JP7266548B2 - 訓練性ストレス情報を用いて体調を推定する装置、プログラム及び方法 - Google Patents

訓練性ストレス情報を用いて体調を推定する装置、プログラム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、対象に係る情報から、当該対象の体調を推定する技術に関する。
近年、スポーツは、競技への参加やそのための訓練(トレーニング)、さらにはそこから派生する人的・文化的交流を介し、様々なメリットをもたらすものとして非常に注目され、それへの取り組みも盛んになっている。
またこのような状況の下、従来、スポーツ選手の競技力(パフォーマンス)を向上させるべく、種々の手法が提案され実施されてきた。例えば、本願発明者を著者に含む非特許文献1は、あるエリートランナーを対象として、起床時における心拍変動の測定結果に基づき、当日のトレーニング内容の調整を行い、当該エリートランナーのパフォーマンスを向上させた成果を開示している。
また、非特許文献2は、スポーツ選手を対象として、起床時の心拍変動を基準として当日の体調を可視化し、可視化した体調に基づいて当日のトレーニング内容を決定した結果、パフォーマンスが向上したことを開示している。すなわち、スポーツ選手のパフォーマンス向上には、その体調を管理することが重要であることを提示したものとなっている。
Mitsuka T., Takayama F. and Nabekura Y., "Fine-tuning training strategy based on heart rate variability: A case study of a middle-distance runner", Sport Performance & Science Reports, 62, v1, pp. 1-3, 2019年 Vesterinen V, Nummela A, Heikura I, Laine T, Hynynen E, Botella J and Hakkinen K. "Individual Endurance Training Prescription with Heart Rate Variability", Medicine and Science in Sports and Exercise, 48(7), pp. 1347-1354, 2016年
以上、非特許文献1及び2での開示内容からも理解されるように、スポーツ選手のパフォーマンス向上には、トレーニング内容の調整が有効であり、そのためにはスポーツ選手の体調管理が重要となることが実証されてきた。しかしながら従来、着目する体調はあくまで、トレーニング実施時点におけるものであり、この当日の体調に応じたトレーニング内容を決定することに終始していた。
しかしながら、本願発明者は、体調がパフォーマンス向上の鍵となる以上、スポーツ選手における将来の体調を予測することができれば、その予測結果を利用して、例えばより適切なトレーニング内容の調整を行うことも可能となり、結果的に更なるパフォーマンスの向上を図ることができるのではないかと考えた。
そこで、本発明は、トレーニング(訓練)に係る時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における対象の体調を推定することの可能な体調推定装置、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、身体に係る測定値を用いて決められる体調を推定する体調推定装置であって、
1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間において当該推定対象によって実施された身体の訓練に係るストレスの情報である訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定する体調情報決定手段を有し、
体調情報決定手段は、訓練に係る体調推定モデルから出力される、決定した体調情報についての尤度又は誤差に係る情報に基づき、当該尤度が所定閾値未満であることから、または当該誤差が所定閾値を超えていることから、当該身体の訓練に係るストレス以外のストレスの情報である非訓練性ストレス情報も必要であると判定した場合、1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、
訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報に係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ及び訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築され、
訓練及び非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報とに係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ、並びに訓練性ストレス情報及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築される
ことを特徴する体調推定装置が提供される。
ここで、当該体調情報は、心拍の測定に係る測定値を用いて決められる量を含むことも好ましい。
さらに、本発明によれば、
身体に係る測定値を用いて決められる体調を推定する体調推定装置であって、
1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間において当該推定対象によって実施された身体の訓練に係るストレスの情報である訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定する体調情報決定手段を有し、
体調情報決定手段は、1つの時点又は期間に係る当該体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、当該1つの時点又は期間における、当該身体の訓練に係るストレス以外のストレスの情報である非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、次いで、訓練に係る体調推定モデルから出力される、この訓練に係る体調推定モデルを用いて決定された体調情報について尤度又は誤差に係る情報と、訓練及び非訓練に係る体調推定モデルから出力される、この訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて決定された体調情報について尤度又は誤差に係る情報との比較に基づき、これら体調推定モデルのいずれか一方の採用を決定し、次いで、1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを採用する際には当該ある時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、採用の決定された当該体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、
訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報に係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ及び訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築され、
訓練及び非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報とに係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ、並びに訓練性ストレス情報及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築される
ことを特徴とする体調推定装置が提供される
また、本発明によれば、身体に係る測定値を用いて決められる体調を推定する体調推定装置であって、
1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間において当該推定対象によって実施された身体の訓練に係るストレスの情報である訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定する体調情報決定手段を有し、
体調情報決定手段は、1つの時点又は期間に係る当該体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、当該1つの時点又は期間における、当該身体の訓練に係るストレス以外のストレスの情報である非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、また、1つの時点又は期間に係る当該体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、次いで、訓練に係る体調推定モデルから出力される、この訓練に係る体調推定モデルを用いて決定された体調情報について尤度又は誤差に係る情報と、訓練及び非訓練に係る体調推定モデルから出力される、この訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて決定された体調情報について尤度又は誤差に係る情報と、非訓練に係る体調推定モデルから出力される、この非訓練に係る体調推定モデルを用いて決定された体調情報について尤度又は誤差に係る情報との比較に基づき、これら体調推定モデルのいずれか1つの採用を決定し、次いで、ある時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、少なくとも訓練に係る体調推定モデル又は訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを採用する際には当該ある時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、少なくとも訓練及び非訓練に係る体調推定モデル又は非訓練に係る体調推定モデルを採用する際には当該ある時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、採用の決定された当該体調推定モデルを用いて、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、
訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報に係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ及び訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築され、
訓練及び非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報とに係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ、並びに訓練性ストレス情報及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築され、
非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報に係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築される
ことを特徴とする体調推定装置が提供される
さらに、本発明による体調推定装置において、当該非訓練性ストレス情報は、複数の非訓練性ストレス情報候補の中から、少なくとも、目的変数である当該身体に係る測定値との間の相関が所定以上となる説明変数に該当する候補を選択して決定されたものであることも好ましい。
また、本発明による体調推定装置において、用いられる若しくは採用される体調推定モデルは、当該身体に係る測定値の互いに類似する複数の対象に係る学習データによって学習されたもの、又は、当該複数の対象に係る学習データによって学習された後に、推定対象に係る学習データによって調整されたものであることも好ましい。
さらに、本発明による体調推定装置において、用いられる若しくは採用される体調推定モデルは、混合正規分布による推定モデル、ベイジアンモデル又はニューラルネットワーク推定モデルであることも好ましい。
さらにまた、本発明による体調推定装置の更なる他の実施形態として、本体調推定装置は、
決定された当該体調情報と、当該訓練性ストレス情報が用いられている場合には当該体調情報に係る時点又は期間からみて過去となる所定の時点又は期間における当該訓練性ストレス情報と、当該非訓練性ストレス情報が用いられている場合には当該所定の時点又は期間からみて過去となる所定の時点又は期間における当該非訓練性ストレス情報とに基づいて、訓練性ストレス及び/又は非訓練性ストレスの減少、維持又は増加に係るアドバイス情報を出力するアドバイス情報生成手段
を更に有することも好ましい。
本発明によれば、また、身体に係る測定値を用いて決められる体調を推定するコンピュータを機能させる体調推定プログラムであって、
1つの時点又は期間に対して決められた対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間において当該対象によって実施された身体の訓練に係るストレスの情報である訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの「訓練に係る体調推定モデル」を用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該対象の体調情報を決定する体調情報決定手段 1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間において当該推定対象によって実施された身体の訓練に係るストレスの情報である訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定する体調情報決定手段としてコンピュータを機能させ
体調情報決定手段は、訓練に係る体調推定モデルから出力される、決定した体調情報についての尤度又は誤差に係る情報に基づき、当該尤度が所定閾値未満であることから、または当該誤差が所定閾値を超えていることから、当該身体の訓練に係るストレス以外のストレスの情報である非訓練性ストレス情報も必要であると判定した場合、1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、
訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報に係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ及び訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築され、
訓練及び非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報とに係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ、並びに訓練性ストレス情報及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築される
ことを特徴とする体調推定プログラムが提供される。
本発明によれば、さらに、身体に係る測定値を用いて決められる体調を推定するコンピュータにおける体調推定方法であって、
ある時点又は期間に対して決められた対象の体調情報と、当該ある時点又は期間において当該対象によって実施された身体の訓練に係るストレスの情報である訓練性ストレス情報と、対応する正解データとしての体調情報であって、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該対象の体調情報とを用いて学習処理を行い、訓練に係る体調推定モデルを生成するステップと、
1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該推定対象の当該訓練性ストレス情報とに基づき、生成された訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定するステップと
訓練に係る体調推定モデルから出力される、決定した体調情報についての尤度又は誤差に係る情報に基づき、当該尤度が所定閾値未満であることから、または当該誤差が所定閾値を超えていることから、当該身体の訓練に係るストレス以外のストレスの情報である非訓練性ストレス情報も必要であると判定した場合、1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定するステップと
を有し、
訓練及び非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報とに係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ、並びに訓練性ストレス情報及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて生成される
ことを特徴とする体調推定方法が提供される。
本発明の体調推定装置、プログラム及び方法によれば、トレーニング(訓練)に係る時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における対象の体調を推定することができる。
本発明による体調推定装置の一実施形態における機能構成を示す機能ブロック図である。 本発明に係るモデル選択部におけるモデル選択処理の実施形態を説明するための模式図である。 本発明による体調推定方法における一実施形態の概要を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
[体調推定装置]
図1は、本発明による体調推定装置の一実施形態における機能構成を示す機能ブロック図である。
図1に示した本実施形態の体調推定装置1は、
(a)外部に設置されており、フィットネスモニタ等で収集されたデータより生成される「訓練性ストレス情報(トレーニング性ストレス情報)」を格納している訓練性ストレス情報データベース(DB)2から、例えば通信によって、推定対象(例えばある選手)に係る「訓練性ストレス情報」を取得し、
(b)同じく外部に設置されており、アクティビティトラッカー等で収集されたデータより生成される「非訓練性ストレス情報(非トレーニング性ストレス情報)」を格納している非訓練性ストレス情報DB3から、例えば通信によって、推定対象(当該選手)に係る「非訓練性ストレス情報」を取得し、
(c)同じく外部に設置されており、心拍測定装置等で収集された起床時の心拍測定値データより生成される「心拍測定情報」を格納している心拍測定情報DB4から、例えば通信によって、推定対象(当該選手)に係る「心拍測定情報」を取得し、
これらの取得した情報を用いて、これらの情報に係る時点又は期間からみて将来となる時点又は期間(例えば翌日の起床時)における推定対象(当該選手)の「体調」を推定することが可能な装置となっている。
ここで「訓練性ストレス情報」は、身体のトレーニング(訓練)に係るストレスの情報であり、例えば、
(a)トレーニングを実施した時間、(b)実施したトレーニングの強度(例えばトレーニング中の心拍数若しくはその上昇分)、(c)トレーニングを実施した時間帯や、(d)実施したトレーニングの様式(例えばランニング、自転車、ボート、又は筋力トレーニング等)
に係る情報がそれに該当する。
また「非訓練性ストレス情報」は、身体のトレーニング(訓練)に係るストレス以外のストレスの情報であり、例えば、アクティビティトラッカー等で算出可能である生活習慣関連の情報として、
(a)活動量、(b)歩数、(c)エネルギー摂取量、(d)エネルギー比率、(e)睡眠時間、(f)起床時間や、(g)睡眠効率
に係る情報を「非訓練性ストレス情報」として挙げることができ、また、アンケートアプリや日記アプリ等から収集可能な情報として、
(h)主観的ストレス度、(i)勤務時間、(j)仕事上の人間関係、(k)家族若しくは同居人との人間関係や、(l)ストレス低減活動の実施状況(例えばヨガ、家族や友人等との雑談時間、外食の有無や、余暇活動の内容・程度)
に係る情報を「非訓練性ストレス情報」としてもよい。
