[システム構成]
図1乃至図20に、この発明の実施の形態1を示す。
図1は、この実施の形態の金融商品取引管理システムのシステム構成図及び機能ブロック図である。同図に示すとおり、金融商品取引管理システム1Aは、金融商品取引管理装置1と、N個(N≧1)のクライアント端末21~2nとを備えており、金融商品取引管理装置1とクライアント端末21~2nは、WAN(Wide Area Network)としてのインターネット3を介して相互に交信可能である。この実施の形態の金融商品取引管理システム1Aは、金融商品として外国為替を取扱う。
金融商品取引管理装置1は、金融商品の取扱業者が管理し運用するサーバコンピュータであり、Webサーバ機能、大容量のデータを保存するデータベース機能を備えている。クライアント端末21,・・・,2nは、金融商品の売買を行う個人又は法人が所持し使用する、データ通信機能を有する通信端末であって、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末等がこれに該当する。クライアント端末21,・・・,2nは、マウスやキーボード等各種指示を入力するために用いられる操作部211,・・・,21n、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり操作部211,・・・,21nから入力された各種指示等や各種画像を表示する表示部221,・・・,22nを有している。クライアント端末21,・・・,2nの操作部211,・・・,21nと表示部221,・・・,22nは、指やタッチペン等のポインティングデバイスの接触位置の座標情報等に基づいて各種入力を行う、タッチパネル式のディスプレイとして構成されていてもよい。なお、クライアント端末21,・・・,2n、操作部211,・・・,21n、表示部221,・・・,22nは同じ構成を持つので、以下、区別する必要がある場合を除き、クライアント端末2、操作部21、表示部22とする。
図2は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示すとおり、金融商品取引管理装置1は少なくとも1のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)101、及び、CPU101の作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)102、起動用ブートプログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)103、各種プログラムやデータ等が記録されるハードディスク等の補助記憶装置104、データの送受信に用いる通信インターフェース105、マウス、キーボード等、オペレータが金融商品取引管理装置1の操作を行うための操作部106、LCD等からなり文字や画像を表示する表示部107等が設けられている。補助記憶装置104には、OS(Operating System)用プログラム、各種アプリケーションプログラム、データベースに記録されたデータ等が記録されており、これらのプログラムやデータはCPU101の演算処理により、ハードウェア資源と協働して各種機能を実現する。
図1に示す通り、金融商品取引管理装置1は、上述した各種プログラムとハードウェア資源とに基づいて実現される機能手段としてのデータ処理部10、及び、データ処理部10にて処理される各種データが記録されるデータベース18を有する。データ処理部10は金融商品取引管理装置1において用いる各種データの生成、加工等の処理を行うものであり、更に、同じく機能手段としてのフロントページ配信部11、注文入力受付部12、入出金情報生成部13、「約定情報生成手段」としての約定情報生成部14、口座情報生成部15、「注文情報生成手段」としての注文情報生成部16、データベース(DB)接続基底部17、価格情報受信管理部19を有している。
注文入力受付部12は、クライアント端末2から入力された各種の注文に関するデータを受け付け、金融商品の注文を成立させるために必要な各種処理を行う。また、金融商品の取引に必要な証拠金の額を算出する。
入出金情報生成部13は、クライアント端末2から入出金のリクエストを受け付け、リクエストに基づいて入出金の一覧表を作成する。
注文情報生成部16は、注文入力受付部12が処理した情報に基づいて、成立した金融商品の注文に関する情報を生成する。ここでの注文には、いわゆる成行注文、指値注文、逆指値注文に加え、イフダンオーダーも含まれる。
注文情報生成部16は、イフダンオーダー及び逆指値注文を生成する際に、第一注文が新規の指値注文又は逆指値注文となるように第一注文の注文情報を生成し、第二注文が決済の指値注文となるように第二注文の注文情報を生成し、逆指値注文が決済の逆指値注文となるように逆指値注文の注文情報を生成する。なお、第一注文、第二注文、逆指値注文の如何は後述する注文テーブル181のフィールド定義に基づいて区別、記録される。
約定情報生成部14は、注文情報生成部16が生成した注文に基づく約定処理、及び、完了した約定処理に関する情報を取引者のクライアント端末2に送るための処理を行う。なお、ここでの「約定」とは、取引者の注文に基づいて金融商品の売買を成立されるための各種の手続並びに処理のことをいう。後述する通り、この実施の形態において約定が成立すると、外国為替の売買が行われ、その結果、約定情報生成部14の指示に基づいて、口座情報生成部15が売買額に応じて証拠金情報(後述)を変換し、更に、入出金情報生成部13が入出金の一覧表に入金や出金の状況を記載する。また、約定情報生成部14は、約定が成立すると、クライアント端末2の表示部22に約定が成立した旨の文字情報等を表示させ、また、売買価格に基づいてクライアント端末の銀行口座の出入金処理を行う。
口座情報生成部15は、取引者の預金残高情報を生成し、当該預金残高情報を証拠金情報(即ち、注文の約定を実現できることを裏付けるための情報)を管理する機能を有する。なお、口座情報生成部15において生成される預金残高に関する情報は、現実の預金残高と整合性を取るために、銀行等の金融機関が提供する、取引者の現実の預金残高に関する情報と定期的に照合される。
データベース接続基底部17は、データ処理部10において生成、加工処理されたデータとデータベース18にて記録されるデータとの変換(例えば論理的データ構造と物理的データ構造との相互変換)を行うと共に、データ処理部10とデータベース18との間でデータを交信するために必要な処理を行う。
データベース18は、金融商品取引管理装置1にて用いられるデータを記録する。この実施の形態におけるデータベース18はリレーショナルデータベースによって形成するが、例えばオブジェクトデータベース等、大量のデータの記録や書換えに適したものであればどのような形式を用いてもよい。データベース18には、注文テーブル181、取引者の口座が存在する金融機関、口座名、残高等の情報を定義する顧客口座情報テーブル182、取引される通貨の組合せ等に関する情報を定義する通貨ペア注文条件テーブル183、シーケンス番号テーブル184が記録されている。シーケンス番号テーブル184には注文情報(後述)ごとに一意に付されるシーケンス番号が記録される。注文テーブル181の詳細については後述する。
フロントページ配信部11は、クライアント端末2の表示部22にされる画像データを作成し、作成した画像データをクライアント端末2に送信する。
価格情報受信管理部19は、金融商品取引管理装置1にて扱う金融商品の価格についての情報を取得し、取得した情報に対し、データ処理部10にて用いるために必要な処理と管理を行う。この実施の形態においては、価格情報受信管理部19は外為の相場価格の情報を定期的に取得し、記録し管理する。
なお図示しないが、金融商品取引管理装置1は日時の情報を取得し管理するタイマと、このタイマから取得された日時の情報に基づいて第一注文、第二注文、逆指値注文の有効期限(後述)の管理を行う期限管理手段とを有する。
図3は注文テーブル181のフィールド定義の模式図である。この図に示す通り、注文テーブル181は項目数分のフィールドを有し、フィールドの名称(フィールド名)、文字や数値や日時等のデータ型(型)、ビット長等のデータ長(長さ)、空欄不可指定(Not Null)、デフォルト値の有無(デフォルト値)、データの項目名(備考)等が規定される。
[この実施の形態における取引形態について]
この実施の形態の金融商品取引管理システム1Aによって実現できる取引方法の代表例3例を以下概説する。なお、これらの取引方法はこの実施の形態において実現可能な取引方法の例にすぎず、この実施の形態の金融商品取引管理システム1Aにおいて、これらの取引方法以外のいかなる取引方法が行われてもよい。
[取引方法総論:一の注文手続による注文]
この実施の形態においては、下記[取引方法1]~[取引方法3]を含め、一の注文手続に基づいて注文情報生成部16が生成した複数の注文情報に対する処理に基づいて、複数の注文がそれぞれ発注されたり約定されたりすることで取引が行われる。ここで、「一の注文手続」とは、注文入力画面410(図13参照)、注文入力画面510(図16参照)、注文入力画面610(図19参照)等における所定の処理(例えば取引者による同図の実行ボタン41nのクリック等)が行われた旨の信号やデータを、金融商品取引管理装置1が受信する処理を行うことや、金融商品取引管理装置1が受信して受け付ける処理を行うこと等をいう(以下、本明細書において同じ。)。
[取引方法1:トラップトレード]
この実施の形態の金融商品取引管理装置1においては、注文情報生成部16が生成する注文情報によって、同一種類の複数の金融商品を所定の値幅で所定の注文数量ごとに予約する注文形態(以下この注文形態を単に「トラップトレード」と称する。)を実現できる。
このとき、注文情報生成部16は、所定の基準価格(例えば複数の注文のうちの最高値の注文の注文価格や最安値の注文の注文価格と同一価格、あるいは、全ての注文の注文価格の平均価格となる価格、など)を基準として、全ての注文の注文価格を所定の演算に基づいて設定する。
ただし、この実施の形態においては、注文情報生成部16が生成する注文情報による金融商品同士の値幅は常に一定である必要はなく、特定の注文、例えば最高値の注文とその一つ安値側の注文との値幅や、最安値の注文とその一つ高値側の注文との値幅が、他の注文価格の注文同士の一定の値幅とは異なるものであってもよいし、最高値の注文と最高値から2番目の注文、最高値から3番目の注文と4番目の注文・・・のように、所定の注文の組同士だけが等しい値幅になっているような構成であってもよい。
[取引方法2:トラップリピートイフダン]
