JP7265455B2 - 粒子線モニタ装置、粒子線治療システムおよび荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求める装置の作動方法 - Google Patents

粒子線モニタ装置、粒子線治療システムおよび荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求める装置の作動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7265455B2
JP7265455B2 JP2019155155A JP2019155155A JP7265455B2 JP 7265455 B2 JP7265455 B2 JP 7265455B2 JP 2019155155 A JP2019155155 A JP 2019155155A JP 2019155155 A JP2019155155 A JP 2019155155A JP 7265455 B2 JP7265455 B2 JP 7265455B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle beam
charged particle
sensor
processor
radiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019155155A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021029765A (ja
Inventor
雄一郎 上野
耕一 岡田
幸太 佐々木
孝広 田所
泰介 高柳
祐介 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2019155155A priority Critical patent/JP7265455B2/ja
Priority to PCT/JP2020/012894 priority patent/WO2021038941A1/ja
Publication of JP2021029765A publication Critical patent/JP2021029765A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7265455B2 publication Critical patent/JP7265455B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/10X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/29Measurement performed on radiation beams, e.g. position or section of the beam; Measurement of spatial distribution of radiation

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Radiation-Therapy Devices (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Description

本発明は、粒子線モニタ装置、粒子線治療システムおよび粒子線モニタ方法に関し、特に、荷電粒子ビームと照射対象との相互作用により発生する放射線を検出する技術に関する。
陽子線や重粒子線等の荷電粒子ビームを患部に照射する粒子線治療が広く行われている。粒子線治療を行う粒子線治療システムでは、加速器によって必要なエネルギーを有するまで加速された荷電粒子に基づく荷電粒子ビームが、輸送装置によって照射ノズルまで輸送され、照射ノズルから患部に照射される。
粒子線治療では、照射目標点が患部に設定され、照射目標点に向けて荷電粒子ビームが照射される。一般に、陽子線や重粒子線等の荷電粒子ビームには、患部において止まる直前にエネルギーを患部に与え、患部の組織を破壊するという性質がある。荷電粒子ビームが到達する位置の深さは、荷電粒子のエネルギーに応じて定まる。
粒子線治療では、荷電粒子ビームが有するこのような性質が利用される。荷電粒子ビームのエネルギーを変更することで荷電粒子ビームの到達位置が調整され、到達位置における組織が破壊される。放射線治療に際しては、荷電粒子ビームの到達位置を確認する必要がある。荷電粒子ビームの到達位置を確認するため、荷電粒子ビームの深さ方向(荷電粒子ビームの軌道方向)への線量分布を計測する技術が従来から提案されている。
例えば、特許文献1には、荷電粒子ビームの深さ方向への線量分布を計測する深さ方向線量分布測定装置が記載されている。この装置は、粒子線の一部を通過させるコリメータと、コリメータを通過しない残りの粒子線の一部をコリメータの上流側で検出する深さ方向線量分布検出器とを備えている。コリメータを通過した粒子線の一部が患者に照射され、深さ方向線量分布検出器によって検出された粒子線によって、粒子線の深さ方向への線量分布が計測される。
また、荷電粒子ビームと照射対象との相互作用によって発生する放射線を計測することで、深さ方向線量分布を計測する方法もある。例えば、非特許文献1に記載されている方法では、コリメータを使用したガンマカメラによって、荷電粒子ビームの照射により発生した即発ガンマ線の深さ方向への線量分布が計測され、ブラッグピークの位置が求められる。ここで、ブラッグピークは、ある値のエネルギーを有する荷電粒子ビームについての、深さ方向への線量分布のピークとして定義される。ブラッグピークの位置が荷電粒子ビームの到達位置に相当する。
特開2012-2772号公報
I. Perali, et. al., Prompt gamma imaging of proton pencil beams at clinical dose rate, Physics in Medicine and Biology 59 (19) (2014) 5849.
従来の粒子線治療システムでは、荷電粒子ビームが照射された位置を十分な感度および分解能で測定することが困難であった。例えば非特許文献1に記載の技術では、コリメータの径を大きくすると即発ガンマ線に対する感度が高くなるが、荷電粒子ビームが照射された位置の測定分解能が低下するという問題がある。
本発明の目的は、荷電粒子ビームが照射された位置を測定する際の測定感度および測定分解能を高めることである。
本発明は、荷電粒子ビームと照射対象との相互作用により発生する放射線を検出するセンサと、前記センサの検出範囲を制限する遮蔽体と、プロセッサであって、前記センサによる検出値に基づいて、前記荷電粒子ビームに沿った各位置に対する放射線カウント値を示すカウントプロファイル曲線を求め、前記カウントプロファイル曲線に基づいて、前記荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求めるプロセッサと、を備え、前記遮蔽体は、前記センサから見て前記荷電粒子ビームの軌道の下流側よりも上流側の方が、前記放射線に対する遮蔽効果が大きいことを特徴とする。また、本発明は、荷電粒子ビームと照射対象との相互作用により発生する放射線を検出するセンサと、前記センサの検出範囲を制限する遮蔽体と、を備え、前記遮蔽体は、前記センサから見て前記荷電粒子ビームの軌道の下流側よりも上流側の方が、前記放射線に対する遮蔽効果が大きく、前記センサから見て前記荷電粒子ビームの軌道の下流側を遮蔽しないことを特徴とする。
