以下に、実施の形態にかかる拡張端末装置、通信システム、通信方法および通信プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる通信システムの第1の状態における構成例を示す図である。実施の形態1の通信システム7は、例えば、電力量、ガスなどの自動検針のために、計量データを収集するシステムであるが、計測データを収集するセンサネットワークシステムであってもよく、通信システム7の用途はこれらに限定されない。
図1に示すように、通信システム7は、中央装置1、集約装置2、端末装置3-1~3-7および拡張端末装置4-1,4-2を備える。中央装置1は、通信システム7を制御し、通信システム7内の端末装置3-1~3-7から、集約装置2を介して、データを受信する。以下、端末装置3-1~3-7のそれぞれを個別に区別せずに示すときには、端末装置3と記載する。拡張端末装置4-2は本実施の形態の第1の装置の一例であり、拡張端末装置4-1は本実施の形態の第2の装置の一例である。
集約装置2および端末装置3-1~3-7のそれぞれは、例えば、920MHz帯の特定小電力無線通信(以下、920MHz帯特小無線通信と略す)を行うことが可能であるとともに、マルチホップネットワークを構築するための通信制御を行うことが可能である。マルチホップネットワークは、全てのノードが無線通信を行う無線マルチホップネットワークであってもよいし、後述するトンネル区間として有線の区間を含むマルチホップネットワークであってもよい。また、後述するように拡張端末装置4-1,4-2も、920MHz帯特定小無線通信を行うことが可能であるとともに、無線マルチホップネットワークを構築するための通信制御を行うことが可能である。なお、後述するように、拡張端末装置4-1と拡張端末装置4-2との間は実際には無線回線では無い場合もあるが、ここでは、拡張端末装置4-1と拡張端末装置4-2との区間も含む拡張したマルチホップネットワークも、無線マルチホップネットワークとも呼ぶ。なお、図1では、端末装置3を7台図示しているが、端末装置3の数はこれに限定されない。集約装置2の数についても、図1に示した例に限定されず、一般には複数の集約装置2が用いられる。
集約装置2は、無線マルチホップネットワークの根(親局)となる装置であり、配下の端末装置3および拡張端末装置4-1,4-2から受信したデータを、中央装置1へ送信し、中央装置1から受信した、配下の端末装置3および拡張端末装置4-1,4-2宛ての制御データなどを、無線マルチホップネットワークを介して宛先の装置へ送信する。以下、無線マルチホップネットワークを構成する集約装置2、端末装置3および拡張端末装置4-1,4-2のそれぞれを、ノードとも呼ぶ。
本実施の形態の無線マルチホップネットワークでは、定められた経路制御プロトコルに基づいて経路制御が行われる。経路制御プロトコルとしては、RPL(IPv6 Routing Protocol for Low-Power and Lossy Networks)を用いることができる。経路制御プロトコルは、これに限定されないが、以下、本実施の形態では、経路制御プロトコルとしてRPLが用いられる例を説明する。RPLでは、各端末装置3および拡張端末装置4-1,4-2から集約装置2へ向かう通信経路である上り経路に関しては、各端末装置3および拡張端末装置4-1,4-2が、集約装置2へ向かう経路における次のノード(次ノード)を上り経路として保持する。端末装置3および拡張端末装置4-1,4-2は、経路制御プロトコルに従って上り経路を把握し、集約装置2宛てのデータを次ノードへ転送することで、端末装置3および拡張端末装置4-1,4-2から送信されたデータは集約装置2に到着する。下り経路は、例えば、集約装置2によって、上り経路に基づいて決定されるが、これに限定されない。
なお、ここでは、集約装置2、端末装置3-1~3-7が無線マルチホップネットワークを構築する際の通信が920MHz帯特小無線通信である例を説明するが、無線マルチホップネットワークを構築する際の通信の方式である第1の通信方式は、これに限定されない。また、以下では、通信システム7が、電力量の自動検針に用いられる例、すなわち端末装置3および拡張端末装置4-1,4-2がスマートメータにおける通信装置である例を説明するが、上述したように、通信システム7の用途はこれに限定されない。
中央装置1と集約装置2との間は、例えば、IP(Internet Protocol)ネットワークで接続される。IPネットワークの回線としては、どのようなものが用いられてもよく、例えば、光回線、光以外の有線回線、携帯電話網、その他の無線回線などであってもよいし、これらの2つ以上の組み合わせであってもよい。なお、中央装置1と集約装置2との間の通信ネットワークは、IPネットワークに限定されない。
図1では、920MHz帯特小無線通信による装置間の通信回線である第1回線5を実線で示している。符号5が付されていない同様の実線も第1回線5である。図1に示した例では、集約装置2および端末装置3-1~3-5は、周囲に920MHz帯特小無線通信により通信を行うことが可能な他の端末装置3が存在するため、集約装置2および端末装置3-1~3-5は、集約装置2を親局とする無線マルチホップネットワークを構築することが可能である。
一方で、図1に示した第1の状態では、端末装置3-6,3-7と、集約装置2および端末装置3-1~3-5との間には、例えば、山などが存在することにより需要家が存在せず端末装置3が設けられていない。したがって、端末装置3-6,3-7は、端末装置3-1~3-5のいずれとも920MHz帯特小無線通信を用いた通信を行うことができない。このため、端末装置3-6,3-7は、集約装置2を親局とする無線マルチホップネットワークに、直接参加することができない。以下、端末装置3-6,3-7と、端末装置3-1~3-5との間の区間を分断区間とも呼ぶ。集約装置2側からみると、端末装置3-6,3-7は分断区間の先にある端末装置3であり、以下、端末装置3-6,3-7を、分断区間の先にある端末装置3または分断区間の先に存在する端末装置3とも呼ぶ。
なお、図1では、端末装置3-6,3-7と、集約装置2および端末装置3-1~3-5との間に山が存在する例を模式的に示しているが、山が存在しなくても分断区間が存在する場合もある。端末装置3-6,3-7と、集約装置2および端末装置3-1~3-5とが、920MHz帯特小無線通信の無電伝送距離以上であれば、山が存在しなくても、同様に端末装置3-6,3-7は、920MHz帯特小無線通信では、集約装置2および端末装置3-1~3-5と直接通信を行うことができない。本実施の形態では、拡張端末装置4-1,4-2を用いることで、分断区間の先に集約装置2を設置する場合よりコストを抑えて、分断区間の先にある端末装置3と集約装置2との間の通信を可能とする。これにより、端末装置3間の通信が困難な端末装置3を含む無線マルチホップネットワークを構築することができる。すなわち、集約装置2を親局とする無線マルチホップネットワークを分断区間の先にある端末装置3まで拡張することができる。
拡張端末装置4-1,4-2は、第1の通信方式の一例である920MHz帯特小無線通信を行うことが可能であるとともに、920MHz帯特小無線通信以外の他の通信方式(第2の通信方式)による通信を行うことが可能である。他の通信方式による通信は、携帯電話網を用いた通信、光通信回線を用いた通信、光通信回線以外の有線回線を用いた通信であるがこれらに限定されない。また、他の通信方式は、例えば、IPに従う通信方式であるが、これに限らず、例えば、MAC(Media Access Control)層で接続される通信方式、その他の通信プロトコルに従った通信方式であってもよい。図1では、他の通信方式による通信回線を第2回線6として破線で示している。以下では、一例として、他の通信方式による通信が、携帯電話網を用いた通信の1つであるLTE(Long Term Evolution)規格に従った通信である例を説明する。このため、拡張端末装置4-1と拡張端末装置4-2とは、実際には図1では図示しないLTEの基地局を介して通信を行う。
本実施の形態の拡張端末装置4-1,4-2は、第1の通信方式と他の通信方式である第2の通信方式との間のプロトコル変換を行う。これにより、端末装置3-6,3-7と、集約装置2および端末装置3-1~3-5とを、拡張端末装置4-1,4-2を介して接続することができる。以下、拡張端末装置4-1,4-2のそれぞれを個別に区別せずに示すときには、拡張端末装置4と記載する。
図1に例示したように、集約装置2が構築する無線マルチホップネットワークとの間に分断区間が存在する場所に、電力量の検針のためのスマートメータを設置する場合、当該スマートメータにおける通信装置として、携帯電話網を用いた通信を行うことが可能な通信装置が用いられることがある。例えば、山間部に少数の需要家が存在する場合には、携帯電話網を用いた通信を行うことが可能な端末装置を用いるが、携帯電話網を用いた通信を行う端末装置の数が増えると携帯電話網を使用するためのコストが増加することになる。また、分断区間の先に存在する需要家の数がある程度以上になれば、例えば、図1の右側にも別の集約装置2を設けることも考えられる。しかし、集約装置2の設置にはかなりのコストがかかるため、集約装置2が収容可能な端末装置3の最大数に比べて分断区間の先に存在する端末装置3の数が非常に少ない場合に、分断区間の先に集約装置2を設置することは好ましくない。また、集約装置2は、変圧器とともに電柱に設置されることが多いため、メンテナンスにもコストを要する。本実施の形態では、拡張端末装置4-1,4-2を用いて、分断区間を挟んだ無線マルチホップネットワークを構築することができるので、分断区間の先に集約装置2を設置する必要がなく、コストを抑えて、分断区間の先に存在する端末装置3と集約装置2との間の通信を可能にすることができる。
