JP7257477B1 - アンテナ装置、システム、通信装置、及びプログラム - Google Patents

アンテナ装置、システム、通信装置、及びプログラム Download PDF

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Abstract

Figure 0007257477000001
【課題】車車間通信の見通し内通信に適した、車両に搭載されるアンテナアレーの構成方法を提供する。
【解決手段】車両100に搭載されるアンテナユニット400において、アンテナアレー410は、通信相手のアンテナから受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期Lmaxの半周期の奇数倍、(2i-1)Lmax/2の距離ずらして配置された複数の第1のアンテナ412と、夫々が複数の第1のアンテナの夫々に対して、複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期Lminの半周期の奇数倍(2j-1)Lmin/2の距離ずらして配置された複数の第2のアンテナ414と、で構成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、アンテナ装置、システム、通信装置、及びプログラムに関する。
非特許文献1には、車車間通信における空間ダイバーシチの有効性について記載されている。非特許文献2には、空間ダイバーシチのアンテナ間隔は見通し外通信を前提とし、移動局側で半波長以上、基地局側で10波長以上離せばよいことが記載されている。
[先行技術文献]
[非特許文献]
[非特許文献1]加藤明人、佐藤勝善、藤瀬雅行"ミリ波車車間通信技術-電波伝搬特性-" 通信総合研究所季報, vol.47, no.4, Dec. 2001
[非特許文献2]唐沢好男、"ディジタル移動通信の電波伝搬基礎"コロナ社,改訂版第1刷, Mar. 2016
本発明の一実施態様によれば、アンテナ装置が提供される。アンテナ装置は、移動体に搭載されてよい。アンテナ装置は、通信相手のアンテナから受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置された複数の第1のアンテナと、それぞれが複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置された複数の第2のアンテナとを含むアンテナアレーを備えてよい。
上記複数の第1のアンテナは、上記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される上記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置されていてよい。上記複数の第2のアンテナのそれぞれは、上記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、上記アンテナ装置と上記通信相手とが2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと上記2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される上記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置されていてよい。上記複数の第1のアンテナは、上記アンテナ装置と上記通信相手とが横方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される上記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されていてよい。上記複数の第2のアンテナのそれぞれは、上記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、上記アンテナ装置と上記通信相手とが横方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと上記2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される上記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されていてよい。上記アンテナ装置は道路を走行する車両用のアンテナ装置であってよく、上記2つの反射体は、上記道路に設置された側壁であってよく、上記通信相手のアンテナと上記2つの反射体とのそれぞれの距離は、上記通信相手が上記道路を走行したときに想定される上記通信相手のアンテナと上記2つの反射体との距離に相当する距離であってよい。上記アンテナ装置は道路を走行する車両用のアンテナ装置であってよく、上記2つの反射体の少なくともいずれかは、上記車両の側方を走行する側方車であってよく、上記通信相手のアンテナと上記側方車との距離は、上記通信相手の側方を上記側方車が走行したときに想定される上記通信相手のアンテナと上記側方車との距離に相当する距離であってよい。
上記複数の第1のアンテナは、上記アンテナ装置と上記通信相手とが縦方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される上記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置されていてよい。上記複数の第2のアンテナのそれぞれは、上記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、上記アンテナ装置と上記通信相手とが縦方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと上記2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される上記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置されていてよい。上記アンテナ装置は道路を走行する車両用のアンテナ装置であってよく、上記2つの反射体の一方は道路であり、上記2つの反射体の他方はトンネルの天井であってよく、上記通信相手のアンテナと上記道路との距離は、上記通信相手が上記道路を走行したときに想定される上記通信相手のアンテナと上記道路との距離に相当する距離であり、上記通信相手のアンテナと上記天井との距離は、上記通信相手が上記トンネルを走行したときに想定される上記通信相手のアンテナと上記天井との距離に相当する距離であってよい。
上記複数の第1のアンテナは、上記アンテナ装置及び上記通信相手の横方向に複数の反射体が位置する環境における、上記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される上記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されていてよく、上記複数の第2のアンテナのそれぞれは、上記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、上記アンテナ装置及び上記通信相手の横方向に上記複数の反射体が位置する環境における、上記通信相手のアンテナと上記複数の反射体とのそれぞれの距離から算出される上記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されていてよい。