本発明によれば、荷電粒子ビームが照射された位置を測定する際の測定感度および測定分解能を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る粒子線モニタ装置を示す図である。 センサの位置と検出感度との関係を概念的に示す図である。 ビーム方向軸x方向への線量分布を概念的に示す図である。 カウントプロファイル曲線を示す図である。 カウントプロファイル曲線に加えて基準曲線を示す図である。 制御装置が実行する処理のフローチャートである。 放射線カウント値微分曲線を示す図である。 制御装置が実行する処理のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る粒子線モニタ装置を示す図である。 検出ユニットの断面図である。 検出ユニットの変形例を示す図である。 検出ユニットの変形例を示す図である。 本発明の応用実施形態に係る粒子線治療システムを示す図である。
本発明の各実施形態が、図面を参照しながら以下に説明される。複数の図面に示された同一の事項については同一の符号が付されており、説明の重複が避けられている。
図1には、本発明の第1実施形態に係る粒子線モニタ装置1の構成が模式的に示されている。粒子線モニタ装置1は、検出器10、制御装置20、移動機構30および表示装置40を備えている。検出器10は、センサ14および遮蔽体12を備えている。
粒子線モニタ装置1では、図示されていない粒子ビーム照射装置から照射対象である患者50に荷電粒子ビーム52が照射される。患者50からは、荷電粒子ビーム52と患者50の生体組織との相互作用によって即発ガンマ線54が発せられる。以下の説明では、即発ガンマ線54は、単にガンマ線54と称される。荷電粒子ビーム52に沿った複数の位置でガンマ線54が検出され、検出されたガンマ線54に基づいて、荷電粒子ビーム52の到達位置が求められる。
センサ14はガンマ線54を検出する。センサ14は、シンチレータおよびシンチレータから発せられた光を電子信号に変換する光電変換器から構成されてよい。シンチレータとしては、例えば、LaBr3、GSO、LYSOおよびBGO等が用いられてよい。また、光電変換器としては、例えば、光電子増倍管、フォトダイオード等が用いられてよい。
センサ14はこれらのシンチレータまたは光電変換器に限定されるものではない。センサ14には、異なる組成の放射線発光素材が用いられてもよい。また、センサ14には、例えばCdTeやCZT等の半導体検出器が用いられてもよい。この場合、センサ14は、光電変換器の代わりに前置増幅器を備える。
遮蔽体12は、例えば、鉛または鉛を含む材料によって形成される。遮蔽体12は、センサ14の検出範囲を制限する。センサ14の検出範囲は、荷電粒子ビーム52の軌道の下流側よりも上流側を大きく制限するものである。すなわち、遮蔽体12は、センサ14から見て荷電粒子ビーム52の軌道の下流側よりも上流側の方が、放射線に対する遮蔽効果が大きい。遮蔽体12は、センサ14から見て荷電粒子ビーム52の軌道の下流側を遮蔽しなくてもよい。
移動機構30は、制御装置20の制御に応じて検出器10を荷電粒子ビーム52の軌道に沿って移動させる。荷電粒子ビーム52の軌道に沿った方向については、荷電粒子ビーム52の進行方向に向けられたビーム方向軸xが定義されている。ビーム方向軸xの正方向は、患者50においては深さ方向に相当する。検出器10は、移動機構30によって、ビーム方向軸xに沿った複数の位置のそれぞれに配置され得る。これによって、センサ14は、荷電粒子ビーム52の軌道に沿った異なる複数の位置でガンマ線54を検出し得る。
制御装置20は、プロセッサ22および記憶デバイス24を備えている。プロセッサ22は、記憶デバイス24に記憶されたプログラムを読み込む。プロセッサ22はプログラムを実行し、センサ14から出力される検出信号に基づいて荷電粒子ビーム52のビーム方向軸xにおける到達位置を求める。また、プロセッサ22は、プログラムを実行することで、移動機構30を制御し、あるいは表示装置40に情報を表示させる。
プロセッサ22は、CPU(Central Procesing Unit)やメモリ、インターフェース等を備えたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラム可能な演算デバイスであってよい。プログラムは記憶デバイス24に記憶されており、プロセッサ22によって読み出される。
また、プログラムは、外部に設けられたコンピュータからプロセッサ22に読み込まれ、プロセッサ22にインストールされてもよい。外部のコンピュータは、制御装置20に直接接続されたものでもよいし、インターネット等の通信回線に接続されたものでもよい。制御装置20が実行する処理の一部は、外部のコンピュータが実行してもよい。
また、制御装置20には、プロセッサ22に代えて、またはプロセッサ22と共にハードウエアとしての電子回路が組み込まれてもよい。制御装置20が実行する処理のうちの一部または全部は、制御装置20に組み込まれたハードウエアとしての電子回路によって実行されてもよい。
制御装置20が備える記憶デバイス24には、例えば、RAM、ROM、ハードディスク、USBメモリ、SDカード等が用いられてよい。記憶デバイス24は、インターネット等の通信回線上にあるストレージであってもよい。制御装置20が実行する処理は、分散処理を実行する複数のコンピュータによって実行されてもよい。
図2には、センサ14のビーム方向軸xにおける位置xと、検出感度Sとの関係が概念的に示されている。検出感度Sは、例えば、ビーム方向軸x上のガンマ線放出強度が一定(荷電粒子ビームにより発生したガンマ線強度が一定)であると仮定したときのセンサ14の検出信号レベルとして定義される。ビーム方向軸xにおけるx=XSの位置は、センサ14が配置された位置に対応する。センサ14の検出感度Sは、x>XSの上流側領域において0でない値を有し、x≦XSの下流側領域において、ビーム方向軸xの負方向に向かうにつれて減少する。
センサ14の位置xと検出感度Sとの関係を図2に示されているような関係とするため、検出器10の構造は、上流側領域に遮蔽体12が設けられ、下流側領域には遮蔽体12が設けられていない構造であってよい。
遮蔽体12は、上流側領域に対して検出感度Sが完全に0とならなくてもよい。また、遮蔽体12は、下流側領域に対して遮蔽効果があってもよい。すなわち、遮蔽体12は、センサ14から見て荷電粒子ビームの軌道の下流側よりも上流側の方が、放射線に対する遮蔽効果が大きい構造を有していればよい。
