JP7279857B2 - 認証方法、認証プログラム及び認証装置 - Google Patents

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Description

本発明は、認証方法、認証プログラム及び認証装置に関する。
生体認証技術において、生体の撮影に用いられるレンズの歪みによる影響を小さくする側面から、次のような技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、画像の輝度分布の値に対して、画像の中心に近づくほど値の大きくなる重み係数を乗算し、輝度分布の最大値の位置を含む生体画像を画像中心に最も近い生体の認証用画像として抽出する。
特開2017-91186号公報
しかしながら、上記の技術では、画像の中心から離れた画像の隅周辺に生体が位置する場合、依然として、レンズの歪みが大きい生体画像が認証に用いられるので、認証精度が低下するという側面がある。
また、レンズ歪みによる影響を低減する“レンズ歪補正”が用いられる場合がある。しかし、レンズ歪補正を適用した場合でも補正誤差は残る。この補正誤差は撮影画像での位置に応じて大きさが決まるが、従来の認証処理では補正誤差を考慮に入れていないため、認証精度が低下する課題があった。
1つの側面では、本発明は、認証精度の精度を向上できる認証方法、認証プログラム及び認証装置を提供することを目的とする。
一態様の認証方法では、生体の撮影画像を取得すると、前記撮影画像から前記生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出し、抽出した前記生体画像と、前記生体画像の前記撮影画像での位置とに基づき、前記生体の認証を行う、処理をコンピュータが実行する。
認証精度の精度を向上できる。
図1は、実施例1に係る認証装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。 図2Aは、半径方向歪における歪無しの一例を示す図である。 図2Bは、半径方向歪における歪有りの一例を示す図である。 図3Aは、円径方向歪における歪無しの一例を示す図である。 図3Bは、円径方向歪における歪有りの一例を示す図である。 図4は、レンズ歪補正誤差の一例を示す図である。 図5は、生体認証における正規化処理の概要を示す図である。 図6は、認証処理の概要を示す図である。 図7は、レンズ歪補正誤差パラメータの算出の概要を示す図である。 図8は、テンプレートの一例を示す図である。 図9は、実施例1に係る生体認証処理の手順を示すフローチャートである。 図10は、図9の抽出処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 図11は、認証処理の概要を示す図である。 図12は、実施例2に係る認証システムの機能的構成の一例を示すブロックである。 図13は、テンプレートの一例を示す図である。 図14は、レンズ歪補正誤差パラメータ表の一例を示す図である。 図15は、実施例1及び実施例2に係る認証プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
以下に添付図面を参照して本願に係る認証方法、認証プログラム及び認証装置について説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[システム構成]
図1は、実施例1に係る認証装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図1に示す認証装置1は、生体を撮像した撮影画像を用いて生体認証を行うものである。以下においては、生体認証の一例として手のひらの静脈を用いた静脈認証について説明するが、これに限定されることなく、例えば身体的特徴を用いた生体情報の認証であっても適用することができる。ここで、身体的特徴とは、手の拳形、血管、指の指紋及び目の虹彩や網膜等である。
図1に示すように、認証装置1は、センサ部10と、コントロール部20と、を備える。なお、センサ部10及びコントロール部20は、ネットワークを介して接続されてもよい。このネットワークは、有線又は無線を問わず、インターネットやLAN(Local Area Network)等の任意の種類の通信網であってかまわない。
[センサ部の構成]
まず、センサ部10の構成について説明する。センサ部10は、生体に光を照射し、生体で反射した光を撮像することによって生体の撮影画像を生成する。センサ部10は、照明部11と、レンズ12と、撮像素子13と、記憶部14と、通信I/F部15と、センサ管理部16と、を備える。
照明部11は、センサ管理部16の制御のもと、生体に向けて光を照射する。照明部11は、LED(Light Emitting Diode)ランプやキセノンランプ等を用いて実現される。
レンズ12は、生体で反射した光を集光することによって撮像素子13の受光面に生体の被写体像を結像する。レンズ12は、1又は複数の単体レンズを用いて実現される。レンズ12は、単体レンズの構成や組み合わせによって、撮影画像にレンズ由来の歪み(歪曲収差)を生じさせる(以下、「レンズ歪」と呼ぶ)。レンズ歪は、複雑な非線形の特性を有する。レンズ歪は、レンズ12の設計、例えば単体レンズの構成枚数及び素材等によって歪みの大きさや影響範囲等が決まる。レンズ歪は、レンズ12を組み上げる際の誤差(製造誤差や組立誤差)も影響するうえ、個体毎に異なる。なお、レンズ12に、シャッタ及び絞り等を設けてもよいし、レンズ12を光軸に沿って移動させることによって画角及び焦点を変更可能なズーム機構及びフォーカス機構の少なくとも一方を設けてもよい。
撮像素子13は、センサ管理部16の制御のもと、レンズ12が受光面に結像した被写体像を受光して光電変換を行うことによって生体を撮像した撮影画像(画像データ)を生成する。撮像素子13は、CCDやCMOS等のイメージセンサと、A/D変換回路やAFE回路を含む画像処理チップと、を用いて実現される。
記憶部14は、センサ管理部16で実行されるOS(Operating System)を始め、センサ管理部16で実行される撮像プログラムや認証プログラムに用いられるデータを記憶する。記憶部14は、各種の半導体メモリ素子を用いて実現され、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリを採用できる。また、記憶部14には、レンズ12のレンズ歪を補正するためのテンプレート141が記憶(保存)されている。テンプレート141には、レンズ12のレンズ歪を補正するためのレンズ歪補正情報141aが含まれる。さらに、テンプレート141には、レンズ歪補正情報141a(レンズ歪補正パラメータ)を用いたレンズ歪補正実行後に残る誤差(以下、「レンズ歪補正誤差」と呼ぶ)を補正するためのレンズ歪補正誤差情報141bが含まれる。レンズ歪補正情報141a及びレンズ歪補正誤差情報141bの詳細については、後述する。
通信I/F部15は、コントロール部20との間で通信制御を行うインタフェースの一例に対応する。一実施形態として、通信I/F部15は、LANカードなどのネットワークインタフェースカード等が採用できる。例えば、通信I/F部15は、コントロール部20から撮影指示信号を受け付けたり、撮像素子13が生成した撮影画像、レンズ歪補正情報141a及びレンズ歪補正誤差情報141bを出力したりする。
センサ管理部16は、センサ部10の各部を制御する。一実施形態として、センサ管理部16は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のハードウェアプロセッサにより実装することができる。ここでは、プロセッサの一例として、CPUやMPUを例示したが、汎用型及び特化型を問わず、任意のプロセッサ、例えばGPU(Graphics Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)の他、DLU(Deep Learning Unit)やGPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)により実装することができる。この他、センサ管理部16は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードワイヤードロジックによって実現されることとしてもかまわない。
