JP7261994B2 - 抗菌方法及び抗菌装置 - Google Patents

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本発明は、光を照射することによる抗菌方法及び抗菌装置に関する。
浴室若しくはキッチンなどの水廻り設備、又は、天井裏若しくは床下などの湿気が多い場所には、カビが発生する。発生したカビを除去するには、例えば、光触媒を利用する技術が知られている。例えば、特許文献1には、紫外光を光触媒に照射することで光触媒を活性化させて、触媒反応により抗菌及び防臭を行うことが開示されている。
特開2006-200358号公報
しかしながら、上記従来の技術では、紫外光が照射される床及び壁などは、紫外光に対して耐性を有する材料を用いて構成されていなければならない。また、光触媒を予め塗布しておく必要があり、当該技術を使用できる環境が限定される。
そこで、本発明は、汎用性の高い抗菌方法及び抗菌装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る抗菌方法は、半値幅が20nm以下である発光ピークを有し、当該発光ピークのピーク波長が380nm以上410nm以下の範囲に含まれる紫色光を含む光を菌類に照射する工程を含む。
また、本発明の一態様に係る抗菌装置は、半値幅が20nm以下である発光ピークを有し、当該発光ピークのピーク波長が380nm以上410nm以下の範囲に含まれる紫色光を含む光を菌類に照射する光源を備える。
本発明によれば、汎用性の高い抗菌方法及び抗菌装置を提供することができる。
実施の形態1に係る抗菌装置を適用する浴室の模式図である。 実施の形態1に係る抗菌装置が取り付けられた排水口の断面図である。 実施の形態1に係る抗菌装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る抗菌装置が照射する紫色光の分光分布を示す図である。 実施の形態1の比較例として用いたUV-A光の分光分布を示す図である。 実施の形態1に係るUV-A光と紫色光とをそれぞれ菌類に照射した場合の菌類を観察した結果を示す図である。 実施の形態1に係る紫色光を、強度を変えて菌類に照射した場合の菌類を観察した第1の実験結果を示す図である。 実施の形態1に係る紫色光を、強度を変えて緑膿菌に照射した場合の試験結果を示す図である。 実施の形態1に係る紫色光を、強度を変えてピンク酵母(ロドトルラ)に照射した場合の試験結果を示す図である。 実施の形態2に係る抗菌装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る抗菌装置が照射するUV-B光の分光分布を示す図である。 実施の形態2に係るUV-B光を、強度を変えて菌類に照射した場合の菌類を観察した結果を示す図である。 実施の形態3に係る抗菌装置が取り付けられた排水口の断面図である。 実施の形態3に係る光触媒を利用して光を菌類に照射した場合の菌類を観察した結果を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る抗菌方法及び抗菌装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
[概要]
本実施の形態に係る抗菌方法及び抗菌装置は、光を菌類に照射することで抗菌を実現する。なお、本明細書において、抗菌とは、菌類の増殖を抑制することである。具体的には、抗菌とは、分解などによって菌類を殺菌、滅菌又は除菌することを意味するだけでなく、菌類の成長又は発生を抑制することも意味する。菌類の成長の抑制には、全く成長させないことだけでなく、成長の速度を鈍化させることも含まれる。
図1は、本実施の形態に係る抗菌装置100を適用する浴室1の模式図である。図2は、本実施の形態に係る抗菌装置100が取り付けられた排水口10の断面図である。
本実施の形態に係る抗菌装置100は、例えば、図1に示す浴室1などのような水廻り設備に適用される。水廻り設備は、浴室1に限らず、キッチン、トイレ、洗面台、配管などでもよい。また、抗菌装置100は、水廻り設備だけでなく、天井裏又は床下などの湿気の多い場所に適用されてもよい。
図1に示す浴室1は、例えば、ユニットバスであり、浴槽2と、床3と、壁4と、天井5とを備える。浴槽2、床3、壁4及び天井5は、樹脂材料などを用いて形成された部材から構成される。本実施の形態では、浴槽2、床3、壁4及び天井5に用いる樹脂材料は、紫外光に対する耐性を有しなくてもよい。
図1に示すように、床3には、排水口10が設けられている。排水口10は、図2に示すように、集水空間11と、蓋12とを有する。蓋12には、1以上の貫通孔13が設けられている。床3上に撒かれた水などは、貫通孔13を介して集水空間11に流れ込み、排水管へと排出される。なお、集水空間11と排水管との間には、ゴミなどを除去するためのフィルタが設けられていてもよい。
本実施の形態では、図2に示すように、排水口10の蓋12の裏側に抗菌装置100が取り付けられている。抗菌装置100は、紫色光を含む光を集水空間11内に照射する。抗菌装置100は、排水口10の内部での菌類の成長を抑制する。
菌類は、具体的には、カビ若しくは酵母などの真菌類、又は、真正細菌などの細菌類などの日常的に“菌”と呼ばれるものである。本実施の形態では、真菌類は、例えば、黒カビ(クロカワカビとも言う)及びピンク酵母などである。黒カビは、具体的には、クラドスポリウム又はクラドスポリオイデスである。ピンク酵母は、具体的には、ロドトルラである。細菌類は、例えば、緑膿菌である。抗菌装置100は、黒カビ及びピンク酵母などの真菌類、並びに、緑膿菌などの細菌類の増殖を抑制する。
なお、抗菌装置100が取り付けられる位置は、排水口10内には限定されない。例えば、図1に示すように、浴室1の壁4には、照明装置20が取り付けられている。照明装置20が抗菌装置100であってもよい。すなわち、照明装置20は、紫色光を含む光を照射してもよい。このとき、照明装置20は、白色光と、紫色の単色光とを切り替えて照射してもよい。これにより、照明装置20が抗菌装置100として機能することで、浴槽2、床3、壁4及び天井5などに発生しうる菌類の成長を抑制することができる。
[抗菌装置の構成]
以下では、本実施の形態に係る抗菌装置100について、図2及び図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る抗菌装置100の構成を示すブロック図である。
