JP7262265B2 - 遠心分離キット - Google Patents

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本発明は、細胞療法に用いる細胞懸濁液の遠心分離キットに関する。
白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等の治療に、造血幹細胞移植が行われている。造血幹細胞移植では、造血幹細胞を含む、臍帯血、骨髄液又は末梢血等の細胞懸濁液を凍結保存しておき、移植直前に細胞懸濁液を融解して患者に投与する。
細胞懸濁液は、柔軟な樹脂製の医療用容器に封入された状態で凍結保存される。特許文献1及び特許文献2には、細胞懸濁液の保存に使用可能な樹脂製の医療用容器が開示されている。
特開2010-229256号公報 特開2014-180326号公報
細胞懸濁液は、凍結保存を行う際に幹細胞の細胞膜を保護するために、ジメチルスルホキシド(DMSO)といった両極性溶媒よりなる保護剤が10%程度添加される。このような保護剤を添加することにより、凍結時の氷の結晶の成長が抑制され、幹細胞の破壊を防ぐことができる。
しかしながら、細胞懸濁液に残留するDMSOは、健康に与える影響が懸念される。DMSOを細胞懸濁液から除去するためには、細胞を遠心分離し、再度、無害な液剤に分散させて懸濁させるといった操作が必要となる。上記の操作は無菌的に行う必要があり、煩雑であるため現在は行われていない。そのため、細胞懸濁液を融解した後は、保護剤を含んだまま患者に投与されている。
本発明は、簡便な操作で細胞懸濁液の洗浄を行うことができる遠心分離キットを提供することを目的とする。
本発明の一観点は、細胞懸濁液の洗浄に用いる遠心分離キットであって、周縁部を封止して形成され、前記細胞懸濁液を収容する収容室と、前記周縁部を貫通して前記収容室に連通するポートと、を有する洗浄処理用バッグと、遠心分離器に装着され、前記細胞懸濁液を収容した前記洗浄処理用バッグの前記ポートを遠心方向の内側に向け、且つ、前記洗浄処理用バッグを前記遠心方向に平行な向きに保持する遠心冶具と、上側ロッドと、下側ロッドと、前記上側ロッドと前記下側ロッドとを回動可能に連結する軸部と、を有し、前記上側ロッドと前記下側ロッドとで前記洗浄処理用バッグを挟み込むことで、前記洗浄処理用バッグの前記収容室を前記遠心方向の内側の領域と前記遠心方向の外側の領域とに仕切るクランプと、を備え、前記遠心冶具は、前記遠心冶具の前記洗浄処理用バッグ側の面に、前記遠心方向に垂直な幅方向に延び、前記下側ロッドを挿入可能な、溝状凹部を有する、遠心分離キットにある。
上記観点の遠心分離キットによれば、簡便な操作で細胞懸濁液の保護剤を希釈減少させることができる。
細胞懸濁液の洗浄方法の概要を示す説明図である。 第1実施形態に係る遠心冶具の斜視図である。 図2の遠心分離キットを用いた細胞懸濁液の上清の除去の様子を示す斜視図である。 図4Aは、第2実施形態に係る洗浄処理用バッグの平面図であり、図4Bは第2実施形態に係る遠心分離キットを用いた細胞懸濁液の上清の除去の様子を示す斜視図である。 図5Aは、第3実施形態に係る遠心分離キットの組立前の斜視図であり、図5Bは図5Aの遠心分離キットにおいて遠心分離後の状態を示す斜視図である。 図5Aの遠心分離キットを用いた細胞懸濁液の上清の除去の様子を示す斜視図である。 図7Aは、第3実施形態に係る洗浄処理用バッグの平面図であり、図7Bは図7AのVIIB-VIIB線で示す部分の拡大断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、洗浄処理用バッグ12、12A、12Bが遠心分離器104にセットされた際に遠心力が作用する方向を遠心方向とよぶ。また、遠心方向のうち相対的に低比重の成分が分離される方向を「内側」又は「内方」とよび、相対的に大比重の成分が分離される方向を「外側」又は「外方」と呼ぶ。また、幅方向とは、遠心方向に直交する方向であって、且つ、洗浄処理用バッグ12、12A、12B及び遠心冶具14、14Aの上面14bに平行な方向をいうものとする。
