特許文献1のようにインターネットを利用してオークションを開催する場合もあるが、インターネットを利用せず、オークション会場のみでオークションを開催する場合もある。このように、現場の会場のみでオークションを開催する場合は、オークションで競り落とされた品物の売買取引の記録として、買主(落札者)が支払う金額や売主が受け取る金額等を記載した帳票を、オークションを開催する市場主が作成し、オークション終了後に買主や売主に渡したりしている。
ところで、2023年10月1日から、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始する。インボイス制度のインボイスとは、売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝える請求書や領収書などの書類のことである。インボイス制度が開始すると、売手は、買手である取引相手から求められた際には、インボイスを交付しなければならない。ただし、インボイスを交付できるのは、登録申請手続きをして登録を受けた適格請求書発行事業者に限られ、適格請求書発行事業者からの仕入れ分については、消費税の仕入税額控除の対象となる。なお、適格請求書発行事業者として登録を受けるには、課税事業者である必要があり、免税事業者は適格請求書発行事業者として登録を受けることができず、免税事業者からの仕入れ分については、従来のような消費税の仕入税額控除を利用することができなくなる。
以上のように、インボイス制度が開始すると、例えば、オークションに出品する出品者が適格請求書発行事業者(課税事業者)か否かによって、消費税の仕入税額控除を利用できるか否かが変動することになる。そのため、オークションを開催する市場主は、競り落とされた品物の買主や売主に対して、買主が支払う金額や売主が受け取る金額等を記載するとともに、競り落とされた品物の取引に関する消費税が仕入税額控除の対象になるか否かなどがわかる帳票を作成し、買主や売主に渡すことが求められる。
しかし、現場の会場だけでオークションを開催する場合には、競り落とされた品物の買主や売主に渡す帳票を手作業で作成しているのが実情であり、インボイス制度が開始すると、作成する帳票が複雑となり(適格請求書発行事業者か否かを把握した上で、帳票に記載する内容を変える必要があり)、従来のように手作業で帳票を作成するのは困難になることが予想される。
本発明の課題は、インボイス制度に対応したオークションの帳票を生成することが可能なプログラム及び帳票生成装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のプログラムは、
コンピュータを、
オークションの売買取引に関わる関係者であるオークションに出品する出品物の出品者を少なくとも含む出品情報を受け付ける出品受付部と、
出品情報を受け付けた出品者の出品物の落札価格と、関係者である出品物の落札者と、を少なくとも含む落札情報を受け付ける落札受付部と、
出品情報と、落札情報と、関係者が適格請求書発行事業者か否かを判別する判別情報と、税率と、を記録する記録部と、
落札情報の落札価格と税率に基づいて、出品物の売買に関する消費税額を算出する算出部と、
出品物の売買取引に関して、判別情報から適格請求書発行事業者が売手となる取引については、出品物の売買に関する消費税額が表示され、判別情報から売手が適格請求書発行事業者でない取引については、適格請求書発行事業者による取引でない旨の表示がされる、出品物の売買に関する帳票を生成する生成部と、
として機能させる。
本発明のプログラムにおいては、記録部に記録された判別情報からオークションの売買取引に関して、売手が適格請求書発行事業者となる取引については、消費税額が表示される帳票を生成し、売手が適格請求書発行事業者でない取引については、適格請求書発行事業者による取引でない旨の表示がされる帳票を生成する。そのため、オークションで競り落とされた品物の取引に関する消費税が仕入税額控除の対象になるか否かがわかる帳票を生成できる。よって、インボイス制度に対応したオークションの帳票を生成することが可能となる。
本発明の実施態様では、
判別情報は、関係者であるオークションを開催する市場主が適格請求書発行事業者か否かを判別する市場主用判別情報を有し、
記録部は、
市場主用判別情報と、
落札者が負担して市場主に支払う、落札価格に対する歩合である買主歩合の情報と、
を記録し、
落札価格に買主歩合を乗じた額を買主歩合額とし、
算出部は、
買主歩合の情報と、落札価格と、税率と、から買主歩合額における消費税額を算出し、
生成部は、出品物の売買取引に関して、市場主用判別情報から市場主が適格請求書発行事業者ならば、買主歩合額における消費税額を表示させ、市場主用判別情報から市場主が適格請求書発行事業者でないならば、買主歩合額について、適格請求書発行事業者による取引でない旨の表示をさせる、帳票を生成することができる。
これによれば、落札者が市場主に支払う手数料(買主歩合額)についても、インボイス制度に対応したオークションの帳票を生成できる。
本発明の実施態様では、
判別情報は、関係者であるオークションを開催する市場主が適格請求書発行事業者か否かを判別する市場主用判別情報を有し、
記録部は、
市場主用判別情報と、
出品者が負担して市場主に支払う、落札価格に対する歩合である売主歩合の情報と、
を記録し、
落札価格に売主歩合を乗じた額を売主歩合額とし、
算出部は、
売主歩合の情報と、落札価格と、税率と、から売主歩合額における消費税額を算出し、
生成部は、出品物の売買取引に関して、市場主用判別情報から市場主が適格請求書発行事業者ならば、売主歩合額における消費税額を表示させ、市場主用判別情報から市場主が適格請求書発行事業者でないならば、売主歩合額について、適格請求書発行事業者による取引でない旨の表示をさせる、帳票を生成できる。
これによれば、出品者が市場主に支払う手数料(売主歩合額)についても、インボイス制度に対応したオークションの帳票を生成できる。
本発明の実施態様では、
出品受付部は、出品物が軽減税率対象であるか否かを判別できる軽減税率対象情報を含む出品情報を受け付け、
算出部は、落札情報の落札価格及び軽減税率対象情報に基づいて、出品物の売買に関する消費税額を算出し、
生成部は、出品物の売買取引に関して、判別情報から適格請求書発行事業者が売手となる取引については、軽減税率対象である出品物の売買に関する消費税額と、軽減税率対象でない出品物の売買に関する消費税額と、を区別して表示させる帳票を生成することができる。
これによれば、軽減税率対象となる出品物と軽減税率対象外となる出品物の両方がオークションに出品された場合であっても、適用される税率毎に消費税額を表示でき、軽減税率を反映させた帳票を生成できる。
本発明の実施態様では、
生成部は、出品物の売買取引に関して、軽減税率対象情報から軽減税率対象品目となる出品物の売買取引については、軽減税率対象品目である旨を表示させる帳票を生成することができる。
そのため、オークションで競り落とされた品物の取引に関する消費税が軽減税率対象であるか否かがわかる帳票を生成できる。
本発明の実態態様では、
オークションが開催される会場に備わる表示装置に、オークション中の出品者における、判別情報に基づいて出品者が適格請求書発行事業者か否か、又は、オークション中の出品物における軽減税率対象情報に基づいて出品物が軽減税率対象であるか否かの少なくとも1つを表示するオークション情報表示部と、を備えることができる。
これによれば、オークション会場にいるオークションの参加者に対し、オークション中の出品物が仕入税額控除になるか否か、又は、軽減税率対象になるか否かの少なくとも一方の情報を提供できる。そのため、オークション終了後に仕入税額控除にならないことや軽減税率対象にならないことが判明することによるトラブルなどを回避できる。
本発明の実態態様では、
売主歩合は、落札価格が該当する価格帯別に設定され、売主歩合の情報として、記録部に記録され、
算出部は、価格帯別に設定される売主歩合に基づいて出品物の売買に関する消費税額を算出することができる。
これによれば、落札価格に応じて売主歩合が変更され、変更された売主歩合に基づいて消費税額が算出された帳票が生成できる。
本発明の実態態様では、
落札受付部が落札情報の受け付けを確定する確定部と、
落札情報の受け付けがない場合に確定部による落札情報の受け付けの確定を禁止する禁止部と、
を備えることができる。
これによれば、落札情報が入力されていないのに落札情報が入力されたとして、誤って確定してしまうのを防止できる。
また、本発明の帳票生成装置は、
オークションの売買取引に関わる関係者が適格請求書発行事業者か否かを判別する判別情報と、関係者であるオークションを開催する市場主を識別する市場主識別情報と、税率と、を記録する記録部と、
市場主の市場主端末から送信されるログインの要求を受信すると、ログインを要求する市場主の市場主識別情報が記録部に記録されているか否かを確認し、記録部に記録されていれば市場主端末からのログインを許可する第1受付部と、
ログインを許可された市場主の市場主端末から、関係者であるオークションに出品する出品物の出品者を少なくとも含む出品情報を受け付ける第2受付部と、
出品情報を受け付けた出品者の出品物の落札価格と、関係者である落札者と、を少なくとも含む落札情報を受け付ける第3受付部と、
落札情報の落札価格と税率に基づいて、出品物の売買に関する消費税額を算出する算出部と、
出品物の売買取引に関して、判別情報から適格請求書発行事業者が売手となる取引については、出品物の売買に関する消費税額が表示され、判別情報から売手が適格請求書発行事業者でない取引については、適格請求書発行事業者による取引でない旨の表示がされる、出品物の売買に関する帳票を生成する生成部と、
を備える。
本発明の帳票生成装置では、記録部に記録された判別情報からオークションの売買取引に関して、売手が適格請求書発行事業者となる取引については、消費税額が表示される帳票を生成し、売手が適格請求書発行事業者でない取引については、適格請求書発行事業者による取引でない旨の表示がされる帳票を生成する。そのため、オークションで競り落とされた品物の取引に関する消費税が仕入税額控除の対象になるか否かがわかる帳票を生成できる。よって、インボイス制度に対応したオークションの帳票を生成することが可能となる。
本発明の実施態様では、
判別情報は、関係者であるオークションを開催する市場主が適格請求書発行事業者か否かを判別する市場主用判別情報を有し、
記録部は、
市場主用判別情報と、
落札者が負担して市場主に支払う、落札価格に対する歩合である買主歩合の情報と、
を記録し、
落札価格に買主歩合を乗じた額を買主歩合額とし、
算出部は、
買主歩合の情報と、落札価格と、から買主歩合額における消費税額を算出し、
生成部は、出品物の売買取引に関して、市場主用判別情報から市場主が適格請求書発行事業者ならば、買主歩合額における消費税額を表示させ、市場主用判別情報から市場主が適格請求書発行事業者でないならば、買主歩合額について、適格請求書発行事業者による取引でない旨の表示をさせる、帳票を生成することができる。
これによれば、落札者が市場主に支払う手数料(買主歩合額)についても、インボイス制度に対応したオークションの帳票を生成できる。
本発明の実施態様では、
判別情報は、関係者であるオークションを開催する市場主が適格請求書発行事業者か否かを判別する市場主用判別情報を有し、
記録部は、
市場主用判別情報と、
出品者が負担して市場主に支払う、落札価格に対する歩合である売主歩合の情報と、
を記録し、
落札価格に売主歩合を乗じた額を売主歩合額とし、
算出部は、
売主歩合の情報と、落札価格と、から売主歩合額における消費税額を算出し、
生成部は、出品物の売買取引に関して、市場主用判別情報から市場主が適格請求書発行事業者ならば、売主歩合額における消費税額を表示させ、市場主用判別情報から市場主が適格請求書発行事業者でないならば、売主歩合額について、適格請求書発行事業者による取引でない旨の表示をさせる、帳票を生成できる。
これによれば、出品者が市場主に支払う手数料(売主歩合額)についても、インボイス制度に対応したオークションの帳票を生成できる。