上記複数の第1のアンテナは、上記アンテナ装置と上記通信相手とが横方向の2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと上記横方向の2つの反射体との距離の最小値から算出される上記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置された2つの第1のアンテナを含んでよく、上記複数の第2のアンテナは、上記2つの第1のアンテナのそれぞれに対して、上記アンテナ装置と通信相手とが上記横方向の2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと上記横方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される上記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置された2つの第2のアンテナを含んでよく、上記アンテナ装置は、上記2つの第1のアンテナのそれぞれに対して、上記アンテナ装置と上記通信相手とが縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される上記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つの第3のアンテナと、それぞれが上記2つの第1のアンテナ及び上記2つの第3のアンテナのそれぞれに対して、上記アンテナ装置と通信相手とが上記縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと上記縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される上記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された4つの第4のアンテナと、上記2つの第2のアンテナのそれぞれに対して、上記アンテナ装置と上記通信相手とが縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される上記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つの第5のアンテナと、それぞれが上記2つの第2のアンテナ及び上記2つの第5のアンテナのそれぞれに対して、上記アンテナ装置と通信相手とが上記縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと上記縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される上記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された4つの第6のアンテナとを備えてよい。上記複数の第1のアンテナは、上記アンテナ装置と上記通信相手とが横方向の2つの反射体及び縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと上記横方向の2つの反射体との距離の最小値から算出される上記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置され、上記通信相手のアンテナと上記縦方向の2つの反射体との距離の最小値から算出される上記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つの第1のアンテナを含んでよく、上記複数の第2のアンテナは、上記2つの第1のアンテナのそれぞれに対して、上記アンテナ装置と上記通信相手とが横方向の2つの反射体及び縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、上記通信相手のアンテナと上記横方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される上記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置され、上記通信相手のアンテナと上記縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される上記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つの第2のアンテナを含んでよい。
本発明の一実施形態によれば、アンテナ装置が提供される。アンテナ装置は、移動体に搭載されてよい。アンテナ装置は、アンテナ装置が送信して通信相手が受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置された複数の第1のアンテナと、それぞれが複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置された複数の第2のアンテナとを含むアンテナアレーを備えてよい。
本発明の一実施形態によれば、上記アンテナ装置と、上記移動体とを備えるシステムが提供される。
本発明の一実施形態によれば、通信装置が提供される。通信装置は、移動体に搭載されてよい。通信装置は、複数の第1アンテナ及び複数の第2アンテナを含むアンテナアレーを備えてよい。通信装置は、通信装置が搭載された移動体と、通信装置の通信相手が搭載された移動体の周囲の環境を特定する周囲環境特定部を備えてよい。通信装置は、周囲環境特定部による特定結果に基づいて、複数の第1のアンテナを、アンテナ装置が通信相手のアンテナから受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらし、複数の第2のアンテナのそれぞれを、複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらすように、複数の第1のアンテナ及び複数の第2のアンテナの位置を制御するアンテナ制御部を備えてよい。
本発明の一実施形態によれば、通信装置が提供される。通信装置は、移動体に搭載されてよい。通信装置は、複数の第1アンテナ及び複数の第2アンテナを含むアンテナアレーを備えてよい。通信装置は、通信装置が搭載された移動体と、通信装置の通信相手が搭載された移動体の周囲の環境を特定する周囲環境特定部を備えてよい。通信装置は、周囲環境特定部による特定結果に基づいて、複数の第1のアンテナを、アンテナ装置が送信して通信相手のアンテナが受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらし、複数の第2のアンテナのそれぞれを、複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらすように、複数の第1のアンテナ及び複数の第2のアンテナの位置を制御するアンテナ制御部を備えてよい。
本発明の一実施形態によれば、コンピュータを、上記通信装置として機能させるためのプログラムが提供される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
システム10の一例を概略的に示す。 システム10の一例を概略的に示す。 自車のアンテナ412と、通信相手のアンテナ300との環境の一例を概略的に示す。 長周期レベル変動502、短周期レベル変動504、及び合成波レベル変動506の一例を概略的に示す。 長周期レベル変動502の半周期に合わせてアンテナ412を配置した場合の、合成波レベル変動506の受信レベルを説明するための説明図である。 アンテナアレー410の構成の一例を概略的に示す。 アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。 アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。 アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。 アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。 アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。 アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。 自車のアンテナユニット400と、通信相手のアンテナ300との環境の一例を概略的に示す。 通信装置200の他の一例を概略的に示す。 システム10の他の一例を概略的に示す。 システム10の他の一例を概略的に示す。 通信装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
