JP7281367B2 - 飲食品評価装置および飲食品評価方法 - Google Patents

飲食品評価装置および飲食品評価方法 Download PDF

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本発明は、飲食品評価装置および飲食品評価方法に関する。
近年、食品に対する消費者の嗜好は益々多様化している。一般的に、食品のおいしさを評価する要素として、食品の味、香り、歯ごたえ、噛み心地、舌触り、喉越しなどがある。この内の、食品の歯ごたえや噛み心地といった食感、飲料の喉越しといった嚥下感覚は、筋電位の計測によって評価できることが知られている。
特許文献1では、咀嚼および嚥下に関係する筋肉の筋電位計測によって、飲食品の食感を評価するための装置が開示されている。
特開2012-139442号公報
しかし、特許文献1の装置では、食感を評価することは記載するが、食感以外の風味を評価することについては検討していない。
従来、飲食品の風味については、専らヒトの感覚に頼った官能評価が重用されている。官能評価は、総合的な評価には適しているが個人差、感覚疲労、体調変化などの主観的要素が評価に影響する場合がある。その主観的な評価に客観性を与えた手法としてQDA法(定量的記述分析法)があるが、共通用語の選定やパネルの訓練などに多くの時間やコストを要する。このため、飲食品の開発者は、より客観性があり、かつコストを抑えながらも精度の高い飲食品の開発に役立つような新たな飲食品評価装置および飲食品評価方法を切望していた。
そこで、本発明は、より精度の高い飲食品の開発に役立つ、飲食品評価装置および飲食品評価方法を提供する。
本発明の飲食品評価装置は、波形データ生成部、パラメータ算出部、官能評価データ記憶部、相関関係解析部、および評価式記憶部を有する。
波形データ生成部は、被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化から表面筋電位の波形データを生成する。パラメータ算出部は波形データ生成部が生成した波形データを解析して嚥下に関するパラメータ(以下、単にパラメータとも称する)を算出する。官能評価データ記憶部は、被験者が嚥下した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似しているのかを示す官能評価データを、パラメータ算出部が算出したパラメータとともに記憶する。相関関係解析部は、官能評価データ記憶部が記憶している、官能評価データとパラメータ算出部が算出したパラメータとの相関関係を解析する。評価式記憶部は、相関関係解析部によって解析されたパラメータと官能評価データとの相関関係の解析結果を、評価式として記憶する。
本発明の他の飲食品評価装置は、波形データ生成部、パラメータ算出部、評価式記憶部、および推定部を有する。
波形データ生成部は、被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化から表面筋電位の波形データを生成する。パラメータ算出部は、波形データ生成部が生成した波形データを解析して嚥下に関するパラメータを算出する。評価式記憶部は、パラメータと官能評価データとの相関関係の評価式を記憶する。推定部は、パラメータ算出部が算出したパラメータと評価式記憶部に記憶されている評価式とを用いて、被験者が嚥下した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似していると感じるかを推定する。
本発明の飲食品評価方法は、被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化から表面筋電位の波形データを生成する段階と、生成した波形データを解析して嚥下に関するパラメータを算出する段階と、被験者が嚥下した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似しているのかを示す官能評価データを、算出したパラメータとともに記憶する段階と、算出されたパラメータと記憶されている官能評価データとの相関関係を解析する段階と、解析されたパラメータと官能評価データとの相関関係の解析結果を、評価式として記憶する段階と、を含む。
本発明の他の飲食品評価方法は、被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化から表面筋電位の波形データを生成する段階と、生成した波形データを解析して嚥下に関するパラメータを算出する段階と、算出されたパラメータと評価式とを用いて、被験者が嚥下した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似していると感じるかを推定する段階と、を含む。
本発明の飲食品評価装置および飲食品評価方法によれば、飲食品の風味がターゲットとする飲食品の風味にどの程度類似しているかに関する客観的な指標を得ることが容易となり、より精度の高い飲食品の開発が行える。
実施形態1の飲食品評価装置のブロック図である。 実施形態1の食品評価方法の手順を示す図である。 波形データ生成部が生成する波形データの一例を示す図である。 パラメータ算出部が算出するパラメータの説明に供する図である。 図4に示した波形を全波整流することによって得られる波形を示す図である。 官能評価データを取得するためのアンケート用紙の一例を示す図である。 相関関係解析部が解析したパラメータと官能評価データとの相関関係から得られたマップの一例を示す図である。 相関関係解析部が解析したパラメータと官能評価データとの相関関係から得られた評価式に基づくプロット図の一例を示す図である。 図8の評価式の検証結果を示す図である。 実施形態2の飲食品評価装置のブロック図である。 実施形態2の食品評価方法の手順を示す図である。
以下、本発明の飲食品評価装置および飲食品評価方法の実施形態を、[実施形態1]と[実施形態2]とに分けて説明する。
なお、実施形態1は、被験者に開発中の飲食品を試食してもらい、被験者が開発中の飲食品を嚥下した時の波形データと、ターゲットとする飲食品の風味に対してどの程度類似していると感じるかに関する官能評価データとから、最終的に評価式を記憶させる、飲食品評価装置および飲食品評価方法についての実施形態である。
また、実施形態2は、被験者に、開発中の飲食品を試食してもらい、その時の波形データと、実施形態1で記憶させた評価式とを用いて、被験者が嚥下した開発中の飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似していると感じるかを推定する飲食品評価装置および飲食品評価方法についてである。
[実施形態1]
[飲食品評価装置の構成]
図1は、実施形態1の飲食品評価装置のブロック図である。飲食品評価装置100は、波形データ生成部20、パラメータ算出部30、官能評価データ記憶部40、相関関係解析部50、および評価式記憶部60を有する。