図2は、実施の形態1にかかる通信システム7の第2の状態における構成例を示す図である。図1に示した第1の状態では、拡張端末装置4-2は、920MHz帯特小無線通信を用いて、集約装置2を親局とする無線マルチホップネットワークに参加することはできない。一方、図2に示すように、端末装置3-8~3-11が増設されると、拡張端末装置4-2は、端末装置3-8~3-11を介して、920MHz帯特小無線通信によって無線マルチホップネットワークに参加することが可能になる。
図2に示した第2の状態では、拡張端末装置4-2は、集約装置2との間の通信経路として、端末装置3-8~3-11を介した経路と、第2回線6を用いた経路との両方が利用可能である。拡張端末装置4-2は、上述したように、第1の状態において第2回線6を用いた経路で通信を行うため、そのままでは第2の状態となっても第2回線6を用いた経路が用いられることになる。この場合、第2回線6の回線利用料などが必要となり、また第2回線6を考慮した運用管理も必要となる。本実施の形態では、端末装置3が増設されることにより、拡張端末装置4-2が920MHz帯特小無線通信によって集約装置2との間の通信経路を構築することが可能になると、拡張端末装置4-2と拡張端末装置4―1とは、第2回線6を用いた通信を停止する。これにより、運用の効率化を図ることができる。
次に、本実施の形態における各装置の構成例について説明する。図3は、本実施の形態の端末装置3の構成例を示す図である。端末装置3は、第1通信部31、マルチホップ通信制御部32およびアプリケーション処理部33を備える。端末装置3は、例えば、図示しないメータに接続されており、メータが計量した電力量の計量結果を検針データとして取得する。なお、端末装置3に接続されるメータは、上述したようにガスの使用量を計量するメータなどであってもよい。また、通信システム7の用途によっては、メータの代わりに、計測データを取得するセンサが端末装置3に接続されてもよい。また、端末装置3は、さらに、仮想発電所(VPP:Virtual Power Plant)の制御やエネルギー管理のために、需要家の発電設備、蓄電設備、負荷設備などを制御するためデータの送受信を行ってもよい。
第1通信部31は、920MHz帯特小無線通信における物理層、MAC層の処理を行う。例えば、第1通信部31は、集約装置2、他の端末装置3、拡張端末装置4などの他の装置から、920MHz帯特小無線通信により電波として送信されたデータを受信すると、受信したデータに物理層およびMAC層の処理を行い、処理後データをマルチホップ通信制御部32へ出力する。また、第1通信部31は、マルチホップ通信制御部32から受け取った送信データに物理層およびMAC層の処理を施し、処理後の送信データを電波として送信する。
マルチホップ通信制御部32は、経路制御プロトコルに従って、無線マルチホップネットワークにおける通信制御を行うことにより、集約装置2までの経路における次ノードを把握し、次ノードを示す情報を上り経路として保持する。例えば、マルチホップ通信制御部32は、経路制御プロトコルに従って各種のメッセージを送信データとして生成し、生成した送信データを第1通信部31へ出力する。また、マルチホップ通信制御部32は、第1通信部31から受け取ったデータが経路制御のメッセージであり、応答が必要なメッセージである場合には、応答のメッセージを送信データとして生成して第1通信部31へ出力する。また、マルチホップ通信制御部32は、第1通信部31から受け取ったデータが他の端末装置3宛てである場合、当該データに格納されている下り経路を示す情報に基づいて転送先の端末装置3(または集約装置2)を決定し、決定した転送先の端末装置3へ当該データを送信するように、第1通信部31へ指示する。また、マルチホップ通信制御部32は、アプリケーション処理部33から送信データを受け取ると当該データに宛先を付加し、宛先に対応する転送先の端末装置3(または集約装置2)を決定し、決定した転送先の端末装置3へ当該データを送信するように、第1通信部31へ指示する。また、マルチホップ通信制御部32は、第1通信部31から受け取ったデータが自端末装置宛ての制御データなどである場合、当該制御データをアプリケーション処理部33へ出力する。
アプリケーション処理部33は、アプリケーション処理を実行する。例えば、アプリケーション処理が、電力量の計量データの収集である場合には、アプリケーション処理部33は、図示しないメータから取得した計量データを含む送信データをアプリ電文として生成し、生成したアプリ電文をマルチホップ通信制御部32へ出力する。また、アプリケーション処理部33は、マルチホップ通信制御部32からデータを受け取るとデータにしたがった処理を実施する。なお、端末装置3は、無線マルチホップネットワークを構成する一般的な端末装置であるため、詳細な説明は省略する。
図4は、本実施の形態の拡張端末装置4の構成例を示す図である。拡張端末装置4は、第1通信部41、第2通信部42、プロトコル変換処理部43、マルチホップ通信制御部44およびアプリケーション処理部45を備える。拡張端末装置4も、端末装置3と同様に、メータに接続される。上述したように、通信システム7の用途によって、メータの代わりにセンサに接続されていてもよい。なお、ここでは、拡張端末装置4がメータまたはセンサに接続される例を説明するが、拡張端末装置4はメータに接続されず、プロトコル変換に特化した装置として設けられてもよい。この場合、拡張端末装置4はアプリケーション処理部45を備えていなくてもよい。
アプリケーション処理部45は、アプリケーション処理を実行する。アプリケーション処理部45の動作は、端末装置3におけるアプリケーション処理部33と同様である。マルチホップ通信制御部44は、集約装置2を親局とするマルチホップネットワークにおけるマルチホップ通信の制御を行う。すなわち、マルチホップ通信制御部44は、経路制御プロトコルにしたがって、マルチホップネットワークにおける通信制御を行う。マルチホップ通信制御部44の動作は、送信するデータを、プロトコル変換処理部43を介して第1通信部41へ渡す以外は、端末装置3におけるマルチホップ通信制御部32と同様である。
第1通信部41は、第1の通信方式である920MHz帯特小無線通信における物理層、MAC層の処理を行う。第1通信部41は、920MHz帯特小無線通信を行うことが可能な複数の端末装置3のうちの少なくとも一部の端末装置3と第1の通信方式により通信を行うことが可能である。第1通信部41の動作は、プロトコル変換処理部43を介してマルチホップ通信制御部44から送信データを受け取る以外は、端末装置3における第1通信部31と同様である。
第2通信部42は、第1の通信方式とは異なる第2の通信方式で通信を行うことが可能である。例えば、第2通信部42は、920MHz帯特小無線通信以外の他の通信方式の通信における物理層、MAC層およびIP層(ネットワーク層)の処理を行う。ここでは、上述したように、他の通信方式はLTEに従った通信方式である例を説明するが、他の通信方式はこれに限定されない。
プロトコル変換処理部43は、第1通信部41が端末装置3から端末装置3を管理する集約装置2宛てのデータである上りデータを受信すると、上りデータに対して第1の通信方式から第2の通信方式へのプロトコル変換を行う。また、プロトコル変換処理部43は、あらかじめ定められた停止条件が満たされると、第2の通信方式による通信を停止させる。また、プロトコル変換処理部43は、第2の通信方式による通信を停止させた後に、第1の通信方式により通信が不可となった場合に、第2の通信方式による通信の停止を解除し、第2の通信方式による通信を再開させる。プロトコル変換処理部43は、送受信制御部431、ヘッダ生成連結部432、ヘッダ分割解析部433、ネットワーク制御部(以下、NW制御部と略す)434、情報記憶部435および振分け部436を備える。
送受信制御部431は、第2通信部42による送受信を制御する。ヘッダ生成連結部432は、通信相手の拡張端末装置4へメッセージを送信する際に、拡張端末装置4間の通信のためのヘッダを生成し、生成したヘッダをメッセージに連結する。ヘッダ分割解析部433は、通信相手の拡張端末装置4から受信したデータから拡張端末装置4間の通信のためのヘッダを分離し、分離したヘッダを解析する。NW制御部434は、通信相手の拡張端末装置4との間の通信を制御し、拡張端末装置4間の通信のためのメッセージを生成する。情報記憶部435は、振分け部436における振分けの判断に用いられる情報である振分け情報を記憶する。振分け部436は、振分け情報に基づいて、プロトコル変換処理部43で生成されたメッセージや通知、およびプロトコル変換処理部43に入力されるメッセージや通知の振分け先(出力先)を判断し、判断結果に従ってメッセージや通知を振分け先に出力する。プロトコル変換処理部43における処理の詳細については後述する。
図5は、本実施の形態の集約装置2の構成例を示す図である。集約装置2は、第1通信部21、第3通信部22、マルチホップ通信制御部23およびアプリケーション処理部24を備える。
アプリケーション処理部24は、集約装置2としてのアプリケーション処理を実行する。例えば、アプリケーション処理が、電力量の計量データの収集である場合には、アプリケーション処理部24は、配下の端末装置3および拡張端末装置4から受信した計量データを集約する処理を行い、集約したデータを第3通信部22へ出力する。
第3通信部22は、中央装置1との間で通信を行う。例えば、第3通信部22は、アプリケーション処理部24から受けとったデータを中央装置1へ送信し、中央装置1から受信したデータが無線マルチホップネットワークの制御に関するデータである場合にはマルチホップ通信制御部23へ出力し、アプリケーション処理に関するデータである場合にはアプリケーション処理部24へ出力する。
第1通信部21は、端末装置3の第1通信部31と同様に、920MHz帯特小無線通信における物理層、MAC層の処理を行う。マルチホップ通信制御部23は、経路制御プロトコルに従って、無線マルチホップネットワークにおける親局としての通信制御を行う。
