JP7272712B2 - 感温ファントム及びこれを用いた超音波評価装置 - Google Patents

感温ファントム及びこれを用いた超音波評価装置 Download PDF

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Description

感温ファントム及びこれを用いた超音波評価装置に関する。
電気抵抗又は色相に基づいて温度を測定する温度センサを備えるので、再現性が高く、2次元又は3次元の温度上昇又は温度分布を簡便に測定することができる超音波診断システムを提供することを課題として、生体内温度上昇を模擬するファントムと、ファントムの内部に分布し電気抵抗又は色相に基づいて温度を測定する温度センサとを備える超音波診断システムに関する、公報開示の技術が存在する(特許文献1)。
強力集束超音波(High Intensity Focused Ultrasound:HIFU)曝露中の3次元温度分布の評価に存在する限界の克服を課題として、温度に依存する反射スペクトルを放出するマイクロカプセル化サーモクロミック液晶を含む光学的に透明な温度感受性ファントムを作製し、光シート法を用いて3次元温度分布を可視化し、HIFU曝露中の光学ファントムの温度分布を0.6℃の誤差で決定したシステムにおいて、異なる焦点合わせを用いてHIFU曝露によって誘起される温度分布を可視化した、技術が存在する(非特許文献1)。
感温液晶が温度により色を変える全温度領域で、3原色の各輝度から温度を直接求めるようにし、計測温度領域の拡大と精度向上を図ることを課題として、感温液晶が温度に応じて色を変える全温度領域を、感温液晶の3原色の輝度値と温度の関係が単調増加関数あるいは単調減少関数となる連続した多数の温度領域に区分し、各温度領域における3原色の輝度値範囲をそれぞれ求めておき、感温液晶で実際に得られた3原色の各輝度値を、各温度領域における3原色の輝度値範囲と対比して、3原色共に完全に対応し1対1の関係にある特定温度領域を決定し、該特定温度領域内で輝度値からの線形補間によって直接的に温度を演算する、感温液晶を用いる温度計測方法に関する、公報開示の技術が存在する(特許文献2)。
特開2013-85898号公報 特許3553048号公報
岩橋敏秀、他8名、「Visualization of Temperature Distribution around Focal Area and Near Fields of High Intensity Focused Ultrasound Using a 3D Measurement System」、Advanced Biomedical Engineering、日本、2018年2月2日、7巻、1-7頁
ここで、温度変化によって色相が変化するサーモクロミズム効果によって色相を変調させ、温度分布を測定する従来の温度測定方法では、ある面のみを選択的に抽出して色相を検出することはなかった。
また、透明ファントムに感温素材を練りこんで、ガルバノスキャン技術によりシート光を走査して3次元情報を取得し、感温素材の色調変調により3次元の温度測定を検出する技術では、素材の感温範囲が10℃程度で狭かった。
更に、感温液晶から色調変調する方法では、各温度領域における3原色(R,G,B)の輝度値範囲と対比して、3原色共に完全に対応し1対1の関係にある特定温度領域を決定し、特定温度領域内で輝度値からの線形補間によって直接的に温度を演算する感温液晶を用いていた。
ところで、強力な超音波を生体に対して集束して照射することで生体内組織の温度を上昇させ、組織を焼灼する等の治療を行う超音波治療機器は広く普及している。そして、超音波を受けて生体内の温度上昇を把握するために、生体組織の温度上昇を模擬するファントムも知られている。ファントムは生体内の超音波伝播特性を模擬しており、ファントム素材の代表的特性は例えばIEC61391-2に示されている。ファントム内部の温度分布を計測する方法として、温度変化によりファントムの色が変化するサームクロミズム効果(フォトクロミズム効果)を利用して、ファントムの色相を測定し、測定した色相に基いてファントムの温度を計測する技術も知られている。
強力集束超音波(HIFU)を採用した超音波治療機器等を使用する手術の準備段階、或いは、HIFUを採用する各種の超音波出力機器を製造・出荷する過程で、機器から出力される超音波を評価する手段として、感温素材(主にコレステリック液晶等)を透明なファントムに混ぜ込んだ感温ファントムの採用の可否に関する研究開発が行われている。また、近年、超音波診断分野においても、超音波診断探触子により超音波を集束させた比較的高強度の音響放射力パルスを用いて組織性状(硬さ等)を診断する技術が普及し、その音響放射力パルスの生体内の不必要な温度上昇を簡便に評価する手法が広く求められている。