図2及び図3に示すように、抗菌装置100は、紫色光を含む光を発する光源110を備える。抗菌装置100は、さらに、筐体120と、光学部材130とを備える。抗菌装置100は、さらに、制御回路140と、電池150と、メモリ160と、スイッチ170とを備える。
光源110は、紫色光を含む光を発する発光部である。光源110は、紫色光を含む光を菌類に照射する。本実施の形態では、光源110は、電池150から供給される電力によって紫色光を含む光を発する。
図2に示すように、光源110は、LED(Light Emitting Diode)111と、基板112とを備える。光源110は、例えば、ベアチップ(LED111)が基板112上に直接実装された、いわゆるCOB(Chip On Board)モジュールである。
LED111は、紫色光を含む光を発する発光素子の一例である。LED111は、例えば、紫色の単色光を発する。
LED111が発する紫色光は、半値幅が20nm以下である発光ピークを有する。なお、半値幅は、例えば、15nm以下でもよく、10nm以下でもよい。
紫色光が有する発光ピークのピーク波長は、380nm以上410nm以下の範囲に含まれる。なお、ピーク波長は、例えば、380nm以上400nm以下の範囲にあってもよい。なお、ピーク波長は、紫色光の分光分布において、発光強度が最大(又は、極大)になるときの波長である。
LED111は、例えば、図4に示す分光分布の紫色光を発する。図4は、本実施の形態に係る抗菌装置100が照射する紫色光の分光分布を示す図である。なお、図4において、横軸は波長であり、縦軸は光の相対エネルギー(強度)を示している。図4に示すように、LED111が発する紫色光は、ピーク波長が約390nmであり、半値幅が約10nmである。
なお、LED111は、紫色の単色光ではなく、紫色光と他の波長成分とを含む光を発してもよい。例えば、LED111は、紫色光以外の青色光、緑色光などを含む可視光を発してもよい。例えば、LED111は、白色光を発してもよい。
基板112としては、例えば、セラミック基板、樹脂基板又はメタルベース基板などを用いることができる。基板112は、筐体120の底面に固定されている。基板112には、金属配線(図示せず)が設けられている。
例えば、基板112には、LED111を点灯させるための制御回路140が設けられ、金属配線を介してLED111及び電池150と電気的に接続されている。なお、制御回路140は、光源110とは別体で形成されていてもよい。
なお、光源110は、SMD(Surface Mounted Device)型のモジュールでもよい。具体的には、基板112上にパッケージ型のLED素子(SMD型LED素子)が実装されていてもよい。パッケージ型のLED素子は、例えば、凹部(キャビティ)を有する樹脂製の容器と、凹部の中に実装されたLEDチップ(LED111)と、凹部内に封入された封止部材とを備える。
また、光源110は、LED111ではなく、レーザ素子、有機EL(Electroluminescense)素子などを備えてもよい。あるいは、光源110は、蛍光灯などの放電ランプでもよい。
筐体120は、光源110、制御回路140、電池150及びメモリ160を収納する。筐体120は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)などの樹脂材料、又は、金属材料などで形成されている。筐体120は、例えば、扁平な有底略円筒状の容器であるが、大きさ及び形状はこれに限定されない。
筐体120は、例えば、接着シート(図示せず)などによって、排水口10の蓋12の裏面に固定されている。具体的には、筐体120は、下方に向けて光を出射するように、光学部材130が下向きになる姿勢で配置されている。なお、固定の方法及び筐体120の姿勢は、これに限らない。例えば、筐体120は、蓋12又は床3(集水空間11の底面などを構成する床材などの構造材)にネジ止めされてもよい。あるいは、筐体120は、集水空間11の底面に、横向きに光を出射するように載置されていてもよい。
光学部材130は、光源110の前方(光出射側)に位置し、筐体120に固定されている。なお、筐体120と光学部材130との隙間は、水分の浸入を抑制するために耐水性の接着剤などで封止されていてもよい。
光学部材130は、例えば、光源110が発した光を拡散(散乱)させて出射する。これにより、光学部材130から出射された光を排水口10の集水空間11に全体的に照射することができる。なお、光学部材130は、レンズ機能を有し、光源110が発した光を発散又は集光してもよい。
光学部材130は、例えば、所定の波長成分を除去するフィルタとして機能してもよい。具体的には、光学部材130は、例えば、光源110が発する光から、350nm以上380nm以下の範囲の波長成分を除去する光学フィルタであってもよい。すなわち、光学部材130は、UV-A光を除去してもよい。また、光学部材130は、UV-B光を除去してもよい。光学部材130は、紫色光以外の波長成分を除去してもよい。
ここで、除去とは、該当する波長成分の強度を小さくすることを意味する。具体的には、除去とは、完全に除去する(すなわち、該当する波長成分の強度を0にする)ことだけでなく、該当する波長成分の強度を所定の閾値より小さくすることも意味する。
例えば、光学部材130が紫外光を除去することで、抗菌装置100の外部に紫外光がほとんど出射されなくなるので、照射対象の部材(排水口10の内面などを構成する構造材)が紫外光に対して耐性を有しない場合でも、抗菌装置100を利用することができる。したがって、抗菌装置100の汎用性を高めることができる。
制御回路140は、紫色光を含む光の照射条件を制御する。例えば、制御回路140は、照射期間、照射の開始(又は終了)のタイミング、照射方法(配光など)を制御する。具体的には、制御回路140は、光源110の点灯及び消灯を制御する。制御回路140は、電池150から供給される電力をLED111に供給することで、LED111を点灯させる。制御回路140は、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)である。
制御回路140は、例えば、メモリ160に格納されたスケジュール情報に基づいて、光源110の点灯及び消灯を制御する。すなわち、制御回路140は、タイマ機能を有してもよい。例えば、制御回路140は、予め定められた第1期間(照射期間)、光源110からの紫色光の照射を継続させた後、予め定められた第2期間(無照射期間)、光源110からの紫色光の照射を停止させる。制御回路140は、照射期間と無照射期間とを交互に繰り返すように、光源110を制御してもよい。これにより、光の照射と無照射とを適切に行うことができ、抗菌効果を高めることができる。