さらに、「体調」は、身体に係る測定値を用いて決められる量であって、本実施形態では上記(c)の「心拍測定情報」、より具体的には起床時の心拍変動(HRV,Heart Rate Variability)情報から決定される量となっている。例えば、HRV値(例えば後に説明するLn_RMSSD値)そのものを体調値とすることができ、または、HRV値の範囲を複数区間に分けて、各区間に体調値(体調情報)を紐づけておき、対象のHRV値が属する区間に紐づけられた体調値を、当該対象の「体調」を表す値としてもよい。
同じく図1において、体調推定装置1は具体的に、
(A)1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の「体調情報」と、当該1つの時点又は期間において推定対象(例えばある選手)によって実施された訓練(トレーニング)に係る「訓練性ストレス情報」とに基づき、学習済みの「訓練に係る体調推定モデル」を用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における推定対象(当該選手)の「体調情報を決定」する体調情報決定部115
を有することを特徴としている。
また、この体調推定装置1の好適な一実施形態として、上記の体調情報決定部115は、
(B1)決定した「体調情報」について得られた尤度又は誤差に係る情報に基づき、推定対象(当該選手)の「非訓練性ストレス情報」も推定処理に必要であると判定した場合、
(B2)ある時点又は期間に対して決められた推定対象の「体調情報」と、当該ある時点又は期間に係る推定対象(当該選手)の「訓練性ストレス情報」と、当該ある時点又は期間に係る推定対象(当該選手)の「非訓練性ストレス情報」とに基づき、学習済みの「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」を用いて、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における推定対象(当該選手)の「体調情報」を決定する
ことも好ましい。
このように体調推定装置1によれば、例えばある1日における推定対象(例えばある選手)の「訓練性ストレス情報」を取得し、当該「訓練性ストレス情報」を、同日における推定対象の「体調」と合わせて、学習済みの「訓練に係る体調推定モデル」へ入力することによって、例えば翌日における推定対象(当該選手)の「体調」を推定することが可能となるのである。
この点従来、将来の「体調」を予測することは困難であったところ、本願発明者は、特にスポーツ選手において、ある時点又は期間での「体調」におけるその過去の「体調」からの変化分は、多くのケースにおいて訓練性ストレスの影響を非常に大きく受けるとの知見を得、この知見に基づき、上記の体調推定装置1での推定処理を発明し、これにより、トレーニング(訓練)に係る時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における推定対象の「体調」を推定することを可能としたのである。
また、本願発明者は、特にスポーツ選手におけるHRVが、日々実施されるトレーニングだけではなく、日常生活における様々なストレス、例えば重要なミーティングやパーティへの出席、さらには転戦のための長時間の移動等からも少なからぬ影響を受け得ることを見出した。
したがって、体調推定装置1は、上記(B1)及び(B2)に示した一実施形態としてではあるが、必要であれば「非訓練性ストレス情報」も用いて体調推定処理を行うことによって、体調の推定精度を向上させることも可能にするのである。ここで、「非訓練性ストレス情報」の使用態様は上記以外にも存在しており、後に他の実施形態としてその詳細を説明する。
またさらに、本願発明者は、HRVに影響を及ぼし得る因子は、個人間で、特に個々のスポーツ選手の間で相当に異なることを見出した。例えば、ある選手にとってHRV値を低下させる因子が、別の選手にとってはHRV値を高める因子となる場合のあることが分かっている。
したがって、上記(A)の「訓練に係る体調推定モデル」や、上記(B2)の「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」は、例えば、個々のスポーツ選手毎に構築されることも好ましい。また勿論、HRVに影響を及ぼす因子の共通する程度によっては、あるスポーツチーム用の体調推定モデルや、さらには1つの競技を行うスポーツ選手一般の体調推定モデルを構築することも可能である。
なお、「体調」の推定対象は勿論、スポーツ選手に限定されるものではない。何らかの目的でトレーニング(訓練)を行う対象であって、その身体に係る測定値から「体調」を求め得る対象であれば、体調推定装置1によって、当該対象における将来の「体調」を推定することが可能となるのである。
[装置機能構成,体調推定プログラム]
同じく図1の機能ブロック図によれば、体調推定装置1は、通信インタフェース部101と、訓練性ストレス情報保存部102と、非訓練性ストレス情報保存部103と、心拍測定情報保存部104と、キーボード(KB)105と、ディスプレイ(DP)106と、プロセッサ・メモリとを有する。
ここで、このプロセッサ・メモリは、本発明による体調推定プログラムの一実施形態を保存しており、また、コンピュータ機能を有していて、この体調推定プログラムを実行することによって、体調推定処理を実施する。このことから、体調推定装置1は、サーバ、クラウドサーバや、体調推定用の専用装置であってもよいが、本発明による体調推定プログラムを搭載した、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)、ノート型若しくはタブレット型コンピュータ、又はスマートフォン等とすることも可能である。
さらに、プロセッサ・メモリは、訓練性ストレス特徴量生成部111と、非訓練性ストレス特徴量生成部112と、体調情報生成部113と、体調推定モデル構築部114と、モデル選択部115aを含む体調情報決定部115と、アドバイス情報生成部116と、通信制御部121と、入出力制御部122とを有する。
なお、これらの機能構成部は、プロセッサ・メモリに保存された体調推定プログラムの機能と捉えることができる。また、図1における体調推定装置1の機能構成部間を矢印で接続して示した処理の流れは、本発明による体調推定方法の一実施形態としても理解される。
ちなみに、上述した機能構成部のうち、訓練性ストレス特徴量生成部111と、非訓練性ストレス特徴量生成部112と、体調情報生成部113と、体調推定モデル構築部114と、アドバイス情報生成部116とのうちの少なくとも1つ又は全てが、体調推定装置1の外部に設けられていてもよい。すなわち、体調推定装置1は、体調情報決定部115を備えていれば、処理に必要な情報の一部若しくは全てを外部から取り込むことによって、体調推定処理を実施することが可能となるのである。
同じく図1の機能ブロック図において、訓練性ストレス情報保存部102は、訓練性ストレス情報DB2から、通信インタフェース部101及び通信制御部121を介し、例えば推定対象となる各選手についての訓練性(トレーニング性)ストレス情報を取得し、保存・管理する。
ここで訓練性ストレス情報は、上述したように、例えば(a)トレーニング(訓練)を実施した時間、(b)実施したトレーニングの強度(例えばトレーニング中の心拍数若しくはその上昇分)、(c)トレーニングを実施した時間帯、及び(d)実施したトレーニングの様式(例えばランニング、自転車、ボート、又は筋力トレーニング等)に係る情報のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てとなっている。
訓練性ストレス特徴量生成部111は、訓練性ストレス情報保存部102から、例えば推定対象となる各選手についての訓練性ストレス情報を取得し、当該選手の訓練性ストレス特徴量を生成する。例えば、上記(a)~(d)の各々において、その程度・内容を表現する数値の範囲を複数区間に分けて、各区間に点数を紐づけておき、推定対象である当該選手の当該数値が属する区間に紐づけられた点数を、当該選手の訓練性ストレス特徴量(成分)とすることができる。
また例えば、上記(b)の「実施したトレーニングの強度」を特徴量化する場合、トレーニング強度に係る訓練性ストレス特徴量TSFを、次式
(1) TSF=トレーニングの時間(分)×「強度」
によって算出してもよい。ここで、「強度」の値は例えば、心拍数測定値が最大心拍数の50~59%である場合には1、心拍数測定値が最大心拍数の60~69%の場合は2、心拍数測定値が最大心拍数の70~79%の場合は3、心拍数測定値が最大心拍数の80~89%の場合は4、心拍数測定値が最大心拍数の90~100%の場合は5、とすることができる。
なお、このような特徴量TSFの算出については、例えば非特許文献:Sanders et al., “Methods of Monitoring Training Load and Their Relationships to Changes in Fitness and Performance in Competitive Road Cyclists”, International journal of sports physiology and performance 12(5), pp.668-675, 2017年に記載されている。
なお変更態様として、訓練性ストレス特徴量TSFは、上式(1)において、トレーニング終了時刻から次の体調決定時刻(例えば翌日の起床時のHRV測定時刻)までの時間間隔を係数として加えることも好ましい。これは、例えば就寝直前にトレーニングを実施した場合に訓練性ストレスは高くなる、といった事情をも特徴量算出に加味するものとなっている。
また更なる変更態様として、上式(1)の「強度」を、心拍数測定値ではなく、例えば(a)アンケートから取得される主観的運動強度値や、
(b)フィットネスモニタに内蔵されたGPS(Global Positioning System)によって得られる対象の変位情報から算出される、トレーニングに係る速度値
に基づいて算出することも可能である。
同じく図1の機能ブロック図において、非訓練性ストレス情報保存部103は、非訓練性ストレス情報DB3から、通信インタフェース部101及び通信制御部121を介し、例えば推定対象となる各選手についての非訓練性(非トレーニング性)ストレス情報を取得し、保存・管理する。
ここで非訓練性ストレス情報としては、上述したように、
