JP7255291B2 - Deposition method - Google Patents
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Description
本発明は、コールドスプレー法による成膜方法に関するものである。 The present invention relates to a film forming method using a cold spray method.
エンジンバルブの着座部に、コールドスプレー法により金属等の原料粉末を吹き付けることにより、優れた高温耐磨耗性を有するバルブシートを形成できるようにした摺動部材の製造方法が知られている(特許文献1)。 There is known a method for manufacturing a sliding member in which a valve seat having excellent high-temperature wear resistance is formed by spraying raw material powder such as metal on the seating portion of an engine valve by a cold spray method ( Patent document 1).
自動車用エンジンは、マルチバルブ化により複数の吸気バルブ及び排気バルブを備える。そのため、複数のバルブの着座部に、コールドスプレー法によってバルブシートを形成する場合には、シリンダヘッドとコールドスプレー装置のノズルとを相対的に移動させて、複数の着座部とノズルとを順次に対向させるとともに、ノズルに対向された着座部にノズルから原料粉末を吐出して吹き付ける必要がある。 Automobile engines are equipped with a plurality of intake valves and exhaust valves due to multivalve. Therefore, when the valve seats are formed on the seating portions of a plurality of valves by the cold spray method, the cylinder head and the nozzle of the cold spray device are moved relative to each other, and the plurality of seating portions and the nozzles are sequentially moved. In addition to facing the nozzle, it is necessary to discharge and spray the raw material powder from the nozzle to the seat facing the nozzle.
コールドスプレー装置は、原料粉末の噴射を中断すると、再び原料粉末が安定して吹き付けられるようになるまでに数分間の待機時間を必要とする。そのため、原料粉末の噴射を中断することなくできる限り連続して行うようにすることが望ましい。しかしながら、一つのバルブシート膜を形成する場合、360°の円を描くようにノズルとシリンダヘッドとを相対移動させるが、円軌跡の成膜始点と成膜終点でラップ部分が生じたり、成膜始点又は成膜終点にノズルの移動速度がゼロになる折り返し点が生じたりする。 When the injection of raw material powder is interrupted, the cold spray apparatus requires a waiting time of several minutes until the raw material powder can be stably sprayed again. Therefore, it is desirable that the injection of the raw material powder is continued as much as possible without interruption. However, when forming one valve seat film, the nozzle and the cylinder head are moved relative to each other so as to draw a 360° circle. A turning point at which the moving speed of the nozzle becomes zero may occur at the start point or the film formation end point.
ここで、ラップ部分の1層目に折り返し点が生じる軌跡では、1層目の成膜始点の端部傾斜が急峻となり、ここに2層目を噴射すると原料粉末の偏平化が阻害され、疎な皮膜となる。 Here, in the trajectory where the turning point occurs in the first layer of the lap portion, the end slope of the film formation starting point of the first layer becomes steep, and when the second layer is injected here, the flattening of the raw material powder is hindered and the sparseness occurs. It becomes a thin film.
本発明が解決しようとする課題は、疎な皮膜が形成されるのを抑制することができるコールドスプレー式の成膜方法を提供することである。 The problem to be solved by the present invention is to provide a cold spray film forming method capable of suppressing the formation of a sparse film.
本発明は、被成膜部とノズルとを成膜軌跡に沿って相対的に移動させ、原料粉末供給部から供給される原料粉末をノズルから噴射しながら、被成膜部に皮膜を形成する成膜方法において、原料粉末供給部を、原料粉末が投入されるホッパーと、ホッパーからの原料粉末を時間的に異なる体積に計量する計量部と、を備えるように構成し、計量部を、成膜軌跡に沿った膜体積に相関した形状とすることによって上記課題を解決する。 In the present invention, a coating is formed on a film-forming portion while a film-forming portion and a nozzle are relatively moved along a film-forming trajectory, and raw material powder supplied from a raw material powder supply portion is injected from the nozzle. In the film formation method, the raw material powder supply unit is configured to include a hopper into which the raw material powder is charged, and a weighing unit that weighs the raw material powder from the hopper into different volumes with respect to time, and the weighing unit is configured to be formed. The above problem is solved by making the shape correlated with the film volume along the film trajectory.
本発明によれば、計量部が成膜軌跡に沿った膜体積に相関した形状とされているので、ノズルの相対的移動速度の変動に応じて原料粉末の供給量が変動する。その結果、1層目の成膜始点に端部傾斜が急峻になるのが抑制されるので、疎な皮膜が形成されるのを抑制することができる。 According to the present invention, since the metering part has a shape that correlates with the film volume along the film formation locus, the supply amount of the raw material powder fluctuates according to fluctuations in the relative movement speed of the nozzle. As a result, it is possible to suppress the formation of a sparse film since the end slope is suppressed from becoming steep at the film formation start point of the first layer.