遮蔽体12の材質は鉛に限定されない。遮蔽体12の材質は、センサ14の検出範囲が制限されるように放射線を遮蔽する程度に、質量数が大きく密度の高い物質であってよい。遮蔽体12の材質は、例えばタングステン等であってもよい。
図3には、ビーム方向軸x方向への線量分布が概念的に示されている。この分布は、照射目標点に荷電粒子ビームを1回だけ照射した場合において、ビーム方向軸xにおける各位置に線量Γを対応付けたものである。ビーム方向軸x方向への線量分布は、荷電粒子ビームのエネルギーに応じた位置で極大となる。線量分布が極大になる位置BPはブラッグピーク56と定義される。
放射線治療では、荷電粒子ビームのエネルギーが変化すると、線量分布が極大になる位置、すなわち荷電粒子ビームの到達位置が変化するという荷電粒子ビームの性質が利用される。一般に、荷電粒子ビームは、エネルギーが高い程、体内のより深い位置まで到達する。
この性質に基づいて、放射線治療では、線量分布が極大になるブラッグピークの位置BPが患部における照射目標点の位置に一致するように、荷電粒子ビームのエネルギーが設定される。荷電粒子ビームが照射目標点に向けて照射されたときに、粒子線モニタ装置1は、線量分布に基づいて荷電粒子ビーム52の到達位置を計測する。荷電粒子の到達位置は制御装置20に記憶され、あるいは、表示装置40に表示される。ユーザは、表示装置40に表示された情報によって、照射目標点に荷電粒子ビーム52が到達したか否かを確認してもよい。
粒子線モニタ装置1がブラッグピークの位置BPを計測し、荷電粒子ビーム52の到達位置を計測する処理が、図1と共に図4~図8を適宜参照して以下に説明される。ここでは、ある1つの照射目標点に荷電粒子ビーム52が複数N回に亘って照射される場合の処理が取り上げられる。
センサ14は、自らに向けて到来したガンマ線54を検出し、ガンマ線54が検出されたことを示す検出信号を制御装置20に出力する。制御装置20は、センサ14から出力された検出信号に基づいて、ガンマ線54についての放射線カウント値を求める。放射線カウント値は、ガンマ線54が検出された頻度を表す。
粒子線モニタ装置1は、以下に説明されるように、複数N回の照射のそれぞれについて、検出器10を異なる位置に配置する。複数N回の照射のそれぞれに対しては、検出器10を配置すべき位置として、ビーム方向軸xにおける検出位置x=x1~xNが予め定められ、記憶デバイス24に記憶されている。ただし、検出器10の位置は、センサ14の位置として定義されている。
1つの照射目標点に第1回目の照射がされる前に、移動機構30は第1回目の照射に対応する位置x=x1に検出器10を配置する。照射目標点に第1回目の照射がされると共に、制御装置20のプロセッサ22は、センサ14で検出されたガンマ線54の放射線カウント値Cを求め記憶デバイス24に記憶させる。
第1回目の照射がされた後、第2回目の照射がされる前に、移動機構30は第2回目の照射に対応する位置x=x2に検出器10を配置する。照射目標点に第2回目の照射がされると共に、制御装置20のプロセッサ22は、センサ14で検出されたガンマ線54の放射線カウント値Cを求め記憶デバイス24に記憶させる。
・・・・・第N-1回目の照射がされた後、第N回目の照射がされる前に、移動機構30は第N回目の照射に対応する位置x=xNに検出器10を配置する。照射目標点に第N回目の照射がされると共に、制御装置20のプロセッサ22は、センサ14で検出されたガンマ線54の放射線カウント値Cを求め記憶デバイス24に記憶させる。
このように、第i回目の照射がされる前に、移動機構30は第i回目の照射に対応する位置x=xiに検出器10を配置する。照射目標点に第i回目の照射がされると共に、制御装置20のプロセッサ22は、センサ14で検出されたガンマ線54の放射線カウント値Cを求め、記憶デバイス24に記憶させる。ここで、iは1~Nのうちいずれかの整数である。
プロセッサ22は、ビーム方向軸xにおける各位置に対して放射線カウント値Cを対応付けたカウントプロファイル曲線を求める。カウントプロファイル曲線は、荷電粒子ビーム52に沿った各位置に対する放射線カウント値を示す。図4にはカウントプロファイル曲線42が示されている。カウントプロファイル曲線42は、ビーム方向軸xの正方向に向かって次のように放射線カウント値Cが変化するような曲線である。
すなわち、ブラッグピークの位置BPよりも上流側では、ビーム方向軸xの正方向に向かうにつれて緩やかに放射線カウント値Cが減少し、ブラッグピークの位置BP近傍では、ビーム方向軸xの正方向に向かって急峻に放射線カウント値Cが減少する。そして、ブラッグピークの位置BPよりも下流側では、再びビーム方向軸xの正方向に向かうにつれて緩やかに放射線カウント値Cが減少する。
記憶デバイス24には、基準曲線を表す基準データが記憶されている。基準データは、プロセッサ22によって読み込まれる。基準曲線は、基準位置x=x0を照射目標点の位置としたときのカウントプロファイル曲線として定義される。図5にはカウントプロファイル曲線42に加えて基準曲線44が示されている。
プロセッサ22は、基準曲線44の位置とカウントプロファイル曲線42の位置との相違に基づいてブラッグピークの位置BPを求める。具体的にプロセッサ22は、基準曲線44に対するカウントプロファイル曲線42のビーム方向軸x方向へのシフト量Δを求め、BP=x0+Δに従ってブラッグピークの位置BP、すなわち、荷電粒子ビーム52の到達位置を求める。プロセッサ22は、荷電粒子ビーム52の到達位置を表示装置40に表示させる。
シフト量Δを求める処理は、次のような相関演算によって行われてよい。プロセッサ22は、ビーム方向軸xにおける各位置に対して求められた放射線カウント値C(i=1~N)に基づいて、カウントプロファイル曲線42を表すカウントプロファイル関数f(x)を求める。また、記憶デバイス24は基準関数データを予め記憶している。基準関数データは、基準曲線44を表す基準関数g(x)を示すデータである。プロセッサ22は、記憶デバイス24から基準関数データを読み込む。
プロセッサ22は、カウントプロファイル関数f(x)をビーム方向軸x上でαだけシフトした関数f(x-α)、および基準関数g(x)に対して相関演算を行うことで相関係数r(α)を求める。プロセッサ22は、さらに、相関係数r(α)が最大値となるときまたは所定の閾値以上となるときのαをαmとして求め、シフト量ΔをΔ=αmとする。
相関演算によって求められる相関係数r(α)は、2つの関数f(x-α)およびg(x)が近似している度合いを示す。相関係数r(α)は、例えば0以上1以下の値によって表されてよい。
図6には、制御装置20が実行する処理のフローチャートが示されている。制御装置20は、照射目標点に対するN回の照射のそれぞれについて、センサ14で検出されたガンマ線54の放射線カウント値Cを求める(S101)。制御装置20は、N回の照射に対して求められた放射線カウント値C~Cに基づいてカウントプロファイル曲線を求める(S102)。