筋電位測定電極10は波形データ生成部20に接続される。飲食品評価装置100を構成する、波形データ生成部20、パラメータ算出部30、官能評価データ記憶部40、相関関係解析部50、および評価式記憶部60は、1つの筐体内に設けられる。たとえば、飲食品評価装置100は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)内に設けられる。なお、本実施形態では、波形データ生成部20、パラメータ算出部30、官能評価データ記憶部40、相関関係解析部50、および評価式記憶部60という全ての要素を、1つの筐体内に収容させているが、これに限らず、各要素を、任意に組み合わせて別々の筐体に収容させても良い。
筋電位測定電極10は、被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化を測定する。筋電位測定電極10は、被験者のオトガイ下部または前頸部のいずれか、またはオトガイ下部および前頸部の両方に装着する。
嚥下筋は、嚥下に関与する筋肉であれば良く、特に限定されない。好ましくは、舌骨上筋群、および/または舌骨下筋群である。なお、舌骨上筋群とは、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋、顎二腹筋、茎突舌骨筋を含む筋肉群であり、舌骨上方に連結しオトガイ下部およびその周辺部分の筋肉である。舌骨下筋群とは、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋、肩甲舌骨筋、胸骨舌骨筋を含む筋肉群であって、舌骨体部の下方に直接または間接的に連結する、前顎部およびその周辺部分の筋肉である。
筋電位測定電極10は、具体的には、被験者の耳たぶの1か所にアース用の電極を装着し、オトガイ下部、および/または前顎部の表面筋電位の測定部位の1~3か所に1~2対の電極を装着する。筋肉で発生した電位が、皮下の組織を伝導して体表面に到達するまでに1/1000以下に減衰すると言われており、実際に体表面で得られる電位の大きさは、数十μV~数mVほどである。このため、測定する表面筋電位は、5μV~5mV程度の範囲が好ましい。サンプリングする表面電位の周波数は0~1000Hzの範囲が好ましく、表面筋電位の場合には、5~500Hzの範囲に筋活動の情報が多く含まれる。
波形データ生成部20は、筋電位測定電極10によって測定された、被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化から、表面筋電位の波形データを生成する。具体的には、波形データ生成部20は、筋電位測定電極10によって、一定のサンプリング時間で測定された嚥下筋の表面筋電位を時系列に並べて線で結び、波形データを生成する。
図3は、波形データ生成部20が生成する波形データの一例を示す図である。波形データ生成部20は、一例として、図3に示すような波形データを生成する。波形データは、同一の被験者が同様の風味の飲食品を嚥下するときには、同様の波形データが得られるが、異なる風味の飲食品を嚥下するときには異なる波形データが得られ、このため、波形データの違いを認識することによって、飲食品の風味の微妙な違いがわかるという、本発明者らによる発見に基づき、本発明に至った。すなわち、本発明者らが新たな官能評価手法を検討していた際、本発明者らは、嚥下とは口にした飲食物が口腔から胃へ輸送されるまでの一連の動作であって舌、咽頭、喉頭にある複数の嚥下筋が順序良く収縮弛緩することで起こる複雑な運動だが、この時の筋活動から得られるデータには嚥下筋の活動量、筋繊維の種類(速筋、遅筋または中間筋)、運動形態(動的、静的)や筋疲労などの様々な情報が含まれると考え、嚥下時の筋活動の波形データの振幅、面積、周波数要素といった筋活動の特徴量を抽出し人工ニューラルネットワーク(脳内の神経細胞ネットワークを模した数学モデル)などの解析手法を活用することで、飲食品の風味が嚥下という動作に与える影響を読み取ることができれば、前記波形データから飲食品の風味の類似度が数値化できる、またはその類似度に基づいて嚥下した飲食品の風味を予測できるという技術思想に至り、本発明を完成させた。表面筋電位計測のような生理応答計測によって、被験者の本音や正直な応答および潜在意識(意思決定や行動選択に影響する)を推定し得るという大きな利点があり、官能評価に客観性を与えることができる。
本発明の適用対象とする飲食品に特に制限はない。飲食品の具体例としては、菓子類、飲料類、水産品類、加工食品類、畜産品類、野菜類、調味料類が例示できる。飲食品には、フレーバーを添加しても良い。フレーバーとは、飲食品に添加することにより、飲食品に風味を付与したり増強したりできる化合物または組成物である。たとえば、香料化合物、香料組成物、動植物からの抽出物、天然精油があり、具体例としては「特許庁公報、周知・慣用技術集(香料)第II部食品用香料、平成12年1月14日発行」、「日本における食品香料化合物の使用実態調査」(平成12年度厚生科学研究報告書、日本香料工業会、平成13年3月発行)、および「合成香料 化学と商品知識」(2016年12月20日増補新版発行、合成香料編集委員会編集、化学工業日報社)に記載されている天然精油、天然香料、合成香料などがあるが、これらに限定されない。
本発明の官能評価対象となる飲食品は、複数回の官能評価において、テクスチャー(いわゆる「食感」であって、かたさ、触感、弾力性、喉ごしなどの機械的特性)や、被験者が飲食する量(重量および/または体積)が統一されていることが好ましい。飲食品の風味(香りおよび/または味)を純粋に評価できるからである。飲食品にフレーバーを添加しても、通常は、飲食品の機械的特性は変化し難く、飲食品のテクスチャーや被験者が飲食する量が統一されていれば、飲食品の風味の影響が、被験者の表面筋電位の変化として素直に現れる。また、飲食品がその温度に応じて風味が異なる場合には、飲食品の温度は同じ温度にして評価することが好ましい。
本発明の評価対象となる「飲食品の風味」とは、少なくとも嗅覚、味覚、またはその両方によって知覚できる感覚をいう。すなわち、少なくとも香り、味、またはその両方をいう。
