JP7256545B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
従来、所定の変動開始条件の成立に基づいて変動表示される識別情報が特定表示態様で表示された場合に、大当り遊技等の特別遊技が実行される遊技機が知られている。この種の遊技機において、特別遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合に遊技上の特典(例えば、特別遊技後の遊技状態を通常よりも有利な遊技状態とする特典)を付与するように構成されたものが存在する(例えば特許文献1を参照)。
特開2012-245172号公報
前述の特定領域を備えた遊技機では、特定領域への遊技球の通過有無といった機械的な抽選により特典の付与又は非付与が決定される。このため、特定領域(機械的な抽選)に関連する異常の発生に備えることが、遊技に対する信頼性の観点から重要である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定領域を備えた遊技機の信頼性が損なわれるのを防ぐことにある。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の遊技機は、
特別図柄を変動表示可能な特別図柄表示と、
前記特別図柄が変動表示後に特定表示態様で表示されたことに基づいて大入賞装置を作動させる特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記大入賞装置の作動により、前記特別遊技中に遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球が通過可能な特定領域及び非特定領域と、
前記可変入球口に遊技球が入球したのを検知可能な入球検知手段と、
前記可変入球口に入球した遊技球が前記特定領域を通過したのを検知可能な第1通過検知手段と、
前記可変入球口に入球した遊技球が前記非特定領域を通過したのを検知可能な第2通過検知手段と、
遊技球が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与可能な特典付与手段と、を備え、
前記可変入球口に入球した遊技球は前記特定領域又は前記非特定領域を通過して排出され、
前記特別遊技には、前記特定領域への遊技球の通過が予定されない第1特別遊技と、特定領域への遊技球の通過が予定される第2特別遊技と、があり、
前記特別図柄が第1特定表示態様で表示された場合に前記第1特別遊技が実行され、前記特別図柄が第2特定表示態様で表示された場合に前記第2特別遊技が実行される遊技機であって、
前記特別図柄が前記第1特定表示態様で表示されて実行される前記第1特別遊技中に遊技球が前記特定領域を通過する第1状況と、前記特別図柄が前記第2特定表示態様で表示されて実行される前記第2特別遊技中に遊技球が前記特定領域を通過しない第2状況のうち、少なくとも一方の状況が発生した場合に、所定の第1の報知を実行可能な第1の報知手段と、
前記入球検知手段、前記第1通過検知手段及び前記第2通過検知手段の検知結果に基づいて、前記可変入球口への入球数と排出数とを比較判定する比較判定手段と、
前記比較判定の結果、前記入球数と前記排出数とが一致しない場合に、所定の第2の報知を実行可能な第2の報知手段と、を備え、
前記第1の報知と前記第2の報知とが同時期に実行可能とされており、
前記排出数が前記入球数よりも少ないことに起因して前記第2の報知が実行される第1の場合と、前記排出数が前記入球数よりも多いことに起因して前記第2の報知が実行される第2の場合とのうち、少なくとも前記第1の場合に、前記特別図柄表示部及び前記大入賞装置の作動を停止させる
ことを要旨とする。
以上の本発明によれば、特定領域を備えた遊技機の信頼性が損なわれるのを防ぐことが可能である。
本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。 本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。 図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 大当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターンテーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検知処理のフローチャートである。 普図動作処理のフローチャートである。 普通図柄待機処理のフローチャートである。 普通図柄当否判定処理のフローチャートである。 普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 普通図柄変動中処理のフローチャートである。 普通図柄確定処理のフローチャートである。 普通電動役物処理のフローチャートである。 特図動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図2当否判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2乱数シフト処理のフローチャートである。 特図1当否判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1乱数シフト処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(大当り遊技)のフローチャートである。 Vラウンド処理のフローチャートである。 大入賞口閉鎖処理のフローチャートである。 比較判定処理のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特定領域センサ検知処理のフローチャートである。 始動入球時処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理1のフローチャートである。 受信コマンド解析処理2のフローチャートである。 変動演出開始のフローチャートである。 第2大入賞装置の模式図である。 大当り種別とVラウンドでの可動片作動タイミングとの対応関係を示す表である。 第2大入賞口センサと特定領域の開閉(可動片の作動)との関係を示すタイミングチャートである。 実施例2の特図1大当り種別と大当り報知演出との対応関係を示す表である。 実施例2の受信コマンド解析処理2のフローチャートである。 実施例3の非特定領域センサ検知処理のフローチャートである。 実施例3のイレギュラーV通過報知と第2エラー報知が実行される場合の表示画面の表示内容を示す説明図である。 実施例3のイレギュラーV非通過報知と第1エラー報知が実行される場合の表示画面の表示内容を示す説明図である。 実施例3のVラウンド情報出力処理のフローチャートである。 実施例3の第1V通過信号及び第2V通過信号の出力態様を示すタイミングチャートである。
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例を説明する。なお、以下に例示するパチンコ遊技機は、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「デジパチタイプ」の遊技機である。
また、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の表面側(手前側)であって、遊技時に遊技者が位置する側のことである。また、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の背面側のことである。さらに、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1~図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2と、を備えている。遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう。)が設けられている。演出ボタン63は、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。さらに前面枠51には、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67が設けられている。
第1演出ボタン63aは上下動可能に構成されている。第2演出ボタン63bは前後動及び左右方向への回転が可能に構成されている。なお、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。また、遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。
遊技領域3には遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、遊技領域3の中央付近(遊技領域内)には画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7は液晶表示器からなるもので、その表示画面7aが遊技盤2(遊技領域3)の略中央に設けられた開口を臨むようにして、遊技盤2の裏面側に設けられるものである。
画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう。)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう。)が設けられている。演出図柄8は、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様があり、本実施例では、原則、上から下へスクロール表示する。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」~「9」までの数字を表した複数の図柄(識別情報)からなり、原則、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で変動表示(スクロール表示)され、「9」まで到達すると「1」に戻り、停止表示まで変動表示が続けられる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第1特別図柄の変動表示の表示結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第2特別図柄の変動表示の表示結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している演出図柄8L,8C,8Rの停止順序を、原則、「左→右→中」としている。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「大当り演出図柄」ともいう)や「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「特殊図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。
なお、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、本実施例では、左・中・右の演出図柄8を表示するものとしているが、例えば、表示画面上に3行3列のマトリックス状の図柄表示エリアを設けて9つの演出図柄を表示し、各図柄が変動表示を経て停止表示したときの縦一列、横一列、斜め一列の各列の並び(図柄組合せ)により演出図柄の停止態様(停止図柄)を表示したり、図柄表示エリア(演出図柄表示領域)を複数(例えば4つ)の領域に分割して各領域で3つの演出図柄の変動表示及び停止表示を行ったりする等、演出図柄の数や図柄表示エリアの態様は特に問わない。
ここで、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれか又は全部を指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。また、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」や「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」や「第2特図」ともいう。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄の何れか一方又は両方を指して「特別図柄(特図)」ともいう。また、特別図柄当否判定の結果のうち「大当り」のことを「特定結果」ともいい、「外れ」のことを「非特定結果」ともいう。さらに、識別情報の停止表示態様のうち、特別図柄当否判定の結果が「大当り」の場合に対応する停止表示態様のことを「大当り態様」や「特定表示態様」、「特定表示結果」等ということがあり、特別図柄当否判定の結果が「外れ」の場合に対応する停止表示態様のことを「外れ態様」や「非特定表示態様」、「非特定表示結果」等ということがある。
画像表示装置7の表示画面7aでは、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)のほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。なお、演出図柄遊技演出のことを「変動演出」ともいう。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)が設けられている。第1演出保留及び第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むセンター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れて当該遊技球をワープ出口から排出してステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球に比して高い可能性で後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って作動可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的大当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って可動装飾部材14が下方に落下し、当該可動装飾部材14が表示画面7aの前面を覆うことで、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。
遊技領域3における画像表示装置7の下方(ステージ部11の下方)には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。つまり、第1特別図柄の変動表示(第1特別図柄当否判定)は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて実行され、第2特別図柄の変動表示(第2特別図柄当否判定)は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて実行される。
遊技領域3における画像表示装置7の右方には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう。)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。可変入賞装置22は、開閉部材(羽根部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。開閉部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5を参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、開閉部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、開閉部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。なお、第2始動口21は、開閉部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、開閉部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化する可変式の第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31と、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化する可変式の第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36と、が設けられている。本実施例では、第1大入賞装置31(第1大入賞口30)の真上に第2大入賞装置36(第2大入賞口35)が配置されている。なお、第1大入賞口30のことを「第1可変入球口」ともいい、第2大入賞口35のことを「第2可変入球口」ともいう。また、第1大入賞口30及び第2大入賞口35の何れか一方又は両方を指して「大入賞口」又は「可変入球口」ともいう。さらに、第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36の何れか一方又は両方を指して「大入賞装置」ともいう。
第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5を参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31が作動すると、第1大入賞口30(第1可変入球口)は開閉部材32の作動により、遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態、第1状態)と遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態、第2状態)とに変化し得る。
第2大入賞装置36は、開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5を参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36が作動すると、第2大入賞口35(第2可変入球口)は開閉部材37の作動により、遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態、第1状態)と遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態、第2状態)とに変化し得る。
また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39(「V領域」又は「第1領域」ともいう。)及び非特定領域49(「非V領域」又は「第2領域」ともいう。)と、第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39又は非特定領域49に誘導する(振り分ける)ための可動片150(「振分部材」ともいう。)を含んで構成されている。
可動片150は、後述の第2大入賞口センサ35aにより検知された遊技球の数に基づいて作動するもので、可動片ソレノイド151(図5を参照)により駆動される。可動片ソレノイド151がOFFのとき、すなわち可動片150が作動していないとき(非作動状態、第2振分状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は非特定領域49(特定領域以外の領域)に誘導され(振り分けられ)て、特定領域39を通過することが不可能となる。普段、可動片150は非作動状態(第2振分状態)にある。
一方、可動片ソレノイド151がONのとき、すなわち可動片150が作動しているとき(作動状態、第1振分状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は特定領域39に誘導され(振り分けられ)て、特定領域39を通過すること(これを「V通過」ともいう。)が可能となる。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり、特定領域39は確変作動口(確変領域)となっている。特定領域39への遊技球の通過有無(V通過の有無)に基づいて高確率状態を発生させるか否かを決定する本パチンコ遊技機1は、所謂「V確機」と呼ばれるものである。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。第2大入賞口35の開放(開閉部材37の作動)と可動片150の作動についての詳細は後述する。なお、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
ここで、第2大入賞装置36の構成について説明する。図47は、第2大入賞装置36を示す模式図である。第2大入賞口35に入球した遊技球は、第2大入賞装置内の所定の遊技球誘導通路を通って、全て第2大入賞口センサ35a(「入球検知手段」又は「入球検知センサ」ともいう。)を通過する。したがって、第2大入賞口35に入球した遊技球は必ず第2大入賞口センサ35aにより検知される。第2大入賞口センサ35aは第2大入賞口35に遊技球が入球したこと(第2大入賞口35への遊技球の入球)を検知するためのセンサである。この第2大入賞口センサ35aの検知に基づいて第2大入賞口35への入球数を計数することが可能となる。すなわち、遊技球が第2大入賞口センサ35aで検知されると、その検知数(つまり、入球数)が後述する主制御部80のRAMに設けられた入球数計数手段(図示せず)によりラウンド単位で計数される。この計数結果(計数値)はラウンド終了によりクリアされる。
また、第2大入賞口センサ35aにより検知された遊技球は、その後、所定の遊技球誘導通路を通って特定領域39(第1領域)又は非特定領域49(第2領域)を通過し、その後、機外(本遊技機1の裏面側)に排出される。特定領域39は、可動片150が作動中(作動状態、第1振分状態)のときにだけ、換言すると、特定領域39が開放中のときにだけ、遊技球が通過可能となる(図47(b)を参照)。特定領域39には特定領域センサ39a(「第1通過検知手段」又は「第1通過検知センサ」ともいう。)が設けられており、特定領域39を通過する遊技球は特定領域センサ39aにより検知される。特定領域センサ39aは、遊技球が特定領域39(第1領域)を通過したこと(特定領域39への遊技球の通過)を検知するためのセンサである。また、非特定領域49には非特定領域センサ49a(「第2通過検知手段」又は「第2通過検知センサ」ともいう。)が設けられており、非特定領域49を通過する遊技球は非特定領域センサ49aにより検知される。非特定領域センサ49aは、遊技球が非特定領域49(第2領域)を通過したこと(非特定領域49への遊技球の通過)を検知するためのセンサである。
特定領域センサ39a及び非特定領域検知センサ49aは、第2大入賞口35からの遊技球の排出を検知するためのセンサ(「排出検知手段」又は「排出検知センサ」ともいう。)でもあり、特定領域センサ39a及び非特定領域検知センサ49aの検知に基づいて第2大入賞口35からの排出数を計数することが可能となる。遊技球が特定領域センサ39a又は非特定領域検知センサ49aで検知されると、その検知数(つまり、排出数)が後述する主制御部80のRAMに設けられた排出数計数手段(図示せず)によりラウンド単位で計数される。この計数結果(計数値)はラウンド終了によりクリアされる。
また、特定領域センサ39aにより検知された遊技球の数は、後述する主制御部80のRAMに設けられた特定領域通過計数手段(図示せず)により特定領域通過数として計数され、非特定領域センサ49aにより検知された遊技球の数は、後述する主制御部80のRAMに設けられた非特定領域通過計数手段(図示せず)により非特定領域通過数として計数される。これらの計数もラウンド単位で行われ、計数結果(計数値)はラウンド終了によりクリアされる。
本実施例では、主制御部80の制御プログラムによって、第2大入賞口35に係る遊技球の入球数および排出数の計数結果を基に、第2大入賞口35の入球数と排出数とを比較判定することが可能となっている(比較判定手段)。そして、比較判定の結果、入球数と排出数とが一致しない場合には、所定のエラー処理を実行するように構成されている(エラー処理手段)。この比較判定(一致・不一致判定)により、特定領域39を有する第2大入賞装置36(第2大入賞口35)への入球に係る異常や不正等の発生の有無が監視される。
例えば、第2大入賞装置36(第2大入賞口35)の内部では、特定領域39を開閉するための可動片150を作動させるため、可動片150に遊技球が噛む等して、第2大入賞装置36(第2大入賞口35)内(特定領域39及び非特定領域49の上流側)に遊技球が詰まってしまう虞がある。このような球詰まりが発生した場合、第2大入賞口35に入球した遊技球が排出されないため、入球数と排出数とが一致しないこととなる。このように入球数と排出数とを監視することで、球詰まりの有無を確認することが可能となる。また、いわゆる糸吊りゴトや電波ゴト等の不正行為により遊技球を特定領域センサ39aに検知させた場合にも入球数と排出数とが一致しないため、このことに基づいて不正行為の有無を監視して、不測の損害が発生するのを未然に防止することも可能となる。本実施例では、こうした球詰まりや不正行為が疑われる事象が発生した場合、第2大入賞口35の入排出数不一致に係るエラーが発生したものとして所定のエラー処理を実行することとしている。入球数と排出数との比較判定及び入球数と排出数とが一致しない場合のエラー処理についての詳細は後述する。
また本実施例では、主制御部80の制御プログラムによって、特定領域39への遊技球の通過に関するエラーの発生を判定することが可能となっている。具体的には、第2大入賞口35が開放して入球可能な状態(第1状態)にあるときに、特定領域センサ39aによる遊技球の検知(特定領域39への遊技球の通過)を有効なものとして扱う特定領域有効期間が設定され、その特定領域有効期間を除いた期間(特定領域有効期間以外の期間)において遊技球が特定領域センサ39aにより検知された場合(特定領域センサ39aによる検知がなされた場合)には、特定領域39に関するエラーが発生したものとして、その検知を無効なものとして扱うものとしている。また、特定領域センサ39aの接続不良等により当該センサの信号(特定領域通過信号)に異常が発生した場合にも、特定領域39に関するエラーの発生とすることが可能となっている。こうした特定領域有効期間や特定領域センサ39aの接続不良等に基づくエラーの判定によっても、不正行為や機器の故障・破損等の有無を監視することが可能であり、これにより不測の損害が発生するのを未然に防止することが可能となる。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21は開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35及び一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう。)が払い出される。本実施例では、第1始動口20の賞球数を「4」、第2始動口21の賞球数を「1」、一般入賞口27の賞球数を「10」、第1大入賞口20及び第2大入賞口35の賞球数を「15」としている。なお、賞球数はこれに限定されるものではなく、任意に定めることが可能である。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域3A(第1領域)と、右側の右遊技領域3B(第2領域)と、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「左打ち」ともいい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「右打ち」ともいう。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにより第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちによりゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
また、図3及び図4に示すように、遊技領域3の外側(遊技領域外)であって遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が大当り(特定結果)となった場合に、実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向(左打ちすべき状態か右打ちすべき状態か)を示す発射方向表示器47と、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が大当りになったことを示す当り表示器48と、が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種の表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。なお、以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄の何れか一方又は両方を指して特別図柄ということがあり、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bの何れか一方又は両方を指して特別図柄表示部ということがあり、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bの何れか一方又は両方を指して特図保留表示部ということがある。
特別図柄表示部では、特別図柄(識別情報)が所定時間変動表示した後に停止表示し、この停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果が報知される。変動表示後に表示(停止表示)される特別図柄は、特別図柄当否判定の結果に基づいて複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。表示(停止表示)された停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、大当り図柄や小当り図柄等の当り図柄(特定表示態様)である場合には、その表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技)が行われる。特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
図4に示すように、第1特別図柄表示器41aは「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果が「大当り」(特定結果)である場合の大当り種別として、「7R第1大当り」、「7R第2大当り」及び「15R第3大当り」の3種類が設けられている(図6、図8を参照)。第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら3種類の大当りの各々に応じた表示態様(「特定表示態様」又は「特定表示結果」ともいう。)を採ることが可能となっている。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が「7R第1大当り」となった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(7R第1大当り図柄)、「7R第2大当り」となった場合には「imn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(7R第2大当り図柄)、「15R第3大当り」となった場合には「jln」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとする(15R第3大当り図柄)。また、第1特別図柄当否判定の結果が「外れ」(非特定結果)である場合には「n」の1個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとする(外れ図柄)。
一方、第2特別図柄表示器41bは「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果が「大当り」(特定結果)である場合の大当り種別として「15R第4大当り」及び「15R第5大当り」の2種類が設けられている(図6、図8を参照)。第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(「特定表示態様」又は「特定表示結果」ともいう。)を採ることが可能となっている。例えば、第2特別図柄当否判定の結果が「15R第4大当り」となった場合には「acde」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(15R第4大当り図柄)、「15R第5大当り」となった場合には「bfgh」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとする(15R第5大当り図柄)。また、第2特別図柄当否判定の結果が「外れ」(非特定結果)である場合には「g」の1個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとする(外れ図柄)。
特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示が実行される。この変動表示の態様は、例えば、時計回り方向や反時計回り方向など、予め定められた順序で光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。また、第1特別図柄表示器41aに停止表示された第1特別図柄は、次の第1特別図柄の変動表示が開始されるまで、その停止表示態様が維持される。同様に、第2特別図柄表示器41bに停止表示された第2特別図柄は、次の第2特別図柄の変動表示が開始されるまで、その停止表示態様が維持される。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。なお、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば、両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。また、普通図柄表示器42に停止表示された普通図柄は、次の普通図柄の変動表示が開始されるまで、その停止表示態様が維持される。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部86に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
図4に示すように、ラウンド表示器45は、7R用ランプと15R用ランプの2個のLEDで構成されている。このラウンド表示器45では、例えば、7R第1大当り又は7R第2大当りが発生すると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、7R用ランプが点灯表示される。具体的には「7R▲15R△」の様な表示態様(例えば、△:消灯、▲:点灯)となる。また、15R第3~第5大当りの何れかが発生すると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプが点灯表示される。具体的には、「7R△15R▲」の様な表示態様(例えば、△:消灯、▲:点灯)となる。
図4に示すように、当り表示器48は「b1~b3」で示す3個のLEDで構成されており、特別図柄表示部(第1特別図柄表示器41a又は第2特別図柄表示器41b)に前述の大当り図柄(特定表示態様)が表示されたときに、これら3個のLEDを所定の態様で点灯させることにより、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が大当りになったことを表示(報知)するものである。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が大当り(特定結果)となり、これに基づく第1特別図柄の変動表示が第1特別図柄表示器41aで行われた後、前述の7R第1大当り図柄、7R第2大当り図柄又は15R第3大当り図柄が第1特別図柄表示器41aに表示(停止表示)された場合には、「b1■b2■b3□」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように「b1」及び「b2」のLEDを点灯させて「b3」のLEDを消灯させる。一方、第2特別図柄当否判定の結果が大当り(特定結果)となり、これに基づく第2特別図柄の変動表示が第2特別図柄表示器41bで行われた後、前述の15R第11大当り図柄又は15R第12大当り図柄が第2特別図柄表示器41bに表示(停止表示)された場合には、「b1■b2□b3■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように「b1」及び「b3」のLEDを点灯させて「b2」のLEDを消灯させる。