[コントロール部の構成]
次に、コントロール部20について説明する。コントロール部20は、センサ部10から取得した撮影画像から生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出し、この抽出した生体画像と、生体画像の撮影画像での位置と、に基づいて、生体の認証を行う。コントロール部20は、通信I/F部21と、記憶部22と、データベース部23と、全体管理部24と、抽出部25と、正規化処理部26と、特徴抽出部27と、算出部28と、認証部29(照合部)と、を備える。
通信I/F部21は、センサ部10との間で通信制御を行うインタフェースの一例に対応する。一実施形態として、通信I/F部21は、LANカードなどのネットワークインタフェースカード等が採用できる。例えば、通信I/F部21は、全体管理部24の制御のもと、センサ部10から撮像素子13が生成した撮影画像、レンズ歪補正情報141a及びレンズ歪補正誤差情報141bを受け付ける。また、通信I/F部21は、全体管理部24の制御のもと、センサ部10へ撮影を指示する撮影指示信号を出力する。
全体管理部24は、認証装置1の全体制御を行う。一実施形態として、全体管理部24は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のハードウェアプロセッサにより実装することができる。ここでは、プロセッサの一例として、CPUやMPUを例示したが、汎用型及び特化型を問わず、任意のプロセッサ、例えばGPU(Graphics Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)の他、DLU(Deep Learning Unit)やGPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)により実装することができる。この他、センサ管理部16は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによって実現されることとしてもかまわない。
データベース部23は、認証部29が生体画像と、予め登録されたユーザの生体画像を登録した登録テンプレート及びセンサ部10を識別するID情報等を記憶する。一実施形態として、データベース部23は、認証装置1における補助記憶装置として実装することができる。例えば、データベース部23には、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等を採用できる。
記憶部22は、認証装置1で実行されるOS(Operating System)を始め、認証プログラム、例えばアプリケーションプログラムやミドルウェアなどの各種プログラムに用いられるデータを記憶する。一実施形態として、記憶部22は、認証装置1における主記憶装置して実装することができる。例えば、記憶部22は、各種の半導体メモリ素子を用いて実現され、例えばRAMやフラッシュメモリを採用できる。
抽出部25は、センサ部10が撮影した撮影画像から生体画像を抽出し、抽出した生体画像に対して、後述するレンズ歪を補正するレンズ歪補正処理を行う。
正規化処理部26は、生体画像に対して正規化処理を行う。具体的には、正規化処理部26は、生体画像に対して姿勢変動を補正する正規化処理を行う。正規化処理では、生体画像に含まれる入力生体の回転及び位置ズレ等による変動を補正する。
特徴抽出部27は、正規化処理が行われた生体画像に対して特徴量を抽出する特徴抽出処理を実行する。なお、特徴量抽出処理の詳細は、後述する。
算出部28は、レンズ12の光学中心座標と、正規化処理部26が生体画像に対して正規化処理を行った際の正規化パラメータと、に基づいて、生体画像の所定の座標に対応するレンズ歪補正後の補正後画像の座標を算出する。さらに、算出部28は、補正後画像の座標と、レンズ12の光学中心座標と、に基づいて、補正後画像の座標におけるレンズ歪補正誤差を算出する。算出部28は、レンズ歪補正誤差を記憶部22に認証部29が認証を行う際に用いるテンプレートとして記憶(保存)する。なお、算出部28が算出するレンズ歪補正誤差の詳細は、後述する。
認証部29は、記憶部22に記憶された特徴データと登録データとを照合する認証処理(照合処理)を行う。なお、認証部29が行う認証処理の詳細は、後述する。
このように構成された認証装置1は、センサ部10が生体の撮影画像を撮像する。そして、認証装置1は、コントロール部20がセンサ部10から取得した撮影画像から生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出し、この生体画像と、この生体画像の撮影画像での位置と、に基づき、生体の認証を行う。
[レンズ歪補正処理及び生体認証処理について]
次に、レンズ歪補正処理及び生体認証処理について説明する。まず、レンズ歪補正処理の概要について説明後、生体認証処理の概要について説明する。なお、以下においては、従来の生体認証処理に用いるセンサ、レンズ及び撮像素子を単に「センサ」、「レンズ」及び「撮像素子」として表記して説明する。
[レンズ歪について]
まず、レンズ歪補正処理におけるレンズ歪の詳細について説明する。従来の生体認証処理は、一般にレンズを通して撮影した撮影画像を用いる。この撮影画像には、レンズによってレンズ歪が生じる。一般にレンズは、複数の単体レンズを組み合わせて1つのレンズ(例えばレンズユニット)を構成することが多い。その結果、レンズ歪は、複雑な非線形の特性を持つ。レンズ歪は、レンズの設計、例えば構成枚数や素材等によって大きさ及び影響範囲等が決まる。さらに、レンズ歪は、レンズを組み上げる際の誤差もレンズ歪に影響するため、レンズ個体毎に異なる。
[レンズ歪補正処理について]
次に、レンズ歪補正処理の詳細について説明する。従来では、レンズ歪が大きい場合、レンズ歪を多項式によって近似して補正する「レンズ歪補正」が適用される。例えば、非常に高精度が求められる生体認証処理では、レンズ歪による照合特徴の変形を無視することができない。このため、従来の生体認証処理では、レンズ歪補正を適用することによって、高精度な認証処理を実現している。レンズ歪補正処理は、以下のように行われる。
まず、レンズ歪補正処理では、レンズ及び撮像素子を用いて既知の校正用パターンを撮影する。そして、レンズ歪補正処理では、撮影した撮影画像と、校正用パターンと、に基づいて、レンズ歪で変形したパターンを元に戻すための補正パラメータ(以下、「レンズ歪補正パラメータ」と呼ぶ)を算出する。
続いて、レンズ歪補正処理では、上記のレンズ歪補正パラメータを用いて、レンズによって歪んだ撮影画像を補正する。このため、レンズ歪補正パラメータを算出するタイミングは、生体認証処理に用いるセンサを工場から出荷する際のセンサキャリブレーション処理のタイミングで行う。このセンサキャリブレーション処理によって算出されたレンズ歪補正パラメータは、センサのメモリ(フラッシュメモリ等)にレンズ歪補正情報141aとして記憶(保存)しておき、レンズ歪補正処理を行う際に用いられる。そして、生体認証処理の際には、抽出部25が撮影画像から生体に応じた領域を抽出した生体画像にレンズ歪を補正した後に、後述する特徴抽出処理等を行うことで、高精度な生体認証処理を実現する。
[レンズ歪補正処理の詳細]
次に、レンズ歪補正処理の詳細を説明する。まず、レンズ歪補正処理では、一般にレンズ歪を多項式によって近似する。レンズ歪は、大別すると(1)半径方向歪、及び(2)円周方向歪の2種類に分けることができる(図2A、図2B、図3A及び図3Bを参照)。図2Aは、半径方向歪における歪無しの状態を模式的に示す図である。図2Bは、半径方向歪における歪有りの状態を模式的に示す図である。図3Aは、円周方向歪における歪無しの状態を模式的に示す図である。図3Bは、円周方向歪における歪有りの状態を模式的に示す図である。
(1)半径方向歪は、図2Aの画像P1及び図2Bの画像P2に示すように、歪みの量がレンズの光学中心O1からの距離rにのみ依存するタイプである。一方、(2)円周方向歪は、図3Aの画像P3及び図3Bの画像P4に示すように、歪みの量がレンズの光学中心O1からの距離rだけでなく、方向によっても歪の大きさが変化するものである。
