本発明の実施形態によると、エアロゾル形成基体を収容するエアロゾル発生物品を受容するための空洞を備えるエアロゾル発生装置が提供される。装置は、リング形状を有する弾性封止要素をさらに備える。弾性封止要素は、空洞の下流端を包囲して配設される。弾性封止要素は、エアロゾル発生物品が空洞内に受容される時に、エアロゾル発生物品の近辺に構成される。弾性封止要素は、少なくとも二つの弾性封止要素を備えてもよく、弾性封止要素は、可撓性であり、かつリング形状であり、また少なくとも二つの可撓性のリング形状の弾性封止要素は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して軸方向に平行に配設され、そして反転される。
弾性封止要素は、エアロゾル発生物品の空洞の中への挿入を補助する。この点に関して、エアロゾル発生物品の挿入中に、エアロゾル発生物品は、空洞の中へと完全に中央には挿入されない、または空洞の長軸方向軸に対してわずかな傾斜を有して挿入される場合がある。弾性封止要素は、弾性封止要素の弾性の性質に起因して、中央挿入方向からのずれおよび傾斜した挿入角からのずれのうちの一方または両方を補償する場合がある。
「リング形状」という用語は、リング形状である弾性封止要素の一部分を指してもよい。特に、「リング形状」という用語は、リング形状にされている、より好ましくは、円形断面を有する、弾性封止要素の下流端面を指してもよい。
弾性封止要素は、可撓性であってもよい。弾性封止要素は、弾力性であってもよい。弾性封止要素は、中央開口を有してもよい。弾性封止要素は、エアロゾル発生物品が空洞内に受容された時、エアロゾル発生物品に圧力を印加してもよい。弾性封止要素は、エアロゾル発生物品の空洞の中への挿入中に、エアロゾル発生物品に圧力を印加してもよい。弾性封止要素は、エアロゾル発生物品の空洞の中への挿入中に、および挿入後に、エアロゾル発生物品に直に当接してもよい。弾性封止要素は、エアロゾル発生物品を完全に包囲してもよい。弾性封止要素は、エアロゾル発生物品の外周を包囲してもよい。
弾性封止要素の中央開口は、エアロゾル発生物品の外径に対応する、またはエアロゾル発生物品の外径よりわずかに小さい内径を有してもよい。エアロゾル発生物品の空洞の中への挿入中に、エアロゾル発生物品は、弾性封止要素の中央開口の内部表面をわずかに押し離してもよい。弾性封止要素の中央開口の内部表面は、その後、エアロゾル発生物品の外周をぴったりと包含してもよい。
弾性封止要素は、漏斗形状を有してもよい。弾性封止要素の中央開口は、漏斗形状を有してもよい。弾性封止要素の下流端面の上流の弾性封止要素の一部分は、漏斗形状であってもよい。リング形状部分、特に弾性封止要素のリング形状の下流端面は、弾性封止要素の漏斗形状部分に移行してもよい。漏斗形状は、エアロゾル発生物品の挿入を補助する場合がある。ユーザーは、空洞の長軸方向軸に対してオフセットを有するエアロゾル発生物品を挿入してもよい。こうしたシナリオでは、エアロゾル発生物品の上流端面は、弾性封止要素の漏斗と接触してもよい。漏斗は、エアロゾル発生物品の上流端面を弾性封止要素の中央開口に向かって案内してもよい。弾性封止要素の中央開口は、空洞の中央長軸方向軸に配設されてもよい。弾性封止要素は、エアロゾル発生物品の空洞の中への挿入中に、エアロゾル発生物品を中心に置くように構成されてもよい。
弾性封止要素は、空洞の下流端を完全に包囲してもよい。弾性封止要素は、リング形状を有してもよい。弾性封止要素は、平坦な形状を有してもよい。弾性封止要素は、弾性封止要素の漏斗形状の中央開口を除いて、平坦な形状を有してもよい。中央開口の中心は、空洞の中央長軸方向軸上に置かれてもよい。弾性封止要素は、空洞の中央長軸方向軸に本質的に垂直な平面内で延びてもよい。弾性封止要素の中央開口は、空洞の内径に対応する、または空洞の内径よりもわずかに小さい内径を有してもよい。
弾性封止要素は、弾性封止要素の可撓性の構成に起因して、傾斜した挿入角度を有するエアロゾル発生物品の挿入を可能にするように構成されてもよい。弾性封止要素の可撓性の性質は、エアロゾル発生物品が傾斜した挿入角度を有して挿入された時、弾性封止要素の変形につながる場合がある。弾性封止要素は、エアロゾル発生物品を中央の向きへと押すように構成されてもよい。弾性封止要素は、エアロゾル発生物品を空洞の長軸方向軸に沿った向きへと押すように構成されてもよい。
弾性封止要素は、弾性封止要素の可撓性の構成に起因して、異なる直径を有するエアロゾル発生物品の挿入を可能にするように構成されてもよい。異なる直径を有するエアロゾル発生物品の挿入中に、弾性封止要素の中央開口は、エアロゾル発生物品の直径に従って拡張してもよい。弾性封止要素は、拡張するように構成されてもよい。弾性封止要素は、半径方向に拡張するように構成されてもよい。弾性封止要素は、半径方向外向きに拡張するように構成されてもよい。特に、エアロゾル発生物品が円筒形状を有する場合、弾性封止要素は、拡張することによってエアロゾル発生物品の異なる直径に適合させてもよい。
弾性封止要素は、グラフェン、シリコーン、プラスチック、もしくは他の適切な材料、および/またはそれらの化合物などの弾力性のある耐熱性ポリマー、または化合物材料で作製されてもよい。
弾性封止要素は、エアロゾル発生物品が空洞内に受容される時に、気流がエアロゾル発生物品を通るのを許容することを除いて、空洞を気密的に封止するように構成されてもよい。弾性封止要素の外周は、エアロゾル発生装置のハウジングに取り付けられてもよい。エアロゾル発生装置のハウジングと弾性封止要素との間の取り付けは、気密封止取り付けであってもよい。弾性封止要素の中央開口は、中央開口を通る気流を許容してもよい。しかしながら、エアロゾル発生物品の空洞の中への挿入の後、中央開口はエアロゾル発生物品によって充填されることになり、そのため空気はエアロゾル発生物品を通してのみ空洞から出る場合がある。
弾性封止要素は、少なくとも二つの可撓性のリング形状の弾性封止要素を備えてもよい。二つの可撓性のリング形状の弾性封止要素の各々は、本明細書に記載の弾性封止要素と類似して構成されてもよい。特に、二つのリング形状の弾性封止要素の各々は、漏斗形状を有してもよい。少なくとも二つの可撓性のリング形状の弾性封止要素は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に軸方向に平行に配設されてもよい。封止要素の中央軸は、装置の長軸方向軸と平行に配設されてもよい。封止要素の中央軸は、装置の長軸方向軸に沿って配設されてもよい。言い換えれば、二つの可撓性のリング形状の弾性封止要素は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行に、またはそれに沿って相互に隣接して配設されてもよい。エアロゾル発生装置の長軸方向軸は、空洞の長軸方向軸と同一であってもよい。二つの弾性封止要素を提供することは、弾性封止要素の封止作用を増加させる場合がある。加えて、弾性封止要素の中心合わせ作用は、空洞のエアロゾル発生物品の挿入中および挿入後にエアロゾル発生物品と接触する二つの弾性封止要素によって最適化されてもよい。
