JP7273393B2 - 血液疾患の予後予測情報の生成システム、情報処理装置、サーバ、プログラム、又は方法 - Google Patents

血液疾患の予後予測情報の生成システム、情報処理装置、サーバ、プログラム、又は方法 Download PDF

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Description

本出願において開示された技術は、移植情報提供システム、装置、プログラム、方法に関する。
近年、機械学習の進展が著しく、機械学習を種々の技術に適用する研究がされている。例えば、以下の特開2018-504674号公報(特許文献1)、特開2008-65836号公報(特許文献2)、特開2016-146039号公報(特許文献3)などは、機械学習に関する。
特開2018-504674号公報 特開2008-65836号公報 特開2016-146039号公報 特開2018-517421号公報
Biol. Blood Marrow Transplant,(2018), Vol. 24, pp. 1299 to 1306 https://blog.datarobot.com/jp/machine-learning-for-survival-analysis
しかしながら、機械学習は万能ではなく、その具体的適用においては種々の困難があり、また、利用者の便宜になるように適切に移植情報を提供できるものではなかった。そこで、本発明の様々な実施形態により、適切に移植情報を提供可能なシステム、装置、プログラム又は方法を提供する。
本願発明の一態様に係る第1システムは、
患者に係る基本情報と、患者に係る事前処置情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習した学習器と、
ドナーに係る情報を備えるデータベースと、
第1の患者に係る基本情報及び第1の患者に係る事前処置情報を取得する取得部と、
前記第1の患者に係る基本情報と、前記第1の患者に係る事前処置情報と、前記データベースから取得したドナーに係る情報を用いて、第1の患者に係る適用データを生成する第1生成部と、
前記適用データを、前記学習した学習器に適用して、前記第1の患者に対応する、移植予後の結果を含む移植候補情報を生成する第2生成部と、
を備える移植情報提供システム。
患者に係る事前処置情報は、移植目的で事前に患者に対して施される処置の情報であってよい。第1の患者に係る適用データは、第1の患者に係る情報と、ドナーの情報とを関連付けることによって、仮想的に第1の患者がドナー情報を適用した場合の情報を生成することが想定されてよい。学習器は、当該適用データに対して、移植予後の結果を推定してよい。移植候補情報は、移植の候補として提示されることが想定される情報であり、提示される態様に応じて適宜加工されてよい。
本態様のシステムは、移植情報の候補を生成するにあたり、学習済みの学習器に与える入力情報として、上述の患者に係る基本情報と、患者に係る事前処置情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係として情報処理を行うことにより、学習済みの学習器に入力情報を与えることに成功し、もって過去の移植情報を学習器内で有効活用し、高精度の移植候補情報の提供を実現させた技術である。
本願発明の一態様に係る第2システムは、
前記第1生成部は、前記第1の患者に係る基本情報と、前記データベースから取得したドナーに係る情報とを用いて、前記第1の患者と前記ドナーの関係に係る情報を生成し、前記第1の患者に係る適用データは、生成された前記第1の患者と前記ドナーの関係に係る情報を含む、第1システム。本形態のシステムは、適用データを、第1の患者に係る情報と、複数のドナーの夫々とを関連付けることにより、学習器に入力可能なデータ構成を実現できた。
本願発明の一態様に係る第3システムは、
前記移植予後の結果は、生存日数、再発に係る情報、又は、合併症に係る情報を含み、
前記移植候補情報は、生存日数、再発に係る情報、又は、合併症に係る情報、を含み、
表示装置において、所定の順序で順位付けされて表示されるために、前記移植候補情報を前記表示装置に送信する送信部を含む、
第1又は第2システム。生存日数、再発に係る情報、又は、合併症に係る情報を用いて、順位付けされることにより、より移植に適した情報を優先的に閲覧可能な情報を生成できる。なお、順位付けされて表示される移植候補情報は、全てのドナーに係る移植予後の結果を含んでもよいし、一部のドナーに係る移植予後の結果のみでもよい。表示装置に送信される移植候補情報が、一部のドナーに係る移植予後の結果の場合、送信データ量が少ない利点がある。
本願発明の一態様に係る第4システムは、
前記移植予後の結果は、合併症の種類を含み、
前記移植候補情報は、合併症の種類を含む、
第1乃至第3のいずれか一のシステム。移植候補情報に合併症が含まれることにより、同じ生存日数程度が予測される場合においても、より生活の質を考慮した移植対象の候補を提供可能である利点がある。
本願発明の一態様に係る第5システムは、
前記第1患者に対して移植されたドナーに係る情報と、前記第1患者と前記移植されたドナーの関係に係る情報と、前記第1患者に対する移植の移植予後の結果と、を含む第1患者移植情報を取得する取得部と、
前記第1の患者に係る基本情報と、前記第1の患者に係る事前処置情報と、前記第1患者移植情報と、を関連付けて、前記学習器を学習させる学習部と、
を備えた第1乃至第4のいずれか一のシステム。新たに移植された情報を用いて学習器を再学習することにより、より高精度に移植候補情報を提供できる利点がある。
本願発明の一態様に係る第6システムは、
前記学習部は、前記取得部が、前記第1患者移植情報を所定の数以上取得した場合に、学習させる、第5システム。一定数の移植候補情報を取得した上で再学習することにより、効率的に再学習できる利点がある。
本願発明の一態様に係る第7システムは、
ドナーに係る情報を備えるデータベースと、
第1の患者に係る基本情報及び第1の患者に係る事前処置情報を取得する第1取得部と、
前記第1の患者に係る基本情報と、前記第1の患者に係る事前処置情報と、前記データベースから取得したドナーに係る情報を用いて、第1の患者に係る適用データを生成する第1生成部と、
患者に係る基本情報と、患者に係る事前処置情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習した学習器に、伝達された前記適用データが適用されることで生成された、前記第1の患者に対応する、移植予後の結果を含む移植候補情報を取得する第3取得部と、
を備える移植情報提供システム。