透明なファントムに微量の感温素材を混ぜると半透明となるが、超音波を受けて発熱する感温素材(ファントム)の色相を光源と画像センサを用いて観察することで、感温ファントムの断面の温度上昇(加温状況)や温度分布を可視化できる。機器から出力される超音波の評価には、30℃~40℃程度の温度幅で温度上昇を観察する必要がある。しかし、観察に好適な透明性の維持に許容される量のコレステリック液晶では感温幅が10℃程度であり、従来の感温ファントムは10℃の感温幅(例えば40~50℃、50~60℃等の温度範囲)しか可視化できないという課題があった。多種類の温度範囲(40~50℃、50~60℃等)の感温素材を混ぜることで広範囲の温度を可視化する方法も考えられるが、感温素材を多量に混ぜると感温ファントムの透明性を維持できず、断面の色変化を観察できないという課題があった。実際、透明性を確保しつつ、30~40℃の感温幅を有する感温ファントムは存在しなかった。本発明は、透明性を維持しつつ、より広い感温幅を有する感温ファントムを提供すること、及び、これを採用した超音波評価装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の感温ファントムは、
異なる感温範囲を有する複数の感温ファントム部材を備えた、感温ファントムであって、
各感温ファントム部材は、感温素材を透明なファントムに混ぜて形成されている。
請求項2に記載の感温ファントムは、請求項1に記載の感温ファントムにおいて、
前記複数の感温ファントム部材の感温範囲を連続させることで広範囲の感温範囲をカバーする。
請求項3に記載の感温ファントムは、請求項1又は2に記載の感温ファントムにおいて、
前記複数の感温ファントム部材は、前記感温ファントムの長手軸に対して軸対称に配置されている。
請求項4に記載の感温ファントムは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感温ファントムにおいて、
各感温ファントム部材は略同一形状を有する。
上記課題を解決するために、請求項5に記載の超音波評価装置は、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感温ファントムと、
前記感温ファントムに光を照射する光源と、
超音波を受けた各感温ファントム部材を撮像する画像センサと、
を備える。
請求項6に記載の超音波評価装置は、請求項5に記載の超音波評価装置において、
請求項3に記載の感温ファントムと前記光源と前記画像センサとを収納する収納ボックスを更に備え、
前記収納ボックスは、前記感温ファントムに対して超音波を出射する超音波出力子を、出射方向が前記長手軸に合致し且つ超音波が当該長手軸で集束するように収納する。
請求項7に記載の超音波評価装置は、請求項6に記載の超音波評価装置において、
前記光源は、前記長手軸に対して垂直な面状の光を照射するシート光源であり、
前記画像センサは、前記長手軸の延長線上に配置されている。
請求項8に記載の超音波評価装置は、請求項7に記載の超音波評価装置において、
前記シート光源が照射する光が超音波の集束位置付近で前記長手軸方向に移動させる移動機構を更に備える。
請求項9に記載の超音波評価装置は、請求項6に記載の超音波評価装置において、
前記光源は、前記長手軸に対して垂直な方向から各感温ファントム部材全体に光を照射し、
前記画像センサは、前記感温ファントムを挟んで前記光源とは反対側に配置されている。
請求項10に記載の超音波評価装置は、請求項7に記載の超音波評価装置において、
前記感温ファントムに対して超音波を出射する超音波出力子を、超音波の本来の出射方向を前記境界面に平行となるように維持しつつ当該超音波出力子を当該境界面に垂直な2軸(X,Y)方向に移動させる出力子移動機構を更に備える。
請求項11に記載の超音波評価装置は、請求項5乃至10のいずれか一項に記載の超音波評価装置において、
前記超音波評価装置全体が遮光されている。
本発明によれば、感温ファントムは、透明性を維持しつつ、より広い感温幅を有する。
第1実施形態に係る超音波評価装置の構成を示す概略図である。 シート光を用いる理由を説明する図である。 シート光を用いる理由を説明する図である。 図1に示す光源の移動機構を示す説明図である。 図1に示す感温ファントムの一例を示す側面図である。 超音波が出射されたときの2層の感温ファントムの色変化を説明する図である。 図1に示す感温ファントムの他の例を示す図である。 特定の分割面について、図7に示す4つの感温ファントム部材の色変化を説明する図である。 図8の分割面について、対称性を考慮して温度換算した結果を表示する図である。 図9の画像を合算して、時間:t1~t4の温度幅40℃を可視化した温度マップである。 図7に示す感温ファントムの変形例を示す図である。 第2実施形態に係る超音波評価装置の構成を示す概略図である。 超音波が非対称に出射されたときの2層の感温ファントム部材の色変化を説明する図である。 超音波が非対称に出射されたとき図7に示す4つの感温ファントム部材の色変化を説明する図である。 画像センサから見た実際の感温ファントムの写真である。(a)は実際の感温ファントムを示し、(b)は強力集束超音波(HIFU)が紙面奥から手前に照射されるときの温度変化の様子を示す。