少なくとも二つの可撓性のリング形状の弾性封止要素は、同軸で、好ましくは軸方向に重複して配設されてもよい。二つの弾性封止要素のコンパクトな配設は、このようにして達成され、一方でエアロゾル発生物品の空洞の中への挿入中および挿入後に、エアロゾル発生物品の案内および中心合わせを依然として改善する。
少なくとも二つの可撓性のリング形状の弾性封止要素は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して軸方向に平行に配設されてもよく、また反転されてもよい。「反転」という用語は、弾性封止要素の鏡面対称または逆転または上下逆さまの配設を指してもよい。特に、「反転」という用語は、空洞の長軸方向軸と直角を成す平面に対する弾性封止要素の鏡面対称または反転された配設を指してもよい。具体的には、一方の弾性封止要素は、より小さい直径を有する端面が上流に向けられた漏斗形状であってもよい一方で、もう一方の封止要素は、より大きい直径を有する端面が上流に向けられた漏斗形状であってもよい。弾性封止要素のそれぞれの端面は、互いに接触してもよい。下流弾性封止要素の上流端面は、上流弾性封止要素の下流端面と接触してもよい。
空洞の上流端における空洞の中への軸方向の気流を可能にするために、空洞の基部において、少なくとも一つの空気開口が提供されてもよい。空気開口は、エアロゾル発生装置の軸方向で長軸方向の延長部を有してもよい。空気開口は円形断面を有してもよい。空気開口は、細長い、楕円形、または長方形の断面を有してもよい。
空洞の中への気流は、軸方向で可能にされてもよく、一方で横方向の空洞の中への気流は、断熱要素によって防止されてもよい。断熱要素を空洞の基部に取り付けるために、断熱要素を空洞の基部に接着されてもよい。断熱要素の上流端面は、空洞の基部に接着されてもよい。別の方法として、断熱要素は、空洞の基部の上方に延びてもよく、これにより断熱要素の内側面は空洞の基部に接着などによって取り付けられてもよい。
断熱要素は、空洞の側壁を部分的または完全に形成してもよい。断熱要素は、空洞の軸方向長さに沿って部分的または完全に延びてもよい。断熱要素は、空洞の基部に直に当接してもよい。断熱要素は、空洞の基部に直接取り付けられてもよく、それによって断熱要素と基部との間の封止取り付けを容易にしてもよい。
エアロゾル発生装置は、誘導加熱装置をさらに備えてもよい。誘導加熱装置は、誘導によって熱を発生するように構成されてもよい。誘導加熱装置は、誘導コイルおよびサセプタ装置を備えてもよい。単一の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ装置が提供されてもよい。単一の誘導コイルより多くの誘導コイルが提供されることが好ましい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ装置より多くのサセプタ装置が提供されることが好ましい。第一のサセプタ装置および第二のサセプタ装置が提供されることが好ましい。誘導コイルは、サセプタ装置を包囲してもよい。第一の誘導コイルは、第一のサセプタ装置を包囲してもよい。第二の誘導コイルは、第二のサセプタ装置を包囲してもよい。別の方法として、単一のサセプタ装置を包囲する少なくとも二つの誘導コイルが提供されてもよい。二つ以上のサセプタ装置が提供される場合、電気絶縁要素はサセプタ装置の間に提供されることが好ましい。
誘導コイルが配設されてもよい区画は、空洞の下流端において断熱要素によって空洞から気密的に封止されてもよい。誘導コイルが配設されてもよい区画は、空洞を包囲して配設されてもよい。この区画は、コイル区画と呼ばれてもよい。コイル区画は、空洞を部分的または完全に包囲してもよい。コイル区画は、空洞の全長に沿って延びてもよい。コイル区画は、誘導コイルまたは複数の誘導コイルを収容してもよい。
エアロゾル発生装置は、コイル区画に接続された下流空気吸込み口を備えてもよい。別の方法として、エアロゾル発生装置は、空洞の上流端に隣接する空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口は、空洞の基部内の空気開口と流体接続されてもよい。
エアロゾル発生装置は、電源を備えてもよい。電源は直流(DC)電源であってもよい。電源は、第一の誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。一実施形態では、電源は、約2.5ボルト~約4.5ボルトの範囲のDC供給電圧、および約1アンペア~約10アンペアの範囲のDC供給電流(約2.5ワット~約45ワットの範囲のDC電源に対応)を有するDC電源である。エアロゾル発生装置は、有利なことに、DC電源によって供給されるDC電流を交流電流に変換するための直流電流から交流電流への(DC/AC)インバータを備えてもよい。DC/ACコンバータは、クラスDまたはクラスEの電力増幅器を備えてもよい。電源は、交流電流を提供するように構成されてもよい。
電源は再充電可能なリチウムイオン電池などの電池であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。電源は、エアロゾル発生装置の一回以上の使用のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は従来の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間の間エアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は所定の吸煙回数、または不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
電源は高周波で動作するように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、「高周波振動電流」という用語は、500キロヘルツ~30メガヘルツの周波数を有する、振動する電流を意味する。高周波振動電流は、約1メガヘルツ~約30メガヘルツの周波数を有してもよく、約1メガヘルツ~約10メガヘルツの周波数を有することが好ましく、そして約5メガヘルツ~約8メガヘルツの周波数を有することがより好ましい。
