JP7265364B2 - 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
電力系統が供給する電力の安定や、電力系統における周波数変動の抑制など、電力品質の向上のために、蓄電システム(BESS:Battery Energy Storage System)が利用される。蓄電システムを長期にわたって運用していくために、蓄電システムの劣化状態を評価することが必要である。蓄電システムは、系統の電力品質向上の用途では、基本的に24時間/365日運転稼働する。このため、蓄電システムの劣化評価を行う場合、蓄電システムの稼働を停止させずに、当該劣化評価を行うことが望まれる。
劣化評価の方法として、事前に蓄電システムを通常稼働させたデータを取得し、そのデータに基づいて作成した教師データを格納したデータベースを作成する方法がある。この方法では、作成したデータベースと、運用中の蓄電システムの測定データとに基づき劣化状態を評価する。しかしながら、この方法では、データベースに収納する教師データを得る必要があるため、運用を開始できるまで時間を要する問題がある。また蓄電システムで利用する蓄電池の種類が変わると、データベースを新たに作成する必要が生じ、評価対象となる蓄電システムが複数種類ある場合には、手間とコストもかかる。
特許第4668015号公報 特許第5017084号公報 特許第6134438号公報
本発明の実施形態は、通常稼働している蓄電システムから得られる情報を用いて蓄電装置を評価できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムを提供する。
本発明の実施形態としての情報処理装置は、充放電指令値に従って充放電制御される蓄電装置から測定期間において測定される電圧値に基づき、前記蓄電装置の充電量と前記電圧値とを含むデータ列を取得するデータ取得部と、前記データ列に基づき、前記充電量に対する前記電圧値の代表データを生成するデータ生成部と、複数の前記測定期間に対応する複数の前記代表データ間の相対的な変化に基づいて、前記蓄電装置の劣化状態を評価する劣化評価部と、を備える。
第1の実施形態に係る蓄電池評価システムの全体構成のブロック図。 蓄電池の構成例を示す図。 電池モジュールの構成の一例を示す図。 充放電情報DBの例を示す図。 QVデータのグラフ例を示す図。 QVデータを、SoCの昇順にソートした例を示す図。 ソート後のQVデータのグラフ例を示す図。 OCVグラフの例を示す図。 電池状態DBの例を示す図。 複数の測定期間に対応する充放電データのグラフ例を示す図。 図10の各充放電データをSoCによりソートし、ソート後のデータのグラフの例を示す図。 複数の測定期間のOCVデータのグラフの例を示す図。 図12のQV平面に、閾値の直線を配置した例を示す図。 劣化DBの一例を示す図。 蓄電池評価装置の動作例のフローチャート。 第2の実施形態に係る蓄電池評価装置の動作の一例のフローチャート。 第3の実施形態に係る蓄電池評価装置のブロック図。 充放電指令値の分布の例を示す図。 第3の実施形態に係る蓄電池評価装置の動作の一例のフローチャート。 本発明の実施形態に係る蓄電池評価装置のハードウェア構成例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る蓄電池評価システムの全体構成のブロック図である。蓄電池評価システムは、評価対象となる蓄電池を含む蓄電システム(ESS:Energy Storage System)101と、蓄電池を評価する蓄電池評価装置201と、監視システム301とを備える。蓄電池は二次電池とも呼ばれる。以下では蓄電池に呼び方を統一する。
蓄電システム101は、通信ネットワークを介して、SCADA401に接続されている。SCADA401(Supervisory Control And Data Acquisition)は、地域内に存在する様々な蓄電システム(ESS)を1つの大型ESSに見立て、個々のESSに、時間に応じて充電指令値及び放電指令値の少なくとも一方(以下、充放電指令値)を送ることにより、個々のESSの充電及び放電の少なくとも一方(以下、充放電)を制御する。充放電指令値には、充放電の実行時刻が付加されていてもよい。あらかじめ時刻同期がされている場合などは、充放電指令値に実行時刻を付加しない構成も可能である。SCADA401は、一例として、電力会社の中央給電指令所など、上位のエネルギー・マネジメント・システムからの指令、または下位の配電側の個々のエネルギー管理システム(Energy Management System)からの指令、またはこれらの両方等に基づき、個々のESSの充放電の制御を行う。
蓄電システム101は、SCADA401からの充放電指令値に応じて、電力系統501との間で蓄電池の充放電を行う機能を有する。蓄電システム101は、制御部111と、蓄電池112と、交直変換機113とを備える。交直変換機113は、電力系統501に接続されている。交直変換機113と電力系統501との間に、変圧器が存在してもよい。
制御部111は、SCADA401から充放電指令値を受信し、当該充放電指令値および蓄電池112の充電量に基づき、交直変換機113に対する実行可能な充放電指令値を生成する。SCADA401の充放電指令値と区別するため、便宜上、制御部111が生成した充放電指令値を、充放電命令と称する場合がある。制御部111は、生成した充放電命令に基づき交直変換機113を制御して、蓄電池112の充放電を行う。
交直変換機113は、電力系統501と蓄電池112間を接続し、電力系統501側の交流電力と蓄電池112側の直流電力とを、双方向に変換する機能を有する。交直変換機113は、単一のAC/DCコンバータを含む構成でも良いし、AC/DCコンバータ、DC/DCコンバータ、AC/ACコンバータのうちの2種類以上のコンバータを任意に接続した構成でもよい。交直変換機113は、制御部111から提供される充放電命令に応じて、蓄電池112に放電指示又は充電指示を出力する。これにより、蓄電池112の充放電を行う。
蓄電池112は、電気エネルギーを充電および放電可能な蓄電池である。蓄電池112に蓄積されている電力量を充電量又は電荷量と呼ぶ。本実施形態では蓄電池112が電力系統用であるが、蓄電池112が、自動車、鉄道又は産業機器などのマシンに用いられるものであってもよい。
蓄電池112は、1つ以上の電池盤を備え、各電池盤は、一例として、1つ以上の電池モジュールと、1つのBMU(Battery Management Unit:電池監視部)とを備える。各電池モジュールは、複数の単位電池(セル)を備える。
蓄電池112は、交直変換機113から受信した放電指示に応じて、セル群に蓄電している電力を交直変換機113に放電する。蓄電池112は、交直変換機113から受信した充電指示に応じて、電力系統501から供給される電力をセル群に充電する。セル、電池モジュール、電池盤および蓄電池112は、それぞれいずれも、電気エネルギーを内部に蓄積する蓄電装置の一形態である。
以下、蓄電池112の構成例について詳細に説明する。
図2は、蓄電池112の構成例を示す図である。蓄電池112は、複数の電池盤11が並列に接続された電池アレイを含む。各電池盤11において、複数の電池モジュール12が直列に接続されている。各電池盤11は、BMU13を備えている。複数の電池モジュール12が並列に接続されてもよいし、複数の電池モジュール12が直並列に接続されてもよい。また、複数の電池盤が、直列または直並列に接続されていてもよい。BMU13は、蓄電池評価装置201に対して情報を送受信する通信部を備えていてもよい。当該通信部は、電池盤11の内部に配置されていても、電池盤11の外部に配置されていてもよい。