このように、当り表示器48は、「b1~b3」の3個のLEDの点灯態様によって、大当りが発生したとき(大当り図柄が表示されたとき)の当該大当りの契機となった特別図柄当否判定が、第1特別図柄当否判定と第2特別図柄当否判定の何れであるのかを報知することが可能となっている。こうした当り表示器48による大当りの契機となった特別図柄当否判定の種別の報知のことを「判定報知」又は「判定種別報知」ともいい、当り表示器48のことを「判定報知手段」又は「判定種別報知手段」ともいう。
当り表示器48による判定報知は、大当りの発生(大当り図柄の表示)から所定期間に亘って行われる。本実施例では、大当りの発生(大当り図柄の表示)から次の大当りが発生するまで(次の大当り図柄が表示されるまで)の間、行われるものとなっている。例えば、左打ちで遊技を進める中(第1特別図柄の変動表示が行われる中)、第1特別図柄表示器41aに大当り図柄が表示(停止表示)されて、その後、大当り遊技を経て右打ちで遊技を進める中(第2特別図柄の変動表示が行われる中)、第2特別図柄表示器41bに大当り図柄が表示(停止表示)される場合、第1特別図柄表示器41aでの大当り図柄の表示を契機として当り表示器48の表示態様(点灯態様)が「b1■b2■b3□」となり、その後、第2特別図柄表示器41bに大当り図柄が表示されるまでの間、その当り表示器48の表示態様「b1■b2■b3□」が維持される。そして、第2特別図柄表示器41bに大当り図柄が表示されると、それまで点灯していた当り表示器48の2個のLED「b1」及び「b2」のうち「b2」が消灯され、当り表示器48の表示態様(点灯態様)が「b1■b2□b3■」となる。また、例えば、第1特別図柄表示器41aに大当り図柄が表示され、その後、大当り遊技を経て再び第1特別図柄表示器41aに大当り図柄が表示される場合、第1特別図柄表示器41aでの先の大当り図柄の表示を契機として当り表示器48の表示態様(点灯態様)が「b1■b2■b3□」となり、その後、第1特別図柄表示器41aに次の大当りに係る大当り図柄が表示された後も、その当り表示器48の表示態様「b1■b2■b3□」が維持される。このため、本実施例では、「先(前回)の大当り」と「後(次回)の大当り」との間(大当り間)において、先(前回)の大当りの契機となった特別図柄当否判定の種別を示す(報知する)ことが可能となっている。
なお、当り表示器48による判定報知の実行期間(判定報知期間)は、本実施例のように大当り間に亘るものでなくてもよい。例えば、大当りの発生(大当り図柄の表示)から当該大当りに係る大当り遊技の終了までとしたり、大当りの発生(大当り図柄の表示)から当該大当りに係る大当り遊技後の所定期間が経過するまでとしたり、大当りの発生(大当り図柄の表示)から当該大当りに係る大当り遊技後の特別図柄の変動表示が所定回数行われるまでとしたりすることが可能である。また、大当り遊技終了後の遊技状態が、通常の遊技状態に比して遊技者に有利な後述の高確率状態や時短状態等の遊技状態(「特定遊技状態」ともいう。)となる場合、判定報知期間を、大当りの発生(大当り図柄の表示)からその特定遊技状態が終了するまでとすることも可能である。さらに、大当り遊技中に後述する特定領域異常通過が発生した場合、その特定領域異常通過の発生から所定期間を判定報知期間とすることも可能である。この場合、特定領域異常通過の発生時に実行中の大当り遊技の契機となった特別図柄当否判定の種別(第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定)を示す表示態様(点灯態様)で、当り表示器48のLEDを点灯させる。
また、本実施例では、パチンコ遊技機1の電源を投入したときの当り表示器48の表示態様(初期表示態様)を、原則、「b1~b3」の3個のLEDがすべて消灯した態様(全消灯)としている。さらに、本実施例では、当り表示器48による表示(つまり「判定報知」)をバックアップの対象としている。このため、例えば、当り表示器48の表示態様が「b1■b2■b3□」である状態で電源断となった場合、その表示態様に係るLEDの点灯パターンデータがRAMに記憶(バックアップ)され、次に電源を投入したときには、そのバックアップされた点灯パターンデータによって、当り表示器48の表示態様が電源断発生前と同様とされる。但し、パチンコ遊技機1の電源投入の際にRAMクリアを実行した場合には、バックアップされた点灯パターンデータが消去され、当り表示器48の表示態様は前述の初期表示態様(全消灯)とされる。なお、当り表示器48による判定報知をバックアップの対象としないように構成してもよい。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう。)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う副制御基板90(「副制御部」や「サブ制御部」や「演出制御部」ともいう。)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(「画像制御部」ともいう。)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上には副制御基板90を収納した副制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。電源基板109は、外部からの供給電力を受けて本パチンコ遊技機1に電力を供給する電力供給手段として機能する。具体的には、本パチンコ遊技機1に設けられた各種の基板類や装置・機器類、センサ、スイッチ、モータ、ソレノイドなど、本パチンコ遊技機1の作動に必要となる様々な電気部品に電力を供給する。電源基板109には、電源基板ケースの外部に露出した状態で電源スイッチ(図示せず)が設けられており、電源スイッチをONにすることで電力の供給が開始され、OFFにすることで電力の供給が停止される。
さらに、パチンコ遊技機1の裏面右上部には、本遊技機1の作動状況を示す種々の信号(「遊技に関する情報」又は「外部情報」ともいう。)を遊技機の外部に出力するための外部端子板118が設けられている。外部端子板118は主制御基板80の情報出力回路(図示せず)と接続されており、外部端子板118が備える端子に外部機器(例えばホールコンピュータ等)の配線を接続することで、主制御基板80(情報出力回路)からの各種信号(外部情報)を外部機器に出力することが可能とされている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン81(「遊技制御用マイコン」ともいう。)が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、センサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球(第1始動口20への入球)を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球(第2始動口21への入球)を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球(ゲート通過)を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球(第1大入賞口30への入球)を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球(第2大入賞口35への入球)を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち特定領域39を通過した遊技球(特定領域通過)を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域49に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域49を通過した遊技球(非特定領域通過)を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球(一般入賞口27への入球)を検知するものである。そして、遊技制御用マイコン81(主制御部80)のRAMには、これらの各センサ(遊技球検知手段)による遊技球の検知数を計数、記憶するための領域が設けられており、遊技制御用マイコン81の制御(プログラム)により、各センサによる検知数を計数することが可能となっている(計数手段)。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38及び可動片ソレノイド151が接続されている。これら各種ソレノイドのことを「電気的駆動源」や「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の開閉部材23を駆動するためのもので、第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。また、第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのもので、可動片ソレノイド151は、第2大入賞装置36の可動片150を駆動するものである。さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう。)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。なお、カードユニット135は、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするための遊技球貸出処理装置である。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう。)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60(図1を参照)の操作があった場合には、タッチセンサ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また主制御基板80は、副制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80と副制御基板90との接続は、主制御基板80から副制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80と副制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、副制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」ともいう。)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
副制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。なお、副制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる制御を行う演出制御手段(「演出実行手段」ともいう。)として機能するものである。
副制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」ともいう。)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示に同期してLEDの点滅(変動表示)及び点灯か消灯(停止表示)を行い、2個のLEDの点灯・消灯又は色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で表示制御される。また、演出第1特図保留表示器103a及び演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、演出第1特図保留表示器103aは、2個のLEDの点灯・消灯又は色の組合せにより、第1演出保留表示領域9c及び第1特図保留表示器43aに表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。同様に、演出第2特図保留表示器103bは、2個のLEDの点灯・消灯又は色の組合せにより、第2演出保留表示領域9d及び第2特図保留表示器43bに表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。この様な演出表示器102や保留表示器103a,103bが設けられているのは、表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体にキャラクタ図柄を表示したり、可動装飾部材14を作動させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部又は全部が視認できない状態になることがあり得るからである。なお、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、副制御基板90のROMに格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を作動させる。可動装飾部材14は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の作動態様で作動させるための作動パターンデータ(「駆動データ」ともいう。)を、副制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した作動パターンデータに基づいて可動装飾部材14の作動を制御する。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の作動制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや作動パターンに関するデータを格納してもよい。
また副制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチから副制御基板90に対して操作信号が出力される。なお、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dの何れか一方又は両方を指して「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(当否判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が表示される。大当りと判定されると、変動表示後に表示(停止表示)された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」といもいう。
大当りには複数の種別がある。図6に示すように大当りの種別としては、「7R(ラウンド)第1大当り」、「7R第2大当り」、「15R第3大当り」、「15R第4大当り」及び「15R第5大当り」の計5種類がある。「7R第1大当り」及び「7R第2大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が7回の大当りであり、「15R第3大当り」、「15R第4大当り」及び「15R第5大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回の大当りである。ラウンド数が7回の大当りのことを「7R大当り」ともいい、ラウンド数が15回の大当りのことを「15R大当り」ともいう。なお、本実施例では、大当り遊技を構成するラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう。)の実行回数(ラウンド数)を7R又は15Rとしているが、ラウンド数は、予め定められた上限ラウンド数(例えば16ラウンド)の範囲内で、遊技性や出球性能(スペック)等を考慮して任意に設定することができる。
本実施例の大当りに係る大当り遊技の各ラウンドでは、第1大入賞口30及び第2大入賞口35のうち一方が開放した状態(入球可能状態、第1状態)となり、他方は閉鎖した状態(入球不能状態、第2状態)となる。すなわち、2つの大入賞口30,35が同時に開放することはなく、何れか一方が開放する。具体的には、1ラウンド目では第1大入賞口30(下大入賞口)が閉鎖して第2大入賞口35(上大入賞口)が開放し、2ラウンド目では第1大入賞口30(下大入賞口)が開放して第2大入賞口35(上大入賞口)が閉鎖し、3ラウンド目では1ラウンド目と同様に第1大入賞口30(下大入賞口)が閉鎖して第2大入賞口35(上大入賞口)が開放し、4ラウンド目では2ラウンド目と同様に第1大入賞口30(下大入賞口)が開放して第2大入賞口35(上大入賞口)が閉鎖する。以後、5ラウンド目、6ラウンド目とラウンドが進む毎に、第1大入賞口30(下大入賞口)の閉鎖および第2大入賞口35(上大入賞口)の開放と、第1大入賞口30(下大入賞口)の開放および第2大入賞口35(上大入賞口)の閉鎖とが、交互に発生する。つまり、本実施例の大当り遊技は、奇数ラウンドで第2大入賞口35(上大入賞口)が開放し、偶数ラウンドで第1大入賞口30(下大入賞口)が開放するものとなっており、第1大入賞口30(下大入賞口)と第2大入賞口35(上大入賞口)とが、第2大入賞口35(上大入賞口)の開放を先として交互に開放する。また、各ラウンド間には所定のインターバル時間(閉鎖時間)が設定される。本実施例では、7ラウンド目と8ラウンド目との間のインターバル時間を2000ms(2秒)とし、その他の各ラウンド間のインターバル期間を500ms(0.5秒)としている。
ここで、大当り遊技中の大入賞口開放パターンについて説明する。本実施例では、第1大入賞口30と第2大入賞口35の開放パターンを同様としている。すなわち、大当り遊技中の奇数ラウンドでは、第2大入賞口35をラウンド開始から25000ms(25秒)が経過するまで開放させ、25000ms(25秒)の経過により閉鎖させて、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間25000ms、開放回数1回の開放パターンで第2大入賞口35の開放を行う。この開放パターンで開放する第2大入賞口30には、右打ちを行うことで遊技球を容易に入球させることが可能となる。一方、大当り遊技中の偶数ラウンドでは、第1大入賞口30をラウンド開始から25000ms(25秒)が経過するまで開放させた後、25000ms(25秒)の経過により閉鎖させて、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間25000ms、開放回数1回の開放パターンで、第1大入賞口30の開放を行う。この開放パターンで開放する第1大入賞口30には、右打ちを行うことで遊技球を容易に入球させることが可能となる。
また、大当り遊技中の7ラウンド目では、第2大入賞口35を開放させるが、これに加えて、当該第2大入賞口35に入球した遊技球の数(入球数)に基づいて可動片150を作動させるものとしている。すなわち、第2大入賞口35に遊技球が入球すると、その入球した遊技球は第2大入賞口センサ35aにより検知され、その検知された遊技球の数(つまり、第2大入賞口35への入球数)が、主制御部80のRAMに設けられた入球数計数手段(図示せず)によって計数される。そして、入球数計数手段による計数値が所定値になると、これを契機に可動片150が作動する。この所定値(計数値)によって、可動片150の作動タイミングが規定されるものとなっている。この作動には、非作動状態(第2振分状態)にある可動片150を作動状態(第1振分状態)とする「第1作動」と、作動状態(第1振分状態)にある可動片150を非作動状態(第2振分状態)とする「第2作動」とがある。なお、作動状態(第1振分状態)は、第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39(第1領域)へ振り分ける状態であり、非作動状態(第2振分状態)は、第2大入賞口35に入球した遊技球を非特定領域49(第2領域)へ振り分ける状態である。
可動片150の作動契機となる所定値(計数値)は、1回のラウンド中に第2大入賞口35への入球が許容される遊技球の数(「規定数」ともいう。)を超えない値とされる。本実施例では、その値として、第1所定値(第1計数値)C1と、第1所定値C1よりも大きな値である第2所定値(第2計数値)C2と、第2所定値C2よりも大きな値である第3所定値(第3計数値)C3との、3つの所定値を設けている。そのうち、第1所定値C1と第2所定値C2は第1作動(第2振分状態→第1振分状態)の実行契機となる値(「第1の値」ともいう。)であり、第3所定値C3は第2作動(第1振分状態→第2振分状態)の実行契機となる値(「第2の値」ともいう。)である。本実施例では、大入賞口の規定数が「9」であり、この規定数の範囲で、第1所定値C1を「1」、第2所定値C2を「2」、第3所定値C3を「9」としている。
ここで、本実施例の大当りには、特定領域39への遊技球の通過が予定されない「V非通過予定大当り」と、特定領域39への遊技球の通過が予定される「V通過予定大当り」とが設けられている。本実施例では、V非通過予定大当りが「7R第2大当り」及び「15R第5大当り」の2種類であり、V通過予定大当りが「7R第1大当り」、「15R第3大当り」及び「15R第4大当り」の3種類である(図6を参照)。これらの大当り種別に応じて可動片150の作動契機となる所定値が設定されるものとなっており、その大当り種別と所定値との対応関係が、主制御部80のROMに予め記憶されている(値記憶手段)。その対応関係を図48に示す。
同図に示すように、可動片150の作動契機となる第1所定値C1~第3所定値C3のうち、第1所定値C1はV非通過予定大当りとV通過予定大当りの両方(全ての大当り種別)に対して設定され、第2所定値C2及び第3所定値C3はV通過予定大当りだけ(特定の大当り種別)に対して設定される。具体的に、第1所定値C1は、7R第1大当り~15R第5大当りのすべて(5種類)に対して設定される。一方、第2所定値C2及び第3所定値C3は、7R第2大当り及び15R第5大当りに対しては設定されず、7R第1大当り、15R第3大当り及び15R第4大当りに対して設定される。こうした大当り種別と可動片150の作動契機となる所定値との対応関係のもと、大当り遊技の7ラウンド目で可動片150の作動制御が実行される。
すなわち、大当り遊技の7ラウンド目において、入球数計数手段による計数値(第2大入賞口35への入球数)が第1所定値C1となって可動片150の第1作動が実行される場合、その実行後、所定の第1作動時間の経過により第2作動が実行される。一方、入球数計数手段による計数値が第2所定値C2となって可動片150の第1作動が実行される場合、その実行後、入球数計数手段による計数値が第3所定値C3となることにより第2作動が実行される。また、入球数計数手段による計数値が第2所定値C2となって可動片150の第1作動が実行される場合であって、入球数計数手段による計数値が第3所定値C3となる前に前述の第1作動時間よりも長い第2作動時間が経過した場合、その第2作動時間の経過により第2作動が実行される。こうした可動片150の作動制御が、V非通過予定大当りに係る大当り遊技の7ラウンド目と、V通過予定大当りに係る大当り遊技の7ラウンド目に実行されるのである。
可動片150の作動と、第2大入賞口35に入球した遊技球との関係は次のようになる。図49に示すように、前述の入球数計数手段による計数値(入球カウント数)が第1所定値C1(本例では「1」)になると、可動片150は作動状態(可動片ソレノイド151がON)となり、その後80ms(第1作動時間)が経過すると、可動片150は非作動状態(可動片ソレノイド151がOFF)となる。すなわち、第2大入賞口35への1個目の入球が検知されると、特定領域39が80ms(0.08秒)だけ開放状態(V開放)となる。つまり、作動時間(開放時間)80ms、作動回数(開放回数)1回の作動パターンで可動片150の作動が行われる。この場合、可動片150の作動は80msという極短時間(一瞬)だけ行われるので、当該作動(「短時間第1作動」ともいう。)の契機となった遊技球(第2大入賞口35への1個目(最初)の入球に該当する遊技球)が第2大入賞口センサ35aを通過して可動片150の配設部位に到達する頃には、可動片150の作動が終了している(非作動状態となっている)可能性が極めて高い(図47(a)を参照)。よって、当該遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて低いものとなる。この短時間第1作動は、V非通過予定大当りとV通過予定大当りの両方で実行される。
また、V通過予定大当りの場合、前述の入球数計数手段による計数値が第2所定値C2(本例では「2」)になると、可動片150は作動状態(可動片ソレノイド151がON)となり、その後、入球数計数手段による計数値が第3所定値C3(本例では「9」)になるか、第3所定値C3になる前にラウンド実行時間(本例では23000ms:第2作動時間)が経過すると、可動片150は非作動状態(可動片ソレノイド151がOFF)となる。すなわち、第2大入賞口35への2個目の入球が検知されると、その後、9個目の入球が検知されるまで、又は、9個目の入球検知前にラウンド実行時間(第2大入賞口の規定開放時間)が経過するまで、特定領域39が開放状態(V開放)となる。ここで、大当り遊技中、遊技球が正常に発射(右打ち)されて遊技領域3(右遊技領域3B)を滞りなく流下する限り、1回のラウンド(ラウンド遊技)において、ラウンド実行時間の経過前に規定数の遊技球が大入賞口に入球するのが通常である。このため本実施例では、第2大入賞口35への2個目の入球が検知されて(計数値が第2所定値C2になって)可動片150が作動状態となった後、非作動状態に戻るのは、9個目の入球が検知される(計数値が第3所定値C3になる)ことによるのが通常である。したがって、入球数計数手段による計数値が第2所定値C2になることを契機とする可動片150の作動では、原則として、その計数値が第3所定値C3になるまで可動片150を作動状態(第1振分状態)とする作動パターンで可動片150の作動が行われる。この場合の可動片150の作動は、実質的にはラウンド終了までという比較的長めの時間で行われるので、当該作動(「長時間第1作動」ともいう。)の契機となった遊技球(第2大入賞口35への2個目の入球に該当する遊技球)が第2大入賞口センサ35aを通過して可動片150の配設部位に到達する頃には、可動片150の作動は未だ終了していない(作動状態となっている)可能性が極めて高い(図47(b)を参照)。よって、当該遊技球及びこれに続く後続の遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて高いものとなる。
このように、可動片150は、入球数計数手段による計数値が第1所定値となった場合、特定領域39を極短時間(80ms)開放させる短開放パターン(第1作動態様)で作動し、入球数計数手段による計数値が第2所定値となった場合、特定領域39を短開放動作パターンより長い時間開放させる長開放パターン(第2作動態様)で作動するものとなっている。そして、「V非通過予定大当り」では、7ラウンド目に可動片150が短開放パターンで作動するものの、その後に長開放パターンで作動することはなく、「V通過予定大当り」では、7ラウンド目に可動片150が短開放パターンで作動した後、長開放パターンで作動することが可能となっている。このため、「V非通過予定大当り」は、7ラウンド目に遊技球が第2大入賞口35に入球しても当該ラウンド中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて低いことから、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が低い大当り、換言すると、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が高い大当りとなる。一方、「V通過予定大当り」は、7ラウンド目に遊技球が第2大入賞口35に2個以上入球すれば、当該ラウンド中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて高いことから、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が高い大当りとなる。このように本実施例では、大当り遊技の7ラウンド目を、特定領域39への遊技球の通過有無に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態とするか否かを決定するVラウンドとしている。このようなVラウンドのことを「特典決定遊技」や「特定ラウンド遊技」ともいい、Vラウンド以外のラウンドのことを「非Vラウンド」や「通常ラウンド遊技」ともいう。また、V非通過予定大当りに係る大当り遊技(特別遊技)のことを「第1特別遊技」ともいい、V通過予定大当りに係る大当り遊技(特別遊技)のことを「第2特別遊技」ともいう。
なお、大入賞口の規定数及び可動片150の作動契機となる所定値は、本実施例で示す数(値)に限られるものではない。例えば、大入賞口の規定数は「10」や「8」等であってもよい。また、可動片150の作動契機となる第1~第3所定値は、大入賞口の規定数を越えない値であって「第1所定値<第2所定値<第3所定値」の関係を満たす値であればよい。但し、V非通過予定大当りに係る大当り遊技ではV通過が発生し難くなり(実質的に発生しなくなり)、V通過予定大当りに係る大当り遊技ではV通過が発生し易くなる(実質的に発生する)、といった大当り遊技の遊技性(仕様)を損なわないようにする観点から、第1所定値は「1」とし、第2所定値は「2」又は「3」とするのが好ましく、また第3所定値は、第2所定値との差が3以上となる値とするのが好ましく、特に大入賞口の規定数と同数の値とするのが好ましい。第3所定値を大入賞口の規定数より少ない(小さい)値とした場合、ラウンド終了前に可動片150の第2作動が行われ、可動片150が非作動状態(第2振分状態)となる。
また、本実施例では、第1~第3所定値をそれぞれ固定の値としているが、第2所定値及び第3所定値の何れか一方又は両方を、例えば大当り種別(大当り図柄の種類)に応じて変動する(異なる)値としてもよい。例えば、V通過予定大当りである7R第1大当り、15R第3大当り及び15R第4大当りに関し、第2所定値C2をそれぞれ「2」、「3」、「4」として第3所定値C3をすべて「9」としたり、第2所定値C2をすべて「2」として第3所定値C3をそれぞれ「8」、「6」、「5」としたり、第2所定値C2をそれぞれ「2」、「3」、「4」として第3所定値C3をそれぞれ「5」、「6」、「8」としたりすることが可能である。この場合、非作動状態にある可動片150が作動状態になるタイミングや、作動状態にある可動片150が非作動状態になるタイミングにバラツキを持たせて、Vラウンド中のV通過の発生時期やV通過可能期間(可動片150が作動状態とされる期間)に変化をつけることが可能となる。これにより、Vラウンドの遊技内容(遊技性)を多様にして興趣の向上を図ることが可能となる。また、大当り種別を本実施例よりも多くして、大当り種別と第2所定値及び第3所定値との関係を様々に設定することで、より多様にすることが可能となる。
また、大入賞口開放パターンは本実施例に限定されるものではなく、第1大入賞口30と第2大入賞口35とで開放パターンを異ならせてもよい。また、本実施例では、大当りの種別によってラウンド数が異なる(7Rまたは15R)だけで、大入賞口開放パターンは同様となっているが、大当りの種別によって大入賞口開放パターンを異ならせてもよい。さらに、可動片150の作動パターン(第1作動態様、第2作動態様)についても本実施例に限定されるものではない。
第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りの振分確率は、7R第1大当りが45%、7R第2大当りが50%、15R第3大当りが5%となっており、V通過予定大当りとV非通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが50%、V非通過予定大当りが50%となっている(図6、図8を参照)。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における各大当りの振分確率は、15R第4大当りが80%、15R第5大当りが20%となっており、V通過予定大当りとV非通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが80%、V非通過予定大当りが20%となっている(図6、図8を参照)。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の当否判定により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の当否判定によって大当りになった場合に比べ、V通過予定大当りとなる可能性が高くなる。また、第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の当否判定により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の当否判定によって大当りになった場合に比べ、15R大当りとなる可能性が高くなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう。)に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」や「図柄決定用情報」ともいう。)に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう。)がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は「0~198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は「0~240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態」や「低確率状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では、通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行い、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が通常状態よりも多くされた高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。なお、特別図柄の変動時間短縮機能は、第1特別図柄と第2特別図柄の両方について作動することもあれば、第1特別図柄と第2特別図柄の何れか一方について作動することもある。
特別図柄についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは、同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。つまり、普通図柄についての確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の表示結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材23が第2始動口21を0.2秒開放させる短開放を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材23が第2始動口21を2.0秒開放させる長開放を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう。)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」や「電サポ状態」ともいい、作動していない状態を「低ベース状態」や「非電サポ状態」ともいう。高ベース状態(高頻度状態)では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