サセプタ装置は、サセプタを備えてもよい。サセプタ装置は、複数のサセプタを備えてもよい。サセプタ装置は、ブレード形状のサセプタを備えてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞を包囲して配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞の内側に配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、エアロゾル発生物品が空洞の中へと挿入された時に、エアロゾル発生物品を保持するように配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、エアロゾル発生物品のブレード形状のサセプタの中への挿入を容易にするために、裾が広がった下流端を有してもよい。空気は、空洞の基部内の空気開口を通して空洞の中へと流れてもよい。空気は、その後、エアロゾル発生物品の上流端面においてエアロゾル発生物品の中へと入ってもよい。別の方法としてまたは追加的に、空気は、断熱要素によって形成されることが好ましい空洞の側壁とブレード形状のサセプタとの間を流れてもよい。次いで、空気は、ブレード形状のサセプタの間の間隙を通して、エアロゾル発生物品の中へと入ってもよい。空気によるエアロゾル発生物品の均一な貫通は、このようにして達成されてもよく、それによってエアロゾル発生を最適化する。
エアロゾル発生装置は磁束集中器を備えてもよい。磁束集中器は、高い透磁率を有する材料から作製されてもよい。磁束集中器は、誘導加熱装置を包囲して配設されてもよい。磁束集中器は、磁力線を磁束集中器の内部に集中させ、それによって誘導コイルによるサセプタ装置の加熱効果を増加させてもよい。
エアロゾル発生装置は、コントローラを備えてもよい。コントローラは、誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、第一の誘導コイルへ、および第二の誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、誘導コイルへと供給される電流、そしてそれ故に誘導コイルによって生成される磁界強度を制御するように構成されてもよい。
電源およびコントローラは、誘導コイル、好ましくは第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに接続され、そして誘導コイルの各々に互いに独立して交流電流を提供するように構成されてもよく、これにより使用時に、誘導コイルは各々、交番磁界を生成する。これは、電源およびコントローラが、第一の誘導コイル単独で、第二の誘導コイルに単独で、または、両方の誘導コイルに同時に交流電流を提供することができてもよいことを意味する。そのように異なる加熱プロファイルが達成されてもよい。加熱プロファイルは、それぞれの誘導コイルの温度を指してもよい。高温に加熱するために、交流電流を両方の誘導コイルに同時に供給してもよい。より低い温度に加熱するため、またはエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の一部分のみを加熱するために、交流電流を第一の誘導コイルのみに供給してもよい。その後、交流電流は、第二の誘導コイルのみに供給されてもよい。
コントローラは、誘導コイルおよび電源に接続されてもよい。コントローラは、電源から誘導コイルへの電力の供給を制御するように構成されてもよい。コントローラは、マイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路であってもよい。コントローラは、さらなる電子構成要素を備えてもよい。コントローラは誘導コイルへの電流供給を調節するよう構成されてもよい。電流はエアロゾル発生装置の起動後、誘導コイルのうちの一方または両方に連続的に供給されてもよく、または断続的に(毎回の吸煙ごとなど)供給されてもよい。
電源およびコントローラは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルの各々に供給される交流電流の振幅を独立して変化させるように構成されてもよい。この構成では、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによって生成された磁界の強度は、各コイルに供給される電流の振幅を変化させることによって独立して変化されてもよい。これは、好都合なことに、可変加熱効果を促進する場合がある。例えば、コイルのうちの一方または両方に提供される電流の振幅は、起動中に増加されて、エアロゾル発生装置の開始時間を減少させてもよい。
エアロゾル発生装置の第一の誘導コイルは、第一の回路の一部を形成してもよい。第一の回路は、共鳴回路であってもよい。第一の回路は、第一の共鳴周波数を有してもよい。第一の回路は、第一のコンデンサーを備えてもよい。第二の誘導コイルは、第二の回路の一部を形成してもよい。第二の回路は、共鳴回路であってもよい。第二の回路は、第二の共鳴周波数を有してもよい。第一の共鳴周波数は、第二の共鳴周波数とは異なってもよい。第一の共鳴周波数は、第二の共鳴周波数と同一であってもよい。第二の回路は、第二のコンデンサーを備えてもよい。共鳴回路の共鳴周波数は、それぞれの誘導コイルのインダクタンスおよびそれぞれのコンデンサーの静電容量に依存する。
エアロゾル発生装置の空洞は、開放端を有してもよく、エアロゾル発生物品はその中へと挿入される。空洞は、開放端とは反対側に閉鎖端を有してもよい。閉鎖端は、空洞の基部であってもよい。閉鎖端は、基部内に配設された空気開口の提供を除いて閉鎖されていてもよい。空洞の基部は平坦であってもよい。空洞の基部は円形状であってもよい。空洞の基部は、空洞の上流に配設されてもよい。開放端は、空洞の下流に配設されてもよい。長軸方向は開放端と閉鎖端との間に延びる方向であってもよい。空洞の長軸方向軸は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸と平行であってもよい。
空洞は、加熱チャンバーとして構成されてもよい。空洞は、円筒形状を有してもよい。空洞は、中空円筒形状を有してもよい。空洞は円形断面を有してもよい。空洞は、楕円形または長方形の断面を有してもよい。空洞は、エアロゾル発生物品の直径に対応する直径を有してもよい。
本明細書で使用される場合、「近位」という用語は、エアロゾル発生装置のユーザー端、またはエアロゾル発生装置の口側端を指し、また「遠位」という用語は、近位端とは反対側の端を指す。空洞を参照する時、「近位」という用語は、空洞の開放端に最も近い領域を指し、また「遠位」という用語は、閉鎖端に最も近い領域を指す。
本明細書で使用される場合、「長さ」という用語は、エアロゾル発生装置の、エアロゾル発生物品の、またはエアロゾル発生装置もしくはエアロゾル発生物品の構成要素の長軸方向における主要な寸法を指す。
本明細書で使用される場合、「幅」という用語は、エアロゾル発生装置の、エアロゾル発生物品の、またはエアロゾル発生装置もしくはエアロゾル発生物品の構成要素の、その長さに沿った特定の場所における、横断方向における主要な寸法を指す。「厚さ」という用語は、幅と直角を成す横断方向における寸法を指す。
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生物品の一部である。