また、この実施の形態の金融商品取引管理装置1においては、注文情報生成部16が生成する注文情報によって、同一種類の複数の金融商品を、第一注文と、第一注文の約定によって発注される第二注文と(イフダン注文)の組み合わせが複数存在し、第一注文同士の値幅と第二注文同士の値幅が一定であり、それぞれの第一注文と対応するそれぞれの第二注文との利幅が一定であるように設定され、第一注文とそれに対応する第二注文とが約定すると、約定した第一注文に対応する新たな第一注文と約定した第二注文に対応する新たな第二注文とによるイフダン注文が繰り返される取引(以下この注文形態を単に「トラップリピートイフダン」と称する。)を実現できる。
このとき、注文情報生成部16は、所定の基準価格(例えば複数の注文のうちの最高値の注文の注文価格や最安値の注文の注文価格と同一価格、あるいは、全ての注文の注文価格の平均価格となる価格、など)を基準として、全ての第一注文の注文価格や、全ての第二注文の注文価格を所定の演算に基づいて設定する。また、注文情報生成部16は、所定の値(例えば、取引者によって入力された利幅の値や、利幅を演算するための所定の情報(例えば取引者の所有する証拠金の額や、取引者によって入力された、所定期間内に相場が変動する可能性があると取引者が想定した価格範囲としての想定変動幅の情報等))を用いた演算により、第一注文と第二注文との利幅を設定する。
ただし、この実施の形態においては、注文情報生成部16が生成する注文情報による金融商品同士の値幅は常に一定である必要はなく、特定の注文、例えば最高値の第一注文とその一つ安値側の第一注文との値幅、あるいは最高値の第二注文とその一つ安値側の第二注文との値幅や、最安値の第一注文とその一つ高値側の第一注文との値幅、あるいは最安値の第二注文とその一つ高値側の第二注文との値幅が、他の注文価格の第一注文同士の一定の値幅とは異なるものであってもよいし、最高値の第一注文と最高値から2番目の第一注文、最高値から3番目の第一注文と4番目の第一注文・・・、あるいは最高値の第二注文と最高値から2番目の第二注文、最高値から3番目の第二注文と4番目の第二注文・・・のように、所定の第一注文の組同士だけや所定の第二注文の組同士だけが等しい値幅になっているような構成であってもよい。
また、この実施の形態においては、特定の第一注文とこの第一注文に対応する第二注文とがそれぞれ約定した後に表れる、注文情報生成部16が生成する注文情報による新たな第一注文と新たな第二注文とが、元の第一注文の注文金額や注文価格と同一である必要はない。例えば、特定の第一注文と特定の第二注文とが約定した後に、新たな第一注文と新たな第二注文とが、元の第一注文の注文価格や元の第二注文の注文価格よりも所定価格(例えばそれぞれ0.1円ずつ)高値側(又は安値側)に変動した価格で発注されたり、新たな第一注文と新たな第二注文とが、元の第一注文や元の第二注文の注文数量よりも所定の注文数量(例えば0.1通貨単位)だけ増加(又は減少)した注文数量で発注されたりしてもよい。
また、この実施の形態においては、相場価格の変動等に伴い、特定の第一注文とこの第一注文に対応する第二注文とがそれぞれ約定した後に、注文情報生成部16が生成する注文情報により、相場の変動方向に新たな第一注文と新たな第二注文とが発注されるように構成されるように構成されてもよい。
例えば、相場価格の変動に伴い、最高値の第一注文と最高値の第二注文とが約定した後に、注文情報生成部16は、最高値の第一注文よりも高値側に新たな第一注文が発注され、最高値の第二注文よりも高値側に新たな第二注文が発注されるように新たな注文情報を生成するように構成されていてもよい。なお、この場合、新たに生成される第一注文と元の最高値の第一注文との値幅や、新たに生成される第二注文と元の最高値の第二注文との値幅は、元の第一注文同士の値幅や元の第二注文同士の値幅と同一であってもよいし、異なる値幅(例えば直近の所定期間における相場の変動に基づいて所定の演算によって算出された値幅)であってもよい。また、新たに生成される第一注文と新たに生成される第二注文との利幅は、元の第一注文と元の第二注文との利幅と同一でも異なるものでもよい。
[取引方法3:らくトラ]
また、この実施の形態においては、注文情報生成部16は、所定の上限価格や所定の下限価格との間に設定される価格範囲、あるいは、上限価格や下限価格を基準に設定される価格範囲に、複数の注文を上記「トラップトレード」や「トラップリピートイフダン」と同様に設定する取引(以下この注文形態を単に「らくトラ」と称する。)を実現できる。
なお、この上限価格や下限価格は、例えば、注文情報生成部16が、取引者によって入力された数値によって設定したり、注文情報生成部16が、所定期間の相場価格の最高価格と最低価格とに基づいて所定の演算によって設定されたりという方法が考えられる。これ以外にも、どのような方法で設定されてもよい。
また、この価格範囲は、たとえば、注文情報生成部16が、取引者によって入力された、上限価格と価格範囲、下限価格と価格範囲、のような数値によって設定したり、注文情報生成部16が、所定期間の相場価格の変動範囲に基づいて所定の演算によって設定したりする方法が考えられる。これ以外にも、どのような方法で設定されてもよい。
また、価格範囲における、「トラップトレード」の注文や、「トラップリピートイフダン」の第一注文と第二注文との設定は、どのようなものであってもよい。
具体的には、例えば、注文情報生成部16は、価格範囲の上限価格や下限価格に「トラップトレード」の最高値の注文価格や最安値の注文価格が一致するようにそれぞれの注文の注文価格を設定したり、価格範囲の中央の値を全ての注文価格の平均値に一致するようにそれぞれの注文価格を設定したりしてもよい。
また、例えば、注文情報生成部16は、価格範囲の上限価格や下限価格に「トラップリピートイフダン」の最高値の第一注文の注文価格、あるいは最高値の第二注文の注文価格や、最安値の第一注文の注文価格、あるいは最安値の第二注文の注文価格が一致するようにそれぞれの第一注文や第二注文の注文価格を設定したり、価格範囲の下限価格に最安値の第一注文の注文価格が一致し、上限価格に最高値の第二注文の注文価格が一致するようにそれぞれの第一注文や第二注文の注文価格を設定してもよい。
また、例えば、注文情報生成部16は、価格範囲の中央の値を全ての第一注文の注文価格の平均値に一致するようにそれぞれの第一注文の注文価格を設定したり、価格範囲の中央の値を全ての第一注文の注文価格の平均値に一致するようにそれぞれの第二注文の注文価格を設定したりしてもよい。
なお、上記[取引形態1]~[取引形態3]において、注文価格ごとの注文や第一注文や第二注文の注文数量は、注文発注から約定まで同一であってもよいし、注文発注から約定までの間に変動してもよい(例えば、発注時の注文数量が10000通貨だったものが、相場の変動と共に注文数量が変動し、約定時の注文数量が10100通貨になるようなものであってもよい)。また、上記[取引形態1]~[取引形態3]において、注文や第一注文や第二注文の注文価格は、注文発注から約定まで同一であってもよいし、注文発注から約定までの間に変動してもよい。
[注文の種類]
この実施の形態においては、注文情報生成部16は、生成する注文情報に基づいて、「トラップトレード」の注文、「リピートイフダン」の第一注文や第二注文、「らくトラ」の注文や第一注文や第二注文を、どのような種類の注文によって行うこともできる。具体的には、例えば、注文情報生成部16は、成行注文、指値注文、逆指値注文の何れかによって、「トラップトレード」の注文、「リピートイフダン」の第一注文や第二注文、「らくトラ」の注文や第一注文や第二注文を行うように、注文情報を生成できる。
より具体的には、例えば、注文情報生成部16は、指値注文によって、相場価格が特定の注文価格に一致したときに約定するように注文情報を生成することができる。同様に、注文情報生成部16は、逆指値注文によって、相場価格が特定の注文価格に一致したときに約定するように注文情報を生成することができる。さらには、注文情報生成部16は、相場価格が特定の価格に至ったときに成行注文を発注して、その特定の価格に同一又は近似した価格で約定するように構成した成行注文(以下単に「トリガ成行」と称する。)を行うように、注文情報を生成することもできる。
また、注文情報生成部16は、同様に、「リピートイフダン」や「らくトラ」の第一注文や第二注文を、指値注文によって行わせたり、逆指値注文によって行わせたり(例えば、相場価格が、第一注文や第二注文の約定価格を一旦越えて下落(又は上昇)し、再び上昇(又は下落)して再び約定価格に一致したときに約定させる構成が考えられる。)、トリガ成行によって行わせたりするように、注文情報を生成することができる。また、注文情報生成部16は、第一注文と第二注文を、異なる種類の注文の組み合わせ(例えば第一注文が成行注文で第二注文が指値注文の組み合わせ)によって構成されるように注文情報を生成することもできる。
なお、この実施の形態においては、注文情報生成部16は、「トラップトレード」の注文、「リピートイフダン」の第一注文や第二注文、「らくトラ」の注文や第一注文や第二注文に、相場の変動に追随して約定価格が変動するトレール機能を持つように注文情報を生成させることができる。
また、この実施の形態においては、注文情報生成部16は、「リピートイフダン」の第一注文や第二注文、「らくトラ」の第一注文や第二注文に、相場の変動に追随して、その第一注文やその第二注文、及び、その後繰り返し発注される第一注文や第二注文の注文価格を、相場の変動方向に変動させる機能を持つように注文情報を生成させることができる。
さらに、この実施の形態においては、注文情報生成部16は、「リピートイフダン」の第一注文や第二注文、「らくトラ」の第一注文や第二注文が、買い注文と売り注文とが約定した後に、買い注文と売り注文との順番が逆になるように(例えば、買いの第一注文と売りの第二注文とが発注と約定とをした後、売りの第一注文と買いの第二注文とが発注と約定とをし、その後、買いの第一注文と売りの第二注文とが発注と約定とをし・・・等)注文情報を生成させることができる。
また、この実施の形態においては、注文情報生成部16は、「トラップトレード」の注文、「リピートイフダン」の第一注文や第二注文、「らくトラ」の注文や第一注文や第二注文の他に、相場の急激な下落又は急激な上昇による大幅な損失を抑止させるための注文である、ストップロス注文(逆指値注文)を生成することができる。このストップロス注文は、それぞれの注文ごとにストップロス注文を設定することもできるし、又は、それぞれの第一注文やそれぞれの第二注文ごとに設定することもできるし、全ての注文、あるいは、全ての第一注文や全ての第二注文に対して一のストップロス注文を設定することもできる。また、ストップロス注文が約定した場合、その後の全ての注文や全ての第一注文及び第二注文の取引がキャンセルされる(取引が強制的に終了される)ように構成されていてもよいし、条件つきで一部又は全ての取引が継続するように構成されていてもよい。