車車間通信において空間ダイバーシチが有効であることが示されている(非特許文献1)が、最適なアンテナアレー構成法については言及されていない。一般的に移動通信における空間ダイバーシチのアンテナ間隔は見通し外通信を前提とし、移動局側で半波長以上、基地局側で10波長以上離せばよいとされている(非特許文献2)。
車車間通信は、見通し内通信となるが、見通し内通信の場合、路面反射波及び側方反射波の干渉によって、受信点がある路面に垂直な平面内で垂直及び水平方向に周期的にレベルが変動し得る。ダイバーシチ検討においては、この変動の周期性を考慮してアンテナアレー構成を最適化する必要があるが、路面と橋梁等の天井面間、左右の側方反射体間等の挟まれた環境では複数反射波が併せて受信されるので、ダイバーシチに用いる全てのアンテナでヌル点となることがあり得る。よって、この点を考慮する必要がある。本実施形態に係るシステム10は、車車間通信のような見通し内通信に適したアンテナアレー構成を備える。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1及び図2は、本実施形態に係るシステム10の一例を概略的に示す。システム10は、通信装置200と、アンテナユニット400と、通信装置200及びアンテナユニット400を搭載した移動体とを備える。図1及び図2における車両100は、移動体の一例である。車両100は、自動車であってよい。
図1は、車両100の正面を概略的に示し、図2は、車両100の背面を概略的に示す。車両100の正面には、アンテナ300が配置されている。車両100の背面には、アンテナユニット400が配置されている。
アンテナユニット400は、アンテナアレーを備える。図2では、アンテナユニット400が、複数のアンテナ412及び複数のアンテナ414によって構成されるアンテナアレー410を有する場合を例示している。アンテナユニット400は、アンテナ装置の一例であってよい。アンテナユニット400を備える通信装置200が、アンテナ装置の一例であってもよい。
通信装置200は、アンテナ300及びアンテナユニット400を用いて、通信装置200が搭載されている車両100(自車と記載する場合がある。)とは異なる他の車両100に搭載された通信装置200と通信する。通信装置200は、例えば、アンテナ300を用いて、自車の前方を走行する他の車両100にデータを送信し、アンテナユニット400を用いて、自車の後方を走行する他の車両100からデータを受信する。アンテナ300は、送信アンテナであってよく、アンテナユニット400は、受信アンテナユニットであってよい。
図3は、自車のアンテナ412と、通信相手のアンテナ300との環境の一例を概略的に示す。図3に示す例において、自車及び通信相手は、壁22及び壁24に挟まれた環境に位置している。
本例において、アンテナ412は、直接波32、反射波34、及び反射波36を受信している。ここでは、アンテナ412とアンテナ300との間の送受信距離をd、アンテナ300と壁22との距離である送信アンテナ左反射体間距離をWlTX、アンテナ300と壁24との距離である送信アンテナ右反射体間距離をWrTX、アンテナ412と壁22との距離である受信アンテナ左反射体間距離をWlRX、アンテナ412と壁24との距離である受信アンテナ右反射体間距離をWrRX、壁22と壁24との距離である反射体間距離をDとして説明する。
直接波の伝搬距離rは、下記数式1によって算出できる。
Figure 0007257477000002
TXは、アンテナ300の地面からの高さを示し、hRXは、アンテナ412の地面からの高さを示す。
反射波の電波距離rは、下記数式2によって算出できる。
Figure 0007257477000003
反射波が右入りで、反射回数nが奇数の場合、α=WrTX、β=WrRXとなる。反射波が右入りで、反射回数nが偶数の場合、α=WrTX、β=WlRXとなる。反射波が左入りで、反射回数nが奇数の場合、α=WlTX、β=WlRXとなる。反射波が左入りで、反射回数nが偶数の場合、α=WlTX、β=WrRXとなる。
直接波と反射波との経路差Δrは、下記数式3で算出できる。
Figure 0007257477000004
数式3を、一般化二項定理によって近似すると、下記数式4のように表せる。
Figure 0007257477000005
反射波が右入りで、反射回数nが奇数の場合、経路差Δrs1は下記数式5のように表せる。
Figure 0007257477000006
反射波が右入りで、反射回数nが偶数の場合、経路差Δrs2は下記数式6のように表せる。
Figure 0007257477000007
反射波が左入りで、反射回数nが奇数の場合、経路差Δrs3は下記数式7のように表せる。
Figure 0007257477000008
反射波が左入りで、反射回数nが偶数の場合、経路差Δrs4は下記数式8のように表せる。
Figure 0007257477000009
上記経路差から位相差に変換すると、wrRX及びwlRXの第1項が変動成分、第2項が定数成分となるので、受信点がある路面に垂直な平面内の水平方向の変動周期は、Δrs1については数式9、Δrs2については数式10、Δrs3については数式11、Δrs4については数式12のように表せる。
Figure 0007257477000010
Figure 0007257477000011
Figure 0007257477000012
Figure 0007257477000013
図4は、長周期レベル変動502、短周期レベル変動504、及び合成波レベル変動506の一例を概略的に示す。長周期レベル変動502は、受信アンテナ位置に対する反射波34の受信レベルの変動を示す。短周期レベル変動504は、受信アンテナ位置に対する反射波36の受信レベルの変動を示す。合成波レベル変動506は、受信アンテナ位置に対する反射波34及び反射波36の合成波の受信レベルの変動を示す。図3に示すような、複数の反射体に挟まれた環境においては、図4に示すように、複数反射波が併せて受信される。
図5は、長周期レベル変動502の半周期に合わせてアンテナ412を配置した場合の、合成波レベル変動506の受信レベルを説明するための説明図である。受信する電波が反射波34のみの場合、図5に例示するように、長周期レベル変動502の半周期に合わせてアンテナ412を配置することによって、全てのアンテナ412が同時にヌル点となってしまうことを防止することができる。
しかし、反射波34に加えて反射波36も受信した場合、ダイバーシチに用いる全てのアンテナでヌル点となってしまったり、ヌル点とはならないまでも、図5に例示するように、受信レベルが非常に低くなってしまったりすることが起こり得る。
本実施形態に係るアンテナユニット400のアンテナアレー410は、通信相手のアンテナ300から受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置された複数のアンテナ412と、それぞれが複数のアンテナ412のそれぞれに対して、複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置された複数のアンテナ414とを含む。複数のアンテナ412に加えて、複数のアンテナ414を含むことによって、複数のアンテナ412のみの場合に発生してしまうヌル点又は低受信レベル点を防ぐことができ、所要品質からの劣化を低減することができる。
