JP7249476B1 - 光輝性塗料組成物、及び複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、ロボット塗装のみならず、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いた塗装において、形成される塗膜が金属調光沢に優れるとともに、ムラが生じにくい光輝性塗料組成物を提供することを目的とする。本開示の光輝性塗料組成物は、以下の構成を有する。水、鱗片状アルミニウム顔料(A)及びナノセルロース(B)を含有する光輝性塗料組成物であって、上記鱗片状アルミニウム顔料(A)が、0.5~8.0μmの範囲内のd50と、2.0~15.0μmの範囲内のd90との体積平均粒径を有する光輝性塗料組成物。

Description

本開示は、光輝性塗料組成物、及び当該光輝性塗料組成物を用いた複層塗膜形成方法に関する。
インクジェット方式により、光輝性に優れた複層塗膜を形成する検討が行われている。
例えば、特許文献1には、被記録媒体上に効果顔料インクを吐出して画像形成を行う画像形成工程、被記録媒体上に透明インクを付与する透明インク付与工程、及び、被記録媒体上の効果顔料インク及び透明インクを硬化させる硬化工程をこの順で有し、前記画像形成工程と前記透明インク付与工程との間に、効果顔料インクを硬化する工程を有しないか、又は、有する場合には、効果顔料インクの硬化率が85%以下であり、前記透明インクは、重合開始剤、及び、重合性化合物を含有し、かつ、実質的に顔料を含有せず、前記効果顔料インクは、効果顔料、重合開始剤、及び、重合性化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録方法(請求項1)が開示されている。
なお、特許文献1では、効果顔料インクを、インクジェット方式で形成すること(段落[0020])、そして効果顔料が、アルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましいこと(段落[0104])が開示されている。
特許文献2には、光輝性塗膜に含まれる光輝性材料の輝きがインク層を透過して見える加飾構造体、及びその製造方法が開示されている。
特許文献2に係る加飾構造体は、基材と、該基材上に形成された光輝性塗膜と、該光輝性塗膜上に形成された透明インク層とを備える加飾構造体であって、前記光輝性塗膜は、平均粒径が3~100μmの光輝性材料を含むことを特徴とする(請求項1)。
特開2012-210764号 特開2015-193143号
特許文献1に係るインクジェット記録方法は、効果顔料インクをインクジェット方式により塗装するものであるが、特許文献2の段落[0005]に記載されるように、効果顔料インクを吐出する際に、ノズル詰まりが発生し易い課題がある。
また、特許文献2に係る加飾構造体は、光輝性塗膜自体は、インクジェット方式で塗装されるものではないとともに、光輝性塗膜上に透明インク層を設けることにより、光輝性を保持するものである。
従って、本開示は、ロボット塗装のみならず、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いた塗装において、形成される塗膜が金属調光沢に優れるとともに、ムラが生じにくい光輝性塗料組成物を提供することを目的とする。
本開示者らは、水、鱗片状アルミニウム顔料(A)及びナノセルロース(B)を含有する光輝性塗料組成物であって、上記鱗片状アルミニウム顔料(A)が、0.5~8.0μmの範囲内のd50と、2.0~15.0μmの範囲内のd90との体積平均粒径を有する光輝性塗料組成物を見出した。
本開示の光輝性塗料組成物は、ロボット塗装のみならず、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いた塗装において、形成される塗膜が金属調光沢に優れるとともに、ムラが生じにくい。
具体的には、本開示は以下の態様に関する。
[態様1]
水、鱗片状アルミニウム顔料(A)及びナノセルロース(B)を含有する光輝性塗料組成物であって、
上記鱗片状アルミニウム顔料(A)が、0.5~8.0μmの範囲内のd50と、2.0~15.0μmの範囲内のd90との体積平均粒径を有する、
光輝性塗料組成物。
上記光輝性塗料組成物では、鱗片状アルミニウム顔料(A)が、所定の体積平均粒径を有することから、ロボット塗装のみならず、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いた塗装において、上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜が、金属調光沢に優れるとともに、ムラが生じにくい。
また、上記光輝性塗料組成物は、鱗片状アルミニウム顔料(A)が、所定の体積平均粒径を有することから、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて塗装される場合に、上記光輝性塗料組成物が吐出安定性に優れる。
なお、金属調光沢とは、鏡面のように表面に粒子感がなく、さらに、塗板に対して垂直に近い状態で見たとき(ハイライト)は光り輝き、塗板に対して斜め上から見たとき(シェード)は暗くみえる、すなわち、ハイライト領域と、シェード領域との輝度差が大きいことを特徴とする質感を意味する。
[態様2]
上記鱗片状アルミニウム顔料(A)の平均厚みが、1~100nmの範囲内である、態様1に記載の光輝性塗料組成物。
上記光輝性塗料組成物では、鱗片状アルミニウム顔料(A)が所定の平均厚みを有することから、上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜が金属調光沢に優れる。
[態様3]
上記光輝性塗料組成物が、アクリル樹脂(C)をさらに含有する、態様1又は2に記載の光輝性塗料組成物。
上記光輝性塗料組成物は、アクリル樹脂(C)をさらに含有することから、上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜が金属調光沢に優れる。
[態様4]
上記光輝性塗料組成物が、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて塗装されるものである、態様1~3のいずれか一項に記載の光輝性塗料組成物。
上記光輝性塗料組成物は、所定の液体吐出ヘッドを用いて塗装されるものであることから、液体吐出ヘッドから吐出される際の吐出安定性に優れるとともに、上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜が金属調光沢に優れるとともに、ムラが生じにくい。
[態様5]
上記ナノセルロース(B)が、セルロースナノファイバー(B1)及びセルロースナノクリスタル(B2)から選ばれる少なくとも1種を含む、態様1~4のいずれか一項に記載の光輝性塗料組成物。
上記光輝性塗料組成物では、ナノセルロース(B)が、セルロースナノファイバー(B1)及びセルロースナノクリスタル(B2)から選ばれる少なくとも1種を含むことから、上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜が金属調光沢に優れる。また、上記光輝性塗料組成物が、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて塗装されるものである場合には、上記光輝性塗料組成物が吐出安定性に優れる。