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、システムの近位端またはユーザー端でマウスピースを吸うまたは吸煙するユーザーによって直接吸入可能なエアロゾルを発生する物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を含む物品は、たばこスティックと呼ばれる。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞の中へと挿入可能であってもよい。
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾルを発生させる装置を指す。
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書でさらに説明および例示されるようなエアロゾル発生物品の、本明細書でさらに説明および例示されるようなエアロゾル発生装置との組み合わせを指す。システムでは、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置は協働して、呼吸に適したエアロゾルを発生する。本発明はまた、エアロゾル発生システムにも関しうる。
本明細書で使用される場合、「サセプタ装置」は、変化する磁界に供された時に加熱する導電性要素を意味する。これはサセプタ装置内で誘導される渦電流、ヒステリシス損失、または渦電流とヒステリシス損失の両方の結果であってもよい。使用中に、サセプタ装置は、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と熱的接触して、または密接に熱的に近接して位置する。このように、エアロゾル形成基体は、サセプタ装置によって加熱され、これによりエアロゾルが形成される。
サセプタ装置は、好ましくは個別のブレード形状のサセプタによって構造化された円筒形状を有してもよい。サセプタ装置は、対応する誘導コイルの形状に対応する形状を有してもよい。サセプタ装置は、対応する誘導コイルの直径より小さい直径を有してもよく、これによりサセプタ装置を誘導コイルの内側に配設することができる。
「加熱ゾーン」という用語は、加熱ゾーン内、または加熱ゾーンの周りに定置されたサセプタ装置が誘導コイルによって誘導加熱可能になるように、誘導コイルによって少なくとも部分的に包囲される空洞の長さの一部分を指す。加熱ゾーンは、第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンを備えてもよい。加熱ゾーンは、第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンへと分割されてもよい。第一の加熱ゾーンは、第一の誘導コイルによって包囲されてもよい。第二の加熱ゾーンは、第二の誘導コイルによって包囲されてもよい。三つ以上の加熱ゾーンが提供されてもよい。複数の加熱ゾーンが提供されてもよい。誘導コイルは、各加熱ゾーンに対して提供されてもよい。一つ以上の誘導コイルは、加熱ゾーンを包囲するように移動可能に配設されてもよく、また加熱ゾーンのセグメント化された加熱のために構成されてもよい。
本明細書で使用される場合、「コイル」という用語は、「誘導コイル(inductive coil)」または「誘導コイル(induction coil)」または「インダクタ」または「インダクタコイル」という用語と全体を通して互換可能である。コイルは、電源に接続された被駆動(一次)コイルであってもよい。
加熱効果は、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを独立して制御することによって変化してもよい。異なる構成を有する第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを提供することによって、同じ印加電流下で各コイルによって生成される磁界は異なるため、加熱効果は、変化する場合がある。例えば、異なるタイプのワイヤから第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを形成することによって、同じ印加電流下で各コイルによって生成される磁界が異なるため、加熱効果は変化する場合がある。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを独立して制御することによって、および第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに異なる構成を提供することによって、同じ印加電流下で各コイルによって生成される磁界が異なるため、加熱効果は変化する場合がある。
誘導コイル(複数可)は各々、少なくとも部分的に加熱ゾーンの周りに配置される。誘導コイルは、加熱ゾーンの領域内の空洞の周囲の周りに部分的にのみ延びてもよい。誘導コイルは、加熱ゾーンの領域内の空洞の周囲全体の周りに延びてもよい。
誘導コイル(複数可)は、空洞の周囲の一部の周りまたは空洞の周囲の周り全体に配置される平面状コイルであってもよい。本明細書で使用される場合、「平面状コイル」は、コイルが置かれた表面に対して垂直である巻線の軸を有する、スパイラル状に巻かれたコイルを意味する。平面状コイルは、平坦なユークリッド平面内に置かれてもよい。平面状コイルは、曲面上に置かれてもよい。例えば、平面状コイルは、平坦なユークリッド平面内で巻かれ、そしてその後曲げられて曲面上に置かれてもよい。
有利なことに、誘導コイル(複数可)はらせん状である。誘導コイルは、らせん状であってもよく、また空洞が位置付けられる中央空間の周りに巻かれてもよい。誘導コイルは、空洞の周囲全体の周りに配置されてもよい。
誘導コイル(複数可)は、らせん状かつ同心であってもよい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは異なる直径を有してもよい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルはらせん状かつ同心であってもよく、また異なる直径を有してもよい。こうした実施形態では、二つのコイルのうちの小さい方は、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのうちの大きい方の中に少なくとも部分的に位置付けられてもよい。
第一の誘導コイルの巻線は、第二の誘導コイルの巻線から電気的に絶縁されてもよい。
エアロゾル発生装置は、一つ以上の追加的な誘導コイルをさらに備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、好ましくは異なる加熱ゾーンと関連付けられた追加的なサセプタと関連付けられることが好ましい、第三の誘導コイルおよび第四の誘導コイルをさらに備えてもよい。
