JP7274434B2 - 流用設計支援システム及び流用設計支援方法 - Google Patents

流用設計支援システム及び流用設計支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、過去に設計した案件を流用する流用設計支援システム及び流用設計支援方法の技術に関する。
プラント等の製造業の設計時において、実績のある過去の案件から類似の案件を選定し、その案件の仕様を基に、設計変更を行う流用設計が行われることがある。このような流用設計が行われることにより、0から設計するよりも開発リードタイムの短縮が可能となる。このような流用設計では、熟練した設計者が過去の経験に基づき、多くの設計仕様値や制約条件等を考慮して、最適な類似案件を選定することが行われている。その際、選定を行う設計者の熟練度や、考慮する事項の優先度の差異等により、選定される案件が異なってしまうという課題がある。
このような課題に対し、特許文献1~3に記載の技術が開示されている。
特許文献1には、「設計事例データベースの中から,要求仕様入力データに基づく仕様を満たす要求仕様実績データに対応する設計実績データを検索する一次検索を行い(S4),所定の選択規則に従って前記一次検索により得られた設計実績データの内容の中から代表値を設計案として選択し(S6),設計事例データベースの中から,選択された前記代表値と値が同じ他の設計実績データに対応する要求仕様実績データを検索し(S11),各検索結果及び前記代表値を併せて出力する(S14)」設計事例探索装置、設計事例探索プログラムが開示されている(要約参照)。
また、特許文献2には、「設計対象物に対する要求仕様を入力する要求仕様入力手段と、要求仕様から適用すべき設計仕様を判定する知識を格納した知識ベースと、要求仕様に基づいて知識ベースを用いて適用すべき設計仕様を判定する推論エンジンとを備えた設計仕様判定手段と、過去の設計事例を格納した設計事例ベースを記憶しておく設計事例記憶手段と、設計仕様判定手段が判定した設計仕様と実質的に同一の設計仕様を有する過去の設計事例を設計事例ベースから検索する類似事例検索手段と、類似事例検索手段が検索した過去の設計事例の内容を出力する検索結果出力手段とを備えた」類似設計事例検索装置が開示されている(要約参照)。
そして、特許文献3には、「過去の製品の設計事例の仕様値とその製品を生産するためのコスト・期間などの情報を管理する設計事例記憶部と、要求仕様項目毎の推奨重みを記憶する推奨重み記憶部と、要求仕様値を受け付ける要求仕様受付部と、要求仕様値に対して前記設計情報記憶部に記憶されている各設計事例の仕様値が満足している度合いである要求仕様満足度を算出する要求仕様満足度算出部と、検索された設計事例の推奨値を推奨重み記憶部に記憶されている推奨重みにより算出する推奨度算出部と、検索された製品を類似度と推奨度と合わせて表示し、類似度と推奨度により並べ替えができる検索結果表示部とを備える」類似設計事例検索装置が開示されている(要約参照)。
特開2010-020617号公報 特開平7-219989号公報 特開2012-185755号公報
特許文献1及び特許文献2に記載の手法では、類似案件を選定する設計者の経験的な抽出ルールがプログラムにより再現される。その際に優先する項目の重要度が重みづけされたり,必要な制約・干渉条件を考慮した類似案件が検索されたりするようになっている。しかしながら、実際に設計者によって異なる経験的な抽出ルールのうち、どの項目を重要視するかといった抽出ルールを妥当であるかを判断することは難しい。例えば、ある人物が用いている抽出ルールが、本当に妥当であるか否かはわからないことが多い。また、類似と判定された案件がどの程度の類似であるかを定量的に把握するのも困難である。また、特許文献3に記載の記載の技術も、さらなる改良が必要である。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、効率的な流用設計を実現させることを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、過去に設計された複数の案件である過去設計案件のうち、これから設計する案件である設計案件と類似した前記過去設計案件を検索するための検索条件として、前記設計案件の値が情報として入力される検索条件入力部と、前記検索条件に含まれる値を基に乱数を生成する乱数生成部と、前記乱数生成部によって生成された前記乱数を基に評価値を設定し、複数の前記過去設計案件における値と、前記評価値とを比較し、前記過去設計案件を絞り込むことで、前記検索条件に類似している前記過去設計案件である第1類似案件を絞り込む第1類似案件抽出部と、前記乱数生成部及び前記第1類似案件抽出部が行う処理をN回(N>1)行い、複数の前記過去設計案件のうち、それぞれの前記過去設計案件が、前記N回のうち、何回、前記第1類似案件として絞り込まれたかを数値化した類似スコアを算出する類似スコア算出部と、前記類似スコアに基づいて、所定の前記過去設計案件を第2類似案件として出力部に出力する第2類似案件出力部と、を有することを特徴とする。
その他の解決手段は実施形態中において適宜記載する。
本発明によれば、効率的な流用設計を実現することができる。
