[0007] 本技術に関連した1つ以上の問題を克服または軽減するような、ペリクルに関連する状態を決定するための装置および方法を提供することが望ましい。本明細書に記載される例は、EUVリソグラフィ装置における使用を含み得る。本明細書に記載される例には、DUVリソグラフィ装置および/または別の形態のリソグラフィツールにおける使用を含んでもよい。本明細書に記載される例は、EUVまたはDUVを使用する他のツール、および/またはリソグラフィプロセスに関連した他のツール(例えば、パターニングデバイス検査ツールなどの検査ツール)における使用を含んでもよい。
[0008] 一態様では、リソグラフィ装置において使用するためのペリクルに関連する状態を決定するための装置が提供され、この装置はセンサを備え、センサは、ペリクルに関連する特性を測定するように構成され、特性はペリクルの状態を示す。
[0009] これは、ペリクル故障情報を提供し、基板のスループットを向上し、基板への損傷を回避するといった効果を有し得る。
[00010] ペリクルに関連する特性は、ペリクルの温度もしくは温度プロファイルであってよく、かつ/または、ペリクル上の粒子の温度もしくは温度プロファイルであってもよい。
[00011]これは、ペリクルに損傷が生じるよりも前に(粒子により誘発された、またはそれ以外の)熱のホットスポットを検出するといった利点を有し得る。これは、パワー/吸収に関連したペリクル耐用期間の不確実性、リソグラフィ装置内およびペリクルテストスタンド内の絶対パワー測定値、および/またはリソグラフィの状態へのオフラインペリクル試験の整合に関する要件を緩和することができるといった利点を有し得る。
[00012] センサは、ペリクルに関連する赤外放射(IR)を測定するように構成され得る。センサは、ペリクルに関連するIR放出スペクトルを測定するように構成されてもよい。
[00013] センサは、2~8μmの波長域内のIR放出の強度を測定するように構成され得る。波長域は、2~7μm、2~6μm、2~5μm、2~4μm、2~3μm、3~5μm、4~5μm、3~6μm、4~6μmおよび/または5~6μmから選択される1つ以上であり得る。
[00014] センサは、IR放出差を測定するように構成され得る。IR放出差測定は、6~8μm帯域の強度に対する2~3μm帯域の強度の比率を決定するためであり得る。
[00015] センサは、IR放出スペクトルを確立するためにスキャン可能なバイアス電圧を提供するように構成されたフォトダイオードを含み得る。フォトダイオードは、バイアス印加されたショットキーバリアフォトダイオードまたはB-SI接合ディテクタであり得る。
[00016] 温度測定値の取得速度は、少なくとも10Hzであってよく、少なくとも1kHzであってよい。
[00017] センサは、粒子から受ける赤外放射とペリクルから受ける赤外放射との間のコントラストを識別することにより、ペリクル上の粒子の位置を特定するように構成され得る。
[00018] 装置は、放射ビームのパワーを能動的に制御して、ペリクルを所定温度に維持するように構成され得る。
[00019]これは、基板のスループットが最も高い安全なレベルでリソグラフィ装置を使用することができるといった利点を有し得る。
[00020] 装置は、温度測定値に基づいて分割露光方式を起動するように構成され得る。
[00021] これは、露光放射ビームパワーを減少させることに比べて、スループットを向上させられるといった利点を有する。
[00022] 装置は、IR放射を通過させる少なくとも1つの透明層を備え得る。
[00023] これは、この装置をリソグラフィ装置の外部に位置付けることができるといった利点を有し得る。
[00024] センサは、リソグラフィ装置において瞳ファセットモジュール内の実質的に中心に位置づけられるように構成され得る。センサは、放射ビームパスの外側に位置付けられてもよい。
[00025] センサは、ペリクルに対して少なくとも45°の入射角で位置付けられるように構成され得る。IRセンサ26は、ペリクルに対して少なくとも50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、または85°の入射角度で位置付けられ得る。
[00026] これは、パターニングデバイスからセンサへの放出が抑制されるといった利点を有し得る。
[00027] センサは、ペリクルキャリア内に一体化されてもよい。
[00028] ペリクルに関連する特性は静電容量であってよく、センサは静電容量センサであってよい。
[00029] これは、リソグラフィ装置の損傷を減少または防止し、1つ以上の他のパターニングデバイスとの相互汚染を減少または防止し、かつ/またはリソグラフィ装置に多くの追加のハードウェアが必要になることを回避するといった利点を有し得る。
[00030] 装置は、センサの電気接点が、ペリクルキャリアが閉じている間に、ペリクルキャリアの外部から接続可能であるように構成され得る。
[00031] これは、ペリクルの状態を検出するためにペリクルキャリアを開く必要がないといった利点を有し得る。
[00032] 装置は、既定のペリクルエリアにわたり、ペリクルが放射で照明されるように構成されてもよく、センサは、ペリクルから反射された放射を測定するように構成される。
[00033] これは、パターニングデバイスパターンの回折パターンが粒子検出システムと干渉するリスクを減少させるといった利点を有し得る。
[00034] 装置は、既定のペリクルエリアを放射で連続的に照明するように構成され得る。
[00035] 既定のペリクルエリアは、照明線であり得る。
[00036] 照明線は、ペリクルと交差する照明面から形成され得る。
[00037] 装置は、ペリクルに対して少なくとも45°の入射角でペリクルを照明するように構成され得る。
[00038] これは、パターニングデバイス回折が粒子検出に偽陽性をもたらすリスクを減少させるといった利点を有し得る。
[00039] センサは、ペリクルからの鏡面反射のパス内に存在しないように方向付けられ得る。
[00040] センサは、照明面に対して垂直に方向付けられ得る。
[00041] 装置は、パターニングデバイスの少なくとも一部に陰を付ける一方で、放射をペリクルに入射させるアパーチャを備えたシャドーイング構造を備え得る。
00042] これは、望ましくない放射をブロックし、ゴーストパターン(ghost pattern)を回避することができるといった利点を有し得る。これは、装置が、異なるタイプの表面を検査することができ、汎用性があるといった利点を有し得る。これは、この方法が表面の光学的特性または照明放射の波長に依存しないためであり得る。
[00043] アパーチャは、既定のペリクルエリアがセンサから見通すことができる一方、シャドーイング構造のシャドーイング効果によりパターニングデバイスパターンの視認性が実質的に減少するような幅を有し得る。
[00044] センサは、ペリクルアセンブリのペリクルフレームに関連付けられ得る。これは、ペリクルの破損または差し迫ったペリクルの破損の迅速なフィードバックを提供するといった利点を有し得る。これは、ペリクルまたはパターニングデバイスを監視するシステム全体を通して複数のディテクタを要することを回避することにより、コストを削減するといった利点を有し得る。
[00045] センサは、少なくとも部分的にペリクルフレーム内に存在し得る。
[00046] センサは、ペリクルまでの距離を測定するように構成された近接センサであってもよい。
[00047] 近接センサは、キャップゲージセンサまたは誘導センサであり得る。
[00048]装置は、センサからのデータを無線送信するように構成されてもよい。
[00049]センサは、検査面からの信号以外の信号をフィルタ除去するように構成されてもよく、検査面はペリクルの位置に対応する。これは、ペリクル内の欠陥の誤検出を回避することができるといった利点を有し得る。これは、より堅固で信頼性の高い欠陥検出方法といった利点を有し得る。
[00050] センサは明視野カメラであってもよく、明視野カメラは、検査面の深度からの放射強度情報のみを出力するように構成される。これは、単一の物体(つまり、カメラ/レンズ)のみが任意の精度で位置合わせされるといった利点を有し得る。
[00051] 明視野カメラは、検査面に対応しないことが分かっている特定の角度範囲内の放射強度情報をフィルタ除去するように構成され得る。
[00052] 装置は、検査面に対応する信号に対して粒子検出アルゴリズムを動作させるように構成され得る。
[00053] 検査面は、ある範囲の最大ペリクル変位に対応し得る。
[00054] 装置は、ペリクルに実質的に透過されない波長を有する放射でペリクルを照明するように構成された放射源を備えてもよく、センサは、ペリクルに関連する放射を測定するように構成されてもよい。これは、放射がペリクルを通過してパターニングデバイスに到達するのを防止するといった利点を有し得る。これにより、他の波長の放射を使用する場合と比べて、ゴーストの発生を防止または実質的に減少させることができる。
[00055] ペリクルを通る放射の透過率は、10%以下、1%以下、または0.1%以下であり得る。
[00056] ペリクルは、多結晶ペリクルであり得る。放射の波長は、180nm~380nm、356nm~365nm、356nm~370nm、356nm~375nm、361nm~365nm、361nm~370nm、361nm~375nm、または、364nm~366nmから選択される範囲であり得る。
[00057] 放射の波長は365nmであってよい。
[00058] 装置は、放射がペリクルに入射する時に平行化または発散されるように構成され得る。
[00059] 装置は、ペリクルが、ペリクルの幅の一部、全幅、または全エリアにわたって一度に照明されるように構成され得る。
[00060] 装置は、複数の放射源を備えてもよい。
[00061] ペリクルは、ケイ素製またはMoSi製であり得る。
[00062] センサは、放射源および/またはパターニングデバイス背面検査ツールを備えてもよい。
[00063] センサは、ペリクルがリソグラフィ装置内の放射ビーム露光位置にある時に、ペリクルに関連する特性を測定するように構成され得る。
[00064] これは、ペリクルの状態の現場(in-situ)検出といった利点を有し得る。
[00065] センサは、露光放射ビームが放射ビーム露光位置にあるペリクルに入射する時に、ペリクルに関連する特性を測定するように構成されてもよい。
[00066] これは、ペリクルの状態のリアルタイム検出といった利点を有し得る。
[00067] 装置は、露光放射ビームからの放射をフィルタ除去するためのフィルタを備え得る。
[00068] 装置は、ペリクルに関連する状態に基づいて、放射ビームを停止するように、かつ/または放射ビームのさらなるパルスを防止するように構成され得る。
[00069] これは、パターニングデバイスへの損傷を防止するといった利点を有し得る。
[00070] ペリクルに関連する状態は、ペリクルの耐用期間、ペリクルの完全性、ペリクル内の欠陥、ペリクルの局所的な透過の変化、ペリクル上に位置する粒子、ペリクル上の汚れ、ペリクルの変形、ペリクルの差し迫った破損、ペリクルの破損、および/または、ペリクルの存在から選択される1つ以上であり得る。
[00071] センサは、ペリクルの直接見通し線内に存在しなくてよい。
[00072] 一態様によると、本明細書に記載されるペリクルに関連する状態を決定するための装置とリソグラフィ装置とを備えるアセンブリが提供され、このリソグラフィ装置は、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、放射ビームの断面にパターンを付与してパターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持するように構築されたサポート構造と、基板を保持するように構築された基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板上に投影するように構成された投影システムと、を備える。
[00073] 一態様によると、リソグラフィ装置において使用するためのペリクルに関連する状態を決定する方法が提供され、この方法は、センサを使用してペリクルに関連する特性を測定することを含み、特性は、ペリクルの状態を示す。
[00074] ペリクルに関連する特性は、ペリクルの温度プロファイルであってよく、かつ/または、ペリクル上の粒子の温度プロファイルであってもよい。
[00075] 方法は、センサを使用して、ペリクルに関連する赤外放射(IR)を測定することをさらに含み得る。
[00076] 方法は、粒子から受ける赤外放射とペリクルから受ける赤外放射との間のコントラストを識別することにより、ペリクル上の粒子を識別することをさらに含み得る。
[00077] 方法は、ペリクルおよび/またはペリクルとパターニングデバイスとの対に対する最大許容パワーを決定することをさらに含み得る。
[00078] 方法は、センサがペリクルキャリア内に一体化されている場合に、ペリクルに関連する特性を測定することをさらに含み得る。
[00079] 方法は、静電容量センサを使用して、ペリクルの静電容量を測定することをさらに含み得る。
[00080] 方法は、既定のペリクルエリアにわたり、ペリクルを放射で照明することと、ペリクルから反射された放射をセンサにより測定することをさらに含み得る。
[00081] 方法は、既定のペリクルエリアを放射で連続的に照明することをさらに含み得る。
[00082] 方法は、ペリクルと交差する時に照明線を形成する照明面を使用して、既定のペリクルエリアを照明することをさらに含み得る。
[00083] 方法は、ペリクルに対して少なくとも45°の入射角でペリクルを照明することをさらに含み得る。
[00084] 方法は、センサを照明面に対して垂直に方向付けることをさらに含み得る。
[00085] 方法は、ペリクルを照明することと、既定のペリクルエリアをセンサによって見通す一方、アパーチャを備えたシャドーイング構造のシャドーイング効果により、パターニングデバイスからのパターニングデバイスパターンの視認性を実質的に減少させることと、をさらに含み得る。
[00086] センサは、ペリクルアセンブリのペリクルフレームに関連付けられ得る。
[00087] 近接センサを使用してペリクルまでの距離を測定することをさらに含み得る。
[00088] 方法は、センサからデータを無線送信することをさらに含み得る。
[00089] 方法は、検査面からの信号以外の信号をフィルタ除去することをさらに含んでもよく、検査面はペリクルの位置に対応する。
[00090] センサは明視野カメラであってもよく、方法は、検査面の深度からの放射強度情報のみを出力することを含み得る。
[00091] 方法は、検査面に対応する信号に対して粒子検出アルゴリズムを動作させることをさらに含む。
[00092] 方法は、ペリクルに実質的に透過されない波長を有する放射でペリクルを照明することと、センサを使用してペリクルに関連する放射を測定することとをさらに含み得る。
[00093] ペリクルを通る放射の透過率は、10%以下、1%以下、または0.1%以下であり得る。