有利なことに、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは異なるインダクタンス値を有する。第一の誘導コイルは、第一のインダクタンスを有してもよく、第二の誘導コイルは、第一のインダクタンスより小さい第二のインダクタンスを有してもよい。これは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによって生成された磁界が、所与の電流に対して異なる強度を有することになることを意味する。これにより、同じ振幅の電流を両方のコイルに適用する一方で、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによる異なる加熱効果を容易にする場合がある。このことは、エアロゾル発生装置の制御要件を減少させる場合がある。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが独立して起動される場合、より大きいインダクタンスを有する誘導コイルは、より小さいインダクタンスを有する誘導コイルとは異なる時間に起動されてもよい。例えば、より大きいインダクタンスを有する誘導コイルは、吸煙中などの動作中に起動されてもよく、より小さいインダクタンスを有する誘導コイルは、吸煙間などの動作と動作との間に起動されてもよい。有利なことに、これは、通常の使用と同じ電力を必要とすることなく、使用と使用との間の空洞内の高温の維持を容易にする場合がある。この「予熱」は、エアロゾル発生装置の使用の動作が再開されると、空洞が望ましい使用温度に戻るためにかかる時間を低減する場合がある。代替的に、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは、同じインダクタンス値を有してもよい。
第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは、同じタイプのワイヤから形成されてもよい。有利なことに、第一の誘導コイルは第一のタイプのワイヤから形成され、また第二の誘導コイルは、第一のタイプのワイヤと異なる第二のタイプのワイヤから形成される。例えば、ワイヤの組成または断面は異なってもよい。このように、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのインダクタンスは、全体的なコイルの幾何学的形状が同じである場合でさえも異なってもよい。これは、同じまたは類似のコイルの幾何学的形状を第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに対して使用することを可能にする場合がある。これは、よりコンパクトな配設を容易にする場合がある。
第一のタイプのワイヤは、第一のワイヤ材料を含んでもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一のワイヤ材料とは異なる第二のワイヤ材料を含んでもよい。第一のワイヤ材料の電気特性と第二のワイヤ材料の電気特性とは異なってもよい。例えば、第一のタイプのワイヤは、第一の抵抗率を有してもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一の抵抗率とは異なる第二の抵抗率を有してもよい。
誘導コイル(複数可)のための適切な材料としては、銅、アルミニウム、銀、および鋼が挙げられる。誘導コイルは、銅またはアルミニウムから形成されることが好ましい。
第一の誘導コイルが第一のタイプのワイヤから形成され、また第二の誘導コイルが第一のタイプのワイヤとは異なる第二のタイプのワイヤから形成される場合、第一のタイプのワイヤは、第二のタイプのワイヤとは異なる断面を有してもよい。第一のタイプのワイヤは、第一の断面を有してもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一の断面とは異なる第二の断面を有してもよい。例えば、第一のタイプのワイヤは、第一の断面形状を有してもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一の断面形状とは異なる第二の断面形状を有してもよい。第一のタイプのワイヤは、第一の太さを有してもよく、第二のタイプのワイヤは、第一の太さとは異なる第二の太ささを有してもよい。第一のタイプのワイヤおよび第二のタイプのワイヤの断面形状および太さは異なってもよい。
サセプタ装置は、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するために十分な温度まで誘導加熱することができる任意の材料から形成されてもよい。サセプタ装置のために適切な材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合材料が挙げられる。好ましいサセプタ装置は、金属または炭素を含む。有利なことに、サセプタ装置は、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料を含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。適切なサセプタ装置はアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタ装置は、5パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含んでもよく、20パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含むことが好ましく、50パーセント超または90パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含むことがより好ましい。好ましいサセプタ装置は摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
サセプタ装置は、単一の材料層から形成されてもよい。単一の材料層は、鋼層であってもよい。
サセプタ装置は、非金属コア上に配置された金属層を有する非金属コアを含んでもよい。例えば、サセプタ装置は、セラミックコアまたは基板の外部表面上に形成された金属トラックを備えてもよい。
サセプタ装置はオーステナイト鋼の層から形成されてもよい。ステンレス鋼の一つ以上の層は、オーステナイト鋼の層上に配設されてもよい。例えば、サセプタ装置は、その上面および下面の各々の上にステンレス鋼の層を有するオーステナイト鋼の層から形成されてもよい。サセプタ装置は、単一のサセプタ材料を備えてもよい。サセプタ装置は、第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と密接な物理的接触で配置されてもよい。第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料は密接に接触して分解できない単一のサセプタを形成してもよい。ある特定の実施形態では、第一のサセプタ材料はステンレス鋼であり、また第二のサセプタ材料はニッケルである。サセプタ装置は、二層構造を有してもよい。サセプタ装置はステンレス鋼層およびニッケル層から形成されてもよい。