本願発明の一態様に係る第8システムは、
第1の患者に係る基本情報及び第1の患者に係る事前処置情報を取得する第1取得部と、
ドナーに係る情報を取得する第2取得部と、
前記第1の患者に係る基本情報と、前記第1の患者に係る事前処置情報と、前記取得したドナーに係る情報を用いて、第1の患者に係る適用データを生成する第1生成部と、
患者に係る基本情報と、患者に係る事前処置情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習した学習器に、伝達された前記適用データが適用されることで生成された、前記第1の患者に対応する、移植予後の結果を含む移植候補情報を取得する第3取得部と、
を備える移植情報提供システム。
本願発明の一態様に係る第9方法は、
コンピュータが、
患者に係る基本情報と、患者に係る事前処置情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習するステップと、
第1の患者に係る基本情報及び第1の患者に係る事前処置情報を取得するステップと、
ドナーに係る情報を取得するステップと、
前記第1の患者に係る基本情報と、前記第1の患者に係る事前処置情報と、前記ドナーに係る情報を用いて、第1の患者に係る適用データを生成するステップと、
前記適用データを、前記学習した学習器に適用して、前記第1の患者に対応する、移植予後の結果を含む移植候補情報を生成するステップと、
を実行する移植情報提供方法。
本願発明の一態様に係る第10方法は、
前記第1の患者に係る適用データを生成するステップは、前記第1の患者に係る基本情報と、前記ドナーに係る情報とを用いて、前記第1の患者と前記ドナーの関係に係る情報を生成するステップを含み、
前記第1の患者に係る適用データは、生成された前記第1の患者と前記ドナーの関係に係る情報を含む、第9方法。
本願発明の一態様に係る第11方法は、
コンピュータが、前記第1患者に対して移植されたドナーに係る情報と、前記第1患者と前記移植されたドナーの関係に係る情報と、前記第1患者に対する移植の移植予後の結果と、を含む第1患者移植情報を取得するステップ、
を実行する第9又は第10方法。移植情報を取得して登録することにより、移植情報の管理を容易にする利点がある。
本願発明の一態様に係る第12方法は、
コンピュータが、前記第1の患者に係る基本情報と、前記第1の患者に係る事前処置情報と、前記第1患者移植情報と、を関連付けて、前記学習器に学習させるステップ、
を実行する第11方法。
本願発明の一態様に係る第13方法は、
コンピュータが、
第1の患者に係る基本情報及び第1の患者に係る事前処置情報を取得する第1取得ステップと、
ドナーに係る情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1の患者に係る基本情報と、前記第1の患者に係る事前処置情報と、取得した前記ドナーに係る情報を用いて、第1の患者に係る適用データを生成する第1生成ステップと、
患者に係る基本情報と、患者に係る事前処置情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習した学習器に、伝達された前記適用データが適用されることで生成された、前記第1の患者に対応する、移植予後の結果を含む移植候補情報を取得する第3取得ステップと、
を実行する移植情報提供方法。
本願発明の一態様に係る第14プログラムは、コンピュータを、第9乃至第13のいずれか一の方法で動作させるプログラム。
本願発明の一態様に係る第15の生成方法は、患者情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習することにより学習済みモデルを生成する学習済みモデルの生成方法。
本願発明の一態様に係る第16のシステムは、患者情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習した学習済みモデルを有するシステム。
本願発明の一態様に係る第17のシステムは、
患者に係る基本情報と、当該患者に係る事前処置情報と、当該患者に移植したドナーに係るドナー情報と、当該患者と当該ドナーの免疫適合性を含む関係情報と、当該患者の移植予後の実績結果とを用いて生成された学習器と、
移植候補のドナーに係る候補ドナー情報を備えるデータベースと、
第1の患者に係る基本情報及び当該第1の患者に係る事前処置情報を取得する取得部と、
前記第1の患者に係る基本情報と前記データベースから取得した候補ドナー情報とを用いて、前記第1の患者に係る前記関係情報を生成する第1生成部と、
前記第1生成部で生成した関係情報と前記第1の患者に係る基本情報と前記第1の患者に係る事前処置情報とを、前記学習器に適用して、前記第1の患者に対応する、移植予後の予想結果を含む移植候補情報を生成する第2生成部と、
を備える移植情報提供システム。ここで、当該患者と当該ドナーの免疫適合性を含む関係情報とは、患者とドナーの関係に係る情報のうち、患者とドナーの間の免疫の適合性に係る関係の情報をいう。
本発明の一実施形態により、適切な移植情報を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。 図4は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。 図5は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。 図6は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。 図7は、本発明の一実施形態に係るシステムの機能例を示すブロック図である。 図8は、本発明の一実施形態に係るシステムの機械学習のパラメータ例である。 図9は、本発明の一実施形態に係るシステムの利用者によるフローの一例である。 図10は、本発明の一実施形態に係るシステムのフローの一例である。 図11は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。 図12は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面遷移を図示するものである。 図13は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面例である。 図14は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面例である。 図15は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面例である。 