さらに、レンズ歪には、(1)半径方向歪及び(2)円周方向歪を組み合わせた複合タイプの歪も存在する。しかしながら、レンズ歪は、多くが(1)半径方向歪で補正できる。図2Aの画像P1、図2Bの画像P2、図3Aの画像P3及び図3Bの画像P4に示すように、レンズ歪は、タイプによって近似に使用する多項式が異なる。
ここで、レンズ歪の多項式近似式について説明する。まず、座標(x,y)は、歪がない場合(図2Aを参照)の画像P1上の座標を表す。座標(x,y)は、光学中心座標を中心とした座標系で定義される。ここで、光学中心O1は、レンズの光軸が通る撮像素子上の位置である。光学中心座標は、レンズ設計上、画像P1の中心O1となるのが一般であるが、製造誤差の影響により、必ずしも画像P1の中心O1とは限らない。
一方、座標(xd,yd)は、レンズ歪の影響で座標(x,y)が移動する先の点(座標)を表す。つまり、レンズ歪によって座標(x,y)から座標(xd,yd)という変形が与えられるものとしている。下式(1)~式(6)は、その対応関係を座標(x,y)の多項式で近似したものである。なお、式(1)~(3)は、半径方向歪の多項式を示し、式(4)~式(6)は、円周方向歪の多項式を示す。
Figure 0007279857000001
Figure 0007279857000002
ここで、k1,k2、あるいは、p1,p2は、レンズ歪を表す定数である(以下、「歪補正パラメータ」と呼ぶ)。レンズ歪補正を適用するには、レンズ固有の補正パラメータ(k1,k2,p1,p2)を事前に求める必要がある。
[レンズ歪キャリブレーション処理の詳細]
次に、レンズ歪キャリブレーション処理の詳細について説明する。レンズ歪補正処理を行うためには、レンズ固有のレンズ歪補正パラメータ(k1,k2,p1,p)を工場出荷時に算出する必要がある(レンズ歪キャリブレーション処理)。
レンズ歪キャリブレーション処理は、事前に決めたパターンを撮影した撮影画像等を用いて、歪みがない座標(x,y)と、変形が与えられた座標(xd,yd)と、の対応関係を求める。この対応関係は、歪補正パラメータを最小2乗近似等で求め、センサ(センサ部10)のフラッシュメモリ等のメモリ(記憶部14)に記憶(保存)する。生体認証処理時には、この歪補正パラメータを用いて撮影画像を補正し、特徴抽出処理等に利用する。
[レンズ歪補正誤差について]
ここで、レンズ歪の補正は、あくまでもレンズ歪を多項式で近似したものである。実際には、レンズは、上記したように複数の単体レンズを組み合わせたものであるため、レンズ歪が複雑な非線形形状となる。このため、上記式(1)~式(6)によってレンズ歪が全て除去される訳ではなく、誤差が残る(以下、「レンズ歪補正誤差」と呼ぶ)。認証装置1は、レンズ12を高精度な生体認証処理に適用するため、レンズ歪補正誤差の影響を無視することができない。即ち、実施例1では、レンズ歪補正誤差の影響を低減する。
ここで、レンズ歪の大きさ、及びレンズ歪補正誤差の大きさは、独立である点に注意する。例えば、レンズ歪の補正では、レンズ歪自体が非常に大きい場合であっても、レンズ歪補処理による近似がうまく当てはまる場合、レンズ歪補正誤差が小さくなる。
これに対して、レンズ歪の補正では、レンズ歪自体が小さくとも、レンズ歪補正式による近似がうまく当てはまらない場合、レンズ歪補正誤差が大きくなる。
さらに、レンズ歪補正処理を適用した場合によっては、誤差が大きくなる領域も存在し得る。この理由は、以下である。
図4は、レンズ歪補正誤差の一例を示す図である。まず、レンズ歪補正処理では、レンズ歪補正パラメータを算出する場合、撮影画像P10の画面全体で誤差が最小となるようにパラメータを最小二乗法等で求める。このため、レンズ歪補正処理では、特定の領域に着目した場合、補正誤差が大きくなる場合もあり得る。例えば、図4に示すように、撮影画像P10の中央部は、一般にレンズ歪自体は小さいが、レンズ歪補正誤差が大きくなることがある。これは、近似計算に用いる撮影画像P10のピクセル数の影響によるものである。撮影画像P10の中心O1(厳密には光学中心)から一定の距離rに位置するピクセルの数は、距離rが大きい撮影画像P10の周辺部の方が多くなる。即ち、レンズ歪補正処理では、最小2乗計算時に撮影画像P10のピクセル数が多い周辺部が補正誤差の影響を強く受ける。その結果、レンズ歪補正処理では、撮影画像P10の中心部の歪補正誤差が大きくなることがある。
[生体認証処理について]
次に、生体認証処理について説明する。以下においては、手のひらの静脈認証処理を例について説明する。なお、実施例1では、手のひらの静脈について説明するが、これに限定されるものでない。
生体認証処理では、撮影画像(例えば、手のひらの静脈を撮像した静脈画像)を取得し、この取得した撮影画像から特徴データ(特徴量)を抽出する(特徴抽出処理)。そして、生体認証処理では、撮影画像から抽出した特徴データを照合に用いる。この場合、生体認証処理では、事前にユーザ毎の特徴データを登録データとして記憶しおいて生体認証処理に利用する。具体的には、生体認証処理では、認証する場合、撮影画像から特徴データ(認証データ)を抽出し、抽出した特徴データと登録データとを比較して認証スコア(照合スコア)を算出する。この認証スコアは、登録データと特徴データ(認証データ)とがどの程度似ているかを表す値である。生体認証処理では、認証スコアが所定の閾値を超えた場合、データベースに登録された本人であると判定する。ここで、閾値としては、セキュリティレベルに応じて値を適宜変更することができる。
なお、生体認証処理では、撮影画像から特徴データを抽出する前(特徴抽出処理の前)に、正規化処理を行う。ここで、正規化処理とは、撮影画像に写る手のひら等の生体の特徴の姿勢変動を補正し、所定の形状に補正する処理である。例えば、正規化処理は、撮影画像に写る手のひら等の生体の回転及び位置の少なくとも一方を補正し、所定の形状に補正する。この生体認証処理によれば、手のひら等の生体の姿勢変動に対して、ロバストな認証を実現することができる。なお、正規化処理の詳細については後述する。
また、生体認証処理では、生体認証に用いられる特徴には様々なものがあるが、以下においては、一例として局所特徴量を説明する。
局所特徴量は、静脈の分岐点等の領域の局所的な特徴を表すものであり、LPQ(Local Phase Quantization)、LBP(Local Binary Pattern)等の様々な方式が知られている。実施例1に係る生体認証処理では、局所特徴量の座標(x,y)と、特徴量(一般にはベクトル)Vと、をペア(対)として特徴量を構成する。
局所特徴量を用いるメリットは、変形に強いことが挙げられる。例えば、生体認証処理において手のひら全体から特徴量を抽出した場合には、生体認証処理時の手のひらの変形によって特徴量が強く変化する。これに対して、生体認証処理において局所的な特徴量を用いた場合には、変形の影響が座標(x,y)に限定され、特徴量V自体への影響が小さい。このため、生体認証処理に局所特徴量を用いた場合には、姿勢変動に対してロバストな認証を行う事ができる。
通常では、生体認証処理を行う場合、位置合わせ処理を行うことが一般的である。位置合わせ処理は、登録データと認証データとの位置(平行移動、回転及び拡大縮小等)を探索処理等によって合わせるものである。生体認証処理では、正規化処理によって大よその位置を合わせることができるが、完全に合わせることは難しい。このため、生体認証処理では、登録データと特徴データとの照合時に、位置合わせ処理による位置合わせを行うことによって認証を行う。これにより、生体認証処理では、高精度な認証処理を行うことができる。
[正規化処理について]
次に、上記した正規化処理の詳細について説明する。図5は、生体認証における正規化処理の概要を示す図である。なお、図5では、説明のために極端に描写している。
図5に示すように、一般的に生体認証処理では、特徴量抽出処理の前に、撮影画像P10から生体に応じた領域を抽出した生体画像P20,P21に対して姿勢変動を補正する正規化処理を行う。正規化処理では、生体画像P20,P21に含まれる入力生体の回転及び位置ズレ等による変動を補正する。生体認証処理では、特徴抽出処理の前に、生体画像P20,P21に対して正規化処理を行うことで、入力生体の姿勢変動に対して、ロバストな認証を実現することができる。