第1実施形態に係る類似案件抽出システムの構成を示す図である。 過去設計案件データベースの例を示す図である。 第1実施形態における類似設計案件抽出方法の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態における入力画面の一例を示す図である。 第1実施形態で生成される乱数を示す図である。 第1実施形態における類似判定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 第1実施形態における出力画面の例を示す図である。 第2実施形態に係る類似案件抽出システムの機能ブロック図である。 第2実施形態における設計仕様案推定部の構成を示す図である。 第2実施形態における類似設計案件抽出方法の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態における設計仕様案推定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る類似案件抽出システムの機能ブロック図である。 第3実施形態における類似設計案件抽出方法の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態における類似判定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る類似案件抽出システムの機能ブロック図である。 第4実施形態における類似設計案件抽出方法の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における設計仕様チェック出力画面の例を示す図である。 類似案件抽出装置のハードウェア構成を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
(システム)
図1は第1実施形態に係る類似案件抽出システム1の構成を示す図である。
図1に示す類似案件抽出システム1は、類似案件抽出装置100、過去設計案件データベース201、抽出ルールデータベース202、入出力端末300を有している。なお、類似案件抽出装置100、過去設計案件データベース201、抽出ルールデータベース202、入出力端末300のそれぞれは、互いにインターネットや、イントラネット等といったネットワークを介して接続されている。なお、本実施形態では、類似案件抽出装置100、過去設計案件データベース201、抽出ルールデータベース202、入出力端末300のそれぞれが別の装置として設置されているものとしているが、これに限らない。例えば、類似案件抽出装置100、過去設計案件データベース201、抽出ルールデータベース202、入出力端末300のうち、少なくとも2つが一体の装置となっていてもよい。
類似案件抽出装置100は、検索条件入力部110、モンテカルロシミュレーション実行部120、類似スコア算出部130、類似案件出力部140を有している。
検索条件入力部110には、ユーザが入力部301を介して入力した、今回設計の対象となる検索条件等が入力される。
モンテカルロシミュレーション実行部120は、過去設計案件データベース201、抽出ルールデータベース202、及び、入力された検索条件を基に、第1類似案件を抽出する。第1類似案件については後記する。具体的には、モンテカルロシミュレーション実行部120は、入力された検索条件に類似の過去設計案件を、モンテカルロ法によりばらつきを持たせた抽出ルールにより何度も抽出する処理を繰り返す。ここで、乱数のばらつきは、例えば正規分布に従う。
また、モンテカルロシミュレーション実行部120は、乱数生成部121、類似判定部122を有する。
乱数生成部121は、モンテカルロ法で用いる乱数を生成させる。
類似判定部122は、乱数生成部121が生成した乱数を用いて、検索条件と類似する過去設計案件であるか否かを判定する。
類似スコア算出部130は、モンテカルロシミュレーションで抽出された回数を集計し、類似スコアを算出する。
類似案件出力部140は、算出された類似スコアの高い案件を出力する。類似スコアは後記する。
なお、各部110~140,121~122が行う処理については、後記して説明する。
過去設計案件データベース201は、過去に設計された案件(過去設計案件)の仕様情報が格納されているデータベースである。過去設計案件データベース201については後記する。
抽出ルールデータベース202は、熟練者の経験的な第1類似案件の抽出ルールをコンピュータが利用できるようにしたルール(抽出ルール)が格納されているデータベースである。抽出ルールについては後記する。第1類似案件については後記する。
なお、本実施形態では、過去設計案件データベース201及び抽出ルールデータベース202が、類似案件抽出システム1を構成しているものとしているが、これに限らない。例えば、図示しないクラウド上に設置されているなど、過去設計案件データベース201及び抽出ルールデータベース202が類似案件抽出システム1の外部に設置されていてもよい。この場合、類似案件抽出装置100は、クラウド上に設置されている過去設計案件データベース201及び抽出ルールデータベース202から適宜データを取得する。
入出力端末300は、入力部301、及び、出力部302を有する。
入力部301は、キーボード、マウス等の種々の入力装置であり、ユーザが類似案件抽出システム1に情報の入力をする際に用いられる。
出力部302は、ディスプレイ装置等の出力デバイスであり、類似案件抽出装置100による処理の過程や、結果、類似案件抽出装置100によるユーザのための対話的な処理のための画面を表示する。
本実施形態では、類似案件抽出装置100を発電プラント(以降、単にプラントと称する)における処理に適用した例を示す。具体的には、新たなプラント(「プラントα」とする)を設計するにあたり、過去に設計したプラント(「プラントA」~「プラントZ」とする)のうち、どのプラントの設計を参考にすればよいかを検索する例を示す。
(過去設計案件データベース201)
図2は、過去設計案件データベース201の例を示す図である。
過去設計案件データベース201には、過去に設計されたプラントである「プラントA」~「プラントZ」に関する情報が格納されている。
そして、過去設計案件データベース201には、「出力」、「流体圧力」、「流体温度」、「ポンプ揚程」、「配管流速(配管A)、「配管流速(配管B)」等の数値データが格納されている。さらに、過去設計案件データベース201には、「ボイラ型式」、「冷却方式」等のカテゴリデータが格納されている。図2に示されるように、各データ(数値データ、カテゴリデータ)は、各プラントに対応付けられて格納されている。また、「出力」、「流体圧力」、「流体温度」、「ポンプ揚程」、「配管流速(配管A)、「配管流速(配管B)」、「ボイラ型式」、「冷却方式」等を項目(過去設計案件項目)と称することとする。ここでは、8つの項目が示されているが、実際には、過去設計案件データベース201は、何千、何万という項目が格納されている。