なお、高ベース状態は、上記した全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときに比べ第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生させる機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、7R第1大当り、15R第3大当り又は15R第4大当りになった場合、特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性が極めて高いことから、特定領域39への遊技球の通過に基づいて特別図柄の高確率状態になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態のことを「高確高ベース状態」ともいう。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態となり、遊技者にとってはいわゆる「確変遊技状態」となる。なお、特定領域39への遊技球の通過がなされていなければ、特別図柄の通常状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態(低確高ベース状態)となる。
また、7R第2大当り又は15R第5大当りになった場合、特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性が極めて低いことから、特別図柄の通常状態になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態のことを「低確高ベース状態」や「時短遊技状態」ともいう。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。なお、可能性は限りなく低いが、仮に遊技球が特定領域39を通過した場合には「高確高ベース状態」となる。
なお、遊技状態が「高確高ベース状態」になった場合と「低確高ベース状態」になった場合とにおいて、特別遊技(大当り遊技)の終了後、確率変動機能が作動しているか否か、すなわち特別遊技終了後の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを、遊技者にとって認識し難いものとなるようにすることも可能である。このように、高確率状態なのか低確率状態なのかを認識し難い状態を「確率非報知状態」という。「確率非報知状態」では、遊技進行に応じて行われる演出等のパチンコ遊技機1の外観(見かけ)を通じて高確率状態か否かを認識することが、遊技者にとって難しいもの(実質的に不可能)とされる。この「確率非報知状態」は、例えば、「低確高ベース状態」の終了条件である所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで発生させることが可能である。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。さらに、発射方向表示器47による指示報知とは別に、大当り遊技中や高ベース状態中には、遊技者に右打ちを指示する右打ち指示報知画像が画像表示装置7の表示画面7aに表示される。また、高ベース状態から低ベース状態に移行した際に、遊技者に左打ちを指示する左打ち指示報知画像が画像表示装置7の表示画面7aに表示される。これらの指示報知画像の表示に係る制御は、副制御基板90及び画像制御基板100(演出実行手段)が実行する。
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1においては、確率変動機能及び変動時間短縮機能が作動していない「低確低ベース状態」を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。そして、低確低ベース状態(通常遊技状態)よりも遊技者にとって有利な遊技状態(特定遊技状態)として「低確高ベース状態」や「高確高ベース状態」が設定可能とされている。また、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては大入賞口への遊技球の入球により多量の賞球を得ることが可能な有利な遊技であることから、大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができ、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができる。
なお、低確低ベース状態(通常遊技状態)のことを「第1遊技状態」ともいい、低確低ベース状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である高確高ベース状態(確変遊技状態)や低確高ベース状態(時短遊技状態)のことを「第2遊技状態」ともいう。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
[主制御メイン処理]
次に、図10~図39に基づいて遊技制御用マイコン81の処理内容(主制御部80による制御処理)について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の処理内容の説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、図10に示す主制御メイン処理のプログラムを主制御基板80のROMから読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、副制御基板90や払出制御基板110等に出力する。出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄(大当り図柄)、変動パターン等に関する情報等が含まれる。なお、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。この場合、上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49等(図5を参照))が検知した検知信号を読み込み、その検知信号が賞球払出の契機となるセンサによるものである場合、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、特定領域センサ検知処理(S207)、始動入球時処理(S209)および電源断監視処理(S210)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S211)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまで主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進み、ゲート28を通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進む。一方、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)にはS309に進み、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に「1」を加算する(S307)。
次いで特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
次いでS309では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
次いで特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。なお、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、S502~S505の処理を行うことなく本処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理(S503)では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行った後、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理(S505)では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理(S505)では、副制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りであるか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が当り(普図当り)であるか否かを判定し(S605)、当りでない(外れである)と判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)であると判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域をゼロクリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、そのまま処理を終える。一方、変動時間が経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S802)、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中であるか否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中であるか否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(開放タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(閉鎖タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行うとともに(S1009)、普図当り終了フラグをセットして(S1010)、本処理を終える。なお、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(開閉部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであると判定した場合(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放(補助遊技)は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(S205)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる(図11、図13を参照)。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示部(第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41b)と大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、特図動作ステータスが「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、特図動作ステータスが「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、特図動作ステータスが「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、特図動作ステータスが「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。なお、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、処理中であれば(S1211でYES)、そのまま本処理を終え、処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でないと判定した場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図22に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
次いでS1305では、当否判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」であるか否かを判定する(S1305)。その結果、大当りであると判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、当否判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でない(「外れ」である)と判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。第2特別図柄に係る当否判定(S1303、S1304)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第2当否判定手段」として機能するものである。
ここで、大当り種別を判定するにあたり、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。なお、特別図柄当否判定や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。
[特図2変動パターン選択処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1~P3の何れかが選択される。なお、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」の何れかであるかを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」~「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」の何れかであると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1、2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4~P7の何れかが選択される。一方、S1405で保留数が「1」又は「2」の何れでもない、すなわち「3」又は「4」の何れかであると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3、4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8~P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。その結果、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12~P14の何れかが選択される。
一方、S1408で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」~「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15~P18の何れかが選択される。また、S1410で保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」~「4」のうちの何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2~4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1412)。本実施例では、変動パターンP19~P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)により副制御基板90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図25に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域をゼロクリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図26に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図22に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601~S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出して処理を行う。第1特別図柄に係る当否判定(S1603、S1604)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第1当否判定手段」として機能するものである。なお、第1当否判定手段及び前述の第2当否判定手段の何れか一方又は両方を指して「当否判定手段」ともいう。
[特図1変動パターン選択処理]
図27及び図28に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図23及び図24に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701~S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
[特図1乱数シフト処理]
図29に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S1802)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域をゼロクリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。確変カウンタが「0」であると判定した場合(S1905でYES)、確変フラグをOFFにして(S1906)、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、そのままS1907の処理に移行する。
S1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1909)。時短カウンタの値が「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにして(S1910)、S1911の処理に進む。一方、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)、時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、そのままS1911の処理に進む。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図31に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、今回の大当りの種別が15R大当りであるか否かを判定する(S2002)。その結果、15R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「15」をセットし(S2003)、S2006の処理に移行する。一方、今回の大当りの種別が15R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、大当り種別は7R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「7」をセットし(S2005)、S2006の処理に移行する。
S2006では、ラウンド表示器45の表示態様(点灯態様)を決める点灯パターンデータをセットし(S2006)、S2007の処理に移行する。具体的に、前述のS2002の判定結果、すなわち、今回の大当りの種別(ラウンド数)に応じて、ラウンド表示器45を構成する2個のLED(7R用ランプ、15R用ランプ)の点灯パターンデータをセットする(S2006)。このセットした点灯パターンデータが出力処理(S201)により出力されると、その点灯パターンデータにしたがってラウンド表示器45のLED(ラウンドランプ)が点灯する。
S2007では、当り表示器48の表示態様(点灯態様)を決める点灯パターンデータをセットし(S2007)、S2008の処理に移行する。ここで、当り表示器48は、前述したように、大当りが発生したとき(大当り図柄が表示されたとき)の当該大当りの契機となった特別図柄当否判定が、第1特別図柄当否判定と第2特別図柄当否判定の何れであるのかを示すものである。本実施例のパチンコ遊技機1は、大当りとして「7R大当り」(7R第1,第2大当り)と「15R大当り」(15R第3~第5大当り)とを備えている。そのうち、7R第1,第2大当り及び15R第3大当りは第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合の大当り種別であり、15R第4,第5大当りは第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合の大当り種別である(図6を参照)。そこで、本実施例では、今回の大当り種別に基づいて、当り表示器48を構成する3個のLEDの点灯パターンデータをセットする(S2007)。すなわち、今回の大当りの種別が15R第4大当り又は15R第5大当りである場合、今回の大当りは第2特別図柄当否判定によるもの(「特図2大当り」ともいう。)であるため、これに応じた点灯パターンデータとして、図4に示す「b1~b3」の3個のLEDのうち「b1」及び「b3」のLEDを点灯させるデータをセットする。一方、今回の大当りの種別が7R第1大当り、7R第2大当り及び15R第3大当りの何れかである場合、今回の大当りは第1特別図柄当否判定によるもの(「特図1大当り」ともいう。)であるため、これに応じた点灯パターンデータとして、図4に示す「b1~b3」の3個のLEDのうち「b1」及び「b2」のLEDを点灯させるデータをセットする。このセットした点灯パターンデータが出力処理(S201)により出力されると、その点灯パターンデータにしたがって当り表示器48のLEDが点灯する。
次いでS2008では、大当りの種別(大当りの種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2008)、S2009の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは大当りの種別に応じて定められている(図6を参照)。具体的には、7R第1,第2大当りの何れかであれば、それぞれの大当りに対応した7R大当り用の開放パターンをセットし、15R第3~第5大当りの何れかであれば、それぞれの大当りに対応した15R大当り用の開放パターンをセットする。そして、夫々の大当り遊技において対応する大当り用開放パターンを実行するものとされる。
S2009では、大当りの種別に応じた可動片作動タイミングをセットし、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、Vラウンド(本実施例では7ラウンド目)での可動片150の作動は、第2大入賞口35(「Vアタッカー」ともいう。)への遊技球の入球数に基づいて行われるものとなっており、その作動契機となる入球数が、大当りの種別に応じて定められている(図48を参照)。具体的には、大当りの種別に応じて予め定められた第1所定値C1、第2所定値C2、第3所定値C3をセットする(所定値設定手段)。このS2009でセットした値と、Vラウンド(7ラウンド目)での入球数計数手段による計数値(Vアタッカーへの入球数)とに基づいて、可動片150の作動制御が行われこととなる。なお、第2所定値C2及び第3所定値C3は、大当りの種別が「V非通過予定大当り」である場合にはセットせず、「V通過予定大当り」である場合にのみセットする。
次いでS2010では、大当り遊技を開始すべく大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。オープニングコマンドは、大当りの種別によって定められており、7R第1大当り用オープニングコマンド、7R第2大当り用オープニングコマンド等、各大当りに対応して夫々設けられている。そして、セットされたオープニングコマンドによって、その後、対応するオープニング期間が実行される。主制御部80は、セットしたオープニングコマンドを出力処理(S201)によりサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90では、オープニング期間に対応した所定の遊技演出を行うものとされる。また、S2011では、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図32に示すように、特別電動役物処理(S1108)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFし(S2104)、S2105の処理に移行する。なお、S2101でNOと判定された場合、確変フラグをOFFにすることなくS2103の処理に移行し、S2103でNOと判定された場合、時短フラグをOFFにすることなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。すなわち、大当り遊技を構成する全てのラウンドが終了したことを示すフラグである。この大当り終了フラグは後述のS2121でONとなる。
S2105で大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、後述の大入賞口閉鎖処理が終了したか否かによって判定する。
S2106でラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行って(S2108)、処理を終える。これにより、大入賞口が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。なお、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により副制御基板90に送信される。また、S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターンであって、開始されるラウンドに定められた開放パターンが開始される。
一方、S2106でラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2111の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合としては、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間実行中、ラウンド実行中(ラウンド遊技中)、ラウンド終了後のインターバル期間中等が挙げられる。S2111では、ラウンドの実行中であるか否か、すなわち、S2108で開始した所定の開放パターンに基づいて大入賞口が開放中であるか否かを判定する(S2111)。その結果、ラウンド実行中(大入賞口が開放中)であると判定した場合(S2111でYES)、次いで、実行中のラウンドがVラウンドであるか否かを判定する(S2112)。前述したように、本実施例では大当り遊技の7ラウンド目をVラウンドとしていることから、ここでは7ラウンド目であるか否かを判定する。そして、実行中のラウンドがVラウンド(7ラウンド目)であれば(S2112でYES)、後述するVラウンド処理を行い(S2113)、Vラウンドでなければ(7ラウンド目以外のラウンドであれば)、Vラウンド処理(S2113)を行うことなくS2114の処理に移行する。
S2114では、実行中のラウンドのラウンド終了条件が成立したか否かを判定する(S2114)。ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンドに定められたラウンド実行時間(本実施例では「25秒」)が経過したこと(又は、実行中のラウンドに定められた開放パターンを終了したこと)、(2)実行中のラウンドにおいて当該実行中のラウンドに定められた規定数(本実施例では「9個」)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立となる。遊技球が正常に発射(右打ち)されて遊技領域3(右遊技領域3B)を滞りなく流下する限り、通常、(2)の条件がラウンド終了条件として成立する。これに対し、S2114でラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2114でNO)、処理を終える。
一方、S2114でラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2114でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2115)、S2116の処理に移行する。S2115では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により副制御基板90に送信される。
S2116では後述の大入賞口閉鎖処理を行い、次いで、大入賞口閉鎖処理が終了したか否かを判定する(S2117)。詳細には後述するが、大入賞口閉鎖処理(S2116)では、主に、ラウンド終了に伴う大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の閉鎖処理、インターバル期間設定処理、VラウンドにおけるVアタッカーへの入球数と排出数との比較判定処理、比較判定の結果に基づくリトライ処理及びエラー処理等が実行される。これらの処理が終了すると、S2117にて大入賞口閉鎖処理が終了(完了)したと判定される(S2117でYES)。大入賞口閉鎖処理の実行中は後述の閉鎖処理フラグがONにされており、大入賞口閉鎖処理が終了(完了)すると、閉鎖処理フラグがOFFにされる。従って、S2117の判定は、閉鎖処理フラグのON/OFFに基づいて行われる。なお、大入賞口閉鎖処理において実行可能とされるインターバル期間設定処理、比較判定処理、リトライ処理及びエラー処理の夫々を個別に「確認処理」ともいい、これらの処理を総じて確認処理ともいう。
S2117で大入賞口閉鎖処理が終了していない(閉鎖処理フラグがONである)と判定した場合(S2117でNO)、そのまま本処理を終える。一方、S2117で大入賞口閉鎖処理が終了した(閉鎖処理フラグがOFFである)と判定した場合(S2117でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2118)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2119)。そして、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2119でNO)、そのまま処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2119でYES)、大当り終了処理を行い(S2120)、次いで大当り終了フラグをONにして(S2121)、処理を終える。なお、ラウンドカウンタの値は、実行する大当りにおける全てのラウンドが終了すると「0」になる。
S2120における大当り終了処理では、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに大当りのエンディング期間を開始する処理を行う。エンディングコマンドは、大当りとなった際の遊技状態、大当りの種別情報及びVフラグのON/OFFに基づいて、複数のエンディングコマンドの中から選択されてセットされる。セットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間が異なるものとなっている。例えば、第1特別図柄に係る大当り遊技の終了に際して設定(セット)されるエンディング期間(エンディング時間)は10秒、第2特別図柄に係る大当り遊技の終了に際して設定(セット)されるエンディング期間(エンディング時間)は5秒、といったように、特別図柄の種類に応じて異なるものとすることが可能である。これは、第2特別図柄は主として高ベース状態(右打ち遊技状態)で変動表示されるものであり、いわゆる初当りに続く次の大当り(いわゆる「連荘」)を狙う遊技状態なので、第1特別図柄に係るエンディング時間よりも第2特別図柄に係るエンディング時間を短くすることで、高ベース状態での遊技をスピーディー(円滑)に進行させることができるからである。あるいは、V通過予定大当りに係る大当り遊技の終了に際して設定(セット)されるエンディング期間(エンディング時間)は2秒、V非通過予定大当りに係る大当り遊技の終了に際して設定(セット)されるエンディング期間(エンディング時間)は10秒、といったように、大当りの種類に応じて異なるものとすることが可能である。これも、V通過予定大当りに係る大当り遊技の終了後は、原則、高確高ベース状態(高確率状態)となるので、連荘が発生し得る遊技状態となり、こうした遊技状態での遊技をスピーディーに進行させることができるからである。なお、エンディング期間(エンディング時間)は、特別図柄や大当り等の種類に関係なく同じとすることも可能である。
ここで、エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)中、大入賞口は閉鎖状態とされる。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。また、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」に実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。
前述のS2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したかどうかを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S206)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。以上の特別電動役物処理(S1108)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「特別遊技実行手段」として機能するものである。
[Vラウンド処理]
図33に示すように、Vラウンド処理(S2113)では、まず、Vアタッカー(第2大入賞口35)に設けられた可動片150が非作動状態(第2振分状態)にあるか否かを判定する(S2701)。その結果、作動状態(第1振分状態)にあると判定した場合(S2701でNO)、後述のS2709の処理に移行し、非作動状態にあると判定した場合(S2701でYES)、Vラウンド中のVアタッカーへの遊技球の入球数、すなわち、前述の入球数計数手段による計数値を判定する(S2702)。
前述したように、Vラウンドでは、Vアタッカーへの遊技球の入球数に基づいて可動片150が作動するものとなっており、その作動契機となる入球数を定める所定値(第1所定値C1~第3所定値C3。図48を参照。)が、前述のS2009でセットされる。S2702では、今回のVラウンドでの入球数計数手段による計数値が、S2009でセットした第1所定値C1であるか否かを判定する(S2702)。本実施例では第1所定値C1を「1」としているので、S2702では、入球数計数手段による計数値が「1」であるか否かを判定する。その結果、計数値(Vアタッカーへの入球数)が「1」であれば(S2702でYES)、S2703及びS2704の処理を行い、「1」でなければ(S2702でNO)、S2703及びS2704の処理を行うことなくS2705の処理に移行する。