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態に係る超音波評価装置を図面を用いて以下に説明する。図1は、第1実施形態に係る超音波評価装置1の構成を示す概略図である。超音波評価装置1は、温度上昇又は温度分布を色相(色の濃淡変化及び階調変化)で示す感温ファントム10と、感温ファントム10に面状の光(シート光)を照射する光源20と、超音波照射を受けた感温ファントム10を撮像する画像センサ30と、を備え、破線で表示された遮光ボックス32に収納されて構成される。また、超音波出力機器40の探触子42が、感温ファントム10の長手軸の延長線上に配置され、超音波の出射方向が長手軸に合致するように遮光ボックス32内に収納される。探触子42は、チタン・ジルコン酸鉛(PZT)圧電材料やコンポジット圧電材料等を用いた集束型の単盤素子や、それら材料を用いた複数素子を集束型・平面型にアレイ状に配置したものを採り得る。集束型の場合は出射する超音波の集束領域(点)が、平面型の場合は各素子の超音波出射タイミング(時間)遅延調整により生成した集束領域(点)が感温ファントム10の長手軸上で集束するように配置される。また、探触子42は、超音波を感温ファントム10に良好に伝播させるために感温ファントム10に接触して配置される。超音波評価装置1はまた、光源20の長手軸方向の移動(移動機構は後述する)とスキャン、及び、画像センサ30による画像の取得を行う機器制御部50と、取得した画像から温度を換算し、温度上昇領域を2次元又は3次元画像に構成し直す演算処理部52と、感温ファントム10の温度上昇領域を表示する画像表示部54と、を有する。
ここで、感温ファントム10は、アクリルアミド、アガー(寒天)、ウレタン等の透明で生体特性に近い素材を母材とし、コレステリック液晶等の感温素材を例えば0.1%以下の濃度で混入し硬化させて形成される。光源20は、感温ファントム10内の超音波集束位置付近であって長手軸に垂直な分割面のすべてを含むように、超音波出射方向に対して垂直方向からシート光を照射する。光源20は、後述する移動機構(図示省略)によって感温ファントム10の長手軸方向に移動する。画像センサ30は、CCDやCMOS等を有して構成され、感温ファントム10の分割面(シート光照射面)の温度上昇を撮像し画像化する。超音波出力機器40は、治療や診断を目的とした医療用の超音波診断探触子の他に加湿器やセンサ用途の民生用の超音波出力機器がある。
(シート光を用いる理由)
図2及び図3は、感温ファントム10の温度分布の観察にシート光を用いる理由を説明するための図である。図2(a)は、感温ファントム10にシート光を照射したときに画像センサ30が取得する画像のイメージを示し、図2(b)は、図2(a)の画像を長手軸方向に複数取得して感温ファントム10の3次元温度分布を再構築するイメージを示す。図3は、感温ファントム10に対して通常のスポット光を正面や側面、斜め方向等から照射したときに画像センサ30が取得する画像のイメージを示す。感温ファントム10の観察にシート光を用いる場合、シート光が照射され取得される画像はシート光照射面の像だけである。その結果、照射面での感温ファントム10の温度分布を把握できる(図2(a))。この画像を感温ファントム10の長手軸方向に複数取得することで、感温ファントム10の温度分布領域を3次元で再構築できる(図2(b))。これに対して、感温ファントム10の観察に通常のスポット光を用いる場合、通常のスポット光を採用するので感温ファントム全体が照らされる。画像センサ30によって取得される画像は、感温ファントム10の長手軸方向に積層された温度分布の像である。温度分布が重複しているので、感温ファントム10の温度分布領域を3次元で把握できない(図3)。シート光を用いて感温ファントム10の長手軸方向の異なる位置で複数の分割面の画像を取得することで、感温ファントム10の温度分布領域を3次元で正確に把握できる。
(光源の移動機構)
図4は、図1に示す光源20の移動機構を示す説明図である。光源20の移動の方法として、例えば、光源20自体を直接移動させてシート光照射面を動かす方法(図4(a))、光源20の位置を固定して光の出射位置を動かしてシート光照射面を動かす方法(図4(b))が考えられる。前者では、図4(a)に示されるように、機器制御部50の制御の下、移動ステージ22により光源20を感温ファントム10の長手軸方向に移動させ、シート光照射面を動かす。後者では、図4(b)に示されるように、光源20の位置を固定し、機器制御部50の制御の下、ガルバノミラー24を感温ファントム10の長手軸方向に移動させ、シート光照射面を動かす。この他に、光源20内部のスリットを移動させる方法が考えられる(図示省略)。
(生体と感温ファントムとの換算)
生体内の振幅吸収係数αは、ピーク強度Iとおくとき、単位体積当たりの発熱量qは、
Figure 0007272712000001
とおける。また、超音波の周波数fの軟部生体組織内では、振幅吸収係数αは、
Figure 0007272712000002
と近似できる。生体内の伝熱現象は、生体熱輸送方程式(3)で記述できる。