一方、生体認証処理では、正規化処理を行うことによって、特徴抽出処理に用いる生体画像P20,P21が撮影画像P10内のどの位置で撮影されたかの情報が失われてしまう(図5を参照)。つまり、生体認証処理では、特徴抽出処理に用いる生体画像P20,P21の位置が撮影画像P10の端の方で撮影されたものなのか、中央近辺で撮影されたものなのかが正規化処理によって失われる。
さらに、生体認証処理では、同じ手のひらであっても、撮影画像P10内においてレンズ歪補正誤差の大きい領域R1、小さい領域R2が存在するが、正規化処理の結果、撮影画像P10における生体画像P20,P21の位置に関する位置情報も失われてしまう。この結果、従来の生体認証処理では、正規化処理を行った場合、レンズ歪補正誤差情報を活用することができない。
[生体認証センサについて]
ここで、生体認証処理の一例として、手のひら静脈センサのレンズ歪について説明する。手のひら静脈認証では、近接撮影(手のひらをセンサ近くにかざして認証する)を実現する結果として、レンズ歪が大きくなる傾向がある。このため、高精度な生体認証の実現には、レンズ歪補正処理が必要である。また、生体認証で用いるセンサは、種別が異なる場合、レンズ歪特性も異なるのが通常である。さらに、生体認証で用いるセンサは、同一種別であっても、レンズメーカーが異なる場合、レンズ歪特性が異なる。
[課題の一側面]
上記の背景技術の欄でも説明した通り、既存の生体認証処理では、レンズ歪補正処理を適用することでレンズ歪みの多くを除去できるが、レンズ歪補正誤差が残る場合がある。レンズ歪補正誤差は、どの程度残るかがレンズの特性に依存する。具体的には、レンズ歪補正誤差は、生体認証で用いるレンズが持つ歪の特性、及び歪補正式の近似度合によって決まる。
既存の生体認証処理では、レンズ歪補正画像に歪補正誤差が乗っている場合、該当する領域から抽出した認証特徴も歪むことになる。その結果、既存の生体認証処理では、認証精度が低下する課題がある。特に、非常に高い精度を求められる生体認証装置では、歪補正誤差の影響を無視することができない。
このように、高精度な生体認証処理を実現するためには、レンズ歪補正誤差を適切に対処する必要がある。特に、生体認証処理の場合には、生体画像(入力画像)に対して正規化処理を適用し、正規化処理した生体画像に対して特徴抽出処理を適用する。このため、生体画像(特徴抽出画像)には、元の撮影画像(入力画像)のどの領域から取られたデータなのかという位置情報が重要となる。しかしながら、既存の生体認証処理では、生体画像に対して正規化処理を行うことによって、特徴抽出処理に用いる生体画像の位置に関する位置情報が失われてしまう。その結果、従来の生体認証処理では、レンズ歪補正誤差を適切に処理することができなかった。
[課題解決のアプローチの一側面]
実施例1では、レンズ歪補正誤差の大きさを認証処理に反映させることによって、生体認証処理の認証精度を改善する。具体的には、実施例1では、以下のように、領域毎のレンズ歪補正誤差の値を認証処理の「重み」として反映させることで、生体認証処理の認証制度を改善する。
図6は、認証処理の概要を示す図である。図6に示すように、レンズ歪補正誤差が小さい領域R10は、認証処理の重みを上げる。これに対して、レンズ歪補正誤差が大きい領域R11は、認証処理の重みを下げる。
[レンズ歪補正誤差情報]
次に、レンズ歪補正差情報について説明する。実施例1に係る認証装置1は、レンズ歪補正誤差を認証処理に反映させるため、記憶部14がテンプレート141を記憶(保持)する。
まず、従来の生体認証処理では、上記した通り、正規化処理を行った場合、特徴抽出処理に用いる生体画像が撮影画像内(歪補正画像内)での位置情報が失われてしまう。また、従来の生体認証処理では、レンズ歪補正誤差を認証処理に反映させるため、レンズ固有のレンズ歪補正誤差に関する情報(レンズ歪補正誤差情報141b)が必要である。このため、実施例1に係る認証装置1では、下記(a)及び(b)の情報(レンズ歪補正誤差情報141b)を用いて認証処理にレンズ歪補正誤差を反映させる。
(a)光学中心座標及び正規化パラメータ(テンプレート固有の情報)
(b)レンズ歪補正誤差パラメータ(レンズ固有の情報)
以下においては、(a)及び(b)の詳細について説明する。
[光学中心座標及び正規化パラメータ(テンプレート固有の情報)]
まず、(a)光学中心座標及び正規化パラメータについて説明する。
レンズ歪の大きさは、光学中心座標を中心とする座標系を使った近似式で表現することができる。従って、レンズ歪補正誤差は、光学中心座標を中心とする座標系によって算出することができる。このため、レンズ歪補正誤差を算出するには、光学中心座標及び正規化パラメータ(拡大縮小率)が必要となる。
まず、光学中心座標について説明する。
光学中心座標は、レンズ歪補正処理前の撮影画像における光学中心座標を記憶部14のテンプレート141のレンズ歪補正誤差情報141bとして記憶(保存)する。光学中心座標は、一般にレンズ歪補正パラメータを算出する際に計算される。
次に、正規化パラメータについて説明する。
正規化パラメータは、正規化処理として、拡大縮小α、回転角θ、平行移動(ex,ey)を適用した場合、座標変換式(7)が以下となる。
Figure 0007279857000003
ここで、正規化処理後の座標は、座標(xn,yn)であり、正規化処理前(レンズ歪補正処理後)の座標は、座標(x,y)である。
特徴抽出処理は、正規化処理の生体画像(特徴抽出画像)毎に実行する。この場合、座標(xn,yn)に対応するレンズ歪補正画像の座標(x,y)は、上記の式(7)を逆変更することによって算出することができる。
従って、認証装置1では、正規化パラメータ(α、θ、(ex,ey))を記憶部14のテンプレート141のレンズ歪補正誤差情報141bとして記憶(保存)することで、生体画像(正規化処理後の特徴抽出画像)に対して、レンズ歪補正画像の座標(x,y)を算出することができる。ここで、正規化パラメータは、テンプレート141毎に固有の値を持つものである。
[レンズ歪補正誤差パラメータ(レンズ固有の情報)]
次に、レンズ歪補正誤差パラメータについて説明する。図7は、レンズ歪補正誤差パラメータの算出の概要を示す。図7では、横軸が光学中心からの距離rを示し、縦軸がレンズ歪補正誤差Δを示す。また、曲線L1は、レンズ歪補正誤差パラメータの特性を示す。
実施例1に係る認証装置1では、レンズ歪補正誤差を表すパラメータを事前に算出し、この算出結果を認証処理に利用する。例えば、レンズ歪補正誤差は、光学中心からの距離rに依存する場合(例えば円周方向歪を持つレンズ)、レンズ歪補正誤差Δを式(8)のように光学中心からの距離rの関数として算出する(距離rの2次まで取った場合)。
Figure 0007279857000004
ここで、q0、q1及びq2は、レンズ歪補正誤差パラメータである。具体的には、レンズ歪補正誤差パラメータは、所定の校正用パラメータを撮影し、光学中心からの距離rと歪補正誤差との対応関係を最小二乗法によって算出する。
レンズ歪補正誤差パラメータは、管理対象毎に事前に算出してテンプレート141に記憶(保存)する。例えば、認証装置1は、レンズ歪補正誤差パラメータをレンズの種類毎にレンズ歪補正誤差を管理する場合(例えばA社のレンズ、B社のレンズ、・・・)、レンズの種類毎にレンズ歪補正誤差を算出して記憶部14のテンプレート141に記憶する。また、認証装置1は、レンズ歪補正誤差パラメータをセンサの個体毎に管理する場合、センサキャリブレーション処理時にセンサ個体毎のレンズ歪補正誤差を算出してセンサ部10の記憶部14のテンプレート141に記憶(保存)する。
このように認証装置1は、レンズ歪補正処理後であっても、残るレンズ歪補正誤差を認証処理に反映させることによって、高精度な生体認証を実現することができる。
また、認証装置1は、光学中心座標、正規化情報をテンプレート141として記憶部14に記憶することによって、正規化処理を適用する一般的な生体認証においても、レンズ歪補正誤差を認証処理に正しく反映させることができる。
[テンプレートの構成]