本発明の実施態様では、
第2受付部は、出品物が軽減税率対象であるか否かを判別できる軽減税率対象情報を含む出品情報を受け付け、
算出部は、落札情報の落札価格及び軽減税率対象情報に基づいて、出品物の売買に関する消費税額を算出し、
生成部は、出品物の売買取引に関して、判別情報から適格請求書発行事業者が売手となる取引については、軽減税率対象である出品物の売買に関する消費税額と、軽減税率対象でない出品物の売買に関する消費税額と、を区別して表示させる帳票を生成することができる。
これによれば、軽減税率対象となる出品物と軽減税率対象外となる出品物の両方がオークションに出品された場合であっても、適用される税率毎に消費税額を表示でき、軽減税率を反映させた帳票を生成できる。
本発明の実施態様では、
生成部は、出品物の売買取引に関して、軽減税率対象情報から軽減税率対象品目となる出品物の売買取引については、軽減税率対象品目である旨を表示させる帳票を生成することができる。
そのため、オークションで競り落とされた品物の取引に関する消費税が軽減税率対象であるか否かがわかる帳票を生成できる。
本発明の実態態様では、
オークションが開催される会場に備わる表示装置に、オークション中の出品者における、判別情報に基づいて出品者が適格請求書発行事業者か否か、又は、オークション中の出品物における軽減税率対象情報に基づいて出品物が軽減税率対象であるか否かの少なくとも1つを表示するオークション情報表示部と、を備えることができる。
これによれば、オークション会場にいるオークションの参加者に対し、オークション中の出品物が仕入税額控除になるか否か、又は、軽減税率対象になるか否かの少なくとも一方の情報を提供できる。そのため、オークション終了後に仕入税額控除にならないことや軽減税率対象にならないことが判明することによるトラブルなどを回避できる。
本発明の実態態様では、
売主歩合は、落札価格が該当する価格帯別に設定され、売主歩合の情報として、記録部に記録され、
算出部は、価格帯別に設定される売主歩合に基づいて出品物の売買に関する消費税額を算出することができる。
これによれば、落札価格に応じて売主歩合が変更され、変更された売主歩合に基づいて消費税額が算出された帳票が生成できる。
本発明の実態態様では、
落札受付部が落札情報の受け付けを確定する確定部と、
落札情報の受け付けがない場合に確定部による落札情報の受け付けの確定を禁止する禁止部と、
を備えることができる。
これによれば、落札情報が入力されていないのに落札情報が入力されたとして、誤って確定してしまうのを防止できる。
図1は本発明の一例のプログラムがインストールされた端末(コンピュータ1)を用いたオークションシステムSの一例を示す。オークションシステムSは、古物に関するオークションのシステムである。オークションシステムSは、オークションが開催されるオークション会場にあるコンピュータ1と、コンピュータ1に接続されて、コンピュータ1から配信される画像などを表示する表示装置Dと、を備える。
コンピュータ1は、例えば、古物に関するオークションにおいて、競り落とされた品物の取引に関する帳票を生成したり、オークションがされる品物に関する情報を表示装置Dに表示させたりするために用いられる端末である。コンピュータ1は、CPU2と、RAM3と、ストレージ4とを備え、それらがバスで接続される。また、コンピュータ1は、周辺機器であるディスプレイ5と、キーボード6と、マウス7を備える。コンピュータ1の周辺機器はI/Oポートを通じて接続される。また、コンピュータ1のI/Oポートを通じて、表示装置Dがコンピュータ1に接続される。
CPU2は、コンピュータ1における情報処理の全般を司り、RAM3は、CPU2の作業領域として機能する揮発性の記憶部である。ストレージ4は、コンピュータ1が必要な処理をするためのデータ及びソフトウェア(プログラム)を記憶する記憶部である。ディスプレイ5には、ストレージ4に格納されたプログラムなどが起動することで表示される画面などが表示され、キーボード6やマウス7によりコンピュータ1が操作される。
ストレージ4には、古物のオークションで成立した各取引の帳票を作成するための帳票プログラム4aが格納される。また、ストレージ4には、古物のオークションの売買取引に関わる関係者の関係者識別情報などのデータが格納される。関係者識別情報には、例えば、オークションを開催する市場主を識別する市場主識別情報や、オークションに参加する参加者(オークションに品物を出品する出品者(売主)、オークションで入札などをする買主)を識別する参加者識別情報が含まれる。市場主識別情報は、例えば、市場主の屋号や名称、住所などの連絡先情報と、市場主が適格請求書発行事業者であるか否かを判別する判別情報などに関連付けてストレージ4に記録される。参加者識別情報は、参加者毎に、例えば、参加者の屋号や名称、住所などの連絡先情報と、参加者が適格請求書発行事業者であるか否かを判別する判別情報などに関連付けてストレージ4に記録され、ストレージ4には、複数の参加者識別情報が格納される。また、ストレージ4には、消費税額を算出するために現在適用されている税率の情報(軽減税率対象の税率や消費税の税率)等も格納される。
次に、前述の帳票プログラム4aなどを用いて行われる処理を説明する。
先ず、オークションで成立した各取引の帳票を作成するのに先立って、オークションを開催する市場主の情報をストレージ4に記録する。図2には、帳票プログラム4aを立ち上げたコンピュータ1のディスプレイ5に表示される画面の一例が示される。図2の画面は、オークションを開催する市場主に関する情報を登録する(ストレージ4に記録する)際に表示される市場登録画面である。図2の画面において、オークションを開催する市場主の情報を登録する。図2の画面においては、各入力フォームと、入力フォームに入力された内容を登録する登録ボタンB1などが表示される。入力フォームとしては、図2の上から市場名入力フォームF1、会主名入力フォームF2、住所入力フォームF3、連絡先入力フォームF4、適格請求書発行事業者の該非入力フォームF5、登録番号入力フォームF6、売主歩合入力フォームF7が設けられる。市場名入力フォームF1には、オークションを開催する市場の名称が入力される。会主名入力フォームF2には、オークションを開催する市場主(会主)の屋号や名称などが入力される。住所入力フォームF3には、オークションを開催する市場主の住所が入力される。連絡先入力フォームF4には、オークションを開催する市場主の電話番号が入力される。該非入力フォームF5は、オークションを開催する市場主が適格請求書発行事業者に該当するか否かが、例えば、プルダウンメニュー方式で入力される。該非入力フォームF5に市場主が適格請求書発行事業者に該当すると入力がされた場合は、登録番号入力フォームF6には、適格請求書発行事業者の登録番号が入力される。なお、該非入力フォームF5に市場主が適格請求書発行事業者でないとして入力された場合には、登録番号入力フォームF6には「無し」とデフォルトで入力される。売主歩合入力フォームF7は、市場主が定める売主歩合が入力される。売主歩合とは、オークションに出品された品物が落札された際に、売主(品物の出品者)が負担する歩合額を定める歩合のことである。売主は、落札価格に売主歩合を乗じた額(売主歩合額)をオークションの手数料として市場主に支払うことになる。
図2の売主歩合入力フォームF7には、条件1から条件4までの4パターンの売主歩合を設定可能な入力フォームが備わり、落札価格が該当する価格帯別に売主歩合を入力することが可能となる。例えば、売主歩合入力フォームF7の条件1に、第1価格帯(第1落札価格帯)として、価格下限0円~価格上限3000円で売主歩合20を入力し、条件2に、第2価格帯(第2落札価格帯)として、価格下限3001円~価格上限5000円で売主歩合10を入力し、条件3に、第3価格帯(第3落札価格帯)として、価格下限5001円~価格上限1万円で売主歩合8を入力し、条件4に、第4価格帯(第4落札価格帯)として価格下限1万1円~価格上限10万円で売主歩合5のように、売主歩合を落札価格が該当する価格帯に応じて変動させてもよい。上記のように落札価格が該当する価格帯が第1、第2、第3、第4価格帯と高くなるのに従い、売主歩合を減少させても良いし、逆に、売主歩合を増加させてもよい。また、価格帯については、第1~第4価格帯の4つに限らず、5つ以上に設定しても良い。また、市場主の希望に応じて、落札価格に関係なく、一定の売主歩合に設定してもよい。この場合は、条件1のみ入力フォームを入力すれば、一定の売主歩合が設定可能となる(例えば、価格下限を0円にする一方で、価格上限を空欄にした上で売主歩合を入力すればよい)。
図2の各入力フォームに必要な情報の入力後に、マウス7で登録ボタンB1をクリックすると、コンピュータ1のストレージ4に、市場名、会主名、住所、連絡先(電話番号)、適格請求書発行事業者の該非、売主歩合などの情報が、市場主を識別する識別情報に関連付けられて記録される。このようにして入力された情報は、帳票プログラム4aにより生成される帳票(後述する売り伝票SSや買い伝票BS)に反映される。
オークションを開催する市場主の情報の登録が終了すると、次は、オークションに参加する参加者(買主や売主)の情報をストレージ4に記録する。図3は、帳票プログラム4aによりディスプレイ5に表示される、オークションの参加者(買主や売主)の会員登録画面である。図3の画面において、オークションに参加する参加者の情報を登録する。図3の画面においては、各入力フォームと、入力フォームに入力された内容を登録する登録ボタンB2などが表示される。入力フォームとしては、図3の上から会員番号入力フォームF8、屋号入力フォームF9、買主歩合入力フォームF10、適格請求書発行事業者の該非入力フォームF11、登録番号入力フォームF12、古物許可番号入力フォームF13、氏名入力フォームF14、住所入力フォームF15が設けられる。会員番号入力フォームF8には、登録する参加者を識別するための番号が入力される。屋号入力フォームF9には、参加者の屋号や名称などが入力される。買主歩合入力フォームF10には、登録する参加者に設定される買主歩合が入力される。買主歩合とは、オークションに出品された品物が落札された際に、買主(落札者)が負担する歩合額を定める歩合のことである。買主は、落札価格に買主歩合を乗じた額(買主歩合額)をオークションの手数料として市場主に支払うことになる。該非入力フォームF11には、登録する参加者が適格請求書発行事業者に該当するか否かが、例えば、プルダウンメニュー方式で入力される。該非入力フォームF11に参加者が適格請求書発行事業者に該当すると入力がされた場合は、登録番号入力フォームF12には、適格請求書発行事業者の登録番号が入力される。なお、該非入力フォームF11に参加者が適格請求書発行事業者でないとして入力された場合には、登録番号入力フォームF12には「無し」とデフォルトで入力される。古物許可番号入力フォームF13には、登録する参加者の古物許可番号が入力される。氏名入力フォームF14には、登録する参加者の古物許可証における氏名又は名称が入力される。住所入力フォームF15には、登録する参加者の古物許可証における住所又は居所が入力される。図3の各入力フォームに必要な情報の入力後に、マウス7で登録ボタンB2をクリックすると、コンピュータ1のストレージ4に、会員番号、屋号、買主歩合、適格請求書発行事業者の有無、古物許可番号、古物許可証(氏名又は名称)、古物許可証(住所又は居所)などの情報が関連付けられて記録される。この登録処理は、例えば、オークションに参加する新たな参加者の情報が届く度に、繰り返し実行され、参加者毎に上記の各情報がストレージ4に記憶される。
オークションを開催する市場と、参加者の登録が終了すると、帳票プログラム4aで帳票を作成(生成)するための前準備が完了する。次は、オークションで競り落とされた品物の各取引に関する情報などをストレージ4に記録して、帳票を生成する処理となる。図4には、帳票プログラム4aを立ち上げたコンピュータ1のディスプレイ5に表示される画面の一例が示される。図4の画面は、これからオークションにかけられる品物に関する情報をコンピュータ1が受け付ける際にディスプレイ5に表示される画面である。