また、制御回路140は、スイッチ170から送信される操作信号に基づいて、光源110の点灯及び消灯を制御してもよい。これにより、ユーザがスイッチ170を操作したタイミングで、すなわち、ユーザが希望するタイミングで、光源110を点灯させて抗菌を行わせることができる。
電池150は、着脱可能な電源である。電池150は、筐体120に設けられた収納部(図示せず)に収納され、制御回路140を介して光源110に電力を供給する。電池150は、アルカリ電池又はマンガン電池などの一次電池であるが、これに限定されない。電池150は、充電可能な二次電池でもよい。
メモリ160は、光の照射プログラム及びスケジュール情報などが記憶された不揮発性メモリである。スケジュール情報は、例えば、光の照射の開始のタイミング及び終了のタイミングなどを示す。スケジュール情報は、照射期間及び無照射期間の各々の長さを示してもよい。
制御回路140は、例えば、メモリ160から照射プログラム及びスケジュール情報を読み出し、読み出した照射プログラム及びスケジュール情報に基づいて、光源110の点灯及び消灯を制御する。
スイッチ170は、光の照射及び無照射を切り替えるためのスイッチである。スイッチ170は、例えば、筐体120の外側に露出するように設けられ、ユーザが操作可能である。
[第1の実験]
続いて、菌類のうち真菌類に照射する光の波長と、真菌類の成長との関係を検討するために行った第1の実験について説明する。第1の実験の対象となった菌類は、黒カビ及びピンク酵母である。
第1の実験では、菌類に照射する光として、紫色光及びUV-A光を用いた。まず、これらの光について説明する。
紫色光は、上述したように、図4に示す分光分布を有する光である。すなわち、紫色光は、ピーク波長が約390nmであり、半値幅が約10nmの発光ピークを有する紫色の単色光である。
UV-A光は、図5に示す分光分布を有する光である。図5は、本実施の形態の比較例として用いたUV-A光の分光分布を示す図である。なお、図5において、横軸は波長であり、縦軸は光の相対エネルギー(強度)を示している。UV-A光は、図5に示すように、ピーク波長が350nm以上380nm以下の範囲に含まれる発光ピークを有する。半値幅は、約10nmである。
<紫色光の照射>
以下では、まず、紫色光を照射したときの菌類の様子について、図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態に係るUV-A光と紫色光とをそれぞれ菌類に照射した場合の菌類を観察した結果を示す図である。
観察は、シャーレを上方から目視により確認(具体的には、カメラによる撮影)することで行った。図6は、撮影されたシャーレの画像を示している。
なお、図6において、小さい斑点がピンク酵母であり、ペースト状に見えるものが黒カビである。これらは、後述する図7、図12及び図14についても同様である。
本実験では、シャーレ内の培地上に培養された所定量の黒カビ及びピンク酵母に対して、光の照射と無照射とを所定時間毎に繰り返して行い、所定のタイミングで菌類の様子を観察した。光の照射時間を18時間、無照射時間を6時間とした。照射時の紫色光の強度は、3000μW/cmである。なお、この値は、KONICA MINOLTA製のUM-360を用いて測定した値である。
(i)1回目の観察は、最初に18時間、光の照射を行った後(累計照射時間:18時間、開始から18時間経過時点)に行った。
(ii)2回目の観察は、1回目の観察後、6時間の無照射、18時間の照射、6時間の無照射を順に行った後、光の照射を開始して6時間後(累計照射時間:42時間、開始から54時間経過時点)に行った。
(iii)3回目の観察は、2回目の観察後、12時間の照射と、6時間の無照射とを行った時点(累計照射時間:54時間、開始から72時間経過時点)で行った。
(iv)4回目の観察は、3回目の観察後、無照射で40時間経過した時点(累計照射時間:54時間、開始から112時間経過時点)で行った。
また、比較例として、全く光を照射しない状態(図6の「無照射」)で、上記の(i)~(iv)と同じタイミングで観察を行った。
図6に示すように、光を照射しない場合、18時間後には薄く黒カビの成長が確認された。その後、時間が経過するにつれて、黒カビ及びピンク酵母の双方の成長が確認された。
一方で、紫色光を照射した場合、開始から18時間後、54時間後、72時間後のいずれの場合も、黒カビ及びピンク酵母の成長は目視で確認されなかった。このように、紫色光を照射することで、黒カビ及びピンク酵母の成長が抑制されていることが分かる。
また、開始から112時間後で、最後の照射から46時間を経過した時点では、黒カビ及びピンク酵母がわずかに確認された。したがって、紫色光は、黒カビ及びピンク酵母を完全には死滅させていないことが分かる。
以上のように、紫色光を照射することで、黒カビ及びピンク酵母などの菌類を死滅させることなく、成長を抑制することができる。このため、紫色光を照射したとしても、有益な菌類を死滅させることなく、菌類を共存させることができる。有益な菌類を死滅させた場合は、有害な菌類の成長が通常よりも早くなる恐れがある。したがって、本実施の形態によれば、菌類を死滅させずに、成長を抑制することができるので、結果的に抗菌効果を高めることができる。
なお、紫色光を照射しても菌類を死滅させる訳ではないため、紫色光を長期間照射しない場合には、菌類の成長が進んでしまう。しかしながら、図6の(iii)のように、紫色光の照射後、無照射の状態が6時間経過した時点でも、黒カビ及びピンク酵母の成長が十分に抑制されている。すなわち、紫色光の照射を常に行わなくてもよいことが分かる。このため、例えば、紫色光の照射と無照射とを繰り返し行うことで、消費電力を削減しつつ、十分な抗菌効果を得ることができる。
<UV-A光の照射>
次に、紫色光の代わりにUV-A光を照射したときの菌類の様子について、図6を用いて説明する。ここで用いたUV-A光は、図5に示す分光分布を有する。実験条件については、上述した紫色光の場合と同様である。ここでは、強い強度のUV-A光を照射した場合と、弱い強度のUV-A光を照射した場合の2通りについて観察した。具体的には、照射したUV-A光の強度は、270μW/cmと、100μW/cmとである。なお、これらの値は、TOPCON製のUVR2を用いて測定した値である。
