以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の情報処理装置等により実現される情報処理について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、図1では、本実施形態に係る情報処理装置10によって、実施形態に係る情報処理などが実現されるものとする。
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置10と、利用者端末50と、決済サーバ100と、店舗端末200と、事業者端末300とを含む。情報処理装置10、利用者端末50、決済サーバ100、店舗端末200および事業者端末300は、ネットワークを介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図1に示した情報処理システム1には、情報処理装置10、利用者端末50、決済サーバ100、店舗端末200および事業者端末300がそれぞれ複数台含まれていてもよい。
図1に示す情報処理装置10は、実施形態に係る情報処理を実行する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報処理装置10は、決済サーバ100が提供する利用者端末50を用いる電子決済に関する電子決済サービスに関する情報に基づき、電子決済サービスの加盟店から債権の買い取りを行うことで、加盟店に対し資金を提供するファクタリングサービスを提供する。
例えば、決済サーバ100は、取引対象の提供者(事業者)や取引対象が提供される利用者の口座を管理しており、利用者からの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
また、決済サーバ100は、電子決済サービスにおいて利用者に付与され、電子決済サービスにおいて利用可能な利益(クーポン等)に関する利益情報を、利益の提供者(言い換えると、クーポンの企画、設定等を行い、クーポンの原資を出資(提供)する者)から受け付け、自装置の記憶部で管理する。
また、決済サーバ100は、各エリアに所在する店舗(電子決済サービスの加盟店)等の情報を含むエリア情報を自装置の記憶部で管理する。例えば、情報処理装置10は、各エリアを識別する識別情報(エリアID)や、各エリアの所在情報(所在地や範囲など)、各エリア内の道路情報、各エリア内の路線情報、各エリアに所在する店舗などを含むエリア情報を記憶する。なお、エリアは、任意の広さの範囲が適宜設定されてもよい。例えば、エリアは、緯度及び経度を基に同様の大きさの網の目(メッシュ)に分割されたものであってもよい。すなわち、エリアは、地域メッシュで区切られたエリアであってもよい。この場合、エリアIDには、地域メッシュコードが用いられてもよい。なお、上記は、一例であり、エリアは、地域メッシュに限らず種々の情報を基に設定されてもよい。例えば、エリアは、「町」、「区」、「市」、「県」等の行政区画を基に設定されてもよい。また、エリアは、店舗等の施設ごとに設定されてもよいし、通りや商店街等ごとに設定されてもよい。
図1に示す利用者端末50は、利用者Uによって利用される情報処理装置である。利用者端末50は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
図1に示す店舗端末200は、利用者に取引対象を提供する店舗によって利用される情報処理装置である。店舗端末200は、例えば、POS(Point of Sales)端末や、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、携帯電話機、PDA等により実現される。また、店舗端末200は、決済サーバ100によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例では、店舗端末200がPOS端末である場合を示す。
なお、利用者端末50及び店舗端末200は、所定の情報処理を実現する制御情報を情報処理装置10から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語、Java(登録商標)等のプログラミング言語、HTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語等により記述される。なお、決済サーバ100から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
図1に示す事業者端末300は、例えば、各店舗を運営する事業者によって利用される情報処理装置である。事業者端末300は、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、携帯電話機、PDA等により実現される。また、事業者端末300は、情報処理装置10や決済サーバ100によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例では、事業者端末300がノート型PCである場合を示す。
〔1-1.利用者端末50を用いた決済について〕
ここで、情報処理装置10が実行する提供処理に先立ち、利用者端末50を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗Aに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗Aを識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、利用者Uが利用者端末50を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の利用者端末50を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
