JP7265497B2 - リソース融通支援装置およびリソース融通支援方法 - Google Patents

リソース融通支援装置およびリソース融通支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、リソース融通支援装置およびリソース融通支援方法に関する。
日本は諸外国と比較して台風、大雨、地震など自然災害の発生頻度が高い国土であり、災害対策は重要な課題となっている。その中で特に災害発生時の被害対応においては、早期復旧に向けた適切な事前対策、資源配分などが求められている。そこで、例えば災害時のインフラ被害に対応する仕組みとして、インフラ機器の復旧優先度の決定支援方法や、被災者への不足資源の割当方法などの研究が近年進められている。
こうした災害時被害対応に関する従来技術として、例えば下記の特許文献1が知られている。特許文献1には、平常時に事業設備として運用され、予約によりサービスを提供する施設を少なくとも含む資源に関する情報、及び、当該資源の予約に関する情報を予約情報として記憶する予約情報記憶手段と、前記災害発生時に前記資源を利用する利用者として予め登録された対象者に関する対象者情報を記憶する対象者情報記憶手段と、受信した前記災害情報に基づいて、前記対象者情報と前記予約情報とをマッチングし、前記対象者の避難に適した前記資源の予約情報を特定する予約情報特定手段と、特定された予約情報を出力する出力制御手段とを備え、災害が発生した際に観光資源を避難用の施設として利用することを支援する避難支援装置が開示されている。
特開2016-38698号公報
特許文献1に記載された避難支援装置では、各対象者へ割り当てる観光資源として、避難所に代わるホテル、民宿等の宿泊施設が想定されている。こうした災害時の資源割当方法は、インフラ復旧のための割当資源やその資源割当の手段は固定であることを前提としており、資源の種類や資源提供手段が複数ケースある場合は考慮していない。
しかしながら、インフラのライフラインとしての復旧に有用な資源(リソース)には様々な種類のものが存在し、また資源ごとに提供形態が異なる。例えば、電力融通の場合、提供手段は、グリッドでの融通以外にも、電気自動車の派遣、発電機提供などの複数の手段が存在し、また燃料電池などの設備を有する場合はガス提供など別資源提供による復旧も考えられる。しかしこうした複数のリソース融通の手段を考慮した災害時のリソース融通を支援する技術は提案されていない。
したがって、本発明では、災害時のインフラ復旧のために最適な資源を、資源ごとの提供形態の違いを考慮して最適な手段で提供するリソース融通支援装置およびリソース融通支援方法の提供を目的とする。
本発明の第1の態様によるリソース融通支援装置は、災害発生時に利用されるリソースを提供するリソース提供者と、前記リソースの提供を受けるリソース被提供者との間で、前記リソースの融通を支援するものであって、前記リソース提供者が提供可能な前記リソースの提供形態を示すリソース提供可能情報と、前記リソース被提供者が提供を希望する前記リソースの提供形態を示すリソース提供希望情報とを取得する情報取得部と、前記リソース提供可能情報および前記リソース提供希望情報に基づいて、前記リソースを授受する前記リソース提供者と前記リソース被提供者の組み合わせを決定するマッチング処理部と、災害発生時の被害に対するレジリエンスを所定のエリアごとに評価するレジリエンス評価部と、を備え、前記リソース提供可能情報および前記リソース提供希望情報は、前記リソースの種類を示す情報をそれぞれ含み、前記マッチング処理部は、前記リソースの種類および前記レジリエンス評価部による前記レジリエンスの評価結果に基づいて前記組み合わせを決定する。
本発明の第2の態様によるリソース融通支援装置は、災害発生時に利用されるリソースを提供するリソース提供者と、前記リソースの提供を受けるリソース被提供者との間で、前記リソースの融通を支援するものであって、前記リソース提供者が提供可能な前記リソースの提供形態を示すリソース提供可能情報を取得する情報取得部と、災害発生時の被害に対するレジリエンスの評価値を改善するために追加すべき前記リソースの候補を示すレジリエンス改善案を所定のエリアごとに立案するボトルネック評価部と、前記リソース提供可能情報および前記レジリエンス改善案に基づいて、前記リソースを授受する前記リソース提供者と前記リソース被提供者の組み合わせを決定するマッチング処理部と、を備える。
本発明の第の態様によるリソース融通支援方法は、災害発生時に利用されるリソースを提供するリソース提供者と、前記リソースの提供を受けるリソース被提供者との間で、前記リソースの融通を支援するものであって、コンピュータにより、前記リソース提供者が提供可能な前記リソースの提供形態を示すリソース提供可能情報と、前記リソース被提供者が提供を希望する前記リソースの提供形態を示すリソース提供希望情報とを取得し、前記コンピュータにより、災害発生時の被害に対するレジリエンスを所定のエリアごとに評価し、前記コンピュータにより、前記リソース提供可能情報および前記リソース提供希望情報にそれぞれ含まれる前記リソースの種類を示す情報と、前記レジリエンスの評価結果と、に基づいて、前記リソースを授受する前記リソース提供者と前記リソース被提供者の組み合わせを決定する。
本発明の第の態様によるリソース融通支援方法は、災害発生時に利用されるリソースを提供するリソース提供者と、前記リソースの提供を受けるリソース被提供者との間で、前記リソースの融通を支援するものであって、コンピュータにより、前記リソース提供者が提供可能な前記リソースの提供形態を示すリソース提供可能情報を取得し、前記コンピュータにより、災害発生時の被害に対するレジリエンスの評価値を改善するために追加すべき前記リソースの候補を示すレジリエンス改善案を所定のエリアごとに立案し、前記コンピュータにより、前記リソース提供可能情報および前記レジリエンス改善案に基づいて、前記リソースを授受する前記リソース提供者と前記リソース被提供者の組み合わせを決定する。
本発明によれば、資源ごとの提供形態の違いを考慮して最適な資源配分を実現するリソース融通支援装置およびリソース融通支援方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るリソース融通支援装置の概念図である。 本発明の一実施形態に係るリソース融通支援装置の構成例を示す図である。 レジリエンス評価部のソフトウェア構成を示す図である。 マッチング処理部のソフトウェア構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るリソース融通支援装置による全体の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るレジリエンス評価処理の詳細を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るボトルネック評価処理の詳細を示すフローチャートである。 レジリエンス評価結果の画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るリソース融通マッチング処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るリソース可視化処理の詳細を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る最適マッチング処理の詳細を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るリソース融通支援装置において使用されるデータの具体例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るリソース融通支援装置において使用されるデータの具体例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るリソース融通支援装置において使用されるデータの具体例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳述する。
<概要>