Figure 0007272712000003
ρ,Cp,kは、生体中の密度、比熱、熱伝導率であり、Wb,cb,Tbは、血流量、血液の比熱と温度である。
強力集束超音波治療は比較的短時間で高強度の照射であることから、血流によってもたらさられる熱量は発熱量qと比べて無視できるので、式(3)は(4)のように書ける。
Figure 0007272712000004
式(4)右辺の熱伝導項の大きさが発熱量qと比べて無視できるかどうかは温度Tの分布の急峻さによるが、今、強力集束超音波焦点領域寸法をdとすると、照射時間τc
Figure 0007272712000005
より照射時間が短いとき、熱伝導kを無視することができる。よって、式(4)は下記のように近似できる。
Figure 0007272712000006
超音波照射直後の直前に対する温度上昇分ΔTは照射時間Δt(≦τc)とおくとき、
Figure 0007272712000007
と概算される。d~1mmのときは~10sとなる。
式(7)の感温ファントムの各種パラメータをΔTT,αT,ρT,CpTとし、生体の各種パラメータをΔTB、αB=X・αT,ρB=Y・ρT,CpB=Z・CpTとする。X,Y,Zは感温ファントムと生体のパラメータの各比率になる(事前に感温ファントムの各種パラメータの計測を行い、既知の生体パラメータとの比率は算出できる)。
Figure 0007272712000008
Figure 0007272712000009
事前に計測した感温ファントムのパラメータ密度ρ、比熱Cp、超音波吸収係数αの感温ファントムと、実際の既知の臓器のパラメータ(密度ρ、比熱Cp、超音波吸収係数α)との比率(X,Y,Z)が判れば、実際の生体の温度上昇も推測可能である。従来の感温ファントムは感温幅が10℃であり、実際の生体の温度上昇も生体温度上昇換算係数×10℃であるが、本発明が提案する感温ファントムは生体温度上昇換算係数×40℃(原理的には50℃、60℃も可能)となり、従来の定数倍の生体内の温度上昇を可視化できることになる。よって、本発明は、40℃幅という特定の幅に限定されるのではなく、従来の定数倍の温度幅の領域を可視化できる。
(2層化された感温ファントム)
図5は、図1に示す感温ファントムの一例を示す側面図である。感温ファントム12は、長手軸を含む水平面で重なった上下2層構造の直方体形状を有する感温ファントム部材12a,12bで構成される。上層の感温ファントム部材12aは40~50℃の第1の感温範囲を有し、下層の感温ファントム部材12bは50~60℃の第2の感温範囲を有する。探触子42は、出射する超音波が感温ファントム10の長手軸を含む水平面で集束するように配置される。図6は、探触子42から超音波が出射されたとき画像センサ30が撮像する各色変化を説明する図である。図6(a)は感温ファントム12の色の経時変化を説明する図であり、図6(b)は感温ファントム12の色変化を再構成した図である。感温ファントム部材12a,12bは、境界面(水平面)に対して面対称の位置関係にある。或いは、感温ファントム部材12a,12bは、長手軸(図の水平面の中央)に対して軸対称の位置関係にあるといえる。
ここで、2つの感温ファントム部材12a,12bは、好適には、略同一形状を有する。本明細書においてこの文脈で使用される「略同一形状」という用語は、同一形状に加えて、長手軸を含む水平面に対して面対称の位置関係にあれば、製造または他の目的のために僅かに相違する形状も含むことを意図する。好適な一実施形態では、各感温ファントム部材12a,12bは、長手軸を含む水平面に対して面対称の位置関係、又は、長手軸に対して軸対称の位置関係にあり、感温ファントムの昇温の程度やその温度分布が画像センサ(図1参照)からの観察に支障のない範囲で、長手軸から離れた周辺領域が僅かに相違する場合も含む。
また、感温ファントム12は、それぞれの感温ファントム部材12a,12bを別個に作製し、2つの感温ファントム部材12a,12bを貼り合わせる方法や、感温ファントム部材12aを作製し、母材と感温素材との混合液を感温ファントム部材12aに接する位置に配置して硬化させて感温ファントム部材12bを作製する方法で形成される。
探触子42が超音波を感温ファントム12に出射すると、超音波が集束する集束位置付近の感温ファントム12は時間を違えて色を変化し、画像センサ30が撮像する画も、図6(a)に示すように変化する。即ち、超音波を受けて感温ファントム10が昇温し始め、所定時間が経過して感温ファントム12が第1の感温範囲(40~50℃)になると、上層の感温ファントム部材12aが可視化する様が観察される。更に継続して超音波が出射されると感温ファントム10は更に昇温し、第1の感温範囲を超えて(時間:t1)第2の感温範囲(50~60℃)になり、上層の感温ファントム部材12aの色が消える一方下層の感温ファントム部材12bの可視化が観察される。更に継続して超音波が出射され感温ファントム10が更に昇温すると(時間:t2)、第2の感温範囲から更に昇温して、下層の感温ファントム部材12bは色が消える。