例えば、利用者Uが店舗Aにて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者Uは、利用者端末50に予めインストールされた決済アプリを起動する。そして、利用者Uは、決済アプリを介して、店舗Aに設置された店舗識別情報を撮影する。このような場合、利用者端末50は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者U或いは店舗Aの店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、利用者端末50は、利用者Uを識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗A(若しくは店舗Aの事業者)を示す情報(例えば、店舗ID)と、決済金額とを示す決済情報を情報処理装置10へ送信する。
このような場合、情報処理装置10は、利用者識別情報が示す利用者Uの口座から、店舗識別情報が示す店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、情報処理装置10は、決済が完了した旨の通知を利用者端末50へ送信する。このような場合、利用者端末50は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。
なお、利用者端末50を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、利用者端末50を用いた決済は、店舗Aに設置された店舗端末200を用いたものであってもよい。例えば、利用者端末50は、利用者Uを識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗Aに設置された店舗端末200は、利用者端末50に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者Uを示す情報(例えば、利用者ID)と、決済金額と、店舗Aを識別する情報とを示す決済情報を決済サーバ100へ送信する。このような場合、情報処理装置10は、利用者識別情報が示す利用者Uの口座から、店舗Aの口座へ、決済金額が示す額の電子マネーを移行させ、店舗Aの店舗端末200或いは利用者端末50に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
また、利用者端末50を用いた決済は、利用者Uが予め電子マネーをチャージした口座から店舗Aの口座へ電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者Uが予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、利用者端末50は、店舗Aの口座に対して決済金額の電子マネーを移行させるとともに、利用者Uのクレジットカードの運用会社(カード会社)に対し、決済金額を請求してもよい。
〔1-2.実施形態に係る情報処理について〕
実施形態に係る情報処理装置10は、各店舗で行われた電子決済サービスの決済履歴に基づき、各店舗の事業者に対しファクタリングサービスを提供する。ここで、ファクタリングサービスとは、店舗の将来の売り上げの一部を債権として買い取ることで、事業者に対し資金を提供するサービスである。
このようなファクタリングサービスを提供するうえで、店舗の将来の動向に応じて債権の買い取り条件(以下、ファクタリング条件)の決定を行う必要がある。
そこで、実施形態に係る情報処理装置10では、各店舗の将来の動向を示す将来情報を推定する学習モデル(以下、モデル)を学習し、当該モデルの推定結果に基づき、ファクタリング条件を決定する。以下では、チェーンストアを運営する事業者(たとえば、運営本部)に対しファクタリングサービスを提供することとし、チェーンストア単位で将来の動向を予測するためのモデルを学習する場合について説明する。なお、モデルの学習は、チェーンストア単位に限定されず、店舗単位、店舗カテゴリ単位など任意の単位に設定することにしてもよい。
たとえば、図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1において、利用者Uが店舗Aで電子決済サービスを用いて商品(あるいはサービス)を購入した場合、決済情報が決済サーバ100に通知される(ステップS1)。決済サーバ100は、各店舗から通知される決済情報を集約し、各店舗における電子決済サービスの取引情報を情報処理装置10へ通知する(ステップS2)。たとえば、取引情報には、各店舗における電子決済サービスの取引高、取引日時、各店舗を利用した利用者、購入した商品に関する情報などが含まれる。
情報処理装置10は、取引情報を店舗情報データベースに格納するとともに、店舗情報データベースに格納された店舗情報をチェーンストア単位で集約したチェーン情報を学習データとしてモデルの学習を行う(ステップS3)。
ここで、店舗情報には、各店舗の店舗カテゴリに関するカテゴリ情報、各店舗における電子決済サービスの取引情報、立地等に関する地理情報、利用する利用者に関する利用者情報、営業時間に関する営業時間情報などといった店舗に関する各種情報が含まれる。また、チェーン情報は、これら店舗情報をチェーンストア単位で集約した情報である。
たとえば、図1に示すように、情報処理装置10は、チェーン情報に基づき、モデルM1~M3(以下、モデルMとも記載)の学習を行う。図1に示すモデルM1は、各チェーンストアのグループ特性を考慮したスコアを推定するモデルである。
たとえば、情報処理装置10は、チェーンストアに加盟する加盟店(以下、チェーン店とも記載)の増減数に関する店舗数情報、各チェーン店における電子決済サービスの取引履歴に関する情報等を学習データとして用い、モデルM1の学習を行う。すなわち、モデルM1は、チェーン店それぞれにおける電子決済サービスの取引履歴からチェーン店の増減数をチェーンストアに関する将来情報として推定するモデルである。
たとえば、図2Aに示すように、モデルM1は、チェーンストアにおけるチェーン店数の動向を推定するモデルである。なお、図2Aは、実施形態に係る学習モデルによる出力結果の一例を示す図である。たとえば、モデルM1は、図2Aに破線で示すように、中期、あるいは、長期などといった複数の時間軸で店舗数(チェーン店数)を推定する。
この場合、モデルM1を推定する時間軸に応じた複数のモデルで構成するようにしてもよい。すなわち、モデルM1が、中期の時間軸で店舗数を推定するモデルと、長期の時間軸で店舗数を推定するモデルとによって構成されるようにしてもよい。