図16は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面例である。 図17は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面例である。 図18は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面例である。 図19は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面例である。 図20は、本発明の一実施形態に係るシステムのデータの一例である。 図21は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面例である。 図22は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面例である。 図23は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面例である。 図24は、本発明の一実施形態に係るシステムの画面例である。 図25は、本発明の一実施形態に係るシステムに関する実験のパラメータのリストである。 図26は、本発明の一実施形態に係るシステムに関する実験のパラメータのリストである。
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
1.システムの構成例
1.1.構成例1
図1は、情報処理装置10の構成を示すものであり、バス11、演算部12、記憶部13を有することができる。また、入力部14、表示部15、通信IF16を有してよい。
バス11は、演算部12、記憶部13の間の情報を伝達する機能を有する。入力部14、表示部15、通信IF16の間の情報を伝達する機能を有してよい。
演算部12は、例えばプロセッサが挙げられる。これは、CPUであってもよいし、MPUであってもよい。要するに、演算部12は、プログラムの命令を実行できる機能を有すればよい。また、機械学習部の機能を実施する演算部12は、機械学習に適した処理装置であってよく、データベースの管理やその他の管理機能を実施する演算部12は通常の演算機能を有すればよい。
記憶部13は、情報を記録する機能を有する。これは、外部メモリと内部メモリのいずれでもよく、主記憶装置と補助記憶装置のいずれでもよい。また、磁気ディスク(ハードディスク)、光ディスク、磁気テープ、半導体メモリなどでもよい。また、ネットワークを介した記憶装置、クラウド上の記憶装置などでもよい。なお、演算装置に近い位置で情報を記憶する、レジスタ、L1キャッシュ、L2キャッシュなどは、図1の模式図においては、バスを介していない点で演算部12内に含まれる場合もあるが、計算機アーキテクチャのデザインにおいて、情報を記録する装置としては、記憶部13がこれらを含んでもよい。要するに、演算部12と、記憶部13及びバス11が協調して、情報処理を実行できればよい。また、上記は、演算部12が、記憶部13に備えられたプログラムに基づいて実行される場合を記載したが、上記のバス11、演算部12と記憶部13が組み合わされた形式の一つとして、本件システムに係る情報処理を、ハードウェア回路自体を変更することができるプログラマブルロジックデバイス又は実行する情報処理が決まっている専用回路で実現されてもよい。
入力部14は、情報を入力する機能を有する。マウス、タッチパネル、ペン型の指示装置などの指示装置が挙げられる。表示部15は、例えば、ディスプレイがある。また、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどでもよい。要するに、情報を表示できる装置であればよい。また、タッチパネルのように入力部14を一部に備えてもよい。
1.2.構成例2
図2の構成例2は、ネットワークを介して、利用者端末01とサーバ202が接続できる構成とされている。ここで利用者端末は、利用者端末01aと利用者端末01bの2つの例を図示しているが、1以上のいくつの利用者端末であってもよい。利用者端末の数について、以下の各構成例において、同様である。各利用者端末は、情報処理装置10の機能を有するものであってもよいし、その一部について欠けた構成とされていてもよい。また、本例のシステムであるサーバ202は、データベースと学習器を含む構成とされている。サーバ202は、情報処理装置10と類似の機能を有するものであってもよいし、その一部について欠けた構成とされていてもよいし、その一部について機能が強化されたものであってもよい。例えば、記憶装置や演算装置などは、データベースや学習器に関する情報処理を実施できる構成とされていてよい。
1.3.構成例3
図3の構成例3は、ネットワークを介して、利用者端末01とサーバ302と学習器04とが接続できる構成とされている。本例のシステムであるサーバ302は、データベースを含む構成とされている。学習器は、例えば、クラウド上のシステムや、別のサーバ上に構築されているなどの例が考えられる。かかる構成であっても、サーバ302が、学習された学習器を適用する場合、又は、学習器を学習する場合に、学習器04にアクセス可能とされている。
1.4.構成例4
図4の構成例4は、ネットワークを介して、利用者端末01とサーバ402とデータベース03とが接続できる構成とされている。本例のシステムであるサーバ402は、学習器を含む構成とされている。本図においては、データベースが、データベース03aとデータベース03bの2つが図示されているが、1以上のいくつのデータベースであってもよい。サーバ402は、これらのデータベースの一つにアクセスしてもよいし、複数にアクセスしてもよい。サーバ402は、複数のデータベースとして、一部のデータベースにアクセスしてもよいし、全部のデータベースにアクセスしてもよい。データベース03は、情報処理装置10と類似の機能を有するものであってもよいし、その一部について欠けた構成とされていてもよいし、その一部について機能が強化されたものであってもよい。なお、本図はデータベースがネットワークを介して接続可能な状態が図示されているが、サーバ内にデータベースの一部を有していてもよい。データベースは、後述のとおり、ドナーに係る情報や患者に係る情報であってよい。これらのデータベースは、例えば、病院が有するドナーの情報に係るデータベース、ドナーに関する情報を収集する団体が保有するデータベースなどが挙げられる。
1.5.構成例5