次に、記憶部22が記憶するテンプレートの構成について説明する。図8は、テンプレートの構成の一例を示す図である。図8に示すテンプレートT1には、特徴データT11と、レンズ歪補正情報T12と、レンズ歪補正誤差情報T13と、が含まれる。
特徴データT11は、生体認証処理で用いる認証用データ(照合用データ)である。実施例1では、特徴量として局所特徴量を用いる。局所特徴量は、手のひらの分岐点等の近傍領域から算出した特徴量である。生体認証処理では、局所特徴量を用いることによって、手のひらの変形に対してロバストな認証を実現することができる。特徴データとしては、特徴を抽出した座標(x,y)と、局所特徴量のベクトルVと、のペア(対)を複数記憶する。認証装置1は、認証処理にレンズ歪補正誤差情報を反映させるため、必要な情報をテンプレートT1として記憶部22に記憶(保存)する。
レンズ歪補正情報T12は、レンズ歪補正パラメータを含む。レンズ歪補正パラメータは、上記したレンズ及び撮像素子を用いて既知の校正用パターンを撮影し、撮影した撮影画像と、校正用パターンと、に基づいて、レンズ歪で変形したパターンを元に戻すためのパラメータである。
レンズ歪補正誤差情報T13は、光学中心座標、正規化パラメータ及びレンズ歪補正誤差パラメータを含む。これにより、認証装置1は、光学中心座標、正規化パラメータ及びレンズ歪補正誤差パラメータを用いて、正規化処理後の特徴抽出画像の座標(xn,yn)に対応するレンズ歪補正誤差を算出することができる。
[算出部が算出するレンズ歪補正誤差]
算出部28は、認証処理に用いる生体画像(特徴抽出画像)の各点に対応するレンズ歪補正誤差を算出する。具体的には、算出部28は、生体画像(特徴抽出画像)の座標(xn,yn)に対応するレンズ歪補正画像の座標(x,y)を算出する。ここで、生体画像(特徴抽出画像)の座標(xn,yn)は、正規化処理を適用した座標である。このため、算出部28は、テンプレートT1に含まれる正規化パラメータを用いて逆変換を適用することによって、正規化処理前のレンズ歪補正画像の座標(x,y)を算出する。
なお、変換処理は、上記した正規化処理部26が行う。算出部28は、正規化処理部26が逆変換処理を行ったレンズ歪補正画像の座標(x,y)と、レンズ歪補正誤差情報T13に記憶(保存)された光学中心座標と、を用いて、生体画像(特徴抽出画像)の座標(xn,yn)に対応する点におけるレンズ歪補正誤差Δを、レンズ歪補正誤差パラメータを用いて算出する(上記した式(8)を参照)。
[処理の流れ]
図9は、実施例1に係る認証装置1が実行する認証処理の手順を示すフローチャートである。この認証処理は、あくまで一例として、上記の認証装置1が生体の認証要求を受け付けた場合に開始される。
図9に示すように、センサ部10は、生体を撮像することによって撮影画像(特徴画像)を取得し(ステップS101)、コントロール部20は、撮影画像から生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出する抽出処理を実行する(ステップS102)。この場合、コントロール部20は、センサ部10から撮影画像と、センサ部10から、レンズ歪補正情報およびレンズ歪補正誤差情報を取得する。その後、認証装置1は、後述するステップS103へ移行する。
図10は、抽出処理の詳細な手順を示すフローチャートである。図10に示すように、まず、抽出部25は、撮影画像から生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出し(ステップS201)、生体画像(特徴抽出画像)に対して、レンズ歪補正処理を実行する(ステップS202)。
続いて、正規化処理部26は、生体画像(特徴抽出画像)に対して正規化処理を行う(ステップS203)。具体的には、正規化処理部26は、生体画像(特徴抽出画像)に含まれる入力生体の回転及び位置ズレ等による変動を補正する正規化処理を行う。
その後、特徴抽出部27は、正規化処理部26が正規化処理を行った生体画像(特徴抽出画像)に対して特徴抽出処理を行う(ステップS204)。具体的には、特徴抽出部27は、生体画像(特徴抽出画像)に対して、特徴データを抽出する。
続いて、算出部28は、特徴抽出部27が抽出した特徴データと、レンズ歪補正誤差パラメータと、を算出して記憶部22のテンプレートT1として記憶する(ステップS205)。具体的には、算出部28は、認証部29が認証処理に用いる生体画像(特徴抽出画像)の各点に対応するレンズ歪補正誤差を算出する。例えば、算出部28は、生体画像(特徴抽出画像)の座標(xn,yn)に対応するレンズ歪補正画像の座標(x,y)を算出する。ここで、生体画像(特徴抽出画像)の座標(xn,yn)は、正規化処理を適用した座標である。このため、算出部28は、テンプレート141に含まれる正規化パラメータを用いて逆変換を適用することによって、正規化処理前のレンズ歪補正画像の座標(x,y)を算出する。なお、変換処理は、上記した正規化処理部26が行う。算出部28は、正規化処理部26が逆変換処理を行ったレンズ歪補正画像の座標(x,y)と、テンプレート141のレンズ歪補正誤差データに記憶された光学中心座標と、を用いて、生体画像(特徴抽出画像)の座標(xn,yn)に対応する点におけるレンズ歪補正誤差Δを、レンズ歪補正誤差パラメータを用いて算出する(上記した式(8)を参照)。レンズ歪補正誤差Δは、上記した図7に示すように、光学中心からの距離rの関数によって求められることを仮定している(円周方向歪)。実施例1では、光学中心からの距離rの関数としてレンズ歪補正誤差を表現すると、少ないパラメータでレンズ歪補正誤差を表現することができる。この結果、実施例1によれば、データ量の削減及び処理の高速化を得ることができる。ステップS205の後、認証装置1は、図9のメインルーチンへ戻る。
図9に戻り、ステップS103以降の説明について説明する。
ステップS103において、認証部29は、記憶部22に記憶された特徴データと登録データとを照合する認証処理(照合処理)を行う。
[認証処理の詳細]
図11は、認証処理の概要を示す図である。認証部29は、局所特徴量を認証処理に用いる。局所特徴量を用いる生体認証処理では、最初に特徴点の対応を取る処理を行う。つまり、認証部29は、登録データ(登録側)の特徴点と、認証データ(照合側)の特徴点と、を比較し、同じ特徴点と推定される特徴点同士の対応付けを行う。この場合、認証部29は、特徴量自体の比較に加えて、特徴点の座標(x,y)をさらに用いて特徴点同士の対応付けを行う。
ここで、認証部29は、対応付けた特徴点のペアがN個(N=2以上)あり、i番目の特徴点のペアの局所特徴量スコアをSiとする。認証部29は、局所特徴量スコアSiを用いて本人であるか否かを判定する際に用いる最終スコアを算出する。具体的には、認証部29は、局所特徴量スコアSiの平均値等を最終スコアとして用いる。実施例1では、最終スコア計算(Score)に、レンズ歪補正誤差を反映させる重みW0、W1iを適用する。レンズ歪補正誤差を反映させる重みW0、W1iの各々は、i番目のペアの登録データと、認証データとの重み(Weight)であり、認証部29が各々のレンズ歪補正誤差に基づいて算出する。つまり、認証部29は、登録データのレンズ歪補正誤差と、認証データのレンズ歪補正誤差と、を用いて認証処理に利用する。重み(Weight)は、該当領域におけるレンズ歪補正誤差Δを用いて下記の式(9)によって計算される。
Figure 0007279857000005
ここで、α(正の定数)は、レンズ歪補正誤差Δから重みを算出するための係数である。重み(Weight)は、レンズ歪補正誤差Δが大きいほど、小さくなる。
認証部29は、上記した重み(Weight)項により、下記の最終スコア計算(Score)の式(10)において、レンズ歪補正誤差の大きさを認証処理に反映させることができるので、認証制度を向上させることができる。
Figure 0007279857000006
は、登録データ(特録側)の特徴点と、認証データ(照合側)の特徴点と、が同じ特徴点と推定される特徴点同士の対応付けが取られたi番目の組み合わせのスコアを示す。
0,W1は、登録データ(特録側)の特徴点と、認証データ(照合側)の特徴点と、が同じ特徴点と推定される特徴点同士の対応付けが取られたi番目の組み合わせの登録データの重み(Weight)を示す。