(第1実施形態)
図1を参照しつつ、細胞懸濁液80の洗浄方法の概要について説明する。幹細胞移植に用いる、臍帯血、骨髄液及び末梢血等の細胞懸濁液80は、保存用バッグ102に収容され、冷凍庫100で凍結保存されている。細胞移植の際には、医療施設の輸血部において、冷凍庫100から保存用バッグ102を取り出し、室温又は所定温度の加温条件の下で、保存用バッグ102内の細胞懸濁液80を融解させる。
細胞懸濁液80には、DMSO等の保護剤が10%程度の濃度添加されているため、後に詳細に説明する遠心分離キット10を用いて、細胞懸濁液80の洗浄を行う。遠心分離キット10は、洗浄処理用バッグ12と遠心冶具14とを備えて構成される。まず、保存用バッグ102の接続チューブ102aを洗浄処理用バッグ12に無菌接続する。そして、保存用バッグ102内の細胞懸濁液80を洗浄処理用バッグ12に移送する。
次に、細胞懸濁液80を収容した洗浄処理用バッグ12を遠心冶具14に装着して遠心分離キット10を組み立てる。その後、遠心分離キット10を遠心分離器104に装着して、遠心分離を行う。その後、遠心分離キット10を遠心分離器104から取り出して、洗浄処理用バッグ12にクランプ18を装着する。クランプ18により、遠心方向の外側の細胞濃縮部82を含む領域20bと、遠心方向の内側の領域20aとに仕切られる。次に、洗浄処理用バッグ12に接続チューブ106aを介して廃液バッグ106を接続し、上清84を廃液バッグ106に除去して細胞の濃縮を行う。保護剤の大部分は上清84とともに除去される。
その後、クランプ18を取り外すとともに、洗浄処理用バッグ12を遠心冶具14から取り外す。そして、細胞濃縮部82を移植に適した濃度に希釈するべく、接続チューブ108aを介して置換液バッグ108を洗浄処理用バッグ12に接続する。そして、置換液バッグ108の置換液86を洗浄処理用バッグ12に移送して、細胞濃縮部82(図4B等参照)を置換液86で希釈して懸濁させて、洗浄された細胞懸濁液88を調整する。置換液86としては、生理食塩水やリンゲル液等を用いることができる。細胞懸濁液88では、置換液86によって保護剤が希釈されるため、保護剤の生体への毒性が低下する。必要に応じて、細胞懸濁液88に対して、上記の遠心分離、濃縮及び希釈が行われる。このようにして得られた細胞懸濁液88が患者に投与される。
以上のように、遠心分離キット10は、細胞懸濁液80の洗浄に用いられるものであり、以下その詳細についてさらに説明する。
図2に示すように、遠心分離キット10は、細胞懸濁液80を収容する洗浄処理用バッグ12と、洗浄処理用バッグ12を所定の向きに保持する遠心冶具14とを備える。洗浄処理用バッグ12は、矩形状に成形された一対の樹脂フィルムよりなり、これらの樹脂フィルムを厚さ方向に重ね合わせてその周縁部22を溶着又は接着により接合することで、収容室20が形成されている。洗浄処理用バッグ12の端部12aには、ポート24が形成されている。
ポート24は、周縁部22の溶着部分を貫通して、収容室20に連通している。ポート24には、保存用バッグ102、廃液バッグ106及び置換液バッグ108と無菌接続するべく、熱可塑性を有する合成樹脂製のチューブが装着されていてもよい。また、洗浄処理用バッグ12の周縁部22の四隅には、遠心冶具14の所定位置に装着するための装着構造としての装着孔26が形成されている。装着孔26は、遠心冶具14側の装着ピン28にそれぞれ挿入されるように構成されている。装着孔26に装着ピン28を挿入すると、遠心冶具14の所定位置及び所定方向に洗浄処理用バッグ12が位置決めされて保持される。
遠心冶具14は、平面視して矩形状の形成された板状の本体部14aを備える。本体部14aの上面14bにおいて、洗浄処理用バッグ12を下方から支持する。本体部14aの上面14bには、クランプ装着構造としての溝状凹部30が幅方向に延びて形成されている。溝状凹部30には、図3に示すように、洗浄処理用バッグ12を上下から挟み込んで、収容室20を仕切るクランプ18の下側ロッド18cを挿入することができるように構成されている。