UV-A光の強度によらず、時間が経過するにつれて、黒カビ及びピンク酵母の双方の成長が確認された。光を照射しない場合に比べて、菌類の成長は抑制されているが、紫色光を照射した場合に比べて、成長の抑制効果は低いことが分かる。
一般的に、紫外光には殺菌効果があることが知られているが、以上の実験結果から、菌類にUV-A光を照射したとしても、菌類の抑制効果は十分ではないことが分かる。したがって、例えば、UV-A光の発光に要する電力を紫色光の発光に利用することで、効果的に菌類の成長の抑制を実現することができる。
<紫色光の強度>
以上の実験結果により、紫色光を照射することで、菌類の成長の抑制効果が得られる事が分かった。そこで、以下では、紫色光の照射強度と菌類の成長の抑制効果との関係について検証した実験結果について説明する。
図7は、本実施の形態に係る紫色光を、強度を変えて菌類に照射した場合の菌類を観察した結果を示す図である。ここでは、図6で示した実験とは異なる条件で菌類の観察を行った。具体的には、以下の通りである。
(i)1回目の観察は、最初に20時間、紫色光の照射を行った後(累計照射時間:20時間、開始から20時間経過時点)に行った。
(ii)2回目の観察は、1回目の観察後、5時間の無照射(放置)の後、26時間の照射を行った時点(累計照射時間:46時間、開始から51時間経過時点)に行った。
(iii)3回目の観察は、2回目の観察後、無照射で14時間経過した時点(累計照射時間:46時間、開始から65時間経過時点)に行った。
(iv)4回目の観察は、3回目の観察の後、さらに、無照射で9時間経過した時点(累計照射時間:46時間、開始から74時間経過時点)で行った。
照射した紫色光の強度は、3000μW/cmと、1400μW/cmと、1100μW/cmと、500μW/cmとである。なお、これらの値は、KONICA MINOLTA製のUM-360を用いて測定した値である。また、比較例として、光を照射しない場合についても示している。
図7に示すように、照射した紫色光の強度によって菌類の抑制効果が異なることが分かる。具体的には、各観察時点において、紫色光の強度が大きい程、黒カビ及びピンク酵母の成長が抑制されていることが分かる。また、紫色光の照射後に無照射で放置した場合も、強度が大きい紫色光を照射した場合の方が、黒カビ及びピンク酵母の発生は抑制されていることが分かる。
[第2の実験]
続いて、菌類のうち細菌類に照射する光の波長と、細菌類の成長との関係を検討するために行った第2の実験について説明する。第2の実験の対象となった菌類は、緑膿菌である。なお、第2の実験は、第1の実験結果の信頼性の確認も兼ねて、ピンク酵母(ロドトルラ)に対しても同様に行った。
<実験条件>
試験菌液の調製は、以下のように行った。緑膿菌については、冷凍保存された菌株をトリプチックソイ寒天(Difco、以下、TSA)平板培地で、36±2℃、2日間培養した。ロドトルラについては、冷凍保存された菌株をポテトデキストロース寒天(日水製薬、PDA)平板培地で26±2℃、2日間培養した。各々の発育した集落をかき取り、滅菌イオン交換水で約10CFU/mLに調製して、試験菌液とした。
さらに、試験菌液1mLを、1/4にカットしたメンブランフィルタで濾過することで、フィルタ上に約10CFUの菌を捕捉させることで、試験片とした。試験片をシャーレの保湿用寒天培地表面(1.5%寒天培地)に載せて、光の照射試験を行った。なお、比較例として、光を照射しない暗所で保管するための試験片も用意した。
菌類に照射する光として、第1の実験と同様に図4に示すように、ピーク波長が390nmであり、半値幅が約10nmの発光ピークを有する紫色の単色光を用いた。紫色光は、3種類の異なる強度でそれぞれ照射した。具体的には、シャーレ上に保湿用の石英ガラス板を被せた状態で、200μW/cm、1000μW/cm、2000μW/cmとなるように設定した。なお、KONICA MINOLTA製のUM-360を用いて測定した照射強度の実測定値は、200μW/cm、1100μW/cm、2400μW/cmであった。紫色光の照射時間は、連続24時間及び48時間である。
光の照射終了後の菌数の測定は、以下のように行った。まず、予めSCDLPブイヨン培地(栄研化学)10mLを入れたストマッカー用ポリ袋に試験片を回収し、ストマッカー(オルガノ)で2分間ホモジナイズして、試験片から試験菌を洗い出した。洗い出した液を菌数測定用試料液とした。
試料液は、生理食塩液で10倍段階希釈列を作成し、原液及び希釈液の各々の1mLをシャーレに移した後、菌毎に培養を行った。具体的には、緑膿菌は、約20mLのTSAと混合後、固化させて36±2℃で48時間培養した。ロドトルラは、約20mLのPDAと混合後、固化させて26±2℃で3~5日間培養した。培養後、各々の培地上に発育した集落を数えることで、試験片あたりの菌数を求めた。なお、条件毎に複数の試験片を用いており、菌数は、同条件の試験片の各々の菌数の平均値、すなわち、菌数平均値である。
<実験結果>
以下では、図8及び図9を用いて第2の実験の実験結果について説明する。図8は、本実施の形態に係る紫色光を、強度を変えて緑膿菌に照射した場合の試験結果を示す図である。図9は、本実施の形態に係る紫色光を、強度を変えてロドトルラに照射した場合の試験結果を示す図である。図8及び図9はそれぞれ、菌数測定用の試料液を培養した培地を撮影した画像である。紫色光の照射時の初期状態は、暗所の初期状態と同じであるので、図示は省略している。
図8に示すように、紫色光を照射した場合は、緑膿菌の増殖がほとんど確認されなかった。具体的には、照射強度が200μW/cm、1000μW/cm、2000μW/cmのいずれの場合も菌数平均値は、1試験片あたり10CFUより小さい値となった。
一方で、暗所条件では、時間が経過するにつれて、緑膿菌が増殖した様子が観察された。具体的には、24時間照射後の菌数平均値が4.0×10CFUであり、48時間照射後の菌数平均値は9.7×10CFUであった。
以上のことから、紫色光を緑膿菌に照射することで、緑膿菌の菌数が減少している、すなわち、緑膿菌が殺菌されていることが分かる。紫色光には、緑膿菌の成長を抑制するだけではなく、殺菌効果も有することが分かる。
同様に、図9に示すように、紫色光を照射した場合は、照射強度に応じて殺菌効果に違いが見られた。具体的には、照射強度が200μW/cmである場合、24時間照射後の菌数平均値が1.3×10CFUであり、48時間照射後の菌数平均値が1.6×10CFUであった。このように、照射強度が200μW/cmである場合では、ロドトルラを殺菌できていないことが分かる。
