[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、変動表示ゲーム(ゲーム)等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したりすることができる。なお、変動表示ゲームには普図変動表示ゲーム(普図1~4変動表示ゲーム)が含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では普図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行され当りになることで、遊技状態は、特別な(所定の)遊技状態となる(所定遊技状態)。特別な遊技状態は、例えば、大当り状態(特別遊技状態)である。なお、本実施形態の所定遊技状態は、各普通変動入賞装置37の可動部材37b(普電1~4)が作動可能となっている遊技状態になる。また、通常遊技状態(通常状態)は、特別な(所定の)遊技状態(所定遊技状態、特別遊技状態)が発生していない遊技状態である。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の中央において遊技球を所定領域に流下させることを狙う中打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。なお、発射態様には、遊技領域32の左側の所定領域に遊技球を流下させることを狙う左打ち(通常打ち)が含まれてもよい。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2Aを参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2Aは、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2Aに示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央やや下方には、2つの普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34と普通図柄始動口(普図始動口)34bとが縦(遊技球の流下方向、上下方向)に直列(一列)に設けられている。2つの普図始動ゲート34および普図始動口34bの各々の内部には、通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(作動1a~1nスイッチ、SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過または普図始動口34bに入球すると、普図1変動表示ゲームが実行される。
遊技領域32の略中央には、遊技球が通過できない間隔をもって複数の障害釘95a(釘、案内釘)が例えば環状に配列される。環状に配列された複数の障害釘95aは、遊技領域32の中央部と左右とを区切る境界として機能する。
遊技領域32の中央部、すなわち環状に配列された複数の障害釘95aの内側には、多数の障害釘95bが密集して配置される。また、多数の障害釘95bのうち上下方向に2列で配置された複数の障害釘95cは、上側の普図始動ゲート34に遊技球を誘導する。遊技領域32の中央部の下方には、上記の直列に設けられる2つの普図始動ゲート34と普図始動口34bとが配列され、これらの部材間を連続して通過可能なように遊技球を案内する複数の障害釘95dが設けられる。複数の障害釘95dは、「ハ」の字状に下側に向けて末広がりとなっている。
遊技領域32の略中央上方には、環状に配列された複数の障害釘95aの内側へと遊技球が通過可能な通過口(通過口入り口、入招口)32aが設けられる。通過口32aは、環状に配列される複数の障害釘95aのうち一部の障害釘の間隔が、遊技球が通過できる程度に空けられることによって形成される。なお、通過口32aを通過する遊技球を検出可能なスイッチを通過口32aの裏側に設け、遊技球が通過口32aを通過したことを当該スイッチが検出した際に上スピーカ19aや下スピーカ19bから音声や音を流すように、演出制御装置300に制御させてもよい。環状に配列された複数の障害釘95aの内側の多数の障害釘95b(複数の障害釘95cを含む)は、通過口32aを通過した遊技球のうち、上側の普図始動ゲート34を通過する遊技球の割合を調整する。
なお、環状に配列された複数の障害釘95aのうち、例えば普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37d)付近の障害釘(例えば図2Aに破線四角枠で示す障害釘)の間隔を空けて、普通変動入賞装置37付近に第2の通過口32bを形成するようにしてもよい。このような態様によれば、遊技者が普通変動入賞装置37に遊技球を入賞させようと右打ちする際に、併せて普図始動ゲート34や普図始動口34bへ遊技球を通過または入賞させることが可能となる。そのため、所定遊技状態のときに再度の当りを狙えて連荘性能を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a~35n(図3参照)によって検出される。なお、遊技領域32の中央部の下方に普図始動口34bを設ける代わりに、一般入賞口35を設けてもよい。
遊技領域32の右側には、複数(例えば4つ)の普通変動入賞装置37(37d~37g)が設けられる。普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できない又は入賞することが著しく困難である。
可動部材37bは、所謂羽根型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。
なお、普通変動入賞装置37を複数設けずに、センターケース40の下方の遊技領域32に、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(第1始動入賞領域)36と、その直下に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37を1つだけ設けるようにしてもよい。普通変動入賞装置37が1つだけ設けられている遊技機10では、遊技球が始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞した場合に、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行可能である。
また、普通変動入賞装置37が1つだけ設けられる遊技機10では、例えば普通変動入賞装置37の右下方の遊技領域32に、大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けることができる。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与することができる。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ(大入賞口スイッチ)が配設される。また、大入賞口内や大入賞口近傍には、大入賞口を照らす発光部材が配設される。
一般入賞口35、及び普通変動入賞装置37に遊技球が入賞(入球)すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。なお、2つの普図始動ゲート34および普図始動口34bに遊技球が通過又は入球した場合には、払出制御装置200(図3参照)は賞球を付与してもしなくてもよい。また、遊技領域32の最下部には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部53~57を備える。
一括表示装置50は、4種類の普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普図表示器、ランプD1、D2、D10、D18)と、各普図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(普図1保留表示器56a、普図2保留表示器56b、普図3保留表示器56c、普図4保留表示器56d)と、を有している。普図1保留表示器56aはランプD15a、D16aにより構成される。普図2保留表示器56bは、ランプD15b、D16bにより構成される。普図3保留表示器56cは、ランプD15c、D16cにより構成される。普図4保留表示器56dは、ランプD15d、D16dにより構成される。普図表示器53において、変動表示ゲームは、ランプD1、D2、D10、D18の点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は中打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD8)、が設けられている。
なお、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53は、4つの7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成されるようにしてもよい。変動表示部53を7セグメント型の表示器にした場合には、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、変動表示部53は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動口34b、一般入賞口35、又は普通変動入賞装置37に入球又は入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、又は普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34と普図始動口34bには、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出する作動1a~1nスイッチ34a(ゲートスイッチ、図3参照)がそれぞれ設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過または普図始動口34bに入球(或は入賞)すると、作動1a~1nスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲーム(普図1変動表示ゲーム)が実行される。
普図変動表示ゲーム(普図1変動表示ゲーム)を開始できない状態、例えば、既にいずれかの普図変動表示ゲーム(普図1~4変動表示ゲーム)が行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなっていずれかの普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37d~37g)の可動部材37b(普電1~4)が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過または普図始動口34bに入球(或は入賞)すると、普図1始動記憶数(普図1保留)が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
各普図始動記憶(普図1~4始動記憶(普図1~4保留))には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値がそれぞれ記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行される。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示する。
なお、図2Bに示すように、各普通変動入賞装置37に7セグメント型の表示器(LEDランプ)を設けて、当該表示器にて普通識別情報の変動表示を行うようにしてもよい。
図2Bは、変形例の遊技盤30の正面図である。
普図始動ゲート34通過または普図始動口34b入球時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37dの普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、普通変動入賞装置37dの可動部材37b(普電1)が所定の時間(例えば5500msecまたは1900msec)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37dへの遊技球の入賞が許容される。
遊技球の普通変動入賞装置37(37d~37g)への入賞は、作動2~5スイッチ39a(図3参照)によって検出される。普通変動入賞装置37dに入賞した遊技球は、普図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に普図2始動記憶(普図2保留)として記憶される。
普通変動入賞装置37eに入賞した遊技球は普図3変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、普通変動入賞装置37fに入賞した遊技球は普図4変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、それぞれ所定の上限数を限度に普図3始動記憶(普図3保留)または普図4始動記憶(普図4保留)としてそれぞれ記憶される。
遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37d~fへの入賞若しくは普図2~4始動記憶(普図2~4保留)に基づいて、普図2~4変動表示ゲームを実行する。
なお、普通変動入賞装置37gに入賞した遊技球は作動5スイッチ39aによって検出されるが、普図始動記憶として記憶されずに、賞球の払い出しや後述する普電4カウントに用いられる。
普図始動ゲート34の遊技球の通過または普図始動口34bや普通変動入賞装置37への遊技球の入球或は入賞が所定のタイミングでなされた場合(入球或は入賞検出時の当り乱数値(当り乱数1~4)が当り値である場合)には、変動表示部53(普図表示器、ランプD1、D2、D10、D18)において、普図変動表示ゲームの結果として所定(特定)の結果態様(所定結果態様)が導出され、当り状態(所定遊技状態)となる。これに対応して、普通変動入賞装置37に図2Bに示すような7セグメント型の表示器が設けられている場合には、当該表示器の表示態様は所定結果態様(例えば「7」等の奇数数字)となる。なお、各普通変動入賞装置37の表示器において、普図1~4始動記憶(普図1~4保留)の数を表示するようにしてもよい。
このとき、対応する普通変動入賞装置37は、普電1~4ソレノイド37c(図3参照)への通電によって可動部材37b(普電1~4)が開放されることで、入賞口が所定の時間(例えば5500msecまたは1900msec)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、対応する普通変動入賞装置37に備えられた入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、変動表示部53(普図表示器)は、各普図変動表示ゲーム(普図1~4変動表示ゲーム)に対して別々の表示器として構成されているが、同一の表示器として構成してもよい。なお、各普図変動表示ゲームは同時に実行されないように設定される。また、普図4変動表示ゲームは普図1~3変動表示ゲームよりも優先して実行され、普図3変動表示ゲームは普図1、2変動表示ゲームよりも優先して実行され、普図2変動表示ゲームは普図1変動表示ゲームよりも優先して実行される。
また、特に限定されるわけではないが、上記普通変動入賞装置37内の作動2~5スイッチ39a、作動1a~1nスイッチ34a、入賞口スイッチ35aや通過口32aの裏側に設けられるスイッチには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。RAM初期化スイッチ112が押下げられてオン操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100(主基板)は、設定キースイッチ93を備える。設定キースイッチ93は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関する設定に応じた確率設定値(設定値)を変更可能な状態にする。なお、RAM初期化スイッチ112は、操作者の操作に応じて確率設定値を変更可能な設定値変更スイッチとしても使用可能である。本実施形態では、確率設定値は、当選確率(普図変動表示ゲームの当り確率、大当り確率や小当り確率(小当りがある場合のみ)など)を設定するための設定値であるが、確率以外の他の遊技条件(演出など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技条件に関する設定(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)を構成する。なお、RAM初期化スイッチ112ではなく、他のスイッチが、設定値変更スイッチを兼用してもよいし、専用に独自の設定値変更スイッチを設けてもよい。
設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技機10内部の遊技制御装置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作できない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112にアクセスして操作することができない。
後述するように、遊技機10の電源投入(停電復旧、復電)の際に、遊技機10は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112のオン/オフ状態に応じて、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に、移行することができる。
本実施形態において、確率設定値は、例えば6段階で規定され、確率設定値1(設定1)、確率設定値2(設定2)、確率設定値3(設定3)、確率設定値4(設定4)、確率設定値5(設定5)、確率設定値6(設定6)がある。一般的に、設定1が遊技者に最も不利な設定であり、設定6が遊技者に最も有利な設定である。設定1、2が低設定であり、設定3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定5、6が高設定である。
確率設定変更処理では、操作者によってRAM初期化スイッチ112が押下操作される度に、作業用設定値領域の作業用設定値(設定)が、設定値0(設定1、確率設定値1)→設定値1(設定2、確率設定値2)→設定値2(設定3、確率設定値3)→設定値3(設定4、確率設定値4)→設定値4(設定5、確率設定値5)→設定値5(設定6、確率設定値6)→設定値0(設定1)→設定値1(設定2)→・・・のように変更される。このように、RAM初期化スイッチ112は、設定値変更スイッチとしても機能する。なお、説明の都合上、設定変更状態(設定変更モード)中に、作業用設定値0~5をそれぞれ確率設定値1~6に対応して設けるが、作業用設定値と確率設定値は同じ数値範囲(即ち0~5又は1~6)に揃えて同じものとして取り扱ってもよい(作業用設定値と確率設定値を同じ数値にする)。
なお、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ)の操作ではなく、設定キースイッチ93を所定の位置に回転操作して確率設定値を変更する構成としてもよい。また、確率設定値は6段階に限られない。そして、選択されている0~5の作業用設定値に対応する表示用確率設定値が、例えば4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器である性能表示装置152等に表示される。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段となる。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、普図変動表示ゲームの実行時間などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための普図変動パターン設定情報テーブル(普図1~4変動パターン設定情報テーブル)を記憶している。普図変動パターン設定情報テーブルとは、始動記憶として記憶されている普図変動パターン乱数1~3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、普図変動パターン設定情報テーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が当りとなる場合に選択される当り変動パターンテーブル等が含まれる。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、普図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の普図変動パターン設定情報テーブルの中から、いずれか一のテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、普図変動表示ゲームの遊技結果(当りあるいははずれ)や始動記憶数などに基づいて、複数の普図変動パターン設定情報テーブルの中から、いずれか一のテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、普図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の普図変動パターン設定情報テーブルのうち、いずれか一のテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技制御装置100の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34や普図始動口34bの作動1a~1nスイッチ34a、普通変動入賞装置37内の作動2~5スイッチ39a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)121は、残存球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74に接続される。残存球排出口スイッチ73は、普通変動入賞装置37からの遊技球を排出する残存球排出口を通過した遊技球を検出する。アウト球検出スイッチ74は、アウト口30bを通過する遊技球のみを検出してもよいし、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出してもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124または、第4入力ポート126に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、作動1a~1nスイッチ34a、作動2~5スイッチ39a、入賞口スイッチ35aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、残存球排出口スイッチ73またはアウト球検出スイッチ74の検出信号は第4入力ポート126に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65からの信号が入力される。