また、図2に示すように、遠心冶具14の上面14bからは、洗浄処理用バッグ12の装着孔26に挿入可能な装着ピン28が突出して形成されている。遠心冶具14は、遠心分離器104に装着して使用される際に、洗浄処理用バッグ12のポート24が形成された端部12aが遠心方向の内側となり、洗浄処理用バッグ12の端部12bが遠心方向の外側となる向きで洗浄処理用バッグ12を保持する。すなわち、遠心冶具14の装着ピン28及び洗浄処理用バッグ12の装着孔26は、洗浄処理用バッグ12のクランプ18が取り付けられる部位(クランプ取付部位)と、クランプ装着構造とを位置合わせして保持するバッグ保持部材を構成している。なお、バッグ保持部材は、装着ピン28及び装着孔26の組み合わせに限定されるものではなく、嵌合、係合、吸着等の様々な手法で洗浄処理用バッグ12と遠心冶具14との相対的な位置を固定する手段で構成してもよい。
本実施形態の遠心分離キット10は以上のように構成され、以下、その作用について説明する。
遠心分離キット10は、遠心分離器104に装着され使用される。遠心分離器104においては、図2に示す遠心方向の外側に向けて遠心力が作用する。洗浄処理用バッグ12に作用する遠心力は、100~300G程度とすることができ、遠心力を作用させる時間は、数分~10分程度とすることができる。このような遠心力を作用させることにより、図3に示すように、相対的に比重の大きな細胞が洗浄処理用バッグ12の端部12bに沈殿する。すなわち、細胞懸濁液80は、洗浄処理用バッグ12の収容室20の内部で、細胞が高濃度で含まれる細胞濃縮部82と、細胞がほとんど含まれない上清84とに分離する。
このようにして、細胞濃縮部82と上清84とに分離した洗浄処理用バッグ12に対して、クランプ18を装着する。クランプ18は、上側ロッド18bと下側ロッド18cとを軸部18aで回動自在に連結して構成されており、上側ロッド18bと下側ロッド18cとを閉じると、下側ロッド18cの一部が上側ロッド18bに嵌合するように構成されている。クランプ18の下側ロッド18cを遠心冶具14の溝状凹部30に差し入れて、上側ロッド18bと下側ロッド18cとで洗浄処理用バッグ12を挟み込むことで、洗浄処理用バッグ12の収容室20が、遠心方向の内側の領域20aと、遠心方向の外側の領域20bとに液密に仕切られる。
収容室20の領域20aには、上清84が収容されており、領域20bには細胞濃縮部82が含まれており、両者を分離することが可能となる。なお、洗浄処理用バッグ12を動かすと、細胞濃縮部82が上清84と再懸濁するおそれがあるが、本実施形態の遠心冶具14を用いることにより、洗浄処理用バッグ12を動かすことなく、クランプ18を装着できるため、細胞濃縮部82の再懸濁を防ぐことができる。
このようにしてクランプ18を装着した後、廃液バッグ106の接続チューブ106aを洗浄処理用バッグ12のポート24に無菌的に接合する。そして、クランプ18で挟んだ状態のまま、洗浄処理用バッグ12の領域20aを押圧して、上清84を廃液バッグ106に排出する。これにより、収容室20から上清84とともに保護剤が除去され、細胞濃縮部82が濃縮されたことになる。
その後、図1に示すように、置換液バッグ108を洗浄処理用バッグ12に接続して、洗浄処理用バッグ12の細胞濃縮部82を置換液86で希釈し、洗浄処理用バッグ12を振動させる等することで、細胞を懸濁させる。これにより、保護剤が希釈洗浄された細胞懸濁液88が得られる。
本実施形態の遠心分離キット10、洗浄処理用バッグ12及び遠心冶具14は以下の効果を奏する。