なお、モデルM1は、チェーンストア全体における電子決済サービスの将来の利用態様を将来情報として推定するモデルであってもよい。モデルM1は、チェーンストアで電子決済サービスのサービス加盟店が撤退する撤退確率を推定するモデルであってもよく、チェーンストアにおける将来の電子決済サービスの取引高あるいは利用するユーザ層の推移などといった将来情報を推定するモデルであってもよい。なお、撤退とは、店舗の閉店あるいはその他の理由に基づき、店舗が電子決済サービスから撤退することを示す。
図1に示すモデルM2は、エリア特性を考慮して、電子決済サービスの将来の利用態様に関する情報を将来情報として推定するモデルである。たとえば、モデルM2は、エリアごとの店舗情報を学習データとして、エリア毎に学習したモデルである。
ここで、エリアによって、天候や、人口動態、あるいは地場産業などが異なるので、エリアによって、ニーズ、ビジネス戦略、ライバル店等が異なることが想定される。そのため、情報処理装置10は、エリアごと学習データを準備し、モデルM2を生成することで、エリア毎にこれらの特性を可視化する。
モデルM2の学習段階において、情報処理装置10は、各エリアにおけるチェーン店の増減数に関する情報、電子決済サービスの取引履歴に関する情報等を学習データとして用い、エリア毎にモデルM2の学習を行う。
たとえば、図2Bに示すように、モデルM2は、チェーンストアにおけるエリアごとの撤退確率を示す情報を出力するモデルである。なお、図2Bは、実施形態に係る学習モデルによる出力結果の一例を示す図である。図2Bでは、エリアが、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、九州などといった7地方区分である場合を例示しているが、エリアの設定については、都道府県単位、市町村単位など任意の区分とすることにしてもよい。また、エリアの設定については、人口動態が類似する複数の区域を同一エリアと設定するなど、隣り合う区域であることを要件とするものではない。
図1に示すモデルM3は、各チェーン店の営業時間特性を考慮して、電子決済サービスの将来の利用態様に関する情報を将来情報として推定するモデルである。たとえば、情報処理装置10は、各チェーン店の営業時間に関する営業時間情報、電子決済サービスの取引履歴に関する情報を学習データとして用い、モデルM3の学習を行う。
たとえば、情報処理装置10は、チェーンストア全体における1カ月単位あたりの総営業時間、従業員数、電子決済サービスの取引額(月商)等を学習データとして、モデルM3の学習を行う。
たとえば、図2Cに示すように、モデルM3は、撤退確率と営業時間(月商/総営業時間)との関係性を学習したモデルである。なお、図2Bは、実施形態に係る学習モデルによる出力結果の一例を示す図である。図2Cでは、撤退確率と営業時間との関係を2次元で表しているが、説明便宜のためであって、これに限定されるものではい。
情報処理装置10は、このような営業時間と、撤退確率との関係性を学習することによって、たとえば、営業時間と、撤退確率との関係性を可視化することができる。
つづいて、図1に示すように、情報処理装置10は、事業者端末300からファクタリングの申し込みを受け付けると(ステップS4)、各モデルM1~M3に対し、対応する事業者のチェーン情報を入力することで、撤退スコアを算出する(ステップS5)。
たとえば、情報処理装置10は、モデルM1を用いることで、事業者が運営するチェーンストアの店舗数の増減に関するスコアを撤退スコアとして算出し、モデルM2を用いることで、各エリアにおける撤退スコアを算出する。また、情報処理装置10は、モデルM3を用いることで、営業時間に応じた撤退スコアを算出する。
ここで、撤退スコアは、たとえば、チェーンストア全体におけるチェーン店の増減数に関するスコアである。たとえば、撤退スコアが高いほど、チェーン店が減少する可能性が高いことを示唆しており、撤退スコアが低いほど、チェーン店が減少しにくい、あるいは、増加することを示唆している。
たとえば、チェーン店が増加すると、チェーン店の増加に伴い、チェーンストア全体における電子決済サービスの利用額の増加が期待される。そのため、撤退スコアとは、チェーンストアにおける電子決済サービスの利用額の推移を予測するための指標となり、債権が貸し倒れるリスクを数値化した値とも見做すことができる。具体的には、撤退スコアが低いほど、債権の貸し倒れるリスクが低く、撤退スコアが高いほど、債権の貸し倒れるリスクが高くなると見做すことができる。
そして、情報処理装置10は、モデルM1~M3を用いて算出した撤退スコアに応じて、ファクタリング条件を決定する(ステップS6)。たとえば、情報処理装置10は、撤退スコアが低いほど、すなわち、撤退する可能性が低く、債権が貸し倒れるリスクが低い事業者ほど、有利なファクタリング条件を決定する。
たとえば、ファクタリング条件は、債権の買取上限額、回収態様などといった条件が含まれ、情報処理装置10は、撤退スコアに応じて、これらの条件を決定することになる。たとえば、情報処理装置10は、撤退スコアが低いほど、債権の買取上限額を高くするといったくしたり、ファクタリング条件を決定する。
その後、情報処理装置10は、決定したファクタリング条件に基づき、事業者と間で契約し、事業者から債権の買い取りを行うことで、事業者に対し資金提供を行う(ステップS7)。
このように、実施形態に係る情報処理装置10は、各店舗情報に基づき、モデルM1~M3を学習する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、実店舗における将来の動向を適切に予測することができる。
また、実施形態に係る情報処理装置10では、モデルM1~M3の出力結果に基づき、ファクタリング条件を決定することで、実店舗の将来の動向に応じて適切なファクタリング条件を決定することができる。
なお、モデルM1~M3の利用目的は、ファクタリング条件の決定に限定されず、たとえば、電子決済サービスからの撤退の回避、あるいは、新規取り扱いに関する営業活動に活用することも可能である。たとえば、撤退スコアが高いチェーン店あるいはチェーンストアについては、営業活動を強化するなどといった電子決済サービスのマーケティングに生かすことができる。
〔1-3.実施形態に係る学習処理について〕