感温ファントム10のこの一連の色変化を、演算処理部52(図1)で再構築した図が図6(b)である。超音波が長手軸を含む水平面に対して面対称(或いは、「長手軸に対して軸対称」と言える)に出射されることを前提とする。上下2層の感温ファントム部材12a,12bが可視化する様を時間軸方向に並べ(図6(a))、画像を合成し再構築することで広い温度幅での可視化が可能になる(図6(b))。この例では感温範囲40~60℃で温度幅20℃の可視化を行っている。2つの感温ファントム部材12a,12bの感温範囲が連続しているので、感温ファントム12の一連の色変化が表示される。
超音波の出射方向が感温ファントム10の長手軸に合致するように探触子42が配置されると、超音波によって感温ファントム10の上下2層の色は長手軸を含む水平面に対して面対称に変化する。感温ファントム10の上下2層の色相が面対称にならないことが観察されるとき、探触子42は超音波を対称に出射していない。これにより、探触子42が出射する超音波の対称性を評価できる。また、感温ファントム12の昇温の経過を経時的に観察するので、探触子42の出力の継続性を評価できる。
2層化された感温ファントム12は、感温ファントム部材12a,12bが水平面に対して面対称の位置関係にある例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2つの感温ファントム部材が垂直面に対して面対称の位置関係となるように配置してもよい(図示省略)。かかる配置も、2つの感温ファントム部材が感温ファントムの長手軸に対して軸対称の位置関係にあるといえる。
超音波評価装置1は感温ファントム10と光源20と画像センサ30とが遮光ボックス32に収納されて構成される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、装置の稼働状況を観察できる透明な窓部を有する収納ボックスに、感温ファントムと光源と画像センサとが収納されて構成される超音波評価装置であってもよい。使用時に暗幕布で覆う、或いは、装置を暗室に設置する等、装置全体を遮光して稼働させることもできる。
(4つの感温範囲を有する感温ファントム)
図7は、画像センサ30から見た、図1に示す感温ファントムの他の例を示す図である。感温ファントム14は、長手中心軸を含む水平面と垂直面で4つに区分けすることができる。それぞれの区分には、同一の直方体形状だが異なる感温範囲を有する感温ファントム部材14a,14b,14c,14dが長手中心軸に対して軸対称の関係で配置される。第1の感温ファントム部材14aは40~50℃の第1の感温範囲を有し、第2の感温ファントム部材14bは50~60℃の第2の感温範囲を、第3の感温ファントム部材14cは60~70℃の第3の感温範囲を、第4の感温ファントム部材14dは70~80℃の第4の感温範囲を有する。これにより、感温ファントム14は、全体として、探触子42が出射する超音波を適切に捕捉するのに必要な感温範囲40~80℃をカバーする。
図5に示した感温ファントム12の例と同様に、探触子42(図1)が超音波を感温ファントム14に出射すると、超音波が集束する集束位置付近で4つの感温ファントム部材14a,14b,14c,14dが時間を違えて色を変化する。図8は、特定の分割面について、画像センサ30が撮像する4つの感温ファントム部材14a,14b,14c,14dの色相を説明する図である。超音波を受けて感温ファントム14が昇温し、時間の経過と共に、各々の感温ファントム部材14a,14b,14c,14dが各々の感温範囲になると可視化し、画像センサ30は、可視化した感温ファントム14を観察する(図8(a)~(d))。
超音波を受けて感温ファントム14が昇温し始め、所定時間が経過して第1の感温ファントム部材14aが第1の感温範囲(40~50℃)になると、第1の感温ファントム部材14aが可視化する様が観察される(図8(a))。継続して超音波が出射されると感温ファントム14は昇温し、第1の感温範囲を超えて(時間:t1)第2の感温範囲(50~60℃)になり、第1の感温ファントム部材14aの色が消える一方第2の感温ファントム部材14bが可視化する(図8(b))。更に継続して超音波が出射されると感温ファントム14は更に昇温し、第2の感温範囲を超えて(時間:t2)第3の感温範囲(60~70℃)になり、第2の感温ファントム部材14bの色が消える一方第3の感温ファントム部材14cが可視化する(図8(c))。更に継続して超音波が出射されると感温ファントム14は更に昇温し、第3の感温範囲を超えて(時間:t3)第4の感温範囲(70~80℃)になり、第3の感温ファントム部材14cの色が消える一方第4の感温ファントム部材14dの可視化が観察される(図8(d))。更に継続して超音波が出射され感温ファントム14が更に昇温すると(時間:t4)、第4の感温範囲から更に昇温して、第4の感温ファントム部材14dから色が消える。