ここで、本実施形態で行われる処理の概要を記載する。
本実施形態では、検索条件として図2の「出力」、「流体圧力」、「流体温度」、「ボイラ型式」、「冷却方式」の値が入力される(検索項目)。そして、第1実施形態に示す例では、類似案件抽出装置100は、「出力」、「流体圧力」、「流体温度」が似ており、かつ、「ボイラ型式」、「冷却方式」が同一の過去設計案件を「プラントα」の参考用(第2類似案件)として抽出する。ちなみに、検索条件として採用されなかった「ポンプ揚程」、「配管流速(配管A)、「配管流速(配管B)」は、設計段階において設定される仕様値(設計仕様値)となる。
そして、モンテカルロシミュレーション実行部120は、入力された「出力」、「流体圧力」、「流体温度」のプラス側、マイナス側に閾値を設ける。そして、類似案件抽出装置100は、「出力」、「流体圧力」、「流体温度」が、設けられた閾値の範囲に入っている過去設計案件を第1類似案件として抽出する。詳細は後記する。
(全体処理)
次に、第1実施形態における類似設計案件抽出方法の処理を説明する。
図3は、第1実施形態における類似設計案件抽出方法の手順を示すフローチャートである。
まず、検索条件入力部110を介して、ユーザが検索条件を入力する検索条件入力処理が行われる(S101)。前記したように、ここでは、過去設計案件データベース201に格納されている項目のうち、「出力」、「流体圧力」、「流体温度」の値、及び、「ボイラ型式」、「冷却方式」が検索条件として入力される例を示す。
図4は、第1実施形態における入力画面400の一例を示す図である。
図4に示す入力画面400は、図3のステップS101において、出力部302に表示される画面である。
第1実施形態では、プラントの「出力」、「流体圧力」、「流体温度」の値が検索条件として入力される。また、カテゴリデータである「ボイラ型式」、「冷却方式」も検索条件として入力される。
そして、図に示すように、「出力」、「流体圧力」、「流体温度」は、数値入力窓401によって入力され、「ボイラ型式」、「冷却方式」はプルダウンメニュー402によって選択入力される。
そして、ユーザが、検索実行ボタン403を選択入力することによって、図3のステップS102が実行される。なお、ユーザが終了ボタン404を選択入力すると、類似案件抽出装置100は図3の処理を終了する。
図3の説明へ戻る。
ステップS101で検索条件が入力されると、乱数生成部321がモンテカルロ法に使用する乱数を生成する乱数生成処理を行う(S102)。
ここで、図3のステップS102について説明する。モンテカルロシミュレーション実行部120が生成する乱数は、検索条件の対象となっている「出力」、「流体圧力」、「流体温度」のそれぞれにおける閾値(評価値)である。
図5は、ステップS102で生成される乱数を示す図である。図5において、横軸は出力を示し、縦軸は頻度を示している。
ここでは、「出力」のmに対して±m1の範囲にある過去設計案件が抽出されるものとする。ここで、mはステップS101において、検索条件として入力される値であり、mに対するm1の値は予め設定されている値である。
乱数生成部121は、一例として、以下の式(1)で示す正規分布に基づく乱数を生成する。
Figure 0007274434000001

ここで、xは生成される乱数の値、f(x)は生成頻度、μは生成する乱数の平均値、σは標準偏差である。当該平均値及び標準偏差は熟練者の経験等を基に予め設定される。
つまり、図5に示すように、乱数生成部121は、+m1を平均値とする正規分布411の範囲で+側の閾値の乱数を生成させる。同様に、乱数生成部121は、-m1を平均値とする正規分布412の範囲で-側の閾値の乱数を生成させる。なお、乱数生成部121は、ある乱数rを生成させると、+rを+側の閾値とし、-rを-側の閾値とする。あるいは、乱数生成部121は、+側の閾値として乱数r1を生成し、-側の閾値として乱数r2を生成する等、+側の閾値の乱数と、-側の閾値の乱数とを個別に生成してもよい。
本実施形態では、正規分布に基づく乱数を生成させているが、一様分布や、ガンマ分布、ベータ分布等、正規分布以外の確率分布に基づく乱数が生成されてもよい。また乱数の生成は、線形合同法、メルセンヌ・ツイスタ、カオス乱数等のアルゴリズムが用いられる。
図3の説明に戻る。
ステップS102が終了すると、類似判定部122が類似判定処理を行う(S103)。
ステップS103の処理を、図6を参照して説明する。
図6は、第1実施形態における類似判定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
まず、類似判定部122は、過去設計案件のうち、「出力」が±m1以内の過去設計案件を絞り込む(S201)。
次に、類似判定部122は、過去設計案件のうち、「流体圧力」が±g1以内の過去設計案件を絞り込む(S202)。
そして、類似判定部122は、過去設計案件のうち、「流体温度」が±h1以内の過去設計案件を絞り込む(S203)。
ここで、g1、h1の各値は、m1と同様であり、ステップS102において乱数生成部121により生成される乱数の平均値である。ちなみに、検索条件として、「出力」のmに相当する、「流体圧力」のg、「流体温度」のhが入力されているものとする。
続いて、類似判定部122は、過去設計案件のうち、「ボイラ形式」が図3のステップS101で入力された検索条件における「ボイラ型式」と同じ過去設計案件を絞り込む(S204)。
最後に、類似判定部122は、過去設計案件のうち、「冷却方式」が図3のステップS101で入力された検索条件における「冷却方式」と同じ過去設計案件を絞り込む(S205)。
ここで、ステップS204,S205において、ボイラ型式、冷却方式が同じプラントが存在しない場合、類似判定部122は、ステップS204,S205における絞り込み処理を実行しない。
