JP7291069B2 - 解体方法および加圧装置 - Google Patents

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Description

本発明は、杭の解体方法およびこれに用いる加圧装置に関する。
PHC(Pretensioned Spun High Strength Concrete)杭は中空部を有する円筒状の中空杭であり、基礎杭等として地盤に埋設され様々な構造物の支持に用いられる。PHC杭の壁部にはPHC杭の軸方向のPC鋼材が埋設され、PHC杭にはこのPC鋼材によるプレストレスが導入される。
地下構造物の施工時や構造物の解体時などでは、地下構造物の施工の支障となるPHC杭や、構造物の解体に伴って不要となったPHC杭を撤去する場合がある。
非特許文献1には、地中のPHC杭がシールド機の掘進の支障となる場合に、PHC杭の中空部から高圧水および研磨材(アブレイシブジェット)を壁部に放射してPHC杭の壁部を切断したうえで、切断後のコンクリート塊等をシールド機のカッタビットで切削しながらシールド機に取り込み、撤去する例が記載されている。
またPHC杭の上方に十分な空間がある場合には、杭抜用ケーシングでPHC杭の外周の地盤を削孔し、PHC杭と地盤との摩擦を切った後、クレーン等によりPHC杭を上方から引抜き、撤去することもできる。
中川雅由,小坂彰洋,大塚努,小土井満治,齊藤祐輔「シールド掘進における新たな支障物撤去工法の実用化~営団地下鉄11号線隅田川工区土木工事~」土木学会年次学術講演会講演概要集第6部、Vol.57、pp.107-108、2002
しかしながら、非特許文献1のようにアブレイシブジェットによってPHC杭の壁部を切断する場合、アブレイシブジェットによってPHC杭の周囲の地盤を切削してしまうことによる地盤の緩み等に注意が必要となる。
このように、PHC杭の解体には困難を伴うことも多く、これを容易に解体できる解体方法が求められている。PHC杭を上方から引抜ける場合も、杭抜用ケーシングの圧入に大型の重機が必要となり、狭隘な箇所では施工が困難である。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、杭を容易に解体できる解体方法等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、地中に埋設されたコンクリート製の杭の解体方法であって、前記杭の中空部の周囲の壁部を前記中空部から加圧し、前記壁部に亀裂を発生させる作業を、杭軸方向に沿って繰り返す工程(a)を含み、前記工程(a)において、前記中空部に加圧装置を挿入し、前記加圧装置を用いて前記壁部を加圧し、前記加圧装置は、前記中空部に挿入されるロッドと、前記ロッドの先端に取り付けられ、前記ロッドから外側に突出する上下の支持板と、を有し、進退可能な円錐体と、平面の中心に円錐状の窪みを有する円板を、平面視で放射状に分割した分割片と、が上下の前記支持板の間に設けられ、前記工程(a)では、前記円錐体を前記窪みに押し込むことで、前記分割片が外側に移動して当該分割片により前記壁部が押圧されることを特徴とする解体方法である。
第2の発明は、地中に埋設されたコンクリート製の杭の解体方法であって、前記杭の中空部の周囲の壁部を前記中空部から加圧し、前記壁部に亀裂を発生させる作業を、杭軸方向に沿って繰り返す工程(a)を含み、前記壁部には杭軸方向の鋼材が埋設されており、前記中空部から前記亀裂を通じて前記杭の周囲の地盤に潤滑剤を注入する工程(b)と、前記杭を引抜く工程(c)と、をさらに含むことを特徴とする解体方法である。
本発明によれば、杭の解体時に杭の中空部から杭の壁部を加圧し、壁部のコンクリートに引張による亀裂を発生させる。この場合、前記のように杭の周囲の地盤に緩みが生じることが無く、またコンクリートには引張による亀裂が容易に発生するので、杭を容易に解体できるようになる。
