化演出が実行されるようにしてもよい。また、アウト口を通過した遊技球のみに基づいて変化演出が実行されるようにしてもよい。
[6] 前述した実施の形態において、変化演出の実行されるタイミングは、通常3つ目の図柄が仮停止された後、図柄確定停止の間であった。しかしながら、変化演出がその他のタイミングで実行されるようにしてもよい。例えば、1つ目の図柄や2つ名の図柄が仮停止されるタイミングの後に変化演出が実行されるようにしてもよい。また、リーチ開始前やリーチ中、リーチ後の各タイミングで変化演出が実行されるようにしてもよい。また、変化演出の実行タイミングによりその後の設定示唆演出の実行される期待度や設定されている設定値に対応した設定示唆演出が実行される期待度が異なるようにしてもよい。
[7] 前述した実施の形態において、アウト球が検出される毎に変化演出が実行されるようにしてもよい。このような場合であっても、発展演出やバトル演出中は変化演出が実行されず(または視認困難な態様で表示され)、発展演出やバトル演出中に検出されたアウト球数は、これらの演出の終了後に加算されるようにすることが望ましい。
[8] 前述した実施の形態において、変化演出の実行されるタイミングは、可変表示中のタイミングではなく、図柄確定停止から次の可変表示の開始時までのタイミングであってもよいし、客待ちデモ演出の実行中のタイミングであってもよい。また、変化演出の後に実行される設定示唆演出もこのようなタイミングで実行されるようにしてもよい。
[9] 前述した実施の形態において、変化演出の実行されるタイミングは、大当り遊技中、大当り後の最初の可変表示の実行中、大当り開始時のファンファーレ画面の表示中
、大当り終了時のエンディング画面の表示中に実行されるようにしてもよい。また、変化演出の後に実行される設定示唆演出もこのようなタイミングで実行されるようにしてもよい。
[10] 前述した実施の形態において、アウト球センサは、打ち込まれた遊技球が最終的に排出される位置に設けられている場合について説明した。しかし、アウト球センサが遊技領域に入る場所(少なくとも発射された球が戻ってこない位置)に設けられていてもよい。
[11] 前述した実施の形態において、発展演出失敗パターンにおいては、今回の可変表示ではなく次回の可変表示の開始時に変化演出が実行される場合について説明した。しかし、変化演出は次回の可変表示の開始時ではなく、次回の3つ目の図柄が仮停止された後、図柄確定停止の間でもよい。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組合せられてもよい。このように組合せられた特徴部、あるいは、組合せられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組合せられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。