そして、類似判定部122は、ステップS201~S205の処理の結果、最終的に残った過去設計案件を第1類似案件として出力する(S206)。
そして、モンテカルロシミュレーション実行部120は図3のステップS104へリターンする。
抽出ルールデータべース202には、このような熟練者の経験的な第1類似案件の抽出ルールを蓄積したものが格納されている。
図3の説明に戻る。
ステップS103の処理が終了すると、モンテカルロシミュレーション実行部120は、ステップS103,S104の処理をN回行ったか否かを判定する(S104)。Nは予め設定される値であり、例えば、N=1000や、N=10000等である。
ステップS103,S104の処理をN回行っていない場合(S104→No)、モンテカルロシミュレーション実行部120はステップS102へ処理を戻す。すなわち、乱数生成部121は、「出力」、「流体圧力」、「流体温度」の閾値それぞれについて、新たに乱数を生成する。そして、類似判定部122は、生成した、それぞれの乱数を「出力」、「流体圧力」、「流体温度」それぞれの閾値として、ステップS102の乱数生成処理を実行する。すなわち、モンテカルロシミュレーションが行われる。
ステップS103,S104の処理をN回行っている場合(S104→Yes)、類似スコア算出部130は、それぞれの過去設計案件について類似スコアを算出する類似算出処理を行う(S105)。具体的には、類似スコア算出部130は、例えば、式(2)を算出することで類似スコアを算出する。
S=n/N ・・・ (2)
ここで、Sは類似スコアである。また、nは、ある過去設計案件が類似判定部122で類似と判定された回数である。「プラントA」について例をあげると、ステップS104において、N=1000とした場合、ステップS102,S103を1000回行ったうちで、「プラントA」が第1類似案件として残った回数である。前記したように、Nはモンテカルロシミュレーションの繰り返し回数である。すなわち、NはステップS104におけるNである。例えば、ステップS102,S103を1000回行ったうちで、「プラントA」が第1類似案件として残った回数が541であれば、類似スコアSは0.541となる。類似スコア算出部130は、同様の手法で、「プラントB」~「プラントZ」の各過去設計案件についても類似スコアを算出する。
最後に、類似案件出力部140が、類似スコアが上位の過去設計案件を第2類似案件として出力部302に出力する第2類似案件出力処理を行う(S106)。
(出力画面500)
図7は、図3のステップS106で出力される出力画面500の例を示す図である。
図7に示す出力画面400の例では、類似スコアが上位5件の過去設計案件(第2類似案件)の案件名と、類似スコアを示す棒グラフとが対応付けられて出力されている。
なお、図7に示す出力画面500は一例であり、図7に示す出力画面500とは異なる構成を有していてもよい。例えば、過去設計案件の案件名と、類似スコアとがリスト形式で表示されてもよい。また、図7では、類似スコアが上位5件の過去設計案件が表示されているが、類似スコアがある閾値以上の過去設計案件が第2類似案件として表示されてもよい。また、類似スコアの他にも、検索条件の各項目の値がどの程度類似しているかを示すため、例えばレーダチャートで各項目の値の差異を示してもよい。なおレーダチャートが用いられる場合、表示される検索条件の各項目は、「出力」、「流体圧力」、「流体温度」といった数値データとなる。
ユーザは、この類似スコアが大きい過去設計案件(第2類似案件)を流用設計の流用元の候補として考えることができる。すなわち、図7の例では、これから設計する「プラントα」の参考として最適と考えられるのは「プラントD」ということになる。
また、第1実施形態では、類似判定部122が過去設計案件を絞り込む際の閾値に対して乱数を生成しているが、閾値以外の抽出ルールのパラメータに対して乱数を生成させるようにしてもよい。また、第1実施形態では、図5におけるmの値が検索条件として入力され、乱数の平均値m1の値は予め設定されているものとしているが、これに限らない。m1の値も検索条件として入力されることで、m1が適宜変更されるようにしてもよい(g、h、g1、h1も同様である)。
また、図6に示す処理は、類似判定処理の一例だが、絞り込む順番が異なっていてもよい。絞り込む順番が異なるとは、図6の例では、「出力」→「流体圧力」→「流体温度」→「ボイラ型式」→「冷却方式」の順に絞り込みが行われているが、必ずしも、この順に絞り込みが行われなくてもよいという意味である。
第1実施形態では、図6のステップS201~S205の処理が通しでN回実行されているが、これに限らない。例えば、類似判定部122は、ステップS201をN回実行した後に、ステップS202をN回実行し、さらに、ステップS203をN回実行するようにしてもよい。すなわち、ステップS201,S202,S203のそれぞれがN回ずつ実行されてもよい。この場合、乱数は、ステップS201,S202,S203のそれぞれがN回実行される毎に生成される。この手法が実行されると、類似スコアは、以下の式(3)で示される。
S=(n1+n2+n3)/3N ・・・ (3)
ここで、Sは類似スコアであり、n1はステップS201をN回実行した結果、ある過去設計案件(例えば、「プラントA」)の「出力」が+側の閾値と、-側の閾値との間に存在した回数である。また、n2はステップS202をN回実行した結果、ある過去設計案件の「流体圧力」が+側の閾値と、-側の閾値との間に存在した回数である。同様に、n3はステップS203をN回実行した結果、ある過去設計案件の「流体温度」が+側の閾値と、-側の閾値との間に存在した回数である。
抽出ルールデータべース201には、検索によって過去設計案件を抽出するためのルール(抽出ルール)が格納されている。抽出ルールとして、図6に示す処理における絞り込みの順番や、図6におけるm1,g1,h1等といった閾値の平均値、乱数を生成する際の正規分布の標準偏差σ等が格納されている。抽出ルールデータベース202に格納されている各値は、経験を基に設定される。