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。初めに、本実施形態の成膜方法及びコールドスプレー装置を適用して好ましい、バルブシート膜を備える内燃機関1について説明する。図1は、内燃機関1の断面図であり、主にシリンダヘッド周りの構成を示す。
An embodiment of the present invention will be described below with reference to the drawings. First, an
内燃機関1は、シリンダブロック11と、シリンダブロック11の上部に組み付けられたシリンダヘッド12とを備える。この内燃機関1は、例えば、直列4気筒のガソリンエンジンであり、シリンダブロック11は、図面奥行き方向に配列された4つのシリンダ11aを有する。各シリンダ11aは、図中の上下方向に往復移動するピストン13を収容し、各ピストン13は、コネクティングロッド13aを介して、図面奥行き方向に延びるクランクシャフト14と連結している。
The
シリンダヘッド12のシリンダブロック11への取付面12aであって、各シリンダ11aに対応する位置には、各気筒の燃焼室15を構成する4つの凹部12bが形成されている。燃焼室15は、燃料と吸入空気との混合気を燃焼させるための空間であり、シリンダヘッド12の凹部12bと、ピストン13の頂面13bと、シリンダ11aの内周面とで構成される。
A
シリンダヘッド12は、燃焼室15と、シリンダヘッド12の一方の側面12cとを連通する吸気ポート16を備える。吸気ポート16は、屈曲した略円筒形状とされ、側面12cに接続したインテークマニホールド(不図示)からの吸入空気を燃焼室15内へ案内する。また、シリンダヘッド12は、燃焼室15と、シリンダヘッド12の他方の側面12dとを連通する排気ポート17を備える。排気ポート17は、吸気ポート16と同様に屈曲した略円筒形状とされ、燃焼室15で生じた排気を、側面12dに接続したエキゾーストマニホールド(不図示)へ排出する。なお、本実施形態の内燃機関1は、1つのシリンダ11aに対し、吸気ポート16と排気ポート17とを2つずつ備える。
The
シリンダヘッド12は、燃焼室15に対して吸気ポート16を開閉する吸気バルブ18と、燃焼室15に対して排気ポート17を開閉する排気バルブ19とを備える。吸気バルブ18及び排気バルブ19のそれぞれは、丸棒状のバルブステム18a,19aと、バルブステム18a,19aの先端に設けられた円盤状のバルブヘッド18b,19bと、を備える。バルブステム18a,19aは、シリンダヘッド12に組み付けた略円筒形状のバルブガイド18c,19cにスライド自在に挿通されている。これにより、吸気バルブ18及び排気バルブ19のそれぞれは、燃焼室15に対し、バルブステム18a,19aの軸方向に沿って移動自在となる。
The
図2に、燃焼室15と、吸気ポート16及び排気ポート17との連通部分を拡大して示す。吸気ポート16は、燃焼室15との連通部分に略円形の開口部16aを備える。この開口部16aの環状縁部に、吸気バルブ18のバルブヘッド18bと当接する環状のバルブシート膜16bが形成されている。そして、吸気バルブ18が、バルブステム18aの軸方向に沿って上方に移動すると、バルブヘッド18bの上面がバルブシート膜16bに当接して吸気ポート16を閉塞する。逆に、吸気バルブ18が、バルブステム18aの軸方向に沿って下方に移動すると、バルブヘッド18bの上面とバルブシート膜16bとの間に隙間が形成されて吸気ポート16を開放する。
FIG. 2 shows an enlarged view of the communicating portion between the
排気ポート17は、吸気ポート16と同様に燃焼室15との連通部分に略円形の開口部17aを備え、この開口部17aの環状縁部に、排気バルブ19のバルブヘッド19bと当接する環状のバルブシート膜17bが形成されている。そして、排気バルブ19が、バルブステム19aの軸方向に沿って上方に移動すると、バルブヘッド19bの上面がバルブシート膜17bに当接して排気ポート17を閉塞する。逆に、排気バルブ19が、バルブステム19aの軸方向に沿って下方に移動すると、バルブヘッド19bの上面とバルブシート膜17bとの間に隙間が形成されて排気ポート17を開放する。なお、吸気ポート16の開口部16aの直径は、排気ポート17の開口部17aの直径より大きく設定されている。
Like the
4サイクルの内燃機関1においては、ピストン13の下降時に吸気バルブ18のみを開き、これにより吸気ポート16からシリンダ11a内に混合気を導入する(吸気行程)。続いて、吸気バルブ18および排気バルブ19を閉じた状態とし、ピストン13を略上死点まで上昇させてシリンダ11a内の混合気を圧縮する(圧縮行程)。そして、ピストン13が略上死点に達したときに、点火プラグにより圧縮した混合気に点火することで当該混合気が爆発する。この爆発によりピストン13は下死点まで下降し、連結されたクランクシャフト14を介して爆発を回転力に変換する(燃焼・膨張行程)。最後に、ピストン13が下死点に達し、再び上昇を開始すると、排気バルブ19のみを開き、シリンダ11a内の排気を排気ポート17へ排出する(排気行程)。内燃機関1は、以上のサイクルを繰り返し行うことにより出力を発生する。
In the 4-cycle
バルブシート膜16b,17bは、シリンダヘッド12の開口部16a,17aの環状縁部にコールドスプレー法によって直接形成したものである。コールドスプレー法とは、原料粉末の融点又は軟化点よりも低い温度の作動ガスを超音速流とし、作動ガス中に搬送ガスによって搬送された原料粉末を投入してノズル先端より噴射し、固相状態のまま基材に衝突させ、原料粉末の塑性変形により皮膜を形成するものである。このコールドスプレー法は、材料を溶融させて基材に付着させる溶射法に比べ、大気中で酸化のない緻密な皮膜が得られ、材料粒子への熱影響が少ないので熱変質が抑えられ、成膜速度が速く、厚膜化が可能であり、付着効率が高いといった特性を有する。特に成膜速度が速く、厚膜が可能なことから、内燃機関1のバルブシート膜16b,17bのような構造材料としての用途に適している。
The
図3は、上記のバルブシート膜16b,17bの形成に用いられる本実施形態のコールドスプレー装置2を模式的に示した図である。本実施形態のコールドスプレー装置2は、作動ガス及び搬送ガスを供給するガス供給部21と、バルブシート膜16b,17bの原料粉末を供給する原料粉末供給部22と、原料粉末をその融点以下の作動ガスを用いて超音速流として噴射するスプレーガン23と、ノズル23dを冷却する冷媒循環回路27と、を備える。
FIG. 3 is a diagram schematically showing the
ガス供給部21は、圧縮ガスボンベ21a、作動ガスライン21b及び搬送ガスライン21cを備える。作動ガスライン21b及び搬送ガスライン21cは、それぞれ圧力調整器21d、流量調節弁21e、流量計21f及び圧力ゲージ21gを備える。圧力調整器21d、流量調節弁21e、流量計21f及び圧力ゲージ21gは、圧縮ガスボンベ21aからの作動ガス及び搬送ガスのそれぞれの圧力及び流量の調整に供される。
The
作動ガスライン21bには、テープヒータなどのヒータ21iが設置され、当該ヒータ21iは、電力源21hから電力供給線21j,21jを介して電力が供給されることにより、作動ガスライン21bを加熱する。作動ガスは、ヒータ21iによって原料粉末の融点又は軟化点より低い温度に加熱された後、スプレーガン23のチャンバ23a内に導入される。チャンバ23aには、圧力計23bと温度計23cが設置され、それぞれの信号線23g,23gを介して検出された圧力値と温度値がコントローラ(不図示)に出力され、圧力及び温度のフィードバック制御に供される。
A
一方、原料粉末供給部22は、原料粉末供給装置22aと、これに付設される計量部22b及び原料粉末供給ライン22cを備える。圧縮ガスボンベ21aからの搬送ガスは、搬送ガスライン21cを通り、原料粉末供給装置22aに導入される。計量部22bにより計量された所定量の原料粉末は、原料粉末供給ライン22cを経て、チャンバ23a内に搬送される。
On the other hand, the raw material