制御装置20は、基準曲線に対するカウントプロファイル曲線のビーム方向軸x方向へのシフト量Δを求める(S103)。制御装置20は、さらに、基準位置にシフト量Δを加算してブラッグピークの位置BPを、荷電粒子ビーム52の到達位置として求める(S104)。
基準曲線の位置とカウントプロファイル曲線の位置の相違に基づいてブラッグピークの位置BPを求める処理はプログラムに基づく数値計算に帰着される。そのため、プロセッサ22によって処理が迅速に行われる。
なお、制御装置20は、荷電粒子ビーム52の進行方向に対するカウントプロファイル曲線の傾きに基づいて、ブラッグピークの位置BPを求めてもよい。すなわち、制御装置20は、カウントプロファイル曲線の微分値に基づいて、ブラッグピークの位置BPを求めてもよい。カウントプロファイル曲線の微分値dは、第j回目の放射線カウント値Cから第j-1回目の放射線カウント値Cj-1を減算した差分値である。すなわち、微分値dは、d=C-Cj-1に従って求められる。ただし、jは、2~Nのうちいずれかの整数である。
制御装置20のプロセッサ22は、ビーム方向軸xにおける各位置に対してカウントプロファイル曲線の微分値を対応付けた放射線カウント値微分曲線を求める。図7には放射線カウント値微分曲線46が示されている。ただし、図7には放射線カウント値微分曲線46の微分値の極性を反転したものが示されている。プロセッサ22は、放射線カウント値微分曲線46によって示される微分値の大きさが最大値となるとき、または所定の閾値以上となるときのビーム方向軸xにおける位置を、ブラッグピークの位置BPとして求める。
図8には、カウントプロファイル曲線の微分値に基づいて、制御装置20が荷電粒子ビーム52の到達位置を求める処理のフローチャートが示されている。制御装置20は、照射目標点に対するN回の照射のそれぞれについて、センサ14で検出されたガンマ線54の放射線カウント値Cを求める(S201)。
制御装置20は、N回の照射に対して求められた放射線カウント値C~Cに基づいて放射線カウント値微分曲線を求める(S202)。制御装置20は、さらに、放射線カウント値微分曲線によって示される微分値の大きさが最大値となるとき、または所定の閾値以上となるときのビーム方向軸xにおける位置を、ブラッグピークの位置BPとして求め、荷電粒子ビーム52の到達位置を求める(S203)。
荷電粒子ビーム52の進行方向に対するカウントプロファイル曲線の傾きに基づいて、ブラッグピークの位置BPを求める処理はプログラムに基づく数値計算に帰着される。そのため、プロセッサ22によって処理が迅速に行われる。
図3に示されているように、ブラッグピーク56よりも上流側では、線量Γは、ビーム方向軸xの正方向に向かうにつれて緩やかに増加してブラッグピーク56に到達する。一方、ブラッグピーク56よりも下流側では、線量Γは、ビーム方向軸xの正方向に向かうと共に線量Γが急峻に低下する。
このような線量分布では、センサ14よりも上流側から到来するガンマ線54の線量を放射線カウント値Cに寄与させると、カウントプロファイル曲線が理想的な曲線と近似しない場合がある。ここで、理想的な曲線は、基準曲線または基準曲線をビーム方向軸x方向にシフトした曲線である。この場合、ブラッグピークの位置BPを十分な分解能で求めることが困難となってしまうことがある。
本実施形態に係る粒子線モニタ装置1には、センサ14から見て荷電粒子ビーム52の軌道の下流側よりも上流側の方が、ガンマ線54に対する遮蔽効果が大きい遮蔽体12が用いられている。したがって、下流側領域から到来するガンマ線54の方が、上流側領域から到来するガンマ線54よりも、放射線カウント値Cに対する寄与が大きい。これによって、カウントプロファイル曲線が理想的な曲線に近くなり、ブラッグピークの位置BPが十分な分解能で求められ、荷電粒子ビームが照射された位置(荷電粒子ビームの到達位置)が十分な分解能で求められる。
さらに、センサ14から見て荷電粒子ビーム52の軌道の下流側について、ガンマ線54の遮蔽効果を小さくすることで、センサ14において検出されるガンマ線が多くなり、ブラッグピークの位置BPを求める際の感度が向上する。これによって、荷電粒子ビームの到達位置、すなわち、荷電粒子ビームが照射された位置を求める際の感度が向上する。
図9には、本発明の第2実施形態に係る粒子線モニタ装置2の構成が模式的に示されている。粒子線モニタ装置2は、検出ユニット60、制御装置20および表示装置40を備えている。粒子線モニタ装置2は、図1に示される粒子線モニタ装置1における検出器10が検出ユニット60に置き換えられたものである。検出ユニット60は、複数N個の検出器5-1~5-Nを備えている。各検出器5-j(jは1~Nのうちのいずれかの整数)は、センサ14および遮蔽体12aの組を有する。
複数の検出器5-1~5-Nは、荷電粒子ビーム52の軌道から見て所定の方位角間隔で配置されている。各検出器5-jが備える遮蔽体12aは略扇形に形成されており、略扇形の面がビーム方向軸xに垂直となり、略扇形の中心側が荷電粒子ビーム52の軌道側に向けられる姿勢で配置されている。ここで、略扇形は、中心から異なる径方向に伸びる2本の直線によって円環板が切り取られた形状に近似した形状として定義される。各検出器5-jが備えるセンサ14は、遮蔽体12aの外周部に配置されている。これによって、複数のセンサ14が、荷電粒子ビーム52の軌道の周囲に弧形状に配置される。
複数の検出器5-1~5-Nは、ビーム方向軸xにおける異なる位置に配置されている。図9に示されている例では、検出器5-1、5-2、5-3、・・・・・5-Nの順に奥側から手前側、すなわち、ビーム方向軸xの正方向に向けて各検出器が配置されている。これによって、複数の検出器5-1~5-Nのそれぞれが備えるセンサ14は、荷電粒子ビーム52の軌道に沿った異なる位置に配置される。
図10(a)~図10(c)には、それぞれ、図9に示されるAA線断面、BB線断面およびDD線断面が示されている。すなわち、図10(a)、図10(b)および図10(c)には、それぞれ、検出器5-1の断面、検出器5-5の断面および検出器5-Nの断面が示されている。検出器5-1、検出器5-5および検出器5-Nは、それぞれ、ビーム方向軸xにおける位置x=x1,x=x5およびx=xNに配置されている。ここで、x1<x5<xNの関係がある。このように、検出器5-1、検出器5-5および検出器5-Nは、ビーム方向軸xの負方向から正方向に向けて、この順序で配置されている。
第1実施形態に係る検出器10と同様に、各検出器5-jの遮蔽体12aは、センサ14から見て荷電粒子ビーム52の軌道の下流側よりも上流側の方が、放射線に対する遮蔽効果が大きくなるような構造を有している。
制御装置20の記憶デバイス24には、検出器5-1~5-Nのそれぞれのビーム方向軸xにおける位置x=x1~xNが予め記憶されている。荷電粒子ビーム52が患部に照射されると共に、制御装置20は、各検出器5-jのセンサ14で検出されたガンマ線の放射線カウント値Cを求め記憶する。制御装置20は、ビーム方向軸xにおける各位置に対して放射線カウント値Cを対応付けたカウントプロファイル曲線を求め、第1実施形態に係る粒子線モニタ装置1が実行する処理と同様の処理によって、ブラッグピークの位置BPを求める。