図6は、本実施の形態の中央装置1の構成例を示す図である。中央装置1は、第3通信部11およびアプリケーション処理部12を備える。第3通信部11は、集約装置2との間で通信を行う。アプリケーション処理部12は、中央装置1としてのアプリケーション処理を実行する。例えば、アプリケーション処理が、電力量の計量データの収集である場合には、アプリケーション処理部12は、集約装置2から受信したデータを、図示しない検針データを管理する装置へ第3通信部11に送信させる。また、アプリケーション処理部12は、集約装置2、端末装置3および拡張端末装置4を制御するための制御データを生成し、生成したデータを第3通信部11へ出力することで、第3通信部11に制御データを集約装置2へ送信させる。
次に、本実施の形態の通信システム7における動作について説明する。まず、図1に示した第1の状態において、本実施の形態の拡張端末装置4間が接続される処理について説明する。図7、図8および図9は、本実施の形態の拡張端末装置4間の接続処理の一例を示すシーケンス図である。図7に示すように、拡張端末装置4-1,4-2は、それぞれLTEの基地局との間で接続処理(基地局接続処理)を行う(ステップS1)。なお、他の通信方式がLTE以外の通信方式である場合には、拡張端末装置4-1,4-2は、当該通信方式に応じた接続処理を実施する。
拡張端末装置4-1のプロトコル変換処理部43のNW制御部434は、送信ランダムタイマを開始(起動)する(ステップS2)。送信ランダムタイマは、各拡張端末装置4からの送信を分散させるために、満了までの時間がランダムに設定されるタイマであり、例えば、NW制御部434が内蔵する。この例では、拡張端末装置4-1,4-2のうち、拡張端末装置4-1の方が送信ランダムタイマの満了が早く、先に処理を行う例を説明する。図示を省略しているが、拡張端末装置4-2においても同様に送信ランダムタイマが起動される。
送信ランダムタイマが満了する(ステップS3)と、拡張端末装置4-1のNW制御部434は、送信情報およびネットワーク確認メッセージ(以下、NW確認メッセージと略す)を生成し、生成した送信情報およびNW確認メッセージをヘッダ生成連結部432へ出力する(ステップS4)。NW確認メッセージは、拡張端末装置4間の通信が正常に実施できることを確認するためのメッセージである。送信情報は、後述する変換ヘッダの生成と、LTEにおける通信制御とに用いられる情報である。送信情報は、例えば、送信元端末識別情報、送信先IP(IPアドレス)、送信先ポート(Port)および送信プロトコルを含む。なお、各拡張端末装置4は、自身のIPアドレスと通信相手となる拡張端末装置4のIPアドレスとをあらかじめ保持しているとする。これらのIPアドレスは、例えば、事前に登録される。IPアドレスは固定で定められてもよいし、各拡張端末装置4が、通信相手となる拡張端末装置4のMACアドレスを保持し、MACアドレスを用いてIPアドレスを問合せることで取得してもよい。各拡張端末装置4は、送信ランダムタイマが満了した場合、および送信ランダムタイマが満了する前にNW確認メッセージを受信した場合に、NW確認メッセージを生成して送信する。
または、拡張端末装置4-1と拡張端末装置4-2とのうちいずれか一方が、自身のIPアドレスと通信相手となる拡張端末装置4(拡張端末装置4-1にとっては拡張端末装置4-2、拡張端末装置4-2にとっては拡張端末装置4-1)のIPアドレスとを保持してもよい。これらのIPアドレスは、例えば、事前に登録される。または、中央装置1から拡張端末装置4-1へ、拡張端末装置4-1のIPアドレスと、拡張端末装置4-2のIPアドレスとが通知されてもよい。拡張端末装置4-1と拡張端末装置4-2とのうちいずれか一方がIPアドレスを保持する場合、IPアドレスを保持している拡張端末装置4が、送信ランダムタイマが満了するとNW確認メッセージを送信する。IPアドレスを保持していない他方の拡張端末装置4は、通信相手からNW確認メッセージを受信すると、NW確認メッセージを生成し、生成したNW確認メッセージを、受信したNW確認メッセージの送信元の拡張端末装置4へ送信する。
送信元端末識別情報は、例えば、送信元の拡張端末装置4のMACアドレスであるが、これに限らず拡張端末装置4のハードウェア固有の識別情報であればよい。NW確認メッセージは、NW確認メッセージであることを示す情報と、シーケンス番号と、接続可否情報とを含む。なお、NW確認メッセージは、NWワーク制御メッセージであることを示す情報を含んでいればよく、シーケンス番号および接続可否情報のうちの1つ以上がNW確認メッセージに含まれていなくてもよい。接続可否情報は、送信元の拡張端末装置4が、他の通信方式であるLTEによって、他の拡張端末装置4と通信が可能であるか否かを示す情報である。例えば、接続可否情報は、基地局との間で接続処理が行われた後は、接続可を示す値となり、基地局との間で通信を行うことが可能な間は接続可である。LTEを用いた通信に障害が発生した場合、後述するLTE通信の切断処理(他の通信方式による通信の停止処理)が行われた場合などに、接続可否情報は、接続不可を示す値となる。
拡張端末装置4-1のヘッダ生成連結部432は、送信情報およびNW確認メッセージを受け取ると、送信情報を用いて変換ヘッダを生成し(ステップS5)、送信情報を用いて送信パラメータ(図では、送信パラとも記載する)を生成する(ステップS6)。変換ヘッダは、無線マルチホップネットワークにおける通信プロトコルを、拡張端末装置4間の通信のプロトコルにプロトコル変換するためのヘッダである。変換ヘッダは、送信元端末識別情報を含む。送信パラメータは、LTEにおける送信制御に用いられるパラメータである。送信パラメータは、送信先IP、送信先ポートおよび送信プロトコルを含む。
ここで、変換ヘッダについて説明する。集約装置2および端末装置3で構成される無線マルチホップネットワークでは、送信されるデータに経路制御プロトコルに従った経路制御用のヘッダであるマルチホップネットワークヘッダが付加される。集約装置2および端末装置3で構成される無線マルチホップネットワークで送受信されるデータには、このマルチホップネットワークヘッダのヘッダ以外の、レイヤ2(L2)およびレイヤ3(L3)などのヘッダも付加される。例えば、これらのヘッダの全てを含むデータをペイロードとみなして、拡張端末装置4-1の第1通信部41が通信路ヘッダを付して送信し、拡張端末装置4-2の第1通信部41が通信路ヘッダを削除すると、拡張端末装置4-1と拡張端末装置4-2との間の通信路を含む無線マルチホップネットワークを構築することができる。すなわち、拡張端末装置4-1は、カプセル化によってプロトコル変換を行い、拡張端末装置4-2がカプセル化で付加されたヘッダを削除することでプロトコル変換を行うことができる。このような、カプセル化によるプロトコル変換が行われてもよいが、ここでは、マルチホップネットワークヘッダ以外のヘッダについては全てのヘッダを残すのではなく、必要な情報だけを抽出し、抽出した情報を変換ヘッダとして付加することでプロトコル変換を行う例を説明する。これにより、カプセル化する場合に比べて通信量を削減することができる。
変換ヘッダは、上述したように、例えば、送信元端末識別情報であり、例えば、送信元の装置のMACアドレスである。ここでは、変換ヘッダが送信元端末識別情報である例を説明するが、変換ヘッダは、これに限らず、マルチホップネットワークヘッダ以外のヘッダから抽出される情報であればよく、複数の情報を含んでいてもよい。拡張端末装置4-1がNW確認メッセージを送信する場合は、送信元の装置は拡張端末装置4-1であるため、送信元端末識別情報は、拡張端末装置4-1の識別情報である。端末装置3または集約装置2から送信されたデータを中継する場合には、ヘッダ生成連結部432は、マルチホップネットワークヘッダ以外のヘッダから当該データの送信元の装置の識別情報を抽出することで変換ヘッダを生成する。
次に、拡張端末装置4-1のヘッダ生成連結部432は、メッセージの連結を行う(ステップS7)。具体的には、ヘッダ生成連結部432は、NW確認メッセージに変換ヘッダを付加することで、変換ヘッダをNW確認メッセージに連結する。変換ヘッダの付加は、第1の通信方式から第2の通信方式へのプロトコル変換の一例である。次に、拡張端末装置4-1のヘッダ生成連結部432は、変換ヘッダ付加後のNW確認メッセージを送受信制御部431へ出力するとともに、送信パラメータを送受信制御部431へ通知する(ステップS8)。
拡張端末装置4-1の送受信制御部431は、変換ヘッダを付加したNW確認メッセージを第2通信部42へ出力するとともに、送信パラメータを用いて第2通信部42へNW確認メッセージの送信を要求する(ステップS9)。拡張端末装置4-1の第2通信部42は、送受信制御部431から受け取った、変換ヘッダ付加後のNW確認メッセージに、LTEにおける通信路ヘッダを付加し、通信路ヘッダおよび変換ヘッダ付加後のNW確認メッセージを拡張端末装置4-2に宛てて送信する(ステップS10)。他の通信方式がLTE以外の場合には、当該通信方式に応じたヘッダが通信路ヘッダとして付加される。通信路ヘッダの生成には、送信パラメータが用いられる。また、通信路ヘッダは、送信元IP(IPアドレス)および送信元ポート(Port)を含む。なお、図示は省略しているが、このNW確認メッセージは、基地局を経由して拡張端末装置4-2へ到着する。
図8に示すように、拡張端末装置4-2の第2通信部42は、拡張端末装置4-1から通信路ヘッダおよび変換ヘッダ付加後のNW確認メッセージを受信すると、通信路ヘッダからLTE通信情報を抽出し、LTE通信情報と、変換ヘッダ付加後のNW確認メッセージとを送受信制御部431へ出力する(ステップS11)。