(ア)生活習慣関連の情報である、例えば(a)活動量、(b)歩数、(c)エネルギー摂取量、(d)エネルギー比率、(e)睡眠時間、(f)起床時間、及び(g)睡眠効率に係る情報、さらには、
(イ)アンケートアプリや日記アプリ等から収集可能な情報である、例えば(h)主観的ストレス度、(i)勤務時間、(j)仕事上の人間関係、(k)家族若しくは同居人との人間関係、及び(l)ストレス低減活動の実施状況(例えばヨガ、家族や友人等との雑談時間、外食の有無、余暇活動の内容・程度)、に係る情報
のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てを採用してもよい。
ちなみに、上記(ア)の例えばアクティブトラッカーによって収集可能な生活習慣関連情報は、非訓練性ストレスの客観的指標として捉えられ、一方、上記(イ)のアンケートアプリや日記アプリ等から収集可能な情報は、非訓練性ストレスの主観的指標とみなすことができる。
非訓練性ストレス特徴量生成部112は、非訓練性ストレス情報保存部103から、例えば推定対象となる各選手についての非訓練性ストレス情報を取得し、当該選手の非訓練性ストレス特徴量を生成する。例えば、上記(a)~(l)の各々において、その内容を表現する数値の範囲を複数区間に分けて、各区間に点数を紐づけておき、推定対象である当該選手の当該数値が属する区間に紐づけられた点数を、当該選手の非訓練性ストレス特徴量(成分)とすることができる。
また例えば、上記(h)の「主観的ストレス度」を特徴量化する場合において、例えば推定対象となる当該選手が、何らかのストレスを自覚した際、自ら携帯する端末に搭載されたアンケートアプリに対し、当該ストレスの具体的種別(例えば「大人数を対象にしたプレゼンテーション」や「資料の準備」等)と、その度合(例えば0~100点の点数)とを入力することとしてもよい。非訓練性ストレス特徴量生成部112は、当該アンケートアプリに入力された情報(ストレスの種別とその点数)を用いて、非訓練性ストレス特徴量(成分)を生成することが可能となる。
なお、非訓練性ストレス情報(又は特徴量)については、上述したようにその守備範囲が広く、推定対象によっては(体調値を算出するための)身体に係る測定項目、本実施形態ではHRV、に影響を与えないものも少なからず存在し、また、影響する程度にも顕著な個体差(例えばスポーツ選手の個人差)がみられることも少なくない。そこで予め、推定対象に関して重回帰分析等を行い、複数の非訓練性ストレス情報(又は特徴量)候補の中から、少なくとも、目的変数であるHRV値との間の相関係数、又は特徴量の目的変数に対する説明力を表す値が所定以上となる説明変数に該当する候補を選択して、非訓練性ストレス情報(又は特徴量)に決定することも好ましい。
ここで、他方の訓練性ストレス情報(又は特徴量)についても、HRV値との間の相関に基づく選択を行うことができる。ただし通常、訓練性ストレス情報は、特にスポーツ選手において、体調に影響を与える因子となることが多いので、このような選択処理を省略してもよい。
同じく図1の機能ブロック図において、心拍測定情報保存部104は、心拍測定情報DB4から、通信インタフェース部101及び通信制御部121を介し、例えば推定対象となる各選手についての心拍測定情報を取得し、保存・管理する。
ここで本実施形態では、この心拍測定情報として、心電計(心拍測定装置)で収集された心電図、又は心拍計(心拍測定装置)で計測されたRR間隔(RRI)に基づき生成されるHRV(心拍変動)情報が採用される。なお変更態様として、光電式容積脈波記録法によって計測されたPP間隔(PPI)に基づき、脈拍(心拍)測定情報としてのHRV情報が生成され採用されてもよい。
また、上述したようなHRV情報の生成は通常、時間領域解析、周波数解析、及び非線形解析のうちのいずれかの方法を用いて実施される。このうち、特にスポーツ選手を測定対象とするケースでは、RRIの標準偏差等を用いる「時間領域解析」によってHRV情報を生成することが一般的である。またこの場合、HRV情報として具体的には、互いに隣接する2つのRRIにおける差の二乗平均平方根の対数であるLn_RMSSDがよく用いられる。
勿論、HRVとして、上述したLn_RMSSD以外にも、公知である種々の指標が採用可能であるが、Ln_RMSSDは、自律神経、特に副交感神経の機能状況を強く反映した値をとる上、短時間測定における再現性が優れているため、体調を規定する指標として好ましいものとなっている。
なお、自律神経が正常に機能している場合、RR間隔は呼吸や血圧と同期したゆらぎ成分をもち、したがって相当のHRVが観察されるのであるが、一方で、過度の疲労や薬物採取等によって自律神経機能が異常である場合、HRVが消失することもあり得るのである。
体調情報生成部113は、本実施形態において、心拍測定情報保存部104から取得した、例えば推定対象となる各選手についてのHRV情報を取得し、当該選手の体調情報(体調値)を生成する。具体的には、
(a)ある日における起床時のLn_RMSSD値、
(b)当該ある日における起床時のLn_RMSSD値、及び当該ある日からみて直近の過去となる数日間における起床時でのLn_RMSSD値における平均値、及び
(c)当該ある日における起床時のLn_RMSSD値、及び当該ある日からみて直近の過去となる数日間における起床時でのLn_RMSSD値における変動係数の逆数(=(平均値)/(標準偏差))
のうちの少なくとも1つを、体調値(体調情報)とすることができる。ちなみにこの場合、体調値が小さくなるほど体調はより悪い、と判断されることになる。
または、上記(a)、(b)及び(c)に係る数値(の組)の範囲を複数区間に分けて、各区間に体調値(体調情報)を紐づけておき、当該選手の値(の組)が属する区間に紐づけられた体調値(体調情報)を、当該選手の体調を示すものとしてもよい。
同じく図1の機能ブロック図において、体調推定モデル構築部114は、
(a)1つの時点又は期間について生成された訓練性ストレス特徴量と、当該1つの時点又は期間について生成された正解データとしての体調値(体調情報)との組を教師データとして、「訓練に係る体調推定モデル」を構築し、
(b)1つの時点又は期間について生成された訓練性ストレス特徴量と、当該1つの時点又は期間について生成された非訓練性ストレス特徴量と、当該1つの時点又は期間について生成された正解データとしての体調値(体調情報)との組を教師データとして、「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」を構築し、
(c)1つの時点又は期間について生成された非訓練性ストレス特徴量と、当該1つの時点又は期間について生成された正解データとしての体調値(体調情報)との組を教師データとして、「非訓練に係る体調推定モデル」を構築する。
ここで、体調推定モデル構築部114は、この後詳細に説明するが、体調情報決定部115において実施される体調情報決定処理の内容に応じて、上記(a)の「訓練に係る体調推定モデル」だけを構築してもよく、また、上記(b)の「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」も用いられる場合には「訓練に係る体調推定モデル」及び「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」を構築し、さらに、上記(c)の「非訓練に係る体調推定モデル」も用いられる場合には「訓練に係る体調推定モデル」、「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」、及び「非訓練に係る体調推定モデル」の全てを構築してもよいのである。
また、上記(a)~(c)のいずれの体調推定モデルも、混合正規分布による推定モデルや、その他のベイジアンモデル、若しくはニューラルネットワーク推定モデルとすることができ、または、その他種々の機械学習アルゴリズムに基づく推定モデルとすることも可能である。
さらに、上記(a)~(c)の体調推定モデルはいずれも、上述したように、所定のグループ(例えば特定のスポーツチーム)用として構築されてもよく、当該グループの構成単位(例えば特定の一選手)用として構築されることもでき、さらには、適用分野一般(例えば1つの競技を行う選手一般)用として構築されてもよい。
また、上記(a)~(c)の体調推定モデルはいずれも、例えばHRVの互いに類似する複数の対象(例えばそのような複数の選手)に係る学習データによって学習させたものとすることができる。具体的には例えば、HRVのベースライン(基準値)が互いに類似する複数の対象を、例えばHRV時系列データをグラスタリングして分類することにより抽出し(同一のクラスタに属する複数の対象を抽出し)、抽出された当該複数の対象に係る学習データを用いて当該体調推定モデルを構築してもよい。ちなみにこの場合、構築された体調推定モデルは、当該クラスタに属する対象に共通のモデルとすることができる。
ここで、HRVのベースラインとして、例えば「直近2週間におけるLn_RMSSDの平均値」から、「直近2週間におけるLn_RMSSDの平均値」と「直近2週間におけるLn_RMSSDの変動係数(=(標準偏差)/(平均値))の0.5倍」との乗算値を差し引いた数値を設定することができる(このような設定については、例えば非特許文献:Daniel J. Plews et al., “Heart rate variability in elite triathletes, is variation in variability the key to effective training? A case comparison”, European Journal of Applied Physiology, 112, pp.3729-3741, 2012年 を参照)。なお、このようにして設定されるベースラインは、一般に個人差を有するので、個人(例えば選手)毎に算出されることも好ましい。またさらに、以上のようにして構築されたクラスタ内共通の体調推定モデルに対し、推定対象(例えば当該クラスタに属する特定の一選手)に係る学習データによって調整を行い、当該推定対象専用の体調モデルを生成することも可能である。