図3は、各電池モジュール12の構成の一例を示す図である。電池モジュール12は、直並列に接続された複数のセル14を備える。複数のセル14が直列に接続された構成、並列に接続された構成、および直列と並列を組み合わせた構成も可能である。電池モジュール12がCMU(Cell Monitoring Unit:セル監視部)を備えていてもよい。各セル14は、充放電が可能な単位電池である。例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池などが挙げられる。
各セル14に対して、電圧、電流、温度等のパラメータを測定する計測部(図示せず)が配置されている。同様に、各電池モジュール12に対して、電池モジュールの電圧、電流、温度等のパラメータを測定する計測部(図示せず)が配置されている。また、各電池盤11に対して、電池盤の電圧、電流、温度等のパラメータを測定する計測部(図示せず)が配置されている。また電池アレイに対して、電池アレイの電圧、電流、温度等のパラメータを測定する計測部(図示せず)が配置されている。ここでは、セル、電池モジュール、電池盤、および電池アレイのすべての種類に対して、電圧、電流、温度等を測定する計測部が配置されているとしたが、これらの一部の種類にのみ配置されていてもよい。また、すべてのセルではなく、一部のセル、一部の電池モジュール、一部の電池盤にのみ計測部が配置されてもよい。また、各計測部は、電圧、電流、温度以外に、湿度など他のパラメータを測定してもよい。なお、計測部のサンプリング頻度は、充放電指令値の受信頻度により高くても、充放電指令値の受信頻度と同じでも、充放電指令値の受信頻度より低くてもよい。
蓄電池112は、蓄電池112の測定データを蓄電池評価装置201に送出する。測定データは、計測部により測定されたパラメータ(電圧、電流、温度等)および測定時刻を含む。測定時刻は、蓄電池112内又は蓄電システム101に時計を配置しておき、パラメータの取得時に当該時計の時刻を取得してもよい。なお、蓄電池評価装置201内に時計を設けておき、蓄電池評価装置201が蓄電池112から測定データを取得した時に、取得した測定データに、時計の時刻を関連づけてもよい。この場合、蓄電システム101は、蓄電池評価装置201に送出する測定データに測定時刻を含めなくてもよい。
本実施形態では、蓄電池112の劣化状態を評価する例を示すが、ここでいう蓄電池112の評価とは、蓄電池112に含まれる電池セルすべての集合体を評価することであり、蓄電池に含まれる計測部や、セル監視部、コントローラを評価するのとは異なる。また、本実施形態は、セル単体から、セルが複数集まった集合の階層構造まで、測定値が取得できる限り、任意の階層に対して評価を行うことができる。本実施形態に係る蓄電装置の評価は、セル、電池モジュール(実際には電池モジュールに含まれるセルの集合体)、電池盤(実際には電池盤に含まれるセルの集合体)など、任意の電池セル集合単位を評価することを含む。
図1の蓄電池評価装置201は、データ取得部211、OCV(Open Circuit Voltage)生成部212、劣化評価部213、表示部215、メンテナンス計画部216、充放電情報データベース(DB)217、電池状態DB218、及び劣化DB219を備える。
データ取得部211は、蓄電池112から測定データを取得する。一例として、データ取得部211は、測定期間において測定される電圧値に基づき、充電量と電圧値とを含むデータ列を取得する。また、データ取得部211は、蓄電システム101の制御部111から、充放電指令値を取得する。充放電指令値には、充放電の実行時刻が付加されている。取得する充放電指令値は、一例として、制御部111が生成した充放電指令値に対応する。データ取得部211は、一例として、測定データ及び充放電指令値の取得を一定時間毎に行う。データ取得部211は、取得した測定データ及び充放電指令値を含む充放電データを、充放電情報DB217に出力する。
充放電情報DB217は、データ取得部211から受けた充放電データを内部に格納する。
図4に、充放電情報DB217の例を示す。時刻t1~tnの時系列データとして、充放電指令値、充電量、電圧及び温度等を含む充放電データが格納されている。時刻t1~tnはサンプル時刻に対応する。図4に示した項目は一例であり、ここに存在しない項目(例えば電流又は湿度など)が追加されてもよいし、一部の項目(例えば温度)が存在しなくてもよい。
P1,P2、・・・,Pnは、時刻t1~tnにおける充放電指令値が指示する電力値である。Pxは、時刻xにおける充放電指令値が指示する電力値を意味する。P2、・・・、Pnは符号付の数値である。一例として、正値は放電、負値は充電を表すとするが、逆でもよい。充放電指令値が示す電力値の代わりに、蓄電池112から測定された電流と電圧とに基づき計算した電力値を用いてもよい。
Q1,Q2、・・・Qnは、時刻t1~tnにおける蓄電池112の充電量(SoC)である。Qxは、時刻xにおける蓄電池112のSoCを意味する。SoCは、蓄電池112に蓄積されている充電量(電荷量)を、定格容量(すなわち劣化前の最大の充電量)で除した割合である。ここでは蓄電池112の充電量を表す値として相対値であるSoCを用いたが、実際に蓄電池112に蓄積されている電力量(kWh)を用いてもよい。蓄電池112のSoCの情報を直接取得できない場合、電流値を累積することによりSoCを計算してもよい。
T1,T2、・・・Tnは、時刻t1~tnにおける蓄電池112の温度を表す。Txは、時刻xにおける蓄電池112の温度を意味する。
図4における時刻t1の充放電データは、充放電指令値P1、充電量(SoC)Q1及び温度T1を含む。これは、充放電指令値P1の充放電が時刻t1で実行され、この結果、蓄電池112のSoCはQ1になり、このときの蓄電池112の温度がT1であることを意味する。時刻t2~tnのデータも同様にして解釈される。
図5は、充放電情報DB217におけるある測定期間のデータを、横軸をSoC、縦軸を電圧とする座標系にプロットし、プロットした点を時系列に結んだQVデータのグラフ例を示す。充電と放電が何度も繰り返されており、低いSoCと高いSoCの間を何往復もする複雑な曲線となっている。測定期間は、一例として1日であり、この場合、図のデータは1日分のデータである。但し、測定期間は2日以上の連続した日でもよいし、1日(24時間)より短い時間でもよい。本実施形態では、測定期間は1日である場合を想定する。
OCV生成部(データ生成部)212は、充放電情報DB217を用いて蓄電池112の開回路電圧(OCV)を推定する。すなわち、OCV生成部212は、OCVを模擬的に生成する。OCVは、蓄電池112が通電していない(電圧が印加されていない又は電流が流れていない)状態での蓄電池112の電圧である。OCV生成部212は、充電量(SoC)と電圧とを用いてOCVを推定する。OCVの推定は、一例として評価対象の測定期間におけるSoCと電圧とのデータ{SoC、V}に基づき、SoCに対する電圧(V)の移動平均を計算することで行う。移動平均以外の方法でOCVを推定する方法は第4の実施形態で説明する。以下、OCVの推定方法の一例について詳細に示す。
