JP7292132B2 - 衛星制御装置、観測システム、観測方法、および観測プログラム - Google Patents
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Description
また、中高度軌道(MEO:Medium Earth Orbit)に衛星を配置する方策がある。しかし、単純な円軌道では軌道高度によっては、十数機以上の衛星が必要となる。
前記複数の衛星の各々の軌道が楕円軌道であり、摂動による近地点引数の移動が無いような軌道傾斜角を有し、1日の周回数が概ね整数となる軌道長半径を有するものとして、
前記複数の衛星の数および配置条件と、前記観測地域を表す座標情報と、前記観測地域を観測する観測時間帯と、前記観測地域と前記観測地域を観測する際の衛星位置との相対的な位置関係とを含む観測条件を取得し、前記観測時間帯を前記複数の衛星に分散させ、年間を通して前記複数の衛星の平均近点角のオフセット量の調整を行うことで、前記複数の衛星による観測が前記観測地域に対する前記観測時間帯において前記観測条件を満たすように、前記複数の衛星の各々の軌道と前記軌道における配置とを目標軌道情報として演算する目標軌道演算部と、
前記複数の衛星の各々の目標軌道情報に従って、前記複数の衛星の各々に対する制御量を演算する制御量演算部と
を備えた。
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る観測システム500の構成を示す図である。
図2は、本実施の形態に係る衛星130の構成を示す図である。
観測システム500は、衛星制御装置100と複数の衛星130とを備える。衛星制御装置100と衛星130とは、衛星制御装置100の通信装置950および衛星130の衛星通信装置131を介して通信する。観測システム500は、各々が観測装置135と姿勢軌道制御装置133と推進装置134とを搭載した複数の衛星130により、観測地域201(図5参照)を観測する。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing
Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
観測プログラムは、上記の目標軌道演算部110と制御量演算部120の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程を、コンピュータに実行させる。また、観測方法は、衛星制御装置100が観測プログラムを実行することにより行われる方法を含む。
観測プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体あるいは記憶媒体に格納されて提供されてもよい。また、観測プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
衛星130は、人工衛星である。衛星130は、例えば、観測衛星である。衛星130は、衛星通信装置131、コマンドデータ処理装置132、姿勢軌道制御装置133、推進装置134、観測装置135、およびミッションデータ処理装置136といった装置を備える。
推進装置134は、衛星130の速度を変化させるための装置である。具体的には、推進装置134は化学燃料スラスタもしくは電気推進スラスタである。例えば、推進装置134は、ヒドラジンスラスタ、イオンエンジンまたはホールスラスタである。
衛星通信装置131は、コマンドを受信し、観測データを送信するための装置である。コマンドは、地上から送信される信号であり、コマンドデータ処理装置132を経由して、データもしくは制御信号として、姿勢軌道制御装置133あるいは観測装置135に伝達される。観測データは、観測装置135が行う観測によって得られるデータであり、ミッションデータ処理装置136を経由して、衛星通信装置131を用いて地上もしくはデータ中継衛星に送信される。例えば、観測データは、観測地域が映った画像である。
また、姿勢軌道制御装置133は、GPSR(Global Positioning
System Receiver)とコントローラとを備える。具体的には、アクチュエータは、姿勢・軌道制御スラスタである。コントローラは、姿勢センサ、GPSRの計測データ、または地球からの制御コマンドに基づいて制御プログラムを実行し、姿勢と推進装置134を制御することで、軌道制御を行う。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納される制御プログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
専用のハードウェアは、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。
FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
