JP7268467B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントおよびその成形品 - Google Patents
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前記強化繊維が炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維のから選ばれる少なくとも1種であり、
前記熱可塑性樹脂がポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)、液晶ポリマー樹脂(LCP)から選ばれる少なくとも1種であるとともに、
前記繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントが下記(a)~(c)の条件を満たし、
(a)繊維強化熱可塑性樹脂フィラメント中の強化繊維の重量割合が20~80%、熱可塑性樹脂の体積割合が80~20%
(b)繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの厚みが0.01~3mm
(c)繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントに含まれるフィラメント長が1m以上
曲げ剛性が1N・m 2 以下であり、
下記方法によって評価される強化繊維の分散パラメータdが30%以上90%未満であり、断面形状が円形、楕円形、四角形、星形のいずれかの形状である繊維強化熱可塑性樹脂フィラメント。
(i)該繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの配向方向とほぼ垂直な全領域を含む横断面写真を撮影する。
(ii)該横断面写真を式(1)で規定された一辺の長さを有する正方形ユニットに分割する。
(iii)式(2)で定義する分散パラメータdを算出する。
1.5a≦t≦2.5a (a: 繊維直径、t: ユニットの一辺の長さ) (1)分散パラメータd=区画内に強化繊維が含まれるユニットの個数(断面写真を分割した際には一枚に連結した写真に強化繊維が含まれるユニットの個数の合計)/フィラメント若しくはフィラメントの一部を含むユニット全体の個数(断面写真を分割した際には一枚に連結した写真に含まれるフィラメント若しくはフィラメントの一部を含むユニット数の合計)×100 (2)
[2]前記繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの最外層に熱可塑性樹脂層が被覆されてなる[1]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂フィラメント。
[3] [1]または[2]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントからなる成形品。
Vf(体積%)=(W1/ρf)/{W1/ρf+(W0-W1)/ρ1}×100・・・(3)
ρf:強化繊維の密度(g/cm3)
ρr:熱可塑性樹脂の密度(g/cm3)
(i)繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの配向方向とほぼ垂直な全領域を含む横断面を撮影する。
(ii)該横断面写真を式(1)で規定された一辺の長さを有する正方形ユニットに分割する。
(iii)式(2)で定義する分散パラメータdを算出する。
1.5a≦t≦2.5a (a:繊維直径、t:ユニットの1辺の長さ) (1)
分散パラメータd=区画内に強化繊維が含まれるユニットの個数/ユニット全体の個数 ×100 (2)
試料である繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントを、エポキシ樹脂「エポクイック」(登録商標:ビューラー社製)に埋め込み、室温で24時間硬化させた後、繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントにおける強化繊維の配向方向にほぼ垂直な横断面を研磨し、次いで研磨面を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VHX-6000(コントローラー部)/VH-ZST(測定部)((株)キーエンス製)で、位置を変えながら撮影する。
各実施例および比較例により得られた繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの体積含有率Vfは、繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの質量W0を測定したのち、該繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントを空気中500℃で30分間加熱して熱可塑性樹脂成分を焼き飛ばし、残った強化繊維の質量W1を測定し、式(3)により算出した。
Vf(体積%)=(W1/ρf)/{W1/ρf+(W0-W1)/ρ1}×100・・・(3)
ρf:強化繊維の密度(g/cm3)
ρr:熱可塑性樹脂の密度(g/cm3)
各実施例および比較例により得られた繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの断面を以下のように観察した。繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントをエポキシ樹脂で包埋したサンプルを用意し、繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの断面が良好に観察できるようになるまで、前記サンプルを研磨した。研磨したサンプルを、超深度カラー3D形状測定顕微鏡VHX-6000(コントローラー部)/VH―ZST(測定部)((株)キーエンス製)を使用して、拡大倍率400倍で撮影した。撮影範囲は、繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの厚みの範囲とした。
(i)繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの配向方向とほぼ垂直な全領域を含む横断面を撮影する。