を上方から引抜ける場合には、第2の発明のように潤滑剤の注入を行うことで、杭とその周囲の地盤の摩擦を低減する。これにより、前記のような杭抜用ケーシングの圧入が不要となり、また小型のクレーン等で杭を容易に引抜くことが可能になる。さらに、PHC杭のように杭の壁部にPC鋼材などの鉛直方向の鋼材が埋設されている場合、本発明の方法では杭の壁部に亀裂を発生させる際にこの鋼材を切断してしまうことが無いので、鋼材により一続きとなった杭を一度に引抜くことが可能である。
前記工程(b)において、前記潤滑剤の注入口を側面に設けた前記潤滑剤の注入管を前記中空部に挿入し、前記注入口の上下において前記注入管と前記壁部の間を塞いだ後、前記注入口から前記潤滑剤の注入を行うことが望ましい。
これにより、潤滑剤の注入圧力が散逸することがない。また潤滑剤を意図した亀裂を通じて杭の周囲の地盤へと好適に注入することができる。
前記杭は例えば中空杭である。
本発明の解体方法は、中空部が元から存在する中空杭の解体に好適に使用することができる。ただし、中空部の無い杭の場合も、杭に中空部を形成することにより、同様の解体方法を実施することが可能である。
また第1の発明のように加圧装置を杭の中空部に挿入し、これを用いて杭の壁部を加圧することで、亀裂を確実に発生させることができる。
記加圧装置は、進退可能な円錐体と、平面の中心に円錐状の窪みを有する円板を、平面視で放射状に分割した分割片と、を有し、前記工程(a)では、前記円錐体を前記窪みに押し込むことで、前記分割片が外側に移動して当該分割片により前記壁部が押圧される。
これにより、杭の全周に万遍なく亀裂を発生させ、杭の解体を好適に行うことができる。
の発明は、コンクリート製の杭の解体時に、前記杭の中空部の周囲にある壁部を前記中空部から加圧するための加圧装置であって、前記中空部に挿入されるロッドと、前記ロッドの先端に取り付けられ、前記ロッドから外側に突出する上下の支持板と、を有し、進退可能な円錐体と、平面の中心に円錐状の窪みを有する円板を、平面視で放射状に分割した分割片と、が上下の前記支持板の間に設けられ、前記円錐体を前記窪みに押し込むことで、前記分割片が外側に移動して当該分割片により前記壁部が押圧されることを特徴とする加圧装置である。
本発明により、杭を容易に解体できる解体方法等を提供することができる。
杭100を示す図。 杭100の解体方法の概略を示す図。 亀裂104の形成工程について説明する図。 亀裂104の形成工程について説明する図。 加圧装置1を示す図。 加圧装置1による壁部101の加圧について説明する図。 潤滑剤5の注入工程について説明する図。 潤滑剤5の注入工程について説明する図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(1.杭100)
図1は、本発明の実施形態に係る解体方法で解体を行う杭100を示す図である。杭100は、中空部を有する円筒状の中空杭であり、コンクリート製のものである。杭100は基礎杭等として地盤に埋設され、様々な構造物の支持に用いられる。
杭100は例えばPHC杭であり、中空部の周囲の壁部101に杭100の軸方向(以下、杭軸方向という)のPC鋼材102が埋設される。このPC鋼材102により、杭軸方向のプレストレスが杭100に導入される。なお杭100の壁部101には、PC鋼材102の他、補強用の鉄筋(不図示)なども埋設される。
(2.杭100の解体方法の概略)
図2は本発明の実施形態に係る杭100の解体方法の概略を示す図である。本実施形態では、地盤の掘削、杭頭の切断などを行って図2(a)に示すように杭100の頂部を地盤3上に露出させた後、当該杭100の解体を行う。なお図2(a)の符号4は、杭100の底部の根固めコンクリートであり、杭100の打設時に設けられる。