[注文数量の設定]
この実施の形態において、注文情報生成部16は、「トラップトレード」の複数の注文や、「トラップリピートイフダン」の複数の第一注文及び複数の第二注文、「らくトラ」の複数の注文や複数の第一注文及び複数の第二注文を、一部又は全てが異なる注文数量となるように設定することができる。
具体的には、例えば、注文情報生成部16は、複数の注文のうちの基準となる所定の注文(例えば最高値の注文)を最も大きな注文数量(又は最も小さな注文数量)とし、安値側ほど所定価格ずつ(例えば0.1円ずつ)注文数量が小さくなる(又は大きくなる)ようにそれぞれの注文情報を生成できる。
また例えば、注文情報生成部16は、複数の注文のうちの基準となる所定の注文(例えば、3つの注文のうちの高値側から2番目の注文や、4つの注文のうちの高値側から2番目の注文等、中央の注文又は中央相当の注文の注文価格)を最も大きな注文数量(又は最も小さな注文数量)とし、所定の注文から離れるごとに所定価格ずつ(例えば0.1円ずつ)注文数量が小さくなる(又は大きくなる)ようにそれぞれの注文情報を生成できる。
なお、この実施の形態においては、完全に同一の所定価格ずつ(例えば0.1円ずつ)注文数量が小さくなる(又は大きくなる)ように注文数量を設定してもよいが、差異のある価格ずつ(例えば0.1円±0.05円ずつ)小さくなる(又は大きくなる)ように注文数量を設定してもよい。
このように、注文価格に応じて異なる注文数量に設定させることにより、一又は複数の注文ごとに、注文数量を大きくして大きな収益を上げることや、注文数量を小さくしてリスク回避を図りつつ、複数の注文を複数の注文価格に設定することができる。
なお、注文情報生成部16は、注文数量の設定は、注文入力画面410(図13参照、後述)等に入力された数値自体を注文数量として設定することもできるし、注文入力画面410等に入力された所定の情報に基づいて所定の演算を行って注文数量を設定することもできる。
[注文の階層化]
また、注文情報生成部16は、注文価格の異なる複数の注文を階層化して注文数量を設定できる。具体的には、注文情報生成部16は、所定数(0以上の整数)の注文価格の注文を同一の注文数量としてこれを一の「注文階層」としての階層とし、この階層が複数設けられるように注文情報を生成できる。
例えば、注文情報生成部16の注文情報の生成によって、合計10万通貨の取引が、1ドル110.00円、1ドル109.90円、1ドル109.80円、1ドル109.70円、1ドル109.60円、1ドル109.50円、という6つの注文で発注される場合を考える。この場合、基準となる注文が最高値の1ドル110.00円の注文であり、基準となる注文数量が1万通貨、隣接する2つの注文を1つの階層とし、階層ごとに1,000通貨ずつ減少する設定だとすると、注文情報生成部16は、最高値側の第1階層(1ドル110.00円、1ドル109.90円)は、構成するそれぞれの注文の注文数量が1万通貨となり、その下の第2階層(1ドル109.80円、1ドル109.70円)は、構成するそれぞれの注文の注文数量が9千通貨となり、一番下の第3階層(1ドル109.60円、1ドル109.50円)は、構成するそれぞれの注文の注文数量が8千通貨となるように、それぞれの注文情報を生成する。
なお、この実施の形態においては、各階層は、それぞれ同じ数ずつの注文が1つの階層を形成していてもよいし、異なる数の注文(例えば高値側から第1階層が3つ、第2階層が2つ、第3階層が1つの注文や、第1階層が3つ、第2階層が2つ、第3階層が3つの注文、等)によってそれぞれの階層が形成されていてもよい。また、それぞれの階層を構成する注文価格は1つであっても2つ以上であってもよいし、特定の階層を構成する注文価格が0個となる(例えば、第1階層が2個の注文価格、第2階層が0個の注文価格、第3階層が2個の注文価格、など)ように構成されていてもよい。
なお、注文情報生成部16は、階層ごとの注文数量の設定は、注文入力画面410(図13参照、後述)等に入力された数値自体を注文数量として設定することもできるし、注文入力画面410等に入力された所定の情報に基づいて所定の演算を行って注文数量を設定することもできる。
また、この実施の形態においては、「階層」は必ずしも上下関係の決まった注文や注文情報によって形成される必要はない。例えば、上の階層が第1階層、下の階層が第2階層を形成する場合に、第2階層の少なくとも一部の注文や注文情報が所定の処理(例えばトレールに基づく注文価格の変動)によって第1階層を構成する注文や注文情報の注文価格と同額以上になったり、第1階層の少なくとも一部の注文や注文情報が所定の処理によって第2階層を構成する注文や注文情報の注文価格と同額以下になったりする構成であってもよい。
[階層化の例]
以下、この実施の形態の金融商品取引管理装置1における、注文情報生成部16が、注文価格の異なる複数の注文の階層化の例を複数示す。以下の階層化におけるそれぞれの階層を構成するそれぞれの注文の注文数量は、注文入力画面410(図13参照、後述。)等において取引者によって入力された下記(ア)~(エ)の情報等(例えばこれらの情報のうち少なくとも一部)を用いて決定されることが考えられる。
(ア)取引の全体数量(全ての注文価格の注文数量の総額)
(イ)1階層あたりの最大数量(最大となる1つの階層の、階層全体又は個々の注文価格ごとの注文数量)
(ウ)1段目の注文数量(基準となる階層(例えば最も高値側や最も安値側の階層や、中央の階層)の、階層全体又は個々の注文価格ごとの注文数量)
(エ)階層の数
注文情報生成部16は、一つの注文価格に設定される一つの売り注文価格や一つの買い注文価格を算出して決定してもよいが、一つの注文価格に設定される一組のイフダン注文(買い注文と売り注文)の注文数量の総額や、一つの注文価格に設定される一組のイフダン注文とストップロス注文との注文数量の総額を算出して決定してもよい。なお、注文数量は、注文入力画面410(図13参照、後述。)等において取引者によって入力されたどのような情報を用いてどのような演算方法によって算出されてもよい。
[階層化の例1(正規ピラミッド型)]
図4は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1において設定される階層の第1の例を模式的に示す図である。この第1の例では、階層の増減に伴い1階層ごとの注文数量が比例的に増減する(例えば第1階層が10000通貨、第2階層が20000通貨、第3階層が30000通貨・・・等)ように設定される。
[階層化の例2(倍々増加型)]
図5は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1において設定される階層の第2の例を模式的に示す図である。この第2の例では、階層の増減に伴い1階層ごとの注文数量が指数関数的に増減する(例えば第1階層が10000通貨、第2階層が20000通貨、第3階層が40000通貨・・・のように階層ごとに2のべき乗分増加する、等)ように設定される。
[階層化の計算例3(階差指定型)]
図6は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1において設定される階層の第3の例を模式的に示す図である。この第3の例では、階層の増減に伴い1階層ごとの注文数量が所定の数量(以下「階差」と称する。)だけ増減する(例えば第1階層が10000通貨、第2階層が12000通貨、第3階層が14000通貨・・・のように階層ごとに2000通貨ずつ増加する、等)ように設定される。
[階層化の具体的設定例1]
図7は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1における、階層化の具体的な設定例を模式的に示す第1の図である。同図には、高値側の第1階層(5つの注文価格に1ずつ、合計5本の注文)、安値側の第2階層(5つの注文価格に1ずつ、合計5本の注文)に、合計10万通貨が注文されるように設定する場合を例示している。
同図に示す通り、ここでは、第1階層には、全体の注文数量(10万通貨)を全て注文の本数(10本)で割った値(1万通過)の概ね2/3にあたる、約7千通貨がそれぞれの注文の注文数量として設定される。
第2階層においては、全体の注文数量(10万通貨)から第1階層全体の注文数量(3万5千通貨)を引いた残りの注文数量(6万5千通貨)を第2階層の注文の本数(5本)で割った概ねの値である、1万3千通貨がそれぞれの注文の注文数量として設定される。
[階層化の具体的設定例2]
図8は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1における、階層化の具体的な設定例を模式的に示す第2の図である。同図には、高値側の第1階層(3つの注文価格に1ずつ、合計3本の注文)、真ん中の第2階層(3つの注文価格に1ずつ、合計3本の注文)、安値側の第3階層(4つの注文価格に1ずつ、合計4本の注文)に、合計10万通貨の注文を設定する場合を例示している。
同図に示す通り、ここでは、第1階層には、全体の注文数量(10万通貨)を全ての注文の本数(10本)で割った値(1万通貨)の概ね3/7である、約4千通貨がそれぞれの注文の注文数量として設定される。
第2階層においては、第1階層のそれぞれの注文の注文数量の2倍である8千通貨が、それぞれの注文の注文数量として設定される。
第3階層においては、全体の注文数量(10万通貨)から第1階層全体、及び第2階層全体の注文数量(2万4千通貨)を引いた残りの注文数量(6万4千通貨)を第3階層の注文の本数(4本)で割った値である、1万6千通貨がそれぞれの注文の注文数量として設定される。
[階層化の具体的設定例3]
図9は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1における、階層化の具体的な設定例を模式的に示す第3の図である。同図には、高値側の第1階層(3つの注文価格に1ずつ、合計3本の注文)、真ん中の第2階層(4つの注文価格に1ずつ、合計4本の注文)、安値側の第3階層(3つの注文価格に1ずつ、合計3本の注文)に、合計10万通貨の注文を設定する場合を例示している。上記設定例1、設定例2においては、下層の階層にいくほど大きな注文数量になるように設定されたが、この設定例3では、真ん中の第2階層が最も大きな注文数量となり、この第2階層から離れた階層(ここでは第1階層と第3階層)ほど小さな注文数量となるように設定される。
