JP7284610B2 - 不織布シート及び不織布シートの製造方法 - Google Patents
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樹脂繊維の顕微鏡写真は、電子顕微鏡(日立製作所社製)で400倍に拡大して撮影した(図3~図7参照)。
不織布シートの坪量(米坪)は、JIS P 8124の規定に準拠して測定した。坪量の単位は、g/m2である。
不織布シートの厚みは、JIS P 8111(1998)の規定に準拠して測定した。厚みの単位は、μmである。厚みの測定方法は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて1プライの状態で測定する。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、該ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせる。次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしたときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーは載せるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。なお、厚みは測定を10回行って得られる平均値とする。
不織布シートの緊度(密度)は、「緊度=米坪÷厚み×1000」の計算式から算出した。密度の単位は、g/cm3である。
乾燥引張強度は、JIS P 8113(1998)の規定に準拠して測定した。試験片は縦・横方向ともに幅25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いた。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG-200Nを用いた。測定は、つかみ間隔を100mmに設定して、試験片の両端を試験機のつかみに締め付け、紙片を上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断したときの指示値(デジタル値)を読み取る手順で行った。引張速度は100mm/minとした。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の乾燥引張強度とした。また、縦横比は、横方向に対する縦方向の引張強度の比として算出した。
湿潤引張強度は、JIS P 8113(1998)の規定に準拠して測定した。試験片は、縦・横方向ともに幅25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いた。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG-200Nを用いた。測定は、つかみ間隔を100mmに設定して、試験片の両端を試験機のつかみに締め付け、紙片の中心部10mmに筆にて水を付け、上下方向に引張り、荷重をかけ、試験片が破断したときの指示値(デジタル値)を読み取る手順で行った。引張速度は100mm/minとした。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を、各方向の湿潤引張強度とした。また、縦横比は、横方向に対する縦方向の引張強度の比として算出した。
耐摩耗試験は、JIS L 1096 E法に規定されるマーチンデール法に準拠した下記(1)~(3)の手順で行った。(1)摩耗試験機は、グロッツ・ベッケルト製のマーチンデール試験機を用いる。(2)38φの大きさにカットした試験片に300μLの水をムラがないように付着させる。(3)WET状態にした試験片を摩擦器にセットする。摩耗試験機に9kpa重りを乗せ、試験機を稼働させ、基準布と試験片を擦り合せ、試験片の毛羽立ち状況を確認し、限度見本に近付いたときの摩擦回数を読み取る。試験機の動きはリサージュとして行う。
不織布シートの吸水量を測定した。吸水量の測定は、下記(1)~(5)の手順で行った。(1)試験片を105℃の乾燥機内で3分間キュアリングした後、その試験片の質量を電子天秤(A&D社製、HR300等)により測定する。(2)試験片よりも大きいトレイ(例えば、内寸:215mm×160mm)に、20mm程度の深さとなるように、25℃の水を入れる。(3)試験片を、試験片以上の大きさの剛性のある平網(例えば、120mm×120mm、網目15mm)の上に拡げて載せ、上記の水を入れたトレイ内に下ろして、水面に接触するように試験片を浸水させる。(4)試験片の表面にまで十分に水が浸みこんだら、平網を水面より真上に上げ、ピンセットにより試験片の角を摘み、そのまま30秒静止する。(5)30秒後に吸水した試験片の質量を電子天秤により測定し、下記式により1m2当たりの吸水量を算出する。吸水量(g/m2)=((上記(4)で測定した吸水した試験片の質量)-(上記(1)で測定した3分間キュアリング後の試験片の質量))×100。なお、上記式では、m2に換算するため100倍する。
不織布シートの吸水速度を測定した。吸水速度の測定は、下記(1)~(4)の手順で行った。(1)試験片を105℃の乾燥機内で3分間キュアリングする。(2)キュアリング後の試験片を中心部に直径40mm以上の穴を有する台(例えば、アルコールランプ用三脚)の上に、その試験片の中央部が上記の穴の上に位置するようにして載置する。(3)試験片の中心付近の任意の箇所に、試験片面より10mmの高さから、25℃の水300μLをマイクロピペット(アズワン社製、ピペットガイPG-1000)により滴下する。(4)マイクロピペットからの水が試験片に接触した瞬間から、試験片の水が浸透しきるまでの時間をストップウォッチにより測定し、その時間を吸水速度(秒)とする。なお、浸透終了は、試験片表面から水の光沢反射が消えることを目視にて確認することによる。
クレーム吸水度は、JIS L 1096に準じたバイレック法により測定した。測定方法は、試験片を水に浸漬し、浸漬後から10分後の吸い上げ長さをmm単位で計測した。