一方で、照射強度が1000μW/cm及び2000μW/cmのときは、1試験片あたり10CFUより小さい値となった。つまり、照射強度が大きい紫色光を照射することで、ロドトルラが殺菌されたことが分かる。
暗所条件では、照射強度が小さい場合と同様に、ロドトルラが増殖した様子が観察された。具体的には、24時間照射後の菌数平均値が1.9×10CFUであり、48時間照射後の菌数平均値は4.6×10CFUであった。いずれも、照射強度が200μW/cmである場合よりも菌数平均値が大きくなった。このことから、小さい照射強度であっても紫色光を照射することで、ロドトルラの増殖が抑制されていることが分かる。
以上のことから、紫色光をロドトルラに照射することで、ロドトルラの増殖、すなわち、成長を抑制することができることが分かる。照射強度が小さい場合は、ロドトルラを殺菌するまではできないものの、成長を抑制することで抗菌効果を発揮する。照射強度が大きい場合は、ロドトルラを殺菌することができる。例えば、200μW/cm以上の照射強度で紫色光をロドトルラに照射した場合、ロドトルラの成長を抑制することができる。さらに、1000μW/cm以上の照射強度で紫色光をロドトルラに照射した場合、ロドトルラの殺菌を行うことができる。
なお、第1の実験では、照射強度が大きい場合でもロドトルラが完全には死滅していない結果が得られた。一方で、第2の実験では、ロドトルラのほとんどが殺菌された結果が得られた。
この結果の違いは、紫色光の照射方法の違いにあると推定される。具体的には、第1の実験では、紫色光の照射と無照射とを繰り返したのに対して、第2の実験では、紫色光の連続照射を行っており、無照射期間を設けていない。つまり、第1の実験では、無照射期間に菌が増殖したものと考えられる。このことから、紫色光を連続的に照射することで、菌の成長がより効果的に抑制することができることが分かる。
なお、第1の実験で示したように、紫色光を間欠的に照射した場合も、菌類の成長の抑制効果、すなわち、抗菌効果が得られている。したがって、間欠的な照射の場合には、消費電力を低減しつつ、菌類の成長を抑制することができる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る抗菌方法は、半値幅が20nm以下である発光ピークを有し、当該発光ピークのピーク波長が380nm以上410nm以下の範囲に含まれる紫色光を含む光を菌類に照射する工程を含む。
これにより、図6などで示したように、紫色光を照射することで、菌類の成長を抑制することができる。紫色光は可視光であり、紫外光に比べて、人体などの生体及び環境への悪影響は少ない。したがって、紫外光に対して耐性を有しない樹脂材料などを用いた部材に対して紫色光を照射することができ、菌類の成長を抑制することができる。また、光触媒を利用しないので、光触媒を予め塗布しておく必要もなく、また、光触媒が塗布できないような場所にも利用することができる。このように、本実施の形態によれば、汎用性の高い抗菌方法を提供することができる。
また、紫色光は、紫外光とは異なり、菌類の成長を抑制することができるものの、菌類を死滅させる訳ではない。このため、紫色光を照射した場合に、有益な菌類を死滅させずに済む。すなわち、菌類の共存を図ることができる。これにより、有益な菌類が有害な菌類の成長を抑制することもできるので、抗菌効果をいっそう高めることができる。
また、例えば、菌類に照射する光は、ピーク波長が350nm以上380nm以下の範囲に含まれる発光ピークを有するUV-A光を含まない。
これにより、図6などで示したように、菌類の成長を抑制する効果を有していないUV-A光を含まないので、菌類の成長の抑制を効果的に行うことができる。例えば、光源110に投入する電力を、抗菌に寄与しないUV-A光の照射に利用せずに、紫色光の照射に効率良く利用することができる。このように、抗菌方法を実施するのに要する消費電力を削減し、省エネルギー化を実現することができる。
また、例えば、照射する工程では、紫色光の照射と無照射とを繰り返す。
これにより、紫色光を照射しない期間を設けることで、消費電力を抑制しつつ、菌類の成長を抑制することができる。
また、例えば、菌類は、黒カビ又はピンク酵母である。
これにより、浴室若しくはキッチンなどの水廻り設備、又は、天井裏若しくは床下などの湿気が多い場所に発生しやすい黒カビ及びピンク酵母などの成長を効果的に抑制することができる。
また、例えば、菌類は、緑膿菌である。
緑膿菌は、免疫の低下した人物に感染した場合に、緑膿菌感染症を引き起こす恐れがある。本実施の形態に係る抗菌装置100によれば、緑膿菌の成長を抑制することができるので、病気の予防に役立てることができる。
また、例えば、本実施の形態に係る抗菌装置100は、半値幅が20nm以下である発光ピークを有し、当該発光ピークのピーク波長が380nm以上410nm以下の範囲に含まれる紫色光を含む光を菌類に照射する光源110を備える。
これにより、上述した抗菌方法と同様に、紫色光を照射することで、菌類の成長を抑制することができる。
また、例えば、抗菌装置100は、さらに、光源110と菌類との間に位置する光学フィルタであって、光源110が照射する光から、350nm以上380nm以下の範囲の波長成分を除去する光学フィルタ(光学部材130)を備える。
これにより、菌類の成長の抑制効果を有しないUV-A光が出射されるのを抑制することができる。したがって、照射対象となる部材がUV-A光によって劣化するのを抑制することができるので、抗菌装置100を様々な場所で使用することができる。つまり、汎用性の高い抗菌装置100を提供することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る抗菌方法では、紫色光だけでなく、紫外光のうちUV-B光を菌類に照射する。UV-B光を利用することで、抗菌効果をいっそう高めることができる。また、本実施の形態では、紫外光を利用するため、照射対象の部材に紫外光への耐性が要求されるなどの汎用性はやや低下する恐れがあるものの、光触媒を利用しないという点で汎用性を高めることができる。以下では、本実施の形態に係る抗菌方法及び当該抗菌方法を行う抗菌装置の詳細について説明する。
[抗菌装置の構成]
図10は、本実施の形態に係る抗菌装置200の構成を示すブロック図である。抗菌装置200は、実施の形態1に係る図3に示す抗菌装置100と比較して、光源110及び制御回路140の代わりに、光源210及び制御回路240を備える点が相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点については説明を省略又は簡略化する場合がある。
