JP7291565B2 - フォーカスデマンド - Google Patents
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また、特許文献2に記載の手法では、ポインティングデバイスで拡大領域を指定するのでカメラ操作が複雑化し、拡大領域がビューファインダに重畳されるので、撮影映像の視認性が低下するという問題がある。
そこで、ピーキング信号や拡大領域といった視覚情報によらずにレンズのフォーカス調整を支援する手法が強く要望されている。
制御部は、各振動部を振動させるフォーカス範囲である振動フォーカス範囲の一部が重複するように振動部毎に予め設定されている。そして、制御部は、フォーカス位置情報の現フォーカス位置を含んでいる振動フォーカス範囲に対応した振動部を1個以上振動させる。つまり、制御部は、振動させる振動部の個数や位置により、レンズの現フォーカス位置を外部に伝える。
振動部は、カメラマンの回転操作に関わらず静止するように筐体の所定位置に収容され、現フォーカス位置が合焦位置の手前側で振動する手前側用振動部と、現フォーカス位置が合焦位置の付近で振動する合焦位置用振動部と、現フォーカス位置が合焦位置の奥側で振動する奥側用振動部と、を備える。
制御部は、手前側用振動部及び合焦位置用振動部を振動させる振動フォーカス範囲の一部が重複し、奥側用振動部及び合焦位置用振動部を振動させる振動フォーカス範囲の一部が重複し、合焦位置用振動部を振動させるフォーカス範囲に合焦位置が含まれるように予め設定される。
フォーカスデマンドは、カメラマンがカメラワークを行うためのバーハンドルの一端に取り付けられる。
以下、本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の手段には同一の符号を付し、説明を省略した。
第1実施形態では、フォーカス調整支援装置が、カメラシステム1(図1)のフォーカスデマンド4に内蔵されていることとして説明する。
図1及び図2を参照し、第1実施形態に係るカメラシステム1の構成を説明する。
カメラシステム1は、4Kや8Kといった高精細映像(撮影映像)を撮影するものであり、図1に示すように、撮影カメラ2と、レンズ3と、フォーカスデマンド(フォーカス調整支援装置)4と、ビューファインダ5と、雲台6とを備える。
撮影カメラ2は、高精細な撮影映像を撮影する一般的なカメラである。本実施形態では、撮影カメラ2が、放送用の高精細カメラであることとする。また、撮影カメラ2は、前面にレンズ3がマウントされ、上面にビューファインダ5が取り付けられ、雲台6に搭載されている。ビューファインダ5は、カメラマンが撮影映像を確認するために、撮影映像が縮小されたビューファインダ映像を表示する。雲台6は、搭載した撮影カメラ2がパン、チルト、ズーム等のカメラワークを行えるように可動し、カメラワークを容易にするためのバーハンドル60を備える。
撮像素子20は、レンズ3からの光を電荷に変換するものである。この撮像素子20は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)等の一般的な撮像素子である。また、撮像素子20は、画素上に空間的な位相情報を生成するための遮光スリットを設けた像面位相差画素を備えてもよい。
プロセス部21は、撮像素子20が変換した電荷を電気信号(画像データ)に変換し、撮影映像を生成する一般的な画像エンジンである。
映像出力部22は、プロセス部21が生成した撮影映像を撮影カメラ2の外部に出力するものである。また、映像出力部22は、撮影映像を縮小したビューファインダ映像を生成し、生成したビューファインダ映像をビューファインダ5に出力する。
光学系30は、被写体からの光を撮像素子20に導くものであり、1枚以上のレンズで構成されている。なお、図2では、図面を見やすくするため、光学系30を1枚の凸レンズとして図示した。
フォーカス制御機構31は、レンズ3のフォーカス位置を制御するものである。本実施形態では、フォーカス制御機構31は、制御部42からのフォーカス制御信号に従って、光学系30を駆動する。
フォーカスデマンド4は、カメラマンが撮影カメラ2のフォーカス操作を行うと共に、カメラマンによるレンズ3のフォーカス調整を支援するものである。図1に示すように、フォーカスデマンド4は、バーハンドル60の一端に取り付けられており、ケーブルを介して、撮影カメラ2と接続されている。フォーカスデマンド4は、カメラマンが時計回り又は反時計回りに回転させると、その回転方向及び回転量に応じたフォーカス制御信号を撮影カメラ2に出力する。また、フォーカスデマンド4は、カメラマンが回転操作を行い易くなるように、筐体40の外周側に突出した突起40Aを3本備える。さらに、フォーカスデマンド4は、レンズ3の現フォーカス位置に応じて振動することで、カメラマンによるレンズ3のフォーカス調整を支援する。
なお、図3(b)では、図面を見やすくするために、振動モータ41及び制御部42を接続する信号線の図示を省略した。
なお、フォーカスデマンド4の回転方向(時計回り、反時計回り)とフォーカス位置の移動方向(手前側、奥側)との関係は、これに限定されない。