第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料との間の密接な接触は、任意の適切な手段によってなされてもよい。例えば、第二のサセプタ材料は、第一のサセプタ材料の上へとメッキ、堆積、被覆、クラッディング、または溶接されてもよい。好ましい方法としては、電気メッキ、亜鉛メッキ、およびクラッディングが挙げられる。
第二のサセプタ材料は摂氏500度より低いキュリー温度を有してもよい。第一のサセプタ材料は、サセプタが交番電磁場内に定置された時に、サセプタを加熱するために主に使用されてもよい。任意の適切な材料が使用されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄系材料であってもよい。第二のサセプタ材料は、サセプタが特定の温度(第二のサセプタ材料のキュリー温度である温度)に達した時を示すために主に使用されることが好ましい。動作中にサセプタ全体の温度を調節するために、第二のサセプタ材料のキュリー温度を使用することができる。それ故に、第二のサセプタ材料のキュリー温度はエアロゾル形成基体の発火点を下回るべきである。第二のサセプタ材料のために適切な材料は、ニッケルおよびある特定のニッケル合金を含んでもよい。第二のサセプタ材料のキュリー温度は、好ましくは摂氏400度より低く、好ましくは摂氏380度よりも低く、または摂氏360度より低くなるように選択されてもよい。第二のサセプタ材料は所望の最高加熱温度と実質的に同じであるキュリー温度を有するように選択された磁性材料であることが好ましい。すなわち、第二のサセプタ材料のキュリー温度は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタが加熱されるべき温度とほぼ同じであることが好ましい。第二のサセプタ材料のキュリー温度は、例えば、摂氏200度~摂氏400度の範囲内、または摂氏250度~摂氏360度の範囲内であってもよい。一部の実施形態では、第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料とが共積層されることが好ましい場合がある。共積層は、任意の適切な手段によって形成されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料の細片は第二のサセプタ材料の細片に溶接または拡散接合されてもよい。別の方法として、第二のサセプタ材料の層は第一のサセプタ材料の細片の上へと堆積またはメッキされてもよい。
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。システムは電気的に作動する喫煙システムであってもよい。システムは手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生装置は、およそ30ミリメートル~およそ150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生装置は、およそ5ミリメートル~およそ30ミリメートルの外径を有してもよい。
ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
ハウジングはマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、少なくとも一つの空気吸込み口と、少なくとも一つの空気出口と、を備えてもよい。マウスピースは、二つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口のうちの一つ以上は、エアロゾルがユーザーに送達される前にエアロゾルの温度を低減してもよく、またエアロゾルがユーザーに送達される前にエアロゾルの濃度を低減してもよい。
別の方法として、マウスピースはエアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。
本明細書で使用される場合、「マウスピース」という用語は、ハウジングの空洞内に受容されたエアロゾル発生物品からエアロゾル発生装置によって発生したエアロゾルを直接吸入するためにユーザーの口の中へと入れられるエアロゾル発生装置の一部分を指す。
空気吸込み口は、半開放入口として構成されてもよい。半開放入口は、空気がエアロゾル発生装置に入ることを可能にすることが好ましい。空気または液体は、半開放入口を通してエアロゾル発生装置から出るのを防止されてもよい。半開放入口は、例えば、半透過性の膜であってもよく、空気については一方向でのみ透過性であるが、反対方向では気密かつ液密である。半開放入口はまた、例えば一方向弁であってもよい。半開放入口は、例えばエアロゾル発生装置の最小限の押圧、または弁もしくは膜を通過する空気の量といった特定の条件が満たされる場合にのみ、入口を通して空気が通過できることが好ましい。
加熱装置の動作は、吸煙検出システムによってトリガされてもよい。代替的に、加熱装置は、オンオフボタンを押すことによってトリガされ、ユーザーの吸煙の持続時間にわたって保持されてもよい。吸煙検出システムはセンサーとして提供されてもよく、これは気流センサーとして構成されて、気流速度を測定してもよい。気流速度は、ユーザーによってエアロゾル発生装置の気流経路を通して引き出される時間当たりの空気の量を特徴付けるパラメータである。吸煙の開始は、気流が所定の閾値を超える時に、気流センサーによって検出されてもよい。開始はまた、ユーザーがボタンを起動する際に検出されてもよい。
センサーはまた、吸煙中にユーザーによって装置の気流経路を通して引き出される、エアロゾル発生装置の内側の空気の圧力を測定するための圧力センサーとして構成されてもよい。センサーは、エアロゾル発生装置の外側の周囲空気の圧力とユーザーによって装置を通して引き出される空気の圧力との間の圧力差または圧力降下を測定するように構成されてもよい。空気の圧力は、空気吸込み口、装置のマウスピース、空洞(加熱チャンバー、または空気が通って流れるエアロゾル発生装置内の任意の他の通路もしくはチャンバーなど)において検出されてもよい。ユーザーがエアロゾル発生装置を吸う時、陰圧または真空が装置の内側に作り出され、この陰圧は圧力センサーによって検出されてもよい。「陰圧」という用語は、周囲空気の圧力よりも相対的に低い圧力として理解される。言い換えれば、ユーザーが装置を吸う時、装置を通して引き出される空気は、装置の外側の周囲空気の圧力より低い圧力を有する。吸煙の開始は、圧力差が所定の閾値を超える場合、圧力センサーによって検出されてもよい。
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を起動するためのユーザーインターフェース、例えばエアロゾル発生装置の加熱を開始するボタン、またはエアロゾル発生装置またはエアロゾル形成基体の状態を表示するディスプレイを含んでもよい。
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置で使用するための一つ以上のエアロゾル発生物品との組み合わせである。しかしながら、エアロゾル発生システムは、例えば、電気的に動作するエアロゾル発生装置または電気式エアロゾル発生装置の中の搭載型電力供給源を再充電するための充電ユニットなど、追加的な構成要素を含んでもよい。