S2703では、可動片150の第1作動を行う(S2703)。これにより、非作動状態(第2振分状態)にあった可動片150が作動状態(第1振分状態)となる。次いでS2704では、特定領域有効期間を開始(設定)する(S2704)。特定領域有効期間(「V有効期間」ともいう。)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知(特定領域39への遊技球の通過)を有効とする期間のことであり、可動片150が作動する(作動状態になる)ことに伴って開始(設定)される。これとは逆に、特定領域有効期間以外の期間は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効とする期間(「特定領域無効期間」又は「V無効期間」ともいう。)である。可動片150が非作動状態にあるときには特定領域無効期間(特定領域有効期間外)となり、当該無効期間中に遊技球が特定領域センサ39aにより検知されると、当該検知は無効とされ、特定領域39への遊技球の通過に関するエラーの一種である「特定領域異常通過(V異常通過)」が発生したと判定される(エラー判定手段)。
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミング(すなわちV有効期間に特定領域センサ39aで遊技球を検知したタイミング)で、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(S207)では、特定領域有効期間中のV通過検知時のみVフラグをONし、特定領域有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる。すなわち、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述のS2124を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
次いでS2705では、実行中のVラウンド(大当り遊技)がV通過予定大当りに係るものであるか否かを判定する(S2705)。V通過予定大当りの場合、Vラウンド中に可動片150の1回目の作動(短開放パターン)が行われた後、その後のVアタッカーへの遊技球の入球に基づいて作動し得る構成となっている。そこで、S2705では、実行中のVラウンドがV通過予定大当りに係るものであるか否かを判定し、V通過予定大当りでないと判定した場合(S2705でNO)、すなわち、実行中のVラウンドがV非通過予定大当りに係るものである場合、S2705~S2708の処理を行うことなく本処理を終える。
一方、実行中のVラウンドがV通過予定大当りに係るものであると判定した場合(S2705でYES)、Vアタッカーへの遊技球の入球数(入球数計数手段による計数値)を判定する(S2706)。ここでは、当該Vラウンドでの入球数計数手段による計数値が、S2009でセットした第2所定値C2であるか否かを判定する(S2706)。本実施例では第2所定値C2を「2」としているので(図48を参照)、S2706では、入球数計数手段による計数値が「2」であるか否かを判定する。その結果、計数値(Vアタッカーへの入球数)が「2」であれば(S2706でYES)、S2707及びS2708の処理を行い、「2」でなければ(S2706でNO)、S2707及びS2708の処理を行うことなく本処理を終える。
S2707及びS2708の処理は、前述のS2703及びS2704の処理と同様である。したがって、当該処理についての説明は省略する。
以上までが非作動状態にある可動片150を作動状態に変化させる場合の処理である。これに対し、前述のS2701にて可動片150が非作動状態にないと判定した場合、すなわち、可動片150が作動状態にあると判定した場合(S2701でYES)、可動片150の作動時間が経過したか否かを判定する(S2709)。前述のように、入球数計数手段による計数値が第1所定値C1(本例では「1」)となって可動片150の第1作動が実行された場合(S2702でYES、S2703)、その後、第1作動時間(本例では「80ms」)が経過すると可動片150の第2作動が実行される。一方、入球数計数手段による計数値が第2所定値C2(本例では「2」)となって可動片150の第1作動が実行された場合(S2706でYES、S2707)、その後、入球数計数手段による計数値が第3所定値C3(本例では「9」)となる前に第2作動時間(本例では「23000ms」)が経過すると可動片150の第2作動が実行される。したがってS2709では、可動片150の作動状態が、入球数計数手段による計数値が第1所定値C1となったこと(Vアタッカーへの1個目の入球)に基づく1回目の作動によるものであれば、可動片150の作動時間として第1作動時間が経過したか否かを判定し、入球数計数手段による計数値が第2所定値C2となったこと(Vアタッカーへの2個目の入球)に基づく2回目の作動によるものであれば、可動片150の作動時間として第2作動時間が経過したか否かを判定する。なお、1回目の作動であるか2回目の作動であるかの判別は、例えば、可動片150の第1作動を実行する際(S2703、S2707)、その作動契機が第1所定値C1(1個目の入球)なのか第2所定値C2(2個目の入球)なのかを示すフラグをセット(ON)することとし、そのフラグを参照することにより行うことができる。
S2709にて可動片150の作動時間が経過したと判定した場合(S2709でYES)、可動片150の第2作動を行う(S2710)。これにより、作動状態(第1振分状態)にあった可動片150が非作動状態(第2振分状態)となる。次いでS2711では、特定領域有効期間終了タイマに所定の計測時間(所定時間)を設定し、当該タイマによる計時を開始させる(S2711)。本実施例では、前述のS2704及びS2708で開始される特定領域有効期間の終期を、可動片150の作動終了後、所定時間が経過したタイミングとしている。すなわち、Vラウンドでの可動片150の作動開始から、当該作動終了後の所定時間(本例では1.5秒)が経過するまでの間を、特定領域有効期間(V有効期間)としている。S2711では、その特定領域有効期間の終期を定める所定時間を計測時間として設定する。このように可動片150の作動終了後も特定領域有効期間を継続させるのは、可動片150の作動終了間際に遊技球が特定領域39を通過して当該遊技球が特定領域39aにより検知された場合、その検知を有効なものとして扱うためである。なお、特定領域有効期間のうち、可動片150の作動終了後の期間(本例では1.5秒間)のことを「特別有効期間」ともいう。この特別有効期間が経過した後にV無効期間となる。また、後述する可動片150のリトライ処理の実行期間中は、可動片150が作動するもののV有効期間が設定されることはなく、V無効期間となる。
一方、S2709にて可動片150の作動時間が経過していないと判定した場合(S2709でNO)、実行中のVラウンド(大当り遊技)がV通過予定大当りに係るものであるか否かを判定する(S2712)。その結果、V通過予定大当りでない(V非通過予定大当りである)と判定した場合(S2712でNO)、そのまま本処理を終える。これに対し、V通過予定大当りであると判定した場合(S2712でYES)、Vアタッカーへの遊技球の入球数(入球数計数手段による計数値)を判定する(S2713)。ここでは、当該Vラウンドでの入球数計数手段による計数値が、S2009でセットした第3所定値C3であるか否かを判定する(S2713)。本実施例では、第3所定値C3を「9」としているので(図48を参照)、S2713では、入球数計数手段による計数値が「9」であるか否かを判定する。その結果、計数値(Vアタッカーへの入球数)が「9」でなければ(S2713でNO)、そのまま本処理を終え、「9」であれば、前述したS2710及びS2711の処理を行い、本処理を終える。
ここで、前述したように、V通過予定大当りに係るVラウンドにおいて、2回目の作動(第1作動)により作動状態となった可動片150が非作動状態になるのは、Vアタッカーへの9個目の入球が検知される(入球数検知手段による計数値が第3所定値C3になる)ことに基づくのが通常である。したがって、V通過予定大当りに係るVラウンドにて可動片150が2回目の作動(第1作動)を行った後、S2709にて作動時間が経過したと判定されることは稀であり、ほとんどの場合、S2713にてVアタッカーへの入球数(入球数検知手段による計数値)が第3所定値C3であると判定されて、可動片150が非作動状態になる。本実施例では、この可動片150が非作動状態となる契機である第3所定値C3をVアタッカーの規定数と同数の値である「9」としているため、Vラウンド終了とともに可動片150が非作動状態になる。したがって、2回目の作動(第1作動)により作動状態となった可動片150が非作動状態に変化する条件が成立するまでは、Vラウンドが終了しないこととなる。換言すると、Vラウンドにて可動片150が2回目の作動(第1作動)を行って作動状態(第1振分状態)となった後、Vラウンドが終了するまでその作動状態が保たれることとなる。
以上のVラウンド処理(S2113)により可動片150の作動制御を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「振分制御手段」として機能するものである。また、Vラウンド処理(S2113)におけるS2708及びS2711の処理を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「有効期間設定手段」として機能するものである。
[大入賞口閉鎖処理]
図34に示すように、大入賞口閉鎖処理(S2116)では、まず、閉鎖処理フラグがONであるか否かを判定する(S2801)。閉鎖処理フラグは、大入賞口閉鎖処理の実行状況を示すフラグであり、大入賞口閉鎖処理の実行中をONで示し、非実行中をOFFで示す。
S2801にて閉鎖処理フラグがONであると判定した場合(S2801でYES)、後述のS2804の処理に移行し、閉鎖処理フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S2801でNO)、閉鎖処理フラグをONにして(S2802)、インターバル期間を開始する(S2803)。S2803では、ラウンド終了後のインターバル時間(500ms又は2000ms)をセットして当該時間の計測を開始する。インターバル時間(インターバル期間)は終了するラウンド(非Vラウンド又はVラウンド)に応じてセットされる。
次いでS2804では、先のラウンド終了条件の成立(S2114でYES)により終了したラウンドがVラウンドであるか否かを判定する(S2804)。その結果、終了したのがVラウンドである場合(S2804でYES)、後述の比較判定処理(S2805)を行ってS2806の処理に移行し、終了したのがVラウンドでない(非Vラウンド)である場合(S2804でNO)、比較判定処理(S2805)を行うことなくS2806の処理に移行する。
ここで、Vラウンドでは、Vアタッカー内の特定領域39を開閉するための可動片150を作動させるため、可動片150に遊技球が噛む等して、アタッカー内に遊技球が詰まってしまう虞がある。そこで、後述の比較判定処理(S2805)によりVアタッカーの入球数と排出数とを比較(管理)して、球詰まりが発生しているか否かを確認するのである。また、糸吊りゴトや電波ゴト等の不正行為によりV通過(特定領域検知スイッチ39aによる遊技球検知)を意図的に発生させた場合には、入球数と排出数とが一致しないことがあるため、こうした入球数と排出数との比較により不正行為を発見し、不測の損害が発生するのを未然に防止することも可能となる。
次いでS2805では、インターバル期間が終了(インターバル時間が経過)したか否かを判定する(S2805)。その結果、インターバル期間が終了していないと判定した場合、すなわち、インターバル時間の計測中であると判定した場合(S2805でNO)、そのまま本処理を終える。一方、インターバル期間が終了したと判定した場合(S2704でYES)、閉鎖処理フラグをOFFにして(S2807)、本処理を終える。
[比較判定処理]
図35に示すように、比較判定処理(S2805)では、まず、VラウンドにてVアタッカー(第2大入賞口35)に入球した遊技球の数(入球数)と、Vアタッカーから排出された遊技球の数(排出数)とを比較判定する(S2901)。この比較判定は、入球数と排出数とを比較して両者が一致するか否かを判定するものである。
ここで、前述したように、VラウンドにてVアタッカーに入球した遊技球は第2大入賞口センサ35aにより検知され、その検知数(入球数)が入球数計数手段により計数される。また、第2大入賞口センサ35aにより検知された遊技球は、その後、特定領域センサ39a又は非特定領域センサ49aにより検知され(特定領域39又は非特定領域49を通過し)、その検知数(排出数)が排出数計数手段により計数される。S2901では、その入球数計数手段による計数値(入球数)と排出数計数手段による計数値(排出数)とを比較判定する。すなわち、第2大入賞口センサ35a(入球検知手段)、特定領域センサ39a(第1通過検知手段)及び非特定領域センサ49a(第2通過検知手段)の検知結果に基づいて、Vアタッカーへの入球数と排出数とを比較判定する。このS2901の処理を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「比較判定手段」として機能するものである。
次いでS2902では、S2901における比較判定の結果、Vラウンド中のVアタッカーへの入球数と排出数とが一致したか否かを判定する(S2902)。その結果、入球数と排出数とが一致した場合(S2902でYES)、S2903以降の処理を行うことなく本処理を終える。入球数と排出数とが一致した場合、Vアタッカーへの遊技球の入球及び排出が正常に行われていると判断できるため、S2903以降の処理を行うことなく本処理を終えるのである。
一方、S2902でVアタッカーへの入球数と排出数とが一致しない(不一致)と判定した場合(S2902でNO)、リトライ処理の実行時期(開始時期)であるか否かを判定する(S2903)。本実施例では、Vラウンド終了から1600ms(1.6秒)が経過したタイミングをリトライ処理の実行時期としており、その間、Vアタッカーへの入球数と排出数との比較判定(S2901)が実行可能となっている。そして、入球数と排出数とが不一致のままVラウンド終了から1600msが経過すると、リトライ処理の実行時期となる(S2903でYES)。したがって、S2903では、Vラウンド終了から1600msが経過したか否かを判定する。
S2903でリトライ処理の実行時期(開始時期)でないと判定した場合(S2903でNO)、S2906の処理に移行する。一方、リトライ処理の実行時期であると判定した場合(S2903でYES)、不一致となっている入球数と排出数に関し、排出数が入球数よりも少ないか否かを判定する(S2904)。その結果、排出数が入球数よりも多い場合(S2904でNO)、S2906の処理に移行し、排出数が入球数よりも少ない場合(S2904でYES)、リトライ処理を実行して(S2905)、本処理を終える。
ここで、リトライ処理とは、可動片150の作動・停止(可動片ソレノイド151のON/OFF)を所定回数繰り返し行う(複数回実行する)処理である。Vアタッカーへの入球数が排出数を超えている場合、Vアタッカーに入球した遊技球が未だ特定領域39又は非特定領域49を通過していない(特定領域センサ39a又は非特定領域センサ49aにより検知されていない)こととなる。この原因として、特定領域センサ39a又は非特定領域センサ49aに向かう経路(遊技球通路)上での球詰まりや可動片150による球噛み等が考えられる。そこで、可動片150による球噛み等の解消を図るべくリトライ処理を実行するのである。
本実施例では、リトライ処理の実行時間(実行期間)を280msとしている。そして、Vラウンド終了からリトライ処理の実行時期が到来するまでの期間(1600ms)及びリトライ処理の実行期間(280ms)が経過するまでの間(1880ms)、Vアタッカーへの入球数と排出数との比較判定(S2901)が所定の割り込み周期(例えば4ms周期)で実行される。このため、Vラウンドの終了に伴って1回目の比較判定が実行された後、リトライ処理の実行時期が到来するまでに、当該1回目の比較判定を含めて複数回の比較判定が実行される。また、リトライ処理が実行された場合、その実行期間中も複数回の比較判定が実行され得る。Vラウンド終了後、リトライ処理の実行時期が到来するまでの1又は複数回の比較判定の結果、入球数と排出数とが一致すると判定されると(S2902でYES)、リトライ処理や後述のエラー処理を行うことなく、比較判定処理(S2805)が終了することとなる。また、リトライ処理の実行開始後、当該リトライ処理の実行期間中における1又は複数回の比較判定の結果、入球数と排出数とが一致すると判定されると(S2902でYES)、後述のエラー処理を行うことなく、比較判定処理(S2805)が終了する。この場合、球噛み等がリトライ処理によって解消されたということになる。
なお、本実施例では、Vアタッカーの排出数が入球数よりも少ない(Vアタッカーへの入球数が排出数よりも多い)場合に限りリトライ処理を実行するものとしている(S2904でYES、S2905)。つまり、排出数が入球数よりも多い場合、リトライ処理は実行されない(S2904でNO)。これは、排出数が入球数よりも多い(入球数が排出数よりも少ない)ということは、Vアタッカー内の特定領域センサ39aや非特定領域センサ49aの上流側で球詰まりや球噛み等が発生しているとは考え難く、リトライ処理を実行したところで排出数が入球数よりも多い状況の解消に繋がることはまず無いからである。したがって本実施例は、無駄なリトライ処理(可動片150の作動)を実行するのを回避(排除)した構成となっている。
次いでS2906では、エラー処理の実行時期(開始時期)であるか否かを判定する(S2906)。本実施例では、Vラウンド終了から1880ms(1600ms+280ms)が経過したタイミングをエラー処理の実行時期としている。このため、Vラウンド終了後、Vアタッカーへの入球数と排出数とが不一致のまま1880msが経過すると、エラー処理の実行時期となり(S2906でYES)、これに応じて所定のエラー処理を実行して(S2907)、本処理を終える。一方、S2906でエラー処理の実行時期でないと判定した場合(S2906でNO)、エラー処理を実行することなく本処理を終える。
S2907で実行するエラー処理は、不一致となっている入球数と排出数との関係、すなわち、不一致の状況に応じて、処理内容が異なるものとなっている。
具体的に、Vアタッカーの排出数が入球数よりも少ない場合、(A1)画像表示装置7の表示画面7aに「Vアタッカー不一致エラー」のメッセージ(第1エラー文字画像)を表示、(A2)枠ランプ66を赤色点灯、(A3)スピーカ67からエラー報知音を出力、(A4)特別図柄表示部(第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41b)の作動を停止、(A5)大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の作動を停止、の5つの処理をエラー処理として実行する。排出数が入球数よりも少ない場合に実行するエラー処理(本例では(A1)~(A5)の5つの処理)のことを「第1エラー処理」ともいう。また、画像表示装置7、枠ランプ66及びスピーカ67を用いて行う(A1)~(A3)のエラー処理は、Vアタッカーの排出数が入球数よりも少ない異常(「第1エラー」ともいう。)の発生を外部に報知するものであり、当該報知のことを「第1エラー報知」ともいう。
一方、Vアタッカーの排出数が入球数よりも多い場合、(B1)画像表示装置7の表示画面7aに「Vアタッカー異常排出エラー」のメッセージ(第2エラー文字画像)を表示、(B2)枠ランプ66を青色点灯、の2つの処理をエラー処理として実行する。排出数が入球数よりも多い場合に実行するエラー処理(本例では(B1)及び(B2)の2つの処理)のことを「第2エラー処理」ともいう。また、画像表示装置7及び枠ランプ66を用いて行う(B1)及び(B2)のエラー処理は、Vアタッカーの排出数が入球数よりも多い異常(「第2エラー」ともいう。)の発生を外部に報知するものであり、当該報知のことを「第2エラー報知」ともいう。
本実施例では、第1エラー処理において、第1エラー報知に加え特別図柄表示部及び大入賞装置の作動を停止させる一方、第2エラー処理では特別図柄表示部及び大入賞装置の作動を停止させずに第2エラー報知を行うものとしている。このような構成を採用したのは次の理由による。すなわち、第1エラー(排出数<入球数)が発生した場合、球詰まりや球噛み等によりVアタッカー内に遊技球が残存している可能性があり、このままの状況で大当り遊技(ラウンド遊技)を実行することはVアタッカー(第2大入賞装置36)の破損や故障を招く虞があり、延いては大当り遊技(ラウンド遊技)を正常に進行させることができなくなる虞がある。また、V通過予定大当りに係る大当り遊技中のVラウンドで球詰まりや球噛み等が発生して、V通過する筈の遊技球がV通過できない状況となった場合、このまま遊技を進めてしまうと、本来、遊技者が獲得できたはずの特典(高確率状態)を獲得できないまま遊技が進行することになるため、遊技者にとっては不利益となり、そのことが原因で遊技者と遊技ホールとのトラブルに発展する虞もある。こうした観点から、第1エラー(排出数<入球数)が発生した場合には、以後、特別図柄表示部及び大入賞装置の作動を停止させて、遊技の進行を停止させることとしている。なお、特別図柄表示部の作動を停止させるとは、特別図柄の変動表示を実行不能にすることである。また、大入賞装置の作動を停止させるとは、第1大入賞口30及び第2大入賞口35(Vアタッカー)を閉鎖した状態(第2状態)に維持して(開放不能として)、ラウンド遊技を実行不能(大当り遊技を進行不能)にすることである。
これに対し、第2エラー(排出数>入球数)が発生した場合、Vアタッカー(特定領域39、特定領域センサ39a)に対する糸吊りゴトや電波ゴト等の不正行為が原因で第2エラーが発生したと考えられる。この場合、第1エラーのときのような、Vアタッカー(第2大入賞装置36)の破損や故障等を招いたり、遊技者が本来獲得できたはずの特典(高確率状態)を獲得することができないといった不利益が生じたりすることはまず起きないため、遊技の進行を停止させる必要性は低い。その一方で、不正行為の可能性があることから、第2エラーの発生を外部に報知することは必要である。こうした観点から、第2エラー(排出数>入球数)が発生した場合には、特別図柄表示部及び大入賞装置の作動を停止させることなく、エラー報知(第2エラー報知)だけ行うこととしている。なお、第2エラーが発生した場合においても、特別図柄表示部及び大入賞装置の作動を停止させるようにすることも可能である。
このように本実施例では、第1エラー処理と第2エラー処理とで処理内容を異ならせており、第1エラー処理の方が第2エラー処理に比べ処理数が多いものとなっている。このため、第1エラーは第2エラーよりも重度のエラーとして捉えることができる。なお、エラー処理の内容や処理数は本実施例で示すものに限定されるものではない。
S2907では、第1エラー処理を実行する場合、特別図柄表示部の作動を停止させるための特別図柄変動禁止フラグ及び大入賞装置の作動を停止させるための大入賞装置作動禁止フラグを、それぞれONにする。特別図柄変動禁止フラグがONとなっている場合、遊技制御用マイコン81は特別図柄の変動表示を新たに開始しない構成となっている。また、大入賞装置作動禁止フラグがONとなっている場合、遊技制御用マイコン81はラウンド遊技を新たに開始しない構成となっている。
またS2907では、第1エラー処理を実行する場合、「Vアタッカー不一致エラー」のメッセージ表示、枠ランプ66の赤色点灯、及び、スピーカ67からのエラー報知音出力を指示する第1エラー報知コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットされた第1エラー報知コマンドは、S201の出力処理により副制御基板90に送信される。副制御基板90の演出制御用マイコン91は、送信されてきた第1エラー報知コマンドに基づいて、「Vアタッカー不一致エラー」のメッセージ表示、枠ランプ66の赤色点灯、及び、スピーカ67からのエラー報知音出力を実行する。
さらにS2907では、第2エラー処理を実行する場合、「Vアタッカー異常排出エラー」のメッセージ表示、及び、枠ランプ66の青色点灯を指示する第2エラー報知コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットされた第2エラー報知コマンドは、S201の出力処理により副制御基板90に送信される。副制御基板90の演出制御用マイコン91は、送信されてきた第2エラー報知コマンドに基づいて、「Vアタッカー異常排出エラー」のメッセージ表示、及び、枠ランプ66の青色点灯を実行する。
第1エラーが発生して第1エラー処理が実行された場合、Vアタッカー内の球詰まりや球噛みを解除した後、RAMクリアの実行を指示するRAMクリアスイッチ(図示せず)を押下した状態で本パチンコ遊技機1の電源を再投入することで、第1エラー処理が終了して第1エラーが解除される。つまり、第1エラー報知が終了するとともに、特別図柄変動禁止フラグ及び大入賞装置作動禁止フラグがOFFになる。
第2エラーが発生して第2エラー処理が実行された場合、RAMクリアの実行を指示するRAMクリアスイッチ(図示せず)を押下した状態で本パチンコ遊技機1の電源を再投入することで、第2エラー処理が終了して第2エラーが解除される。つまり、第2エラー報知が終了する。但し、第2エラーの発生後(第2エラー処理の実行後)、所定時間(例えば5分)が経過した時点で第2エラー報知が終了する(第2エラーが解除される)。不正行為の可能性があることをエラー報知により遊技ホールの管理者や店員(遊技ホール関係者)等に認識させることができれば足るからである。
なお、S2905の処理を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「リトライ処理手段」として機能するものである。また、S2907の処理を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「エラー処理手段」として機能するものである。
本実施例では、以上の比較判定処理(S2805)が、Vラウンドが終了した後のインターバル期間(所定期間)において実行される。ここで、7R大当りに係る大当り遊技(「7R大当り遊技」ともいう。)が実行され、当該7R大当り遊技のVラウンドが終了した場合、7ラウンド目がVラウンドであるため、Vラウンドの終了をもって当該7R大当り遊技が終了する。そして、Vラウンド終了後のインターバル期間の後に続いてエンディング期間が設定される(S2120)。この場合、Vラウンド終了後のインターバル期間開始からエンディング期間終了までの一連の期間を一のエンディング期間(終了期間)として捉えることができる。つまり、7R大当り遊技のVラウンドが終了して比較判定処理(S2805)が実行される場合、当該比較判定処理は、Vラウンドとしての最終ラウンドが終了した後のエンディング期間(終了期間)において実行されるともいえる。
[遊技状態設定処理]
図36に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、VフラグがONであるか否かを判定する(S2201)。Vフラグは、後述の特定領域センサ検知処理(S207)においてONにされるフラグである。S2201にてVフラグがONであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2202)、確変カウンタに「200」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにする(S2204)。そして、時短フラグをONにすると共に(S2206)、時短カウンタに「200」をセットし(S2207)、処理を終える。すなわち、本実施例のパチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
ここで、VフラグがONの場合に、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例では、確変カウンタに「200」をセットすることから、200回の特別図柄の変動表示(特別図柄当否判定)が実行されるまで高確率状態は継続されることとなる。但し、200回の間に大当りとなった場合には、その大当り遊技の実行に際して高確率状態は終了する。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「200」がセットされるため、高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も設定され、高確率状態の終了とともに時短状態も終了することとなる。
一方、S2201でVフラグがOFFであると判定した場合(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにすると共に(S2209)、時短カウンタに「100」をセットし(S2210)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。また、7R第1大当り等のV通過予定大当りに係る大当り遊技にて、遊技球の発射がない等の何らかの事情でVラウンド中のV通過がなかった場合にも(VフラグがOFF)、当該大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定されることなく、時短状態(低確高ベース状態)となる。低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。なお、時短カウンタ及び確変カウンタにセットする値は本実施例に限定されるものではなく、遊技性や出球率等を考慮して値を定めることが可能である。以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで特定領域センサ検知処理(S207)を行う。図37に示すように、特定領域センサ検知処理(S207)ではまず、特定領域39への遊技球の通過(V通過)があったことを示すVフラグがOFFであるか否かを判定する(S2400)。その結果、VフラグがOFFでない、すなわちONであると判定した場合(S2400でNO)、S2401以降の処理を行うことなく本処理を終える。VフラグがONである場合、すでにV通過が発生して後述のS2403の処理を実行済だからである。
一方、S2400にてVフラグがOFFであると判定した場合(S2400でNO)、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。その結果、特定領域センサ39aによる検知がないと判定した場合(S2401でNO)、そのまま本処理を終了する。一方、特定領域センサ39aによる検知があったと判定した場合(S2401でYES)、その検知が特定領域有効期間中であるか否かを判定する(S2402)。
S2402にて特定領域有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、特定領域通過コマンドをRAMの出力バッファにセットし(S2404)、処理を終える。つまり、Vラウンド(7ラウンド目)にて第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域有効期間中に特定領域39を通過すると(特定領域センサ39aにより検知されると)、これを契機にVフラグがONになり、特定領域通過コマンドがセットされる。このセットされた特定領域通過コマンドが出力処理(S201)により副制御基板90に送信されると、副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、送信されてきた(受信した)特定領域通過コマンドに基づいて、画像表示装置7(表示画面7aやスピーカ67等を用いて所定の遊技演出(例えばV通過報知演出)を実行する。特定領域通過コマンドのセット(送信)は、Vラウンド中(特定領域有効期間中)の1個目の特定領域通過(最初のV通過)に基づいて実行されるものであり、2個目以降のV通過については実行されない。
なお、S2403及びS2404の処理は、V通過予定大当り又はV非通過予定大当りのVラウンドにて可動片150が短開放パターンで作動したことを契機に遊技球が特定領域39を通過した場合と、V通過予定大当りのVラウンドにて可動片150が長開放パターンで作動したことを契機に遊技球が特定領域39を通過した場合との何れにおいても実行される。したがって、本実施例では、V通過を前提としないV非通過予定大当りでV通過するというイレギュラーな事象が発生しても、そのイレギュラーなV通過は有効なV通過として処理される。
これに対し、S2402にて特定領域有効期間中でない(V無効期間である)と判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、無効期間通過コマンドをRAMの出力バッファにセットし(S2405)、本処理を終える。すなわち、特定領域有効期間以外の期間(V無効期間)に遊技球が特定領域39を通過した場合(特定領域センサ39aにより検知された場合)、当該通過は特定領域異常通過(特定領域エラー)であり、そのことを示す無効期間通過コマンドがセットされる。このセットされた無効期間通過コマンドが出力処理(S201)により副制御基板90に送信されると、副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、送信されてきた(受信した)無効期間通過コマンドに基づいて、画像表示装置7(表示画面7a)や枠ランプ66、盤面ランプ5、スピーカ67等を用いて所定のエラー報知を行う。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S207)に次いで始動入球時処理(S209)を行う。図38に示すように、始動入球時処理(S209)ではまず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2502)。その結果、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S2502でNO)、S2506の処理に移行する。一方、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2502でYES)、S2503の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。
S2503では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S2503)。次いでS2504では、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S2504)。具体的に、始動口への入球時に取得した特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)が、現在の遊技状態(低確率状態か、高確率状態か)に応じて、大当りか、外れかを判定する。また、判定結果(事前判定結果)が大当りである場合には、大当りの種別を判定する。これは、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303、S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
なお、事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブル、に基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや、大当り種別や、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS2505では、S2501で読み出した第2特別図柄に係る保留球数データと、S2504で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図2始動入球コマンドとして生成し、RAMの出力バッファにセットする(S2505)。なお、特図2始動入球コマンドとして、S2503で読み出した特図2取得乱数の値の一部又は全部を、そのまま副制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、第2特別図柄の保留球数はいくつか、大当り種別は何れか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