パラメータ算出部30は、波形データ生成部20が生成した波形データを解析して嚥下に関するパラメータを算出する。嚥下に関するパラメータの例としては、時間的因子、量的因子、および周波数的因子が挙げられる。時間的因子としては、嚥下筋の活動時間が例示できる。活動時間は、嚥下時に嚥下筋が活動している時間であり、例えば、生成した波形データのうち嚥下筋が活動している部分を選択し、その部分の幅を筋活動時間とすることができる(本明細書では選択時間幅と称することがある)。量的因子としては、波形の最大振幅(スペクトル最大振幅)、波形の積分値(スペクトル面積)、二乗平均平方根(RMS)が例示できる。なお、波形の最大振幅(スペクトル最大振幅)は、嚥下時に発揮された最大筋力である。波形の積分値(スペクトル面積)は筋活動量であり、表面筋電位の波形データの波の総積分値である。二乗平均平方根(RMS)は、筋活動量を示す。周波数因子としては、パワースペクトル、パワースペクトル密度(PSD)、中央パワー周波数が例示できる。周波数因子は、たとえば、フーリエ変換によって求められる。なお、パワースペクトルは、力がどの周波数に分布しているかを示し、単位周波数(1Hz幅)で規格化する前のパワースペクトルである。パワースペクトル密度(PSD)は、単位周波数で規格化されたスペクトル関数である。中央パワー周波数は、筋疲労の指標として使用される。または、嚥下に関するパラメータとして、波形データを画像化したときの波形データの明るさであってもよい。例えば、パラメータは、波形データ生成部20が生成した波形データを解析することによって得られる、スペクトル面積、スペクトル最大振幅、筋活動時間、パワースペクトル、パワースペクトル密度、および中央パワー周波数、または波形データを画像化したときの波形データの明るさ、のうちの少なくとも1つである。なお、パワースペクトルおよびパワースペクトル密度は、波形データをフーリエ変換またはウェーブレット変換することによって得る。また、波形データを画像化したときの波形データの明るさは、画像化した波形データの各画素の明るさを数値化することによって得る。本実施形態では、パラメータ算出部30に、嚥下筋の表面筋電位測定電極のうち、被験者から見て一番右上(オトガイ下部右側領域)に装着した電極(以下、右上電極)から得られた波形データのスペクトル最大振幅、右上電極から得られた波形データのスペクトル面積、右上電極から得られた波形データの中央パワー周波数、特定周波数(たとえば、20-45Hz、46-80Hz、81-350Hz)のパワースペクトル密度を算出させている。
なお、これらのパラメータは、嚥下筋の表面筋電位を測定する電極を被験者に複数装着した場合には、嚥下に関するパラメータの算出に使用する波形データとして、いずれかの電極で得られた波形データを用いて算出してもよく、全ての電極から得られた波形データを用いて算出してもよい。
パワースペクトル、PSDなどの周波数因子のパラメータは、特定の周波数の帯域幅ごとに区切って算出することもできる。表面筋電位のデータには、活動した筋繊維のタイプに応じて特定の周波数帯の筋電位が多く含まれる。そのため、持久力を司る筋肉の活動は、低周波数帯のパワースペクトル、PSDに反映され、瞬発力を司る筋肉の活動は高周波数帯のパワースペクトル、PSDに反映される。たとえば、20~45Hz、46~80Hz、81~350Hzの各帯域幅の少なくとも1つを採用する。これらの帯域幅はそれぞれ、遅筋、中間筋、速筋の筋活動をもっともよく表す周波数帯である。
図4は、パラメータ算出部30が算出するパラメータの説明に供する図である。図5は、図4に示した波形を全波整流することによって得られる波形を示す図である。たとえば、嚥下時の波形データ部分として図3の波形データの一部分を取り出すと、図4に示すような波形が得られる。この波形を全波整流すると、図5に示すような波形になる。たとえば、パラメータ算出部30は、図5の波形のピーク値210を算出してスペクトル最大振幅とし、波形の外形を包絡する包絡線200が囲む面積を算出してスペクトル面積とし、波形のスペクトルの中央の数波数を中央パワー周波数とし、単位周波数幅当たりのパワー値としてパワースペクトル密度とし、波形の幅220を算出して筋活動時間とする。
官能評価データ記憶部40は、被験者が嚥下した被験物である飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似しているのかを示す官能評価データを、パラメータ算出部30が算出したパラメータとともに記憶する。
官能評価データは、被験者に官能評価のアンケートを記入させることによって得る。官能評価のアンケートを採るときに集める被験者は、目的に応じて選択できる。たとえば、特定の年代に関する予測を行いたい場合には、特定の年代のうちできるだけ様々な特性の被験者を集め、年代以外の偏りを抑制する。または、性別、年代、嗜好の異なる人たちを、万遍なく集め、万人に適用できる評価式の獲得や風味の類似度の予測を行うこともできる。官能評価アンケートの内容は、評価したい風味の内容に応じて任意に設定できる。飲食品の風味の類似度の回答を数値化できるものが好ましい。たとえば、評価対象の飲食品の風味について、ターゲットとする飲食品の風味との類似度の程度を点数化でき、官能評価データを点数(数値)として得られるものが望ましい。たとえば、類似度の度合いに応じて点数が増加するもの、「全く似ていない」を0点、「似ていない」を1点、「あまり似ていない」を2点、「少し似ている」を3点、「似ている」を4点、「良く似ている」を5点、とするスケールバーを用いることができる。
図6は、官能評価データを取得するための手段として、アンケート用紙の一例を示す図である。図6に示す官能評価データ用アンケート用紙は、被験者が嚥下した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似しているのか、の類似の程度を複数段階で数値化したデータである。図6の官能評価データを取得するためのアンケート用紙は、被験者が実際に飲食品を飲食しながら、被験者が感じたままを、0から5までの6段階で評価したときのデータを取得できるものである。なお、官能評価データを取得する手段の態様は、図6に示すような態様に限らない。たとえば、図6のように、似ていないから似ているまでの段階を0から5の6段階ではなく、-3から3までの7段階としても良い。または、どの程度類似しているかについて「強く類似する」、「中程度に類似する」、「類似が弱い」というような語句を選択するものでもよく、その他任意の評価でもよい。また、官能評価アンケートへの回答は、嚥下が終了した時点でもそれ以外でもよい。
飲食品の官能評価データとパラメータ算出部30が算出したパラメータとは、表面筋電位の波形データから算出されたパラメータと官能評価データとのセットに関するデータとして、官能評価データ記憶部40に記憶される。すなわち、データのセットとは、ある飲食品に関する官能評価データとその飲食品の嚥下時に生成した波形データから算出されたパラメータとが紐づいている状態のセットを意味する。
官能評価データ取得における官能評価の内容は、嚥下感覚などの食感以外の感覚に関するものであり、少なくとも味覚および/または嗅覚によって感じられる感覚に基づいて感知される風味への類似度に関するものである。
たとえば、官能評価データ取得における官能評価の内容は、ターゲットとする飲食品の風味への類似度であって、特定の飲食品や特定の製品を含む特定物の風味への類似度、特定の部位の風味への類似度、特定の成分の風味への類似度、特定の加工法の風味への類似度、特定の印象を想起させる風味への類似度のいずれかである。