帳票プログラム4aで帳票を作成(生成)するためには、先ず、図4の画面において、これからオークションにかけられる品物の情報を入力する。図4の画面においては、各入力フォームと、入力フォームに入力された内容を表示装置Dに表示するためのスタートボタンB3などが表示される。入力フォームとしては、図4の上から日付入力フォームF16、市場名入力フォームF17、競りナンバー入力フォームF18、売主名入力フォームF19、物品名入力フォームF20、数量入力フォームF21、価格入力フォームF22、買主名入力フォームF23が設けられる。日付入力フォームF16には、オークションを開催する年月日が入力される。市場名入力フォームF17には、図2の市場登録画面の市場名入力フォームF1に入力して登録された市場名が表示される。競りナンバー入力フォームF18には、競りの番号が自動入力される。売主名入力フォームF19には、これから品物を出品する売主名が入力される。売主名入力フォームF19への売主名の入力は、例えば、プルダウンメニュー方式で入力される。プルダウンメニューで表示される項目としては、参加者登録画面である図3の屋号入力フォームF9から登録された各参加者の屋号や名称などが表示され、入力可能となる。このプルダウンメニューから選択された屋号(参加者)などに対応して、売主名入力フォームF19の右側には、適格請求書発行事業者か否かの該非が表示される。具体的には、売主名入力フォームF19に入力された売主名に関連付けて記憶された適格請求書発行事業者の該非の情報が売主名入力フォームF19の右側に表示される。例えば、売主名入力フォームF19に入力された売主が適格請求書発行事業者に非該当ならば「適格請求書発行事業者:非該当」と表示され、売主名入力フォームF19に入力された売主が適格請求書発行事業者ならば「適格請求書発行事業者:該当」と表示される。物品名入力フォームF20には、これから出品される品物の物品名が入力される。物品名入力フォームF20の右側には、物品名入力フォームF20に入力された物品が軽減税率対象の場合にチェックを入れるチェックボックスC1が表示される。数量フォーム入力フォームF21には、これから出品される品物の数量が入力される。価格入力フォームF22には、出品された品物の落札価格が入力される。買主名入力フォームF23には、出品された品物を落札した落札者名(買主名)が入力される。
また、図4の画面においては、数量入力フォームF21の下側にスタートボタンB3と、買主名入力フォームF23の下側に確定ボタンB4及び流れボタンB5が備わる。また、図4の画面上端にはメニューバーが配置され、メニューバーには、帳票ボタンB6と、会員登録ボタンB7と、管理画面ボタンB8と、が備わる。
スタートボタンB3は、オークションを開始する際にクリックされるボタンであり、図4の価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23以外の入力フォーム等が入力された状態でクリックされるボタンである。スタートボタンB3がクリックされることで、図4の各入力フォームに入力された情報が表示装置Dに反映され、例えば、図5に示すような画像が表示装置Dに表示される。図4の確定ボタンB4は、オークションの取引が成立して終了した際にクリックされるボタンであり、価格入力フォームF22に落札価格、買主名フォームF23に落札者(買主)が入力された状態でクリックされるボタンである。確定ボタンB4がクリックされることで、落札価格と落札者(買主)が確定され、売主名入力フォームF19、物品名入力フォームF20、数量入力フォームF21、価格入力フォームF22、買主名入力フォームF23の各入力フォームの入力内容や、軽減税率対象のチェックボックスC1のチェックの有無などのデータがストレージ4に登録(記録)されるとともに、これらのデータをもとに成立したオークションの取引の帳票データを生成することが可能となる。成立したオークションの取引データとしては、例えば、図6に示すように取引一覧データとしてストレージ4に登録(記録)される。図4に戻って、流れボタンB5は、スタートボタンB3がクリックされ、開始されたオークションの取引が流れて終了した際にクリックされるボタンである。
また、図4のメニューバーにおける帳票ボタンB6は、図4の確定ボタンB4がクリックされることで、生成される取引一覧データ(図6)を表示するボタンである。図4の会員登録ボタンB7は、オークションに参加可能な参加者情報を入力する図3の登録画面を表示するボタンである。そして、管理画面ボタンB8は、オークションを開催する市場情報を入力する図2の登録画面を表示するボタンである。また、
ここで、図4の帳票ボタンB6をクリックすることで表示される取引一覧データが表示される図6の画面について説明する。図4において、確定ボタンB4がクリックされると、図4の各入力フォームなどに入力されたデータがストレージ4に記録され、取引が成立した取引一覧データが生成される。図4の帳票ボタンB6をクリックすることで閲覧できる取引一覧データの画面(図6)には、図6の画面上端に位置するメニューバーに編集ボタンB9、削除ボタンB10、検索ボタンB11、印刷ボタンB12、集計印刷ボタンB13が表示される。また、メニューバーの下には、開催したオークションの日付などの入力する日付フォームF24と、一覧に表示される成立取引データを売主別又は買主別に表示できるラジオボタンB14と、一覧に表示される成立取引データを会員名で選別する(絞る)ための会員名の検索フォームF25と、成立取引一覧表D1とが表示される。
編集ボタンB9は、成立取引一覧表D1に表示される各取引のデータを編集するためのボタンであり、編集ボタンB9より、各取引のデータが修正可能となる。削除ボタンB10は、成立取引一覧表D1に表示された成立取引データを個別に削除するためのボタンである。検索ボタンB11は、ストレージ4に記録された成立取引データを検索するボタンである。検索フォームF25に会員名を入力して検索すると、検索された会員が取引した取引データの一覧が成立取引一覧表D1に表示される。印刷ボタンB12は、成立取引一覧表D1に表示された全取引をまとめた(網羅した)帳票を生成、印刷が可能なボタンである。集計印刷ボタンB13は、オークションが開催された日の全成立取引を集計した帳票を生成、印刷することが可能なボタンである。
日付フォームF24は、オークションを開催した日付を入力するフォームである。日付フォームF24に日付を入力すると、入力した日付に開催されたオークションにおいて、成立した取引一覧データが成立取引一覧表D1に表示される。ラジオボタンB14は、帳票の種別を設定するためのボタンである。例えば、ラジオボタンB14で売主ボタンが選択されると、成立取引一覧表D1には、市場主から売主に渡すための帳票に対応する取引一覧データが表示される。また、ラジオボタンB14で買主ボタンが選択されると、成立取引一覧表D1には、市場主から買主に渡すための帳票に対応する取引一覧データが表示される。検索フォームF25は、成立取引一覧表D1に表示される取引一覧データを検索フォームF25に入力された会員で絞るためのものである。
また、成立取引一覧表D1には、ID、日付、売主、買主、市場、商品名、数量、価格、軽減税率、競り番号などが表示される。IDはオークションにおける取引を識別するための番号である。日付は、図4の確定ボタンB4がクリックされた際の日時(日時のタイムスタンプ)が表示される。成立取引一覧表D1の売主、買主、市場、商品名、数量、価格、軽減税率、競り番号の各セルには、図4の各フォームなどに入力された結果に対応するデータが入力される。具体的には、売主セルCE1には、図4の売主名入力フォームF19に入力された内容が表示される。買主セルCE2には、図4の買主名入力フォームF23に入力された内容が表示される。市場セルCE3には、図4の市場名入力フォームF17に入力された内容が表示される。商品名セルCE4には、図4の物品名入力フォームF20に入力された内容が表示される。数量セルCE5には、図4の数量入力フォームF21に入力された内容が表示される。価格セルCE6には、図4の価格入力フォームF22に入力された内容が表示される。軽減税率セルCE7には、図4のチェックボックスC1のチェックの有無に応じた結果が表示され、チェックボックスC1にチェックがある場合には、軽減税率対象であることを示す1が表示され、チェックボックスC1にチェックがない場合には、軽減税率対象でないことを示す0が表示される。競り番号セルCE8には、図4の競り番号フォームF18に入力された内容が表示される。なお、図4において、流れボタンB5がクリックされた場合には、図4の各入力フォームに入力された内容は、成立取引一覧表D1に反映されない。
図6の成立取引一覧表D1においては、左右方向に1行に並んだデータが1つの取引に関するデータである。この取引データをもとに成立した取引の帳票データを生成することが可能となる。複数の、このような取引データをもとに生成された帳票データの一例が図7~図12に示される。図7~図10は、オークション終了後(取引成立後)に売主に渡される帳票(売り伝票SS)の一例であり、図11及び図12は、オークション終了後(取引成立後)に買主に渡される帳票(買い伝票BS)の一例である。
ところで、古物市場のオークションでは、オークションを開催する市場主は、落札された品物の取引の仲立ちをする。具体的には、市場主は、落札された品物に対する落札額の金銭を買主(落札者)から預かるとともに、買主(落札者)からオークション開催の手数料(落札手数料)の支払いを受ける。そして、市場主は、買主(落札者)から預かった落札額から、落札された品物の売主がオークションを開催する市場主に支払う手数料(売却手数料)を差し引いた額の金銭を売主に支払う。このようにオークションが成立した取引の仲立ちを市場主が行う。そのため、オークションに出品する売主が適格請求書発行事業者か否かによって、出品された品物に対する消費税が仕入税額控除の対象になるかが変動するとともに、オークションを開催する市場主が適格請求書発行事業者か否かによっても、市場主の手数料に対する消費税が仕入税額控除の対象になるかが変動する。
そのため、市場主は、競り落とされた品物の売買取引の記録として、買主が支払う金額や売主が受け取る金額等と、競り落とされた品物の取引に関する消費税が仕入税額控除の対象になるか否かがわかる帳票を作成して買主や売主に渡す必要がある。以下、図6の成立取引一覧表D1に表示される取引一覧データをもとに生成される帳票(売り伝票SS、買い伝票BS)について説明する。
例えば、図6において、ラジオボタンB14に売主を選択し、日付フォームF24に日付(2022/09/01)を入力するとともに、会員名の検索フォームF25にオークションに出品した特定の売主「○○○○」(以下、売主Aとする)を入力すると、成立取引一覧表D1には、2022年9月1日に開催されたオークションにおいて、売主Aが出品して取引が成立した取引一覧が成立取引一覧表D1に表示される(図13)。そして、図13の印刷ボタンB12をクリックすると、2022年9月1日に開催されたオークションにおいて、売主Aが受け取る金額等などが表示された(売主Aの品物の売却が成立した全取引をまとめた)売り伝票SSが生成され、印刷することが可能となる。売り伝票SSは、オークションの終了後などに、市場主から売主(オークションに出品した品物が落札された売主)に渡される帳票であり、売主Aの取引の記録の控えとなるものであり、売り伝票SSの例が図7~図10に示される。以下、売り伝票SSについて説明する。
最初に、図7を例にして、図7~図10の売り伝票SSにおいて、共通する部分をまとめて説明する。図7の売り伝票SSは、図13の画面に表示された各データをもとに生成された売り伝票SSである。図7の売り伝票SSには、日付表示部SS1、伝票を受け取る者の名称表示部SS2と、支払合計金額の金額表示部SS3と、歩合別の小計表示部SS4と、歩合合計表示部SS5と、市場主の情報を表示する市場主表示部SS6と、取引された品物情報一覧表示する一覧表示部SS7と、オークションで取引が成立した合計金額を表示する合計金額表示部SS8と、取引における特記事項を表示する特記事項表示部SS9と、を備える。