[態様6]
上記光輝性塗料組成物の固形分濃度が、1.0~15.0質量%の範囲内である、態様1~5のいずれか一項に記載の光輝性塗料組成物。
上記光輝性塗料組成物は、所定の固形分濃度を有することから、塗装される際の塗装安定性(特に、液体吐出ヘッドから吐出される際の吐出安定性)に優れるとともに、上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜が金属調光沢に優れる。
[態様7]
工程1:弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて、態様1~6のいずれか一項に記載の光輝性塗料組成物を被塗物に近接吐出することによって、上記被塗物に光輝性塗膜を形成する工程、
工程2:上記光輝性塗膜に、クリヤー塗料組成物を塗装してクリヤー塗膜を形成する工程、
を含む複層塗膜形成方法。
上記複層塗膜形成方法は、光輝性塗料組成物の吐出安定性に優れるとともに、上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜が金属調光沢に優れる。
[態様8]
上記光輝性塗膜の乾燥膜厚が、0.5~2.0μmの範囲内である、態様7に記載の複層塗膜形成方法。
上記複層塗膜形成方法は、光輝性塗膜の乾燥膜厚が所定の範囲にあることから、金属調光沢に優れるとともに、ムラの少ない複層塗膜を形成することができる。
本開示の光輝性塗料組成物、及び当該光輝性塗料組成物を用いた複層塗膜形成方法(以下、単に「複層塗膜形成方法」と称する場合がある。)について、以下、詳細に説明する。
[光輝性塗料組成物]
本開示の光輝性塗料組成物は、水、鱗片状アルミニウム顔料(A)及びナノセルロース(B)を含有する。
[鱗片状アルミニウム顔料(A)]
鱗片状アルミニウム顔料(A)は、0.5~8.0μm、好ましくは0.5~6.0μm、そしてさらに好ましくは0.5~4.0μmの範囲内のd50(体積平均粒径)を有する。また、鱗片状アルミニウム顔料(A)は、d50(体積平均粒径)よりも大きいことを条件とし、2.0~15.0μm、好ましくは2.0~10.0μm、そしてさらに好ましくは2.0~7.0μmの範囲内のd90(体積平均粒径)を有する。
それにより、上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜が金属調光沢に優れるとともに、ムラが生じにくくなる。また、上記光輝性塗料組成物が、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて塗装されるものである場合には、上記光輝性塗料組成物が吐出安定性に優れる。
d50(体積平均粒径)及びd90(体積平均粒径)は、サブミクロン粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3000」(商品名、マイクロトラック・ベル社製)を用いて、レーザー回折散乱法により体積基準粒度分布を計測することにより測定することができる。
鱗片状アルミニウム顔料(A)としては、ミリングタイプの鱗片状アルミニウム顔料と、蒸着タイプの鱗片状アルミニウム顔料とが挙げられる。
ミリングタイプの鱗片状アルミニウム顔料は、一般に、アルミニウムをボールミル又はアトライターミル中で粉砕媒液の存在下、粉砕助剤を用いて粉砕、摩砕して製造される。ミリングタイプの鱗片状アルミニウム顔料の製造工程における粉砕助剤としては、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸のほか、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族アルコールが挙げられる。粉砕媒液としては、ミネラルスピリット等の脂肪族系炭化水素が挙げられる。
鱗片状アルミニウム顔料(A)は、上記粉砕助剤の種類によって、リーフィングタイプと、ノンリーフィングタイプとに大別することができる。リーフィングタイプは、光輝性塗料組成物に含有させると、塗装して得られた塗膜の表面に配列(リーフィング)し、金属感の強い仕上がりが得られ、熱反射作用を有し、防錆力を発揮するものであるため、タンク・ダクト・配管類、屋上ルーフィング等の工場設備、各種建築材料等に利用されることが多い。
本開示の光輝性塗料組成物に用いる鱗片状アルミニウム顔料としては、リーフィングタイプの鱗片状アルミニウム顔料を使用可能であるが、このタイプの鱗片状アルミニウム顔料を使用した場合には、その配合量にもよるが、塗膜形成過程において、粉砕助剤の表面張力の効果によって、塗膜表面に配向するため、上層のクリヤー塗膜との付着性に注意が必要である。この点から、ノンリーフィングタイプの鱗片状アルミニウム顔料を使用することが好ましい。
ノンリーフィングタイプの鱗片状アルミニウム顔料としては、表面を処理していないもの、表面を樹脂で被覆したもの、表面にシリカ処理を施したもの、及び表面をリン酸、モリブデン酸、シランカップリング剤等で処理したもの等を採用することができる。
また、鱗片状アルミニウム顔料(A)として、鱗片状アルミニウム顔料の表面に着色顔料を被覆し、その上に樹脂を被覆したもの、鱗片状アルミニウム顔料の表面に酸化鉄等の金属酸化物を被覆したもの等の着色アルミニウム顔料を採用することができる。
鱗片状アルミニウム顔料(A)は、好ましくは1~100nm、より好ましくは2~60nm、そしてさらに好ましくは3~50nmの平均厚みを有する。それにより、上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜が、金属調光沢に優れる。
上記平均厚みは、鱗片状アルミニウム顔料(A)を含む塗膜断面を顕微鏡にて観察して厚さを画像処理ソフトを使用して測定し、100個以上の測定値の平均値として定義するものとする。
鱗片状アルミニウム顔料(A)としては、蒸着タイプの鱗片状アルミニウム顔料を採用することが、上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢の観点から好ましい。蒸着タイプの鱗片状アルミニウム顔料は、ベース基材にアルミニウム皮膜を蒸着させ、ベース基材を剥離した後、蒸着アルミニウム皮膜を粉砕することにより得ることができる。上記基材としては、例えばフィルム等を挙げることができる。
蒸着タイプの鱗片状アルミニウム顔料としては、単層の蒸着アルミニウム皮膜を有する単層タイプのものだけでなく、単層の蒸着アルミニウム皮膜に、他の金属、金属酸化物等の層をさらに有する複層タイプのものを採用することができる。
蒸着タイプの鱗片状アルミニウム顔料においても、各種表面処理がなされたものを採用することができるが、光輝性顔料分散体の貯蔵安定性の観点から、特にシリカ処理されているものを用いることが好適である。
本開示の光輝性塗料組成物は、金属調光沢に優れた塗膜を得る点から、鱗片状アルミニウム顔料(A)を、光輝性塗料組成物の全質量に基づいて、好ましくは0.3~10.0質量%、より好ましくは0.7~6.5質量%、そしてさらに好ましくは0.8~5.0質量%の範囲で含む。光輝性塗料組成物から金属調光沢に優れた塗膜を得る観点からである。