本発明の一実施形態に係るリソース融通支援装置10は、災害発生時に利用される資源(リソース)を提供するリソース提供者と、当該資源(リソース)の提供を受けるリソース被提供者との間で、リソースの融通を支援する装置である。これを実現するため、リソース融通支援装置10では、行政区分等に従って予め定めた所定のエリアごとに、災害発生時の被害に対するレジリエンスを評価する。レジリエンスとは、災害に対する耐久性や回復力を表す指標であり、レジリエンスが低いエリアほど災害発生時に優先的な支援が必要となる。そして、レジリエンスの向上に対してボトルネックとなっている不足リソースを判定することで、レジリエンス改善案を立案する。さらに、リソース提供者が提供可能なリソースの提供形態を示す情報であるリソース提供可能情報と、リソース被提供者が提供を希望するリソースの提供形態を示す情報であるリソース提供希望情報とを取得し、これらの情報に基づいてリソース提供者とリソース被提供者の間でマッチングを行うことにより、両者間でのリソースの融通が円滑に行われるように支援する。
図1は、本発明の一実施形態に係るリソース融通支援装置10の概念図である。前述のようにリソース融通支援装置10は、エリアごとのレジリエンス評価と、リソース提供者とリソース被提供者の間でのリソース融通のマッチングとを実施する。図1(a)に示した概念図は、エリアごとのレジリエンス評価の概念を説明する図であり、図1(b)に示した概念図は、リソース提供者とリソース被提供者の間でのリソース融通マッチングの概念を説明する図である。
図1(a)に示すように、エリアごとのレジリエンス評価において、リソース融通支援装置10は、まずインフラ管理者からエリアごとのエリア内情報を取得する。エリア内情報とは、エリア内の利用可能リソース、保有設備、住民状況などを示す情報である。そして、取得したエリア内情報を参照しつつ、エリアごとのレジリエンス評価を実行し、評価結果をインフラ管理者に提供する。さらに、レジリエンスの評価値が低いエリアについては、ボトルネックとなっているリソースを判定し、その判定結果を、レジリエンスを改善するためのレジリエンス改善案としてインフラ管理者に報知する。これにより、インフラ管理者に対してボトルネックを解消し、レジリエンスの改善を促すようにする。
また図1(b)に示すように、リソース融通マッチングにおいて、リソース融通支援装置10は、インフラ管理者から前述のエリア内情報を取得するとともに、リソース提供者からリソース提供可能情報を、リソース被提供者からリソース提供希望情報をそれぞれ取得する。そして、取得したこれらの情報や、前述のレジリエンス改善案を参照しつつ、災害時に必要なリソースの提供元であるリソース提供者と、当該リソースの提供先であるリソース被提供者との間で、適切な組み合わせを求めるマッチング処理を実行し、マッチング結果をインフラ管理者、リソース提供者、リソース被提供者にそれぞれ提供する。具体的には、リソース融通支援装置10は、インフラ管理者およびリソース被提供者に対しては、マッチング結果としてリソース提供者の情報を提供し、リソース提供者に対してはマッチング結果としてリソース被提供者の情報を提供する。これにより、リソース提供者とリソース被提供者の間でリソースの融通が円滑に行われるように支援する。このとき、インフラ管理者がリソース被提供者となってもよい。
なお、リソース融通マッチングにおいて、インフラ管理者やリソース被提供者に対して提供可能なリソースが不足している場合は、リソース提供者に対して報知を行うことで、当該リソースを追加するようにリソース提供者を促してもよい。さらに、リソース提供者によって提供可能なリソースが追加された場合には、その追加によるレジリエンスの改善度合いをリソース提供者やインフラ管理者に報知することも可能である。
<リソース融通支援装置の構成>
次に、リソース融通支援装置10の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るリソース融通支援装置10の構成例を示す図である。図2に示すように、リソース融通支援装置10は、演算部21、メモリ22、入力部23、出力部24、通信部25および記憶装置26を備えて構成されており、リソース被提供者、リソース提供者およびインフラ管理者がそれぞれ所有する電子端末12,13,14と通信ネットワーク11を介して接続されている。
記憶装置26は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)など、適宜な不揮発性記憶素子を用いて構成される。記憶装置26には、前述のエリアごとのレジリエンス評価を行うレジリエンス評価部31と、リソース融通マッチングを行うマッチング処理部32とをそれぞれ実現するためのプログラムが記憶保持されている。メモリ22は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶素子を用いて構成される。演算部21は、CPU(Central Processing Unit)などの演算素子を用いて構成され、記憶装置26に保持されるプログラムをメモリ22に読み出すなどして実行することで、リソース融通支援装置10全体の統括制御や、レジリエンス評価部31およびマッチング処理部32を実現するための各種判定、演算、制御処理などを実行する。入力部23は、ユーザの入力操作を受け付ける装置であり、例えばキーボードやマウス等を用いて構成される。出力部24は、演算部21の処理結果を出力する装置であり、例えばディスプレイ等を用いて構成される。通信部25は、通信ネットワーク11と接続して外部の電子端末12,13,14との間でそれぞれ通信処理を行うネットワークインターフェイスである。
なお、リソース融通支援装置10は、特定の場所に設置されたローカルサーバでもよいし、クラウドサーバとしてSaaS(Software as a Service)形態などで提供されてもよい。
通信ネットワーク11には、リソース被提供者の電子端末12、リソース提供者の電子端末13、インフラ管理者の電子端末14などが接続されている。電子端末12は、リソース被提供者からリソース提供希望情報の入力を受け付けるとともに、マッチング処理部32によるリソース提供者とのマッチング結果をリソース被提供者に提示する。電子端末13は、リソース提供者からリソース提供可能情報の入力を受け付けるとともに、マッチング処理部32によるリソース被提供者とのマッチング結果をリソース提供者に提示する。電子端末14は、インフラ管理者からエリア内情報の入力を受け付けるとともに、レジリエンス評価部31によるエリアごとのレジリエンスの評価結果やレジリエンス改善案をインフラ管理者に提示する。さらに、マッチング処理部32によるリソース提供者とリソース被提供者とのマッチング結果をインフラ管理者に提示してもよい。
なお、電子端末12,13,14とリソース融通支援装置10との間で行われる上記の各種情報の授受は、リソース融通支援装置10が有する通信部25の機能によって実現される。すなわち通信部25は、リソース提供可能情報、リソース提供希望情報およびエリア内情報を外部から取得する情報取得部として機能するとともに、マッチング結果、レジリエンス評価結果およびレジリエンス改善案を外部に出力して提供する情報提供部として機能する。
<リソース融通支援機能>
次に、リソース融通支援装置10のリソース融通支援機能について説明する。リソース融通支援機能とは、図1の概念図を用いて説明した前述の機能である。具体的には、エリアごとの災害に対するレジリエンスを、ライフラインの充足度と住民状況から判定し、さらにボトルネックとなっているリソースを、提供するリソースごとのレジリエンス改善度評価のループ探索によって割り出すことにより、レジリエンス改善案を立案する。さらに、立案したレジリエンス改善案またはリソース被提供者からのリソース提供希望情報と、リソース提供者からのリソース提供可能情報とを比較し、これらの比較結果に基づき、レジリエンスの改善度、リソース提供のコスト、平常時活用における収益メリットなどの条件を考慮して、リソースの授受を行うリソース提供者とリソース被提供者の最適な組合せを決定する。これらの機能により、リソース融通支援機能が実現される。
本実施形態のリソース融通支援装置10は、上記のリソース融通支援機能を実現するため、レジリエンス評価部31およびマッチング処理部32を有している。これらは記憶装置26にプログラムとして記憶保持されており、コンピュータである演算部21が当該プログラムを実行することで実現される。
図3は、レジリエンス評価部31のソフトウェア構成を示す図である。図3に示すように、レジリエンス評価部31は、そのソフトウェア構成として、エリアレジリエンス評価部31a、ボトルネック評価部31bの各モジュールを有する。
エリアレジリエンス評価部31aは、利用可能リソース予測部41、利用可能設備予測部42、ライフライン充足度評価部43、エリア別住民要支援度評価部44、エリアレジリエンス判定部45の各モジュールを有する。