制御装置20が実行する処理のフローチャートは、図6または図8のステップS101の処理が、次の処理に置き換えられたものとなる。すなわち、制御装置20は、図6または図8のステップS101の処理の代わりに、各検出器5-1~5-Nのセンサ14で検出されたガンマ線の放射線カウント値C~Cを求める処理を実行する。
本実施形態に係る粒子線モニタ装置2では、複数の検出器5-1~5-Nが用いられている。そのため、患部に対する1回の荷電粒子ビーム52の照射によってカウントプロファイル曲線が求められる。そのため、ブラッグピークの位置BPが迅速に求められる。
また、複数の検出器5-1~5-Nは、荷電粒子ビーム52の軌道の周囲に弧形状に配置されている。各検出器5-jが備える遮蔽体12aは略扇形に形成されており、窄まった側を荷電粒子ビーム52の軌道側に向けて配置されている。各センサ14は、遮蔽体12aの外周部に配置されており、複数のセンサ14は、荷電粒子ビーム52の軌道の周囲に弧形状に配置されている。
したがって、荷電粒子ビーム52の軌道から複数の検出器5-1~5-Nのそれぞれにおけるセンサ14までの距離が均等となり、複数の検出器5-1~5-Nがガンマ線を検出する条件が均等となる。これによって、ガンマ線の放射線カウント値Cの精度が向上する。
図11および図12には、検出ユニットの変形例が示されている。図11は、ビーム方向軸xの正方向が右方向となるように検出ユニット62を眺めた図であり、図12はビーム方向軸xの正方向が描画面から手前側に向かうように検出ユニット62を眺めた図である。
検出ユニット62は、複数の検出器6-1~6-Nを備えている。複数の検出器6-1~6-Nは、照射目標点側に凹んだ側が向けられた弧形状に配置されている。各検出器6-jは、センサ14および遮蔽体12bの組を有する。遮蔽体12bは略扇形に形成されている。
略扇形の面に垂直な方向への遮蔽体12bの厚みは、略扇型の中心に向かうにつれて薄くなっている。複数の検出器6-1~6-Nは、ビーム方向軸xにおける異なる位置に配置されている。各検出器は、互いに隣接する遮蔽体12bに略扇形の面が対向し、略扇形の中心側が患者50に向けられる姿勢で配置されている。センサ14は、遮蔽体12bの外周部に配置されている。これによって、複数のセンサ14が、照射目標点側に凹んだ側が向けられた弧形状に配置されている。
第1実施形態に係る検出器10と同様に、各検出器6-jの遮蔽体12bは、センサ14から見て荷電粒子ビーム52の軌道の下流側よりも上流側の方が、放射線に対する遮蔽効果が大きくなるような構造を有している。
図9に示された検出ユニット60は、図11および図12に示された検出ユニット62に置き換えられてよい。検出ユニット62が用いられた場合であっても、制御装置20および表示装置40は、検出ユニット60が用いられた場合と同様の処理を実行する。
すなわち、制御装置20の記憶デバイス24には、検出器6-1~6-Nのそれぞれのビーム方向軸xにおける位置x=x1~xNが予め記憶されている。荷電粒子ビーム52が患者50に照射されると共に、制御装置20は、各検出器6-jのセンサ14で検出されたガンマ線の放射線カウント値Cを求め記憶する。制御装置20は、ビーム方向軸xにおける各位置に対して放射線カウント値Cを対応付けたカウントプロファイル曲線を求め、第1実施形態に係る粒子線モニタ装置1が実行する処理と同様の処理によって、ブラッグピークの位置BPを求める。
本変形例に係る検出ユニット62では、複数の検出器6-1~6-Nが用いられている。そのため、照射対象に対する1回の荷電粒子ビーム52の照射によってカウントプロファイル曲線が求められる。これによって、ブラッグピークの位置BPが迅速に求められる。
また、複数の検出器6-1~6-Nは、照射目標点側に凹んだ側が向けられた弧形状に配置されている。各検出器6-jは、互いに隣接する遮蔽体12bに略扇形の面が対向し、略扇形の中心側が患者50に向けられる姿勢で配置されている。センサ14は遮蔽体12bの外周部に配置されており、複数のセンサ14は、照射目標点側に凹んだ側が向けられた弧形状に配置されている。
したがって、患者50から複数のセンサ14のそれぞれまでの距離が均等となり、複数の検出器6-1~6-Nが、患者50の組織から発せられるガンマ線を検出する条件が均一となる。これによって、ガンマ線の放射線カウント値Cの精度が向上する。
このように、上記の各実施形態に係る粒子線モニタ装置では、荷電粒子ビーム52と照射対象との相互作用により発生する放射線としてガンマ線を検出するセンサ14を用いて、荷電粒子ビーム52のブラッグピークの位置BPを求める方法が用いられている。
この方法は、次の事項を含んでいる。(i)センサ14から見て荷電粒子ビーム52の軌道の下流側よりも上流側の方が、放射線に対する遮蔽効果が大きい遮蔽体によってセンサ14を遮蔽すること。(ii)荷電粒子ビーム52の軌道に沿った複数の位置でセンサ14によって放射線を検出すること。(iii)複数の位置における検出値に基づいて、荷電粒子ビーム52に沿った各位置に対する放射線カウント値Cを示すカウントプロファイル曲線を求めること。(iv)カウントプロファイル曲線に基づいて、荷電粒子ビーム52のブラッグピークの位置BPを求めること。
制御装置20における記憶媒体としての記憶デバイス24には、この方法に従った処理を実行するためのプログラムが記憶される。
図13には、本発明の応用実施形態に係る粒子線治療システム3が示されている。粒子線治療システム3は、粒子ビーム制御装置70、粒子ビーム照射装置80、検出ユニット66、制御装置20、表示装置40、操作装置82および治療計画装置84を備えている。
操作装置82は、ユーザの操作に従う操作情報を制御装置20または粒子ビーム制御装置70に出力する。制御装置20および粒子ビーム制御装置70は、操作情報に従った情報処理を実行する。操作装置82は、キーボード、マウス、表示装置40に取り付けられたタッチパネル等であってよい。
粒子ビーム制御装置70は、プロセッサ72および記憶デバイス74を備えている。プロセッサ72は、CPUやメモリ、インターフェース等を備えたコンピュータや、FPGA等のプログラム可能な演算デバイスであってよい。プログラムは、記憶デバイス74に記憶されており、プロセッサ72によって読み出される。
また、プログラムは、外部に設けられたコンピュータからプロセッサ72に読み込まれ、プロセッサ72にインストールされてもよい。外部のコンピュータは、制御装置70に直接接続されたものでもよいし、インターネット等の通信回線に接続されたものでもよい。粒子ビーム制御装置70が実行する処理の一部は、外部のコンピュータが実行してもよい。
また、粒子ビーム制御装置70には、プロセッサ72に代えて、またはプロセッサ72と共にハードウエアとしての電子回路が組み込まれてもよい。粒子ビーム制御装置70が実行する処理のうちの一部または全部は、粒子ビーム制御装置70に組み込まれたハードウエアとしての電子回路によって実行されてもよい。