[00094] ペリクルは多結晶ペリクルであり得る。
[00095] 放射の波長は、180nm~380nm、356nm~365nm、356nm~370nm、356nm~375nm、361nm~365nm、361nm~370nm、または、361nm~375nmから選択される範囲であり得る。
[00096] 放射の波長は365nmであってよい。
[00097] 方法は、ペリクルに入射する時に平行化または発散される放射によってペリクルを照明することをさらに含み得る。
[00098] 方法は、ペリクルの幅の一部、全幅、または全エリアにわたって、ペリクルを一度に照明することをさらに含み得る。
[00099] 方法は、複数の放射源からペリクルを照明することをさらに含み得る。
[000100] ペリクルは、ケイ素製またはMoSi製であり得る。
[000101] 方法は、センサを使用して、ペリクルに実質的に透過されない波長を有する放射でペリクルを照明することをさらに含み得る。
[000102] 方法は、ペリクルがリソグラフィ装置内の放射ビーム露光位置にある時に、ペリクルに関連する特性を測定することをさらに含み得る。
[000103] 方法は、露光放射ビームが放射ビーム露光位置にあるペリクルに入射する時に、ペリクルに関連する特性を測定することをさらに含み得る。
[000104] 方法は、ペリクルに関連する状態に基づいて、放射ビームを停止すること、および/または放射ビームのさらなるパルスを防止することをさらに含み得る。
[000105] ペリクルに関連する状態は、ペリクルの耐用期間、ペリクルの完全性、ペリクル内の欠陥、ペリクルの透過の変化、ペリクル上に位置する粒子、ペリクル上の汚れ、ペリクルの変形、ペリクルの差し迫った破損、ペリクルの破損、および/または、ペリクルの存在から選択される1つ以上であり得る。
[000106] 一態様によると、本明細書に記載される方法をコンピュータに実行させるように構成されたコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
[000107] 一態様によると、本明細書に記載されるコンピュータプログラムを有するコンピュータ可読媒体が提供される。
[000108] 一態様によると、ペリクルに関連する状態を決定するように構成されたコンピュータ装置が提供され、コンピュータ装置は、プロセッサ可読命令を記憶するメモリと、メモリ内に記憶された命令を読取りおよび実行するように構成されたプロセッサと、を備え、プロセッサ可読命令は、コンピュータを制御して本明細書に記載される方法を実行させるように構成された命令を含む。
[000128] 図1は、本発明の一実施形態に係るセンサ26を備えたリソグラフィシステムを示している。リソグラフィシステムは、放射源SOおよびリソグラフィ装置LAを備える。放射源SOは、極端紫外線(EUV)放射ビームBを生成するように構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムIL、パターニングデバイスMA(例えば、マスク)を支持するように構成されたサポート構造MT、投影システムPS、および基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTを備える。照明システムILは、放射ビームBを、パターニングデバイスMAに入射する前に調整するように構成される。投影システムは、(この時点では、パターニングデバイスMAによってパターン付与されている)放射ビームBを基板W上に投影するように構成される。基板Wは、予め形成されたパターンを含み得る。この場合、リソグラフィ装置LAは、パターン付き放射ビームBを、基板W上に予め形成されたパターンに対して位置合わせする。
[000129] 放射源SO、照明システムIL、および投影システムPSは、全て、外部環境から隔離されることができるように構築および配置され得る。放射源SO内には、大気圧未満の圧力でガス(例えば、水素)を供給することができる。照明システムILおよび/または投影システムPS内には真空が提供され得る。照明システムILおよび/または投影システムPS内には、大気圧を十分に下回る圧力で少量のガス(例えば、水素)が提供されてもよい。
[000130] 図1に示す放射源SOは、レーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ばれ得るタイプのものである。レーザ1は、例えばCO2レーザであってよく、燃料エミッタ3から提供されるスズ(Sn)などの燃料へとレーザビーム2を介してエネルギを付与するように配置される。以下の説明ではスズに言及しているが、任意の好適な燃料を使用することができる。燃料は、例えば、液体の形態であってよく、例えば、金属または合金であってよい。燃料エミッタ3は、スズを、例えば水滴の形態で、軌道に沿ってプラズマ形成領域4に向けて誘導するように構成されたノズルを備え得る。レーザ2は、プラズマ形成領域4でスズに入射する。スズ内へのレーザエネルギの付与により、プラズマ形成領域4にプラズマ7が生成される。EUV放射を含む放射は、プラズマのイオンの脱励起および再結合中に放出される。
[000131] EUV放射は、近法線入射放射コレクタ5(より一般的に法線入射放射コレクタと呼ばれることもある)によって集光および合焦される。コレクタ5は、EUV放射(例えば、約13.5nmといった所望の波長を有するEUV放射)を反射するように配置された多層構造を有し得る。コレクタ5は、2つの楕円形の焦点を有する楕円構造を有し得る。第1焦点は、プラズマ形成領域4にあり、第2焦点は、以下に説明するような中間焦点6にあり得る。
[000132] レーザ1は、放射源SOから離れていてもよい。そのような場合、レーザ2は、レーザ1から放射源SOへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダ、および/または他の光学系を含むビームデリバリシステム(図示なし)を使って送られる。レーザ1および放射源SOを合わせて放射システムとみなしてもよい。
[000133] コレクタ5によって反射された放射は、放射ビームBを形成する。放射ビームBは、点6において合焦され、プラズマ形成領域4の像を形成し、これが、照明システムILの仮想放射源として機能する。放射ビームBが合焦される点6は、中間焦点と呼ぶことができる。放射源SOは、中間焦点6が、放射源の閉鎖構造9の開口部8に、または開口部8付近に位置付けられるように配置される。
[000134] 放射ビームBは、放射源SOから、放射ビームを調整するように構成された照明システムIL内へと送られる。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10およびファセット瞳ミラーデバイス11を備え得る。ファセットフィールドミラーデバイス10およびファセット瞳ミラーデバイス11は、合わせて、放射ビームBに所望の断面形状と所望の角度強度分布を提供する。放射ビームBは、照明システムILを通過し、サポート構造MTに保持されたパターニングデバイスMAに入射する。パターニングデバイスMAは、ペリクルフレーム17によって所定の位置に保持されるペリクル19によって保護される。ペリクル19およびペリクルフレーム17は、合わせて、ペリクルアセンブリ15を形成する。(例えば、マスクであり得る)パターニングデバイスMAは、放射ビームBを反射し、放射ビームBにパターンを付ける。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10およびファセット瞳ミラーデバイス11に加えて、あるいはそれらの代わりに他のミラーまたはでデバイスを備えてもよい。
[000135] パターニングデバイスMAから反射した後、パターン付き放射ビームBは、投影システムPSに入る。投影システムは、基板テーブルWTによって保持された基板W上に放射ビームBを投影するように構成された複数のミラーを備える。投影システムPSは、放射ビームに縮小係数を適用し、パターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さいフィーチャを有する像を形成する。縮小係数として、例えば、4が適用され得る。図1において、投影システムPSは2つのミラー13、14を有するが、投影システムは、任意の数のミラー(例えば、6つのミラー)を備えることができる。
[000136] 図1に示す放射源SOは、図示されていない構成要素を含んでもよい。例えば、放射源内にスペクトルフィルタが設けられてもよい。スペクトルフィルタは、EUV放射に対しては実質的に透過性を有するが、赤外放射などの他の波長の放射は実質的にブロックするものであり得る。
[000137] 上記簡単に説明したように、ペリクルアセンブリ15は、パターニングデバイスMAに隣接して設けられたペリクル19を備える。ペリクル19は、放射ビームBが、照明システムILからパターニングデバイスMAに近づく時と、パターニングデバイスMAから投影システムPSに向けて反射される時との両方にペリクル19を通過するように、放射ビームBのパス内に設けられる。このリソグラフィ装置LA内のペリクル19の位置は、EUV放射露光位置である。ペリクル19は、(少量のEUV放射を吸収するものの)EUV放射に対して実質的に透明な薄膜を備える。ここで言うEUVに透明なペリクルまたはEUV放射に対して実質的に透明な膜とは、ペリクル19が、EUV放射の少なくとも65%、EUV放射の少なくとも80%、またはEUV放射の少なくとも90の%に対して透過性であることを意味する。ペリクル19は、パターニングデバイスMAを粒子汚染から保護するように作用する。本明細書において、ペリクル19は、EUV透明ペリクルと呼ぶことができる。ペリクル19は、ケイ化モリブデン(MoSi)などの、EUV放射に対して実質的に透明な任意の材料から作られ得る。MoSiは、ケイ素よりも急速に冷却するため、高温ではケイ素よりも強度がある。他の例においては、ペリクルは、ケイ素、窒化ケイ素、グラフェンもしくはグラフェン誘導体、カーボンナノチューブ、またはEUV透明材料を交互に配置することにより形成される多層膜などの他の材料によって作られてもよい。
[000138] リソグラフィ装置LA内を清浄な環境に維持するための試みが成されているものの、リソグラフィ装置LA内には依然として粒子が存在することがある。ペリクル19を使用しない場合、粒子は、パターニングデバイスMA上に付着し得る。パターニングデバイスMA上の粒子は、放射ビームBに付与されるパターン、ひいては基板Wに転写されるパターンに悪影響を及ぼすおそれがある。ペリクル19は、粒子がパターニングデバイスMA上に付着するのを防止するために、パターニングデバイスMAとリソグラフィ装置LA内の環境との間にバリアを提供する。
[000139] 使用において、ペリクル19は、ペリクル19の表面に入射したいずれの粒子も放射ビームBの焦点面内に存在しないようにするのに十分な距離をパターニングデバイスMAから開けて位置決めされる。このようにペリクル19とパターニングデバイスMAとの間を離隔することには、ペリクル19の表面上の任意の粒子が放射ビームBにパターンを付与する程度を減少させる作用がある。放射ビームB内に粒子が存在するものの、放射ビームBの焦点面内ではない(つまり、パターニングデバイスMAの表面上ではない)位置にある場合、粒子の像はいずれも基板Wの表面上には合焦されないが理解されよう。いくつかの例において、ペリクル19とパターニングデバイスMAとの間の離隔は、例えば、2mm~3mm(例えば、およそ2.5mm)であり得る。いくつかの例では、ペリクル19とパターニングデバイスとの間の離隔は、調節可能であってもよい。
[000140] 図2は、ペリクルアセンブリ15およびパターニングデバイスMAの例を示す概略的な側面図である。ペリクルアセンブリ15およびパターニングデバイスMAは、まず、矢印20によって図示されるような左から右への方向(y方向)に動き得る。つまり、パターニングデバイスMAがこの方向にスキャンされる。その後、一般にスキャン型リソグラフィ装置において、パターニングデバイスMAが一方向にスキャンされ、その後反対方向にスキャンされるのと同様に、反対方向にスキャンが行われる。パターニングデバイスMAは、パターニングデバイスMAから反射された後の放射ビームBに付与されるパターンを提供するパターン21(例えば、デバイスパターンまたは回路パターン)を有する。ペリクル19は、リソグラフィ装置LA内の放射ビーム露光位置内にある。つまり、ペリクル19は現場にある。
[000141] 矢印22によって図示される、化学線放射源(図示なし)からパターニングデバイスMAに向かう放射ビームB(つまり、化学線エネルギ)と、矢印23によって図示される、パターニングデバイスMAから基板Wへと反射される放射ビームB(図1参照)は、比較的大量のエネルギをペリクルに与える。ペリクル19は、比較的薄い(例えば、100nm)ため、放散することができる熱の量が限られている。10~20%程度の本来のEUV吸収により、また、効果的な冷却機構が無い場合には、(放熱による冷却がEUV吸収負荷と均衡するまでに)ペリクル19は数百度まで加熱することになる。これは、図2において、ペリクル19上のホットスポット24として概略的に示されている。
[000142] 図3は、図2と同じペリクルアセンブリ15およびパターニングデバイスMAを示すが、ペリクル19を見通すように位置決めされたセンサ26も示している。この例において、センサ26は、ペリクル19を見通すように位置決めされた赤外線センサ26(例えば、IRカメラ)である。入射する放射ビームBによりペリクル19が加熱すると、ペリクル19は、IR放出スペクトル内のIR放射を放出し、これがIRセンサ26によって検出され得る。IR放射は、矢印28によって図示される。IRセンサ26は、ペリクル19に関連するIR放射を測定することができる。IRセンサ26は、ペリクル19に関連するIR放出スペクトルを測定してもよい。
[000143] ペリクル19の温度は、ペリクル19に関連する特性とみなすことができる。ペリクル19の温度プロファイル、つまり、既定の時間にわたるペリクル19の温度は、ペリクル19に関連する特性とみなされ得る。ペリクル19の温度および/または温度プロファイルは、IR放出スペクトルから導出することができる。これには、ペリクル19の放射率が、(例えば、ペリクル19の構成材料から理論的に、またはオフラインの熱認定(thermal qualification)から実験的に)既知である必要がある。
[000144] 上述したように、ペリクル19は、リソグラフィ装置LAの他の部分の温度と比較して、(数百度程度の)比較的高い温度まで加熱し得る。図4および5は、室温(つまり、300K)および約450℃(つまり、750K)のそれぞれの黒体放出スペクトルを示す。図4のグラフは、300Kの温度のスペクトル放射輝度に対する波長を示し、2μm~8μmの間に特定の形状を有しており、図5のグラフは、750Kの温度のスペクトル放射輝度に対する波長を示し、2μm~8μmの間で異なる形状を有している。これを踏まえると、ペリクル19は、気温が上昇した際に、例えば2μm~8μmの間で明確に区別できる放出スペクトルを有し得る。