拡張端末装置4-2の送受信制御部431は、LTE通信情報と、変換ヘッダ付加後のNW確認メッセージとをヘッダ分割解析部433へ出力する(ステップS12)。拡張端末装置4-2のヘッダ分割解析部433は、ヘッダ分割を行う(ステップS13)。詳細には、ヘッダ分割解析部433は、変換ヘッダとNW確認メッセージとを分離する。次に、拡張端末装置4-2のヘッダ分割解析部433は、受信情報を作成する(ステップS14)。詳細には、ヘッダ分割解析部433は、変換ヘッダとLTE通信情報とを用いて受信情報を作成する。送信元端末識別情報は変換ヘッダに含まれ、送信元IP、送信元ポートおよび受信プロトコルは通信路ヘッダに含まれる。
次に、拡張端末装置4-2のヘッダ分割解析部433は、受信情報およびNW確認メッセージをNW制御部434へ出力する(ステップS15)。拡張端末装置4-2のNW制御部434は、情報を保持する(ステップS16)。すなわち、NW制御部434は、受信情報とNW確認メッセージに含まれる情報とを保持する。
次に、拡張端末装置4-2のNW制御部434は、受信したNW確認メッセージへの応答としてのNW確認メッセージを生成し、生成した送信情報およびNW確認メッセージをヘッダ生成連結部432へ出力する(ステップS17)。送信情報は、拡張端末装置4-1がステップS4で生成した情報と同様であるが、ステップS4では送信元端末識別情報は拡張端末装置4-1の識別情報であるのに対し、ステップS17では送信元端末識別情報は拡張端末装置4-2の識別情報である。NW確認メッセージも、拡張端末装置4-1がステップS4で生成した情報と同様であるが、シーケンス番号は、例えば、拡張端末装置4-1から受信したNW確認メッセージに含まれるシーケンス番号と同一の番号とすることができるが、これに限定されない。後述するシーケンス番号のチェックが行われない場合にはシーケンス番号はどのように決定されてもよい。また、上述したように、NW確認メッセージにはNW確認メッセージであることを示す情報が含まれていればよく、シーケンス番号はNW確認メッセージに含まれていなくてもよい。ここでは、シーケンス番号は、拡張端末装置4-1から受信したNW確認メッセージに含まれるシーケンス番号と同一の番号であるとする。
以降、拡張端末装置4-1におけるステップS5~S10と同様に、拡張端末装置4-2において図8および図9に示すステップS18~S23が実施される。これにより、通信路ヘッダおよび変換ヘッダ付加後のNW確認メッセージが拡張端末装置4-2から拡張端末装置4-1へ送信される。
図9に示すように、ステップS23の後、拡張端末装置4-1では、ステップS11~S15と同様に、ステップS24~S28が実施される。ステップS28の後、拡張端末装置4-1のNW制御部434は、シーケンス番号のチェックを行う(ステップS29)。ここでは、拡張端末装置4-2は、拡張端末装置4-1が送信したNW確認メッセージと同一のシーケンス番号をNW確認メッセージに含めているため、拡張端末装置4-1のNW制御部434は、拡張端末装置4-2から受信したNW確認メッセージに含まれるシーケンス番号が、ステップS4で生成したNW確認メッセージのシーケンス番号と一致するか否かを判断する。これにより、拡張端末装置4-1は、拡張端末装置4-2から受信したNW確認メッセージが、自身が送信したNW確認メッセージへの応答であることを確認することができる。
次に、拡張端末装置4-1のNW制御部434は、接続可否情報をチェックする(ステップS30)。詳細には、NW制御部434は、接続可否情報が接続可を示す情報であるか否かを確認し、接続可否情報が接続可を示す情報である場合、以降、拡張端末装置4間の通信を用いた処理を実施する。接続可否情報が接続不可を示す情報である場合、一定時間後に、ステップS2からの処理を繰り返してもよいし、中央装置1または集約装置2へ拡張端末装置4-2との通信が不可であることを通知してもよい。
なお、上述したように、NW確認メッセージは、シーケンス番号を含んでいなくてもよく、NW確認メッセージにシーケンス番号が含まれない場合には、拡張端末装置4-1のNW制御部434はステップS29の代わりに、受信したメッセージがNW確認メッセージであることを確認する。NW確認メッセージには、上述したように、NW確認メッセージであることを示す情報が含まれており、NW制御部434は当該情報を参照することで受信したメッセージがNW確認メッセージであることを確認することができる。NW制御部434は、受信したメッセージがNW確認メッセージであり変換ヘッダに格納された送信元端末識別情報が、拡張端末装置4-1の通信相手として定められている拡張端末装置4-2の識別情報である場合に、受信したメッセージが、自身が送信したNW確認メッセージへの応答であると判断する。
また、上述したように、NW確認メッセージは、接続可否情報を含んでいなくてもよく、NW確認メッセージに接続可否情報が含まれない場合には、拡張端末装置4-1のNW制御部434は、ステップS30を実施しない。ステップS30が実施されずステップS29が行われる場合、拡張端末装置4-1のNW制御部434は、ステップS29のシーケンス番号のチェックによりシーケンス番号が正しいと判断されると、拡張端末装置4-2との間の通信が可能であると判断する。ステップS30が実施されず、かつ上述したNW確認メッセージであることを示す情報を用いた判断がステップS29の代わりに行われる場合も、同様に、受信したメッセージが、自身が送信したNW確認メッセージへの応答であると判断した場合に、拡張端末装置4-2との間の通信が可能であると判断する。
なお、図1に示した例では、1つの集約装置2に対応する拡張端末装置4を2台図示しているが、1つの集約装置2に対応する拡張端末装置4が3台以上設けられてもよい。この場合も、同様に、拡張端末装置4は、通信相手の他の拡張端末装置4へそれぞれNW確認メッセージを送信して接続の確認を行い、接続の確認ができた場合に、同様に、拡張端末装置4間のリンクも含む無線マルチホップネットワークを構築する。
次に、拡張端末装置4における無線マルチホップネットワークへの接続処理について説明する。図10および図11は、本実施の形態の拡張端末装置4における無線マルチホップネットワークへの接続処理の一例を示すシーケンス図である。
なお、ここでは、拡張端末装置4-1は、マルチホップ通信制御部44および第1通信部41により、端末装置3と同様に、経路制御プロトコルに従って集約装置2を含む無線マルチホップネットワークにおける経路構築を実施済みであるとする。例えば、親局である集約装置2から送信されたDIO(DODAG(Destination Oriented Directed Acyclic Graph) Information Object)メッセージを用いて経路が構築済であるとする。なお、DIOメッセージは、経路構築のためのメッセージであり、親局が各ノードにDIOメッセージをブロードキャストし、各ノードがDIOメッセージに含まれるランクを、自身のランクを加えた値に更新して転送することで、上りの通信経路が構築される。ランクは、例えばホップ数、通信品質などに応じて決定される。拡張端末装置4-1のマルチホップ通信制御部44は、拡張端末装置4-1の親局である集約装置2に対応するランクを把握している。
図10に示すように、上述したNW確認メッセージを用いた拡張端末装置4-2との間の接続の確認の終了後、拡張端末装置4-1のNW制御部434は、無線マルチホップ接続開始(拡張端末装置4間通信を含む無線マルチホップネットワークの接続処理の開始)を振分け部436に通知する(ステップS31)。ステップS31では、NW制御部434は、拡張端末装置4間の通信の直接の送信先の拡張端末装置4-2への送信に関する送信情報も振分け部436に通知する。
振分け部436は、無線マルチホップ接続開始の通知を受けると、送信情報に基づいて、当該通知の振分け先を判断する振り分け判断を行う(ステップS32)。例えば、情報記憶部435に、振分け情報として無線マルチホップ接続開始の通知をマルチホップ通信制御部44に振分けることを示す情報が格納されているとし、振分け部436は、振分け情報に基づいて、無線マルチホップ接続開始の通知の振分け先をマルチホップ通信制御部44であると判断する。また、拡張端末装置4-2が拡張端末装置4間の通信を用いる送信先であるため、情報記憶部435には、拡張端末装置4-2へ送信するメッセージの振分け先はヘッダ生成連結部432であることを示す情報が振分け情報として情報記憶部435に格納されている。振分け部436は、送信情報に基づいて無線マルチホップ接続開始の通知によってマルチホップ通信制御部44が生成したメッセージの宛先は拡張端末装置4-2であることを把握し、振分け情報に基づいて当該メッセージの振分け先をヘッダ生成連結部432に決定する。
振分け部436は、無線マルチホップ接続開始の通知を振分け先のマルチホップ通信制御部44へ出力する(ステップS33)。マルチホップ通信制御部44は、無線マルチホップ接続開始の通知を受けるとDIOメッセージ(図ではDIOと略す)を生成し(ステップS34)、生成したDIOメッセージを振分け部436へ出力する(ステップS35)。このDIOメッセージには、集約装置2に対応するランクが含まれる。
振分け部436は、ステップS32の判断により、DIOメッセージの振分け先はヘッダ生成連結部432であると決定済であるため、マルチホップ通信制御部44から受け取ったDIOメッセージをステップS31で受け取った送信情報とともにヘッダ生成連結部432へ出力する(ステップS36)。その後は、図7に示した例と同様に、ステップS5~S10が行われる。ただし、NW確認メッセージの部分はDIOメッセージとなる。
図11に示すように、拡張端末装置4-2では、通信路ヘッダおよび変換ヘッダが付加されたDIOメッセージを受信すると、図8に示した例と同様に、ステップS11~S15が実施される。ただし、NW確認メッセージの部分はDIOメッセージとなる。なお、図8では、振分け部436の図示を省略しているが、図8に示した例においても、ステップS15では、ヘッダ分割解析部433は振分け部436へ受信情報およびNW確認メッセージを通知するが、振分け情報においてNW確認メッセージは出力しないことが定められているとし、振分け部436は通知を受け取っても受信情報およびNW確認メッセージを出力しない。