利用可能リソース予測部41は、エリア内リソース101とエリア内被害予測102を参照し、災害発生時に利用可能なリソースをエリアごとに予測する。エリア内リソース101は、通常時に供給されているエリアごとのリソースの種類や量を示す情報である。エリア内被害予測102は、災害発生時のエリアごとの被害予測状況を示す情報である。これらの情報は記憶装置26に記憶されている。利用可能リソース予測部41によるエリアごとの利用可能リソースの予測結果は、利用可能リソース107として記憶装置26に記録される。
利用可能設備予測部42は、エリア内設備103とエリア内被害予測102を参照し、災害発生時に利用可能なインフラ設備をエリアごとに予測する。ここでいうインフラ設備とは、住民の日常生活にとって必要不可欠な公共サービスを提供する設備であり、特定のインフラ事業者等のインフラ管理者によって管理されている。例えば、電力、ガス、上下水道等の供給設備や、鉄道等の公共交通機関などがインフラ設備に該当する。エリア内設備103は、各エリア内に存在しているインフラ設備の種類や量を示す情報であり、記憶装置26に記憶されている。利用可能設備予測部42によるエリアごとの利用可能設備の予測結果は、利用可能設備108として記憶装置26に記録される。
ライフライン充足度評価部43は、前述の利用可能リソース107および利用可能設備108と、リソース-設備制約109とを参照し、災害発生時のライフラインの充足度をエリアごとに算出して評価する。リソース-設備制約109は、各リソースをライフラインとして機能させるのに必要なインフラ設備の制約条件を示す情報であり、記憶装置26に記憶されている。ライフライン充足度評価部43により算出されたエリアごとのライフラインの充足度は、ライフライン充足度110として記憶装置26に記録される。
エリア別住民要支援度評価部44は、住民属性105および住民動態106に基づいて、災害発生時の住民への要支援度をエリアごとに算出して評価する。住民属性105は、エリアごとの住民の属性を示す情報であり、例えばエリア内の全住民数や要介護支援の住民数などが含まれる。住民動態106は、エリアごとの住民の動態を示す情報であり、例えば滞在時間率などが含まれる。これらの情報は記憶装置26に記憶されている。エリア別住民要支援度評価部44によるエリアごとの住民の要支援度は、住民要支援度111として記憶装置26に記録される。
エリアレジリエンス判定部45は、ライフライン充足度110、エリア重要度104、住民要支援度111およびエリア環境危険度112に基づいて、エリアごとのレジリエンスを判定する処理を行う。エリア重要度104は、エリアごとの重要度合いを示す情報であり、エリア環境危険度112は、エリアごとの危険度合いを示す情報である。これらの情報は記憶装置26に記憶されている。エリアレジリエンス判定部45によるエリアごとのレジリエンスの判定結果は、エリアレジリエンス判定結果113として記憶装置26に記録される。
ボトルネック評価部31bは、レジリエンス改善案立案部46を有する。レジリエンス改善案立案部46は、不足リソース仮定部47、リソース提供時ライフライン別充足度評価部48、レジリエンス改善度評価部49を有する。
不足リソース仮定部47は、提供リソース候補114を参照し、災害発生時に不足するリソースをエリアごとに仮定する処理を行う。提供リソース候補114は、災害発生時にリソース提供者が提供するエリアごとのリソースの候補を表す情報であり、記憶装置26に記憶されている。
リソース提供時ライフライン別充足度評価部48は、不足リソース仮定部47が仮定した不足リソースがリソース提供者によって提供された場合のライフラインごとの充足度の評価を行う。
レジリエンス改善度評価部49は、リソース提供時ライフライン別充足度評価部48によるライフライン別の充足度の評価結果に基づき、当該リソース提供時のレジリエンス改善度を評価する処理を行う。そして、レジリエンス改善度が既定の終了条件に達していなければ、不足リソース仮定部47に別の不足リソースを仮定させて、上記の処理を繰り返し行う。一方、レジリエンス改善度が既定の終了条件に達したならば、当該リソースを災害発生時に追加すべきリソース候補であるボトルネックリソース候補として、ボトルネックリソース候補判定結果115に登録する。ボトルネックリソース候補判定結果115は記憶装置26に記録されており、マッチング処理部32において利用される。
図4は、マッチング処理部32のソフトウェア構成を示す図である。図4に示すように、マッチング処理部32は、そのソフトウェア構成として、リソース可視化部51、最適マッチング部52の各モジュールを有する。
リソース可視化部51は、リソース公募情報作成部61を有する。
リソース公募情報作成部61は、レジリエンス評価部31により登録されたボトルネックリソース候補判定結果115と、記憶装置26に記録されているリソース提供希望リスト118とに基づいて、リソース公募情報116を作成する。リソース提供希望リスト118は、リソース被提供者が提供を希望するリソースをリスト化して表した情報であり、前述のリソース提供希望情報に相当する。リソース公募情報116は、災害発生時に必要なリソースを公募するための情報であり、記憶装置26に格納されるとともに、リソース提供者の操作に応じて、電子端末13を通じてリソース提供者に通知される。例えば、リソース公募情報116のうち、リソース提供者が指定した条件を満たす情報が検索され、その検索結果が通信部25によってリソース提供者の電子端末13に送信される。
最適マッチング部52は、マッチング組合せ仮決定部62、マッチング結果評価部63を有する。
マッチング組合せ仮決定部62は、レジリエンス評価部31により登録されたボトルネックリソース候補判定結果115と、前述のリソース提供希望リスト118と、記憶装置26に記憶されているリソース提供オファーリスト117とを用いて、災害発生時にリソースを授受するリソース提供者とリソース被提供者の組合せを仮決定する。リソース提供オファーリスト117は、リソース提供者が提供可能なリソースをリスト化して表した情報であり、前述のリソース提供可能情報に相当する。
マッチング結果評価部63は、マッチング組合せ仮決定部62が仮決定したリソース提供者とリソース被提供者の組合せに対するマッチング結果の評価を行う。マッチング結果評価部63は、例えばレジリエンス改善度評価部、リソースコスト評価部、平常時メリット評価部などを有しており、これらの評価部がそれぞれの評価指標に基づいて行う評価結果を用いてマッチング結果を評価する。レジリエンス改善度評価部は、レジリエンスの改善度を評価指標としてマッチング結果の評価を行うものであり、仮決定した組合せによってレジリエンスがどの程度改善されるかを評価する。リソースコスト評価部は、コストを評価指標としてマッチング結果の評価を行うものであり、仮決定した組み合わせのリソース提供によってどの程度のコストが発生するかを評価する。平常時メリット評価部は、平常時のメリットを評価指標としてマッチング結果の評価を行うものであり、仮決定した組合せのリソース提供が平常時にも可能な場合は、その経済的メリットを評価する。例えば、太陽光発電電力をリソースとして提供する場合は、平常時と災害時の提供比率に応じて平常時の経済メリットを考慮することができる。なお、マッチング結果評価部63における上記の各評価部および評価指標は一例であり、これ以外にも様々な評価指標を用いてマッチング結果の評価を行うことが可能である。
マッチング結果評価部63は、それぞれの評価結果を統合し、既定の終了条件に達していなければ、マッチング組合せ仮決定部62に別のリソース提供者とリソース被提供者の組合せを仮決定させて、上記の処理を繰り返し行う。一方、既定の終了条件に達したならば、当該組合せを最適なリソース提供者とリソース被提供者の組合せとして、リソースマッチング結果119に登録する。リソースマッチング結果119は記憶装置26に記録されており、通信部25によって、リソース被提供者、リソース提供者、インフラ管理者がそれぞれ所有する電子端末12,13,14に送信される。
次に、上記のリソース融通支援機能に関連して、本発明の一実施形態に係るリソース融通支援装置10により実行される処理の内容について説明する。なお、以下においては、図3、4に示した各モジュールを各処理の実行主体として説明するが、実際上は、記憶装置26に記憶されたプログラムに基づいて演算部21が処理を実行することは言うまでもない。
<全体処理>
図5は、本発明の一実施形態に係るリソース融通支援装置10による全体の処理手順を示すフローチャートである。これまでに説明してきたように、リソース融通支援装置10は、レジリエンス評価部31によるレジリエンス評価処理(ステップS201)を行い、その後、マッチング処理部32によるリソース融通マッチング処理(ステップS202)を行う。