日付表示部SS1は、図13の日付フォームF24に入力された日付が表示され、図13の画面をもとに生成される図7の売り伝票SSでは、2022年9月1日と表示される。名称表示部SS2には、売り伝票SSが渡される売主の屋号や名称が表示され、図13の画面をもとに生成される図7の売り伝票SSでは、図13の検索フォームF25や売主セルCE1に入力された「○○○○」(売主A)の名称が表示される。図7の金額表示部SS3は、市場主から売主に支払われる金額の合計が表示され、合計金額表示部SS8に表示される合計欄の金額から歩合合計表示部SS5の金額を減算した金額が表示される。歩合別の小計表示部SS4には、落札価格に応じて設定された(図2の市場登録の際に設定された)歩合毎の手数料(売主Aが市場主に支払う手数料)の内訳が表示される。図13の例では、例えば、落札価格が1000円以下ものについては、売主歩合が20%(0.2)、落札価格が1001円以上のものについては、売主歩合が10%(0.1)に設定されている。図7の小計表示部SS4における歩合20%の欄には、図13の価格セルCE6に入力された1000円以下の価格の合計金額に歩合(0.2)を乗じた金額が表示される。また、図7の小計表示部SS4における歩合10%の欄には、図13の価格セルCE6に入力された1001円以上の価格の合計金額に歩合(0.1)を乗じた金額が表示される。また、図7の小計表示部SS4における歩合8%及び歩合5%の欄については、売主歩合が設定されていないため、0と表示される。歩合合計表示部SS5には、売主から市場主に支払われる手数料(売主歩合額)の合計金額が表示され、小計表示部SS4における各金額を合算した金額が表示される。市場主表示部SS6は、図2の市場登録の際に設定した市場名、会主の名称、市場主の住所、電話番号が表示される。また、市場主が適格請求書発行事業者の場合には、適格請求書発行事業者の登録番号も表示される。一方、市場主が適格請求書発行事業者でない場合には、登録番号は無しと表示される。一覧表示部SS7には、オークションにおいて、売主(名称表示部SS2に表示される売主)が出品して落札された品物の一覧(セリ番号、品名、数量、金額(落札金額)、買主)が表示され、図13の画面をもとに生成される図7の売り伝票SSでは、図13の競り番号セルCE8、商品名セルCE4、数量セルCE5、価格セルCE6、買主セルCE2の内容が反映される。図7の合計金額表示部SS8には、合計欄と、10%対象欄と、8%対象欄とが表示される。合計欄には、図13の価格セルCE6に入力された値を合算した金額が表示される。図7の合計金額表示部SS8の10%対象欄には、図13の軽減税率セルCE7において0が入力されたものに対応する価格セルCE6に入力された値を合算した金額と、その合算した金額に含まれる10%の消費税を算出した金額と、が表示される。図7の合計金額表示部SS8の8%対象欄には、図13の軽減税率セルCE7において1が入力されたものに対応する価格セルCE6に入力された値を合算した金額と、その合算した金額に含まれる8%の消費税を算出した金額と、が表示される。図7の合計金額表示部SS8では、落札された品物全部の合計落札額と、税率毎の小計と、各小計に対する消費税の内訳が表示される。また、特記事項表示部SS9には、売り伝票SSにおける特記事項が表示される。以下、図7~図10における各売り伝票SSの詳細について説明する。
図7の売り伝票SSは、市場主及び売主が適格請求書発行事業者である場合のものである。図7の売り伝票SSでは、市場主が適格請求書発行事業者であるため、歩合合計表示部SS5の歩合合計額に消費税の内訳の表示部SS5aが表示される。表示部SS5aには、(内消費税(10%)218円)との表示がされている。また、図7の売り伝票SSは売主も適格請求書発行事業者であるため、合計金額表示部SS8には、合計落札額(16000円)とともに、消費税の税率毎の落札金額の合計(10%対象の落札金額の合計12000円と8%対象の落札金額の合計4000円)が表示されるとともに、消費税の税率毎に消費税の内訳(10%対象の消費税1091円と8%対象の消費税296円との内訳)の表示部SS5aも表示される。また、合計金額表示部SS8の左下側には特記事項表示部SS9として、※1:軽減税率対象品目との表示がされ、一覧表示部S7における品名のドリンクと菓子の欄に※1との目印Mが表示され、一覧表示部SS7における競り番号6、10、29の各品目が軽減税率対象品目である旨が表示される。図13の画面をもとに生成される図7の売り伝票SSでは、図13の軽減税率セルCE7の値に1が入力されている場合には、一覧表示部S7の品名の欄に※1が表示されるとともに、「※1:軽減税率対象品目」との特記事項表示部SS9が表示される。
図8の売り伝票SSは、市場主が適格請求書発行事業者、かつ、売主が適格請求書発行事業者ではない(売主が免税事業者)場合のものである。図8の売り伝票SSでは、市場主が適格請求書発行事業者であるため、歩合合計表示部SS5の歩合合計額に消費税の内訳の表示部SS5aが表示される。表示部SS5aには、(内消費税(10%)218円)との表示がされている。一方、売主は免税事業者であるため、合計金額表示部SS8には、合計落札額(16000円)のみが表示される(税率毎の小計と、各小計に対する消費税の内訳は表示されない)。
図9の売り伝票SSは、市場主が適格請求書発行事業者ではない(市場主が免税事業者)、かつ、売主が適格請求書発行事業者である場合のものである。図9の売り伝票SSでは、市場主が免税事業者であるため、歩合合計表示部SS5の歩合合計額に、特記事項の目印M(※2)が表示されている。一方、売主は適格請求書発行事業者であるため、合計金額表示部SS8には、合計落札額(16000円)とともに、消費税の税率毎の落札金額の合計(10%対象の落札金額の合計12000円と8%対象の落札金額の合計4000円)が表示されるとともに、消費税の税率毎に消費税の内訳(10%対象の消費税1091円と8%対象の消費税296円との内訳)の表示部SS5aも表示される。また、合計金額表示部SS8の左下側には特記事項表示部SS9として、※1:軽減税率対象品目、※2インボイスとしては認められない取引です、との表示がされ、歩合合計表示部SS5の歩合合計額(2400円)に※2との目印Mが表示され、歩合合計金額(2400円)が消費税の仕入税額控除の対象にならないことが示される。また、一覧表示部SS7における品名のドリンク、菓子の欄に※1との目印Mが表示され、一覧表示部S7における競り番号6、10、29の品目が軽減税率対象品目である旨が表示される。
図10の売り伝票SSは、市場主及び売主が適格請求書発行事業者ではない(市場主及び売主が免税事業者である)場合のものである。図10の売り伝票SSでは、市場主が免税事業者であるため、歩合合計表示部SS5の歩合合計額に、特記事項の目印M(※2)が表示されている。また、売主も免税事業者であるため、合計金額表示部SS8には、合計落札額(16000円)と※2との目印Mのみが表示される。合計金額表示部SS8の左下側には特記事項表示部SS9として、※1:軽減税率対象品目、※2インボイスとしては認められない取引です、との表示がされ、歩合合計表示部SS5の歩合合計額(2400円)が消費税の仕入税額控除の対象にならないことが示される。また、一覧表示部SS7における品名のドリンク、菓子の欄に※1との目印Mが表示され、一覧表示部SS7における競り番号6、10、29の品目が軽減税率対象品目である旨が表示される。
売り伝票SSを生成する際において、売主が適格請求書発行事業者に該当するか否かについては、例えば図13の売主セルCE1に入力された「○○○○」(売主A)に関連付けてストレージ4に記憶された情報に基づいて(図3の登録画面で登録された情報に基づいて)判定し、売主が適格請求書発行事業者か否かに応じて、生成される売り帳票SSの内容が上記のように変動する。同様に、市場主が適格請求書発行事業者に該当するか否かについては、例えば、図13の市場セルCE3に入力された市場名(図13ではあいうえお市場)に関連付けてストレージ4に記憶された情報(図2の登録画面で登録された情報)に基づいて判定し、市場主が適格請求書発行事業者か否かに応じて、生成される売り伝票SSの内容が上記のように変動する。
以上、図13の成立取引一覧表D1に表示される取引一覧データ等をもとに生成される帳票(売り伝票SS)について説明した。次に、買い伝票BSについて説明する。買い伝票BSを生成するには、例えば、図6において、ラジオボタンB14に買主を選択し、日付フォームF24に日付(2022/09/01)を入力するとともに、会員名の検索フォームF25にオークションに出品した特定の売主「△△△△」(以下、買主Aとする)を入力すると、成立取引一覧表D1には、2022年9月1日に開催されたオークションにおいて、買主Aが落札した品物の取引一覧が成立取引一覧表D1に表示される(図14)。そして、図14の印刷ボタンB12をクリックすると、2022年9月1日に開催されたオークションにおいて、買主Aが支払う金額等などが表示された(買主Aが落札した品物の全取引をまとめた)買い伝票BSが生成され、印刷することが可能となる。買い伝票BSは、オークションの終了後などに、市場主から買主(オークションで落札した買主)に渡される帳票であり、買主Aの取引の記録の控えとなるものであり、買い伝票BSの例が図11及び図12に示される。以下、買い伝票BSについて説明する。
最初に、図11を例にして、図11及び図12の買い伝票BSに共通して表示される部分について説明する。図11の買い伝票BSは、図14の画面をもとに生成された買い伝票BSである。なお、売り伝票SSと同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略する。図11の買い伝票BSには、日付表示部SS1、名称表示部SS2と、支払金額などの金額表示部SS3´と、成立金額表示部SS4´と、歩合表示部SS5´と、市場主表示部SS6と、取引の一覧情報を表示する一覧表示部SS7´と、取引における特記事項を表示する表示部SS9と、を備える。
金額表示部SS3´は、買主(落札者)が市場主に支払う金額の合計が表示され、成立金額表示部SS4´の金額と歩合表示部SS5´の金額を加算した金額が表示される。成立金額表示部SS4´は、開催されたオークションにおいて、ある買主(図11では買主A)が落札した全ての品物に対する落札価格の合計金額が表示される。図14の画面をもとに生成される図11の買い伝票BSでは、図14の価格セルCE6に入力された値を合算した金額が表示される。歩合表示部SS5´には、買主から市場主に支払われる手数料(買主歩合額)の合計金額(1600円)が表示される。歩合表示部SS5´に表示される歩合(10%)との表示は、名称表示部SS2に表示される買主に設定された買主歩合である(図3の買主歩合入力フォームF10で入力された買主歩合が表示される)。この買主歩合(0.1)を成立金額表示部SS4´の金額に乗じた額が歩合表示部SS5´の金額として表示される。一覧表示部SS7´には、名称表示部S2に表示される買主が取引をした取引先名(売主名)、セリ番号、品名(落札した品名)、数量、金額(落札価格)、合計(合計落札金額)、税率毎の合計落札金額の一覧が表示される。図14の画面をもとに生成される図11の買い伝票BSでは、図14の各セルの値に基づいて一覧表示部SS7´の各内容が表示される。一覧表示部SS7´の取引先名における取引先(売主)が適格請求書発行事業者の場合には、取引先名の欄に、取引先名と適格請求書発行事業者の登録番号が表示される。取引先名の取引先が適格請求書発行事業者でない場合には、登録番号なしと表示される。また、取引先名の取引先が適格請求書発行事業者の場合には、合計欄と、10%対象合計欄と、8%対象合計欄とが表示される。合計欄には、例えば、図11の取引先名(A商店)に該当する図14の売主セルCE1の売主(A商店)に対応する価格セルCE6に入力された値を合算した金額が表示される。図11の一覧表示部SS7´における取引先名(A商店)の10%対象欄には、図14の売主セルCE1の売主(A商店)に該当し、かつ、軽減税率セルCE7において0が入力されたものに該当する価格セルCE6に入力された値を合算した金額と、その合算した金額に含まれる10%の消費税を算出した金額と、が表示される。図11の一覧表示部SS7´における取引先名(A商店)の8%対象欄には、図14の売主セルCE1の売主(A商店)に該当し、かつ、軽減税率セルCE7において1が入力されたものに該当する価格セルCE6に入力された値を合算した金額と、その合算した金額に含まれる8%の消費税を算出した金額と、が表示される。このように、取引先毎に落札した品物全部の合計落札額と、税率毎の小計と、各小計に対する消費税の内訳が表示される。一方、図11の一覧表示部SS7´における取引先名の取引先(売主)が適格請求書発行事業者でない場合には(図11の一覧表示部SS7´における取引先(B販売)の場合には)、合計欄と特記事項の目印M(※2)のみが表示される。合計欄には、図11の取引先名(B販売)に該当する図14の売主セルCE1の売主(B販売)に該当する価格セルCE6に入力された値を合算した金額が表示される。また、図11の一覧表示部SS7´の下側には特記事項表示部SS9として、※1:軽減税率対象品目との表示がされ、一覧表示部SS7´における品名のドリンク、菓子の欄に※1との目印Mが表示され、一覧表示部SS7´における競り番号4、10、12の品目が軽減税率対象品目である旨が表示される。更に、特記事項表示部SS9として、※2:インボイスとしては認められない取引です、との表示がされ、歩合表示部SS5´の買主歩合額(1600円)及び一覧表示部SS7´における取引先(B販売)との取引金額(5000円)が消費税の仕入税額控除の対象にならないことが示される。