モンテカルロシミュレーションでは、シミュレーション対象の現象に対して、その入力に大量の乱数を与えて出力値を観測することで、その現象が確率的に解かれる。第1実施形態では、モンテカルロシミュレーションによる確率的評価指標(類似スコアS)が第2類似案件の判定に適用される。このようにすることで、これまでは妥当性が明らかでなかった類似判定基準に対して、より頑強な解を得ることができる。また、熟練者の経験を活かしつつ、未熟練者でも同じ案件を抽出することができる。また、類似スコアを算出することで定量的に類似度を把握することができる。このようにすることで、効率的な流用設計を実現することができる。
なお、第1実施形態において、検索条件における項目が「出力」、「流体圧力」、「流体温度」、「ボイラ型式」、「冷却方式」に限らないことは当然である。
[第2実施形態]
本実施形態では、第2類似案件の抽出後に、抽出された案件の設計データを用いて設計仕様値を推定する、類似設計案件抽出手法及びシステムを説明する。ここで、設計仕様値とは、図2で前記したように、過去設計案件データベース201において検索条件として設定された項目以外の項目であり設計段階において設定される仕様値である。図2の例では、「ポンプ揚程」、「配管流速(配管A)」、「配管流速(配管B)」が設計仕様値となる。第2実施形態の類似案件抽出システム1aは、これらの設計仕様値を、どのような値に設定すればよいかをユーザに提示するものである。
(システム)
図8は第2実施形態に係る類似案件抽出システム1aの機能ブロック図である。図8において、図1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
類似案件抽出システム1aにおける類似案件抽出装置100aが設計仕様案推定部150及び設計仕様案出力部160を有している点が、図1に示す類似案件抽出装置100と異なる点である。
設計仕様案推定部150は、学習等を用いて、これから設計する案件(設計案件)の設計仕様値が推定される。
設計仕様案出力部160は、設計仕様案推定部150が推定した設計仕様値を出力部302に出力する。
図9は、第2実施形態における設計仕様案推定部150の構成を示す図である。
設計仕様案推定部150は、学習データ入力部151、学習モデル生成部152、設計仕様推定処理部153を有する。
学習データ入力部151は、設計仕様値を推定する際に用いられる学習に使用されるデータが入力される。その上で、学習データ入力部151は、学習のための説明変数、目的変数を設定する。
学習モデル生成部152は、設定された説明変数、目的変数を用いて機械学習を行い、学習モデルを生成する。
設計仕様推定処理部153は、検索条件入力部110から入力された検索条件と、学習モデルとからこれから設計する設計案件の設計仕様値を推定する。
(全体処理)
図10は、第2実施形態における類似設計案件抽出方法の手順を示すフローチャートである。図10において、図3と同様の処理については、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
第1実施形態の図3に対して、図10の処理は、設計仕様案推定処理(S111)及び設計仕様案出力処理(S112)が追加されている。
ステップS106において第2類似案件が出力されると、設計仕様案推定部150は、第2類似案件における各値を過去設計案件データベース201から取得する。
次に、設計仕様推定処理部153は、これから設計する設計案件(ここでは、「プラントα」)の設計仕様値を機械学習等の手法を用いて推定する設計仕様推定処理を行う(S111)。
図11は、図10のステップS111における設計仕様案推定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
まず、学習データ入力部151に、学習データが入力され、学習のための説明変数、目的変数が設定される(S301)。ここで、学習データとして、第2類似案件について過去設計案件データベース201に記録されている項目のうち、検索条件の項目(検索項目と称する)の値を説明変数とし、それ以外の項目(設計仕様項目と称する)の値を目的変数とする。例えば、学習データ入力部151は、第2類似案件について、図2の過去設計案件データベース201の項目のうち、検索条件を構成する「出力」、「流体圧力」、「流体温度」を説明変数とする。そして、学習データ入力部151は、過去設計案件データベース201の項目のうち、検索条件の構成以外の項目である設計仕様項目を目的変数とする。設計仕様項目は、図2の例では、「ポンプの揚程」や、「配管流速(配管A)」、「配管流速(配管B)」等である。
次に、学習モデル生成部152が、学習データを用いて説明変数と目的変数の関係から学習モデルを生成する(S302)。学習モデルとして、例えば、サポートベクターマシンや、ランダムフォレストといったモデルが用いられる。また、目的変数がカテゴリ型の場合、分類モデルが用いられ、数値型の場合、回帰モデルが用いられる。つまり、「出力」、「流体圧力」、「流体温度」等の数値データと、「ボイラ型式」、「冷却方式」等のカテゴリデータとは、別々に学習されるのがよい。
次に、検索条件入力部110で入力された検索条件の値(検索条件)が設計仕様案推定部150に入力される(S303)。ここで、入力される検索条件は、図3のステップS101で入力される検索条件の値と同じものである。さらに、ステップS303で入力される検索条件は、ステップS301で説明変数として入力された項目と同様の項目が入力される。
最後に、設計仕様推定処理部153は、学習モデル生成部152で生成された学習モデルを用いて、設計仕様値の推定を行う(S304)。具体的には、設計仕様案推定処理部153は、ステップS303で入力された検索条件の値が、ステップS302で生成された学習モデルに適用される。ステップS302で生成された学習モデルに適用されるとは、例えば、ステップS303で入力された検索条件の値が、学習モデルによって分類されるグループのうち、どのグループに属するかが判定されることである。