光源210は、紫色光源211と、UV-B光源212とを備える。
紫色光源211は、実施の形態1と同様に、例えば、図4に示す分光分布を有する紫色光を発する。紫色光源211は、例えば、実施の形態1で示すLED111である。
UV-B光源212は、UV-B光を含む光を発する光源の一例である。UV-B光源212は、例えば、UV-B光を発する蛍光ランプであるが、これに限らない。例えば、UV-B光源212は、キセノンランプ、メタルハライドランプなどでもよく、LED又はレーザ素子などの固体発光素子でもよい。
UV-B光源212は、例えば、図11に示す分光分布のUV-B光を発する。図11は、本実施の形態に係る抗菌装置200が照射するUV-B光の分光分布を示す図である。なお、図11において、横軸は波長であり、縦軸はUV-B光源212から1m先の地点における分光放射照度(光の強度に相当する)を示している。
UV-B光源212が発するUV-B光では、図11に示すように、最大の発光ピークのピーク波長が、280nm以上350nm以下の範囲に含まれる。なお、UV-B光は、図4及び図5などに示すように、1つのみの発光ピークを有してもよい。
制御回路240は、紫色光の照射条件及びUV-B光の照射条件を個別に制御する。具体的には、制御回路240は、紫色光を発する紫色光源211と、UV-B光を発するUV-B光源212との各々の点灯及び消灯を、個々に制御する。例えば、制御回路240は、紫色光源211の点灯時間、点灯の開始(又は終了)のタイミング、点灯方法(配光など)を制御する。また、制御回路240は、UV-B光源212の点灯時間、点灯の開始(又は終了)のタイミング、点灯方法(配光など)を制御する。これにより、抗菌装置200は、菌類に照射する光を、紫色光とUV-B光とで切り替えることができる。
本実施の形態では、制御回路240は、紫色光源211とUV-B光源212とを排他的に点灯させる。例えば、制御回路240は、メモリ160に記憶されたスケジュール情報を読み出し、読み出したスケジュール情報が示すスケジュールに従って、紫色光源211の点灯及び消灯を制御する。また、制御回路240は、スイッチ170が操作された場合に、UV-B光源212の点灯及び消灯を制御する。これにより、紫色光の照射による菌類の成長の抑制を行いながら、必要に応じて、任意のタイミングでUV-B光の照射による菌類の殺菌などを行うことができる。
[実験結果]
続いて、菌類に照射するUV-B光の強度と、菌類の成長との関係を検討するために行った実験結果について説明する。本実験では、菌類に照射する光として、図11に示す分光分布を有するUV-B光を用いた。
図12は、本実施の形態に係るUV-B光を、強度を変えて菌類に照射した場合の菌類を観察した結果を示す図である。ここで用いたUV-B光は、図11に示す分光分布を有する。実験条件については、上述した紫色光の場合と同様である。
ここでは、UV-B光の強度は、260μW/cmと、160μW/cmと、60μW/cmと、30μW/cmと、10μW/cm以下とである。なお、これらの値は、TOPCON製のUVR2を用いて測定した値である。ここでは、比較例として、光を照射しない場合についても図12に示しているが、これは、図6で示したものと同じである。
図12に示すように、強度が30μW/cm以上である場合、黒カビ及びピンク酵母の成長が抑制されていることが分かる。また、強度が10μW/cm以下の場合も、光を照射しない場合に比べて、成長の抑制効果が得られていることが分かる。
また、最後の照射から46時間放置した場合(iv)においても、黒カビ及びピンク酵母はほとんど確認されなかった。これは、UV-B光を照射することで、黒カビ及びピンク酵母などの菌類が殺菌されたと考えられる。特に、UV-B光の強度が260μW/cm及び130μW/cmの場合は、目視では黒カビ及びピンク酵母が確認できず、十分に殺菌されたと考えられる。一方で、UV-B光の強度が60μW/cm及び30μW/cmの場合、黒カビ及びピンク酵母がわずかに確認できた。このことから、UV-B光の強度が高い程、殺菌効果が高いことが分かる。
以上のことから、UV-B光を照射することで、黒カビ及びピンク酵母を殺菌することができることが分かる。したがって、例えば、紫色光の照射とUV-B光の照射とを切り替えることで、単なる成長の抑制(すなわち、殺菌又は滅菌しない)と、殺菌とを用途に応じて使い分けることができる。
例えば、紫色光の照射が不十分で黒カビ及びピンク酵母が成長した場合に、UV-B光を照射することで、成長した黒カビ及びピンク酵母を殺菌することができる。以降、紫色光の照射を定期的に行うことで、黒カビ及びピンク酵母などの菌類が再び付着した場合でも、これらの成長を抑制することができる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る抗菌方法では、菌類に照射する光は、さらに、ピーク波長が280nm以上350nm以下の範囲に含まれる発光ピークを有するUV-B光を含む。
これにより、菌類に照射する光がUV-B光を含むので、菌類を死滅させることができる。例えば、紫色光の照射による菌類の成長の抑制と、UV-B光の照射による菌類の殺菌又は滅菌とを、状況に応じて使い分けることができる。したがって、菌類を死滅させるのか、菌類の成長を抑制する(増殖させない)のかなどの抗菌の程度を使い分けることができるので、抗菌方法の汎用性をより高めることができる。
また、光触媒を利用しないので、光触媒を予め塗布しておく必要もなく、また、光触媒が塗布できないような場所にも利用することができる。このように、本実施の形態によれば、汎用性の高い抗菌方法を提供することができる。
なお、本実施の形態では、紫色光源211とUV-B光源212とが異なるタイミングで排他的に点灯する例について示したが、これに限らない。具体的には、紫色光源211とUV-B光源212とは同時に点灯していてもよい。すなわち、抗菌装置200は、紫色光とUV-B光とを含む光を菌類に照射してもよい。