本実施形態の遠心分離キット10は、移植対象となる細胞を含んだ細胞懸濁液80の洗浄に用いる遠心分離キット10であって、周縁部22を封止して形成され、細胞懸濁液80を収容する収容室20と、周縁部22を貫通して収容室20に連通するポート24と、を有する洗浄処理用バッグ12と、遠心分離器104に装着され、細胞懸濁液80を収容した洗浄処理用バッグ12のポート24を遠心方向の内側に向け、且つ、洗浄処理用バッグ12を遠心方向に略平行な向きに保持する遠心冶具14と、を備え、遠心冶具14は、洗浄処理用バッグ12の収容室20を遠心方向の内側の領域20aと遠心方向の外側の領域20bとに仕切るクランプ18を装着するためのクランプ装着構造を備えている。
上記の遠心分離キット10によれば、洗浄処理用バッグ12を不用意に動かすことなくクランプ18を装着することができ、遠心分離された細胞濃縮部82の再懸濁を防ぎつつ、細胞濃縮部82から上清84を分離して除去することができる。これにより、希少な細胞を無駄にすることなく、上清84及び保護剤を分離除去することができる。
上記の遠心分離キット10において、遠心冶具14のクランプ装着構造は、遠心冶具14の上面14bに形成され、遠心方向に垂直な幅方向に延びた溝状凹部30を備えていてもよい。このような溝状凹部30を設けることにより、洗浄処理用バッグ12を動かすことなく、洗浄処理用バッグ12の下側にクランプ18の下側ロッド18cを挿入して、クランプ18で洗浄処理用バッグ12を挟み込むことができる。
上記の遠心分離キット10において、遠心冶具14は、洗浄処理用バッグ12のクランプ18が取り付けられる部位と、クランプ装着構造とを位置合わせして保持するバッグ保持部材を備えていてもよい。この場合、バッグ保持部材は、遠心冶具14の上面14bから突出した装着ピン28と、洗浄処理用バッグ12に設けられた装着孔26として構成することができる。このように構成することで、洗浄処理用バッグ12の装着方向を正しい方向及び位置に保つことができ、装着方向の間違えによるやり直しを防ぐことができる。
上記の洗浄処理用バッグ12は、移植対象となる細胞を含んだ細胞懸濁液80の洗浄に用いる洗浄処理用バッグ12であり、樹脂フィルムの周縁部22を封止して形成され細胞懸濁液80を収容する収容室20と、周縁部22を貫通して収容室20に連通するポート24と、洗浄処理用バッグ12のポート24を遠心方向の内側に向け、且つ洗浄処理用バッグ12を遠心方向に略平行に向けて保持する遠心冶具14に装着するための装着構造を備えている。この場合、装着構造は、洗浄処理用バッグ12の隅に設けた装着孔26として構成することができる。このように構成することで、洗浄処理用バッグ12を正しい方向及び位置で遠心冶具14に装着でき、装着方向の間違えを防ぐことができる。
上記の遠心冶具14は、遠心分離器104に装着され、移植対象となる細胞を含んだ細胞懸濁液80の洗浄に用いる洗浄処理用バッグ12を所定方向に向けて保持する遠心冶具14であって、洗浄処理用バッグ12は、周縁部22を封止して形成され、細胞懸濁液80を収容する収容室20と、周縁部22を貫通して収容室20に連通するポート24と、を有し、遠心冶具14は、洗浄処理用バッグ12のポート24を遠心方向の内側に向け、且つ洗浄処理用バッグ12を遠心方向に略平行な向きに保持する本体部14aと、洗浄処理用バッグ12を遠心方向の外側の領域20bと内側の領域20aとに液密に仕切るクランプ18を洗浄処理用バッグ12に装着するためのクランプ装着構造と、を備えている。上記の遠心冶具14によれば、洗浄処理用バッグ12を不用意に動かすことなくクランプ18を装着することができる。
上記の遠心冶具14において、クランプ装着構造は、遠心冶具14の上面14bに形成され、遠心方向に垂直な幅方向に延びた溝状凹部30としてもよい。これにより、洗浄処理用バッグ12を動かすことなく、洗浄処理用バッグ12の下側にクランプ18の下側ロッド18cを挿入して、クランプ18で洗浄処理用バッグ12を挟み込むことができる。
(第2実施形態)