たとえば、上記の学習データには、各チェーンストアのチェーン情報と、当該チェーンストアのチェーン店の増減数や、電子決済サービスの取引高を示すラベル(「正解情報」ともいう)とを対応付けたデータが含まれる。
また、例えば、正解情報としては、チェーン店数が減少した場合は「1」が割り当てられ、チェーン店数が減少していない場合は「0」が割り当てられる。なお、正解情報として、ある時点(時点X)までのチェーン情報に、チェーン店数が時点Xから一年以内に減少した場合は「1」が割り当てられ、そのチェーン店数が時点Xから一年以内に減少していない場合は「0」が割り当てられてもよい。この場合、情報処理装置10は、一年に限らず、所望の期間(例えば一カ月、六カ月、五年等)内にチェーン店数が減少する確率(可能性)を推定(予測)するモデルを生成することができる。
例えば、情報処理装置10は、モデルMが出力するスコアが、モデルMに入力したチェーンストアのチェーン情報に対応付けられた正解情報(ラベル)に近づくように、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)等の手法により学習処理を行う。例えば、情報処理装置10は、正解情報が「1」である場合、その正解情報が割り当てられたチェーンストアのチェーン情報が入力された場合に、モデルMが出力するスコアが「1」に近づくように、学習処理を行う。また、例えば、情報処理装置10は、正解情報が「0」である場合、その正解情報が割り当てられたチェーンのチェーン情報が入力された場合に、モデルMが出力するスコアが「0」に近づくように、学習処理を行う。
例えば、情報処理装置10は、学習処理によりノード間で値が伝達する際に考慮される重み(すなわち、接続係数)の値を調整する。このように、情報処理装置10は、モデルMにおける出力と、入力に対応する正解情報との誤差が少なくなるようにパラメータ(接続係数)を補正するバックプロパゲーション等の処理によりモデルMを学習する。例えば、情報処理装置10は、所定の損失(ロス)関数を最小化するようにバックプロパゲーション等の処理を行うことによりモデルMを生成する。これにより、情報処理装置10は、モデルMのパラメータを学習する学習処理を行うことができる。
なお、モデルの学習手法については、上述した手法に限定されるものではなく、任意の公知技術が適用可能である。なお、各モデルの生成は、機械学習に関する種々の従来技術を適宜用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。また、例えば、モデルの生成は、教師なし学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、深層学習(ディープラーニング)の技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、DNN(Deep Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術を適宜用いて行われてもよい。なお、上記モデルの生成に関する記載は例示であり、モデルの生成は、取得可能な情報等に応じて適宜選択された学習手法により行われてもよい。すなわち、情報処理装置10は、学習データに含まれるチェーン情報が入力された場合に、正解情報に対応するスコアを出力するようにモデルMを学習可能であれば、どのような手法によりモデルMの生成を行ってもよい。
〔2‐1.情報処理装置の構成例〕
次に、図3を用いて、情報処理装置10の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置10は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、決済サーバ100、事業者端末300等との間で情報の送受信を行う。
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図3に示すように、記憶部120は、店舗情報データベース121と、加盟店情報データベース122と、地理情報データベース123と、モデルデータベース124と、ファクタリングデータベース125とを有する。
店舗情報データベース121は、電子決済サービスを利用する各店舗に関する情報を記憶するデータベースである。図4は、実施形態に係る店舗情報データベース121に記憶する情報の一例を示す図である。
図4に示すように、店舗情報データベース121は、「店舗ID」、「加盟店ID」、「出店日」、「閉店日」、「カテゴリID」、「売上高」、「取扱高」、「住所」、「営業時間」、「従業員数」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
「店舗ID」は、店舗を識別するための識別子である。たとえば、店舗IDは、電子決済サービスにおける店舗IDが用いられる。「加盟店ID」は、対応する店舗IDによって識別される店舗が加盟するチェーン店を識別するための識別子である。
たとえば、同一のチェーンストアに加盟している場合、同一の加盟店IDが付与される。なお、同一のチェーンストアに加盟している場合であっても、各店舗の契約態様に応じて、異なるIDを付与することにしてもよい。すなわち、「加盟店ID」は、直営店あるいはフランチャイズ店を識別するための識別子を含むようにしてもよい。
「出店日」は、対応する店舗IDによって識別される店舗が出店した日であり、「閉店日」は、対応する店舗IDによって識別される店舗が閉店(店じまい)した日であり、「出店日」および「閉店日」については、それぞれ電子決済サービスの加盟店となった加盟日、電子決済サービスから撤退した撤退日へ読み替えることにしてもよい。
「カテゴリID」は、対応する店舗IDによって識別される店舗の店舗カテゴリを識別するための識別子である。たとえば、業種、取扱商品(取扱サービス)によって、カテゴリIDが決定される。なお、一つの店舗に対し複数種別のカテゴリIDを付与するようにしてもよい。
「売上高」は、対応する店舗IDによって識別される店舗の1か月あたりの売上高(すなわち、月商)であり、「取扱高」は、対応する店舗IDによって識別される店舗における電子決済サービスの取扱高である。