杭100の解体にあたっては、まず図2(b)に示すように杭100の壁部101に亀裂104を発生させる。亀裂104は杭100の中空部から壁部101を加圧することで発生させるが、この工程の詳細については後述する。亀裂104は杭軸方向に間隔を空けて複数形成し、その間隔は例えば1~2m程度とするが、これに限ることはない。
その後、図2(c)に示すように杭100の中空部から亀裂104を通じて杭100の周囲の地盤3に潤滑剤5を注入する。潤滑剤5としては例えば日本マテリアル社製の一液性摩擦減少剤JM-Rなどの薬液を用いることができ、推進工事で用いられる裏込剤を用いることも可能である。潤滑剤5の注入工程の詳細については後述する。
潤滑剤5の注入後、小型のクレーン(不図示)等を用い、図2(d)に示すように杭100を上方から引抜いて撤去する。本実施形態では上記のように予め杭100の周囲の地盤3に潤滑剤5を注入しておくことで、杭100とその周囲の地盤3の摩擦を低減し、小型のクレーンで杭100を容易に引抜くことが可能になる。
なお本実施形態では杭100の壁部101に亀裂104を形成しているが、壁部101には杭軸方向のPC鋼材102が埋設されているので、図2(d)の引抜工程ではPC鋼材102により一続きとなった杭100を一度に引抜くことが可能である。
(3.亀裂104の形成工程)
次に、図2(b)で示した亀裂104の形成工程について説明する。本実施形態では、図3(a)に示すように杭100の中空部に加圧装置1を挿入し、この加圧装置1を用いて杭100の壁部101に圧力を加えることで、壁部101に亀裂104を発生させる。
加圧装置1は、上下の支持板11の間にジャッキ12と加圧部13を設けた構成を有し、ロッド14で支持しつつ杭100の上方から杭100の中空部に吊り込まれる。
ジャッキ12は上側の支持板11の下面に取付けられ、加圧部13は下側の支持板11の上に配置される。上下の支持板11は、杭100の内径より若干小さな直径の円板状であり、ボルト等の連結材15によって連結される。
図5は加圧装置1を示す斜視図である。ジャッキ12としては、本体120中央の凹部122に配置した伸縮部を油圧等により伸縮させるものが用いられる。このようなジャッキ12には例えばコンパクトロックジャッキ(登録商標)等があるが、特に本実施形態では伸縮部の先端に円錐体121を設け、伸縮部の伸縮により円錐体121を進退可能とする。
加圧部13は、平面の中心に円錐状の窪み132を有する円板を、平面視で放射状に(すなわち平面の中心から円板の径方向に延びる分割線で)分割した分割片131を有する。上記円板の直径は杭100の内径よりも小さく、各分割片131は上記円板を周方向に複数(図の例では4つ)に分割した扇型の形状となっている。
分割片131には上記円板の径方向に延びる長孔133が設けられており、前記した連結材15はこの長孔133を通して設けられる。
杭100の壁部101に亀裂104を発生させる際は、上記した加圧装置1を杭100の中空部に配置した状態で、ジャッキ12の伸縮部を伸長させ、その先端の円錐体121を図6(a)の矢印aに示すように窪み132に向けて楔のように押し込んでゆく。
すると、各分割片131は円錐体121により押し広げられて図6(b)に示すように外側に移動する。この際、前記の連結材15は長孔133内を相対移動し、連結材15が各分割片131の移動を妨げることはない。なお、「外側」とは杭100の周囲の地盤3側をいう。これに対し、杭100の平面の中心側は「内側」というものとする。
外側に移動した各分割片131は、杭100の壁部101を加圧する。これにより壁部101のコンクリートに周方向の引張力が発生し、当該引張力によって壁部101のコンクリートに亀裂104が発生する。図3(b)はこの状態を示す図である。
亀裂104の形成時は、ジャッキ12の制御情報を地上から参照することにより、杭100の壁部101に亀裂104が発生したことを把握可能である。例えば分割片131で杭100の壁部101を加圧する際、亀裂104の発生前はジャッキ12の伸縮部に加わる反力が大きく、亀裂104の発生により当該反力が大きく低下する。したがって、ジャッキ12の制御情報としてこのような反力の推移を観測することで、壁部101に亀裂104が発生したことを容易に把握できる。