スプレーガン23は、搬送ガスによりチャンバ23a内に搬送された原料粉末Pを、作動ガスにより超音速流としてノズル23dの先端から噴射し、固相状態又は固液共存状態で基材24に衝突させて皮膜24aを形成する。本実施形態では、基材24としてシリンダヘッド12を適用し、このシリンダヘッド12の開口部16a,17aの環状縁部にコールドスプレー法によって原料粉末Pを噴射することにより、バルブシート膜16b,17bを形成する。
The
ノズル23dは、その内部に水などの冷媒が流れる流路(不図示)を備える。ノズル23dは、その先端に、流路へ冷媒を導入する冷媒導入部23eを備え、その基端に、流路内の冷媒を排出する冷媒排出部23fを備える。ノズル23dは、冷媒導入部23eから流路に冷媒を導入し、流路内に冷媒を流し、冷媒排出部23fから冷媒を排出することにより、ノズル23dを冷却する。
The
ノズル23dの流路に冷媒を循環させる冷媒循環回路27は、冷媒を貯留するタンク271と、上述した冷媒導入部23eに接続された導入管274と、導入管274に接続され、タンク271とノズル23dとの間で冷媒を流動させるポンプ272と、冷媒を冷却する冷却器273と、冷媒排出部23fに接続された排出管275と、を備える。冷却器273は、例えば、熱交換機等からなり、ノズル23dを冷却して温度が上昇した冷媒を空気や水、ガスなどの冷媒との間で熱交換させて、冷媒を冷却する。
A
冷媒循環回路27は、ポンプ272によってタンク271に貯留された冷媒を吸引し、冷却器273を介して冷媒導入部23eに冷媒を供給する。冷媒導入部23eに供給された冷媒は、ノズル23d内の流路を先端側から後端側に向かって流動し、その間にノズル23dと熱交換することでノズル23dを冷却する。流路の後端側まで流れた冷媒は、冷媒排出部23fから排出管275に排出され、タンク271に戻る。このように、冷媒循環回路27は、冷媒を冷却しながら循環させてノズル23dを冷却するので、ノズル23dの噴射通路への原料粉末Pの付着を抑制することができる。
The
シリンダヘッド12のバルブシートには、燃焼室15内におけるバルブからの叩き入力に耐え得る高い耐熱性及び耐磨耗性と、燃焼室15の冷却のための高い熱伝導性とが要求される。これらの要求に対し、例えば、析出硬化型銅合金の粉末により形成したバルブシート膜16b,17bによれば、鋳物用アルミ合金で形成したシリンダヘッド12よりも硬く、耐熱性及び耐磨耗性に優れたバルブシートを得ることができる。
The valve seats of the
また、バルブシート膜16b,17bは、シリンダヘッド12に直接形成しているので、ポート開口部に別部品のシートリングを圧入して形成する従来のバルブシートに比べ、高い熱伝導性を得ることができる。さらには、別部品のシートリングを利用する場合に比べ、冷却用のウォータジャケットとの近接化を図ることができる他、吸気ポート16及び排気ポート17のスロート径の拡大、ポート形状の最適化によるタンブル流の促進などの副次的効果も得ることができる。
In addition, since the
バルブシート膜16b,17bの形成に用いる原料粉末Pとしては、鋳物用アルミ合金よりも硬質で、バルブシートに必要な耐熱性、耐磨耗性及び熱伝導性が得られる金属であることが好ましく、例えば、上述した析出硬化型銅合金を用いることが好ましい。また、析出硬化型銅合金としては、ニッケル及びケイ素を含むコルソン合金や、クロムを含むクロム銅、ジルコニウムを含むジルコニウム銅等を用いてもよい。さらに、例えば、ニッケル、ケイ素及びクロムを含む析出硬化型銅合金、ニッケル、ケイ素及びジルコニウムを含む析出硬化型銅合金、ニッケル、ケイ素、クロム及びジルコニウムを含む析出硬化型合金、クロム及びジルコニウムを含む析出硬化型銅合金等を適用することもできる。
As the raw material powder P used for forming the
また、複数種類の原料粉末、例えば、第1の原料粉末と第2の原料粉末とを混合してバルブシート膜16b,17bを形成してもよい。この場合、第1の原料粉末には、鋳物用アルミ合金よりも硬質で、バルブシートに必要な耐熱性、耐磨耗性及び熱伝導性が得られる金属を用いることが好ましく、例えば、上述した析出硬化型銅合金を用いることが好ましい。また、第2の原料粉末としては、第1の原料粉末よりも硬質な金属を用いることが好ましい。この第2の原料粉末には、例えば、鉄基合金、コバルト基合金、クロム基合金、ニッケル基合金、モリブデン基合金等の合金や、セラミックス等を適用してもよい。また、これらの金属の1種を単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
Moreover, the
第1の原料粉末と、第1の原料粉末よりも硬質な第2の原料粉末とを混合して形成したバルブシート膜は、析出硬化型銅合金のみで形成したバルブシート膜よりも優れた耐熱性、耐磨耗性を得ることができる。このような効果が得られるのは、第2の原料粉末により、シリンダヘッド12の表面に存在する酸化皮膜が除去されて新生界面が露出形成され、シリンダヘッド12と金属皮膜との密着性が向上するためと考えられる。また、第2の原料粉末がシリンダヘッド12にめり込むことによるアンカー効果により、シリンダヘッド12と金属皮膜との密着性が向上するためとも考えられる。さらには、第1の原料粉末が第2の原料粉末に衝突したときに、その運動エネルギの一部が熱エネルギに変換され、あるいは第1の原料粉末の一部が塑性変形する過程で発生する熱により、第1の原料粉末として用いた析出硬化型銅合金の一部における析出硬化がより促進されるためとも考えられる。
The valve seat membrane formed by mixing the first raw material powder and the second raw material powder harder than the first raw material powder has better heat resistance than the valve seat membrane formed only from the precipitation hardening copper alloy. durability and wear resistance can be obtained. Such an effect is obtained because the second raw material powder removes the oxide film existing on the surface of the
本実施形態のコールドスプレー装置2は、バルブシート膜16b,17bが形成されるシリンダヘッド12を基台45に固定する一方、スプレーガン23のノズル23dの先端を、シリンダヘッド12の開口部16a,17aの環状縁部に沿って回転させることで原料粉末を噴射する。シリンダヘッド12は回転させないので、大きい占有スペースは不要になるとともに、シリンダヘッド12に比べてスプレーガン23の方が、慣性モーメントが小さいので、回転の過渡特性や応答性に優れる。ただし、スプレーガン23には、図3に示すように、作動ガスライン21bを構成する高圧配管(高圧ホース)が接続されるので、スプレーガン23を回転させたときの作動ガスライン21bのホースの捩れによる変形剛性が回転の過渡特性や応答性を阻害する可能性がある。そこで、本実施形態のコールドスプレー装置2は、図4~図8に示すように構成することで、回転の過渡特性や応答性を高めるようにしている。
In the
図4は、本発明に係るコールドスプレー装置2の一実施の形態のスプレーガン23を示す正面図、図5は、図4のVI-VI線に沿う断面図、図6は、図4のスプレーガン23をオフセットした状態を示す正面図、図7は、本発明に係るコールドスプレー装置2を含む成膜工場を示す正面図、図8は、図7の平面図である。
4 is a front view showing a
ワークであるシリンダヘッド12は、図7~図8に示す成膜工場4の成膜ブース42の基台45に所定の姿勢で載置される。たとえば、図10に示すように、シリンダヘッド12の凹部12bが上面になるようにシリンダヘッド12を基台45に固定し、吸気ポート16の開口部16aの中心線又は排気ポート17の開口部17aの中心線が鉛直方向になるように基台45を傾斜させる。
The
なお、成膜工場4は、成膜処理を実行する成膜ブース42と、搬送ブース41とを備え、成膜ブース42に、シリンダヘッド12を載置する基台45と、スプレーガン23を保持する産業用ロボット25が設置されている。そして、成膜ブース42の前段に搬送ブース41を設け、外部とのシリンダヘッド12の搬入・搬出はドア43により行い、搬送ブース41と成膜ブース42との間のシリンダヘッド12の搬入・搬出はドア44により行う。たとえば、成膜ブース42において一つのシリンダヘッド12に対する成膜処理を行っている間に、その前に処理を終了したシリンダヘッド12を搬送ブース41から外部へ搬出する。コールドスプレー装置2による成膜処理は、超音速流の衝撃波による騒音が発生したり、原料粉末が飛散したりするため、搬送ブース41を設置して、ドア44を閉めて成膜処理を行うことで、処理後のシリンダヘッド12の搬出や、処理前のシリンダヘッド12の搬入など、成膜処理と同時に他の作業を行うことができる。