図11の買い伝票BSは、市場主が適格請求書発行事業者ではない(市場主が免税事業者である)場合のものである。図11の買い伝票BSでは、市場主が免税事業者であるため、歩合表示部SS5´の歩合(10%)の金額に、特記事項の目印M(※2)が表示されている。また、市場主表示部SS6には、登録番号が無しと表示される。また、一覧表示部SS7´は、買主が取引をした取引先が適格請求書発行事業者か否かに応じて表示内容が変わる。セリ番号1~4については、適格請求書発行事業者との取引が表示され、合計落札額(5000円)とともに、消費税の税率毎の落札金額の合計(10%対象の落札金額の合計4000円と8%対象の落札金額の合計1000円)が表示されるとともに、消費税の税率毎に消費税の内訳(10%対象の消費税364円と8%対象の消費税74円との内訳の表示部SS5a)も表示される。同様に、セリ番号7、8、9、10についても、適格請求書発行事業者との取引が表示される。セリ番号5、6、11、12については、適格請求書発行事業者ではない(免税事業者)との取引が表示され、合計欄には合計金額とともに、特記事項の目印M(※2)が表示される。なお、セリ番号4、10、12が軽減税率対象品目であるため、品名の欄にも特記事項の目印M(※1)が表示される。
図12の買い伝票BSは、市場主が適格請求書発行事業者である場合のものである。図12の買い伝票BSでは、市場主が適格請求書発行事業者であるため、歩合表示部SS5´の買主歩合額に、消費税の内訳(内消費税(10%)145円)との表示部SS5aが表示される。また、市場主表示部SS6には、適格請求書発行事業者の登録番号などが表示される。一覧表示部SS7´及び特記事項表示部SS9については、図11と同様である。
買い伝票BSを生成する際において、売主が適格請求書発行事業者に該当するか否かについては、例えば図14の売主セルCE1に入力された売主に関連付けてストレージ4に記憶された情報に基づいて(図3の登録画面で登録された情報に基づいて)判定し、売主が適格請求書発行事業者か否かに応じて、生成される買い帳票BSの内容が上記のように変動する。同様に、市場主が適格請求書発行事業者に該当するか否かについては、例えば図14の市場セルCE3に入力された市場名(図14ではあいうえお市場)に関連付けてストレージ4に記憶された情報(図2の登録画面で登録された情報に基づいて)判定し、市場主が適格請求書発行事業者か否かに応じて、生成される買い伝票BSの内容が上記のように変動する。
以上、帳票プログラム4aによって、生成される帳票について説明した。図4の価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23に入力がされ、確定ボタンB4が押されることで、各入力フォームに入力された内容に応じて、例えば、図6に示す取引一覧データにおける1つの取引データが生成される。帳票プログラム4aによって、帳票を生成する処理をまとめると、図15に示すフローチャートにおける流れとなり、以下、図15のフローチャートについて説明をする。
先ず、コンピュータ1で帳票プログラム4aを立ち上げた後に、図4の画面で、価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23以外の情報(オークションに出品される品物に関する出品情報)の入力を受け付ける(図15のS1)。そして、図4の画面でスタートボタンB3がクリックされると(図15のS2:Yes)、コンピュータ1から表示装置Dに対して出品情報を配信する(図15のS3)。図4において、価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23以外に入力がされ、スタートボタンB3がクリックされると、コンピュータ1に接続される表示装置Dには、例えば、図5に示される画像が表示される。具体的には、売主名表示部D2、市場表示部D3、適格請求書発行事業者の該非表示部D4、競りナンバー表示部D5、物品名表示部D6、数量表示部D7、軽減税率表示部D8、落札価格表示部D9、買主名表示部D10が表示装置Dに表示される。
図4のスタートボタンB3がクリックされると、図4の各入力フォームに入力された内容が表示装置Dに表示される。具体的には、図5の売主名表示部D2には、図4の売主名入力フォームF19に入力された売主が表示されるとともに、その売主が適格請求書発行事業者に該当するか否かを該非表示部D4に表示する。図4の画面において、売主名入力フォームF19の右側に「適格請求書発行事業者:該当」との表示がされている場合には、図5の該非表示部D4に「該当」との表示がされ、売主名入力フォームF19の右側に「適格請求書発行事業者:非該当」との表示がされている場合には、図5の該非表示部D4に「非該当」との表示がされる。図5の市場表示部D3には、図4の市場入力フォームF17の内容が表示される。図5の競りナンバー表示部D5には、図4の競りナンバー入力フォームF18に入力された内容が表示される。図5の物品名表示部D6には、図4の物品名入力フォームF20に入力された物品名が表示される。図5の数量表示部D7には、図4の数量入力フォームF21に入力された数量が表示される。図5の軽減税率表示部D8は、図4の軽減税率対象チェックボックスC1のチェックが入力されている場合に、軽減税率対象との文字が表示され、減税率対象チェックボックスC1にチェックがされていない場合には、何も表示しない。以上のように、図4の画面において、各入力フォームに入力をし、スタートボタンB3がクリックされると、入力された内容が表示装置Dに反映される。そのため、表示装置Dにはオークションの売主等に関する情報が表示され、オークションが行わる。
図15に戻って、表示装置Dにオークション情報の配信がされ(図15のS3)、オークションが行われ、買主(落札者)が確定すると、コンピュータ1において図4の画面で、価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23の情報(落札価格と落札者の落札情報)の入力を受け付ける(図15のS4)。図4の確定ボタンB4がクリックされると(図15のS5:Yes)、価格入力フォームF22と買主名入力フォームF23の入力にエラーがないかをチェックする(図15のS6)。
価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23の少なくとも一方の入力がない状態で、図4の確定ボタンB4がクリックされると、入力エラーがあるとし(図15のS6:No)、図16に示すように、入力エラーとのポップアップが表示される(図15のS7)。入力エラーのポップアップが表示され、ポップアップのOKボタンB15をクリックすると、ポップアップが閉じ、再度、価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23への入力が可能となる(図15のS4に戻る)。
図4の価格入力フォームF22に落札価格、買主名入力フォームF23に落札者名が入力され、確定ボタンB4がクリックされると(図15のS6:Yes)、表示装置Dには、図17に示すように落札価格表示部D9に落札価格、買主名表示部D10に買主名が表示される(図15のS8)。次に、図15のS9に進み、図4の各入力フォームに入力された取引データをストレージ4に記録し、例えば、図6に示すように取引情報の一覧データが生成される。
一方、オークションが行われ、流札が確定すると、図4の流れボタンB5がクリックされる(図15のS10:Yes)。すると、表示装置Dには、図18に示すように、落札価格表示部D9に横線が表示されるとともに、買主名表示部D10に流れと表示され、流札が確定したことが表示される(図15のS11)。
オークションの成立取引データの記録(図15のS9)又は流札情報の配信(図15のS11)が終了すると、図4の競りナンバー入力フォームF18の数値が1つインクリメントされるとともに、売主名入力フォームF19、物品名入力フォームF20、数量入力フォームF21、価格入力フォームF22、買主名入力フォームF23、チェックボックスC1の入力内容がクリアされ、次に開始するオークションの品物などの情報を入力することが可能となる。そして、次のオークションに関する情報が入力され、当日に行われるオークションが全て終了するまで同様の処理が繰り返される。そして、図6に示す取引情報一覧データが蓄積され、蓄積されたデータなどをもとに、図7~図12に示すような帳票データを生成することが可能となる。
次に、オークションを開催する際の、コンピュータ1及び表示装置Dの使用方法を説明する。市場主は、オークションを開催する前に、コンピュータ1で帳票プログラム4aを立ち上げ、図2の登録画面から自身(市場主)に関する情報を入力するとともに、開催するオークションの参加者の情報を図3の会員登録画面から入力をする。
そして、市場主がオークション会場で実際にオークションを始める場合には、図4のオークション情報の入力画面において、日付入力フォームF16、市場名入力フォームF17、売主名入力フォームF19、物品名入力フォームF20、物品が軽減税率対象品目の場合には、軽減税率対象のチェックボックスC1にチェックを入れ、数量入力フォームF21に数力を入力して、スタートボタンB3をクリックする。これにより、これからオークションする品名や競り番号などの情報が表示装置Dに配信される。オークション会場にいる参加者は、表示装置Dに表示される画面(図5)を参考に、出品されている物品が仕入税額控除の対象になるか、及び、軽減税率対象になるかを踏まえた上で、競りに参加する。そして、入札が行われ、出品された品物の価格が売却可能額(オークション中の品物の売主が予め設定した価格)に達し、価格のせり上がりが止まったら、落札されたとして、市場主はコンピュータ1により図4の価格入力フォームF22に落札価格を、買主名フォームF23に買主名(落札者名)を入力し、確定ボタンB4をクリックする。すると、表示装置Dには、図17に示すように落札価格表示部D9に落札価格が表示され、買主名表示部D10に落札者名が表示される。なお、入札が行われ、出品された品物の価格が売却可能額(オークション中の品物の売主が予め設定した価格)に達せず、価格のせり上がりが止まった場合には、流札として、市場主はコンピュータ1により図4の流れボタンB5をクリックする。すると、表示装置Dに表示される画面(図18)には、落札価格表示部D9に横線が表示され、買主名表示部D10に流札と表示される。以上のようにして、1つのオークションが終了する。1つのオークションが終了すると、同様の手順で、出品された品物が無くなるまでオークションが繰り返される。