[階層化の具体的設定例4]
図10は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1における、階層化の具体的な設定例を模式的に示す第4の図である。同図には、高値側の第1階層(3つの注文価格に1ずつ、合計3本の注文)、真ん中の第2階層(4つの注文価格に1ずつ、合計4本の注文)、安値側の第2階層(3つの注文価格に1ずつ、合計3本の注文)に、合計10万通貨の注文を設定する場合を例示している。この設定例4では、上記設定例3とは逆に、真ん中の第2階層が最も小さな注文数量となり、この第2階層から離れた階層(ここでは第1階層と第3階層)ほど大きな注文数量となるように設定される。
なお、具体的設定例1乃至具体的設定例4に示したものは階層ごとの注文の注文数量の演算方法の例示であり、具体的設定例1乃至具体的設定例4に示した演算方法を、他のどのような階層数の注文や、どの階層の注文の演算に用いてもよい。また、具体的設定例1乃至具体的設定例4に示した演算方法以外のいかなる演算方法によってそれぞれの階層の注文数量を設定してもよい。
これらの具体的設定例のような設定方法を用いてによってそれぞれの階層やそれぞれの注文価格の注文数量を設定することにより、注文価格によって異なる注文数量として注文を設定する場合に、コンピュータシステムを用いた演算によって、それぞれの注文を自動的に適切に設定することを容易に行うことができる。
なお、上記の具体的設定例1~具体的設定例4において、割り算の結果小数値が出る場合や余りが出る場合、小数点以下の値や余りについてどのような処理が行われてもよい。例えば、小数点以下切り捨てや切り上げなどの処理が行われてもよいし、余りが出たら全て一番下の階層(あるいた一番下の注文価格の注文)や一番上の階層(あるいは一番上の注文価格の注文)に付加されるものであってもよい。
[階層化の効果]
このように、複数の注文を階層化し、階層ごとに注文数量を設定することにより、複数の注文ごとに、注文数量を大きくして大きな収益を上げることや、注文数量を小さくしてリスク回避を図りつつ、複数の注文を複数の注文価格に設定することができる。
また、高値側の階層から安値側の階層にかけて注文数量を次第に大きく(又は小さく)することにより、平均コスト(複数の注文価格に設定された全ての注文で金融商品の新規の取引を行った場合における、その取引の平均値のこと。具体的には、全ての取引について、個々の注文価格に当該注文価格における取引数量を乗じたことで得られる数の総和を、注文数量の総和で割った値がこれにあたる。以下本明細書において同じ。)を調整し、より大きな収益を上げることや、リスク回避を図ることを容易に行うことができる。また、このような効果を奏する注文を、コンピュータシステムを用いて自動的に演算したり設定したりする構成を容易に構築することが可能となる。
図11は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1における、複数の注文価格に設定した注文を階層化しない場合と階層化した場合との平均コストの違いを模式的に示した図である。
図11の(a)に示すように、1ドル110.00円を最高値とし、そこから1.00円ずつの値幅で合計10の注文価格(最安値が1ドル101.00円)に、それぞれ注文1本あたり1万通貨の注文数量で、合計10万通貨の金融商品の注文を発注した場合を考える。この場合、平均コストは、105.50(110.00×10,000+109.00×10,000+108.00×10,000+・・・103.00×10,000+102.00×10,000+101.00×10,000)÷100,000=105.50)となる。
一方、図11の(b)に示すように、図11の(a)と同じ注文価格に合計10個の注文を設定し、これを高値側の第1階層31、安値側の第2階層32とした場合を考える。このとき、第1階層31の5つの注文(1ドル110.00円~1ドル106.00円)の注文数量を注文1本あたり7千通貨、第2階層32の5つの注文(1ドル105.00円~1ドル101.00円)の注文数量を注文1本あたり1万3千通貨、合計10万通貨の金融商品の注文として注文を発注したものとする。この場合、平均コストは、104.75(110.00×7,000+109.00×7,000+・・・+106.00×7,000+105.00×13,000+104.00×13,000+・・・+101.00×13,000)÷100,000=104.75)となる。これを図11の(a)の場合と比較すると、平均コストが75pips(105.50-104.75=0.75)つまり0.7%改善していることがわかる。
さらに、図11の(c)に示すように、図11の(a)と同じ注文価格に合計10個の注文を設定し、これを高値側の第1階層31、真ん中の第2階層32、安値側の第3階層33とした場合を考える。このとき、第1階層31の3つの注文(1ドル110.00円~1ドル108.00円)の注文数量を注文1本あたり4千通貨、第2階層32の3つの注文(1ドル107.00円~1ドル105.00円)の注文数量を注文1本あたり8千通貨、第3階層33の4つの注文(1ドル104.00円~1ドル101.00円)の注文数量を注文1本あたり1万6千通貨、合計10万通貨の金融商品の注文として注文を発注したものとする。この場合、平均コストは、104.12(110.00×4,000+109.00×4,000+108.00×4,000+107.00×8,000+106.00×8,000+105.00×8,000+104.00×16,000+103.00×16,000+102.00×16,000+101.00×16,000)÷100,000=104.12)となる。これを上記図11の(a)の場合と比較すると、平均コストが138pips(105.50-104.12=1.38)つまり1.3%改善していることがわかる。
このように、注文価格に応じて注文数量を変化させ、かつ、それらを注文数量ごとに階層化させることにより、平均コストを調整し、より大きな収益を上げることや、リスク回避を図ることを容易に行うことができる。また、このような効果を奏する注文を、コンピュータシステムを用いて自動的に演算したり設定したりする構成を容易に構築することが可能となる。
[処理手順]
図12は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1の処理手順を示すフローチャートである。以下、同フローチャートを用いてこの実施の形態の処理手順について説明する。なお、以下の説明は「トラップトレード」「トラリピ」「らくトラ」において階層化を行う場合の処理手順について説明するが、これは処理手順の一例であり、上記以外のいかなる注文方法において以下の処理手順を用いてもよい。
[1.「トラップトレード」における処理手順]
金融商品取引管理システム1Aにおいて「トラップトレード」による取引を行う場合の処理手順を説明する。
[1-1.画面入力と注文情報の生成]
金融商品取引管理システム1Aを利用する取引者は、クライアント端末2を用いて金融商品取引管理装置1にアクセスする。金融商品取引管理装置1のフロントページ配信部11は、アクセスのあったクライアント端末2の表示部22に、注文選択画面(図示せず)を表示させる。
注文選択画面(図示せず)には、取引の種類を選択する取引選択ボタン(図示せず)が表示される。取引選択ボタン(図示せず)により、取引者は、通常の成行注文、指値注文、逆指値注文、OCO注文等の他に、前述の「トラップトレード」注文、「トラリピ」注文、「らくトラ」注文等の選択できる。取引者が取引選択ボタン(図示せず)により特定の取引(ここでは「トラップトレード」)を選択し、実行ボタン(図示せず)をクリックすると、表示部22には図13に示す注文入力画面410が表示される。
図13に示す注文入力画面410には、前述の取引選択ボタン(図示せず)で選択された注文(図13では「トラップトレード」注文)が表示される注文表示欄41a、取引を行う金融商品の種類である通貨ペア(例えば、日本円と米ドル、日本円とユーロ、等)を選択する通貨ペア選択ボタン41b、注文1本あたりの平均注文金額を数値入力で設定する注文金額設定ボタン41c、最初に発注する、注文価格の異なる第一注文(イフダン注文の新規注文)や注文価格の異なる第二注文(イフダン注文の決済注文)の本数である「トラップ本数」を数値入力で設定するトラップ本数設定ボタン41dが表示される。
また、注文入力画面410には、注文金額設定ボタン41cに入力された注文金額の値とトラップ本数設定ボタン41dに入力されたトラップ本数とを演算して出た値(ここでは双方の値の乗算で出た値)が表示される合計注文金額表示欄41e、それぞれの第一注文の注文価格やそれぞれの第二注文の注文価格を設定するときの基準価格(例えば、最高値の注文の注文価格、最安値の注文の注文価格、中央の注文の注文価格、等)である「スタート価格」を数値入力するためのスタート価格入力欄41fが表示される。
また、注文入力画面410には、スタート価格入力欄41fに入力されたスタート価格としての注文(例えば、最高値の注文、最安値の注文、等)の種類を選択するための注文種類選択ボタン41g、注文価格の異なる注文同士の値幅としての「トラップ値幅」の値を数値入力するためのトラップ値幅入力欄41h、注文の「階層」の数を数値入力するための階層入力欄41jが表示される。
また、注文入力画面410には、それぞれの注文の有効期限(例えば6ヶ月、1年、無期限、等)を選択するための有効期限選択欄41k、相場の大きな下落又は上昇による「損失」が大きくなることを抑止するための逆指値注文としての「ストップロス注文」を設定するか否か、及び設定したストップロス注文の注文価格を数値入力するためのストップロス注文設定ボタン41mが表示されている。
取引者は、操作部21の操作により、注文入力画面410において、所望の注文に必要な情報の入力や選択を行う(ステップS1)。図13においては、通貨ペア選択ボタン41bに日本円と米ドルを示す「USD/JPY」の選択がされ、注文金額設定ボタン41cには「1(万通貨)」と入力され、トラップ本数設定ボタン41dには「10(本)」と入力され、スタート価格入力欄41fには「110.00(円)」と入力され、注文種類選択ボタン41gは「新規の買い注文」を示す「新規・買」が選択され、トラップ値幅入力欄41hには「1.00(円)」と入力され、階層入力欄41jには「3(階層)」と入力され、有効期限選択欄41kにおいては「無期限」が選択され、ストップロス注文設定ボタン41mはストップロス注文の設定を行わない状態が示されている。