また、第2入力ポート123は、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち作動1a~1nスイッチ34aと作動2~5スイッチ39aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123、第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、RAM初期化スイッチ112からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ普図変動表示ゲームの情報を知らせるデータや当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される作動スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電1~4ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電1~4ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりデジット線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力されるシリアルデータ(制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150が設けられている。本実施形態では、性能表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ150はLEDドライバであるが、これに限られるものではない。
性能表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置152は、性能表示として、表示用確率設定値や役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ74の信号などをカウント(計数)することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35および普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37d~37g)が含まれる。
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、普通変動入賞装置37に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物比率)である。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示可能である。なお、本実施形態では、図2Aや図2Bに示すように、遊技盤30上に表示装置41を設けていないが、例えば、遊技領域32の左側や中央付近に表示装置41を設けてもよい。この場合には、表示装置41によって複数の障害釘95bが見えなくならないよう、障害釘95bの後方や障害釘95bと重ならない位置に表示装置41が設けられる。また、遊技盤30の周囲を可動できる可動役物を設け、当該可動役物に表示装置41を設置してもよい。このように表示装置41を設けることによって、遊技者が視認できるように右打ち等の打ち方示唆(右打ち指示)や連続当り回数(連荘回数)、現在の連荘回数や当り回数、各普図始動記憶数(各普図保留数)、獲得球数等を表示することができる。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された保留数や変動に関するコマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。演出制御装置300は、演出制御指令信号(演出コマンド)に対応した演出を実行する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置80が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aは、普図始動ゲート34や普図始動口34bに備えられた作動1a~1nスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(普図1始動記憶、始動記憶、普図1保留)を記憶し、当該普図1始動記憶に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、変動表示部53(普図表示器)に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、変動表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、対応する普電1~4ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、5500msecまたは1900msec)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、変動表示部53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた作動2~5スイッチ39aからの遊技球の検出信号の入力に基づき普図2~4始動記憶(始動記憶、普図2~4保留)を記憶し、当該普図2~4始動記憶に基づき、対応する普図2~4変動表示ゲームの当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図2~4変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、普図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、変動表示部53(普図表示器)に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の普図始動領域(普図始動ゲート34、普図始動口34b)への通過または入球(或は入賞)や始動入賞領域(普通変動入賞装置37)への入賞に基づき普図変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、変動表示部53(普図表示器)に所定結果態様を表示するとともに、所定遊技状態を発生させる。所定遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、普電1~4ソレノイド39bにより対応する普通変動入賞装置37の可動部材37b(普電1~4)を開放させ、普通変動入賞装置37内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、普通変動入賞装置37に所定個数(例えば、4個または6個)の遊技球が入賞するか、可動部材37bの開放から所定の開放可能時間(例えば、5500msecまたは1900msec)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで普通変動入賞装置37の可動部材37bを開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(普図保留数(例えば、4回又は6回))継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が所定結果態様となった場合に、可動部材37bを開閉する制御を行う可動部材開閉制御手段をなす。また、所定変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、変動表示部53(普図表示器)にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、普図1始動記憶(普図1保留)に基づき、所定遊技状態の終了後に、再度、所定遊技状態を発生可能である(所定遊技状態の連荘)。所定遊技状態の連荘では、1回目の所定遊技状態と同様の遊技が2回目以降も繰り返される。例えば、図2Aや図2Bに示すように、2つの普図始動ゲート34や普図始動口34bは縦に並ぶように配列されているので、1個の遊技球がこれらを通過または入賞しやすく、3回の普図1始動記憶(普図1保留)を発生させ所定遊技状態を3回繰り返すことが可能となっている(3連荘)。
〔電源投入時の移行状態〕
前述のように、電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93のオンオフ状態によって、4つの状態(モード)へ移行する。
電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93とがオンにされている場合には、確率設定値(設定値)を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する(図5BのA1027-A1036参照)。
次に、電源投入時に、設定キースイッチ93がオンにされているがRAM初期化スイッチ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する(図5BのA1031-A1036参照)。
また、電源投入時に、設定キースイッチ93がオフであるがRAM初期化スイッチ112がオンにされている場合には、RAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行し、RAM初期化処理(RAMクリア処理)が実行されて、RAM111cが初期化される(図5BのA1042-1044参照)。
電源投入時に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112とがオフである場合には、通常復電状態(通常復電モード)に移行し、単に復電されるだけの状態になる。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図6に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h~01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止(発射停止)の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込む(A1006)。即ち、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112からの信号を読み込む。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むことで、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても、電源投入時に行った設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1010)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生しているか否か判定する(A1008)。停電が発生している場合に(A1008の結果が「Y」)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
遊技制御装置100は、停電が発生していない場合には(A1008の結果が「N」)、電源投入ディレイタイマを-1更新し(A1009)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1010)。タイマの値が0でない場合(A1010の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の処理に戻る。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1011)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1012)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1013)。
さらに、ここで、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150を初期設定してもよい。遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含むコマンドを、第2出力ポート134(シリアル通信回路)の送信バッファに書き込んでドライバ150に送信する。例えば、遊技制御装置100は、初期設定においてデューティ比を設定する。デューティ比は、性能表示装置152の各LED(各セグメント)の明るさに対応する。遊技制御装置100は、初期設定において、性能表示装置152の使用桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1014)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
続いて、遊技制御装置100は、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグをセットする(A1015)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所定のレジスタにセットしておく。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1016)。そして、正常であれば(A1016の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1018)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1019)。チェックサムが一致する場合には(A1019の結果が「Y」)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRAM異常フラグをクリアする(A1020)。その後、ステップA1021の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1016の結果が「N」、又は、A1017の結果が「N」)、チェックサムが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、RAM異常フラグをクリアすることなく、ステップA1021の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンであるか否かを判定する(A1021)。遊技制御装置100は、両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、設定可変状態(設定変更モード)に移行し、ステップA1027-A1037の確率設定変更中の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフである場合に(A1021の結果が「N」)、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(A1022)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1022の結果が「N」)、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A1023)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、ステップA1031-A1037の確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステップA1041-1044のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又は、ステップA1041、A1045、A1046の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1023の結果が「Y」)、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する(A1024)。メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技制御装置100の異常があったことを報知する。
続いて、遊技制御装置100は、遊技停止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152で表示するために性能表示装置152のドライバ150に出力する(A1025)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機し、再度、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機している間、割込みは禁止されたままであり(A1001)、特図1、2ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処理(図7)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行できない。
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている場合に異常があったとして、A1024-A1026の処理を実行する。例えば、確率設定変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の操作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
一方、遊技制御装置100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(A1022の結果が「Y」)、遊技制御装置100(メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信し(A1024)、遊技停止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152のドライバ150に出力し(A1025)、外部装置にRAM異常を知らせるために、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、前述と同様に、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、確率設定変更中(設定可変状態中)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する(A1027)。RAM異常フラグがセットされている場合に(A1027の結果が「Y」)、確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから(A1028)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1027の結果が「N」)、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1030)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定変更中であることを表示装置41などにおいて報知する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフであり(A1021の結果が「N」)、RAM異常フラグがセットされておらず(A1022の結果が「N」)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、設定キースイッチ93がオンであるか否かを判定する(A1031)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1031の結果が「Y」)、RAM初期化スイッチ112はオフということになり、確率設定確認中(設定確認状態中)の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラグをセットする(A1032)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1033)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることを表示装置41などにおいて報知する。
ステップA1030又はステップA1033の後に、遊技制御装置100は、確率設定変更中と確率設定確認中の共通の処理として、ステップA1034からA1040の処理を実行する。
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128ms(所定時間)をセーブする(A1034)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、後述の確率設定変更/確認処理(図6B)において実行されるが、確率設定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(A1321)で実行される。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50msは、セキュリティ信号は出力される。
次に、遊技制御装置100は、割込みを許可する(A1035)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。そして、設定キースイッチ93がオフであるか否かを判定する(A1036)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1036の結果が「N」)、停電が発生しているか否かを判定する(A1037)。停電が発生していない場合に(A1037の結果が「N」)、ステップA1036の処理に戻る。一方、停電が発生している場合に(A1037の結果が「Y」)、ステップA1055-A1061の停電発生時の処理を実行する。
このように、設定キースイッチ93がオンであり、停電が発生していない限り、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
一方、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1036の結果が「Y」)、割込みを禁止し(A1038)、報知終了のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A1039)。なお、報知終了のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることの報知又は確率設定変更中であることの報知を終了する。