中央の振動モータ41を合焦位置用の振動モータ(合焦位置用振動部)41Cとする。この振動モータ41Cは、振動により、レンズ3の現フォーカス位置が合焦位置の付近であることをカメラマンに伝える。
右側の振動モータ41を奥側用の振動モータ(奥側用振動部)41Fとする。この振動モータ41Fは、振動により、レンズ3の現フォーカス位置が合焦位置の奥側(後ピン)であることをカメラマンに伝える。
図4を参照し、振動モータ41の駆動タイミングについて説明する。
図4上段の縦軸が位相情報を表し、横軸が時間を表す。ここでは、位相情報は、撮像素子20に設けられた像面位相差画素から取得した、複数の画像のズレ量から算出することとする。この場合、位相情報が画素単位で表されるため、振動フォーカス範囲も画素単位となる。位相の正負はフォーカス位置のズレ方向を示しており、負が前ピンを示し、正が奥ピンを示す。また、振動モータ41N,41C,41Fが振動しているタイミングを41N,41C,41Fと図示した。また、図4下段には、フォーカスデマンド4の回転方向を図示した。
振動モータ41N:-2.0画素~-0.5画素
振動モータ41C:-1.0画素~+1.0画素
振動モータ41F:+0.5画素~+2.0画素
時刻t2において、位相が-1.0画素になるので、制御部42は、振動モータ41Nに加え、振動モータ41Cも振動させる。この場合、カメラマンは、振動モータ41N,41Cの両方が振動しているので、レンズ3の現フォーカス位置が合焦位置に近づいていると判断できる。
時刻t4において、位相が+0.5画素になるので、制御部42は、振動モータ41Cに加え、振動モータ41Fも振動させる。この場合、カメラマンは、振動モータ41C,41Fの両方が振動しているので、レンズ3の現フォーカス位置が合焦位置から遠ざかっていると判断できる。
時刻t6において、位相が+2.0画素を超えるので、制御部42は、振動モータ41Fの振動を停止させる。この場合、カメラマンは、振動モータ41が一つも振動していないので、レンズ3の現フォーカス位置が合焦位置から大きく外れていると判断できる。従って、カメラマンが、ビューファインダ5を確認し、フォーカスデマンド4を反時計回りに回転させて、フォーカス位置を手前側に移動させることとする。
時刻t7において、位相が+2.0画素になるので、制御部42は、振動モータ41Fのみを振動させる。この場合、カメラマンは、振動モータ41Fのみが振動しているので、後ピンと判断できる。
時刻t9において、位相が+0.5画素になるので、制御部42は、振動モータ41Fの振動を停止させ、振動モータ41Cのみを振動させる。この場合、カメラマンは、振動モータ41Cのみが振動しているので、レンズ3の現フォーカス位置が合焦位置付近と判断できる。
図5を参照し、振動モータ41の駆動電圧について説明する。
前記したように、フォーカスデマンド4では、振動モータ41が1個のみ振動するだけでなく、2個の振動モータ41が同時に振動する場合もある。2個の振動モータ41を同時に振動させると、振動が強くなり過ぎる場合がある。そこで、制御部42は、2個の振動モータ41を同時に振動させる場合、振動モータ41を1個のみ振動させる場合より、各振動モータ41の駆動電圧を低くして、振動を弱くすることが好ましい。これにより、フォーカスデマンド4は、同時に振動する振動モータ41の個数に関わらず振動の強さが等しくなり、振動が強くなり過ぎることを防止できる。
以上のように、フォーカスデマンド4は、3個の振動モータ41の振動状態によりレンズ3の現フォーカス位置をカメラマンが判断できるので、視覚情報によらずにレンズ3のフォーカス調整を支援することができる。
すなわち、カメラマンは、振動している振動モータ41の位置及び数により、レンズ3の現フォーカス位置を正確に判断することができる。従って、フォーカスデマンド4は、従来技術のようにビューファインダ5を遮ることなく、カメラマンによるフォーカス調整の支援が可能となり、カメラマンが画角などの絵作りに専念することができる。
図6を参照し、第2実施形態に係るフォーカス調整支援装置について、第1実施形態と異なる点を説明する。
第1実施形態では、振動モータ41が3個であるのに対し、第2実施形態では、振動モータ41が2個である点が異なる。
図6(b)において、左側の振動モータ41を手前側用の振動モータ41Nとする。この振動モータ41Nは、振動により、レンズ3の現フォーカス位置が手前側であることをカメラマンに伝える。
また、右側の振動モータ41を奥側用の振動モータ41Fとする。この振動モータ41Fは、振動により、レンズ3の現フォーカス位置が奥側であることをカメラマンに伝える。
図7を参照し、振動モータ41の駆動タイミングについて説明する。
振動モータ41N,41Fの振動フォーカス範囲が、以下のように設定されていることとする。ここで、振動モータ41N,41Fの振動フォーカス範囲が、合焦位置付近の-0.5画素~+0.5画素の間で重複している。
振動モータ41F:-0.5画素~+2.0画素
振動モータ41N:-2.0画素~+0.5画素
時刻t2において、位相が-0.5画素になるので、制御部42Bは、振動モータ41Nに加え、振動モータ41Fも振動させる。この場合、カメラマンは、振動モータ41N,41Fの両方が振動しているので、レンズ3の現フォーカス位置が合焦位置付近と判断できる。