ここで、上記の調整として具体的には、構築された体調推定モデルの(学習済みの)パラメータをモデルパラメータの初期値とし、再度、推定対象(例えば特定の一選手)に係る学習データをもって再学習(ファインチューニング)を行ってもよい。いずれにしても、このようなモデル構築手法は特に、蓄積された特徴量生成用の元情報が少ない場合に有効となるのである。
同じく図1の機能ブロック図において、モデル選択部115aを含む体調情報決定部115は、上述したように生成された体調推定モデルを用いて、推定対象(例えば特定の一選手)の将来の体調情報である体調値を決定する(体調を推定する)。以下、この際に取り得る4つの体調情報決定形態を順次、説明する。
<第1形態>
体調情報決定部115は、
(a)ある時点又は期間(例えば推定当日)に対して決められた推定対象(当該選手)の体調値と、
(b)当該ある時点又は期間(推定当日)において推定対象(当該選手)について生成された訓練性ストレス特徴量と
に基づき、構築された「訓練に係る体調推定モデル」を用いて、当該1つの時点又は期間(推定当日)からみて将来となる時点又は期間(例えば翌日の起床時)における推定対象(当該選手)の体調値を決定する。
ここで上述したように、本願発明者は、「体調」におけるその過去、例えば前日からの変化分は、多くのケースにおいて訓練性ストレスの影響を非常に大きく受けるとの知見を得、この知見に基づいてこの<第1形態>を発明したものである。これにより、トレーニングに係る時点又は期間(推定当日)からみて将来となる時点又は期間(翌日の起床時)における推定対象(当該選手)の「体調」を推定することが可能となる。
<第2形態>
体調情報決定部115のモデル選択部115aは、
(a)1つの時点又は期間(例えば推定当日)について上記<第1形態>と同様にして決定された体調値について得られた(「訓練に係る体調推定モデル」の出力である)「尤度又は誤差に係る情報」に基づいて、体調推定には非訓練性ストレス特徴量も「必要である」か否かを判定し、
(b)「必要である」との判定を行った場合、使用する体調推定モデルとして「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」を決定する。一方、「必要ではない」(「必要である」ではない)との判定を行った場合、体調情報決定部115は、上記(a)の体調値を推定される体調値に決定してもよく、または改めて、ある時点又は期間(推定当日)について上記<第1形態>と同様にして体調値を決定してもよい。
ここで、上記(a)の「尤度又は誤差に係る情報」は、「訓練に係る体調推定モデル」が例えば混合正規分布による推定モデルやベイジアンモデルである場合、推定分布に係る入力データの尤度L1とすることができる。この場合モデル選択部115aは、例えばこの尤度L1が所定の尤度閾値L_th未満である場合に、非訓練性に係る情報を考慮することで尤度の向上することを期し、「必要である」との判定を行うことができる。または、「尤度又は誤差に係る情報」として、サンプリングした予測点に対して得られる予測誤差を用いることも可能である。この場合、モデル選択部115aは、例えばこの予測誤差が所定の予測誤差閾値を超える場合に、「必要である」との判定を行ってもよい。
さらに、「訓練に係る体調推定モデル」が例えばニューラルネットワーク推定モデルである場合、上記(a)の「尤度又は誤差に係る情報」は予測誤差E1とすることができる。この場合モデル選択部115aは、例えばこの予測誤差E1が所定の予測誤差閾値E_thを超える場合に、「必要である」との判定を行ってもよい。
次いで、「必要である」との判定に基づき「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」の使用が決定された場合において、体調情報決定部115は、
(c)ある時点又は期間(推定当日)に対して決められた推定対象(当該選手)の体調値と、
(d)当該ある時点又は期間(推定当日)において推定対象(当該選手)について生成された訓練性ストレス特徴量と、
(e)当該ある時点又は期間(推定当日)において推定対象(当該選手)について生成された非訓練性ストレス特徴量と
に基づき、構築された「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」を用いて、当該1つの時点又は期間(推定当日)からみて将来となる時点又は期間(翌日の起床時)における推定対象(当該選手)の体調値を決定するのである。
ここで上述したように、本願発明者は、推定対象のHRVが、日々実施されるトレーニングだけではなく、日常生活における様々なストレス、例えば重要なミーティングやパーティへの出席、さらには転戦のための長時間の移動等からも少なからぬ影響を受け得るとの知見を得、この知見に基づいてこの<第2形態>を発明したものである。これにより、将来となる時点又は期間(翌日の起床時)における推定対象(当該選手)の「体調」をより精度よく推定することも可能となるのである。
ちなみに、推定対象が例えばエリート選手である場合でも、トレーニングによるストレスが低い休養期等では、非訓練性ストレス特徴量の体調に与える影響が高くなると考えられる。したがって<第2形態>は、推定対象自体の特性・性質だけでなく、推定対象に係る環境・時期の影響も取り込んで、より精度の高い体調推定処理を行うものとなっている。
次に、モデル選択部115aにおけるモデル選択処理の実施形態を概略的に示した図2を参照しながら、<第3形態>及び<第4形態>の説明を行う。
<第3形態>
体調情報決定部115のモデル選択部115aは、図2に示したように、
(a)1つの時点又は期間(例えば推定当日)での情報・特徴量に基づき「訓練に係る体調推定モデル」を用いて得られた体調値についての「尤度又は誤差に係る情報」(例えば尤度L1又は予測誤差E1)と、
(b)当該1つの時点又は期間(推定当日)での情報・特徴量に基づき「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」を用いて得られた体調値についての「尤度又は誤差に係る情報」(例えば尤度L2又は予測誤差E2)と
の比較に基づき、これら体調推定モデルのいずれか一方の採用を決定する。
ここで、「訓練に係る体調推定モデル」及び「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」がともに例えば混合正規分布による推定モデルやベイジアンモデルである場合、これらの体調推定モデルから出力される尤度L1及び尤度L2を比較し、尤度の大きい方の体調推定モデルの採用を決定してもよい。または、両者のサンプリングした予測点に対して得られる予測誤差を比較し、予測誤差の小さい方の体調推定モデルの採用を決定することも可能である。
また、「訓練に係る体調推定モデル」及び「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」がともに例えばニューラルネットワーク推定モデルである場合、これらの体調推定モデルから出力される予測誤差E1及び予測誤差E2を比較し、予測誤差の小さい方の体調推定モデルの採用を決定することができる。
次いで、体調情報決定部115は、
(c)ある時点又は期間(推定当日)に対して決められた推定対象(当該選手)の体調値と、
(d)当該ある時点又は期間(推定当日)において推定対象(当該選手)について生成された訓練性ストレス特徴量と、
(e)「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」が採用される場合、当該ある時点又は期間(推定当日)において推定対象(当該選手)について生成された非訓練性ストレス特徴量と
に基づき、採用の決定された方の体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間(推定当日)からみて将来となる時点又は期間(翌日の起床時)における推定対象(当該選手)の体調値を決定することも好ましい。
このように<第3形態>は、<第2形態>のように「訓練に係る体調推定モデル」の「尤度又は誤差に係る情報」だけではなく、他方の「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」の「尤度又は誤差に係る情報」をも勘案し、より適切な体調推定モデルを採用することができる。その結果、将来となる時点又は期間(翌日の起床時)における推定対象(当該選手)の「体調」をさらに精度よく推定することも可能となるのである。
<第4形態>
体調情報決定部115のモデル選択部115aは、図2に示したように、
(a)1つの時点又は期間(例えば推定当日)での情報・特徴量に基づき「訓練に係る体調推定モデル」を用いて得られた体調値についての「尤度又は誤差に係る情報」(例えば尤度L1又は予測誤差E1)と、
(b)当該1つの時点又は期間(推定当日)での情報・特徴量に基づき「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」を用いて得られた体調値についての「尤度又は誤差に係る情報」(例えば尤度L2又は予測誤差E2)と、
(c)当該1つの時点又は期間(推定当日)での情報・特徴量に基づき「非訓練に係る体調推定モデル」を用いて得られた体調値についての「尤度又は誤差に係る情報」(例えば尤度L3又は予測誤差E3)と
の比較に基づき、これら体調推定モデルのいずれか1つの採用を決定する。
ここで、「訓練に係る体調推定モデル」、「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」及び「非訓練に係る体調推定モデル」がいずれも例えば混合正規分布による推定モデルやベイジアンモデルである場合、これらの体調推定モデルから出力される尤度L1、尤度L2及び尤度L3を比較し、尤度の最も大きい体調推定モデルの採用を決定してもよい。または、これらの体調推定モデルにおけるサンプリングした予測点に対して得られる予測誤差を比較し、予測誤差の最も小さい体調推定モデルの採用を決定することも可能である。
また、「訓練に係る体調推定モデル」、「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」及び「非訓練に係る体調推定モデル」がいずれも例えばニューラルネットワーク推定モデルである場合、これらの体調推定モデルから出力される予測誤差E1、予測誤差E2及び予測誤差E3を比較し、予測誤差の最も小さい体調推定モデルの採用を決定してもよい。
次いで、体調情報決定部115は、