特定の飲食品や特定の製品を含む特定物の風味への類似度を表すものの例として、具体的な果物、野菜、畜産品、水産品を含む生鮮食料品、レトルト食品、冷凍食品を含む加工食品、調味料、飲料などであって、アルコール飲料らしさ、ビールらしさ、梅酒らしさ、ワインらしさ、チューハイらしさ、バターらしさ、乳らしさ、豚骨らしさ、クリームらしさ、コーヒーらしさ、紅茶らしさ、緑茶らしさ、ココアらしさ、チョコらしさ、蜜らしさ、メープルシロップらしさ、麦芽らしさ、茶葉らしさ、ミントらしさ、ヨーグルトらしさ、豆乳らしさ、牛肉らしさ、豚肉らしさ、鶏肉らしさ、羊肉らしさ、ナッツらしさ、コショウらしさ、ハーブらしさ、がある。
特定の部位の風味への類似度を表すものの例として、果物の果汁、果肉、または果皮(ピール)らしさ、畜肉の皮らしさがある。特定の成分の風味への類似度を表すものの例として、乳や動物の脂肪感、油感(オイリー感)、アルコール(エタノール)感がある。特定の加工法の風味への類似度を表すものとして、ロースト感、焙煎感、焦げ感、カラメル感、コーヒーや茶などの淹れたて感がある。特定の印象を想起させる風味への類似度を表すものの例として、あっさり感、ボディ感、水分感、フレッシュ感、軽い風味、重い風味、みずみずしさなど風味の印象がある。また、特定の印象の別の例として、開発品の目標とする商品イメージを表すものの例として、洋風、和風、日本らしさなど特定の文化または地域らしさがあり、気分を表すものとして、華やか、さわやかがあり、香調を表すものの例としてフローラル、グリーンがある。
以上のように、官能評価データはあらかじめ1人または複数の被験者から次のようにして収集し官能評価データ記憶部40に記憶させる。
具体的には、官能評価の内容がビールらしさである場合、被験者に、所定の温度に冷蔵された飲料を飲んでもらい、その飲料の風味が、図6に示したように、たとえばビールらしさの度合いが6段階の内の何段階に該当するかということと、被験者がその飲料を嚥下した時に生成した波形データからパラメータ算出部30が算出したパラメータとを、上述のようにデータのセットとして関連付けて記憶部40に記憶させる。この官能評価は、できるだけ多くの被験者によって行なうことが好ましい。または、被験者が1人の場合はできるだけ多くの回数行うことが好ましい。これによって、パラメータ算出部30が算出したパラメータと多くの被験者の官能評価データとが官能評価データ記憶部40に蓄積される。
相関関係解析部50は、官能評価データ記憶部40が記憶している、官能評価データとパラメータ算出部30が算出したパラメータとの相関関係を解析する。官能評価データ記憶部40に記憶されているパラメータと風味の類似の程度を複数段階で数値化した官能評価データとを対応付けることによって、パラメータと官能評価データとの相関関係を解析する。
相関関係解析部50は、官能評価データとパラメータとの相関関係の解析に、統計解析、機械学習、またはディープラーニングを用いる。
統計解析は、平均値の検定、判別分析、重回帰分析、PLS回帰分析などの多変量解析のいずれかを用いる。また、機械学習は、線形回帰、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン(SVM)などを用いた回帰分析、決定木(CART)、回帰木、ランダムフォレスト、勾配ブースティング木、などを用いた木分析、パーセプトロン、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、再起型ニューラルネットワーク(RNN)、残差ネットワーク(ResNet)、自己組織化マップ(SOM)などのニューラルネットワークやディープラーニングを用いた分析、単純ベイズ(ナイーブベイズ)を用いたベイズ分析、k近似法(KNN)、階層型クラスタリング(ユークリッド距離、ウォード法など)、非階層型クラスタリング(k-meansなど)、トピックモデル(LDAなど)を用いたクラスタリング分析、ブースティング、バギングなどを用いたアンサンブル分析、アソシエーション分析、協調フィルタリング(アイテムベース、ユーザーベースなど)分析のいずれかを用いる。また、ディープラーニングは、入力層と出力層との間に位置される隠れ層の数を複数にする。学習の精度を上げるには、隠れ層の数は、計算コストや実用性の面を考慮した上で、できるだけ多くすることが好ましい。
相関関係解析部50は、相関関係を解析する際に、後述の相関係数が高くなるパラメータを選択してもよい。このことで、より精度の高い評価式が得られる。どのパラメータが評価式との相関が高いのかは、経験により、または実験により、試行錯誤した結果得られる。
評価式記憶部60は、相関関係解析部50によって解析されたパラメータと官能評価データとの相関関係の解析結果を、評価式として記憶する。
相関関係を表す評価式に基づいて、公知のマッピング手法を用いて相関関係を表すマップを作成すれば、飲食品の風味の類似度のマップを導出することができる。たとえば、パラメータによって導出される風味の類似度を、マップ中の各類似度に応じた領域にプロットすることで、可視化でき、視覚的にも直観的にもわかり易くなる。このようなマップを作成することにより、食品のターゲットの風味への類似度が一目で把握できる。このマップは、飲食品の広告、マーケティングに使用できる。マップの種類は任意であって、解決手法や所望の可視化形態に応じて最適なものを選択する。たとえば、マップの種類としては、等高線マップ、プロット図、バイプロット図が例示できる。
図7は、開発中のノンアルコールビールに対して取得したパラメータとビールらしさに関する官能評価データとの相関解析結果をプロットすることによって得られたマップである。この図は、「ビールらしさ」を感じる度合い(すなわちビール風味への類似度)を「強い」、「中程度」、「弱い」の3段階に分けてマップを作成した例を示している。
図7は、多群を判別する手法として正準判別分析を用いたときに計算される統計量に基づいて作成されている。具体的には、多群のデータを多次元の散布図にプロットし、多群の中で最も離れている2群のプロットの重なりが最小になるような判別軸(正準軸1)を見つけ、その軸に多群のプロットを正射影して判別スコア1(正準1)を求める。次に、その軸では重なりが大きかった別の2群の重なりが最小になるような判別軸2(正準軸2)を見つけて、今度はその軸に多群のプロットを正射影して判別スコア2(正準2)を求める。そして、求めた正準1と正準2の値をプロットする。このような手順を経て図7のマップを得る。
図7の「強い」、「中程度」、「弱い」、のそれぞれの円は、目的変数であるビールらしさについて、「強い」が点数1以上4未満、「中程度」が点数4以上7未満、「弱い」が点数7以上10未満であり、ビールらしさの点数は、図6のような官能評価アンケート用紙を用いて取得し、1が最低、10が最高とした。説明変数はパワースペクトル密度(PSD)の0-500Hzの周波数帯域のものである。それぞれの円は、相関関係解析部50が算出した確率楕円であり、確率密度が等しいところを示す等高線である。具体的には、二変量正規分布を仮定した上で、各々のグループに属するデータプロットの約9割が含まれる範囲である。