なお、不正防止の観点から、S2503で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、セットすることが可能である。
次いでS2506では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2506)。その結果、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S2506でNO)、そのまま処理を終える。一方、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2506でYES)、S2507の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。
S2507では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S2507)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S2507でYES)、そのまま処理を終える。一方、S2507で、時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S2507でNO)、S2508以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このような大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合(S2507でYES)、S2508以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S2508~S2510の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S2508)、読み出した取得乱数値について事前判定を行い(S2509)、S2501で読み出した第1特別図柄に係る保留球数データと、S2509で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図1始動入球コマンドとして生成し、RAMの出力バッファにセットする(S2510)。なお、S2509の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603、S1609)に先立って行うものである。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S209)に次いで電源断監視処理(S210)を行う。図39に示すように、電源断監視処理(S210)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、大当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶(バックアップ)するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(S105)に戻ることなくループ処理を行う。S2602では、現在の遊技機の状態に関するデータの他にも、バックアップの対象として予め定めた任意のデータを記憶(バックアップ)することが可能である。本実施例では、前述したように当り表示器48の表示態様を定める点灯パターンデータをバックアップ対象としていることから、S2602ではその表示態様に係る点灯パターンデータも記憶される。
[サブ制御メイン処理]
次に、図40~図46に基づいて演出制御用マイコン91の処理内容(サブ制御部90による制御処理)について説明する。なお、演出制御用マイコン91の処理内容の説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、副制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。副制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると(電源基板109による電力の供給が開始されると)、図40に示すサブ制御メイン処理のプログラムを副制御基板90のROMから読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
次いでS4002では、電源断信号がONでかつ副制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。電源断信号は、本パチンコ遊技機1の電源を投入すると、電源基板109から副制御基板90に出力される。そして、S4002の判定結果がNOであれば(S4002でNO)、副制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004の処理に移行する。一方、S4002の判定結果がYESであれば(S4002でYES)、副制御基板90のRAMを初期化することなくS4004の処理に移行する。すなわち、電源断信号がONでない場合又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、副制御基板90のRAMを初期化するが、電源断信号がONであってRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。なお、このS4001~S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。このことから、S4001~S4003の処理のことを「電源投入時処理」ともいう。
ここで、演出制御用マイコン91は、電源投入時処理(S4001~S4003)を実行する場合、その電源投入時処理が終了するまでの間、電源投入時処理の実行中である旨の報知(電源投入時報知)を実行する。具体的に、電源投入時処理の実行中である旨を示すメッセージを画像表示装置7の表示画面7aに表示するとともに、その旨を示す報知音をスピーカ67から出力する。前述したように、電源投入に際しては、少なくともCPU初期化処理(S4001)が実行され、S4002の判定が否定判定の場合(S4002でNO)にはRAMの初期化(S4003)も実行されるが、CPU初期化処理(S4001)を実行してRAMの初期化(S4003)を実行しない場合には「電源復旧中」のメッセージを表示し、CPU初期化処理(S4001)とRAMの初期化(S4003)の両方を実行する場合には「ラムクリア中」のメッセージを表示する。これらメッセージの表示は、副制御基板90から画像制御基板100に向けてコマンド(電源投入時コマンド)を送信し、当該コマンドを受信した画像制御基板100のCPU(画像制御用マイコン101)の処理によって実行される。「電源復旧中」と「ラムクリア中」の何れのメッセージを表示するかは、副制御基板90から画像制御基板100へ送信されるコマンドの内容(種類)によって定まる。また、本実施例では電源投入時処理の報知音を1種類としており、音声制御基板106を介してスピーカ67から出力される。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は副制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。なお、演出決定用乱数には、予告演出を決定する予告演出決定用乱数や、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するとき等とすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、副制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、副制御基板90のRAMの出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の作動制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図41に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドを副制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、副制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図42に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、可動装飾部材14やスピーカ67を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理を行う(S4203)。この駆動データも、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。本実施例の駆動データには、スピーカ67の駆動データ、すなわち、各種効果音や報知音等の音データが含まれる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、副制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図43に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして副制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図44に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式で副制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。副制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、副制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4406の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。
S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる変動演出終了処理を行う(S4407)。変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを副制御基板90のRAMの出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出を終了させる。一方、S4406にて、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。なお、変動演出には、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出が含まれる。
次いでS4408では、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4408)、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S4408でYES)、特別遊技(大当り遊技)の際に実行する特別遊技演出のパターン(演出態様)を選択する特別遊技演出選択処理を行う(S4409)。特別遊技演出には、少なくとも、特別遊技開始に伴う大入賞口開放前(1ラウンド目開始前)のオープニング期間中に実行するオープニング演出と、特別遊技中(大当り遊技中)のラウンド遊技(大入賞口入球遊技)の進行に合わせて実行するラウンド演出(大当り遊技演出)と、が含まれる。本実施例では、大当りの種別に応じたオープニングコマンドが主制御基板80から送信されるものとなっており、そのオープニングコマンドによって、今回開始される大当りの種別に応じたオープニング期間の長さ(オープニング時間)やオープニング演出、ラウンド演出等が特定される。そして、特別遊技演出選択処理(S4409)では、選択した特別遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出等)の演出パターンや、受信したオープニングコマンドに基づく情報(オープニングコマンドの種類、オープニング時間、開始タイミングにある大当り遊技に係る大当り種別等)を特定可能な特別遊技開始時コマンドを副制御基板90のRAMの出力バッファにセットする。このセットした特別遊技開始時コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて特別遊技演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
例えば、今回開始される大当りの種別が7R第1大当りの場合には、V通過予定大当りに係る大当り遊技、すなわち、高確率状態を発生させることが前提の大当り遊技の開始を示すオープニング演出を画像表示装置7の表示画面7a上で行う。この場合のオープニング演出は、賞球獲得とともに高確高ベース状態への移行を前提とする大当り遊技の開始を印象付ける演出とされ、例えば、画像表示装置7の表示画面7a上に「超大当り」や「V大当り」等の文字画像を表示したりする。そして、オープニング演出に続いて、7R大当りに対応するラウンド演出が、ラウンドの進行に合わせて(後述するS4418でのラウンド開始コマンド受信に基づいて)画像表示装置7の表示画面7a上で展開される。
また、今回開始される大当りの種別が7R第2大当りの場合には、「V非通過予定大当り」に係る大当り遊技、すなわち、高確率状態を発生させないことが前提の大当り遊技の開始を示すオープニング演出を画像表示装置7の表示画面7a上で行う。この場合のオープニング演出は、賞球獲得とともに時短状態(高ベース状態)への移行を前提とする大当り遊技の開始を印象付ける演出とされ、例えば、画像表示装置7の表示画面7a上に「大当り」や「チャンス大当り」等の文字画像を表示したりする。そして、オープニング演出に続いて、7R大当りに対応するラウンド演出が、ラウンドの進行に合わせて(後述するS4418でのラウンド開始コマンド受信に基づいて)画像表示装置7の表示画面7a上で展開される。この他、15R大当りについても同様にして、15R大当りに対応するオープニング演出が実行可能となっている。
次いでS4410では、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S4410)。エンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4410でYES)、特別遊技終了時演出(エンディング演出)のパターンや特別遊技終了後の演出モードの種類等を選択するエンディング演出選択処理を行い(S4411)、次いでS4412の処理(図45)を行う。本実施例では、大当りの種別と、大当り遊技中(7ラウンド目)における特定領域39への遊技球の通過有無とに応じたエンディングコマンドが主制御基板80から送信されるものとなっており、そのエンディングコマンドによってエンディング期間の長さ(エンディング時間)が特定される。そして、エンディング演出選択処理(S4411)では、選択したエンディング演出の演出パターンや、受信したエンディングコマンドに基づく情報(エンディングコマンドの種類、エンディング時間、終了した大当り遊技に係る大当りの種別、大当り遊技後の演出モード等)を特定可能な特別遊技終了時コマンドを副制御基板90のRAMの出力バッファにセットする。このセットした特別遊技終了時コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101が、大当り遊技の終了に係る演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
一方、S4408にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S4408でNO)、特別遊技演出選択処理を行うことなくS4410の処理に移行し、S4410でエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S4410でNO)、エンディング演出選択処理を行うことなく、S4412の処理に移行する。
S4412では、主制御基板80から特定領域通過コマンドを受信したか否かを判定する(S4412)。そして、特定領域通過コマンドを受信していなければ(S4412でNO)、S4418の処理に移行し、受信していれば(S4412でYES)、V通過があったこと通知するV通過指定コマンドを副制御基板90のRAMの出力バッファにセットする(S4415)。
S4415でセットしたV通過指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、V通過があったことを報知するための画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによるV通過報知演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。V通過報知演出としては、例えば「V」の文字画像を表示画面7aの略中央に大きく表示したり、V通過を表す効果音を出力したりすることが挙げられる。
なお、本実施例では、V通過予定大当りに係る大当り遊技のVラウンドにてV通過が発生した場合、V通過予定大当りの種類に関係なく一律にV通過報知演出が実行される。このV通過報知演出の演出態様は、V通過予定大当りの種類にかかわらず同じであってもよいし、V通過予定大当りの種類に応じて異ならせてもよい。また本実施例では、可能性は限りなく低いが、V非通過予定大当りである7R第2大当り及び15R第5大当りの夫々に係る大当り遊技のVラウンドにてV通過が発生した場合にも、V通過指定コマンドがセットされ(S4415)、当該コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されて、V通過報知演出が実行される。
ここで、V通過報知演出の実行中に、停電等の不測の事態が発生したり本パチンコ遊技機1(電源基板109)の電源スイッチをOFFにしたりすることで、電源基板109から各種の基板類や装置・機器類等(図5を参照)への電力の供給が停止して、その後に電源スイッチをONにして電源を投入したとする。この場合、電源投入に際しては、前述のように電源投入時処理(S4001~S4003)が実行され、その間、電源投入時報知(メッセージ表示、報知音出力)が実行されるが(電源投入時報知手段)、このとき、電源断発生前に実行中であったV通過報知演出は実行されないものとなっている。これは、本実施例では、V通過報知演出を電源断発生に伴うバックアップの対象としておらず、V通過報知演出の実行中に電源断が発生して電源基板109による電力の供給が停止した場合には、その時点でV通過報知演出の実行に係るデータはクリアされるからである。
次いでS4418では、主制御基板80からラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4418)。ラウンド開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4418でNO)、S4420の処理に移行し、ラウンド開始コマンドを受信したと判定した場合(S4418でYES)、受信したラウンド開始コマンドに対応するラウンド指定コマンドを副制御基板90のRAMの出力バッファにセットし(S4419)、S4420の処理に移行する。主制御基板80から送信されるラウンド開始コマンドには、開始するラウンド(開始ラウンド)が何ラウンド目なのかを特定することが可能な情報が含まれており、副制御基板90のCPU(演出制御用マイコン91)は、受信したラウンド開始コマンドに基づいて開始ラウンドのラウンド数を特定し、当該ラウンド数を示すラウンド指定コマンドを出力バッファにセットする。ラウンド指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、ラウンド指定コマンドに基づき特定されるラウンド数に応じて、実行中の大当り遊技に即したラウンド演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
S4420では、その他の演出制御に係る処理を行い、本処理を終える。S4420で行うその他の処理としては、前述のコマンド以外の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド等)に基づく処理を行う。具体的に、S4420では、主制御基板80から無効期間通過コマンドを受信したか否かを判定し、無効期間通過コマンドを受信した場合、特定領域エラー報知処理を行う。特定領域エラー報知処理としては、まず、特定領域異常通過が発生した旨の表示の実行を指定する特定領域異常通過報知コマンドを、副制御基板90のRAMの出力バッファにセットする。このセットした特定領域異常通過報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、特定領域異常通過が発生したことを報知するための画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる特定領域異常通過報知(「特定領域エラー報知」ともいう。)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。特定領域エラー報知は、例えば、「エラー/V領域異常通過」のメッセージ(文字画像)を画像表示装置7の表示画面7aに表示することにより行われる。このメッセージ表示は、特定領域異常通過の発生(メッセージ表示開始)から所定の表示時間(例えば30秒)が経過するまで行うものとしており、その表示時間の経過により終了する。なお、特定領域エラー報知としてのメッセージ表示の表示時間や内容等の表示パターンは本実施例で示したものに限られず、他の文字(メッセージ)を表示したり、文字の他に図形や記号等を表示したり、効果音を出力したりする等、遊技者や遊技ホール関係者の視覚や聴覚に訴える様々な態様を採ることが可能である。
また、演出制御用マイコン91は、特定領域エラー報知処理として、枠ランプ66(枠LED)を赤色で点灯させるランプデータを作成する。この作成したランプデータがランプデータ出力処理(S4202)により出力されると、ランプ制御基板107がそのランプデータにしたがって枠ランプ66を制御し、これにより枠ランプ66が赤色で点灯する。つまり、枠ランプ66による特定領域エラー報知として、枠ランプ66を赤色で点灯させる。この枠ランプ66の赤色点灯は、特定領域異常通過の発生から所定の点灯時間(例えば5分)が経過するまで行うものとしており、その点灯時間の経過により終了する。なお、特定領域エラー報知としての枠ランプ66の点灯時間や点灯色等の点灯(発光)パターンは本実施例に限定されるものでなく、他の点灯時間や点灯色を採用することが可能であり、また点灯に換えて点滅とすることも可能である。
ここで、本実施例では、画像表示装置7による特定領域異常通過の報知時間(メッセージ表示時間)を、枠ランプ66による特定領域異常通過の報知時間(枠ランプ点灯時間)よりも短いものとし、前者が後者よりも先に終了するものとしている。これは、特定領域異常通過が発生しても遊技の進行は可能であり、表示画面7a上では大当り遊技演出や変動演出等の遊技演出に係る演出表示が実行されることから、その演出表示の視認が特定領域エラー報知(メッセージ表示)により長時間に亘って妨げられるのを避けるためである。一方、枠ランプ66による特定領域エラー報知は、そうした遊技演出に係る演出表示に与える影響が小さいことから、画像表示装置7による特定領域エラー報知よりも長い時間で行うこととして、特定領域異常通過の発生を第三者(遊技ホール関係者等)が容易に認識できるようにするためである。
またS4420では、主制御基板80から第1エラー報知コマンドを受信したか否かを判定し、第1エラー報知コマンドを受信した場合、前述の第1エラー報知(画像表示装置7による「Vアタッカー不一致エラー」のメッセージ表示、枠ランプ66の赤色点灯、スピーカ67からのエラー報知音出力)を実行する。「Vアタッカー不一致エラー」のメッセージ表示は、当該メッセージの文字画像(第1エラー文字画像)の表示を指定するコマンド(第1エラーメッセージ表示コマンド)が副制御基板90から画像制御基板100に送信されることで、画像制御用マイコン101の表示制御により実行される。枠ランプ66の赤色点灯は、枠ランプ66(枠LED)を赤色で点灯させるランプデータがランプデータ出力処理(S4202)により出力されることで、ランプ制御基板107の点灯制御により実行される。スピーカ67からのエラー報知音出力は、そのエラー報知音の音データ(スピーカ67の駆動データ)が駆動データ出力処理(S4203)により出力されることで、音声制御基板106の音出力制御により実行される。なお、第1エラー報知として表示するメッセージの内容やランプの点灯パターン等、第1エラー報知の態様は本実施例に限定されるものではなく、第1エラーの発生を遊技者や遊技ホール関係者等に視覚や聴覚等を通じて認識させることができるものであれば、その態様は問わない。
またS4420では、主制御基板80から第2エラー報知コマンドを受信したか否かを判定し、第2エラー報知コマンドを受信した場合、前述の第2エラー報知(画像表示装置7による「Vアタッカー異常排出エラー」のメッセージ表示、枠ランプ66の青色点灯)を実行する。「Vアタッカー異常排出エラー」のメッセージ表示は、当該メッセージの文字画像(第2エラー文字画像)の表示を指定するコマンド(第2エラーメッセージ表示コマンド)が副制御基板90から画像制御基板100に送信されることで、画像制御用マイコン101の表示制御により実行される。枠ランプ66の青色点灯は、枠ランプ66(枠LED)を青色で点灯させるランプデータがランプデータ出力処理(S4202)により出力されることで、ランプ制御基板107の点灯制御により実行される。なお、第2エラー報知として表示するメッセージの内容やランプの点灯パターン等、第2エラー報知の態様は本実施例に限定されるものではなく、第2エラーの発生を遊技者や遊技ホール関係者等に視覚や聴覚等を通じて認識させることができるものであれば、その態様は問わない。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)の中で変動開始コマンドの受信に基づいて行われる変動演出開始処理(S4402)について説明する。図46に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数、特定演出決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理を行う(S4501)。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値に基づいて、実行する演出図柄遊技演出の態様や予告演出、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いでS4502では、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1~P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。なお、これらの変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いでS4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「4」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Dに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例では、演出モードA(モードステータス「1」)および演出モードB(モードステータス「2」)は低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードC(モードステータス「3」)は低確高ベース状態(時短遊技状態)に制御されているときに実行され、演出モードD(モードステータス「4」)は高確高ベース状態(確変遊技状態)に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA~Dのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
なお、演出モードA~Dの他に、大当り遊技後の遊技状態が低確高ベース状態に制御されているときと高確高ベース状態に制御されているときの何れにおいても実行可能な演出モードを設けてもよい。このような低確高ベース状態と高確高ベース状態とで実行され得る演出モードは、遊技者が演出を通じて現在の遊技状態を判別するのが困難(不可能)な演出モードである。このような演出モードのことを「状態非報知モード」ともいう。状態非報知モードでは、高確率状態であるか否かが演出上わからないため、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かの推測を遊技者に促すことが可能であり、これにより。興趣を高めることが可能である。
次いでS4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルが副制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テーブルが副制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
次いでS4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数及びS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチあり演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチなし演出図柄遊技演出)とが決定される。なお、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定表示態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。
またS4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数及び図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、大当りに対応する大当り演出図柄と外れに対応する外れ演出図柄とに大別される。そのうち、大当り演出図柄は、例えば、特別図柄当否判定の結果が7R第1大当り、15R第3大当り及び15R第4大当り(すなわちV通過予定大当り)の場合には「777」等の奇数図柄のゾロ目(大当り態様、特定表示態様)とされ、7R第2大当り及び15R第5大当りの場合(すなわちV非通過予定大当り)には「666」等の偶数図柄のゾロ目(大当り態様、特定表示態様)とされる。また、外れ演出図柄は、例えば、リーチあり外れの場合には「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目(リーチ外れ目)とされ、リーチなし外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。なお、これらの演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
ここで、本実施例のV非通過予定大当りの場合に表示(停止表示)される特別図柄の大当り図柄や演出図柄8の大当り演出図柄のことを「第1大当り態様」又は「第1特定表示態様」ともいい、V通過予定大当りの場合に表示(停止表示)される特別図柄の大当り図柄や演出図柄8の大当り演出図柄のことを「第2大当り態様」又は「第2特定表示態様」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されている。S4505では、それらのうち何れの演出を行うか、又はそれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが、変動演出パターン決定テーブルに基づいて決定される。そして、リーチあり変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、変動演出としてスーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出(リーチA~C)が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はノーマルリーチ演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。なお、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。S4505では、こうしたリーチ演出等を含む様々な変動演出の何れかに対応する変動演出パターンがS4501~S4504の処理の結果を受けて設定される。
次いでS4506では、S4505において設定した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドを副制御基板90のRAMの出力バッファにセットする(S4506)。当該S4506の処理をもって変動演出開始処理が終了する。
S4506でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
[実施例1の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1(V確機)では、Vアタッカー(第2大入賞装置36)に設けられた可動片150の状態(振分状態)が、Vラウンドでの第2大入賞口センサ35aによる遊技球の検知数(Vアタッカーへの入球数)に基づいて変化するものとなっている。すなわち、Vラウンドにおいて、第2大入賞口センサ35aによる検知数(入球数計数手段による計数値)が「1」(第1所定値C1)になると、可動片150が遊技球を特定領域39へ振り分ける作動状態(第1振分状態)となり、その後、極短時間(本例では80ms)が経過すると、可動片150が遊技球を非特定領域49へ振り分ける非作動状態(第2振分状態)となる。また、V通過予定大当りに係る大当り遊技のVラウンドにおいて、第2大入賞口センサ35aによる検知数(入球数計数手段による計数値)が「2」(第2所定値C2)になると、可動片150が作動状態(第1振分状態)となり、その後、第2大入賞口センサ35aによる検知数(入球数計数手段による計数値)が「9」(第3所定値C3)になると、可動片150が非作動状態(第2振分状態)となる。このため、Vアタッカーへの先の入球を契機として可動片150が作動状態となり、その後の入球を契機として可動片150が非作動状態となる。これにより、VラウンドにてVアタッカーに入球した遊技球を特定領域39に振り分けてV通過させる場合、Vアタッカーへの入球が滞りなく行われる限り、特定領域39への振り分け(V通過)が略確実に発生するようになる。その結果、V通過予定大当りに係る大当り遊技のVラウンドにてV通過の機会を逸するといった遊技者にとって不利益となる状況は発生し難いものとなり、そうした状況の発生による興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、Vラウンドにて作動状態(第1振分状態)となった可動片150が、当該Vラウンドでの第2大入賞口センサ35aによる遊技球の検知数(Vアタッカーへの入球数)に基づいて非作動状態(第2振分状態)に戻る場合、この戻る契機となる検知数(第3所定値C3)を、Vラウンド終了条件であるVアタッカーの規定数と同数(本例では「9」)としている。このため、作動状態にある可動片150が非作動状態に戻る条件が成立するまでは、Vラウンドが終了しない構成とすることができる。これにより、V通過予定大当りに係る大当り遊技のVラウンドにおけるV通過の確実性を増すことが可能となる。また、作動状態にある可動片150の非作動状態への変化とVラウンドの終了とを、同じ第2大入賞口センサ35aによる検知数(入球数計数手段による計数値)に基づいて制御可能であるため、Vラウンドの実行制御の簡素化が図れるようになる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、第2大入賞口センサ35aによる検知数(入球数計数手段による計数値)が「1」になった場合と「2」になった場合、可動片150が作動状態になるとともに、特定領域有効期間が開始される(S2704、S2708)。その後、第2大入賞口センサ35aによる検知数(入球数計数手段による計数値)が「9」になると、可動片150が非作動状態になるとともに、その検知数が「9」(可動片150が非作動状態)となってから所定期間(本例では1.5秒間)が経過すると、特定領域有効期間が終了する。このため、Vラウンドにて可動片150が作動状態となってから非作動状態となるまでの間及び非作動状態となってから所定期間が経過するまでの間は、特定領域有効期間となる。これにより、VラウンドにてVアタッカーに入球した遊技球が特定領域39に振り分けられてV通過する場合、そのV通過を漏れなく適切に検知することが可能となる。また、可動片150の状態変化と第1領域の特定領域有効期間の設定(開始及び終了)とを、同じ第2大入賞口センサ35aによる検知数(入球数計数手段による計数値)に基づいて制御可能であるため、Vラウンドの実行制御の簡素化が図れるようになる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、Vラウンド中のVアタッカーへの入球数と排出数との比較判定が実行され、その結果、排出数が入球数よりも少ない場合には第1エラー処理が実行され、排出数が入球数よりも多い場合には第2エラー処理が実行される。このため、比較判定により入球数と排出数とが一致しないと判定されたときの入球数と排出数との関係に応じたエラー処理が実行可能となる。これにより、V確機の信頼性の維持・向上を図ることが可能となり、延いてはV確機の信頼性が損なわれるのを防ぐことが可能となる。