粒子ビーム制御装置70が備える記憶デバイス74には、例えば、RAM、ROM、ハードディスク、USBメモリ、SDカード等が用いられてよい。記憶デバイス74は、インターネット等の通信回線上にあるストレージであってもよい。粒子ビーム制御装置70が実行する処理は、分散処理を実行する複数のコンピュータによって実行されてもよい。
粒子ビーム制御装置70および制御装置20は個別に構成されてもよいし、共通のプロセッサおよび共通の記憶デバイスによって一体化されてもよい。粒子ビーム制御装置70が実行する後述の処理のうちの一部または全部は、粒子ビーム制御装置70が実行する代わりに制御装置20が実行してもよい。同様に、制御装置20が実行する後述の処理のうち一部または全部は、制御装置20が実行する代わりに粒子ビーム制御装置70が実行してもよい。
記憶デバイス74には、治療計画データが予め記憶されている。治療計画データは、治療計画に従って粒子線治療を行う場合の物理的条件を定める。物理的条件には、例えば、エネルギーや照射方向等の荷電粒子ビーム52についての条件がある。制御装置20は、外部の装置である治療計画装置84から治療計画データを読み込み、粒子ビーム制御装置70に出力してよい。この場合、粒子ビーム制御装置70は、制御装置20から治療計画データを取得し、記憶デバイス74に記憶させる。
粒子ビーム制御装置70は、治療計画データに基づく物理的条件に従って、粒子ビーム照射装置80を制御する。粒子ビーム照射装置80は、粒子ビーム制御装置70による制御に従って、荷電粒子ビーム52を患者50に照射する。
検出ユニット66は、図9に示された検出ユニット60または図11に示された検出ユニット62であってよい。制御装置20は、患者50に対して荷電粒子ビーム52が照射されると共に、ブラッグピークの位置BPを求め、荷電粒子ビーム52の到達位置を求める。制御装置20は、荷電粒子ビーム52の到達位置を粒子ビーム制御装置70に出力する。また、制御装置20は、荷電粒子ビーム52の到達位置を表示装置40に表示させてもよい。
粒子ビーム制御装置70は、荷電粒子ビーム52の到達位置と、治療計画データに従う到達位置との差異を示す制御誤差を求める。制御誤差は、荷電粒子ビーム52の到達位置から、治療計画データに従う到達位置を減算した値の絶対値であってよい。粒子ビーム制御装置70は、制御誤差が0に近付くか、あるいは0となるように記憶デバイス74に記憶された治療計画データを更新する。
粒子ビーム制御装置70は、更新された治療計画データに従って、粒子ビーム照射装置80を制御する。粒子ビーム照射装置80は、粒子ビーム制御装置70による制御に従って、次の荷電粒子ビーム52を患者50に照射する。粒子ビーム制御装置70は、制御誤差が予め定められた閾値を超えるときは、粒子ビーム照射装置80を制御し、患者50に対する荷電粒子ビーム52の照射を停止させてもよい。
本実施形態に係る粒子線治療システム3では、複数の検出器を有する検出ユニット66が用いられている。そのため、患者50に対する1回の荷電粒子ビーム52の照射によってカウントプロファイル曲線が求められる。これによって、荷電粒子ビーム52の到達位置が迅速に求められる。したがって、荷電粒子ビーム52についての物理的条件がリアルタイムに更新され、適応的に荷電粒子ビーム52が患者50に照射される。
上記では、複数の検出器を備える検出ユニット66を用いてガンマ線を検出する実施形態が示された。検出ユニット66に代えて、図1に示される検出器10および移動機構30が用いられてもよい。この場合、同一の照射目標点に対して複数回に亘って荷電粒子ビーム52が照射された後に、制御装置20が荷電粒子ビーム52の到達位置を求め、表示装置40に荷電粒子ビーム52の到達位置を表示する。
ユーザは、表示装置40に表示された荷電粒子ビーム52の到達位置を参照し、粒子ビーム制御装置70に記憶された治療計画データを更新してもよい。すなわち、表示装置40が荷電粒子ビーム52の到達位置を表示すると共に、粒子ビーム制御装置70は、操作装置82において行われた操作に従って、自らが記憶する治療計画データを更新してもよい。
なお、上記の各実施形態では、粒子線ビームの照射対象を患者とした場合が説明された。照射対象は、ファントム等、患者の生体組織を模擬した物体であってもよい。ファントムは、粒子線モニタ装置の動作確認や性能評価に用いられてよい。また、ファントムは、治療計画に基づく粒子線治療の効果を評価するために用いられてよい。
また、上記では、荷電粒子ビーム52と患者50の生体組織との相互作用によって発生した即発ガンマ線をセンサ14が検出する実施形態が説明された。センサ14が検出する放射線は、制動放射線や、電子、陽電子、陽子、中性子等の粒子線であってもよい。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明には様々な変形例が含まれる。上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するためのものであり、本発明は、実施形態に含まれる全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の構成の一部が他の実施形態の構成に置き換えられてもよく、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成が加えられてもよい。
1,2 粒子線モニタ装置、3 粒子線治療システム、5-1~5-N,6-1~6-N,10 検出器、12,12a,12b 遮蔽体、14 センサ、20 制御装置、22,72 プロセッサ、24,74 記憶デバイス、30 移動機構、40 表示装置、42 カウントプロファイル曲線、44 基準曲線、46 放射線カウント値微分曲線、50 患者、52 荷電粒子ビーム、54 即発ガンマ線、56 ブラッグピーク、60,62,66 検出ユニット、70 粒子ビーム制御装置、80 粒子ビーム照射装置、82 操作装置、84 治療計画装置。

Claims (11)

  1. 荷電粒子ビームと照射対象との相互作用により発生する放射線を検出するセンサと、
    前記センサの検出範囲を制限する遮蔽体と、
    プロセッサであって、
    前記センサによる検出値に基づいて、前記荷電粒子ビームに沿った各位置に対する放射線カウント値を示すカウントプロファイル曲線を求め、
    前記カウントプロファイル曲線に基づいて、前記荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求めるプロセッサと、を備え、
    前記遮蔽体は、前記センサから見て前記荷電粒子ビームの軌道の下流側よりも上流側の方が、前記放射線に対する遮蔽効果が大きいことを特徴とする粒子線モニタ装置。
  2. 荷電粒子ビームと照射対象との相互作用により発生する放射線を検出するセンサと、
    前記センサの検出範囲を制限する遮蔽体と、を備え、
    前記遮蔽体は、前記センサから見て前記荷電粒子ビームの軌道の下流側よりも上流側の方が、前記放射線に対する遮蔽効果が大きく、前記センサから見て前記荷電粒子ビームの軌道の下流側を遮蔽しないことを特徴とする粒子線モニタ装置。