図5の構成例5は、ネットワークを介して、利用者端末01とサーバ502とデータベース03と、学習器04とが接続できる構成とされている。学習器04は、情報処理装置10と類似の機能を有するものであってもよいし、その一部について欠けた構成とされていてもよいし、その一部について機能が強化されたものであってもよい。なお、本図はデータベースがネットワークを介して接続可能な状態が図示されているが、サーバ内にデータベースの一部を有していてもよい。
1.6.構成例6
図6の構成例6は、ネットワークを介して、利用者端末01とサーバ602とデータベース03と、学習器04とが接続できる構成とされている。本図においては、学習器が、学習器04aと学習器04bの2つが図示されているが、1以上のいくつの学習器であってもよい。なお、本図はデータベースがネットワークを介して接続可能な状態が図示されているが、サーバ内にデータベースの一部を有していてもよい。
複数の学習器は種々の実装がされてよい。例えば、これら複数の学習器が、同等の機能を有する学習器であってもよい。この場合分散処理が可能となり堅牢なシステムとなる効果がある。
また、これら複数の学習器が、異なる機能を有する学習器であってもよい。例えば、特定のパラメータに関して特化された学習器であってもよい。この場合、前記特化されたパラメータに関してより信頼性の高い学習と結果の生成ができる可能性が高くなる利点がある。パラメータとしては、例えば、特定の疾病に特化すること、特定の患者に特化することなどが挙げられる。
また、複数の学習器が、異なる機能を有する学習器において、異なる学習方法により実装されたものであってもよい。これにより、同一の入力に対する各学習器の出力において、その出力結果の同一性を考慮することにより、信頼性を検証可能となる利点がある。
2.情報処理装置内の各部とその機能
次に、本システムにおける機能について説明する。各機能は、上述のシステムの各ハードウェアに割り当てられるものである。本システムは、必ずしも以下で述べる全ての機能が実装される必要はないが、システムの一例は、図7のように、機械学習部71、患者部72、ドナー部73を有してよい。
2.1.機械学習部71
機械学習部は、学習データにより機械学習された学習器を備え、予後の結果を含む移植候補情報を生成する機能を有する。例えば、機械学習部は、患者に係る基本情報と、患者に係る事前処置情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係情報と、移植予後の結果と、の学習された関係を用いて、患者に係る基本情報と、患者に係る事前処置情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係情報とから、対応する移植予後の結果に係る情報である移植候補情報を生成してよい。なお、本願書類において、患者に係る基本情報と、患者に係る事前処置情報との両方の概念を含む上位概念として、「患者に係る情報」又は「患者情報」ということもある。また、学習器が学習する際に使用される移植予後の結果を「移植予後の実績結果」ということもあり、機械学習部が与えられた患者情報に対応して生成する移植予後の結果を「移植予後の予想結果」ということもある。
また、機械学習部は、機械学習する機能を有してよい。例えば、機械学習部は、患者に係る基本情報と、患者に係る事前処置情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習する機能を有してよい。これらの、患者に係る基本情報、患者に係る事前処置情報、ドナーに係る情報、患者とドナーの関係に係る情報、移植予後の結果の下位概念として、具体的なパラメータの一例は、図8である。これらの一部又は全部が使用された入力に対して、学習済み学習器が適用されてよい。また、これらの一部又は全部を使用して、学習器を学習してよい。
上述の機械学習は、種々の手法を用いてよい。例えば、ディープラーニングを用いたニューラルネットワーク、サポートベクターマシーン、ベイジアンネットワーク、クラスタリング、などであってよい。なお、機械学習における学習済みモデルは、コンピュータを機能させるためのものであり、プログラムである。
機械学習部は、学習器が適用される入力情報である適用データを生成してよい。適用データは、患者に係る情報と、ドナーに係る情報とから生成されてよい。
機械学習部は、ドナー部と連携し、ドナー部からドナーに係る情報を取得してよい。また、機械学習部は、患者部と連携し、患者部から患者に係る情報を取得してよい。
2.2.患者部72
患者部は、患者情報を管理する。患者部は、例えば、患者情報を受け付けて記録する機能、患者情報を受け付けて編集する機能、患者情報を表示する又は表示用の患者情報を生成する機能、を有してよい。患者部は、患者データベースを管理してよい。
2.3.ドナー部73
ドナー部は、ドナー情報を管理する。ドナー部は、例えば、ドナー情報を受け付けて記録する機能、ドナー情報を受け付けて編集する機能、ドナー情報を表示する又は表示用のドナー情報を生成する機能、を有してよい。ドナー部は、ドナーデータベースを管理してよい。
3.実施形態
次に、本発明に係る一実施例のシステムについて説明する。まず、本例のシステムの利用例を、利用者の観点で、図9を用いて、説明する。まず、主治医又はドナー機関において、ドナーの登録が行われる(901:ステップ1)。次に、医療機関において、移植を希望する患者の登録が行われる(902:ステップ2)。次に、医療機関において、その患者に適したドナーが検索される(903:ステップ3)。ここで、検索されたドナーは、機械学習された情報が用いられることにより、適切なドナーの細胞が提案されるものである。その後、ドナー機関から医療機関にドナーの細胞が送られ、医療機関において、実際にドナーの細胞を患者に移植する手術が行われる(904:ステップ4)。医療機関において、移植後、移植予後に関する情報が本例のシステムに登録される(905:ステップ5)。移植予後の情報が本例のシステムに登録されることにより、将来の患者のための移植情報の提供に役立つこととなる。
次に、上記の利用例に対応して、本システム例の観点で、図10を用いて説明する。本システム例の機械学習部が、学習データを用いて、機械学習を行う(101:ステップ1)。次に、本システム例のドナー部が、移植に関するドナー情報を登録する(102:ステップ2)。次に、移植を希望する患者に関し、本システム例の患者部が、患者情報を登録する(103:ステップ3)。また、移植を希望する患者について、本システム例の機械学習部が、移植候補情報を生成する(104:ステップ4)。移植候補情報は、表示部において、表示されてよい。また、移植後、本システム例の患者部が、移植後の情報を登録する(105:ステップ5)。そして、本システム例の機械学習部が、移植後の患者情報を用いて、継続的に機械学習を行い、持続的に精度を高める(106:ステップ6)。以下、各ステップについて、具体的に説明する。