1iは、登録データ(特録側)の特徴点と、認証データ(照合側)の特徴点と、が同じ特徴点と推定される特徴点同士の対応付けが取られたi番目の組み合わせの認証データの重み(Weight)を示す。
Wは、重み(Weight)の総計を示す。
図9に戻り、ステップS104以降の説明を続ける。
ステップS104において、認証部29は、上記したステップS103の認証処理で照合した認証スコア(照合スコア)が閾値以上であるか否かを判断する。認証部29は、認証スコアが閾値以上である場合(ステップS104:Yes)、本人であると判定する(ステップS105)。ステップS105の後、認証装置1は、本処理を終了する。これに対して、認証部29は、認証スコアが閾値以上でない場合(ステップS104:No)、本人でないと判定する(ステップS106)。この場合、全体管理部24は、図示しないスピーカや表示モニタに本人であることを示す警告を出力させてもよい。ステップS106の後、認証装置1は、本処理を終了する。
以上説明した実施例1によれば、生体の撮影画像を取得すると、撮影画像から生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出し、抽出した生体画像と、生体画像の撮影画像での位置とに基づき、生体の認証を行う。この結果、撮影画像内における生体の位置に関わらず、高い認証精度を得ることができる。
また、実施例1によれば、生体を撮影したレンズ12のレンズ歪補正後に残るレンズ歪補正誤差に関するレンズ歪補正誤差情報をセンサ部10から取得し、認証を行う処理時に、撮影画像での位置情報にレンズ歪補正誤差情報を反映して、生体の認証を行う。この結果、レンズ歪補正後に残るレンズ歪補正誤差を補正することができる。
また、実施例1によれば、正規化処理部26が生体画像に対して正規化を行い、レンズ歪補正誤差情報がレンズ12の光学中心座標と、正規化処理部26が正規化を行った際の正規化パラメータと、を含む。この結果、正規化処理によって失われた生体画像の位置情報を復元することができる。
また、実施例1によれば、特徴抽出部27が正規化を行った生体画像に対して特徴データを抽出し、認証部29が特徴データと、予め登録された登録データと、を照合して認証スコアを算出して、生体の認証を行う。さらに、認証部29が認証スコアの算出時に、レンズ歪補正誤差情報を認証スコアの重みとして反映させるため、高い認証精度を得ることができる。
また、実施例1によれば、レンズ歪補正誤差がレンズ12の光学中心O1からの距離rに基づく多項式によって算出するため、高い認証精度を得ることができる。
また、実施例1によれば、算出部28がレンズ歪補正誤差を、センサ部10から取得するため、高い認証精度を得ることができる。
また、実施例1によれば、算出部28がレンズ12の光学中心座標と、正規化パラメータと、に基づいて、生体画像の所定の座標に対応するレンズ歪補正後の補正後画像の座標を算出する。そして、算出部28が補正後画像の座標と、レンズ12の光学中心座標と、に基づいて、生体画像(補正後画像)の座標におけるレンズ歪補正誤差を算出するため、高い認証精度を得ることができる。
次に、実施例2について説明する。上記した実施例1では、センサ部10の記憶部14にレンズ歪補正誤差パラメータが記憶されていたが、実施例2では、センサ部にレンズを識別するレンズIDを用いてレンズ歪補正誤差パラメータを含むレンズ歪補正誤差データを管理する。なお、上記した実施例1に係る認証装置1と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
[システム構成]
図12は、実施例2に係る認証システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。図12に示す認証システム1Aは、クライアント・サーバ方式によって構成し、レンズ種別を一意に識別するレンズIDを用いてレンズ歪補正誤差パラメータを含むレンズ歪補正誤差情報データを管理するシステムである。
図12に示すように、認証システム1Aは、センサ部10Aと、クライアント部20Aと、サーバ部30と、を備える。クライアント部20A及びサーバ部30は、ネットワークNWを介して接続されている。このネットワークNWは、有線又は無線を問わず、インターネットやLAN等の任意の種類の通信網であってかまわない。
[センサ部の構成]
まず、センサ部10Aについて説明する。センサ部10Aは、上記した記憶部14に換えて、記憶部14Aを備える。記憶部14Aは、レンズ12を識別するためのレンズID情報を記憶する。
[クライアント部の構成]
次に、クライアント部20Aの構成について説明する。クライアント部20Aは、上記した通信I/F部21と、抽出部25と、正規化処理部26と、特徴抽出部27と、を備える。さらに、クライアント部20Aは、記憶部22Aと、クライアント管理部24Aと、通信I/F部21Aと、さらに備える。
記憶部22Aは、クライアント部20Aで実行されるOSを始め、クライアント部20Aで実行される撮像プログラムや認証プログラムに用いられるデータを記憶する。記憶部22Aは、各種の半導体メモリ素子を用いて実現され、例えばRAMやフラッシュメモリを採用できる。また、記憶部22Aには、レンズ12のレンズ歪を補正するためのレンズ歪補正情報221が含まれる。
クライアント管理部24Aは、センサ部10A及びクライアント部20Aの全体制御を行う。一実施形態として、クライアント管理部24Aは、CPUやMPU等のハードウェアプロセッサにより実装することができる。ここでは、プロセッサの一例として、CPUやMPUを例示したが、汎用型及び特化型を問わず、任意のプロセッサ、例えばGPUやDSPの他、DLUやGPGPUにより実装することができる。この他、クライアント管理部24Aは、ASICやFPGA等のハードワイヤードロジックによって実現されることとしてもかまわない。
通信I/F部21Aは、他の装置、例えばサーバ部30等との間で通信制御を行うインタフェースの一例に対応する。一実施形態として、通信I/F部21Aには、LANカード等のネットワークインタフェースカードなどが対応する。例えば、通信I/F部21Aは、サーバ部30から要求データを受け付けたり、センサデータのアップロード指示をサーバ部30へ出力したりする。
[サーバ部の構成]
次に、サーバ部30の構成について説明する。サーバ部30は、ネットワークNWを介して複数のクライアント部20Aの各々から入力された撮影画像及びレンズIDに基づいて、生体認証を行う。サーバ部30は、通信I/F部31と、全体管理部32と、記憶部33と、データベース部34と、算出部35と、正規化処理部36と、認証部37と、を備える。
通信I/F部31は、通信I/F部31は、他の装置、例えばクライアント部20A等との間で通信制御を行うインタフェースの一例に対応する。一実施形態として、通信I/F部31には、LANカード等のネットワークインタフェースカードなどが対応する。例えば、通信I/F部31は、クライアント部20Aから送信された撮影画像、レンズID及びレンズ歪補正データを受け付けたり、センサデータのアップロード指示をクライアント部20Aへ出力したりする。
全体管理部32は、サーバ部30、センサ部10A及びクライアント部20Aの全体制御を行う。一実施形態として、全体管理部32は、CPUやMPU等のハードウェアプロセッサにより実装することができる。ここでは、プロセッサの一例として、CPUやMPUを例示したが、汎用型及び特化型を問わず、任意のプロセッサ、例えばGPUやDSPの他、DLUやGPGPUにより実装することができる。この他、クライアント管理部24Aは、ASICやFPGA等のハードワイヤードロジックによって実現されることとしてもかまわない。
記憶部33は、サーバ部30で実行されるOSを始め、サーバ部30及びクライアント部20Aで実行される撮像プログラムや認証プログラムに用いられるデータを記憶する。記憶部33は、各種の半導体メモリ素子を用いて実現され、例えばRAMやフラッシュメモリを採用できる。
データベース部34は、認証部37が生体画像と、予め登録されたユーザの生体画像を登録した登録テンプレート及びセンサ部10を識別するID情報等を記憶する。一実施形態として、データベース部34は、認証システム1Aにおける補助記憶装置として実装することができる。例えば、データベース部34には、HDDやSSD等を採用できる。