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、即ち、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(A1040)。確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1040の結果が「Y」)、即ち、これまで確率設定変更中であった場合に、ステップA1042-A1044のRAM初期化処理(後述)を実行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1040の結果が「N」)、即ち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップA1045以降の電源投入時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1031の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する(A1041)。RAM初期化スイッチ112がオンである場合に(A1041の結果が「Y」)、RAM111cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0クリアする(A1042)。即ち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除いて、RAM111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。さらに、前述の確率設定変更中フラグもここでクリアされる。また、ここで、確率設定値領域の他に、スタック領域や未使用領域をクリアしない構成も可能である。なお、性能情報は、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出玉率、ベース値(通常遊技状態における出玉率)、役物比率、排出球数などである。また、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域はここではクリアされないが、クリアされる構成としてもよい。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1043)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1044)、ステップA1047の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がオフである場合に(A1041の結果が「N」)、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112が両方ともオフであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理(停電復旧処理)を開始し、初期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセーブする(A1045)。また、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。次に、後述の普図1ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1046)、ステップA1047の処理に移行する。
なお、ステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップA1046の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、普図1~4の保留数を示す普図1~4保留数コマンド(普図1保留数コマンド、普図2保留数コマンド、普図3保留数コマンド、普図4保留数コマンド)、電源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機10の確率設定値(設定値)の情報である設定値情報(設定情報)を示す設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマンドには、遊技機10に設置可能な表示装置の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。なお、画面指定のコマンドは、普図1~4について全てが普段処理中であるときは(変動中でも当り中でもないとき)、客待ちデモ1~4コマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドである。
ステップA1044又はステップA1046の後に、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(普図1の当り図柄を決定する当り図柄乱数1の初期値(当り図柄初期値乱数1)、普図1~4の当りを決定する当り乱数1~4の初期値(当り初期値乱数1~4(当り初期値乱数1、当り初期値乱数2、当り初期値乱数3、当り初期値乱数4))等)のスタート値としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、割込みを許可する(A1049)。なお、普図1(メイン普図)だけ当り図柄が複数種類あり、当り図柄初期値乱数1としてセーブされるが、普図2~4は当り図柄固定となっており乱数は使用されない。また、本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数のスタート値(初期値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、当り図柄乱数1、当り乱数1~4は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、当り乱数1はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、当り図柄乱数1、当り乱数2~4はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、当り図柄乱数1、当り乱数2~4においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、当り乱数1はハードウェアのみで更新される乱数であり、当り図柄乱数1、当り乱数2~4はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
続いて、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(A1051)、性能情報やその表示(性能表示)を編集する性能表示編集処理を実行する(A1052)。ここで、性能情報(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、RAM異常フラグがレジスタにセットされていた場合に、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしてもよい(ステップA1042でクリアされていないなら)。その後、割込みを許可する(A1053)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。
次に、遊技制御装置100は、停電が発生しているか否かを判定する(A1054)。停電が発生していない場合に(A1054の結果が「N」)、ステップA1050の処理に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップA1050-A1054の処理が繰り返される。
停電が発生した場合に(A1054の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電発生時の処理を開始し、一旦割込みを禁止し(A1055)、全出力ポートにオフデータを出力する(1056)。その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1057)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1058)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1059)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1060)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1061)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6Aは、タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。次に、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグに基づいて、確率設定変更中又は確率設定確認中であるか否かを判定する(A1304)。確率設定変更中又は確率設定確認中である場合に(A1304の結果が「Y」)、確率設定値を変更又は確認するための確率設定変更/確認処理を実行する(A1305)。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A1304の結果が「N」)、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(例えば大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御やLEDの駆動制御(発光制御)などを行うための出力処理を実行する(A1306)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とする。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1307)、さらに、乱数更新処理1(A1308)、乱数更新処理2(A1309)を実行する。その後、作動1a~1nスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、作動2~5スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、普図1~4変動表示ゲームに関する処理を行う普図1~4ゲーム処理を順次実行する(A1313a~A1313d)。遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1314)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1315)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1316)。
次に、遊技制御装置100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1319)。そして、性能表示装置152の表示を制御する性能表示モニタ制御処理を実行する(A1320)。その後、タイマ割込み処理を終了する。
なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
また、遊技制御装置100は、異常排出監視処理によって異常排出発生中フラグが設定された場合に普通変動入賞装置37で遊技球の異常排出が発生中であることを判定できるようにしてもよい。遊技制御装置100は、異常排出が発生中である場合には、例えばステップA1313aからステップA1313dまでの処理をスキップして、ステップA1315以降の処理を実行できる。
また、遊技制御装置100は、振動センサ65からの入力に基づいて振動による不正を監視する振動不正監視処理や普通変動入賞装置37からの異常排出を監視する異常排出監視処理を実行してもよい。異常排出監視処理では、普通変動入賞装置37における作動2~5スイッチ39a、残存球排出口スイッチ73からの入力に基づいて、普通変動入賞装置37の異常排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出発生中フラグが設定される。なお、普通変動入賞装置37の作動2~5スイッチ39aを通過した遊技球は、残存球排出口スイッチ73を通過して排出される。
〔普図1ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図1ゲーム処理(A1313a)の詳細について説明する。図7は、普図1ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図1ゲーム処理では、作動1a~1nスイッチ34aの入力の監視と、普図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図1の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、作動1a~1nスイッチ34aからの入力を監視する作動1スイッチ監視処理を実行する(A7601)。
続いて、遊技制御装置100は、作動2スイッチ39aからの入力を監視する普電1入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。
遊技制御装置100は、普図1ゲーム処理番号が2以上ではない場合、すなわち0または1である場合には(A7603の結果が「N」)、普図1以外が当り中であるか否かを判定する(A7604)。遊技制御装置100は、普図1以外が当り中である場合には(A7604の結果が「Y」)、ステップA7617に処理を進め、普図1以外が当り中ではない場合には(A7604の結果が「N」)、ステップA7605に処理を進める。
他方で、遊技制御装置100は、普図1ゲーム処理番号が2以上である場合には(A7603の結果が「Y」)、ステップA7605に処理を進める。
続いて、遊技制御装置100は、普図1ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1だけ減算する)(A7605)。なお、普図1ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図1ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7606)。
遊技制御装置100は、普図1ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7606の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7607)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図1ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7608)。そして、普図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図1ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7609)。
遊技制御装置100は、ステップA7609にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図1変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図1普段処理を実行する(A7610)。
また、遊技制御装置100は、ステップA7609にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図1変動中処理を実行する(A7611)。例えば、普図1変動中処理では、普図1表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図1ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7609にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図1変動表示ゲームの結果が当りであれば、普図1ファンファーレコマンドの設定やファンファーレ時間の設定、普図1ファンファーレ中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図1表示中処理を実行する(A7612)。例えば、普図1表示中処理では、普図1変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図1ファンファーレ中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図1ゲーム処理番号領域にセーブする。一方、普図1変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、普図1普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図1ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7609にてゲーム処理が「3」の場合には、普図1開放時間の設定や普図1当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図1ファンファーレ中処理を実行する(A7613)。例えば、普図1ファンファーレ中処理では、普図1当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図1ゲーム処理番号領域にセーブする他、普電1開放情報に基づいて普電1開放時間1または普電1開放時間2を普電1ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7609にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図1当り中処理の継続、あるいは普電1残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図1当り中処理を実行する(A7614)。例えば、普図1当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37d)を開放するための設定を行った後、普電1残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図1ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7609にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図1当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電1残存球処理を実行する(A7615)。例えば、普電1残存球処理では、普図1当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「6」を設定して普図1ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図1エンディング時間を普図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7609にてゲーム処理番号が「6」の場合は、普図1普段処理(A7610)を行うために必要な情報の設定等を行う普図1当り終了処理を実行する(A7616)。例えば、普図1当り終了処理では、普図1普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図1ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53(変動表示部53)による普通図柄の変動を制御するための普図1変動制御テーブルを準備する(A7617)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7618)、普図1ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図1ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7606の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7617以降の処理を実行する。
〔作動1スイッチ監視処理〕
次に、普図1ゲーム処理における作動1スイッチ監視処理(A7601)の詳細について説明する。図8は、作動1スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図始動ゲート34の一方(例えば図2に示す遊技領域32における上段の普図始動ゲート34)に対応する作動1aスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(A7701)。そして、作動1aスイッチ34aに入力がある場合には(A7701の結果が「Y」)、作動1スイッチ共通処理を実行してから(A7702)、普図始動ゲート34の他方(例えば図2に示す遊技領域32における下段の普図始動ゲート34)に対応する作動1bスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(A7703)。
他方で、遊技制御装置100は、作動1aスイッチ34aに入力がない場合には(A7701の結果が「N」)、普図始動ゲート34の他方に対応する作動1bスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(A7703)。
そして、遊技制御装置100は、作動1bスイッチ34aに入力がある場合には(A7703の結果が「Y」)、作動1スイッチ共通処理を実行し(A7704)、作動1スイッチ監視処理を終了する。他方で、作動1bスイッチ34aに入力がない場合には(A7703の結果が「N」)、そのまま作動1スイッチ監視処理を終了する。
なお、上記の作動1スイッチ監視処理では、普図始動ゲート34に対応する作動1aスイッチ34aと作動1bスイッチ34aスイッチへの入力を判定することについて説明したが、対応する作動1a~1nスイッチ34aを3つ以上にして入力の判定を行ってもよい。例えば、図2に示すように遊技領域32に普図始動口34bを設けている場合には、遊技制御装置100は、当該普図始動口34bに対応する作動1cスイッチ34aへの入力をさらに判定することができる。
〔作動1スイッチ共通処理〕
次に、作動1スイッチ監視処理における作動1スイッチ共通処理(A7702、A7704)の詳細について説明する。図9は、作動1スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。作動1スイッチ共通処理は、作動1a~1nスイッチ34a(作動1a、1bスイッチ34a)の入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、作動1a~1nスイッチ34aのうち、監視対象のスイッチへの入力(ゲートの通過または入賞口への入賞)の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数であるスタート信号出力回数をロードする(A7711)。そして、ロードした値を+1更新して(A7712)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A7713)。出力回数がオーバーフローしない場合(A7713の結果が「N」)、更新後の値をRWMのスタート信号出力回数領域にセーブして(A7714)、ステップA7715の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合には(A7713の結果が「Y」)、ステップA7715の処理に移行する。本実施形態では、スタート信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するように構成されている。
次に、遊技制御装置100は、普図1保留数(普図1始動記憶数、普図1保留)が上限値未満かであるか否かを判定する(A7715)。普図1保留数が上限値未満でない、すなわち上限値以上である場合には(A7715の結果が「N」)、作動1スイッチ共通処理を終了する。また、普図1保留数が上限値未満である場合には(A7715の結果が「Y」)、普図1保留数を+1更新する(A7716)。