画像センサ30(図1)が撮像した感温ファントム14の分割面(シート光照射面)の温度上昇画像を取得した演算処理部52(図1)は、感温ファントム14の4分割の対称性(図7)を考慮して、各分割面について画像から温度を換算し、温度上昇領域を2次元画像に構成し直す。図9は、特定の分割面について、対称性を考慮して温度換算した結果を表示する図である。図10は、特定の分割面について、図9の画像を合算し、時間:t1~t4の温度幅40℃を可視化した温度マップである。4つの感温ファントム部材14a,14b,14c,14dの感温範囲が連続しているので、感温ファントム14の一連の色変化が表示される。長手中心軸を指標にして4つの画像を合成することで、広い温度幅での可視化が可能になる。この例では感温範囲40~80℃で温度幅40℃の可視化が可能になる。探触子42が超音波を対称に出射するとき、4つの感温ファントム部材14a,14b,14c,14dの色相は長手中心軸に対して軸対称に変化する。4つの色相が軸対称にならないことが観察されるとき、探触子42は超音波を対称に出射していない。これにより、探触子42が出射する超音波の対称性を評価できる。また、感温ファントム14の昇温の経過を経時的に観察するので、探触子42の出力の継続性を評価できる。
感温ファントム14に対してシート光を照射するのは、着目面(分割面(シート光照射面))の温度上昇を可視化するためである。シート光にすることで、着目面だけ(数mmの幅はあるが)を照射することができるので、着目面の画像を画像センサ30(図1)により取得できる。図4に示す光源20の移動機構を使用して、感温ファントム14をスキャンして1面ずつ画像を撮ることで、超音波集束位置付近の3次元温度上昇を把握できる。
(変形例)
図11は、図7に示す感温ファントム14の変形例を示す図である。4種類の感温ファントム16は、同じ感温範囲を有する感温ファントム部材16aと16a,16bと16b,16cと16c,16dと16dが長手中心軸を中心として軸対称に配置される(図11(a))。探触子42が超音波を対称に出射するとき、相対する2つの感温ファントム部材16aと16a,16bと16b,16cと16c,16dと16dの色相は長手中心軸に対して軸対称に変化する(図11(b))。長手中心軸に対して軸対称にならないとき(図11(c))、探触子42は超音波を対称に出射していない。これにより、探触子42が出射する超音波の対称性を評価できる。
ここで、長手中心軸を中心として軸対称に配置された2つの感温ファントム部材16a,と16aは、「略同一形状」を有する。より詳しくは、同一形状に加えて、長手中心軸を中心として軸対称の位置関係にあり、感温ファントムの昇温の程度やその温度分布が画像センサ(図1参照)からの観察に支障のない範囲で、長手軸から離れた周辺領域が僅かに相違する場合も含む。同様に、長手中心軸を中心として軸対称に配置された感温ファントム部材16bと16b,16cと16c,16dと16dも、「略同一形状」を有する。
以上に述べたように、複数の感温ファントム素材が長手中心軸を中心として軸対称に配置されれば接触子が出射する超音波の対称性を評価できるので、感温ファントム素材の数はここで挙げた2個、4個、8個に限定されず、3個でも5個以上でもよい。また、図6や図7では感温ファントム12,14は長手軸に垂直な断面が正方形であるように示したが、これに限定されない。例えば、断面が長方形や円形等でもよい。
図7に示す感温ファントム14では、第1の感温ファントム部材14aが40~50℃の第1の感温範囲を有し、第2の感温ファントム部材14bが50~60℃の第2の感温範囲を、第3の感温ファントム部材14cが60~70℃の第3の感温範囲を、第4の感温ファントム部材14dが70~80℃の第4の感温範囲を有する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1の感温ファントム部材14aと第4の感温ファントム部材14dが40~50℃の第1の感温範囲を有し、第2の感温ファントム部材14bが50~60℃の第2の感温範囲を、第3の感温ファントム部材14cが60~70℃の第3の感温範囲を有するなど、同じ感温領域(第1の感温範囲)を長手中心軸を中心として軸対称に配置してもよい。或いは、第1の感温ファントム部材14aと第2の感温ファントム部材14bが40~50℃の第1の感温範囲を有し、第3の感温ファントム部材14cが50~60℃の第2の感温範囲を、第4の感温ファントム部材14dが60~70℃の第3の感温範囲を有するなど、同じ感温領域(第1の感温範囲)が必ずしも長手中心軸を中心として軸対称でなく隣り合った配置でも、複数の感温ファントム部材の感温範囲が連続すればよい。
(第2実施形態)
図12は、2層化された感温ファントム12の観察に好適な第2実施形態に係る超音波評価装置101の構成を示す概略図である。第1実施形態に係る超音波評価装置1との同一又は類似の要素については、同一又は類似の符号を付して説明を省略する。第1実施形態に係る超音波評価装置1は探触子42を固定して感温ファントム10の分割面を撮像するのに対して、第2実施形態に係る超音波評価装置101は、以下に述べるように、探触子42を移動させて感温ファントム12(図5)を撮像する点で相違する。超音波の出射方向の対称性が確保できない場合でも探触子42を移動させて撮像できるので有効である。超音波評価装置101は、超音波の本来の出射方向が2つの感温ファントム部材12a,12b(図5)の境界面に平行となるように探触子42を維持しつつ、探触子42を境界面に対して垂直な2軸(X,Y)方向に移動させる探触子移動機構(不図示)と、探触子42の移動を制御する移動制御部150と、を備える。