[000145] 上述したように、一実施形態において、ペリクル19は、リソグラフィ装置LAの放射ビーム露光位置(現場)にあり、放射ビームBがオンに切り替わった時に、放射ビームBはペリクル19に入射する。センサ26は、この状況でペリクル19の温度または温度プロファイルを測定することができる。したがって、ペリクル19について、リアルタイムで、非接触の、現場での温度測定を提供することができる。
[000146] IRセンサ26は、使用される特定のセンサ応じて異なる波長域内のIR放出を測定することができる。使用可能なIRセンサ26の例として、ショットキーバリア金属-シリサイドディテクタ、またはB-Si接合ディテクタがある。
[000147] ペリクル19の温度を十分な精度で決定するためには、例えば、2~3μm帯域または4~5μm帯域である任意の波長域のIR放射の強度を直接測定すれば十分であり得る。ショットキーバリア金属-シリサイドディテクタまたはB-Si接合ディテクタは、この波長域内での測定に使用することができる。測定された波長域におけるスペクトル放射輝度の情報を使用し、図4および5に示したような黒体放出スペクトルを把握することで、ペリクル19の温度を決定することができる。他の例では、IRセンサ26は、例えば2~8μm、2~7μm、2~6μm、2~5μm、2~4μm、3~5μm、3~6μm、4~6μmおよび/または5~6μmから選択される1つ以上の波長域内のIR放出の強度を測定するように構成され得る。
[000148] IRセンサ26は、IR放出差を測定して、ペリクル19の温度を決定することもできる。IR放出差測定の例として、6~8μmの波長域の強度に対する2~3μm波長域の強度の比率を決定することが挙げられる。2μm前後の帯域および6μm前後の帯域に使用可能なIRセンサ26としていくつかの選択肢がある。8μm前後の帯域に対しては、バイアス印加されたショットキーバリア金属-シリサイドフォトダイオードを使用することができる。他の例においては、放出差測定毎に異なる波長域を使用してもよい。
[000149] IRセンサ26は、IR放出スペクトルを確立するためにスキャン可能なバイアス電圧を提供するように構成されたフォトダイオードであり得る。例えば、調節可能なバイアス印加されたショットキーバリアフォトダイオード(単一のフォトダイオードまたは複数のフォトダイオード)を温度測定に使用することができる。これらは、バイアス電圧をスキャンして放出スペクトルを確立し、スペクトル放射輝度対波長の曲線から温度を計算することにより使用され得る。バイアス電圧は1~10V程度であるため、このようなバイアス電圧のスキャンは非常に迅速に適用することができ、1kHzを十分に上回る速度での温度測定を可能にして、ペリクル19のリアルタイムの2D熱画像形成を可能にする。
[000150] IR駆動LPP源は、上述した波長範囲では干渉し得ない。例えば、CO2レーザは、10.6μmの波長を有し、Nd-YAGレーザは、1μmの波長を有する。他の例では、装置は、放射ビームBからの放射をフィルタ除去するためのフィルタ(図示なし)を備え得る。これにより、センサ26を、放射ビームBのパスの隣、または放射ビームBのパス内といったより多くの位置に位置決めすることができるようになる。
[000151] 使用時に、ペリクル19は、比較的速いスピードで、矢印20の方向に放射ビームB通り越して移動する。これは、~kHzの取得および制御速度が必要になり得ることを意味し、これが装置の複雑性を高めることになっている。しかし、ペリクル19の特性は、スキャン方向には急速に変化しないため、必ずしもスキャン方向の変動を追跡するのに十分な速さで測定を行う必要はない。つまり、スキャン方向にペリクルのエリア
をカバーする像(例えば、この像はペリクル19の移動によりぼやけた像であり得る)を見るだけで、ペリクル19に伴うあらゆる潜在的な問題を十分に特定することになる。したがって、10Hzの取得速度は許容可能であるとみなすことができ。他の例では、約1kHzまたは1kHzを超える速度など、10Hzを超えるデータ取得速度を実現することができ、これは、精度が向上するため有益である。
[000152] センサ26は、リソグラフィ装置LA内、つまり、リソグラフィ装置LAの真空密閉された筐体内に位置付けられ得る。上述したように、一実施形態において、リソグラフィ装置LAは、瞳ファセットモジュール(PFM)である瞳ファセットミラーデバイスを備える。センサ26は、PFMの隣に、またはPFM内、望ましくは、PFMの中心に位置付けられ得る。これは、照明観察用目的であったが、使用されていない位置を利用するものである。この位置は、視野が利用可能であり、電気接続および冷却が備わっているといった利点を有する。この位置は、ペリクル19全体の完全に含む視野を有する。
[000153] センサ26は、空間分解熱画像形成(spatially resolved thermal imaging)または統合的な平均温度測定を実行するように構成され得る。空間分解熱画像形成は、ペリクル19上の異なる位置を区別する(これは、ペリクル19の特性が、ペリクル19の見えているエリアにわたり著しく変化する場合は重要になるが、その場合、スキャンに起因するぶれを防止するために、~1kHzの高速な取得速度が必要になる)点で有益である一方、統合的な平均温度測定は、実現が容易であり、より速い測定が可能である。
[000154] 上述したように放射ビームBがペリクル19を加熱させるため、ホットスポット24は、ペリクル19上にある程度存在することが予想される。センサ26は、ホットスポット24内の局所的なホットスポットを観察することが可能であってもよい。これは、ホットスポット24内の懸念される局所エリアを識別することができ、これにより潜在的な破損エリアが示され得ることを意味している。
[000155] 他の例において、センサ26は、ペリクル19に向かう見通し線が実現可能である限り、リソグラフィ装置LA内の別の場所に位置付けられてもよい。センサ26は、放射ビームBのパスの外側に位置付けられてもよい。センサ26は、ペリクル19に対する直接的な見通し線内に存在する必要はない。例えば、IR放射は、IRセンサ26に到達するために1つ以上の表面で反射され得る。特に、ペリクル19の既知の吸収プロファイルと組み合わされる場合は、限定された測定フィールドで十分な場合がある。
[000156] IR放射は、1つ以上の実質的に透明な層を通過して、IRセンサ26に到達し得る。つまり、温度測定を可能にするために装置内に生成された1つ以上のIRウィンドウ(図示なし)があってもよい。IRセンサ26には、電子機器、ゴムなどといった、干渉または粒子による汚染を通してリソグラフィ装置LAの機能に影響し得る構成要素がある。したがって、IRセンサ26をボックス内に収納しつつ、IR放射がIRセンサ26まで通過することができることが有益である。他の例では、IRセンサ26は、リソグラフィ装置LAの筐体の外側に位置付けられてもよい。つまり、IR放射は、筐体内の真空と筐体外の非真空との間のインタフェースを通して筐体の外側に誘導されることが必要になる。
[000157] ペリクル19の温度または温度プロファイルの測定を使用して、ペリクル19に関連する状態の情報を提供することができる。つまり、ペリクル19温度または温度プロファイルは、ペリクル19の状態を示す。ペリクルに関連する状態は、例えば、ペリクルの耐用期間、ペリクルの完全性、ペリクル内の欠陥、ペリクルの局所的な透過の変化、ペリクル上に位置する粒子、ペリクル上の汚れ、ペリクルの変形、ペリクルの差し迫った破損、ペリクルの破損、および/または、ペリクルの存在から選択される1つ以上であり得る。これらの状態は、ペリクルの「健全性」をおおむね定義するものとみなされ得る。
[000158] 温度測定は、局所的な透過の変化、粒子、汚れ、または、ゆっくりと進む材料微細構造の変化によって生じる膜内の元の張力が徐々に失われることによる、ペリクル19のしわ、たるみ、隆起などの経時的な変形といったペリクル19の欠陥があるかどうかを決定する方法を提供する。これらの欠陥の一部は、熱によって誘発される変化またはペリクル19を囲むEUV生成プラズマによるゆっくりと進むエッチングであり得るが、差し迫ったペリクル19の故障、またはペリクル19の材料の急激な経時変化の予測信号として使用することができる。
[000159] これは、上述したように、ペリクル19の厚さおよび熱容量が非常に小さいため、放射ビームBによるペリクル19の加熱のタイムスケールは数ミリ秒程度であり、これにより、例えば~450度を上回る温度でペリクル19の故障が引き起こされるため、重要ある。以前は、これは、ペリクル19を使用することができる最大パワーレベルに制限(例えば、~50~150W)があったことを意味し、これは、ペリクル19がマシン製造性における制限因子であったことを意味している。
[000160] ペリクル19全体にわたる製造許容誤差および変動、ならびに、ペリクル19の耐用期間を通した膜特性の変動も相まって、正確な実際のパワー制限の予測が困難である。さらに、従来は、パターニングデバイスMAレベルでの精度の高いパワー測定は存在しなかった。あらゆるプロセス開発が注意深く行われても、EUV負荷下にあるペリクル19は、予測される耐用期間よりも速く劣化することがあり、(大抵は、放射ビームB露光位置にある時に)リソグラフィ装置LA内に破損を引き起こすことがあり、これがマシンの可用性に影響する。
[000161] このようなことは全て、放射ビームBのパワーが従来は控えめに設定されていたこと、つまり、ペリクル19およびパターニングデバイスMAの損失が回避され得るレベルに設定されていたことを意味する。これは、スループットに対して、-20~30%(-25~35wph)程度の大きな影響を与え得る。
[000162] センサ26を使用して温度を測定することで、ペリクル19の状態を評価することが可能になる。例えば、特定の位置において予測されない温度上昇または非常に急速な温度上昇があった場合、これは、ペリクル19に破損が起きそうであることの指標になり得る。別の例として、ペリクル19の測定温度の変化は、ペリクル19が特定の位置で変形したことを示し得る。ペリクル19は平坦であるべきだが、ペリクル19の温度から、ペリクル19が隆起またはたるみ(つまり、たわみ)を起こしているかどうかを決定することができる。
[000163] さらに別の例では、非常に局所的な温度暴走と、その結果として生じるペリクル19の故障を引き起こすおそれのある、粒子や他の欠陥などの局所的な破損リスクを検出することができる。ペリクル19の温度プロファイルは、ペリクル19の劣化データを提供し得る。これは、ペリクル健全性劣化レポートの形で提供され得る。損害の大きいペリクル19の破損を回避するために、緩和対策を取ることができるように、所定の条件下で警告を発することもできる。これは、例えば、IR像内の高速な偏りによるものであり得る。ペリクル健常性劣化レポートおよび/または警告は、自動的に作動されてもよい。
[000164] センサ26と、例えばペリクル19からのIR放出放射を使用した温度測定とを使用して、ペリクル19の存在を示すこともできる。ペリクル19の存在は、ペリクル19に関連する状態とみなすことができる。
[000165] 図3に示すように放射ビームBがペリクル19に入射する際、上述したように、ペリクル19は、数百℃の比較的高温まで加熱する。センサ26が、放射ビームBがペリクル19と交差する位置を見通し、ペリクル19が所定位置にある状態では、センサ26は、数百度の温度を測定するべきである。放射ビームBがペリクル19に入射する時に、センサ26が予想されるペリクル19の温度に対応する温度を測定しない場合、ペリクル19の損失があることは明白である。これは、パターニングデバイスMAがおよそ室温(±10K)程度であることから、この背景に対する温度差が明白であるためである。このようなペリクル19の損失は直ちに検出可能である。
[000166] 例えば、ペリクル19が存在する場合、IRセンサ26は、図5に示すような750Kの温度に対する黒体放出スペクトルに対応する波長域のスペクトル放射輝度を測定し得る。読取り値がこれを示さず、その代わりに図4に示すような350Kの温度に対する黒体放出スペクトルを示す場合、ペリクルは既に存在しない。例えば、IRセンサ26が2~3μmの波長域のIR放出放射を測定しており、2~3μm帯域に放出の損失がある場合、これは、ペリクル19の損失を表す。他のIR波長域を使用することもできるが、既存の標準検出方法があるため、2~3μmが有益であり得る。
[000167] この概念は、ペリクル19の部分的に含む視野のみを必要とし、ペリクル19全体を含む視野は必要としない。これは、ペリクルの故障が、大抵の場合、ペリクル19全体を破壊するものと考えられるためである。
[000168] 温度測定値が、ペリクル19が存在しない、または完全な状態ではないことを示し、他の情報が、ペリクル19が存在するべきであることを示している場合、ペリクル19が故障したことを示すフラグが立てられる。ペリクル19が存在するべきであることを示し得る他の情報は、パターニングデバイスMAの情報または他のペリクル検出方式(TIS-ベースのペリクル検出および/またはロードロック(Loadlock)-ペリクル検出および/またはペリクル前面検査)のいずれかに基づき得る。ペリクルが故障したことを把握することで、特に、その表示が早急であった場合、緩和対策を取ることが可能になる。
[000169] 他の情報に基づいてペリクルが存在するべきであるとされる間にペリクルの熱信号の検出が失われると、放射ビームBは停止させられ得る。つまり、ペリクル19が存在しない、または完全な状態でないと決定された場合、それ以上のEUVパルスが生成されなくなる。EUV照射の継続を防止することで、パターニングデバイスMAおよびリソグラフィ装置LA上のペリクル19の微粒子および剥片が放射に誘発されて反応するのが防止されることになる。これにより、ペリクルの故障が起きた後に、パターニングデバイスMAを洗浄することができる可能性が高まる。
[000170] 他の例では、放射ビームBは、ペリクル19の差し迫った破損、ペリクルの完全性の欠如、または任意の他の関連した状態といった、ペリクル19に関連する他の状態に応じて、放射ビームBが停止されてもよく、またはさらなるパルスが防止されてもよい。
[000171] 他の例では、センサ26によって測定された放射を学習データベースとして使用して、将来的なペリクルの故障を予測することもできる。ペリクルの故障を生じさせる特定の温度または温度プロファイルを記憶し、ペリクルの差し迫った破損が起こる恐れがあるといった警告を発することにより、将来的なペリクルの故障を回避するために使用することができる。
[000172] 別の例において、図2に示すホットスポット24は、ペリクル19の表面上に位置した粒子から形成され得る。ペリクル19は、パターニングデバイスMAのパターン21と比較して、小さな粒子による汚染に対する寛容性が高い。しかし、ペリクル19は、最終的なリソグラフィを損なうのに十分なほどに汚染が酷くなることや、または、大きな粒子を有することもあり得る。ペリクル19上の粒子(または、複数の粒子)は焦点から外れているものの、そのような粒子を検出可能であることが望ましい。