コンピュータ1においては、各オークションにおいて、図4の確定ボタンB4がクリックされる毎に、成立した取引の記録がストレージ4に記録され、記録された取引データは図6に示す画面から閲覧可能となる。そして、例えば、図13や図14に表示される成立した取引情報(落札価格、軽減税率対象の有無)と予めストレージ4に記録された情報(軽減税率対象の税率や消費税の税率)に基づいて、オークション取引によって落札された品物の落札価格に対する消費税などが算出される。
また、コンピュータ1においては、ストレージ4に予め記録された参加者毎に設定された買主歩合や市場主が設定した売主歩合をそれぞれ落札価格に乗じた金額を買主歩合額、売主歩合額として算出するとともに、買主歩合額と売主歩合額に含まれる消費税も算出する。そして、売主が受け取る金額(落札価格から市場主の手数料(売主歩合額)を減算した金額)や、買主が支払う金額(落札価格に市場主の手数料(買主歩合額)を加算した金額)などが算出される。更に、予めストレージ4に記録された適格請求書発行事業者か否かの判別情報(売主が適格請求書発行事業者か否か、市場主が適格請求書発行事業者か否かを判別する情報)に基づいて、オークションの各取引において、適格請求書発行事業者が売手となる取引については、消費税額の内訳が表示される帳票を生成し、売手が適格請求書発行事業者でない取引については、適格請求書発行事業者による取引でない旨を明記する帳票を生成する。
具体的には、売手に渡す取引の記録である帳票(売り伝票SS)としては、図7~図10に示すように、売主が市場主から支払われる支払合計金額(金額表示部SS3)、売主の出品した品物について取引が成立したものの合計落札金額(合計金額表示部SS8)、売主が市場主に支払う歩合(歩合合計表示部SS5)などを表示した帳票データを生成する。生成される帳票データは、市場主が適格請求書発行事業者である場合には、歩合合計表示部SS5に消費税の内訳の表示部SS5aが表示され(図7参照)、売主が適格請求書発行事業者である場合には、合計金額表示部SS8には、合計欄に加えて、10%対象合計欄と、8%対象合計欄とが表示され、10%対象合計欄及び8%対象合計欄のそれぞれに消費税の内訳の表示部SS5aが表示される(図7参照)。図7では、売主及び市場主がともに適格請求書発行事業者の場合の帳票であり、歩合合計表示部S5と合計金額表示部S8に消費税の内訳の表示部SS5aが表示される。図8では、市場主のみが適格請求書発行事業者であるため、歩合合計表示部SS5に消費税の内訳の表示部SS5aが表示される。図9では、売主のみが適格請求書発行事業者であるため、合計金額表示部SS8に税率別に消費税の内訳の表示部SS5aが表示される。一方、歩合合計表示部SS5には、インボイスと認められない取引である目印M(※2)と、特記事項表示部SS9が表示される。図10では、市場主及び売主がともに適格請求書発行事業者でないため、歩合合計表示部SS5には、インボイスと認められない取引であることの目印M(※2)と、特記事項表示部SS9が表示され、合計金額表示部S8には、合計欄と※2の目印Mのみが表示され、10%対象合計欄及び8%対象合計欄の表示はない。
また、買主に渡す取引の記録である帳票(買い伝票BS)としては、図11及び図12に示すように、買主が市場主に支払う支払金額(金額表示部SS3´)、買主が落札した全品物についての合計落札金額(成立金額表示部SS4´)、買主が市場主に支払う歩合(歩合表示部SS5´)などを表示した帳票データを生成する。生成される帳票データは、市場主が適格請求書発行事業者である場合には、歩合表示部SS5´に消費税の内訳の表示部SS5aが表示され(図12参照)、売主が適格請求書発行事業者である場合には、一覧表示部SS7´において、合計欄に加えて、10%対象合計欄と、8%対象合計欄とが表示され、10%対象合計欄及び8%対象合計欄のそれぞれに消費税の内訳の表示部SS5aが表示される(図12参照)。一方で、売主が適格請求書発行事業者でない場合には、一覧表示部SS7´において、合計欄とインボイスと認められない取引であることを示す目印M(※2)のみ表示されるとともに、特記事項表示部SS9の表示もされる。図11では、市場主が適格請求書発行事業者でない場合の帳票であり、歩合表示部SS5´には、インボイスと認められない取引であることを示す目印M(※2)と、特記事項表示部SS9が表示される。その他の項目については、図12と同様に帳票が生成される。
図4の画面で確定ボタンB4がクリックされると、図6において、成立した取引の新たなデータが生成され、図6の取引一覧データに新たなデータが蓄積され、取引一覧データが更新される。オークションで取引が成立する毎に図6において、取引一覧のデータが蓄積、更新されていく。そこで、例えば、図13や図14に示すように、特定の売主や買主に対応する取引記録だけを表示し、印刷ボタンB12をクリックすることで、売主が受け取る金額等などが表示された売り伝票SSや、買主が支払う金額等が表示された買い伝票BSが生成され、コンピュータ1に備わるプリンタ(図示省略)などで印刷することが可能となる。このように、図6の画面に、蓄積されるデータに基づいて、図7~図11に示すような帳票データが生成される。市場主は、例えば、オークションが終了すると、図7~図11に示すような帳票を印刷するなどして、取引の記録の控えとして、売主や買主に買い伝票BSや売り伝票SSを渡す。また、図6の集計印刷ボタンB13から市場主の記録の控えとして、開催したオークションの全取引(全売主に対して市場主が支払う金額の集計伝票(図19)や、全買主から市場主が受け取る金額の集計伝票(図20))についても、市場主は同様に印刷することが可能となる。
以上のように、本発明の実施態様においては、図3(オークション参加者の会員登録画面)の適格請求書発行事業者の該非入力フォームF11からストレージ4に記録された会員情報に基づいて、売主(オークション参加者)が適格請求書発行事業者か否かを判別できる。そして、売主が適格請求書発行事業者となる取引については、消費税額の内訳の表示部SS5aが表示される図7や図12などに示すような帳票(売り伝票SS、買い伝票BS)を生成する。一方、売主が適格請求書発行事業者でない取引については、適格請求書発行事業者による取引でない旨の目印M(※2)や特記事項表示部SS9を表示した図9や図11などに示すような帳票を生成する。そのため、オークションで競り落とされた品物の取引に関する消費税が仕入税額控除の対象になるか否かがわかる帳票(売り伝票SS、買い伝票BS)を生成できる。よって、インボイス制度に対応したオークションの帳票を生成することが可能となる。
また、図2(市場主に関する情報を登録する登録画面)の適格請求書発行事業者の該非入力フォームF5からストレージ4に記録された市場情報に基づいて、市場主が適格請求書発行事業者か否かを判別できる。また、ストレージ4には、売主歩合と買主歩合が記録されているため、市場主が売主や買主に支払いを求める手数料(売主歩合額、買主歩合額)についても、市場主が適格請求書発行事業者となる取引については、消費税額の内訳の表示部SS5aが表示される図7や図12に示すような帳票(売り伝票SS、買い伝票BS)を生成する。一方、市場主が適格請求書発行事業者でない取引については、適格請求書発行事業者による取引でない旨の目印M(※2)や特記事項表示部SS9を表示した図9や図11に示すような帳票を生成する。よって、買主が市場主に支払う手数料(買主歩合額)や、売主が市場主に支払う手数料(売主歩合額)についても、インボイス制度に対応したオークションの帳票を生成できる。
また、図11においては、出品された品物が軽減税率対象項目か否かを判別する目印M(※1)及び特記事項表示部SS9が表示され、ストレージ4に記録された軽減税率対象品目か否かに応じて(例えば、図6の軽減税率セルCE7の情報に応じて)、出品物の売買に関する消費税額を算出する。そして、軽減税率対象品目となる出品物の売買取引については、図11に示すように特記事項の目印M(※1)と軽減税率対象品目である旨の特記事項表示部SS9を表示する帳票を生成する。また、図11の一覧表示部SS7´においては、合計欄とともに、10%対象合計欄と、軽減税率対象である8%対象合計欄と、が表示され、軽減税率対象(8%対象)である消費税額の内訳と、軽減税率対象でないもの(10%対象)の消費税の内訳と、を区別して表示がされている。そのため、適用される税率毎に消費税額の内訳が表示され、軽減税率を反映させた帳票が生成される。よって、軽減税率対象品目についてオークションに出品された場合であっても、軽減税率対象品目の消費税額を反映した帳票を生成できる。
また、オークションが開催される会場に備わる表示装置Dには、図5に示すように、オークション中の出品物が軽減税率対象か否か及び出品者が適格請求書発行事業者か否かがわかるような表示がされる。そのため、オークション会場にいるオークションの参加者に対し、オークション中の出品物が仕入税額控除になるか否かなどの情報を提供できる。よって、オークション終了後に仕入税額控除等にならないことが判明することによるトラブルなどを回避できる。
図2に示すように、市場登録の際に登録する、売主歩合は、落札価格が該当する価格帯別に設定され、売主歩合の情報として、ストレージ4に記録される。そして、このようにして設定された売主歩合での取引が成立した場合には、落札価格が該当する価格帯別に設定される売主歩合から売主歩合額の消費税額が算出される。そのため、落札価格に応じて変動する売主歩合であっても、適切な帳票を生成できる。
また、オークションの出品物について落札された場合には、図4の価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23に落札価格と落札者が入力されると、落札情報の入力が確定するが、これらのフォームに入力がない状態で、確定ボタンB4がクリックされると、図16に示すように落札情報の受け付けを禁止し、入力エラーをポップアップする。そのため、落札情報が入力されていないのに落札情報が入力されたとして、誤って確定してしまうのを防止できる。
ここで、本実施形態と特許請求の範囲に記載の文言との対応関係を説明する。本実施形態の帳票プログラム4aが「プログラム」に、コンピュータ1が「コンピュータ」に相当する。ストレージ4が「記録部」に相当する。コンピュータ1により図4において、出品される品物に関する情報の入力を受け付ける機能が「出品受付部」に相当する。また、コンピュータ1により、図4において、落札された落札価格及び落札者名(買主名)に関する情報の入力を受け付ける機能が「落札受付部」に相当する。コンピュータ1において、入力された落札価格に基づいて落札価格の消費税額などを算出する機能が「算出部」に相当する。コンピュータ1により、図7~図11に示すような帳票を生成する機能が「生成部」に相当する。
以上、本発明の一例である帳票プログラム4aを説明した。次に、本発明の一例の帳票生成装置DEについて説明する。なお、上記説明と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図21は本発明の一例の帳票生成装置DEを用いたオークションシステムS1の一例を示す。オークションシステムS1は、古物に関するオークションのシステムである。オークションシステムS1は、オークションが開催されるオークション会場にあるコンピュータ101と、コンピュータ101に接続されて、コンピュータ101を通じて配信される画像などを表示する表示装置Dと、オークションにおいて競り落とされた品物の取引に関する帳票を生成するサーバー(帳票生成サイト)として機能する帳票生成装置DEと、を備える。