<レジリエンス評価処理>
図6は、本発明の一実施形態に係るレジリエンス評価処理の詳細を示すフローチャートである。
レジリエンス評価処理が開始されると、まず、レジリエンス評価部31は、エリアレジリエンス評価部31aの利用可能リソース予測部41により、記憶装置26からエリア内リソース101とエリア内被害予測102を取得し、これらの情報に基づき、災害発生時にエリア内で利用可能なリソースをエリアごとに予測する(ステップS301)。具体的には、利用可能リソース予測部41は、例えば図12に示した情報で構成されるエリア内リソース101およびエリア内被害予測102に基づき、次のようにしてステップS301の処理を実施する。
図12において、エリア内リソース101は、エリアごとに利用可能なリソースの種別(配電変電所電力、EV(Electric Vehicle)、都市ガスなど)とその量を表す情報を含んで構成されている。エリア内被害予測102は、災害発生時に想定される被害によるエリアごとのリソースおよびインフラ設備の減少率を表す情報を含んで構成されている。ステップS301では、これらの情報に基づき、エリアごとに利用可能な各リソースの量に減少率を掛け合わせることで、災害発生時の各エリアのリソース種別ごとの利用可能リソース量を予測する。そして、予測結果を利用可能リソース107に登録する。これにより、災害発生時に利用可能なリソースの予測量をエリアごと、リソース種別ごとに示した図12のような情報が、利用可能リソース107として記憶装置26に記録される。
次にレジリエンス評価部31は、エリアレジリエンス評価部31aの利用可能設備予測部42により、記憶装置26からエリア内設備103とエリア内被害予測102を取得し、これらの情報に基づき、災害発生時にエリア内で利用可能なインフラ設備をエリアごとに予測する(ステップS302)。具体的には、利用可能設備予測部42は、例えば図12に示した情報で構成されるエリア内設備103およびエリア内被害予測102に基づき、次のようにしてステップS302の処理を実施する。
図12において、エリア内設備103は、エリアごとに存在するインフラ設備の種別(配電設備、V2G(Vehicle to Grid)設備、コジェネ設備など)とその量を表す情報を含んで構成されている。エリア内被害予測102は、前述のように、災害発生時に想定される被害によるエリアごとのリソースおよびインフラ設備の減少率を表す情報を含んで構成されている。ステップS302では、これらの情報に基づき、エリアごとに利用可能な各インフラ設備の量に減少率を掛け合わせることで、災害発生時の各エリアの設備種別ごとの利用可能インフラ設備量を予測する。そして、予測結果を利用可能設備108に登録する。これにより、災害発生時に利用可能なインフラ設備の予測量をエリアごと、設備種別ごとに示した図12のような情報が、利用可能設備108として記憶装置26に記録される。
次にレジリエンス評価部31は、エリアレジリエンス評価部31aのライフライン充足度評価部43により、記憶装置26から利用可能リソース107、利用可能設備108およびリソース-設備制約109を取得し、これらに基づき、災害発生時のライフラインの充足度を予測する(ステップS303)。具体的には、ライフライン充足度評価部43は、例えば図12に示した情報で構成される利用可能リソース107、利用可能設備108およびリソース-設備制約109に基づき、次のようにしてステップS303の処理を実施する。
図12において、リソース-設備制約109は、各リソースをライフラインとして機能させるためのインフラ設備の制約条件として、組み合わせ可能なリソースとインフラ設備の種類と、その組合せにより実現されるライフラインの種類とを表す情報を含んで構成されている。ステップS303では、これらの情報と、前述の利用可能リソース107および利用可能設備108の各情報とに基づいて、災害発生時に利用可能なリソースが実際にライフラインとして機能するリソース量をリソース種別ごとに算定し、その算定結果からライフラインごとの充足度を判定する。
例えば、図12に示したリソース-設備制約109の1行目の組合せでは、配電変電所による電力をライフラインとして住民に提供するためには、その制約条件として電柱や柱状変圧器といった配電設備が必要となることを表している。そのため、利用可能リソース107が示す各エリアの配電変電所電力の利用可能量と、利用可能設備108が示す各エリアの配電設備の利用可能量とに基づいて、災害発生時に利用可能な配電変電所の電力のうち、実際にライフラインとして提供可能な電力の量を算定する。
同様に、図12に示したリソース-設備制約109の2行目の組合せでは、EVによる電力をライフラインとして機能させるためには、その制約条件として電力系統とEVを接続するV2G設備が必要となることを表している。そのため、そのため、利用可能リソース107が示す各エリアのEV利用可能量と、利用可能設備108が示す各エリアのV2G設備の利用可能量とに基づいて、災害発生時に利用可能なEVの電力のうち、実際にライフラインとして提供可能な電力の量を算定する。
ライフライン充足度評価部43は、上記のようにして各リソースにより提供されるライフラインの充足量(電力量など)を算定し、その算定結果をライフラインの区分(電力、住居など)ごとに合算することで、災害発生時のライフラインごとの充足度を算定する。そして、算定した充足度の値をエリアごと、ライフライン項目ごとに示した図12のような情報を、ライフライン充足度110として記憶装置26に記録する。
以上説明したようなライフライン充足度評価部43の処理により、レジリエンス評価部31は、各リソースをライフラインとして機能させるのに必要なインフラ設備の制約情報を取得し、この制約情報と、災害発生時に利用可能なリソースおよびインフラ設備の少なくとも一つの予測結果とに基づいて、災害発生時のライフラインの充足度をエリアごとに算出し、ライフライン充足度110に登録することができる。
次にレジリエンス評価部31は、エリアレジリエンス評価部31aのエリア別住民要支援度評価部44により、記憶装置26から住民属性105と住民動態106を取得し、これらの情報に基づき、災害発生時にエリア内で支援を必要とする住民の度合いを表す要支援度をエリアごとに評価する(ステップS304)。具体的には、エリア別住民要支援度評価部44は、例えば図12に示した情報で構成される住民属性105および住民動態106に基づき、次のようにしてステップS304の処理を実施する。
図12において、住民属性105は、エリアごとの総住民数および要保護住民数を表す情報を含んで構成されている。要保護住民とは、例えば高齢者・子供・入院患者など、避難時に支援を必要とする住民のことである。住民動態106は、エリアごとの住民の動態、例えば平均滞在時間率を表す情報を含んで構成されている。なお、平均滞在時間率は、各住民の通勤、通学といった1日の移動やその頻度を考慮して設定される。ステップS304では、これらの情報に基づき、例えばエリアごとに平均滞在時間率を係数として住民数に掛けることにより、実質のエリア滞在住民数を算出し、以下の数式(1)により、エリアごとの住民の要支援度Sを算定する。数式(1)において、A、Bはそれぞれ所定の係数を、Gは各エリアの総住民数を、Nは各エリアの要保護住民数を、Tsは各エリアの平均滞在時間率を表している。
S=A×G×Ts+B×N×Ts ・・・(1)
エリア別住民要支援度評価部44は、上記のようにしてエリアごとの住民の要支援度を算定する。そして、算定した要支援度の値をエリアごとに示した図12のような情報を、住民要支援度111として記憶装置26に記録する。
以上説明したようなエリア別住民要支援度評価部44の処理により、レジリエンス評価部31は、各エリアの住民数、住民属性および住民動態の少なくとも一つを含む住民状況を示す情報に基づいて、災害発生時の住民への要支援度をエリアごとに算出し、住民要支援度111に登録することができる。
次にレジリエンス評価部31は、エリアレジリエンス評価部31aのエリアレジリエンス判定部45により、記憶装置26からライフライン充足度110、住民要支援度111、エリア重要度104、エリア環境危険度112を取得し、これらの情報に基づき、災害発生時のエリアごとのレジリエンスを判定する(ステップS305)。具体的には、エリアレジリエンス判定部45は、例えば図12に示した情報で構成されるライフライン充足度110、住民要支援度111、エリア重要度104およびエリア環境危険度112に基づき、次のようにしてステップS305の処理を実施する。