OCV生成部212は、充放電情報DB217から、評価対象の測定期間におけるSoCと電圧とのデータ{SoC、V}を読み出す。読み出したデータは、時系列に並べられている。OCV生成部212は、このデータをSoCの昇順にソートする。すなわち、SoCの小さい順にデータを並べる。
図6に、充放電情報DB217から読み出した時系列のデータ{SoC、V}を、SoCの昇順にソートした表の例を示す。表の数値は、理解のため参考として示したものである。なお、ソート後のデータにおいて、同じ値のSoCが2以上並んでいてもよい。図の窓枠WF、及び、窓枠の位置WP_1~WP_kについては後述する。
図7は、図6のソートされたデータを、横軸をSoC、縦軸を電圧とする座標系にプロットし、プロットした点をSoCの小さい順に結んだQVデータのグラフ例を示す。全体の外形は図5と似ているが、プロットした点を結ぶ順序が異なるため、図5のグラフとは異なる。図7のグラフは、描画の都合上、塗りつぶした図形のように見えるが、実際には電圧が上下に変動しながら、SoCの小さい方から大きい方に進むようなグラフとなっている。
OCV生成部212は、ソート後のデータに基づき、SoCに対して、電圧の移動平均を計算し、SoCに対する電圧値の移動平均データを生成する。この移動平均データが、OCVの推定データ(OCVデータ)である。移動平均データは、SoCに対する電圧の代表データの一例である。OCVの推定データを表する移動平均データ以外の代表データの例については第4の実施形態で述べる。まず、移動平均を計算するための窓枠のサイズを決定する。
窓枠のサイズは、一例として所定のデータ数である。例えば、窓枠を120秒とする場合、120秒の間に測定される個数のデータ数である。
他の例として、窓枠のサイズは、所定のSoC幅である。例えば所定のSoC幅を5とする場合、最小値と最大値との差が5となる連続したSoC範囲である。
OCV生成部212は、ソート後のデータ列の位置に対して窓枠を設定して、窓枠に含まれるデータに含まれる電圧の平均値(μVmv)を計算する。
また、OCV生成部212は、窓枠に含まれるデータのSoCの代表値(代表SoC)を決定する。代表SoCは、窓枠FWに含まれるデータのSoCの中央値とする。窓枠内のデータ数が偶数の場合、中央の2つのデータのSoCのいずれか定めた一方もしくは平均を、代表SoCとすればよい。但し、代表SoCの定義はこれに限定されない。例えば、代表SoCは、窓枠FWに属するデータのSoCの平均値でもよい。
計算された電圧の平均値は、代表SoCにおけるOCVの推定値に相当する。OCVは前述した通り、蓄電池112の非通電時の電圧である。OCVは充電時の電圧と放電時の電圧との間に位置する。窓枠には放電時の電圧と充電時の電圧とが含まれており、充電時には充電電圧がOCVより高くなり、放電時には放電電圧はOCVより低くなる。したがって、窓枠に含まれるデータの電圧の平均値を、代表SoCにおけるOCVとすることが可能である。
以降、窓枠をSoCの大きい方向に所定量移動させ、移動後の位置で、電圧の平均値(μVmv)と代表SoCの組を取得することを、繰り返し行うことにより、{代表SoC、平均電圧μVmv}のデータ列を得る。このデータ列が移動平均データ(OCVデータ)に相当する。以下、本処理について具体的に説明する。
OCV生成部212は、窓枠の一端が、ソート後のデータにおける最小のSoCに一致する位置に窓枠を設定し、窓枠に含まれるデータの電圧の平均値を計算する。また、窓枠に含まれるデータの代表SoCを算出する。
次に、窓枠をSoCの大きい方向に所定量移動させ、移動後の位置の窓枠内で電圧の平均値を計算し、代表SoCを算出する。窓枠の移動量は、任意に定めればよい。例えば、所定量は所定のデータ数(例えばデータ数1など)でもよいし、一定のSoC幅(例えば0.1など)でもよい。
以降、同様にして窓枠の移動と、平均値の計算及び代表SoCの算出とを、繰り返し行う。一例として、窓枠の他端が最大のSoCに一致する位置に窓枠を設定し、平均値の計算及び代表SoCの算出を行ったら、処理を終了する。
以上の処理により、{代表SoC、平均電圧μVmv}のデータ列を得る。すなわちSoCによる電圧の移動平均データ(OCVデータ)を得る。
前述した図6を用いて、移動平均の計算と代表SoCの算出との具体例を示す。簡単のため窓枠のサイズはデータ数5とする。また窓枠の1回あたりの移動量はデータ数1であるとする。
最初に、窓枠FWが、ソート後のデータにおける最もSoCの小さい側の位置WP_1にセットされる。窓枠FWには先頭側の5つのデータが含まれる。これら5つのデータの電圧の平均を計算する。この例では、平均電圧μVmv=(2.05+2.06+2.25+2.07+2.18)/5)である。また、このときの代表SoCを算出する。ここでは代表SoCは、窓枠FWに属するデータのSoCの中央値とする(この例では15.3である)。
窓枠FWを1データ分移動させ、位置WP_2に設定する。窓枠FWに含まれる5つのデータの電圧の平均を計算する。この例では、平均電圧μVmv=(2.06+2.25+2.07+2.18+2.01)/5)である。また、このときの代表SoCは、SoCの中央値15.4である。
窓枠FWを1データ分移動させ、位置WP_3に設定する。以降、上記と同様にして電圧の平均を計算し、代表SoCを算出する。
最後の位置WP_kに窓枠FWが設定され、電圧の平均の計算と代表SoCの算出を行うと、処理を終了する。最後の位置WP_kでは、平均電圧μVmv=(2.38+2.59+2.45+2.60+2.45)/5)である。また、代表SoCは、SoCの中央値2.45である。
図8に、上記の処理により取得された{代表SoC、平均電圧μVmv}のデータ列(OCVデータ)をプロットし、プロット点を結合したグラフの例を示す。このグラフ(OCVグラフ)は、SoCに対するOCVの推定値を表す。この例では、グラフの右端のOCVが、OCVの最大値Vmaxである。
このように、ソート後のQVデータから算出した移動平均グラフを、OCVの推定値のグラフとして用いることができる。
OCV生成部212は、{代表SoC、平均電圧μVmv}のデータ列であるOCVデータを、測定期間及び電池情報に関連づけることにより、電池状態データを生成する。OCV生成部212は、生成した電池状態データを、電池状態DB218に格納する。なお、{代表SoC、平均電圧μVmv}のデータ列の代わりに、OCVのグラフを近似する関数式を計算し、計算した関数をOCVデータとして用いてもよい。
電池情報は、一例として、OCVの推定に用いた充放電データ(図4参照)に基づく蓄電池112の代表温度を含む。代表温度は一例として平均温度μTである。平均温度μTは、OCVの推定に用いた充放電データの温度の平均を計算することで算出できる。代表温度として、最小温度、最大温度又は中心温度を用いてもよい。電池情報の他の例として、蓄電池112の種類を特定する情報を含んでもよい。測定期間は、一例として、OCVの推定に用いた充放電データの開始時刻から終了時刻までの期間である。測定期間は、測定データが取得された日の日付でもよい。