The
スプレーガン23は、図7~図8に示す成膜工場4の成膜ブース42に設置された産業用ロボット25のハンド251に固定されたベースプレート26に回転可能に装着されている。以下、本実施形態のスプレーガン23の構成について、図4~図6を参照しながら説明する。まず図4に示すように、産業用ロボット25のハンド251にはブラケット252が固定され、当該ブラケット252に対して回転可能にベースプレート26が取り付けられ、当該ベースプレート26にスプレーガン23が固定されている。
The
より詳細には、図4及び図5に示すように、産業用ロボット25のハンド251にはブラケット252が固定され、このブラケット252にモータ29の本体が固定され、モータ29の駆動軸291は、図示しないプーリ及びベルトを介して第1ベースプレート261に接続され、当該第1ベースプレート261をブラケットに対して回転させる。モータ29は、たとえば最大360°の範囲を往復回転する。たとえば、一つの吸気ポート16の開口部16aに対して、時計回りに360°駆動軸291を回転させることで原料粉末を噴射したら、反時計回りに360°駆動軸291を回転させて元の位置に戻し、次の吸気ポート16の開口部16aに対しては、再び時計回りに360°駆動軸291を回転させることで原料粉末を噴射し、以降、これを繰り返す。
More specifically, as shown in FIGS. 4 and 5, a
ベースプレート26は、第1ベースプレート261と第2ベースプレート262からなり、これら第1ベースプレート261と第2ベースプレート262は、リニアガイド281を介して回転軸Cに直交する方向(図4の左右方向)にスライド可能に設けられている。そして、流体圧シリンダ282を駆動することにより、第1ベースプレート261に対する第2ベースプレート262のオフセット量を調節し、膜形成材料の噴射径Dを設定する。
The
第2ベースプレート262には、カバー263が装着され、その下端部にスプレーガン23が固定されている。スプレーガン23は、ノズル23dの噴射方向が回転軸Cに向かうように、カバー263を介して第2ベースプレート262に固定されている。ただし、第2ベースプレート262は、上述したリニアガイド281及び流体圧シリンダ282により、第1ベースプレート261に対してオフセット可能であるため、スプレーガン23のノズル23dの先端の位置を、回転軸Cに対して水平方向に調節することができる。
A
このように、ノズル23dの先端の位置を、図4に示す回転軸Cの線上から、図6に示すように回転軸Cから離れた位置に設定すると、ガン距離が同じである場合に、噴射径Dが小さくなる。吸気ポート16の開口部16aは、排気ポート17の開口部17aに比べて大径であるため、吸気ポート16の開口部16aにバルブシート膜16bを形成する場合には図4に示す回転軸C側の位置とし、排気ポート17の開口部17aにバルブシート膜17bを形成する場合には図6に示す回転軸Cから離れた位置とすればよい。
In this way, when the position of the tip of the
図3に示す圧縮ガスボンベ21aから供給される3~10MPaの高圧ガスをスプレーガン23へ案内する作動ガスライン21bは、後述する他の配管類とともに一つの管束20とされ、図7に示すように産業用ロボット25のハンド251に装着されたベースプレート26の上部から垂下され、スプレーガン23に至る。その間のベースプレート26の近傍において、図4に示すように、スイベルジョイントなどの回転継手21kを介して分離接続され、その下部にヒータ21iが設けられている。図4に示す回転継手21kからチャンバ23aに至る作動ガスライン21bは、3~10MPaの高圧に耐え得る高圧ホースから構成され、同図に示すように、回転軸Cに沿ってこれを包囲するように配策されている。作動ガスライン21bは、回転軸Cを包囲するように、予め、たとえば螺旋状に成形加工してもよいが、3~10MPaの高圧に耐え得る高圧ホースは硬くて形状保持性を有するので、高圧ホースが螺旋形状に倣うように形状保持型を外周に設けてもよい。
A working
図3に示す原料粉末供給装置22aから供給される原料粉末をスプレーガン23へ案内する原料粉末供給ライン22cは、図7に示す管束20として産業用ロボット25の周囲に配策され、ベースプレート26の上部から垂下され、スプレーガン23に至る。その間のベースプレート26の下方において、原料粉末供給ライン22cは、図4に示すように、金属管と金属継手を含む配管にて構成され、スプレーガン23のチャンバ23aに接続されている。
A raw material
図3に示す電力源21hから供給される電力をヒータ21iへ導く電力供給線21j,21jは、図7に示す管束20として産業用ロボット25の周囲に配策され、ベースプレート26の上部から垂下され、ヒータ21iに接続されている。また、図3に示す圧力計23bからの検出信号をコントローラ(不図示)に出力する信号線23g及び温度計23cからの検出信号をコントローラ(不図示)に出力する信号線23hは、スプレーガン23のチャンバ23aから、金属管と金属継手を含む配管の中を挿通した状態で、スプレーガン23のチャンバ23aから第2ベースプレート262へ導かれ、他の作動ガスライン21b、原料粉末供給ライン22c、電力供給線21jなどとともに、ベースプレート26の上部から産業用ロボット25の周囲へ配策されている。
図3に示す冷媒循環回路27から供給される冷媒をスプレーガン23のノズル23dに案内する導入管274及び排出管275は、図7に示す管束20として産業用ロボット25の周囲に配策され、ベースプレート26の上部から垂下され、ノズル23dの先端の冷媒導入部23eと、ノズル23dの基端の冷媒排出部23fに接続されている。その間のベースプレート26の下方において、導入管274及び排出管275は、図4に示すように、金属管と金属継手を含む配管にて構成され、スプレーガン23のノズル23dに接続されている。
An
上述したように、硬くて変形剛性の高い高圧ホースで構成される作動ガスライン21bは、その回転継手21kが、図4に示すように回転軸Cの線上に配置され、回転継手21kより下方が回転軸Cに沿ってこれを包囲するように配策されている。また、作動ガスライン21b以外の、電力供給線21j,21j、原料粉末供給ライン22c、冷媒の導入管274及び排出管275、信号線23g,23hは、図5に示すように、回転軸Cの周りであって作動ガスライン21bを包囲する位置に配置されている。
As described above, the working
次に、バルブシート膜16b、17bを備えるシリンダヘッド12の製造方法を説明する。図9は、本実施形態のシリンダヘッド12の製造方法におけるバルブ部位の加工工程を示す工程図である。同図に示すように、本実施形態のシリンダヘッド12の製造方法は、鋳造工程S1と、切削工程S2と、被覆工程S3と、仕上工程S4とを備える。なお、バルブ部位以外の加工工程は、説明の簡略化のため省略する。
Next, a method of manufacturing the
鋳造工程S1では、砂中子がセットされた金型に鋳物用アルミ合金を流し込み、本体部に吸気ポート16や排気ポート17等が形成されたシリンダヘッド粗材を鋳造成形する。吸気ポート16及び排気ポート17は砂中子で形成され、凹部12bは金型で形成される。図10は、鋳造工程S1で鋳造成形したシリンダヘッド粗材3を、シリンダブロック11への取付面12a側から見た斜視図である。シリンダヘッド粗材3は、4つの凹部12bと、各凹部12bに2つずつ設けた吸気ポート16及び排気ポート17を備える。各凹部12bの2つの吸気ポート16及び2つの排気ポート17は、シリンダヘッド粗材3内で1本に集合し、シリンダヘッド粗材3の両側面に設けた開口にそれぞれ連通している。
In the casting step S1, an aluminum alloy for casting is poured into a mold in which a sand core is set, and a crude cylinder head material having
図11は、図10のXI-XI線に沿うシリンダヘッド粗材3の断面図であり、吸気ポート16を示す。吸気ポート16には、シリンダヘッド粗材3の凹部12b内に露呈された円形の開口部16aが設けられている。
FIG. 11 is a cross-sectional view of the
次の切削工程S2では、シリンダヘッド粗材3にエンドミルやボールエンドミル等によるフライス加工を施し、図12に示すように、吸気ポート16の開口部16aに環状バルブシート部16cを形成する。環状バルブシート部16cは、バルブシート膜16bのベース形状となる環状溝であり、開口部16aの外周に形成される。本実施形態のシリンダヘッド12の製造方法では、環状バルブシート部16cにコールドスプレー法によって原料粉末Pを噴射して皮膜を形成し、この皮膜を基にしてバルブシート膜16bを形成する。そのため、環状バルブシート部16cは、バルブシート膜16bよりも一回り大きなサイズで形成されている。