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に、高密度で、かつ安定なエアロゾルの形成を容易にし、またシステムの動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である、任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)である。エアロゾル形成体は、グリセリンであることが好ましい。存在する場合、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5重量パーセント以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、また乾燥重量基準で5重量パーセント~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
上記の実施形態のうちのいずれかでは、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置の空洞は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に部分的に受容されるように配設されてもよい。エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品の空洞は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に完全に受容されるように配設されてもよい。
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周と、を有してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成セグメントはまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とも有してもよい。
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。一実施形態では、エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルの外径を有してもよい。一実施形態では、エアロゾル発生物品は、およそ7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
エアロゾル形成基体は、約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。一実施形態では、エアロゾル形成セグメントは、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。別の方法として、エアロゾル形成セグメントは、およそ12ミリメートルの長さを有してもよい。
エアロゾル発生セグメントは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。エアロゾル形成セグメントの外径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルであってもよい。一実施形態では、エアロゾル形成セグメントは、およそ7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
エアロゾル発生物品はフィルタープラグを備えてもよい。フィルタープラグは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。フィルタープラグは、中空セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態では、フィルタープラグはおよそ7ミリメートルの長さであるが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸う方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を説明するために使用される。
エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグとの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18ミリメートルであってもよいが、およそ5ミリメートル~およそ25メートルの範囲内であってもよい。
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明のその他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
図1は、エアロゾル発生装置の近位部分または下流部分を示す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品12の挿入のための空洞10を備える。図2では挿入されたエアロゾル発生物品12を見ることができる。空洞10は、加熱チャンバーとして構成される。
空洞10の内側、サセプタ装置14が配設される。サセプタ装置14は、複数のサセプタブレードを備えてもよい。個別のサセプタブレードは、エアロゾル発生物品12の空洞10への挿入の簡単のために、それぞれの下流端42において裾が広がっている。サセプタ装置14の内径は、エアロゾル発生物品12の外径に対応し、またはこれよりわずかに小さくてもよい。エアロゾル発生物品12は、エアロゾル発生物品12の空洞10の中への挿入後、サセプタ装置14によって保持される。
サセプタ装置14は、誘導加熱装置の一部である。誘導加熱装置は誘導コイル16を備える。誘導コイル16は、空洞10を少なくとも部分的に包囲して配設される。誘導コイル16は、空洞10の全円周を包囲する。誘導コイル16は、サセプタ装置14を包囲して配設される。誘導コイル16は、エアロゾル発生物品12の基体部分18が受容される空洞10の部分を包囲する。エアロゾル発生物品12のフィルター部分20は、エアロゾル発生物品12の空洞10の中への挿入後、空洞10から突き出る。ユーザーは、フィルター部分20を吸う。
サセプタ装置14の個別のサセプタの間に、間隙40が提供される。間隙40は、エアロゾル発生物品12の空洞10の中への挿入後、エアロゾル発生物品12の中への気流を可能にする。間隙40は、断熱要素22とサセプタ装置14との間の空洞10の空間からエアロゾル発生物品12の中への半径方向の気流を可能にすることが好ましい。結果として、間隙40は、内向きの半径方向の気流を可能にする。間隙40は細長い形状を有する。間隙40は、本質的にエアロゾル発生物品12の基体部分18の長さに沿って延びてもよい。