また、以下の各ステップにおける各画面は、図11における医療機関端末31及び/又はドナー機関端末32において表示されるものである。本図は、図2乃至図6における利用者端末が、医療機関端末31とドナー機関端末32に分かれる一例を説明したものである。学習器、データベースなどは、図2乃至図6などのどのような態様であってもよい。本図においては、医療機関端末とドナー機関端末と夫々2つずつ表示しているが、これは一例である。医療機関とドナー機関は夫々、1機関であってもよいし、2以上の複数の機関であってもよい。
また、以下で説明する各画面は、医療機関端末のみで表示されるものと、ドナー機関端末のみで表示されるものと、両方の端末において表示されるものがあり、これらは図12のように整理される。医療機関端末が閲覧可能な画面と、ドナー機関端末が閲覧可能な画面は、セキュリティ技術によって互いに他の画面が閲覧できないよう構成されていてよい。また、セキュリティは、パスワードにより管理されてよい。本システム例がかかる構成を備える場合、医療機関は、患者側の情報のみを管理し、ドナー機関はドナー情報のみ管理できることにより、双方の情報の混在や移植の不正を防止できる利点がある。
なお、図12において明らかなとおり、以下で説明する図13乃至図15と図22は、ドナー機関端末において表示される画面であってよく、図16乃至図19、図21、図23及び図24は、医療機関端末において表示される画面であってよい。
ステップ1.機械学習
本システム例の機械学習部は、機械学習を行う。機械学習において使用される学習データは、患者、ドナー、移植などに関する上述の情報であってよい。
ステップ2.ドナー情報の登録
本システム例のドナー部は、ドナー情報を登録する。図13は、ドナー情報を登録する画面の一例である。ドナー登録01において、ドナーID、性別、血液型、年齢、HLAなどを入力する画面である。ドナーIDは、入力するものではなく、機械的に割り当てられるものであってよい。利用者が、入力した後、ドナー登録02を押下ることにより、ドナー情報が登録される。ドナー部は、ドナー情報として、上述のドナーに係る情報を入力できる構成とされてよい。
本システム例のドナー部は、ドナー情報を受け付けると、ドナーに関し、ドナーID、性別、血液型、年齢、HLAなどのドナーに係る情報を関連付けてデータベースに記憶してよい(「ドナーデータベース」ということもある。)。
また、本システム例のドナー部は、ドナー情報を検索する機能を有してよい。図14は、ドナー情報を検索する画面の一例である。ドナー一覧01において、検索条件に合致するドナーの一覧を表示する。検索条件は、種々の情報であってよいが、例えば、上述の各登録された情報の区分け情報(例えば、年齢であれば、20代、30代、40代など)に基づいて、検索されてよい。
また、本システム例のドナー部は、ドナー情報を編集する機能を有してよい。図15は、ドナー情報を編集する画面の一例である。ドナー情報01において、対象ドナーについて、情報を入力できる構成とされている。また、削除フラグ02があり、対象のドナーを削除することも可能とされてよい。これは、ドナーの意思やその他の事情などにより、ドナーとなることを辞める場合もあるため、辞めたドナーが検索されないようにする利点がある。確認画面03が押下されることにより、編集後の情報が表示され、閲覧者は編集後のドナー情報を確認することが可能とされてよい。
ステップ3.患者情報の登録
本システム例の患者部は、患者情報を登録する。図16は、患者情報を登録する画面の一例である。患者登録01において、患者ID、性別、血液型、年齢、HLA、症状などを入力する画面である。患者IDは、入力するものではなく、機械的に割り当てられるものであってよい。利用者が、入力した後、患者登録02を押下ることにより、患者情報が登録される。患者部は、患者情報として、上述の患者に係る基本情報を入力できる構成とされてよい。
本システム例の患者部は、患者情報を受け付けると、患者ID、性別、血液型、年齢、HLA、症状などの患者に係る基本情報を関連付けてデータベースに記憶してよい(「患者データベース」ということもある。)。
また、本システム例の患者部は、患者情報を検索する機能を有してよい。図17は、患者情報を検索する画面の一例である。患者一覧01において、検索条件に合致する患者の一覧を表示する。検索条件は、種々の情報であってよいが、例えば、上述の各登録された情報の区分け情報(例えば、血液型であれば、A、B、Oなど)に基づいて、検索されてよい。
また、本システム例の患者部は、患者情報を編集する機能を有してよい。図18は、患者情報を編集する画面の一例である。患者情報01において、対象患者について、情報を入力できる構成とされている。また、削除フラグ02があり、対象の患者を削除することも可能とされてよい。これは、患者がシステムからの脱退の意思を示した場合や移植前に死亡した場合などがあるためである。確認画面03が押下されることにより、編集後の情報が表示され、閲覧者は編集後の患者情報を確認することが可能とされてよい。本システム例の患者部は、患者情報を編集する機能は、移植前の患者のみに限定してもよく、移植後の患者について編集できないよう構成されてよい。これは、移植した患者については、どのような結果であってもその結果は貴重な情報であり、本システム内に登録されることにより、将来の他の患者に対する移植を予測する貴重な情報となるためである。このように本システム例の患者部が、移植後の患者に係る情報の編集を禁止する構成とされる場合、移植に関する貴重な情報を保持できる利点がある。また、移植後の患者に係る情報の編集が禁止された上で、当該移植後の患者に係る情報が再学習に使用されることで、より高精度に移植候補情報を提供できる利点がある。
ステップ4.移植候補情報の生成(学習済み学習器の適用)
次に、一の患者に対する移植候補情報の生成について説明する。図19は、一の患者に関し、患者に対する前処置の情報を入力する画面である。一の患者01は、上述の患者の検索画面から検索されてよい。前処置の情報を入力する箇所02においては、前処置となりうる情報を種々入れてよい。本図においては、大分類と中分類の情報を入力できる構成とされている。大分類と中分類の情報としては、種々の手法があってよい。例えば、骨髄破壊的前処理、強度減弱前処置、が挙げられる。
本システム例の機械学習部は、一の患者と、前記患者に対する前処置の情報を受け付けると、ドナー情報を用いて、学習済み学習器に対して入力する情報(「適用データ」ということもある)を生成する。