拡張端末装置4-2の振分け部436は、受信情報およびDIOメッセージを受け取ると振り分け判断を行う(ステップS37)。DIOメッセージをはじめとした無線マルチホップネットワークにおけるメッセージを受信した場合には、マルチホップ通信制御部44へ振分けることが振分け情報によって定められているとし、振分け部436はDIOメッセージの振分け先をマルチホップ通信制御部44に決定する。
拡張端末装置4-2の振分け部436は、振り分け判断に基づいてDIOメッセージをマルチホップ通信制御部44へ出力する(ステップS38)。拡張端末装置4-2のマルチホップ通信制御部44は、品質情報を用いた集約装置2の選択(集約装置2の決定)を行う(ステップS39)。マルチホップ通信制御部44における集約装置2の決定方法は、DIOメッセージを用いた一般的な親局の決定方法と同様であるため、詳細は省略する。図1に示した例では、拡張端末装置4-1を介して、図1に示した集約装置2に関する情報がDIOメッセージにより取得でき、他の集約装置2は存在しないため、マルチホップ通信制御部44は、親局を図1に示した集約装置2に決定する。マルチホップ通信制御部44は、決定した集約装置2に対応する上り経路、すなわち次ノードとして、DIOメッセージの送信元である拡張端末装置4-1の識別情報を経路情報として保持する。なお、複数の集約装置2が存在する場合には、品質情報などに基づいて集約装置2を決定する。また、図示を省略するが、拡張端末装置4-2のマルチホップ通信制御部44は、DIOメッセージを、第1通信部41にブロードキャストにより送信させる。
一方、拡張端末装置4-2のNW制御部434は、受信情報およびDIOメッセージを受け取ると、拡張端末装置4-1におけるステップS31と同様に、無線マルチホップ接続開始を振分け部436に通知する(ステップS40)。以降、拡張端末装置4-1におけるステップS32~S35と同様に、ステップS41~S44が実施される。その後は、図示は省略するが、拡張端末装置4-1におけるステップS35と同様の処理が行われた後、図8および図9に示した例と同様に、ステップS18~S23が実施される。ただし、NW確認メッセージの部分はDIOメッセージとなる。
また、図示を省略するが、拡張端末装置4-1では、通信路ヘッダおよび変換ヘッダが付加されたDIOメッセージを受信すると、図9に示した例と同様に、ステップS24~S28が実施される。その後、図11に示した拡張端末装置4-2におけるステップS37~S39と同様の処理が拡張端末装置4-1においても実施される。
次に、拡張端末装置4-2からの上り経路の通知処理について説明する。拡張端末装置4-2は、上述したDIOメッセージを受信することで、集約装置2までの上り経路を経路情報として保持している。拡張端末装置4-2は、この上り経路を集約装置2へ通知する。上り経路を通知するメッセージは、端末装置3が上り経路を通知するメッセージと同様であり、集約装置2宛てのメッセージである。
詳細には、拡張端末装置4-2のマルチホップ通信制御部44は、上り経路を通知するメッセージである上り経路通知メッセージを生成し、生成した上り経路通知メッセージをプロトコル変換処理部43へ出力する。拡張端末装置4-2のプロトコル変換処理部43は、プロトコル変換処理(送信時のプロトコル変換処理)を行い、処理後のメッセージを第2通信部42へ出力し、第2通信部42は処理後のメッセージを拡張端末装置4-1へ送信する。メッセージの内容が異なるが、送信時のプロトコル変換処理は、無線マルチホップネットワークへの接続処理における送信時のプロトコル変換処理と同様である。
拡張端末装置4-1では、第2通信部42が、拡張端末装置4-1から送信されたメッセージ(通信路ヘッダおよび変換ヘッダが付加されたメッセージ)を受信すると、受信したメッセージをプロトコル変換処理部43へ出力する。拡張端末装置4-1のプロトコル変換処理部43は、プロトコル変換処理(受信時のプロトコル変換処理)を行い、処理後のメッセージをマルチホップ通信制御部44へ出力する。メッセージの内容が異なるが、受信時のプロトコル変換処理は、無線マルチホップネットワークへの接続処理における受信時のプロトコル変換処理と同様である。
拡張端末装置4-1のマルチホップ通信制御部44は、プロトコル変換処理部43から受け取ったメッセージにおけるマルチホップネットワークヘッダを更新し、マルチホップネットワークヘッダを更新した後のメッセージをプロトコル変換処理部43へ出力する。マルチホップネットワークヘッダは、無線マルチホップネットワークにおける通信で用いられるヘッダであり、例えばRPLにおけるヘッダであるがこれに限定されない。マルチホップ通信制御部44は、経路制御プロトコルにしたがって、マルチホップネットワークヘッダを更新する。例えば、マルチホップ通信制御部44は、自ノードの識別情報を付加することでマルチホップネットワークヘッダを更新し、当該メッセージの転送先を決定する。詳細には、マルチホップ通信制御部44は、保持している上り経路に基づいて、転送先の次ノードを示す情報を当該メッセージに付加する。ここでは、拡張端末装置4-1は、上りの次ノードが端末装置3-2であることを示す情報を経路情報として保持しているとする。
拡張端末装置4-1のプロトコル変換処理部43における振分け部436は、マルチホップ通信制御部44から受け取ったメッセージの宛先と振分け情報とを用いて、振り分け判断を行う。すなわち、振分け部436は、マルチホップ通信制御部44から受け取ったメッセージの振分け先をマルチホップ通信制御部44から受け取ったメッセージの宛先と振分け情報とを用いて決定する。上述したように、情報記憶部435には、振分け情報が格納されており、振分け情報は、送信するメッセージの宛先ごとに、第1通信部41と第2通信部42とのどちらで送信するかを示す情報が含まれる。例えば、振分け部436は、第1通信部41から受信したメッセージの送信元のノード(端末装置3、拡張端末装置4、集約装置2)については、当該ノード宛てのメッセージは第1通信部41を用いて送信することを示す情報を振分け情報として情報記憶部435に格納する。また、振分け部436は、第2通信部42から受信したメッセージの送信元のノードについては、当該ノード宛てのメッセージは第2通信部42を用いて送信することを示す情報を振分け情報として情報記憶部435に格納する。例えば、メッセージの宛先は集約装置2であるとすると、振分け部436は、第1通信部41を用いて当該メッセージを送信すると判断する。
拡張端末装置4-1のプロトコル変換処理部43は、マルチホップ通信制御部44から受け取ったメッセージを、振り分け判断の結果に基づいて第1通信部41へ出力し、第1通信部41が当該メッセージを、転送先である端末装置3-2へ送信する。
端末装置3-2では、第1通信部31が、拡張端末装置4-1からメッセージを受信すると、マルチホップ通信制御部32へ当該メッセージを出力する。端末装置3-2のマルチホップ通信制御部32は、受け取ったメッセージのマルチホップネットワークヘッダを更新する。端末装置3-2のマルチホップ通信制御部32は、マルチホップネットワークヘッダを更新した後のメッセージを第1通信部31へ出力する。
次に、端末装置3-2の第1通信部31は、集約装置2へ当該メッセージを送信する。集約装置2の第1通信部21は、受信したメッセージをマルチホップ通信制御部23へ出力する。マルチホップ通信制御部23は、受信したメッセージのマルチホップネットワークヘッダから経路を取得し記憶する。詳細には、集約装置2は、送信元の拡張端末装置4-2の上り経路上のノードをマルチホップネットワークヘッダから抽出することで、拡張端末装置4-2に対応する上り経路上のノードを経路情報として記憶する。以降、集約装置2は、この経路情報を用いて、拡張端末装置4-2宛てのデータを送信する際には、対応する経路情報に含まれるノードを下り経路としてマルチホップネットワークヘッダに付加する。これにより、集約装置2から送信された拡張端末装置4-2宛てのデータは、下り経路上の各ノードで転送されて拡張端末装置4-2へ到着する。このとき、拡張端末装置4-1は、上述したようにプロトコル変換を行って拡張端末装置4-2へ下りデータを送信する。
次に、拡張端末装置4-2からのアプリ電文の送信処理について説明する。拡張端末装置4-2のアプリケーション処理部45は、アプリ電文を生成すると、アプリ電文をマルチホップ通信制御部44へ通知する。マルチホップ通信制御部44は、アプリ電文にマルチホップネットワークヘッダを付与し、マルチホップネットワークヘッダ付与後のアプリ電文をプロトコル変換処理部43へ出力する。以降、上り経路の通知処理と同様にプロトコル変換処理が行われ、アプリ電文が拡張端末装置4-2の第2通信部42から拡張端末装置4-1へ送信される。
拡張端末装置4-1、端末装置3-2および集約装置2では、上り経路の通知処理と同様の処理を行い、集約装置2がアプリ電文を受信する。集約装置2のマルチホップ通信制御部23は、受信したデータがアプリ電文であることから、データからマルチホップネットワークヘッダを削除し、マルチホップネットワークヘッダを削除したデータすなわちアプリ電文を第3通信部22へ出力する。
第3通信部22は、アプリ電文を中央装置1へ送信する。中央装置1の第3通信部11は、受信したアプリ電文をアプリケーション処理部12へ出力し、アプリケーション処理部12は、アプリ電文に応じた処理を実施する。
なお、上述した例では、集約装置2が、アプリ電文を受信するとそのまま中央装置1へ転送しているが、集約装置2におけるアプリケーション処理部24がアプリ電文に処理を施し、処理後のアプリ電文を中央装置1へ送信してもよい。例えば、アプリ電文が電力量の検針データを含む場合、アプリケーション処理部24は、複数のノードから受信した検針データを集約し、集約した後のデータを中央装置1へ送信してもよい。
次に、端末装置3-6からの上り経路の通知処理について説明する。端末装置3-6は、上述したDIOメッセージを受信することで、集約装置2までの上り経路を経路情報として保持している。端末装置3-6は、この上り経路を集約装置2へ通知する。