図9に、電池状態DB218に格納された電池状態データの例の表を示す。例えば、1番目の電池状態データは、20XX年MM1月DD1日(測定期間1)の充放電データから生成されたOCVデータと、平均温度μT1とを含む。2番目の電池状態データは、20XX年MM2月DD2日(測定期間2)の充放電データから生成されたOCVデータと、平均温度μT2とを含む。3番目の電池状態データは、20XX年MM3月DD3日(測定期間3)の充放電データから生成されたOCVデータと、平均温度μT3とを含む。4番目の電池状態データは、20XX年MM4月DD4日(測定期間4)の充放電データから生成されたOCVデータと、平均温度μT4とを含む。本装置で劣化状態評価処理(以下、評価処理)が行われるごとに、OCV生成部212により電池状態データが生成され、電池状態DB218に格納される。一例として、測定期間1のOCVデータは、使用開始時の初期の蓄電池112(すなわち、劣化がまだほとんど進んでいない蓄電池)のOCVデータである。測定期間2、3、4の順に進み、測定期間が遅くなるほど、蓄電池112の劣化が進む。
図10は、図9の測定期間1~4に対応する充放電データ、すなわち測定期間1~4のOCVデータが生成される元となった充放電データをQV平面にプロットしたグラフ例を示す。
図11は、測定期間1~4に対応する充放電データをSoCによりソートし、ソート後の充放電データをQV平面にプロットしたグラフの例を示す。
図12は、図9における測定期間1~4のOCVデータをQV平面にプロットしたグラフの例を示す。測定期間1のOCVデータのOCVの最大値Vmax1、測定期間2のOCVデータのOCVの最大値Vmax2、測定期間3のOCVデータのOCVの最大値Vmax3、測定期間4のOCVデータのOCVの最大値Vmax4が示されている。
劣化評価部213は、OCV生成部212により生成されたOCVデータを評価対象OCVデータとする。劣化評価部213は、電池状態DB218から、評価対象OCVデータ以外のOCVデータの1つを基準OCVデータとして特定する。劣化評価部213は、評価対象OCVデータと、基準OCVデータとに基づき、蓄電池112の劣化状態(SoH:State of Health)、すなわち健全性を評価する。つまり複数の測定期間に対応する複数のOCVデータ(移動平均データ)間の相対的な変化に基づいて、蓄電池112の劣化状態を評価する。より詳細には、基準OCVデータに対応する測定期間の蓄電池112の劣化状態(基準劣化状態)を基準として、評価対象OCVデータに対応する測定期間の蓄電池112の劣化状態を評価する。これにより、基準劣化状態に対する相対的な定量評価を行う。
より詳細には、まず、劣化評価部213は、OCVの閾値を決定する。閾値は、一例として本装置の操作者(ユーザ)が入力装置から与えてもよいし、予め劣化評価部213からアクセス可能な記憶装置に格納されていてもよい。閾値の決め方は任意でよいが、QV平面において閾値を示す直線を配置したときに、評価対象OCVデータのグラフ及び基準OCVデータのグラフと交差する必要がある。
劣化評価部213は、基準OCVデータにおいて、OCVが当該閾値のときのSoCを特定する。特定したSoCを基準SoCとする。また、劣化評価部213は、評価対象OCVデータにおいて、OCVの値が当該閾値のときのSoCを特定する。特定したSoCを評価対象SoCとする。劣化評価部213は、評価対象SoCを、基準SoCに対して相対評価することにより、評価対象の測定期間における蓄電池112の劣化状態(SoH)を算出する。劣化評価部213は、算出したSoHを表す情報をメンテナンス計画部216及び表示部215に出力する。
ここで、SoHの算出式の例を、以下に示す。“/”は除算、“×”は乗算を表す。
SoH(劣化状態)=(評価対象SoC/基準SoC)×100(%) 式(1)
つまり、基準SoCの値をSoH100%と定義し、評価対象SoCの値を、基準SoCで規格化することにより、評価対象の測定期間のSoHを算出する。
具体例として、基準OCVデータが測定期間1のOCVデータであり、評価対象OCVデータが、測定期間2~4のそれぞれの場合における蓄電池112の劣化状態の算出例を示す。
図13は、図12のQV平面に、OCVの閾値を表す直線を配置した例を示す。一例として、基準OCVデータ(測定期間1のOCVデータ)の閾値におけるSoCの値は、閾値の直線と基準OCVデータのグラフとの交点に対応し、82.7(図のJ1)である。同様にして、測定期間2のOCVデータの閾値におけるSoCの値は69.4(図のJ2)であり、測定期間3のOCVデータの閾値におけるSoCの値J3は72.3(図のJ3)であり、測定期間4のOCVデータの閾値におけるSoCの値は66.6(図のJ4)である。
OCVデータに閾値と同じ値が存在しないときは、補間によりSoCの値を特定すればよい。また、閾値の直線とOCVデータのグラフとの交点が複数あるときは、最も大きいSoCを選択してもよいし、複数のSoCの最小値又は平均を選択してもよい。蓄電池112の劣化が進むと、閾値でのSoCの値が小さくなる。つまり、蓄電池112の劣化が進むと、同じ電圧でのSoCが小さくなる。
測定期間2~4に対応する蓄電池112の劣化状態をSoH2~SoH4とすると、以下のように計算される。
SoH2=(69.4/82.7)×100=84.0(%)
SoH3=(59.8/82.7)×100=72.3(%)
SoH4=(55.1/82.7)×100=66.6(%)
なお、式(1)の定義から、測定期間1に対応する蓄電池112の劣化状態SoH1は100%である。
劣化評価部213は、算出したSoHを、蓄電池112の測定期間、及び閾値におけるSoCの値(評価対象SoC)と対応づけて、劣化DB219に格納する。
図14に劣化DB219の一例を示す。この例では、図9の各測定期間に対応するSoHと評価対象SoCが格納されている。劣化DB219には、これまで算出された蓄電池112のSoHと評価対象SoCの履歴が格納される。
表示部215は、劣化評価部213により算出された劣化状態(SoH)を画面に表示する。また、表示部215は、劣化DB219におけるSoHの履歴、又は評価対象SoCの履歴を表示してもよい。本装置のユーザは、例えば、表示部215に表示された情報に基づき、蓄電池112のSoHの推移、又は評価対象SoCの推移等を把握できる。
メンテナンス計画部216は、劣化評価部213により算出されたSoHに基づき、蓄電池112の稼働可否に関するメンテナンス情報を生成する。メンテナンス情報は、本実施形態に係る評価処理の出力情報の一例である。メンテナンス計画部216は、メンテナンス情報を、通信ネットワークを介して、蓄電システム101に対する監視システム301に送信する。
例えば、メンテナンス計画部216は、SoHの範囲を閾値Aと、閾値Bを用いて3つに区切り、閾値A以下の範囲1、閾値Aより大きく閾値B以下の範囲2、閾値B以上の範囲3を得る。蓄電池112のSoHが範囲1に属する場合は、蓄電池112の稼働は不可(すなわち、蓄電池112は寿命を迎えた)と判断して、故障アラートのメッセージを、監視システム301に送信する。SoHが範囲2に属する場合は、蓄電池112はまだ稼働可能であるが、メンテナンスが必要であると判断し、メンテナンス・コールのメッセージを監視システム301に送信する。SoHが範囲3に属する場合は、蓄電池112は現時点ではメンテナンスの必要はない(現状のままで稼働可能である)と判断する。この場合、メンテナンス計画部216は、監視システム301に、蓄電池112が正常である(蓄電池112に故障はなく、メンテナンスの必要もまだない)ことを示すメッセージを送信する。
ここに記載した蓄電池112の稼働可否を判断する方法は一例であり、他の方法を用いてもよい。例えば、今回算出されたSoHと、過去の直前の1又は複数回の評価処理で算出されたSoHとに基づき、SoHの平均、中央値、最大値、または最小値を算出し、算出した値と、SoHの範囲1~3とに基づき、同様の判断を行ってもよい。
