図8に示す例示的なシステムは、揮発性メモリ、不揮発性メモリ(フラッシュ・メモリ等)またはこれらの組み合わせを含み得るメモリ820に接続されたプロセッサ810を備えたモバイル・デバイス800を備えている。通信モジュール830は、ホスト・サーバ860などの1つまたは複数のサーバおよび他のエンティティとアンテナ850を介して無線通信をするための無線送受信機840を備えているが、当業者であれば、無線接続に代わるまたはこれに対する追加的な接続を提供するために有線接続が確立されてもよいことを理解するであろう。モバイル・デバイスはまた、プロセッサ810に接続されたユーザ・インタフェース870を備えている。モバイル・デバイス800は、バッテリ(図示せず)などの任意の適切な電源を備えていてもよい。モバイル・デバイス800は、モバイル・デバイスの位置を特定するための地理位置情報を提供するための全地球測位システム(GPS)などの任意の他の所望のコンポーネントを備えていてもよい。モバイル・デバイス800のコンポーネントの一部または全部が汎用加入者識別モジュールおよび/または取り外し可能なユーザ識別モジュールなどのハードウェア識別モジュール(図示せず)を備え(またはこれらと通信するようにされ)ていてもよい。ハードウェア識別モジュールは、プロセッサ810に接続されていてもよく、モバイル・デバイス800のハードウェアが変更されたか否かを判定するための所定の識別子と比較対照されることができる識別子を備えていてもよい。ハードウェア識別モジュール(および所定の識別子)は、電子シリアル番号、ローカル・エリアID識別子、集積回路識別子、国際移動加入者識別子、認証キー識別子および/またはオペレータ固有緊急番号識別子などの任意の適切な識別子を含み得る。この識別子は、メモリ820に格納され所定の識別子との比較対照のためにホスト・サーバ860に送信されてもよい。
本明細書(の全体または部分)において記載されている方法を含むモバイル・デバイス800の機能は、モバイル・デバイス800のメモリ820に格納されたコンピュータ読取り可能な命令をプロセッサ810が実行することによって実装されてもよい。メモリ820は、ソフトウェア・アプリケーション、ユーザによってインストールされたまたはサード・パーティによってインストールされた「アプリ」、アプレットおよび組み込みオペレーティング・コードを含む任意のコンピュータ読取り可能な命令およびデータを格納してもよい。
追加的に、ソフトウェア・アプリケーションは、最小限の前提となるハードウェア機能をもって動作するように構成されてもよい。例えば、アプリケーションは、モバイル・デバイスがネットワーク接続を確立する前に開始されてもよい。かかる状況は、例えば、モバイル・デバイス内のSIMカードにソフトウェア・アプリケーションがインストールされている場合に提供されてもよく、アプリケーションはモバイル・デバイス・オペレーティング・システムのその他のソフトウェアよりも前に起動する。代替的にまたは追加的に、リンクまたはURL(ユニバーサル・リソース・ロケータ)などのデータ要素がSIMカード上に存在していてもよく、当該URLまたはリンクを用いつつブラウザなどのアプリケーションを起動することにより、当該リンクまたはURLによって参照されるアプリケーションがリモート・サーバからモバイル・デバイスへロードされおよび/または当該リモート・サーバから直接的に実行されてもよい。
本発明のソフトウェア実行方法は、デバイスとともに提供されまたは権限を有するユーザによってモバイル・デバイスにダウンロードされ、および/あるいは、ホスト・サーバ860のメモリ16にさらに常駐しサーバ・プロセッサ14によって実行可能とされてもよい。モバイル・デバイス800およびホスト・サーバ860の機能はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)および/もしくは複雑なプログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)ならびにニューラル・ネットワーク処理もしくはシミュレーション回路などの機械可読命令を格納した様々なハードウェア・コンポーネントによって実装されてもよい。本発明の態様に係るシステムは、ソフトウェアおよび/またはハードウェア・コンポーネントの任意の所望の組み合わせとともに動作してもよい。
プロセッサ810は、メモリ820に格納されている命令を読み出して実行し、モバイル・デバイス800の動作を制御する。同様に、サーバ・プロセッサ14は、サーバ・メモリ16に格納された命令を読み出して実行し、ホスト・サーバ860の動作を制御する。集積回路マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、および/またはデジタル信号プロセッサ(DSP)などの任意の数およびタイプのプロセッサが、本発明とともに使用され得る。メモリ820は、命令、データ、モバイル・デバイス800から送信された(またはモバイル・デバイス800によって受信された)メッセージおよび任意の他の適切な情報を格納し、サーバ・メモリ16は、命令、データ、ホスト・サーバ860から送信された(またはホスト・サーバ860によって受信された)メッセージおよびその他の適切な情報を同様に格納する。本発明とともに動作するメモリ820およびサーバ・メモリ16は、ハード・ドライブ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリまたはその他のタイプの揮発性および/または不揮発性メモリなどの異なるメモリ・ストレージ・デバイスの任意の組み合わせを含み得る。データは、メモリ820またはサーバ・メモリ16に任意の所望の方法で格納することができる。
通信インタフェース830は、ホスト・サーバ860などの1つもしくは複数のサーバまたは他の適切なエンティティと通信する。同様に、ホスト・サーバの通信インタフェース18は、モバイル・デバイス800、インターネットなどの一般的なネットワークまたは任意のその他の適切なエンティティと通信するように構成されている。任意の適切な通信デバイス、コンポーネント、システムおよび方法が本発明とともに使用されてもよい。例えば、無線送受信機840は、汎用パケット無線サービス(GPRS)、モバイル通信用グローバル・システム(GSM)、GSM進化型高速データ・レート(EDGE)、パーソナル通信サービス(PCS)、高度携帯電話システム(AMPS)、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域CDMA(W-CDMA)、時分割同期CDMA(TD-SCDMA)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、および/または時分割多元接続(TDMA)などの任意の数およびタイプのセルラ・プロトコルを用いて通信するように構成されてもよい。本発明とともに動作するモバイル・デバイスには、ISO14443プロトコル、ISO18000-6プロトコル、Bluetooth(登録商標)プロトコル、ZIGBEE(登録商標)プロトコル、Wibreeプロトコル、Wi-Fi(登録商標)プロトコル、IEEE802.15プロトコル、IEEE802.11プロトコル、IEEE802.16プロトコル、超広帯域(UWB)プロトコル、IrDAプロトコルおよびこれらの組み合わせなどの任意の他の無線通信プロトコルの方法を用いて通信するための無線送受信機(および関連するコンポーネント)を代替的に(または追加的に)備えていてもよく、さらに、ホスト・サーバ860の通信インタフェース18は、モバイル・デバイス800または任意の他のデバイスと通信するためにかかるプロトコルで動作するように構成されてもよい。アンテナ850は、任意のフォーマットをもつ任意の無線信号を送信および受信するように構成されてもよく、異なる無線プロトコルを使用して送信および受信する複数の異なるアンテナを備えていてもよい。
通信モジュール830は、有線インターネット接続、無線インターネット接続、携帯電話ネットワーク接続(データ・リンク接続を含む)、無線LAN接続、無線WAN接続、光接続、FIREWIRE(登録商標)接続、THUNDERBOLT(登録商標)接続、LIGHTNING(登録商標)ポート接続、e-SATA接続、USB接続、モバイル・デバイス同期ポート接続、電源接続および/もしくはセキュリティ・ケーブルなど任意の他の接続形式を使用してサーバ860または別のデバイスと通信することができる。通信モジュール830は、1つまたは複数のコンパニオン・デバイスと、および、紛失または盗難にあったモバイル・デバイス800の追跡/位置特定に役立つ任意の数の他のデバイスと通信して、(例えば、モバイル・デバイスとコンパニオン・デバイス間の通信リンクが正常であるか否かを監視することによって)モバイル・デバイス800の位置またはステータスを監視するために使用することができる。
モバイル・デバイス800は、ユーザ・インタフェース870を備えている。ユーザ・インタフェース870は、コマンド、データおよびユーザからの他の適切な入力を受信するための任意の数の入力デバイス(図示せず)およびモバイル・デバイス800からのデータ、通知およびその他の適切な情報をユーザに提供するための任意の数の出力デバイス(図示せず)を備えていてもよい。同様に、ホスト・サーバ860はユーザ・インタフェース15を備えており、コマンド、データおよびユーザまたはサード・パーティからの他の適切な入力を受信するための任意の数の入力デバイス(図示せず)と、ホスト・サーバ860からのデータ、通知、およびその他の適切な情報をユーザ/サード・パーティに提供するための任意の数の出力デバイス(図示せず)とを備えていてもよい。
ユーザが命令およびデータをモバイル・デバイス800およびホスト・サーバ860に入力することができるように、タッチ・パッド、タッチ画面、マウス/トラックボール/トラックパッド、マイクロフォンおよび/または英数字キーパッドなどの任意の数の入力デバイスがユーザ・インタフェース870,15に備えられていてもよい。本出願の目的のための用語「タッチ画面」は、いつユーザがディスプレイに近接する場所への物理的接続を適用するかを判定することができるタッチ・インタフェースと一体化されているかこれと近接されているディスプレイを含み得る。タッチ画面は、ユーザのインタラクションからパラメータを測定できるセンサを有していてもよく、かかるセンサは、画面への「タッチ」の移動に起因する静電容量、抵抗、圧力または差分の測定値を測定してもよい。ユーザ・インタフェース870は、現在のユーザがデバイスを使用する権限を有するか否かを判定するために、ユーザが(ディスプレイに仮想的に実装されているかまたはキー・スイッチの物理的な配列としての)キーパッドのキーに及ぼす圧力と、複数のキー押下の時間間隔とを検出するように構成されてもよい。ユーザ・インタフェース870はまた、ユーザが音声データをモバイル・デバイス800に提供することを可能にするマイクロフォンを備えていてもよく、また、モバイル・デバイスが静止画像または動画像をキャプチャすることを可能とする1つまたは複数のカメラを備えていてもよい。同様に、ホスト・サーバ860のユーザ・インタフェース15は、ユーザが音声データをホスト・サーバ860に提供することを可能にするマイクロフォンを備えていてもよく、また、サーバ860が静止画像または動画像をキャプチャすることを可能とする1つまたは複数のカメラを備えていてもよい。一実施形態においては、モバイル・デバイス800は、デバイスの動作中にユーザに対向する前面カメラ874と、モバイル・デバイスの反対側に設けられた背面カメラ872とを備えている。モバイル・デバイス800は、ユーザ・インタフェース870を介した音声入力を処理するための音声認識ソフトウェアを備えていてもよい。ユーザ・インタフェース870および同様にサーバ・ユーザ・インタフェース15はまた、情報(映像およびテキストなど)を視覚的に表示するための表示画面および/または聴覚出力を提供するためのスピーカーなどの任意の数の適切な出力デバイスを備えていてもよい。モバイル・デバイスのディスプレイは、静電容量センシング、圧力センシング、ゲル変位センシング、抵抗センシングなど当業者によって利用される任意の適切なまたは従来のタッチ送信技術などの任意の適切な手段によってユーザによるタッチを感知するように構成されていてもよい。モバイル・デバイス800は、単語、フレーズ、トーン、録音された音楽または任意の他のタイプの聴覚出力をスピーカーを介してユーザに提供するように構成されていてもよい。前述のとおり、ユーザ・インタフェース870は、権限をもたないユーザがモバイル・デバイス800を使用しようと試みたときに情報を提供し、および/または、モバイル・デバイス800の動作を妨げたりするためにアクティブにすることができる。例えば、ディスプレイの照明レベルはモバイル・デバイスへ注意を喚起するために変化させてもよく、不快なおよび/またはうるさい音をスピーカーで再生することができる。
モバイル・デバイス800は、指紋スキャナー、虹彩スキャナー、網膜スキャナー、および/または呼気分析器などの生体情報を受信するように構成された1つまたは複数の生体認証デバイスを備えていてもよい。マイクロフォンやカメラなどの入力デバイスを使用して、音声分析や顔認識などの生体分析を実行してもよい。さらに、モバイル・デバイスは、磁場を測定するための磁力計(電子コンパスで使用される類のもの)、姿勢を測定するためのMEMSまたは他のタイプのジャイロスコープ、およびモバイル・デバイスの動きの変化を測定するための加速度計を備えていてもよい。
ユーザ・インタフェース870,15によって提供または受信される情報は、任意の適切な形式の情報とされてもよい。例えば、聴覚形式で情報をユーザに伝達するユーザ・インタフェースは、ユーザに対して最初にデータ・ヘッダーを提供し、これに続いてデータを識別するためのデータ値を提供してもよい。ユーザ・インタフェース870,15は、情報が聴覚的にまたは視覚的に提供されるか否かに関わらず、任意の数の所望の言語で情報を提供してもよい。
ユーザ・インタフェース870,15はまた、機械読取り可能な形式でユーザに情報を提供し、受信してもよい。本発明の例示的な一実施形態においては、例えば、モバイル・デバイス800のユーザ・インタフェース870は、デュアルトーン・マルチ周波数(DTMF)トーンを使用してメッセージを送受信してもよい。モバイル・デバイス800およびホスト・サーバ860は、任意の標準フォーマット(MSワード文書、AdobePDFファイル、ASCIIテキスト・ファイル、JPEGまたはその他の標準フォーマットなど)および他の独自フォーマットの機械読取り可能データを送信、受信および処理するように構成することができる。意図しない受信者および/または不適切な使用からデータを保護するために、ユーザ・インタフェース830,15との間の機械読取り可能データを暗号化してもよい。代替的な実施形態においては、ユーザはモバイル・デバイス800の機能の一部または全部の使用を可能にするためにパスコードを入力する必要がある。人間であるまたは人間でないユーザが本発明とともに動作している1つまたは複数のデバイスとやり取りをすることができるように、任意の他のユーザ・インタフェース機能が利用されてもよい。
モバイル・デバイス800は、任意の他の適切な機能、コンポーネントおよび/またはシステムを備えていてもよい。例えば、モバイル・デバイス800は、カメラやマイクロフォンなどのそのコンポーネントの一部または全部をオフにすることで、そのバッテリの寿命を保つように構成されてもよい。コンポーネントは、セキュリティ侵害イベントに応じて、および権限を有するユーザまたはセキュリティ機関からのコマンドに応じて、選択的にシャットダウンすることができる。代替的には、例えば、権限をもたないユーザに対してはモバイル・デバイス800の有用性を制限するために、モバイル・デバイス800は、そのコンポーネントを過度に使用してバッテリをできるだけ早く消耗させるように構成することもできる。
モバイル・デバイス800は、データを保護したり、アクセスを制限したり、またはその他の所望のセキュリティ機能を提供したりするための1つまたは複数のセキュリティ対策を実装するように構成されてもよい。例えば、モバイル・デバイス800は、送信されたデータおよび/またはデバイス自体に格納もしくはそれによって作成されたデータを暗号化してもよい。かかるセキュリティ対策は、ハードウェア、ソフトウェアまたはこれらの組み合わせを使用して実装されてもよい。公開鍵/秘密鍵暗号化システム、データ・スクランブル手法、ハードウェアおよびソフトウェア・ファイアウォール、耐タンパー性または対タンパー性のメモリ・ストレージ・デバイスまたはデータを保護するための任意の他の方法または技術など、データ暗号化またはデータ保護のあらゆる方法を本発明とともに利用してもよい。同様に、パスワード、生体認証、アクセス・カードもしくはその他のハードウェア、または任意のその他のシステム、デバイスおよび/もしくは方法を用いて、本発明とともに動作する任意のデバイスへのアクセスを制限するようにしてもよい。
ホスト・サーバ860は、モバイル・デバイス800を監視して不正使用から保護するとともにセキュリティ侵害イベントまたは不正行為の試みに関連する損害を軽減するために、モバイル・デバイス800、権限を有するユーザ、権限のないユーザ、セキュリティ機関(特に保険代理店)およびその他のエンティティと通信する。ホスト・サーバ860は、任意の数の個別のコンピュータ・システム、プロセッサおよびメモリ・ストレージ・デバイスならびに人間のオペレータ(例えば、モバイル・デバイスの紛失/盗難を報告する、権限を有するユーザからの呼び出しに応答するため)および任意の他の適切なエンティティを含み得る。ホスト・サーバ860は、モバイル・デバイス800を監視および追跡し、セキュリティ侵害イベントが発生した場合にはモバイル・デバイス800に命令を提供するために、権限を有するユーザおよびモバイル・デバイス800に関する情報を格納する1つまたは複数のデータベース880を備えていてもよく、あるいはこれと通信するようにしてもよい。
例えば、データベース880はモバイル・デバイスの利用プロファイルを格納して、ホスト・サーバ860のソフトウェアが、モバイル・デバイスの継続利用が所定の閾値に従い利用プロファイルから逸脱するか否か、またはモバイル・デバイス800内で障害状態につながる紛失イベントをモバイル・デバイスが発生させたか否かを検出できるようにしてもよい。ホスト・サーバ860は、モバイル・デバイス800から情報を受信し、処理し、および(例えば、データベース880に)格納してもよい。ホスト・サーバ860は、前述のように、モバイル・デバイス800の位置と場所を追跡するために、モバイル・デバイスによってキャプチャされた環境パラメータを受信および処理するなど、目的を達成するため任意のタイプのデータを任意のフォーマットで扱うようにしてもよい。データベース880はまた、モバイル・デバイス800が有効な場所で動作しているか否かを判定するために使用することができる場所情報(例えば、前述の「ホワイトリスト」および「ブラックリスト」)を格納してもよい。データベース880はまた、ニューラル・ネットワーク訓練用データを格納してもよく、その場合にはモバイル・デバイスにおける欠陥の例示的な画像が特定された欠陥クラス、出力または状態としかるべく対応付けられる。ニューラル・ネットワーク訓練用データは、デバイスの欠陥の認識の精度を向上させるために、拡張されあるいはその他の点では修正されてもよい。さらに、データベース880は、モバイル・デバイス800に関連する識別情報と動作履歴情報とともに、モバイル・デバイス800の健全性および動作の分析の結果を格納してもよい。このようにして、モバイル・デバイスの動作分析は、サーバ860によって経時的に追跡および分析されてもよく、モバイル・デバイス800の少なくとも1つのコンポーネントの継続中の故障を示すトレンドが特定される。
ホスト・サーバ860と通信するデータベース880はまた、モバイル・デバイス800が紛失または盗難された場合、またはモバイル・デバイス800上のデータが(例えば、ウイルスまたはその他の悪意のあるプログラムによって)破壊された場合、リカバリのためモバイル・デバイス800からのアーカイブ・データを格納してもよい。ホスト・サーバ860の機能は、1つまたは複数のコンピュータ・システム上で動作するソフトウェア/ハードウェアを介して、および/または、1人または複数人の人間のオペレータなどによって、自動的または半自動的に実行されてもよい。
ホスト・サーバ860は、ホスト・サーバ860の動作を(少なくとも部分的に)制御するために、メモリ16に格納されたコンピュータ読取り可能な命令を検索して実行する1つまたは複数のシステム・プロセッサ14を備えていてもよい。任意の数およびタイプの従来のコンピュータ、コンピュータ・システム、コンピュータ・ネットワーク、コンピュータ・ワークステーション、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータまたは集積回路マイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラ等のコンピュータ・プロセッサが、本発明とともに用いられることができる。本発明の態様に従って使用されるコンピュータ・システムには、オペレーティング・システム43(例えば、WINDOWS(登録商標)NT/95/98/2000/XP/Vista/7/8/10、OS2、UNIX(登録商標)、Linux(登録商標)、SOLARIS(登録商標)、MacOS(登録商標)等)ならびに典型的にコンピュータに関連づけられている様々な従来のサポートソフトウェアおよびドライバが含まれ得る。ある実施形態においては、専用アプリケーションが、本発明の方法を実行するためにシステム・プロセッサによって完全にもしくは部分的に提供または実行されてもよい。
ニューラル・ネットワーク47は、畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)アーキテクチャを含んでもよく、また、メモリ・デバイス16に格納されたソフトウェアによって、サーバ・プロセッサ14に接続された外部ハードウェア(ハードウェア・アクセラレータまたはグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)等)を介して、あるいは、格納されたソフトウェアと外部ハードウェアとの組み合わせによって、実装されてもよい。
ホスト・サーバ860は、インターネット上のウェブサイトを介しておよび/または電話ネットワークを介してなど任意の所望の方法でアクセスされてもよい。ホスト・サーバ860は、任意の数の人間のオペレータ、コンピュータ・システム、携帯電話、モバイル・コンピューティング・デバイス、対話型音声応答(IVR)システムならびにユーザ、セキュリティ機関、コンピューティング・デバイスまたは他のエンティティと通信をするための任意の他の適切なシステムおよびデバイスを含み得る。ホスト・サーバ860は、紛失または盗難されたモバイル・デバイスの権限のないユーザと、モバイル・デバイスにインストールされた障害状態テスト・アプリケーション(あるいは本明細書に用いられる「FSTA」)との直接的な通信を含め、モバイル・デバイスを介してまたは他の通信方法を介してのいずれにおいても通信をすることができる。ホスト・サーバ860は、当該権限のないユーザに対して、モバイル・デバイスが紛失または盗難されていることを通知し、リカバリ情報(配送先住所等)を当該権限のないユーザに提供し、テスト結果および損害請求情報をサード・パーティである保険会社に転送し、保険金請求の開始を容易にしてもよい。ホスト・サーバ860はまた、モバイル・デバイス800と通信して、ソフトウェア・アップデートを提供し、アーカイブ用のデータを受信し、保護すべきファイルや他のデータを特定し、本発明の任意のその他の態様を実行する。
ホスト・サーバ860は、権限を有するユーザ、電気通信サービス・プロバイダー、モバイル・デバイス監視/追跡サービス・プロバイダー、セキュリティ機関、保険代理店、モバイル・デバイスの修理代理店、モバイル・デバイス販売業者、広告代理店、モバイル・デバイスの保証再販業者、モバイル・デバイスの権限を有するユーザおよび/またはその他の所望のエンティティなどの任意のサード・パーティによって(ローカルまたは遠隔で)制御されるか、これとともに動作してもよい。例えば、権限を有するユーザおよびセキュリティ機関は、ホスト・サーバ860と通信するか、ホスト・サーバ860を介して通信し、モバイル・デバイス800にインストールされた障害状態テストアプリケーション(FSTA)とやり取りして、デバイスが保険金請求の対象となり得るような障害を発生させたことを確認してもよい。ホスト・サーバ860は、紛失/盗難されたモバイル・デバイス800をどのように返却すべきかについての通知を提供し、セキュリティ侵害イベントを検出し、モバイル・デバイスで障害状態が発生したことを検出し、および、モバイル・デバイスの機能が変更されるべきか否かを判定し、ならびに(もしそうであれば)、モバイル・デバイス800の機能を変更する方法を決定するように構成されていてもよい。ホスト・サーバ860は、他の任意の所望のシステム、デバイス、人間のオペレータまたは他のエンティティとともに動作してもよい。
FSTAは、テストされたモバイル・デバイスから情報を収集してサード・パーティに中継するか、デバイス・テストの結果とともにサーバ860のメモリ16に格納(45)してもよい。デバイス・データ45は、モバイル・デバイス46の1つまたは複数の画像に一意に紐づけられ、サーバ・プロセッサ14によって分析されてもよい。デバイス画像データは、jpeg、TIFF、GIF、EPS、PNG、PDF、スケーラブル・ベクター・グラフィックス、ビットマップまたは任意の他の従来または非従来の画像データ形式を含むがこれらに限るものではない任意のフォーマットで格納されてもよい。デバイス・データ45および対応するデバイス画像46はまた、データベース880に格納されてもよい。デバイス・タイプ、製造業者、モデル番号、シリアル番号、製造日、ハードウェア構成リスト、メモリ容量、ソフトウェア・マニフェスト、動作可能な機能のリスト、動作不能な機能のリスト、電子シリアル番号、ESN、IMEI番号、国際モバイル機器識別子番号、IMSI番号、国際モバイル加入者ID番号、UIMID番号、およびユーザIDモジュール識別子、テスト結果、障害状態など、サード・パーティに中継される情報は任意の適切なデータを含み得る。SIMカードを利用するモバイル・デバイス(携帯電話で一般的に使用される交換可能な加入者識別モジュール等)が、格納されたデバイス設定パラメータの少なくとも1つが当該デバイスのSIM内にIMSI番号を含むことを判定する際に、本発明の実施形態とあわせてさらに用いられることができる。
本発明の追加的な実施形態においては、障害状態(ひび割れが生じた画面/ディスプレイ等)の疑いのあるモバイル・デバイスを有するユーザは、当該故障の疑いのあるモバイル・デバイスにアプリケーション(先に言及したところの障害状態テスト・アプリケーション等)をインストールすることを要求されるようにしてもよい。FSTAは当該主張されているモバイル・デバイス上の障害状態(ひび割れが生じたまたは破損した画面/ディスプレイ等)の真正性を評価するための信頼できる方法を提供する。FSTAは、モバイル・デバイスのユーザとやり取りを行ってモバイル・デバイスが本当に故障しているのか否かを評価するのに利用されるセンサ測定値およびユーザ入力を取得する。そして、障害状態/非障害状態の判定は、表示されおよび/または(モバイル・デバイスに対して行われたテストが信頼できる結果を提供することができるように)セキュアな態様にてサード・パーティ(モバイル・デバイスに対して保険の適用を求められている保険会社等)に送信されることができる。一実施形態においては、モバイル・デバイス内のFSTAによって送信されたデータは、モバイル・デバイスのユーザによる改ざんやなりすましを防ぐために暗号化され、受信者またはサーバ860内で実行されているソフトウェアによって然るべく復号される。
モバイル・デバイスをテストする本発明の実施形態はまた、壊れたガラスについてモバイル・デバイスをテストすることよりもさらに幅広い目的を有する。例えば、画面が完全に塗りつぶされる(この点については以下においてより完全な形で述べるものとする)際にデジタイザ全体がテストされることができるであろう。さらに、暗くなったディスプレイ/画面が、ポイント・テスト(例えば、センサは動作しているがLCDが壊れている可能性がある)によってテストされることも考えられる。同様に、ユーザからの入力が正確であることを検証するために、一実装形式においては、通常の塗りつぶしモードでは、ユーザはテストをごまかすために画面全体を塗りつぶそうと試みるかもしれないものの、ユーザはテストを完了するポイントを見ることはできないようにすることも考えられる。また、色をテストすることも考えられる。例えば、ユーザは2つの表示された緑色を押し、さらに2つの赤色を押し、最後に2つの青色を押す(一例として)ことを指示されることも考えられる。さらに、ミラーにおける、または第2のデバイスによってのいずれかである撮影されたモバイル・デバイスの画像の分析は、畳み込みニューラル・ネットワークなどのニューラル・ネットワークによるなどして、障害の等級を視覚的に判定するために分析され得るキャプチャされた画像データを提供してもよい。このようにして様々な欠陥が検出されてもよく、例えば、モバイル・デバイスのディスプレイのひび割れ、傷;モバイル・デバイスの筐体の模様、ひび割れ、欠け、傷または折れ;ベゼルのひび割れ;モバイル・デバイスの筐体の摩耗した部位;モバイル・デバイスのディスプレイ上のスタック・ピクセルまたはデッド・ピクセル;モバイル・デバイスのディスプレイにおけるLCDブリード;モバイル・デバイスのディスプレイにおけるピンク色の欠陥;モバイル・デバイスのディスプレイを遮蔽している物体(ユーザの身体部位、ステッカーまたは他の物品等);対応するモバイル・デバイスのタイプについて予想されるアスペクト比に対応していないモバイル・デバイス画面の検出されたアスペクト比;モバイル・デバイスの予想利用プロファイルに対応していないモバイル・デバイスの摩耗パターン;モバイル・デバイスのディスプレイ上の反射;モバイル・デバイスのディスプレイ上の汚れ;モバイル・デバイスについて予想される製造業者に対応していないモバイル・デバイスの画像において発見されたロゴまたはその他の識別子;モバイル・デバイス上のつなぎ目の分離;モバイル・デバイスの欠けているコンポーネント;およびモバイル・デバイスのキャプチャされた画像から判定され得る任意の他のタイプの欠陥等を含む欠陥が検出されてもよい。
さらに、一実施形態においては、モバイル・デバイスを販売する会社が、デバイスのオーナーに新モデルを提供することができるように、現役のデバイスが障害状態(ひび割れが生じたディスプレイ等)を引き起こしたか否かを直ちに知りたいことがある。このことは、とりわけ、モバイル・ネットワーク・オペレータ(MNO)が、契約上義務付けられた期間にわたってサービスプランの月額料金の支払いによって減額される販売用デバイスを提供するような場合に関連する可能性がある、なんとなれば、MNOは役務提供契約を更新し延長することができることから利益があり、他方、デバイスの製造業者も故障したものと交換するために新デバイスを販売できることから利益がある。本発明の実施形態の追加的なまたは代替的なシステム実装形式は、以下を包含する。
- モバイル・デバイス保険:本発明の実施形態は、中古モバイル・デバイス保険市場における電話の状態の検証を提供するとともに、モバイル・デバイス・ハードウェアの証明可能な状態/機能(例えば、ひびの入っていない画面についてはモバイル・デバイスに対して完全な保険を適用するが、画面にひびが入っているがその他の点では機能しているデバイスはガラス破損を除いてデバイスを保険対象としてもよい)に関連する選択型保険または変額保険条項をサポートする能力を提供する。同様に、本発明の実施形態は、(例えば、IMEI情報などのモバイル・デバイスID情報またはテストの一部として本明細書に記載されている他のデータの送信により)点検されている電話が、保険がかけられた電話である旨の検証を提供する。さらに、本発明の実施形態は、虚偽の請求を減らすために、画面の修理のために返却される前にモバイル・デバイスが補償対象の正しいデバイスであることを特定する際に用いられてもよい。かかる事態は、例えば、修理会社が壊れたデバイスを実は修理せずその代わりに支払われた保険金を電話に保険をかけた人物と詐欺的に山分けするような場合に、保険をかけたデバイスについて生じ得る。
- モバイル・デバイスの譲渡:本発明の実施形態は、テストされた電話が占有/所有権の移転において実際に引き渡されたものであることを検証するために利用されてもよい。
- リース返却状態の検証:本発明の態様は、リース返却の条件の判定を提供する(例えば、リースされたモバイル・デバイスがリース終了時に返却されなければならない場合、または、モバイル・デバイスの状態が所定の合意された状態(すなわち、リース返却時にはディスプレイはひびが入っていてはいけない)を下回る場合、カスタマーは超過した摩耗/破損について追加料金を支払わなければならない)。
- 購入/出荷状態の検証:FSTAは、販売業者が完全に信頼されない場合、デバイスをオンラインで(例えば、イーベイ(登録商標)で)購入するカスタマーによる検証に用いることも考えられる。また、FSTAは、損傷の現在のレベル、すなわち、ディスプレイにひびが入っているとしてどの程度であるのか、を突き止めるために用いられることも考えられる(様々な実施形態において、カスタマーまたは会社が、分かっている画面状態が許容可能でない程度にまではひどく損傷を受けていないのであれば追加的な料金を支払うであろう、と予想される)。追加的に、本発明の実施形態は、モバイル・デバイスが発送されたときに許容可能な状態にあったという倉庫による証明を提供する。ある人物が別のソースから中古モバイル・デバイスを購入するような状況においてFSTAが検証者として用いられる場合、買い手は売り手に対して、信頼できる画面検証者アプリをインストールすることを要求してもよく、買い手のEメールアドレスまたはSMSナンバーをFSTAに入力して確認を行い、FSTAがテストを実行して結果を買い手に送信し、これにより、中古デバイスが既知の障害(ひび割れが生じた画面等)をもたないことを検証する。さらに、これは、デバイスが期待どおりに動作していることを出荷前に検証したい売り手によっても望まれ得るであろうから、売り手は故障したデバイスを受領者に送付したと非難されることがない。
- 法的地位の判定:本発明の態様は、モバイル・デバイスが紛失/盗難/未払い料金の対象になっていないことを確認する際に、サード・パーティ(または警察データベース)との協力をサポートしてもよい。
本明細書において提供されるいくつかの実施形態には、提示されるいくつかのシステムベースの使用シナリオとともに、圧力センサによるテスト、磁力計によるテストまたはピクセルによるテストを実行するFSTAを含む、障害状態評価を実行するためのものがある。FSTAテストの各タイプが個別にひび割れを判定することができるように設計されている一方、精度の向上等の任意の目的のために、様々なタイプのひび割れ検出手法が適宜組み合わせられてもよい。好ましい実施形態においては、FSTAはモバイル・デバイスにインストールされてモバイル・デバイス内で常駐して実行されるが、当業者であれば、OTA(オーバー・ジ・エアー)アプリケーション、Webサイトを介して展開され接続されたモバイル・デバイスにサイドロードされる、店内のハードウェア(例えばラズベリーパイ(登録商標))または専用の店内デバイスを介してロードされる、または、モールや店舗の自動販売機からロードして実行される、など、他の態様でFSTAが実行されてもよいことを理解するであろう。さらに、FSTAおよびシステム実装の実施形態の全部または一部は、保険、デバイス下取りまたはモバイル・デバイス診断のオンライン見積りを提供するエンティティが利用するアプリのライブラリに備えられてもよい。
圧力センサによるテスト:圧力センサを備えたモバイル・デバイスにおいては、FSTAは、モバイル・デバイスのディスプレイへのタッチから圧力センサの測定値を取得するように構成されている。画面の特定のエリアにタッチする、画面の複数のエリアに同時にタッチする、または画面の複数のエリアにわたってタッチをドラッグする(または任意の他の所望の組み合わせ)ようにユーザに対して指示をすることにより、FSTAはタッチから圧力測定値のコレクションを取得して、ディスプレイ/画面にひびが入っているか否かを判定することができる。典型的にはユーザの指による押下が「タッチ」を発生させるが、当業者であれば、本発明の実施形態においては、ディスプレイに対して「タッチ」を実行する際に、指に加えてまたは指に代えて任意の身体の部分または機械式スタイラスが用いられてもよいことを理解するであろう。
図1に示す好ましい一実施形態においては、ユーザが(FSTAアプリがまだインストールされていなかった場合にはFSTAアプリをインストール(105)したうえで)FSTAアプリを実行し(110)、ユーザは、最も適切な圧力測定値を取得するうえで所望されるところに従い最初に左の指、次に右の指で、または最初に右の指、次に左の指で、またはおおむね同時に両指で、のいずれかにより、2本の指でディスプレイにタッチするようにFSTAによって指示される(115)。FSTAは各タッチゾーンの圧力測定値を検出し、FSTAが各エリアにおいて十分な測定圧力でのタッチを検出するとFSTAはディスプレイにイルミネーション125を表示し、2本の指を画面を横切るようにドラッグさせて画面を「塗りつぶす」ようにユーザに対して指示する(120)ことによりテストは続行される。ユーザは、(FSTAが画面のすべてのエリアが適切なドラッグ・タッチを受け付けたことを検出した後)画面全体がFSTAアプリにより「塗りつぶされる」まで両指を任意の方向に単純にドラッグするように、または好ましくは、2本の指によるタッチによって画面を「塗りつぶす」際に特定のパスに従うように指示されてもよい。図2は例示的なディスプレイ200を示し、プロンプト205と、ユーザがディスプレイ200を「塗りつぶす」際に従うべきパターン210とが示されている。蛇行パターンが示されているが、モバイル・デバイスのタイプ、圧力センサの構成またはその他の要因に応じて代替的なパターンが用いられてもよい。図3は、指によるタッチのパターン210とディスプレイ200を埋めるカラー310とを含む部分的に「塗りつぶされた」ディスプレイ200とを示し、ここでは2本指タッチ315がパターン210に従ったものとして示されている。図4は、正常かつ完全に塗りつぶされたディスプレイ200の一態様を示し、パターン・プロンプト210の全エリアが覆われている状態が示されている。本明細書に示す実施形態は、終了の基準として、完全に塗りつぶされたディスプレイを示しているが、様々な実施形態は、ディスプレイの単なる一部分を塗りつぶす可能性、ディスプレイのどの部分も塗りつぶさない可能性、あるいは障害状態(例えばひび割れ)が検出されたらディスプレイの全体を塗りつぶすまたは覆うことなく直ちにテストを停止する可能性も想定する。
代替的にまたは組み合わせて、FSTAはゲームのような態様でプロンプトを提示し、ユーザに対して、例えば、指をドラッグして1つの表示されたオブジェクトを別のオブジェクトへ向かって移動させるように指示し(例えば、ウサギの画像をニンジンへ向けて移動させる、または子供のパズルのような迷路を誰かが通ることを助ける、または、複数のブロックを押しながらスライドさせ正しい順番に並べて絵を完成させる)またはディスプレイ中を移動させたアイテムを「キャプチャ」して、それにより画面の所望のセクションをタッチするようにユーザに対して指示してもよい。代替的にまたは組み合わせて、3本または4本の指をディスプレイ上にかなり大きく離して配置し、指示された場所に向かって一緒にドラッグするなど、2本を超える本数の指がディスプレイで同時的に用いられてもよい。
FSTAは、テストを完了する際にユーザの進捗状況を監視し、必要であれば、ユーザに対してテストを完了または終了するように指示する(130)。テストが完了すると、FSTAは蓄積された圧力データを分析して、ディスプレイ200にひび割れが存在する可能性があると判定するために所定の閾値が満たされたことを示すタッチ圧力の測定値の変化などの異常を判定しようと試みる。一実施形態においては、タッチされたエリアのうちの1つの圧力測定値が所定の閾値を超えて下落した場合、ひび割れなどのディプレイ異常が存在すると判定されてもよい。様々な実施形態においては、所定の下落閾値は5%、10%、または50%を含み得る)。他の実施形態においては、1つの指によるタッチからの圧力がその前回までの値の所定量を下回る程度に下落した場合、ディスプレイにおける不連続が発生している可能性が高い(一例として、所定量はその平均測定値の10%または50%とされてもよい)。さらなる別の実施形態においては、複数の指によるタッチどうしの圧力測定値の差は経時的に比較され、圧力測定値どうしの差が所定の差分閾値を超えて変動する場合、ディスプレイにおいてひび割れが存在すると判定されてもよい。さらなる別の実施形態においては、複数の指によるタッチのうち少なくとも1つにおける圧力測定値の下落とそれに続く上昇は、ディスプレイにおけるひび割れの存在を示唆することが考えられる。さらなる実施形態においては、複数の指によるタッチのうち少なくとも1つにおける圧力測定値の上昇とそれに続く下落がディスプレイにおけるひび割れの存在を示唆することも考えられる。
分析が完了した後で、適切なテスト結果が表示されおよび/または、中央サーバ860および/または保険代理店、モバイル・ネットワーク・オペレータ、モバイル・デバイスの製造業者またはモバイル・デバイスの障害状態が重要である任意のエンティティなどのサード・パーティに(任意選択的には、モバイル・デバイスID情報および蓄積されたテスト・データとともに)送信される(135)。一実施形態においては、図5は、ディスプレイにひび割れが検出された表示510を示す。図6は、ユーザがテストを終了または継続するように指示されている(610)一実施形態を示す。
前述のとおり、ユーザが前述したような動作を指示されている間に、FSTAはタッチ(またはスワイプ/ドラッグ)されたゾーンの各々の圧力データを経時的に蓄積および格納する。そのようにする際、FSTAは、所定の方法を用いて、モバイル・デバイスのディスプレイに1つまたは複数のひび割れが存在することを示唆する可能性のある累積圧力測定値の異常を分析することができる。例えば、感圧ディスプレイ(特定のiPhone(登録商標)モデル等)を備えたモバイル・デバイスの場合、FSTAは、指パッドが画面の不連続部(ひび割れなど)を通過したときに、顕著な圧力低下異常を記録および特定してもよい。そして、FSTAは適切なアクションを実行してユーザにステータスを報告するか、代替的には、前述のように外部エンティティにステータスを報告してもよい。
磁力計によるテスト。別の実施形態においては、モバイル・デバイス800は、磁力計測定値を蓄積するためにFSTAによってアクセスされ得る磁力計を備えており、モバイル・デバイスのユーザによる指示されたタッチとともに、FSTAは、ユーザが画面のあるエリアを押した際に磁力計によって感知される圧力変化に起因する画面のひび割れなどの障害状態を検出してもよい。典型的にはユーザの指による押下が「タッチ」を発生させるが、当業者であれば、本発明の実施形態においては、ディスプレイに対して「タッチ」を実行する際に、指に加えてまたは指に代えて任意の身体の部分または機械式スタイラスが用いられてもよいことを理解するであろう。
図7に示す好ましい一実施形態においては、ユーザが(FSTAアプリがまだインストールされていなかった場合にはFSTAアプリをインストール705したうえで)FSTAアプリを実行し(710)、ユーザは、FSTAによって指示される(720)ところに従い、個別の指によるタッチから埋められる必要があるであろうユーザに提示されたパターン(図9の915も参照されたい)に従ってディスプレイ200にタッチする(図9の910も参照されたい)ようにFSTAによって指示される(715)。本実施形態においては、FSTAは、ユーザによって各指示されたエリア915が押されるたびに磁力計の測定値を測定および蓄積し、十分な圧力が加えられると、ディスプレイ200の各エリアは「塗りつぶされ」(725)てユーザ・フィードバックが提供される(図10、部分的に塗りつぶされたセクション1010、およびパターン1015の塗りつぶされていない部分を参照されたい)。ディスプレイの塗りつぶしの間、FSTAは各タッチゾーン725の磁力計の測定値を検出および蓄積し、ディスプレイ200の所定量が塗りつぶされるまでテストが進行する。様々な実施形態においては、実質的にすべての画面は「塗りつぶされ」る必要がある。代替的な実施形態においては、画面エリアのサブセットを塗りつぶす必要があり、そして、追加的な実施形態においては、ひび割れが検出されたことが磁力計の測定値によって示唆されるまでテストが続行されるだけである。
図9は、例示的なディスプレイ200を示し、プロンプト905およびユーザがディスプレイ200を「塗りつぶす」際に従うべきパターン910が示されている。図10は、部分的に「塗りつぶされた」ディスプレイ200を示し、残りの指によるタッチ・エリアが完成されるべきことを示すパターン910と、ディスプレイ200を埋めるべきカラー1005とが示されており、ここでは指によるタッチが十分な圧力があるものとして登録されている。図11は、部分的に塗りつぶされた(1105)ディスプレイ200の一態様を示し、定義されたグリッドエリア910の塗りつぶしを完了させたか否かをユーザに質問するプロンプト1115が示されている。図12は、ユーザが塗りつぶしを完了した旨のオプションを選択した場合に、および、定義された910が必要なエリアを塗りつぶしが十分に完了されなかった場合(部分的に1205に示す)、もう一度やり直すか、または定義されたグリッドエリアをタッチすることを終了してもよい旨のプロンプト1215がユーザに対して提示されることを示している。図13はさらに、ディスプレイ200上に提示される情報1315の一実施形態を示し、ひび割れが検出されたことを示している。
本明細書に示す実施形態は、終了基準として完全に塗りつぶされたディスプレイを示しているが、磁力計の読取りアプローチを利用する様々な実施形態は、ディスプレイの一部のみを塗りつぶす可能性、ディスプレイの一部を塗りつぶさない可能性、あるいは、障害状態(例えばひび割れ)が検出されるとディスプレイ全体を塗りつぶすことなくまたは覆うことなく直ちにテストを停止する可能性も想定するものである。また、本明細書の様々な実施形態においては、ひび割れ状態が検出されると、モバイル・デバイスは、(独自の前方カメラを用いて)ミラーにおけるデバイスの写真を撮影してモバイル・デバイスのディスプレイにおけるひび割れの状態を記録するようにユーザに対して指示するように構成されてもよい。
代替的にまたは組み合わせて、FSTAは、ゲームのような態様でプロンプトを提示してもよく、ユーザに対して、例えば、画面の様々なセクションを押してゲームの目的を達成するように、あるいは、ディスプレイ中を移動するアイテムを「壁で囲む」ように指示してもよく、これにより、ユーザに対して、画面の所望のセクションをタッチするように指示してもよい。代替的には、磁力計による測定に係る実施形態は、ひび割れがディスプレイに存在するか否かを判定するテストの精度を向上しまたはテストの実施期間を短縮すべく、上述した圧力センサ手法と組み合わせて用いられてもよい。
図7に戻り、FSTAはテストの完了についてユーザの進捗状況を監視し、必要であれば、ユーザ730に対してテストを完了または終了するように指示する。テストが完了すると、磁力計データの分析(735)が実施されてディスプレイにひび割れが存在する可能性が高いか否かが判定され、そして、適切なテスト結果が表示されならびに/または中央サーバ860および/もしくは保険代理店、モバイル・ネットワーク・オペレータ、モバイル・デバイスの製造業者もしくはモバイル・デバイスの障害状態が重要である任意のエンティティなどのサード・パーティに送信される(735)。
ユーザが前述のように指示された押下を行っている間、FSTAは定義されたタッチ・エリア(グリッド910等)のタッチゾーンごとに磁力計データを経時的に蓄積して格納する。そうすることで、FSTAは、所定の方法を用いてモバイル・デバイスのディスプレイに1つまたは複数のひび割れが存在することを示唆し得る累積磁力計測定値の異常を分析することができる。例えば、2つ以上の蓄積された磁力計の測定値の間の事前定義されたパーセンテージ(例えば、5%、10%または50%)を超える磁力計の測定値の偏差または変化は、ディスプレイにひび割れが存在することを示唆し得る。そして、FSTAは適切なアクションを実行して、ユーザにステータスを報告するか、代替的には上記のごとく外部エンティティにステータスを報告してもよい。
ピクセルテスト。一実施形態においては、ユーザは、モバイル・デバイスのアプリケーションとやり取りを行うことによってモバイル・デバイスの画面のひび割れが存在することをインタラクティブに検証して、1つまたは複数のピクセルが正しく発光していないことを示す。ユーザが正しい情報を提供していることを検証するために、アプリケーションは、デバイスの状態を正しく評価するためにポジティブなレスポンスだけでなくネガティブなレスポンスを要求する情報を提供してもよい。例えば、一実施形態においては、画面は複数領域に分割されまたはモザイクにされることが考えられる。そして、アプリケーションは、各画面セクションを(必要であれば異なる色で)で照明することも考えられる。また、各セクションにおいて均一に発光するピクセルを示さないいずれかのセクションを押下するようにユーザに要求することも考えられる。そして、不均一に発光するピクセルを有するとユーザによって示されたエリアは、より小さい領域にモザイク状にされることも考えられる。そして、インタラクションは疑わしい領域が十分に小さなサイズで特定されるまで繰り返される。そして、アプリケーションは、「緑色のピクセルが表示されるか注意してください。」などのプロンプトを提供することができ、それにより、ユーザがそれを見たときにユーザがクリックするように要求することができる。所定の期間が経過しても押下が発生しない場合、当該エリアは機能していないと推定される。さらに、ユーザの入力の真正性を判定するために、画面の「既知の良好な」エリア(モザイク化テストの間にユーザがアクティブでありかつ機能していると先に示したもの)に1つのピクセルを提示させることができ、仮にユーザがピクセルを肯定的に見た旨のレスポンス・パッドを押さない場合には、ユーザの入力は疑わしいと判断されることができる。このプロセスは、ユーザの入力の真正性を判定するために反復的に用いられてよいだけでなく、画面の任意の機能していないエリアの範囲を精度よく提示するために用いられることも考えられる。本実施形態は、ユーザが発光したピクセルを見た旨のレスポンスをどこで提供したかが判定される既知の良好なエリアと、発光が見られなかったエリアとの「エッジ」を判定することができるようにすることによってこれを可能にする。何らかの故障エリアが画面上のランダムな(または若干ずらした)場所をもってする追加的なピクセルテストによって「移動する」か否かを判定するための追加的なピクセル検証が実施されることができ、これにより、ディスプレイのエリアが故障しているというユーザの主張の真正性(例えば、ひび割れがより大きくなるかもしれないのにひび割れが「動き」をみせない)を評価することができる。
このように、ひび割れのあるエリア、スタック・ピクセルもしくはデッド・ピクセルまたは故障しているディスプレイ・インタフェースが提示されることができ、モバイル・デバイスの修理/交換の費用を評価するためもしくは保険請求の可否を判定するためまたは任意の他の所望の目的のために用いられることができる。追加的な一実施形態においては、FSTAをインストールしたうえで第2のモバイル・デバイスが利用され、当該FSTAは第1の疑義のあるモバイル・デバイスにインストールされたFSTAと同期され(Bluetooth(登録商標)ペアリングによる等)ている。このシナリオにおいては、第2のモバイル・デバイスのカメラが、疑義のあるモバイル・デバイスにおいて表示を試みられたピクセル(および/または領域)が視認可能であるか否かを評価するために疑義のあるモバイル・デバイスのディスプレイの写真または映像をキャプチャするために用いられる。このため、画面の完全テストが自動化されることができ、ユーザが必要な(および正確な)入力を提供することに依存することなく、故障しているまたは故障していない画面/ディスプレイのエリアに関して迅速な判定がなされる。
ニューラル・ネットワークによるデバイスの欠陥の検出
本出願の実施形態は、モバイル・デバイスからのキャプチャされた画像、映像および/または音声ファイルを分析して欠陥を特定するために、および、欠陥種別のさらなる分析を支援するためのヒート・マップなどの分析情報を提供するために、畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)アーキテクチャを利用する。関連性を有する分野における当業者であれば、本発明の態様を実装するために多くの異なるCNNアーキテクチャが利用されてもよいことを理解するであろう。1つの例示的なCNNアーキテクチャは、Tensorflow(登録商標)で実装されるInceptionモデルによって実現されてもよく、解説的な例は、例えば、https://www.tensorflow.org/tutorials/image_recognitionにおいて開示されており、その開示はすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれるものとする。本発明の代替的な実装形式は、深層残差ネットワーク(Deep Residual Network)(解説はhttps://blog.waya.ai/deep-residual-learning-9610bb62c355から入手可能であり、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれるものとする)によって、およびまたは、Torch(例および解説テキストはhttp://torch.ch/docs/tutorials.htmlで公開されている。その開示はすべての目的のために参照により本明細書に完全に組み込まれるものとする)のような環境において実装される畳み込みネットワーク・アーキテクチャによって、実装されてもよい。また、ニューラル・ネットワーク・アーキテクチャ一般についての入門的バックグラウンドおよび特に畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)については、Michael A.Nielsen著「Neural Networks and Deep Learning」(Determination Press、2015;http://neuralnetworksanddeeplearning.comより入手可能。その開示はすべての目的のために参照により本明細書に完全に組み込まれるものとする)において提供されている。
一般的に、CNNは画像分類タスク用に成功裏に利用されてきているモデル・アーキテクチャの一種である。CNNは画像の未加工ピクセル・データに一連のフィルタを適用してより高レベルの特徴を抽出および学習するものであり、このモデルは分類に用いられることができる。CNNは典型的には3つのコンポーネント、すなわち、(1)畳み込み層、(2)プーリング層および(3)密結合/完全結合層を含む。
畳み込み層は、指定された数の畳み込みフィルタを画像に適用する。畳み込み層は画像内の各特定されたサブリージョンに対して一連の数学的演算を行い、出力特徴マップにおいて単一の値を生成する。畳み込み層はその後典型的にはReLU(正規化線形ユニット)活性化関数を出力に適用してモデルに非線形性を導入するが、様々な実施形態においては、ロジスティック・シグモイド関数または双曲正接活性化関数が利用されてもよい。
プーリング層は、処理時間を短縮するために、畳み込み層によって抽出された画像データをダウンサンプリングして特徴マップの寸法を縮小する。実際には、プーリング機能は、ある位置におけるネットの出力を近隣の出力のサマリ統計量によって置換する。一般的に用いられるプーリング・アルゴリズムはmax poolingであり、これは特徴マップのサブリージョンを抽出し、それらの最大値を維持しつつ他のすべての値を破棄し、これにより矩形隣接区画内での最大出力を報告する。他の可能なプーリング機能は、矩形隣接区画の平均値、矩形隣接区画のL2ノルムまたは中央ピクセルからの距離に基づく加重平均値を含む。
密結合(完全結合)層は、畳み込み層によって抽出された特徴とプーリング層によってダウンサンプリングされたものとに対して分類を行う。密結合層においては、層における各ノードは先行する層の各ノードと結合されている。
上記において導入したとおり、CNNは、特徴抽出を行う複数の畳み込みモジュールを積み上げて構成されており、各モジュールが畳み込み層と、これに続くプーリング層とからなり、最後の畳み込みモジュールには、分類を行う1つまたは複数の密結合層が続いている。CNNにおける最後の密結合層は、モデル内の各目標クラス(モデルが予見し得るすべての可能なクラス)について単一のノードを含み、各ノードについて活性化関数をもつ。CNNは、所与の画像について数値を、どの程度当該画像が各目標クラスに属する可能性が高いか、という相対的測定値として解釈することを可能にする。本発明の様々な実施形態においては、目標クラスは、ディスプレイのひび割れ、筐体の傷またはひび割れ、ディスプレイ上のLCDブリード、ディスプレイ上に現れるピンク色、ディスプレイ上のスタック・ピクセルおよびこれらの様々な組み合わせなどのモバイル・デバイスの欠陥を含み得る。
ニューラル・ネットワーク分析手法を用いる一実施形態においては、ひび割れまたはその他の種類のモバイル・デバイスに関連する欠陥を画像分析によって特定するためのシステムおよび方法が提供される。図16に記載されたプロセス1600を参照すると、FSTAがテストされるべきことが望まれるモバイル・デバイス800にインストールされる(1610)(図14および図15にも、ミラーなどの反射面に映ったモバイル・デバイスの画像をキャプチャするためのユーザ・プロンプトおよびガイダンスが示されている)。準備が完了したら、モバイル・デバイス800のユーザは、デバイス欠陥テストを開始する(1615)。図17に関して説明したプロセスによって、モバイル・デバイス800のディスプレイの画像がキャプチャされ(1620)、当該画像をポートレート・モードに回転することによりおよび/またはスキューを減らすための微回転によりおよび/または当該画像を所望のアスペクト比にトリミングすることにより、キャプチャされた画像が任意選択的に前処理される(1625)。当該キャプチャされた(および任意選択的に前処理された)画像がその後サーバ(サーバ860等)にアップロードされ(1630)、図18に関してさらに論じられるとおり、何らかのひび割れまたは他のタイプの欠陥が存在するか否かを判定するために当該アップロードされた画像が処理される(1635)。代替的にまたは組み合わせて、さらなる分析および報告のために、画面のひび割れまたは欠陥の程度および特徴が処理ステップ1635によって特徴づけられる。何らかの潜在的な欠陥の分析(1635)が完了すると、モバイル・デバイス800が適切な動作状態にあるか否かの評価などの任意の必要な目的のために、結果として得られた情報が任意のユーザへのプレゼンテーション、保存または表示のためにフォーマットされる(1640)。プロセスはその後終了する(1645)。
図17は、図16におけるステップ1620において導入した、モバイル・デバイスの画像をキャプチャするための本発明のプロセス1700を示す。画像キャプチャ処理は1705で始まり、ここでは、FSTAはモバイル・デバイス800内の照明センサからの周囲照明を分析する(1707)。そして、1709において、モバイル・デバイスの正面カメラ(例えば、図14、874)がモバイル・デバイスのディスプレイ(例えば、図14、1400)上に表示された追跡画像に最適に追従することができるように、モバイル・デバイス800の画面明るさおよびカメラ感度が調整され、ユーザは、デバイス800を、モバイル・デバイスのディスプレイがミラーなどの反射装置に対向するようにして位置1715へ移動させるように指示される。FSTAの追跡アルゴリズムはモバイル・デバイスを特定して、モバイル・デバイス800のディスプレイから、モバイル・デバイスが画像をキャプチャするうえで最適な位置にあると判定されるまでモバイル・デバイス1720を移動/回転させるようにユーザに対してガイダンスを提供する。このプロセスの一部として、ユーザは、モバイル・デバイスを反射装置の表面に対して回転、傾斜、移動または整列させるように指示されてもよい。FSTAはデバイスの正面カメラ(例えば、図14、874)から取得されたデータを用いてモバイル・デバイスがいつ画像キャプチャのために許容し得る整列状態とされたかを判定し(1725)、そのうえでFSTAは正面カメラの感度1730を最適な画像キャプチャのために修正する。一実施形態においては、画像キャプチャ感度は、反射面の前方におけるモバイル・デバイスの配置の追跡の間に用いられた初期感度とは異なってもよい。モバイル・デバイス800のオペレーティング・システムによっては、カメラ感度を調整するためにモバイル・デバイス内で異なるパラメータが修正されてもよい。一実施形態においては、感度はモバイル・デバイス800におけるカメラに関連する露出補正値を変更することによって調整される。別の実施形態においては、所望の感度を実現するために、モバイル・デバイス800におけるカメラに関連するシャッター・スピードおよびISO値が調整されてもよい。その後、白色画面または所定の基準マークをもつ画面などのキャプチャ画像がモバイル・デバイス800のディスプレイに出力されてもよい(1735)。そして、画像がモバイル・デバイス800の正面カメラ(例えば、図14、874)によってキャプチャされる。
関連性を有する分野における当業者はまた、本発明のモバイル・デバイス800の背面カメラ872は、例えばモバイル・デバイス筐体の裏面などを含むモバイル・デバイス800の別の面の画像を記録するために反射面に対向しているときに用いられてもよいことを理解するであろう。このようにして、筐体における欠陥が、筐体の欠陥、摩耗パターン、欠け、ひび割れ等を検出するために本発明の光学的ニューラル・ネットワーク分析によって分析されてもよい。
図16に戻って、キャプチャされた画像が前処理され(1625)およびホスト・サーバにアップロードされ(1630)た後で、サーバ860において画像分析が開始(1635)してもよい。図18は、本発明に係る画像分析の実施形態を示し、かかる分析は、サーバ860によって実行されてもよい。キャプチャされた画像がサーバ860によって受信される(1810)と、キャプチャされた画像は、画像ファイルのサイズを小さくして処理効率を向上させるために任意選択的にダウンサイジングされまたは再サンプリングされてもよい。例示的なキャプチャされた画像は図19に見ることができ、ここではモバイル・デバイス800が、そのディスプレイ1400を示し、ユーザによって扱われている。モバイル・デバイス800のディスプレイ1400のエッジは代替的な方法によって、キャプチャされた画像1815において位置が特定される。
ディスプレイ1400に対応するエッジを発見するための第1の方法においては、画像閾値技術がキャプチャされた画像(図19に示す例)に適用されて閾値修正された画像が生成される(閾値技術が適用された後の図19の画像の例が図20において把握し得る)。任意選択的な閾値技術が関連性を有する分野における当業者によく理解されているところであり例示的なチュートリアルがhttps://docs.opencv.org/3.3.1/d7/d4d/tutorial_py_thresholding.htmlに開示されており、その開示はすべての目的のために参照により完全に本明細書に組み込まれるものとする。次に、閾値処理された画像において輪郭が発見され、ここでは輪郭は、すべての連続的な点を(境界に沿って)結合した、画像において同じ色または強度をもつ、定義された曲線を含む。輪郭は形状分析およびオブジェクト検出認識において有用なツールであるので、輪郭はモバイル・デバイスのディスプレイ1400に対応するキャプチャされた画像のエリアの特定を支援するために用いられてもよい。輪郭分析技術は関連性を有する分野における当業者において広く理解されているところであり、例示的なチュートリアルはhttps://docs.opencv.org/3.3.1/d4/d73/tutorial_py_contours_begin.htmlに開示されており、その開示はすべての目的のために参照により完全に本明細書に組み込まれるものとする。閾値処理された画像において輪郭が判定されると、4つの点を有する輪郭が分析され、分析中のモバイル・デバイスの既知のアスペクト比と比較される。デバイス・データ45はデバイスのタイプを特定するものであるので、そのディスプレイ・アスペクト比は、既存のルックアップ・データから(またはデバイス製造業者から外部的に)特定され得るものであり、また、閾値処理されたキャプチャされた画像において発見された4点輪郭のアスペクト比との比較において用いられてもよい。分析中の特定のモバイル・デバイスに対して定義されたディスプレイ・アスペクト比に対してアスペクト比において十分に類似している(例えば、アスペクト比が製造業者のアスペクト比データの所定の許容値内である)閾値処理された画像において輪郭が特定されると、閾値処理された画像においてマッチする輪郭の頂点2000の位置が取得され、キャプチャされた画像内でディスプレイのエッジは、これにより、ディスプレイ1400のコーナーに対応する4つの頂点内にあるエリアとして同定される。特定のモバイル・デバイス製造業者に関連するディスプレイの特定の幾何学的特徴(例えば、丸みを帯びたコーナー、ディスプレイに食い込む切り欠き等)によっては、エッジ境界画像は、製造業者のデバイス仕様の既知の幾何学的許容値を用いてさらに精緻化されてもよい。
ディスプレイ1400に対応するエッジの位置を特定する第2の技術においては、所定の色(図21において引用符号2101ないし2104で示すとおり)をもつ基準マークが画像キャプチャの直前にモバイル・デバイス800のディスプレイ1400に出力される(図17、1735)。基準マーク2101ないし2104の配置はディスプレイ1400の各コーナーの頂点に近接して表示され、画像分析技術が、キャプチャされた画像内でモバイル・デバイスのディスプレイのエッジを判定するために適用されてもよい。カラー・レンジを用いて画像の複数部分が抽出され、そして、基準マークの色が既知であるので、基準マークの色の事前定義された許容値内で出現する画像の要素が抽出された画像において出現する。次に、基準マーク2101ないし2104の各形状に一致する多角形が、テンプレートマッチング手法によって、例えば、図24内で形状2301ないし2304の位置を特定することで画像内で発見され、キャプチャされた画像における対応するコーナーの頂点の位置が、キャプチャされた画像におけるコーナーの頂点の各位置(図22を参照)によって判定されることができる。上述したばかりの第1のエッジ検出技術と同様に、キャプチャされた画像におけるディスプレイのエッジは、そのようにして、ディスプレイ1400のコーナーに対応する4つの頂点内のエリアとして同定される。代替的な実施形態においては、モバイル・デバイスのディスプレイの中央に配置された基準マークを表示したうえで(例えば、関連づけられた仕様をもつ既知のモバイル・デバイスの製造業者データベースから検索された)デバイスに関連づけられたディスプレイ幾何学形状のアスペクト比とあわせて用いるなど、モバイル・デバイスのコンポーネントの特定を支援するために任意の種類の基準マークが用いられてもよく、そのうえで、当該基準マークを中央とする探索境界を同定したうえで関連づけられたモバイル・デバイスの幾何学形状(およびアスペクト比)を用いて外側境界に適合するように拡張することによってディスプレイ・エッジが精緻化されてもよい。この方法は、さらに精緻化されてもよく、モバイル・デバイスのディスプレイ上に出力された基準マークが既知の寸法に拡大縮小される場合(各辺が1センチメートルなど既知の寸法をもつ十字など)、エッジは、画像における基準マークスケールの描画されたサイズをもつスケール係数を取得することによって演繹されてもよく、そのうえで、当該スケール係数をモバイル・デバイスのディスプレイ・エッジについての製造業者の仕様の寸法に適用することによって、ディスプレイの外側境界に近い許容値が特定されることができる。さらに、直交する幾何形状を有するエッジ(矩形の辺等)がより好適に発見されることができるように画像をデスキューするために基準マークの形状(互いに直交する直線等)が用いられてもよい。
当業者はさらに、本出願において用いられているところの用語「ディスプレイ」または「画面」が、一般的にはモバイル・デバイスが視覚的画像を出力してもよいエリアを包含するが、本発明の他の実装形式においては、「ディスプレイ」または「画面」は、モバイル・デバイスの追加的な所望のセクションを含んでもよく、ここでは視覚的に検出可能な欠陥が発見されてもよいことを理解するであろう。より具体的には、一部の携帯電話モデルにおいては、第1のエリアが、アクティブなディスプレイ・エリアに近接しかつこれの上方に存在していてもよく、また、第2のエリアが、破損しやすい素材(硬化ガラスなど)によって覆われているモバイル・デバイスの当該アクティブなディスプレイ・エリアに近接しかつこれの下方に存在していてもよい。これらの近接した第1のエリアおよび第2のエリアが視覚的な出力を生み出すことができない(例えば、第1のエリアにスピーカー/カメラ/センサ・オリフィスをもちかつ第2のエリアにホーム・ボタンまたはマイクロフォン・オリフィスをもつ旧型iPhone(登録商標)デバイスにおける等)こともある一方、これらのエリアの一部分はそれでもなお破損することもあり、モバイル・デバイスの「ディスプレイ」または「画面」の画像分析をこれらの近接した第1のエリアと第2のエリアとに拡張してこれらのエリアにおける損傷についても検出することが本発明の1つの特徴である。他の実施形態においては、ディスプレイのアクティブな部分から取り除かれた「切欠きエリア」がディスプレイ分析に含まれてもよく、そのことについて言えば、視覚的欠陥検出が望まれるモバイル・デバイスの表面の任意の所望のエリアが含まれてもよい。モバイル・デバイスの追加的なテスト・エリアは、したがって、モバイル・デバイスの背面、モバイル・デバイスのロゴ・エリア、モバイル・デバイスの側面エリア、モバイル・デバイスのベゼルエリアまたは視覚的欠陥検出が所望される任意の他のエリア、に属していてもよい。一実施形態においては、モバイル・デバイスのロゴ・エリア(例えば、iPhone(登録商標)モデル上の「Apple」ロゴ)に一定程度近接し、またはその他の点ではこれを覆い、もしくはこれに接するように発見される傷やひび割れなどの多数の欠陥が判定されてもよく、そして、欠陥分析のうえで出力されてもよい。さらに、本発明の様々な実施形態においては、ひび割れ、くぼみまたは穴開きなどのモバイル・デバイスのベゼルの特定の欠陥は、モバイル・デバイスの画像の視覚的分析によって検出されてもよい。モバイル・デバイスの画像は、モバイル・デバイスの任意の表面を反射装置の前に保持してカメラを具備するバディー・デバイスまたはコンパニオン・デバイスによって画像をキャプチャする、またはモバイル・デバイスをモバイル・デバイスの各表面の画像(および/または映像表現)をキャプチャする据付カメラまたは他のデバイスの前に配置する/前で回転させるなどして、任意の所望の方法で取得されてもよく、任意選択的にモバイル・デバイスの3D画像表現を作成してもよい。さらに、欠陥は任意の種類の視覚的に検出可能な問題を含んでもよく、ひび割れおよび傷に加えて、ディスプレイの明るさのばらつき、色のばらつき(望ましからざるピンク色等)、LCDブリード、色不具合および任意の他の所望のタイプの視覚的な欠陥がまた検出および特定されてもよい。追加的に、ひび割れ/傷の深さ、幅および/またはその他の視覚的外観基準は、特定されたひび割れ/傷と関連づけられることができ、モバイル・デバイスの価値に対する特定されたひび割れ/傷の影響を分類するのを支援するために強度レベルつきで報告されることができる。
ディスプレイ1400のエッジがキャプチャされた画像におけるコーナーの頂点の位置から演繹されることができるようになったので、ディスプレイ・エリアに対応するキャプチャされた画像のエリアが、サブ画像として抽出されることができ、単一のステップにおいて矩形形状に変換されることができる。これは、一実施形態においては、当業者に知られた技術によって画像においてディスプレイ形状のモーメントを計算して、ディスプレイ部分を矩形画像に透視変換することによって実現される(透視変換の実装の例は、https://www.pyimagesearch.com/2014/08/25/4-point-opencv-getperspective-transform-example/において見ることができ、その開示はすべての目的のために参照により完全に本明細書に組み込まれるものとする)。
キャプチャされた画像からのディスプレイ1400に対応するサブ画像が取得されると、サブ画像のピクセル寸法が本発明のニューラル・ネットワーク47への入力として許容し得るように、追加的なリサイジング/再スケーリング/再サンプリングが行われる。サブ画像は、任意の所望のピクセル構成に再サンプリングされることができ、一実施形態においては、画像は、320×544ピクセル構成(この例では、幅×高さであり、サブ画像のポートレート方向に対応する)に再サンプリングされる。透視変換されたサブ画像の例が、図19に示すキャプチャされた画像1400のディスプレイ部分に対応する、図20Aの引用符号1400Aで示されている。欠陥1900は画像1400および画像1400Aの両方において出現している。
ステップ1830は、モバイル・デバイス800における欠陥および特に、モバイル・デバイスのディスプレイ1400における欠陥を特定するためにニューラル・ネットワークによって再スケーリングされたサブ画像の分析を示す。再スケーリングされかつ透視変換されたサブ画像(例えば、図20Aにおける1400A)は、ディスプレイおよび付随する欠陥クラスを含む訓練用データを用いて欠陥を検出するようにあらかじめ訓練された畳み込みニューラル・ネットワークの入力に適用される。ネットワークが画像を分析すると、図20Bに示す色付き多角形1900Aをもつような欠陥を特定する出力が生成される。色付き多角形は、ニューラル・ネットワークによって発見された欠陥に注意を喚起し、そして、前述したように、ヒート・マップなどの追加的な出力および分析が特定のネットワーク・アーキテクチャに基づいて提供されてもよい。より一層例示的な例は図20Cないし図20Eに従うものであり、ここでは欠陥(図20C、1900)をもつ入力サブ画像(図20C、1400A)が本発明のニューラル・ネットワーク47に入力され多角形で囲まれた欠陥(図20E、1900A)とディスプレイ・サブ画像(図20C、1400A)において検出された欠陥(図20C、1900)についての活性化クラスに対応するヒート・マップ1900Dを記述したヒート・マップ出力バージョン(図20D、1400D)とをもつ出力(図20E、1400B)が生成される。別の例が、出力を生成する(図20G、1400G)第2の入力サブ画像(図20F、1400F)、検出された欠陥クラス(図20G、1900G)の位置を示すヒート・マップ、および、欠陥が多角形(図20H、1900H)で囲まれた出力(図20H、1400H)とともに提供される。関連性を有する分野における当業者であれば、多くの他のタイプの出力が可能であり、前述したような異なる欠陥タイプが適切に訓練されたCNNアーキテクチャによって検出されてもよいことを理解するであろう。
図16Aは、本発明の別の実施形態を示しているところ、図16に関して説明されるある種の分析ステップが同様に実装されてもよいが、図16Aに関する本発明の実施形態は、代替的な手法を利用する。より具体的には、一実施形態においては、本発明は、最初に障害状態テスト・アプリケーション(FSTA)をインストールする必要なしにモバイル・デバイスに関連する欠陥が検出されることを可能にする。より具体的には、ステップ1610Aにおいて、テスト対象のモバイル・デバイスと、モバイル・デバイスに接続するためのソフトウェアおよび必要な通信回路を備え、モバイル・デバイス内で欠陥が発見され得るか否かを判定するテストを遠隔で実行するように特に構成されたウェブ・サーバなどの遠隔診断サービス(RDS)との間で接触が開始される。かかる接触は、モバイル・デバイスからウェブ・アドレス、すなわちデバイス診断サーバに対応するウェブ・アドレスへのデータベースの接続によることを含む任意の所望の態様にて開始されてもよく、モバイル・デバイス・ユーザは識別情報を入力するように指示され、特定のモバイル・デバイスのためのユーザ・テスト・プロファイルが作成され、ウェブ・サーバに関連づけられたデータベースに、診断結果とともに格納されてもよい。当該デバイス。接続が開始されて要求された情報がモバイル・デバイス・ユーザによって入力されると、モバイル・デバイス800のユーザは、遠隔診断サービスに対して、欠陥テストが開始されることを示す。一実施形態においては、図16に関して説明したステップと同様の態様で遠隔診断サービスが画像キャプチャ処理1620Aを開始する。しかしながら、代替的実施形態は、モバイル・デバイスまたはコンパニオン・デバイス上のウェブカメラを起動してテスト中のモバイル・デバイスの画像を直接的にまたはコンパニオン・デバイスによってキャプチャすることを含み、同様に、テスト中のモバイル・デバイスに対して、RDSから動作するブラウザがそのデバイスの背面カメラを開けて反射面を考慮して正面カメラまたは背面カメラのいずれかから画像をキャプチャすることができる。テスト対象のモバイル・デバイスとともにコンパニオン・デバイスが用いられる場合、デバイス間通信がデバイスに対して画像を表示およびキャプチャするように命令することを可能にするために、ウェブソケット接続が2つのデバイス間で開始されてもよい。このようにして、テスト中のモバイル・デバイスは、反射装置に映る自デバイスの写真をキャプチャするためにRDSによってモバイル・デバイス上のブラウザを介して遠隔で指示されてもよい。したがって、RDSは、ウェブカメラから、モバイル・デバイス自体の正面カメラおよび背面カメラのいずれかから、またRDSと通信するコンパニオン・デバイスからの、および、RDSが画像キャプチャを開始し得る他の方法による画像キャプチャを容易にすることができる。キャプチャされた画像は、RDSとモバイル・デバイスとの間の通信リンク(あらかじめ確立されたウェブ・サーバへの接続等)を介して伝達(1630A)され、ここではRDSが、図16の1635、1640で示すステップと類似の態様において分析を開始する。関連性を有する分野における当業者であれば、RDSはまた、ネットワークを介してモバイル・デバイスと対話できるインテリジェント・エージェントをもって実装されてもよく、これにより、試験を実施してかかるモバイル・デバイスに関する欠陥分析をサポートするための情報を取得するようにしてもよいことを理解するであろう。
追加的な欠陥テスト(例えば、1642A)が、RDSと関連づけられているか、またはFSTAがテストを実施するためにインストールされているかを問わず、テスト中のモバイル・デバイスの態様を用いて実施されてもよい。例えば、いくつかのテストが(FSTAによって、または、モバイル・デバイスとRDSとの接続を介して遠隔で、のいずれかにより)実行され、例えば:(1)振動テスト(例えば、デバイスの振動アジテータが機能していることを判定する)、(2)スピーカー・テスト、(3)画面タッチ・テスト、(4)正面カメラ・テスト、(5)背面カメラ・テスト、(5)画面圧力テスト、(6)加速度計テスト、(7)ジャイロスコープ・テスト、(8)稼働能力、充電時間、バッテリが膨張しているか否か(したがって潜在的な欠陥/危険状態を示唆しているか否か)を含むバッテリ状態、および(9)一意の指紋またはモバイル・デバイスのIDとの紐づけを含む混合モデル/由来の認識、を判定する。さらに、本発明の態様は、モバイル・デバイスに関連する欠陥を判定するための音響分析を提供する。
音響解析によって、振動信号(音声信号または既知の周波数機械振動等)が、作成され、モバイル・デバイスに適用され、そして、モバイル・デバイスのマイクロフォンが結果として検出され得るものに「耳を傾ける」。マイクロフォンからの当該キャプチャされた音声信号は、さらに、モバイル・デバイスにある種の欠陥が存在し得るか否かを判定するために分析されることができる。例えば、所定の信号は、モバイル・デバイスのスピーカーから(または代替的には、モバイル・デバイス内に配置されたアジテータによって惹起された振動または振動パターンによって)出力されてもよく、そのうえで、モバイル・デバイスは、モバイル・デバイス(またはコンパニオン・デバイス)に関連づけられたマイクロフォンを介して、モバイル・デバイスのマイクロフォンによって受信される音声シグネチャに耳を傾ける。1つのバージョンにおいては、様々な周波数の単純な音声テストが、スピーカー/マイクロフォンのペアが所望の周波数レンジで機能しているか否かを特定することも考えられる。さらに、マイクロフォンによってキャプチャされた音声信号のスペクトル分析が、スピーカーまたはマイクロフォンにおけるある種の欠陥を特定してもよい。スペクトル分析はさらに、音の伝播が分類された製造業者同一見本を介した理想伝播と比較されてもよく、モバイル・デバイスに取り付けられたガラスのひび割れなどの欠陥は、マイクロフォンから受信された音声信号から演繹され得る音声伝播の不連続またはガタガタ音を発生させ得る。ある種の機械的振動パターンがまた、デバイスのマイクロフォンの受信された音声パターンによって感知され得るモバイル・デバイス内で緩みが生じているパーツによる共振周波数ガタガタ音を発見することを試みるために、アジテータによって作り出されてもよい。かかるスペクトル分析は、モバイル・デバイスと関連づけられ得る欠陥に対応するある種の音声異常を特定するために事前に訓練されたニューラル・ネットワーク実装形式と調和的に行われてもよい。
図17に関して論じたプロセスによって、モバイル・デバイス800のディスプレイの画像がキャプチャされ(1620)、当該画像をポートレート・モードに回転することによりおよび/またはスキューを減らすための微回転により、および/または当該画像を所望のアスペクト比にトリミングすることにより、キャプチャされた画像が任意選択的に前処理される(1625)。当該キャプチャされた(および任意選択的に前処理された)画像がその後サーバ(サーバ860等)にアップロードされ(1630)、図18に関してさらに論じられるように、何らかのひび割れまたは他のタイプの欠陥が存在するか否かを判定するために当該アップロードされた画像が処理される(1635)。代替的にまたは組み合わせて、さらなる分析および報告のために、画面のひび割れまたは欠陥の程度および特徴が処理ステップ1635によって特徴づけられる。何らかの潜在的な欠陥の分析1635が完了すると、モバイル・デバイス800が適切な動作状態にあるか否かの評価などの任意の必要な目的のために、結果として得られた情報が任意のユーザへのプレゼンテーション、保存または表示のためにフォーマットされる(1640)。プロセスはその後終了する(1645)。
図24は、本発明の畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)アーキテクチャのブロック図2400に係る1つの例示的なデータ・フローを示す。デバイス画像またはデータ2405の提示に先立って、デバイス・ディスプレイにおける傷、ひび割れおよび折れなどの欠陥を含む特定のデバイス欠陥クラスを認識するようにCNNのコンポーネントが訓練されている。一実施形態においては、ダウンスケールされかつ再サンプリングされたデバイス画像(例えば、図18のステップ1820により得られる画像ファイル)は、デバイスに関連する画像を処理するのに用い得る任意の任意選択的デバイス・データ(デバイスに関連づけられた一意の識別子等。デバイスに関連づけられたIMEIを含むが、これに限定されない。)とともに、ニューラル・ネットワークの入力層2410に提示される(2405)。入力層は、ブロック2420に通信可能に接続されており、CNNにおいて従来実装されているように、少なくとも1つの畳み込み層と、プーリング層と、完全結合層とを含む。訓練されたCNNは、入力データに対して動作して、何らかの検出された欠陥クラス2430を示す出力に対応する出力を生成する。動作は、ブロック2430の出力の分析の時点で終了してもよく、あるいは、第2の入力層2440への入力による追加的な処理に続いてもよい。ブロック2430における欠陥は、ブロック2450に提示されてもよく、デコンボリューション層、逆プーリング層および完全結合層がさらに、欠陥の位置が特定された場所に対応する入力画像の特徴を処理および強調する。出力層2460は、診断画像2470の形式で出力を提供し、これは、データベースに格納されてもよく(例えば、図8、880)、また、データベース880において、ネットワーク2400によって分析されたデバイス画像を特定するデバイス・データと関連づけられてもよい。
一般的には、CNNモデルのパフォーマンスと学習能力とを増大させるために、CNNにおける異なるネットワーク層の数は、選択的に増加させることができる。入力層から出力層までの間の別個の中間層の数は非常に大きくなることができ、これにより、CNNモデルのアーキテクチャの複雑度を増大させることができる。本開示は、デバイス欠陥を特定しおよび/またはモバイル・デバイスの画像内に位置を特定された欠陥の存在を示唆する視覚的マップを作成するために学習CNNモデルを利用している。開示された実施形態と整合的に、CNNシステム2400は、欠陥(図20Eのデバイス・ディスプレイ1400Bにおける特定された欠陥1900Aまたは図20Hのディスプレイ1400Hの特定された欠陥1900H等)を示す出力を生成するように構成されていてもよい。代替的には、本発明の実施形態は、CNNシステム2400が、検出された欠陥クラスの可能性に対応する画像のエリアに対応するヒート・マップ(図20Dのデバイス・ディスプレイ1400Dにおける特定されたヒート・マップ1900Dまたは図20Gのディスプレイ1400Gの特定されたヒート・マップ1900G等)を示す出力を生成するように構成されていてもよいことを想定している。さらなる説明のため、図20Cにおける画像1400Aは、ネットワーク2400のデバイス画像/データ2405として提示されることが考えられ、また、図20Dおよび/または図20Eは、CNN2400の出力から取得されることが考えられる。同様に、図20Fの画像1400Fは、ネットワーク2400のデバイス画像/データ2405として提示されることが考えられ、また、図20Gおよび/または図20Hは、CNN2400の出力から取得されることが考えられる。上記説明のとおり、特定の実施形態によっては、出力はネットワーク2400のブロック2430またはブロック2470のいずれかから取得されてもよい。
本明細書で使用する場合、そして前述したとおり、開示された本発明のシステムおよび方法によって用いられるCNNモデルとは、畳み込みニューラル・ネットワークのフレームワークに基づいて定式化され、適合されまたは修正された任意のニューラル・ネットワーク・モデルをいうものであってもよい。例えば、本開示の実施形態においてデバイス欠陥を特定するために用いられるCNNモデルは、入力層と出力層との間に、1つまたは複数の畳み込み/デコンボリューション層、非線形演算子層、プーリングもしくはサブサンプリング層、完全結合層、最終損失層、デコンボリューション層ならびに/または逆プーリングもしくはアップサンプリング層などの中間層を選択的に含んでいてもよい。
代替的な実施形態においては、CNNモデルからの出力は、ブロック2430の後でさらなる処理を要することなくデコンボリューション層なしでヒート・マップまたは特定の欠陥の特定のいずれかを生成するために、訓練されてもよい。したがって、一実施形態においては、出力は、本発明のニューラル・ネットワークの出力層を訓練することによるクラス活性化マップによって作成され、そして、一実施形態においては、ヒート・マップは前述のとおり出力されてもよい。一態様においては、ヒート・マップは、本発明の訓練されたニューラル・ネットワークによって出力されている画像の各セクションについてマッピング関数を取得することによって生成される。画像の各サブセクション内のマッピング関数は、訓練されたネットワークが画像データにおける欠陥を検出したときに、特定の欠陥クラスを特定するために画像のサブセクションについてのスコアを用いてもよい。本発明の一実装形式においては、ヒート・マップは、CNNモデル自体における特定の層から取得されてもよい。ニューラル・ネットワーク訓練の分野における当業者が理解するように、例えば、softmax関数がCNN欠陥分類器の最終層において用いられてもよく、また、結果として得られる層要素スコアを算出することによりヒート・マップを生成し、出力を画像データの形に生成して、これをテスト画像に対応するエリアに重ね合わせてヒート・マップを特定するために用いられてもよい。代替的には、一実施形態においては、CNNは、入力データ画像のアスペクトを削減または除去してもよく、異なる畳み込み層を適用してもよく、畳み込み層のうちの1つの出力をキャプチャしてもよく、(全画像にわたって出力してもよく)、そして、画像の各部分についてスコアを生成してもよく、このスコアがさらに欠陥活性化マップを生成する。活性化の所定のレベルを超えるエリアは、テスト画像上で発見された欠陥を特定するために、出力画像データにおいて特定の色に変換されてもよく、例えば、赤色に変換されてもよい(例えば、テスト画像におけるディスプレイひび割れに対応する画像のエリアに付された色を読み取る)。さらなる態様としては、ネットワーク出力層において、閾値(所定の色閾値と対比される)が、画像の赤色部分を見つけるために画像データに対し適用されてもよく、そして、より一層具体的に欠陥エリアを特定すべく最小外接矩形が、赤色エリアの周囲に配置されてもよい。
図25は、本発明の一実施形態についてのフロー図2500の概要を提示しており、3つの段階、すなわち、訓練準備段階2525、ネットワーク訓練段階2526およびネットワーク推論段階2527を含む。前に簡単に説明したように、デバイス欠陥を特定するための開示されたシステムおよび方法は一般的に順次説明するいくつかのステージを含み、例えば、訓練用データセットを用いてCNNモデルを「訓練」および「学習」させる訓練ステージおよび訓練されたCNNモデルが訓練用データセットを用いてデバイス欠陥(および/または欠陥クラス)を特定するためのデータを入力する予測または推論ステージが含まれる。前述のとおり、前述した訓練ステージは一般的に、図25に記載したとおりネットワーク訓練2526と相関する。本明細書で使用する場合、CNNモデルを「訓練する」とは、CNNモデルにおける少なくとも1つの層の1つまたは複数のパラメータを決定することをいう。例えば、CNNモデルの畳み込み層は、少なくとも1つのフィルタまたはカーネルを含んでいてもよい。少なくとも1つのフィルタのカーネルの重み、サイズ、形状および構造などの1つまたは複数のパラメータが、例えば、バックプロパゲーションベースの訓練プロセスによって決定されてもよい。さらに、一般的に、前述した図24に関する記述は、図25に示すようなネットワーク推論2527と相関する。本明細書に記載の実施形態に関して使用される場合、CNNモデルから「予測する」とは、一実施形態においては、デバイスのディスプレイの画像を含む、デバイス2510の任意の所望のタイプの処理された画像を用いてデバイスの画像からデバイス欠陥を特定することをいう。
訓練準備段階2525においては、訓練用入力2520は、CNNニューラル・ネットワーク・コンポーネント(例えば、図8、47)の訓練に用いるために準備されかつ処理される。ネットワーク・モデルが訓練に用いるために選択される(2505)。かかるモデル選択は、例えば、畳み込みニューラル・ネットワーク・アーキテクチャおよび適切な処理レイヤ・コンフィギュレーションの特定を含み得る。ニューラル・ネットワーク・コンポーネント・モデル(図8、47)は初期レイヤ設定、初期接続設定、重みのセットおよびバイアスのセットで初期化される。デバイス画像2510および各予想結果(関連性を有する分野における当業者には「グランド・トゥルース」データとしても知られる)2515に加えて、各それぞれのデバイス画像についての識別情報など、他のパラメータ(以下に詳述する)が訓練用データ2520としての入力のために設定されてもよい。一実施形態においては、訓練用データ2520はまた、実際に欠陥のあるデバイスまたは偽装された欠陥デバイスについてのデータを含み得る。別の実施形態においては、訓練用データ2520は、例えば、理論的にあり得る欠陥タイプ状況に基づいてコンピュータにより生成された画像として合成的に作成されてもよく、モデル・テスト目的のために考案されてもよい。
様々な実施形態において、そして、図18のプロセス1800と文脈において同様の態様において、準備段階2525は、訓練用データ2520におけるすべての撮像データを共通グリッドサイズおよびグリッド間隔に再サンプリングすることを含む。そして、画像ピクセル値が、任意選択的に、訓練用データ2720におけるすべての画像データにわたって共通のスケールに再サンプリングされることができ、それによりネットワークに提供された訓練用データに基づいて学習パフォーマンスとコンバージェンスとを改善させることができる。データ準備の後で訓練用データおよびテスト・データは、デバイス画像を表し、それぞれ、グランド・トゥルース・データを含む特定された欠陥に対応する。
ネットワーク訓練段階2526は、訓練用データ2520がステップ2505から構成されかつ初期化されたニューラル・ネットワーク・モデル(入力は設定しない)に対して提示されることによって開始する。ニューラル・ネットワーク・コンポーネント(図8、47)は結果を患者画像データから推定して(2535)、推定結果、例えば、特定された欠陥クラス、を生成する。そして、ステップ2535から推定された結果とデバイス画像2510に対応する予想された結果2515との比較が行われ、予想結果2515と推定結果2535との差分に基づいてエラー・マップ(「訓練エラー」)が生成される。エラー・マップは、評価基準2545と対比される。例えば、平均絶対誤差関数(MAE)または平均二乗誤差(MSE)関数のような損失関数は、エラー基準が満たされるか否かを判定するために用いられることができる。当業者は、モデル予測の平均絶対誤差(MAE)もしくはL1ノルムJ(θ*)=arg minθ||Y=Y*||1または平均二乗誤差(MSE)もしくはL2ノルムJ(θ*)=arg minθ||Y=Y*||2などの、様々な損失関数に精通しており、式中、θ*はYとY*との差を最小にするパラメータの選択を含む。バックプロパゲーション・アルゴリズムは、モデル・パラメータまたは重みに対するエラー関数の勾配を算出するために用いられてもよい。そして、θは、θ*に収斂する確率的勾配降下アルゴリズムを反復的に用いてアップデートされてもよい。
エラーがエラー閾値基準を満たさない場合、例えば、学習アルゴリズム(例えば、正則化勾配降下最適化アプローチ)に従いエラーを最小化するために、ニューラル・ネットワーク(図8、47)のモデル・パラメータ(例えば、重みおよびバイアス)がアップデートされる(2550)とともに、訓練用データがニューラル・ネットワークの新たに付与されたモデル・パラメータとともにニューラル・ネットワーク(図8、47)に対して再提示される(2530)。
一実施形態においては、基準が満たされるか否かを判定する(2545)ことは、訓練用画像とは異なる(がしかしあらかじめ特定された欠陥をもたない)1つまたは複数のテスト・デバイス画像をかかるテスト・デバイス画像にそれぞれ対応する欠陥の推定値を生成するように現在構成されているものとしてのネットワーク・モデルに対して提示することを含む。そして、結果として得られる欠陥分類は、ネットワーク・パラメータ・モデルの質を評価するためにグランド・トゥルース/予想欠陥分類と比較されることができる。このテスト・データについての予想欠陥と予測欠陥との差が「テスト・エラー」である。いずれにせよ、ステップ2550からステップ2530まで、ステップ2535および2540まで、ステップ2545までの繰り返しは、エラー閾値基準が満たされるまで続き、満たされると訓練プロセス2525が終結し(2555)、訓練されたニューラル・ネットワーク・コンポーネント・モデルは、実デバイスのキャプチャされた画像および対応するデータ(図8、45、46)との使用の準備が整う。
代替的実施形態においては、ニューラル・ネットワーク(図8、47)は、複数のステップで訓練されてもよく、ニューラル・ネットワークの様々な部分が、特定の欠陥分類を実現すべく別個の訓練用データセットを用いて訓練されてもよい。例えば、本発明の畳み込みニューラル・ネットワークは、多数のジェネリック・ビジュアル・オブジェクト・クラスを認識するように事前に訓練されていてもよく、その場合、ネットワークの最終層は、画面欠陥(例えば、モバイル・デバイスのひび割れまたは損傷のあるディスプレイ)などの特定の可視的アイテムを特定するように再訓練されてもよい。本発明の1つのバージョンにおいては、欠陥(例えば、ディスプレイひび割れ)に関する特性は、訓練用画像に関連づけられた訓練用データにおいて提供されていてもよく、そして、訓練用データ画像においてかかるひび割れが存在する箇所の座標なしで様々な実施形態において提供されてもよく、そして、さらなる他の実施形態においては、欠陥(例えば、ディスプレイひび割れ)を示す訓練用データ画像は、出力層の訓練が最適化されるように画像内のひび割れのあるエリアを特定する座標を付されている。多数のビジュアル・クラスを用いてネットワークを訓練したうえで検出されるべき特定の欠陥を用いて当該ネットワークの最終層を再訓練するなど、複数の訓練に合格することを利用することは、訓練用データ2560がアップデートされまたは新たな欠陥タイプもしくはアップデートされた訓練例の量によって変更される場合には、ネットワーク全体を再訓練することよりも効率面で利点をもつ実施形態を提供し得る。
訓練されると、ニューラル・ネットワーク・コンポーネント・モデル(図8、47)は、サーバ・メモリ(例えば、図8、16)などのメモリに格納され、ネットワーク・コンポーネント(図8、47)の非一時的メモリに格納され、または、データベース(例えば、図8、880)に格納されてもよい。そして、訓練されたネットワーク・モデルは、欠陥分析が望まれるモバイル・デバイス画像および/またはデータ(図8、45、46)を提示された際に、有用な出力(例えば、デバイスに関連づけられた分類された欠陥)を算出するためにネットワーク推論ステップ2527において用いられてもよい。訓練されたニューラル・ネットワークは、例えば、特定の訓練されたネットワーク構成について格納された重みおよびバイアスをロードすることによって構成される(2565)。患者データ入力が訓練されかつ構築されたニューラル・ネットワーク・コンポーネント(図8、47)に対して提示されて、予測結果を取得する。好ましい実施形態においては、予測結果は、特定された欠陥を用いた欠陥分類および表示されたヒート・マップを用いたデバイス分類の1つを含む。このように、関心のあるデバイスについて、デバイス画像および/またはデータ2560が訓練されかつ構築されたニューラル・ネットワーク・モデルに提示されて(2570)予測結果を生成する(2575)。さらなる実施形態においては、予測結果は、モバイル・デバイスの保険適用可能性またはモバイル・デバイスについての保険金請求の妥当性を判定するのに用いられるなど、任意の所望のエンティティによって順次レビューを受ける(2580)。
以上説明した特定の実装形式は、本発明およびその最良の形態を例示するものであり、その他の点ではいかなる形においても本発明の範囲を限定することを意図するものではない。実際、簡潔にするために、従来のデータ・ストレージ、データ送信およびシステムの他の機能的態様については詳細に説明されていないことがある。様々な図に示されている方法には、より多くのステップ、より少ないステップまたは他のステップを含み得るものである。追加的に、ステップは、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の適切な順序で実行されてもよい。さらに、様々な図に示されている接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的接続を表すことを意図したものである。多くの代替的または追加的な機能的関係または物理的接続が実際のシステムに存在していてもよい。
本発明の範囲を逸脱することなく開示された実施形態に変更および修正を加えることができる。これらおよび他の変更または修正は、添付の特許請求の範囲に示されるように、本発明の範囲に包含されることが意図されている。