このマップに示すように、マップを作成することによって、開発中の飲食品の風味とターゲットとしている飲食品の風味との、マップ上の位置関係が明確になる。このため、マップは、開発中の飲食品の風味をターゲットとしている飲食品の風味に近づけるための、飲食品の開発に大いに役立つ。
図8は、相関関係解析部50が解析したパラメータと官能評価データとの相関関係から得られた評価式に基づくプロット図の一例を示す図である。
図8では、ターゲットとする飲食品の風味への類似度として、開発中のノンアルコールビールのビールらしさ(ビールへの類似度)を官能評価対象とし、5人の被験者から、開発中のノンアルコールビールの嚥下時の波形データから算出したパラメータと前記官能評価データとを取得し、その相関関係の解析の結果評価式を得て、その評価式に基づいて作成した風味の類似度に関するプロット図である。この評価式は、パラメータが変数であり、パラメータを導入すれば類似度の予測が可能となる。
図8において、縦軸(ビールらしさ学習)は官能評価の「ビールらしさ」の実測値であり、横軸(ビールらしさ予測値)は筋電データをもとにニューラルネットワークで構築した予測モデルが予想した予測値である。この予測モデルが、本発明の評価式に相当する。図8を作成するにあたり、官能評価の「ビールらしさ」は、1が最低、10が最高として、図6のようなスケールバーを用いて被験者に点数をつけてもらった。「ビールらしさ」の予測値は、目的変数を官能評価の「ビールらしさ」の実測値とし、説明変数であるパラメータを、オトガイ舌骨筋のパワースペクトル密度(PSD)について20-45Hz、46-80Hz、81-350Hzの各周波数帯、筋活動時間、最大振幅(最大筋活動量)、二乗平均平方根(RMS)、中央パワー周波数、積分値(筋活動量)として、相関関係を解析して評価式を得た。そして、この評価式に基づいたビールらしさの実測値と予測値を表す、図8に示すような黒丸のプロットの結果が得られた。図8において、直線は、類似度の実測値と予測値との相関を見やすくするための補助線である。この線はy(実測値)=x(予測値)を示し、このy=xの線に近いプロットが多いほど、精度の高い評価式が得られていることを意味する。
図9は、図8の評価式の検証結果を示す図である。具体的には、ニューラルネットワークにおける過適合の有無を検証する操作を行った。過適合があると、評価式に用いたデータのみをよく説明するがそれ以外のデータに対しては適合しない、すなわち汎用性がなくなり、予測の精度が低い可能性があるからである。AIを使った予測モデルから判別を行なう際には、過学習してないか検証することが好ましく、図9では、その検証の結果を示している。具体的には、図8の評価式を得る際に用いたデータのセット(官能評価データとパラメータとのセット)ではなく、新たなデータのセット(以下、未知のデータとも称する)を図8で得た評価式にあてはめたものである。すなわち、図9において、各プロットの横軸の値である実測値は新たなデータのセットのうち官能評価データを表し、各プロットの縦軸の値である予測値は、図8の評価式に新たなデータのセットのうちパラメータを導入して得た値である。なお、過学習の検証で用いる新たなデータのセットは、評価式の導出に用いたデータのセットでないものであれば、いつ取得されたデータであるかは任意である。すなわち、取得済みのデータのセットの一部を用いて評価式を導出し、当該データのセットのうち評価式の導出に用いなかったデータのセットを未知のデータとして過学習の検証に用いてもよいし、評価式を算出後に新たに取得したデータのセットを用いてもよい。図9に示すように、未知のデータであっても図8の評価式は予測精度が高く、従って、図8の評価式は汎用性のある有用な評価式、すなわち予測モデルだと確認された。なお、この評価式の相関係数について、図8と図9で用いたデータのセットを合わせて算出したところ、0.89であった。評価式の信頼性はかなり高いことがわかる。この相関係数は、評価式からパラメータに基づいて予測される類似度(ビールらしさ)と、官能評価によって得た類似度(ビールらしさ)との近似度合いを表すものである。
すなわち、図8および図9に示すように、本実施形態の飲食品評価装置100は、未知のデータに対しても、作成した予測モデルが有効だということを証明している。つまり、モデル作成時に活用したデータセットに対する予測の精度(図8)と未知データに対する予測の精度(図9)が同程度であることを示している。前記相関係数は、各々独立に計算した場合でも0.8以上の高い数値を記録し、精度の良い予測モデルであることを示している。
実施形態1の飲食品評価装置100の構成は以上の通りである。
[飲食品評価装置の動作(飲食品評価方法の手順)]
次に、飲食品評価装置100の概略の動作について説明する。図2は、飲食品評価方法の手順を示す図である。図2に示す飲食品評価方法の手順は、飲食品評価装置100の動作を示すものでもある。飲食品評価装置100は、この手順にしたがって動作する。なお、飲食品評価装置100を構成する各部分の動作は上述した通りであるので、飲食品評価方法の手順は簡単に説明する。
まず、被験者が飲食物を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位を筋電位測定電極10によって測定する(S100)。
次に、筋電位測定電極10によって測定された表面筋電位の変化から、波形データ生成部20が表面筋電位の波形データを生成する(S110)。
波形データ生成部20によって生成された波形データを解析してパラメータ算出部30が嚥下に関するパラメータを算出する(S120)。
被験者が嚥下した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似しているのかを示す官能評価データを、パラメータ算出部30が算出したパラメータとともに、官能評価データ記憶部40が記憶する(S130)。
官能評価データ記憶部40に記憶されている官能評価データとパラメータとの相関関係を、相関関係解析部50が解析する(S140)。
相関関係解析部50によって解析されたパラメータと官能評価データとの相関関係の解析結果を、評価式記憶部60が評価式として記憶する(S150)。
以上の処理によって、最終的に、評価式が評価式記憶部60に記憶されることになる。この評価式を用いて、パラメータを評価式に代入して、飲食品の風味を予測すると、かなり高い精度で、被験者が感じる風味を予測できる。次の実施形態2では、評価式を用いて飲食品の風味を予測できる、飲食品評価装置について説明する。
[実施形態2]
[飲食品評価装置の構成]