特に、排出数が入球数よりも少ない場合の第1エラー処理では、前述の(A1)~(A5)の5つの処理が実行され、遊技の進行が停止した状態で第1エラーの発生が第1エラー報知によって報知される。一方で、排出数が入球数よりも多い場合の第2エラー処理では、前述の(B1)及び(B2)の2つの処理が実行され、遊技の進行が停止することなく第2エラーの発生が第2エラー報知によって報知される。このように、Vアタッカーへの入球数と排出数とが一致しない場合のエラー処理を第1エラー処理と第2エラー処理とに区別して、入球数と排出数の大小関係(不一致の原因)に応じた内容でエラー処理を実行することで、入球数と排出数とが一致しない場合のエラーの種類(第1エラー及び第2エラー)に軽重の差をつけて、Vアタッカーの入球・排出に関するエラーの発生を遊技者や遊技ホールの店員等に知らせることが可能となる。このように本実施例では、Vアタッカーへの入球数と排出数とが一致しないときのエラー処理を適切に実行することが可能である。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、Vラウンドが終了(Vアタッカーが閉鎖)した後の所定期間(本例ではVラウンド終了から1880msの期間)において前述の比較判定が実行され、その所定期間が経過して入球数と排出数とが一致しない場合に、前述のエラー処理が実行される。このため、Vラウンドが終了した後のVアタッカーへの新たな入球が発生しない状況下で、当該VラウンドにおけるVアタッカーへの全入球を対象に入球数と排出数とを比較判定することが可能となり、比較判定の結果、入球数と排出数とが一致しなかった場合にエラーとすることが可能となる。これにより、Vアタッカーへの入球数と排出数との比較判定によるエラー判定の精度を向上させることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、Vラウンドが終了(Vアタッカーが閉鎖)した後の所定期間(本例ではVラウンド終了から1880msの期間)において前述の比較判定が複数回実行可能となっている。このため、例えば、所定期間における1回目の比較判定で入球数と排出数とが一致しなかったとしても、2回目以降の比較判定の結果、所定期間が経過するまでに入球数と排出数とが一致していれば、エラー処理は実行されないものとなる。一方で、所定期間における1回目の比較判定で入球数と排出数とが一致していても、2回目以降の比較判定の結果、所定期間が経過するときに入球数と排出数とが一致していなければ、エラー処理が実行されるものとなる。これにより、Vアタッカーへの入球数と排出数との比較判定によるエラー判定の精度をより一層向上させることが可能となる。
次に、本発明の実施例2のパチンコ遊技機1について説明する。前述した実施例1では、VラウンドにてV通過が発生した場合、一律にV通過報知演出が実行される構成となっていた。これに対し本実施例(実施例2)では、VラウンドにてV通過が発生した場合、V通過報知演出が実行される場合と実行されない場合とがある構成となっている。以下、本実施例の構成について実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と共通する部分(構成、作用効果等)については説明を省略する。
本実施例では、第1特別図柄の変動表示が主として実行される低確低ベース状態において、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示される場合の演出図柄8の表示態様(停止演出図柄)と、その後に大当り遊技が開始される場合のオープニング演出の内容を、7R大当りと15R大当りとに区別して定めている。その対応関係を図50に示す。
同図に示すように、第1特別図柄当否判定の結果が7R第1大当り(V通過予定大当り)である場合と7R第2大当り(V非通過予定大当り)である場合、その当否判定の結果に基づいて実行される変動演出の結果として表示画面7aに表示(停止表示)される演出図柄8の表示態様は、演出図柄8を構成する「1」~「9」の数字のうち「7」以外の数字のゾロ目(本例ではこれを「第1特定表示態様」ともいう。)としている。そして、7R第1大当り及び7R第2大当りの夫々に係る大当り遊技(7R大当り遊技)の開始に際して実行されるオープニング演出は、表示画面7aに「大当り」の文字を含む演出画像を表示するもの(「第1オープニング演出」ともいう。)としている。
このような第1特定表示態様の表示及び第1オープニング演出は、いずれも7R第1大当りの場合と7R第2大当りの場合とで共通の演出となっており、7R大当りの発生を確定的に示す(報知する)演出である。すなわち、第1特別図柄当否判定の結果が7R大当りである旨を報知する演出である。第1特定表示態様の表示及び第1オープニング演出の何れか一方又は両方を指して「第1大当り報知演出」又は「第1特定報知演出」ともいう。遊技者は、第1大当り報知演出を通じて7R大当りの発生を認識することはできるものの、その7R大当りが7R第1大当り(V通過予定大当り)なのか7R第2大当り(V非通過予定大当り)なのかを認識することはできない。
第1大当り報知演出(第1特定報知演出)が実行されると、その後、7R大当り遊技が開始される。すなわち、表示画面7aに演出図柄8が第1特定表示態様で表示された後、表示画面7aにて第1オープニング演出が実行され、この第1オープニング演出(第1オープニング期間)が終了すると、7R大当り遊技の1ラウンド目が開始される。当該7R大当り遊技は、V通過予定大当り(7R第1大当り)に係る大当り遊技(第1特別遊技)又はV非通過予定大当り(7R第2大当り)に係る大当り遊技(第2特別遊技)であるが、見かけ上、何れの大当り遊技が実行されているのかを判別するのは困難である。7R第1大当りと7R第2大当りとで大入賞口開放パターンが同様だからである(図6を参照)。また、Vアタッカーに入球した遊技球を特定領域39又は非特定領域49に振り分ける可動片150は、Vアタッカー内の遊技球に関与するものであり、Vアタッカーの内部や奥側等といった、遊技盤2(遊技領域3)やVアタッカー周りを一見しただけでは分かり難い部位に設けられるのが通常だからである(図47を参照)。
当該7R大当り遊技の各ラウンドでは、7R大当り用のラウンド演出(図示せず)が画像表示装置7(表示画面7a)等で実行される。7R大当り用のラウンド演出(「第1特別遊技演出」ともいう。)は、7R第1大当りと7R第2大当りとで共通の演出である。そして、7R大当り遊技のVラウンド(7ラウンド目)では、たとえV通過が発生したとしても、そのV通過に基づくV通過報知演出は一切実行されない。また、VラウンドにてV通過が発生しなかったことを示す演出も一切実行されない。つまり、7R大当り遊技では、当該大当り遊技が終了するまでV通過の有無が報知されることなく、7R大当り用のラウンド演出が実行されるのである。さらに、7R大当り遊技の終了に際して実行されるエンディング演出(図示せず)も7R第1大当りと7R第2大当りとで共通の演出となっており、当該エンディング演出(「第1エンディング演出」ともいう。)にはV通過の有無に関連する報知は一切含まれていない。したがって遊技者は、低確低ベース状態にて7R大当りが発生した場合、この7R大当りが7R第1大当り(V通過予定大当り)なのか7R第2大当り(V非通過予定大当り)なのかを、第1大当り報知演出や7R大当り用のラウンド演出等を通じて認識することはできず、V通過の有無についてもラウンド演出や第1エンディング演出等を通じて認識することはできない。
そして、本実施例では、低確低ベース状態にて7R大当りが発生した場合の7R大当り遊技の終了後、演出モードが前述の「状態非報知モード」となる。このため、低確低ベース状態にて7R大当りが発生する場合、7R大当り遊技の開始前から終了後の高ベース状態(低確高ベース状態又は高確高ベース状態)にかけて、V通過の有無、すなわち、7R大当り遊技後の遊技状態が高確率状態であるか否かは演出上秘匿される。
なお、演出図柄8の第1特定表示態様は、S4505で変動演出パターンとともに設定され、この設定内容に基づいて表示画面7aに表示される。また、第1オープニング演出は、主制御部80からのオープニングコマンドの受信(S4408でYES)に基づいてS4409で設定され、この設定内容に基づいて表示画面7aに表示される。さらに、第1エンディング演出は、主制御部80からのエンディングコマンドの受信(S4410でYES)に基づいてS4411で設定され、この設定内容に基づいて表示画面7aに表示される。
これに対し、図50に示すように、第1特別図柄当否判定の結果が15R第3大当り(V通過予定大当り)である場合、その当否判定の結果に基づいて実行される変動演出の結果として表示画面7aに表示(停止表示)される演出図柄8の表示態様は「7」のゾロ目(本例ではこれを「第2特定表示態様」ともいう。)としている。そして、15R第3大当りに係る大当り遊技(15R大当り遊技)の開始に際して実行されるオープニング演出は、表示画面7aに「超大当り」の文字を含む演出画像を表示するもの(「第2オープニング演出」ともいう。)としている。
このような第2特定表示態様の表示及び第2オープニング演出は、いずれも15R第3大当りの発生を確定的に示す(報知する)演出である。すなわち、第1特別図柄当否判定の結果が15R第3大当りである旨を報知する演出である。第2特定表示態様の表示及び第2オープニング演出の何れか一方又は両方を指して「第2大当り報知演出」又は「第2特定報知演出」ともいう。遊技者は、第2大当り報知演出を通じて15R第3大当り(V通過予定大当り)の発生を認識することができる。
なお、前述の第1大当り報知演出(第1特定報知演出)及び第2大当り報知演出(第2特定報知演出)を総じて「大当り報知演出」又は「特定報知演出」ともいう。
第2大当り報知演出(第2特定報知演出)が実行されると、その後、15R大当り遊技が開始される。すなわち、表示画面7aに演出図柄8が第2特定表示態様で表示された後、表示画面7aにて第2オープニング演出が実行され、この第2オープニング演出(第2オープニング期間)が終了すると、15R大当り遊技の1ラウンド目が開始される。当該15R大当り遊技は、V通過予定大当りに係る大当り遊技(第1特別遊技)である。
当該15R大当り遊技の各ラウンドでは、15R第3大当り用のラウンド演出(図示せず)が画像表示装置7(表示画面7a)等で実行される。15R第3大当り用のラウンド演出(「第2特別遊技演出」ともいう。)は、7R大当り用のラウンド演出と演出内容が異なるものとされている。したがって遊技者は、実行中の大当り遊技が7R大当り遊技なのか15R大当り遊技なのかを、ラウンド演出を通じて判別することができる。
当該15R大当り遊技のVラウンド(7ラウンド目)でV通過が発生すると、そのV通過に基づくV通過報知演出がラウンド演出中に実行される。つまり、15R第3大当りに係る15R大当り遊技では、VラウンドでのV通過報知を含む15R第3大当り用のラウンド演出が実行される。さらに、当該15R大当り遊技の終了に際して実行されるエンディング演出(図示せず)は、15R第3大当りに対応するV通過を前提とした演出内容となっており、当該エンディング演出(「第2エンディング演出」ともいう。)には高確率状態(高確高ベース状態)に移行する旨の報知が含まれている。したがって遊技者は、低確低ベース状態にて第1特別図柄の変動表示(第1特別図柄当否判定)の結果として15R大当りが発生した場合、この15R大当りが15R第3大当り(V通過予定大当り)であることを、第2大当り報知演出や15R第3大当り用のラウンド演出等を通じて認識することができ、V通過の発生もラウンド演出中のV通過報知演出や第2エンディング演出等を通じて認識することができる。
そして、本実施例では、低確低ベース状態にて15R第3大当りが発生した場合の15R大当り遊技の終了後、VラウンドでV通過したことを条件に、演出モードが前述の「演出モードD」となる。このため、低確低ベース状態にて15R第3大当りが発生して15R大当り遊技中にV通過した場合、遊技者は、15R大当り遊技後の遊技状態が高確率状態(高確高ベース状態)であることを、演出モードを通じて認識することができる。
但し、可能性は限りなく低いが、15R第3大当りが発生したにもかかわらずVラウンドにてV通過が発生しなかった場合、時短状態(低確高ベース状態)に移行する旨の報知を含むエンディング演出が実行される。この場合、遊技者は、15R第3大当りが発生したもののVラウンドでV通過せず、15R大当り遊技後の遊技状態が時短状態(低確高ベース状態)になることを認識することとなる。またこの場合、15R大当り遊技後の演出モードは前述の「演出モードC」となり、遊技者は、15R大当り遊技後の遊技状態が時短状態(低確高ベース状態)であることを、演出モードを通じて認識することができる。
なお、演出図柄8の第2特定表示態様は、S4505で変動演出パターンとともに設定され、この設定内容に基づいて表示画面7aに表示される。また、第2オープニング演出は、主制御部80からのオープニングコマンドの受信(S4408でYES)に基づいてS4409で設定され、この設定内容に基づいて表示画面7aに表示される。さらに、第2エンディング演出は、主制御部80からのエンディングコマンドの受信(S4410でYES)に基づいてS4411で設定され、この設定内容に基づいて表示画面7aに表示される。
次に、図51に基づいて、本実施例のV通過報知演出の実行制御について説明する。このV通過報知演出の実行制御は、演出制御用マイコン91により行われる。図51に示すフローチャートは、図45に示した実施例1の受信コマンド解析処理2のフローチャートに置き換わるものである。図51中、実施例1と同様の処理については図45と同じステップ数を付し、実施例1と異なる処理については図45と異なるステップ数を付している。以下、本実施例の受信コマンド解析処理2のうち、実施例1と異なる部分について説明する。
図51に示すように、演出制御用マイコン91は、S4412にて主制御部80からの特定領域通過コマンドを受信したと判定すると(S4412でYES)、現在実行中の大当り遊技が7R大当り遊技であるか否かを判定する(S4413)。ここで、特定領域通過コマンドは、VラウンドにてVアタッカーに入球した遊技球が特定領域39を通過したことに基づいて主制御部80から送信されるものであり(S2404)、本実施例においても、実施例1と同様、Vラウンド中の最初(1個目)のV通過に基づいて送信される。このため、副制御部(副制御基板)90が特定領域通過コマンドを受信するタイミングは通常、大当り遊技(Vラウンド)の実行中となる。このためS4413では、現在実行中の大当り遊技の種類(大当り種別)を判定することが可能である。S4413の判定は、例えば、現在実行中の大当り遊技の開始に際してS4408で受信したオープニングコマンドに基づいて行うことが可能である。オープニングコマンドは、大当り種別に応じて設けられているからである。
S4413にて現在実行中の大当り遊技が7R大当り遊技であると判定した場合(S4413でYES)、V通過指定コマンドをセットすることなく(S4415の処理を行うことなく)、S4418の処理に移行する。一方、現在実行中の大当り遊技が7R大当り遊技でないと判定した場合(S4413でNO)、すなわち、現在実行中の大当り遊技が15R大当り遊技である場合、V通過指定コマンドをセットする(S4415)。このV通過指定コマンドが画像制御基板100に送信されると、V通過報知演出が実行される。
以上のV通過報知演出の実行制御により、第1大当り報知演出の実行後に開始された7R大当り遊技でV通過が発生したとしてもV通過報知演出が実行されない一方、第2大当り報知演出の実行後に開始された15R大当り遊技でV通過が発生した場合にはV通過報知演出が実行されることとなる。
[実施例2の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1(V確機)では、第1大当り報知演出(第1特定報知演出)が実行され、当該演出を経て7R大当り遊技が実行される場合、当該大当り遊技中(Vラウンド中)にV通過が発生してもV通過報知演出は実行されない。一方、第2大当り報知演出(第2特定報知演出)が実行され、当該演出を経て15R大当り遊技が実行される場合、当該大当り遊技中(Vラウンド中)にV通過が発生するとV通過報知演出が実行される。すなわち、VラウンドにてVアタッカー内の可動片150が作動状態となって、Vアタッカーに入球した遊技球が特定領域39を通過した場合、V通過報知演出が実行される場合と実行されない場合とがある。このため、第1大当り報知演出を経て実行(開始)される7R大当り遊技はV通過したことが報知されない遊技性となり、V通過の有無に対する期待と不安が入り混じる感情を遊技者に抱かせることが可能となる。一方で、第2大当り報知演出を経て実行(開始)される15R大当り遊技はV通過したことが報知される遊技性となり、V通過したことによる安心感や優越感を遊技者に与えることが可能となる。こうした大当り遊技の遊技性を、大当り遊技の開始前に実行される大当り報知演出(特定報知演出)を通じて遊技者に認識させることが可能となる。これにより、大当り遊技の開始前からV通過(高確率状態への移行)に対する興趣を高めることが可能となり、また、大当り遊技(Vラウンド)の興趣を高めることも可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、第1大当り報知演出を経て開始される7R大当り遊技では7R大当り用のラウンド演出及び第1エンディング演出が実行され、当該大当り遊技が終了するまでV通過の有無が報知されることはない。一方、第2大当り報知演出を経て開始される15R大当り遊技では15R第3大当り用のラウンド演出及び第2エンディング演出が実行され、当該大当り遊技中にV通過が発生した場合には当該V通過を報知する演出(V通過報知演出)が実行される。このため、7R大当り用のラウンド演出はV通過の有無を報知しないV非報知タイプの大当り遊技演出であるといえ、15R第3大当り用のラウンド演出はV通過の報知を伴うV報知タイプの大当り遊技演出であるといえる。また、エンディング演出も大当り遊技演出の一種として捉える場合、第1エンディング演出はV非報知タイプの大当り遊技演出であるといえ、第2エンディング演出はV報知タイプの大当り遊技演出であるといえる。このように、大当り遊技の遊技性に即したラウンド演出やエンディング演出が大当り遊技中に実行されるため、大当り遊技前の大当り報知演出と相俟って大当り遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り報知演出として第1大当り報知演出が実行されると、当該演出後に、V非通過予定大当り(本例では7R第2大当り)に係る大当り遊技(第1特別遊技)又はV通過予定大当り(本例では7R第1大当り)に係る大当り遊技(第2特別遊技)が開始される。そして、何れの大当り遊技が開始されたとしても、その大当り遊技中にV通過が発生した場合の当該V通過を報知する演出(V通過報知演出)は実行されない。このため、第1大当り報知演出を経て大当り遊技が開始される場合、V通過する可能性やV通過の有無が明らかでない状況下で遊技が進行することとなる。一方、大当り報知演出として第2大当り報知演出が実行されると、当該演出後に、V通過予定大当り(本例では15R第3大当り)に係る大当り遊技(第2特別遊技)が開始される。そして、当該大当り遊技中にV通過が発生した場合、当該V通過を報知する演出が実行される。このため、第2大当り報知演出を経て大当り遊技が開始される場合、V通過する可能性やV通過の有無が明らかな状況下で遊技が進行することとなる。これにより、大当り報知演出として第1大当り報知演出と第2大当り報知演出の何れが実行されるのかに遊技者を注目させて、大当り遊技の開始前から開始後にかけての興趣を効果的に高めることが可能となる。
なお、前述の実施例2では、低確低ベース状態にて主として実行される第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の変動表示)の結果が大当りとなって大当り遊技が実行される場合を例に説明したが、低確高ベース状態や高確高ベース状態にて主として実行される第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の変動表示)の結果が大当りとなって大当り遊技が実行される場合にも、本実施例2の構成を適用することが可能である。この場合、例えば、第2特別図柄の大当りである15R第4大当り(V通過予定大当り)及び15R第5大当り(V非通過予定大当り)に加え、15R第6大当り(V通過予定大当り)を設ける。そして、15R第4大当り及び15R第5大当りに係る大当り報知演出、大当り遊技演出及びV通過報知演出の実行態様を、前述の7R第1大当り及び7R第2大当りと同様となるように構成し、15R第6大当りに係る大当り報知演出、大当り遊技演出及びV通過報知演出の実行態様を、前述の15R第3大当りと同様となるように構成する。こうすれば、低確低ベース状態だけでなく、低確高ベース状態及び/又は高確高ベース状態にて大当りが発生した場合の興趣を高めることが可能となる。
次に、本発明の実施例3のパチンコ遊技機1について説明する。本実施例(実施例3)は、前述の実施例1のパチンコ遊技機1において、V通過を前提としない(特定領域39への遊技球の通過が予定されない)V非通過予定大当りに係る大当り遊技(第1特別遊技)でV通過が発生したり、V通過を前提とする(特定領域39への遊技球の通過が予定される)V通過予定大当りに係る大当り遊技(第2特別遊技)でV通過が発生しなかったりするといった、V通過に関するイレギュラー(変則的)な事象が発生した場合、これに応じた処理を実行する構成を備えたものである。以下、本実施例の構成について実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と共通する部分(構成、作用効果等)については説明を省略する。なお、本実施例3は前述の実施例2にも適用可能である。
本実施例では、前述のV通過に関するイレギュラーな事象が発生した場合の処理として、(1)V通過に関するイレギュラーな事象が発生した旨の報知と、(2)V通過に関するイレギュラーな事象のうちV非通過予定大当りに係る大当り遊技でV通過が発生した旨を特定可能な信号の外部出力と、を実行することが可能となっている。
なお、V通過に関するイレギュラーな事象のうち、V非通過予定大当りに係る大当り遊技でV通過したことを「イレギュラーV通過」ともいい、V通過予定大当りに係る大当り遊技でV通過しなかったことを「イレギュラーV非通過」ともいう。また、イレギュラーV通過のことを「第1状況」ともいい、イレギュラーV非通過のことを「第2状況」ともいう。
まず、V通過に関するイレギュラーな事象が発生した旨の報知について説明する。前述したように、特別図柄当否判定の結果が7R第2大当り及び15R第5大当りの何れか、すなわち、V非通過予定大当りになると、V非通過予定大当りに対応する大当り図柄(第1特定表示態様)が特別図柄表示部に表示されるとともに、V非通過予定大当りに対応する大当り演出図柄(第1特定表示態様)が画像表示装置7(表示画面7a)に表示される。V非通過予定大当りに対応する大当り演出図柄は、前述のように、例えば3つの演出図柄8L,8C,8Rの偶数図柄のゾロ目である。そして、大当り遊技中、特別図柄表示部には大当り図柄が表示されたままとなる。また、表示画面7aにはラウンド演出が画面全体に表示されるとともにその画面の一部(例えば右下部)に、今回の大当り演出図柄を構成する3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち1つ(例えば「6」)又は全部(例えば「666」)を示す図柄(第1特定表示態様)が小さく表示される。この画面の一部に小さく表示される図柄(「報知図柄」ともいう。)は、今回の大当りの発生に際して停止表示された大当り演出図柄の種類(出目)を示すものであり、大当り演出図柄(特定表示態様)の一種であるといえる。
このような状況のもと、V非通過予定大当りに係る大当り遊技が行われる中、Vラウンドにて本来発生しない筈のV通過が発生すると(つまり、イレギュラーV通過が発生すると)、特別図柄表示部や表示画面7aの表示内容(V非通過大当りに対応する表示)とVラウンドの結果(V通過あり)とに矛盾が生じることとなる。そして、大当り遊技が終了すると、少なくとも表示画面7aの表示内容は、それまで表示されていたものから変動演出が実行されるときの内容(演出図柄8L,8C,8Rや背景画像等の表示)に切り換わる。このため、そうした矛盾(イレギュラーV通過)が発生した大当り遊技の終了後は、見かけ上、先の大当り遊技にてイレギュラーV通過が発生したことを認識(確認)し難くなる。
また、特別図柄当否判定の結果が7R第1大当り、15R第3大当り及び15R第4大当りの何れか、すなわち、V通過予定大当りになると、V通過予定大当りに対応する大当り図柄(第2特定表示態様)が特別図柄表示部に表示されるとともに、V通過予定大当りに対応する大当り演出図柄(第2特定表示態様)が画像表示装置7(表示画面7a)に表示される。V通過予定大当りに対応する大当り演出図柄は、前述のように、例えば3つの演出図柄8L,8C,8Rの奇数図柄のゾロ目である。そして、大当り遊技中、特別図柄表示部には大当り図柄が表示されたままとなる。また、表示画面7aにはラウンド演出が画面全体に表示されるとともにその画面の一部(例えば右下部)に、今回の大当り演出図柄を構成する3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち1つ(例えば「7」)又は全部(例えば「777」)を示す報知図柄(第2特定表示態様)が小さく表示される。
このような状況のもと、V通過予定大当りに係る大当り遊技が行われる中、Vラウンドにて本来発生する筈のV通過が発生しなかったとすると(つまり、イレギュラーV非通過が発生すると)、特別図柄表示部や表示画面7aの表示内容(V通過大当りに対応する表示)とVラウンドの結果(V通過なし)とに矛盾が生じることとなる。そして、大当り遊技が終了すると、少なくとも表示画面7aの表示内容は、それまで表示されていたものから変動演出が実行されるときの内容(演出図柄8L,8C,8Rや背景画像等の表示)に切り換わる。このため、そうした矛盾(イレギュラーV非通過)が発生した大当り遊技の終了後は、見かけ上、先の大当り遊技にてイレギュラーV非通過が発生したことを認識(確認)し難くなる。
そこで本実施例では、V通過に関するイレギュラーな事象が発生した場合、その旨を報知する構成となっている。この報知は、主に、遊技制御用マイコン81(主制御基板80)による特定領域センサ検知処理と、演出制御用マイコン91(副制御基板90)による受信コマンド解析処理と、画像制御用マイコン101(画像制御基板100)による画像表示処理と、ランプ制御基板107によるランプ発光処理と、により実現される。そのうち、本実施例の特定領域センサ検知処理(S207a)を図52に示す。図52に示すフローチャートは、図37に示した実施例1の特定領域センサ検知処理のフローチャートに置き換わるものである。図52中、実施例1と同様の処理については図37と同じステップ数を付し、実施例1と異なる処理については図37と異なるステップ数を付している。
図52に示すように、本実施例の特定領域検知センサ処理(S207a)は、実施例1の特定領域検知センサ処理(S207)に対してS2046~S2410の処理が付加されており、これ以外の処理については実施例1と同様である。S2406及びS2407は、特定領域有効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があった場合(S2401でYES、S2402でYES)、すなわち、Vラウンドにて遊技球がV通過した場合に実行される処理である。また、S2408~S2410は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知がなかった場合(S2401でNO)、すなわち、Vラウンドにて遊技球がV通過していない場合に実行される処理である。
本実施例に係る特定領域検知センサ処理(S207a)のS2406では、今回のV通過(VフラグON)の契機となった大当りがV非通過予定大当りであるか否かを判定する(S2406)。その結果、V非通過予定大当りでないと判定した場合(S2406でNO)、すなわちV通過予定大当りである場合、S2407の処理を行うことなく、本処理を終える。一方、今回のV通過の契機となった大当りがV非通過予定大当りである場合(S2406でYES)、イレギュラー通過コマンドをRAMの出力バッファにセットし(S2407)、本処理を終える。このようにイレギュラー通過コマンドをセットするのは、V非通過予定大当りであるにもかかわらず、そのVラウンドでV通過するのはイレギュラーな事象だからである。このようなV非通過予定大当りでのV通過(イレギュラーV通過)は、特定領域39への遊技球の通過に関するエラーの一種として捉えることもできる。
S2407でセットしたイレギュラー通過コマンドが主制御基板80から副制御基板90へ送信されると、そのコマンドを受信した副制御基板90の演出制御用マイコン91は、イレギュラー通過報知コマンドを画像制御基板100に送信する。これを受けて画像制御用マイコン101は、イレギュラーV通過が発生したことを報知するための画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによるイレギュラーV通過報知を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。例えば、画像表示装置7によるイレギュラーV通過報知として「イレギュラーV通過」のメッセージ(第3エラー文字画像)を表示画面7aに表示する。このメッセージ表示は、イレギュラーV通過の発生に伴って大当り遊技中(Vラウンド中)に開始され、そこから大当り遊技後の遊技状態(ここでは高確高ベース状態)に移行した後も継続して実行される。本実施例では、大当り遊技終了後の期間を含むように定められた報知時間(例えば30分)が経過するまで実行される。このため、遊技者や遊技ホール関係者等は、大当り遊技が終了した後もしばらくの間は、先の大当り遊技でイレギュラーV通過が発生したことを確認することができる。但し、当該メッセージ(第3エラー文字画像)の表示中に本パチンコ遊技機1の電源を落として再投入した場合、それまで表示されていたメッセージ(第3エラー文字画像)は表示されなくなる。
また本実施例では、「イレギュラーV通過」のメッセージ表示に加え、イレギュラーV通過報知として所定の盤面ランプ5(盤LED)を赤色で点灯させるものとしている。この赤色点灯は、所定の盤面ランプ5(盤LED)を赤色で点灯させるランプデータがランプデータ出力処理(S4202)により出力されることで、ランプ制御基板107の点灯制御により実行されるもので、「イレギュラーV通過」のメッセージ表示と同期して実行される。
なお、イレギュラーV通過報知のことを「第1報知」ともいう。イレギュラーV通過報知の態様は本実施例に限定されるものではなく、他の文字(メッセージ)を表示したり、文字の他に図形や記号等を表示したり、効果音を出力したりする等、遊技者や遊技ホール関係者の視覚や聴覚に訴える様々な態様を採ることが可能である。
ここで、イレギュラーV通過は、V非通過予定大当りに係る大当り遊技(Vラウンド)で遊技球が特定領域39を通過した(特定領域センサ39aにより検知された)場合に発生する事象である。こうした事象が発生する原因として、特定領域センサ39aによる検知が糸吊りゴトや電波ゴト等によって不正に(意図的に)行われる不正行為が考えられる。このような不正行為がなされた場合、Vラウンドの終了に伴い実行される前述の比較判定処理(S2805)により第2エラー報知が実行される可能性が高い。Vアタッカーへの入球数よりも排出数の方が多くなる(入球数計数手段による計数値よりも排出数計数手段による計数値の方が大きくなる)可能性が高いからである。したがって、イレギュラーV通過が発生した場合、第2エラー(排出数>入球数)も併せて発生する可能性が高い。このことに対応して、本実施例ではイレギュラーV通過報知としての「イレギュラーV通過」のメッセージ(第3エラー文字画像)と、第2エラー報知としての「Vアタッカー異常排出エラー」のメッセージ(第2エラー文字画像)とを、表示画面7aに一緒に(同時期に)表示可能としている。このようにイレギュラーV通過報知と第2エラー報知が実行される場合の表示画面7aの表示内容の一例を図53(A)~(C)に示す。
例えば、7R第2大当り(V非通過大当り)に係る7R大当り遊技のVラウンド(7ラウンド)中にイレギュラーV通過が発生すると直ぐに、その旨を示す「イレギュラーV通過」のメッセージM1が、ラウンド演出を表示中の表示画面7aの一部(本例では画面右上部)に表示される(図53(A)を参照)。なお、図53(A)において、表示画面7aの左上部には、現在のラウンド数を示すラウンド数画像R1が表示されており、表示画面7aの左下部には、当該大当りの発生に際して停止表示された大当り演出図柄の種類(出目)を示す報知図柄Z1(本例では「6」)が表示されており、表示画面7aの右下部にはV通過報知演出としてのV報知画像H1が表示されている。
その後、Vラウンド(7ラウンド)の終了により比較判定処理(S2805)が実行され、その結果、Vアタッカーの排出数が入球数よりも多いと判定されると、第2エラー処理が実行され(S2907)、第2エラーが発生した旨を示す「Vアタッカー異常排出エラー」のメッセージM2が、エンディング演出を表示中の表示画面7aの一部(本例では画面右上部)に表示される(図53(B)を参照)。このとき、メッセージM2は先に表示されたメッセージM1の真下に表示(追加表示)される。これにより、メッセージM1とメッセージM2とが上下に並んで表示される。そして、エンディング期間が経過して特別図柄の変動表示が可能な状態(ここでは高確高ベース状態)になると、表示画面7aにはメッセージM1及びメッセージM2が表示されたまま演出図柄8等の変動演出用の演出画像が表示される(図53(C)を参照)。
このように、イレギュラーV通過報知とともに第2エラー報知が実行された(第2エラーが発生した)場合、その第2エラーがV非通過予定大当りに係る大当り遊技(Vラウンド)で発生したことが客観的に明らかとなり、不正行為の可能性が十分に考えられる。一方、イレギュラーV通過報知が実行されて第2エラー報知が実行されない場合(表示画面7aにメッセージM1だけが表示された場合)には、Vアタッカーの入球・排出に異常がない中でイレギュラーV通過が発生したといえ、この場合、不正行為によらずにV通過が発生したとも考えらえる。また、イレギュラーV通過報知が実行されずに第2エラー報知が実行された場合(表示画面7aにメッセージM2だけが表示された場合)には、V非通過予定大当り及びV通過大当りの何れかに係る大当り遊技のVラウンドで第2エラー(排出数>入球数)が発生したといえ、この場合、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a又は非特定領域センサ49aの接続不良や故障等の不具合が発生していることも考えられる。