また、光源210は、1つのみ(又は、1種類)のLEDを備えてもよい。当該LEDは、紫色光とUV-B光とを含む光を発してもよい。例えば、当該LEDは、紫外領域から可視光領域までの広い波長帯域の光を発してもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る抗菌方法では、紫色光で活性化される可視光励起型の光触媒を用いる。このため、抗菌効果をいっそう高めることができる。また、予め光触媒を塗布するなどの準備が必要となるなどの汎用性がやや低下する恐れがあるものの、紫外光を利用しなくてもよいという点で実施の形態1と同様に汎用性を高めることができる。以下では、本実施の形態に係る抗菌方法及び当該抗菌方法を行う抗菌システムの詳細について説明する。
[抗菌システム]
図13は、本実施の形態に係る抗菌装置100が取り付けられた排水口310の断面図である。本実施の形態に係る抗菌システムは、排水口310に適用されている。
抗菌システムは、図13に示すように、抗菌装置100と、光触媒311とを備える。抗菌装置100は、実施の形態1で説明したものと同じである。
光触媒311は、菌類が発生しやすい部分に設けられている。つまり、光触媒311は、発生した菌類に近接配置されている。例えば、光触媒311は、浴室1などの水気の多い場所、又は、天井裏若しくは床下などの湿度の高い場所などに露出した部材の表面に塗布されている。
具体的には、抗菌装置100が光を照射する照射対象となる部材の表面に塗布されている。図13に示す例では、排水口310の集水空間11に露出した部分に、光触媒311が塗布されている。具体的には、光触媒311は、排水口310を構成する床材の表面、蓋12の表面及び裏面、並びに、貫通孔13の壁面に塗布されている。
なお、図13では、床3の表面にも光触媒311を塗布している。このため、図1に示す照明装置20が抗菌装置100として機能する場合、床3の表面において本実施の形態に係る抗菌効果を実現することができる。また、光触媒311は、光学部材130の光出射面に塗布されていてもよい。
光触媒311は、紫色光が照射された場合に活性化する材料である。例えば、光触媒311は、可視光励起型の光触媒であり、酸化タングステン(WO)などを含んでいる。
なお、本実施の形態では、光触媒311は、床材などに塗布されて固定されている例について示したが、これに限らない。例えば、光触媒311を集水空間11及び浴室1内の空間に噴霧器などを用いて噴霧してもよい。
また、抗菌装置100がUV-B光又はUV-A光などの紫外光を出射する場合、光触媒311は、紫外光励起型の光触媒でもよい。例えば、光触媒311は、酸化チタン(TiO)などを含んでいてもよい。
[実験結果]
続いて、菌類及び光触媒311に照射する光の波長と、菌類の成長との関係を検討するために行った実験結果について説明する。
図14は、本実施の形態に係る光触媒311を利用して光を菌類に照射した場合の菌類を観察した結果を示す図である。ここでの菌類の観察条件は、以下の通りである。
観察対象として、光触媒311を塗布した基材(正方形状)の表面に、所定量の黒カビ及びピンク酵母を含む溶液を滴下し、光を所定期間照射し、その後、無照射で放置した。また、比較例として、光触媒311を塗布せず、かつ、光を照射しない場合についても図示している。
本実験では、菌類及び光触媒311に照射する光として、図4に示す分光分布を有する紫色光と、図5に示す分光分布を有するUV-A光とを用いた。具体的には、光触媒311が酸化タングステンである場合に、紫色光及びUV-A光の各々を照射した。光触媒311が酸化チタンである場合に、UV-A光を照射した。照射した光の強度は、紫色光の場合、15μW/cmであり、UV-A光の場合、270μW/cmである。なお、これらの値は、TOPCON製のUVR2を用いて測定した値である。
(i)1回目の観察は、最初に15時間、光の照射を行った後(累計照射時間:15時間、開始から15時間経過時点)に行った。
(ii)2回目の観察は、1回目の観察後、無照射で7時間経過した時点(累計照射時間:15時間、開始から22時間経過時点)に行った。
(iii)3回目の観察は、1回目の観察後、無照射で25時間経過した時点(累計照射時間:15時間、開始から40時間経過時点)に行った。
(iv)4回目の観察は、1回目の観察後、無照射で50時間経過した時点(累計照射時間:15時間、開始から65時間経過時点)に行った。
図14に示すように、光触媒311を用いることで、菌類を含む溶液が光触媒311と接触している部分(具体的には、溶液の下方部分)では、菌類が分解されていることが分かる。光触媒311が酸化タングステンである場合には、紫色光及びUV-A光のいずれの場合も抗菌効果が得られた。光触媒311が酸化チタンである場合には、UV-A光を照射することで抗菌効果が得られた。
一方で、溶液の上方部分では光触媒311による分解の効果が現れないため、UV-A光を照射したサンプルについては、黒カビが発生していることが確認された。これに対して、紫色光を照射したサンプルについては、黒カビは目視では確認できなかった。これは、実施の形態1において説明した図6に示す結果と同様である。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る抗菌方法では、照射する工程では、さらに、菌類に近接配置された光触媒311に光を照射する。
これにより、光触媒311を活性化させることで、光触媒311の近傍に存在する菌類を分解することができる。したがって、抗菌効果をいっそう高めることができる。
また、例えば、光触媒311は、酸化タングステンである。
これにより、酸化タングステンは紫色光によって励起されるので、紫外光を用いなくてもよい。したがって、紫外光に対して耐性を有しない樹脂材料などを用いた部材に対して紫色光を照射することができる。このように、本実施の形態によれば、汎用性の高い抗菌方法を提供することができる。
なお、酸化タングステンは、450nm以下の波長の光が照射された場合に活性化する。したがって、本実施の形態では、酸化タングステンに紫色光又はUV-A光を照射する例について示したが、これに限らない。酸化タングステンにUV-B光(例えば、図11の分光分布を有する)を照射してもよい。あるいは、酸化タングステンに、UV-B光と紫色光とを含む光を照射してもよい。また、酸化チタンには、UV-B光を照射してもよい。
(その他)
以上、本発明に係る抗菌方法及び抗菌装置について、上記の実施の形態などに基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、抗菌対象となる菌類として、黒カビ、ピンク酵母及び緑膿菌を例として示したが、これに限らない。例えば、うどんこ病、いもち病などを発生させる糸状菌に対して、紫色光を照射してもよい。