In the next cutting step S2, the cylinder head
被覆工程S3では、シリンダヘッド粗材3の環状バルブシート部16cに、本実施形態のコールドスプレー装置2を利用して原料粉末Pを噴射し、バルブシート膜16bを形成する。より具体的には、この被覆工程S3では、図13に示すように、環状バルブシート部16cと、スプレーガン23のノズル23dとを同じ姿勢で一定距離に保ちながら、原料粉末Pが環状バルブシート部16cの全周に吹き付けられるように、シリンダヘッド粗材3を固定する一方で、スプレーガン23を一定速度で回転する。
In the covering step S3, the raw material powder P is sprayed onto the annular
スプレーガン23のノズル23dの先端は、基台45に固定されたシリンダヘッド12の上方で、産業用ロボット25のハンド251に保持されている。基台45又は産業用ロボット25は、図4に示すように、バルブシート膜16bが形成される吸気ポート16の中心軸Zが垂直になって、回転軸Cに重なるようにシリンダヘッド12又はスプレーガン23の位置を設定する。この状態でノズル23dから環状バルブシート部16cに原料粉末Pを吹き付けながら、モータ29によりスプレーガン23をC軸周りに回転することにより、環状バルブシート部16cの全周に皮膜を形成する。
The tip of the
この被覆工程S3が実施されている間、ノズル23dは、冷媒循環回路27から供給された冷媒を、冷媒導入部23eから流路に導入する。冷媒は、ノズル23dの内部に形成された流路の先端側から後端側に向かって流れる間にノズル23dを冷却する。流路の後端側まで流れた冷媒は、冷媒排出部23fによって流路から排出されて回収される。
While the coating step S3 is being performed, the
スプレーガン23がC軸の周りに1回転してバルブシート膜16bの形成が終了すると、スプレーガン23の回転を一旦停止する。この回転停止中に、産業用ロボット25は、次にバルブシート膜16bが形成される吸気ポート16の中心軸Zが産業用ロボット25の基準軸に一致するように、スプレーガン23を移動する。モータ29は、産業用ロボット25によるスプレーガン23の移動終了後、スプレーガン23の回転を再開させ、次の吸気ポート16にバルブシート膜16bを形成する。以降、この動作を繰り返すことにより、シリンダヘッド粗材3の全ての吸気ポート16及び排気ポート17にバルブシート膜16b、17bが形成される。なお、吸気ポート16と排気ポート17との間でバルブシート膜の形成対象が切り替わる際には、基台45によってシリンダヘッド粗材3の傾きが変更される。
When the
さて、図19は、本発明に係る成膜方法において、コールドスプレー装置2のノズル23dが吸気ポート16及び排気ポート17の各開口部を移動する際の移動軌跡MTの一例を示すシリンダヘッド粗材3の平面図である。図19に示すシリンダヘッド粗材3の8つの吸気ポート16の開口部16a及び8つの排気ポート17の開口部17aに対し、矢印にて示す移動軌跡MTに沿ってノズル23dを相対移動させる。なお、以下においては、吸気ポート16に対する移動軌跡MTを説明するが、排気ポート17に対する移動軌跡も同様に設定される。
Now, FIG. 19 shows an example of a movement trajectory MT when the
上述したとおり、ノズル23dは、一つの吸気ポート16に対して時計回りに360°回転したら、次の吸気ポート16に移動するまでに反時計回りに360°回転して元の位置に戻り、次の吸気ポート16に対しても時計回りに360°回転する。そして、ノズル23dは、8つの吸気ポート16のそれぞれに対して、時計回りに360°回転しながら原料粉末を噴射する。この円形の軌跡を成膜軌跡Tという。なお、図示する成膜軌跡Tは時計回りに360°の軌跡であるが、反時計回りに360°の軌跡であってもよい。
As described above, when the
ここで、8つの吸気ポート16に対する移動軌跡MTは、各吸気ポート16の環状バルブシート部16cのそれぞれに対する円形の成膜軌跡Tと、隣接する円形の成膜軌跡T同士を接続する接続軌跡CTとから構成され、一連の連続した軌跡とされている。そして、ノズル23dから原料粉末を中断することなく連続して噴射しながら、ノズル23dを移動軌跡MTに沿って移動させる。なお、一つの環状バルブシート部16cに対する円形の成膜軌跡Tは、成膜始点から始まり、時計回り又は反時計回りに移動したのち、成膜始点にてラップし、このラップ部を成膜終点とする。
Here, the movement trajectory MT for the eight
図20は、図19の一つの吸気ポート16の開口部16a1~16a8に対する移動軌跡MTを拡大して示す平面図である。この吸気ポート16の開口部16aの環状バルブシート部16cに対しては、ノズル23dを時計回りに回転させるので、図20に示す移動軌跡MTは、同図の左から右に向かって、ノズル23dを環状バルブシート部16cまで直線状に移動させ(P1,接続軌跡CT)、ここを成膜始点P2として円形の成膜軌跡Tにてノズル23dを時計回りに回転させたのち(P3~P5)、成膜始点P2に重なる成膜終点P6において向きを変え、ノズル23dを図20の右方向に移動させる(P1,接続軌跡CT)ものである。このような移動軌跡MTでは、環状バルブシート部16cの成膜始点P2にてノズル23dの移動速度がゼロになる1回目の折り返し点が発生し、成膜終点P6にてノズル23dの移動速度がゼロになる2回目の折り返し点が発生する。なお、折り返し点とは、ノズル23dの移動速度がゼロになる移動軌跡MT上の点をいい、移動軌跡が直角又は鋭角(≦90°)に変化する点をいう。
FIG. 20 is an enlarged plan view showing the movement locus MT for the openings 16a1 to 16a8 of one
成膜始点P2に発生する1回目の折り返し点では、ノズル23dの速度が一時的にゼロになるが、原料粉末の噴射は継続されるため、1層目を構成するバルブシート膜16bの端部傾斜が急峻になる。コールドスプレー法は、原料粉末を固相状態のまま超音速で基材に衝突させて塑性変形させるものであるから、端部傾斜が急峻な1層目の面上に2層目を噴射すると、2層目の原料粉末が充分に偏平化せず、2層目のバルブシート膜の層内の空孔径が大きくなる。この種の偏平率不足による空孔率の増加不具合は、1層目を構成するバルブシート膜の端部傾斜が急峻になることが原因とされる。換言すれば、被成膜部である環状バルブシート部16cの円形の成膜軌跡Tのうち、成膜始点P2から成膜終点P6の範囲(端点を含む)であって1層目に折り返し点が含まれると、その点において端部傾斜が急峻になる。ただし、ラップ部の2層目の成膜軌跡に折り返し点が含まれても、1層目のバルブシート膜の端部傾斜が急峻でない限り、偏平率不足の問題は生じない。
At the first turnaround point occurring at the film formation start point P2, the velocity of the
そこで、本実施形態の成膜方法では、円形の成膜軌跡Tの1層目に折り返し点が含まれる場合には、少なくとも1層目の折り返し点を含む成膜軌跡Tの所定範囲に対する原料粉末の供給量を、他の成膜軌跡Tの範囲に対する原料粉末の供給量より少なく設定する。またこれに加えて、2層目に折り返し点が含まれる場合は、余剰皮膜の抑制の観点から、2層目の折り返し点を含む成膜軌跡Tの所定範囲に対する原料粉末の供給量を、他の成膜軌跡Tの範囲に対する原料粉末の供給量より少なく設定する。またこれに加えて、一の成膜軌跡Tと、これに隣接する成膜軌跡Tとを接続する接続軌跡CTに対する原料粉末の供給量を、余剰皮膜の抑制の観点から、他の成膜軌跡Tの範囲に対する原料粉末の供給量より少なく設定する。 