制御量演算部120が算出した増減速量および制御タイミングは、通信装置950、例えば地上局のアンテナを経由して、コマンドとして各衛星130に送信される。送信された増減速量および制御タイミングは、衛星130の衛星通信装置131で受信される。そして、増減速量および制御タイミングは、姿勢軌道制御装置133に伝達され、各衛星130の軌道制御が行われる。
なお、目標軌道演算部110および制御量演算部120については、その片方もしくは両方が、衛星130に搭載される装置の機能として実現され、複数の衛星130が相互に協調することで、観測システム500の動作を実現してもよい。
まず、図3、図4、および図5に基づいて、観測システム500における複数の衛星130を用いて良好な観測条件を維持する方策について説明する。
図3は、楕円軌道200と観測地域の関係性について説明する図である。
図4は、衛星130の位相と観測時刻の関係性について説明する図である。
図5は、本実施の形態に係る複数の衛星130による観測システム500の概念を示す図である。
衛星130から観測地域201を観測する場合、衛星130から観測地域201に向けた視線が、観測地域201において、一定以上の衛星仰角を確保する必要がある。一定以上の衛星仰角を確保することにより、良好な条件での観測を行うことができる。このため、衛星130と観測地域201の位置関係に応じて、観測可否および観測条件は1日の中で変化する。図3の右図において、☆印204の時点では、衛星130から観測地域201が観測されている状態を示す。また、★印205の時点では、衛星130から観測地域201が観測されていない状態を示している。よって、図3の右図の状況では、衛星130は観測地域201を9:00から15:00まで観測できることになる。
例えば、当初の軌道面に対してLSTが約4時間分(60°分)ずれたことを仮定する。このとき、楕円軌道200の軌道面および衛星130の軌道面上の通過時刻、すなわち位相を不変とした場合、配置301のように、観測地域201と衛星130との時々刻々の位置関係にずれが生じ、良好な条件での観測が困難となる。
これに対し、配置302のように、衛星130の軌道面上の通過時刻(位相)を調整することで、地球公転に伴うLSTのずれを吸収し、仰角の大きい良好な条件での観測を維持することができる。
図5では、3機の衛星130を用いて、図3および図4に示した楕円軌道200の軌道面を120°ずらして3つ配置した状況を、赤道面に垂直な方向(北極方向)から見た様子を示している。
衛星位置情報52は、現在の衛星130の軌道位置および速度といった情報を含む。
観測条件51は、観測地域201の観測時間帯207における観測の観測性を良好にするための条件である。観測条件51は、複数の衛星130の数および配置条件と、観測地域201を表す座標情報と、観測地域201を観測する観測時間帯207と、観測地域201と観測地域201を観測する際の衛星位置との相対的な位置関係とを含む。観測地域201の良好な観測性を示す相対的な位置関係は、具体的には、観測地域201を観測する際の観測地域201からの衛星の仰角である衛星仰角である。あるいは、観測地域201の良好な観測性を示す相対的な位置関係として、観測地域と衛星との距離だけを用いてもよく、その他の指標を用いても構わない。また、目標軌道演算部110は、観測条件51として、観測地域201に対する観測時間帯207における観測の分解能を用いてもよい。
図5で説明したように、目標軌道演算部110は、観測地域201の観測時間帯207において、複数の衛星のうちいずれかの衛星130が観測条件51を満たすように、目標軌道情報53を演算する。目標軌道演算部110は、複数の衛星のうちいずれかの衛星130が観測条件51を満たすために、複数の衛星130の各々の観測地域201に対する通過時間帯を調整した目標軌道情報53を演算する。
基準となる衛星群の軌道条件が与えられ、所望の観測条件51が与えられると、目標軌道演算部110は、衛星群の位相調整(平均近点角のオフセット量調整)量を演算する。ここで、位相調整量とは、平均近点角のオフセット量調整量である。目標軌道演算部110は、長期間に渡って軌道制御を行うことを踏まえ、消費推薬の観点から定常的に軌道面内における制御を行うことを前提として、衛星群の位相調整量を演算する。
位相調整量の演算においては、基準時点の基準軌道に対する位相調整量p(t)、定常的なドリフト成分pbaseと、年間を通しての周期的なオフセット変動成分poffsetに分離し、以下の式1のように設定する。
(式1)p(t)=pbase+poffset
(式2)pbase(t)=360×(Nsat-1)×t[deg/year]
ドリフト成分pbaseをこのように設定することで、観測地域201の地球公転による軌道配置との位置関係の変動による観測タイミングのずれを一定の範囲で抑制することができる。また、このドリフト成分は、一定変動であることから、衛星の推進装置を使用する能動的な軌道制御を実施せず、一定の軌道高度オフセットを設定するのみで実現可能である。
オフセット変動成分poffsetは、周期関数として定義することができる。その関数形状は、「観測地域の良好な観測性」をもたらすように、任意に決めることができる。