図12において、エリア重要度104は、エリアごとの重要度を表す情報を含んで構成されている。各エリアの重要度は、例えばエリア内に存在する施設の量や、病院、対策本部などの重要施設の有無などに基づき、事前にインフラ管理者等によって決定される。エリア環境危険度112は、エリアごとの環境危険度を表す情報を含んで構成されている。各エリアの環境危険度は、各エリアの地理的環境に応じて設定される値であり、例えば崖くずれや津波など、災害時の復旧を妨げる要因の発生ポテンシャルを踏まえて、事前にインフラ管理者等によって設定される。ステップS305では、これらの情報と、前述のライフライン充足度110および住民要支援度111の各情報とに基づき、各ライフラインの充足度合い、住民の要支援性、エリアの重要度、危険環境の有無などを総合的に評価することで、災害発生時の各エリアのレジリエンスを評価する。
例えば、エリアレジリエンス判定部45は、以下の数式(2)により、各エリアのレジリエンスRを算定する。式(2)において、C、Dはそれぞれ所定の係数を、Reは各エリアの電力のレジリエンスを、Rfは各エリアの食糧のレジリエンスを表している。
R=C×Re+D×Rf ・・・(2)
数式(2)における電力インフラのレジリエンスReは、例えば以下の数式(3)により算出することができる。数式(3)において、Leは各エリアの電力インフラの充足度を、Imは各エリアの重要度を、Heは各エリアの危険度をそれぞれ表している。また、Sは前述の数式(1)により算出される各エリアの住民の要支援度を表している。
Re=Le×S×Im×He ・・・(3)
なお、上記の数式(2)では電力のレジリエンスReと食糧のレジリエンスRfを合計することで各エリアのレジリエンスRを算出する例を示したが、これ以外のレジリエンス要素をさらに考慮して、レジリエンスRを算出してもよい。例えば、ライフライン充足度110に含まれる各ライフライン項目について、エリアごとにレジリエンスをそれぞれ算出し、算出された各ライフライン項目のレジリエンスをエリアごとに合計することで、各エリアのレジリエンスRを算出することが可能である。これ以外にも、様々なレジリエンス要素を考慮して、エリアごとのレジリエンスの算出が可能である。
エリアレジリエンス判定部45は、上記のようにしてエリアごとのレジリエンスを算出する。そして、算出したレジリエンスの値をエリアごとに示した図12のような情報を、エリアレジリエンス判定結果113として記憶装置26に記録する。
以上説明したようなエリアレジリエンス判定部45の処理により、レジリエンス評価部31は、災害発生時のライフラインの充足度や住民への要支援度の算出結果に基づいて、災害発生時の被害に対するレジリエンスを所定のエリアごとに評価し、その評価結果をエリアレジリエンス判定結果113に登録することができる。
次にレジリエンス評価部31は、ボトルネック評価部31bのレジリエンス改善案立案部46により、ステップS305でレジリエンス判定結果が得られたエリアのうち、レジリエンスの評価値が低いエリアのレジリエンスを改善するために、ボトルネック評価処理を実施する(ステップS306)。ここでは以下のようにして、ボトルネック評価処理が行われる。
図7は、本発明の一実施形態に係るボトルネック評価処理の詳細を示すフローチャートである。図6のステップS306でボトルネック評価処理が開始されると、レジリエンス改善案立案部46は、まず不足リソース仮定部47により、不足リソースの仮定を行う(ステップS401)。ここでは、例えば図13に示した情報で構成される提供リソース候補114に基づき、当該エリアのレジリエンス評価値を低下させる要因となっていると考えられるリソースを不足リソースとして仮定する。
図13において、提供リソース候補114は、リソース提供者が提供を希望しているエリアごとのリソース候補の種別とその量を表す情報を含んで構成されている。ステップS401では、これらの情報に基づき、当該エリアに対するリソース候補の中で、当該エリアのレジリエンス評価値を低下させる要因となっていると考えられるものを不足リソースとして仮定する。
次に、リソース提供時ライフライン別充足度評価部48により、不足リソース提供時のライフラインの充足度評価を行う(ステップS402)。ここでは、前述のステップS303と同様の手法により、ステップS401で仮定した不足リソースを新規に追加した場合のライフライン充足度を算出することで、不足リソース提供時のライフライン充足度を評価する。
続いて、レジリエンス改善度評価部49により、レジリエンス改善度の評価を行う(ステップS403)。ここでは、前述のステップS305と同様の手法により、ステップS402で算出したライフライン充足度に基づいて、不足リソース提供時の当該エリアのレジリエンスを算出する。そして、算出したレジリエンスと元のレジリエンスとの差分を求めることで、レジリエンス改善度を評価する。
以上説明したようにして、不足リソースが提供された場合の当該エリアに対するレジリエンス改善度が評価できたら、その評価値が既定の終了条件に達したか否かを判定する(ステップS404)。その結果、レジリエンス改善度の評価値が既定の終了条件に達していなければ(ステップS404;No)、ステップS401に戻って不足リソース仮定部47に再度不足リソースを仮定させた後、上記の処理を繰り返す。一方、レジリエンス改善度の評価値が既定の終了条件に達したならば(ステップS404;Yes)、レジリエンス改善案立案部46は、ステップS403で最終的に得られたレジリエンス改善度を不足リソースごとに示した図13のようなボトルネックリソース候補判定結果115を記憶装置26に記録した後、ボトルネック評価処理を終了する。
上記ボトルネック評価処理の具体例を説明する。ステップS401において、不足リソース仮定部47は、例えば提供リソース候補114が示す複数のリソース候補の中からランダムで一つの候補を選択することで、不足リソースを仮定する。提供リソース候補114では、例えば図13に示すようなデータ形式により、各リソース提供者が提供を希望しているリソース候補の数量がエリアごと、リソースごとに分けて指定されている。
ステップS402において、リソース提供時ライフライン別充足度評価部48は、ステップS401で仮定の不足リソースとして選択されたリソース候補と、前述した利用可能リソース107の情報から、当該リソース候補において災害発生時に利用可能なリソース量を算出し、これに基づきライフライン別の充足度を算定する。ライフライン別充足度の算定は、前述したライフライン充足度評価処理(ステップS303)と同様である。
ステップS403において、レジリエンス改善度評価部49は、ステップS402で新たに算定したライフライン別充足度に基づき、当該候補が提供されるエリアのレジリエンスを算定する。レジリエンスの算定は、エリアレジリエンス判定処理(ステップS305)と同様である。そして、新規に算定したレジリエンスと、エリアレジリエンス判定結果113に格納されている現状のレジリエンスの差分を取ることで、レジリエンス改善度を算出する。レジリエンス改善度は、エリア毎に算定してもよいし、全エリアのレジリエンスの改善度を総合したものを評価値としてもよい。
ステップS404では、ステップS403で得られたレジリエンス改善度を所定の終了条件と比較し、終了条件が満たされるまで、不足リソースの仮定と、レジリエンス改善度評価処理を繰り返す。これにより、レジリエンス改善度が所定の閾値以上である一つ以上の提供リソース候補が、レジリエンス改善案として立案される。
以上説明したようなレジリエンス改善案立案部46の処理により、ボトルネック評価部31bは、レジリエンスの評価値を改善するために追加すべきリソース候補を示すレジリエンス改善案を所定のエリアごとに立案し、ボトルネックリソース候補判定結果115に登録することができる。
その後レジリエンス評価部31は、図6のフローチャートに戻り、ステップS305で得られたエリアごとのレジリエンス判定結果と、ステップS306のボトルネック評価処理により得られたボトルネックリソース候補の判定結果、すなわちステップS404で終了条件を満たすことにより立案されたレジリエンス改善案とを、インフラ管理者に通知する(ステップS307)。具体的には、例えばレジリエンス評価部31は、リソース融通支援装置10が有する通信部25を用いて、これらの処理結果を示す情報を、通信ネットワーク11を介してインフラ管理者の電子端末14へ送信する。電子端末14では、受信した情報を画面表示してインフラ管理者に提示する。これにより、インフラ管理者への通知を行うことができる。