例えば、複数のアンテナ412は、通信相手のアンテナ300と反射体との距離の最小値から算出される最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置されている。例えば、図3に示す例において、通信相手のアンテナ300と反射体との距離の最小値は、WlTXである。
例えば、複数のアンテナ414のそれぞれは、複数のアンテナ412のそれぞれに対して、自車と通信相手とが2つの反射体に挟まれた環境における、通信相手のアンテナ300と2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置されている。例えば、図3に示す例においては、LS1、LS2=LS4、及びLS3のうちの最小の変動周期の値の半周期の奇数倍の距離ずらして配置されることになる。
複数のアンテナ412及び複数のアンテナ414は、例えば、車両100が位置する可能性が高い環境において想定される最大変動周期と最小変動周期を元にして決定された間隔で配置されてよい。例えば、高速道路を比較的高い頻度で走行する車両100に対しては、両側に位置する側壁による反射を想定した最大変動周期及び最小変動周期を元にして間隔が決定され得る。例えば、住宅街を比較的高い頻度で走行する車両100に対しては、両側に位置する住宅による反射を想定した最大変動周期及び最小変動周期を元にして間隔が決定され得る。
図6は、アンテナアレー410の構成の一例を概略的に示す。複数のアンテナ412は、車両100と通信相手とが横方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、通信相手のアンテナ300と反射体との距離の最小値から算出される最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置されてよい。複数のアンテナ414のそれぞれは、複数のアンテナ412のそれぞれに対して、車両100と通信相手とが横方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、通信相手のアンテナ300と2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されてよい。横方向にずらして配置されるとは、水平方向にずらして配置されることであってよい。アンテナ412は、第1のアンテナの一例であってよい。アンテナ414は、第2のアンテナの一例であってよい。
例えば、複数のアンテナ412は、主な反射体と通信相手のアンテナ300との距離の最小値から算出される最大変動周期Lmax=(λd)/(2・[主な反射体との距離])の半周期の奇数倍、すなわち、(2i-1)Lmax/2(i=1、2、...)の間隔で配置される。主な反射体との距離は、車両100が置かれる可能性が高い環境における、複数の反射体のうちアンテナ300との距離が最も短い反射体との距離であってよい。図3に示す例におけるWlTXが、主な反射体との距離に相当する。図6は、アンテナアレー410が2つのアンテナ412を含む場合を例示している。
例えば、複数のアンテナ414は、2つの反射体に挟まれた環境における各反射体と通信相手のアンテナ300との距離、及び反射回数から算出される考慮する最小変動周期Lminの半周期の奇数倍、つまり、±(2j-1)Lmin/2(j=1、2、...)の間隔で、アンテナ412の周囲に配置される。図3に示す例においては、WlTX及びWrTXが、各反射体と通信相手のアンテナ300との距離に相当する。Lminは、数式9、数式10(数式12)、及び数式11によって算出されたLS1、LS2(LS4)、LS3のうちの最小の値であってよい。図6は、アンテナアレー410が2つのアンテナ414を含む場合を例示している。
横方向の2つの反射体は、例えば、道路に設置された側壁であってよい。通信相手のアンテナ300と2つの反射体とのそれぞれの距離は、通信相手が道路を走行したときに想定される通信相手のアンテナ300と2つの反射体との横方向の距離に相当する距離であってよい。当該距離は、道路に設置される側壁の法律的な距離の要件によって事前に決定することができる。例えば、側壁を道路から3.5m離れた位置に配置することが法律的に決まっていた場合、3.5mと、道路における車両100の位置と、車両100におけるアンテナの位置とによって、当該距離を決定し得る。また、当該距離は、複数箇所での実測によって、事前に決定することもできる。例えば、車両100が走行する環境における、車両100のアンテナと、反射体との距離を実測して、実測した値を平均化すること等によって、当該距離を決定し得る。
横方向の2つの反射体は、例えば、車両100及び通信相手の側方を走行する側方車であってよい。通信相手のアンテナ300と側方車との距離は、通信相手の側方を側方車が走行したときに想定される通信相手のアンテナ300と側方車との横方向の距離に相当する距離であってよい。当該距離は、道路幅や、複数箇所での実測等によって、事前に決定することができる。
なお、反射回数nには、想定する環境に応じた値が設定されてよい。例えば、反射回数nには、想定する環境において存在する反射体と通信相手のアンテナ300との距離と、反射体の素材とに基づいて決定された値が設定される。具体例として、想定される反射体が道路の側壁であって、素材がコンクリートである場合、3回より多く反射した反射波は、受信電波に影響を与えないほどに減衰することが想定されるので、反射回数として3が設定され得る。例えば、想定される反射体が道路の側壁であるが、素材が鉄のようにコンクリ-トよりも反射による減衰が少ない鉄のような素材である場合、反射回数nとして3よりも多い数が設定され得る。例えば、想定される反射体の素材はコンクリートであるが、道路の側壁よりも遠い位置に存在する場合、反射回数nとして3よりも少ない数が設定され得る。
図6では、2つのアンテナ414の両方が、2つのアンテナ412の右方向に配置された例を示しているが、2つのアンテナ412に対する2つのアンテナ414の位置関係は、これに限らない。
図7は、アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。図7に示す例では、2つのアンテナ414の両方が、2つのアンテナ412の左方向に配置されている。
図6及び図7では、2つのアンテナ414が、2つのアンテナ412に対して同一の方向にずらして配置された場合を例示しているが、これに限らず、異なる方向にずらして配置されてもよい。
図8は、アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。図8に示す例では、2つのアンテナ414のうちの一方が、2つのアンテナ412のうちの左側のアンテナ412の左側に配置され、2つのアンテナ414のうちの他方が、2つのアンテナ412のうちの右側のアンテナ412の右側に配置されている。
図9は、アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。図9に示す例では、2つのアンテナ414のうちの一方が、2つのアンテナ412のうちの左側のアンテナ412の右側に配置され、2つのアンテナ414のうちの他方が、2つのアンテナ412のうちの右側のアンテナ412の左側に配置されている。
図6から図9では、2つのアンテナ412及び2つのアンテナ414を横方向にずらして配置した場合を例示しているが、これに限らない。路面と天井等のように、縦方向の2つの反射体に挟まれた環境を想定した場合、2つのアンテナ412及び2つのアンテナ414は、縦方向にずらして配置されてよい。縦方向にずらして配置されるとは、高さ方向にずらして配置されることであってよい。