(c)ある時点又は期間(推定当日)に対して決められた推定対象(当該選手)の体調値と、
(d)「訓練に係る体調推定モデル」又は「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」が採用される場合、当該ある時点又は期間(推定当日)において推定対象(当該選手)について生成された訓練性ストレス特徴量と、
(e)「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」又は「非訓練に係る体調推定モデル」が採用される場合、当該ある時点又は期間(推定当日)において推定対象(当該選手)について生成された非訓練性ストレス特徴量と
に基づき、採用の決定された体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間(推定当日)からみて将来となる時点又は期間(翌日の起床時)における推定対象(当該選手)の体調値を決定することも好ましい。
このように<第4形態>は、採用する可能性のある全ての体調推定モデルの「尤度又は誤差に係る情報」を勘案するので、より適切な体調推定モデルを採用することができる。その結果、将来となる時点又は期間(翌日の起床時)における推定対象(当該選手)の「体調」をさらに精度よく推定することも可能となるのである。
ちなみにあくまで経験に基づく推測ではあるが、上記の採用候補である3つの体調推定モデルのうち、「訓練に係る体調推定モデル」は、例えば日常的に過酷なトレーニングを実施しているエリート選手を推定対象とするケースにおいて採用されやすいとも考えられ、「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」は、上記のエリート選手以外のスポーツ選手、例えば標準的な学生選手を推定対象とするケースにおいて採用されやすいとも考えられ、さらに、「非訓練に係る体調推定モデル」は、例えば趣味としてスポーツを楽しむ標準的なスポーツ愛好家を推定対象とするケースにおいて採用されやすいとも考えられる。このように、<第4形態>によれば、幅広い範囲の推定対象に対し適切な体調推定モデルを選択して、より精度の高い体調推定を実施することも可能となるのである。
以上、4つの体調情報決定形態を説明したが、このうち、<第3形態>及び<第4形態>については、選択候補である2つの体調推定モデル(第3形態)又は3つの体調推定モデル(第4形態)の各々について、例えば毎日、当日及び過去数日分の体調情報及び特徴量をシフトさせながら学習データとして用いて各モデルを構築するとともに、例えば当日の体調情報及び特徴量を用いて、構築した各モデルの「尤度又は誤差に係る情報」を導出し、これによりモデルの選択(採用モデルの決定)を行うことも好ましい。また、このような毎日の学習・判定処理は、<第2形態>の「訓練に係る体調推定モデル」について実施されてもよい。
さらに、以上の4つの体調情報決定形態における、構築したいずれの体調推定モデルにおいても、決定・推定された体調値(例えばLn_RMSSD値)が、実際の体調値(例えばLn_RMSSD値)からみて所定以上の差を有する場合、特徴量の生成に用いるべき訓練性ストレス情報の項目や非訓練性ストレス情報の項目を、例えば予め測定しておいたこれらの情報とHRV値(Ln_RMSSD値)との相関に基づき、選択し直すことも好ましい。
ここで、体調推定モデルの具体例として、混合正規分布による「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」を説明する。ちなみに「訓練に係る体調推定モデル」や「非訓練に係る体調推定モデル」も、以下と同様に構成することが可能である。いずれにしても、混合正規分布による体調推定モデルでは、推定時に予測の分散も決定することができ、推定値を取り扱う上で好ましいものとなっている。
最初に、トレーニングの種類をi(i∈I, Iはトレーニングの全種類の集合)とし、非トレーニング事項の種類をj(j∈J, Jは非トレーニング事項の全種類の集合)とし、さらに説明変数としての時系列特徴量データに係る1日の各時刻をd(τ_0≦d≦τ_1)として、訓練性ストレス特徴量をSt i,dで表し、非訓練性ストレス特徴量をSu j,dで表し、さらに体調値(Ln_RMSSD値)をHdとする。この場合、目的変数である翌日の体調値(Ln_RMSSD値)Hτ_1+1の確率密度関数は、次式
(3) p(Hτ_1+1)=Σi,dπt i,d・N(Hd,St i,dt i,dt i,d)
+Σj,dπu j,d・N(Hd,Su j,du j,du j,d)
をもって表される。ここで、Σi,dは、i(i∈I)及びd(τ_0≦d≦τ_1)についての総和(summation)であり、Σj,dは、j(j∈J)及びd(τ_0≦d≦τ_1)についての総和(summation)であり、さらに、N()は、括弧内の内容をもつ正規分布の確率密度関数である。また、{π}は、各正規分布の混合比であってΣi,dπt i,d+Σj,dπu j,d=1との制約条件を満たすパラメータであり、さらに、{μ}及び{σ}はそれぞれ、各正規分布の平均及び標準偏差を表すパラメータとなっている。
この上式(3)は、まさに「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」を表現した推定分布式となっており、具体的には、式内のパラメータ{π,μ,σ}を、周知の手法であるEMアルゴリズム等で最適化して当該モデルを構築するのである。
また、このようにパラメータ{π,μ,σ}を決定した上式(3)に対し、生成した訓練性/非訓練性ストレス特徴量及び体調値(Ln_RMSSD値)の時系列(τ_0~τ_1)データを入力することによって、翌日(τ_1+1)の体調値(Ln_RMSSD値)(の確率密度)、さらにはその尤度Lを決定することができるのである。
図1の機能ブロック図において、アドバイス情報生成部116は、
(a)推定された体調値(例えばLn_RMSSD値)と、
(b)訓練性ストレス情報が用いられている場合には、上記(a)の体調値に係る時点又は期間からみて過去となる所定の時点又は期間(例えば上記(a)の体調値が翌日の起床時に係る値であれば当日)における訓練性ストレス情報と、
(c)非訓練性ストレス情報が用いられている場合には、上記(a)の体調値に係る時点又は期間からみて過去となる所定の時点又は期間(例えば上記(a)の体調値が翌日の起床時に係る値であれば当日)における非訓練性ストレス情報と
に基づいて、訓練性ストレス及び/又は非訓練性ストレスの減少、維持又は増加に係るアドバイス情報を出力する。
具体的には、例えば推定対象について算定されているLn_RMSSDのベースライン(基準値)を体調判定閾値として、推定された体調値であるLn_RMSSD値が、当該ベースラインを下回った場合、「体調が悪い」と判定することができる。
ここで、体調判定閾値としてのベースラインは上述したように、例えば「直近2週間におけるLn_RMSSDの平均値」から、「直近2週間におけるLn_RMSSDの平均値」と「直近2週間におけるLn_RMSSDの変動係数(=(標準偏差)/(平均値))の0.5倍」との乗算値を差し引いた数値としてもよい。例えば、直近2週間のLn_RMSSDの平均値が5であり、変動係数が5%の場合、ベースラインは4.875となる。なお、このようなベースラインの取り扱いについては、例えば非特許文献:Daniel J. Plews et al., “Heart rate variability in elite triathletes, is variation in variability the key to effective training? A case comparison”, European Journal of Applied Physiology, 112, pp.3729-3741, 2012年に記載されている。
また、体調判定閾値としてのベースラインは通常、当該推定対象の(例えば持久力テスト結果から数値化可能な)体力や、ベースライン算定時の気温又は季節の影響を受けることが知られている。したがって、ベースラインの算定は、これらの情報も加味して実施されることも好ましい。
ここで、アドバイス情報生成部116が出力するアドバイス情報は、例えば以下のような情報とすることができる。
<訓練性ストレスを低減させるアドバイス>
アドバイス情報生成部116は、訓練性ストレスが体調に悪影響を与えていると判定した場合に、訓練性ストレスを低減させるアドバイスを出力してもよい。例えば、
(a)推定された翌日の体調値であるLn_RMSSD値がベースラインを下回っていて「体調が悪い」と判定され、さらに、
(b)当日及び直近の過去数日間における特定の訓練性ストレスが所定以上に高い場合(例えば特定の訓練性ストレス特徴量が所定閾値を超えている場合)、当該特定の訓練性ストレスが減少するようなアドバイスを出力することができる。
より具体的には例えば、直近の過去7日間における当該特定の訓練性ストレス特徴量が、直近の過去1ヶ月間における特定の訓練性ストレス特徴量の平均値の150%を超えた値となっている場合、当該特定の訓練性ストレス(特徴量)を低減させるアドバイスを出力してもよい。
<非訓練性ストレスを低減させるアドバイス>
一方、アドバイス情報生成部116は、非訓練性ストレスが体調に悪影響を与えていると判定した場合に、非訓練性ストレスを低減させるアドバイスを出力してもよい。例えば、
(a)推定された翌日の体調値であるLn_RMSSD値がベースラインを下回っていて「体調が悪い」と判定され、さらに、
(b)当日及び直近の過去数日間における特定の非訓練性ストレスが所定以上に高い場合(例えば特定の非訓練性ストレス特徴量が所定閾値を超えている場合)、当該特定の非訓練性ストレスが減少するようなアドバイスを出力することができる。
なお、当該特定の非訓練性ストレスの低減が現実的に困難である場合(例えば、当該特定の非訓練性ストレス特徴量が、予め設定された取り得る値範囲を下回るようにしなければならない場合)、そのような低減を促すアドバイスに代えて、一般に体調を好ましい方向へ導くとされる予め設定された活動(例えば瞑想や交代浴等)を行うアドバイスを出力してもよい。