算出部35は、レンズ12の光学中心座標と、正規化処理部36が生体画像に対して正規化処理を行った際の正規化パラメータと、に基づいて、生体画像の所定の座標に対応するレンズ歪補正後の補正後画像の座標を算出する。さらに、算出部35は、補正後画像の座標と、レンズ12の光学中心座標と、に基づいて、補正後画像の座標におけるレンズ歪補正誤差を算出する。算出部35は、レンズ歪補正誤差をデータベース部34に認証部37が認証を行う際に用いるテンプレートとして記憶(保存)する。なお、算出部35が算出するレンズ歪補正誤差の算出方法は、上記した実施例1と同様のため、詳細な説明を省略する。
正規化処理部36は、生体画像に対して正規化処理を行う。具体的には、正規化処理部36は、生体画像に対して姿勢変動を補正する正規化処理を行う。正規化処理では、生体画像に含まれる入力生体の回転及び位置ズレ等による変動を補正する。なお、正規化処理部36による正規化処理は、上記した実施例1と同様のため、詳細な説明を省略する。
認証部37は、データベース部34に記憶された特徴データと登録データとを照合する認証処理を行う。なお、認証部37による認証処理は、上記した実施例1と同様のため、詳細な説明を省略する。
[レンズ歪補正誤差の管理方法]
次に、認証システム1Aが実行するレンズ歪補正誤差の管理方法について説明する。従来では、複数のレンズ12の各々のレンズ歪の個体差が小さく、かつ、レンズ12の個体毎にキャリブレーション処理が不要な場合がある。この場合において、サーバ部30は、センサ個体のキャリブレーション処理を行わず、レンズ種別毎に代表的なレンズ歪補正誤差パラメータ及びレンズ歪補正パラメータを用いてもよい。このとき、サーバ部30は、レンズ個体の差異を吸収することができないが、個体差が十分小さければ、キャリブレーション処理による工数を削減することができる。
サーバ部30は、レンズ歪補正誤差情報をレンズIDによって管理する。このため、センサ部10Aの記憶部14Aは、レンズを識別するためのレンズID143(識別情報)を記憶(保存)する。クライアント部20Aは、撮影画像に対して特徴抽出を行う場合、クライアント部20Aの記憶部22Aに記憶されたレンズ歪補正情報221(レンズ歪補正パラメータ)を用いて行う。さらに、サーバ部30は、認証部37による認証処理時に使用するレンズ歪補正誤データ(レンズ歪補正誤パラメータ)をデータベース部34のテンプレート341に記憶(保存)する。
[テンプレートの構成]
図13は、テンプレート341の構成を模式的に示す図である。図13に示すテンプレート341は、実施例1において上記した特徴データ341aと、レンズ歪補正誤差情報341bと、が記憶されている。さらに、レンズ歪補正誤差情報341bには、実施例1において上記した正規化パラメータと、レンズ歪補正誤差パラメータと、が含まれる。さらに、レンズ歪補正誤差データ341bには、レンズIDをさらが含まれる。特徴データ341a及び正規化パラメータは、上記した実施例1と同様のため、詳細な説明を省略する。
図14は、レンズ歪補正誤差パラメータ表の一例を示す図である。図14に示すように、レンズIDは、特定のレンズに紐づけられており、サーバ部30がレンズIDをインデックスとしてレンズ歪補正誤差を検索するために用いられる。テンプレート341は、複数のレンズIDに対応付けられたレンズ歪補正パラメータが記憶されている。サーバ部30は、ネットワークNWを介してクライアント部30AからレンズIDを取得し、取得したレンズIDに対応するレンズ歪補正誤差情報341bをデータベース部34から取得する。この場合、認証システム1Aは、レンズIDに応じたレンズ歪補正誤差パラメータ等を用いて上記した実施例1と同様の認証処理をサーバ部30が実行する。
[光学中心座標について]
なお、実施例2では、レンズ固体差が小さい場合を適用対象としている。この場合、光学中心座標は、センサ固体毎に固有の値を用いるのでなく、単純に撮影画像の中心(撮影画像中心)を用いてよい。この場合、レンズ固体差が無視できるほど小さい場合、製造の精度が非常に高いため、光学中心座標に代えて撮影画像の中心を用いても十分であるためである。
以上説明した実施例2によれば、サーバ部30がセンサ部10Aからレンズ12を識別するレンズIDを取得し、レンズIDに対応するレンズ歪補正誤差を取得するため、高い認証精度を得ることができる。
[実施例1,2の変形例]
本開示の内容は、上記した説明した通りであるが、これに限定される訳ではなく、下記の構成としてもよい。
本開示の変形例では、登録データの「レンズ歪補正誤差」を事前に展開してもよい(高速化効果)。上記した実施例1,2によれば、生体認証の精度改善の効果を得られる一方、レンズ歪補正誤差Δを算出する必要があるため、処理時間的に不利となる。ここで、認証データに対応するレンズ歪補正誤差Δは照合時でないと計算することができないが、登録データに関しては事前に計算することが可能である。このため、変形例では、大規模な1:N認証(IDなしで生体のみで識別する)に本開示を適用する場合、登録データのレンズ歪補正誤差Δを事前に計算して記憶部(メモリ)に展開しておく構成としてもよい。このような構成とすることによれば、特に大規模な1:N認証では認証処理の時間の削減効果が得られる。
また、本開示の変形例では、登録データの品質判定に「レンズ歪補正誤差」を反映してもよい。本開示に係るレンズ歪補正誤差Δの利用は、認証処理に限定されるものではない。例えば、本開示では、登録データの品質判定として利用することもできる。生体認証処理では、一般に複数の登録データを記憶(保存)して生体認証処理に利用する。この場合、登録したデータの品質をチェックすることが一般に行われる。この理由は、登録データの品質が悪いと、生体認証処理ができないことが多発するためである。登録データの品質チェック方法の1つとしては、レンズ歪補正誤差Δを利用する構成とすることができる。例えば、本開示の変形例によれば、登録データを作成した撮影画像領域におけるレンズ歪補正誤差Δの平均値のチェック処理を行い、このチェック処理による平均値が所定の閾値以下の場合に登録データの登録を許可する。このようなチェック処理を入れない場合には、レンズ歪補正誤差Δが大きい領域を使った登録データが認証装置1に登録され、生体認証処理が正常に動作しない可能性がでてくる。このため、本開示の変形例によれば、登録データの品質をチェックするチェック処理としてレンズ歪補正誤差Δを確認する確認処理を行うことで、ロバストな認証を実現することができる。
また、本開示の変形例では、認証処理の際の位置合わせを行う場合に、「レンズ歪補正誤差」を用いてもよい。本開示の変形例に係るレンズ歪補正誤差Δの利用方法としては、位置合わせに利用する構成としても良い。以下、本開示の変形例では、局所特徴量を用いた場合の位置合わせ処理に、レンズ歪補正誤差Δを利用する例を説明する。位置合わせ処理は、正規化パラメータ(回転角θや平行移動量(ex,ey)など)を振って、位置ズレを表す評価関数Eが最小となるようなパラメータを求める。この時の重みづけとしては、レンズ歪補正誤差Δを活用する。レンズ歪補正誤差Δが大きい特徴点は、信頼度が低いと考えられるため、そのような点の重みは下げることによって、より精度の高い位置合わせを実現することができる。
[認証プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図15を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する広告表示プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
図15は、実施例1及び実施例2に係る認証プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。図15に示すように、コンピュータ100は、操作部110aと、スピーカ110bと、カメラ110cと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、CPU150と、ROM160と、HDD170と、RAM180とを有する。これら110~180の各部はバス140を介して接続される。