図10は、アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。複数のアンテナ412は、車両100と通信相手とが縦方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、通信相手のアンテナ300と反射体との距離の最小値から算出される最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置されてよい。複数のアンテナ414は、複数のアンテナ412のそれぞれに対して、車両100と通信相手とが縦方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、通信相手のアンテナ300と縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置されてよい。
例えば、2つの反射体の一方は道路であり、2つの反射体の他方はトンネルの天井であってよい。通信相手のアンテナ300と道路との距離は、通信相手が道路を走行したときに想定される通信相手のアンテナ300と道路との距離に相当する距離であってよい。当該距離は、アンテナ300の設置高によって決定できる。
通信相手のアンテナ300と天井との距離は、通信相手がトンネルを走行したときに想定される通信相手のアンテナ300と天井との距離に相当する距離であってよい。当該距離は、アンテナ300の設置高と、トンネルの天井面の高さとによって決定できる。
図10に示す例では、複数のアンテナ412は、(2i-1)Lmax/2の間隔で縦方向にずらして配置される。また、複数のアンテナ414は、±(2j-1)Lmin/2の間隔で、アンテナ412の下方向にずらして配置される。図10は、アンテナアレー410が2つのアンテナ412及び2つのアンテナ414を含む場合を例示している。
図10では、2つのアンテナ414を2つのアンテナ412に対して下方向にずらして配置された場合を例示しているが、これに限らず、上方向にずらして配置されてもよい。また、2つのアンテナ414が、2つのアンテナ412に対して同一の方向にずらして配置されるのではなく、異なる方向にずらして配置されてもよい。
図11は、アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。図11は、車両100が横方向の2つの反射体及び縦方向の2つの反射体に挟まれた環境を想定した場合の、アンテナアレー410の構成の一例を概略的に示す。
複数のアンテナ412は、通信相手のアンテナ300と横方向の2つの反射体との距離の最小値から算出される最大変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置され、通信相手のアンテナ300と縦方向の2つの反射体との距離の最小値から算出される最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つのアンテナ412を含んでよい。複数のアンテナ414は、2つのアンテナ412のそれぞれに対して、通信相手のアンテナ300と横方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置され、通信相手のアンテナ300と縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つの第2のアンテナを含んでよい。
図11に示す例において、2つのアンテナ412は、通信相手のアンテナ300と横方向の2つの反射体との距離の最小値から算出されるLmaxの半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置され、通信相手のアンテナ300と縦方向の2つの反射体との距離の最小値から算出されるLmaxの半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されている。また、2つのアンテナ414は、2つのアンテナ412のそれぞれに対して、通信相手のアンテナ300と横方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出されるLminの半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置され、通信相手のアンテナ300と縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出されるLminの半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置されている。
図12は、アンテナアレー410の構成の他の一例を概略的に示す。図12は、車両100が横方向の2つの反射体及び縦方向の2つの反射体に挟まれた環境を想定した場合の、アンテナアレー410の構成の一例を概略的に示す。アンテナアレー410は、複数のアンテナ412、複数のアンテナ414、複数のアンテナ416、複数のアンテナ418、複数のアンテナ420、及び複数のアンテナ422を備えてよい。
複数のアンテナ412は、通信相手のアンテナ300と横方向の2つの反射体との距離の最小値から算出される最大変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置された2つのアンテナ412を含んでよい。複数のアンテナ414は、2つのアンテナ412のそれぞれに対して、通信相手のアンテナ300と横方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置された2つのアンテナ414を含んでよい。
複数のアンテナ416は、2つのアンテナ412のそれぞれに対して、通信相手のアンテナ300と反射体との距離の最小値から算出される最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つのアンテナ416を含んでよい。アンテナ416は、第3のアンテナの一例であってよい。複数のアンテナ418は、それぞれが2つのアンテナ412及び2つのアンテナ416のそれぞれに対して、通信相手のアンテナ300と縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された4つのアンテナ418を含んでよい。アンテナ418は、第4のアンテナの一例であってよい。
複数のアンテナ420は、2つのアンテナ414のそれぞれに対して、通信相手のアンテナ300と反射体との距離の最小値から算出される最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つのアンテナ420を含んでよい。アンテナ420は、第5のアンテナの一例であってよい。複数のアンテナ422は、それぞれが2つのアンテナ414及び2つのアンテナ420のそれぞれに対して、通信相手のアンテナ300と縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された4つのアンテナ422を含んでよい。アンテナ422は、第6のアンテナの一例であってよい。
図12に例示するアンテナアレー410は、2つのアンテナ412、2つのアンテナ414、アンテナ416、及び2つのアンテナ418を備える。図12に示す例において、2つのアンテナ412は、通信相手のアンテナ300と横方向の反射体との距離の最小値から算出されるLmaxの半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されている。2つのアンテナ414は、2つのアンテナ412のそれぞれに対して、通信相手のアンテナ300と横方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出されるLminの半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されている。