(ii)該横断面写真を式(1)で規定された一辺の長さを有する正方形ユニットに分割する。繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントが1枚の写真に収まらない際には、分割して撮影すること。
(iii)式(2)で定義する分散パラメータdを算出する。
1.5a≦t≦2.5a (a:繊維直径、t:ユニットの1辺の長さ)・・・(1)
分散パラメータd=区画内に強化繊維が含まれるユニットの個数(断面写真を分割した際には同一断面内のユニット数の合計)/繊維束内若しくは繊維束の一部を含むユニット全体の個数(断面写真を分割した際には同一断面内のユニット数の合計)×100・・・(2)
試料である繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントを、エポキシ樹脂に埋め込み、室温で24時間硬化させた後、繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントにおける強化繊維の配向方向にほぼ垂直な横断面を研磨し、次いで該研磨面を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VHX-6000(コントローラー部)/VH-ZST(測定部)((株)キーエンス製)で撮影した。
各実施例および比較例により得られた繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの曲げ剛性は下記(1)式により算出した。
曲げ剛性=E×I (5)
にて計算した。ここで、
E:繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの曲げ弾性率
I:断面二次モーメント
である。
各実施例および比較例により得られた繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの取り扱い性は繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントを内径150mmのロールに巻き付け、巻き付けた繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの折れやたるみを判断基準とし、以下の2段階で評価し、〇を合格とした
〇:折れ、たわみなし
×:折れ、たわみあり
実施例および比較例において、原料は以下に示すものを用いた。
炭素繊維束 :東レ(株)製 PAN系炭素繊維“トレカ(登録商標)”
熱可塑性樹脂
〔a〕:東レ(株)製 ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂“トレリナ(登録商標)”
〔b〕:ビクトレックス・ジャパン(株)製 ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂“VICTREX(登録商標)”
〔c〕:アルケマ(株)製 ポリエーテルケトンケトン(PEKK)“KEPSTAN(登録商標)”
〔d〕:サビック(株)製 ポリエーテルイミド(PEI)“ULTEM(登録商標)”
Claims (3)
- 連続した強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させた繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントであって、
前記強化繊維が炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維のから選ばれる少なくとも1種であり、
前記熱可塑性樹脂がポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)、液晶ポリマー樹脂(LCP)から選ばれる少なくとも1種であるとともに、
前記繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントが下記(a)~(c)の条件を満たし、
(a)繊維強化熱可塑性樹脂フィラメント中の強化繊維の重量割合が20~80%、熱可塑性樹脂の体積割合が80~20%
(b)繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの厚みが0.01~3mm
(c)繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントに含まれるフィラメント長が1m以上
曲げ剛性が1N・m 2 以下であり、
下記方法によって評価される強化繊維の分散パラメータdが30%以上90%未満であり、断面形状が円形、楕円形、四角形、星形のいずれかの形状である繊維強化熱可塑性樹脂フィラメント。
(i)該繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの配向方向とほぼ垂直な全領域を含む横断面写真を撮影する。
(ii)該横断面写真を式(1)で規定された一辺の長さを有する正方形ユニットに分割する。
(iii)式(2)で定義する分散パラメータdを算出する。
1.5a≦t≦2.5a (a: 繊維直径、t: ユニットの一辺の長さ) (1)分散パラメータd=区画内に強化繊維が含まれるユニットの個数(断面写真を分割した際には一枚に連結した写真に強化繊維が含まれるユニットの個数の合計)/フィラメント若しくはフィラメントの一部を含むユニット全体の個数(断面写真を分割した際には一枚に連結した写真に含まれるフィラメント若しくはフィラメントの一部を含むユニット数の合計)×100 (2) - 前記繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントの最外層に熱可塑性樹脂層が被覆されてなる請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂フィラメント。
- 請求項1または2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂フィラメントからなる成形品。
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