図8は、ステップS307において電子端末14に表示されるレジリエンス評価結果の画面の一例を示す図である。図8に示す表示画面80では、インフラ管理者の管理エリア全体でのレジリエンス評価値と、当該管理エリアを複数に区分した各エリアのレジリエンス評価値の度合いとが、それぞれ視覚的に表示されている。また、画面上で選択されたエリアAの詳細情報として、エリアAのレジリエンス評価値と、その内訳情報である電力、食糧、住居の各レジリエンスの大きさとが表示されている。なお、表示画面80の上部に示された操作ボタン81~85は、表示画面80に表示させる情報を切り替えるための操作部位である。インフラ管理者は、電子端末14において操作ボタン81~85を任意に選択することにより、電子端末14を介してリソース融通支援装置10に所望の情報を提示させることができる。
ステップS307でインフラ管理者への通知を終えたら、レジリエンス評価部31は、図6のフローチャートに示すレジリエンス評価処理を終了する。
<リソース融通マッチング処理>
図9は、本発明の一実施形態に係るリソース融通マッチング処理のフローチャートである。
リソース融通マッチング処理が開始されると、まず、マッチング処理部32は、リソース可視化部51によるリソース可視化処理(ステップS501)を行い、その後、最適マッチング部52による最適マッチング処理(ステップS502)を行う。
図10は、本発明の一実施形態に係るリソース可視化処理の詳細を示すフローチャートである。図9のステップS501でリソース可視化処理が開始されると、リソース可視化部51は、まずリソース公募情報作成部61により、レジリエンス評価部31において得られたボトルネックリソース候補の判定結果、すなわちレジリエンス改善案と、リソース被提供者からのリソース提供希望情報とを取得する(ステップS601)。ここでは、例えばボトルネックリソース候補の判定結果として、前述の図13に示したボトルネックリソース候補判定結果115を取得するとともに、リソース提供希望情報として、図14に示した情報で構成されるリソース提供希望リスト118を取得する。
図14において、リソース提供希望リスト118には、災害発生時に各リソース被提供者が提供を希望するリソースに関する情報が項目別に登録されている。例えば、リソース提供の希望エリア、提供を希望するリソースの種類(EV、LPガス等)、数量、希望インセンティブ形態、平常時の提供希望の有無などの情報がリスト化して登録されている。なお、リソース被提供者には前述のようにインフラ管理者が含まれていてもよい。希望インセンティブ形態とは、リソース被提供者がどのような形態でリソース提供の対価の支払いを希望するかを表す情報である。例えば、リソース予約料として定額を支払う形態や、災害時に提供を受けた場合に限り対価を支払うような実績ベースの形態などを指定できる。また、平常時の提供希望とは、災害時に限らず平常時においてもリソース被提供者が当該リソースの提供を希望するか否かを指定する情報である。例えば、リソース被提供者と同一の系統に接続されるPV(太陽光発電)の電力について、リソース被提供者が平常時においても所定の発電量の提供を受けたいと希望する場合などが該当する。
次にリソース可視化部51は、リソース公募情報作成部61により、ステップS601で取得したボトルネックリソース候補判定結果115およびリソース提供希望リスト118の各情報に基づき、リソース提供者に向けた参考情報としてのリソース公募情報を作成する(ステップS602)。具体的には、リソース公募情報作成部61は、例えば次のようにしてステップS602の処理を実施する。
ステップS602において、リソース可視化部51は、まずボトルネックリソース候補判定結果115が示す各候補IDをキーとして、図13に示した提供リソース候補114から、リソース被提供者が提供を希望しているリソース候補の情報を参照する。そして、参照した情報に基づき、エリア毎に各リソース候補がどの程度必要とされているかを表す必要ポテンシャルを算定する。この必要ポテンシャルの算定では、候補IDごとのレジリエンス改善度の大きさを考慮してもよい。例えば、レジリエンス改善度が大きいものは必要とされる確率が高いとみなして、当該候補IDに紐づくリソース候補の必要ポテンシャルを高めに設定することができる。また、リソース提供オファーリスト117の情報を参照し、リソース候補ごとの現状のオファー中の数量や平均提供価格を算出し、これらに基づいて必要ポテンシャルを算出してもよい。
このようにして算定したエリア、リソースごとの必要ポテンシャルが、リソース公募情報として、例えば図14に示したような構成でリソース公募情報116に登録される。図14において、リソース公募情報116は、リソース提供者に対してリソースの提供を希望するエリアと、当該リソースの種類、必要数ポテンシャル、オファー中の数量および平均提供価格とを表す情報を含んで構成されている。
次にリソース可視化部51は、リソース公募情報作成部61により、ステップS602で作成したリソース公募情報を所定のタイミングで、例えばWebページ上で公開するなどの手法により、リソース提供を希望する事業者に通知する(ステップS603)。これによりリソース提供者の公募が行われ、リソースの提供を検討中の事業者がリソース提供者として参加できるように促す。
以上説明したようなリソース可視化部51の処理により、マッチング処理部32は、ボトルネック評価部31bがエリアごとに立案したレジリエンス改善案と、リソース被提供者からのリソース提供希望情報とに基づいて、リソースの公募情報を作成し、その公募情報を用いてリソース提供者への報知を行うことができる。
図11は、本発明の一実施形態に係る最適マッチング処理の詳細を示すフローチャートである。図9のステップS502で最適マッチング処理が開始されると、まず最適マッチング部52は、レジリエンス評価部31において得られたボトルネックリソース候補の判定結果、すなわちレジリエンス改善案と、リソース被提供者からのリソース提供希望情報とを取得する(ステップS701)。ここでは図10のステップS601と同様に、例えばボトルネックリソース候補の判定結果として、前述の図13に示したボトルネックリソース候補判定結果115を取得するとともに、リソース提供希望情報として、前述の図14に示したリソース提供希望リスト118を取得する。
次に最適マッチング部52は、リソース提供者からのリソース提供可能情報を取得する(ステップS702)。ここでは、例えばリソース提供可能情報として、図14に示した情報で構成されるリソース提供オファーリスト117を取得する。
図14において、リソース提供オファーリスト117は、災害発生時に各リソース提供者が提供をオファーするリソースに関する情報が項目別に登録されている。例えば、リソース提供が可能なエリア、提供可能なリソースの種類(EV、LPガス等)、数量、インセンティブ形態、提供額、平常時の提供可否などの情報がリスト化して登録されている。
次に最適マッチング部52は、マッチング組合せ仮決定部62により、ステップS701で取得したボトルネックリソース候補の判定結果またはリソース提供希望情報と、ステップS702で取得したリソース提供可能情報とに基づいて、リソースを授受するリソース提供者とリソース被提供者の組合せを仮決定する(ステップS703)。
続いて最適マッチング部52は、マッチング結果評価部63により、ステップS703で仮決定した組合せを評価するマッチング結果評価処理を実行する(ステップS704~ステップS707)。ここでは例えば、仮決定したリソース提供者とリソース被提供者の組合せによって各エリアのレジリエンスがどの程度改善されるかを評価するレジリエンス改善度評価(ステップS704)と、リソースの提供により発生するコストを評価するリソースコスト評価(ステップS705)と、リソース提供によって発生する平常時のメリットを評価する平常時メリット評価(ステップS706)とのうち、少なくとも一つの評価処理を行う。そして、これらの評価結果を踏まえた総合評価を行う総合評価(ステップS707)を実施し、マッチング結果評価処理を終了する。
ここで、ボトルネックリソース候補の判定結果(レジリエンス改善案)に基づいて仮決定したリソース提供者とリソース被提供者の組合せについて、マッチング結果評価処理を実行する場合の具体例を説明する。この場合、例えばステップS703では、ボトルネックリソース候補判定結果115の各候補IDについて、これに紐づいた各リソースを調達できるようにリソース提供オファーリスト117の中から提供者IDを選択することで、リソース被提供者とリソース提供者の組合せを仮決定する。またステップS705では、リソース提供オファーリスト117に含まれる提供者IDごとの提供額の情報に基づき、ステップS703で仮決定した組合せに対する発生コストを算出する。このようにすることで、リソース被提供者とリソース提供者の組合せごとに、レジリエンス改善度および発生コストを比較することが可能となる。その後のステップS707では、ステップS704で算定したレジリエンス改善度と、ステップS705で算定した発生コストとに基づき、ステップS703で仮決定したリソース被提供者とリソース提供者の組合せに対する総合評価を行う。例えば、レジリエンス改善度が高く、かつ発生コストが低い組合せを、当該組合せに対応するインフラ管理者にとって最良の改善案として採用することができる。