時刻t4において、位相が+2.0画素を超えるので、制御部42Bは、振動モータ41Fの振動を停止させる。この場合、カメラマンは、振動モータ41が1個も振動していないので、レンズ3の現フォーカス位置が合焦位置から大きく外れていると判断できる。従って、カメラマンが、ビューファインダ5を確認し、フォーカスデマンド4Bを反時計回りに回転させて、フォーカス位置を手前側に移動させることとする。
時刻t5において、位相が+2.0画素になるので、制御部42Bは、振動モータ41Fのみを振動させる。この場合、カメラマンは、振動モータ41Fのみが振動しているので、後ピンと判断できる。
以上のように、フォーカスデマンド4Bは、第1実施形態と同様、視覚情報によらずにフォーカス調整を支援することができる。さらに、フォーカスデマンド4Bは、振動モータ41の個数を少なくし、構成の簡素化を図ることができる。
図8を参照し、第3実施形態に係るフォーカス調整支援装置について、第1実施形態と異なる点を説明する。
第1実施形態では、フォーカス調整支援装置がフォーカスデマンド4に内蔵されているのに対し、第3実施形態では、フォーカス調整支援装置が、カメラマンが装着するリストバンド7である点が異なる。
図8に示すように、カメラシステム1Cは、撮影カメラ2と、レンズ3と、ビューファインダ5と、リストバンド(フォーカス調整支援装置)7とを備える。
リストバンド7は、カメラマンの左手首に装着されている。リストバンド7は、フォーカスデマンド4(図1)と同様、レンズ3の現フォーカス位置に応じて振動することで、カメラマンによるレンズ3のフォーカス調整を支援する。図9に示すように、リストバンド7は、バンド70と、振動板(振動部)71と、制御部72とを備える。
なお、制御部72は、振動モータ41の代わりに振動板71を振動させる以外、第1実施形態と同様のため、これ以上の説明を省略する。
以上のように、リストバンド7は、第1実施形態と同様、視覚情報によらずにフォーカス調整を支援することができる。さらに、リストバンド7は、振動板71の振動が撮影カメラ2に伝わらないため、撮影映像のブレを防止することができる。
以上、本発明の各実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
前記した第3実施形態では、フォーカス調整支援装置が、リストバンドとしてカメラマンの手首に装着されることとして説明したが、手首以外の部位に装着可能であってもよい。
また、振動モータや振動板を振動させる振動フォーカス範囲の設定内容、及び、振動フォーカス範囲が重複する振動モータの個数も、前記した各実施形態の例に制限されない。
2 撮影カメラ
3 レンズ
4,4B,4C フォーカスデマンド(フォーカス調整支援装置)
5 ビューファインダ
6 雲台
20 撮像素子
21 プロセス部
22 映像出力部
23 位相差検出部
24 送受信部
30 光学系
31 フォーカス制御機構
40 筐体
40A 突起
40B 回転部
40C 静止部
41,41N,41C,41F 振動モータ(振動部)
42,42B 制御部
7 リストバンド(フォーカス調整支援装置)
60 バーハンドル
70 バンド
71,71N,71C,71F 振動板(振動部)
72 制御部
Claims (3)
- 撮影カメラと被写体との距離に対する前記撮影カメラにマウントされたレンズの現フォーカス位置を示すフォーカス位置情報を用いて、前記レンズのフォーカス調整を支援するフォーカスデマンドであって、
前記現フォーカス位置が合焦位置の手前側又は奥側であることを振動により外部に伝える振動部と、
各振動部を振動させるフォーカス範囲である振動フォーカス範囲の一部が重複するように前記振動部毎に予め設定され、前記フォーカス位置情報の現フォーカス位置を含んでいる振動フォーカス範囲に対応した前記振動部を1個以上振動させる制御部と、
を備え、
前記振動部は、カメラマンの回転操作に関わらず静止するように筐体の所定位置に収容され、前記現フォーカス位置が前記合焦位置の手前側で振動する手前側用振動部と、前記現フォーカス位置が前記合焦位置の付近で振動する合焦位置用振動部と、前記現フォーカス位置が前記合焦位置の奥側で振動する奥側用振動部と、を備え、
前記制御部は、
前記手前側用振動部及び前記合焦位置用振動部を振動させる振動フォーカス範囲の一部が重複し、
前記奥側用振動部及び前記合焦位置用振動部を振動させる振動フォーカス範囲の一部が重複し、
前記合焦位置用振動部を振動させるフォーカス範囲に前記合焦位置が含まれるように予め設定され、
前記フォーカスデマンドは、前記カメラマンがカメラワークを行うためのバーハンドルの一端に取り付けられたことを特徴とするフォーカスデマンド。 - 前記制御部は、重複する前記振動フォーカス範囲で前記振動部を2個以上同時に振動させる場合、前記振動部を1個振動させる場合より、各振動部の振動を弱くすることを特徴とする請求項1に記載のフォーカスデマンド。
- 前記フォーカス位置情報は、前記合焦位置に対する前記現フォーカス位置の空間的な位相差を示す位相情報であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフォーカスデマンド。
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