HDD170には、図15に示すように、上記の実施例1で示したセンサ管理部16、全体管理部24、算出部28、正規化処理部26、特徴抽出部27、認証部29と同様の機能を発揮する認証プログラム170aが記憶される。この認証プログラム170aは、図1に示したセンサ管理部16、全体管理部24、算出部28、正規化処理部26、特徴抽出部27、認証部29の各構成要素と同様、統合又は分離してもかまわない。すなわち、HDD170には、必ずしも上記の実施例1で示した全てのデータが格納されずともよく、処理に用いるデータがHDD170に格納されればよい。
このような環境の下、CPU150は、HDD170から認証プログラム170aを読み出した上でRAM180へ展開する。この結果、認証プログラム170aは、図15に示すように、認証プロセス180aとして機能する。この認証プロセス180aは、RAM180が有する記憶領域のうち認証プロセス180aに割り当てられた領域にHDD170から読み出した各種データを展開し、この展開した各種データを用いて各種の処理を実行する。例えば、認証プロセス180aが実行する処理の一例として、図9に示す処理などが含まれる。なお、CPU150では、必ずしも上記の実施例1で示した全ての処理部が動作せずともよく、実行対象とする処理に対応する処理部が仮想的に実現されればよい。
なお、上記の認証プログラム170aは、必ずしも最初からHDD170やROM160に記憶されておらずともかまわない。例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に認証プログラム170aを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体から認証プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置などに認証プログラム170aを記憶させておき、コンピュータ100がこれらから認証プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。
1 認証装置
1A 認証システム
10 センサ部
11 照明部
12 レンズ
13 撮像素子
14,14A,22,33 記憶部
141,341 テンプレート
141a レンズ歪補正情報
141b,341b レンズ歪補正誤差情報
143 レンズID情報
23,34 データベース部
25 抽出部
26 正規化処理部
27 特徴抽出部
28 算出部
29 照合部
30 サーバ部
341a 特徴データ
35 算出部
36 正規化処理部
37 照合部

Claims (9)

  1. 生体の撮影画像を取得すると、前記撮影画像から前記生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出し、
    抽出した前記生体画像と、前記生体画像の前記撮影画像での位置と、前記生体の撮影に用いられるレンズの歪補正実行後に残るレンズ歪補正誤差に関するレンズ歪補正誤差情報とに基づき、前記生体の認証を行う処理をコンピュータが実行し、
    前記レンズ歪補正誤差情報は、前記レンズの光学中心座標と、前記生体画像の平行移動、回転または拡大縮小の位置合わせが行われる際の正規化パラメータとをさらに含み、
    前記認証を行う処理は、前記レンズの光学中心座標および前記正規化パラメータに基づいて前記生体画像の画素ごとに前記撮影画像の位置に対応する前記レンズ歪補正誤差を算出する処理を含む、
    ことを特徴とする認証方法。
  2. 生体の撮影画像を取得すると、前記撮影画像から前記生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出し、
    抽出した前記生体画像と、前記生体画像の前記撮影画像での位置と、前記生体の撮影に用いられるレンズの歪補正実行後に残るレンズ歪補正誤差に関するレンズ歪補正誤差情報とに基づき、前記生体の認証を行う処理をコンピュータが実行し、
    前記認証を行う処理は、前記レンズの歪補正実行後の前記生体画像から抽出される特徴点と、所定の登録データに含まれる特徴点との照合時に、前記特徴点の位置に対応する前記レンズ歪補正誤差から定まる重みを前記特徴点間で特徴量が照合されるスコアに付与する処理を含む、
    ことを特徴とする認証方法。
  3. 前記レンズ歪補正誤差は、前記レンズの光学中心からの距離に基づく近似式によって表される請求項1または2に記載の認証方法。
  4. 前記認証を行う処理は、前記撮影画像を撮影するセンサ部から前記レンズ歪補正誤差を取得する処理を含む請求項1または2に記載の認証方法。
  5. 前記認証を行う処理は、レンズの識別情報ごとに対応付けられた複数の前記レンズ歪補正誤差のうち、前記撮影画像の撮影に用いられるレンズの識別情報に対応する前記レンズ歪補正誤差を取得する処理を含む請求項1または2に記載の認証方法。
  6. 生体の撮影画像を取得すると、前記撮影画像から前記生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出し、
    抽出した前記生体画像と、前記生体画像の前記撮影画像での位置と、前記生体の撮影に用いられるレンズの歪補正実行後に残るレンズ歪補正誤差に関するレンズ歪補正誤差情報とに基づき、前記生体の認証を行う処理をコンピュータに実行させ、
    前記レンズ歪補正誤差情報は、前記レンズの光学中心座標と、前記生体画像の平行移動、回転または拡大縮小の位置合わせが行われる際の正規化パラメータとをさらに含み、
    前記認証を行う処理は、前記レンズの光学中心座標および前記正規化パラメータに基づいて前記生体画像の画素ごとに前記撮影画像の位置に対応する前記レンズ歪補正誤差を算出する処理を含む、
    ことを特徴とする認証プログラム。
  7. 生体の撮影画像を取得すると、前記撮影画像から前記生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出し、
    抽出した前記生体画像と、前記生体画像の前記撮影画像での位置と、前記生体の撮影に用いられるレンズの歪補正実行後に残るレンズ歪補正誤差に関するレンズ歪補正誤差情報とに基づき、前記生体の認証を行う処理をコンピュータに実行させ、
    前記認証を行う処理は、前記レンズの歪補正実行後の前記生体画像から抽出される特徴点と、所定の登録データに含まれる特徴点との照合時に、前記特徴点の位置に対応する前記レンズ歪補正誤差から定まる重みを前記特徴点間で特徴量が照合されるスコアに付与する処理を含む、
    ことを特徴とする認証プログラム。
  8. 生体の撮影画像を取得すると、前記撮影画像から前記生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出する抽出部と、
    抽出した前記生体画像と、前記生体画像の前記撮影画像での位置と、前記生体の撮影に用いられるレンズの歪補正実行後に残るレンズ歪補正誤差に関するレンズ歪補正誤差情報とに基づき、前記生体の認証を行う認証部と、を有し、
    前記レンズ歪補正誤差情報は、前記レンズの光学中心座標と、前記生体画像の平行移動、回転または拡大縮小の位置合わせが行われる際の正規化パラメータとをさらに含み、
    前記認証部は、前記レンズの光学中心座標および前記正規化パラメータに基づいて前記生体画像の画素ごとに前記撮影画像の位置に対応する前記レンズ歪補正誤差を算出する、
    ことを特徴とする認証装置。
  9. 生体の撮影画像を取得すると、前記撮影画像から前記生体に応じた領域に含まれる生体画像を抽出する抽出部と、
    抽出した前記生体画像と、前記生体画像の前記撮影画像での位置と、前記生体の撮影に用いられるレンズの歪補正実行後に残るレンズ歪補正誤差に関するレンズ歪補正誤差情報とに基づき、前記生体の認証を行う認証部と、を有し、
    前記認証部は、前記レンズの歪補正実行後の前記生体画像から抽出される特徴点と、所定の登録データに含まれる特徴点との照合時に、前記特徴点の位置に対応する前記レンズ歪補正誤差から定まる重みを前記特徴点間で特徴量が照合されるスコアに付与する、
    ことを特徴とする認証装置。
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