図12は、実施形態2の飲食品評価装置のブロック図である。飲食品評価装置300は、波形データ生成部20、パラメータ算出部30、評価式記憶部60、推定部70、および表示部80を有する。なお、実施形態1の飲食品評価装置100と同一の構成部材には同一の符号を付してある。
筋電位測定電極10は波形データ生成部20に接続される。飲食品評価装置300を構成する、波形データ生成部20、パラメータ算出部30、評価式記憶部60、推定部70、および表示部80は、1つの筐体内に設けられる。たとえば、飲食品評価装置300は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)内に設けられる。
筋電位測定電極10は、実施形態1と同様、被験者のオトガイ下部または前頸部のいずれか、またはオトガイ下部および前頸部の両方に装着する。筋電位測定電極10は、被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化を測定する。
波形データ生成部20は、筋電位測定電極10によって測定された、被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化から、表面筋電位の波形データを生成する。具体的には、波形データ生成部20は、筋電位測定電極10によって、一定のサンプリング時間で測定された嚥下筋の表面筋電位を時系列に並べて線で結び、波形データを生成する。波形データ生成部20の動作の詳細は実施形態1と同じである。
パラメータ算出部30は、波形データ生成部20が生成した波形データを解析して嚥下に関するパラメータを算出する。パラメータは、実施形態1と同様、たとえば、波形データ生成部20が生成した波形データを解析することによって得られる、スペクトル面積、スペクトル最大振幅、筋活動時間、パワースペクトル、パワースペクトル密度、および中央パワー周波数、または波形データを画像化したときの波形データの明るさ、のうちの少なくとも1つである。パワースペクトルおよびパワースペクトル密度は、波形データをフーリエ変換またはウェーブレット変換することによって得る。また、波形データを画像化したときの波形データの明るさは、画像化した波形データの各画素の明るさを数値化することによって得る。
評価式記憶部60は、パラメータ算出部30によって算出されたパラメータと官能評価データとの相関関係の評価式を記憶する。評価式記憶部60は、実施形態1の飲食品評価装置100の評価式記憶部60と同一の評価式を記憶している。たとえば、複数の被験者によって、ある飲食品の風味について同じ官能評価内容(つまり、ターゲットとする飲食品の風味への類似度)で官能評価が繰り返された結果得られた評価式が記憶されている。
推定部70は、パラメータ算出部30が算出したパラメータと評価式記憶部60に記憶されている評価式とを用いて、被験者が嚥下した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似していると感じるかを推定する。
表示部80は、推定部70が推定した類似度を、数値化して表示するか、図7に示すようにマッピングの形態で表示する。表示部80は、LCDディスプレイ、または有機ELディスプレイとして具現化される。
実施形態2の飲食品評価装置300の構成は以上の通りである。
[飲食品評価装置の動作(飲食品評価方法の手順)]
次に、飲食品評価装置300の概略の動作について説明する。図11は、飲食品評価方法の手順を示す図である。図11に示す飲食品評価方法の手順は、飲食品評価装置300の動作を示すものでもある。飲食品評価装置300は、この手順にしたがって動作する。なお、飲食品評価装置300を構成する各部分の動作は上述した通りであるので、飲食品評価方法の手順は簡単に説明する。
まず、被験者が飲食物を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位を筋電位測定電極10によって測定する(S400)。
次に、筋電位測定電極10によって測定された表面筋電位の変化から、波形データ生成部20が表面筋電位の波形データを生成する(S410)。
波形データ生成部20によって生成された波形データを解析してパラメータ算出部30が嚥下に関するパラメータを算出する(S420)。
推定部70は、パラメータ算出部30が算出したパラメータと評価式記憶部60に記憶されている評価式とを用いて、被験者が嚥下した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似していると感じるかを推定する(S430)。
表示部80は、推定部70が推定した類似度を数値化して表示する。または図7に示すようにマッピングの形態で表示する(S440)。
以上の処理によって、最終的に、被験者が嚥下した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に、どの程度類似していると感じるかが表示部80に表示されることになる。飲食品の開発者は、表示された類似度を見て、現在開発中の飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に、どの程度似ているのかを判断でき、食品開発の方向性を判断することができる。類似度の表示形態としては、被験者が飲食した飲食品の風味(たとえばビールらしさ)がどの程度であるかを10段階で表示することが考えられる。たとえば、被験者が飲んだ開発中の第3のビールのビール感はターゲットとする飲食品の風味(たとえばビールらしさ)「9」というように、類似度を数値化して表示する。
また、被験者に様々な飲食品を嚥下してもらい、その時に得られた類似度をマッピングし、マッピングの結果を図7に示すように表示部80に表示させることによって、様々な飲食品の位置関係を一目で把握できる。
以上のように、本発明の飲食品評価装置および飲食品評価方法では、相関関係解析部50が解析した結果得られる評価式、および評価式記憶部60に記憶させる評価式が、飲食品の風味の予測の精度に大きく影響することがわかる。
実際に被験者に開発中の飲食品を試食してもらい、被験者が試食した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味と、どの程度似ていると感じるかの類似度を官能評価した。次に、被験者が飲食品を試食した時に得られたパラメータから評価式を用いて被験者が答える類似度を予測した。そして、被験者の官能評価によって答えた類似度と、本発明の飲食品評価装置が答えた類似度の、相関係数を算出する実験をした。
この実験は、次のように行った。この実験を、実施例1と実施例2とに分けて説明する。
[実施例1]
実施例1は、「バターらしさ」をターゲットとする飲食品の風味を、バターらしさとして、バターらしさの官能評価データ(バター風味への類似度)と嚥下筋の表面筋電位から得た波形データから算出したパラメータとの相関を解析し、評価式を得る実施例である。この実施例では、飲食品として、市販のマーガリンと、それに長谷川香料株式会社製のバターフレーバーを配合した賦香マーガリンを用いた。