次に、遊技制御装置100は、普図1保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出し(A7717)、普図1保留情報判定処理で使用する当り乱数1を抽出して準備し(A7718)、当り乱数1をRWMの当り乱数1格納領域にセーブする(A7719)。次に、普図1保留情報判定処理で使用する監視対象の作動1a~1nスイッチ34aの当り図柄乱数を抽出し、準備して(A7720)、RWMの当り図柄乱数格納領域にセーブする(A7721)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A7722)、普図1保留情報判定処理を実行する(A7723)。普図1保留情報判定処理では、セーブした当り乱数や当り図柄乱数に基づく停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドや、セーブした変動パターン乱数1から3に基づく前半変動番号(リーチ前変動の番号)および後半変動番号(リーチ後変動の番号)対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして設定する。そして、普図1保留数に対応する飾り普図1保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A7724)、演出コマンド設定処理(A7725)を実行して、作動1スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、普図始動ゲート34、普図始動口34bや普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、遊技球の普図始動ゲート34への通過や普図始動口34bへの入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に普図1始動記憶として記憶し、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に普図2~4始動記憶として記憶する。
〔普電1入賞スイッチ監視処理〕
次に、普図1ゲーム処理における普電1入賞スイッチ監視処理(A7602)の詳細について説明する。図10は、普電1入賞スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普電1開放中であるか、すなわち普図1変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37d)が所定回数の開放動作を実行中であるか否かを判定する(A7801)。そして、普電1開放中である場合には(A7801の結果が「Y」)、作動2スイッチ39aに入力があるか否かを判定する(A7802)。作動2スイッチ39aに入力がある場合には(A7802の結果が「Y」)、普電1カウンタのカウント数(普電1カウント数)を+1更新する(A7803)。
続いて、遊技制御装置100は、更新後の普電1カウンタのカウント数が上限値(例えば、4)に達したか否かを判定する(A7804)。そして、普電1カウント数が上限値に達した場合には、(A7804の結果が「Y」)、普図1ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(A7805)、普電1入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図1の開放中(当り状態中)に上限値以上の普電1入賞があった場合には、その時点で普図1ゲーム処理タイマ領域が0クリアされ、普通変動入賞装置37dが閉じられて普図1の当り状態が途中で終了するようにする。
一方、遊技制御装置100は、普電1開放中でないと判定された場合(A7801の結果が「N」)、作動2スイッチ39aに入力がないと判定された場合(A7802の結果が「N」)、または普電1カウント数が上限値に達していないと判定された場合には(A7804の結果が「N」)、普電1入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図1普段処理〕
次に、普図1ゲーム処理における普図1普段処理(A7610)の詳細について説明する。図11は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図1保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図1保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、客待ちデモ1が設定済みであるか否かを判定し(A7902)、客待ちデモ1が設定済みでない場合には(A7902の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ1中フラグをセットする(A7903)。なお、演出制御装置300は、客待ちデモ1中フラグとともに後述する客待ちデモ2~4中フラグがセットされることで、客待ちデモを開始する。例えば、客待ちデモは、盤装飾装置46等のLEDの点滅や表示装置41(存在する場合)の動画表示などで実行される。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモ1コマンドを演出コマンドとして準備して(A7904)、演出コマンド設定処理を行い(A7905)、ステップA7906の処理に移行する。一方、ステップA7902にて、客待ちデモ1が設定済みである場合には(A7902の結果が「Y」)、処理番号として普図1普段処理に係る「0」を設定し(A7906)、普図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A7907)。そして、普電1不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A7908)、普図1普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、普図1保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、普図1変動開始処理を実行する(A7909)。そして、遊技制御装置100は、普図1変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(A7910)、普図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A7911)。
続いて、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域にセットされている客待ちデモ1中フラグをクリアし(A7912)、普図1変動開始に関する信号(普通図柄1変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A7913)、普図変動表示ゲーム(普図1変動表示ゲーム)が変動中であることを示す変動中フラグを普図1変動制御フラグ領域にセーブする(A7914)。そして、普図表示器53(変動表示部)の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(例えば100msec)を普図1点滅制御タイマ領域にセーブし(A7915)、普図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは、ブランク図柄を示す「0」)をセーブし(A7916)、その後、普図1普段処理を終了する。
〔普図1変動開始処理〕
次に、普図1普段処理における普図1変動開始処理(A7909)の詳細について説明する。図12は、普図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。普図1変動開始処理は、普図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、普図1変動表示ゲームが当りであるか否かを判定するための当りフラグ1にはずれ情報や当り情報を設定する当りフラグ1設定処理を実行する(A8201)。なお、遊技制御装置100は、遊技機10に設定された確率設定値(設定)に応じた確率で普図1変動表示ゲームの当りを決定するようにしてもよい。
次に、遊技制御装置100は、普図1変動表示ゲームに関する普図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る普図1停止図柄設定処理を実行する(A8202)。普図1停止図柄設定処理では、はずれ時または当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはずれ停止図柄パターンまたは当り停止図柄パターンをセーブする。そして、停止図柄パターンに対応する飾り普図1コマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行する。また、停止図柄番号に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)を取得してセーブする。なお、遊技制御装置100は、当り時の停止図柄番号(当り図柄の種類)に応じて普電1の開放パターンを異ならせることができる。
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである普図1情報を設定する普図1情報設定処理を実行する(A8203)。
続いて、遊技制御装置100は、普図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである普図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A8204)。
その後、遊技制御装置100は、普図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A8205)。
次に、遊技制御装置100は、普図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A8206)、普図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、普図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。そのため、遊技制御装置100が普図1変動表示ゲームを実行する際に、演出制御装置300によって、遊技機10の表示装置(例えば表示装置41)上で普図1変動表示ゲームの変動演出としてリーチ演出を行わせることができる。なお、本実施形態では、リーチ演出は、普図1変動表示ゲームを実行する際のみに行われるが、普図2~4変動表示ゲームを実行する際にも行われるようにしてもよい。
また、変動開始情報設定処理では、これから開始する普図1変動表示ゲームに係る普図1保留数を-1更新する(1だけ減少する)。すなわち、最も古い普図1保留1に関する普図変動表示ゲーム(普図1変動表示ゲーム)が実行されることに伴い、普図1保留1以降に保留となっている普図1保留2~4がある場合には当該普図1保留2~4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図1当り乱数格納領域の普図1保留数2用から普図1保留数4用の値が、普図1当り乱数格納領域の普図1保留数1用から普図1保留数3用に移動することとなる。そして、普図1当り乱数格納領域の普図1保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
〔普図1変動中処理〕
次に、普図1ゲーム処理における普図1変動中処理(A7611)の詳細について説明する。図13は、普図1変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、普図1変動開始処理にて設定された当りフラグ1(当り情報又ははずれ情報)が当りであるか否かを判定する(A8301)。遊技制御装置100は、当りフラグ1が当りでない場合には(A8301の結果が「N」)、普図1当り中フラグをクリアし(A8302)、ステップA8304の処理に移行する。他方で、当りフラグ1が当りである場合には(A8301の結果が「Y」)、普図1当り中フラグをセットし(A8303)、ステップA8304の処理に移行する。普図1当り中フラグは、普図1が当り中であることを示し、普図2~4のゲーム処理の各々において他の普図(普図2~4以外)が当り中か否かを判定するために使用されるフラグである。
続いて、遊技制御装置100は、普図1表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(A8304)、処理番号を普図1ゲーム処理番号領域にセーブする(A8305)。その後、遊技制御装置100は、普図表示機53(変動表示部)における普図変動表示ゲーム(普図1変動表示ゲーム)の結果の表示時間である普図表示時間(例えば、600msec)を普図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8306)。
さらに、遊技制御装置100は、普図1の変動終了に関する信号(普通図柄1変動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8307)。続いて、遊技制御装置100は、外部情報端子に出力用の普図変動表示ゲーム(普図1変動表示ゲーム)の実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256msec)をセーブする(A8308)。
その後、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲーム(普図1変動表示ゲーム)が停止中であることを示す停止フラグを普図1変動制御フラグ領域にセーブし(A8309)、普図1変動中処理を終了する。
〔普図1表示中処理〕
次に、普図1ゲーム処理における普図1表示中処理(A7612)の詳細について説明する。図14は、普図1表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図1変動開始処理にて設定された当りフラグ1(当り情報又ははずれ情報)をロードし(A8401)、RWMの当りフラグ1領域をクリアする(A8402)。そして、ロードされた当りフラグ1に当り情報が設定されているか否かを判定する(A8403)。
遊技制御装置100は、当りフラグ1に当り情報が設定されていない場合には(A8403の結果が「N」)、普図1普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A8414)、処理番号を普図1ゲーム処理番号領域にセーブする(A8415)。その後、普電1不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A8416)、普図1表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、当りフラグ1に当り情報が設定されている場合には(A8403の結果が「Y」)、停止図柄パターンに対応した飾り普図1コマンドをRWMの飾り普図1コマンド領域からロードし、演出コマンドとして準備して(A8404)、演出コマンド設定処理を実行する(A8405)。演出制御装置300は、飾り普図1コマンドに対応する停止図柄を表示装置(表示装置41など)に表示してよい。
続いて、遊技制御装置100は、普電1開放情報に対応するファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備して(A8406)、演出コマンド設定処理を実行する(A8407)。このようにファンファーレコマンドには普電1開放に関する情報が含まれることになり、ファンファーレコマンドによって、普電1開放情報が演出制御装置300に伝えられる。演出制御装置300は、ファンファーレコマンドに対応するファンファーレ演出をスピーカや表示装置(表示装置41など)で実行してよい。
その後、遊技制御装置100は、普電1開放情報(ロング開放であるか否か)に対応するファンファーレ時間(例えば11000msecまたは9000msec)を設定して(A8408)、設定したファンファーレ時間を普図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8409)。
続いて、遊技制御装置100は、普図1当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(A8410)、処理番号を普図1ゲーム処理番号領域にセーブする(A8411)。その後、普図1当りの開始に関する信号(普通図柄1当り中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8412)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37d)の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電1不正監視期間フラグ領域にセーブし(A8413)、普図1表示中処理を終了する。
〔普図1ファンファーレ中処理〕
次に、普図1ゲーム処理における普図1ファンファーレ中処理(A7613)の詳細について説明する。図15は、普図1ファンファーレ中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普電1開放中コマンドを準備し(A8501)、演出コマンド設定処理を実行する(A8502)。演出制御装置300は、普電1開放中コマンドに対応した演出をスピーカや表示装置で実行してよい。そして、普図1当り中処理に移行するための処理番号として「4」を設定し(A8503)、処理番号を普図1ゲーム処理番号領域にセーブする(A8504)。
続いて、遊技制御装置100は、普電1開放情報がロング開放であるか否かを判定する(A8505)。
遊技制御装置100は、普電1開放情報がロング開放である場合には(A8505の結果が「Y」)、普電1開放時間1(例えば、5500msec)を普図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8506)。他方で、普電1開放情報がロング開放でない場合には(A8505の結果が「N」)、普電1開放時間2(例えば、1900msec)を普図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8507)。
続いて、遊技制御装置100は、普電1作動開始に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8508)。さらに、普電1ソレノイド37cを駆動(オン)する信号を出力するために普電1ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(A8509)。
また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37d)への入賞数を記憶する普電1カウント数領域の情報をクリアし(A8510)、普図1ファンファーレ中処理を終了する。
〔普図1当り中処理〕
次に、普図1ゲーム処理における普図1当り中処理(A7614)の詳細について説明する。図16Aは、普図1当り中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普通変動入賞装置37dの可動部材37bを閉状態にするための普電1閉鎖コマンドを準備して(A8601)、演出コマンド設定処理を実行する(A8602)。そして、普図1残存球処理に移行するための処理番号として「5」を設定し(A8603)、処理番号を普図1ゲーム処理番号領域にセーブする(A8604)。
続いて、遊技制御装置100は、普電1残存球処理時間(例えば、900msec)を普図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8605)。その後、普電1ソレノイド37cをオフに設定するために普電1ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(A8606)、普図1当り中処理を終了する。
このように、遊技制御装置100が普図1ゲーム処理において設定された処理番号に対応する普図1変動中処理(A7611)から普図1当り中処理(A7615)を実行することによって、図16Bに示すように、当り図柄(開放パターン)に応じて普電1の作動タイミングを変化させることができる。
図16Bは、普電1が作動するときのタイミングチャートの一例である。
例えば、普電1開放情報がロング開放時間である場合には(A8505の結果が「Y」)、図16Bに示す当り図柄1(開放パターン1)のタイミングで普電1(普通変動入賞装置37dの可動部材37b)が作動する。例えば、当り図柄1では、普図表示時間が600msecに(A8303)、ファンファーレ時間(ファン時間)が11000msecに(A5120、A5121)、それぞれ設定され、この間、普電1は閉状態となる。
また、例えば、当り図柄1では、普電1開放時間1(5500msec)が普図1ゲーム処理タイマ領域にセーブされることで(A8506)、普電1開放時間1(5500msec)の間、普電1が作動して、閉状態から開状態に切り替わる。その後、例えば、残存球処理時間(普電1残存球処理時間)が900msecに(A8605)、後述する普図1エンディング時間(エンディング時間)が100msecに(A8903)に、それぞれ設定されて、普電1は閉状態となる。
他方で、普電1開放情報がロング開放時間でない場合には(A8505の結果が「N」)、図16Bに示す当り図柄2(開放パターン2)のタイミングで普電1が作動する。例えば、当り図柄2でも、当り図柄1と同様に、普図表示時間が600msecに(A8303)、ファンファーレ時間(ファン時間)が11000msecに(A5120、A5121)、それぞれ設定され、この間、普電1は閉状態となる。
一方で、例えば、当り図柄2では、普電1開放時間2(1900msec)が普図1ゲーム処理タイマ領域にセーブされることで(A8507)、普電1開放時間2(1900msec)の間、普電1が作動して、閉状態から開状態に切り替わる。その後、例えば、当り図柄1と同様に、残存球処理時間が900msecに(A8605)、後述する普図1エンディング時間(エンディング時間)が100msecに(A8903)に、それぞれ設定されて、普電1は閉状態となる。
〔普電1残存球処理〕
次に、普図1ゲーム処理における普電1残存球処理(A7615)の詳細について説明する。図17は、普電1残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図1当り終了処理に係る処理番号「6」を設定し(A8901)、処理番号を普図1ゲーム処理番号領域にセーブする(A8902)。その後、普図1エンディング時間(例えば、100msec)を普図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8903)。
さらに、遊技制御装置100は、普電1作動終了(普通変動入賞装置37dの可動部材37bの作動終了)に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8904)。続いて、普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37d)への入賞数を計数する普電1カウント数領域をクリアし(A8905)、さらに、普電1開放情報領域をクリアする(A8906)。その後、普電1残存球処理を終了する。
〔普図1当り終了処理〕