設計仕様案出力部160は、推定された設計仕様値を設計仕様案として出力部302に出力する設計仕様案出力処理を行う(図14のステップS112)。具体的には、設計仕様推定処理部153は、ステップS303で入力された検索条件の値が属する学習モデルのグループにおける各設計仕様値の平均値を算出する。そして、ステップS112において、設計仕様案出力部160は、設計仕様推定処理部153が算出した平均値を設計仕様案として出力部302に出力する。なお、ステップS112において、ステップS303で入力された検索条件の値が属する学習モデルのグループの平均値及び分散を基に、設計仕様案の信頼区間が算出されてもよい。この場合、設計仕様案とともに、算出された信頼区間が出力部302に出力されてもよい。
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、類似スコアが上位の過去設計案件(第2類似案件)を参考にした設計仕様値の推定値(設計仕様案)がユーザに提示される。これにより、ユーザは流用設計を効率的に進めることができる。
なお、第2実施形態では、図10において第2類似案件の出力(S106)と、設計仕様案の出力(S112)を別々に行っているが、同時、あるいは、同一画面で行ってもよい。ただし、この場合、第2類似案件の決定は、ステップS111の前に行われる。
[第3実施形態]
次に、図12~図14を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態では、抽出ルールとして各項目の多次元空間での距離を用いた方法を適用する手法を説明する。
(システム)
図12は第2実施形態に係る類似案件抽出システム1bの機能ブロック図である。図12において、図1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図16に示す類似案件抽出システム1bにおける類似案件抽出装置100bは、モンテカルロシミュレーション実行部120bが乱数生成部121b及び類似判定部122bを有している点が図1に示す類似案件抽出システム1と異なる。
乱数生成部121bは、類似判定部122bで用いる乱数を生成する。
類似判定部122bは、乱数生成部121bが生成した乱数を重み付け係数として、各項目間の距離を算出する。類似判定部122bの処理については後記する。
(全体処理)
図13は、第3実施形態における類似設計案件抽出方法の手順を示すフローチャートである。図13において、図3と同様の処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS101の後、乱数生成部121bは、図14のステップS212で用いられる重み付け係数を乱数で生成する乱数生成処理を行う(S102b)。生成される乱数は、第1実施形態と同様、正規化分布等に基づくものである。
そして、類似判定部122bは乱数生成部121bが生成した乱数を用いて、過去設計案件から検索条件の値に近い過去設計案件を判定する類似判定処理を行う(S103b)。ステップS103bの処理は後記する。
(類似判定処理)
図14は、図13のステップS103bにおける類似判定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
まず、類似判定部122は、過去設計案件データベース201におけるすべての項目の数値データを標準化する標準化処理を行う(S211)。標準化(正規化)は式(4)によって行われる。
Zi=(xi-μ)/σ ・・・ (4)
ここで、zは標準化後のデータ、xは標準化前のデータ、μは生成させる平均、σは標準偏差である。標準化することで、検索条件における各項目の重要度が一度均一になる。
次に、類似判定部122は、各項目の類似判定における重要度で重み付けを行う重み付け処理を行う(S212)。この重み付け時の重み付け係数は図13のステップS102bで生成された乱数が用いられる。この乱数を生成する確率分布のパラメータ(平均値、標準偏差等)は熟練者の経験によって予め設定される値である。重み付けについては後記する。
次に、類似判定部122は、検索条件における項目を座標軸とする多次元座標空間でのデータ間の距離を算出する距離算出処理を行う(S213)。距離は、例えば、式(4)に示すようなユークリッド距離が用いられる。
Figure 0007274434000002

ここで、dは距離、nは項目数(座標軸の数;次元数)、q、pは対象の2点のデータを示す。2点のデータのうち、一方は過去設計案件データベース201の値であり、他方は検索条件の値である。ただし、これらのデータは、同一の項目に属しているものである。まあ、対象となる過去設計案件は、過去設計案件データベース201に格納されているすべての過去設計案件である。ここではユークリッド距離を用いたが、例えば、マハラノビス距離等、他の距離が用いられてもよい。
ここで、重み付けとは、重み付けされる項目に対応する座標軸の1目盛りを、重み付けの値に応じて伸ばすことである。つまり、重み付けされる項目の距離が、重み付けの値に応じて大きくなる。
次に、類似判定部122は、ステップS213で算出された距離の平均値が、予め設定されている閾値より小さい過去設計案件、又は、距離が小さい上位数件の過去設計案件を第1類似案件として出力する第1類似案件出力処理を行う(S214)。なお、ステップS214で用いられる閾値はステップS102bで生成される乱数ではなく、予め設定されているものとするが、これに限らない。つまり、ステップS214で用いられる閾値もステップS102bで生成される乱数としてもよい。
以降の処理は、第1実施形態と同様である。つまり、式(2)のnがステップS214で第1類似案件として出力された回数となる。
つまり、第3実施形態では、重み付け係数に対して、第1実施形態と同様に、例えば、正規分布に従う乱数をN回生成する。そして、類似判定部122は、生成された乱数を重み係数として、図14に示す類似判定処理を行う。
このようにすることで、第3実施形態では、重み付け係数に関するモンテカルロシミュレーションが実行される。