まず、相関の解析をするに当たり、5グラムの食パンのクラム部に市販のマーガリン(未賦香品)を塗り付け、被験者に試食してもらった。被験者の首(オトガイ下部および前頚部)に筋電位測定電極10を取り付け、市販のマーガリン(未賦香品)を嚥下する時の嚥下筋電位を測定し、波形データを得た。
一方で、被験者に市販のマーガリン(未賦香品)の「バターらしさ」の官能評価をしてもらった。官能評価は「バターらしさ」に関する点数とし、図6と同様のアンケート用紙を用いた。
次に、5グラムの食パンのクラム部に賦香マーガリンを塗り付け、被験者に試食してもらった。被験者の首の上記と同様の位置に筋電位測定電極10を取り付け、賦香マーガリンを嚥下する時の嚥下筋電位を測定し、波形データを得た。
一方で、被験者に、市販マーガリン(未賦香品)と同様にして賦香マーガリンの「バターらしさ」の官能評価をしてもらった。
そして、得られた波形データから、嚥下に関するパラメータを算出した。パラメータは、オトガイ舌骨筋のパワースペクトル密度(PSD)について20-45Hz、46-80Hz、81-350Hzの各周波数帯、筋活動時間、最大振幅(最大筋活動量)、二乗平均平方根(RMS)、中央パワー周波数、積分値(筋活動量)を用いた。なお、市販マーガリン(未賦香品)のデータの中央値が1となるように補正して、正規化を行った。
各マーガリンを塗った食パンについて、算出したパラメータと官能評価スコアとの相関解析をニューラルネットワークによって行い、評価式を算出した。具体的に得られた評価式は、次のようなものである。評価式中、TanH:双曲線正接(ハイパボリックタンジェント)は次の関数である。
TanH(x)=ex-e-x/ex+e-xである。
「ビールらしさ」=
Figure 0007281367000001
H1_12=
Figure 0007281367000002
H1_22=
Figure 0007281367000003
H1_22=
Figure 0007281367000004
実施例1の場合、相関係数0.67が得られた。この相関係数は、ニューラルネットワークによって嚥下に関するパラメータから予測された風味の類似度(バターらしさ)と、官能評価で実際に得た類似度との近似度合いを示している。
[実施例2]
実施例2は、ターゲットとする飲食品の風味を、ビールらしさとし、相関解析にオトガイ下部右側のデータを用いた以外は実施例1と同様にして、ビールらしさ官能評価スコアと嚥下筋の表面筋電位から得られるパラメータとの相関を解析し、評価式を得る実施例である。
まず、相関の解析をするに当たり、所定の温度に冷蔵した60ccの開発中のノンアルコールビールを被験者に一気に嚥下してもらった。被験者の首(オトガイ下部右側および前頚部)に筋電位測定電極10を取り付け、開発中のビールを嚥下する時の嚥下筋電位を測定し、波形データを得た。オトガイ下部右側に筋電位測定電極10を取り付けたとは、オトガイ下部の被験者から見て右半分の領域に当該電極を取り付けたことを意味する。
一方で、被験者に開発中のノンアルコールビールの「ビールらしさ」の官能評価をしてもらった。官能評価は「ビールらしさ」に関する点数とし、図6と同様のアンケート用紙を用いた。
次に、上記開発中のビールと同様の温度に冷蔵した60ccの水を被験者に一気に嚥下してもらった。被験者の首の上記と同様の位置に筋電位測定電極10を取り付け、販売中のビールを嚥下する時の嚥下筋電位を測定し、波形データを得た。
そして、得られた波形データから、オトガイ下部右側のデータを用いて嚥下に関するパラメータを算出した。パラメータは、オトガイ舌骨筋のパワースペクトル密度(PSD)について20-45Hz、46-80Hz、81-350Hzの各周波数帯、筋活動時間、最大振幅(最大筋活動量)、二乗平均平方根(RMS)、中央パワー周波数、積分値(筋活動量)を用いた。なお、水のデータの中央値が1となるように補正して正規化を行った。
各飲料について、算出したパラメータと官能評価データとの相関解析をニューラルネットワークによって行い、評価式を算出した。具体的に得られた評価式は、次のようなものである。評価式中、TanH:双曲線正接(ハイパボリックタンジェント)は次の関数である。
TanH(x)=ex-e-x/ex+e-xである。
「ビールらしさ」=
Figure 0007281367000005
H1_1=
Figure 0007281367000006
H1_2=
Figure 0007281367000007
H1_3=
Figure 0007281367000008
前述の図8、図9は、実施例2の相関の解析結果およびその過学習の検証結果を示す図である。図に示すように、評価式と被験者の予測値との相関はかなり取れていることがわかる。実施例2の場合、相関係数0.89が得られた。この相関係数は、ニューラルネットワークによって嚥下に関するパラメータから予測された風味の類似度(ビールらしさ)と、官能評価で実際に得た類似度との近似度合いを示している。
以上のように、実施例1、2によれば、評価式の信頼性はかなり高く、本発明を用いることによって、飲食品の開発が効率的に行えるようになり、高精度の開発が行えることがわかる。
以上、実施形態1の飲食品評価装置および飲食品評価方法では、各被験者から得られたパラメータと各被験者の官能評価とから、被験者の官能評価が予測できる評価式を得ることができ、実施形態2の飲食品評価装置および飲食品評価方法では、その評価式を用いて、被験者から得られたパラメータによりその被験者の官能評価を推定できる。したがって、本発明の飲食品評価装置および飲食品評価方法によれば、客観性があり、より精度の高い飲食品の開発に役立つような飲食品評価装置および飲食品評価方法を切望していた飲食品の開発者の期待に応えることができる。
また、本発明の飲食品評価装置および飲食品評価方法によれば、図7のようなマップを表示させることにより、飲食品の風味をターゲットとする飲食品の風味に近づけるための指標を得ることが容易となり、客観性があり、より精度の高い飲食品の開発が行える。このため、飲食品の製品開発が効率的に行えるようになり、製品開発のコストが減少する。
以上、本発明の飲食品評価装置および飲食品評価方法について説明したが、本発明は、上記の実施形態や実施例の記載に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲内において、改変可能であるのはもちろんである。
10 筋電位測定電極、
20 波形データ生成部、
30 パラメータ算出部、
40 官能評価データ記憶部、
50 相関関係解析部、
60 評価式記憶部、
70 推定部、
80 表示部、
100、300 飲食品評価装置。

Claims (17)

  1. 被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化から表面筋電位の波形データを生成する波形データ生成部と、