Therefore, in the film forming method of the present embodiment, when the turning point is included in the first layer of the circular film forming trajectory T, the raw material powder for a predetermined range of the film forming trajectory T including at least the turning point of the first layer is set to be smaller than the supply amount of the raw material powder for the range of the other film formation trajectories T. In addition to this, when the second layer includes a turning point, from the viewpoint of suppressing the surplus film, the supply amount of the raw material powder for a predetermined range of the film formation trajectory T including the turning point of the second layer is is set to be smaller than the supply amount of the raw material powder for the range of the film formation locus T of . In addition to this, from the viewpoint of suppressing surplus coating, the supply amount of the raw material powder to the connection trajectory CT connecting one film formation trajectory T and the film formation trajectory T adjacent thereto is changed to another film formation trajectory. It is set to be less than the supply amount of raw material powder for the range of T.
すなわち、本実施形態のコールドスプレー装置2及びこれを用いた成膜方法では、環状バルブシート部16cのうち、成膜始点P2及び成膜終点P6を含む所定範囲については、その他の範囲に比べて原料粉末の供給量を少なく設定し、より好ましくは、成膜始点P2及び成膜終点P6において皮膜が重なる範囲については、重なった皮膜の厚さが、他の範囲の皮膜の厚さと等しくなるような原料粉末の供給量とする。また、接続軌跡CTとなる点P1から成膜始点P2までの範囲と、成膜終点P6から次の成膜始点P2までの範囲については、原料粉末の供給量が最も少なくなるように設定する。
That is, in the
図16~図22は、上述したとおり原料粉末の供給量を制御するための原料粉末供給部22の具体的構成を示す図であり、図16は、図3の原料粉末供給部22を示す断面図、図17は、図16の計量部22bを示す斜視図、図18は、図17のXVIII-XVIII線に沿う断面図である。
16 to 22 are diagrams showing the specific configuration of the raw material
図16に示すように、原料粉末供給部22は、原料粉末が投入されるホッパー221と、ホッパー221からの原料粉末を時間的に異なる体積に計量する計量部22bと、を備える。計量部22bは、ディスク222と、原料粉末の供給時にディスク222を一定の回転速度で回転させる駆動部226と、ディスク222の上面に形成され、ホッパー221からの原料粉末を受容する環状溝部223と、を備える。ホッパー221には、その上部から原料粉末が投入され、原料粉末は、自重により計量部22bのディスク222の環状溝部223に受容される。
As shown in FIG. 16, the raw material
ホッパー221から自重によって原料粉末が供給される位置には、図17及び図18に示すように、ディスク222が回転した時に、環状溝部223の開口上縁を水平に均すことで、余剰の原料粉末を擦り切り除去する第1擦り切り材224が設けられている。また、ディスク222の環状溝部223に受容された原料粉末を原料粉末供給ライン22cへ吸引する位置にも、ディスク222が回転した時に、環状溝部223の開口上縁を水平に均すことで、余剰の原料粉末を擦り切り除去する第2擦り切り材225が設けられている。これら第1擦り切り材224及び第2擦り切り材225により、環状溝部223によって計量された原料粉末の供給量がより正確に計量され、原料粉末供給ライン22cを介して、スプレーガン23へ供給される。
17 and 18, when the
ディスク222の回転動作と、ノズル23dの相対的移動動作は、コールドスプレー装置2の図示しないコントローラにより同期が採られている。たとえば、ノズル23dの移動軌跡MTの一単位と、ディスク222の一回転とが対応し、移動軌跡MTの一単位に沿ってノズル23dが移動するのに同期して、ディスク222が定速で回転する。ここで、ノズル23dの移動軌跡MTの一単位とは、これを繰り返すことで、図19に示す8つの吸気ポート16に対する成膜処理が完了する繰り返し単位をいう。ノズル23dが一単位の移動軌跡MTに沿って移動するのに同期してディスク222が一回転することで、ノズル23dの位置に対する原料粉末の供給量がディスク222の環状溝部223の体積により定まることになる。
The rotation of the
すなわち、図17に示すように、ディスク222の環状溝部223は、全周に亘って幅が等しくされているが、環状溝部223の底面の深さは、環状バルブシート部16cの成膜軌跡Tの一単位に対応した深さとされている。たとえば、一つの環状バルブシート部16cに対する接続軌跡CTと成膜軌跡Tとが、ディスク222の一回転に対応するものとすると、環状溝部223の1周の底面の深さは、図22に示すように形成されている。、図21は、図20の移動軌跡MTに対応する計量部22b(ディスク)の形状を示す平面図、図22は、図21のXXII-XXII線に沿う展開断面図である。
That is, as shown in FIG. 17, the
図21にP2及びP6の符号で示すディスク222の環状溝部223の位置が、図20の移動軌跡MTの成膜始点P2及び成膜終点P6に対応し、ここから時計回りに移動したP3,P4及びP5の符号で示す環状溝部223の各位置が、図20の移動軌跡MTの各位置P3,P4及びP5に対応する。そして、接続軌跡CTのP1から成膜始点P2に向かってノズル23dを移動させると、成膜始点P2に近づくにつれてノズル23dの移動速度が0に近づき、成膜始点P2にて0になる。その後、ノズル23dは、徐々に速度を増し、位置P2´にて所定速度に達し、ここから位置P6s´までは所定速度を維持しながら移動する。最後に、成膜終点P6に近づくにつれてノズル23dの移動速度が0に近づき、成膜終点P6にて0になったのち、隣接する次の環状バルブシート部16cに向かって徐々に速度を増す。
The positions of the
このようにノズル23dを移動軌跡MTに沿って移動させると、位置によって移動速度が異なるので、移動速度が遅い範囲では皮膜の膜厚が相対的に厚くなる。具体的には、図21に示す成膜始点P2から位置P2´までの範囲と、位置P6´から成膜終点P6までの範囲のノズル23dの移動速度が相対的に遅いので、皮膜の膜厚が相対的に厚くなる。そこで、図22の展開断面図に示すように、位置P2´から時計回りに位置P6´までの範囲の環状溝部223の底面の深さD1を一定の深さとするのに対し、成膜始点P2及び成膜終点P6における環状溝部223の底面の深さD2を、深さD1よりも浅い値とする。また、成膜始点P2から位置P2´までの範囲の環状溝部223の底面の深さは、成膜始点P2における環状溝部223の底面(深さD2)から徐々に深さD1になるように傾斜する深さとし、同様に、成膜終点P6から反時計回りに位置P6´までの範囲の環状溝部223の底面の深さは、成膜終点P6における環状溝部223の底面(深さD2)から徐々に深さD1になるように傾斜する深さとする。
When the
そして、好ましくは、成膜始点P2から位置P2´までの範囲の環状溝部223の体積で定まる原料粉末の供給量と、成膜終点P6から位置P6´までの範囲の環状溝部223の体積で定まる原料粉末の供給量との総和、すなわち皮膜のラップ部に供給される原料粉末の供給量が、同じ距離に相当する位置P2´から位置P6´までの範囲に対する原料粉末の供給量に等しい。これにより、ラップ部の皮膜の膜厚と、それ以外の皮膜の膜厚とが等しくなり、余剰皮膜の除去処理が容易になる。
Preferably, the supply amount of raw material powder is determined by the volume of the
ちなみに、移動軌跡MTのうち成膜軌跡T同士を接続する接続軌跡CTに沿ってノズル23dを相対移動させる場合の原料粉末の供給量は、図22に位置P1として示す如く最も少なくなるように、環状溝部223の底面の深さD3を最も浅く設定することが望ましい。こうすることで、シリンダヘッド粗材3の取付面12aに形成される余剰皮膜の膜厚が薄くなるので、仕上工程S4における余剰皮膜の除去深さを浅くすることができる。