また、以上に説明したようなアドバイス情報は、例えば人手によって、所定のIf-thenルールを設定した上で、予めデータベース化されていることも好ましい。さらに、体調推定で使用した体調推定モデルから出力される体調値(Ln_RMSSD値)を、より好ましい方向に導く特徴量入力値を予め求めておき、訓練性ストレス/非訓練性ストレスについて、当該特徴量入力値へ向かうような変化を促すアドバイスを行うことも可能である。
以上、アドバイス情報生成部116から出力されるアドバイス情報を利用することによって、例えば推定対象自身は、さらには当該推定対象にアドバイスを行う立場にあるアドバイザは、当該推定対象の将来の体調を知ることだけではなく、体調を整えるための適切な対応・措置をとることも可能となるのである。
同じく図1の機能ブロック図において、体調情報決定部115で決定された体調情報(体調値)や、アドバイス情報生成部116で生成され出力されたアドバイス情報は、例えばキーボード105を介したユーザの指示に従い、入出力制御部122を介してディスプレイ106に表示されてもよい。さらに、例えば体調の推定対象である選手の携帯するスマートフォンから、通信インタフェース部101を介して情報提供要求が受信された際、これらの体調情報(体調値)やアドバイス情報が、通信制御部121及び通信インタフェース部101を介して当該スマートフォンへ送信され、そこで様々な用途、例えば体調管理やトレーニングメニューの更新等に利用されることも好ましい。
[体調推定方法]
図3は、本発明による体調推定方法における一実施形態の概要を示すフローチャートである。
<体調推定当日の起床時>
(S101)心拍測定情報保存部104から、推定対象(例えばある選手)についての、体調推定当日の起床時における心拍測定情報を取得する。
(S102)取得した心拍測定情報に基づき、推定対象(当該選手)の体調値を算出する。
(S103)算出した体調値(例えばLn_RMSSD値)を含む体調情報を報知する。例えば、「体調値は***であり、体調は良好です。」といったような内容の情報をディスプレイ106に表示する。
<体調推定当日中の所定時刻>
(S201)訓練性ストレス情報保存部102から、推定対象(当該選手)についての、体調推定当日における訓練性ストレス情報を取得し、また、非訓練性ストレス情報保存部103から、推定対象(当該選手)についての、体調推定当日における非訓練性ストレス情報を取得する。
(S202)取得した訓練性ストレス情報から、推定対象(当該選手)の訓練性ストレス特徴量を算出し、また、取得した非訓練性ストレス情報から、推定対象(当該選手)の非訓練性ストレス特徴量を算出する。
(S203)構築済みの「訓練に係る体調推定モデル」、「訓練及び非訓練に係る体調推定モデル」及び「非訓練に係る体調推定モデル」のうちから(すでに説明した方法によって)選択した1つに対し、当日の体調値と、算出した訓練性ストレス特徴量及び/又は非訓練性ストレス特徴量とを入力し、推定対象(当該選手)についての翌日の体調値を出力させる(推定値としての体調値を決定する)。
(S204)決定・推定した翌日の体調値から、予め算出された推定対象(当該選手)のベースラインに基づき、推定対象(当該選手)における翌日の体調は悪いか否かを判定する。ここで、「悪くない」(「悪い」ではない)との判定を行った場合、本実施形態ではアドバイスの必要はないとして、体調推定当日における体調推定処理を終了する。
(S205)一方、ステップS204で「悪い」との判定を行った場合、体調推定当日及び所定の過去の期間における心拍変動情報、訓練性ストレス情報及び非訓練情報に基づき、アドバイス情報、例えば「明日の体調の悪化が予想されます。***トレーニングの時間を短縮して下さい。」といったような内容の情報を決定する。
(S206)決定したアドバイス情報を報知する。例えば、当該アドバイス情報をディスプレイ106に表示する。また、本実施形態ではここで、体調推定当日における体調推定処理を終了する。
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、少なくとも訓練性(トレーニング性)ストレス情報を勘案することによって、トレーニング(訓練)に係る時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における対象の体調を推定することが可能となる。
また、このような本発明による体調推定処理は、訓練性ストレス情報を主要情報として取り扱っているので、例えば特に、一流のパラアスリートを含むエリート選手を推定対象とする場合に、良好な推定結果を出力可能となっている。しかしながら勿論、本発明はこのようなエリート選手だけを推定対象とするものではなく、例えば学生選手や、社会人スポーツ愛好家、さらにはリハビリや介護を受ける者等、パフォーマンスや体調自体を向上させるべくトレーニング(訓練)を実施するものならば種々様々な対象が、本発明による推定対象となり得るのである。
またそれ故、本発明による体調推定装置、プログラム及び方法は、例えば所定の競技大会に向けての強化選手・強化チームの養成支援に資するだけでなく、例えばリハビリテーション病院に入院したスポーツ選手や一般患者におけるリハビリ効果の向上支援にも貢献するものと考えられる。
上述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。上述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
1 体調推定装置
101 通信インタフェース部
102 訓練性ストレス情報保存部
103 非訓練性ストレス情報保存部
104 心拍測定情報保存部
105 キーボード(KB)
106 ディスプレイ(DP)
111 訓練性ストレス特徴量生成部
112 非訓練性ストレス特徴量生成部
113 体調情報生成部
114 体調推定モデル構築部
115 体調情報決定部
115a モデル選択部
116 アドバイス情報生成部
121 通信制御部
122 入出力制御部
2 訓練性ストレス情報データベース(DB)
3 非訓練性ストレス情報DB
4 心拍測定情報DB

Claims (10)

  1. 身体に係る測定値を用いて決められる体調を推定する体調推定装置であって、
    1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間において当該推定対象によって実施された身体の訓練に係るストレスの情報である訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定する体調情報決定手段を有し、
    前記体調情報決定手段は、前記訓練に係る体調推定モデルから出力される、決定した体調情報についての尤度又は誤差に係る情報に基づき、当該尤度が所定閾値未満であることから、または当該誤差が所定閾値を超えていることから、当該身体の訓練に係るストレス以外のストレスの情報である非訓練性ストレス情報も必要であると判定した場合、1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、
    前記訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報に係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ及び訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築され、
    前記訓練及び非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報とに係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ、並びに訓練性ストレス情報及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築される
    とを特徴とする体調推定装置。
  2. 身体に係る測定値を用いて決められる体調を推定する体調推定装置であって、
    1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間において当該推定対象によって実施された身体の訓練に係るストレスの情報である訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定する体調情報決定手段を有し、
    前記体調情報決定手段は、1つの時点又は期間に係る当該体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、当該1つの時点又は期間における、当該身体の訓練に係るストレス以外のストレスの情報である非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、次いで、前記訓練に係る体調推定モデルから出力される、該訓練に係る体調推定モデルを用いて決定された体調情報についての尤度又は誤差に係る情報と、前記訓練及び非訓練に係る体調推定モデルから出力される、該訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて決定された体調情報についての尤度又は誤差に係る情報との比較に基づき、これら体調推定モデルのいずれか一方の採用を決定し、次いで、1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、前記訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを採用する際には当該ある時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、採用の決定された当該体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、
    前記訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報に係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ及び訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築され、