[000173] さらに、ペリクル19上の粒子(または、複数の粒子)は放射ビームBからのエネルギを吸収する。上述したように、ペリクル19は比較的薄い(例えば、100nm未満)であるため、放散することができる熱の量が限られている。したがって、ペリクル19上の粒子は比較的高温になることがあり、このようにペリクル19の表面の局所的で不均一な加熱は、膜内に局所的な応力を生成することがあり、破損したペリクル19を生じさせる恐れがある。パターニングデバイスMAの上方に破損したペリクル19があると、回復までに深刻なダウンタイムが生じることがあり、光学システム全体に粒子が分布する可能性がある。
[000174] 図3に示すように、センサ26は前述したように、放射28の熱画像を捕捉できるような態様で取り付けられる。ペリクル19上の粒子は、放射ビームBの化学線に露光される。粒子は、この粒子を取り囲むペリクル19の材料よりも顕著に加熱する。センサ28が、化学線とペリクル19との交差点に向けられる場合、粒子からの放射28は、ペリクル19の材料からの放射よりも顕著に大きいことになる。ペリクル19と粒子との温度差は、約200℃であり得る。粒子は、より低い温度のペリクル19による背景よりも高い温度を有するので、この粒子を検出することができる。つまり、粒子から受ける(IR)放射と、ペリクル19から受ける(IR)放射との間のコントラストを識別することにより、粒子は、ペリクル19上の位置を特定することができる。粒子のサイズは重要でない場合があるが、ペリクル19をリスクにさらすあらゆる差し迫った熱のホットスポットを検出することが望ましい。
[000175] パターニングデバイスMAも同様に加熱するが、図6に示すように、IRセンサ26を高い入射角で取付けることで、パターニングデバイスMAからIRセンサ26に向かう(矢印30によって図示される)IR放出が抑制される。これは、パターニングデバイスMAのIR放出が、ペリクル19に対して高い入射角(つまり、ペリクル19の法線に対する角度)を有し、パターニングデバイスMAに向けて反射されることになる(反射されたIR放出は矢印31によって図示される)といった事実によるものである。パターニングデバイスMAのIR放出は、ペリクル19に対して、少なくとも45°(度)、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°または85°の入射角を有し得る。
[000176] このように、IR画像形成は、主に、ペリクル19の前面からのIR放出に限定されることになる。ペリクル19およびパターニングデバイスMAの透過はフレネルの法則に従い、80度で20%を下回る。これが、ペリクル19の40%の反射率および吸収と相まって、結果的にパターニングデバイスMAの結像を抑制する。それに加えて、パターニングデバイスMAは冷却されるため、まず、パターニングデバイスMAから最小限のIR放出30は存在するはずである。
[000177] IRセンサ26は、ペリクル19に対して、少なくとも45°(度)、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、または85°の入射角(つまり、ペリクル19の法線に対する角度)に位置付けられ得る。入射角は、ペリクル19上の粒子の検出にとって重要であるだけでなく、ペリクル19に関連する他の状態を検出するのに有用であり得る。この例では、粒子の加熱によって生成されたペリクル19のホットスポット24の現場での検出が使用されるが、他の例では、ペリクル19のホットスポット24は、他の手段によって生成されてもよい。
[000178] センサ26は、ペリクル19全体を一度に結像してもよく、またはペリクル19のある区分を任意の所与のタイミングで結像してもよく、パターニングデバイスMAおよびペリクル19が露光のために前後にスキャンされる時に、合成画像を形成する。したがって、加熱された粒子が際立った画像を形成することができる。
[000179] ペリクル19上の粒子は、ペリクル19が放射ビームB露光位置内にある間に検出することができ、望ましくは、放射ビームBがペリクル19に入射する時に検出することができる。これは、ペリクル19上で加熱する粒子によって引き起こされた熱のホットスポット24の検出によるものであり得る。ペリクル19に関連するこのような状態(例えば、ペリクル19上の粒子)の検出は、軽減対策を取ることにより、ペリクル19の損傷を回避することができるため、マシンダウンタイムを減少させるために有用である。
[000180] 一実施形態において、ペリクル19の実際の温度をリアルタイムで把握することにより、任意の特定のペリクル19に対するパワーリミットの不確実性およびペリクル19レベルでの絶対的な入射パワー測定値の欠如によってもたらされるスループット対耐用期間といった難しい問題の解決が可能となる。上述したように、これらの不確実性は、局所的な材料特性に対するペリクル19自体のばらつき、経時的な変動、欠陥等によって悪化する。
[000181] リアルタイムな現場でのペリクル19の温度測定を使用して、露光放射パワー(つまり、放射ビームBのパワー)を能動的に制御して、ペリクル19を、最高許容(測定)温度のレベルを超えずに、この最高許容温度に到達させることができる。つまり、一実施形態では、フィードバック制御ループを使用して、ペリクル19の温度測定値に関する信号に基づき、ペリクル19に入射する放射ビームBのパワーを制御することができる。
[000182] 放射ビームBのパワーを減少させると、時間当たりの基板Wのスループットが低下する。フィードバックループにより、より高い安全レベルまたは最高安全レベルのスループットでリソグラフィ装置LAを使用することが可能になり得る。
[000183] 特定のペリクル19の破損リスクが低くなるように、放射ビームBのパワーを、個々のペリクル19のばらつきにおける不確実性を考慮したレベルに設定する必要がある代わりに、放射ビームBのパワーレベルは、使用中の特定のペリクル19に応じて変更することができる。例えば、センサ26が、ペリクル19の温度が所定の状態を上回って急激に上昇した、または上昇していることを測定した場合、放射ビームBのパワーを減少させてペリクル19への損傷を回避することができる。他方で、温度測定値が所定の状態を下回っているまたは正常である場合、放射ビームBのパワーを増加させて、基板のスループットを高めることができる。
[000184] 放射ビームBのパワーは、ペリクル19を所定の温度に維持するために、センサ26からの温度測定値に基づいて能動的に制御され得る。
[000185] 特定のペリクル19について許容されるパワーは、このペリクル19を放射ビームBに露光する前に決定され得る。これは、例えば、パターニングデバイスMAと基板Wとの位置合わせ手順中に、あるいは、最大パワーの検出された較正を使用して、行われ得る。これは、ペリクル19がパターニングデバイスMAと共に位置付けられる時にペリクル19のばらつきが重要になるため、パターニングデバイスMAとペリクル19との対に対して行われ得る。
[000186] 場合によっては、EUV以外の波長がオフラインのペリクルテストで使用されるが、この場合、パワーリミットの整合を~1%(1wph)内に収めることが非常に困難である。リソグラフィ装置LA内の温度測定値を使用することで、オフラインのペリクル19テストをリソグラフィ装置LAの状態に整合させることに関する要件が緩和される。
[000187] 露光ビームパワー(放射ビームBのパワー)のフィードバック制御は、温度の方法を使用してペリクル19上の粒子を検出する際にも使用することができる。
[000188] 露光ビームパワー(放射ビームBのパワー)を制御して、スループットとマシン/パターニングデバイスMAの損傷との均衡をとることに代えて、リアルタイムな現場での温度測定を使用して分割露光方式を駆動させることができる。分割露光方式は自動的に作動させられ得る。分割露光方式を使用して、パターニングデバイスMA上をより速くスキャンすることにより(かつ、それに対応して、より頻繁にスキャンして同一の露光量対サイズを維持することにより)ペリクル19および/または粒子がそれらのピーク温度に到達することを防止することができる。スキャンの速度を上げると、基板Wが露光のための十分なエネルギを受けられないことがある。その場合、基板Wを露光させる時間を増やすために別のスキャンが必要になることもある。
[000189] しかし、このように分割露光を作動させることにより、単に露光ビームのパワーを減少させるのと比べて、基板Wの正味のスループットを高くすることができる。これは、分割露光方式が必要時にのみ作動されるためであり、より高い露光ビームのパワーを有することは、一般的に、基板Wのスループットがより速くなることを意味する。
[000190] さらに、分割露光方式を実際にいつ使用すべきかを把握しているということは、基板Wのスループットのスピードを実際に落とす分割露光方式が通常は不必要であることを意味している。このことも、所与の時間内に露光することができる基板Wの全体数を増加させる。
[00191] 温度の問題を検出するということは、ペリクル19の破損につながるペリクル19の耐用期間の問題または欠陥を、ペリクル19が破損する前に検出することができることを意味する。これは、(例えば、損傷したペリクルの交換またはパターニングデバイスMAの洗浄のために)基板を露光するプロセスを中断することを回避することができ、費用および時間が削減されることを意味する。
[00192] 上記説明は、リソグラフィ装置LAにおける温度測定に関して記載したが、他の例では、ペリクル19は、測定が行われる時にリソグラフィ装置LA内に位置付けられていなくてもよい。例えば、ペリクル19は、ペリクルスタンド内に位置付けられ得る。他の例では、以下でより詳細に説明するように、温度測定値は、パターニングデバイスMA(例えば、マスク)の検査装置内でパターニングデバイス上の欠陥を検出するために使用されてもよい。
[00193] 他の例では、ペリクル19に関連する特性を測定するように構成されたセンサは、IRセンサでなく、別の形態のセンサであってもよい。例えば、ペリクル19に関連する特性は静電容量であってもよく、センサは静電容量センサであってもよい。
[00194] 図7は、EUV装置の関連でEUVインナーポッド(EIP)としても公知のペリクルキャリア35のベースプレート34内に一体化される例示的な静電容量センサ32の上面図を示す。ペリクルキャリアについて言及されているが、本発明の実施形態は、レチクルキャリア(EIP)にも等しく適用可能であり、したがって、言及されるペリクルキャリアの事例はいずれも、該当する場合には、レチクルキャリアもカバーするものとみなされ得る。ペリクルキャリア35は、内部のコンポーネントを保護するために密閉可能なボックス型であり得る。ベースプレート34は、ペリクル(図示なし)用の切り欠き36を有し、ペリクルキャリア35は、安全にペリクルを搬送するために使用される。ペリクルは、図1~3および6のペリクル19であり得る。静電容量センサ32は、少なくとも1つの感知エリア38を備え、保護板40を含み得る。保護板40は、擾乱を切り離す助けとなるが、必須ではない。静電容量センサ32は、ベースプレート34に対して中心に位置付けられ得る。しかし、静電容量センサ32はペリクルに対していずれに位置にあってもよいため、この位置は必須ではない。ペリクルが不合格である場合、ペリクルは、膜内のプレテンションにより、垂下されなくなる。したがって、この膜の全範囲上のいずれの位置でも故障が検出されることになる。他の例では、静電容量センサ32は、ベースプレート34の側方など、中心には位置付けられないこともある。
[00195] 図8は、電気接続部42を介してペリクルキャリア35の外部に電気的に接続される容量センサ32を示すペリクルキャリア35のベースプレート34の側面図である。容量センサ32の実施方法は多数存在するが、一例として、ベースプレート34内の1つの感知エリア38によってペリクル表面を測定することが挙げられる。図8の例では、一方が保護板40に接続され、他方が感知エリア38に接続された2つの電気接続部が存在する。電気接続部42は、ベースプレート34の外側で静電容量センサ32の駆動または読み出しを行うためのものである。これは、ペリクルキャリア35が閉じている時に静電容量センサ32からの信号を読むことができることを示している。電気接続部42は、ペリクルキャリア35の外部にエクスポートされるため、例えば、真空内ロボット(IVR)または急速交換デバイス(RED)に対するインタフェースとなり得る。別の例では、ベースプレート34内に2つの感知エリア38があってよく、ペリクルは、2つの感知エリア38間の中間コンダクタとして使用することができる。
[00196] ペリクル膜は、導電性である限り、静電容量センサ32によって測定することができる。ペリクルキャリア35内の静電容量センサ32に電気的に接触することにより、ペリクル膜の完全性、つまり、ペリクルが完全体であるか、または少なくとも部分的に破損しているかを測定することができる。この測定は、ペリクルキャリア35を開けなくとも、フロー内の任意の位置で行うことができる。例えば、IVRまたはREDがペリクルキャリア35に取り付けられている時はいつでも、ペリクルの完全性を測定することができる。ペリクルは破損する可能性があるため、ペリクルの完全性を知ることは重要であり、この完全性が検出されないと、リソグラフィ装置LAおよび/または1つ以上の他のパターニングデバイスMAの汚染が発生し得る。
[00197] ペリクルキャリア35内に一体化された静電容量センサ32を使用することは、ペリクルの状態を検出するためにペリクルキャリア35を開ける必要がないことを意味する。さらに、光学センサがペリクル膜を見通すことができるようにするために、ペリクルキャリアのベースプレート内に窓を作る必要がない。これは、そのような光学センサがこのような目的で開発または使用される必要がないことも意味している。
[00198] 1つ以上の利点には、多くの位置におけるペリクルの状態の検出、リソグラフィ装置LAへの損傷の防止、および/または1つ以上の他のパターニングデバイスMAへの相互汚染の防止が含まれる。さらに、リソグラフィ装置LAに多くの追加のハードウェアを含まなくてもペリクルの完全性の検出を達成することができる。静電容量センサ32は、リソグラフィ装置LAおよびそれ以外の場所においてペリクルとともに移動するため、リソグラフィ装置LA内または各位置の他の装置内に追加のハードウェアを構築することなく、多くの場所で検出を実行することができる。
[00199] 他の例では、静電容量センサ32は、ペリクルキャリアの別の部分内に一体化されてもよい。他の例では、静電容量センサ32は、現場でペリクルの静電容量を測定するために、リソグラフィ装置LA内などの異なる位置にあってもよい。他の例では、ペリクルキャリア内に一体化されるセンサは、光学(焦点、三角測量)ベース、超音波ベース、音波ベース、またはガス流制限ベースのセンサなど、異なるタイプのセンサであってよい。
[000200] 図9は、ペリクルに関連する状態を決定するための別の例示的な装置を示している。前述した例と同様に、同一のコンポーネントには、同一の参照番号が使用されている。図9は、ペリクルアセンブリ15およびパターニングデバイスMAの概略的な側面図を示している。前述したように、パターニングデバイスMAは、このパターニングデバイスMAからの反射後、放射ビームB(図示なし)に付与されるパターンを提供するパターン21を有する。