コンピュータ101は、オークション会場の市場主が保有するパソコンなどの端末である。コンピュータ101は、異なる場所にある複数のオークション会場にそれぞれ備わる。帳票生成装置DEは、コンピュータ101とインターネット経由で相互に通信を行い、オークション会場で開催されるオークションで競り落とされた品物の取引に関する帳票を生成するサーバーとして機能する。また、帳票生成装置DEは、オークション会場でオークションにかけられる品物に関する情報を表示装置Dに配信するサーバーとしても機能する。
次に、コンピュータ101及び帳票生成装置DEを説明する。最初に、コンピュータ101及び帳票生成装置DEに共通する部分をまとめて説明する。コンピュータ101及び帳票生成装置DEは、それぞれ通信部と制御部を備える。コンピュータ101の通信部C1と帳票生成装置DEの通信部C2は、インターネットを介して相互に通信可能に接続され、コンピュータ101の通信部C1と帳票生成装置DEの通信部C2は相互に通信をする。各制御部CO1、CO2は、それぞれCPU2、RAM3及びストレージ104、105を備え、それらがバスで接続される。ストレージ104、105は、制御部CO1、CO2で必要な処理をするためのデータ及びソフトウェア(プログラム)を記憶する記憶部である。
コンピュータ101は、オークションに出品される出品物に関する情報などを帳票生成装置DEに送信する。また、コンピュータ101は、オークションで競り落とされた品物の落札価格などの情報を帳票生成装置DEに送信したり、帳票生成装置DEから配信される画像を表示装置Dに配信したりするための端末である。図21に示すようにコンピュータ101は、通信部C1、制御部CO1、ディスプレイ5、キーボード6、及び、マウス7を備える。制御部CO1は、オークションに出品される出品物に関する情報や競り落とされた出品物に関する情報などを帳票生成装置DEに送信したり、表示装置Dに画像を配信したりするための主体となる。制御部CO1のストレージ104には、通信プログラム104a及び配信プログラム104b等が格納される。通信プログラム104aは、インターネットを経由して帳票生成装置DEなどと通信して、オークションで売買が成立した取引の帳票を帳票生成装置DE側で生成するために用いるプログラムである。配信プログラム104bは、オークション会場にある表示装置Dにオークションに出品されている出品物に関する情報を配信するプログラムである。
帳票生成装置DEは、オークションで競り落とされた品物の取引に関する帳票を生成するとともに、オークションにかけられる品物に関する情報を表示装置Dに配信するサーバーとして機能する。図21に示すように、帳票生成装置DEは、通信部C2、制御部CO2を備える。制御部CO2は、オークションで売買が成立した取引の帳票の生成と、オークションにかかられる品物に関する情報を、コンピュータ101を介して表示装置Dに配信する主体である。制御部CO2のストレージ105には、通信プログラム105a、帳票プログラム105bなどが格納される。通信プログラム105aは、インターネットを経由してコンピュータ101などと通信するために用いるプログラムである。帳票プログラム105bは、古物のオークションで成立した各取引の帳票を作成するためのプログラムである。また、ストレージ105には、古物のオークションの売買取引に関わる関係者の関係者識別情報などのデータが格納される。関係者識別情報には、例えば、オークションを開催する市場主を識別する市場主識別情報や、オークションに参加する参加者(オークションに品物を出品する出品者(売主)、オークションで入札などをする買主)を識別する参加者識別情報が含まれる。市場主識別情報は、例えば、市場主の屋号や名称、住所などの連絡先情報と、市場主が適格請求書発行事業者であるか否かを判別する判別情報などに関連付けてストレージ4に記録される。参加者識別情報は、参加者毎に、例えば、参加者の屋号や名称、住所などの連絡先情報と、参加者が適格請求書発行事業者であるか否かを判別する判別情報などに関連付けてストレージ105に記録され、ストレージ105には、複数の参加者識別情報が格納される。また、ストレージ105には、消費税額を算出するために現在適用されている税率の情報(軽減税率対象の税率や消費税の税率)等も格納される。
次に、前述の各種プログラムなどを用いて行われる処理を説明する。
図22の処理は、オークション会場でオークションを開催する市場主を登録する処理である。例えば、主催者としてオークションの開催を希望する者(市場主)は、コンピュータ101で予め指定されたウェブサイトにアクセスする。すると、コンピュータ101のディスプレイ5には、例えば、図23に示すウェブページが表示される。市場主は、表示されたウェブページから市場主として登録するための市場主登録申請をする。ウェブページの入力フォームに、例えば、氏名・代表者名、屋号・会社名、電話番号、希望パスワード、メールアドレスなどと、古物市場主許可証の写しの画像などを添付し、送信ボタン(図示省略)をクリックする(図22のS101)。すると、市場主として登録を希望する者の情報(市場主登録申請情報)が帳票生成装置DEに送信される。帳票生成装置DEが市場主登録申請情報を受信すると、氏名・代表者名、屋号・会社名、電話番号などの各情報と、添付された古物市場主許可証の画像を帳票生成装置DEのストレージ105に記録する。次に、帳票生成装置DEの管理者が、古物市場主許可証の写しをもとに市場主登録申請者が古物市場主許可を得ているかを確認する。市場主登録申請者が古物市場主許可を取得している場合には、オークションを開催できる市場主として登録する。登録の際には、帳票生成装置DEが提供する帳票生成サイトに市場主としてログインするための会員番号とパスワードを生成し、生成した会員番号とパスワードを市場主登録申請者(オークションの市場主)の氏名・代表者名、屋号・会社名、電話番号、会場名、メールアドレスなどに紐づけてストレージ105に記録する(S102)。そして、帳票生成装置DEの管理者は、登録されたオークションの市場主に会員番号とパスワードを送付する(S103)。例えば、登録されたオークションの市場主のメールアドレス宛に、オークションサイトにログインするのに必要な会員番号とパスワードを送信する。市場主は会員番号とパスワードを受け取ることで、コンピュータ101から帳票生成サイトにログイン可能となる。この一連の処理は、図23に示すウェブページから会員情報登録が帳票生成装置DEに送信される度に繰り返し実行される。
図24の処理は、オークションを開催する市場主がコンピュータ101により帳票生成サイトにログインする処理である。オークションを開催する市場主は、コンピュータ101で帳票生成サイトのログインページ(図示省略)にアクセスし、会員番号とパスワードを入力して、帳票生成サイトへのログインをする。すると、コンピュータ101から会員番号とパスワードのログイン情報が帳票生成装置DEに送信される(図24のS111)。帳票生成装置DEは、ログイン情報を受信すると、例えば、受信したログイン情報をもとにストレージ105に記録されているデータを参照してログイン資格があるかを確認する。参照の結果、登録されたオークションの市場主としてストレージ105に記録されている場合にはログイン資格がありとし(図24のS112:Yes)、コンピュータ101からのログインを許可し(図24のS113)、ログイン資格がない場合には(図24のS112:No)、ログインを拒否するとともに、コンピュータ101のディスプレイ5に入力した会員番号やパスワードに誤りがある旨を表示して、ログインページに戻す(図24のS114)。図24のS113でログインが許可されると、コンピュータ101のディスプレイ5には、図2に示す帳票を生成するための管理画面ページ(市場主を登録するための画面)が表示される。
市場主がコンピュータ101で図2の管理画面ページにアクセスすると、市場主は、市場主に関する情報を入力し、登録ボタンB1をクリックする。すると、帳票生成装置DEのストレージ105に、市場名、会主名、住所、連絡先(電話番号)、適格請求書発行事業者の該非、売主歩合などの情報が記録される。このようにして入力された情報は、帳票プログラム105bにより生成される帳票(後述する売り伝票SSや買い伝票BS)に反映される。
オークションを開催する市場主の情報の登録が終了すると、次は、オークションに参加する参加者(買主や売主)の情報をストレージ105に記録する。図3は、コンピュータ101でアクセスした帳票生成サイトの中の1ページである。コンピュータ101で図3のサイトにアクセスし、オークションに参加する参加者の情報を登録する。市場主は、コンピュータ101で図3の各入力フォームに必要な情報の入力後に、マウス7で登録ボタンB2をクリックすると、帳票生成装置DEのストレージ105bに、会員番号、屋号、買主歩合、適格請求書発行事業者の有無、古物許可番号、古物許可証(氏名又は名称)、古物許可証(住所又は居所)などの情報が記録される。この登録処理は、例えば、オークションに参加する新たな参加者の情報が市場主に届く度に、繰り返し実行され、参加者毎に上記の各情報がストレージ105bに記憶される。
オークションを開催する市場と、参加者の登録が終了すると、帳票生成装置DEの帳票プログラム105bで帳票を作成(生成)するための前準備が完了する。次は、オークションで競り落とされた品物の各取引に関する情報などを帳票生成装置DEのストレージ105bに記録して、帳票を生成する処理となる。図4は、コンピュータ101でアクセスした帳票生成サイトの中の1ページである。コンピュータ101で図4のサイトにアクセスし、これからオークションにかけられる品物に関する情報をコンピュータ101から帳票生成装置DEに送信する(帳票生成装置DEがコンピュータ101を通じてオークションにかけられる品物に関する情報を受け付ける)。
図4の画面では、価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23以外の情報(オークションに出品される品物に関する出品情報)の入力が受け付けられる(図15のS1)。そして、図4の画面でスタートボタンB3がクリックされると(図15のS2:Yes)、帳票生成装置DEからコンピュータ101を介して表示装置Dに対して出品情報を配信する(図15のS3)。図4において、価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23以外に入力がされ、スタートボタンB3がクリックされると、表示装置Dには、図5に示すようにオークションの売主等に関する情報が表示され、オークションが行わる。
図15に戻って、表示装置Dにオークション情報の配信がされ(図15のS3)、オークションが行われ、買主(落札者)が確定すると、帳票生成装置DEは、図4の画面(サイトのページ)から価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23の情報(落札価格と落札者の落札情報)の入力を受け付ける(図15のS4)。図4の画面で確定ボタンB4がクリックされると(図15のS5:Yes)、価格入力フォームF22と買主名入力フォームF23の入力にエラーがないかをチェックする(図15のS6)。
価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23の少なくとも一方の入力がない状態で、図4の確定ボタンB4がクリックされると、入力エラーがあるとし(図15のS6:No)、図16に示すように、入力エラーとのポップアップが表示される(図15のS7)。入力エラーのポップアップが表示され、ポップアップのOKボタンB15をクリックすると、ポップアップが閉じ、再度、価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23への入力が可能となる(図15のS4に戻る)。
図4の価格入力フォームF22に落札価格、買主名入力フォームF23に落札者名が入力され、確定ボタンB4がクリックされると(図15のS6:Yes)、表示装置Dには、図17に示すように落札価格表示部D9に落札価格、買主名表示部D10に買主名が表示される(図15のS8)。次に、図15のS9に進み、図4の各入力フォームに入力された取引データをストレージ105に記録し、図6に示す成立取引一覧表D1における1つの取引データが生成される。そして、図6に示す成立取引一覧表D1の各データなどをもとに、図7~図12に示すような帳票データが生成することが可能となる。