Incidentally, when the
図9に戻り、仕上工程S4では、バルブシート膜16b,17bと、吸気ポート16及び排気ポート17の仕上加工が行われる。バルブシート膜16b,17bの仕上加工では、ボールエンドミルを用いたフライス加工によりバルブシート膜16b,17bの表面を切削し、バルブシート膜16bを所定形状に整える。また、吸気ポート16の仕上加工では、開口部16aから吸気ポート16内にボールエンドミルを挿入し、図14に示す加工ラインPLに沿って吸気ポート16の開口部16a側の内周面を切削する。加工ラインPLは、吸気ポート16内に原料粉末Pが飛散して付着した余剰皮膜SFが比較的厚く形成される範囲、より具体的には、余剰皮膜SFが吸気ポート16の吸気性能に影響を及ぼす程度に厚く形成される範囲である。
Returning to FIG. 9, in the finishing step S4, the
このように、仕上工程S4により、鋳造成形による吸気ポート16の表面荒れが解消されるとともに、被覆工程S3で形成された余剰皮膜SFを除去することができる。図15に、仕上工程S4後の吸気ポート16を示す。なお、排気ポート17は、吸気ポート16と同様に、鋳造成形による排気ポート17内への小径部の形成、切削加工による環状バルブシート部の形成、環状バルブシート部へのコールドスプレー、仕上加工を経てバルブシート膜17bが形成される。そのため、排気ポート17に対するバルブシート膜17bの形成手順については、詳しい説明を省略する。
In this manner, the finishing step S4 can eliminate surface roughness of the
以上のとおり、本実施形態のコールドスプレー装置2を用いた成膜方法は、環状バルブシート部16cを有するシリンダヘッド粗材3と、コールドスプレー装置2のノズル23dとを、成膜軌跡Tに沿って相対的に移動させ、原料粉末供給部22から供給される原料粉末をノズル23dから噴射しながら、環状バルブシート部16cに皮膜を形成する成膜方法において、原料粉末供給部22は、原料粉末が投入されるホッパー221と、ホッパー221からの原料粉末を時間的に異なる体積に計量する計量部22bと、を備えるように構成し、計量部22bは、成膜軌跡Tに沿った膜体積に相関した形状とする。これにより、バルブシート膜16bの上に成膜終点となる2層目のバルブシート膜16bが重なっても、衝突方向が1層目のバルブシート膜16bの表面に対して略垂直となるため、2層目の原料粉末が充分に扁平化し、バルブシート膜16bの層内の空孔径は充分小さくなる。
As described above, the film formation method using the
また、本実施形態のコールドスプレー装置2を用いた成膜方法においては、計量部22bは、ディスク222と、ディスク222を一定の回転速度で回転させる駆動部226と、ディスク222の上面に形成され、環状バルブシート部16cの成膜軌跡Tの一単位に対応し、ホッパー221からの原料粉末を受容する環状溝部223と、を備えるので、ノズル23dの相対移動とディスク222の回転とを同期させれば、ディスク222を所定速度で回転させるだけで、計量部22bは、成膜軌跡Tに沿った膜体積に相関した形状となる。
Further, in the film forming method using the
また、本実施形態のコールドスプレー装置2を用いた成膜方法においては、ディスク222の環状溝部223の底面が、成膜軌跡Tに沿った膜体積に相関する深さとされているので、簡単な構成で、計量部22bを、成膜軌跡Tに沿った膜体積に相関した形状とすることができる。
In addition, in the film formation method using the
また、本実施形態のコールドスプレー装置2を用いた成膜方法において、シリンダヘッド粗材3とノズル23dとの相対的な移動軌跡MTは、一の成膜軌跡Tと他の成膜軌跡Tとを接続する接続軌跡CTを含み、接続軌跡CTに対応する環状溝部223の体積は、他の成膜軌跡Tに対応する体積より小さく設定されているので、シリンダヘッド粗材3の取付面12aに形成される余剰皮膜の膜厚が薄くなる。その結果、仕上工程S4における余剰皮膜の除去深さを浅くすることができる。
Further, in the film formation method using the
また、本実施形態のコールドスプレー装置2を用いた成膜方法において、計量部22bは、環状溝部223の開口上縁を水平に均して余剰の原料粉末を擦り切り除去するので、ノズル23dに供給される原料粉末の供給量がより正確になる。
In addition, in the film formation method using the
また、本実施形態のコールドスプレー装置2を用いた成膜方法において、ワークがエンジンのシリンダヘッド粗材3、被成膜部が環状バルブシート部16cであり、成膜軌跡Tは、環状バルブシート部16cの上の所定位置を成膜始点P2及び成膜終点P6とする円形軌跡であり、成膜軌跡Tのうち、膜が重なる成膜始点P2及び成膜終点P6を含む所定距離の範囲P2~P2´,P6´~P6の計量部の体積の総和は、膜が重ならない範囲P2´~P6´のうち前記所定距離に相当する範囲の計量部の体積を目標体積とするように設定されているので、成膜軌跡T全体にわたって皮膜の厚さが均等になり、仕上工程S4における余剰皮膜の除去深さを浅くすることができる。
Further, in the film formation method using the
上記環状バルブシート部16cは本発明に係る被成膜部に相当する。
The annular
1…内燃機関
11…シリンダブロック
11a…シリンダ
12…シリンダヘッド
12a…取付面
12b…凹部
12c,12d…側面
13…ピストン
13a…コネクティングロッド
13b…頂面
14…クランクシャフト
15…燃焼室
16…吸気ポート
16a…開口部
16b…バルブシート膜
16c…環状バルブシート部
17…排気ポート
17a…開口部
17b…バルブシート膜
18…吸気バルブ
18a…バルブステム
18b…バルブヘッド
18c…バルブガイド
19…排気バルブ
19a…バルブステム
19b…バルブヘッド
19c…バルブガイド
2…コールドスプレー装置
21…ガス供給部
21a…圧縮ガスボンベ
21b…作動ガスライン
21c…搬送ガスライン
21d…圧力調整器
21e…流量調節弁
21f…流量計
21g…圧力ゲージ
21h…電力源
21i…ヒータ
21j…電力供給線
21k…回転継手
22…原料粉末供給部
22a…原料粉末供給装置
22b…計量部
22c…原料粉末供給ライン
221…ホッパー
222…ディスク
223…環状溝部
224…第1擦り切り材
225…第2擦り切り材
226…駆動部
23…スプレーガン
23a…チャンバ
23b…圧力計
23c…温度計
23d…ノズル
23e…冷媒導入部
23f…冷媒排出部
23g…信号線
24…基材
24a…皮膜
25…産業用ロボット
251…ハンド
252…ブラケット
26…ベースプレート
261…第1ベースプレート
262…第2ベースプレート
263…カバー
27…冷媒循環回路
271…タンク
272…ポンプ
273…冷却器
274…導入管
275…排出管
28…オフセット機構
281…リニアガイド
282…流体圧シリンダ
29…モータ
291…駆動軸
3…シリンダヘッド粗材
4…成膜工場
41…搬送ブース
42…成膜ブース
43,44…ドア
45…基台
MT…移動軌跡
T…被成膜部の軌跡
CT…接続軌跡
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記原料粉末供給部は、前記原料粉末が投入されるホッパーと、前記ホッパーからの前記原料粉末を時間的に異なる体積に計量する計量部と、を備え、
前記計量部は、前記成膜軌跡に沿った膜体積に相関した形状とされ、
前記ワークがエンジンのシリンダヘッド粗材、前記被成膜部が環状バルブシート部であり、
前記成膜軌跡は、前記環状バルブシート部の上の所定位置を成膜始点及び成膜終点とする円形軌跡であり、
前記成膜軌跡のうち、膜が重なる成膜始点及び成膜終点を含む所定距離の範囲の前記計量部の体積の総和は、膜が重ならない範囲のうち前記所定距離に相当する範囲の前記計量部の体積を目標体積とするように設定されている成膜方法。 A workpiece having a film-forming portion and a nozzle of a cold spray device are relatively moved along a film-forming trajectory with respect to the film-forming portion, and raw material powder supplied from a raw material powder supply unit is sprayed from the nozzle. However, in the film forming method for forming a film on the film forming portion,