「住所情報」は、対応する店舗IDによって識別される店舗の住所に関する情報である。たとえば、「住所情報」には、店舗の所在地、店舗面積、駐車場の有無等に関する情報が含まれ得る。
「営業時間」は、対応する店舗IDによって識別される店舗の営業時間に関する情報であり、「従業員数」は、対応する店舗IDによって識別される店舗の従業員数に関する情報である。なお、従業員数については、対応する店舗に勤務する総従業員数に関する情報であってもよく、1度に勤務する従業員の数を含むようにしてもよい。また、従業員数については、雇用形態毎(正社員、アルバイトなど)の従業員数に関する情報を含むようにしてもよい。
図3の説明に戻り、加盟店情報データベース122について説明する。加盟店情報データベース122は、加盟店に関する情報を記憶するデータベースである。図5は、実施形態に係る加盟店情報データベース122に記憶する情報の一例を示す図である。
図5に示すように、加盟店情報データベース122は、「加盟店ID」、「店舗数」、「総営業時間」、「従業員数」、「月商」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
「加盟店ID」は、チェーンストアを識別するための識別子であり、「店舗数」は、対応する加盟店IDによって識別されるチェーンストアの店舗数である。「総営業時間」は、対応する加盟店IDによって識別されるチェーンストア全体の1カ月当たりの営業時間の総和であり、「従業員数」は、チェーンストア全体の従業員数である。
また、「月商」は、対応する加盟店IDによって識別されるチェーンストア全体の1か月の売り上げである。なお、月商については、チェーンストア全体の電子決済サービスの取引高の総和であってもよい。
図3の説明に戻り、地理情報データベース123について説明する。地理情報データベース123は、地理情報を記憶するデータベースである。図6は、実施形態に係る地理情報データベース123に記憶する情報の一例を示す図である。
図6に示すように、たとえば、地理情報データベース123は、「エリアID」、「人口情報」、「店舗情報」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。「エリアID」は、各エリアを識別するための識別子である。
「人口情報」は、対応するエリアIDによって識別されるエリアにおける人口に関する情報である。人口情報は、人口動態統計(年齢別の人口、性別)に関する情報、エリアにおける年収や、賃金に関する統計情報、エリアにおける時刻毎の人流に関する情報、電子決済サービスの利用者に関する情報などが含まれる。
「店舗情報」は、対応するエリアIDによって識別されるエリアに出店された店舗に関する情報である。たとえば、図6に示すように、店舗情報は、カテゴリ1、カテゴリ2など、店舗のカテゴリ毎に対応する店舗に関する情報である。ここでのカテゴリとは、たとえば、店舗カテゴリであり、店舗情報には、類似あるいは同一の店舗カテゴリに属する店舗に関する情報が格納される。なお、店舗カテゴリは、各店舗を業種で区分するようにしてもよく、取扱商品で区分するようにしてもよい。
なお、たとえば、カテゴリをチェーンストア単位とすることにしてもよく、この場合、店舗情報には、同一チェーンストアのチェーンストアに関する情報が格納される。この場合、たとえば、店舗情報には、チェーンストアのチェーン店の地理的な分布を示す情報(マップ情報にどのように各チェーン店が分布しているか)や、各チェーン店の家賃(あるいは地価)などを含むようにしてもよい。
図3の説明に戻り、モデルデータベース124について説明する。モデルデータベース124は、モデルを記憶するデータベースである。図7は、実施形態に係るモデルデータベース124に記憶する情報の一例を示す図である。
図7に示すように、モデルデータベース124は、「モデルID」、「用途」、「モデルデータ」および「学習データ」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。「モデルID」は、各モデルを識別するための識別子である。
「用途」は、対応するモデルIDによって識別されるモデルの用途を示す。図7に示す例では、用途に、「グループ特性」、「エリア特性(AR1~AR3)」、「営業時間特性」が含まれる場合を示している。
「モデルデータ」は、対応するモデルIDによって識別されるモデルのデータ本体であり、「学習データ」は、対応するモデルIDによって識別されるモデルを生成するための学習モデルである。
図3の説明に戻り、ファクタリングデータベース125について説明する。ファクタリングデータベース125は、ファクタリングに関する各種情報を記憶する。図8は、実施形態に係るファクタリングデータベース125に記憶する情報の一例を示す図である。
図8に示すように、ファクタリングデータベース125は、「加盟店ID」、「スコア情報」、「ファクタリング情報」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。「加盟店ID」は、チェーンストアを識別するための識別子である。
「スコア情報」は、対応する加盟店IDによって識別されるチェーンストアに対するスコアである。「ファクタリング情報」は、対応するチェーンストアのファクタリングを利用中であるか否かを示す。例えば、「ファクタリング情報」が「-」(ハイフン)であるチェーンストアは、ファクタリングを利用していないストアであることを示す。
「ファクタリング情報」がファクタリング情報#2であるチェーンストアは、ファクタリングを利用中のチェーンストアであることを示し、ファクタリングの金額やその回収態様(回収期間や回収間隔等)等、ファクタリングに関する具体的な情報が格納される。
図3の説明に戻り、制御部130について説明する。制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部130は、取得部131と、学習部132と、推定部133と、決定部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