メンテナンス計画部216は、メンテナンス情報以外の出力情報として、今回算出されたSoHを示す情報を送信してもよいし、劣化DB219に格納されているSoHの履歴を送信してもよい。本実施形態で例示した情報以外のデータを送信してもよい。
監視システム301は、蓄電池評価装置201から出力情報を受信し、受信した出力情報を画面に表示する。蓄電システム101の管理者は、出力情報を元に、蓄電システム101の状態を管理する。例えば、蓄電池112のメンテナンスが必要であると判断した場合、係員を手配し、蓄電池112のメンテナンスに行かせる。画面への表示の他、スピーカを介して故障アラート、メンテナンス・コール、または正常のメッセージ音を出力してもよい。また蓄電池112が稼働不可の場合は赤色、蓄電池112が稼働可能であるがメンテナンスが必要な場合は黄色、および蓄電池112が正常な場合は緑色など、画面に色を表示(例えば点灯)させることで、蓄電池112の稼働状態を直感的に理解しやすくしてもよい。
ここでは監視システム301を蓄電池評価装置201とは別に設けていたが、監視システム301の機能を蓄電池評価装置201に組み込み、両者を一体化させてもよい。
なお、本装置のユーザが、表示部215に表示された情報に基づき、蓄電池112の劣化状態を確認した後、蓄電池112の劣化状態に応じた連絡を、監視システム301の管理者に行ってもよい。例えば、蓄電池112のメンテナンスが必要あると判断した場合は、監視システム301の管理者にその旨の連絡を行ってもよい。その場合、管理者は、ユーザから受けた連絡に基づき、蓄電池112のメンテナンスのための手続きを行ってもよい。
(変形例)
評価対象SoCを算出するためのOCVの閾値を決定するためのバリエーションを示す。
評価対象となるOCVデータの最大電圧を特定する(ここでは最大電圧rと呼ぶ)。最大電圧は、基本的にはOCVデータのグラフ(OCVグラフ)を描いたときに、SoCの大きい側におけるグラフの末端もしくはその付近の電圧である。同様にして、電池情報DB218における過去の各OCVデータについても各々の最大電圧(ここではr-1個のOCVデータがあったとして、最大電圧1~r-1と呼ぶ)を特定する。これらの最大電圧1~rのうちの最小値を、上記の閾値に決定する。この理由は以下の通りである。閾値が大きいと、OCVグラフによっては、閾値の直線と交わらない場合がある(この場合、当該OCVグラフに対して評価対象SoC又は基準SoCを特定できなくなる)。一方、できるだけ大きなOCVの値でのSoCを比較することで、より高精度な蓄電池の劣化評価が可能である。そこで、最大電圧1~rのうちの最小値を閾値とすることで、すべてのOCVデータに対して同一の基準での高精度な劣化評価が可能になる。以下、前述した図12を用いて、具体例を説明する。
一例として、評価対象となるOCVデータが測定期間4のOCVデータであり、測定期間1~3のOCVデータが過去のOCVデータであるとする。この場合、測定期間1~4のOCVの最大値Vmax1~Vmax4のうちの最小値(minとする)は、最大値Vmax1である。したがって、この場合、最大値Vmax1を上記の閾値とする。
なお、評価処理の回数が進むにつれ、最小値minが変わる場合もあり得る。その場合は、過去の各測定期間について、変更後の閾値に基づきSoHを再算出し、劣化DB219を更新してもよい。
図15は、蓄電池評価装置201の動作の一例のフローチャートである。
データ取得部211は、蓄電システム101から受信する充放電指令値及び測定データ(電圧、充電量(SoC)、温度、温度等)を取得し、充放電データとして充放電情報DB217に格納する(ステップS11)。
蓄電池評価装置201は、開始条件が成立すると(ステップS12のYES)、蓄電池112の劣化状態評価処理(評価処理)を開始する。開始条件は何でもよい。一例として、本装置201にユーザから開始指示が与えられたことでもよい。または、充放電情報DB217におけるデータの保存の日付が変わったことでもよい。蓄電池112が電力系統用ではなく、自動車、鉄道又は産業機器などのマシンに用いられるものである場合に、マシンの動力源の稼働が終了したことでもよい。開始条件が成立しない場合は(ステップS12のNO)、ステップS11に戻る。
評価処理が開始されると、OCV生成部212は、充放電情報DB217において、評価対象の測定期間の充放電データを特定する(ステップS13)。一例として、トリガが、日付が変わったことである場合、日付が変わる前の24時間分の充放電データを特定する。トリガがマシンの動力源の稼働が終了したことである場合、マシンの稼働が開始してから当該終了するまでの充放電データを特定する。あるいは、本装置201のユーザが開始時刻と終了時刻との範囲によって、評価処理の対象となる充放電データを特定してもよい。
OCV生成部212は、特定した充放電データに基づき、充電量(SoC)と電圧とを含む時系列のデータ列を、QVデータ(図5参照)として生成する(同ステップS13)。
OCV生成部212は、生成したQVデータ(SoCと電圧とを含むデータ列)を、SoCの昇順にソートする(ステップS14)。
OCV生成部212は、ソート後のQVデータに基づき、移動平均用の窓枠を用いて、電圧の移動平均を計算する。具体的には、窓枠を初期位置に設定し、窓枠内の電圧の平均値と、代表SoC(例えば窓枠内のSoCの中央値)とを計算する。これを、窓枠を一定幅で移動させながら計算する。すなわち、SoCに対する電圧の移動平均を計算する(ステップS15)。これにより、{代表SoC、平均電圧μVmv}のデータ列を生成する(ステップS16)。このデータ列は、SoCに対する電圧(OCV)の推移を表すOCVデータ(移動平均データ)である。OCV生成部212は、生成したOCVデータを、評価対象の測定期間及び平均温度μT等に対応づけて電池状態データとし、電池状態DB218に格納する。平均温度μTは、ステップS13で特定した充放電データに含まれる温度を平均することにより求めればよい。
劣化評価部213は、OCV生成部212により生成されたOCVデータと、電池状態DB218における過去の特定のOCVデータ(例えば1回目の評価処理のOCVデータ)と、OCVの閾値とに基づいて、蓄電池112の劣化状態(SoH)を算出する。
今回が1回目の評価処理である場合は、SoHとして初期値である100%を算出する。算出したSoHを、評価対象の測定期間及び評価対象SoC等と関連づけて、劣化DB219に格納する。評価対象SoCは、OCVデータにおいてOCVの閾値に対応するSoCである。なお、閾値は、前述した実施形態の方法で決定してもよいし、変形例に示した方法で決定してもよい。
今回が2回目以降の評価処理である場合は、OCV生成部212により生成されたOCVデータにおいてOCVの閾値に対応するSoC(評価対象SoC)を特定する。そして、1回目の評価処理のOCVデータにおける評価対象SoCを基準SoCとする。特定した評価対象SoCと、基準SoCとの比に基づき、前述した式(1)によりSoHを算出する。算出したSoHを、評価対象の測定期間及び評価対象SoC等と関連づけて、劣化DB219に格納する。算出したSoH、又は劣化DB219に格納されているSoHの履歴を、表示部215に表示してもよい。