第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を有することができる。
なお、第1実施形態の類似判定と、第3実施形態の類似判定とが組み合わされた類似判定が行われてもよい。第1実施形態の類似判定と、第3実施形態の類似判定とは、異なる類似判定の手法がある場合、これら3つ以上の類似判定手法が組み合わされてもよい。
[第4実施形態]
次に、図15~図17を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態では、プラントの設計後、抽出した第2類似案件を用いて、設計したプラントの設計仕様値をチェックするための設計仕様チェック画面600(図17参照)が出力される。
(システム構成)
図15は第2実施形態に係る類似案件抽出システム1cの機能ブロック図である。図15において、図1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
類似案件抽出システム1cの類似案件抽出装置100cが設計仕様チェック部170を有している点が図1に示す類似案件抽出システム1と異なっている。
設計仕様チェック部170は、第2類似案件を参考にして設計された設計案件の設計仕様値が、過去設計案件に対して、どの程度相違しているかをチェックするための比較し、出力する。
(フローチャート)
図16は第4実施形態における類似設計案件抽出方法の手順を示すフローチャートである。図16において、図3と同様の処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
図16に示す処理では、ステップS106で出力された第2類似案件を基に、ユーザが設計案件(ここでは、「プラントα」)を設計する(S121)。なお、ステップS121の処理はユーザによる作業であるので破線のボックスで示されている。
そして、設計仕様チェック部170は、設計仕様チェック画面600(図17参照)を生成するチェック画面生成処理を行う(S122)。設計仕様チェック画面600は、類似スコア算出部130で算出された類似スコアが上位となった第2類似案件の設計仕様値と、設計された設計案件の設計仕様値が、どの程度相違しているかを比較するための画面である。
その後、設計仕様チェック部170は、生成したステップS502の比較結果を出力部302に出力する比較処理出力処理を行う(S123)。
(設計仕様チェック画面600)
図17は、図16のステップS123で出力される設計仕様チェック出力画面600の例を示す図である。
図17では、設計仕様チェックの視覚的な出力の例として、箱ひげ図を示す。
ここでは、「配管A」と、「配管B」との配管流速を設計済案件の設計仕様値(破線601)と、過去の案件の実績値と比較することで設計仕様値のエラーをチェックするものとする。ここでの設計済案件は、第1~第3実施形態における設計案件(すなわち、「プラントα」)のことである。
図17に示す箱ひげ610は過去設計案件のデータの分布を示している。箱ひげ610において、符号611は、すべての過去設計案件における該当項目の最小値を示し、符号612は、すべての過去設計案件における該当項目の最大値を示している。また、符号613は、最小値から25%の値を示し、符号614は、最大値から25%の値を示している。また、線615は該当項目における平均値を示す。該当項目とは、図17の例では、「配管流速(配管A)」、「配管流速(配管B)」である。
図17では、箱ひげ610の中に、第2類似案件(ここでは、類似スコアが上位5件の過去設計案件)の値を丸プロット620で示している。また、前記したように設計済案件の設計仕様値を破線601で示している。図17の例では、「配管A」の配管流速において、設計済案件の設計仕様値(破線601A)は第2類似案件の設計仕様値(丸プロット620)とほぼ同じ値である。対して、「配管B」の配管流速について、設計済案件の設計仕様値(破線601B)は第2類似案件の設計仕様値(丸プロット620)と大きく値が離れている。そのため、「配管B」について、ユーザは、再チェックの必要があると判断することができる。
第4実施形態によれば、第2類似案件に基づいて設計したプラントの設計仕様値が妥当であるか否かをチェックすることができる。これにより、流用設計によって設計された設計済み案件の妥当性をチェックすることができる。
なお、第4実施形態では、図16において第2類似案件の出力(S106)と、設計仕様チェック画面600の出力(S123)を別々に行っているが、同時、あるいは、同一画面で行ってもよい。
[ハードウェア構成図]
図18は、類似案件抽出装置100,100a~100cのハードウェア構成を示す図である。
類似案件抽出装置100,100a~100cは、メモリ181、CPU(Central Processing Unit)182、HD(Hard Disk)等の記憶装置183、NIC(Network Interface Card)等の通信装置184を有する。
記憶装置183に格納されているプログラムがメモリ181にロードされる。そして、ロードされたプログラムがCPU182によって実行されることで、各部110~170,121,121b,122,122b,151~153が具現化する。
本実施形態では、発電プラント等のプラントが適用対象となっているが、これに限らない。
また、本実施形態では、類似スコアが大きければ大きいほど、検索条件に近い過去設計案件であるとしているが、これに限らない。類似スコアが小さければ小さい、検索条件に近い過去設計案件となるよう、類似スコアが設定されてもよい。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した各構成、機能、各部110~170,121,122,151~153、データベース201,202等は、それらの一部又はすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、図18に示すように、前記した各構成、機能等は、CPU182等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、HD(Hard Disk)に格納すること以外に、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1,1a~1c 類似案件抽出システム(流用設計支援システム)