取得部131は、各実店舗に関する店舗情報を取得し、店舗情報データベース121へ格納する。たとえば、取得部131は、実店舗における電子決済サービスの取引に関する取引情報を決済サーバ100から取得する。たとえば、取得部131は、実店舗における売上高に関する売上情報を取得するようにしてもよい。なお、売上情報とは、決済サーバ100が提供する決済サーバ100が提供する決済サービスの取引高に加え、現金、クレジットカードなどその他の決済手段を含めた店舗の売り上げに関する情報である。たとえば、取得部131は、各実店舗、あるいは、チェーンストア本部へのアンケートによって売上情報を取得する。なお、取得部131は、各実店舗における電子決済サービスの取引履歴から売上情報を推定するようにしてもよい。また、売上情報については、たとえば、月商であってもよく、1か月間の利益(月商から経費を差し引いた額)であってもよい。
また、取得部131は、各店舗に関する店舗情報として、営業時間情報、従業員情報を取得する。取得部131は、たとえば、各実店舗に関するWebページ(店舗のホームページなど)、あるいは、各店舗へアンケートを実施することで、営業時間情報や従業員情報を取得する。なお、取得部131は、電子決済サービスの利用時刻から営業時間情報を推定するようにしてもよい。たとえば、取得部131は、電子決済サービスが利用された時刻と、電子決済サービスが利用されない時刻とに基づき、各店舗の営業時間を推定するようにしてもよい。
また、取得部131は、各利用者端末50の位置情報に基づき、どの利用者が従業員かを推定したうえで、従業員情報を推定するようにしてもよい。たとえば、取得部131は、各実店舗における一般的な滞在時間を集計したうえで、一般的な滞在時間よりも滞在時間が長い利用者を従業員として推定するようにしてもよい。なお、取得部131は、たとえば、決済サーバ100が提供する電子決済サービス、あるいは、電子決済サービスと紐づいたポータルサイトの登録情報に基づき、各利用者の勤務先に関する情報から各店舗における従業員を特定するようにしてもよい。
また、取得部131は、各エリアに関するエリア情報を取得する。エリア情報には、たとえば、人口動態(世代別の人口)、電子決済サービスのユーザ数、各エリアにおける流動人口(人流)に関する情報等が含まれる。
また、たとえば、エリア情報には、各エリアにおける地価、家賃相場(地価)、業種ごとの給与相場に関する情報を含むようにしてよい。たとえば、取得部131は、これらエリア情報を外部サーバ(不図示)から取得する。
学習部132は、取得部131によって取得された各種情報に基づき、モデルM1~M3を学習する。上述のように、モデルM1は、チェーンストア毎のグループ特性を考慮して、チェーンストアの将来の動向を推定するモデルである。
たとえば、モデルM1の学習段階において、学習部132は、チェーンストアに加盟する各チェーン店の電子決済サービスの取引高に関する取引履歴、チェーンストアの店舗数に関するデータを学習データとして学習する。
たとえば、学習部132は、各チェーンストアのチェーン店に関する店舗情報をチェーンストア毎に集約したチェーン情報を学習データとして、モデルM1の学習を行う。
たとえば、学習データには、各チェーンストアのチェーン情報と、当該チェーンストアの加盟店の増減数あるいは電子決済サービスの取引高を示すラベル(「正解情報」ともいう)とを対応付けたデータが含まれる。
また、例えば、正解情報としては、チェーン店数が減少した場合は「1」が割り当てられ、チェーン店数が減少していない場合は「0」が割り当てられる。例えば、学習部132は、正解情報が「1」である場合、その正解情報が割り当てられたチェーンストアのチェーン情報が入力された場合に、モデルM1が出力するスコアが「1」に近づくように、学習処理を行う。また、例えば、情報処理装置10は、正解情報が「0」である場合、その正解情報が割り当てられたチェーン店のチェーン情報が入力された場合に、モデルM1が出力するスコアが「0」に近づくように、学習処理を行う。なお、学習部132は、正解情報として、チェーン店数が増加した場合を「1」、チェーン店数が増加していない場合を「0」としてモデルM1の学習を行うようにしてもよい。
また、モデルM1の学習段階において、学習部132は、正解情報としてチェーンストア全体における電子決済サービスの取引高が減少(あるいは増加)した場合を「1」、電子決済サービスの取引高が減少(あるいは増加)してない場合を「0」としてモデルM1の学習を行うようにしてもよい。
なお、ここでは、店舗グループをチェーンストア単位としたがこれに限定されず、店舗グループを店舗カテゴリ(たとえば、コンビニ、ドラッグストア等)とするようにしてもよく、各店舗の客層、顧客単価などに応じて、任意の店舗グループを作成するようにしてもよい。すなわち、顧客単価が類似する、あるいは、客層が類似する複数の実店舗で店舗グループを作成し、モデルM1の学習を行うようにしてもよい。
また、学習部132は、エリア特性を考慮して将来情報を出力するモデルM2に関しては、エリア毎に学習を行う。すなわち、モデルM2は、それぞれのエリア毎に生成されることになる。
この場合、学習データには、モデルM1の学習データに用いたチェーン情報をエリアごとに分割したデータ、対応するエリアにおける家賃相場(あるいは地価)に関するデータ、人口に関するデータ等が含まれる。
この際、学習データとして、学習対象とするエリアにおいて対象とする店舗(チェーンストア)と店舗カテゴリが類似する実店舗の店舗数およびそれら店舗それぞれの売上高等を用いることにしてもよい。
換言すれば、たとえば、該当エリアにおける店舗カテゴリ全体の需要等を考慮して、モデルM2の学習を行うようにしてもよい。より具体的な例を挙げると、たとえば、大阪エリアでは、たこ焼きやお好み焼きが他のエリアに比べて需要が高く、店舗数や売り上げが他のエリアに比べて高いとされている。
モデルM2では、該当エリアにおける店舗カテゴリ全体、店舗数や売り上げに基づき、エリアにおける特性を可視化することができる。つまり、学習部132は、該当エリアにおけるチェーンストアに関する情報のみならず、店舗カテゴリ全体、あるいは、同業者の店舗情報に基づき、モデルM2の学習を行うことで、対象となるエリアの特性を適切に反映することができる。
また、学習部132は、営業時間特性を考慮した将来情報を出力するモデルM3を学習する。この場合の学習データは、たとえば、チェーンストア全体における1か月あたりの営業時間情報や、チェーン店の実際の増減数に関するデータと、電子決済サービスの1か月あたりの取引高に関するデータが含まれる。