「観測地域の良好な観測性」について、図7を用いて説明する。図7のグラフに示す実線501、破線502、および点線503は、それぞれ観測システム500に含まれる3機の衛星130の、観測地域に対する1日の衛星仰角の変動を示している。一点鎖線504,505は、光学センサといったセンサで日中に観測することを踏まえたときの所望の観測時間帯の開始時刻と終了時刻である。ここでは、観測時間帯は、6:00から18:00である。一点鎖線506は「観測地域の良好な観測性」の定義における衛星仰角の下限である。また、太線507は、所望の観測時間帯における各衛星仰角(実線501、破線502、および点線503)の最大値である。
よって、図7の条件では、太線507を、6:00から18:00の範囲内で、衛星仰角を50°以上で極力高くなるように、かつ、それが年間を通して継続されるように、位相調整量p(t)を算出することが求められる。
poffsetを、観測地域201と軌道配置とのずれ角に応じて0°から360°の範囲で、周期性を持たせたRBF(Radial Basis Function)ネットワークとして定義する。そして、個々の放射基底関数の係数を最適化計算によって、決定する生成方法が挙げられる。最適化における評価関数は「観測地域の良好な観測性」を表現するものとする必要があり、例えば、以下の数1のような評価関数を設定する。
また、「観測地域の良好な観測性」を表現する評価関数として、所望の観測時刻範囲における複数衛星の最大衛星仰角を用いることも、実現例の1つである。VyearおよびVdayの算出においては、複数衛星の最小GSD(Ground Sample Distance)あるいは複数衛星と観測地域の距離といった別の指標を用いても良い。
上述の説明は、楕円軌道200が慣性空間上に固定された状態を仮定しており、年間を通して、軌道配置に対して、地球が360°回転することを想定している。しかしながら、実際に衛星を楕円軌道200に配置した場合、図8に示すように、主に地球扁平性に起因する摂動の影響により、昇交点赤経が年間を通して、-80°程度移動する。このため、年間を通して、軌道配置に対して、地球が(360+80)°程度回転することになり、上述の方策を単に適用したのみでは、年間を通しての「観測地域の良好な観測性」の維持は困難となる。しかしながら、このような摂動による昇交点赤経の変動を考慮して、位相調整制御を、約(360+80)/360倍に早めてやることで、変動の影響を吸収し、観測条件を維持することができる。このとき、365日×360/(360+80)=約299日ごとに、太陽との軌道配置の相対関係が0日時点のものと同じ状態に戻ることになる。
なお、このような昇交点赤経の変動分の補正は、上記説明において仮定した楕円軌道200に限らず、軌道に応じた量を設定することが可能である。
図9は、本実施の形態に係る観測システム500による軌道配置を示す図であり、3機の衛星130を日周回数3の楕円軌道に配置した状態を示す図である。
図10は、本実施の形態の実現例であり、図9の軌道配置に対して、RBFネットワークを用いて求めた位相調整量の周期的なオフセット変動成分を示す図である。
図11は、本実施の形態の実現例であり、図9の軌道配置に対して、図10の周期的なオフセット変動成分を取り込んだ、各衛星の位相調整量を示す図である。
図12は、本実施の形態の実現例であり、図9の軌道配置に対して、図10の位相調整量に基づく位相制御を行った場合の「1日の衛星仰角変動」を1年間分示した図である。
図13は、本実施の形態に対する比較対象であり、図9の軌道配置に対して、図10の位相調整量の内の「ドリフト成分のみ」に基づく位相制御を行った場合の「1日の衛星仰角変動」を1年間分示した図である。
続いて、図10および図11に、図9の軌道配置に対する、周期的なオフセット変動成分の算出結果およびこれを取り込んだ各衛星の位相調整量を示す。図10において、点線701はRBFネットワークを構成する放射基底関数である。実線702は、結果として構成された周期的なオフセット変動成分である。また、図11において、点線801,802,803は、各衛星の定常的なドリフト成分pbaseであり、実線804,805,806は、ドリフト成分にオフセット成分を加えた各衛星の位相調整量p(t)である。
図14は、本実施の形態の実現例であり、4機の観測衛星を日周回数4の楕円軌道に配置した状態、および、配置に対して算出した各衛星の位相調整量を示す図である。
図15は、本実施の形態の実現例であり、図14の軌道配置および位相調整量に基づく位相制御を行った場合の「1日の衛星仰角変動」を1年間分示した図である。
図17は、本実施の形態の実現例であり、図16の軌道配置および位相調整量に基づく位相制御を行った場合の「1日の衛星仰角変動」を1年間分示した図である。
<変形例1>
本実施の形態に係る衛星制御装置は、監視制御装置でもよい。監視制御装置は、目標軌道演算部に相当する演算を事前に実施し、演算された目標軌道プロファイルに基づいて軌道制御を行ってもよい。