具体的には、端末装置3-6のマルチホップ通信制御部32は、上り経路を通知するメッセージである上り経路通知メッセージを生成し、生成した上り経路通知メッセージに、上り経路上の次ノードを示す情報を付加し第1通信部31へ出力する。上り経路通知メッセージは、集約装置2宛ての上りデータの一例である。第1通信部31は、次ノードである拡張端末装置4-2へ上り経路通知メッセージを送信する。
拡張端末装置4-2の第1通信部41は、受信した上り経路通知メッセージをマルチホップ通信制御部44へ出力する。マルチホップ通信制御部44は、受け取った上り経路通知メッセージのマルチホップネットワークヘッダを更新し、マルチホップネットワークヘッダの更新後の上り経路通知メッセージをプロトコル変換処理部43へ出力する。以降、拡張端末装置4-2の上り経路の通知と同様に、拡張端末装置4-2、拡張端末装置4-1、端末装置3-2および集約装置2の処理が実施される。
拡張端末装置4-2の対向装置は拡張端末装置4-1である。対向装置である拡張端末装置4-1は、上りデータに対して第2の通信方式から第1の通信方式へのプロトコル変換を行い、プロトコル変換後の上りデータを第1の通信方式により集約装置2へ向けて送信する。
次に、端末装置3-6からのアプリ電文の送信処理について説明する。端末装置3-6のアプリケーション処理部33は、アプリ電文を生成すると、アプリ電文をマルチホップ通信制御部32へ通知する。アプリ電文も、集約装置2宛ての上りデータの一例である。マルチホップ通信制御部32は、アプリ電文にマルチホップネットワークヘッダを付与し、マルチホップネットワークヘッダ付与後のアプリ電文を第1通信部31へ出力する。第1通信部31は、マルチホップネットワークヘッダ付与後のアプリ電文を拡張端末装置4-2へ送信する。以降、拡張端末装置4-2のアプリ電文の送信の処理と同様の処理が行われる。
以上の動作により、無線マルチホップネットワークの一部の区間に他の通信方式の通信回線を用いることができ、端末装置3間の通信が困難な端末装置3が無線マルチホップネットワークに参加することができる。
次に、無線マルチホップネットワークの一部の区間に他の通信方式の通信回線を用いている場合に、図2に示すように端末装置3の増設が行われた後の本実施の形態の動作について説明する。端末装置3-8~3-11の増設が行われて、拡張端末装置4-2が、端末装置3-8~3-11を介して集約装置2と通信可能な状態になると、本実施の形態では、拡張端末装置4-2と拡張端末装置4-1との間でLTEを用いた通信を切断する。この切断の判断方法については、例えば、下記の第1~第3の方法が考えられる。
第1の方法は、拡張端末装置4-2が無線マルチホップネットワークに接続可能なことを検知する方法である。例えば、拡張端末装置4-2が、自身を経由しない集約装置2への上り経路を保持する端末装置3からDIOメッセージを受信することで、拡張端末装置4-2が無線マルチホップネットワークに接続可能なことを検知することができる。なお、この集約装置2は、同一の中央装置1によって管理される集約装置2であれば、拡張端末装置4-2が現在接続している集約装置2とは異なる集約装置2であってもよい。
第2の方法は、中央装置1に、管理者、オペレータなどによって、LTEの停止(第2の通信方式の回線の切断)の指示が入力され、中央装置1が、拡張端末装置4-1または拡張端末装置4-2へ停止を指示する方法である。管理者、オペレータなどは、拡張端末装置4-2までの経路となる端末装置3の増設が行われたことを認識すると、LTEの停止を行うと判断する。
第3の方法は、中央装置1または集約装置2が、拡張端末装置4-2が無線マルチホップネットワークに接続可能なことを検知する方法である。例えば、中央装置1または集約装置2は、拡張端末装置4-2から通知された経路が拡張端末装置4-1を経由する経路から変更になった場合に、拡張端末装置4-2が無線マルチホップネットワークに接続可能になったと判断してもよい。また、中央装置1は、端末装置3と拡張端末装置4の位置に基づいて、拡張端末装置4が無線マルチホップネットワークに接続可能となったと判断してもよい。また、中央装置1または集約装置2が、定期的にまたは端末装置3がある程度増設された場合に、一時的なLTEの停止を指示し、LTEを用いずに、拡張端末装置4-2との間で経路を構築できた場合に、拡張端末装置4-2が無線マルチホップネットワークに接続可能であると判断してもよい。なお、以上述べた方法は例示であり、第1~第3の方法以外で拡張端末装置4-2が無線マルチホップネットワークに接続可能なことの判断が行われてもよい。
以下、第1~第3の方法の具体例について説明する。まず、第1の方法の具体例について説明する。図12は、端末装置3-11の増設が行われた後の本実施の形態の動作の一例を示すシーケンス図である。図12では、増設された端末装置3-10と端末装置3-11との経路制御メッセージの送受信の一例を示している。図示は省略するが、端末装置3-8~3-10は増設済であり、端末装置3-5と端末装置3-8、端末装置3-8と端末装置3-9、端末装置3-9と端末装置3-10についても図12と同様の処理が行われており、端末装置3-10は、無線マルチホップネットワークにおける集約装置2までの経路情報を保持しているとする。
図12に示すように、端末装置3-11のマルチホップ通信制御部32は、無線マルチホップネットワークへの参加を要求するメッセージであるDIS(DODAG Information Solicitation)メッセージ(図ではDISと略す)を生成し(ステップS51)、第1通信部31へ出力する(ステップS52)。第1通信部31は、DISメッセージをブロードキャストにより送信する(ステップS53)。
端末装置3-10の第1通信部31は、DISメッセージを受信するとマルチホップ通信制御部32へ出力し(ステップS54)、マルチホップ通信制御部32は、DISメッセージ受信に対するDIOメッセージ、すなわちDISメッセージの応答としてのDIOメッセージを生成し(ステップS55)、第1通信部31へ出力する(ステップS56)。第1通信部31は、DIOメッセージを端末装置3-11へ送信する(ステップS57)。
端末装置3-11の第1通信部31は、DIOメッセージを受信するとマルチホップ通信制御部32へ出力し(ステップS58)、マルチホップ通信制御部32は、品質情報を用いた集約装置2の選択を行う(ステップS59)。ここでは、端末装置3-11は、端末装置3-10から受信したDIOメッセージを用いて、端末装置3-10が接続している集約装置2を選択したとする。これにより、端末装置3-11のマルチホップ通信制御部32は、集約装置2へ向かう経路の次ノードが端末装置3-10であることを把握し、決定した集約装置2に対応する上り経路、すなわち次ノードとして、DIOメッセージの送信元である端末装置3-10の識別情報を経路情報として保持する。図12に示した処理は、一般的な無線マルチホップネットワークへの端末装置3の参入処理と同様であるため詳細な説明は省略する。
端末装置3-11は、集約装置2に対して上り経路の通知を行い、集約装置2との間で無線マルチホップネットワークにおける経路を用いて通信を行うことが可能となる。次に、拡張端末装置4-2が端末装置3-11から定期的に送信されるDIOメッセージの受信により第2の通信方式の回線であるLTEを切断する処理について説明する。
図13、図14および図15は、DIOメッセージの受信により拡張端末装置4-2がLTEを切断する本実施の形態の処理の一例を示すシーケンス図である。図13に示すように、端末装置3-11のマルチホップ通信制御部32は、定期DIOメッセージを生成し(ステップS61)、第1通信部31へ出力する(ステップS62)。定期DIOメッセージは、通信状態に応じて経路を更新するために定期的に各端末装置3が報知するDIOメッセージである。第1通信部31は、DIOメッセージ(定期DIOメッセージ)をブロードキャストにより送信する(ステップS63)。
拡張端末装置4-2の第1通信部41は、DIOメッセージを受信するとマルチホップ通信制御部44へ出力し(ステップS64)、マルチホップ通信制御部44は、DIOメッセージを振分け部436へ出力する(ステップS65)。振分け部436は、DIOメッセージをNW制御部434へ出力する(ステップS66)。NW制御部434は、DIOメッセージを受け取ると、第1の通信方式で通信ができるようになった、すなわち第1の通信方式で集約装置2との間の通信を行うことが可能になったと判定する(ステップS67)。つまり、NW制御部434は、拡張端末装置4-2を経由しない端末装置3からDIOメッセージを受け取ったため、無線マルチホップネットワークに参加しかつ拡張端末装置4-2と第1の通信方式による通信(920MHz帯特小無線通信)を行うことが可能な端末装置3が存在することを把握する。
NW制御部434は、第2の通信方式の回線を切断する切断通知を生成し(ステップS68)、切断通知をヘッダ生成連結部432へ出力する(ステップS69)。切断通知は、例えば、上述したNW確認メッセージにおいて、接続可否情報を、接続不可を示す情報を格納したものであってもよいし、NW確認メッセージと同様の別のメッセージであってもよい。切断通知は、拡張端末装置4-2において図8および図9に示した例と同様にステップS18~S23が実施されることで、拡張端末装置4-1へ送信される。
図14に示すように、切断通知を受信した拡張端末装置4-1では、図9に示した例と同様にステップS24~S28が実施される。拡張端末装置4-1のNW制御部434は、切断通知を受けとると、切断処理を実施し(ステップS71)、切断完了通知を生成し(ステップS72)、切断完了通知をヘッダ生成連結部432へ出力する(ステップS73)。ステップS71の切断処理は、例えば、拡張端末装置4-2との間の第1の通信方式を用いた通信が無効であることを示す情報を保持する処理を含む。