メンテナンス計画部216は、劣化評価部213により算出されたSoHに基づき、蓄電池112の稼働状態を判断する。蓄電池112が稼働可であれば、ステップS11に戻る。蓄電池112が稼働可であるが、蓄電池112の余寿命期間内にメンテナンスの必要があると判断した場合は、メンテナンス・コールのメッセージを監視システム301に送信し(ステップS19)、ステップS11に戻る。蓄電池112が稼働不可のときは、故障アラートのメッセージを監視システム301に送信し(ステップS20)、本処理を終了する。
以上、本実施形態によれば、稼働中の蓄電池112の測定データからOCVデータ(OCVとSoCを対応づけたデータ)を模擬的に生成し、OCVの閾値に対応するSoCを特定する。蓄電池112の初期からのSoCの推移で、劣化状態を定量的に評価する。これにより、教師データを用いることなく、初期に対する相対評価としての劣化状態の定量評価を実現できる。また、本実施形態では、蓄電池の種類や電極の材料も問わない。よって、新たな蓄電池が評価の対象となった場合でも、早期に蓄電池の劣化評価を開始することが可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の劣化評価部213は、蓄電池112の代表温度(図9参照)を用いて、蓄電池112の劣化状態(SoH)を算出する。ここでは代表温度として平均温度を用いるが、最小温度、最大温度又は中心温度などでもよい。以下、劣化評価部213の処理の例を示す。
[例1]評価対象の測定期間の蓄電池112の平均温度(平均温度μT_2とする)を、前回に評価処理を行った測定期間の蓄電池112の平均温度(平均温度μT_1とする)と比較する。
平均温度μT_2が平均温度μT_1から変化していない場合(すなわち平均温度μT_2が平均温度μT_1と同じであれば)、第1の実施形態と同様にしてSoHを算出する。平均温度μT_2から平均温度μT_1から変化していない(平均温度μT_2が平均温度μT_1と同じ)とは、これらの差が一定値未満であることを意味する。また、平均温度μT_2が平均温度μT_1から変化している(平均温度μT_2が平均温度μT_1と異なる)とは、これらの差が一定値以上であることを意味する。
一方、平均温度μT_2が平均温度μT_1から変化している場合(すなわち平均温度μT_2が平均温度μT_1と異なる場合)、評価対象の測定期間について算出したSoH(SoH_2)を、前回の評価処理で算出したSoH(SoH_1とする)と同じにする。すなわち。今回の評価処理のSoHの値をSoH_1と同じにする(すなわち、前回の評価処理のSoH_1を引き継ぐ)。これは、充放電指令値の分布の変化に起因して、蓄電池112に温度変化が生じたことが、SoH_2とSoH_1に違いが生じた主な原因と考えられる。この場合、蓄電池112の劣化状態の差は小さく、同一と見なしても問題ないと考えられる。
そして、次回以降の評価処理のため、SoHの補正係数を、SoH_1とSoH_2とに基づき算出する。例えば、補正係数をα1とすると、α1=SoH_2/SoH_1である。
次回の評価処理における平均温度(平均温度μT_3とする)が、今回の評価処理の平均温度μT_2から変化がなければ、次回の評価処理では第1の実施形態と同様にしてSoHを算出した後に、補正係数α1を乗じる。補正されたSoHを、次回の評価処理におけるSoH_3とする。あるいは、補正係数α1を用いずに、今回の評価処理で用いたOCVデータを新たな基準にして、次回の評価処理で劣化評価を行うことも可能である。いずれの方法も、今回の評価処理のOCVデータ及び劣化状態を基準として、次回の評価処理のOCVデータに対して劣化状態を算出していることに相当する。
なお、次回の評価処理における平均温度μT_3が、今回の評価処理の平均温度μT_2から変化している場合は、次回の評価処理のSoHを、今回の評価処理のSoH_2と同じにする。そして、上記と同様にして、今回の評価処理のSoH_2と、次回の評価処理のSoH_3とに基づき、補正係数を算出する。補正係数をα2とすると、α2=SoH_3/SoH2である。以降、評価処理を行うごとに、蓄電池112の平均温度が前回から変化しているか否かに応じて、同様の処理を繰り返す。本例では、空調設備等の使用により、蓄電池112の環境温度は一定になるよう管理されている場合を想定する。この場合、蓄電池の温度変化は、長期傾向としての温度推移に相当し、平均温度の変化が短期に頻繁に起こらない。
[例2]劣化評価部213は、図1の電池状態DB218(図9参照)に基づき、複数の測定期間を、それぞれの平均温度に基づいて、グループ分けする。各グループには同じ平均温度の測定期間が属する。劣化評価部213は、評価対象の測定期間と同じ平均温度のグループを特定する。
特定したグループに属する測定期間のうちの1つ(例えばグループにおいて最初の測定期間)を基準測定期間とし、当該基準測定期間の評価対象SoCを、基準SoCとする。そして、当該基準測定期間のSoHを基準として、第1の実施形態と同様の方法で、SoHを算出する。特定したグループが、蓄電池112の一番始めの測定期間と同じグループであれば、当該基準測定期間のSoHは100%である。一方、特定したグループがそれ以外のグループであれば、当該基準測定期間のSoHは、そのグループが新たに作成された際に直前の測定期間から引き継がれたSoHである(詳細は以下の説明を参照)。
評価対象の測定期間の平均温度と同じ平均温度のグループが存在しない場合、評価対象の測定期間のSoHを、前回の(直前の)測定期間の評価処理で算出したSoHと同じにする(前回のSoHを引き継ぐ)。そして、当該平均温度の新たなグループを生成し、この時点では当該評価対象の測定期間のみが、このグループに属する。次回以降の評価処理では、当該測定期間が基準測定期間となり、基準測定期間のSoHは、上記の引き継がれたSoHである。次回以降の評価処理において、評価対象の測定期間に対して当該グループが特定された場合、上記基準測定期間の評価対象SoCを基準SoC、当該測定期間のSoHを基準として、SoHを算出する。つまり、グループに最初に追加された測定期間のOCVデータ及び劣化状態を基準として、2番目以降に追加される測定期間のOCVデータに対して劣化状態を算出する。
図16は、第2の実施形態に係る蓄電池評価装置の動作の一例のフローチャートである。第1の実施形態に係る図15のフローチャートのステップS16、S17間にステップS21が追加されている。
ステップS21では、評価対象の測定期間における蓄電池112の平均温度を計算する。続くステップS17では、前述した例1又は例2の処理を用いて、評価対象の測定期間におけるSoHを計算する。以降の処理は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、評価対象の測定期間の平均温度を用いてSoHを算出することにより、より高精度に蓄電池112を評価することが可能となる。
(第3の実施形態)
OCV生成部212で生成したOCVデータにおけるOCVのばらつきが大きい場合(単調増加のSoCに対し、OCV(すなわち平均電圧μVmv)が単調増加でない場合)、閾値におけるSoC(評価対象SoC)を高精度に特定できず、結果として高精度な劣化状態の評価ができなくなる可能性がある。例えば図12に示したQV平面においてOCVが上下に大きく変動しながら上昇するようなOCVグラフが考えられる。このようなことが起こる主な要因は窓枠内の充放電指令値(電力値)の分布が偏っていることにある。窓枠を用いて移動平均を計算する際、窓枠の位置によっては充放電指令値の分布が偏ることがあり、このような場合に、OCVのばらつきが大きくなる事象が発生する。