次に、普図1ゲーム処理における普図1当り終了処理(A7616)の詳細について説明する。図18は、普図1当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図1当り中フラグをクリアし(A9101)、普図1普段処理に係る処理番号「0」を設定して(A9102)、処理番号を普図1ゲーム処理番号領域にセーブする(A9103)。その後、普図1(普図1変動表示ゲーム)の当り終了に関する信号(普通図柄1当り中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A9104)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37d)の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電1不正監視期間フラグ領域にセーブし(A9105)、その後、普図1当り終了処理を終了する。
〔普図2ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図2ゲーム処理(A1313b)の詳細について説明する。図19は、普図2ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図2ゲーム処理では、作動2スイッチ39aの入力の監視と、普図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図2の表示の設定等を行う。なお、普図2ゲーム処理や後述する普図3、4ゲーム処理は、普図1ゲーム処理と同様の処理が行われるが、監視対象の作動スイッチがそれぞれ異なる。
遊技制御装置100は、まず、作動2スイッチ39aからの入力を監視する作動2スイッチ監視処理を実行する(A10601)。
続いて、遊技制御装置100は、作動3スイッチ39aからの入力を監視する普電2入賞スイッチ監視処理を実行する(A10602)。
遊技制御装置100は、普図2ゲーム処理番号が2以上ではない場合、すなわち0または1である場合には(A10603の結果が「N」)、普図2以外が当り中であるか否かを判定する(A10604)。遊技制御装置100は、普図2以外が当り中である場合には(A10604の結果が「Y」)、ステップA10617に処理を進め、普図2以外が当り中ではない場合には(A10604の結果が「N」)、ステップA10605に処理を進める。
他方で、遊技制御装置100は、普図2ゲーム処理番号が2以上である場合には(A10603の結果が「Y」)、ステップA10605に処理を進める。
続いて、遊技制御装置100は、普図2ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1だけ減算する)(A10605)。なお、普図2ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図2ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A10606)。
遊技制御装置100は、普図2ゲーム処理タイマの値が0である場合(A10606の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A10607)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図2ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A10608)。そして、普図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図2ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A10609)。
遊技制御装置100は、ステップA10609にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図2変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図2普段処理を実行する(A10610)。
また、遊技制御装置100は、ステップA10609にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図2変動中処理を実行する(A10611)。例えば、普図2変動中処理では、普図2表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図2ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA10609にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図2変動表示ゲームの結果が当りであれば、普図2開放時間の設定や普図2当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図2表示中処理を実行する(A10612)。例えば、普図2表示中処理では、普図2当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図2ゲーム処理番号領域にセーブする他、普電2開放時間を普電2ゲーム処理タイマ領域にセーブする。一方、普図2変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、普図2普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図2ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA10609にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図2当り中処理の継続、あるいは普電2残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図2当り中処理を実行する(A10614)。例えば、普図2当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37e)を開放するための設定を行った後、普電2残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図2ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA10609にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図2当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電2残存球処理を実行する(A10615)。例えば、普電2残存球処理では、普図2当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図2ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図2エンディング時間を普図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA10609にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図2普段処理(A10610)を行うために必要な情報の設定等を行う普図2当り終了処理を実行する(A10616)。例えば、普図2当り終了処理では、普図2普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図2ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53(変動表示部53)による普通図柄の変動を制御するための普図2変動制御テーブルを準備する(A10617)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A10618)、普図2ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図2ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A10606の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA10617以降の処理を実行する。
〔作動2スイッチ監視処理〕
次に、普図2ゲーム処理における作動2スイッチ監視処理(A10601)の詳細について説明する。図20は、作動2スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普電1が作動中(普電1開放中)であるか、すなわち普図1変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37d)が所定回数の開放動作を実行中であるか否かを判定する(A10701)。そして、普電1作動中である場合には(A10701の結果が「Y」)、作動2スイッチ39aに入力があるか否かを判定する(10702)。
作動2スイッチ39aに入力がある場合には(10702の結果が「Y」)、普図2保留数(普図2始動記憶数、普図2保留)が上限値未満であるか否かを判定する(A10703)。普図2保留数が上限値未満である場合には(A10703の結果が「Y」)、普図2保留数を+1更新する(A10704)。
次に、遊技制御装置100は、普図2保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出し(A10705)、普図2保留数情報判定処理で使用する当り乱数2を抽出して準備し(A10706)、当り乱数2をRWMの当り乱数2格納領域にセーブする(A10707)。
そして、普図2保留数に対応する飾り普図2保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A10708)、演出コマンド設定処理(A10709)を実行して、作動2スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普電1が作動中でない場合(A10701の結果が「N」)、作動2スイッチ39aに入力がない場合(A10702の結果が「N」)、または普図2保留数が上限値未満でない、すなわち上限値以上である場合には(A10703の結果が「N」)、作動2スイッチ監視処理を終了する。
〔普電2入賞スイッチ監視処理〕
次に、普図2ゲーム処理における普電2入賞スイッチ監視処理(A10602)の詳細について説明する。図21は、普電2入賞スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普電2開放中であるか、すなわち普図2変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37e)が所定回数の開放動作を実行中であるか否かを判定する(A10801)。そして、普電2開放中である場合には(A10801の結果が「Y」)、作動3スイッチ39aに入力があるか否かを判定する(A10802)。作動3スイッチ39aに入力がある場合には(A10802の結果が「Y」)、普電2カウンタのカウント数(普電1カウント数)を+1更新する(A10803)。
続いて、遊技制御装置100は、更新後の普電2カウンタのカウント数が上限値(例えば、4)に達したか否かを判定する(A10804)。そして、普電2カウント数が上限値に達した場合には、(A10804の結果が「Y」)、普図2ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(A10805)、普電2入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図2の開放中(当り状態中)に上限値以上の普電2入賞があった場合には、その時点で普図2ゲーム処理タイマ領域が0クリアされ、普通変動入賞装置37eが閉じられて普図2の当り状態が途中で終了するようにする。なお、後述する普図3、4ゲームにおける普電3、4入賞スイッチ監視処理(A13602、A14602)でも、遊技制御装置100は、更新後の普電3、4カウンタのカウント数が上限値に達したか否かを同様に判定するが、その際の普電3、4カウンタのカウント数の上限値は例えば6である。
一方、遊技制御装置100は、普電2開放中でないと判定された場合(A10801の結果が「N」)、作動3スイッチ39aに入力がないと判定された場合(A10802の結果が「N」)、または普電2カウント数が上限値に達していないと判定された場合には(A10804の結果が「N」)、普電2入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図2普段処理〕
次に、普図2ゲーム処理における普図2普段処理(A10610)の詳細について説明する。図22は、普図2普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図2保留数が0であるか否かを判定する(A10901)。普図2保留数が0である場合には(A10901の結果が「Y」)、客待ちデモ2が設定済みであるか否かを判定し(A10902)、客待ちデモ2が設定済みでない場合には(A10902の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ2中フラグをセットする(A10903)。なお、演出制御装置300は、客待ちデモ1~4中フラグがセットされることで、客待ちデモを開始する。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモ2コマンドを演出コマンドとして準備して(A10904)、演出コマンド設定処理を行い(A10905)、ステップA10906の処理に移行する。一方、ステップA10902にて、客待ちデモ2が設定済みである場合には(A10902の結果が「Y」)、処理番号として普図2普段処理に係る「0」を設定し(A10906)、普図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A10907)。そして、普電2不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A10908)、普図2普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、普図2保留数が0でない場合には(A10901の結果が「N」)、普図2変動開始処理を実行する(A10909)。そして、遊技制御装置100は、普図2変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(A10910)、普図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A10911)。
続いて、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域にセットされている客待ちデモ2中フラグをクリアし(A10912)、普図2変動開始に関する信号(普通図柄2変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A10913)、普図変動表示ゲーム(普図2変動表示ゲーム)が変動中であることを示す変動中フラグを普図2変動制御フラグ領域にセーブする(A10914)。そして、普図表示器53(変動表示部)の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(例えば100msec)を普図2点滅制御タイマ領域にセーブし(A10915)、普図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは、ブランク図柄を示す「0」)をセーブし(A10916)、その後、普図2普段処理を終了する。
〔普図2変動開始処理〕
次に、普図2普段処理における普図2変動開始処理(A10909)の詳細について説明する。図23Aは、普図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、RWMの当り乱数2格納領域(保留数1用)から乱数(当り乱数2)をロードし、ロードした領域(当り乱数2格納領域)を0クリアする(A11201)。
遊技制御装置100は、当り乱数2が上限判定値(例えば4092)以上であるか否か判定する(A11202)。当り乱数2が上限判定値以上である場合(A11202の結果が「Y」)、すなわち、はずれの場合、ステップA11204の処理に移行する。当り乱数2が上限判定値未満である場合(A11202の結果が「N」)、当り乱数2が下限判定値未満であるか否かを判定する(A11203)。
遊技制御装置100は、当り乱数2が下限判定値(例えば0)未満である場合(A11203の結果が「Y」)、すなわち、はずれの場合、当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A11204)。さらに、普図2停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A11205)、はずれ図柄情報を普図2停止図柄情報領域にセーブし(A11206)、ステップA11210の処理に移行する。
なお、当り確率は、例えば図23Bに示すように、予め設定可能である。
図23Bは、普図1~4の当り確率の例を示すテーブルである。
例えば、図23Bの(A)に示すように、普図1は996/997の確率で当り、普図2は4092/4093、普図3は4090/4091、普図4は3000/3001の確率で当りとなる。また、例えば、上限判定値は、普図1が996、普図2が4092、普図3が4090、普図4が3000になり、下限判定値は普図1~4で0になる。すなわち、当り乱数1~4の振り分け可能範囲(乱数の範囲)は、当り乱数1が0~996、当り乱数2が0~4092、当り乱数3が0~4090、当り乱数4が0~3000となり、当り乱数1~4の値が上限判定値と一致した場合のみはずれとなる。
なお、普図1~4の当り確率は、図23Bの(B)に示すように、当り乱数1~4の振り分け可能範囲が全て当りとなるように設定されてもよい。また、普図1~4の当り確率は、図23Bの(C)に示すように、普図1の当り確率が低くなるように設定されてもよい。
図23Bの(B)では、普図1~4の上限判定値が、当り乱数1~4の振り分け可能範囲よりも+1ずつ大きい。そのため、ロードされた当り乱数1~4を全て当りとすることができる。したがって、例えば、遊技球が通過口入り口32aを通過し難く、普図始動ゲート34や普図始動口34bを通過または入球(或は入賞)する遊技球の数が、発射した遊技球の数(発射数)に比べて極端に少なくなる遊技機10に設定されるのが好ましい。このような遊技機10では、ロードされた当り乱数1~4を全て当りとなるので、遊技球が普図始動ゲート34や普図始動口34bを通過または入賞した際に遊技者は当りを確信することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図23の(C)では、普図1は、5/997の確率で当りとなる。また、普図1は、上限判定値が12になり、下限判定値が7になる。そのため、ロードされた普図1の当り乱数1が7~11であるときに普図1は当りとなり、他の当り乱数1(0~6、12~996)がロードされると普図1ははずれとなる。したがって、例えば、遊技球が通過口入り口32を通過し易く(または通過口入り口32がない)、普図始動ゲート34や普図始動口34bを通過または入球(或は入賞)する遊技球の数が、発射数に比べて極端に少なくならない遊技機10に設定されるのが好ましい。このような遊技機10では、比較的頻繁に普図1変動表示ゲームを実行することができ、普図1変動表示ゲームの実行によって当りに対する期待感を遊技者に頻繁に抱かせることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
他方で、遊技制御装置100は、当り乱数2が下限判定値未満でない場合(A11203の結果が「N」)、すなわち、当りの場合、当りフラグ2領域に当り情報をセーブし(A11207)、ロードした当り乱数2に対応する当り停止図柄番号を設定し(A11208)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図2停止図柄情報領域にセーブし(A11209)、ステップA11210の処理に移行する。なお、当り停止図柄(当り図柄)は、本実施形態では1種類であるが、数種類存在させてもよい。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図2停止図柄領域にセーブし(A11210)、停止図柄番号(普図2の図柄データ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A11211)、当り乱数2格納領域をシフトし(A11212)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A11213)、普図2保留数を-1更新する(A11214)。
すなわち、最も古い普図2保留数1に関する普図変動表示ゲーム(普図2変動表示ゲーム)が実行されることに伴い、普図2保留1以降に保留となっている普図2保留2~4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、当り乱数2格納領域の普図2保留数2用から普図2保留数4用の値が、当り乱数2格納領域の普図2保留数1用から普図2保留数3用に移動することとなる。そして、当り乱数2格納領域の普図2保留数4用の値がクリアされて、普図2保留数が1デクリメントされる。
続いて、遊技制御装置100は、普図2保留数に対応する飾り普図2保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A11215)、演出コマンド設定処理を実行する(A11216)。そして、遊技制御装置100は、普図表示機53(変動表示部)における普図変動表示ゲーム(普図2変動表示ゲーム)の結果の表示時間である普図表示時間(例えば、700msec)を普図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(A11217)、普図2変動開始処理を終了する。
〔普図2変動中処理〕
次に、普図2ゲーム処理における普図2変動中処理(A10611)の詳細について説明する。図24は、普図2変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、普図2変動開始処理にて設定された当りフラグ2(当り情報又ははずれ情報)があたりであるか否かを判定する(A11301)。遊技制御装置100は、当りフラグ2が当りでない場合には(A11301の結果が「N」)、普図2当り中フラグをクリアし(A11302)、ステップA11304の処理に移行する。他方で、当りフラグ2が当りである場合には(A11301の結果が「Y」)、普図2当り中フラグをセットし(A11303)、ステップA11304の処理に移行する。普図2当り中フラグは、普図2が当り中であることを示し、普図1、3、4のゲーム処理の各々において他の普図(普図1、3、4以外)が当り中か否かを判定するために使用されるフラグである。
続いて、遊技制御装置100は、普図2表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(A11304)、処理番号を普図2ゲーム処理番号領域にセーブする(A11305)。その後、遊技制御装置100は、普図表示機53(変動表示部)における普図変動表示ゲーム(普図2変動表示ゲーム)の結果の表示時間である普図表示時間(例えば、600msec)を普図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A11306)。