また、拡張端末装置4-1のNW制御部434は、経路更新通知を生成し(ステップS74)、経路更新通知をマルチホップ通信制御部44へ出力する(ステップS75)。マルチホップ通信制御部44は、経路更新通知に基づいて経路更新を行う(ステップS76)。
また、ステップS72で生成された切断完了通知は、上述した図7、図8および図9と同様にステップS5~S15が実施されることで、拡張端末装置4-2のNW制御部434に伝達される。図15に示すように、拡張端末装置4-2のNW制御部434は、切断処理を実施する(ステップS81)。また、NW制御部434は、経路更新通知を生成し(ステップS82)、経路更新通知をマルチホップ通信制御部44へ出力する(ステップS83)。マルチホップ通信制御部44は、経路更新通知に基づいて経路更新を行う(ステップS84)。これにより、拡張端末装置4-2のマルチホップ通信制御部44が保持する経路情報では、上り経路における次ノードが端末装置3-11に設定される。以上の処理により、拡張端末装置4-1と拡張端末装置4-2との間の第2の通信方式の回線の切断、すなわちLTEの切断処理が行われ、以降、拡張端末装置4-2は、端末装置3-2,3-5,3-8~3-11を介して集約装置2と通信を行う。
次に、第2の方法および第3の方法の具体例について説明する。図16は、本実施の形態における中央装置1が起点となる第2の通信方式の回線の切断処理の一例を示すシーケンス図である。図16に示した例では、中央装置1が、第2の通信方式の回線を切断すると判定する(ステップS91)。例えば、中央装置1は、あらかじめ定められた切断条件を満たすと第2の通信方式の回線を切断すると判定する。第2の方法が採用される場合には、あらかじめ定められた切断条件は、管理者、オペレータなどによって第2の通信方式の回線の切断の指示が入力されるという条件である。第3の方法が採用される場合には、あらかじめ定められた切断条件は、第1の通信方式で拡張端末装置4-2が無線マルチホップネットワークに参加可能であるという条件である。
中央装置1は、切断通知を生成し(ステップS92)、切断通知を、集約装置2および端末装置3-2を介して拡張端末装置4-1へ送信する(ステップS93~S95)。拡張端末装置4-1は、切断通知を受信することで、図13に示した拡張端末装置4-2と同様にステップS67,S68を実施する。なお、ステップS68で生成する切断通知の内容は、中央装置1から送信された切断通知に相当するため、拡張端末装置4-1は、中央装置1から送信された切断通知を拡張端末装置4-2へ転送することになる。拡張端末装置4-1は、その後、図13、図15に示した拡張端末装置4-2と同様の動作を行い、拡張端末装置4-2は、図14に示した拡張端末装置4-1と同様の動作を行う。以降、拡張端末装置4-2は、端末装置3-2,3-5,3-8~3-11を介して集約装置2と通信を行う。なお、図14では、中央装置1は、拡張端末装置4-1へ切断通知を送信したが、これに限らず、拡張端末装置4-2へ切断通知を送信してもよい。
第3の方法が採用される場合の、あらかじめ定められた切断条件は、上述したように、第1の通信方式で拡張端末装置4-2が無線マルチホップネットワークに参加可能であるという条件である。これは、上述したように、例えば、中央装置1が、端末装置3および拡張端末装置4の位置に基づいて、拡張端末装置4が無線マルチホップネットワークに接続可能となったと判断してもよい。例えば、各拡張端末装置4と各端末装置3との設置位置を示す情報を中央装置1が保持しており、端末装置3が増設されると、または定期的に中央装置1は、拡張端末装置4の位置と端末装置3の位置と920MHz帯特小無線通信における通信可能範囲とを用いて、拡張端末装置4が920MHz帯特小無線通信で通信可能な範囲に、無線マルチホップネットワークに参加済の端末装置3が存在するかを判定する。このように、中央装置1は、端末装置3および拡張端末装置4の位置に基づいて、拡張端末装置4と集約装置2との間に他の拡張端末装置4を経由せず端末装置3を経由する通信経路が構築可能か否かを判断し、当該通信経路を構築可能と判断した場合に、切断通知を生成してもよい。
また、中央装置1は、上述したように、拡張端末装置4-2から通知された経路が拡張端末装置4-1を経由する経路から拡張端末装置4-1を経由しない経路に変更になった場合に、拡張端末装置4-2が無線マルチホップネットワークに接続可能になったと判断し、切断通知を生成してもよい。この判断は集約装置2によって行われてもよく、集約装置2が判断する場合には、集約装置2が拡張端末装置4-1または拡張端末装置4-2に切断通知を送信してもよいし、集約装置2が、拡張端末装置4-2の経路が変更になったことを中央装置1へ通知し、中央装置1が、拡張端末装置4-1または拡張端末装置4-2に切断通知を送信してもよい。
また、中央装置1は、第2の通信方式による通信を一時的に停止させている間に拡張端末装置4-1からデータを受信できる場合に、切断通知を生成してもよい。例えば、中央装置1は、拡張端末装置4間の一時的なLTEの停止(一時的な第2の通信方式の回線の切断)を指示し、LTEを用いずに、拡張端末装置4-2との間で経路を構築できた場合に、拡張端末装置4-2が無線マルチホップネットワークに接続可能であると判断してもよい。図17は、一時的な第2の通信方式の回線の切断を指示する場合の本実施の形態の処理の一例を示すシーケンス図である。中央装置1は、一時的な第2の通信方式の回線の切断を通知する一時切断通知を生成し(ステップS101)、一時切断通知を集約装置2および端末装置3-2を介して拡張端末装置4-1へ送信する(ステップS102~S104)。
拡張端末装置4-1は、一時切断通知を受信すると第2の通信方式の回線を切断する切断処理を行う(ステップS105)。これにより、拡張端末装置4-1は、拡張端末装置4-2との間の通信を停止する。
拡張端末装置4-2は、拡張端末装置4-1との間の通信不可と判定する(ステップS106)。拡張端末装置4-2は、図13のステップS61~S63と同様の処理により、端末装置3-11から定期DIOメッセージを受信する(ステップS107,S108)。拡張端末装置4-2は、定期DIOメッセージに基づいて経路変更を実施し(ステップS109)、上り経路通知を生成し(ステップS110)、上り経路通知を、変更後の上り経路の次ノードである端末装置3-11へ送信する(ステップS111)。端末装置3-11は、上り経路通知を、図示を省略するが端末装置3-10,3-9,3-8,3-5,3-2を介して集約装置2へ送信する(ステップS112)。集約装置2は、上り経路通知を受信すると、拡張端末装置4-2の経路が変更されたことを通知する上り経路変更通知を生成し(ステップS113)、上り経路変更通知を中央装置1へ送信する(ステップS114)。中央装置1は、上り経路変更通知を受信することで拡張端末装置4-2の経路が変更されたことを把握し、図16に示したステップS91を実施する。図示を省略するが、この後、図16と同様にステップS92以降の処理が実施される。なお、図17に示した例では、中央装置1が一時切断通知を送信したが、これに限らず、集約装置2が一時切断通知を送信してもよい。
以上のように、本実施の形態では、拡張端末装置4は、自ら無線マルチホップネットワークに接続可能なことを検知した場合、または、中央装置1、集約装置2または対向する拡張端末装置4から切断通知を受信すると、第2の通信方式の回線を切断する。すなわち、拡張端末装置4-2は、あらかじめ定められた停止条件が満たされた場合、第2の通信方式の通信を停止させる(無効化する)。あらかじめ定められた停止条件は、例えば、上述したように、第1の通信方式によってマルチホップネットワークへ参加する端末装置3からマルチホップネットワークにおける経路制御メッセージ(DIOメッセージ)を受信する条件である。また、あらかじめ定められた停止条件は、例えば、中央装置1、集約装置2または対向する拡張端末装置4などの他の装置から第2の通信方式による通信を停止させることを示す切断通知を受信するという条件であってもよく、これら以外の条件であってもよい。切断通知は、中央装置1によって生成されて送信されてもよく、集約装置2によって生成されて送信されてもよい。
また、拡張端末装置4は、第2の通信方式の回線を切断した後、920MHz帯特小無線通信が通信不可となった場合には、再び、第2の通信方式の回線を有効化して第2の通信方式の回線を用いた通信を行ってもよい。
図18は、第2の通信方式の回線を切断した後に第2の通信方式の回線を有効化する本実施の形態の処理の一例を示すシーケンス図である。図18に示すように、拡張端末装置4-2は、920MHz帯特小無線通信が通信不可であると判定する(ステップS115)と、第2の通信方式の回線を有効化することを拡張端末装置4-1へ通知する(ステップS116)。拡張端末装置4-2は、集約装置2との間の通信経路を、拡張端末装置4-2を経由する経路へ変更し、変更した経路を示す上り経路通知を生成し(ステップS117)、上り経路通知を、拡張端末装置4-1、端末装置3-2を介して集約装置2へ送信する(ステップS118~S120)。集約装置2は、上り経路通知を中央装置1へ送信する(ステップS121)。ステップS121で集約装置2から中央装置1へ送信される通知は上り経路変更通知であってもよい。
以上の処理により、第2の通信方式の回線を切断した後に920MHz帯特小無線通信が通信不可となった場合に、拡張端末装置4-2は、第2の通信方式の回線を用いた通信を行うことができる。