一方、オークションが行われ、流札が確定すると、図4の流れボタンB5がクリックされる(図15のS10:Yes)。すると、表示装置Dには、図18に示すように、落札価格表示部D9に横線が表示されるとともに、買主名表示部D10に流れと表示され、流札が確定したことが表示される(図15のS11)。
オークションの成立取引データの記録(図15のS9)又は流札情報の配信(図15のS11)が終了すると、図4の競りナンバー入力フォームF18の数値が1つインクリメントされるとともに、売主名入力フォームF19、物品名入力フォームF20、数量入力フォームF21、価格入力フォームF22、買主名入力フォームF23、チェックボックスC1の入力内容がクリアされ、次に開始するオークションの品物などの情報を入力することが可能となる。そして、次のオークションに関する情報が入力され、当日に行われるオークションが全て終了するまで同様の処理が繰り返される。
次に、オークションを開催する際に、コンピュータ101、表示装置D及び帳票生成装置DEの使用方法を説明する。市場主は、オークションを開催する前に、コンピュータ101で帳票生成サイトにアクセスしてログインし、図2の登録ページから自身(市場主)に関する情報を入力するとともに、開催するオークションの参加者の情報を図3の会員登録ページから入力をする。
そして、市場主がオークション会場で実際にオークションを始める場合には、図4のオークション情報の入力ページにアクセスし、日付入力フォームF16、市場名入力フォームF17、売主名入力フォームF19、物品名入力フォームF20、物品が軽減税率対象品目の場合には、軽減税率対象のチェックボックスC1にチェックを入れ、数量入力フォームF21に数力を入力して、スタートボタンB3をクリックする。これにより、これからオークションする品名や競り番号などの情報が帳票生成装置DEからコンピュータ101を通じて表示装置Dに配信される。オークション会場にいる参加者は、表示装置Dに表示される画面(図5)を参考に、出品されている物品が仕入税額控除の対象になるか、及び、軽減税率対象になるかを踏まえた上で、競りに参加する。そして、入札が行われ、出品された品物の価格が売却可能額(オークション中の品物の売主が予め設定した価格)に達し、価格のせり上がりが止まったら、落札されたとして、市場主はコンピュータ101により図4の価格入力フォームF22に落札価格を、買主名フォームF23に買主名(落札者名)を入力し、確定ボタンB4をクリックする。すると、表示装置Dには、図17に示すように落札価格表示部D9に落札価格が表示され、買主名表示部D10に落札者名が表示される。なお、入札が行われ、出品された品物の価格が売却可能額(オークション中の品物の売主が予め設定した価格)に達せず、価格のせり上がりが止まった場合には、流札として、市場主はコンピュータ101により図4の流れボタンB5をクリックする。すると、表示装置Dに表示される画面(図18)には、落札価格表示部D9に横線が表示され、買主名表示部D10に流札と表示される。以上のようにして、1つのオークションが終了する。1つのオークションが終了すると、同様の手順で、出品された品物が無くなるまでオークションが繰り返される。
各オークションで、図4の確定ボタンB4がコンピュータ101からクリックされる毎に、帳票生成装置DEにおいては成立した取引の記録がストレージ105に記録され、記録された取引データは図6に示す画面(サイトのページ)から閲覧可能となる。そして、図6に表示される成立した取引情報(落札価格、軽減税率対象の有無)と予めストレージ105に記録された情報(軽減税率対象の税率や消費税の税率)に基づいて、オークション取引によって落札された品物の落札価格に対する消費税などが算出される。
また、帳票生成装置DEにおいては、ストレージ105に予め記録された参加者毎に設定された買主歩合や市場主が設定した売主歩合をそれぞれ落札価格に乗じた金額を買主歩合額、売主歩合額として算出するとともに、買主歩合額と売主歩合額に含まれる消費税も算出する。そして、売主が受け取る金額(落札価格から市場主の手数料(売主歩合額)を減算した金額)や、買主が支払う金額(落札価格に市場主の手数料(買主歩合額)を加算した金額)などが算出される。更に、予めストレージ105に記録された適格請求書発行事業者か否かの判別情報(売主が適格請求書発行事業者か否か、市場主が適格請求書発行事業者か否かを判別する情報)に基づいて、オークションの各取引において、適格請求書発行事業者が売手となる取引については、消費税額の内訳が表示される帳票を生成し、売手が適格請求書発行事業者でない取引については、適格請求書発行事業者による取引でない旨を明記する帳票を生成する。
具体的には、売り伝票SSとしては、図7~図10に示すように、売主が市場主から支払われる支払合計金額(金額表示部SS3)、売主の出品した品物について取引が成立したものの合計落札金額(合計金額表示部SS8)、売主が市場主に支払う歩合(歩合合計表示部SS5)などを表示した帳票データを生成する。
また、買い伝票BSとしては、図11及び図12に示すように、買主が市場主に支払う支払金額(金額表示部SS3´)、買主が落札した全品物についての合計落札金額(成立金額表示部SS4´)、買主が市場主に支払う歩合(歩合表示部SS5´)などを表示した帳票データを生成する。
図4の画面で確定ボタンB4がクリックされると、図6の成立取引一覧表D1における1つの取引データが生成され、オークションで取引が成立する毎に図6において、成立取引一覧表D1に新たなデータが蓄積して更新され、帳票生成装置DEのストレージ105に記録される。そこで、例えば、図13や図14に示すように、特定の売主や買主に対応する取引記録だけを表示し、印刷ボタンB12をクリックすることで、売主が受け取る金額等などが表示された売り伝票SSや、買主が支払う金額等が表示された買い伝票BSが生成され、コンピュータ101側に備わるプリンター(図示省略)において各種伝票SS、BSを印刷することが可能となる。このように、図6の画面に、蓄積されるデータに基づいて、図7~図11に示すような帳票データが生成される。市場主は、例えば、オークションが終了すると、図7~図11に示すような帳票を印刷するなどして、取引の記録の控えとして、売主や買主に買い伝票BSや売り伝票SSを渡す。また、図6の集計印刷ボタンB13から市場主の記録の控えとして、開催したオークションの全取引(全売主に対して市場主が支払う金額の集計伝票(図19)や、全買主から市場主が受け取る金額の集計伝票(図20))についても、市場主は同様に印刷することが可能となる。
以上のように、本発明の実施態様においては、サーバーとして機能する帳票生成装置DEが提供する帳票生成サイトにコンピュータ101でアクセスしてログインすることで、帳票生成装置DE側において、売り伝票SS、買い伝票BSを生成することができる。具体的には、売主が適格請求書発行事業者となる取引については、消費税額の内訳の表示部SS5aが表示される図7や図11に示すような帳票(売り伝票SS、買い伝票BS)を生成する。一方、売主が適格請求書発行事業者でない取引については、適格請求書発行事業者による取引でない旨の目印M(※2)や特記事項表示部SS9を表示した図9や図11に示すような帳票を生成する。そのため、オークションで競り落とされた品物の取引に関する消費税が仕入税額控除の対象になるか否かがわかる帳票(売り伝票SS、買い伝票BS)を生成できる。よって、インボイス制度に対応したオークションの帳票を生成することが可能となる。
また、図2(市場主に関する情報を登録する登録画面)の適格請求書発行事業者の該非入力フォームF5から帳票生成装置DEのストレージ105に記録された市場情報に基づいて、市場主が適格請求書発行事業者か否かを判別できる。また、ストレージ105には、売主歩合と買主歩合が記録されているため、市場主が売主や買主に支払いを求める手数料(売主歩合額、買主歩合額)についても、市場主が適格請求書発行事業者となる取引については、消費税額の内訳の表示部SS5aが表示される図7や図12に示すような帳票(売り伝票SS、買い伝票BS)を生成する。一方、市場主が適格請求書発行事業者でない取引については、適格請求書発行事業者による取引でない旨の目印M(※2)や特記事項表示部SS9を表示した図9や図11に示すような帳票を生成する。よって、買主が市場主に支払う手数料(買主歩合額)や、売主が市場主に支払う手数料(売主歩合額)についても、インボイス制度に対応したオークションの帳票を生成できる。
また、図11においては、出品された品物が軽減税率対象項目か否かを判別する目印M(※1)及び特記事項表示部SS9が表示され、ストレージ105に記録された軽減税率対象品目か否かに応じて(例えば、図6の軽減税率セルCE7の情報に応じて)、出品物の売買に関する消費税額を算出する。そして、軽減税率対象品目となる出品物の売買取引については、図11に示すように特記事項の目印M(※1)と軽減税率対象品目である旨の特記事項表示部SS9を表示する帳票を生成する。また、図11の一覧表示部SS7´においては、合計欄とともに、10%対象合計欄と、軽減税率対象である8%対象欄と、が表示され、軽減税率対象(8%対象)である消費税額の内訳と、軽減税率対象でないもの(10%対象)の消費税の内訳と、を区別して表示がされている。そのため、適用される税率毎に消費税額の内訳が表示され、軽減税率を反映させた帳票が生成される。
また、オークションが開催される会場に備わる表示装置Dには、図5に示すように、オークション中の出品物が軽減税率対象か否か及び出品者が適格請求書発行事業者か否かがわかるような表示がされる。そのため、オークション会場にいるオークションの参加者に対し、オークション中の出品物が仕入税額控除になるか否かなどの情報を提供できる。よって、オークション終了後に仕入税額控除等にならないことが判明することによるトラブルなどを回避できる。
図2に示すように、市場登録の際に登録する、売主歩合は、落札価格が該当する価格帯別に設定され、売主歩合の情報として、帳票生成装置DEのストレージ105に記録される。そして、このような売主歩合に基づいて取引が成立した場合には、価格帯別に設定される売主歩合から出品物の売買に関する消費税額が算出される。そのため、落札価格に応じて変動する売主歩合であっても、適切な帳票を生成できる。
また、オークションの出品物について落札された場合には、図4の価格入力フォームF22及び買主名入力フォームF23に落札価格と落札者が入力されると、落札情報の入力が確定するが、これらのフォームに入力がない状態で、確定ボタンB4がクリックされると、図16に示すように落札情報の受け付けを禁止し、入力エラーをポップアップする。そのため、落札情報が入力されていないのに落札情報が入力されたとして、誤って確定してしまうのを防止できる。
上記の帳票生成装置DEのストレージ105においては、帳票生成サイトにログインする市場主毎に、市場主識別情報や参加者識別情報、帳票データなどの各種データが記録され、帳票生成サイトにログインする各市場主は、それぞれ独自に帳票を生成することが可能となる。
以上、本発明の実施の態様を説明したが、本発明はその具体的な記載に限定されることなく、例示した構成等を技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせて実施することも可能であるし、またある要素、処理を周知の形態に置き換えて実施することもできる。
上記では、適格請求書発行事業者による取引でない旨の表示として、図10の売り伝票SSにおいて、「※2:インボイスとしては認められない取引です」との表示をする例を示したが、適格請求書発行事業者による取引でない旨が分かれば、上記の文字に限らず、適格請求書発行事業者による取引でない旨を認識できれば、どのような表記でもよい。
上記では、落札価格、買主歩合額、売主歩合額に消費税が含まれる内税の例を説明したが、落札価格、買主歩合額、売主歩合額に対して消費税を別途加算する外税の場合であっても良い。