さらに、遊技制御装置100は、普図2の変動終了に関する信号(普通図柄2変動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A11307)。
その後、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲーム(普図2変動表示ゲーム)が停止中であることを示す停止フラグを普図2変動制御フラグ領域にセーブし(A11308)、普図1変動中処理を終了する。
〔普図2表示中処理〕
次に、普図2ゲーム処理における普図2表示中処理(A10612)の詳細について説明する。図25は、普図2表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図2変動開始処理にて設定された当りフラグ2(当り情報又ははずれ情報)をロードし(A11401)、RWMの当りフラグ2領域をクリアする(A11402)。そして、ロードされた当りフラグ2に当り情報が設定されているか否かを判定する(A11403)。
遊技制御装置100は、当りフラグ2に当り情報が設定されていない場合には(A11403の結果が「N」)、普図2普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A11414)、処理番号を普図2ゲーム処理番号領域にセーブする(A11415)。その後、普電2不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A11416)、普図2表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、当りフラグ2に当り情報が設定されている場合には(A11403の結果が「Y」)、普電2開放中コマンドを準備し(A11404)、演出コマンド設定処理を実行する(A11405)。そして、普図2当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(A11406)、処理番号を普図2ゲーム処理番号領域にセーブする(A11407)。
その後、遊技制御装置100は、普電2開放時間(例えば、5500msec)を普図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A11408)。
続いて、遊技制御装置100は、普電2当りの開始に関する信号(普通図柄2当り中信号をオン)と、普電2作動開始に関する信号(普通電動役物2作動中信号をオン)と、を試験信号出力データ領域にセーブする(A11409)。さらに、普電2ソレノイド37cを駆動(オン)する信号を出力するために普電2ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(A11410)。
また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37e)への入賞数を記憶する普電2カウント数領域の情報をクリアする(A11411)。そして、普電2不正監視期間における普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37e)への入賞数を記憶する普電2不正入賞数領域の情報をクリアする(A11412)。
その後、普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37e)の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電2不正監視期間フラグ領域にセーブして(A11413)、普図2表示中処理を終了する。
〔普図2当り中処理〕
次に、普図2ゲーム処理における普図2当り中処理(A10614)の詳細について説明する。図26Aは、普図2当り中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普通変動入賞装置37eの可動部材37bを閉状態にするための普電2閉鎖コマンドを準備して(A11601)、演出コマンド設定処理を実行する(A11602)。そして、普図2残存球処理に移行するための処理番号として「4」を設定し(A11603)、処理番号を普図2ゲーム処理番号領域にセーブする(A11604)。
続いて、遊技制御装置100は、普電2残存球処理時間(例えば、900msec)を普図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A11605)。その後、普電2ソレノイド37cをオフに設定するために普電2ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(A11606)、普図2当り中処理を終了する。
このように、遊技制御装置100が普図2ゲーム処理において設定された処理番号に対応する普図2変動中処理(A10611)から普図1当り中処理(A7615)を実行することによって、図26Bに示すように、普電2を作動させることができる。なお、遊技制御装置100は、後述する普図3、4ゲーム処理においても同様の処理を行うことによって、図26Bに示すように、普電2と同様に普電3、4を作動させることができる。
図26Bは、普電2~4が作動するときのタイミングチャートの一例である。
例えば、図26Bに示す開放パターン1のタイミングで普電2~4(普通変動入賞装置37e~37gの可動部材37b)がそれぞれ別個に作動する。例えば、開放パターン1では、普図表示時間が600msecに設定され(A11306)、この間、普電2は閉状態となる。
また、例えば、開放パターン1では、普電2開放時間(5500msec)が普図2ゲーム処理タイマ領域にセーブされることで(A11408)、普電2開放時間(5500msec)の間、普電2が作動して、閉状態から開状態に切り替わる。その後、例えば、残存球処理時間(普電2残存球処理時間)が900msecに(A11605)、後述する普図2エンディング時間(エンディング時間)が100msecに(A11903)に、それぞれ設定されて、普電2は閉状態となる。なお、普電3、4も開放パターン1のタイミングで同様に作動することができる。
〔普電2残存球処理〕
次に、普図2ゲーム処理における普電2残存球処理(A10615)の詳細について説明する。図27は、普電2残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図2当り終了処理に係る処理番号「5」を設定し(A11901)、処理番号を普図2ゲーム処理番号領域にセーブする(A11902)。その後、普図2エンディング時間(例えば、100msec)を普図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A11903)。
さらに、遊技制御装置100は、普電2作動終了(普通変動入賞装置37eの可動部材37bの作動終了)に関する信号(普通電動役物2作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A11904)。続いて、普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37e)への入賞数を計数する普電2カウント数領域をクリアし(A11905)、さらに、普電2開放情報領域をクリアする(A11906)。その後、普電2残存球処理を終了する。
〔普図2当り終了処理〕
次に、普図2ゲーム処理における普図2当り終了処理(A10616)の詳細について説明する。図28は、普図2当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図2当り中フラグをクリアし(A12101)、普図2普段処理に係る処理番号「0」を設定して(A12102)、処理番号を普図2ゲーム処理番号領域にセーブする(A12103)。その後、普図2(普図2変動表示ゲーム)の当り終了に関する信号(普通図柄2当り中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A12104)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37e)の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電2不正監視期間フラグ領域にセーブし(A12105)、その後、普図2当り終了処理を終了する。
〔普図3ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図3ゲーム処理(A1313c)の詳細について説明する。図29は、普図3ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図3ゲーム処理では、作動3スイッチ39aの入力の監視と、普図3変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図3の表示の設定等を行う。なお、普図3ゲーム処理では、普図1、2ゲーム処理や後述する普図4ゲーム処理と同様の処理が行われるが、監視対象の作動スイッチがそれぞれ異なる。
遊技制御装置100は、まず、作動3スイッチ39aからの入力を監視する作動3スイッチ監視処理を実行する(A13601)。
続いて、遊技制御装置100は、作動4スイッチ39aからの入力を監視する普電3入賞スイッチ監視処理を実行する(A13602)。
遊技制御装置100は、普図3ゲーム処理番号が2以上ではない場合、すなわち0または1である場合には(A13603の結果が「N」)、普図3以外が当り中であるか否かを判定する(A13604)。遊技制御装置100は、普図3以外が当り中である場合には(A13604の結果が「Y」)、ステップA13617に処理を進め、普図3以外が当り中ではない場合には(A13604の結果が「N」)、ステップA13605に処理を進める。
他方で、遊技制御装置100は、普図3ゲーム処理番号が2以上である場合には(A13603の結果が「Y」)、ステップA13605に処理を進める。
続いて、遊技制御装置100は、普図3ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1だけ減算する)(A13605)。なお、普図3ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図3ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A13606)。
遊技制御装置100は、普図3ゲーム処理タイマの値が0である場合(A13606の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図3ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図3ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A13607)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図3ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図3ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A13608)。そして、普図3ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図3ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A13609)。
遊技制御装置100は、ステップA13609にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図3変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図3変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図3変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図3普段処理を実行する(A13610)。
また、遊技制御装置100は、ステップA13609にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図3表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図3変動中処理を実行する(A13611)。例えば、普図3変動中処理では、普図3表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図3ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図3ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA13609にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図3変動表示ゲームの結果が当りであれば、普図3開放時間の設定や普図3当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図3表示中処理を実行する(A13612)。例えば、普図3表示中処理では、普図3当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図3ゲーム処理番号領域にセーブする他、普電3開放時間を普電3ゲーム処理タイマ領域にセーブする。一方、普図3変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、普図3普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図3ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA13609にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図3当り中処理の継続、あるいは普電3残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図3当り中処理を実行する(A13614)。例えば、普図3当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37f)を開放するための設定を行った後、普電3残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図3ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA13609にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図3当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電3残存球処理を実行する(A13615)。例えば、普電3残存球処理では、普図3当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図3ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図3エンディング時間を普図3ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA13609にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図3普段処理(A13610)を行うために必要な情報の設定等を行う普図3当り終了処理を実行する(A13616)。例えば、普図3当り終了処理では、普図3普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図3ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53(変動表示部53)による普通図柄の変動を制御するための普図3変動制御テーブルを準備する(A13617)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A13618)、普図3ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図3ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A13606の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA13617以降の処理を実行する。
〔普図4ゲーム処理〕
続いて、タイマ割込み処理における普図4ゲーム処理(A1313d)の詳細について説明する。図30は、普図4ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図4ゲーム処理では、作動4スイッチ39aの入力の監視と、普図4変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図4の表示の設定等を行う。なお、普図4ゲーム処理では、普図1~3ゲーム処理と同様の処理が行われるが、監視対象の作動スイッチがそれぞれ異なる。
遊技制御装置100は、まず、作動4スイッチ39aからの入力を監視する作動4スイッチ監視処理を実行する(A14601)。
続いて、遊技制御装置100は、作動5スイッチ39aからの入力を監視する普電4入賞スイッチ監視処理を実行する(A14602)。
遊技制御装置100は、普図4ゲーム処理番号が2以上ではない場合、すなわち0または1である場合には(A14603の結果が「N」)、普図4以外が当り中であるか否かを判定する(A14604)。遊技制御装置100は、普図4以外が当り中である場合には(A14604の結果が「Y」)、ステップA14617に処理を進め、普図4以外が当り中ではない場合には(A14604の結果が「N」)、ステップA14605に処理を進める。
他方で、遊技制御装置100は、普図4ゲーム処理番号が2以上である場合には(A14603の結果が「Y」)、ステップA14605に処理を進める。
続いて、遊技制御装置100は、普図4ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1だけ減算する)(A14605)。なお、普図4ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図4ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A14606)。
遊技制御装置100は、普図4ゲーム処理タイマの値が0である場合(A14606の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図4ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図4ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A14607)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図4ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図4ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A14608)。そして、普図4ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図4ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A14609)。
遊技制御装置100は、ステップA14609にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図4変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図4変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図4変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図4普段処理を実行する(A14610)。
また、遊技制御装置100は、ステップA14609にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図4表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図4変動中処理を実行する(A14611)。例えば、普図4変動中処理では、普図4表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図4ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図4ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA14609にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図4変動表示ゲームの結果が当りであれば、普図4開放時間の設定や普図4当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図4表示中処理を実行する(A14612)。例えば、普図4表示中処理では、普図4当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図4ゲーム処理番号領域にセーブする他、普電4開放時間を普電4ゲーム処理タイマ領域にセーブする。一方、普図4変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、普図4普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図4ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA14609にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図4当り中処理の継続、あるいは普電4残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図4当り中処理を実行する(A14614)。例えば、普図4当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37(普通変動入賞装置37g)を開放するための設定を行った後、普電4残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図4ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA14609にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図4当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電4残存球処理を実行する(A14615)。例えば、普電4残存球処理では、普図4当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図4ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図4エンディング時間を普図4ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA14609にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図4普段処理(A14610)を行うために必要な情報の設定等を行う普図4当り終了処理を実行する(A14616)。例えば、普図4当り終了処理では、普図4普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図4ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53(変動表示部53)による普通図柄の変動を制御するための普図4変動制御テーブルを準備する(A14617)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A14618)、普図4ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図4ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A14606の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA14617以降の処理を実行する。