また図6(a)に示すように、分割片131の下面には凹部134が、下側の支持板11の上面には凸部111がそれぞれ設けられており、図6(a)に示す初期状態において、支持板11の凸部111は分割片131の凹部134内の外側の位置に収容される。凹部134内では、凹部134の内側の壁面と凸部111の内側の壁面の間を接続するバネなどの弾性体135が設けられており、この弾性体135は凹部134の内側の壁面を内側へと付勢している。
図6(b)に示すように円錐体121を窪み132に押し込んで分割片131が外側に移動すると、凹部134の内側の壁面と凸部111の内側の壁面の間隔が狭まり、弾性体135が縮んだ状態となる。
本実施形態では、杭100の壁部101に亀裂104を発生させた後、ジャッキ12の伸縮部を収縮させて円錐体121を図6(c)に示すように後退させる。円錐体121を後退させると弾性体135の復元力により分割片131の凹部134の内側の壁面が内側に向かって押され、これにより分割片131が内側に移動して初期状態の位置に戻る。
本実施形態では、こうして分割片131を元の位置に戻した後、図4(a)に示すように加圧装置1を上方に移動させ、再び前記と同様の手順により図4(b)に示すように杭100の壁部101に亀裂104を発生させる。
以上の作業を杭100の底部から頂部に向けて杭軸方向に繰り返すことで、図2(b)に示すように杭100の壁部101に複数段の亀裂104を発生させることができる。
(4.潤滑剤5の注入工程)
潤滑剤5の注入工程では、図7(a)に示す注入装置2を用いて潤滑剤5の注入を行う。注入装置2は、杭100の上方から杭100の中空部に挿入して潤滑剤5の注入を行うための注入管21を有し、注入管21の下端部では潤滑剤5の注入口211が注入管21の側面に設けられる。
注入口211の上下では、流体を供給することにより膨張する膨張体(パッカー)22が注入管21の周囲に装着される。流体としては各種の液体、気体などを用いることができ、特に限定されない。このような膨張体22の例が特開2001-131951号公報などに記載されており、注入管21の内部には、例えば潤滑剤5を流通させるための流通管と膨張体22に流体を供給するための供給管が個別に設けられる。
図7(a)は膨張体22の膨張前の状態であるが、潤滑剤5の注入時には、膨張体22の内部に流体を供給して膨張体22を図7(b)に示すように膨張させ、注入口211の上下において、注入管21と杭100の壁部101との間の隙間を塞ぐ。
この状態で注入管21を介した潤滑剤5の加圧注入を行う。注入管21の注入口211を出た潤滑剤5は、図7(b)に示すように壁部101の亀裂104を通じて杭100の周囲の地盤3に注入され、浸透する。注入口211の上下では、注入管21と壁部101との間の隙間が膨張体22により塞がれているので、潤滑剤5の注入圧力が散逸することがない。
こうして最下段の亀裂104を通じて潤滑剤5を杭100の周囲の地盤3に注入した後、前記の供給管を介して膨張体22から流体を一旦回収し、膨張体22を収縮させて図8(a)に示すように注入管21を1~2m程度上方に引き上げる。その後、先程と同様の手順で今度は最下段の亀裂104の一つ上の亀裂104を通じて図8(b)に示すように杭100の周囲の地盤3に潤滑剤5を注入する。
こうして潤滑剤5の注入作業を杭軸方向に1~2m程度のピッチで繰り返し、杭100の底部から頂部へと数回に分けて潤滑剤5の注入を行う。これにより各段の亀裂104を通じて潤滑剤5の注入を行うことで、図2(c)に示すように、杭100の全長に亘って万遍無く、杭100の周囲の地盤3に潤滑剤5が注入されることとなる。
また杭100の中空部に残った潤滑剤5は、図2(d)に示すように杭100を引抜く際に、杭100の周囲の地盤3の崩壊を防止する安定液の役割を果たす。