そこで、本実施形態では、移動平均を計算する際、窓枠内の充放電指令値の分布の偏りを極力小さくしてから、窓枠内の平均電圧(OCV)を計算する。これにより、全体として単調増加又はこれに近いOCVデータを獲得できる。以下、本実施形態について詳細に説明する。
図17は、第3の実施形態に係る蓄電池評価装置201のブロック図である。図1に対してトリミング処理部214が追加されている。その他のブロックは図1と同じ名称であり、同一の符号を付して、拡張又は変更された処理を除き、説明を適宜省略する。
トリミング処理部214は、評価対象の測定期間内の充放電指令値の分布(第1分布)を算出する。例えば横軸が充放電指令値、縦軸を頻度(又は確率密度)とする分布を算出する。充放電指令値の分布が正規分布であると仮定し、当該分布を近似する正規分布のパラメータを算出してもよい。また、トリミング処理部214は、当該測定期間のうち窓枠に対応する部分期間内の充放電指令値の分布(第2分布)を算出する。トリミング処理部214は、第2分布が第1分布と等価であるかどうかを判断する。一例として第2分布と第1分布の充放電指令値の平均値が同じか否かを統計的な検定により評価し、同じであれば第2分布は第1分布と等価であると判断する。簡易な方法として、各分布の平均値の差が一定値未満であれば両分布は等価であると判断してもよい。第2分布が第1分布と等価であれば、第1の実施形態と同様に、窓枠の位置に対して、窓枠内の電圧値を用いて平均電圧を計算する。
一方、第2分布が第1分布と等価でないと判断した場合、トリミング処理部214は以下の処理を行う。図18(A)にこの場合の第1分布、図18(B)に第2分布の例を示す。図における頻度は確率密度でもよい。トリミング処理部214は、第2分布が第1分布と等価となるように、窓枠内の充放電指令値の一部を外れ値として除去するトリミング処理を行う。例えば窓枠内の充放電指令値において、平均値から最も離れた充放電指令値を1つ除去する。除去後の充放電指令値の第2分布が、第1分布と等価であるかを判断する。第2分布が第1分布と等価になるまで、窓枠内の充放電指令値の選択及び削除を繰り返し行う。第2分布が第1分布と等価になったら、トリミング処理で残った充放電指令値に対応する電圧に基づき、OCV生成部212は、平均電圧(OCV)を計算する。このように差が一定値未満になるまで(両分布が等価と判断されるまで)、充放電指令値の選択と削除を繰り返す。
このようなトリミング処理により、窓枠内の充放電指令値の分布の偏りを調整し、その後、移動平均を計算することで、OCVのばらつきが小さいOCVデータを生成することができる。OCVのばらつきが小さいOCVデータは、単調増加又はこれに近いOCVデータである。
上述した処理では、窓枠内の充放電指令値の分布(第2分布)の偏りを調整したが、他の手法でもよい。例えば、第2分布が第1分布と等価でない場合に、この窓枠の位置での平均電圧を用いない(OCVデータに含めない)ことも可能である。これもトリミング処理の一形態である。これによっても、OCVのばらつきが小さいOCVデータを生成することができる。
図19は、第3の実施形態に係る蓄電池評価装置の動作の一例のフローチャートである。第1の実施形態に係る図15のフローチャートのステップS15、S16間に、ステップS22及びS23が追加されている。ステップS22では、評価対象の測定期間内の充放電指令値の分布(第1分布)と、窓枠内の充放電指令値の分布(第2分布)とを生成し、第2分布が第1分布と等価か否かを、前述した方法により判断する(S22)。第2分布が第1分布に等価でない窓枠の位置があれば、その位置での窓枠に対しては、前述したトリミング処理を行う(ステップS23)。移動平均を計算するすべての窓枠の位置で、両分布の等価判断と、両分布が等価でない場合に行うトリミング処理とが完了したら(YES)、ステップS16に進む。本実施形態のステップS22、S23は、第2の実施形態のフローチャート(図16)に追加することも可能である。
以上、本実施形態によれば、OCVのばらつきが小さくなるようにOCVデータを生成することで、SoHを高精度に算出することができる。
(第4の実施形態)
第1~第3の実施形態では、SoCに対する電圧の代表データの例として移動平均データを算出し、これをOCVデータ(OCVの推定データ)とした。しかしながら、OCVデータは、移動平均以外の方法で算出することも可能である。一例として、{SoC、V}のデータ列を一次関数で近似し、その一次関数をOCVデータとしてもよい。データ列はソート前のものでもよいし、ソート後のものでもよい。一次関数による近似はデータ列の全てを用いてもよいし、データ列の一部を用いてもよい。例えばデータ列のうち、複数の特定のSoC値に対応するデータをサンプリングにより選択し、選択したデータのみを用いてもよい。一例として、SoC=20%、80%に対応する2つのデータを選択し、選択したデータが表す2点を結ぶ直線を、一次関数として算出してもよい。ここでは一次関数によってデータ列を近似したが、2次以上の高次の関数でデータ列を近似してもよい。
一次関数を代表データ(OCVデータ)として用いた場合の劣化状態の評価例を示す。この場合、評価対象SoCとしては、第1~第3の実施形態と同様に、閾値におけるSoCを用いてもよい。
他の方法として、評価対象SoCの代わりに、評価対象電圧を定義し、評価対象電圧を相対評価することで、劣化状態を評価してもよい。評価対象電圧は、例えば特定のSoCを閾値SoCと定義し、閾値SoCに対応する電圧を一次関数において、評価対象電圧として特定する。基準となる測定期間の評価対象電圧を基準電圧とし、基準電圧と、評価対象となる測定期間の評価対象電圧との比を計算する。この比を評価対象となる測定期間の劣化状態とする。評価対象電圧は上記の定義に限定されない。例えば、一次関数の最大電圧の値を評価対象電圧としてもよい。
別の方法として、一次関数の傾きを評価対象傾きと定義する。基準となる測定期間の評価対象傾きを基準傾きとし、基準傾きと、評価対象となる測定期間の評価対象傾きとの比を計算する。この比を評価対象となる測定期間の劣化状態とする。
このように、本実施形態は、複数の測定期間に対応する複数の代表データ間の相対的な変化に基づいて、蓄電池112の劣化状態を評価する。代表データは、移動平均データでも、一次関数でも、その他のデータでもよい。また、前述した評価対象電圧又は評価対象傾きを用いた劣化評価は、第1~第3の実施形態にも適用可能である。
(ハードウェア構成)
図20は、本発明の実施形態に係る蓄電池評価装置のハードウェア構成例を示す。このハードウェア構成は、第1~第4の実施形態に係る蓄電池評価装置に用いることができる。図20のハードウェア構成はコンピュータ150として構成される。コンピュータ150は、CPU151、入力インタフェース152、表示装置153、通信装置154、主記憶装置155、外部記憶装置156を備え、これらはバス157により相互に通信可能に接続される。
入力インタフェース152は、蓄電池で測定された測定データを、配線等を介して取得する。入力インタフェース152は、ユーザが本装置に指示を与える操作手段でもよい。操作手段の例は、キーボード、マウス、タッチパネルを含む。通信装置154は、無線または有線の通信手段を含み、蓄電システム101と有線または無線の通信を行う。通信装置154を介して、測定データを取得してもよい。入力インタフェース152及び通信装置154は、それぞれ別個の集積回路等の回路で構成されていてもよいし、単一の集積回路等の回路で構成されてもよい。表示装置153は、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT表示装置等である。表示装置153は、図1の表示部215に対応する。