〔普図1~4変動表示ゲームを実行するときのタイミングチャートの例(その1)〕
図31Aは、遊技制御装置100が普図1~4変動表示ゲームを実行するときのタイミングチャートの例(その1)である。
図31Aの時刻t1で、遊技球が普図始動ゲート34を通過または普図始動口34bに入球(或は入賞)することで記憶される普図1始動記憶(普図1保留)に基づいて、遊技制御装置100は、普図1変動表示ゲーム(普図1)を実行する。普図1変動表示ゲームが実行されることで、普図1保留数が1デクリメント(-1更新)されて、実行中の普図1変動表示ゲームに係る普図1保留が消化中の保留(消化1(消1))となる。その後、普図1変動表示ゲームは停止され、当りとなる。
普図1保留の消化中の保留(消1)に基づく普図1変動表示ゲームが停止された後の時刻t2で、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37dの可動部材37b(普電1)を開状態(開)に切り替える。普電1が開状態となることで、右打ちによって遊技領域32の右側を流下する遊技球が、普通変動入賞装置37dに入賞可能となる。
そして、遊技制御装置100は、遊技球が普通変動入賞装置37dに入賞する毎に、普図2始動記憶(普図2保留)を記憶する。時刻t2で普電1が開放され、例えば、4球の遊技球が普通変動入賞装置37dに入賞することで、4つの普図2保留が記憶される(保留4ヶ)。なお、普電1は、普電1開放時間(例えば5500msec(普電1開放時間1)または1900msec(普電1開放時間2))の経過または普電1カウント数が上限値(例えば4)以上になることで、開状態から閉状態(閉)に切り替わる。
普電1が開状態から閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、記憶されている4つの普図2始動記憶(普図2保留(普図2保留1~4))のうち最も古い保留(普図2保留1(保1))に基づいて、普図2変動表示ゲーム(普図2)を実行する。普図2変動表示ゲームが実行されることで、普図2保留数が1デクリメント(-1更新)され、普図2保留数は3になる。その後、普図2変動表示ゲームは停止され、当りとなる。
続いて、普図2保留1(保1)に基づく普図2変動表示ゲームが停止された後の時刻t3で、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37eの可動部材37b(普電2)を開状態(開)に切り替える。普電2が開状態となることで、流下する遊技球が普通変動入賞装置37eに入賞可能となる。
そして、遊技制御装置100は、遊技球が普通変動入賞装置37eに入賞する毎に、普図3始動記憶(普図3保留)を記憶する。時刻t3で普電2が開放され、例えば、4球の遊技球が普通変動入賞装置37eに入賞することで、4つの普図3保留が記憶される(保留4ヶ)。なお、普電2は、普電2開放時間(例えば5500msec)の経過または普電2カウント数が上限値(例えば4)以上になることで、開状態から閉状態(閉)に切り替わる。
普電2が開状態から閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、記憶されている4つの普図3始動記憶(普図3保留(普図3保留1~4))のうち最も古い保留(普図3保留1(保1))に基づいて、普図3変動表示ゲーム(普図3)を実行する。普図3変動表示ゲームが実行されることで、普図3保留数が1デクリメント(-1更新)され、普図3保留数は3になる。その後、普図3変動表示ゲームは停止され、当りとなる。
続いて、普図3保留1(保1)に基づく普図3変動表示ゲームが停止された後の時刻t4で、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37fの可動部材37b(普電3)を開状態(開)に切り替える。普電3が開状態となることで、流下する遊技球が普通変動入賞装置37fに入賞可能となる。
そして、遊技制御装置100は、遊技球が普通変動入賞装置37fに入賞する毎に、普図4始動記憶(普図4保留)を記憶する。時刻t4で普電3が開放され、例えば、4球の遊技球が普通変動入賞装置37fに入賞することで、4つの普図4保留が記憶される(保留4ヶ)。なお、普電3は、普電3開放時間(例えば5500msec)の経過または普電3カウント数が上限値(例えば6)以上になることで、開状態から閉状態(閉)に切り替わる。
普電3が開状態から閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、記憶されている4つの普図4始動記憶(普図4保留(普図4保留1~4))のうち最も古い保留(普図4保留1(保1))に基づいて、普図4変動表示ゲーム(普図4)を実行する。普図4変動表示ゲームが実行されることで、普図4保留数が1デクリメント(-1更新)され、普図4保留数は3になる。その後、普図4変動表示ゲームは停止され、当りとなる。
続いて、普図4保留1(保1)に基づく普図4変動表示ゲームが停止された後の時刻t5aで、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37gの可動部材37b(普電4)を開状態(開)に切り替える。普電4が開状態となることで、流下する遊技球が普通変動入賞装置37gに入賞可能となる。
そして、普電4は、普電4開放時間(例えば5500msec)の経過または普電4カウント数が上限値(例えば6)以上になることで、開状態から閉状態(閉)に切り替わる。普電4が閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、残り3つの普図4始動記憶(普図4保留2~4)のうち最も古い保留(普図4保留2(保2))に基づいて、普図4変動表示ゲーム(普図4)を実行し、その後、当該普図4変動表示ゲームは停止されて当りとなる。
なお、普図4保留数2~4は、普図4保留数1が消化されることで順位を1つずつ繰り上げるが、以下のタイミングチャートの説明においては、どの普図4保留が消化中であるのかが分かり易くなるように順位の+1繰り上げを省略して説明する。また、普図2保留数2~4と普図3保留数2~4の順位の+1繰り上げも同様に省略して説明する。
次に、普図4保留2(保2)に基づく普図4変動表示ゲームが停止された後の時刻t5bで、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37gの可動部材37b(普電4)を開状態(開)に切り替える。すなわち、普電4は2回目の開放となる。
その後、同様に、普電4開放時間の経過または普電4カウント数の上限値到達をもって、普電4は開状態から閉状態に切り替わる。普電4が閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、残り2つの普図4始動記憶(普図4保留3、4)のうち古い方の保留(普図4保留3(保3))に基づいて、普図4変動表示ゲーム(普図4)を実行し、その後、当該普図4変動表示ゲームは停止されて当りとなる。
続いて、普図4保留3(保3)に基づく普図4変動表示ゲームが停止された後の時刻t5cで、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37gの可動部材37b(普電4)を開状態(開)に切り替える。すなわち、普電4は3回目の開放となる。
その後、同様に、普電4開放時間の経過または普電4カウント数の上限値到達をもって、普電4は開状態から閉状態に切り替わる。普電4が閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、残りの普図4始動記憶(普図4保留4(保4))に基づいて、普図4変動表示ゲーム(普図4)を実行し、その後、当該普図4変動表示ゲームは停止されて当りとなる。なお、普図4保留4に基づく普図4変動表示ゲームが実行されると、普図4始動記憶数(普図4保留数)は全て消化されて0になる。
続いて、普図4保留4(保4)に基づく普図4変動表示ゲームが停止された後の時刻t5dで、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37gの可動部材37b(普電4)を開状態(開)に切り替える。すなわち、普電4は4回目の開放となる。このように、普図2始動記憶数や普図3始動記憶数がある状態(例えば3ずつ)でも、遊技制御装置100は、普図2、3よりも優先して普図4を実行する(優先変動)。また、後述するように、普図2始動記憶数がある状態(例えば3)でも、遊技制御装置100は、普図2よりも優先して普図3を実行する(優先変動)。なお、普図1始動記憶数がある場合には(2連荘以上の場合)、遊技制御装置100は、同様に、普図1より優先して普図2~4を実行することができる。
その後、同様に、普電4開放時間の経過または普電4カウント数の上限値到達をもって、普電4は開状態から閉状態に切り替わる。普図4始動記憶数が0の状態で、普電4が閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、普図3保留2(保2)に基づいて、普図3変動表示ゲームを実行し、その後、当該普図3変動表示ゲームは停止されて当りとなる。
続いて、普図3保留2(保2)に基づく普図3変動表示ゲームが停止された後の時刻t6で、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37fの可動部材37b(普電3)を開状態(開)に切り替える。すなわち、普電3は2回目の開放となる。
そして、遊技制御装置100は、遊技球が普通変動入賞装置37fに入賞する毎に、普図4始動記憶(普図4保留(例えば4つ))を記憶し、普電3開放時間(例えば5500msec)の経過または普電3カウント数が上限値(例えば6)以上になることで、普電3は開状態から閉状態(閉)に切り替わる。
普電3が開状態から閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、記憶されている普図4始動記憶(普図4保留)のうち最も古い保留(普図4保留1(保1))に基づいて、普図4変動表示ゲーム(普図4)を実行する。以後、普図4変動表示ゲームが実行される毎に普図4保留数が1デクリメント(-1更新)され、普図4保留数が0になるまで上述した普図4の変動と普電4の開放とが繰り替えされる。
〔普図1~4変動表示ゲームを実行するときのタイミングチャートの例(その2)〕
図31Bは、遊技制御装置100が普図1~4変動表示ゲームを実行するときのタイミングチャートの例(その2)である。なお、以下のタイミングチャートの説明では、図31Aと重複する内容を適宜省略して説明する。
図31Bでは、普図3保留4に基づく普図3変動表示ゲーム(普図3)が停止して当りとなったときからのタイミングの例について説明する。なお、時刻t54の直前に実行される普図3保留4に基づく普図3によって、普図3保留数は、全て消化されて0になる。また、普図2保留数は1デクリメントされて3であり(普図2保留2~4)、普図4保留数は全て消化されており0である。
図31Bの時刻t54で、普電3が開放され、例えば、4球の遊技球が普通変動入賞装置37fに入賞することで、4つの普図4保留(普図4保留1~4)が記憶される(保留4ヶ)。
その後、普電3が開状態から閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、普図4保留1(保1)に基づいて普図4変動表示ゲーム(普図4)を実行し、当該普図4が当りとなると、その後の時刻t55aで普電4が開放される。
以後、時刻t55bから時刻t55dにかけて、図31Aの時刻t5bからt5dと同様に、普図4保留2~4に基づく普図4の停止結果が当りとなる毎に、普電4が閉状態から開状態へと切り替えられる。
そして、普図4保留が全て消化された状態、すなわち普図4保留数が0の状態で、普電4が閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、普図2保留2(保2)に基づいて普図2変動表示ゲーム(普図2)を実行し、その後、当該普図2変動表示ゲームは停止されて当りとなる。
続いて、普図2保留2(保2)に基づく普図2変動表示ゲームが停止された後の時刻t32で、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37eの可動部材(普電2)を開状態(開)に切り替える。すなわち、普電2は2回目の開放となる。
そして、遊技制御装置100は、遊技球が普通変動入賞装置37eに入賞する毎に、普図3始動記憶(普図3保留(例えば4つ))を記憶し、普電2開放時間の経過または普電2カウント数の上限値到達をもって、普電2は開状態から閉状態(閉)に切り替わる。普電2が閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、記憶された普図3始動記憶(普普図3保留(図3保留1~4))のうち最も古い保留(普図3保留1(保1))に基づいて普図3変動表示ゲーム(普図3)を実行し、その後、当該普図3変動表示ゲームは停止されて当りとなる。
続いて、普図3保留1(保1)に基づく普図3変動表示ゲームが停止された後の時刻t42で、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37fの可動部材37b(普電3)を開状態(開)に切り替える。
そして、遊技制御装置100は、遊技球が普通変動入賞装置37fに入賞する毎に、普図4始動記憶(普図4保留)を記憶する。時刻t42で普電3が開放され、例えば、4球の遊技球が普通変動入賞装置37fに入賞することで、4つの普図4保留(普図4保留1~4)が記憶される(保留4ヶ)。
普電3が開状態から閉状態に切り替えられると、遊技制御装置100は、普図4保留1(保1)に基づいて普図4変動表示ゲーム(普図4)を実行し、その後、当該普図4変動表示ゲームは停止されて当りとなる。
続いて、普図4保留1(保1)に基づく普図4変動表示ゲーム(普図4)が停止された後の時刻t52で、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37gの可動部材37b(普電4)を開状態(開)に切り替える。その後、普電4が閉状態に切り替えられてから、以後同様に、普図4保留2~4(保2~4)に基づく普図4変動表示ゲームが実行される毎に普電4が開状態に切り替えられ、流下する遊技球が普通変動入賞装置37gに入賞可能となる。
このように、1つの普図2保留に基づく普図2変動表示ゲーム(普図2)によって、普図3保留が上限値(例えば4)まで記憶され、記憶された普図3保留に基づいて普図3変動表示ゲーム(普図3)を複数回(普図3保留の上限値まで)実行することができる。また、普図4変動表示ゲーム(普図4)も、同様に、1つの普図3保留に基づく普図3変動表示ゲームによって普図4保留が上限値(例えば6)まで記憶されることで、複数回(普図4保留の上限値まで)実行されることができる。すなわち、1回の普図2の実行によって、普図3が最大4回(1×4)実行され、普図4が最大24回(1×4×6)実行される。また、1回の普図1の実行によって、普図2が最大4回(1×4)、普図3が最大16回(1×4×4)、普図4が最大96回(1×4×4×6)、それぞれ実行されることができる。
その後、同様に、普図2保留3、4に基づく普図2が実行されることで複数の普図3保留が記憶され、当該普図3保留に基づく普図3の実行によって複数の普図4保留が記憶され普図4が実行される。そして、全ての普図保留(普図1~4保留)が消化されることで、一連の処理が、すなわち普図1~4の実行と当該普図が当った際の普電1~4の開放とが、終了する。
〔普図1~4変動表示ゲームを実行するときのタイミングチャートの変形例〕
図32は、遊技制御装置100が普図1~4変動表示ゲームを実行するときのタイミングチャートの変形例である。
上述の説明において、遊技制御装置100は、各普電(普電1~4)が開状態から閉状態に切り替わってから次の普図変動表示ゲーム(普図1~4)を実行するようにしていた。しかしながら、図33に示すタイミングチャートの変形例のように、遊技制御装置100は、前の普電(普電1~3)が開状態であるときに次の普図始動記憶(普図2~4保留)が発生した場合には、当該普図始動記憶に基づいて普図変動表示ゲーム(普図2~4)を実行してもよい。
すなわち、遊技制御装置100は、普電1~3開放中コマンドのいずれかが準備されているときに(前の普電が開状態であるときに)、作動1~3スイッチ共通処理によって+1更新される普図2~4保留に対応して、次の普図変動表示ゲーム(普図2~4)を開始することができる。
具体的には、図32の時刻t1に示すように、普図1始動記憶(普図1保留、消化1(消1))に基づいて普図1変動表示ゲーム(普図1)が実行され、その後、当該普図1が停止されて当りとなると、その後の時刻t2で普電1(普通変動入賞装置37dの可動部材37b)が開状態となって、普通変動入賞装置37dに遊技球が入賞可能となる。
そして、時刻t2aで、普電1の開放中に普通変動入賞装置37dに遊技球が入賞すると、当該入賞によって発生した普図2始動記憶に基づいてすぐに普図2変動表示ゲーム(普図2)が開始される。そのため、開始された普図2に対応する普図2始動記憶は消化中の保留(消1)となるので、普図2保留数(普図2始動記憶数)の上限値(例えば4)まで新たに普図2始動記憶を0から溜めることができる。したがって、本変形例では、普図2は、上限値まで+1更新された保留に加えて、消化中の保留に基づいて1回多く実行されることができる(例えば、消化1ヶ+保留4ヶ)。なお、普電1が前段(前段階)の普電に相当し、普図2始動記憶が次段(次段階)の普図始動記憶に相当する。
また、時刻t3で、普電2が開状態となると、普通変動入賞装置37eに遊技球が入賞可能となる。そして、普通変動入賞装置37eに遊技球が入賞すると、当該入賞によって発生した普図3始動記憶に基づいてすぐに普図3変動表示ゲーム(普図3)が開始される。そのため、同様に、開始された普図3に対応する普図3始動記憶が消化中の保留(消1)となるので、新たに普図3始動記憶を0から上限値(例えば4)まで溜めることができる(例えば、消化1ヶ+保留4ヶ)。なお、普電2が前段の普電に相当し、普図3始動記憶が次段の普図始動記憶に相当する。
続いて、時刻t4で、普電3が開状態になると、普通変動入賞装置37fに遊技球が入賞可能となる。そして、普通変動入賞装置37fに遊技球が入賞すると、同様に、すぐに普図4変動表示ゲーム(普図4)が開始され、開始された普図4に対応する普図4始動記憶が消化中の保留(消1)となるので、新たに普図4始動記憶(普図4保留)を0から上限値(例えば6)まで溜めることができる。なお、図32の変形例では、図31A、図31Bの例と同様に、上限値到達前に普図4始動記憶数(普図4保留数)が4まで溜まったときに普電4開放時間(例えば5500msec)が終了している(消化1ヶ+保留4ヶ)。また、普電3が前段の普電に相当し、普図4始動記憶が次段の普図始動記憶に相当する。
そして、消化中の保留(消1)に基づいて開始された普図4が当り状態で停止した後の時刻t5aで、普電4が開状態に切り替わる。ここで、普電4が開状態となった際の普図4始動記憶は、普電4と同段(同段階)の普図始動記憶であり、上述のような次段の普図始動記憶には相当しない。そのため、遊技制御装置100は、普電4が開状態から閉状態になるまで待機し、普電4が閉状態に切り替わってから、普図4始動記憶(普図4保留1(保1))に基づいて普図4を実行する。したがって、普図4の変動と普電4の開放とは重複せずに交互に行われる。
その後、時刻t5bから時刻t5eまで、普図4保留1~4(保1~4)に基づく普図4の変動と、普電4の開放とが交互に繰り返され、普図4保留数(普図4始動記憶)が全て消化されると、普図3保留1(保1)に基づいて普図3が実行される。なお、普図3保留(保1、普図3始動記憶)は、普電4の前段の普図始動記憶に相当するが、図32の時刻t5eに示すように、普電4が閉状態に切り替わるのを待機せずにすぐに変動開始されてよい。
そして、普図3保留1(保1)に基づく普図3変動表示ゲームが停止され後の時刻t6で普電3が開放され、以後、同様に消化中の保留と普図4保留とに基づいて(消化1ヶ+保留nヶ)、普図4の変動や普電4の開放が繰り返される。また、全ての普図保留(普図1~4保留)が消化されるまで、一連の処理が、すなわち普図1~4の実行と当該普図が当った際の普電1~4の開放とが、繰り返される。
〔第2変形例の遊技盤〕
なお、遊技盤30は、図2Aや図2Bに示す構成に限らず、図33に示すように構成してもよい。図33は、第2変形例の遊技盤30の正面図である。
第2変形例の遊技盤30では、遊技領域32の略中央やや下方に、3つの普図始動ゲート34と普通図柄始動口34bとが縦(遊技球の流下方向)に直列(一列)に設けられている。3つの普図始動ゲート34および普図始動口34bの内部には、当該普図始動ゲート34を通過または普図始動口34bに入球した遊技球を検出するための作動1a~1nスイッチ34a(ゲートスイッチ、図3参照)が設けられている。第2変形例の遊技盤30でも同様に、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過または普図始動口34bに入球すると、普図1変動表示ゲームが実行される。
また、第2変形例の遊技制御装置100も、普図1始動記憶(普図1保留)に基づき所定遊技状態の終了後に、再度、所定遊技状態を発生可能である(所定遊技状態の連荘)。
ここで、第2変形例の遊技盤30では、図33に示すように、3つの普図始動ゲート34や普図始動口34bが縦に並ぶように配列されているので、1個の遊技球がこれらを通過または入球しやすく、4回の普図1始動記憶(普図1保留)を一度に発生させ、所定遊技状態を4回繰り返すことが可能となっている(4連荘)。
なお、上述した複数の普図始動ゲート34と普図始動口34bとは、1球の遊技球が連続して通過可能に設けられていればよく、縦に一列に配置される構成でなくてもよい。また、上記実施例では、普図始動ゲート34と普図始動口34bとが並ぶ構成について説明したが、例えば特図変動表示ゲームを実行可能な遊技機10では特図始動ゲートと特図始動口とが並ぶように構成されてもよく、また、他のゲートと他の始動口とが並ぶように構成されてもよい。さらに、普図始動ゲート34や普図始動口34bと、他のゲートや他の始動口とが並ぶように構成されてもよい。
〔変形例の普図始動ゲート〕