アンテナ416は、2つのアンテナ412のうちの一方のアンテナ412に対して、通信相手のアンテナ300と縦方向の反射体との距離の最小値から算出されるLmaxの半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置されている。2つのアンテナ418は、当該一方のアンテナ412及びアンテナ416のそれぞれに対して、通信相手のアンテナ300と縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出されるLminの半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置されている。
図13は、自車のアンテナユニット400と、通信相手のアンテナ300との環境の一例を概略的に示す。ここでは、自車及び通信相手が、2つの反射体に挟まれた環境ではなく、自車及び通信相手に対して、同一方向に複数の反射体が位置する環境を例示している。
アンテナユニット400に含まれる複数のアンテナ412は、通信相手のアンテナ300と反射体との距離の最小値から算出される最大変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されてよい。アンテナユニット400に含まれる複数のアンテナ414のそれぞれは、複数のアンテナ412のそれぞれに対して、通信相手のアンテナ300と複数の反射体とのそれぞれの距離から算出される最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されてよい。
図13に示す例において、m個の反射体のうち、1番目の反射体の例として側方車42、2番目の反射体の例として側方車44、3番目の反射体の例として側方車46、m番目の反射体の例として側方車48を図示している。図13において、アンテナ300と側方車42との横方向の距離をw、アンテナ300と側方車44との横方向の距離をw、アンテナ300と側方車46との横方向の距離をw、アンテナ300と側方車48との横方向の距離をwと示している。
送信アンテナであるアンテナ300と反射体との間の距離が異なる複数の反射体からの反射波が到来する場合、直接波と各反射波の合成波は、アンテナユニット400において横方向に周期的にレベルが変動するが、それぞれの変動周期は、L=(λd)/(2×[反射体mとの距離]となる。これらのうち、考慮する最小変動周期をLminとする。例えば、側方車46によるL=(λd)/(2w)をLminとしてよい。
図13では、同一方向に位置する複数の反射体の例として、側方車を例示したが、これに限らず、片側のみの側壁や、ビル壁面等も反射体となり得る。また、図13では、自車及び通信相手に対して同一方向に複数の反射体が位置する環境を例示しているが、これに限らず、複数の反射体は、自車及び通信相手に対して異なる方向に位置してもよい。
図14は、通信装置200の他の一例を概略的に示す。図14に示す通信装置200は、アンテナ600と、アンテナユニット700とを用いた通信を実行する。アンテナ600は、例えば、アンテナ300と同様、車両100の前面に配置されてよい。アンテナユニット700は、例えば、アンテナユニット400と同様、車両100の背面に配置されてよい。アンテナアレー710は、複数のアンテナ712及び複数オンアンテナ714を含んでよい。
通信装置200は、通信部202、アンテナ制御部204、及び周囲環境特定部206を備える。通信部202は、アンテナ600及びアンテナユニット700を用いた通信を実行する。また、通信部202は、通信装置200を搭載する車両100の制御装置と通信してよい。車両100の制御装置は、カーナビゲーションシステムを含んでよい。
アンテナ制御部204は、アンテナアレー710を制御する。複数のアンテナ712及び複数のアンテナ714は、位置が変更可能に構成されていてよい。複数のアンテナ712及び複数のアンテナ714は、横方向に位置が変更可能に構成されていてよい。複数のアンテナ712及び複数のアンテナ714は、縦方向に位置が変更可能に構成されていてよい。複数のアンテナ712及び複数のアンテナ714は、横方向及び縦方向に位置が変更可能に構成されていてよい。
周囲環境特定部206は、通信装置200を搭載した車両100と、通信装置200の通信相手が搭載された車両の周囲の環境を特定する。周囲環境特定部206は、例えば、車両100の制御装置から、車両100が走行している位置の地図情報を取得することによって、周囲の環境を特定する。周囲環境特定部206は、周囲の反射体の存在を特定してよい。反射体の例として、側壁、ビル及び住宅等の建物、及びトンネル等が挙げられる。
アンテナ制御部204は、周囲環境特定部206による特定結果に基づいて、複数のアンテナ712及び複数のアンテナ714の位置を制御してよい。例えば、アンテナ制御部204は、特定された反射体の情報に基づいて、複数のアンテナ412を、通信相手のアンテナ300から受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらし、複数のアンテナ414のそれぞれを、複数のアンテナ412のそれぞれに対して、通信相手のアンテナ300から受信する複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらすように、複数のアンテナ712及び複数のアンテナ714の位置を制御する。これにより、その時々の車両100及び通信相手の周囲の環境に合わせて、複数のアンテナ712及び複数のアンテナ714を、ダイバーシチ効果を高めるような配置とすることができ、受信品質の向上に貢献することができる。
上記実施形態では、送信アンテナが単独で、受信アンテナが複数である場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、送信・受信が入れ替わってもよい。すなわち、車両100は、送信用の、複数のアンテナを含むアンテナアレーを有するアンテナユニットと、受信用の1つのアンテナとを備えてもよい。
図15及び図16は、システム10の他の一例を概略的に示す。システム10は、通信装置200と、アンテナユニット800と、通信装置200及びアンテナユニット800を搭載した移動体とを備える。図15及び図16における車両100は、移動体の一例である。
図15は、車両100の正面を概略的に示し、図16は、車両100の背面を概略的に示す。車両100の正面には、アンテナユニット800が配置されている。車両100の背面には、アンテナ900が配置されている。
アンテナユニット800は、アンテナアレー810を備える。図15では、アンテナユニット800が、複数のアンテナ812及び複数のアンテナ814によって構成されるアンテナアレー810を有する場合を例示している。アンテナユニット800は、アンテナ装置の一例であってよい。アンテナユニット800を備える通信装置200が、アンテナ装置の一例であってもよい。
通信装置200は、アンテナ900及びアンテナユニット800を用いて、通信装置200が搭載されている車両100(自車と記載する場合がある。)とは異なる他の車両100に搭載された通信装置200と通信する。通信装置200は、例えば、アンテナユニット800を用いて、自車の前方を走行する他の車両100にデータを送信し、アンテナ900を用いて、自車の後方を走行する他の車両100からデータを受信する。アンテナユニット800は、送信アンテナユニットであってよく、アンテナ900は、受信アンテナであってよい。