吸油量の測定は、下記(1)~(5)のとおりとした。(1)試験片の質量を電子天秤(エー・アンド・デイ社製、HR300)により測定する。(2)試験片よりも大きいトレイ(内寸:215mm×160mm)に、20mm程度の深さとなるように、25℃のサラダ油(日清サラダ油:日清オイリオグループ株式会社製)を入れる。(3)試験片を、試験片以上の大きさの剛性のある平網(120mm×120mm、網目30mm)の上に拡げて載せ、上記(2)のサラダ油を入れたトレイ内に下ろして、油面に接触するように試験片を浸油させる。(4)試験片の表面にまで十分にサラダ油が浸み込んだら、平網を油面より真上に上げ、そのまま30秒静止した後、ピンセットにより試験片の角を摘み、予め秤量された測定容器に試験片を移す。このとき、平網を油面より上げて静止を開始してから測定容器に移すまで30秒を超えないようにする。(5)試験片が入った測定容器の質量を電子天秤により測定し、その測定値より測定容器の質量を差し引いて、吸油後の試験片の質量を算出する。そして、吸油量(g/m2)=((上記(4)で測定した吸油した試験片の質量)-(上記(1)で測定した試験片の質量))×100の式により、1m2当たりの吸油量を算出する。
耐洗濯性は、JIS L 1930 C法(平干し乾燥)に準じた方法で評価した。試験方法は、それぞれの試料を縦型洗濯機(パナソニック製)に投入し、所定時間洗濯(水量40L、水温40℃、洗い時間6分、脱水時間3分を1回の洗濯で2回繰り返す)、自然乾燥後の試料の破壊状態を目視で確認し、以下の4段階で判定した。
◎:部分的にシワが認められる
○:全面にシワが認められる
△:部分的に剥離が認められる
×:剥離破れが認められる」
樹脂繊維として繊維径が22.8μm(図3参照)で、配合量が25重量%(坪量80g/m2に対する目付20g/m2)のポリプロピレン(pp)のウエブを用意した。また、組成がNBKP100%で配合量が75重量%のパルプを水に溶かしたパルプ溶解液を用意した。このパルプ溶解液を樹脂繊維のウエブに供給し、水流交絡により樹脂繊維とパルプを絡み合わせて得られた含水シートに水溶性ポリマー(PVA)を塗布し、これを乾燥して不織布シートを作製した(図1、図2参照)。水流交絡の条件は、水流の噴射ノズルの口径が0.1mm、水流の噴射圧が110kgf/cm 2 とした。また、乾燥温度は、90℃とした。得られた不織布シートについて、製品物性(坪量、厚み、緊度)、引張強度(乾燥引張強度、湿潤引張強度)、耐摩耗性、吸収性(吸水量、吸収速度、クレーム吸水度、吸油量)、耐洗濯性を評価した。結果を表1に示す。
樹脂繊維の繊維径を23.1μm(図4参照)とし、樹脂繊維の配合量を25重量%(坪量80g/m2に対する目付20g/m2)とし、水溶性ポリマー(PVA)の含有量が不織布シート100重量%に対して0.05重量%となるように、水溶性ポリマー(PVA)を含水シートに塗布した以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
樹脂繊維の繊維径を16.2μm(図5参照)とし、樹脂繊維の配合量を20重量%(坪量80g/m2に対する目付16g/m2)とし、パルプの配合量を80重量%とし、含水シートに水溶性ポリマー(PVA)を塗布せず、乾燥温度を100℃とした以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
樹脂繊維の繊維径を19.9μm(図6参照)とし、樹脂繊維の配合量を20重量%(坪量80g/m2に対する目付16g/m2)とし、樹脂繊維にバインダー(低融点PET)を20重量%含有させ、パルプの配合量を60重量%とし、含水シートに水溶性ポリマー(PVA)を塗布せず、乾燥温度を115℃とした以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
樹脂繊維として繊維径が22.5μm(図7参照)で、配合量が25重量%(坪量80g/m2に対する目付20g/m2)のポリプロピレン(pp)のウエブを用意し、組成がNBKP100%で配合量が75重量%となるパルプのシートを用意し、含水シートに水溶性ポリマー(PVA)を塗布せず、樹脂繊維のウエブにパルプのシートを貼り合わせた後にエンボス加工を施した(図8参照)以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
10 フィーダー
11 樹脂繊維
FW 樹脂繊維のウエブ
20 パルプ供給槽
21 パルプ層
LW 積層ウエブ
30 水噴射圧縮機
31 タンク
32 噴射ノズル
33 水流
40 ドレイン
41 金網フィルター
42 ローラー
WS 含水シート
50 塗工機
60 ドライヤー
NS 不織布シート
70 ワインダー
Claims (5)
- 樹脂繊維とパルプとを水流交絡により一体化させた、坪量が65g/m2以上の不織布シートであって、
前記樹脂繊維の繊維径が22μm以上24μm以下であり、
前記樹脂繊維の含有量が21重量%以上30重量%以下であり、
水溶性ポリマーを含有する、不織布シート。 - 前記不織布シート100重量%に対して前記水溶性ポリマーの含有量が0.01重量%以上0.5重量%以下である、請求項1に記載の不織布シート。
- 樹脂繊維とパルプとが一体化された、坪量が65g/m2以上の不織布シートの製造方法であって、
樹脂繊維のウエブにパルプを積層して積層ウエブを形成するパルプ積層工程と、
前記積層ウエブに水を噴射して含水シートを形成する水流交絡工程と、
前記含水シートに水溶性ポリマーを塗布する水溶性ポリマー塗布工程と、
前記含水シートを乾燥する乾燥工程とを有し、
前記樹脂繊維の繊維径が22μm以上24μm以下であり、
前記樹脂繊維の含有量が21重量%以上30重量%以下である、不織布シートの製造方法。 - 前記不織布シート100重量%に対して前記水溶性ポリマーの含有量が0.01重量%以上0.5重量%以下である、請求項3に記載の不織布シートの製造方法。
- 前記乾燥工程における乾燥温度が80℃以上110℃以下である、請求項3または4に記載の不織布シートの製造方法。
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JP2019061896A JP7284610B2 (ja) | 2019-03-27 | 2019-03-27 | 不織布シート及び不織布シートの製造方法 |
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JP2006511730A (ja) | 2002-12-23 | 2006-04-06 | キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド | ステープル繊維を含む交絡布 |
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