また、リソース被提供者からのリソース提供希望情報に基づいて仮決定したリソース提供者とリソース被提供者の組合せについて、マッチング結果評価処理を実行する場合の具体例を説明する。この場合、例えばステップS703では、リソース提供希望リスト118においてリソース被提供者ごとに割り当てられた各希望者IDについて、リソース提供希望リスト118に示された希望エリア、提供希望リソース、数量、希望インセンティブ形態などの各項目のうち少なくとも一つが合致する情報をリソース提供オファーリスト117の中から検索し、当該情報に対して割り当てられた提供者IDを参照することで、リソース被提供者とリソース提供者の組合せを仮決定する。ステップS707では、これらの項目ごとの合致度合いに基づき、ステップS703で仮決定したリソース被提供者とリソース提供者の組合せに対する総合評価を行う。例えば、リソース提供希望リスト118とリソース提供オファーリスト117の間で最も多くの項目が合致し、かつ提供額が低い組合せを、当該組合せに対応するリソース被提供者にとって最良の組合せとして採用することができる。
ステップS703で仮決定したリソース提供者とリソース被提供者の組合せについて上記のマッチング結果評価処理を終えたら、最適マッチング部52は、その評価結果が既定の終了条件に達したか否かを判定する(ステップS708)。既定の終了条件に達していなければ(ステップS708;No)、ステップS703に戻ってマッチング組合せ仮決定部62に再度組合せを仮決定させた後、上記の処理を繰り返す。一方、仮決定したリソース提供者とリソース被提供者の組合せに対する評価結果が既定の終了条件に達したならば(ステップS708;Yes)、マッチング結果評価部63は、ステップS707で最終的に得られた組合せを示した図14のようなリソースマッチング結果119を記憶装置26に記録するとともに、リソース被提供者、リソース提供者、インフラ管理者に通知する(ステップS709)。具体的には、例えばマッチング結果評価部63は、リソース融通支援装置10が有する通信部25を用いて、リソースマッチング結果119に登録されたリソース提供者とリソース被提供者の組合せを示す情報を、通信ネットワーク11を介してリソース被提供者の電子端末12、リソース提供者の電子端末13、インフラ管理者の電子端末14へそれぞれ送信する。電子端末12,13,14では、受信した情報を画面表示してリソース被提供者、リソース提供者、インフラ管理者にそれぞれ提示する。これにより、リソース被提供者、リソース提供者およびインフラ管理者への通知を行うことができる。
ステップS709でリソース被提供者、リソース提供者およびインフラ管理者への通知を終えたら、最適マッチング部52は、図11のフローチャートに示す最適マッチング処理を終了する。
以上説明したように、リソース融通支援装置10は、レジリエンス評価部31によりボトルネックリソース候補を求めることでレジリエンス改善案を立案するとともに、マッチング処理部32により、立案したレジリエンス改善案やリソース被提供者からのリソース提供希望情報と、リソース提供者からのリソース提供可能情報とを比較する。これにより、レジリエンス改善度や経済メリットへの影響を考慮して、リソースを授受するリソース被提供者とリソース提供者の最適なマッチングを決定することができる。なお、以上の処理は、各ユーザの検索時などの所定のタイミングで実行することができる。
<効果>
以上のように、本実施形態のリソース融通支援装置10では、災害発生時の被害に対するレジリエンスをエリアごとに評価し、各事業者のボトルネックである不足リソースを判定することで、レジリエンス改善案を立案する。さらに、リソース提供者からのリソース提供可能情報と、リソース被提供者からのリソース提供希望情報またはレジリエンス改善案とに基づいて、リソースを授受するリソース提供者とリソース被提供者のマッチングを行う。かかる構成により、資源ごとの提供形態の違いを考慮して最適な資源配分を実現するリソース融通支援装置およびリソース融通支援方法を提供することができる。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)リソース融通支援装置10は、災害発生時に利用されるリソースを提供するリソース提供者と、リソースの提供を受けるリソース被提供者との間で、リソースの融通を支援する。リソース融通支援装置10は、リソース提供者が提供可能なリソースの提供形態を示すリソース提供可能情報(リソース提供オファーリスト117)と、リソース被提供者が提供を希望するリソースの提供形態を示すリソース提供希望情報(リソース提供希望リスト118)とを取得する情報取得部(通信部25)と、リソース提供可能情報およびリソース提供希望情報に基づいて、リソースを授受するリソース提供者とリソース被提供者の組み合わせを決定するマッチング処理部32とを備える。リソース提供可能情報およびリソース提供希望情報は、リソースの種類を示す情報をそれぞれ含み、マッチング処理部32は、リソースの種類に基づいて組み合わせを決定する。このようにしたので、資源ごとの提供形態の違いを考慮して最適な資源配分を実現するリソース融通支援装置10と、このリソース融通支援装置10を用いたリソース融通支援方法とを提供することができる。
(2)リソース融通支援装置10は、災害発生時の被害に対するレジリエンスを所定のエリアごとに評価するレジリエンス評価部31を備える。マッチング処理部32は、レジリエンス評価部31によるレジリエンスの評価結果(ボトルネックリソース候補判定結果115)に基づいて組み合わせを決定する(ステップS701~S709)。このようにしたので、災害に対する耐久性や回復力のエリアごとの違いを考慮して、最適な資源配分を実現することができる。
(3)レジリエンス評価部31は、災害発生時に利用可能なリソースおよびインフラ設備の少なくとも一つの予測結果(利用可能リソース107、利用可能設備108)に基づいて、災害発生時のライフラインの充足度をエリアごとに算出し(ステップS301~S303)、この充足度に基づいてレジリエンスを評価する(ステップS305)。このようにしたので、災害発生時に予測されるライフラインの充足度を考慮して、各エリアのレジリエンスを適切に評価することができる。
(4)レジリエンス評価部31は、リソースをライフラインとして機能させるのに必要なインフラ設備の制約情報(リソース-設備制約109)を取得し、この制約情報に基づいてライフラインの充足度を算出する(ステップS303)。このようにしたので、ライフライン提供時に組み合わせ可能なリソースとインフラ設備の種類と、その組合せにより実現されるライフラインの種類とを考慮して、災害発生時に予測されるライフラインの充足度を適切に算出することができる。
(5)レジリエンス評価部31は、エリアの住民数、住民属性および住民動態の少なくとも一つを含む住民状況を示す情報(住民属性105、住民動態106)に基づいて、災害発生時の住民への要支援度をエリアごとに算出し(ステップS304)、この要支援度に基づいてレジリエンスを評価する(ステップS305)。このようにしたので、災害発生時のエリアごとの住民の要支援度を考慮して、各エリアのレジリエンスを適切に評価することができる。
(6)レジリエンス評価部31は、ボトルネック評価部31bにより、レジリエンスの評価値を改善するために追加すべきリソースの候補を示すレジリエンス改善案(ボトルネックリソース候補判定結果115)をエリアごとに立案する(ステップS401~S404)。このようにしたので、各エリアのレジリエンスを適切に改善可能なリソースの候補をレジリエンス改善案として立案することができる。
(7)マッチング処理部32は、レジリエンス改善案による評価値の改善度と、リソースの提供コストと、平常時のメリットと、の少なくとも一つに基づいて組み合わせを決定することができる(ステップS701~S709)。このようにすれば、リソース提供によるレジリエンスの改善度合いや経済メリットへの影響を考慮して、最適な資源配分を実現することができる。