次に、本実施の形態の拡張端末装置4のハードウェア構成について説明する。本実施の形態の拡張端末装置4は、コンピュータシステムである処理回路上で、拡張端末装置4における処理が記述されたコンピュータプログラムであるプログラムが実行されることにより、拡張端末装置4のプロトコル変換処理部43、マルチホップ通信制御部44およびアプリケーション処理部45の機能が実現される。図19は、本実施の形態の拡張端末装置4を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図19に示すように、このコンピュータシステムは、処理回路を構成する制御部101および記憶部102と、第1通信装置103と、第2通信装置104とを備え、これらはシステムバスを介して接続されている。第1通信装置103は、例えばアンテナと通信回路とで構成される受信機および送信機である。第2通信装置104は、例えばアンテナと通信回路とで構成される受信機および送信機であるが、有線通信を行う場合には、アンテナは備えない。
図19において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、本実施の形態の拡張端末装置4における処理が記述されたプログラムを実行する。なお、制御部101の一部が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用ハードウェアにより実現されてもよい。記憶部102は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ、などを記憶する。また、記憶部102は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。なお、図19は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図19の例に限定されない。
ここで、本実施の形態のプログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、コンピュータプログラムが記憶部102にインストールされる。そして、プログラムの実行時に、記憶部102から読み出されたプログラムが記憶部102の主記憶領域に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部102に格納されたプログラムに従って、本実施の形態の拡張端末装置4としての処理を実行する。
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、拡張端末装置4における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、第1通信装置103または第2通信装置104を経由して伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
本実施の形態の通信プログラムは、例えば、拡張端末装置4に、集約装置2を親局とするマルチホップネットワークにおけるマルチホップ通信の制御を行うステップと、第1の通信方式によって端末装置3から端末装置3を管理する集約装置2宛てのデータである上りデータを受信すると、上りデータに対して第1の通信方式から第1の通信方式とは異なる第2の通信方式へのプロトコル変換を行うステップと、プロトコル変換後の上りデータをマルチホップネットワークにおける集約装置2に向かう上り経路上の次ノードである対向装置へ第2の通信方式で送信するステップと、あらかじめ定められた停止条件が満たされると、第2の通信方式による通信を停止させるステップと、を実行させる。
図4に示したプロトコル変換処理部43、マルチホップ通信制御部44およびアプリケーション処理部45は、図19に示した記憶部102に記憶されたコンピュータプログラムが図19に示した制御部101により実行されることにより実現される。図4に示したプロトコル変換処理部43、マルチホップ通信制御部44およびアプリケーション処理部45の実現には、図19に示した記憶部102も用いられる。図4に示した第1通信部41は、図19に示した第1通信装置103により実現され、図4に示した第2通信部42は、図19に示した第2通信装置104により実現される。
端末装置3は、例えば、図19に示した構成要素のうち、処理回路を構成する制御部101および記憶部102と、第1通信装置103とで実現される。集約装置2は、例えば、図19に示した構成要素のうち、処理回路を構成する制御部101および記憶部102と、第1通信装置103と、図示しない第3通信装置とで実現される。中央装置1は、図19に示した構成要素のうち、処理回路を構成する制御部101および記憶部102と、図示しない第3通信装置とで実現される。なお、中央装置1は、サーバなどであってもよく、複数のコンピュータシステムで実現されてもよく、クラウドコンピューティングシステムにより実現されてもよい。
以上のように、本実施の形態では、すなわち、拡張端末装置4-2は、あらかじめ定められた停止条件が満たされた場合、第2の通信方式の通信を停止させる。これにより、運用の効率化を図ることができる。
実施の形態2.
図20は、実施の形態2にかかる通信システムの第1の状態の構成例を示す図である。実施の形態2の通信システム7aは、集約装置2および中央装置1の代わりに、中央装置1aを備え、端末装置3-1~3-7の代わりに端末装置3-12~3-21を備える以外は、実施の形態1の通信システム7と同様である。中央装置1aは、拡張集約装置2aを備える。端末装置3-12~3-21のそれぞれは、実施の形態1の端末装置3-1~3-7のそれぞれと同様であり、端末装置3-12~3-21を個別に区別せずに示すときには、端末装置3と記載する。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。拡張端末装置4-1,4-2は本実施の形態の第1の装置の一例であり、拡張集約装置2aは本実施の形態の第2の装置の一例である。
端末装置3-12~3-16を1つのグループとし、端末装置3-17~3-21を別のグループとすると、図20に示した例では、各端末装置3は、グループ内では周辺の他の端末装置3と通信を行うことができるが、グループの異なる端末装置3間では通信を行うことができない。このため、このままでは端末装置3-12~3-21を1つの集約装置の配下とすることは困難である。本実施の形態では、各グループ内に拡張端末装置4を設置し、拡張端末装置4と拡張集約装置2aとが、端末装置3間で使用されている無線通信方式とは別の他の通信方式で通信を行い、プロトコル変換を行うことで、端末装置3-12~3-21を1つの拡張集約装置2aの配下とすることができる。例えば、ある程度の端末装置3の数が集まっている箇所が複数存在する場合、これらの全ての箇所に集約装置を設けると、集約装置が収容可能な最大数に比べて端末装置3の数がかなり少ない場合には、コスト面で効率的ではない。本実施の形態では、拡張集約装置2aが、複数の箇所の端末装置3を収容することができるため、コストを抑制することができる。なお、図20では、2つのグループが図示されているが、3つ以上のグループが存在してもよく、この場合には各グループに拡張端末装置4が設置される。
本実施の形態では、中央装置1aは、図20では図示を省略しているが実施の形態1の中央装置1と同様に第3通信部11およびアプリケーション処理部12を備える。本実施の形態では、中央装置1aは、さらに拡張端末装置4向けの集約装置である拡張集約装置2aを備える。拡張集約装置2aは、第1の通信方式により無線通信を行うことが可能な複数の端末装置3とマルチホップネットワークを構築可能なマルチホップネットワークの親局となる集約装置である。拡張集約装置2aは、920MHz帯特小無線通信以外の他の通信方式による第2回線6aにより拡張端末装置4-1,4-2とそれぞれ接続される。第2回線6aは、LTEなどの携帯電話網であってもよいし、携帯電話網と光回線などの有線回線との組み合わせであってもよいし、有線回線であってもよい。また、図示は省略するが、中央装置1aは、拡張集約装置2a以外の集約装置、例えば実施の形態1で述べた集約装置2と通信を行うことで、検針データの収集などを行ってもよい。
図21は、本実施の形態の拡張集約装置2aの構成例を示す図である。図21に示すように、拡張集約装置2aは、実施の形態1の集約装置2と同様の第3通信部22、マルチホップ通信制御部23およびアプリケーション処理部24を備え、さらにプロトコル変換処理部25を備える。本実施の形態の第3通信部22は、第1の通信方式とは異なる第2の通信方式で通信を行う第2通信部の一例である。プロトコル変換処理部25は、送受信制御部251、ヘッダ生成連結部252、ヘッダ分割解析部253、NW制御部254、情報記憶部255および振分け部256を備える。送受信制御部251、ヘッダ生成連結部252、ヘッダ分割解析部253、NW制御部254、情報記憶部255および振分け部256の機能は、それぞれ送受信制御部431、ヘッダ生成連結部432、ヘッダ分割解析部433、NW制御部434、情報記憶部435および振分け部436の機能と同様である。
第2回線6aのうち拡張集約装置2aが接続される回線が、中央装置1aが第3通信部11を用いて通信を行う通信回線と同様のIPネットワークであるとすると、中央装置1aに、拡張集約装置2aのための新たな通信回線を導入する必要がない。以下では、拡張端末装置4-1,4-2はLTEにより通信を行うことでIPネットワークに接続し、拡張集約装置2aがIPネットワークに接続される例を説明するが、通信回線はこの例に限定されない。
図20に示した通信システム7aにおいても、拡張端末装置4-1と中央装置1aとの間に端末装置3が増設されることにより拡張端末装置4-1が中央装置1aの拡張集約装置2aと920MHz帯特小無線通信を用いた経路を構築することが可能になった場合に、実施の形態1と同様に、第2の通信方式の回線である第2回線6aの切断処理を行ってもよい。同様に、拡張端末装置4-2と中央装置1aとの間に端末装置3が増設されることにより拡張端末装置4-2が中央装置1aの拡張集約装置2aと920MHz帯特小無線通信を用いた経路を構築することが可能になった場合に、実施の形態1と同様に、第2の通信方式の回線である第2回線6aの切断処理を行ってもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。