[000201] 前述したように、リソグラフィ装置LAにおいて、パターニングデバイスMAはペリクル19によって保護され、ペリクル19は、化学線によるパターニングデバイスMAの像に対して焦点外にある。焦点から外れていることにより、ペリクル19は、小さい粒子による汚染に対して寛容性が高くなり得る。しかし、ペリクル19は、最終的なリソグラフィを損なうのに十分なほどに汚染が酷くなること、または、大きな粒子(ペリクル19上の粒子44等)を有することもあり得る。これもまた、不均一な熱分布によるペリクル19の破損のリスクを生じさせることがある。したがって、望ましくはリソグラフィ装置LA自体の内部に、ペリクル19の汚染を検査する何らかの手段を有することが好ましい。ペリクル19上の粒子44の検出には、照明放射の反射が使用される。
[000202] 図9において、放射出力46(例えば、放射源または放射源から放射を提供するように構成された開口部)は、ペリクル19に対して比較的高い入射角で照明放射Lを提供する。ペリクル19に対する入射角(つまり、ペリクル19の法線に対する角度)は、少なくとも、45°(度)、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、または85°であり得る。放射が表面に衝突する時、反射、透過、吸収される量は、材料特性、放射波長、および入射角によって表される。一般的には、入射角が大きいほど、透過される放射は少ない。
[000203] 照明放射Lは、放射出力46から延出してペリクル19と交差する照明面Pの形態であり得る(これの上面図については、図11を参照のこと)。つまり、照明ビームは照明の平面Pを形成するように広がる。この照明面Pは、既定のエリア上でペリクル19(図11を参照のこと)と交差する時、ペリクル照明線47を形成する。ペリクル照明線47は、状況に応じて任意の好適な幅を有し得る。他の例において、照明は、別の既定のペリクルエリアにわたって行われてもよく、つまり、必ずしも線でなくてもよい。他の例において、照明線は、別の方法で形成されてもよい(つまり、照明面によって形成されなくてもよい)。
[000204] ペリクル19の表面は、比較的平滑であり、鏡面反射、つまり鏡面反射ビームRを生じさせる。すなわち、ペリクル19の非汚染表面は、低拡散性の反射を有する。反射ビームRは、ビーム吸収体48に向けて誘導されるため、照明放射Lの大半は、吸収体48内に鏡面反射される。放射センサ52およびレンズ54を備えた結像システム50は、鏡面反射ビームRのパス内に入らないように方向付けられる。この例では、放射センサ52は、照明面Pに垂直に配置される。ペリクル19が清浄で欠陥(粒子)を含まない場合、放射センサ52は、ペリクル19から反射される放射を全く検出しないことになる。
[000205] しかし、ペリクル19は放射に対して実質的に透明であるため、照明放射Lの一部は、ペリクル19を通過してパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスMAによって分散するように反射する(図9の破線56を参照)。照明面Pは、パターニングデバイスMAと交差する時に、パターニングデバイス照明線53を形成する(図11を参照)。この場合、一部の放射は、パターニングデバイスMAのパターン21から散乱し、放射センサ52上に結像される。レンズ54は、パターニングデバイスMAから反射した放射を放射センサ52上に合焦する。ペリクル19は、薄膜であってよく、一部の波長の放射に対して透過性が低くてもよい。
[000206] 汚染されていないペリクル19は鏡面であるため、ペリクル19からは結像が生じない。図9に示すように、照明放射L(つまり、ペリクル照明線47)が粒子44上に入射しない場合、ペリクル19からの像は放射センサ52上には形成されないことになる。
[000207]ペリクル19の汚染検出における重要な問題は、ペリクル19上の粒子44からの放射を、パターニングデバイスMAのフィーチャから回折される放射から区別することである。任意の瞬間にペリクル19の線のみを高い入射角で照明することにより、パターニングデバイスMAへと透過される放射の量は最小限になる。ペリクル19上への照明放射Lの入射角が高いと、パターニングデバイスMAの回折のリスクが減少する。
[000208] より高い入射角は、ペリクル照明線47の像と、パターニングデバイスMAの照明線53の像との離隔も最大にする(図11を参照)。また、放射センサ52を照明面Pに対して直角で配置することもまた、放射センサ52内でペリクルからの像とパターニングデバイスMAからの像との離隔を最大にする。
[000209] 図10に示すように、照明放射Lが粒子44に入射する場合(つまり、ペリクル照明線46が粒子44上に入る場合)、ペリクル19からの像は(二点鎖線58を参照)放射センサ52上に形成されることになるが、いずれのパターニングデバイスMAの散乱(破線56)とも異なる領域内に形成される。パターニングデバイスMAおよびペリクル19は、(矢印20の方向、つまりy方向に)スキャンされるが、これは、パターニングデバイスMAおよびペリクル19が放射出力46に対して移動することになることを意味する。パターニングデバイスMAおよびペリクル19は、反対方向にもスキャンされる。これは、ペリクル照明線47がペリクル19の表面を効果的に横断することになることを意味する。したがって、ペリクル照明線47の下ではペリクル19のエリアが連続的に照明される。これは、ペリクル19上のいずれかの位置に汚染がある場合、照明放射Lがスキャン中にそれを照らし、汚染粒子44が放射センサ52上に結像することになる拡散性の散乱を生じさせることを意味する。
[000210] 図11は、図10と同じ構成を上面図で示す。放射出力46からの照明放射Lの照明面Pが図11に示されている。図11には、照明放射Lがペリクル19と交差する照明線47、および、照明放射LがパターニングデバイスMAと交差するパターニングデバイス照明線53も示されている。この例において、矢印20は、パターニングデバイスMAおよびペリクル19がスキャンのために移動させられる方向(y方向)を示す。パターニングデバイスMAおよびペリクル19は、反対方向にもスキャンされる。他の例では、放射出力46を代わりに移動してもよい。これは、照明放射の平面角度を精査することにより、また結像システム50を注意深く設計することにより行われ得る。
[000211] 放射センサ52上の粒子44の回折像を分析することにより、粒子44のサイズおよび数を決定することができ、リソグラフィ装置LAの性能に与える可能性のある影響を評価することができる。
[000212] ペリクル19は、例えば、リソグラフィ装置の外部であっても、または放射ビームBが入射していない状態のリソグラフィ装置の内部であっても、オフラインで監視することができる。あるいは、ペリクル19は、例えば放射ビームが入射している状態で、リアルタイムで監視されてもよい。
[000213] 特定のペリクル19からパターニングデバイスMAの離隔があるとすると、ペリクル19とパターニングデバイスMAの照明線との交差は、以下の式によって表されるように結像する。
上記式において、「S」は、照明面Pに垂直な結像システム50によって観察される線の離隔であり、「Distance」は、ペリクルとパターニングデバイスMAとの間の距離であり、「θ」は、ペリクル19に対する入射角(照明角度)である。パターニングデバイスMAからペリクル19への距離が2.5mmであり、照明角度が80度である場合、線離隔Sは、14mmの距離として現れる。
[000214] パターニングデバイスMAの回折による誤検出のリスクをさらに低くするために、反対方向にスキャンして共通の位置の回折を検出する2つの放射出力46を使用してもよい。これは、両方の放射出力46からのペリクル19上の特定位置の照明が、パターニングデバイスMAの異なる位置を照明することになるためである。
[000215] 図12は、ペリクルに関連する状態を決定するための別の例示的な装置を示している。前述の例と同様に、同一のコンポーネントには、同一の参照番号が使用されている。図12は、ペリクル19およびパターニングデバイスMAの概略的な側面図を示す。ペリクル19は、パターニングデバイスMAからギャップだけ離隔されている。このギャップgは、2~3mm、または約2.5mmであり得る。ペリクル19およびパターニングデバイスMAは、矢印20によって図示されるように左から右への方向に移動する(つまり、この方向にスキャンされる)。ペリクル19およびパターニングデバイスMAは、反対方向にもスキャンされてもよい。パターニングデバイスMAは、パターニングデバイスMAからの反射後の放射ビームB(図示なし)に付与されるパターンを提供するパターン21を有する。
[000216] ペリクル19上には、1つまたは複数の粒子が存在し得る。このような粒子は、露光欠陥を生じさせ、不均一な熱分布によってペリクル19の破損のリスクを生じさせるおそれがある。ペリクル19上の(複数の)粒子を検出するために、図9~11の例と同様に照明放射からの反射が使用される。ただし、本例では、(複数の)粒子の検出は、異なる方法で行われる。
[000217] 粒子を検出するために、照明放射Lは、照明出力(例えば、照明源)(図示なし)からペリクル19上に投光される。照明放射Lの波長は、検出可能である限り、重要ではない。照明放射Lは、2つの異なる放射出力から投光されてもよい。照明放射Lは、ペリクル19に対して比較的高い入射角であり得る。ペリクル19に対する入射角(つまり、ペリクルの法線に対する角度)は、少なくとも、45°(度)、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、または85°であり得る。
[000218] ペリクル19および(複数の)粒子からの反射放射Rは、反射放射Rを検出するように位置決めされた放射センサ60(つまり、高解像度カメラ等のカメラ)によって捕捉される。放射センサ60は、ペリクル19に垂直に位置決めされ得る。他の例では、放射センサ60は、相応な異なる位置および角度で位置付けられてもよい。放射センサ60を使用してこの反射放射を見通すことにより、粒子の位置を決定することができる。
[000219] しかし、ペリクル19は実質的に透過性であるため、照明放射Lの一部は、ペリクル19も通過してパターニングデバイスMAのパターン21で反射する。そのため、パターニングデバイスMAのパターンが反射放射内に含まれることがあり、これが放射センサ60により検出されるゴーストパターンを生成し得る。このようなゴーストパターンは、誤って欠陥とみなされる可能性があるため、望ましくない。ゴーストパターンをフィルタ除去するために追加の像後処理アルゴリズムが必要になり得るが、これが常に信頼性が高いわけではない。
[000220] これに対処するために、ペリクル19と放射センサ60との間にはシャドーイング構造62が設けられ、パターニングデバイスMAの少なくとも一部に影を付ける一方、照明放射Lをペリクル19上に投影させる。シャドーイング構造62は、スリットの形態であり得るアパーチャ64を有し、既定のペリクル19のエリアが放射センサ60によって見通され得る一方、パターニングデバイスのパターン(ゴーストパターン)の視認性が実質的に減少するようなサイズに設定された幅wを有する。つまり、ゴーストパターンを不可視にするか、あるいはその視認性を大きく減少することで、ゴーストパターンが欠陥として報告されることを防止する。
[000221] アパーチャ64の幅wと、ペリクル19とパターニングデバイスMAとの間のギャップgと、放射Lが誘導される角度とにより、反射放射Rがペリクル19から検出され得る有効検出距離dが存在する。これは、パターニングデバイスMAには、放射が反射されず、放射センサ60によって検出されないシャドーイングエリア66が存在することを意味している。このことは、有効検出距離d内に欠陥(つまり、粒子)が検出される場合、それはペリクル19上の実際の欠陥であって、パターニングデバイスMAからのゴーストパターンではないことを意味する。
[000222] パターニングデバイスMAおよびペリクル19は、連続モードまたはステップモードでスキャンされることにより、ペリクル19の完全な表面検査を達成することができる。様々な検査ゾーンが照明され、その後処理および統合されて、完全な表面検査を実現することができる。
[000223] シャドーイング構造60および照明放射Lを使用する方法は、ペリクル19の表面の光学特性または照明放射Lの波長に依存しない。したがって、汎用性があり、異なるタイプの表面を検査するように適合され得る。
[000224] 図13は、図2に示すものと同様のペリクルアセンブリ15およびパターニングデバイスMAを示すが、本例では、ペリクルアセンブリ15のペリクルフレーム17が、ペリクルフレーム17に埋め込まれた複数の近接センサを備える点で異なる。特に、本例において、近接センサはキャップゲージセンサ68(静電容量センサ)である。キャップゲージセンサ68は、ペリクルフレーム17内に嵌め込むために小型化されてもよい。図13には2つのキャップゲージセンサ68のみが示されているが、所望の数のキャップゲージセンサ68があってもよい。例えば、1つのキャップゲージセンサ68を使用することができる。しかし、この場合、ペリクル19の部分的な破損が報告されないことがある。キャップゲージセンサ68の数を増やすための費用およびシステム複雑性との兼ね合いはあるが、2つ以上のキャップゲージセンサ68がより適切である。キャップゲージセンサ68は、ペリクルフレーム17の周囲に間隔をあけて配置され得る。1つ以上のキャップゲージセンサ68および任意の関連機器は、パターニングフィールドの外に位置付けられるべきである。望ましくは、1つ以上のキャップゲージセンサ68は、迷光放射から保護される。1つ以上のキャップゲージセンサ68(および関連機器)にとって望ましい位置は、ペリクルフレーム17内に埋め込まれた位置である。
[000225] 1つ以上のキャップゲージセンサ68は、ペリクル19までの距離を検出するように構成される。1つ以上のキャップゲージセンサ68は、各キャップゲージセンサ68とターゲット(つまり、ペリクル19)との間の静電容量の局所的な変化を報告することにより機能する。1つ以上のキャップゲージセンサ68によってペリクル19までの距離を検出することで、ペリクル19の存在をチェックすることが可能になる。つまり、キャップゲージセンサ68は、ペリクルとキャップゲージセンサ68との間の距離が所定量変化したかどうか、または、ペリクル19がキャップゲージセンサ68によって検出されなくなったかどうかを決定することにより、ペリクル19の存在または現存を監視する。ペリクル19の存在は、ペリクル19に関連する状態とみなすことができる。