また、本開示の光輝性塗料組成物において、鱗片状アルミニウム顔料(A)を除く成分の固形分の合計100質量部に対し、鱗片状アルミニウム顔料(A)の固形分の含有量は、好ましくは30~200質量部、より好ましくは32~150質量部、そしてさらに好ましくは35~100質量部の範囲内にある。光輝性塗料組成物から金属調光沢に優れた塗膜を得る観点からである。
[ナノセルロース(B)]
ナノセルロース(B)は、セルロースナノファイバー(B1)及びセルロースナノクリスタル(B2)から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、そしてセルロースナノファイバー(B1)であることがより好ましい。上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜が金属調光沢に優れるためである。また、上記光輝性塗料組成物が、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて塗装されるものである場合には、上記光輝性塗料組成物が吐出安定性に優れる。
ナノセルロース(B)は、セルロース繊維をナノサイズレベルまで解きほぐした(解繊処理した)セルロースである。
上記セルロース繊維としては、例えば、天然セルロース繊維、再生セルロース繊維、半合成セルロース繊維、変性セルロース繊維等が挙げられる。
上記天然セルロース繊維は、天然に存在するセルロース繊維含有物から精製工程を経て不純物を除去したものである。天然のセルロース繊維含有物としては、例えば、針葉樹及び広葉樹等の木質、コットンリンター及びコットンリント等のコットン、さとうきび及び砂糖大根等の絞りかす、亜麻、ラミー、ジュート及びケナフ等の靭皮繊維、サイザル及びパイナップル等の葉脈繊維、アバカ及びバナナ等の葉柄繊維、ココナツヤシ等の果実繊維、竹等の茎幹繊維、バクテリアが産生するバクテリアセルロース、バロニア及びシオグサ等の海草ないしホヤの被嚢等が挙げられる。
上記再生セルロース繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ等が挙げられる。また、上記半合成セルロース繊維としては、例えば、アセテート等が挙げられる。
上記変性セルロース繊維としては、セルロースに対して各種の化学変性を行うことで得られるものを使用することができる。化学変性の種類としては、例えば、カルボキシメチル化、アシル化、リン酸化等のエステル化、カルボキシル化等の酸化、スルホン化、フッ素化、カチオン化、シランカップリング剤による処理等が挙げられる。
また、上記ナノセルロース(B)は、解繊処理した後に上記化学変性がされていてもよい。
また、ナノセルロース(B)は、中和剤で中和されていてもよい。かかる中和剤による中和は、セルロースナノファイバーをはじめとするナノセルロース(B)の耐水付着性を向上させる。例えば、上記変性セルロース繊維が、酸化されたもの(以下、「酸化セルロース」と称する)である場合には、上記中和剤は、水酸化ナトリウム等の無機金属塩基よりも嵩高い、有機塩基の中和剤であることができる。
好ましい中和剤の例としては、第四級アンモニウム塩、アミン(第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン)等の有機塩基を挙げることができる。好ましい第四級アンモニウム塩は、水酸化第四級アンモニウムである。上記アミンとしては、アルキルアミン及びアルコールアミンを挙げることができる。上記アルキルアミンとしては、N-ブチルアミン、N-オクチルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン等を挙げることができる。上記アルコールアミンとしては、N-ブチルエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、ジメチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等を挙げることができる。
上記中和剤の含有量は、酸化セルロースの一部又は全部を中和できる量であれば特に限定されないが、含有する酸基に対する中和当量として、0.2~1.0当量が望ましい。
ナノセルロース(B)の数平均繊維径は、1~500nmの範囲内であることが好ましい。
また、ナノセルロース(B)の数平均長さは、10~10,000nmの範囲内であることが好ましい。
ナノセルロース(B)の数平均繊維径と数平均長さについてはSEM解析により調べることができ、例えば、ナノセルロース(B)50本を調べてその平均値で算出することができる。
上記ナノセルロース(B)の数平均長さの数平均繊維径に対する比(数平均長さ/数平均繊維径)であるアスペクト比は、光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢、光輝性塗料組成物の吐出安定性等の観点から、3~10,000の範囲内であることが好ましく、5~500の範囲内であることがより好ましい。
本明細書において、セルロースナノファイバー(B1)は、上記アスペクト比が、50以上のものである。
また、本明細書において、セルロースナノクリスタル(B2)は、上記アスペクト比が、50未満のものである。
セルロースナノファイバー(B1)は、公知の方法によって得ることができる。例えば、セルロース原料を解繊処理し、繊維径がナノサイズになるまで微細化することによって、セルロースナノファイバー(B1)を得ることができる。セルロース原料の解繊処理方法としては、例えば、機械的解繊処理、N-オキシル化合物を含む酸化触媒液による処理等の薬品処理等が挙げられる。
上記セルロース原料としては、セルロースを含むものであれば特に限定されないが、例えば、各種木材パルプ、非木材パルプ、バクテリアセルロース、再生セルロース、古紙パルプ、コットン、バロニアセルロース、ホヤセルロース等が挙げられる。また、市販されている各種セルロース粉末や微結晶セルロース粉末を使用してもよい。
また、セルロースナノファイバー(B1)は、各種の化学変性がされたものを使用することができる。化学変性の種類としては、例えば、カルボキシメチル化、アシル化、リン酸化等のエステル化、カルボキシル化等の酸化、スルホン化、フッ素化、カチオン化、シランカップリング剤による処理等が挙げられる。
また、セルロースナノファイバー(B1)は、中和剤で中和されていてもよい。該中和剤としては、例えば、前記ナノセルロース(B)の説明欄において記載した中和剤を使用することができる。
セルロースナノファイバー(B1)の数平均繊維径は、光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢、光輝性塗料組成物の吐出安定性等の観点から、1~500nmの範囲内であることが好ましく、1~250nmの範囲内であることがさらに好ましく、2~50nmの範囲内であることが特に好ましい。
セルロースナノファイバー(B1)の数平均長さは、光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢、光輝性塗料組成物の吐出安定性等の観点から、200~10,000nmの範囲内であることが好ましく、200~5,000nmの範囲内であることがさらに好ましく、300~2,500nmの範囲内であることが特に好ましく、200~1,000nmの範囲内であることがさらに特に好ましい。