    前記波形データ生成部が生成した波形データを解析して嚥下に関するパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    前記被験者が嚥下した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似しているのかを示す官能評価データを、前記パラメータ算出部が算出したパラメータとともに記憶する官能評価データ記憶部と、
    前記パラメータ算出部が算出したパラメータと前記官能評価データ記憶部が記憶している官能評価データとの相関関係を解析する相関関係解析部と、
    前記相関関係解析部によって解析された前記パラメータと前記官能評価データとの相関関係の解析結果を、評価式として記憶する評価式記憶部と、
    を有する、飲食品評価装置。
  2. 被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化から表面筋電位の波形データを生成する波形データ生成部と、
    前記波形データ生成部が生成した波形データを解析して嚥下に関するパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    前記パラメータと官能評価データとの相関関係の評価式を記憶する評価式記憶部と、
    前記パラメータ算出部が算出したパラメータと前記評価式記憶部に記憶されている評価式とを用いて、前記被験者が嚥下した飲食品の風味が、前記被験者が嚥下したターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似していると感じるかを推定する推定部と、
    を有する飲食品評価装置。
  3. 前記波形データ生成部は、
    前記被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化を、前記被験者のオトガイ下部および/または前頸部に装着された筋電位測定電極から取得する、請求項1または2に記載の飲食品評価装置。
  4. 前記パラメータ算出部は、前記波形データの時間的因子、量的因子、および周波数的因子のうちの少なくとも1つのパラメータを算出する、請求項1または2に記載の飲食品評価装置。
  5. 前記周波数的因子のパラメータは、パワースペクトルおよびパワースペクトル密度の少なくとも一方から得られ、
    前記パワースペクトルおよびパワースペクトル密度は、前記波形データを、フーリエ変換またはウェーブレット変換することにより得る、請求項4に記載の飲食品評価装置。
  6. 前記パラメータ算出部は、画像化した前記波形データの各画素の明るさを数値化することによって、前記パラメータを算出する、請求項1または2に記載の飲食品評価装置。
  7. 前記官能評価データは、
    前記被験者が嚥下した飲食品の風味が、前記被験者が嚥下したターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似しているのか、の類似の程度を複数段階で数値化したデータである、請求項1または2に記載の飲食品評価装置。
  8. 前記官能評価データにおける官能評価の内容は
    覚、嗅覚および/または冷覚もしくは温覚によって感じられる感覚を含む風味に関するものである、請求項7に記載の飲食品評価装置。
  9. 前記官能評価データにおける官能評価の内容は、
    定物の風味への類似度、特定の部位の風味への類似度、特定の成分の風味への類似度、特定の加工法の風味への類似度、および、特定の印象を想起させる風味への類似度のうちの少なくともいずれか1つから選択される、請求項7に記載の飲食品評価装置。
  10. 前記特定物は、果物、野菜、畜産品、水産品を含む生鮮食料品、レトルト食品、冷凍食品を含む加工食品、調味料、または、飲料である、請求項9に記載の飲食品評価装置。
  11. 前記相関関係解析部は、
    前記官能評価データ記憶部に記憶されている前記パラメータと類似の程度を複数段階で数値化した前記官能評価データとを対応付けることによって、前記パラメータと前記官能評価データとの相関関係を解析する、請求項1に記載の飲食品評価装置。
  12. 前記相関関係解析部は、前記官能評価データと前記パラメータとの相関関係の解析に、統計解析、または機械学習を用いる、請求項1に記載の飲食品評価装置。
  13. 前記統計解析は、多変量解析を含み
    前記機械学習は、回帰分析、木分析、ニューラルネットワークを用いた分析、ディープラーニングを用いた分析、ベイズ分析、クラスタリング分析、アンサンブル分析、アソシエーション分析、および、協調フィルタリング分析のいずれかを含む、請求項12に記載の飲食品評価装置。
  14. 前記評価式記憶部には、前記パラメータ算出部が算出した複数のパラメータから選択された前記官能評価データとの相関が高いパラメータと、前記官能評価データとの相関関係の前記評価式が記憶されている、請求項2に記載の飲食品評価装置。
  15. さらに、前記推定部が推定した類似度を、数値化して、またはマッピングとして表示する表示部を有する、請求項14に記載の飲食品評価装置。
  16. 被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化から表面筋電位の波形データを生成する段階と、
    生成した波形データを解析して嚥下に関するパラメータを算出する段階と、
    前記被験者が嚥下した飲食品の風味が、ターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似しているのかを示す官能評価データを、算出したパラメータとともに記憶する段階と、
    記憶されている官能評価データとパラメータとの相関関係を解析する段階と、
    解析された前記パラメータと前記官能評価データとの相関関係の解析結果を、評価式として記憶する段階と、
    を含む、飲食品評価方法。
  17. 被験者が飲食品を嚥下する時の嚥下筋の表面筋電位の変化から表面筋電位の波形データを生成する段階と、
    生成した波形データを解析して嚥下に関するパラメータを算出する段階と、
    算出されたパラメータと評価式とを用いて、前記被験者が嚥下した飲食品の風味が、前記被験者が嚥下したターゲットとする飲食品の風味に対して、どの程度類似していると感じるかを推定する段階と、
    を含む飲食品評価方法。
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藤原聡ほか,筋電位計測データを用いたフレーバーの評価方法~おいしさをUPする香りの開発と嚥下マップTMのご紹介~,日本味と匂学会誌第52回大会Proceeding集,2018年10月,pp.S47-S48

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