この状態で実行ボタン41nがクリックされると、取引選択ボタン(図示せず)、及び注文入力画面410で選択・入力されたデータはクライアント端末2から金融商品取引管理装置1に送信される。注文入力受付部12は、入力された売買注文申込情報を確認する。即ち、有効期限選択欄41kにおいて選択された期限や、注文金額設定ボタン41c、トラップ本数設定ボタン41d、スタート価格入力欄41fに入力された値などを検査することで、注文価格の検査を行う(ステップS2)。具体的には、注文価格が設定可能な注文価格であるか否か等の検査が行われる。
続いて、注文入力受付部12は、検査結果の適否を判断する。価格が適正価格と判断された場合(ステップS3の“No”)、口座情報生成部15が、顧客口座情報テーブル182から、その顧客(取引者)の証拠金情報を取得する。
注文入力受付部12は、取得された証拠金情報と注文許容額とを比較し(ステップS4)、そして、証拠金の額が注文許容額以上であるか否かを判断する(ステップS5)。
ここで、「注文許容額」とは、注文が可能な金額のことである(本明細書において同じ)。この実施の形態における注文許容額は、注文金額設定ボタン41cに入力された値とトラップ本数設定ボタン41dに入力された値とを乗じて得た値である、(1万(通貨)×10(本)=)10万(通貨)である。但し、注文許容額は、当該値に対する所定の比率の値(例えば、10万(通貨)×0.1=1万(通貨))であってもよいし、予め定められた所定の金額(例えば、一律に5万(通貨))であってもよいし、上記以外の値や演算方法によって算出した値であってもよい。
注文情報生成部16は、証拠金の額が注文許容額以上である場合(ステップS5の“No”)にのみ、後述の「注文情報」や「注文情報群」を生成する。これにより、取引者が確実に支払いができる場合にのみ注文を受け付けることができる。
証拠金の額が注文許容額以上である場合(ステップS5の“No”)、注文入力受付部12は、通貨ペア注文条件テーブル183に記録されたデータ等を元に、他の注文条件(すなわち、注文価格以外の条件)と、注文を受け付けるための各種基準とを比較する(ステップS6)。そして、他の条件が、これらの基準を満たしているか否かを判定する(ステップS7)。
他の条件がイフダン注文の基準を満たしていない場合(ステップS7の“Yes”)、注文入力受付部12は入力された注文をエラーとして扱い、注文の受付を拒絶する(ステップS10)。
イフダン注文の各種条件が満たされている場合であって(ステップS7の“No”)、注文条件が上述のイフダン注文による指値注文に必要な条件を全て満たしていると判定された場合、フロントページ配信部11は、クライアント端末2の表示部22に、生成される注文情報の内容を取引者に確認させるための確認画面(図示せず)を表示させる。確認画面(図示せず)には、注文選択画面(図示せず)及び注文入力画面410に入力および選択された注文条件が列記されるとともに、注文ボタン(図示せず)が表示される。注文ボタン(図示せず)は、列記された内容で間違いないと判断された場合に、取引者によってクリックされる。
取引者の操作部21の操作により注文ボタン(図示せず)がクリックされると、金融商品取引管理装置1の注文情報生成部16は、ステップS1で入力された売買注文申込情報に基づいて注文情報を生成する(ステップS8)。具体的には、上述したような手順に従って入力された複数のデータを注文価格毎にグループ化し、各グループにシーケンス番号テーブル184のシーケンス番号を割り当てることで、注文情報を生成する(ステップS8)。そして、シーケンス番号テーブル184に、注文情報に使用されているシーケンス番号を未使用のシーケンス番号と区別するための情報が、付加される。ステップS8の処理を一回行うことにより、複数の注文情報が生成される(なお、後述の「トラリピ」「らくトラ」においては、これらの注文情報のうち、イフダン注文を行う第一注文の第一注文情報と、この第一注文に対応する第二注文の第二注文情報とを含む複数の注文情報が「注文情報群」を形成する。)。
注文情報生成部16は、生成された注文情報を、注文テーブル181に記録する(ステップS9)。なお、後述する「トラリピ」「らくトラ」においては、注文テーブル181には「注文情報群」も記録される。注文情報は、図3に示す各フィールドの定義に基づいて、注文テーブルに記録される。
図3に示す“ord_seq”フィールド181bは、ステップS8で付与されたシーケンス番号の定義である。“cust_seq”フィールド181cは、取引者ごとに定められた番号である顧客番号を記録するためのフィールドである。“style_id”フィールド181dは、商品名を記録するためのフィールドである。“ccy_pair_id”フィールド181eは、通貨ペア毎に定義されたID番号を記録するためのフィールドである。このID番号と通貨ペアとの組合わせは、データベース内に格納されたIDテーブル(図示せず)に記録されている。
図3に示す“ord_amnt”フィールド181fは、合計注文金額表示欄41eに表示された金額を記録するためのフィールドである。“buy_sell_id”フィールド181gは、注文種類選択ボタン41gで選択された、売り注文/買い注文の区別を記録するためのフィールドである。“ord_rate”フィールド181hは、それぞれの注文を行う注文情報に含まれる注文価格の値を記録するためのフィールドである。“limit_time”フィールド181iは、有効期限選択欄41kにおいて選択された注文期限を記録するためのフィールドである。“ord_cond”フィールド181jは、注文種類選択ボタン41gで選択された、注文の種類を記録するためのフィールドである。
図3に示す“new_close”フィールド181kは、新規注文/決済注文の区別を記録するためのフィールドである。“trap_seq”フィールド181mは、取引選択ボタン(図示せず)でトラップトレードが選択されたか否かの情報を記録するためのフィールドである。“repeat_flag”フィールド181nは、イフダン注文を繰り返し行うか否かの情報を記録するためのフィールドである。
なお、図3には示していないが、注文テーブル181には、入力画面40に入力されたデータ、即ち、通貨ペア選択ボタン41b、トラップ本数設定ボタン41d、スタート価格入力欄41f、トラップ値幅入力欄41h、階層入力欄41jに入力されたデータを記録するためのフィールドも設けられる。また、後述の「トラリピ」や「らくトラ」の取引を行うための注文情報を生成する際に入力される、第一注文と第二注文との利益幅の情報や、「らくトラ」の取引を行うための注文情報を生成する際に入力される、第一注文や第二注文を設定する価格範囲の上限価格や下限価格の情報を記録するためのフィールドも設けられる。これらのフィールドを用いて、注文入力画面410に入力されたデータが、全て注文テーブル181に記録される。
なお、この実施の形態において、「注文情報」は、個々の注文に、図3に示す各フィールドの定義に基づいて注文に属性情報が付随して形成されるデータであるとして以下説明する。但し、この実施の形態における「注文情報」を形成する前の所定のデータ(たとえば、発注される予定である、注文価格ごとの(属性情報なしの)注文を表に表したようなもの)であり、そのような「注文情報」に基づいてそれぞれの注文が発注されるように構成されていてもよい。
また、この実施の形態では、図13に示す注文入力画面410に表示された各種の入力欄に情報を入力することで注文情報や注文情報群を生成する構成としたが、注文入力画面410の入力欄の構成や、注文入力画面410に入力されるデータの種類は、これらに限定されることはなく、どのようなものであってもよい。例えば、注文入力画面410に取引者の所有する証拠金の額に関する情報の入力欄(図示せず)や、取引を行う予定期間としての取引期間の入力欄(図示せず)等が設けられ、注文情報生成部16が、これらの入力欄(図示せず)に入力された情報に基づいて所定の演算を行うことで、一又は複数の注文価格に注文を発注するための「注文情報」や、それらの注文情報に基づく「注文情報群」が生成されるように構成されてもよい。
[1-2.注文情報の生成]
金融商品取引管理装置1の注文情報生成部16は、上記ステップS1~S10の手順により、取引選択ボタン(図示せず)、及び注文入力画面410で選択・入力された情報に基づいて、「トラップトレード」の取引を行うための注文情報を生成する。
図14は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1において生成された「トラップトレード」の取引を行うための注文情報を模式的に示す図である。同図に示すように、この実施の形態においては、注文情報生成部16により、注文の本数がトラップ本数設定ボタン41dに入力された本数(10本)に等しい数の、10本の注文情報411,412,・・・419,4110が、一の注文手続で生成される。
そして、注文情報生成部16は、注文情報411,412,・・・419,4110の生成を行う際、上記[階層化の具体的設定例2]に示す計算方法による演算で、それぞれの注文の注文数量の値を設定する。これにより、注文情報生成部16は、高値側の第1階層31(図11参照)の3つの注文(1ドル110.00円~1ドル108.00円)の注文数量を注文1本あたり4千通貨、真ん中の第2階層32(図11参照)の3つの注文(1ドル107.00円~1ドル105.00円)の注文数量を注文1本あたり8千通貨、安値側の第3階層33(図11参照)の4つの注文(1ドル104.00円~1ドル101.00円)の注文数量を注文1本あたり1万6千通貨となるように、それぞれの注文情報411,412,・・・419,4110の注文数量の値を設定する。
そして、生成されたそれぞれの注文情報411,412,・・・419,4110は、図14に示すような属性情報を備える。具体的には、それぞれの注文情報411,412,・・・419,4110は、それぞれの注文情報411,412,・・・419,4110に一意に付与される注文番号181A、取引者を識別するための顧客番号情報181B、選択された通貨ペアを識別する通貨ペア情報181C、それぞれの注文の注文金額の値としての注文金額情報181D、注文情報411,412,・・・419,4110が生成された日時としての注文時刻情報181E、売り注文と買い注文とを識別するための売買情報181F、それぞれの注文の注文価格の値としての注文価格情報181G、注文の有効期限としての注文期限情報181H、注文がイフダン注文である場合の新規注文と決済注文とを識別する新規/決済情報181J、注文が有効(発注済)と無効(未発注)のいずれかを識別する有効/無効情報、注文がイフダン注文である場合の第一順位(新規注文)と第二順位(決済注文又はストップロス注文)のいずれかを識別する順位情報181L、約定の有無(約定済か未約定か)を識別する約定有無情報181Mを備える。