  3. 請求項2に記載の粒子線モニタ装置において、
    プロセッサであって、
    前記センサによる検出値に基づいて、前記荷電粒子ビームに沿った各位置に対する放射線カウント値を示すカウントプロファイル曲線を求め、
    前記カウントプロファイル曲線に基づいて、前記荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求めるプロセッサ、
    を備えることを特徴とする粒子線モニタ装置。
  4. 請求項1または請求項3に記載に粒子線モニタ装置において、
    前記プロセッサは、
    基準曲線の位置と前記カウントプロファイル曲線の位置との相違に基づいて、前記荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求めることを特徴とする粒子線モニタ装置。
  5. 請求項1または請求項3に記載の粒子線モニタ装置において、
    前記プロセッサは、
    前記荷電粒子ビームの進行方向に対する前記カウントプロファイル曲線の傾きに基づいて、前記荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求めることを特徴とする粒子線モニタ装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の粒子線モニタ装置において、
    前記センサを前記荷電粒子ビームの軌道に沿って移動させる移動機構を備え、
    前記センサは、前記荷電粒子ビームの軌道に沿った異なる複数の位置で前記放射線を検出することを特徴とする粒子線モニタ装置。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の粒子線モニタ装置において、
    前記センサおよび前記遮蔽体の組を複数備え、
    複数の前記センサが、前記荷電粒子ビームの軌道に沿った異なる位置に配置されていることを特徴とする粒子線モニタ装置。
  8. 請求項7に記載の粒子線モニタ装置において、複数の前記センサは、前記荷電粒子ビームの軌道の周囲に弧形状に配置されていることを特徴とする粒子線モニタ装置。
  9. 請求項7に記載の粒子線モニタ装置において、複数の前記センサは、照射目標点側に凹んだ側が向けられた弧形状に配置されていることを特徴とする粒子線モニタ装置。
  10. 請求項1、および請求項3から請求項5のうちいずれか1項に記載の粒子線モニタ装置と、
    前記荷電粒子ビームを発生し、前記照射対象に照射する粒子ビーム照射装置と、
    前記プロセッサによって求められたブラッグピークの位置に基づいて、前記粒子ビーム照射装置を制御する粒子ビーム制御装置と、
    を備えることを特徴とする粒子線治療システム。
  11. 荷電粒子ビームと照射対象との相互作用により発生する放射線を検出するセンサを用いて、プロセッサが、前記荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求める装置、の作動方法において、
    前記センサから見て前記荷電粒子ビームの軌道の下流側よりも上流側の方が、前記放射線に対する遮蔽効果が大きい遮蔽体によって前記センサが遮蔽された状態における、前記センサによる検出値に基づいて、前記プロセッサが、前記荷電粒子ビームに沿った各位置に対する放射線カウント値を示すカウントプロファイル曲線を求め、
    前記プロセッサが、前記カウントプロファイル曲線に基づいて、前記荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求める工程を含む、ことを特徴とする作動方法。
JP2019155155A 2019-08-28 2019-08-28 粒子線モニタ装置、粒子線治療システムおよび荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求める装置の作動方法 Active JP7265455B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019155155A JP7265455B2 (ja) 2019-08-28 2019-08-28 粒子線モニタ装置、粒子線治療システムおよび荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求める装置の作動方法
PCT/JP2020/012894 WO2021038941A1 (ja) 2019-08-28 2020-03-24 粒子線モニタ装置、粒子線治療システムおよび粒子線モニタ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019155155A JP7265455B2 (ja) 2019-08-28 2019-08-28 粒子線モニタ装置、粒子線治療システムおよび荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求める装置の作動方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021029765A JP2021029765A (ja) 2021-03-01
JP7265455B2 true JP7265455B2 (ja) 2023-04-26

Family

ID=74674495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019155155A Active JP7265455B2 (ja) 2019-08-28 2019-08-28 粒子線モニタ装置、粒子線治療システムおよび荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求める装置の作動方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7265455B2 (ja)
WO (1) WO2021038941A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023218783A1 (ja) * 2022-05-13 2023-11-16 三菱電機株式会社 半導体試験装置および半導体試験装置の性能評価方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012522998A (ja) 2009-04-07 2012-09-27 ジーエスアイ ヘルムホルツツェントゥルム フュア シュヴェリオーネンフォルシュング ゲーエムベーハー 検出器デバイス
JP5472731B2 (ja) 2010-03-02 2014-04-16 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 荷電粒子線医療におけるミュオン・モニタリング・システム