適用データは、例えば、次のとおり生成されてよい。まず、ドナー部はドナーに関する情報を有していることから、機械学習部は、ドナー部から、一のドナーに関するドナー情報を取得する。
次に、機械学習部は、一の患者と前記ドナー情報を用いて、患者とドナーの関係に係る情報を生成してよい。患者とドナーの関係の情報としては、上述のとおり、例えば、患者とドナーの性別の一致性(患者とドナーの性別が同じであるか、異なるか)、患者とドナーのABOの適合性(患者とドナーのABOが一致しているか、メジャーミスマッチであるか、マイナーミスマッチであるか)等の情報である。
上述の情報処理により、適用データの一例は、前記一の患者に関する基本情報と、前記一の患者に係る事前処置情報と、一のドナーに係る情報と、患者とドナーの関係の情報であってよい。当該情報が、学習済みの学習器に適用されることにより、前記一の患者と前記一のドナーに関する移植予後の結果の情報が生成される。移植予後の結果は、生存日数、再発に係る情報、及び/又は、合併症に係る情報などを有してよい。
機械学習部は、前記一のドナー以外の他のドナーについても、同様に適用データを生成し、移植予後の結果を生成してよい。機械学習部は、このように、一の患者に対して、ドナー患者の数(例えばドナー患者数がNとする)に対応する分の移植予後の結果(移植予後の結果の数は、Nとなる)を生成する。
機械学習部は、前記一の患者に対する複数のドナーの各々についての移植予後の結果を用いて、移植候補情報を生成してよい。移植候補情報は、生存日数、再発に係る情報、及び/又は合併症に係る情報が含まれてよい。これらは、移植された者のその後の生活に大きな影響がある要素である。移植候補情報は、移植予後の結果と同じデータであってもよいし、移植予後の結果のデータを加工したものであってもよい。移植候補情報の一例は、図20である。なお、本図においては、順位の情報が付加してあるが、データとしてはかかる情報はなくてもよい。また、本図においては、合併症も含まれている例を示した。
このように、本例のシステムにおいては、機械学習部が有する患者とドナーの関係の情報を用いることにより、現実に提供可能なドナー候補の中から、個別具体的な患者に、機械学習の適用という手法内で高い精度で適切なドナー情報を生成できる利点がある。これは、移植における個別化治療の一手段として位置づけられてよい。また、移植候補情報の生成にあたり、個々の医師の属人的な経験や判断に因らないため、移植医の経験不足や、判断ミスによる誤診を防止できる利点もある。
図21は、本システム例における表示の一例である。ドナー情報01として、複数のドナーの情報が表示されている。各ドナー情報として、血液型、HLA、ABO適合、HLA適合などの情報が表示されていてよい。複数のドナー情報は、移植候補情報を用いて、種々の観点で順位付けされて、表示されてよい。
例えば、移植候補情報内の生存日数を用いて、生存日数の長い順に順位付けされて、表示されてよい。移植における最大の関心事は生存日数であるため、生存日数を重視して移植候補を把握できる利点がある。
また、移植候補情報を、再発及び/又は合併症がないものに限定し、生存日数の長い順に順位付けされて、表示されてもよい。再発や合併症は生活の質に悪影響を与えることから、仮に生存日数が長いと予測される移植候補であっても、これらを生じさせる可能性のある移植候補を事前に排除できる利点がある。
また、移植候補情報について、生存日数が長い順に順位付けされ、同一の生存日数については、再発及び/又は合併症がないものからある順に順位付けされて、表示されてもよい。再発及び合併症がないことは好ましいものの、ドナーの状況によっては、同一日数である場合の順位付けを前提に、再発及び/又は合併症も検討対象とできる利点がある。
また、移植候補情報について、生存日数、再発の有無、再発の種類、合併症の有無、合併症の種類、合併症の程度、のそれぞれについて、所定の係数で重み付けした上で、指標を生成し(本願書類において、「K指標」ということもある)、指標の高い順に順位付けし、表示してもよい。なお、この場合、所定の係数としてその要素を考慮しない値(例えば0(ゼロ))が選ばれると、当該要素はないものとして扱われてよい。再発及び/又は合併症がないものに限定すると候補となるドナーが過剰に少なる可能性、合併症であっても対応できる可能性、また、再発の可能性があっても適切な治療によりリスクを低下できる可能性などから、生存日数、再発、合併症を適切なバランスの中で評価することが求められる場合もあり、重み付けによってかかる適切なバランスを実現できる利点がある。
以上のとおり、移植予後の結果は、生存日数、再発に係る情報、又は、合併症に係る情報、を含んでもよいし、生存日数、再発に係る情報、及び、合併症に係る情報、を含んでもよく、移植候補情報は、生存日数、再発に係る情報、又は、合併症に係る情報、を含んでもよいし、生存日数、再発に係る情報、及び、合併症に係る情報、を含んでもよく、表示装置において表示される情報は、生存日数、再発に係る情報、又は、合併症に係る情報、を用いて算出された順位であってもよいし、生存日数、再発に係る情報、及び、合併症に係る情報、を用いて算出された順位であってもよい。
なお、かかる重み付けの係数は、予めシステム内で設定されてもよいし、各医療位機関の医師などにより設定されるものであってもよい。なお、本願書類において、再発の有無、再発の種類の総称として、再発に係る情報ということもある。また、合併症の有無、合併症の種類、合併症の程度の総称として、合併症に係る情報ということもある。また、再発に係る情報と合併症に係る情報の総称として、合併症等に係る情報ということもある。
また、移植候補情報は、医療機関端末において順位付けされて表示されてもよいし、サーバ側で予め順位付けられた上で医療機関端末に送信されて表示されてもよい。後者においては、予め順位づけられた後の移植候補情報の一部が、医療機関端末に送信されてもよい。移植候補情報の一部としては、順位の高いものであってよい。機械学習部は、ドナーデータベース内の各ドナーと患者情報とを学習器に適用して移植予後の結果情報を生成することから、移植候補情報は、ドナー情報数分生成されえることとなり、その中で重要な情報は、移植候補情報のうち上述の順位付けがされて順位の高い一部である。そこで、順位の高い一部の移植候補情報を医療機関端末に送信してもよい。かかる場合、データの分量が減少するため、ネットワークに与える負荷も減少し、送信時間が短くなる利点がある。