以上はVラウンドでのV有効期間中にV通過(イレギュラー含む)が発生した場合の処理である。これに対し、S2401にて特定領域センサがONでない(OFFである)と判定した場合(S2401でNO)、すなわち、V通過が発生していない場合、Vラウンドが終了したか否かを判定し(S2408)、終了していないと判定した場合(S2408でNO)、S2409及びS2410の処理を行うことなく、本処理を終える。一方、Vラウンドが終了したと判定した場合(S2408でYES)、そのVラウンドがV通過予定大当りによるものであるか否かを判定する(S2409)。
S2409にて、終了したVラウンドがV通過予定大当りによるものでないと判定した場合(S2409でNO)、すなわち、終了したVラウンドがV非通過予定大当りによるものである場合、S2410の処理を行うことなく、本処理を終える。V非通過予定大当りのVラウンドではV通過が発生しないのが通常だからである。一方、終了したVラウンドがV通過予定大当りによるものである場合(S2409でYES)、イレギュラー非通過コマンドをRAMの出力バッファにセットし(S2410)、本処理を終える。このようにイレギュラー非通過コマンドをセットするのは、V通過予定大当りに係る大当り遊技のVラウンドでは、普通に遊技球を発射して大当り遊技(ラウンド遊技)が正常に行われる限り、Vアタッカーに入球した遊技球は特定領域39を通過するのが通常であるが、にもかかわらず、V通過しないままVラウンドが終了してしまうのはイレギュラーな事象だからである。このようなV通過予定大当りでのV非通過(イレギュラーV非通過)は、特定領域39への遊技球の通過に関するエラーの一種として捉えることもできる。
S2410でセットしたイレギュラー非通過コマンドが主制御基板80から副制御基板90へ送信されると、そのコマンドを受信した副制御基板90の演出制御用マイコン91は、イレギュラー非通過報知コマンドを画像制御基板100に送信する。これを受けて画像制御用マイコン101は、イレギュラーV非通過が発生したことを報知するための画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによるイレギュラーV非通過報知を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。例えば、画像表示装置7によるイレギュラーV非通過報知として「V非通過」のメッセージ(第4エラー文字画像)を表示画面7aに表示する。このメッセージ表示は、イレギュラーV非通過の発生が確認されたことに伴って大当り遊技中(Vラウンド後)に開始され、そこから大当り遊技後の遊技状態(ここでは低確高ベース状態)に移行した後も継続して実行される。本実施例では、大当り遊技終了後の期間を含むように定められた報知時間(例えば30分)が経過するまで実行される。このため、遊技者や遊技ホール関係者等は、大当り遊技が終了した後もしばらくの間は、先の大当り遊技でイレギュラーV非通過が発生したことを確認することができる。但し、当該メッセージ(第4エラー文字画像)の表示中に本パチンコ遊技機1の電源を落として再投入した場合、それまで表示されていたメッセージ(第4エラー文字画像)は表示されなくなる。
また本実施例では、「V非通過」のメッセージ表示に加え、イレギュラーV非通過報知として所定の盤面ランプ5(盤LED)を青色で点灯させるものとしている。この青色点灯は、所定の盤面ランプ5(盤LED)を青色で点灯させるランプデータがランプデータ出力処理(S4202)により出力されることで、ランプ制御基板107の点灯制御により実行されるもので、「V非通過」のメッセージ表示と同期して実行される。
なお、イレギュラーV非通過報知のことを「第2報知」ともいう。イレギュラーV非通過報知の態様は本実施例に限定されるものではなく、他の文字(メッセージ)を表示したり、文字の他に図形や記号等を表示したり、効果音を出力したりする等、遊技者や遊技ホール関係者の視覚や聴覚に訴える様々な態様を採ることが可能である。
ここで、イレギュラーV非通過は、V通過予定大当りに係る大当り遊技(Vラウンド)で遊技球が特定領域39を通過しなかった(特定領域センサ39aにより検知されなかった)場合に発生する事象である。こうした事象が発生する原因として、発射装置112の不具合、特定領域センサ39aの接続不良や故障、Vアタッカー内の球詰まりや球噛み、Vアタッカーに向かって流下する遊技球が遊技領域3上で球詰まり(所謂ブドウ)を引き起こす等、遊技者の意図しないトラブルが考えられる。こうしたトラブルが発生した場合、Vラウンドの終了に伴い実行される前述の比較判定処理(S2805)により第1エラー報知が実行され得る。Vアタッカーへの入球数よりも排出数の方が少なくなる(入球数計数手段による計数値よりも排出数計数手段による計数値の方が小さくなる)可能性があるからである。したがって、イレギュラーV非通過が発生した場合、第1エラー(排出数<入球数)も併せて発生し得る。このことに対応して、本実施例ではイレギュラーV非通過報知としての「V非通過」のメッセージ(第4エラー文字画像)と、第1エラー報知としての「Vアタッカー不一致エラー」のメッセージ(第1エラー文字画像)とを、表示画面7aに一緒に(同時期に)表示可能としている。このようにイレギュラーV非通過報知と第1エラー報知が実行される場合の表示画面7aの表示内容の一例を図54(A)~(C)に示す。
例えば、図54(A)に示すように、7R第1大当り(V通過大当り)に係る7R大当り遊技のVラウンド(7ラウンド)が実行されるなか、遊技球が特定領域39を通過しないまま当該Vラウンドが終了すると、表示画面7aではラウンド演出が終了してエンディング演出が開始される(図54(A)→(B)を参照)。このとき、終了したVラウンドで遊技球が特定領域39を通過しなかった旨、すなわち、イレギュラーV非通過が発生した旨を示す「V非通過」のメッセージM3が、エンディング演出を表示中の表示画面7aの一部(本例では画面右上部)に表示される(図54(B)を参照)。また、Vラウンド(7ラウンド)の終了により比較判定処理(S2805)が実行され、その結果、Vアタッカーの排出数が入球数よりも少ないと判定されると、第1エラー処理が実行され(S2907)、第1エラーが発生した旨を示す「Vアタッカー不一致エラー」のメッセージM4が、エンディング演出を表示中の表示画面7aの一部(本例では画面右上部)に表示される(図54(B)を参照)。このとき、メッセージM4はメッセージM3の真下に表示される。これにより、メッセージM3とメッセージM4とが上下に並んで表示される。そして、エンディング期間が経過して特別図柄の変動表示が可能な状態(ここでは低確高ベース状態)になると、表示画面7aにはメッセージM3及びメッセージM4が表示されたまま演出図柄8等の変動演出用の演出画像が表示される(図54(C)を参照)。
このように、イレギュラーV非通過報知とともに第1エラー報知が実行された(第1エラーが発生した)場合、その第1エラーがV通過予定大当りに係る大当り遊技(Vラウンド)で発生したことが客観的に明らかとなり、この場合、例えば、発射装置112や特定領域センサ39a、Vアタッカー(可動片150)等に何らかの不具合が発生していることが考えられる。一方、イレギュラーV非通過報知が実行されて第1エラー報知が実行されない場合(表示画面7aにメッセージM3だけが表示された場合)には、Vアタッカーの入球・排出に異常がない中でイレギュラーV非通過が発生したといえ、この場合、例えば、発射装置112の不具合やブドウの発生によりVアタッカーへの入球が滞ったことが考えらえる。また、イレギュラーV非通過報知が実行されずに第1エラー報知が実行された場合(表示画面7aにメッセージM4だけが表示された場合)には、V非通過予定大当り及びV通過大当りの何れかに係る大当り遊技のVラウンドで第1エラー(排出数<入球数)が発生したといえ、この場合、Vアタッカー内の球詰まりや球噛み等が発生していることも考えられる。
なお、本実施例では、V非通過予定大当りに係る大当り遊技(Vラウンド)でV通過するイレギュラーV通過が発生した場合と、V通過予定大当りに係る大当り遊技(Vラウンド)でV通過しないイレギュラーV非通過が発生した場合との何れにおいても、それぞれに対応した報知を行う構成としていたが、何れか一方についてのみ報知を行う構成としてもよい。但し、イレギュラーV通過とイレギュラーV非通過のうち、少なくともイレギュラーV通過が発生した場合にその旨を報知する構成とするのが望ましい。イレギュラーV通過は不正行為に起因して発生する可能性がイレギュラーV非通過に比して高いからである。
次に、イレギュラーV通過の発生を特定可能な信号の出力に係る構成について説明する。前述の実施例1で説明したように、パチンコ遊技機1の裏面右上部には外部端子板118が設けられている(図2を参照)。この外部端子板118が備える端子に、例えばホールコンピュータの配線を接続することで、ホールコンピュータに対して遊技機1の作動状況を示す信号(外部情報)を出力することが可能となる。出力可能な信号には、例えば、各種入賞口やゲートへの遊技球の入球(通過)検知(遊技球検知手段による検知)があったことを特定可能な入球信号、特別図柄の変動開始(変動中)及び変動停止を特定可能な特別図柄信号、大入賞装置が作動中(大当り遊技中)であること特定可能な大当り信号、確率変動機能が作動中(高確率状態中)であることを特定可能な確率変動信号、変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを特定可能な時短信号、開放時間延長機能が作動中(高ベース状態中)であることを特定可能な開放延長信号等がある。これらの各種信号(遊技情報)は主制御部80(遊技制御用マイコン81)により生成され、主制御部80の情報出力回路(図示せず)から外部端子板118を介してホールコンピュータに出力される。この信号出力に係る処理として、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、割り込み処理(S105)のなかで情報出力処理を実行する。情報出力処理を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「情報出力手段」として機能するものである。
本実施例では、遊技制御用マイコン81が実行する情報出力処理により生成・出力可能な信号(遊技情報)の1つとして、イレギュラーV通過の発生を特定可能な信号が設けられている。当該信号の出力に係る処理は、大当り遊技の実行中であってVラウンドが行われているとき(Vラウンド中)に、情報出力処理のなかで実行される。以下、Vラウンド中に実行されるVラウンド情報出力処理(S208)について説明する。
[Vラウンド情報出力処理]
図55に示すように、Vラウンド情報出力処理(S208)では、まず、VフラグがOFFであるか否かを判定し(S3001)、OFFでないと判定した場合、すなわちVフラグがONである場合、S3002以降の処理を行うことなく本処理を終える。ここで、Vフラグは、前述の特定領域センサ検知処理(S207)においてV有効期間中の最初(1個目)のV通過(が検知されるとONになるフラグである(S2401~S2403)。本実施例では、Vラウンド中(V有効期間中)の最初(1個目)のV通過を検知したことに基づいて後述するV通過信号のON/OFF出力を行う構成としているため、S3001でVフラグOFFであるか否かを判定するのである。
S3001にてVフラグOFFであると判定した場合(S3001でYES)、特定領域有効期間中(V有効期間中)であるか否かを判定する(S3002)。その結果、V有効期間中でないと判定した場合(S3002でNO)、S3003以降の処理を行うことなく本処理を終え、V有効期間中であると判定した場合(S3002でYES)、特定領域センサ39aがONになったか否かを判定する(S3003)。
S3003にて特定領域センサ39aがONになっていない(OFFである)と判定した場合(S3003でNO)、S3004以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、特定領域センサ39aがONになった(遊技球が特定領域39を通過した)と判定した場合(S3003でYES)、現在実行中のVラウンド(大当り遊技)がV通過予定大当り(第2特別遊技)に係るものであるか否かを判定する(S3004)。この判定は、例えば、今回の大当り遊技の実行契機となった(特別図柄表示部に表示されている)大当り図柄の種類(大当り種別)に基づいて行うことができる。
S3004にてV通過予定大当りに係るものであると判定した場合(S3004でYES)、第1V通過信号をONで出力するとともに(S3005)、第2V通過信号をOFFで出力する(S3006)。V通過予定大当りに係るVラウンドのV有効期間中に特定領域センサ39aがONになった場合、V通過が普通に発生したこととなる。この場合にON出力される第1V通過信号は、V通過予定大当りに係る大当り遊技(Vラウンド)中に遊技球が特定領域39を通過したことを特定可能な信号として機能するもので、外部端子板118を介してホールコンピュータ(外部機器)に出力される。なお、V通過予定大当りに係る大当り遊技(Vラウンド)中に遊技球が特定領域39を通過することを「レギュラーV通過」ともいい、当該通過を特定可能な第1V通過信号のことを「レギュラーV通過信号」ともいう。
これに対し、S3004にてV通過予定大当りに係るものでないと判定した場合(S3004でNO)、すなわち、現在実行中のVラウンドがV非通過予定大当り(第1特別遊技)に係るものである場合、第1V通過信号をOFFで出力するとともに(S3007)、第2V通過信号をONで出力する。この場合にON出力される第2V通過信号は、V非通過予定大当りに係る大当り遊技(Vラウンド)中に遊技球が特定領域39を通過したこと(イレギュラーV通過の発生)を特定可能な信号として機能するもので、外部端子板118を介してホールコンピュータ(外部機器)に出力される。なお、イレギュラーV通過の発生を特定可能な第2V通過信号のことを「イレギュラーV通過信号」ともいう。また、レギュラーV通過信号のことを「第1通過特定情報」ともいい、イレギュラーV通過信号のことを「第2通過特定情報」ともいい、レギュラーV通過信号(第1通過特定情報)及びイレギュラーV通過信号(第2通過特定情報)の何れか一方又は両方を指して「通過特定情報」ともいう。
ここで、第1V通過信号及び第2V通過信号の出力態様を図56に示す。図56(A)に示すように、V通過予定大当りに係るVラウンドでのV有効期間中に遊技球が特定領域39を通過すると、特定領域検知センサ39aの検知信号がOFFからONに変化し(立ち上がり)、その後OFFに戻る(立ち下がる)。この特定領域検知センサ39aの検知信号のOFFからONへの変化を受けて、第1V通過信号(レギュラーV通過信号)がOFFからONに変化し(立ち上がり)、これにより第1V通過信号がON出力される。本実施例では、第1V通過信号のON出力を1000ms行うものとしており、ONに変化してから1000msが経過すると、第1V通過信号はOFFに戻る(立ち下がる)。こうして第1V通過信号がON出力されるとき、第2V通過信号(イレギュラーV通過信号)の出力状態が変化することはなく、第2V通過信号はOFFのままである。このように第1V通過信号がON出力されて第2V通過信号がOFF出力されることで、遊技ホール関係者等は、V通過予定大当りに係る大当り遊技のVラウンドにてV通過(レギュラーV通過)が発生したことを、ホールコンピュータを通じて特定(確認)することが可能となる。なお、第1V通過信号のON出力時間は1000msより短くても長くてもよく、任意に定めることが可能である。
一方、図56(B)に示すように、V非通過予定大当りに係るVラウンドでのV有効期間中に遊技球が特定領域39を通過すると、特定領域検知センサ39aの検知信号がOFFからONに変化し(立ち上がり)、その後OFFに戻る(立ち下がる)。この特定領域検知センサ39aの検知信号のOFFからONへの変化を受けて、第2V通過信号(イレギュラーV通過信号)がOFFからONに変化し(立ち上がり)、これにより第2V通過信号がON出力される。本実施例では、第2V通過信号のON出力を第1V通過信号と同様に1000ms行うものとしており、ONに変化してから1000msが経過すると、第2V通過信号はOFFに戻る(立ち下がる)。こうして第2V通過信号がON出力されるとき、第1V通過信号(レギュラーV通過信号)の出力状態が変化することはなく、第1V通過信号はOFFのままである。このように第1V通過信号がOFF出力されて第2V通過信号がON出力されることで、遊技ホール関係者等は、V非通過予定大当りに係る大当り遊技のVラウンドにてV通過(イレギュラーV通過)が発生したことを、ホールコンピュータを通じて特定(確認)することが可能となる。なお、第2V通過信号のON出力時間は1000msより短くても長くてもよく、また、第1V通過信号のON出力時間と異ならせてもよく、任意に定めることが可能である。
[実施例3の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1(V確機)では、識別情報(特別図柄又は演出図柄8)が変動表示後に第1特定表示態様で表示されると、V非通過予定大当りに係る大当り遊技(第1特別遊技)が実行され、第2特定表示態様でされると、V通過予定大当りに係る大当り遊技(第2特別遊技)が実行される。そして、識別情報が第1特定表示態様で表示された状態で実行される大当り遊技(第1特別遊技)中にV通過するイレギュラーV通過(第1状況)と、識別情報が第2特定表示態様で表示された状態で実行される大当り遊技(第2特別遊技)中にV通過しないイレギュラーV非通過(第2状況)のうち少なくとも一方が発生した場合、画像表示装置7や枠ランプ66、盤面ランプ5を用いた所定の報知が実行される。このため、実行中の大当り遊技の種類とV通過有無との関係に矛盾をきたすイレギュラーな事象が発生した場合には、その旨を遊技者や遊技ホール関係者等に視覚を通じて認識させることが可能となる。これにより、V確機の信頼性の維持・向上を図ることが可能となる。
特に本実施例では、イレギュラーV通過とイレギュラーV非通過のうち少なくとも一方が発生したことに基づいて実行される報知は、大当り遊技終了後の期間を含むように定められた所定の報知時間(例えば30分)が経過するまで実行される。このため、大当り遊技が終了した後においても、その大当り遊技中にイレギュラーな事象が発生した旨を遊技者や遊技ホール関係者等に認識させることが可能となる。これにより、イレギュラーな事象が発生した旨を事後的に確認することが可能となり、イレギュラーな事象が発生した場合の事実確認が容易となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、イレギュラーV通過が発生した場合、これに対応するイレギュラーV通過報知(第1報知)が実行され、イレギュラーV非通過が発生した場合、これに対応するイレギュラーV非通過報知(第2報知)が実行され、イレギュラーV通過報知とイレギュラーV非通過報知とでは報知の態様が異なるものとなっている。このため、イレギュラーV通過とイレギュラーV非通過との何れが発生したのかを報知の種類(態様)によって判別可能となる。これにより、イレギュラーな事象が発生したときの状況判断が容易となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、イレギュラーV通過が発生した場合、その旨を特定可能なイレギュラーV通過信号(通過特定情報)を、外部端子板118を介してホールコンピュータ等の外部機器に出力することが可能となっている。このため、V非通過予定大当りに係る大当り遊技(第1特別遊技)にて遊技球が特定領域39を通過したことを、例えば、ホールコンピュータ等の外部機器にて認識できるようになる。ここで、V非通過予定大当りに係る大当り遊技は、V通過が予定されない大当り遊技であるため、当該大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することはまずない。にもかかわらず、当該大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過したということは、特定領域通過の誤検知(故障)や不正行為等が疑われる。そこで、V非通過予定大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過したことを特定可能なイレギュラーV通過信号を外部出力することにより、遊技機の故障や不正行為等の発見に繋げることが可能となる。
また、本実施例を前述の実施例2に適用することで、比較判定処理(S2805)によるエラー報知(第1エラー報知、第2エラー報知)と相俟って、V通過に関連するトラブルの発生を複合的に報知することが可能となる。これにより、V通過に関連するトラブルが発生したときの原因究明が容易となり、トラブル解消のための対策を講じやすくなる。また、そうした複合的な報知が不正行為の抑止力にもなり得る。
以上、本発明の実施の形態として実施例1~3を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例では、大当り遊技の7ラウンド目をVラウンド(特定ラウンド遊技)としていたが、Vラウンドを実行するラウンドはどのラウンドでもよく、また、実行回数も2回以上としてもよい。
また、前述の実施例では、V通過予定大当りに係る大当り遊技のVラウンドにおいて、可動片150が第1作動を実行(開始)する都度、V有効期間を開始(設定)するものとしていた(S2704、S2707)。これに対し、V通過予定大当りに係る大当り遊技のVラウンドでは、可動片150の第1作動を2回行うことが前提であることから、1回目の第1作動を契機にV有効期間を開始(設定)した後、可動片150が第2作動を実行するまで(非作動状態になるまで)、V有効期間を維持するようにしてもよい。こうすれば、V有効期間の開始(設定)を1回だけ行えばよいので、Vラウンドの実行制御の簡略化が図れるようになる。
また、前述の実施例では、Vアタッカー(第2大入賞口35)に入球した遊技球を特定領域39又は非特定領域49に誘導可能(振分可能)な可動片150の作動パターン(短開放パターン又は長開放パターン)によって、VラウンドでのV通過可能性を異ならせる(V通過容易又はV通過困難とする)ものとしていた。これに対し、Vアタッカーの開放を契機に可動片(振分部材)を一定の態様(一定周期)で作動させることとし、Vアタッカー開放パターンとして、遊技球の入球が困難となる短開放パターンと、遊技球の入球が容易となる長開放パターンを設けることによって、VラウンドでのV通過可能性を異ならせることも可能である。このような構成にも本発明は適用可能である。
また、前述の実施例では、Vラウンドでの可動片150の作動パターンとして、特定領域39を80ms開放させる短開放パターン(特定領域39への遊技球の通過可能性が相対的に低い作動パターン)と、特定領域39を最大23000ms作動させる長開放パターン(特定領域39への遊技球の通過可能性が相対的に高くなる作動パターン)との2種類を備えていたが、これより多くの作動パターンを備えるものとしてもよい。例えば、特定領域39を500ms開放させるパターン、特定領域39を1000ms開放させるパターン、特定領域39を2000ms開放させるパターン、特定領域39を5000ms開放させるパターンなど、特定領域39への遊技球の通過可能性が更に細かく変化し得る種々の作動パターンを設けることも可能である。つまり、作動状態にある可動片150の第2作動の実行契機となるVアタッカーへの入球数(第3所定値C3)を、それら特定領域39の開放時間を考慮して細かく(複数)設定することも可能である。こうすれば、VラウンドでのV通過可能性を多様に設定することが可能となり、これによりVラウンドの興趣の向上を図ることが可能となる。
また、前述の実施例では、V通過予定大当りとV非通過予定大当りの双方のVラウンドにおいて、Vアタッカーへの入球数(入球数計数手段による計数値)が「1」となった場合に、可動片150の1回目の第1作動を短開放パターンで行うものとしていたが、V通過予定大当りについては、短開放パターンによる可動片150の第1作動を設けなくてもよい。V通過予定大当りは、VラウンドでのV通過を前提とする大当りだからである。
また、前述の実施例では、大当り遊技のラウンド数として「7R」と「15R」の2種類を有するものとしていたが、ラウンド数はこれに限定されるものではなく、また、ラウンド数の種類(つまり、大当りの種類)も3種類以上としたり、あるいは、1種類だけとしたりすることが可能である。さらに、第1大入賞口30および第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放パターンも前述の実施例に限定されるものではなく、例えば、1ラウンドあたりの開放時間や開放回数、各ラウンドで開放させる大入賞口の種類、開放順序等は、種々の態様を採ることが可能である。
また、前述の実施例では、大当り遊技中のVラウンドで遊技球が特定領域39を通過したことに基づいて、高確率状態を発生させるという遊技上の特典を遊技者に付与するものを例示したが、本発明でいう特典は高確率状態の発生に限られるものではない。例えば、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態や、識別情報の変動時間を通常より短くする変動時間短縮状態(時短状態)等、遊技者に何らかの利益を付与するものであれば、その特典の内容(種類)は問わない。また、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、一の特典を付与するものであっても複数の特典を付与するものであってもよい。
また、前述の実施例では、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて確変カウンタにセットする値を「200」とし、高確率状態での特別図柄当否判定の実行回数が「200」になると、次回以降の特別図柄当否判定が低確率状態で行われることとなる仕様、すなわち、次回大当り発生まで高確率状態が保証されるとは限らない仕様の遊技機(所謂「V確ST機」)としていたが、確変カウンタにセットする値は、遊技機の仕様(スペック)に応じて適宜設定することが可能である。例えば、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるにあたり、確変カウンタに「10000」をセットして、特別図柄当否判定の実行回数が10,000回になるまで、換言すると、実質的に次回の大当りが発生するまで、高確率状態が保証される仕様(所謂「V確ループ機」)に本発明を適用することも可能である。あるいは、確変カウンタの他に、例えば、高確率状態での大当りの発生回数を計数するカウンタ(大当りカウンタ)を設け、大当り発生回数(大当りカウンタのカウント値)が所定回数(例えば「5」)になると、その所定回数目(例えば「5回目」)の大当りに係る大当り遊技の終了後は必ず(強制的に)低確率状態になる仕様の遊技機(所謂「V確セット機」)に本発明を適用することも可能である。
また、前述の実施例では、第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して行う構成(いわゆる「優先消化」、「優先変動」)としていたが、これに限定されるものではない。例えば、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)と第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を始動入球順に行う構成や、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とを並行して行う構成(いわゆる「同時消化」、「同時変動」)としてもよい。また、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)を第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)に優先して行う構成としてもよい。
また、前述した実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
従来、所定の判定実行条件の成立を契機に実行される当否判定の結果が大当り等の特定結果となった場合に、大当り遊技等の特別遊技が実行される遊技機が知られている。この種の遊技機において、特別遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合に遊技上の特典(例えば、特別遊技後の遊技状態を通常よりも有利な遊技状態とする特典)を付与するように構成されたものが存在する(例えば特開2012-245172号公報を参照)。
従来の特定領域を備えた遊技機では、特別遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、当該通過に基づく演出を実行することで、特定領域への通過の発生を遊技者に報知することが可能である。しかしながら、特定領域への通過の発生を一律に報知するだけでは面白みに欠け、特定領域を備えた遊技機の興趣の向上が十分に図れない。
本参考発明1は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定領域を備えた遊技機の興趣を向上させることにある。
参考発明1-1の遊技機は、
当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定結果となったことに基づいて特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記特別遊技中の所定時期に遊技球が入球可能な状態となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球が通過可能な第1領域及び第2領域と、
演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記可変入球口に入球した遊技球は前記第1領域又は前記第2領域を通過し、
前記可変入球口に入球した遊技球が前記第1領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与可能な遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記当否判定の結果を報知する報知演出を実行可能であって、前記当否判定の結果が特定結果である旨を報知する報知演出として、少なくとも第1特定報知演出と第2特定報知演出とを実行可能であり、
前記第1特定報知演出の実行後に前記特別遊技が開始されて該特別遊技中に遊技球が前記第1領域を通過した場合、当該通過を報知する演出を実行せず、
前記第2特定報知演出の実行後に前記特別遊技が開始されて該特別遊技中に遊技球が前記第1領域を通過した場合、当該通過を報知する演出を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、当否判定の結果が特定結果である旨を報知する報知演出(以下「特定報知演出」ともいう)として第1特定報知演出が実行され、当該演出を経て特別遊技が実行される場合、当該特別遊技中に遊技球が第1領域(特定領域)を通過してもその旨を報知する演出は実行されない。一方、特定報知演出として第2特定報知演出が実行され、当該演出を経て特別遊技が実行される場合、当該特別遊技中に遊技球が第1領域を通過するとその旨を報知する演出が実行される。このため、第1特定報知演出を経て実行(開始)される特別遊技は第1領域への遊技球の通過が報知されない遊技性となり、第2特定報知演出を経て実行(開始)される特別遊技は第1領域への遊技球の通過が報知される遊技性となる。こうした特別遊技の遊技性を、特別遊技の開始前に実行される報知演出(特定報知演出)を通じて遊技者に認識させることが可能となる。これにより、特別遊技の開始前から、第1領域(特定領域)への遊技球の通過(つまり、特典付与)に対する興趣を高めることが可能となる。
参考発明1-2の遊技機は、前述した参考発明1-1の遊技機において、
前記演出実行手段は、
前記第1特定報知演出の実行後に開始された前記特別遊技中、該特別遊技が終了するまで前記第1領域への遊技球の通過有無を報知することなく所定の第1特別遊技演出を実行し、
前記第2特定報知演出の実行後に開始された前記特別遊技中、所定の第2特別遊技演出を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1特定報知演出を経て開始される特別遊技では第1特別遊技演出が実行され、当該特別遊技が終了するまで第1領域への遊技球の通過有無が報知されることはない。一方、第2特定報知演出を経て開始される特別遊技では第2特別遊技演出が実行され、当該特別遊技中に遊技球が第1領域を通過した場合には当該通過を報知する演出が実行される。このため、第1特別遊技演出は第1領域への遊技球の通過有無の報知を伴わない非報知タイプの特別遊技演出であるといえ、第2特別遊技演出は第1領域への遊技球の通過の報知を伴う報知タイプの特別遊技演出であるといえる。これにより、特別遊技の遊技性に即した特別遊技演出が特別遊技中に実行されるため、特別遊技前の特定報知演出と相俟って特別遊技の興趣を高めることが可能となる。
参考発明1-3の遊技機は、前述した参考発明1-1又は参考発明1-2の遊技機において、
前記特別遊技には、第1特別遊技と、前記第1領域への遊技球の通過可能性が前記第1特別遊技よりも高い第2特別遊技と、があり、
前記第1特定報知演出の実行後は、前記第1特別遊技が開始される場合と前記第2特別遊技が開始される場合とがあり、
前記第2特定報知演出の実行後は、前記第1特別遊技が開始されずに前記第2特別遊技が開始される
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定報知演出として第1特定報知演出が実行されると、当該演出後に、第1領域への遊技球の通過可能性が相対的に低い第1特別遊技又は第1領域への遊技球の通過可能性が相対的に高い第2特別遊技が開始される。そして、何れの特別遊技が開始されたとしても、その特別遊技中に遊技球が第1領域を通過した場合の当該通過を報知する演出は実行されない。このため、第1特定報知演出を経て特別遊技が開始される場合、第1領域への遊技球の通過可能性や通過有無が明らかでない状況下で遊技が進行することとなる。一方、特定報知演出として第2特定報知演出が実行されると、当該演出後に、第1領域への遊技球の通過可能性が相対的に高い第2特別遊技が開始される。そして、第2特別遊技中に遊技球が第1領域を通過した場合、当該通過を報知する演出が実行される。このため、第2特定報知演出を経て特別遊技が開始される場合、第1領域への遊技球の通過可能性や通過有無が明らかな状況下で遊技が進行することとなる。これにより、特定報知演出として第1特定報知演出と第2特定報知演出の何れが実行されるのかに遊技者を注目させて、特別遊技の開始前から開始後にかけての興趣を効果的に高めることが可能となる。
参考発明1-4の遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域を備えた遊技盤と、
前記遊技領域に配された入球口、及び、特定の入賞口(例えば第2大入賞口35)と、
前記特定の入賞口を開閉する開閉部材と、
前記特定の入賞口を通過した遊技球が通過可能な特定領域及び非特定領域と、
前記特定領域又は前記非特定領域へ遊技球を振り分ける振分部材と、
前記入球口への遊技球の入球に基づいて大当りの当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示す特別図柄を変動表示させて停止表示させる特別図柄表示手段と、
前記特別図柄表示手段により停止表示された特別図柄が予め定めた大当り図柄である場合に前記開閉部材を作動させる大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記大当り遊技の実行中に前記振分部材を作動させる振分部材作動手段と、