複数のアンテナ812は、アンテナユニット800が送信して、通信相手が受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置されてよい。複数のアンテナ814は、それぞれが複数のアンテナ812のそれぞれに対して、複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置されてよい。これにより、受信レベルが同時にヌルとなることを防ぐことができる。
図17は、通信装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
上記実施形態では、移動体の例として車両100を示したが、これに限らない。移動体の他の例として、鉄道車両及び無人航空機等が挙げられる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 システム、22 壁、24 壁、32 直接波、34 反射波、36 反射波、42 側方車、44 側方車、46 側方車、48 側方車、100 車両、200 通信装置、202 通信部、204 アンテナ制御部、206 周囲環境特定部、300 アンテナ、400 アンテナユニット、410 アンテナアレー、412 アンテナ、414 アンテナ、416 アンテナ、418 アンテナ、420 アンテナ、422 アンテナ、502 長周期レベル変動、504 短周期レベル変動、506 合成波レベル変動、600 アンテナ、700 アンテナユニット、710 アンテナアレー、712 アンテナ、714 アンテナ、800 アンテナユニット、810 アンテナアレー、812 アンテナ、814 アンテナ、900 アンテナ、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ

Claims (18)

  1. 移動体に搭載されるアンテナ装置であって、
    通信相手のアンテナから受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置された複数の第1のアンテナと、それぞれが前記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、前記複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置された複数の第2のアンテナとを含むアンテナアレー
    を備えるアンテナ装置。
  2. 前記複数の第1のアンテナは、前記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される前記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記複数の第2のアンテナのそれぞれは、前記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、前記アンテナ装置と前記通信相手とが2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと前記2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される前記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置されている、請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記複数の第1のアンテナは、前記アンテナ装置と前記通信相手とが横方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される前記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記複数の第2のアンテナのそれぞれは、前記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、前記アンテナ装置と前記通信相手とが横方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと前記2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される前記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されている、請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記アンテナ装置は道路を走行する車両用のアンテナ装置であり、
    前記2つの反射体は、前記道路に設置された側壁であり、
    前記通信相手のアンテナと前記2つの反射体とのそれぞれの距離は、前記通信相手が前記道路を走行したときに想定される前記通信相手のアンテナと前記2つの反射体との距離に相当する距離である、請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記アンテナ装置は道路を走行する車両用のアンテナ装置であり、
    前記2つの反射体の少なくともいずれかは、前記車両の側方を走行する側方車であり、
    前記通信相手のアンテナと前記側方車との距離は、前記通信相手の側方を前記側方車が走行したときに想定される前記通信相手のアンテナと前記側方車との距離に相当する距離である、請求項5に記載のアンテナ装置。
  8. 前記複数の第1のアンテナは、前記アンテナ装置と前記通信相手とが縦方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される前記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  9. 前記複数の第2のアンテナのそれぞれは、前記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、前記アンテナ装置と前記通信相手とが縦方向に位置する2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと前記2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される前記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置されている、請求項8に記載のアンテナ装置。
  10. 前記アンテナ装置は道路を走行する車両用のアンテナ装置であり、
    前記2つの反射体の一方は道路であり、前記2つの反射体の他方はトンネルの天井であり、
    前記通信相手のアンテナと前記道路との距離は、前記通信相手が前記道路を走行したときに想定される前記通信相手のアンテナと前記道路との距離に相当する距離であり、前記通信相手のアンテナと前記天井との距離は、前記通信相手が前記トンネルを走行したときに想定される前記通信相手のアンテナと前記天井との距離に相当する距離である、請求項9に記載のアンテナ装置。
  11. 前記複数の第1のアンテナは、前記アンテナ装置及び前記通信相手の横方向に複数の反射体が位置する環境における、前記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される前記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されており、
    前記複数の第2のアンテナのそれぞれは、前記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、前記アンテナ装置及び前記通信相手の横方向に前記複数の反射体が位置する環境における、前記通信相手のアンテナと前記複数の反射体とのそれぞれの距離から算出される前記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