[000226] ペリクル19の存在の監視は、一定間隔で行われ得る。つまり、キャップゲージセンサ68は、ペリクル19が存在しているか否かを特定の時間間隔で決定し得る。ペリクル上19の状態に何らかの変化があった場合、つまり、ペリクル19がキャップゲージセンサ68によって検出されなくなった場合、これが報告され得る。ペリクル19が存在することが検出されない場合、これは、ペリクル19の破損またはペリクル19の穴があることを示し得る。ペリクル19が存在しないことが報告された場合、補正措置が取られ得る。例えば、補正措置は、放射ビームBをオフにするもしくはブロックすること、またはリソグラフィ装置LA内の1つ以上の基板Wのスキャンを停止することであり得る。
[000227] 1つ以上のキャップゲージセンサ68は、1つ以上のキャップゲージセンサ68と共に、または1つ以上のキャップゲージセンサ68の近くに位置付けられた1つまたは複数のバッテリ(図示なし)によって電力供給を受け得る。バッテリは、ペリクルフレーム17に接続されてもよく、またはペリクルフレーム17に埋め込まれてもよい。バッテリは、電磁誘導充電されてもよく、一定の時間間隔で充電されてもよい。他の例では、バッテリは、一時的な電気接続などの他の手段によって充電され得る。
[000228] 1つ以上のキャップゲージセンサ68は、回路基板(図示なし)に接続され得る。この回路基板は、1つ以上のキャップゲージセンサ68とペリクル19との間の距離において、検出されたあらゆる有意な変化を、ペリクル19の破損の可能性を示す信号として無線送信し得る。無線送信により、1つ以上のキャップゲージセンサ68のそれぞれまたは1つ以上のキャップゲージセンサ68のグループに接続すべきワイヤの必要性がなくなる。
[000229] ペリクル19の破損は、深刻な有害事象であり、機器を回復するには費用および時間がかかるものである。例えば、リソグラフィ装置LA全体は、手動による洗浄サービスのために解体しなくてはならないこともある。ペリクル19の破損は、熱的要因、動的要因、静電的要因等のいくつかの原因により発生し得る。
[000230] ペリクルフレーム17内に位置決めされた1つ以上のキャップゲージセンサ68有し、ペリクル19の存在を監視することにより、ペリクル19の破損または差し迫ったペリクル19の破損の迅速なフィードバックを可能にする。そうすると、リソグラフィ装置LAをより速く補修することができる。さらに、損なわれたペリクル化されたパターニングデバイスMAによる他ロットの基板Wに対するさらなる処理を回避することができる。つまり、、破損したペリクル19の粒子または残渣により他の基板が汚染されることを回避することができる。
[000231] 1つ以上のキャップゲージセンサ68を使用することで、例えば、放射ビームB露光位置においてペリクル19に放射ビームBが入射する時に、ペリクル19の連続的なリアルタイム監視が可能になる。さらに、システム全体を通して、ペリクルまたはパターニングデバイスを監視するために複数のディテクタを使用することが避けられ得る。複数のパターニングデバイスに対して単一のペリクルディテクタを使用すること(例えば、1つ以上の近接センサを使用すること)により、リソグラフィ装置LA内の多様なエリアにおいて多くのセンサを実施および稼働することに比べて、費用の削減がもたらされ得る。
[000232] 上述した例は、ペリクルキャリア(例えば、EIP)の外部でのペリクル19の検出に関連する。つまり、ペリクル検出は、ペリクルアセンブリ15がペリクルキャリアから取り外された後にリソグラフィ装置LA内で行われている。しかし、他の例では、1つ以上のキャップゲージセンサ68は、ペリクルキャリア内のペリクルフレーム17内に存在してもよく、ペリクル19の検出(破損したペリクル19の検出)は、上述したのと同様の方法によりペリクルキャリア内で行われてもよい。これにより、破損したペリクルがリソグラフィ装置LA内に放出されるのを防止することができる。
[000233] 他の例では、1つ以上の近接センサは、ペリクルフレーム17内に完全に埋め込まれてなくてもよく、ペリクルフレーム17と関連付けられてもよい。1つ以上の近接センサは、例えば、ペリクルフレーム17に部分的に埋め込まれてもよく、部分的に、ペリクルフレーム17に接続、ペリクルフレーム17に取付、ペリクルフレーム17に固定、ペリクルフレーム17と共に移動、ペリクルフレーム17と共に位置付け、ペリクルフレーム17上またはその周りに位置付けされてもよい。他の例では、ペリクルフレーム17内には1つの近接センサのみがあってもよい。
[000234] 他の例において、1つ以上の近接センサは、1つ以上の誘導センサであり得る。誘導センサは、ペリクル材料が導電性であるか、または導電性のコーティングを有する場合に使用され得る。別の例では、レーザベースのセンサが使用されることもあるが、これは、1つ以上のキャップゲージセンサ68を使用する場合と比較して、より高いシステムの複雑性を伴うことがある。他の例では、1つ以上の近接センサは、ペリクルに関連する状態を決定することができるのであれば、異なるタイプのセンサであってもよい。
[000235] 図14は、図2に示されるものと同様のペリクルアセンブリ15およびパターニングデバイスMAを示すが、図14にはペリクル19を見通すように位置決めされた明視野カメラ(プレノプティックカメラ)も示されている。明視野カメラ70は、矢印71によって図示されるような放射によって照明される時に、ペリクル19の表面を検査するように位置決めされる。ペリクル19を照明するために使用される放射は、従来のガラス透過およびカメラディテクタの量子効率がともに高い任意の可視波長放射またはIR波長放射であり得る。解像度の点から、可視光が好ましい。放射の偏光状態もまた、特定のパターニングデバイスMAに対して選択および最適化され得るが、公称上は無偏光であってもよい。照明放射は、明視野カメラ70の近くから生じ、散乱し、かつ/または明視野カメラ70内へと回折され得る。照明放射の入射角もまた、特定のパターニングデバイスMAに対して(例えば、明視野カメラ70への戻りを最小限にするために)最適化され得るパラメータである。
[000236] 放射は、パターニングデバイスMAのパターン21から反射されてもよく(矢印72を参照)、放射は、ペリクル19から反射されてもよい(矢印73を参照)。ペリクル19は、検査面に対応するとみなすことができる。つまり、ペリクル19は、検査面内に位置付けられる。ペリクル19は、深さZにあるとみなされ得る。しかし、ペリクル19のZ方向の位置は、(例えば、製造許容誤差により)不確実なことがある。したがって、検査面は、Z方向の最大ペリクル変位の範囲をカバーし得る。つまり、検査面は、図14に示すΔZの範囲を有する。
[000237] 明視野カメラ70は、表面から発出する明視野(つまり、表面からの放射の強度)に関する情報および放射光線が空間内を進む方向を捕捉することができる。これは、放射強度のみを記録する従来のカメラとは異なる。明視野カメラ70は、一度の露光のみで3D像を再構築することができる。すなわち、従来の2D像に加えて、深度情報も捕捉される。明視野カメラ70のソフトウェアを使用して、検査面に対応するZ平面のみに対する2D像ファイルを出力することができる(例えば、明視野カメラ70は、Z範囲(=ΔZ)の検査面から発生する強度情報のみを出力する)。
[000238] 明視野カメラ70によって深度情報を捕捉することができるため、明視野カメラ70を使用して特定の深度からの情報(例えば、像)のみを得ることができる。ペリクル19は、パターニングデバイスMAから(例えば、少なくとも2mmほど)離れているため、明視野カメラ70を使用してペリクル19のみから(つまり、反射された放射から(矢印73を参照))情報を得ることができる。つまり、明視野カメラ70を使用して、深度情報を利用することにより、ペリクル19(検査面)から発生する信号のみをフィルタ選別することができる。したがって、パターニングデバイスMAから反射した放射強度情報(つまり、反射された放射(矢印72を参照))は、フィルタ除去され得る。
[000239] パターニングデバイスMAのパターン21から放射強度信号をフィルタ除去することは、ペリクル19内の欠陥(ペリクル19上の粒子など)の誤検出を回避することができることを意味する。検査面(ペリクル19)を照明するプロセスにおいて、パターニングデバイスMAのパターン21も照明される。共に放射(矢印71)によって照明され、同時に結像されている2つの表面のうち一方の表面上のフィーチャのみを検出する試みるには問題がある。これは、特に、大抵が透過性であるペリクル19と、完全にまたは少なくとも部分的に反射性であるパターニング表面とに関する問題である。欠陥の誤検出は、パターニングデバイスMAからのパターン回折および散乱に起因する。これらの信号は、ペリクル19上に存在する可能性があり、検出が望ましい粒子(例えば、5ミクロンのサイズ)からの信号よりもかなり明るいことがある。
[000240] 明視野カメラ70を使用してペリクル19内の欠陥を検出することは、検査面以外の発生源からの信号が除去される、つまり、ペリクル19以外の1つ以上の他の表面から来る放射強度情報がフィルタ除去されるといった利点を有する。これにより、より堅固で信頼性の高い(ペリクル19上に位置する粒子などの)欠陥検出方法が得られる。明視野カメラ70を使用することは、任意の精度で位置合わせするものとして、単一のオブジェクト(つまり、カメラ/レンズ)のみがあるいった利点を有する。
[000241] パターニングデバイスMAの反射等からの強度情報がフィルタ除去されると(つまり、検査面に対応するZ平面のみに対する2D像が得られると)、この2D像に対して検出アルゴリズムが動作させられる。この検出アルゴリズムは、低い誤警報率でペリクル19に関連するあらゆる欠陥についての情報を提供するはずである。これは、パターニングデバイスMA(誤警報源)からの強度情報が既に除去されているためである。したがって、粒子検出アルゴリズムは、検査面に対応する信号に対して動作されられ得る。
[000242] パターニングデバイスMAからの信号のフィルタリングは、任意の好適な方法で行うことができるが、一例として、図15および16に示す方法を使用することが挙げられ得る。この例では、4次元空間(明確性を目的として1つの角度(u)および1つの空間次元(x)が示されているが、yおよびvも利用可能である)に対して検出および区分化が行われる。望ましくない角度範囲にわたる検出は、フィルタ除去することができる。
[000243] 図15は、ペリクル19の検査を混乱させ得る、パターニングデバイスMAからの迷光放射または回折放射といった、異なるフィールド深度から検出されたオブジェクトを明視野カメラ70がどのようにフィルタ除去するかを概念的に示している。明視野(プレノプティック)カメラ70は、レンズアパーチャ76からの従来の焦点面に小型レンズアレイ74と、リレー光学系と、小型レンズアレイ74から1つの小型レンズ焦点長さ分後方にあるイメージセンサ78(例えば、CCDまたはCMOSディテクタ)とを有し得る。小型レンズアレイ74は、複数の小型レンズを有する。この構成では、小型レンズのサイズおよび数により、空間解像度が効果的に決まり、各小型レンズの後方の画素数により角度解像度が決まる。
[000244] 図15に示すように、ペリクル19上の粒子80からの放射は、パターニングデバイスMAのオブジェクト82からの放射(例えば、パターン21の一部またはパターン21上のオブジェクトからの反射)とは異なる組の角度画素を占めることになる。オブジェクト82からの放射光線は、小型レンズアレイ74の前で交差し、イメージセンサ78の中心部分を占める。一方で、粒子80からの放射光線は、小型レンズアレイ74上に合焦され、その後、イメージセンサ78上のより広い部分を占める。イメージセンサ78上の画素1P1および画素2P2は、オブジェクト82から入射する放射光線を有さないが、それらの画素は、ペリクル19上の粒子80から入射する放射光線を有する。
[000245] 明視野カメラ70は、位置および角度、ひいては深度情報を検出する。従来のカメラは、x軸上の放射投影のみを観察することになり(図16参照)、ペリクル19およびパターニングデバイスMAの両方からの像を取り違えることになる。しかし、U(角度)次元の全長をより小さくすることで、深度の解像が可能になる。角度の広がり(u)は、図16の上のグラフに示され、図16における画素1P1および画素2P2は、図15の画素P1および画素P2に対応している。検出アルゴリズムは、4D空間に描画され、誤った角度の広がりを有する検出は、フィルタ除去され得る、または適合外(fitted out)とされ得る。図16の下のグラフは、ペリクル検出に対する汚染として作用する、パターニングデバイスMA上のフィーチャであるオブジェクト82に対する1次元の画素強度分布を表す。直接的な空間重畳の場合、2つの画素強度分布は、明視野カメラ70により合計され得る。これらの範囲にわたる放射の正確な分布は、散乱および回折の物理現象と、材料とに依存することになるが、図16のグラフ内のエッジは、真正の像エッジまたは半値全幅などのパラメータを表し得る。ガウス分布、シルクハット分布、ランバート分布、またはボイト分布などの1つの特徴的な機能との整合が成され得るが、そのような整合は、重畳後のよりコンパクトかつより広い角度分布のために、全分布を十分に記述することはできないであろう。2つの整合分布による統計的テストは、誤差内のデータが2つの検出をもたらすことのより適切な説明を示すことになり、より狭い分布がペリクル19上の粒子80に割り当てられることになる。
[000246] 画像処理は、従来の画像処理の方法で検出を行い、区分化し、その後、対象の深度に対応しないことが分かっている特定の確度範囲の検出をフィルタ除去することにより、実行され得る。これらの検出は差し引かれ、その後、別の回の検出で、所望の対象深度のみから有意なフィーチャを発見することができる。他の例では、明視野情報は、別の方法で活用されてもよい。
[000247] 明視野カメラ70によるペリクル19の検査は、ペリクルに関する特性を測定するものとみなすことができ、この特性はペリクルの状態を示す。ペリクルの状態は、例えば、ペリクル19上に位置する粒子、またはペリクルの穴もしくは破損といったペリクル19内の欠陥であり得る。
[000248] 図17は、ペリクルに関連する状態を決定するための別の例示的な装置を示す。前述の例と同様に、同一のコンポーネントには、同一の参照番号が使用されている。図17は、ペリクル19およびパターニングデバイスMAの概略的な側面図を示す。ペリクル19およびパターニングデバイスMAは、矢印20によって図示されるように左から右に移動する、つまり、この方向にスキャンされる。ペリクル19およびパターニングデバイスMAは、反対方向にスキャンされてもよい。パターニングデバイスMAは、パターニングデバイスMAからの反射後の放射ビームB(図示なし)に付与されるパターンを提供するパターン21(例えば、デバイスパターン)を有する。
[000249] ペリクル19上に粒子24または複数の粒子が存在することがある。これらの粒子24は、露光欠陥を引き起こし、不均一な熱分布によるペリクル19の破損のリスクをもたらすおそれがある。ペリクルは、リソグラフィ装置LA内で露光される前に、粒子関して検査されるべきである。ペリクル19上の粒子24を検出するために、図9~11の例と同様に照明放射の反射が使用される。この例では、粒子の検出は異なる方法で実行され得る。