(8)マッチング処理部32は、レジリエンス改善案およびリソース提供希望情報に基づいてリソースの公募情報(リソース公募情報116)を作成し(ステップS601~S602)、この公募情報を用いてリソース提供者への報知を行う(ステップS603)。このようにしたので、最適な資源配分を実現できるように、リソース提供者に対するリソース提供の呼び掛けを行うことができる。
(9)マッチング処理部32は、リソース提供可能情報が追加された場合には、その追加によるレジリエンスの改善度を報知するようにしてもよい。このようにすれば、リソース提供によるレジリエンス改善の効果を、リソース提供者やインフラ管理者に対して確実に知らせることができる。
(10)リソース提供可能情報およびリソース提供希望情報は、リソースの種類と、リソースの提供エリアと、リソースの数量と、リソースの提供に対するインセンティブ形態と、リソースの平常時の提供可否と、の少なくとも一つの各項目に関する情報をそれぞれ含む。マッチング処理部32は、リソース提供可能情報とリソース提供希望情報の間における項目ごとの合致度合いに基づいて組み合わせを決定することができる(ステップS703、S707)。このようにすれば、リソース被提供者の希望を考慮した最適な組み合わせを決定することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、任意の構成要素を用いて実施可能である。例えば、インフラ管理者、リソース被提供者、リソース提供者との関係は1対1に限定されるものではない。具体的には、例えば1つのリソース提供者の提供リソースを複数のリソース被提供者またはインフラ管理者が共同所有し、マッチング時の割当分に応じて、災害発生時のリソースの割り当てを受けるような構成としてもよい。
以上説明した実施形態や変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記では種々の実施形態や変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
10…リソース融通支援装置、11…通信ネットワーク、12,13,14…電子端末、21…演算部、22…メモリ、23…入力部、24…出力部、25…通信部、26…記憶装置、31…レジリエンス評価部、32…マッチング処理部

Claims (12)

  1. 災害発生時に利用されるリソースを提供するリソース提供者と、前記リソースの提供を受けるリソース被提供者との間で、前記リソースの融通を支援するリソース融通支援装置であって、
    前記リソース提供者が提供可能な前記リソースの提供形態を示すリソース提供可能情報と、前記リソース被提供者が提供を希望する前記リソースの提供形態を示すリソース提供希望情報とを取得する情報取得部と、
    前記リソース提供可能情報および前記リソース提供希望情報に基づいて、前記リソースを授受する前記リソース提供者と前記リソース被提供者の組み合わせを決定するマッチング処理部と、
    災害発生時の被害に対するレジリエンスを所定のエリアごとに評価するレジリエンス評価部と、を備え、
    前記リソース提供可能情報および前記リソース提供希望情報は、前記リソースの種類を示す情報をそれぞれ含み、
    前記マッチング処理部は、前記リソースの種類および前記レジリエンス評価部による前記レジリエンスの評価結果に基づいて前記組み合わせを決定するリソース融通支援装置。
  2. 請求項に記載のリソース融通支援装置において、
    前記レジリエンス評価部は、災害発生時に利用可能な前記リソースおよびインフラ設備の少なくとも一つの予測結果に基づいて、災害発生時のライフラインの充足度を前記エリアごとに算出し、前記充足度に基づいて前記レジリエンスを評価するリソース融通支援装置。
  3. 請求項に記載のリソース融通支援装置において、
    前記レジリエンス評価部は、前記リソースをライフラインとして機能させるのに必要な前記インフラ設備の制約情報を取得し、前記制約情報に基づいて前記ライフラインの充足度を算出するリソース融通支援装置。
  4. 請求項に記載のリソース融通支援装置において、
    前記レジリエンス評価部は、前記エリアの住民数、住民属性および住民動態の少なくとも一つを含む住民状況を示す情報に基づいて、災害発生時の住民への要支援度を前記エリアごとに算出し、前記要支援度に基づいて前記レジリエンスを評価するリソース融通支援装置。
  5. 請求項に記載のリソース融通支援装置において、
    前記レジリエンス評価部は、前記レジリエンスの評価値を改善するために追加すべき前記リソースの候補を示すレジリエンス改善案を前記エリアごとに立案するリソース融通支援装置。
  6. 請求項に記載のリソース融通支援装置において、
    前記マッチング処理部は、前記レジリエンス改善案による前記評価値の改善度と、前記リソースの提供コストと、平常時のメリットと、の少なくとも一つに基づいて前記組み合わせを決定するリソース融通支援装置。
  7. 請求項に記載のリソース融通支援装置において、
    前記マッチング処理部は、前記レジリエンス改善案および前記リソース提供希望情報に基づいて前記リソースの公募情報を作成し、前記公募情報を用いて前記リソース提供者への報知を行うリソース融通支援装置。
  8. 請求項に記載のリソース融通支援装置において、
    前記マッチング処理部は、前記リソース提供可能情報の追加による前記レジリエンスの改善度を報知するリソース融通支援装置。
  9. 請求項1に記載のリソース融通支援装置において、
    前記リソース提供可能情報および前記リソース提供希望情報は、前記リソースの種類と、前記リソースの提供エリアと、前記リソースの数量と、前記リソースの提供に対するインセンティブ形態と、前記リソースの平常時の提供可否と、の少なくとも一つの各項目に関する情報をそれぞれ含み、
    前記マッチング処理部は、前記リソース提供可能情報と前記リソース提供希望情報の間における前記項目ごとの合致度合いに基づいて前記組み合わせを決定するリソース融通支援装置。
  10. 災害発生時に利用されるリソースを提供するリソース提供者と、前記リソースの提供を受けるリソース被提供者との間で、前記リソースの融通を支援するリソース融通支援装置であって、
    前記リソース提供者が提供可能な前記リソースの提供形態を示すリソース提供可能情報を取得する情報取得部と、
    災害発生時の被害に対するレジリエンスの評価値を改善するために追加すべき前記リソースの候補を示すレジリエンス改善案を所定のエリアごとに立案するボトルネック評価部と、
    前記リソース提供可能情報および前記レジリエンス改善案に基づいて、前記リソースを授受する前記リソース提供者と前記リソース被提供者の組み合わせを決定するマッチング処理部と、を備えるリソース融通支援装置。
  11. 災害発生時に利用されるリソースを提供するリソース提供者と、前記リソースの提供を受けるリソース被提供者との間で、前記リソースの融通を支援するリソース融通支援方法であって、
    コンピュータにより、前記リソース提供者が提供可能な前記リソースの提供形態を示すリソース提供可能情報と、前記リソース被提供者が提供を希望する前記リソースの提供形態を示すリソース提供希望情報とを取得し、
    前記コンピュータにより、災害発生時の被害に対するレジリエンスを所定のエリアごとに評価し、
    前記コンピュータにより、前記リソース提供可能情報および前記リソース提供希望情報にそれぞれ含まれる前記リソースの種類を示す情報と、前記レジリエンスの評価結果と、に基づいて、前記リソースを授受する前記リソース提供者と前記リソース被提供者の組み合わせを決定するリソース融通支援方法。
  12. 災害発生時に利用されるリソースを提供するリソース提供者と、前記リソースの提供を受けるリソース被提供者との間で、前記リソースの融通を支援するリソース融通支援方法であって、
    コンピュータにより、前記リソース提供者が提供可能な前記リソースの提供形態を示すリソース提供可能情報を取得し、
    前記コンピュータにより、災害発生時の被害に対するレジリエンスの評価値を改善するために追加すべき前記リソースの候補を示すレジリエンス改善案を所定のエリアごとに立案し、
    前記コンピュータにより、前記リソース提供可能情報および前記レジリエンス改善案に基づいて、前記リソースを授受する前記リソース提供者と前記リソース被提供者の組み合わせを決定するリソース融通支援方法。
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