図4A及び図4Bに示すように、本実施形態の遠心分離キット10Aでは、洗浄処理用バッグ12Aにおいて、第1実施形態の洗浄処理用バッグ12(図2参照)と異なる。なお、本実施形態において、図2の遠心分離キット10と同様の構成については同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図4Aに示すように、洗浄処理用バッグ12Aは、一対の樹脂フィルムの周縁部22を接合した部分の内側に収容室20Aが形成されている。洗浄処理用バッグ12の一方の端部12aには、周縁部22の溶着部分を貫通して収容室20Aに連通したポート24が設けられている。洗浄処理用バッグ12Aのポート24と対向する端部12b側において、収容室20Aが幅方向に絞られた絞部32が設けられている。絞部32においては、収容室20Aの幅が端部12bに向かうにしたがって狭くなるように形成されている。
図4Bに示すように、洗浄処理用バッグ12Aは、収容室20Aに細胞懸濁液80が収容された状態で、遠心冶具14に装着されて遠心分離キット10Aが構成される。このような遠心分離キット10Aを遠心分離器104(図1参照)に装着して遠心分離を行うと、遠心力により、細胞が遠心方向の外側に集まる。本実施形態では、洗浄処理用バッグ12Aにおいて収容室20Aの絞部32の端部に向けて細胞が沈殿し、絞部32に細胞濃縮部82と上清84との界面が現れる。その界面の近傍にクランプ18を装着することで、収容室20Aを内側の領域20aと外側の領域20bとに仕切ることができる。
このように、本実施形態の遠心分離キット10A及び洗浄処理用バッグ12Aは、洗浄処理用バッグ12Aの収容室20Aのポート24と対向する端部12b付近が幅方向に細く絞られている。これにより、収容室20Aが幅方向に狭くなった絞部32に細胞濃縮部82と上清84との界面が現れるため、界面が安定するとともに、界面の見極めが容易となる。その結果、細胞濃縮部82により近い部分にクランプ18を装着することができ、細胞濃縮部82の細胞を無駄にすることなく、上清84を除去することができる。
(第3実施形態)
図5Aに示すように、本実施形態の遠心分離キット10Bは、遠心冶具14Aにおいて、第2実施形態の遠心分離キット10A(図4B参照)と異なる。なお、遠心分離キット10Bにおいて、洗浄処理用バッグ12Aに代えて、洗浄処理用バッグ12(図2参照)を用いてもよい。本実施形態において、図4Bの遠心分離キット10Aと同様の構成については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5Aに示すように、遠心分離キット10Bは、遠心冶具14Aの遠心方向外側の一部が屈曲可能に構成されている。遠心冶具14Aは、矩形状に形成された内側本体部36と、矩形状に形成された外側本体部38とを備えている。内側本体部36と外側本体部38とは、同じ幅に形成されている。外側本体部38の遠心方向の長さは、内側本体部36の遠心方向の長さよりも短く形成されている。内側本体部36の他端部36bの下端には、回動軸部40(ヒンジ部)が設けられている。外側本体部38は、回動軸部40を介して内側本体部36に取り付けられている。回動軸部40は、内側本体部36の他端部36bに沿って幅方向に延びており、幅方向の回動軸周りに回動可能に外側本体部38に接続されている。外側本体部38が上方に回動すると、内側本体部36の他端部36bに外側本体部38の一端部38aが当接して回動が停止する。この状態では、内側本体部36の上面14b1と外側本体部38の上面14b2とが面一となり、洗浄処理用バッグ12Aの下面全面を遠心冶具14Aが支持するようになっている。
以下、本実施形態の遠心分離キット10Bの作用について説明する。
遠心分離キット10Bは、洗浄処理用バッグ12Aの装着孔26を内側本体部36の上面14b1に設けられた装着ピン28に装着した状態で、遠心分離器104(図1参照)に装着される。遠心方向に外側本体部38は、遠心方向に遠心力が作用している状態では、図示の位置から遠心方向に回動する。この状態では、内側本体部36の上面14b1と、外側本体部38の上面14b2とが面一になり、洗浄処理用バッグ12Aを下方から支持する。