図13は、探触子42から超音波が非対称に出射されたときの画像センサ30が撮像する感温ファントム12の色変化を説明する図である。図13(a),(b)は感温ファントム12の色の経時変化を説明する図であり、図13(c)は感温ファントム12の色変化を再構成した図である。光源20が超音波の本来の出射方向に垂直な面にシート光を照射した状態で、探触子42を感温ファントム部材12aに移動する。超音波を探触子42から感温ファントム12(感温ファントム部材12a)に出射させる。超音波の集束位置付近でシート光照射面を長手軸方向に移動させて、画像センサ30で感温ファントム12(感温ファントム部材12a)をスキャンする(図13(a))。これにより、感温ファントム部材12aの3次元温度分布が可視化する。続いて、探触子移動機構(不図示)が探触子42を感温ファントム部材12bに移動させ、同様に、探触子42から感温ファントム部材12bに超音波を出射させ、超音波の集束位置付近でシート光照射面を長手軸方向に移動させて、感温ファントム部材12bをスキャンする(図13(b))。これにより、感温ファントム部材12bの3次元温度分布が可視化する。第1実施形態の場合と同様に、取得した2つの3次元温度分布を合成し再構築することで、軸非対称温度上昇領域を従来の2倍の温度幅で可視化が可能になる(図13(c))。尚、最終的に取得した温度分布を合成し再構築するので、観察を感温ファントム部材12a,12bのいずれから開始するかは問題でない。
(4つの感温範囲を有する感温ファントム)
図7に示す4つの感温範囲を有する感温ファントムを使用すれば、超音波の出射方向の対称性が確保できない超音波出力機器の探触子でも移動させて撮像することで、従来の4倍の温度幅で軸非対称温度上昇領域を可視化できる。図14は、超音波が非対称に出射されたとき図7に示す4つの感温ファントム部材の色変化を説明する図である。超音波を受けて感温ファントム14が昇温し、時間の経過と共に、各々の感温ファントム部材14a,14b,14c,14dが各々の感温範囲になると可視化し、画像センサ30は、可視化した感温ファントム14を観察する(図14(a)~(d))。光源20が超音波の本来の出射方向に垂直な面にシート光を照射した状態で、探触子42を感温ファントム部材14aに移動する。超音波を感温ファントム部材14aに出射させシート光を照射して画像センサ30がスキャンし(図14(a))、感温ファントム部材14aの3次元温度分布を可視化する。これを感温ファントム部材14b,14c,14dについて繰り返して、可視化した感温ファントム14を観察する(図14(b)~(d))。取得した4つの3次元温度分布を合成し再構築することで、軸非対称温度上昇領域を従来の4倍の温度幅で可視化が可能になる。
図7に示す、4つの感温範囲を有する感温ファントムを実際に作製した。感温ファントムの母材には熱硬化性ウレタン材料を使用した。そして、40℃~50℃の感度範囲を得るには日本カプセルプロダクツのコレステリック液晶(型番:KXN-4050)を、50℃~60℃の感度範囲には同液晶(型番:KXN-5060)を、60℃~70℃の感度範囲には同液晶(型番:KXN-6070)を、70℃~80℃の感度範囲には同液晶(型番:KXN-7080)を、それぞれ重量比で液晶/母材(ウレタン)=0.05%程度の濃度で母材に混入して硬化させ、感温ファントムを作製した。
実際に作製した感温ファントムを図15に示す。図15は画像センサ(図1参照)から見た実際の感温ファントムの写真である。(a)は実際の感温ファントムを示し、4つの感温範囲の配置は図7の配置に対応する。(b)は強力集束超音波(HIFU)が紙面奥から手前に照射されるときの温度変化の様子を示す。図15(b)に示すように、図8(a)~(d)を用いて説明した40℃~80℃までの感度範囲の変化を実際に観察できた。
〔態様1〕
異なる感温範囲を有する複数の感温ファントム部材を備えた、感温ファントムであって、
各感温ファントム部材は、感温素材を透明なファントムに混ぜて形成されている、感温ファントム。
〔態様2〕
前記複数の感温ファントム部材の感温範囲を連続させることで広範囲の感温範囲をカバーする、態様1に記載の感温ファントム。
〔態様3〕
前記複数の感温ファントム部材は、前記感温ファントムの長手軸に対して軸対称に配置されている、態様1又は2に記載の感温ファントム。
〔態様4〕
各感温ファントム部材は略同一形状を有する、態様1乃至3のいずれか一項に記載の感温ファントム。
〔態様5〕
態様1乃至4のいずれか一項に記載の感温ファントムと、
前記感温ファントムに光を照射する光源と、
超音波を受けた各感温ファントム部材を撮像する画像センサと、