セルロースナノファイバー(B1)の上記アスペクト比は、光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢、光輝性塗料組成物の吐出安定性等の観点から、50~500の範囲内であることが好ましく、50~200の範囲内であることがさらに好ましく、50~150の範囲内であることが特に好ましい。
セルロースナノファイバー(B1)の市販品としては、例えば、「ナノセルロースファイバー」(中越パルプ工業社製)、「BiNFi-s」(スギノマシン社製)、「レオクリスタ」(第一工業製薬社製)、「セルロースナノファイバー」(モリマシナリー社製)、「セレンピア」(日本製紙社製)、「アウロ・ヴィスコ」(王子ホールディング社製)等が挙げられる。
セルロースナノクリスタル(B2)は公知の方法によって得ることができる。セルロースナノクリスタル(D2)は、例えば、セルロース原料を硫酸等の酸によって処理することによって非結晶部分を加水分解して取り除き、次いで、機械的解繊処理することにより得ることができる。
上記セルロース原料としては、セルロースを含むものであれば特に限定されず、セルロースナノファイバー(B1)の原料と同様のセルロース原料を用いることができる。また、機械解繊処理についても特に限定されず、従来公知の方法、例えば、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、ボールミル、ロールミル、カッターミル、遊星ミル、ジェットミル、アトライター、グラインダー、ジューサーミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、ナノジナイザー、水中対向衝突、1軸又は2軸押出機等の装置を用いた方法を用いることができる。
また、セルロースナノクリスタル(B2)は、各種の化学変性がされたものを使用することができる。化学変性の種類としては、例えば、カルボキシメチル化、アシル化、リン酸化等のエステル化、カルボキシル化等の酸化、スルホン化、フッ素化、カチオン化、シランカップリング剤による処理等が挙げられる。
また、セルロースナノクリスタル(B2)は、中和剤で中和されていてもよい。該中和剤としては、例えば、ナノセルロース(B)の箇所で説明した中和剤を使用することができる。
セルロースナノクリスタル(B2)の数平均繊維径は、光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢、光輝性塗料組成物の吐出安定性等の観点から、1~50nmの範囲内であることが好ましく、1~30nmの範囲内であることがさらに好ましく、1~15nmの範囲内であることが特に好ましく、1~5nmの範囲内であることがさらに特に好ましい。
また、前記セルロースナノクリスタル(B2)の数平均長さは、光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢、光輝性塗料組成物の吐出安定性等の観点から、10~500nmの範囲内であることが好ましく、10~300nmの範囲内であることがさらに好ましく、20~250nmの範囲内であることが特に好ましく、30~150nmの範囲内であることさらに特に好ましい。
前記セルロースナノクリスタル(B2)の上記アスペクト比は、光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢、光輝性塗料組成物の吐出安定性等の観点から、3以上且つ50未満であることが好ましく、5以上且つ50未満であることがさらに好ましく、10以上且つ50未満であることがさらに特に好ましい。
セルロースナノクリスタル(B2)の市販品としては、例えば、「Celluforce NCC」(Celluforce社製)等が挙げられる。
また、本開示の光輝性塗料組成物において、鱗片状アルミニウム顔料(A)を除く成分の固形分の合計100質量部に対し、ナノセルロース(B)の固形分の含有量は、5~60質量部の範囲内であることが好ましく、10~50質量部の範囲内であることがより好ましく、15~40質量部の範囲内であることがさらに好ましい。光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢、光輝性塗料組成物の吐出安定性等の観点からである。
本開示の光輝性塗料組成物は、得られる光輝性塗料組成物の吐出安定性及び形成される塗膜の金属調光沢等の観点から、ナノセルロース(B)を、光輝性塗料組成物の全質量に基づいて、好ましくは0.1~1.7質量%、より好ましくは0.4~1.3質量%、そしてさらに好ましくは0.45~1.1質量%の範囲で含む。
上記光輝性塗料組成物は、樹脂をさらに含むことができ、当該樹脂としては、アクリル樹脂(C)、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、これらの任意の組み合わせ等が挙げられ、アクリル樹脂(C)であることが好ましい。上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢の観点からである。
なお、上記樹脂として、リン酸基含有樹脂を使用する場合、該リン酸基含有樹脂は、後述のリン酸基含有化合物(D)に含まれる。
上記樹脂は、エマルションであることが好ましく、例えば、アクリル樹脂エマルション、ポリエステル樹脂エマルション、アルキド樹脂エマルション、ポリウレタン樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、シリコーン樹脂エマルション、これらの任意の組み合わせ等が挙げられ、そしてアクリル樹脂エマルションが好ましい。上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢の観点からである。
アクリル樹脂(C)は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有する水酸基含有アクリル樹脂であることが好ましい。水酸基含有アクリル樹脂(C’)は、従来から水性塗料に使用されているそれ自体既知の水溶性又は水分散性の水酸基含有アクリル樹脂を使用することができる。水酸基含有アクリル樹脂(C’)は、例えば、水酸基含有重合性不飽和モノマー及び該水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーを、それ自体既知の方法、例えば、溶液重合などの方法により、共重合させることによって製造することができる。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のグリコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物;上記多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物にε-カプロラクトンを開環重合した化合物などが挙げられる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーは、水酸基含有アクリル樹脂(C’)に望まれる特性に応じて適宜選択して使用することができる。該モノマーの具体例を以下に列挙する。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート又はメタクリレートを意味する。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。また、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。