以上説明したように、本実施形態によれば、杭100の解体時に杭100の中空部から杭100の壁部101を加圧し、壁部101のコンクリートに引張による亀裂104を発生させる。この場合、前記のように杭100の周囲の地盤3に緩みが生じることが無く、またコンクリートには引張による亀裂が小さな圧力で容易に発生するので、杭100を容易に解体できるようになる。
また本実施形態では杭100を上方から引抜いて撤去するが、この際杭100の中空部から亀裂104を通じて杭100の周囲の地盤3に潤滑剤5を注入することで、杭100とその周囲の地盤3の摩擦を低減する。これにより、前記のような杭抜用ケーシングの圧入が不要となり狭隘な箇所での施工が可能で、また小型のクレーン等で杭100を簡単に引抜いて撤去することが可能になる。さらに、杭100の中空部から杭100の周囲の地盤3に潤滑剤5を注入する場合、杭100の外側の地盤3を削孔して注入管等による潤滑剤5の注入を行うよりも、杭100の周囲に効率良く確実に潤滑剤5を浸透させることができ、削孔等の手間もかからない。
加えて、本実施形態の方法では、杭100の壁部101に亀裂104を発生させる際にPC鋼材102を切断してしまうことが無いので、PC鋼材102により一続きとなった杭100を一度に引抜くことが可能である。これに対し、仮に前記のようにアブレイシブジェットで壁部101を切断する場合、壁部101とともにPC鋼材102も切断してしまうので、上記のように杭100を一度に引抜くことは困難である。
また本実施形態では、潤滑剤5の注入にあたって注入管21の注入口211の上下の膨張体22を前記のように膨張させ、注入管21と杭100の壁部101との間の隙間を塞ぐことで、潤滑剤5の注入圧力が散逸することがない。また潤滑剤5を意図した亀裂104を通じて杭100の周囲の地盤3へと好適に注入することができる。
また本実施形態では、前記のように加圧装置1を杭100の中空部に挿入し、これを用いて杭100の壁部101を加圧することで、亀裂104を確実に発生させることができる。
特に本実施形態では、加圧装置1が、平面の中心に円錐状の窪み132を有する円板を、平面視で放射状に分割した分割片131を有し、ジャッキ12により円錐体121を窪み132に押し込むことで、分割片131が外側に移動して当該分割片131により杭100の壁部101が押圧される。係る構成の加圧装置1を用いることで、杭100の全周に万遍なく亀裂を発生させ、杭100の解体を好適に行うことができる。またジャッキ12の制御情報を地上で観測することで、壁部101に亀裂104が発生したことを前記したように把握可能である。
しかしながら、本発明が以上の実施形態に限られることはない。例えば加圧装置1の構成は前記したものに限定されず、杭100の中空部から杭100の壁部101を加圧して亀裂104を発生させ得る限りにおいて、様々な構成を採ることが可能である。例えば円錐体121の後退時に分割片131を元の位置に戻すため、前記の弾性体135に替えて円板の外周部に当たる箇所にゴムなどの弾性体を巻き付けてもよい。
また加圧装置1は、分割片131により杭100の壁部101の押圧を行うものに限ることも無い。例えばジャッキの水平方向の伸縮部の伸長により壁部101を押圧するものや、袋状の膨張体の膨張により壁部101を押圧するものであってもよい。
さらに、壁部101の加圧は加圧装置1などを用いて機械的に行うものに限ることも無い。例えば静的破砕剤などの膨張剤を用い、その膨張により杭100の壁部101を加圧することも可能である。
また、本実施形態では杭100を地盤3から引抜いて撤去するが、地中の杭100がシールド機の掘進の支障となる場合には、亀裂104を発生させて小割にした杭100のコンクリート塊等をシールド機のカッタビットで切削しながらシールド機に取り込み、撤去してもよい。この場合、図2(d)で示した杭100の引抜工程が不要になり、図2(c)で示した潤滑剤5の注入工程も不要になる。