  12. 前記複数の第1のアンテナは、前記アンテナ装置と前記通信相手とが横方向の2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと前記横方向の2つの反射体との距離の最小値から算出される前記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置された2つの第1のアンテナを含み、
    前記複数の第2のアンテナは、前記2つの第1のアンテナのそれぞれに対して、前記アンテナ装置と通信相手とが前記横方向の2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと前記横方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される前記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置された2つの第2のアンテナを含み、
    前記アンテナ装置は、
    前記2つの第1のアンテナのそれぞれに対して、前記アンテナ装置と前記通信相手とが縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される前記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つの第3のアンテナと、
    それぞれが前記2つの第1のアンテナ及び前記2つの第3のアンテナのそれぞれに対して、前記アンテナ装置と通信相手とが前記縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと前記縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される前記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された4つの第4のアンテナと
    前記2つの第2のアンテナのそれぞれに対して、前記アンテナ装置と前記通信相手とが縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと反射体との距離の最小値から算出される前記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つの第5のアンテナと、
    それぞれが前記2つの第2のアンテナ及び前記2つの第5のアンテナのそれぞれに対して、前記アンテナ装置と通信相手とが前記縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと前記縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される前記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された4つの第6のアンテナと
    を備える、請求項1に記載のアンテナ装置。
  13. 前記複数の第1のアンテナは、前記アンテナ装置と前記通信相手とが横方向の2つの反射体及び縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと前記横方向の2つの反射体との距離の最小値から算出される前記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置され、前記通信相手のアンテナと前記縦方向の2つの反射体との距離の最小値から算出される前記最大変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つの第1のアンテナを含み、
    前記複数の第2のアンテナは、前記2つの第1のアンテナのそれぞれに対して、前記アンテナ装置と前記通信相手とが横方向の2つの反射体及び縦方向の2つの反射体に挟まれた環境における、前記通信相手のアンテナと前記横方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される前記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離横方向にずらして配置され、前記通信相手のアンテナと前記縦方向の2つの反射体とのそれぞれの距離と、反射回数とから算出される前記最小変動周期の半周期の奇数倍の距離縦方向にずらして配置された2つの第2のアンテナを含む、請求項1に記載のアンテナ装置。
  14. 移動体に搭載されるアンテナ装置であって、
    前記アンテナ装置が送信して通信相手が受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置された複数の第1のアンテナと、それぞれが前記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、前記複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらして配置された複数の第2のアンテナとを含むアンテナアレー
    を備えるアンテナ装置。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載のアンテナ装置と、
    前記移動体と
    を備えるシステム。
  16. 移動体に搭載される通信装置であって、
    複数の第1のアンテナ及び複数の第2のアンテナを含むアンテナアレーと、
    前記通信装置が搭載された移動体と、前記通信装置の通信相手が搭載された移動体の周囲の環境を特定する周囲環境特定部と、
    前記周囲環境特定部による特定結果に基づいて、前記複数の第1のアンテナを、第1のアンテナが前記通信相手のアンテナから受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらし、前記複数の第2のアンテナのそれぞれを、前記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、前記複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらすように、前記複数の第1のアンテナ及び前記複数の第2のアンテナの位置を制御するアンテナ制御部と
    を備える通信装置。
  17. 移動体に搭載される通信装置であって、
    複数の第1のアンテナ及び複数の第2のアンテナを含むアンテナアレーと、
    前記通信装置が搭載された移動体と、前記通信装置の通信相手が搭載された移動体の周囲の環境を特定する周囲環境特定部と、
    前記周囲環境特定部による特定結果に基づいて、前記複数の第1のアンテナを、第1のアンテナが送信して前記通信相手のアンテナが受信する複数の電波のうちの変動周期が最大の電波の最大変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらし、前記複数の第2のアンテナのそれぞれを、前記複数の第1のアンテナのそれぞれに対して、前記複数の電波のうちの変動周期が最小の電波の最小変動周期の半周期の奇数倍の距離ずらすように、前記複数の第1のアンテナ及び前記複数の第2のアンテナの位置を制御するアンテナ制御部と
    を備える通信装置。
  18. コンピュータを、請求項16又は17に記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
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