前記大当り遊技の実行後の遊技状態を、その大当り遊技の実行中に前記特定領域への通過があったときには、非高確率状態よりも大当り当選確率の高い高確率状態に制御可能であり、前記特定領域への通過がなかったときには前記非高確率状態に制御する遊技状態制御手段と、
演出を表示可能な演出表示手段と、
前記演出表示手段を制御可能な演出制御手段と、を備えている遊技機であって、
前記遊技領域には、遊技者が打ち分け可能な第1遊技領域と第2遊技領域とが含まれて
おり、
前記特定の入賞口は、前記第2遊技領域に配されており、
前記特別図柄表示手段により停止表示され得る前記大当り図柄には、その大当り図柄が停止表示されて実行された大当り遊技中に前記特定領域への通過が許容される通過許容図柄が複数含まれており、
前記演出制御手段は、
前記大当り遊技の実行中に、前記演出表示手段を用いて前記第2遊技領域に向けて遊技球を打ち込む旨を報知するものであり、
前記複数の通過許容図柄のうちの特定の図柄が停止表示されて実行された大当り遊技中に前記特定領域への遊技球の通過があった場合には、当該特定領域への遊技球の通過を前記演出表示手段を用いて報知する一方で、
前記複数の通過許容図柄のうちの前記特定の図柄と異なる非特定の図柄が停止表示されて実行された大当り遊技中に前記特定領域への遊技球の通過があった場合には、当該特定領域への遊技球の通過を前記演出表示手段を用いて報知しないことを特徴とするものである。
以上の本参考発明1によれば、特定領域を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能である。
(参考発明2)
従来、所定の判定実行条件の成立を契機に実行される当否判定の結果が大当り等の特定結果となった場合に、大当り遊技等の特別遊技が実行される遊技機が知られている。この種の遊技機において、特別遊技中、所定の可変入球口(「Vアタッカー」ともいう)に入球した遊技球が特定領域を通過した場合に遊技上の特典(例えば、特別遊技後の遊技状態を通常よりも有利な遊技状態とする特典)を付与するように構成されたものが存在する(例えば特開2012-245172号公報を参照)。
特開2012-245172号公報に記載の遊技機では、特定領域の上部開口の開放及び閉鎖を行う蓋部材がVアタッカーの内部に設けられており、Vアタッカーに入球した遊技球が特定領域の上部開口を通過するタイミングで蓋部材が開放位置に移動していれば、特定領域を通過し得る構成となっている。蓋部材の作動(移動)はVアタッカーの開放を契機として行われ、Vアタッカー開放からの経過時間に基づいて作動タイミング(開放タイミング、閉鎖タイミング)が定められる。このような構成では、Vアタッカーの開放後、Vアタッカーに遊技球が入球する前に蓋部材(特定領域)が開放することもあり、Vアタッカーに遊技球が入球するタイミングによっては特定領域通過の機会を逸することもあり得るため、遊技の興趣の低下が懸念される。
本参考発明2は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定領域を備えた遊技機の興趣の低下を抑制することにある。
参考発明2-1の遊技機は、
当否判定を実行可能な当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定結果となったことに基づいて特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記特別遊技中に遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球が通過可能な第1領域及び第2領域と、を備え、
前記特別遊技は複数のラウンド遊技により構成され、
前記可変入球口は、前記複数のラウンド遊技のうち特定ラウンド遊技にて遊技球が入球可能となり、
前記可変入球口に入球した遊技球は前記第1領域又は前記第2領域を通過し、
前記可変入球口に入球した遊技球が前記第1領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与可能な遊技機であって、
前記可変入球口に入球した遊技球を検知可能な入球検知手段と、
前記可変入球口に入球した遊技球を前記第1領域へ振り分ける第1振分状態と、前記可変入球口に入球した遊技球を前記第2領域へ振り分ける第2振分状態と、を採り得る振分部材と、
前記振分部材の状態を制御可能な振分制御手段と、を備え、
前記振分制御手段は、前記特定ラウンド遊技において、前記入球検知手段による検知数が第1の値になると前記振分部材を前記第1振分状態とし、前記入球検知手段による検知数が前記第1の値よりも大きい第2の値になると前記振分部材を前記第2振分状態とする
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定ラウンド遊技にて可変入球口に入球した遊技球を第1領域(特定領域)又は第2領域(非特定領域)に振り分ける振分部材の状態(振分状態)が、特定ラウンド遊技での入球検知手段による検知数(可変入球口への入球数)に基づいて変化する。すなわち、特定ラウンド遊技において、入球検知手段による検知数が第1の値になると、振分部材が遊技球を第1領域へ振り分ける第1振分状態となり、検知数が第1の値よりも大きい第2の値になると、振分部材が遊技球を第2領域へ振り分ける第2振分状態となる。このため、可変入球口への先の入球を契機として振分部材が第1振分状態となり、その後の入球を契機として振分部材が第2振分状態となる。これにより、特定ラウンド遊技にて可変入球口に入球した遊技球を第1領域に振り分けて第1領域を通過させる場合、可変入球口への入球が滞りなく行われる限り、第1領域への振り分け(第1領域への通過)が略確実に発生し得るため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
参考発明2-2の遊技機は、前述した参考発明2-1の遊技機において、
前記特別遊技実行手段は、前記特定ラウンド遊技において、前記入球検知手段による検知数が前記第2の値になると該特定ラウンド遊技を終了させる
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定ラウンド遊技において、入球検知手段による検知数が第1の値となって振分部材が第1振分状態となった後、入球検知手段による検知数が第2の値になると、振分部材が第2振分状態になるとともに特定ラウンド遊技が終了する。このため、第1振分状態にある振分部材が第2振分状態に変化する条件が成立するまでは、特定ラウンド遊技が終了しない構成とすることが可能となる。これにより、特定ラウンド遊技にて可変入球口に入球した遊技球を第1領域に振り分けて第1領域を通過させる場合の当該第1領域への振り分け(第1領域への通過)の確実性を増すことが可能となる。また、第1振分状態にある振分部材の第2振分状態への変化と特定ラウンド遊技の終了とを、同じ入球検知手段による検知数(第2の値)に基づいて制御可能であるため、特定ラウンド遊技の実行制御の簡素化が図れるという利点もある。
参考発明2-3の遊技機は、前述した参考発明2-1又は参考発明2-2の遊技機において、
前記第1領域への遊技球の通過が有効とされる有効期間を設定可能な有効期間設定手段を備え、
前記有効期間設定手段は、前記特定ラウンド遊技において前記入球検知手段による検知数が前記第1の値になると前記有効期間を開始させ、前記入球検知手段による検知数が前記第2の値になって所定期間が経過すると前記有効期間を終了させる
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定ラウンド遊技において、入球検知手段による検知数が第1の値になると、振分部材が第1振分状態になるとともに、第1領域への通過を有効とする有効期間が開始される。この後、入球検知手段による検知数が第2の値になると、振分部材が第2振分状態になるとともに、その検知数が第2の値(振分部材が第2振分状態)となってから所定期間が経過すると、前述の有効期間が終了する。このため、特定ラウンド遊技にて振分部材が第1振分状態となってから第2振分状態となるまでの間及び第2振分状態となってから所定期間が経過するまでの間は、第1領域の有効期間となる。これにより、特定ラウンド遊技にて可変入球口に入球した遊技球が第1領域に振り分けられて第1領域を通過する場合、その通過を漏れなく適切に検知することが可能となる。また、振分部材の状態変化と第1領域の有効期間の設定(開始及び終了)とを、同じ入球検知手段による検知数(第2の値)に基づいて制御可能であるため、特定ラウンド遊技の実行制御の簡素化が図れるという利点もある。
参考発明2-4の遊技機は、前述した参考発明2-1から参考発明2-3の何れか一つの遊技機において、
演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、前記特定ラウンド遊技において、前記振分部材が前記第1振分状態となってから前記第2振分状態となるまでの間に遊技球が前記第1領域を通過した場合、当該通過を報知する演出を実行する場合と実行しない場合とがある
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定ラウンド遊技において、振分部材が第1振分状態となってから第2振分状態となるまでの間に遊技球が第1領域を通過した場合、その通過を報知する演出が実行される場合と実行されない場合とがある。このため、特定ラウンド遊技では、第1領域への遊技球の通過を報知する演出が実行されれば、当該演出を通じて、第1領域への通過が発生したことを遊技者に認識させることが可能となる。一方で、第1領域への遊技球の通過を報知する演出が実行されないとしても、遊技球が第1領域を通過していること(つまり、特典が付与されること)に対する期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。これにより、特定ラウンド遊技の興趣を高めることが可能となる。
参考発明2-5の遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域に配されている入球口と、
前記遊技領域に配されている特別入賞口(例えば第2大入賞口35)と、前記特別入賞口を開閉する開閉部材と、前記特別入賞口を通過した遊技球が通過可能な特定領域及び非特定領域と、第1状態にあるときには前記特定領域に遊技球を振り分け、第2状態にあるときには前記非特定領域に遊技球を振り分ける振分部材と、を有する特別入賞手段(例えば第2大入賞装置36)と、
前記入球口への入球に基づいて数値情報を取得する数値情報取得手段と、
前記数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて大当りの当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果を示す図柄を変動表示を経て停止表示させる手段であって、前記当否判定の結果が大当り当選であれば複数種類の大当り図柄のうちのいずれかを停止表示させる図柄表示手段と、
前記図柄表示手段により前記大当り図柄が停止表示されると、前記開閉部材を開放させるラウンド遊技を含む特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記特別遊技後の遊技状態を、前記特定領域への遊技球の通過に基づいて、通常確率状態よりも前記大当りへの当選確率が高い高確率状態に制御可能な高確率状態制御手段と、
1回の前記ラウンド遊技における前記特別入賞口への入賞球数に基づいて前記振分部材の状態を前記第1状態と前記第2状態との間で切り替え可能な振分部材制御手段と、を備
え、
前記振分部材制御手段は、
前記入賞球数が特定の値になると、前記第2状態にある振分部材を前記特定領域への通過が生じ得る通過許容時間にわたって前記第1状態に制御可能な通過許容制御を実行し得て、
前記入賞球数が前記特定の値とは異なる他の値になると、前記第2状態にある振分部材を前記特定領域への通過が生じ難い通過困難時間にわたって前記第1状態に制御する通過困難制御を実行し得るものであることを特徴とするものである。
以上の本参考発明2によれば、特定領域を備えた遊技機の興趣の低下を抑制することが可能である。
(参考発明3)
前述した従来からの特定領域を備えた遊技機では、特定領域への遊技球の通過有無といった機械的な抽選により特典の付与又は非付与が決定される。このため、特定領域(機械的な抽選)に関連する異常の発生に備えることが、遊技に対する信頼性の観点から重要である。
本参考発明3は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定領域を備えた遊技機の信頼性が損なわれるのを防ぐことにある。
参考発明3-1の遊技機は、
当否判定を実行可能な当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定結果となったことに基づいて特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
遊技球が入球可能な第1状態と遊技球が入球不能な第2状態とに変化可能な可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球が通過可能な第1領域及び第2領域と、
前記可変入球口に遊技球が入球したのを検知可能な入球検知手段と、
前記可変入球口に入球した遊技球が前記第1領域を通過したのを検知可能な第1通過検知手段と、
前記可変入球口に入球した遊技球が前記第2領域を通過したのを検知可能な第2通過検知手段と、を備え、
前記特別遊技は複数のラウンド遊技により構成され、
前記可変入球口は、前記複数のラウンド遊技のうち特定ラウンド遊技にて前記第1状態となり、
前記可変入球口に入球した遊技球は前記第1領域又は前記第2領域を通過して排出され、
前記特定ラウンド遊技にて前記可変入球口に入球した遊技球が前記第1領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与可能な遊技機であって、
前記入球検知手段、前記第1通過検知手段及び前記第2通過検知手段の検知結果に基づいて、前記可変入球口への入球数と排出数とを比較判定する比較判定手段と、
前記比較判定の結果、前記入球数と前記排出数とが一致しない場合にエラー処理を実行するエラー処理手段と、を備え、
前記エラー処理手段は、前記排出数が前記入球数よりも少ない場合に所定の第1エラー処理を実行し、前記排出数が前記入球数よりも多い場合に所定の第2エラー処理を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別遊技中の特定ラウンド遊技にて入球可能(第1状態)となる可変入球口に遊技球が入球すると、その遊技球は第1領域(特定領域)又は第2領域(非特定領域)を通過して排出され、第1領域を通過した場合に所定の特典が付与される。こうした構成のもと、可変入球口への入球数と排出数との比較判定が実行され、その結果、入球数と排出数とが一致しない場合にはエラー処理が実行される。具体的に、排出数が入球数よりも少ない場合には所定の第1エラー処理が実行され、排出数が入球数よりも多い場合には所定の第2エラー処理が実行される。このため、比較判定により入球数と排出数とが一致しないと判定されたときの入球数と排出数との関係に応じたエラー処理が実行可能となる。これにより、第1領域(特定領域)への通過有無により特典を付与するか否かが決定される遊技機の信頼性の維持・向上を図ることが可能となる。
参考発明3-2の遊技機は、前述した参考発明3-1の遊技機において、
前記エラー処理手段は、
前記第1エラー処理として、前記変動表示及び前記ラウンド遊技を実行不能にするとともに、所定の報知部で第1エラー報知を実行し、
前記第2エラー処理として、前記変動表示及び前記ラウンド遊技を実行不能にすることなく、所定の報知部で第2エラー報知を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、可変入球口への入球数と排出数との比較判定の結果、排出数が入球数よりも少ない場合には、第1エラー処理として、識別情報の変動表示及びラウンド遊技が実行不能になるとともに所定の報知部で第1エラー報知が実行される一方、排出数が入球数よりも多い場合には、第2エラー処理として、識別情報の変動表示及びラウンド遊技が実行不能になることなく、所定の報知部で第2エラー報知が実行される。このため、可変入球口への入球数に対して排出数が少ない場合には、遊技の進行が停止した状態で当該事象(第1エラー)の発生が第1エラー報知によって報知され、可変入球口への入球数に対して排出数が多い場合には、遊技の進行が停止することなく当該事象(第2エラー)の発生が第2エラー報知によって報知される。これにより、可変入球口への入球数と排出数とが一致しないときのエラー処理を、そのときの状況に応じて適切に実行することが可能となる。
参考発明3-3の遊技機は、前述した参考発明3-1又は参考発明3-2の遊技機において、
前記比較判定手段は、前記特定ラウンド遊技が終了して前記可変入球口が前記第2状態となった後の所定期間において前記比較判定を実行するものであり、
前記エラー処理手段は、前記所定期間が経過して前記入球数と前記排出数とが一致しない場合にエラー処理を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定ラウンド遊技が終了して可変入球口が入球不能(第2状態)となった後の所定期間において前述の比較判定が実行され、その所定期間が経過して入球数と排出数とが一致しない場合に、前述のエラー処理が実行される。このため、特定ラウンド遊技が終了した後の可変入球口への新たな入球が発生しない状況下で、当該特定ラウンド遊技における可変入球口への全入球を対象に入球数と排出数とを比較判定することが可能となり、比較判定の結果、入球数と排出数とが一致しなかった場合にエラーとすることが可能となる。これにより、可変入球口への入球数と排出数との比較判定によるエラー判定の精度を向上させることが可能となる。
参考発明3-4の遊技機は、前述した参考発明3-3の遊技機において、
前記比較判定手段は、前記所定期間において前記比較判定を複数回実行可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定ラウンド遊技が終了して可変入球口が入球不能(第2状態)となった後の所定期間において前述の比較判定が複数回実行可能とされる。このため、例えば、所定期間における1回目の比較判定で入球数と排出数とが一致しなかったとしても、2回目以降の比較判定の結果、所定期間が経過するまでに入球数と排出数とが一致していれば、エラー処理は実行されないものとなる。一方で、所定期間における1回目の比較判定で入球数と排出数とが一致していても、2回目以降の比較判定の結果、所定期間が経過するときに入球数と排出数とが一致していなければ、エラー処理が実行されるものとなる。これにより、可変入球口への入球数と排出数との比較判定によるエラー判定の精度をより一層向上させることが可能となる。
参考発明3-5の遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記可変入球口への入球を検知する入球検知手段と、
前記入球検知手段で検知された遊技球の排出を検知する排出検知手段と、を備えた遊技機であって、
前記特別遊技は複数のラウンド遊技で構成されると共に、前記特別遊技として、前記複数のラウンド遊技の最後のラウンド遊技で、前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を有しており、
前記最後のラウンド遊技における入球可能状態を終了した後に、前記可変入球口を入球不能状態として、所定期間の終了期間を設定し、前記終了期間が経過した後に、前記識別情報の変動表示を実行可能とするものであって、
前記最後のラウンド遊技における入球可能状態を終了した後に、前記可変入球口を入球不能状態として、前記最後のラウンド遊技に係る所定の確認処理を実行するものであり、
前記確認処理として、少なくとも、前記ラウンド遊技における前記可変入球口への入球数と排出数とが一致するかどうかを、前記入球検知手段及び前記排出検知手段の検知結果
に基づいて判定する一致判定処理を有し、
前記確認処理の少なくとも一部を前記終了期間中に実行可能とし、
前記確認処理を実行可能な期間として確認処理実行可能期間が定められており、
前記可変入球口への入球数と排出数とが一致しない場合に、前記確認処理実行可能期間の範囲内において、前記一致判定処理を複数回実行可能であり、
前記確認処理実行可能期間が経過しても、前記可変入球口への入球数と排出数とが一致しない場合には、所定のエラー処理を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、最後のラウンド遊技における入球可能状態(「最後のラウンド遊技の全ての開放動作」ともいう)を終了した後に、所定期間の終了期間を設定し、当該終了期間が経過した後に、識別情報の変動表示を開始可能としている。これにより、特別遊技に係る遊技状態と、識別情報の変動表示に係る遊技状態と、を明確に区別し、遊技者が遊技状態の変化を認識し易いようにすることが可能となる。また、最後のラウンド遊技における入球可能状態(「最後のラウンド遊技の全ての開放動作」ともいう)を終了した後に、当該最後のラウンド遊技における入球数と排出数とが一致するかどうかを判定する一致判定処理を含む、確認処理を行うものする。そして、この確認処理の少なくとも一部を終了期間中に実行可能としている。
これにより、可変入球口を入球可能状態とするラウンド遊技において、可変入球口に入球した遊技球の全てが、球詰り等をおこすことなく正常に排出されているかを確認することが可能となる。また、確認処理の完了を待つことなく、最後のラウンド遊技の確認処理と、最後のラウンド遊技の入球可能状態が終了した後に設定される終了期間とを並行して実行することを可能とし、遊技を迅速且つ円滑に進行することが可能となる。また、確認処理を実行可能な期間として確認処理可能期間が定められており、この確認処理可能期間が経過するまでは、一致判定処理で不一致と判定されると、再度一致判定処理が実行される。つまり、確認処理可能期間の範囲内において一致判定処理で一致と判定されるまで、複数回の一致判定処理を実行可能としている。また、複数回の一致判定処理を実行しても、確認処理可能期間の経過までに一致と判定されなかった場合には、所定のエラー処理を実行するものとしている。これにより、できるだけ早い段階で一致判定処理を開始し、早期に確認処理を完了させることを可能とすると共に、不一致と判定した場合でも、確認処理可能期間が経過するまでに複数回の一致判定処理を実行可能とする。そして、確認処理可能期間が経過するまでに一致すると判定した場合には、確認処理可能期間の経過を待たずして、迅速に確認処理を完了させることが可能となる。また、確認処理可能期間の経過までに一致と判定されなかった場合に実行されるエラー処理として、例えば、所定の表示装置やスピーカを用いたエラー報知を行ったり、ホールコンピュータ等にエラー信号を送信したり、遊技制御を停止(識別情報の変動表示を不能のままとする等)させたり、発射を停止したりすることが挙げられる。また、このエラー処理を所定時間実行することで、エラー処理を終了させてもよい。尚、「入球検知手段」及び「排出検知手段」は、夫々1個の検知手段で構成してもよいし、夫々複数個の検知手段で構成してもよいし、一方を1個とし他方を複数個で構成してもよい。
参考発明3-6の遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記可変入球口への入球を検知する入球検知手段と、
前記入球検知手段で検知された遊技球の排出を検知する排出検知手段と、を備えた遊技機であって、
前記特別遊技は複数のラウンド遊技で構成されると共に、前記特別遊技として、前記複数のラウンド遊技の最後のラウンド遊技で、前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を有しており、
前記最後のラウンド遊技における入球可能状態を終了した後に、前記可変入球口を入球不能状態として、所定期間の終了期間を設定し、前記終了期間が経過した後に、前記識別情報の変動表示を実行可能とするものであって、
前記最後のラウンド遊技における入球可能状態を終了した後に、前記可変入球口を入球不能状態として、前記最後のラウンド遊技に係る所定の確認処理を実行するものであり、
前記確認処理として、少なくとも、前記ラウンド遊技における前記可変入球口への入球数と排出数とが一致するかどうかを、前記入球検知手段及び前記排出検知手段の検知結果に基づいて判定する一致判定処理を有し、
前記確認処理の少なくとも一部を前記終了期間中に実行可能とし、
前記確認処理を実行可能な期間として確認処理実行可能期間が定められており、
前記可変入球口への入球数と排出数とが一致しない場合に、前記確認処理実行可能期間の範囲内において、前記一致判定処理を複数回実行可能であり、
前記確認処理実行可能期間は、前記終了期間の経過に基づいて終了し、
前記終了期間が経過しても、前記可変入球口への入球数と排出数とが一致しない場合には前記確認処理を終了し、前記識別情報の変動表示を実行可能とする
ことを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、確認処理を実行可能な期間として確認処理可能期間が定められており、この確認処理可能期間が経過するまでは、一致判定処理で不一致と判定されると、再度一致判定処理が実行される。また、この確認処理可能期間は、終了期間が経過することによって終了するものとされている。つまり、終了期間の範囲内において一致判定処理で一致と判定されるまで、複数回の一致判定処理を実行可能としている。また、複数回の一致判定処理を実行しても終了期間の経過までに一致と判定されなかった場合には、確認処理を終了し、識別情報の変動表示を実行可能としている。これにより、確認処理を終了期間と並行して実行可能とすると共に、複数回の一致判定処理を実行しても一致と判定されない場合には、終了期間の経過をもって、確認処理(一致判定処理)を終了し、遊技を進行させることが可能となる。またこれにより、遊技を無駄に停滞させることなく、遊技を迅速且つ円滑に進行することが可能となる。
以上の参考発明3によれば、特定領域を備えた遊技機の信頼性が損なわれるのを防ぐことが可能である。
(参考発明4)
本参考発明4は、上記参考発明3と同様に、特定領域を備えた遊技機の信頼性が損なわれるのを防ぐことを目的とするものである。
参考発明4-1の遊技機は、
識別情報を変動表示可能な識別情報表示手段と、
前記識別情報が変動表示後に特定表示態様で表示されたことに基づいて特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記特別遊技中に遊技球が通過し得る特定領域と、
遊技球が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与可能な特典付与手段と、を備え、
前記特別遊技には、前記特定領域への遊技球の通過が予定されない第1特別遊技と、特定領域への遊技球の通過が予定される第2特別遊技と、があり、
前記識別情報が第1特定表示態様で表示された場合に前記第1特別遊技が実行され、前記識別情報が第2特定表示態様で表示された場合に前記第2特別遊技が実行される遊技機であって、
前記識別情報が第1特定表示態様で表示された状態で実行される前記第1特別遊技中に遊技球が前記特定領域を通過する第1状況と、前記識別情報が第2特定表示態様で表示された状態で実行される前記第2特別遊技中に遊技球が前記特定領域を通過しない第2状況のうち、少なくとも一方の状況が発生した場合に、所定の報知を実行可能な報知手段を備える
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、識別情報が変動表示後に第1特定表示態様で表示されると、特定領域への遊技球の通過が予定されない第1特別遊技が実行され、第2特定表示態様でされると、特定領域への遊技球の通過が予定される第2特別遊技が実行される。そして、識別情報が第1特定表示態様で表示された状態で実行される第1特別遊技中に遊技球が特定領域を通過する第1状況と、識別情報が第2特定表示態様で表示された状態で実行される第2特別遊技中に遊技球が特定領域を通過しない第2状況のうち、少なくとも一方の状況が発生した場合、所定の報知が実行される。このため、実行中の特別遊技の種類と特定領域への遊技球の通過有無との関係に矛盾をきたす変則的な事象が発生した場合には、その旨を遊技者や遊技ホール関係者等に知らせることが可能となる。これにより、特定領域への通過有無により特典を付与するか否かが決定される遊技機の信頼性の維持・向上を図ることが可能となる。
参考発明4-2の遊技機は、前述した参考発明4-1の遊技機において、
前記報知手段は、前記所定の報知を実行する場合、特別遊技後の期間を含む所定期間において前記所定の報知を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、前述の第1状況と第2状況のうち少なくとも一方が発生したことに基づいて所定の報知が実行される場合、その報知は、特別遊技後の期間を含む所定期間において実行される。このため、特別遊技が終了した後においても、その特別遊技中に変則的な事象が発生した旨を遊技者や遊技ホール関係者等に知らせることが可能となる。これにより、変則的な事象が発生した場合の事実確認が容易となる。
参考発明4-3の遊技機は、前述した参考発明4-1又は参考発明4-2の遊技機において、
前記報知手段は、前記第1状況が発生した場合と前記第2状況が発生した場合とのそれぞれについて所定の報知を実行可能であり、
前記第1状況が発生した場合に第1報知を実行し、
前記第2状況が発生した場合に前記第1報知と異なる第2報知を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、前述の第1状況が発生した場合には第1報知が実行され、前述の第2状況が発生した場合には第1報知と異なる第2報知が実行される。このため、第1状況と第2状況の何れが発生したのかを報知の種類(態様)によって判別可能となる。これにより、変則的な事象が発生したときの状況判断が容易となる。
参考発明4-4の遊技機は、前述した参考発明4-1から参考発明4-3の何れか一つの遊技機において、
遊技に関する情報を外部に出力可能な情報出力手段を備え、
前記情報出力手段は、前記第1特別遊技中と前記第2特別遊技中のうち、前記第1特別遊技中に遊技球が前記特定領域を通過した場合に、その旨を特定可能な通過特定情報を出力する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1特別遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、その旨を特定可能な通過特定情報が外部に出力される。このため、第1特別遊技にて遊技球が特定領域を通過したことを、例えば、ホールコンピュータ等の外部機器にて認識できるようになる。ここで、第1特別遊技は、特定領域への遊技球の通過が予定されない特別遊技であるため、第1特別遊技中に遊技球が特定領域を通過することはまずない。にもかかわらず、第1特別遊技中に遊技球が特定領域を通過したということは、特定領域通過の誤検知(故障)や不正行為等が疑われる。そこで、第1特別遊技中に遊技球が特定領域を通過したことを特定可能な通過特定情報を外部に出力することにより、遊技機の故障や不正行為等の発見に繋げることが可能となる。
参考発明4-5の遊技機は、
通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特典遊技状態に突入するか否かを抽選する抽選手段、と
前記抽選手段による前記特典遊技状態への突入抽選に当選した場合には、特定入賞領域(例えば特定領域39)に遊技媒体が入賞しやすい入賞容易状態とする一方、前記特典遊技状態への突入抽選に当選しなかった場合には、前記特定入賞領域への遊技媒体の入賞が困難な入賞困難状態とする特定入賞領域制御手段と、
前記特定入賞領域への遊技媒体の入賞を契機として、遊技状態を前記特典遊技状態とする遊技状態制御手段と、
前記抽選手段による前記特典遊技状態への突入抽選に当選し、前記入賞容易状態となったにも拘わらず前記特定入賞領域に遊技媒体が入賞せずにその後の遊技状態が前記通常遊技状態とされる第一事象、および前記抽選手段による前記特典遊技状態への突入抽選に当選せず、前記入賞困難状態となったにも拘わらず前記特定入賞領域に遊技媒体が入賞してその後の遊技状態が前記特典遊技状態とされる第二事象のうちの少なくともいずれか一方の事象が発生した場合に、当該事象が発生した後であって前記通常遊技状態または前記特典遊技状態に移行した後の期間を含む所定期間、発生した事象の内容が判断可能となるように報知する報知手段と、
を備えることを特徴とするものである。
以上の参考発明4によれば、特定領域を備えた遊技機の信頼性が損なわれるのを防ぐことが可能である。
1 パチンコ遊技機、7 画像表示装置、7a 表示画面、7b 演出図柄表示領域(演出図柄表示部)、8 演出図柄、20 第1始動口、21 第2始動口、30 第1大入賞口、35 第2大入賞口(Vアタッカー)、35a 第2大入賞口センサ、39 特定領域、39a 特定領域センサ、40 主表示器、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、48 当り表示器、49 非特定領域、49a 非特定領域センサ、80 主制御基板(主制御部)、90 副制御基板(サブ制御部)、100 画像制御基板(画像制御部)、150 可動片。

Claims (1)

  1. 特別図柄を変動表示可能な特別図柄表示と、
    前記特別図柄が変動表示後に特定表示態様で表示されたことに基づいて大入賞装置を作動させる特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
    前記大入賞装置の作動により、前記特別遊技中に遊技球が入球可能となる可変入球口と、
    前記可変入球口に入球した遊技球が通過可能な特定領域及び非特定領域と、
    前記可変入球口に遊技球が入球したのを検知可能な入球検知手段と、
    前記可変入球口に入球した遊技球が前記特定領域を通過したのを検知可能な第1通過検知手段と、
    前記可変入球口に入球した遊技球が前記非特定領域を通過したのを検知可能な第2通過検知手段と、
    遊技球が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与可能な特典付与手段と、を備え、
    前記可変入球口に入球した遊技球は前記特定領域又は前記非特定領域を通過して排出され、
    前記特別遊技には、前記特定領域への遊技球の通過が予定されない第1特別遊技と、特定領域への遊技球の通過が予定される第2特別遊技と、があり、
    前記特別図柄が第1特定表示態様で表示された場合に前記第1特別遊技が実行され、前記特別図柄が第2特定表示態様で表示された場合に前記第2特別遊技が実行される遊技機であって、
    前記特別図柄が前記第1特定表示態様で表示されて実行される前記第1特別遊技中に遊技球が前記特定領域を通過する第1状況と、前記特別図柄が前記第2特定表示態様で表示されて実行される前記第2特別遊技中に遊技球が前記特定領域を通過しない第2状況のうち、少なくとも一方の状況が発生した場合に、所定の第1の報知を実行可能な第1の報知手段と、
    前記入球検知手段、前記第1通過検知手段及び前記第2通過検知手段の検知結果に基づいて、前記可変入球口への入球数と排出数とを比較判定する比較判定手段と、
    前記比較判定の結果、前記入球数と前記排出数とが一致しない場合に、所定の第2の報知を実行可能な第2の報知手段と、を備え、
    前記第1の報知と前記第2の報知とが同時期に実行可能とされており、
    前記排出数が前記入球数よりも少ないことに起因して前記第2の報知が実行される第1の場合と、前記排出数が前記入球数よりも多いことに起因して前記第2の報知が実行される第2の場合とのうち、少なくとも前記第1の場合に、前記特別図柄表示部及び前記大入賞装置の作動を停止させる
    ことを特徴とする遊技機。
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特開2015-29625号公報
特開2016-143541号公報
特開2016-16027号公報
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