なお、これらの属性情報181A~181Mの全部又は一部は、個々の注文情報411,412,・・・419,4110に記録されていてもよいし、個々の注文情報411,412,・・・419,4110とは別にデータベース181等に記録されていてもよい。
[1-3.取引の手順]
図15は、このようにして生成された注文情報411,412,・・・419,4110、に基づいて行われる「トラップトレード」の注文を模式的に示す図である。同図においては、対応する注文情報と注文とを、符号の下2桁と添え字とを同一にして表示している。たとえば、注文情報411に基づいて取引が行われる注文1411、注文情報412に基づいて取引が行われる注文1412、・・・のように表示している。同図に示す全ての注文1411,1412,・・・,1419,14110は、一の注文手続で生成された注文情報411,412,・・・419,4110に基づいて取引が行われる。
図15に示すように、高値側の3つの注文1411,1412,1413は注文数量4000の第1階層31を、真ん中の3つの注文1414,1415,1416は注文数量8000の第2階層32を、安値側の4つの注文1417,1418,1419,14110は注文数量16000の第3階層33を、それぞれ形成している。
注文情報生成部16が注文情報411に含まれる有効/無効情報181Kを「無効」から「有効」に変換する処理を行うことで、注文1411が発注する。
相場価格が注文1411の注文価格に至ると(即ち、相場価格が注文情報41に含まれる注文価格情報181Gに一致すると)、約定情報生成部14が注文情報411に含まれる約定有無情報181Mを「無」から「有」に変換する処理を行い、注文1411が約定する。
他の注文、たとえば注文1412においても同様に、注文情報生成部16と約定情報生成部14とが注文情報412(図14参照)に処理を行うことにより、注文1412の発注や、相場価格が変動して注文1412の注文価格に一致したときの約定が行われる。
[2.「トラリピ」における処理手順]
次に、金融商品取引管理システム1Aにおいて「トラリピ」による取引を行う場合の処理手順を説明する。
[2-1.注文情報の生成]
取引者が注文選択画面(図示せず)において「トラリピ」を選択し、実行ボタン(図示せず)をクリックすると、図16に示す注文入力画面510が表示される。
図16に示す注文入力画面510には、図13に示す注文入力画面410と同様の、注文表示欄41a、通貨ペア選択ボタン41b、注文金額設定ボタン41c、トラップ本数設定ボタン41d、合計注文金額表示欄41e、スタート価格入力欄41f、注文種類選択ボタン41g、トラップ値幅入力欄41h、階層入力欄41j、有効期限選択欄41k、ストップロス注文設定ボタン41mが表示される。
また、これらに加え、注文入力画面510には、注文表示欄41aにおいて選択された取引におけるそれぞれの注文価格の設定方法(例えば、第一注文同士や第二注文同士の「値幅を指定」する設定や、イフダン注文を行う第一注文と第二注文との「利幅を指定」する設定等が考えられる。)を選択する価格指定方法選択ボタン51a、イフダン注文を行うための第一注文と第二注文との約定によって得られる利益の幅(たとえば「約定によって得られる○○銭分の利益」等)である「利益幅」を数値入力するための利益幅設定欄51b、利益幅設定欄51bに入力された値に所定の演算を行うことで得られる利益金額が表示される利益金額表示欄51c、イフダン注文の第二注文に、相場価格の上昇又は下落に追従して取引価格が高値方向又は安値方向に変動する「トレール」を設定する注文としての「決済トレール」の設定を行うか否かを選択する決済トレール選択ボタン51dが表示される。なお、利益幅設定欄51bに利益幅が入力される構成に替えて、第一注文と第二注文との約定によって得られる利益額(たとえば「約定によって得られる○○銭の利益」)が数値入力される入力欄が設けられ、この入力欄に入力された値によって以後の処理が行われる構成であってもよい。
なお、注文入力画面510のトラップ本数設定ボタン41dは、最初に発注する、注文価格の異なる第一注文(イフダン注文の新規注文)や注文価格の異なる第二注文(イフダン注文の決済注文)の本数を数値入力で設定するために用いられる。また、注文入力画面510のスタート価格入力欄41fは、特定の第一注文や特定の第二注文(例えば、最高値の第一注文、最安値の第二注文、中央の第一注文や中央の第二注文等)のスタート価格を設定するために用いられる。
取引者は、この注文入力画面510において、所望の注文に必要な情報の入力や選択を行う。注文入力画面410と共通のボタンには、注文入力画面410と同様の入力が行われる。図16の注文入力画面510においては、注文入力画面410と共通のボタンに図13と同様の入力がされた状態が示されている。なお、スタート価格入力欄41fには、最高値の第一注文の注文価格が入力されている。また、注文種類選択ボタン41gは第一注文が「新規の買い注文」であることを示す「新規・買」が選択されている。また、トラップ値幅入力欄41hには「1.00(円)」と入力され、階層入力欄41jには「3(階層)」と入力され、有効期限選択欄41kにおいては「無期限」が選択され、ストップロス注文設定ボタン41mには、ストップロス注文の設定を選択するチェックボックスにチェックが入力されると共にストップロス注文を100.00円とする数値入力がされた状態が示されている。
また、図16の注文入力画面510においては、価格指定方法選択ボタン51aに、第一注文同士や第二注文同士の「値幅を指定」する設定が選択され、利益幅設定欄51bには「100(銭)」が入力され、決済トレール選択ボタン51dは「決済トレール」を「設定する」が選択された状態が示されている。
この状態で実行ボタン41nがクリックされると、取引選択ボタン(図示せず)、及び注文入力画面510で選択・入力された情報はクライアント端末2から金融商品取引管理装置1に送信される。金融商品取引管理装置1の注文情報生成部16は、取引選択ボタン(図示せず)、及び注文入力画面410で選択・入力された情報に基づいて、「トラリピ」の取引により、第一注文による取引を行うための第一注文情報と、第二注文による取引を行うための第二注文情報、ストップロス注文による取引を行うための逆指値注文情報が生成される。
図17A及び図17Bは、取引選択ボタン(図示せず)、及び注文入力画面510で選択・入力された情報に基づいて生成された第一注文と第二注文とを模式的に示した図である。
同図に示す通り、注文情報生成部16においては、トラップ本数設定ボタン41dに入力された本数(10本)に等しい数の、10本の第一注文情報511,512,・・・519,5110、10本の第二注文情報521,522,・・・529,5210、10本の逆指値注文情報531、532、・・・539、5310が、一の注文手続で生成される。イフダン注文が行われる注文の組を形成する第一注文情報511と第二注文情報521、第一注文情報512と第二注文情報522、・・・第一注文情報519と第二注文情報529、第一注文情報5110と第二注文情報5210、さらに、それらのイフダン注文に対するストップロス注文を形成する逆指値注文情報531、532、・・・539、5310は、それぞれ注文情報群541、542、・・・549、5410を形成する。
そして、注文情報生成部16は、第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210の生成を行う際、上記[階層化の計算例2]に示す計算方法による演算で、それぞれの注文の注文数量の値を設定する。これにより、注文情報生成部16は、高値側の第1階層の3つの注文(1ドル110.00円~1ドル108.00円)の注文数量を注文1本あたり4千通貨、真ん中の第2階層の3つの注文(1ドル107.00円~1ドル105.00円)の注文数量を注文1本あたり8千通貨、安値側の第3階層の4つの注文(1ドル104.00円~1ドル101.00円)の注文数量を注文1本あたり1万6千通貨となるように、それぞれの第一注文情報511,512,・・・519,5110、それぞれの第二注文情報521,522,・・・529,5210、それぞれの逆指値注文情報531,532,・・・539,5310の注文数量の値(図17Aにおける注文金額情報181Dの値)を設定する。
[2-2.取引の手順]
図18は、このようにして生成された第一注文情報511,512,・・・519,5110、及び、第二注文情報521,522,・・・529,5210、及び逆指値注文情報531,532,・・・539,5310に基づく第一注文1511,1512,・・・1519,15110と第二注文1521,1522,・・・1529,15210とストップロス注文1531,1532,・・・1539,15310との注文を模式的に示す図である。同図においては、図15の模式図と同様に、対応する注文情報と注文とを、符号の下2桁と添え字とを同一にして表示している。同図に示す全ての第一注文1511,1512,・・・1519,15110、全ての第二注文1521,1522,・・・1529,15210、全てのストップロス注文1531,1532,・・・1539,15310は、一の注文手続で生成された第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210、逆指値注文情報531,532,・・・539,5310に基づいて取引が行われる。
注文情報生成部16が第一注文情報511に対して行う所定の処理(ここでは、第一注文情報511に含まれる有効/無効情報181Kを「無効」から「有効」の状態に変換する処理がこれにあたる。)で、特定の第一注文たとえば第一注文1511が発注する。
図18に示すように、相場価格71が第一注文1511の注文価格(すなわち第一注文情報511の注文価格情報181G)に一致すると、約定情報生成部14が第一注文情報511に含まれる約定有無情報181Mを「無」から「有」に変換する処理を行い、第一注文1511が約定する。
第一注文1511が約定すると、注文情報生成部16の第二注文情報521と逆指値注文情報531に含まれる有効/無効情報181Kを「無効」から「有効」に変換する処理を行う。これにより、第二注文1521とストップロス注文1531とが発注される。