[000250] 粒子24を検出するために、照明放射Lは、照明(放射)出力(例えば、照明源)からペリクル19上に投光される。ペリクル19および(複数の)粒子からの反射放射Rは、反射放射Rを検出するように位置決めされた放射センサ84(ディテクタ)によって捕捉される。照明放射は、図示されるように、放射センサ84から発せられ得る。他の実施形態では、照明放射Lは、放射センサ84から離隔された放射源から発せられてもよい。放射センサ84は、ペリクル19に実質的に垂直に位置決めされ得る。他の例では、放射センサ84は、相応な異なる位置および角度で位置付けられてもよい。
[000251] 放射センサ84を使用してこの反射放射Rを見通すことにより、放射センサ84によってピックアップされている(複数の)粒子からの拡散性の反射放射に基づくスキャトロメトリの原理を使用して、(複数の)粒子24の位置を決定することができる。照明放射Lは、ペリクル19の上方に放射センサ84が位置付けられている状態で、ペリクル19からはね返るように、ペリクル19の一方側から投光される。照明放射Lの入射角は、ペリクル19からの反射放射が放射センサ84に到達しないように設定されるべきである。完全に平坦な表面上では、いずれの放射も放射センサ84に到達することはない。ペリクル19上の粒子24などの、ペリクル19に関連した欠陥がある場合、この欠陥は放射を全方向(拡散方向)に反射し、この放射が放射センサ84によってピックアップされることになる。
[000252] 本実施形態において、照明放射Lは、ペリクル19に入射する時、平行化(平行ビーム)または発散される。これにより、ペリクル19全体、少なくともペリクル19の一部の幅もしくは全幅、または少なくともペリクル19の実質部を、一度に(つまり、同時に、瞬時に)照明することができる。ペリクル19の表面全体を一度に、一回の露光で(例えば、約100mm×140mmの露光エリア)測定することが望ましい場合がある。ペリクル19の実質部は、単にペリクル19の局所的なエリアとはみなされないことがある。ペリクルの幅は、x方向またはy方向のいずれかのペリクルのサイズとみなすことができる。ペリクル19の幅を照明するために、照明放射Lは、図11に関連して上述したのと同様に、既定のエリア上でペリクル19と交差する時に、ペリクル照明線を形成するペリクル照明面を形成するとみなされ得る。これは、ペリクル19が、例えばy方向に移動する時に、ペリクル照明線がペリクル19を効果的に横断し得ることを意味する。したがって、ペリクル照明線の下では、ペリクル19エリアが連続的に照明される。ペリクル照明線は、状況に応じて任意の好適な幅を有し得る。
[000253] 提案される方法では、例えば小さい照明点でペリクル19全体をスキャンする必要があり時間がかかる方法の代わりに、ペリクル19上の粒子の確認が露光の前に迅速に行えることを意味する。他の実施形態において、照明放射Lは、例えば放射源自体により、または他の光学コンポーネントにより、ペリクル上に合焦され得る。これは、照明放射Lがペリクルの小さいエリア上に合焦され、局所的な検査を提供するためのものであり得る。
[000254] いくつかの実施形態において、照明放射Lは、複数の放射源、例えば、2つ、3つ、または4つの別個の放射源から発せられてもよい。複数の放射源は、ペリクル19全体、ペリクル19の幅、または少なくともペリクル19の実質部を照明し得る。これにより、他の方法よりも迅速にペリクル19上の粒子24を確認することができ、ペリクル19上に位置する2つ以上の粒子24を同時に検出することができる。いくつかの実施形態において、放射源は、LED源であり得る。他の実施形態では、放射源は、レーザまたは任意の他の単色放射源などといったLEDとは異なるタイプであってもよい。
[000255] ペリクル19は実質的に透過性であるため、照明放射Lの一部は、ペリクル19も通過して(破線で示す透過放射Tを参照)パターニングデバイスMAのパターン21で反射する(破線で示す反射された透過放射RTを参照)。反射された透過放射RTは、ペリクル19を通過し、放射センサ84に入射し得る。したがって、パターニングデバイスMAのパターンまたはパターニングデバイスMA上の他のオブジェクトが、反射放射に含まれることがあり、これが放射センサ84によって検出される1つ以上のゴーストパターンを生成することがある。1つ以上のゴーストパターンは、誤って欠陥とみなされる可能性があるため、望ましくない。1つ以上のゴーストパターンをフィルタ除去するために追加の像後処理アルゴリズムが使用され得るが、これが常に信頼性が高いわけではない。
[000256] ペリクルの欠陥について測定されたパターニングデバイスMAおよびペリクルは、ゴーストの発生に直面し得る。ゴーストの発生は、例えば、入射放射を回折させ、それによりスキャトロメータの粒子測定を擾乱させるパターニングデバイスMAのフィーチャから生じる。
[000257] この問題を解決するために、一実施形態では、ペリクル19を実質的に透過しない波長を有する照明放射Lの波長が使用される。すなわち、この波長ではペリクル19による放射の透過が非常に少ない。ペリクルを通る放射の透過率は、10%以下、1%以下、または0.1%以下であり得る、ペリクルを通る放射の透過率は、1~10%の範囲であり得る。換言すると、使用される照明放射Lの波長は、ペリクル19によって実質的に吸収および反射されるようなものであるため、ペリクル19を透過してパターニングデバイスMAに入射する放射はほとんどない。したがって、本実施形態では、照明放射Lの波長が重要である。ほんのわずかな放射しか透過されず、残りの放射は、例えば、約50%が吸収され、50%が反射される
[000258] ペリクルおよびペリクル上に位置する任意の(複数の)粒子に入射し、かつ/または反射され得る照明放射Lは、ペリクルに関連する放射とみなすことができる。ペリクル19は、実質的に光学的に平坦であるため、放射の散乱を生成せず、放射の鏡面反射のみを生成することになる。しかし放射がパターニングデバイスに到達すると、放射の散乱が起こることがある。
[000259] 放射センサ84は、ペリクル19に対して実質的に低い透過率を有する波長を有する放射を測定するように構成される。放射センサ84は、放射を受け、ペリクル上に粒子が存在するか否かを決定することができる。放射センサは、この波長でペリクル19に入射する放射を提供するようにも構成される。
[000260] 放射センサ84は、パターニングデバイスMAの背面を検査するために既に使用されていることもあるレチクル背面検査(RBI)システムであり得る。このようなRBIシステムを使用してペリクル前面検査(PFI)も実行する方法では、検査に使用されるコンポーネントの数が少なくなる。また、これは、検査がリソグラフィ装置LA内で実行され得ることを意味している。
[000261] 放射の波長は365nmであり得る。この波長では、多結晶ケイ素(pSi)ペリクルを通る放射の透過は非常に少ない。放射の透過は、非常に低く、約200nmを下回る。他の実施形態では、放射の波長は、例えば192nmに選択され得る。より高い波長の放射は、より低い波長の放射と比較して、低コストで使用することができるため、選択され得る。他の実施形態において、pSIペリクル用の放射の波長は、356nm~365nm、356nm~370nm、356nm~375nm、361nm~365nm、361nm~370nm、361nm~375nm、または364nm~366nmから選択され得る。他の放射の波長を使用してもよく、例えば、約180nm~380nmの任意の放射の波長を使用することができる。
[000262] 図18は、pSiベースのペリクル19を通る透過(%)に対する放射の波長(nm)のグラフを示す。ペリクルは、異なる材料から作られてもよい。例えば、ペリクルは、ケイ素製またはMoSi製であってもよい。グラフから、ペリクル19を通る透過は、440nm付近で下降し始め、約370nmで約0.01の透過に到達することがわかる。およそ365nmにおいて、ペリクル19を通る透過はほぼゼロである。他の材料から作られたペリクルもまた、これらの波長で、またはこれらの波長付近で、下降を有し得る。典型的に使用されるペリクルの厚さは50nmほどであり得る。しかし、ペリクルの実際の厚さは、照明波長が十分に抑制され、照明放射Lの透過が十分に減少される限り、重要ではない。
[000263] 365nmの波長のシヤリング入射放射を使用してペリクル19を照明することは、放射がペリクル19を通過してパターニングデバイスMAに到達するのが実質的に防止されることを意味する。したがって、この方法を使用すると、他の放射の波長を使用するのに比べて、ゴーストの発生を防止することができるか、または少なくとも実質的に減少させることができる。
[000264] 放射センサ84によるペリクル19の検査は、ペリクル19に関連する特性の測定とみなすことができ、この特性はペリクルの状態を示す。ペリクルの状態は、例えば、ペリクル19上に位置する粒子、またはペリクルの穴もしくは破損といったペリクル19内の欠陥であり得る。
[000265] 1つまたは複数のセンサによるペリクルに関連する1つまたは複数の特性の測定を使用して、ペリクルに関連する1つまたは複数の状態を決定する。これは、当該技術において公知の任意の方法で行うことができる。例えば、これには、人間のオペレータによる手動処理が含まれてもよく、またはコンピュータ装置を伴ってもよい。
[000266] コンピュータに本明細書に記載される方法を実行させるように構成されたコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムが使用されてもよい。コンピュータ可読媒体がこのコンピュータプログラムを有してもよい。
[000267] コンピュータ装置を使用して、ペリクルに関連する状態を決定してもよい。コンピュータ装置は、プロセッサ可読命令を記憶するメモリと、メモリ内に記憶された命令を読取りおよび実行するように構成されたプロセッサとを備え得る。プロセッサ可読命令は、コンピュータを制御して本明細書に記載される方法を実行させるように構成された命令を含み得る。
[000268] 一例において、本発明の一実施形態は、パターニングデバイス(マスク)MA検査装置の一部を形成し得る。パターニングデバイス検査装置は、EUV放射を使用してパターニングデバイス(例えば、マスク)を照明し、照明センサを使用してパターニングデバイスから反射した放射を監視することができる。イメージセンサによって受けられる像を使用して、パターニングデバイス内に欠陥が存在するか否かを決定する。これらのイメージングセンサは、例えば、センサ26または放射センサ52であってもよく、像は、IR放射または他の形態の放射であってもよい。したがって、パターニングデバイスの状態は、上述したのと同様にイメージングセンサを使用して決定することができる。パターニングデバイス検査装置は、EUV放射源からのEUV放射を受け、これをパターニングデバイスに誘導される放射ビームへと形成するように構成された光学系(例えば、ミラー)を備え得る。パターニングデバイス検査装置は、パターニングデバイスから反射されたEUV放射を集光し、イメージングセンサにおいてパターニングデバイスの像を形成するように構成された光学系(例えば、ミラー)をさらに備えてもよい。パターニングデバイス検査装置は、イメージングセンサにおいてパターニングデバイスの像を分析して、その分析から、パターニングデバイス上に何らかの欠陥が存在するか否かを決定するように構成されたプロセッサを備え得る。プロセッサは、さらに、検出されたパターニングデバイスの欠陥が、このパターニングデバイスがリソグラフィ装置によって使用された際に、基板上に投影される像に許容不可能な欠陥を生じさせることになるか否かを決定するように構成されてもよい。
[000269] 一例において、本発明の実施形態は、メトロロジ装置の一部を形成してもよい。メトロロジ装置を使用して、基板上に既に存在するパターンに対する、基板上のレジスト内に形成される投影パターンの位置合わせを測定することができる。このような相対的な位置合わせの測定は、オーバレイと呼ぶことができる。メトロロジ装置は、例えば、リソグラフィ装置LAに直接隣接して位置付けられてもよく、基板(およびレジスト)が処理される前にオーバレイを測定するために使用されてもよい。
[000270] 本明細書において、リソグラフィ装置の関連で、本発明のいくつかの例について具体的な言及がなされ得るが、本発明の例は、他の装置において使用されてもよい。本発明の例は、パターニングデバイス検査装置、メトロロジ装置、または、ウェーハ(もしくは他の基板)またはマスク(もしくは他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定または処理する任意の他の装置の一部を形成し得る。これらの装置は、概してリソグラフィツールと呼ぶことができる。このようなリソグラフィツールは、真空条件を使用してもよく、または周囲条件(非真空)を使用してもよい。
[000271] 「EUV放射」という用語は、4~20nmの範囲、例えば、13~14nmの範囲内の波長を有する電磁放射を包含するものとみなされ得る。EUV放射は、10nm未満の波長、例えば、6.7nmまたは6.8nmなど、4~10nm未満の波長を有し得る。
[000272] 図1は、レーザ生成プラズマLPP源としての放射源SOを示しているが、任意の好適な放射源を使用してEUV放射を生成することができる。例えば、放電を使用することによりEUV放出プラズマを生成して、燃料(例えば、スズ)をプラズマ状態に変換することができる。このタイプの放射源は、放電生成プラズマ(DPP)源と呼ぶことができる。放電は、放射源の一部を形成し得る電源によって生成されてもよく、放射源SOに電気接続によって接続される別個の構成要素であってもよい。
[000273] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、他の用途を有し得ることが理解されるべきである。考えられる他の用途としては、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造が含まれる。
[000274] 光リソグラフィの関連での本発明の例の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはない。インプリントリソグラフィにおいては、パターニングデバイス内のトポグラフィによって、基板上に創出されるパターンが定義される。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層の中にプレス加工され、基板上では、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せによってレジストは硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化した後、レジスト内にパターンを残してレジストの外へ移動される。