二つ以上の誘導コイル16が提供されてもよい。二つの誘導コイル16、または三つ以上の誘導コイル16が提供されることが好ましい。誘導コイル16は、誘導加熱装置の一部であってもよい。誘導コイル16は、空洞10内の別個の加熱ゾーンの加熱を可能にするように別々に制御可能であってもよい。模範的には、第一の誘導コイルは、下流加熱ゾーンに対応する空洞10の下流部分を包囲するように配設されてもよく、一方で、第二の誘導コイルは、上流加熱ゾーンに対応する空洞10の上流部分を包囲するように配設されてもよい。
エアロゾル発生装置は、誘導加熱装置を制御するためのコントローラなどの図中には示されていないさらなる要素を備えてもよい。コントローラは、誘導加熱装置が二つ以上の誘導コイル16を備える場合、個別のコイルを別々に制御するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、電池などの電源を備えてもよい。コントローラは、電源から誘導コイル16への、または個別の誘導コイル16への電気エネルギーの供給を制御するように構成されてもよい。
サセプタ装置14と誘導コイル16との間に、断熱要素22が配設される。断熱要素22は、空洞10の側壁を形成する。断熱要素22は、細長い延長部を有する。断熱要素22は、中空の円筒形状を有する。断熱要素22は、エアロゾル発生装置のハウジング24に取り付けられる。断熱要素22は、図1に図示するように、ハウジング24の下流端26に取り付けられることが好ましい。加えて、断熱要素22は、空洞10の下流端において空洞10の基部28に取り付けられる。空洞10の基部28では、一つ以上の空気開口30が配設される。
空気開口30は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行な細長い延長部を有する。空気開口30は、空洞10の上流端32において空洞10の中へと空気が入ることを可能にする。断熱要素22は、空気が横方向に空洞10の中に入るのを防止する。
誘導コイル16は、コイル区画34内に配設される。コイル区画34は、断熱要素22を包囲して配設される。層状構造には、中間で、空洞10が中央に提供される。空洞10を包囲して、断熱要素22が提供される。断熱要素22を包囲して、コイル区画34が配設される。コイル区画34を包囲して、エアロゾル発生装置のハウジング24が提供される。
周囲空気がコイル区画34に入ることを可能にするように、空気吸込み口36が提供される。空気吸込み口36は、ハウジング24の下流端26に配設される。空気吸込み口36は、コイル区画34に隣接して配設される。空気吸込み口36は、ハウジング24の外周と、断熱要素22に接続されたハウジング24の下流端26の一部との間に提供される。別の方法として、図1に示すように、空気吸込み口36は、エアロゾル発生装置のハウジング24の側壁内に定置される。言い換えれば、空気吸込み口36は、エアロゾル発生装置のハウジング24の外周に定置される。空気吸込み口36は、空洞10の上流端に隣接して配設される。
図1では、弾性封止要素38が空洞10の下流端に示される。弾性封止要素38は、空洞10の下流端を包囲して配設される。弾性封止要素38は、円形状またはリング形状を有する。弾性封止要素38は、エアロゾル発生物品12の挿入を容易にする漏斗形状を有する。弾性封止要素38は、エアロゾル発生物品12の挿入後に、エアロゾル発生物品12に圧力を印加して、エアロゾル発生物品12を定位置に保持する。内在する封止要素38は、エアロゾル発生物品の空洞10への挿入中および挿入後に、エアロゾル発生物品12に当接する。弾性封止要素38は、エアロゾル発生物品12を通して漏れ出ることを除いて、空気が空洞10から漏れ出ることを防止するために空気貫通不能である。内在する封止要素38は可撓性である。弾性封止要素38は、ハウジング24の下流端部26に取り付けられる。弾性封止要素38は、空洞10の下流端を完全に包囲する。
図2は、エアロゾル発生物品12が空洞10の中へと挿入されている、エアロゾル発生装置の例示を示す。エアロゾル発生物品12の基体部分18は、空洞10内に受容されている。エアロゾル発生物品12のフィルター部分20は、ユーザーがエアロゾル発生物品12を吸うために空洞10から突き出ている。弾性要素38は、空気がエアロゾル発生物品12を通してのみ空洞10を出ることができるように、エアロゾル発生物品12の外周に直接的に当接する。
図2では、挿入されたエアロゾル発生物品12に加えて、気流が表示されている。空気は、空気吸込み口36を通してエアロゾル発生装置の中へと流れる。二つ以上の空気吸込み口36が提供されてもよい。空気はコイル区画34を通って流れる。コイル区画34を出た後、空気は、空洞10の基部28に配設された空気開口30を通して空洞10の中へと流れる。その後、空気は、個別のサセプタブレードの間に提供された間隙を通して、エアロゾル発生物品12の中へと流れる。
図3は、傾斜した挿入方向を有するエアロゾル発生物品12の挿入を示す。弾性封止要素38の可撓性の構成に起因して、エアロゾル発生物品12の傾斜挿入が可能である。弾性封止要素38は、エアロゾル発生物品12に圧力を印加して、エアロゾル発生物品12を空洞10の長軸方向軸に沿った向きへと強いる。
図4は、弾性封止要素38の実施形態を示す。この実施形態では、単一の弾性封止要素38の代わりに、二つの弾性封止要素38、44が提供される。二つの弾性封止要素38、44は、空洞10の長軸方向軸に沿って互いに隣接して配設される。弾性封止要素38、44の各個体は、本明細書に説明される単一の弾性封止要素38として構成される。特に、個別の弾性封止要素38、44の各々は、エアロゾル発生物品12の挿入を改善するために漏斗形状を有する。二つの弾性封止要素38、44を提供することによって、弾性封止要素38、44とエアロゾル発生物品12との間に二つの接触点が提供される。これらの二つの接触点は、エアロゾル発生物品12の保持作用を改善する。別の方法としてまたは追加的に、二つの接触点は、エアロゾル発生物品12が空洞10の中央長軸方向軸に対して傾斜した向きを有する場合、エアロゾル発生物品12の空洞10の中への挿入中および挿入後に、エアロゾル発生物品12の向きの補正を改善する。別の方法としてまたは追加的に、二つの接触点は、エアロゾル発生装置の外側に対する空洞10の気密封止作用を改善し、これにより空気は、エアロゾル発生物品12を通してのみ空洞10を漏れ出ることができる。
図5は、弾性封止要素38のさらなる実施形態を示す。図4に示す実施形態と同様に、二つの弾性封止要素38、44が提供される。図4に示す実施形態の二つの封止要素38、44の類似の配設とは対照的に、二つの弾性封止要素38、44は、図5に示す実施形態では反転した向きで配設される。二つの封止要素38、44の反転した向きは、二つの封止要素38、44の漏斗形状を改善する。反転した向きは、別の方法としてまたは追加的に、二つの封止要素38、44の安定性を改善する場合がある。第一の弾性封止要素38は、下流弾性封止要素である。第二の弾性封止要素44は、上流弾性封止要素である。第一の弾性封止要素38の上流端面46は、上流封止要素44の下流端面48と接触する。