(i)アルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等。
(ii)イソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート等。
(iii)アダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、アダマンチル(メタ)アクリレート等。
(iv)トリシクロデセニル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、トリシクロデセニル(メタ)アクリレート等。
(v)芳香環含有重合性不飽和モノマー:例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等。
(vi)アルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等。
(vii)フッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等。
(viii)マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー。
(ix)ビニル化合物:例えば、N-ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等。
(x)リン酸基含有重合性不飽和モノマー:例えば、2-アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2-メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2-アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2-メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート等。
(xi)カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー:例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β-カルボキシエチルアクリレート等。
(xii)含窒素重合性不飽和モノマー:例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等。
(xiii)重合性不飽和基を1分子中に少なくとも2個有する重合性不飽和モノマー:例えば、アリル(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等。
(xiv)エポキシ基含有重合性不飽和モノマー:例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等。
(xv)分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート。
(xvi)スルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-スルホエチル(メタ)アクリレート、アリルスルホン酸、4-スチレンスルホン酸等;これらスルホン酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩等。
(xvii)紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(3-アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-(3-アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール等。
(xviii)光安定性重合性不飽和モノマー:例えば、4-(メタ)アクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-クロトノイル-4-クロトノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン等。
(xix)カルボニル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4~7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等。
(xx)酸無水物基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、無水マレイン酸等、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等。
水酸基含有アクリル樹脂(C’)は、水酸基価が10~150mgKOH/gであることが好ましく、15~100mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基含有アクリル樹脂(C’)は、酸価が150mgKOH/g以下であることが好ましく、145mgKOH/g以下であることがより好ましい。水酸基含有アクリル樹脂(C’)は、重量平均分子量が1,000~100,000であることが好ましく、2,000~60,000であることがより好ましい。
なお、本明細書において、水酸基含有アクリル樹脂(C’)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC-8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgelG4000HXL」、「TSKgelG3000HXL」、「TSKgelG2500HXL」及び「TSKgelG2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
本開示の光輝性塗料組成物は、金属調光沢に優れた塗膜を得る点から、アクリル樹脂(C)を、光輝性塗料組成物の全質量に基づいて、0.1~20質量%の範囲内で含むことが好ましく、0.3~10質量%の範囲内で含むことがより好ましく、0.45~5質量%の範囲内で含むことがさらに好ましい。
また、本開示の光輝性塗料組成物において、鱗片状アルミニウム顔料(A)を除く成分の固形分の合計100質量部に対し、アクリル樹脂(C)の固形分の含有量は、10~70質量部の範囲内であることが好ましく、15~65質量部の範囲内であることがより好ましく、20~60質量部の範囲内であることがさらに好ましい。金属調光沢に優れた塗膜を得る観点からである。
上記光輝性塗料組成物は、リン酸基含有化合物(D)をさらに含むことが好ましい。それにより、上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜が、金属調光沢に優れる傾向にある。また、上記光輝性塗料組成物が、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて塗装されるものである場合には、上記光輝性塗料組成物が吐出安定性に優れる。