ドナー情報は、複数の者が一のドナーを巡って競合する場合もある。そのため、本システム例のドナー部は、移植候補として閲覧中のドナー情報を監視する機能を有してよい。例えば、ドナー部は、一の患者についてのドナーの移植候補情報内の一のドナーが、医療機関端末に送信されることにより閲覧されている間、他の患者に関して前記一のドナーが検索されると、他の患者における移植候補情報としての前記一のドナーは、選択できない構成とされてよい。当該機能は、例えば、ドナー部が、全てのドナーについての閲覧の有無に関するデータベースを備え、閲覧中のドナーについて閲覧中であることを示すデータを有するようにし、医療機関端末から移植候補情報としてのドナーについての閲覧要請を受信すると、当該閲覧の有無に関するデータベースに問い合わせて、閲覧中であることを示すデータを有しない場合に、閲覧が許可されるような構成であってよい。当該閲覧中であることを示すデータは、閲覧開始から一定期間、閲覧中であることを示すデータとし、前記一定期間経過後には、閲覧中であることを示すデータを有しないように変更する構成としてもよい。医療機関端末において、上述のドナーを選択できないことを示す表示としては、例えば、「検討中」などのようなものであってもよい。本システム例の機械学習部が、かかる構成を備えることにより、一つしかないドナーに対して複数の者が競合した場合も、システム上適切に対応可能とできる利点がある。
なお、一の患者に対して移植候補としてのドナーが選択されると、本システム例のドナー機関端末において、ドナーの利用申請が表示されてよい。例えば、図22は、ドナー機関端末において、ドナーの利用申請があり、その利用を申請した医療機関が表示されている例である。ドナー機関端末において、「確認」ボタンが押下されることにより、当該ドナーが確定し、以後、ドナー検索されても、表示されないようにされてよい。ドナー部は、ドナー機関端末における「確認」ボタンの押下げ情報を受領すると、そのドナー情報を検索対象から除外するよう構成されてよい。本システム例がかかる構成を備えることにより、ドナーの使用が確定しているドナーが検索されないことにより、ドナーを探す医療機関において使用できないドナーを検討する必要がなくなる利点がある。
ステップ5.予後情報の取得
次に、患者に対して、ドナーの移植を行った後について説明する。図23は、移植を受けた患者について、予後情報を登録する画面の一例である。医療機関において、移植を受けた患者について、適宜、病状などの情報を入力してよい。図24は、患者情報について予後の情報を編集する一例である。血液濃度など関連する情報を入力できる構成とされてよい。本システム例は、移植を受けた患者について、移植後の合併症の情報などを受け付け、前記患者と関連付けて患者データベースに記憶するよう構成されてよい。本システム例がかかる情報を有した場合、移植予後の情報を記録でき、患者とドナーの関係の移植後の情報を関連付けて記憶することにより、将来の患者に関する移植についても、後述する機械学習を経ることで的確な情報を提供できる可能性が高まる利点がある。
ステップ6.再学習
本システム例の機械学習部は、移植後の患者情報を用いて、機械学習を行ってよい。機械学習は、所定のタイミングで行われてよい。例えば、毎日、毎週、毎月、など定期的に行ってもよいし、患者数が所定の数に到達した時点で行ってもよい。本例のシステムが、移植後の患者情報を用いて機械学習を行うことにより、より適切な移植候補を選定できるよう精度が向上する利点がある。
4.実験
次に、学習器を用いた実験について、説明する。実験では、587の移植に関する情報のうち、データの一部を学習データとして利用し、残りのデータを用いた検証を複数回行った。
4.1.実験1
実験1においては、48のパラメータを用いて行った。具体的には、1.患者に係る基本情報、2.患者に係る事前処置情報、3.ドナーに係る情報、4.患者とドナーの関係に係る情報に関するパラメータとして、図25のものを用いた。なお、学習器で学習又は適用する際は、適宜、パラメータに対応して数値化させて実験した。その結果、学習データに用いた以外の実際の移植データと、48のパラメータを用いた本システムによる機械学習を適用することで移植データを推定した結果との一致率は、0.8196であり、約8割以上の合致を確認した。機械学習された学習器を適用することにより、移植候補について、移植された場合のデータを十分に予測できる利点が確認された。
4.2.実験2
実験2においては、より少ない13のパラメータを用いて行った。具体的なパラメータは、図26のとおりである。なお、実験1と同様に、学習器で学習又は適用する際は、適宜、パラメータに対応して数値化させて実験した。その結果、学習データに用いた以外の実際の移植データと、13のパラメータを用いた本システムによる機械学習を適用することで移植データを推定した結果との一致率は、0.7450であり、約7割以上の合致を確認した。機械学習された学習器を適用することにより、より少ない13のパラメータを用いた場合にも、移植候補について、移植された場合のデータを十分に予測できる利点が確認された。
なお、本出願書類において、ドナー、患者、などの情報は、かかる情報を管理する病院、医局、クリニック、医療施設などの団体によって所有されるシステム内に保存される場合もあれば、第3者が所有するシステム(例えばクラウドシステムなど)内において、かかる団体が管理する情報であってもよい。
本明細書で説明される処理及び手順は、実施形態において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能なものである。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。また、プログラムは、記録媒体に記録されてよい。また、記録媒体は、一時的でないものであってよい。
10 情報処理装置
11 バス
12 演算部
13 記憶部
14 入力部
15 表示部
16 通信IF
20 情報処理装置
01a、01b 利用者端末
302、402、502、602 サーバ
03a、03b データベース
04 学習器
31 医療機関端末
32 ドナー機関端末
71 機械学習部
72 患者部
73 ドナー部

Claims (17)

  1. 患者情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習した学習器と、
    ドナーに係る情報を備えるデータベースと、
    第1の患者に係る患者情報を取得する取得部と、
    前記第1の患者に係る患者情報と、前記データベースから取得したドナーに係る情報を用いて、第1の患者に係る適用データを生成する第1生成部と、
    前記適用データを、前記学習した学習器に適用して、前記第1の患者に対応する、移植予後の結果を含む移植候補情報を生成する第2生成部と、
    を備える移植情報提供システム。