外部記憶装置156は、例えば、HDD、SSD、メモリ装置、CD-R、CD-RW、DVD-RAM、DVD-R等の記憶媒体等を含む。外部記憶装置156は、蓄電池評価装置の各処理部の機能を、プロセッサであるCPU151に実行させるためのプログラムを記憶している。また、蓄電池評価装置が備える各DBも、外部記憶装置156に含まれる。ここでは、外部記憶装置156を1つのみ示しているが、複数存在しても構わない。
主記憶装置155は、CPU151による制御の下で、外部記憶装置156に記憶された制御プログラムを展開し、当該プログラムの実行時に必要なデータ、当該プログラムの実行により生じたデータ等を記憶する。主記憶装置155は、例えば揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)または不揮発性メモリ(NANDフラッシュメモリ、MRAM等)など、任意のメモリまたは記憶部を含む。主記憶装置155に展開された制御プログラムがCPU151により実行されることで、蓄電池評価装置201の各処理部の機能が実行される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
101:蓄電システム
111:制御部
112:蓄電池
113:交直変換機
201:蓄電池評価装置
211:データ取得部
212:OCV生成部(データ生成部)212
213:劣化評価部
214:トリミング処理部
215:表示部
216:メンテナンス計画部
217:充放電情報DB
218:電池状態DB
219:劣化DB
301:監視システム
401:SCADA
501:電力系統
151:CPU
152:入力インタフェース
153:表示装置
154:通信装置
155:主記憶装置
156:外部記憶装置
157:バス

Claims (11)

  1. 充放電指令値に従って充放電制御される蓄電装置から測定期間において充放電時に測定される電圧値に基づき、前記蓄電装置の充電量と前記電圧値とを含むデータ列を取得するデータ取得部と、
    前記データ列に基づき、前記充電量に対する前記電圧値の移動平均データまたは前記充電量と前記電圧値との関係を近似する関数を生成するデータ生成部と、
    複数の前記測定期間に対応する複数の前記移動平均データ又は複数の前記関数間の相対的な変化に基づいて、前記蓄電装置の劣化状態を評価する状態評価部と、
    を備えた情報処理装置。
  2. 前記データ生成部は、前記データ列を前記充電量の順にソートし、ソートされたデータ列に基づき、前記移動平均データを生成する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記状態評価部は、前記電圧値の閾値に対応する前記充電量を、複数の前記移動平均データにおいて特定し、特定した前記充電量間の相対的な変化に基づいて、前記蓄電装置の劣化状態を評価する
    請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記閾値は、複数の前記移動平均データの最大電圧のうちの最小値である
    請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 複数の前記移動平均データのうち第1の移動平均データは、複数の前記測定期間のうち第1の測定期間に対応し、第2の移動平均データは、第2の測定期間に対応し、
    前記状態評価部は、前記第1の移動平均データの前記閾値における前記充電量に対する、前記第2の移動平均データの前記閾値における前記充電量の比に基づき、前記第2の測定期間における前記蓄電装置の劣化状態を評価する
    請求項3又は4に記載の情報処理装置。
  6. 前記データ生成部は、前記ソートされたデータ列における位置に窓枠を適用し、前記窓枠内のデータ列に基づいて前記電圧値の平均を計算し、前記窓枠の位置の移動と前記平均の計算を繰り返すことにより、前記移動平均データを生成する
    請求項2に記載の情報処理装置。
  7. 前記測定期間内の充放電指令値の第1分布と、前記測定期間のうち前記位置の前記窓枠に対応する部分期間内の充放電指令値の第2分布とを算出し、前記第2分布が前記第1分布と等価か否かを判断し、前記第2分布と前記第1分布とが等価でない場合は、前記第2分布が前記第1分布に等価になるように前記部分期間内の充放電指令値のトリミング処理を行うトリミング処理部を備え、
    前記データ生成部は、前記第2分布が前記第1分布と等価になった場合は、前記部分期間内の前記トリミング処理後の充放電指令値に対応するデータに基づいて前記平均を計算する
    請求項6に記載の情報処理装置。
  8. 前記測定期間内の充放電指令値の第1分布と、前記測定期間のうち前記位置の前記窓枠に対応する部分期間内の充放電指令値の第2分布とを算出し、前記第2分布が前記第1分布と等価か否かを判断するトリミング処理部を備え、
    前記データ生成部は、前記第2分布が前記第1分布と等価でない場合は、前記位置の前記窓枠における前記電圧値の平均を用いずに、前記移動平均データを生成する
    請求項6に記載の情報処理装置。
  9. 前記データ取得部は、前記蓄電装置から前記蓄電装置の温度情報を取得し、
    前記データ生成部は、前記測定期間における前記蓄電装置の代表温度を計算し、
    前記状態評価部は、第1~第3の測定期間の順番に前記蓄電装置の劣化状態評価を行い、前記第2の測定期間の前記代表温度が前記第1の前記代表温度から変化した場合は、前記第2の測定期間の前記劣化状態を、前記第1の測定期間の前記劣化状態と同じに決定し、前記第2の測定期間の前記移動平均データ又は前記関数を基準として前記第3の測定期間の前記劣化状態を評価する、
    請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  10. 充放電指令値に従って充放電制御される蓄電装置から測定期間において充放電時に測定される電圧値に基づき、前記蓄電装置の充電量と前記電圧値とを含むデータ列を取得し、
    前記データ列に基づき、前記充電量に対する前記電圧値の移動平均データまたは前記充電量と前記電圧値との関係を近似する関数を生成し、
    複数の前記測定期間に対応する複数の前記移動平均データ間又は複数の前記関数間の相対的な変化に基づいて、前記蓄電装置の劣化状態を評価する
    情報処理方法。
  11. 充電又は放電を指示する充放電指令値に応じて充放電する蓄電装置と、
    情報処理装置とを備え、
    前記情報処理装置は、前記蓄電装置から測定期間において充放電時に測定される電圧値に基づき、前記蓄電装置の充電量と前記電圧値とを含むデータ列を取得するデータ取得部と、
    前記データ列に基づき、前記充電量に対する前記電圧値の移動平均データまたは前記充電量と前記電圧値との関係を近似する関数を生成するデータ生成部と、
    複数の前記測定期間に対応する複数の前記移動平均データ間又は複数の前記関数間の相対的な変化に基づいて、前記蓄電装置の劣化状態を評価する状態評価部と、
    を備えた情報処理システム。
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