100,100a~100c 類似案件抽出装置
110 検索条件入力部(検索条件が入力)
120,120b モンテカルロシミュレーション実行部
121,121b 乱数生成部
122,122b 類似判定部(第1類似案件抽出部)
130 類似スコア算出部
140 類似案件出力部(第2類似案件出力部)
152 学習モデル生成部(学習部)
153 設計仕様推定処理部(設計案件仕様推定処理部)
170 設計仕様チェック部(比較表示部)
201 過去設計案件データベース(過去設計案件の情報、過去設計案件項目、検索条件項目)
302 出力部
S101 検索条件入力処理(検索条件入力ステップ)
S102,S102b 乱数生成処理(乱数生成ステップ)
S103,S103b 類似判定処理(第1類似案件抽出ステップ)
S105 類似スコア算出処理(類似スコア算出ステップ)
S106 第2類似案件出力処理(第2類似案件出力ステップ)

Claims (6)

  1. 過去に設計された複数の案件である過去設計案件のうち、これから設計する案件である設計案件と類似した前記過去設計案件を検索するための検索条件として、前記設計案件の値が情報として入力される検索条件入力部と、
    前記検索条件に含まれる値を基に乱数を生成する乱数生成部と、
    前記乱数生成部によって生成された前記乱数を基に評価値を設定し、複数の前記過去設計案件における値と、前記評価値とを比較し、前記過去設計案件を絞り込むことで、前記検索条件に類似している前記過去設計案件である第1類似案件を絞り込む第1類似案件抽出部と、
    前記乱数生成部及び前記第1類似案件抽出部が行う処理をN回(N>1)行い、複数の前記過去設計案件のうち、それぞれの前記過去設計案件が、前記N回のうち、何回、前記第1類似案件として絞り込まれたかを数値化した類似スコアを算出する類似スコア算出部と、
    前記類似スコアに基づいて、所定の前記過去設計案件を第2類似案件として出力部に出力する第2類似案件出力部と、
    を有することを特徴とする流用設計支援システム。
  2. 前記評価値は、前記過去設計案件を絞り込むための閾値である
    ことを特徴とする請求項1に記載の流用設計支援システム。
  3. 前記過去設計案件の情報は、値が格納されている複数の過去設計案件項目を含んでおり、
    前記検索条件は、前記過去設計案件の情報における、少なくとも一部の前記過去設計案件項目を検索項目として含むとともに、それぞれの前記検索項目に、前記設計案件の値が格納されており、
    前記第2類似案件において、前記検索項目に該当する前記過去設計案件項目の値を説明変数とし、前記第2類似案件において、前記説明変数となった前記過去設計案件項目以外の前記過去設計案件項目の値である設計仕様値を目的変数とし、前記説明変数及び前記目的変数を基に学習モデルを生成する学習部と、
    前記学習モデルに、前記検索条件に含まれる値を適用することにより、前記設計案件における前記設計仕様値を推定する設計案件仕様推定処理部と、
    を有する請求項1に記載の流用設計支援システム。
  4. 前記過去設計案件の情報は、値が格納されている複数の過去設計案件項目を含んでおり、
    前記検索条件は、前記過去設計案件の情報における、少なくとも一部の前記過去設計案件項目を検索項目として含むとともに、それぞれの前記検索項目に、前記設計案件の値が格納されており、
    前記第1類似案件抽出部は、
    前記検索項目を座標軸として、
    複数の前記過去設計案件のそれぞれにおいて、前記検索項目に対応する前記過去設計案件項目の値を前記座標軸による座標にプロットし、
    前記検索条件における値を前記座標にプロットし、
    前記座標にプロットされた前記検索条件における値と、前記座標にプロットされた前記過去設計案件の情報における値との、前記座標での距離が前記評価値として算出され、
    前記距離を基に、前記過去設計案件を絞り込み、
    前記乱数生成部が生成する前記乱数は、所定の前記座標軸における前記距離を大きくする重み付けの値である
    ことを特徴とする請求項1に記載の流用設計支援システム。
  5. 絞り込まれた前記過去設計案件に基づいて設計された設計値と、前記第2類似案件における前記設計値に対応する値とを比較可能な態様で表示する比較表示部
    を有することを特徴とする請求項1に記載の流用設計支援システム。
  6. 過去に設計された複数の案件である過去設計案件のうち、これから設計する案件である設計案件と類似した前記過去設計案件を検索するための検索条件として、前記設計案件の値が情報として入力される検索条件入力ステップと、
    前記検索条件に含まれる値を基に乱数を生成する乱数生成ステップと、
    前記乱数生成ステップによって生成された前記乱数を基に評価値を設定し、複数の前記過去設計案件における値と、前記評価値とを比較し、前記過去設計案件を絞り込むことで、前記検索条件に類似している前記過去設計案件である第1類似案件を絞り込む第1類似案件抽出ステップと、
    前記乱数生成ステップ及び前記第1類似案件抽出ステップをN回(N>1)行い、複数の前記過去設計案件のうち、それぞれの前記過去設計案件が、前記N回のうち、何回、前記第1類似案件として絞り込まれたかを数値化した類似スコアを算出する類似スコア算出ステップと、
    前記類似スコアに基づいて、所定の前記過去設計案件を第2類似案件として出力部に出力する第2類似案件出力ステップと、
    が実行されることを特徴とする流用設計支援方法。
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