[000275] 本発明の例は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらのあらゆる組合せにおいて実施され得る。本発明の例はまた、機械可読媒体に記憶され、1つまたは複数のプロセッサにより読み出されて実行され得る命令として実施されてもよい。機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータデバイス)によって読み取りが可能な形態で情報を記憶または送信するためのあらゆるメカニズムを含み得る。例えば、機械可読媒体は、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、または電気、光、音、もしくはその他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、などを含み得る。また、本明細書において、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令が何らかの動作を行うと説明されることがある。しかし、そのような説明は単に便宜上のものであり、かかる動作は実際には、コンピュータデバイス、プロセッサ、コントローラ、またはファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスによるものであることが理解されるべきである。本発明のいくつかの実施形態は、装置の制御システムとして実現され得る。制御システムは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。
[000276] 以上、本発明の具体的な例を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、以下に記載する特許請求の範囲および条項を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。
1.リソグラフィ装置において使用するためのペリクルに関連する状態を決定するための装置であって、センサを備え、センサは、ペリクルに関連する特性を測定するように構成され、特性は、ペリクルの状態を示す、装置。
2.ペリクルに関連する特性は、ペリクルの温度もしくは温度プロファイル、またはペリクル上の粒子の温度もしくは温度プロフィルである、条項1に記載の装置。
3.センサは、ペリクルに関連する赤外放射(IR)を測定するように構成される、条項2に記載の装置。
4.センサは、2~8μmの波長域のIR放出の強度を測定するように構成される、条項3に記載の装置。
5.センサは、IR放出差を測定するように構成される、条項3または条項4に記載の装置。
6.センサは、IR放出スペクトルを構築するためにスキャン可能なバイアス電圧を提供するように構成されたフォトダイオードを備える、条項3~5のいずれかに記載の装置。
7.センサは、粒子から受ける赤外放射とペリクルから受ける赤外放射との間のコントラストを識別することにより、ペリクル上の粒子の位置を特定するように構成される、条項2~6のいずれかに記載の装置。
8.放射ビームのパワーを能動的に制御して、ペリクルを所定温度に維持するように構成される、条項2~7のいずれかに記載の装置。
9.装置は、温度測定値に基づいて、分割露光方式を作動させるように構成される、条項2~8のいずれかに記載の装置。
10.IR放射を通過させる少なくとも1つの透明層を備える、条項2~9のいずれかに記載の装置。
11.センサは、リソグラフィ装置内の瞳ファセットモジュール内の実質的に中心に位置付けられるように構成される、条項1~10のいずれかに記載の装置。
12.センサは、ペリクルに対して少なくとも45°の入射角で位置付けられるように構成される、条項1~11のいずれかに記載の装置。
13.センサは、ペリクルキャリア内に一体化される、条項1に記載の装置。
14.ペリクルに関連する特性は静電容量であり、センサは静電容量センサである、条項1または13に記載の装置。
15.センサの電気接続部は、ペリクルキャリアが閉じられている間、ペリクルの外部から接続可能であるように構成される、条項14に記載の装置。
16.ペリクルが既定のペリクルエリアにわたり放射によって照明され、センサがペリクルから反射された放射を測定するように構成されるように、構成された条項1に記載の装置。
17.既定のペリクルエリアを放射によって連続的に照明するように構成される、条項16に記載の装置。
18.既定のペリクルエリアは照明線である、条項16または条項17に記載の装置。19.照明線は、ペリクルと交差する照明面から形成される、条項18に記載の装置。
20.ペリクルに対して少なくとも45°の入射角でペリクルを照明するように構成される、条項16~19のいずれかに記載の装置。
21.センサは、ペリクルからの鏡面反射のパス内に入らないように方向付けられる、条項16~20のいずれかに記載の装置。
22.センサは、照明面に垂直に方向づけられる、条項21に記載の装置。
23.パターニングデバイスの少なくとも一部に陰を付ける一方、放射をペリクル上に入射させるように構成されたアパーチャを備えたシャドーイング構造を備える、条項16に記載の装置。
24.アパーチャは、既定のペリクルエリアがセンサによって見通される一方、シャドーイング構造のシャドーイング効果によりパターニングデバイスパターンの視認性が実質的に減少するような幅を有する、条項23に記載の装置。
25.センサは、ペリクルアセンブリのペリクルフレームに関連付けられる、条項1に記載の装置。
26.センサは、少なくとも部分的にペリクルフレーム内にある、条項25に記載の装置。
27.センサは、ペリクルまでの距離を測定するように構成された近接センサである、条項25または条項26に記載の装置。
28.近接センサは、キャップゲージセンサまたは誘導センサである、条項27に記載の装置。
29.センサからのデータを無線送信するように構成される、条項25~28のいずれかに記載の装置。
30.センサは、検査面からの信号以外の信号をフィルタ除去するように構成され、検査面はペリクルの位置に対応する、条項1に記載の装置。
31.センサは明視野カメラであり、明視野カメラは、検査面の深度からの放射強度情報のみを出力するように構成される、条項30に記載の装置。
32.明視野カメラは、検査面に対応しないことが分かっている特定の角度範囲内の放射強度情報をフィルタ除去するように構成される、条項31に記載の装置。
33.検査面に対応する信号に対して粒子検出アルゴリズムを動作させるように構成される、条項30~32のいずれかに記載の装置。
34.検査面は、最大ペリクル変位の範囲に対応する、条項30~33のいずれかに記載の装置。
35.ペリクルに実質的に透過されない波長を有する放射でペリクルを照明するように構成された放射源をさらに備え、センサは、ペリクルに関連する放射を測定するように構成される、条項1に記載の装置。
36.ペリクルを通る放射の透過率は、10%以下、1%以下、または0.1%以下である、条項35に記載の装置。
37.ペリクルは、多結晶ペリクルであり、放射の波長は、180nm~380nm、356nm~365nm、356nm~370nm、356nm~375nm、361nm~365nm、361nm~370nm、361nm~375nm、または、364nm~366nmの範囲である、条項35または条項36に記載の装置。
38.放射の波長は365nmである、条項37に記載の装置。
39.放射がペリクルに入射する時に平行化または発散されるように構成される、条項35~38のいずれかに記載の装置。
40.ペリクルは、ペリクルの幅の一部、全幅、または全エリアにわたって一度に照明されるように構成される、条項39に記載の装置。
41.複数の放射源を備える、条項39または条項40に記載の装置。
42.ペリクルは、ケイ素製またはMoSi製である、条項35~41のいずれかに記載の装置。
43.センサは、放射源および/またはパターニングデバイス背面検査ツールを備える、条項35~42のいずれかに記載の装置。
44.センサは、ペリクルがリソグラフィ装置内の放射ビーム露光位置にある時に、ペリクルに関連する特性を測定するように構成される、条項1~43のいずれかに記載の装置。
45.センサは、露光放射ビームが放射ビーム露光位置にあるペリクルに入射する時に、ペリクルに関連する特性を測定するように構成される、条項44に記載の装置。
46.露光放射ビームからの放射をフィルタ除去するように構成されたフィルタを備える、条項44または条項45に記載の装置。
47.ペリクルに関連する状態に基づいて、露光放射ビームを停止するように、かつ/または露光放射ビームのさらなるパルスを防止するように構成される、条項44~46のいずれかに記載の装置。
48.ペリクルに関連する状態は、ペリクルの耐用期間、ペリクルの完全性、ペリクル内の欠陥、ペリクルの局所的な透過の変化、ペリクル上に位置する粒子、ペリクル上の汚れ、ペリクルの変形、ペリクルの差し迫った破損、ペリクルの破損、および/または、ペリクルの存在から選択される1つ以上である、条項1~47のいずれかに記載の装置。
49.センサは、ペリクルの直接見通し線内に存在しない、条項1~48のいずれかに記載の装置。
50.条項1~49のいずれかに記載の装置とリソグラフィ装置とを備えるアセンブリであって、リソグラフィ装置は、
放射ビームを調整するように構成された照明システムと、
放射ビームの断面にパターンを付与してパターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持するように構築されたサポート構造と、
基板を保持するように構築された基板テーブルと、
パターン付き放射ビームを基板上に投影するように構成された投影システムと、を備える、アセンブリ。
51.リソグラフィ装置において使用するためのペリクルに関連する状態を決定する方法であって、センサを使用してペリクルに関連する特性を測定することを含み、特性は、ペリクルの状態を示す、方法。
52.ペリクルに関連する特性は、ペリクルの温度プロファイル、および/またはペリクル上の粒子の温度プロフィルである、条項51に記載の方法。
53.測定することは、センサを使用して、ペリクルに関連する赤外放射(IR)を測定することを含む、条項52に記載の方法。
54.粒子から受ける赤外放射とペリクルから受ける赤外放射との間のコントラストを識別することにより、ペリクル上の粒子を識別することをさらに含む、条項53に記載の方法。
55.ペリクルおよび/またはペリクルとパターニングデバイスとの対に対する最大許容パワーを決定することをさらに含む、条項51~54のいずれかに記載の方法。
56.センサがペリクルキャリア内に一体化されている場合に、ペリクルに関連する特性を測定することをさらに含む、条項51に記載の方法。
57.静電容量センサを使用して、ペリクルの静電容量を測定することをさらに含む、条項51または条項56に記載の方法。
58.既定のペリクルエリアにわたり、ペリクルを放射で連続的に照明することと、ペリクルから反射される放射をセンサで測定することとをさらに含む、条項51に記載の方法。
59.既定のペリクルエリアを放射で連続的に照明することをさらに含む、条項58に記載の方法。
60.ペリクルと交差する時に照明線を形成する照明面を使用して、既定のペリクルエリアを照明することをさらに含む、条項58または条項59に記載の方法。
61.ペリクルに対して少なくとも45°の入射角でペリクルを照明することをさらに含む、条項58~40のいずれかに記載の方法。
62.センサを照明面に対して垂直に方向付けることをさらに含む、条項58~61のいずれかに記載の方法。
63.ペリクルを照明することと、既定のペリクルエリアをセンサによって見通す一方、アパーチャを備えたシャドーイング構造のシャドーイング効果により、パターニングデバイスからのパターニングデバイスパターンの視認性を実質的に減少させることと、をさらに含む、条項51に記載の方法。
64.センサは、ペリクルアセンブリのペリクルフレームに関連付けられる、条項51に記載の方法。
65.近接センサを使用してペリクルまでの距離を測定することをさらに含む、条項64に記載の方法。
66.センサからデータを無線送信することをさらに含む、条項64または条項65に記載の方法。
67.検査面からの信号以外の信号をフィルタ除去することをさらに含み、検査面はペリクルの位置に対応する、条項51に記載の方法。
68.センサは明視野カメラであり、方法は、検査面の深度からの放射強度情報のみを出力することをさらに含む、条項67に記載の方法。
69.検査面に対応する信号に対して粒子検出アルゴリズムを動作させることをさらに含条項67または条項68に記載の方法。
70.ペリクルに実質的に透過されない波長を有する放射でペリクルを照明することと、センサを使用してペリクルに関連する放射を測定することとをさらに含む、条項51に記載の方法。
71.ペリクルを通る放射の透過率は、10%以下、1%以下、または0.1%以下である、条項70に記載の方法。
72.ペリクルは多結晶ペリクルであり、放射の波長は、180nm~380nm、356nm~365nm、356nm~370nm、356nm~375nm、361nm~365nm、361nm~370nm、または、361nm~375nmの範囲である、条項70または71に記載の方法。
73.放射の波長は365nmである、条項72に記載の方法。
74.ペリクルに入射する時に平行化または発散される放射によってペリクルを照明することをさらに含む、条項70~73のいずれかに記載の方法。
75.ペリクルの幅の一部、全幅、または全エリアにわたって、ペリクルを一度に照明することをさらに含む、条項74に記載の方法。
76.複数の放射源からペリクルを照明することをさらに含む、条項74または条項75に記載の方法。
77.ペリクルは、ケイ素製またはMoSi製である、条項70~76のいずれかに記載の方法。
78.センサを使用して、ペリクルに実質的に透過されない波長を有する放射でペリクルを照明することをさらに含む、条項70~77のいずれかに記載の方法。
79.測定することは、ペリクルがリソグラフィ装置内の放射ビーム露光位置にある時に、ペリクルに関連する特性を測定することを含む、条項51~78のいずれかに記載の方法。
80.露光放射ビームが放射ビーム露光位置にあるペリクルに入射する時に、ペリクルに関連する特性を測定することをさらに含む、条項79に記載の方法。
81.ペリクルに関連する状態に基づいて、露光放射ビームを停止すること、および/または露光放射ビームのさらなるパルスを防止することをさらに含む、条項79または80に記載の方法。
82.ペリクルに関連する状態は、ペリクルの耐用期間、ペリクルの完全性、ペリクル内の欠陥、ペリクルの透過の変化、ペリクル上に位置する粒子、ペリクル上の汚れ、ペリクルの変形、ペリクルの差し迫った破損、ペリクルの破損、および/または、ペリクルの存在から選択される1つ以上である、条項51~80のいずれかに記載の方法。
83.コンピュータに条項51~82のいずれかに記載の方法を実行させるように構成されたコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム。
84.条項83に記載のコンピュータプログラムを有するコンピュータ可読媒体。
85.ペリクルに関連する状態を決定するように構成されたコンピュータ装置であって、
プロセッサ可読命令を記憶するメモリと、
メモリ内に記憶された命令を読取りおよび実行するように構成されたプロセッサと、を備え、
プロセッサ可読命令は、コンピュータを制御して条項51~82のいずれかに記載の方法を実行させるように構成された命令を含む、
コンピュータ装置。