図5Bに示すように、遠心分離の後、遠心分離キット10Bを遠心分離器104から取り出すと、重力の作用により外側本体部38が下方に屈曲する。その後、図6に示すように、外側本体部38が洗浄処理用バッグ12Aから離間するため、洗浄処理用バッグ12Aを動かすことなく、クランプ18を装着することが可能となる。
本実施形態の遠心分離キット10B、遠心冶具14Aのクランプ装着構造として、遠心方向に垂直な幅方向に延びた回動軸部40を有し、遠心冶具14Aの回動軸部40よりも遠心方向の外側本体部38が洗浄処理用バッグ12Aから離間する方向に回動可能となっている。これにより、洗浄処理用バッグ12Aを動かすことなく、クランプ18を装着することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、図4Aに示す洗浄処理用バッグ12Aの変形例について説明する。図7Aに示すように、本実施形態の洗浄処理用バッグ12Bには、幅方向に延びて収容室20Aを横断するように形成された折目41が形成されている。折目41は、絞部32又はその近傍に設けられている。
図7Bに示すように、折目41は、洗浄処理用バッグ12Bを構成する一方の樹脂フィルム44に設けられた溝部44aと、他方の樹脂フィルム46に設けられた溝部46aとを備えている。なお、折目41は、樹脂フィルム44又は樹脂フィルム46の一方に設けられた溝部で構成されていてもよい。
本実施形態の洗浄処理用バッグ12Bによれば、折目41を折り返すことにより、細胞濃縮部82の流動が妨げられるため、上清84のみを分離除去することができる。なお、洗浄処理用バッグ12Bを、遠心冶具14(図2参照)又は遠心冶具14A(図5A参照)に装着して遠心分離キット10、10Bを構成してもよい。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10、10A、10B…遠心分離キット 12、12A、12B…洗浄処理用バッグ
14、14A…遠心冶具 18…クランプ
20、20A…収容室 22…周縁部
24…ポート 26…装着孔
28…装着ピン 30…溝状凹部
32…絞部 36…内側本体部
38…外側本体部 40…回動軸部

Claims (4)

  1. 細胞懸濁液の洗浄に用いる遠心分離キットであって、
    周縁部を封止して形成され、前記細胞懸濁液を収容する収容室と、前記周縁部を貫通して前記収容室に連通するポートと、を有する洗浄処理用バッグと、
    遠心分離器に装着され、前記細胞懸濁液を収容した前記洗浄処理用バッグの前記ポートを遠心方向の内側に向け、且つ、前記洗浄処理用バッグを前記遠心方向に平行な向きに保持する遠心冶具と、
    上側ロッドと、下側ロッドと、前記上側ロッドと前記下側ロッドとを回動可能に連結する軸部と、を有し、前記上側ロッドと前記下側ロッドとで前記洗浄処理用バッグを挟み込むことで、前記洗浄処理用バッグの前記収容室を前記遠心方向の内側の領域と前記遠心方向の外側の領域とに仕切るクランプと、を備え、
    前記遠心冶具は、前記遠心冶具の前記洗浄処理用バッグ側の面に、前記遠心方向に垂直な幅方向に延び、前記下側ロッドを挿入可能な、溝状凹部を有する、
    遠心分離キット。
  2. 請求項1記載の遠心分離キットであって、前記洗浄処理用バッグの前記収容室は、前記ポートと対向する端部側が前記遠心方向に垂直な幅方向に細く絞られている、遠心分離キット。
  3. 請求項1又は2記載の遠心分離キットであって、前記洗浄処理用バッグには、前記クランプが取り付けられる部位に折目が形成されている、遠心分離キット。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の遠心分離キットであって、前記遠心冶具は前記洗浄処理用バッグの前記クランプが取り付けられる部位と、前記溝状凹部とを位置合わせして保持するバッグ保持部材を備えた、遠心分離キット。
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