また、監視制御装置の実現例として、3機の観測衛星を日周回数3の楕円軌道に、昇交点赤経が均等となるように配置する。そして、目標軌道演算部に従って、観測時間帯における複数の衛星で実現される監視時間を増加させるように軌道を制御する。
また、監視制御装置の実現例として、4機の観測衛星を日周回数4の楕円軌道に、昇交点赤経が均等となるように配置する。そして、目標軌道演算部に従って、観測時間帯における複数の衛星で実現される監視時間を増加させるように軌道を制御する。
また、監視制御装置の実現例として、5機の観測衛星を日周回数4の楕円軌道に、昇交点赤経が均等となるように配置する。そして、目標軌道演算部に従って、観測時間帯における複数の衛星で実現される監視時間を増加させるように軌道を制御する。
本実施の形態では、目標軌道演算部110と制御量演算部120の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、目標軌道演算部110と制御量演算部120の機能がハードウェアで実現されてもよい。
電子回路は、目標軌道演算部110と制御量演算部120の機能を実現する専用の電子回路である。
電子回路は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。
目標軌道演算部110と制御量演算部120の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
別の変形例として、目標軌道演算部110と制御量演算部120の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
本実施の形態に係る観測システムでは、衛星群の配置条件、観測地域に係る入力条件に基づいて、衛星群の目標軌道条件を生成し、能動的に衛星群の軌道を制御する。よって、本実施の形態に係る観測システムによれば、地上の所定の地域の、所定の時間帯における観測性を向上させ、1年を通して良好な条件での観測を実現する。また、本実施の形態に係る観測システムによれば、光学センサを搭載した衛星を複数用いて、所定の地域を日中時間帯にかけて連続観測することができる連続観測装置を実現できる。また、レーダセンサを搭載した衛星を複数用いて、所定の地域を夜間時間帯にかけて連続観測することができる連続観測装置を実現することができる。
また、本実施の形態に係る観測システムでは、観測地域の観測時間帯における、複数の衛星のうちのいずれかの観測条件が良好となるように、衛星のそれぞれの観測地域に対する通過タイミングを調整するための軌道制御目標値を算出する。
また、本実施の形態に係る観測システムでは、衛星の観測条件が良好となる指標として、衛星の観測地域に対する観測時間帯における観測入射角もしくは分解能を用いる。
また、本実施の形態に係る観測システムでは、衛星の観測条件が良好となる目標軌道演算のために、指標を用いた最適化計算を用いる。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、この実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
衛星通信装置、132 コマンドデータ処理装置、133 姿勢軌道制御装置、134
推進装置、135 観測装置、136 ミッションデータ処理装置、137 電源装置、200 軌道、201 観測地域、202 赤道、207 観測時間帯、500 観測システム、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、950 通信装置。
Claims (12)
- 観測地域を観測する複数の衛星を制御する衛星制御装置において、
前記複数の衛星の各々の軌道が楕円軌道であり、摂動による近地点引数の移動が無いような軌道傾斜角を有し、1日の周回数が概ね整数となる軌道長半径を有するものとして、
前記複数の衛星の数および配置条件と、前記観測地域を表す座標情報と、前記観測地域を観測する観測時間帯と、前記観測地域と前記観測地域を観測する際の衛星位置との相対的な位置関係とを含む観測条件を取得し、前記観測時間帯を前記複数の衛星に分散させ、年間を通して前記複数の衛星の平均近点角のオフセット量の調整を行うことで、前記複数の衛星による観測が前記観測地域に対する前記観測時間帯において前記観測条件を満たすように、前記複数の衛星の各々の軌道と前記軌道における配置とを目標軌道情報として演算する目標軌道演算部と、
前記複数の衛星の各々の目標軌道情報に従って、前記複数の衛星の各々に対する制御量を演算する制御量演算部と
を備えた衛星制御装置。 - 前記制御量を前記複数の衛星の各々に送信する通信装置をさらに備える請求項1に記載の衛星制御装置。
- 前記複数の衛星の各々の軌道は、軌道傾斜角が概ね63.4°であり、近地点引数が概ね270°である請求項1または請求項2に記載の衛星制御装置。
- 前記目標軌道演算部は、
前記観測地域の前記観測時間帯において、前記複数の衛星のうちいずれかの衛星が前記観測条件を満たすように、前記複数の衛星の各々の前記観測地域に対する通過時間帯を調整した前記目標軌道情報を演算する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の衛星制御装置。 - 前記目標軌道演算部は、