    前記訓練及び非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報とに係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ、並びに訓練性ストレス情報及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築される
    とを特徴とする体調推定装置。
  3. 身体に係る測定値を用いて決められる体調を推定する体調推定装置であって、
    1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間において当該推定対象によって実施された身体の訓練に係るストレスの情報である訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定する体調情報決定手段を有し、
    前記体調情報決定手段は、1つの時点又は期間に係る当該体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、当該1つの時点又は期間における、当該身体の訓練に係るストレス以外のストレスの情報である非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、また、1つの時点又は期間に係る当該体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、次いで、前記訓練に係る体調推定モデルから出力される、該訓練に係る体調推定モデルを用いて決定された体調情報についての尤度又は誤差に係る情報と、前記訓練及び非訓練に係る体調推定モデルから出力される、該訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて決定された体調情報についての尤度又は誤差に係る情報と、前記非訓練に係る体調推定モデルから出力される、該非訓練に係る体調推定モデルを用いて決定された体調情報についての尤度又は誤差に係る情報との比較に基づき、これら体調推定モデルのいずれか1つの採用を決定し、次いで、ある時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、少なくとも前記訓練に係る体調推定モデル又は前記訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを採用する際には当該ある時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、少なくとも前記訓練及び非訓練に係る体調推定モデル又は前記非訓練に係る体調推定モデルを採用する際には当該ある時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、採用の決定された当該体調推定モデルを用いて、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、
    前記訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報に係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ及び訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築され、
    前記訓練及び非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報とに係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ、並びに訓練性ストレス情報及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築され、
    前記非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報に係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築される
    とを特徴とする体調推定装置。
  4. 当該体調情報は、心拍の測定に係る測定値を用いて決められる量を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の体調推定装置。
  5. 当該非訓練性ストレス情報は、複数の非訓練性ストレス情報候補の中から、少なくとも、目的変数である当該身体に係る測定値との間の相関が所定以上となる説明変数に該当する候補を選択して決定されたものであることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の体調推定装置。
  6. 用いられる若しくは採用される体調推定モデルは、当該身体に係る測定値の互いに類似する複数の対象に係る学習データによって学習されたもの、又は、当該複数の対象に係る学習データによって学習された後に、推定対象に係る学習データによって調整されたものであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の体調推定装置。
  7. 用いられる若しくは採用される体調推定モデルは、混合正規分布による推定モデル、ベイジアンモデル又はニューラルネットワーク推定モデルであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の体調推定装置。
  8. 決定された当該体調情報と、当該訓練性ストレス情報が用いられる場合には当該体調情報に係る時点又は期間からみて過去となる所定の時点又は期間における当該訓練性ストレス情報と、当該非訓練性ストレス情報が用いられる場合には当該所定の時点又は期間からみて過去となる所定の時点又は期間における当該非訓練性ストレス情報とに基づいて、訓練性ストレス及び/又は非訓練性ストレスの減少、維持又は増加に係るアドバイス情報を出力するアドバイス情報生成手段を更に有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の体調推定装置。
  9. 身体に係る測定値を用いて決められる体調を推定するコンピュータを機能させる体調推定プログラムであって、
    1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間において当該推定対象によって実施された身体の訓練に係るストレスの情報である訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定する体調情報決定手段としてコンピュータを機能させ
    前記体調情報決定手段は、前記訓練に係る体調推定モデルから出力される、決定した体調情報についての尤度又は誤差に係る情報に基づき、当該尤度が所定閾値未満であることから、または当該誤差が所定閾値を超えていることから、当該身体の訓練に係るストレス以外のストレスの情報である非訓練性ストレス情報も必要であると判定した場合、1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定し、
    前記訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報に係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ及び訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築され、
    前記訓練及び非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報とに係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ、並びに訓練性ストレス情報及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて構築される
    とを特徴とする体調推定プログラム。
  10. 身体に係る測定値を用いて決められる体調を推定するコンピュータによって実施される体調推定方法であって、
    ある時点又は期間に対して決められた対象の体調情報と、当該ある時点又は期間において当該対象によって実施された身体の訓練に係るストレスの情報である訓練性ストレス情報と、対応する正解データとしての体調情報であって、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該対象の体調情報とを用いて学習処理を行い、訓練に係る体調推定モデルを生成するステップと、
    1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該推定対象の当該訓練性ストレス情報とに基づき、生成された前記訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定するステップと
    前記訓練に係る体調推定モデルから出力される、決定した体調情報についての尤度又は誤差に係る情報に基づき、当該尤度が所定閾値未満であることから、または当該誤差が所定閾値を超えていることから、当該身体の訓練に係るストレス以外のストレスの情報である非訓練性ストレス情報も必要であると判定した場合、1つの時点又は期間に対して決められた推定対象の体調情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該訓練性ストレス情報と、当該1つの時点又は期間に係る当該非訓練性ストレス情報とに基づき、学習済みの訓練及び非訓練に係る体調推定モデルを用いて、当該1つの時点又は期間からみて将来となる時点又は期間における当該推定対象の体調情報を決定するステップと
    を有し、
    前記訓練及び非訓練に係る体調推定モデルは、ある時点又は期間に係る体調情報と、当該ある時点又は期間に係る訓練性ストレス情報と、当該ある時点又は期間に係る非訓練性ストレス情報とに係る特徴量とを説明変数とし、当該ある時点又は期間からみて将来となる時点又は期間に係る体調情報を目的変数としたモデルであって、当該説明変数に係る体調情報のデータ、並びに訓練性ストレス情報及び非訓練性ストレス情報に係る特徴量のデータと、対応する当該目的変数に係る体調情報のデータとを用いて生成される
    とを特徴とする体調推定方法。
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