また、普図始動ゲート34は、上述した図2A等のように直列に設ける構成に限らず、図34に示すように設けてもよい。図34は、変形例の普図始動ゲート34の斜視図である。
変形例の普図始動ゲート34では、多段(例えば3段(1段目、2段目、3段目))のクルーンが縦(遊技球の流下方向)に直列(一列)に並ぶ3段クルーン状に構成される。なお、クルーンは、例えば、遊技球が転動可能な皿状の部材である。
各クルーンには、例えば、下方に遊技球を通過可能な普図始動ゲート34と、遊技球を回収する2つのアウト口30bとが、設けられている。なお、各クルーンにおいて、普図始動ゲート34を2つ以上設けてもよく、アウト口30bを1つまたは3つ以上設けてもよい。また、クルーンの段数も3段に限らず、2段以下や4段以上に増減させてもよい。
遊技球は、1段目のクルーンの普図始動ゲート34を通過することで2段目のクルーンへ流下でき、2段目のクルーンの普図始動ゲート34を通過することで3段目のクルーンへと流下できる。
他方で、遊技球は、各段のクルーンに設けられたアウト口30bに入球した場合には、そのまま回収される。したがって、1球の遊技球で普図始動ゲート34を最大3回通すことができ、遊技者が当りへの期待感を高めることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、3段目のクルーンの普図始動ゲート34を通過した遊技球は、下方に流下してもよく、当該普図始動ゲート34の出口でそのまま回収されてもよい。出口でそのまま回収させる場合には、3段目のゲートは遊技球を入球させる普図始動口34bとして機能する。他方で、遊技球が下方に流下する場合には、3段目のクルーンの普図始動ゲート34の下方に図示しない普図始動口34bを設けることで、当該普図始動口34bに遊技球を入球させることもできる。
また、各クルーンに遊技球を回収するアウト口30bを設ける代わりに、遊技球が下方に通過可能な貫通孔を設けて、遊技球が各段の普図始動ゲート34に入球する機会(チャンス)を増やすようにしてもよい。このように通過口を設けることによって、例えば1段目のクルーンにおいて遊技球が普図始動ゲート34を通過できなくても、2段目、3段目のクルーンにおいて普図始動ゲート34を通過できるチャンスが続くので、遊技者の期待感を煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、3段目のクルーンの代わりに、表示画面上でクルーンの表示を行う表示装置を設け、2段目の普図始動ゲート34の通過時に発生した当り図柄乱数1を用いて飾り普図変動表示ゲームによる演出を当該表示画面上で行ってもよい。例えば、飾り普図変動表示ゲームが当りとなる場合には、表示画面上のクルーンに遊技球が入球する演出を派手に行うことができる。
また、1、2段目の普図始動ゲート34の代わりに貫通孔を設けて、3段目の普図始動ゲート34の通過時のみに普図1始動記憶を発生させるようにしてもよい。
[第1実施形態の作用・効果]
本実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(普図変動表示ゲーム、普図)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)を備え、ゲームの結果が所定の結果(当り)となる場合に、遊技者に有利な所定遊技状態を発生可能である。遊技機10は、遊技領域32を流下する遊技球が通過または入球可能な複数の始動領域(普図始動ゲート34、普図始動口34b)と、始動領域に遊技球が通過または入球した場合に、所定遊技状態の発生権利としての所定記憶(普図始動記憶、普図1保留)を記憶可能な記憶手段(遊技制御装置100)と、を備える。複数の始動領域は、1個の遊技球が複数の始動領域を連続して通過または入球可能に配置される。
このような遊技機10によれば、複数の当りを発生させ易い態様となるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機10は、複数の始動領域(普図始動ゲート34、普図始動口34b)のうち遊技領域32の最下部に配置される始動領域は、遊技球が入球可能な始動口(普図始動口34b)である。
このような遊技機10によれば、最下部以外の始動領域を通過した遊技球が最下部の始動領域に入球するので、複数の当りを発生させ易い態様となるとともに、最下部の始動領域で遊技球が回収されて所定の結果(当り)となるので、当該所定の結果となったことを遊技者が認識し易くなり、興趣を向上させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機10は、始動領域(普図始動ゲート34、普図始動口34b)に遊技球が通過または入球した場合に、所定記憶(普図始動記憶、普図1保留)としてゲーム(普図変動表示ゲーム、普図)の実行権利に対応する始動記憶を記憶可能な記憶手段(遊技制御装置100)を備え、ゲームが実行されると所定遊技状態が発生する(すなわち、ゲームが所定の結果(当り)となる確率が100%である)。
このような遊技機10によれば、始動領域に遊技球が通過または入球すると当りになるので、始動領域を狙うことに対する遊技者の意欲をより高めることができ、興趣を向上させることができる。
本実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(普図変動表示ゲーム、普図)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、ゲームの結果が所定の結果(当り)となる場合に、遊技者に有利な所定遊技状態を発生可能である。遊技機10は、ゲームに関連した表示を表示可能な表示装置41と、遊技領域32を流下する遊技球が通過または入球可能な複数の始動領域(普図始動ゲート34、普図始動口34b)と、始動領域に遊技球が通過または入球した場合に、所定遊技状態の発生権利としての所定記憶(普図始動記憶、普図1~4保留)を記憶可能な記憶手段(遊技制御装置100)と、を備える。複数の始動領域は、1個の遊技球が複数の始動領域を連続して通過または入球可能に配置される。演出制御装置は、所定遊技状態になると、または所定記憶が記憶されると、表示装置41にゲームに関連した表示を表示する。
このような遊技機10によれば、表示装置41の表示画面に遊技者が視認できるように右打ち等の打ち方示唆(右打ち指示)や連続当り回数(連荘回数)、現在の連荘回数や当り回数、各普図始動記憶数(各普図保留数)、獲得球数等を表示するとともに、複数の当りを発生させ易い態様となるので、遊技の興趣を向上させることができる。
[第2実施形態]
図35から図37Bを参照して第2実施形態の遊技機10が備える遊技制御装置100について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
〔第2実施形態の遊技制御装置の外観〕
図35は、第2実施形態の遊技制御装置100の外観を示す図である。
図35に示す遊技制御装置100は、遊技制御基板を収装する基板ボックスとして構成される。
基板ボックスは、遊技機1に取り付けられる取付ベース(第1ケース部材)と、取付ベースに取り付けられ、取付ベースとの間に遊技制御基板を収納する収納空間を画成する蓋部材(第2ケース部材)550とを備える。基板ボックスは、透明な合成樹脂によって構成され、蓋部材550が取付ベースに取り付けられた状態でも内部に収納された遊技制御基板が透視可能に構成されている。
取付ベース(第1ケース部材)と蓋部材(第2ケース部材)550とは、締め方向にしか回せないワンウェイネジ(固着具)によって封止されている。遊技制御基板を取り出すためには、ワンウェイネジを切り離す必要がある。したがって、取付ベースと蓋部材550との固着を解除すると痕跡が残り、遊技制御基板を交換するなどの不正行為が行われた場合に容易に発見することができる。
遊技制御装置100は、遊技機内の各構成又は外部機器に接続するため端子が備えられている。具体的には、基板ボックス上部に左から順に、作動1aスイッチコネクタ511、作動1bスイッチコネクタ512、一括表示用コネクタ513、演出用コネクタ514、及び作動2~5スイッチ39aを含む各種スイッチ用コネクタ515を備える。さらに、下部左側には検査端子用コネクタ516、下部右側には情報出力用コネクタ517及び電源用コネクタ518を備える。
各端子について説明すると、作動1aスイッチコネクタ511は作動1aスイッチ34aに接続され、作動1bスイッチコネクタ512は作動1bスイッチ34bに接続され、普図始動ゲート34に遊技球が入賞した場合に信号が入力される。
一括表示用コネクタ513は、接続配線501を介して一括表示装置50に接続される。一括表示用コネクタ513は、2列12ピンに構成される。また、一括表示用コネクタ513は、他のコネクタに挟まれた状態、つまり、他のコネクタよりも内側に配置されている。これにより、島設備への設置時等に遊技球が当るなどの破損/接続不良要因が発生する可能性を削減することができ、一括表示装置50に各種の表示がされなくなって遊技進行が把握できなくなる不都合を防止することができる。
演出用コネクタ514は、演出制御装置300が接続され、遊技に関わるコマンドが送信される。各種スイッチ用コネクタ515には、作動2~5スイッチ39aやカウントスイッチなどが接続される。なお、普図始動口34bに対応する作動1cスイッチ34aが接続されてもよい。
検査端子用コネクタ516は、検査装置500に接続され、検査用の信号が出力される。情報出力用コネクタ517は、図示しない情報収集装置や管理装置などの外部装置に遊技データが出力される。電源用コネクタ518は、電源装置450や払出制御装置410が接続され、電源の供給を受けたり、停電監視信号やリセット信号などの信号が入力されたり、払出に関わるコマンドが送受信されたりする。
〔第2実施形態の遊技制御装置のコネクタ周辺〕
次に、図36Aから図36Cを参照して、第2実施形態の遊技制御装置100のコネクタ(特に作動1bスイッチコネクタ512)周辺の構成について説明する。
図36Aは、第2実施形態の遊技制御装置100の一部を拡大した正面図である。図36Bは、第2実施形態の遊技制御装置100の作動1bスイッチコネクタ512周囲のパターン(回路、配線)を裏面側から見たパターン拡大図(裏面)であり、図36Cは、当該作動1bスイッチコネクタ512周囲を拡大した拡大図である。
図36Aに示すように、第2実施形態の遊技制御装置100の遊技制御基板には配線或は回路の種々のパターン(例えばパターン531~534等)が形成されている。なお、遊技制御基板は、例えば、一般的な両面のプリント基板(両面基板)である。
そして、例えば、パターン531は、図36Bに示すように、貫通孔(ビアホール)531aを介して遊技制御基板の裏面にも電気的に接続する(導通する)裏面パターン531bとして形成され、当該裏面から作動1bスイッチコネクタ512の2ピンのコネクタピン512bの片側に接続される。なお、図36Bでは、裏面パターン531bを含む遊技制御基板の裏面に形成される裏面パターン(第2パターン)を実線で示し、遊技制御基板の表面に形成されるパターン(第1パターン)を破線で示している。また、ここで、遊技制御基板の表面は作動1bスイッチコネクタ512等のコネクタを備える側の面(第1面)のことであり、裏面は当該コネクタを備えない側の面(第2面)のことである。
また、コネクタピン512bは、コネクタ本体512aに固定されており、スルーホールを介して遊技制御基板の表面から突出する。コネクタ本体512aは、対応するコネクタを挿す際に向きの整合がとれるように、側面の一面が他面とは異なる形状(例えば凹部状)に形成される。また、遊技制御基板の各コネクタのコネクタ本体は、対応するコネクタとの整合が取れるように、他のコネクタのコネクタ本体とは異なる形状(例えば、異なる長さや凹部の形状)に形成される。これにより、コネクタ本体へ間違ったコネクタが挿しこまれることを防止できる。
蓋部材550には、作動1bスイッチコネクタ512を蓋部材550の外側に露出させる開口550bが形成される。開口550bは、作動1bスイッチコネクタ512のコネクタ本体512の形状に沿う矩形状に形成される。蓋部材550と作動1bスイッチコネクタ512のコネクタ本体512aとの間には、距離D1や距離D2の隙間(隙間部)が生じる。
ここで、パターン531は、上述の通り遊技制御基板の裏面に形成される裏面パターン531bからコネクタピン512bの片側へと接続されているので、遊技制御基板の表面における作動1bスイッチコネクタ512周囲には形成されない。また、遊技制御基板の表面における作動1bスイッチコネクタ512周囲には、パターン531以外の種々のパターン(パターン532~534等を含む遊技制御基板のパターン)も同様に形成されない。
したがって、遊技制御基板の表面から開口550bを介して、パターン531を含む遊技制御基板の種々のパターンに対し電気的な接続を図ろうとしても、これらのパターンは、作動1bスイッチコネクタ512の周囲において遊技制御基板の裏面に形成されているので、電気的な接続を図ることができない。その結果、作動1bスイッチコネクタ512周辺からの不正なアクセスを効果的に防ぐことができるので、遊技機10の品質を向上させることができる。また、開口550bは矩形状に形成されるので、作動1bスイッチコネクタ512に対する開口550bの寸法誤差を許容しやすくなり、安価に製造できるようになるので、生産性(スループット)を向上させることができる。
また、図36Aに示すように、貫通孔531aと開口550bの外周部(蓋部材550の開口550b周辺の縁部)との距離L1は、作動1bスイッチコネクタ512のコネクタ本体512aと開口550bの外周部(蓋部材550の縁部)との距離D1や距離D2以上となる。さらに、パターン531は、概ね距離D1(一部で距離D2)の間隔をもって形成される隙間部を通過しない位置(重ならない位置)に設けられている。
ここで、距離L1は、貫通孔531aと開口550bの外周部との間で最も近接した部分の距離である。
また、距離D1は、コネクタ本体512aと開口550bの外周部との間の通常の隙間(設計上の許容スペース、例えば2mm)であり、距離D2は、コネクタ本体512aと開口550bの外周部との間で最も離間した部分の距離(例えば5mm)である。
したがって、距離L1が距離D1や距離D2以上となっているので、開口550bから貫通孔531aやパターン531に対して電気的な接続を図ろうとしても、開口550bの外周部までの距離が遠くなっておりアクセスするのが困難である。その結果、不正を効果的に防ぐことができ、遊技機10の品質を向上させることができる。
なお、貫通孔531aと開口550bの外周部との間で最も近接した距離L1と、距離D1、D2との関係について説明したが、貫通孔531aとコネクタ本体512aとの間で最も近接した距離と、距離D1、D2についても同様の関係とすることができる。すなわち、貫通孔531aとコネクタ本体512aとの間で最も近接した距離は、距離D1や距離D2以上となる。このような関係とすることによっても、開口550bから貫通孔531aやパターン531に対して電気的な接続を図ろうとしても、コネクタ本体512aまでの距離が遠くなっておりアクセスするのが困難になるので、不正を効果的に防ぐことができ、遊技機10の品質を向上させることができる。
また、パターン531や貫通孔531aは、コネクタ本体512aと開口550bの外周部(蓋部材550の縁部)との間に形成される隙間部を通過しない位置に設けられ(換言すると開口550b内には配置されず蓋部材550に覆われて配置されるので)、同様に、貫通孔531aやパターン531に対して電気的な接続を図ろうとした際のアクセスが困難になるので、不正を効果的に防ぐことができ、遊技機10の品質を向上させることができる。
さらに、貫通孔531aは、蓋部材550の側壁部550aと重なる位置に形成される。側壁部550aは、蓋部材550の側面を形成する面の一部であり、遊技制御基板から離れる方向に角度をもって(例えば垂直に)起立し延在する面である。作動1bスイッチコネクタ512等のコネクタは、蓋部材550aとの間に形成される隙間が小さくなるように、また、対応するコネクタが挿しやすくなるように、側壁部550aの外側に形成される。なお、貫通孔531aは、側壁部550aよりも作動1bスイッチコネクタ512から離れた位置に形成されてもよい。
なお、作動1bスイッチコネクタ512以外の他のコネクタ周辺の構成についても、上記した説明と同様の構成を適用することができる。また、下記の変形例でも、上記した説明と同様の構成を、作動1bスイッチコネクタ512以外の他のコネクタ周辺の構成に適用することができる。
〔第2実施形態の変形例の遊技制御装置のコネクタ周辺〕
次に、図37Aおよび図37Bを参照して、第2実施形態の変形例の遊技制御装置100のコネクタ(特に作動1bスイッチコネクタ512)周辺の構成について説明する。
図37Aは、第2実施形態の変形例の遊技制御装置100の一部を拡大した正面図である。図37Bは、第2実施形態の変形例の遊技制御装置100の作動1bスイッチコネクタ512周囲を拡大した拡大図である。
図37Aに示すように、第2実施形態の変形例の遊技制御装置100の遊技制御基板においても、種々のパターン(例えばパターン531~534等)やコネクタ(特に作動1bスイッチコネクタ512)は、図36Aで上述した第2実施形態の遊技制御基板と同様に形成される。
一方で、蓋部材550の開口550bは、図37Bに示すように、コネクタ本体512aと開口550bの外周部(蓋部材550の開口550b周辺の縁部)との間の隙間(隙間部)が略均一の距離D1(例えば2mm)となるように凹部状に形成される。すなわち、開口550bは、作動1bスイッチコネクタ512のコネクタ本体512の形状により的確に沿うように凹部状に形成される。そのため、変形例の蓋部材550では、コネクタ本体512aと開口550bの外周部との間で、全周にわたり一定の距離D1が保たれる。距離D1は、距離D2と比べて、比較的狭い距離になる。
したがって、変形例の遊技制御装置100の遊技制御基板では、コネクタ本体512aと開口550bの外周部との間に形成される隙間(隙間部)から貫通孔531aやパターン531に対して電気的な接続を図ろうとしても、当該隙間の間隔が広くなる領域がないので、不正なアクセスを試みるために部材を挿入する余地が少なくなる。その結果、不正を効果的に防ぐことができ、遊技機10の品質を向上させることができる。
[第2実施形態の作用・効果]
本実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(普図変動表示ゲーム、普図)の制御を行う制御装置(遊技制御装置100)を備え、ゲームの結果が所定の結果(当り)となる場合に遊技者に有利な所定遊技状態を発生可能な遊技機10において、制御装置は、当該制御装置の外部と電気的に接続可能な配線の配線側コネクタが接続されるコネクタ(例えば、作動1bスイッチコネクタ512)と、当該制御装置を覆うカバー部材(蓋部材550)と、を備え、カバー部材は、コネクタを露出させる開口550bを有し、開口550bは、コネクタの形状に沿った形状である。
このような遊技機10によれば、コネクタ本体512aと開口550bの外周部との間に形成される隙間(隙間部)から貫通孔531aやパターン531に対して電気的な接続を図ろうとしても、当該隙間は全周にわたり一定の距離D1が保たれ間隔が広くなる領域がないので、不正なアクセスを試みるために部材を挿入する余地が少なくなる。その結果、不正を効果的に防ぐことができ、遊技機10の品質を向上させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機10では、制御装置(遊技制御装置100)は、コネクタ(例えば、作動1bスイッチコネクタ512)と電気的に接続するパターン(例えば、パターン531)をさらに備え、当該パターンは、制御装置におけるコネクタを備える側の面(表面、第1面)において、当該コネクタと開口550bとの間に形成される隙間部(隙間、設計上の許容スペース、例えば2mm)を通過しない。
このような遊技機10によれば、コネクタと開口部550bとの間に形成される隙間部をパターン(例えばパターン531等)が通過することがないので、貫通孔531aやパターン531に対して電気的な接続を図ろうとした際のアクセスが困難になって、不正を効果的に防ぐことができ、遊技機10の品質を向上させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機10では、コネクタ(例えば、作動1bスイッチコネクタ512)と電気的に接続するパターン(例えば、パターン531)と、制御装置(遊技制御装置100)を覆うカバー部材(蓋部材550)と、を備える。カバー部材は、コネクタを露出させる開口550bを有する。開口550bは、矩形状に形成される。パターンは、制御装置におけるコネクタを備える側の面(表面、第1面)において、コネクタと開口550bとの間に形成される隙間部を通過しない。
このような遊技機10によれば、制御装置のコネクタを備える面において、パターンが隙間部を通過することがないので、電気的な接続を図ることができなく、不正なアクセスを効果的に防ぐことができる。また、開口550bが矩形状に形成されることによってコネクタを接続する際の嵌合の誤差を許容できるようになるので、安価に製造できるようになり、生産性(スループット)を向上させることができる。
本実施形態に係る遊技機10では、制御装置(遊技制御装置100)に設けられる他の電子部品またはコネクタ(例えば、作動1bスイッチコネクタ512)と電気的に接続するパターン(例えば531)と、当該制御装置のコネクタを備える側の面(表面、第1面)と他面(裏面、第2面)との間でパターンを導通させる貫通孔531aと、当該制御装置を覆うカバー部材(蓋部材550)と、を備える。カバー部材は、コネクタを露出させる開口550bを有する。貫通孔531aと開口550bの外周部(蓋部材550の開口550bの周辺の縁部)との距離L1は、コネクタと開口550bの外周部との距離D1や距離D2以上となる。
このような遊技機10によれば、距離L1が距離D1や距離D2以上となっているので、開口550bから貫通孔531aやパターン531に対して電気的な接続を図ろうとしても、距離が遠くなっておりアクセスするのが困難になる。その結果、不正を効果的に防ぐことができ、遊技機10の品質を向上できる。
また、本実施形態に係る遊技機10では、カバー部材(蓋部材550)は、制御装置(遊技制御装置100)のコネクタを備える側の面(表面、第1面)から起立する方向(遊技制御装置100の遊技制御基板から離れる方向)に角度をもって(例えば垂直に)延在する側壁部550aを有する。貫通孔のうちコネクタ(例えば、作動1bスイッチコネクタ512)に最も近い位置に形成される貫通孔531aは、側壁部550aと重なる位置または側壁部550aよりもコネクタから離れた位置に形成される。
このような遊技機10によれば、蓋部材550の側壁部550aと重なる位置または側壁部550aよりもコネクタから離れた位置に貫通孔531aが形成されることになるので、距離が遠くなってアクセスするのが困難となって不正を効果的に防ぐことができ、遊技機10の品質を向上できる。また、側壁部550aは、遊技制御基板から離れる方向に角度をもって起立しているので、仮に側壁部550aに不正に穴が空けられても、穴の直下に貫通孔531aやパターン531が配列されずアクセスが難しくなるので、不正を効果的に防ぐことができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。また、例えば、本発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもできる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。