ここで、営業時間情報は、各店舗における1か月あたりの総営業時間、従業員一人当たりの労働時間、営業時間態様に関する情報が含まれる。なお、営業時間態様とは、たとえば、24時間営業、深夜営業の有無、早朝営業の有無、休業日などが含まれる。
モデルM3の学習データは、営業時間情報と、電子決済サービスの取引情報とに基づいて生成され、たとえば、1時間当たりの売上高(月商/総営業時間)、従業員一人当たりの売上高(月商/従業員数)、労働単価、電子決済サービスの取引高に関するデータが含まれる。
たとえば、学習部132は、チェーンストアのチェーン店数が減少したデータに正解情報「1」、チェーン店数が減少していない場合のデータに正解情報「0」のラベルを紐づけてモデルM3の学習を行う。
また、学習部132は、電子決済サービスの取引高が増加(あるいは減少)した店舗のデータに正解情報「1」、電子決済サービスの取引高が増加(あるいは減少)していない店舗のデータに正解情報「0」を紐づけた学習データを用いてモデルM3の学習を行うようにしてもよい。
なお、上述の例において、電子決済サービスの取引高を学習データとしてモデルM1~M3の学習を行う場合について説明したが、別途、電子決済サービス以外の取引高(月商)を学習データとしてモデルM1~M3の学習を行うようにしてもよい。
推定部133は、学習部132によって学習されたモデルMを用いて、実店舗の将来の動向を推定する。たとえば、学習部132は、対象となるチェーンストアのチェーン情報をモデルM1に入力することで、当該チェーンストアの将来情報を推定する。なお、ここでの将来情報には、たとえば、チェーンストアの撤退スコア(撤退確率)であるが、チェーンストアにおけるチェーン店の増減数、チェーンストア全体の電子決済サービスの取引高の増減額などに関する情報であってもよい。
また、推定部133は、対象となるエリアにおけるチェーンストアのチェーン情報を対象となるモデルM2にそれぞれ入力することで、エリア毎のチェーンストアにおける電子決済サービスの利用態様に関する将来情報を推定する。
たとえば、ここでの将来情報は、対応するエリアにおけるチェーンストアの撤退スコアであるが、各エリアにおけるチェーンストアにおけるチェーン店の増減数、チェーンストア全体の電子決済サービスの取引高の増減額などに関する情報であってもよい。
また、推定部133は、対象となるチェーンストアの営業時間に関する営業時間情報を含むチェーン情報をモデルM3に入力することで、チェーンストアにおける電子決済サービスの利用態様に関する将来情報を推定する。たとえば、モデルM3は、営業時間情報からチェーンストアにおける撤退スコアを出力するモデルであるが、チェーンストアにおける将来の電子決済サービスの取引額に関するスコアを出力するモデル、あるいは、チェーンストアの将来の店舗数を推定するモデルであってもよい。
たとえば、ここでの営業時間情報には、営業時間に関する各種情報が含まれ、対象となるチェーンストアにおける1か月あたりの総営業時間(各チェーン店の営業時間の総和)、従業員一人当たりの1か月当たりの労働時間数(総営業時間/従業員数)、従業員一人当たりの労働単価(月商/従業員数)等が含まれる。
なお、推定部133は、各チェーンストアについて所定周期で将来情報を推定するようにしてもよく、チェーンストアからファクタリングの申し込みを受けて、当該チェーンストアについて将来情報を推定するようにしてもよい。
決定部134は、推定部133による推定結果に基づき、ファクタリング条件を決定する。たとえば、決定部134は、推定部133による推定結果と予め設定されたファクタリングルールとに基づき、チェーンストアに対するファクタリング条件を決定する。たとえば、ファクタリング条件は、債権の買い取り金額、回収態様、手数料などが含まれる。
なお、決定部134は、たとえば、実際に債権の買取を行った際のファクタリング条件と、その回収状況とを学習データとして学習されたモデルに基づき、ファクタリング条件を決定するようにしてもよい。
たとえば、かかるモデルは、チェーンストアに関するスコア情報と、実際に債権の買取を行った際のファクタリング条件とにおいて、債権の回収ができた場合、あるいは、回収ができなかった場合を正解情報とする学習データを用いて生成することができる。
ここで、図9および図10を用いて、ファクタリングの申し込み手順の一例について説明する。図9および図10は、ファクタリングの申し込み画面の一例を示す図である。図9に示す例では、申し込み可能な条件(すなわち、ファクタリング条件)が表示される画面上に、今回必要な金額および毎月の打ち上げからの返済率を事業者が入力する入力欄が併せて表示される。
たとえば、事業者は、ファクタリング条件によって提示された資金化上限額を上限として、債権の買い取りを申請することができ、当該債権に対する返済率をあわせて設定することができる。
事業者が、図9に示す金額、返済率を入力し、次へのボタンを選択すると、図10に示す画面に遷移する。図10に示す画面では、申込内容の確認に関する情報、利用規約へ遷移するボタンが表示され、事業者は、申込内容を確認し、利用規約を承諾したうえで、申し込みボタンを選択することで、申込内容に基づくファクタリングが成立する。
たとえば、決定部134は、ファクタリングが成立すると、申込内容をファクタリングデータベース125(図3参照)へ格納し、返済率に関する情報を決済サーバ100へ通知する。これにより、決済サーバ100は、かかる返済率に基づき、事業者の毎月の売り上げから返済率に応じた金額を差し引くことで、債権に対する資金回収を行うことができる。
〔3.実施形態に係る情報処理の処理手順について〕
次に、図11を用いて、実施形態に係る情報処理装置10が実行する処理手順の一例について説明する。図11は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、まず、情報処理装置10は、店舗に関する情報を取得し(ステップS101)、当該店舗に関する情報に基づいて、学習モデル(モデルM1~M3)の学習を行う(ステップS102)。