The raw material powder supply unit comprises a hopper into which the raw material powder is fed, and a weighing unit that weighs the raw material powder from the hopper into different volumes over time,
The measuring part has a shape correlated with the film volume along the film formation trajectory ,
wherein the workpiece is an engine cylinder head rough material, and the film-forming portion is an annular valve seat portion;
The film formation trajectory is a circular trajectory having a film formation start point and a film formation end point at predetermined positions on the annular valve seat portion,
In the film formation trajectory, the sum of the volumes of the measurement units in a range of a predetermined distance including the film formation start point and the film formation end point where the films overlap is the measurement of the range corresponding to the predetermined distance in the range where the films do not overlap. A film formation method that is set so that the volume of the part is the target volume .
ディスクと、
前記ディスクを一定の回転速度で回転させる駆動部と、
前記ディスクの上面に形成され、前記被成膜部の前記成膜軌跡の一単位に対応し、前記ホッパーからの前記原料粉末を受容する環状溝部と、を備える請求項1に記載の成膜方法。 The weighing unit
a disk;
a driving unit that rotates the disk at a constant rotational speed;
2. The film forming method according to claim 1, further comprising: an annular groove formed on the upper surface of the disk, corresponding to one unit of the film forming locus of the film forming portion, and receiving the raw material powder from the hopper. .
前記原料粉末供給部は、前記原料粉末が投入されるホッパーと、前記ホッパーからの前記原料粉末を時間的に異なる体積に計量する計量部と、を備え、
前記計量部は、
ディスクと、
前記ディスクを一定の回転速度で回転させる駆動部と、
前記ディスクの上面に形成され、前記被成膜部の前記成膜軌跡の一単位に対応し、前記ホッパーからの前記原料粉末を受容する環状溝部と、を備え、
前記成膜軌跡に沿った膜体積に相関した形状とされ、
前記ワークと前記ノズルとの相対的な移動軌跡は、一の前記成膜軌跡と他の前記成膜軌跡とを接続する接続軌跡を含み、
前記接続軌跡に対応する前記環状溝部の体積は、他の前記成膜軌跡に対応する体積より小さく設定されている成膜方法。 A workpiece having a film-forming portion and a nozzle of a cold spray device are relatively moved along a film-forming trajectory with respect to the film-forming portion, and raw material powder supplied from a raw material powder supply unit is sprayed from the nozzle. However, in the film forming method for forming a film on the film forming portion,
The raw material powder supply unit comprises a hopper into which the raw material powder is fed, and a weighing unit that weighs the raw material powder from the hopper into different volumes over time,
The weighing unit
a disk;
a driving unit that rotates the disk at a constant rotational speed;
an annular groove formed on the upper surface of the disk, corresponding to one unit of the film formation trajectory of the film formation target portion, and receiving the raw material powder from the hopper;
The shape is correlated with the film volume along the film formation trajectory ,
the relative movement trajectory between the workpiece and the nozzle includes a connection trajectory that connects one film formation trajectory and another film formation trajectory;
The film formation method , wherein the volume of the annular groove corresponding to the connection locus is set smaller than the volume corresponding to the other film formation loci .
前記接続軌跡に対応する前記環状溝部の体積は、他の前記成膜軌跡に対応する体積より小さく設定されている請求項2に記載の成膜方法。 the relative movement trajectory between the workpiece and the nozzle includes a connection trajectory that connects one film formation trajectory and another film formation trajectory;
3. The film formation method according to claim 2 , wherein the volume of said annular groove corresponding to said connection locus is set smaller than the volume corresponding to said other film formation locus.
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JP2009030119A (en) | 2007-07-27 | 2009-02-12 | Nissan Motor Co Ltd | Method and device for covering wear-resistant material |
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