リン酸基含有化合物(D)としては、例えば、リン酸;モノ-n-プロピルリン酸、モノイソプロピルリン酸、モノ-n-ブチルリン酸、モノイソブチルリン酸、モノ-tert-ブチルリン酸、モノオクチルリン酸、モノデシルリン酸等のモノアルキルリン酸;ジ-n-プロピルリン酸、ジイソプロピルリン酸、ジ-n-ブチルリン酸、ジイソブチルリン酸、ジ-tert-ブチルリン酸、ジオクチルリン酸、ジデシルリン酸等のジアルキルリン酸;モノ-n-プロピル亜リン酸、モノイソプロピル亜リン酸、モノ-n-ブチル亜リン酸、モノイソブチル亜リン酸、モノ-tert-ブチル亜リン酸、モノオクチル亜リン酸、モノデシル亜リン酸等のモノアルキル亜リン酸;ジ-n-プロピル亜リン酸、ジイソプロピル亜リン酸、ジ-n-ブチル亜リン酸、ジイソブチル亜リン酸、ジ-tert-ブチル亜リン酸、ジオクチル亜リン酸、ジデシル亜リン酸等のジアルキル亜リン酸;アルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、リン酸基含有樹脂、並びにそれらの任意の組み合わせ等を挙げることができる。
リン酸基含有化合物(D)としては、リン酸基含有樹脂及びリン酸エステルが好ましい。上記リン酸基含有樹脂は、耐水性、耐チッピング性等の観点から好ましく、そしてリン酸エステルは、上記光輝性塗料組成物の貯蔵安定性及び上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢の観点から好ましい。
上記リン酸基含有樹脂としては、リン酸基含有アクリル樹脂、リン酸基含有ポリエステル樹脂、リン酸基含有ポリエーテル樹脂、リン酸基含有ポリカーボネート樹脂、リン酸基含有ポリウレタン樹脂、リン酸基含有エポキシ樹脂などを挙げることができ、リン酸基含有アクリル樹脂であることが好ましい。光輝性塗料組成物から形成される塗膜の耐水性並びに耐チッピング性の観点からである。
上記リン酸基含有アクリル樹脂は、リン酸基を有する重合性不飽和モノマー及びその他の重合性不飽和モノマーを、常法により共重合することによって合成することができる。
リン酸基を有する重合性不飽和モノマーとしては、リン酸基を有する重合性不飽和モノマー:アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリ(オキシエチレン)グリコール(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリ(オキシプロピレン)グリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記リン酸基含有アクリル樹脂において、リン酸基を有する重合性不飽和モノマーは、リン酸基含有アクリル樹脂を構成する各モノマー成分の総量に基づき、1~50質量%、特に、5~40質量%であるのが好ましい。
上記リン酸基含有アクリル樹脂は、仕上り外観及び塗膜性能の観点から、好ましくは3,000~30,000、より好ましくは5,000~25,000、そしてさらに好ましくは10,000~20,000の範囲の重量平均分子量を有する。
また、本開示の光輝性塗料組成物において、鱗片状アルミニウム顔料(A)を除く成分の固形分の合計100質量部に対し、リン酸基含有化合物(D)の固形分の含有量は、10~60質量部の範囲内であることが好ましく、15~55質量部の範囲内であることがより好ましく、20~50質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
本開示の光輝性塗料組成物は、リン酸基含有化合物(D)を、光輝性塗料組成物の全質量に基づいて、好ましくは0.1~1.7質量%、より好ましくは0.4~1.3質量%、そしてさらに好ましくは0.45~1.1質量%の範囲で含む。
なお、リン酸基含有化合物(D)がリン酸基含有アクリル樹脂である場合には、リン酸基含有アクリル樹脂は、アクリル樹脂(C)には含まれない。
上記光輝性塗料組成物は、上記樹脂と反応しうる硬化剤をさらに含むことができる。上記硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、エポキシ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、ヒドラジド基含有化合物、セミカルバジド基含有化合物等が挙げられる。これらのうち、水酸基と反応し得るアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物及びブロック化ポリイソシアネート化合物、カルボキシル基と反応し得るカルボジイミド基含有化合物が好ましい。
上記光輝性塗料組成物は、好ましくは1.0~15.0質量%、より好ましくは1.5~10.0質量%、そしてさらに好ましくは2.0~8.0質量%の固形分濃度を有する。上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢及びムラの生じにくさの観点からである。また、上記光輝性塗料組成物は、塗装される際の塗装安定性に優れ、そして上記光輝性塗料組成物が、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて塗装されるものである場合には、上記光輝性塗料組成物が吐出安定性に優れる。
本明細書では、固形分濃度は、アルミ箔カップ等の耐熱容器に測定対象物(例えば、光輝性塗料組成物)を量り取り、容器底面に上記測定対象物を塗り広げた後、110℃で1時間乾燥させ、乾燥後に残存する測定対象物中の成分の質量を秤量して、乾燥前の測定対象物の全質量に対する、乾燥後に残存する測定対象物中の成分の質量の比率を求めることにより、算出することができる。
上記光輝性塗料組成物は、必要に応じて、有機溶剤、増粘剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤等の各種塗料用添加剤を含有することができる。
本開示の光輝性塗料組成物は、特に制限なく、当技術分野で公知の方法により塗装されうるが、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて塗装されることができる。それにより、液体吐出ヘッドを用いて塗装する場合に、上記光輝性塗料組成物は吐出安定性に優れる。
上記弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドとしては、例えば、弁体と、吐出口との相対的距離を近づけることにより光輝性塗料組成物を吐出するもの、弁体と、吐出口との相対的距離を遠ざけることにより光輝性塗料組成物を吐出するもの等が挙げられる。
上記液体吐出ヘッドとしては、オンデマンド型(例えば、ピエゾ型、サーマル型、バルブ型)、コンティニュアス型等が挙げられ、オンデマンド型、特に、ピエゾ型が好ましい。高粘度の光輝性塗料組成物の吐出性に優れるからである。
上記ピエゾ型の液体吐出ヘッドとしては、例えば、SSI JAPAN社製、ピエゾジェットディスペンサー、X JET(高粘度液対応モデル)等が挙げられる。
[複層塗膜形成方法]
本開示の複層塗膜形成方法は、次の工程を含む。
・工程1:弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて、所定の光輝性塗料組成物を被塗物に近接吐出することによって、上記被塗物に光輝性塗膜を形成する工程
・工程2:上記光輝性塗膜に、クリヤー塗料組成物を塗装してクリヤー塗膜を形成する工程
弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドは、「光輝性塗料組成物」の箇所で説明したとおりである。
光輝性塗料組成物により形成される光輝性塗膜の乾燥膜厚は、被塗物の用途等によって変わり、特に制限されないが、好ましくは0.5~2.0μm、より好ましくは0.7~1.8μm、そしてさらに好ましくは0.8~1.5μmである。上記光輝性塗料組成物から形成される塗膜の金属調光沢及びムラの生じにくさの観点からである。
上記被塗物としては、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体の外板部;自動車部品;携帯電話、オーディオ機器等の家庭電気製品の外板部等が挙げられ、自動車車体の外板部及び自動車部品が好ましい。
上記被塗物の材質としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛合金(Zn-Al、Zn-Ni、Zn-Fe等)メッキ鋼等の金属材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類、各種の繊維強化プラスチック(FRP)等のプラスチック材料;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;木材;紙、布等の繊維材料等が挙げられる。
また、上記被塗物の表面は、自動車車体外板部、自動車部品、家庭電気製品、これらを構成する鋼板等の金属基材等の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
表面処理が施されていても施されていなくてもよい対象物には、さらに塗膜を形成してもよい。例えば、基材である被塗物に必要に応じて表面処理を施し、その上に下塗り塗膜を形成したり、下塗り塗膜の上に中塗り塗膜を形成してもよい。上記下塗り塗膜及び中塗り塗膜は、例えば被塗物が自動車車体である場合には、自動車車体の塗装において通常使用される公知の下塗り用及び中塗り用の塗料を用いて形成することができる。
上記近接吐出とは、上述の液体吐出ヘッドが一般的に用いられる、吐出口及び被塗物間の距離であれば、特に制限されず、好ましくは0.1~50.0mm、より好ましくは0.5~30.0mm、そしてさらに好ましくは1.0~10.0mmであることができる。
上記液体吐出ヘッドを備える設備において、弁体から光輝性塗料組成物を吐出する際の周波数は、吐出安定性及び形成される塗膜のムラの生じにくさ等の観点から、10~10,000Hzの範囲内であることが好ましく、30~5,000Hzの範囲内であることがより好ましく、50~3,000Hzの範囲内であることがさらに好ましい。
上記液体吐出ヘッドを備える設備において、光輝性塗料組成物を液体吐出ヘッドに供給する供給圧は、供給安定性等の観点から、0.001~10MPaの範囲内であることが好ましく、0.005~5.0MPaの範囲内であることがより好ましく、0.01~1.0MPaの範囲内であることがさらに好ましい。
上記液体吐出ヘッドを備える設備において、液体吐出ヘッドの走査速度は、吐出安定性及び形成される塗膜のムラの生じにくさ等の観点から、10~1,500mm/sの範囲内であることが好ましく、50~1,000mm/sの範囲内であることがより好ましく、100~800mm/sの範囲内であることがさらに好ましい。
上記液体吐出ヘッドを備える設備において、液体吐出ヘッドを走査する際のピッチは、塗装効率等の観点から、0.001~1.0mmの範囲内であることが好ましく、0.005~1.0mmの範囲内であることがより好ましく、0.01~1.0mmの範囲内であることがさらに好ましい。
上記クリヤー塗料組成物としては、硬化性クリヤー塗料組成物(例えば、熱硬化性クリヤー塗料組成物、光硬化性クリヤー塗料組成物)、非硬化性クリヤー塗料組成物が挙げられる。上記熱硬化性クリヤー塗料組成物としては、例えば、架橋性官能基を有する基体樹脂及び硬化剤を含有する有機溶剤型熱硬化性塗料組成物、水性熱硬化性塗料組成物、粉体熱硬化性塗料組成物等を挙げることができる。
上記基体樹脂が有する架橋性官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、シラノール基等を挙げることができる。基体樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、カルボキシル基含有化合物、カルボキシル基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、エポキシ基含有化合物等を挙げることができる。
上記クリヤー塗料組成物の基体樹脂/硬化剤の組合せとしては、水酸基含有樹脂/ポリイソシアネート化合物、カルボキシル基含有樹脂/エポキシ基含有樹脂、水酸基含有樹脂/ブロック化ポリイソシアネート化合物、水酸基含有樹脂/メラミン樹脂等が好ましく、水酸基含有樹脂/ポリイソシアネート化合物がより好ましい。
また、上記クリヤー塗料組成物は、一液型塗料であってもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等の多液型塗料であってもよい。
また、上記クリヤー塗料組成物には、必要に応じて、透明性を阻害しない程度に着色顔料、光輝性顔料、染料等を含有させることができ、さらに体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、表面調整剤等を適宜含有させることができる。
上記クリヤー塗料組成物の塗装方法としては、特に限定されないが、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等の塗装方法でウエット塗膜を形成することができる。これらの塗装方法において、必要に応じて、静電印加を行なってもよい。このうちエアスプレー塗装又は回転霧化塗装が特に好ましい。クリヤー塗料組成物の塗布量は、通常、硬化膜厚として、10~70μm、好ましくは20~50μmとなる量とすることが好ましい。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本開示をさらに具体的に説明する。但し、本開示は、これらにより限定されるものではない。各例において、「部」及び「%」は、特記しない限り、質量基準による。また、塗膜の膜厚は硬化塗膜に基づくものである。
[アクリル樹脂(C)の製造]
[製造例1]
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水130部及び「アクアロンKH-10」(商品名、第一工業製薬社製、乳化剤、有効成分97%)0.52部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温した。次いで下記のモノマー乳化物(1)のうちの全量の1%量と6%過硫酸アンモニウム水溶液5.3部とを反応容器内に導入し、80℃で15分間保持した。その後、残りのモノマー乳化物(1)を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。その後、下記のモノマー乳化物(2)を1時間かけて滴下し、1時間熟成した後、5%ジメチルエタノールアミン水溶液40部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、固形分濃度30%のアクリル樹脂(C-1)エマルションを得た。得られたアクリル樹脂(C-1)エマルションは、酸価が33mgKOH/g、水酸基価が25mgKOH/gであった。