つづいて、情報処理装置10は、たとえば、事業者端末300からのアクセスによってファクタリングを受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。情報処理装置10は事業者端末300からファクタリングを受け付けた場合(ステップS103;Yes)、ステップS104の処理へ進み、ファクタリングを受け付けていない場合(ステップS103;No)、ステップS101の処理へ戻る。
つづいて、情報処理装置10は、学習モデル(モデルM1~M3)を用いて、事業者のスコアを算出し(ステップS104)、当該スコアに基づいてファクタリング条件を決定する(ステップS105)。そして、情報処理装置10は、処理を終了する。
〔4.変形例〕
ところで、上述した実施形態では、実店舗を対象として場合について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、オフライン販売とオンライン販売を組み合わせてサービスを提供する店舗を対象とすることにしてもよい。たとえば、この場合、オンライン販売分については、たとえば、各種ECサイトの販売履歴を学習データとしてモデルMの学習を行う。また、たとえば、このような場合には、オフライン販売分とオンライン販売分とをあわせてモデルMの学習を行うようにしてもよく、オフライン販売分のモデルMとオンライン販売分のモデルMとをそれぞれ学習するようにしてもよい。
〔5.効果〕
実施形態に係る情報処理装置10は、実店舗それぞれに関する店舗情報を取得する取得部131と、取得部131によって取得された店舗情報を入力した際に、所定のエリアにおける決済サービスの利用態様に関する将来情報を出力する学習モデルをエリア毎に学習する学習部132とを備える。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、実店舗における将来の動向を適切に予測することができる。
また、実施形態に係る学習部132は、実店舗における前記決済サービスの取引高に関する情報を学習データとして学習モデルを学習する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、決済サービスの取引高に基づく将来情報を適切に推定することができる。
また、実施形態に係る学習部132は、実店舗の店舗カテゴリに基づき、将来情報を出力する学習モデルを学習する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、モデルによって店舗カテゴリを考慮した将来情報を出力することができるので、将来情報を適切に推定することができる。
また、実施形態に係る学習部132は、店舗カテゴリが類似する実店舗の店舗情報を学習データとして学習モデルを学習する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、モデルによって他の店舗の動向を考慮した将来情報を出力することができるので、将来情報を適切に推定することができる。
また、実施形態に係る学習部132は、エリアの人口に関する人口情報を学習データとして学習モデルを学習する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、人口に基づいて将来情報を適切に推定することができる。
また、実施形態に係る学習部132は、人口情報として、決済サービスの利用者数に関する情報を利用する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、電子決済サービスに関する将来情報を適切に推定することができる。
また、実施形態に係る学習部132は、実店舗それぞれの家賃に関する家賃情報を学習データとして学習モデルを学習する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、家賃と将来情報との関係性に基づいて、適切な将来情報を推定することができる。
また、実施形態に係る情報処理装置10は、学習部132によって学習された学習モデルを用いて予測された将来情報に基づいて、前記実店舗の債権の買い取りに関する買い取り条件を決定する決定部134を備える。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、債権の買取条件を適切に決定することができる。
また、実施形態に係る学習部132は、実店舗の債権が回収不能になる確率を将来情報として出力する学習モデルを学習し、決定部134は、回収不能になる確率が低いほど、実店舗に有利な買い取り条件を決定する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、債権の買取条件を適切に決定することができる。
また、実施形態に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、実店舗それぞれに関する店舗情報を取得する取得工程と、取得工程によって取得された店舗情報を入力した際に、所定のエリアにおける決済サービスの利用態様に関する将来情報を出力する学習モデルをエリア毎に学習する学習工程とを含む。したがって、実施形態に係る情報処理方法によれば、実店舗における将来の動向を適切に予測することができる。
また、実施形態に係る情報処理プログラムは、実店舗それぞれに関する店舗情報を取得する取得手順と、取得手順によって取得された店舗情報を入力した際に、所定のエリアにおける決済サービスの利用態様に関する将来情報を出力する学習モデルをエリア毎に学習する学習手順とをコンピュータに実行させる。したがって、実施形態に係る情報処理プログラムによれば、実店舗における将来の動向を適切に予測することができる。
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置10は、例えば図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図12は、実施形態に係る情報処理装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置(図12では、出力装置および入力装置を総称して「入出力装置」と記載する)を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。