相場価格が第二注文1521の注文価格(すなわち第二注文情報521の注文価格情報181G)に一致すると、約定情報生成部14の第二注文情報521に対する所定の処理(ここでは、第二注文情報521に約定有無情報181Mを「無」から「有」の状態に変換する処理がこれにあたる。)により、第二注文1521が約定する。
第二注文1521が約定すると、注文情報生成部16の処理により、発注済のストップロス注文1531にキャンセル処理(発注済未約定の状態のままで注文を取り消す処理のこと。)が行われ、約定した第一注文1511と第二注文1521に対応する第一注文情報511と第二注文情報521と逆指値注文情報531とを有する注文情報群541が再び生成される。
相場価格71が変動して第一注文1511の注文価格や第二注文1521の注文価格に一致したときに、注文情報生成部16と約定情報生成部14とが、再び生成された第一注文情報511と第二注文情報521と前述の処理と同様の処理を行うことで、第一注文1511の発注及び約定、第二注文1521の発注及び約定が再び行われる。
以後、第二注文1521が約定するたびに、注文情報生成部16の処理により第一注文情報511と第二注文情報521と逆指値注文情報531とを有する注文情報群541が生成されて、相場価格の変動に伴って、注文情報生成部16と約定情報生成部14とが前述と同様の処理を行うことで、第一注文1511の発注及び約定、第二注文1521の発注及び約定が行われることが繰り返される。
他の第一注文と第二注文、たとえば第一注文1512と第二注文1522においても同様に、注文情報生成部16と約定情報生成部14とが第一注文情報511と第二注文情報521とに前述と同様の処理を行うことで、第一注文1512と第二注文1522との発注や、相場価格71が変動して第一注文1512の注文価格や第二注文1522の注文価格に一致したときの約定とが行われ、以後、第二注文1522の約定後に第一注文1512と第二注文1522との再度の発注と約定とが行われることが繰り返される。
なお、特定の第一注文例えば第一注文1511が約定したのちに相場価格71が下落し、相場価格が第一注文1511と同じ注文情報群541に含まれる逆指値注文情報531の注文価格情報181Gの値(1ドル=100.00円)に至った場合、ストップロス注文1531が約定することで未約定の第二注文1521はキャンセルされ、この第二注文1521は未約定のままで取引が中止される。
具体的には、約定情報生成部14は逆指値注文情報531の約定有無情報181Mを「無」から「有」にすると共に、第一注文情報511に基づく取引を中止するための処理を行う(例えば、第一注文情報511に取引中止のフラグ情報(図示せず)を立てる処理や、第一注文情報511を消去する処理等が考えられる。)を行う。なお、ストップロス注文1531が約定した場合、約定情報生成部14が、第二注文情報521以外の、未発注の注文に係る注文情報や未約定の注文に係る注文情報のうちの一部又は全部について、同様にキャンセルするための処理を行う構成とすることもできる。
また、図18には図示しないが、特定の注文例えば第二注文1522が逆指値注文として設定され、相場価格が特定の第二注文例えば第二注文1522の約定価格を超えて上昇又は下落して、相場価格と第二注文1522の約定価格が所定のトレール幅(例えば、注文情報生成部16や第二注文情報522等に含まれる、トレール幅の数値を示すトレール幅情報(図示せず))以上開いた場合、所定の変動幅(例えば、前述のトレール幅情報(図示せず)の値)分、相場の変動方向に上昇又は下落する処理が行われるように設定することもできる。
[3.「らくトラ」における処理手順]
次に、金融商品取引管理システム1Aにおいて「らくトラ」による取引を行う場合の処理手順を説明する。
[3-1.注文情報の生成]
金融商品取引管理システム1Aを利用する取引者は、「トラリピ」による取引を行う場合と同様に、クライアント端末2の表示部22に、注文選択画面(図示せず)を表示させる。取引者が注文選択画面(図示せず)で「らくトラ」を選択し、実行ボタン(図示せず)をクリックすると、表示部22には図19に示す注文入力画面610が表示される。
図19に示す注文入力画面610には、図15に示す「トラリピ」の注文入力画面510と同様の、注文表示欄41a、価格指定方法選択ボタン51a、通貨ペア選択ボタン41b、注文金額設定ボタン41c、トラップ本数設定ボタン41d、合計注文金額表示欄41e、スタート価格入力欄41f、注文種類選択ボタン41g、階層入力欄41j、利益幅設定欄51b、利益金額表示欄51c、有効期限選択欄41k、ストップロス注文設定ボタン41mが表示される。
また、図19に示す注文入力画面610には、図16の注文入力画面510のトラップ値幅入力欄41hに替えて、第一注文や第二注文を設定する価格範囲の下限価格を数値入力するための下限価格入力ボタン61a、上限価格入力ボタン61bが表示される。なお、クライアント端末2の表示部22がタッチパネル式のディスプレイである場合、下限価格入力ボタン61a、上限価格入力ボタン61bに替えて、表示部22に表示されたチャート上の価格方向の座標(例えば縦軸)に対するポインティングデバイス(例えば取引者の指やタッチペン等)の接触位置をクライアント端末2が検出することで、下限価格の情報や上限価格の情報を取得する構成としてもよい。
取引者は、この注文入力画面610において、所望の注文に必要な情報の入力や選択を行う。注文入力画面510と共通のボタンには、注文入力画面410と同様の入力が行われる。図19の注文入力画面610は、注文入力画面510と共通のボタンに図15と同様の入力がされた状態が示されている。
また、図19の注文入力画面610においては、下限価格入力ボタン61aに「(1ドル=)101.00(円)」が入力され、上限価格入力ボタン61bに「(1ドル=)110.00(円)」が入力された状態が示されている。
この状態で実行ボタン41nがクリックされると、取引選択ボタン(図示せず)、及び注文入力画面410で選択・入力された情報はクライアント端末2から金融商品取引管理装置1に送信される。金融商品取引管理装置1の注文情報生成部16は、取引選択ボタン(図示せず)、及び注文入力画面610で選択・入力された情報に基づいて、「らくトラ」の取引により、第一注文による取引を行うための第一注文情報と、第二注文による取引を行うための第二注文情報が生成する。
例えば、注文情報生成部16は、下限価格入力ボタン61aに入力された「(1ドル=)101.00(円)」と上限価格入力ボタン61bに入力された「(1ドル=)110.00(円)」との価格範囲である9.00円を、トラップ本数設定ボタン41dに入力された値から1を引いた値である(10-1=)9で割る演算を行う。この演算によって得られた値である、1.00円が、第一注文同士、第二注文同士の値幅として設定される。
注文情報生成部16は、特定の注文、例えば、最高値の第一注文を基準に、それぞれの第一注文の第一注文価格を設定する。具体的には、注文情報生成部16は、最高値の第一注文である第一注文1611の第一注文情報611の注文価格情報181Gを、価格範囲の上限価格(すなわち上限価格入力ボタン61bに入力された「(1ドル=)110.00(円)」に設定し、その一つ安値側の第一注文1612の第一注文情報612の注文価格情報(図示せず)を、第一注文情報611に設定した注文価格から上記演算で得た値幅(つまり1.00円)の分だけ安値の「(1ドル=)109.00(円)」に設定し、さらにその一つ安値側の第一注文情報613の注文価格情報181Gを「(1ドル=)109.00(円)」に設定し、・・・と順に設定する。そして、注文情報生成部16は、最安値の第一注文情報6110の第一注文情報6110の注文価格情報181Gを「(1ドル=)101.00(円)」に設定する。
注文情報生成部16は、それぞれの第一注文1611,1612,・・・1619,16110に対応する第二注文・・・1621,1622,・・・1629,16210の注文価格を設定する。具体的には、例えば、注文情報生成部16は、最高値の第一注文1611の第一注文情報611の注文価格情報181Gである「(1ドル=)110.00(円)」に、利益幅設定欄51bに入力された「100(銭)」を加える演算を行い、「(1ドル=)111.00(円)」という値を得る。そして、注文情報生成部16は、最高値の第二注文1621の第二注文情報621の注文価格情報181Gに、上記演算により算出した「(1ドル=)111.00(円)」を設定する。
次に、注文情報生成部16は、第二注文1621の一つ安値側の第二注文1622の第二注文情報622の注文価格情報181Gに、第二注文情報621の注文価格情報181Gに設定した「(1ドル=)111.00(円)」から上記演算にて算出された値幅である1.00円を引いた値である「(1ドル=)110.00(円)」に設定する。さらに、その一つ安値側の第二注文1613の第二注文情報623の注文価格情報181Gを「(1ドル=)109.00(円)」に設定し、・・・と順に設定する。そして、注文情報生成部16は、最安値の第二注文情報6210の注文価格情報181Gを「(1ドル=)101.00(円)」に設定する。
なお、注文情報生成部16は、それぞれの第二注文情報621,622,・・・629,6210の注文価格情報181Gを、対応する第一注文情報611,612,・・・619,6110に対し、利益幅設定欄51bに入力された「100(銭)」を加える演算で算出してもよい。
図17A及び図17Bに、このようにして生成された注文情報を模式的に示す。同図に示す通り、注文入力画面610の入力によって、一の注文手続で生成される第一注文情報611,612,613,・・・6110、第二注文情報621,622,・・・629,6210、逆指値注文情報631,632,・・・639,6310、及び注文情報群641,642,・・・649,6410は、注文入力画面510によって生成される第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210、逆指値注文情報531,532,・・・539,5310、及び注文情報群541,542、・・・549,5410と同様のものとなる(ただし、注文種別情報181Iは「らくトラ」を示す情報として記録される。)。
[3-2.取引の手順]