JP5721135B2 (ja) 2011-02-22 2015-05-20 独立行政法人日本原子力研究開発機構 粒子線モニタリング装置、粒子線モニタリングプログラム及び粒子線モニタリング方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51151050A (en) * 1975-06-20 1976-12-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd Condenser charge and discharge apparatus used a semiconductor switchin g element
JPS5486439A (en) * 1977-12-23 1979-07-10 Nippon Kokan Kk <Nkk> Control method for concentration of hydrochloric acid in pickling vessel
KR20090032470A (ko) * 2007-09-28 2009-04-01 한양대학교 산학협력단 배열형 섬광 검출 유니트 및 이를 갖는 양성자 빔의 비정측정 장치
EP3266470A1 (en) * 2016-07-06 2018-01-10 Fyzikální ústav AV CR, v.v.i. Device and method for imaging and enhanced proton-therapy treatment using nuclear reactions

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012522998A (ja) 2009-04-07 2012-09-27 ジーエスアイ ヘルムホルツツェントゥルム フュア シュヴェリオーネンフォルシュング ゲーエムベーハー 検出器デバイス
JP5472731B2 (ja) 2010-03-02 2014-04-16 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 荷電粒子線医療におけるミュオン・モニタリング・システム
JP5721135B2 (ja) 2011-02-22 2015-05-20 独立行政法人日本原子力研究開発機構 粒子線モニタリング装置、粒子線モニタリングプログラム及び粒子線モニタリング方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021038941A1 (ja) 2021-03-04
JP2021029765A (ja) 2021-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hueso-González et al. A full-scale clinical prototype for proton range verification using prompt gamma-ray spectroscopy
US8553831B2 (en) Imaging system and method using primary and scattered radiations
EP2670485B1 (en) An apparatus for particle therapy verification
Gueth et al. Machine learning-based patient specific prompt-gamma dose monitoring in proton therapy
US8487264B2 (en) Radiation tomography apparatus
JP4663234B2 (ja) 放射線場の強度分布を測定するための方法及び装置
JP4600947B2 (ja) ベータ線検出器とベータ線再構築方法
US8995609B2 (en) X-ray compton scatter imaging on volumetric CT systems
CN106501839B (zh) 一种束流剂量分布测量设备
CN108686306A (zh) 中子俘获治疗法系统及中子俘获治疗法用γ射线检测器
Verburg et al. Range verification of passively scattered proton beams using prompt gamma-ray detection
Yang et al. Quantitative measurement of MLC leaf displacements using an electronic portal image device
KR20120115648A (ko) 감마선 검출 장치 및 이를 이용한 감마선 검출 방법
JP7265455B2 (ja) 粒子線モニタ装置、粒子線治療システムおよび荷電粒子ビームのブラッグピークの位置を求める装置の作動方法
KR101259430B1 (ko) 영상화 단층 촬영 방법 및 장치
Meric et al. A hybrid multi-particle approach to range assessment-based treatment verification in particle therapy
US9849307B2 (en) System and method for dose verification and gamma ray imaging in ion beam therapy
CN113031051A (zh) 校正装置、治疗计划装置及校正方法
JP7485587B2 (ja) 粒子線監視システム、粒子線監視方法および粒子線治療システム
Mosorov et al. Monte Carlo simulation for multi-channel gamma-ray process tomography
JP3340949B2 (ja) コリメーター及びγ線検出装置
JP7356370B2 (ja) ビーム監視システム、粒子線治療システム、およびビーム監視方法
JP6781918B2 (ja) 情報処理装置、イメージング方法、及び、イメージングプログラム
US5703370A (en) Method and apparatus for measuring angular differential dose of ionizing radiation
JP7083994B2 (ja) 中性子線測定装置、及び中性子線測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221004

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20221202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7265455

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150