  2. 前記第1生成部は、前記第1の患者に係る患者情報と、前記データベースから取得したドナーに係る情報とを用いて、前記第1の患者と前記ドナーの関係に係る情報を生成し、前記第1の患者に係る適用データは、生成された前記第1の患者と前記ドナーの関係に係る情報を含む、
    請求項1に記載の移植情報提供システム。
  3. 前記移植予後の結果は、生存日数、再発に係る情報、又は、合併症に係る情報、を含み、
    前記移植候補情報は、生存日数、再発に係る情報、又は、合併症に係る情報、を含み、
    表示装置において、所定の順序で順位付けされて表示されるために、前記移植候補情報を前記表示装置に送信する送信部を含む、
    請求項1又は2に記載の移植情報提供システム。
  4. 前記移植予後の結果は、合併症の種類を含み、
    前記移植候補情報は、合併症の種類を含む、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の移植情報提供システム。
  5. 前記第1の患者に対して移植されたドナーに係る情報と、前記第1の患者と前記移植されたドナーの関係に係る情報と、前記第1の患者に対する移植の移植予後の結果と、を含む第1患者移植情報を取得する取得部と、
    前記第1の患者に係る患者情報と、前記第1患者移植情報と、を関連付けて、前記学習器を学習させる学習部と、
    を備えた請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移植情報提供システム。
  6. 前記学習部は、前記取得部が、前記第1患者移植情報を所定の数以上取得した場合に、学習させる、
    請求項5に記載の移植情報提供システム。
  7. ドナーに係る情報を備えるデータベースと、
    第1の患者に係る患者情報を取得する第1取得部と、
    前記第1の患者に係る患者情報と、前記データベースから取得したドナーに係る情報を用いて、第1の患者に係る適用データを生成する第1生成部と、
    患者情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習した学習器に、伝達された前記適用データが適用されることで生成された、前記第1の患者に対応する、移植予後の結果を含む移植候補情報を取得する第3取得部と、
    を備える移植情報提供システム。
  8. 第1の患者に係る患者情報を取得する第1取得部と、
    ドナーに係る情報を取得する第2取得部と、
    前記第1の患者に係る患者情報と、前記取得したドナーに係る情報を用いて、第1の患者に係る適用データを生成する第1生成部と、
    患者情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習した学習器に、伝達された前記適用データが適用されることで生成された、前記第1の患者に対応する、移植予後の結果を含む移植候補情報を取得する第3取得部と、
    を備える移植情報提供システム。
  9. コンピュータが、
    患者情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習するステップと、
    第1の患者に係る患者情報を取得するステップと、
    ドナーに係る情報を取得するステップと、
    前記第1の患者に係る患者情報と、前記ドナーに係る情報を用いて、第1の患者に係る適用データを生成するステップと、
    前記適用データを、前記学習した学習器に適用して、前記第1の患者に対応する、移植予後の結果を含む移植候補情報を生成するステップと、
    を実行する移植情報提供方法。
  10. 前記第1の患者に係る適用データを生成するステップは、前記第1の患者に係る患者情報と、前記ドナーに係る情報とを用いて、前記第1の患者と前記ドナーの関係に係る情報を生成するステップを含み、
    前記第1の患者に係る適用データは、生成された前記第1の患者と前記ドナーの関係に係る情報を含む、
    請求項9に記載の方法。
  11. コンピュータが、
    前記第1の患者に対して移植されたドナーに係る情報と、前記第1の患者と前記移植されたドナーの関係に係る情報と、前記第1の患者に対する移植の移植予後の結果と、を含む第1患者移植情報を取得するステップ、
    を実行する請求項9又は10に記載の方法。
  12. コンピュータが、
    前記第1の患者に係る患者情報と、前記第1患者移植情報と、を関連付けて、前記学習器に学習させるステップ、
    を実行する請求項11に記載の方法。
  13. コンピュータが、
    第1の患者に係る患者情報を取得する第1取得ステップと、
    ドナーに係る情報を取得する第2取得ステップと、
    前記第1の患者に係る患者情報と、取得した前記ドナーに係る情報を用いて、第1の患者に係る適用データを生成する第1生成ステップと、
    患者情報と、ドナーに係る情報と、患者とドナーの関係に係る情報と、移植予後の結果と、の関係を学習した学習器に、伝達された前記適用データが適用されることで生成された、前記第1の患者に対応する、移植予後の結果を含む移植候補情報を取得する第3取得ステップと、
    を実行する移植情報提供方法。
  14. コンピュータを、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の方法で動作させるプログラム。
  15. 患者に係る基本情報と、当該患者に係る事前処置情報と、当該患者に移植したドナーに係るドナー情報と、当該患者と当該ドナーの免疫適合性を含む関係情報と、当該患者の移植予後の実績結果とを用いて生成された学習器と、
    移植候補のドナーに係る候補ドナー情報を備えるデータベースと、
    第1の患者に係る基本情報及び当該第1の患者に係る事前処置情報を取得する取得部と、
    前記第1の患者に係る基本情報と前記データベースから取得した候補ドナー情報とを用いて、前記第1の患者に係る前記関係情報を生成する第1生成部と、
    前記第1生成部で生成した関係情報と前記第1の患者に係る基本情報と前記第1の患者に係る事前処置情報とを、前記学習器に適用して、前記第1の患者に対応する、移植予後の予想結果を含む移植候補情報を生成する第2生成部と、
    を備える移植情報提供システム。
  16. 前記移植情報提供システムは、演算部を備える、
    請求項1乃至8及び15のいずれか一項に記載の移植情報提供システム。
  17. 前記コンピュータは、演算部を備える、
    請求項9乃至13のいずれか一項に記載の方法。
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