を備える、超音波評価装置。
〔態様6〕
態様3に記載の感温ファントムと前記光源と前記画像センサとを収納する収納ボックスを更に備え、
前記収納ボックスは、前記感温ファントムに対して超音波を出射する超音波出力子を、出射方向が前記長手軸に合致し且つ超音波が当該長手軸で集束するように収納する、態様5に記載の超音波評価装置。
〔態様7〕
前記光源は、前記長手軸に対して垂直な面状の光を照射するシート光源であり、
前記画像センサは、前記長手軸の延長線上に配置されている、態様6に記載の超音波評価装置。
〔態様8〕
前記シート光源が照射する光が超音波の集束位置付近で前記長手軸方向に移動させる移動機構を更に備える、態様7に記載の超音波評価装置。
〔態様9〕
前記光源は、前記長手軸に対して垂直な方向から各感温ファントム部材全体に光を照射し、
前記画像センサは、前記感温ファントムを挟んで前記光源とは反対側に配置されている、態様6に記載の超音波評価装置。
〔態様10〕
前記感温ファントムに対して超音波を出射する超音波出力子を、超音波の本来の出射方向を前記境界面に平行となるように維持しつつ当該超音波出力子を当該境界面に垂直な2軸(X,Y)方向に移動させる出力子移動機構を更に備える、態様7に記載の超音波評価装置。
〔態様11〕
前記超音波評価装置全体が遮光されている、態様5乃至10のいずれか一項に記載の超音波評価装置。
1:超音波評価装置、10:感温ファントム、
12:感温ファントム、12a:上層の感温ファントム部材、12b:下層の感温ファントム部材、
14:感温ファントム、14a:第1の感温ファントム部材、14b:第2の感温ファントム部材、14c:第3の感温ファントム部材、14d:第4の感温ファントム部材、
16:感温ファントム、16a,16a,16b,16b,16c,16c,16d,16d:感温ファントム部材、
20:光源、22:移動ステージ、24:ガルバノミラー、30:画像センサ、32:遮光ボックス、40:超音波出力機器、42:探触子、50:機器制御部、52:演算処理部、54:画像表示部、
101:超音波評価装置、150:移動制御部

Claims (11)

  1. 異なる感温範囲を有する複数の感温ファントム部材を備えた、感温ファントムであって、
    各感温ファントム部材は、感温素材を透明なファントムに混ぜて形成され、感温範囲は連続しており、
    前記複数の感温ファントム部材は、前記感温ファントムの長手軸に対して軸対称に配置され、
    前記感温ファントムは、超音波が前記長手軸の方向に出射されるとき、当該超音波が当該長手軸で集束するように構成される、感温ファントム。
  2. 前記複数の感温ファントム部材は、広範囲の感温範囲をカバーする、請求項1に記載の感温ファントム。
  3. 各感温ファントム部材は略同一形状を有する、請求項1又は2に記載の感温ファントム。
  4. 前記複数の感温ファントム部材は、2個または4個の感温ファントム部材である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感温ファントム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感温ファントムと、
    前記感温ファントムに光を照射する光源と、
    超音波を受けた各感温ファントム部材を撮像する画像センサと、
    前記感温ファントムに対して超音波を出射する超音波出力子と、
    を備え、
    前記超音波出力子の出射方向が前記感温ファントムの前記長手軸に合致し且つ超音波が当該長手軸で集束するように配置される、超音波評価装置。
  6. 請求項1に記載の感温ファントムと前記光源と前記画像センサと前記超音波出力子とを収納する収納ボックスを更に備える、請求項5に記載の超音波評価装置。
  7. 前記光源は、前記長手軸に対して垂直な面状の光を照射するシート光源であり、
    前記画像センサは、前記長手軸の延長線上に配置されている、請求項6に記載の超音波評価装置。
  8. 前記シート光源が照射する光が超音波の集束位置付近で前記長手軸方向に移動させる移動機構を更に備える、請求項7に記載の超音波評価装置。
  9. 前記光源は、前記長手軸に対して垂直な方向から各感温ファントム部材全体に光を照射し、
    前記画像センサは、前記感温ファントムを挟んで前記光源とは反対側に配置されている、請求項6に記載の超音波評価装置。
  10. 前記複数の感温ファントム部材が2個または4個の感温ファントム部材である前記感温ファントムに対して超音波を出射する前記超音波出力子を、超音波の本来の出射方向を前記複数の感温ファントム部材の境界面に平行となるように維持しつつ当該超音波出力子を当該境界面に垂直な2軸(X,Y)方向に移動させる出力子移動機構を更に備える、請求項7に記載の超音波評価装置。
  11. 前記超音波評価装置全体が遮光されている、請求項5乃至10のいずれか一項に記載の超音波評価装置。
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