図20は、このようにして生成された第一注文情報611,612,・・・619,6110、に基づく第一注文1611,1612,・・・1619,16110、及び、第二注文情報621,622,・・・629,6210に基づく第二注文1621,1622,・・・1629,16210と、及び、逆指値注文情報631,632,・・・639,6310に基づくストップロス注文1631,1632,・・・1639,16310を模式的に示す図である。同図においては、図15及び図18の場合と同様に、対応する注文情報と注文とを、符号の下2桁と添え字とを同一にして表示している。同図に示す全ての第一注文1611,1612,・・・1619,16110、全ての第二注文1621,1622,・・・1629,16210、全てのストップロス注文1631,1632,・・・1639,16310は、一の注文手続で生成された第一注文情報611,612,・・・619,6110、第二注文情報621,622,・・・629,6210、逆指値注文情報631,632,・・・639,6310に基づいて取引が行われる。
図20に示すとおり、ここでは、第一注文1611,1612,・・・1619,16110は、下限価格65(下限価格入力ボタン61aに入力された価格)と上限価格66(上限価格入力ボタン61bに入力された価格)との間の価格範囲67に設定されている。
注文情報生成部16と約定情報生成部14は、相場価格71の変動にともない、このように生成された第一注文情報611,612,・・・619,6110、及び、第二注文情報621,622,・・・629,6210に処理を行うことで、「トラリピ」の場合と同様に第一注文1611,1612,・・・1619,16110、及び、第二注文情報621,622,・・・629,6210に基づく第二注文1621,1622,・・・1629,16210に基づく取引を繰り返し行う。
[作用効果]
以上、この実施の形態においては、金融商品を複数の価格で取引を行う場合に、異なる注文価格の注文を異なる注文数量で注文を行うように注文情報411,412,・・・419,4110、第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210、第一注文情報611,612,・・・619,6110、第二注文情報621,622,・・・629,6210、の生成を行うことにより、異なる複数の注文価格で金融商品の注文を行う場合に、注文数量を任意に設定することが可能になる。そのため、金融商品の取引を行う者の意向等の諸般の事情に基づいた、多様な注文価格の設定で金融商品の取引を行わせることが可能になる。これにより、金融商品の取引を行う者の多様な目的に沿った形で複数の注文を行わせつつ、取引の利便性を高めることができる。
この実施の形態においては、注文情報411,412,・・・419,4110、第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210、第一注文情報611,612,・・・619,6110、第二注文情報621,622,・・・629,6210に基づいて、高値側の注文又は安値側の注文ほど一回の取引で大きな利益を確保できるようにそれぞれの注文を設定することや、高値側の注文又は安値側の注文ほど取引のリスクを回避できるようにそれぞれの注文を設定することが可能となる。これにより、金融商品の取引を行う者の多様な目的に沿った形で複数の注文を行わせつつ、取引の利便性を高めることができる。
この実施の形態においては、特定の注文価格の注文数量が最大であって特定の注文価格よりも高値側及び安値側は注文数量が小さくなるように、注文情報411,412,・・・419,4110、第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210、第一注文情報611,612,・・・619,6110、第二注文情報621,622,・・・629,6210の生成を行うことで、特定の注文価格において一回の取引で大きな利益を確保できるように設定することや特定の注文価格から離れた注文価格ほど取引のリスクを回避できるようにそれぞれの注文を設定することができ、特定の注文価格の注文数量が最小であって特定の注文価格よりも高値側及び安値側は注文数量が大きくなるように、注文情報411,412,・・・419,4110、第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210、第一注文情報611,612,・・・619,6110、第二注文情報621,622,・・・629,6210の生成を行うことで、特定の注文価格において取引のリスクを回避できるように設定することや特定の注文価格から離れた注文価格ほど一回の取引で大きな利益を確保できるようにそれぞれの注文を設定することが可能となる。これにより、金融商品の取引を行う者の多様な目的に沿った形で複数の注文を行わせつつ、取引の利便性を高めることができる。
この実施の形態においては、注文情報411,412,・・・419,4110、第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210、第一注文情報611,612,・・・619,6110、第二注文情報621,622,・・・629,6210の生成において、特定の利用者又は特定の取引における総取引金額や平均取引金額を基準として、それら総取引金額や平均取引金額との比率によってそれぞれの注文価格の注文数量を設定できるので、所定の時点又は所定の期間における取引状況を基準に、個々の注文価格ごとの注文数量を演算によって容易に設定することが可能となる。これにより、金融商品の取引を行う者の多様な目的に沿った形で複数の注文を行わせつつ、取引の利便性を高めることができる。
この実施の形態においては、注文情報411,412,・・・419,4110、第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210、第一注文情報611,612,・・・619,6110、第二注文情報621,622,・・・629,6210の生成において、2以上の注文価格を一の注文数量である注文階層とし、注文階層を複数設定することにより、一の注文階層を構成する複数の注文価格を全て一の注文数量とし、注文階層ごとに注文数量の大小を設定できるので、注文数量の大小の段階を簡素化して設定を容易にすることや、注文階層を構成する複数の注文価格からなる価格帯ごとに利益確保やリスク回避を図ることが可能となる。これにより、取引の利便性を一層高めることが可能となる。
この実施の形態においては、生成された注文情報411,412,・・・419,4110、第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210、第一注文情報611,612,・・・619,6110、第二注文情報621,622,・・・629,6210に基づいて発注された注文について取引が成立した場合に、約定情報生成部14が、注文情報411,412,・・・419,4110、第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210、第一注文情報611,612,・・・619,6110、第二注文情報621,622,・・・629,6210に対し、その注文が約定した処理を行うことで、注文情報411,412,・・・419,4110、第一注文情報511,512,・・・519,5110、第二注文情報521,522,・・・529,5210、第一注文情報611,612,・・・619,6110、第二注文情報621,622,・・・629,6210に基づく金融商品の売買取引を実現させることができる。
この実施の形態においては、複数の第一注文情報511,512,・・・519,5110,611,612,・・・619,6110に基づく複数の第一注文、及び/又は、複数の第二注文情報521,522,・・・529,5210,621,622,・・・629,6210に基づく複数の第二注文を、特定の基準価格を基準として、それぞれの注文価格が所定の値幅となるように設定することで、取引リスクの分散を図りつつ利益を確保することが可能となる。
この実施の形態においては、複数の第一注文情報511,512,・・・519,5110,611,612,・・・619,6110に基づく複数の第一注文、及び/又は、複数の第二注文情報521,522,・・・529,5210,621,622,・・・629,6210に基づく複数の第二注文を、特定の基準価格を基準として、それぞれの注文価格が所定の値幅となるように設定することで、ことで、取引リスクの分散を図りつつ利益を確保することが可能となる。また、第一注文情報511,512,・・・519,5110,611,612,・・・619,6110に基づく第一注文と、第一注文に対応する、第二注文情報521,522,・・・529,5210,621,622,・・・629,6210に基づく第二注文とが約定した場合、約定した第一注文に対応する、第一注文情報511,512,・・・519,5110,611,612,・・・619,6110に基づく第一注文と、約定した第二注文に対応する、第二注文情報521,522,・・・529,5210,621,622,・・・629,6210に基づく第二注文との発注を繰り返すことにより、一度取引が成立し、相場価格71の変動が起きやすい価格での取引を自動的・継続的に行うことで、より大きい利益を確保することが可能となる。
この実施の形態においては、特定の上限価格、及び/又は、特定の下限価格を基準に設定される価格範囲において、複数の第一注文情報511,512,・・・519,5110,611,612,・・・619,6110に基づく複数の第一注文、及び/又は、複数の第二注文情報521,522,・・・529,5210,621,622,・・・629,6210に基づく複数の第二注文を設定することにより、まず注文価格を設定する価格範囲を設定し、この価格範囲にそれぞれの第一注文やそれぞれの第二注文を設定するような注文価格の設定が可能となる。そのため、価格範囲から個々の第一注文の注文価格や個々の第二注文の注文価格を設定するような注文方法を実現でき、注文設定の利便性をより高めることが可能となる。
なお、上記実施の形態の金融商品取引管理システム1Aは、金融商品として外国為替を取扱うものとしたが、これに限定されず、他の金融商品、例えば株式、債券を取扱う場合においても本発明を適用できる。また、上記実施の形態の金融商品取引管理システム1Aは、他の法律上の金融商品や、法律上の金融商品以外であって変動相場にて取引がされるもの、例えば、仮想通貨、貴金属や農産物や原油等の先物取引等を取り扱う場合においても本発明を適用できる。
また、上記各実施の形態の金融商品取引管理システム1Aにおいては、注文情報群を形成する買い注文情報を「第一注文」とし、売り注文情報を「第二注文」としたが、逆に、売り注文情報を「第一注文」とし、買い注文情報を「第二注文」としてもよい。
上記各実施の形態は本発明の例示であり、本発明が上記各実施の形態のみに限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない。