JP7253430B2 - 肌年齢レベルの推定方法、肌年齢レベル推定システム - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 平成30年4月29日発行された「ISBS 2018 Abstract Book San Diego」にて公表
本発明は、肌年齢レベルの推定方法、及び肌年齢レベルの推定システムに関する。
加齢に伴う肌の老化現象、すなわちシワ、たるみ、しみなどの外見上の変化は、皮膚の内部構造の生理化学的変化に起因する。近年、このような肌の老化現象の抑制を目的として、皮膚の内部構造における加齢変化のメカニズム解明に関心が集まっている。
皮膚は、大きく分けて表皮、真皮、そして皮下組織の3層よりなる。表皮はさらに角質層、顆粒層、有棘層及び基底層の4つの層に分類でき、下層に位置する真皮は乳頭相、乳頭下層及び網状層の3つの層に分類できる。これら表皮、真皮を支える役割を担うのが皮下組織である。
加齢に伴う肌の老化現象として、肌の硬化が知られており、皮膚の硬さなどを判断する手法として、古くは触診が行われていたが、超音波エラストグラフィ技術(例えば特許文献1)の発展により、皮膚を構成するそれぞれの層の物理学的特性、とりわけ粘弾性の定量的測定が可能となっている。
特表2009-539528号公報
本発明の解決しようとする課題は、肌の内部の物理的測定値から、肌年齢レベル、又は将来のシワ形成リスクを推定可能とする、新規な技術を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、皮膚の内部構造のうち、真皮下層が加齢とともに硬化することを見出した。そして、さらなる解析の結果、真皮下層の硬化が、将来のシワ形成リスクと相関があることを理論的に導き出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、
真皮下層の粘弾性と、年齢との相関関係に基いて、前記真皮下層の粘弾性を指標として、肌年齢レベルを推定する、肌年齢レベルの推定方法である。
本発明によれば、真皮下層の粘弾性という物理特性から、肌年齢レベルを推定することができる。
本発明の好ましい形態では、真皮下層の粘弾性の測定値を説明変数、年齢を目的変数とする回帰式を用いて、前記真皮下層の粘弾性の測定値から前記肌年齢レベルを算出する。
回帰式を用いることで、より正確に肌年齢レベルを推定することができる。
本発明の好ましい形態では、前記真皮下層の粘弾性が、真皮下層に含まれる、網状層の下層の粘弾性である。
網状層の下層の粘弾性を指標とすることで、より正確に肌年齢レベルを推定することができる。
また、前記課題を解決する本発明は、
真皮下層の粘弾性の測定値を指標として、対象者の将来のシワ形成リスクを推定する、シワ形成リスクの推定方法である。
本発明によれば、真皮下層の粘弾性という物理特性から、シワ形成リスクを推定することができる。
また、前記課題を解決する本発明は、
真皮下層の粘弾性と、年齢との相関関係に基いて、真皮下層の粘弾性の測定値を指標として、肌年齢レベルを推定する肌年齢レベル推定システムであって、
前記相関関係を示す相関データを記憶する記憶手段と、
対象者の前記真皮下層の粘弾性の測定値を、前記記憶手段に記憶された前記相関データと照合して、肌年齢レベルを算出する肌年齢レベル算出手段と、を備える。
また、前記課題を解決する本発明は、
真皮下層の粘弾性の測定値を指標として、対象者の将来のシワ形成リスクを推定するシワ形成リスク推定システムであって、
前記真皮下層の粘弾性の基準値を示す基準データを記憶する記憶手段と、
対象者の前記真皮下層の粘弾性の測定値を、前記基準データと照合して、対象者の将来のシワ形成リスクの推定値を算出するシワ形成リスク算出手段を備える。
本発明によれば、真皮下層の粘弾性から、肌年齢レベルを推定することができる。
また、本発明によれば、真皮下層の粘弾性から、将来のシワ形成リスクを推定することができる。
本発明の肌年齢レベルの推定システムのブロック図である。 本発明のシワ形成リスクの推定システムのブロック図である。 真皮上層における粘弾性を目的変数とし、年齢を説明変数とした回帰式を示すグラフである。 真皮下層における粘弾性を目的変数として、年齢を説明変数とした回帰式を示すグラフである。 (左図)真皮下層が硬くない肌モデル、(右図)真皮下層が硬い肌モデルを示す、図面代用写真である。 試験例2における、マーカーの移動度を示すグラフである。 試験例2における、マーカーの移動速度を示すグラフである。 試験例2における、マーカーの平均加速度を示すグラフである。
<1>肌年齢レベルの推定方法
真皮下層の粘弾性(以下、単に粘弾性ともいう)と、年齢との間には、負の相関関係が存在する。つまり、年齢が高いほど、粘弾性が低い関係になる。
本発明は、かかる相関関係を利用して、粘弾性の高低から肌年齢レベルの高低を推定するものである。
粘弾性が高いほど、肌が若いと判断し、粘弾性が低いほど肌が老いていると判断する。肌年齢レベルは、言い換えれば肌の加齢度合いである。
真皮は、上述の通り、外側から内側に向かって順に、乳頭層、乳頭下層、及び網状層の3層に分類することができる。
本明細書中における真皮下層とは、網状層からなる層を意味し、特に、網状層の中でも皮下組織に近い網状層下部と、粘弾性との相関関係を利用することが好ましい。
粘弾性は、粘性と弾性の両方を合わせた性質のことをいう。したがって、粘弾性の評価に当たっては粘性と弾性の両方を評価することになる。しかし、生体組織においては粘性と弾性を明確に区別することは困難であり、粘弾性は主に弾性率(ヤング率)により評価されることが一般的である。
また、フックの法則(下記式1)に基づき、粘弾性を「ひずみ」により評価してもよい。
Figure 0007253430000001
そのため、本発明において指標とされる粘弾性は、弾性率(ヤング率)又はひずみとして算出される形態としてもよい。
真皮下層の粘弾性は、超音波エラストグラフィにより測定することができる。超音波エラストグラフィの手法としては、外部から応力σを加えて肌を変形させてひずみεを測定し、フックの法則によりヤング率Eを求めるストレイン・イメージングや、肌にせん断波を伝搬させ、その伝搬速度Cを測定することでヤング率Eを求めるシアウェーブ・イメージングなど公知の手法を制限なく用いることができる。
超音波エラストグラフィ装置としては、例えば日立製作所製「ARIETTA E70」や「Npblus」、シーメンスヘルスケア製「アキュソンS2000e」などを用いることができる。
超音波エラストグラフィによれば、肌の内部断面における粘弾性(ヤング率(機種によってはひずみ))の分布を画像として得ることができる。本発明の実施に当たっては、真皮下層に不均一に分布する粘弾性の単純平均値、加重平均値、中央値、及び最大値と最小値との差等の代表値を、測定値として用いてもよい。
前記粘弾性の測定値と年齢との相関関係は、前述した粘弾性の測定値を、年齢別に測定し、各年齢を目的変数とし、各年齢における粘弾性の測定値を設定変数とした、回帰分析を行うことで求めることができる。
なお、本明細書における「年齢」には、20代、30代及び40代等のような「年代」という概念も含まれる。
本発明の肌年齢レベルの推定方法は、回帰式により求められた式またはモデルに、対象者の粘弾性の測定値を当てはまることで、当該粘弾性の測定値を通常有する年齢を導き出し、この年齢を肌年齢レベルと推定する。
また、導き出された年齢と、対象者の実年齢との差分を、肌年齢レベルとして推定してもよい。例えば、導き出された年齢が「30歳」であり、対象者の実年齢が「20歳」である場合には、肌年齢レベルは「+10歳」であると推定される。
<2>シワ形成リスクの推定方法
本発明者らは、真皮下層における粘弾性の低下が、将来的にシワを形成する可能性を高めることを実験的に見出した。すなわち、本発明は、真皮下層における粘弾性を指標として、将来のシワ形成リスクを推定する方法である。
真皮下層、真皮下層の粘弾性、その測定方法、及び算出方法については、<1>で説明した通りである。
将来のシワ形成リスクを推定する方法としては、粘弾性の測定値について、任意の値を基準値として設定し、対象者の粘弾性の測定値が、当該基準値以下である場合には、将来的にシワが形成されるリスクが高いと推定する方法が挙げられる。
例えば、対象者の真皮下層の粘弾性の測定値が、基準値として設定した同年齢の粘弾性の代表値を下回る場合に、当該対象者は、将来的にシワが形成されるリスクが高いと推定する。一方で、対象者の粘弾性の測定値が、同年齢の粘弾性の代表値を上回る場合に、当該対象者は、将来的にシワが形成されるリスクが低いと推定する。
上述した方法の基準値としては、必ずしも同年齢の粘弾性の代表値である必要はなく、例えば、40代の粘弾性の代表値、50代の粘弾性の代表値、及び60代の粘弾性の代表値等を用いてもよい。
また、全年齢、又は全年代の代表値を基準値として、対象者の測定値と比較を行ってもよい。この場合、例えば対象者の測定値が60代における基準値と、70代における基準値の間に位置すれば、粘弾性が低く、将来のシワ形成リスクがあると評価する。
また、将来のシワ形成リスクを推定する方法としては、任意の年齢を基準値として設定し、<1>で説明した、対象者の粘弾性の測定値を指標とした肌年齢レベルを算出し、当該肌年齢レベルが前記基準値以上である場合には、将来的にシワが形成されるリスクが高いと推定する方法であってもよい。
例えば、対象者の実年齢を基準値として、対象者の肌年齢レベルが、対象者の実年齢以上である場合には、将来的にシワが形成されるリスクが高いと推定する。一方で、対象者の肌年齢レベルが、対象者の実年齢を下回る場合には、将来的にシワが形成されるリスクが低いと推定する。
また、例えば、「50歳」等の年齢を基準値として、対象者の肌年齢レベルが、「50歳」以上である場合には、将来的にシワが形成されるリスクが高いと推定してもよい。
<3>真皮下層の肌年齢レベルの推定システム
以下、真皮下層の肌年齢レベルの推定システム(以下、肌年齢レベル推定システムという)について図1を参照しながら説明を加える。なお、本発明の肌年齢レベル推定システムは、上記<1>の項目で説明した真皮下層の肌年齢レベルの推定方法を実施するための装置である。したがって、上記<1>の項目の説明は、以下の肌年齢レベル推定システムに関しても妥当する。
本発明の肌年齢レベル推定システム100は、真皮下層の粘弾性と年齢との相関関係を示す相関データを記憶する記憶手段131と、対象者の肌の真皮下層の粘弾性を、記憶手段131に記憶された相関データと照合して、肌年齢レベルを算出する肌年齢レベル算出手段122と、を備える。
図1に示すように、肌年齢レベル推定システム100は、粘弾性測定部110、記憶手段131を備えるROM(Read Only Memory)130、肌年齢レベル算出手段122を備えるCPU(Central Processing Unit)120、及び肌年齢レベル表示部140を備える。
本発明の好ましい実施の形態では、粘弾性測定部110により測定された対象者の肌の真皮下層の粘弾性を数値化する、数値化手段121をCPU120が備えることが好ましい。
肌年齢レベル表示部140は、肌年齢レベル算出手段122が算出した肌年齢レベルの推定値を表示するディスプレイである。
肌年齢レベルの推定値は、<1>で述べた肌年齢レベルの推定方法と同様の手順で算出することができる。
このような構成とした本発明の肌年齢レベル推定システム100は、対象者の肌の真皮下層の粘弾性を測定するだけで、容易に対象者の肌年齢レベルの推定値を算出する。
<4>シワ形成リスク推定システム
以下、対象者のシワ形成リスクの推定システム(以下、シワ形成リスク推定システムという)について図2を参照しながら説明を加える。なお、本発明のシワ形成リスク推定システムは、上記<2>の項目で説明したシワ形成リスクの推定方法を実施するための装置である。したがって、上記<2>の項目の説明は、以下のシワ形成リスク推定システムに関しても妥当する。
本発明のシワ形成リスク推定システム200は、<2>で説明したような、真皮下層の粘弾性の基準値を示す基準データを記憶する記憶手段231と、対象者の肌の真皮下層の粘弾性を、記憶手段231に記憶された基準データと照合して、シワ形成リスクの推定値を算出するシワ形成リスク算出手段222と、を備える。
図2に示すように、シワ形成リスク推定システム200は、粘弾性測定部210、記憶手段231を備えるROM230、シワ形成リスク算出手段222を備えるCPU220、及びシワ形成リスク表示部240を備える。
本発明の好ましい実施の形態では、粘弾性測定部210により測定された対象者の肌の真皮下層の粘弾性を数値化する、数値化手段221をCPU220が備えることが好ましい。
シワ形成リスク表示部240は、シワ形成リスク算出手段222が算出したシワ形成リスクの推定値を表示するディスプレイである。
シワ形成リスクの推定値は、<2>で述べたシワ形成リスクの推定方法と同様の手順で算出することができる。
このような構成とした本発明のシワ形成リスク推定システム200は、対象者の肌の真皮下層の粘弾性を測定するだけで、容易に対象者のシワ形成リスクの推定値を算出する。
<試験例1>真皮下層の粘弾性と、年齢との相関関係について
20~69歳の女性(計65名)を対象に、以下の実験を行った。
洗顔・馴化後、対象者の左頬1か所に対し、超音波エラストグラフィ(「Noblus」株式会社日立製作所製)を用いて、皮膚の粘弾性(ひずみ)を測定した。なお、粘弾性の測定については、測定エリアを皮膚真皮の上半分(真皮上層)と下半分(真皮下層)の領域に分け、それぞれの層について相対的な粘弾性を算出した。真皮上層及び真皮下層は、真皮組織を深さ方向において1:1の比率で分割することで設定した。
真皮上層、及び真皮下層について、それぞれ粘弾性の相対値を目的変数とし、年齢を説明変数とした、回帰分析を行い、相関関係の有無を調べた。
得られた回帰式を図3、及び図4に示す。
図3に示す通り、真皮下層については加齢に伴い有意に粘弾性が低下(硬くなる)することが確認された(p<0.05)。一方で、図4に示す通り、真皮上層については、加齢に伴う粘弾性の低下は確認されなかった。
この結果から、肌年齢レベルを推定するためには、真皮下層における粘弾性を指標とすることが、最も確からしいといえる。
<試験例2>真皮下層の粘弾性の低下が、シワの形成リスクを高めることについて実証
以下の(1)~(4)に記載の手法により、真皮下層の粘弾性が低い肌と、真皮下層の粘弾性が高い肌とを比較して、何れの肌が高いシワ形成リスクを有するか評価した。
(1)二種類のウレタンゲル(硬度0のゲル310、及び硬度15のゲル320;株式会社エクシール製)をそれぞれ別のディスポーザブルビーカーに流し込み、一定時間加温してゲルを硬化させた。
硬度0のゲル310aを、下層が硬くない(粘弾性が高い)肌モデル300aとした。また、上層として硬度0のゲル310bを用いて、下層として硬度15のゲル320bを用いて、下層が硬い(粘弾性が低い)肌モデル300bとした。
(2)各肌モデルの上面を肌表面と見立て、中央に円形のシール330をマーカーとして貼付けた(図5)。
(3)各肌モデルをプレートシェーカー(「MINISHAKER MODEL FM-6」 TAKASHOW製)上の台に固定し、台を一定の速度で横方向に振動させた。
ハイスピードカメラ(VW-600C KEYENCE社製)を用いて、台が振動を始めてから、0.15秒間隔で、マーカーの動きを撮影した。
(4)上記ハイスピードカメラ専用ソフトウェアのキャプチャー機能を用いて、マーカーの位置、及び速度を計測し、速度から平均加速度を算出した。
マーカーの位置、移動速度、及び平均化速度についてまとめたグラフを、図6~8に示す。
図6に示す通り、下層が硬い肌モデルは、下層が硬くない肌モデルと比して相対的に、時間に対するマーカーの位置の移動量が高い。
図7に示す通り、下層が硬い肌モデルは、下層が硬くない肌モデルと比して相対的に、移動速度が速い。
図8に示す通り、下層が硬い肌モデルは、下層が硬くない肌モデルと比して、相対的に平均加速度が高い。
これらの結果から、下層が硬い肌と、下層が硬くない肌モデルとを比較して、どちらがよりシワ形成のリスクが高いか、以下考察する。
シワが形成するメカニズムとして、人の肌に対する物理的な刺激が要因の一つであることが知られている。
特に顔の皮膚組織は、会話、咀嚼、まばたき等の表情の変化により常に伸縮を繰り返し、いわゆる表情圧がかかることから、シワの形成が顕著となる。
すなわち、他の条件が同一であれば、肌に受ける物理的な刺激が少ない肌の方が、シワが形成するリスクが少ないといえる。
上述の通り下層が硬い肌モデルは、下層が硬くない肌モデルと比して、上面に付したマーカーの移動速度、及び平均加速度が速いことから、下層が硬い肌モデルは、下層が硬くない肌モデルと比して、当該マーカーにかかる力も大きいといえる。
これを人の肌に置き換えると、真皮下層が硬い肌は、真皮下層が硬くない肌と比して、笑顔等の表情変化に伴う表情圧が高いといえる。そして、力は、溝等の不連続部分に応力集中することが知られているから、その表情圧はシワの形成部分に集中すると考えられる。その結果として、シワの形成、悪化を助長することとなり、すなわちシワ形成のリスクが高いといえる。
したがって、試験例2の結果から、真皮下層の粘弾性を指標として、将来のシワ形成リスクを予測することが可能であるといえる。
具体的には、真皮下層の粘弾性が高い(柔らかい)と、将来のシワ形成リスクは低いと予想することができ、真皮下層の粘弾性が低い(硬い)と、将来のシワ形成リスクが高いと予想することができる。
粘弾性の高低の基準は、対象者の実年齢における粘弾性の平均値等を用いることができる。
本発明は、肌状態を評価するカウンセリング等に応用することができる。
100 肌年齢レベル推定システム
110 粘弾性測定部
120 CPU
121 数値化手段
122 肌年齢レベル算出手段
130 ROM
131 記憶手段
140 肌年齢レベル表示部
200 シワ形成リスク推定システム
210 粘弾性測定部
220 CPU
221 数値化手段
222 シワ形成リスク算出手段
230 ROM
231 記憶手段
240 シワ形成リスク表示部
300 肌モデル
300a 下層が硬くない肌モデル
300b 下層が硬い肌モデル
310 硬度0のゲル
320 硬度15のゲル
330 シール

Claims (6)

  1. 真皮下層の粘弾性と齢との相関関係に基いて、対象者の前記真皮下層の粘弾性の測定値を指標として、前記の真皮下層の粘弾性の測定値が低いほど、対象者の肌年齢レベルが高いと推定することを特徴とする、肌年齢レベルの推定方法。
  2. 真皮下層の粘弾性の測定値を説明変数、年齢を目的変数とする回帰式を用いて、対象者の前記真皮下層の粘弾性の測定値から対象者の前記肌年齢レベルを算出することを特徴とする、請求項1に記載の肌年齢レベルの推定方法。
  3. 前記真皮下層の粘弾性の測定値超音波エラストグラフィにより測定される測定値であり、
    前記真皮下層の粘弾性は、真皮下層に含まれる、網状層の下層の粘弾性であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の肌年齢レベルの推定方法。
  4. 対象者の真皮下層の粘弾性の測定値を指標として、対象者の真皮下層における粘弾性の測定値が低いほど、対象者の将来のシワ形成リスクが高いと推定することを特徴とする、シワ形成リスクの推定方法。
  5. 真皮下層の粘弾性と齢との相関関係に基いて、真皮下層の粘弾性の測定値を指標として、肌年齢レベルを推定する肌年齢レベル推定システムであって、
    前記相関関係を示す相関データを記憶する記憶手段と、
    対象者の前記真皮下層の粘弾性の測定値を、前記記憶手段に記憶された前記相関データと照合して、肌年齢レベルの推定値を算出する肌年齢レベル算出手段と、を備えることを特徴とする、肌年齢レベル推定システム。
  6. 真皮下層の粘弾性とシワ形成リスクとの関係に基いて、
    対象者の真皮下層の粘弾性の測定値を指標として、対象者の将来のシワ形成リスクを推定するシワ形成リスク推定システムであって、
    前記真皮下層の粘弾性の基準値を示す基準データを記憶する記憶手段と、
    対象者の前記真皮下層の粘弾性の測定値を、前記基準データと照合して、対象者の真皮下層における粘弾性が低いほど対象者の将来のシワ形成リスクが高いとの推定値を算出するシワ形成リスク算出手段を備える、シワ形成リスク推定システム
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