また、上記の実施の形態に係る抗菌方法及び抗菌装置によればカビ及び酵母などの発生を抑制することができるので、カビ及び酵母などを餌とする害虫の発生も抑制することができる。例えば、カビ又は酵母を餌とするチャタテムシの発生を抑制することができる。これに伴って、さらに、チャタテムシを餌とするツノダニの発生も抑制することができる。
このように、カビ及び酵母などの菌類の発生を抑制することで、人体に害をなす害虫の発生を抑制することができる。すなわち、各実施の形態に係る抗菌方法及び抗菌装置は、害虫の駆除及び防除効果も間接的に有する。
また、例えば、上記の実施の形態では、紫色光の照射と無照射とを繰り返す例について示したが、これに限らない。紫色光を常時、菌類に照射してもよい。また、照射期間と無照射期間とを交互に繰り返す場合において、照射期間は、繰り返しの回数毎に異なっていてもよい。無照射期間についても同様である。
また、例えば、上記の実施の形態では、抗菌装置100が電池150を備える例について示したが、これに限らない。抗菌装置100は、電源コード(プラグ)などを有し、商用電源などから電力が供給されてもよい。これにより、電池切れなどによって抗菌が行われなくなることを回避することができる。
また、例えば、抗菌装置100は、制御回路140、メモリ160及びスイッチ170などを備えなくてもよい。例えば、抗菌装置100は、これらの代わりに、無線通信モジュールを備えてもよい。抗菌装置100は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信により、外部のコントローラ(又は、サーバ装置)などから、光源110の点灯及び消灯を制御する制御信号を受信してもよい。抗菌装置100は、受信した制御信号に基づいて光源110の点灯及び消灯を制御してもよい。
なお、例えば、実施の形態1では、浴室1の排水口10に抗菌装置100を取り付ける例について示したが、これに限らない。抗菌装置100は、水又は水蒸気に触れうるあらゆる環境に適用することができる。
例えば、抗菌装置100は、住宅などの一般家庭に利用することができる。具体的には、抗菌装置100は、トイレ、キッチン、洗面台、排水管などの水回り設備に設置されてもよい。あるいは、抗菌装置100は、床下、天井裏、窓のサッシなどの結露しやすい部位に設置されてもよい。また、抗菌装置100は、風通しの悪い下駄箱、衣装ケース、押入れなどに設置されてもよい。
また、例えば、抗菌装置100は、電気製品に設置されてもよい。具体的には、抗菌装置100は、食洗機、洗濯機、冷蔵庫、炊飯器、アルカリイオン整水器、掃除機、又は、換気扇、除湿器、乾燥機若しくは加湿器などの空調設備などに設置されてもよい。
また、例えば、抗菌装置100は、農水畜産分野にも利用することができる。具体的には、抗菌装置100は、ビニルハウス、食品加工工場、と畜場、魚類配送センター、卸売市場などに設置されてもよい。例えば、食品加工工場には、缶詰、カット野菜、粉末、酒類、冷凍食品などの各種食品の加工工場が含まれる。また、抗菌装置100は、人工光を利用した植物工場、人工光と太陽光とを併用した施設園芸、露地栽培の外灯などに利用することができる。
また、例えば、抗菌装置100は、工業分野にも利用することができる。例えば、抗菌装置100は、半導体ウェハの製造工場などの排水設備などに設置されてもよい。
また、例えば、抗菌装置100は、オフィスビル、病院、介護施設、給食センター若しくは学校などの各種施設などの各種建造物に設置することもできる。また、例えば、抗菌装置100は、カフェ、レストラン、バーなどの飲食店、又は、花屋、ペットショップなどの小売店などの店舗に設置されてもよい。また、例えば、抗菌装置100は、スーパーマーケット又はデパートメントストアなどの食品売り場に設置されてもよい。具体的には、抗菌装置100は、天井を含む鮮魚コーナー又は冷蔵設備付近に利用されてもよい。
なお、実施の形態2に係る抗菌装置200、及び、実施の形態3に係る光触媒311を利用した抗菌装置100についても同様に、上記に例示した水又は水蒸気に触れうるあらゆる環境に適用することができる。
また、上記の各実施の形態において、制御回路140、メモリ160、スイッチ170などの構成要素は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
なお、本発明は、抗菌装置として実現できるだけでなく、抗菌装置の各構成要素が行う処理をステップとして含むプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なDVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体として実現することもできる。
つまり、上述した包括的又は具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
100、200 抗菌装置
110、210 光源
130 光学部材(光学フィルタ)
311 光触媒

Claims (8)

  1. 半値幅が20nm以下である発光ピークを有し、当該発光ピークのピーク波長が380nm以上390nm以下の範囲に含まれる紫色光を含む光を、350nm以上380nm以下の波長成分を除去する光学フィルタを通過させて菌類に照射する工程を含む
    抗菌方法。
  2. 前記光は、さらに、ピーク波長が280nm以上350nm以下の範囲に含まれる発光ピークを有するUV-B光を含む
    請求項1に記載の抗菌方法。
  3. 前記照射する工程では、前記紫色光の照射と無照射とを繰り返す
    請求項1又は2に記載の抗菌方法。
  4. 前記菌類は、黒カビ又はピンク酵母である
    請求項1~のいずれか1項に記載の抗菌方法。
  5. 前記菌類は、緑膿菌である
    請求項1~のいずれか1項に記載の抗菌方法。
  6. 前記照射する工程では、さらに、前記菌類に近接配置された光触媒に前記光を照射する
    請求項1~のいずれか1項に記載の抗菌方法。
  7. 前記光触媒は、酸化タングステンである
    請求項に記載の抗菌方法。
  8. 半値幅が20nm以下である発光ピークを有し、当該発光ピークのピーク波長が380
    nm以上390nm以下の範囲に含まれる紫色光を含む光を菌類に照射する光源と、
    前記光源と前記菌類との間に位置する光学フィルタであって、前記光から、350nm以上380nm以下の範囲の波長成分を除去する光学フィルタとを備える
    抗菌装置。
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