前記観測条件として、前記観測時間帯における前記観測地域を観測する際の前記観測地域からの衛星の仰角である衛星仰角、もしくは、前記観測地域に対する前記観測時間帯における観測の分解能を用いる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の衛星制御装置。 - 前記目標軌道演算部は、
前記観測条件に含まれる情報を指標として用いた最適化計算を実行し、前記目標軌道情報を演算する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の衛星制御装置。 - 前記目標軌道演算部は、
昇交点赤経が均等となるように配置された日周回数3の3つの楕円軌道に配置された3機の衛星を前記複数の衛星として、前記3機の衛星の各々の前記目標軌道情報を演算する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の衛星制御装置。 - 前記目標軌道演算部は、
昇交点赤経が均等となるように配置された日周回数4の4つの楕円軌道に配置された4機の衛星を前記複数の衛星として、前記4機の衛星の各々の前記目標軌道情報を演算する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の衛星制御装置。 - 前記目標軌道演算部は、
昇交点赤経が均等となるように配置された日周回数4の5つの楕円軌道に配置された5機の衛星を前記複数の衛星として、前記5機の衛星の各々の前記目標軌道情報を演算する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の衛星制御装置。 - 各々が観測装置と姿勢軌道制御装置と推進装置とを搭載した複数の衛星により、観測地域を観測する観測システムにおいて、
前記複数の衛星の各々の軌道が楕円軌道であり、摂動による近地点引数の移動が無いような軌道傾斜角を有し、1日の周回数が概ね整数となる軌道長半径を有するものとして、
前記複数の衛星の数および配置条件と、前記観測地域を表す座標情報と、前記観測地域を観測する観測時間帯と、前記観測地域と前記観測地域を観測する際の衛星位置との相対的な位置関係とを含む観測条件を取得し、前記観測時間帯を前記複数の衛星に分散させ、年間を通して前記複数の衛星の平均近点角のオフセット量の調整を行うことで、前記複数の衛星による観測が前記観測地域に対する前記観測時間帯において前記観測条件を満たすように、前記複数の衛星の各々の軌道と前記軌道における配置とを目標軌道情報として演算する目標軌道演算部と、
前記複数の衛星の各々の目標軌道情報に従って、前記複数の衛星の各々に対する制御量を演算する制御量演算部と
を備え、
前記複数の衛星の各々の前記姿勢軌道制御装置は、
前記制御量に基づいて前記推進装置と前記観測装置を制御する観測システム。 - 観測地域を観測する複数の衛星を制御する衛星制御装置の観測方法において、
前記複数の衛星の各々の軌道が楕円軌道であり、摂動による近地点引数の移動が無いような軌道傾斜角を有し、1日の周回数が概ね整数となる軌道長半径を有するものとして、
目標軌道演算部が、前記複数の衛星の数および配置条件と、前記観測地域を表す座標情報と、前記観測地域を観測する観測時間帯と、前記観測地域と前記観測地域を観測する際の衛星位置との相対的な位置関係とを含む観測条件を取得し、前記観測時間帯を前記複数の衛星に分散させ、年間を通して前記複数の衛星の平均近点角のオフセット量の調整を行うことで、前記複数の衛星による観測が前記観測地域に対する前記観測時間帯において前記観測条件を満たすように、前記複数の衛星の各々の軌道と前記軌道における配置とを目標軌道情報として演算し、
制御量演算部が、前記複数の衛星の各々の目標軌道情報に従って、前記複数の衛星の各々に対する制御量を演算する観測方法。 - 観測地域を観測する複数の衛星を制御する衛星制御装置の観測プログラムにおいて、
前記複数の衛星の各々の軌道が楕円軌道であり、摂動による近地点引数の移動が無いような軌道傾斜角を有し、1日の周回数が概ね整数となる軌道長半径を有するものとして、
前記複数の衛星の数および配置条件と、前記観測地域を表す座標情報と、前記観測地域を観測する観測時間帯と、前記観測地域と前記観測地域を観測する際の衛星位置との相対的な位置関係とを含む観測条件を取得し、前記観測時間帯を前記複数の衛星に分散させ、年間を通して前記複数の衛星の平均近点角のオフセット量の調整を行うことで、前記複数の衛星による観測が前記観測地域に対する前記観測時間帯において前記観測条件を満たすように、前記複数の衛星の各々の軌道と前記軌道における配置とを目標軌道情報として演算する目標軌道演算処理と、
前記複数の衛星の各々の目標軌道情報に従って、前記複数の衛星の各々に対する制御量を演算する制御量演算処理と
をコンピュータである前記衛星制御装置に実行させる観測プログラム。
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