また本実施形態では潤滑剤5の注入時に袋状の膨張体22を膨張させて注入管21と杭100の壁部101との間の隙間を塞いでいるが、隙間を塞ぐための機構はこれに限らない。例えば特許第4225550号に記載されているように、ピストン等を用いてパッカーなどの張出体を外側に張出させるものであってもよい。
また本実施形態の解体方法は、PHC杭に限らず、PC杭などその他の中空杭にも好適に適用することが可能である。また壁部101に杭軸方向のPC鋼材102が埋設される代わりに、壁部101に杭軸方向の鉄筋(鋼材)が埋設される場合もある。また中空部が元から存在するPHC杭等の中空杭だけでなく、中空部の無い杭の場合も、杭を削孔するなどして中空部を形成することにより、同様の解体方法を実施することが可能である。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1:加圧装置
2:注入装置
3:地盤
5:潤滑剤
11:支持板
12:ジャッキ
13:加圧部
14:ロッド
15:連結材
21:注入管
22:膨張体
100:杭
101:壁部
102:PC鋼材
104:亀裂
111:凸部
120:本体
121:円錐体
122:凹部
131:分割片
132:窪み
133:長孔
134:凹部
135:弾性体
211:注入口

Claims (5)

  1. 地中に埋設されたコンクリート製の杭の解体方法であって、
    前記杭の中空部の周囲の壁部を前記中空部から加圧し、前記壁部に亀裂を発生させる作業を、杭軸方向に沿って繰り返す工程(a)を含み、
    前記工程(a)において、前記中空部に加圧装置を挿入し、前記加圧装置を用いて前記壁部を加圧し、
    前記加圧装置は、
    前記中空部に挿入されるロッドと、
    前記ロッドの先端に取り付けられ、前記ロッドから外側に突出する上下の支持板と、
    を有し、
    進退可能な円錐体と、
    平面の中心に円錐状の窪みを有する円板を、平面視で放射状に分割した分割片と、
    が上下の前記支持板の間に設けられ、
    前記工程(a)では、前記円錐体を前記窪みに押し込むことで、前記分割片が外側に移動して当該分割片により前記壁部が押圧されることを特徴とする解体方法。
  2. 地中に埋設されたコンクリート製の杭の解体方法であって、
    前記杭の中空部の周囲の壁部を前記中空部から加圧し、前記壁部に亀裂を発生させる作業を、杭軸方向に沿って繰り返す工程(a)を含み、
    前記壁部には杭軸方向の鋼材が埋設されており、
    前記中空部から前記亀裂を通じて前記杭の周囲の地盤に潤滑剤を注入する工程(b)と、
    前記杭を引抜く工程(c)と、
    をさらに含むことを特徴とする解体方法。
  3. 前記工程(b)において、前記潤滑剤の注入口を側面に設けた前記潤滑剤の注入管を前記中空部に挿入し、前記注入口の上下において前記注入管と前記壁部の間を塞いだ後、前記注入口から前記潤滑剤の注入を行うことを特徴とする請求項2記載の解体方法。
  4. 前記杭は中空杭であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の解体方法。
  5. コンクリート製の杭の解体時に、前記杭の中空部の周囲にある壁部を前記中空部から加圧するための加圧装置であって、
    前記中空部に挿入されるロッドと、
    前記ロッドの先端に取り付けられ、前記ロッドから外側に突出する上下の支持板と、
    を有し、
    進退可能な円錐体と、
    平面の中心に円錐状の窪みを有する円板を、平面視で放射状に分割した分割片と、
    が上下の前記支持板の間に設けられ
    前記円錐体を前記窪みに押し込むことで、前記分割片が外側に移動して当該分割片により前記壁部が押圧されることを特徴とする加圧装置。
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