モノマー乳化物(1): 脱イオン水42部、「アクアロンKH-10」0.72部、メチレンビスアクリルアミド2.1部、スチレン2.8部、メチルメタクリレート16.1部、エチルアクリレート28部及びn-ブチルアクリレート21部を混合攪拌して、モノマー乳化物(1)を得た。
モノマー乳化物(2): 脱イオン水18部、「アクアロンKH-10」0.31部、過硫酸アンモニウム0.03部、メタクリル酸5.1部、2-ヒドロキシエチルアクリレート5.1部、スチレン3部、メチルメタクリレート6部、エチルアクリレート1.8部及びn-ブチルアクリレート9部を混合攪拌して、モノマー乳化物(2)を得た。
[製造例2]
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水130部及び「アクアロンKH-10」(商品名、第一工業製薬社製、乳化剤、有効成分97%)0.52部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温した。次いで下記のモノマー乳化物(3)のうちの全量の1%量と6%過硫酸アンモニウム水溶液5.3部とを反応容器内に導入し、80℃で15分間保持した。その後、残りのモノマー乳化物(3)を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。その後、下記のモノマー乳化物(4)を1時間かけて滴下し、1時間熟成した後、5%ジメチルエタノールアミン水溶液40部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、固形分濃度30%のアクリル樹脂(C-2)エマルションを得た。得られたアクリル樹脂(C-2)エマルションは、酸価が13mgKOH/g、水酸基価が65mgKOH/gであった。
モノマー乳化物(3): 脱イオン水46.2部、「アクアロンKH-10」0.79部、スチレン7.7部、メチルメタクリレート16.94部、n-ブチルアクリレート7.7部、n-ブチルメタクリレート30.8部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート11.55部及びエチレングリコールジメタクリレート2.31部を混合攪拌して、モノマー乳化物(3)を得た。
モノマー乳化物(4): 脱イオン水13.8部、「アクアロンKH-10」0.24部、過硫酸アンモニウム0.03部、スチレン2.3部、メチルメタクリレート6.9部、エチルアクリレート4.6部、n-ブチルアクリレート3.68部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート3.45部及びメタクリル酸2.07部を混合攪拌して、モノマー乳化物(4)を得た。
[リン酸基含有化合物(D)の製造]
[製造例3]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器にメトキシプロパノール27.5部、イソブタノール27.5部の混合溶剤を入れ、110℃に加熱し、スチレン25.0部、n-ブチルメタクリレート27.5部、「イソステアリルアクリレート」(商品名、大阪有機化学工業社製、分岐高級アルキルアクリレート)20.0部、4-ヒドロキシブチルアクリレート7.5部、下記リン酸基含有重合性モノマー15.0部、2-メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート12.5部、イソブタノール10.0部、t-ブチルパーオキシオクタノエート4.0部からなる混合物121.5部を4時間かけて上記混合溶剤に加え、さらにt-ブチルパーオキシオクタノエート0.5部とイソプロパノール20.0部からなる混合物を1時間滴下した。その後、1時間撹拌熟成して固形分50%の水酸基及びリン酸基を有するアクリル樹脂(D-1)溶液を得た。得られた水酸基及びリン酸基を有するアクリル樹脂(D-1)は酸価が83mgKOH/g、水酸基価が29mgKOH/g、重量平均分子量が10,000であった。
リン酸基含有重合性モノマー:温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器にモノブチルリン酸57.5部、イソブタノール41.0部を入れ、90℃まで昇温後、グリシジルメタクリレート42.5部を2時間かけて滴下した後、さらに1時間撹拌熟成した。その後、イソプロパノ-ル59.0部を加えて、固形分濃度50%のリン酸基含有重合性モノマー溶液を得た。得られたモノマーの酸価は285mgKOH/gであった。
[ポリエステル樹脂(R)の製造]
[製造例4]
温度計、撹拌機、加熱装置及び精留塔を具備した反応装置に1,6-ヘキサンジオール118部、アジピン酸102部を配合し、さらに還流用の少量のキシレンを加え、250℃まで徐々に加熱し、同温度に5時間保持して、脱水しながらエステル化反応を行い、ポリエステル樹脂を得た。該ポリエステル樹脂100部当りエチレングリコールモノブチルエーテル102.5部及びオルトリン酸2.5部を加えて、100℃に3時間保持して、固形分濃度50%のポリエステル樹脂(R-1)溶液を得た。ポリエステル樹脂(R-1)の数平均分子量は4,000であった。
[鱗片状アルミニウム(Al)顔料分散液(P)の製造]
[製造例5]
撹拌混合容器内において、「Jetfluid WB 21001」(商品名、Eckart社製、アルミニウムフレーク顔料、d50:2.0μm、d90:5.0μm、厚さ:25nm、固形分濃度25%)4.0部(固形分1.0部)、「Jetfluid WB 20001」(商品名、Eckart社製、リン酸エステル化合物、固形分濃度37.5%)1.73部(固形分0.65部)及びエチレングリコールモノブチルエーテル0.4部を均一に混合して、鱗片状アルミニウム顔料分散液(P-1)を得た。
[製造例6~15]
製造例5において、配合組成を下記表1に示すものとする以外は、製造例5と同様にして、鱗片状アルミニウム顔料分散液(P-2)~(P-11)を得た。
Figure 0007249476000001
(注1)「Jetfluid SB 11028」:商品名、Eckart社製、アルミニウムフレーク顔料、d50:2.0μm、d90:4.0μm、厚さ:25nm、アルミニウムフレーク濃度3%
(注2)「Jetfluid SB 11031」:商品名、Eckart社製、アルミニウムフレーク顔料、d50:1.5μm、d90:2.0μm、厚さ:25nm、アルミニウムフレーク濃度5%
(注3)「アルミニウム(Al)ペースト 6390NS」:商品名、東洋アルミ社製、アルミニウムフレーク顔料、d50:6.5μm、d90:11.0μm、厚さ:140nm、固形分濃度67%
(注4)「Hydroshine WS-3004」:商品名、Eckart社製、水性用蒸着アルミニウムフレーク顔料、d50:13.0μm、d90:20.0μm、厚さ:50nm、固形分濃度:10%
(注5)「アルミニウム(Al)ペースト AM-1501」:商品名、旭化成社製、アルミニウムフレーク顔料、d50:8.0μm、d90:18.0μm、厚さ:70nm、固形分濃度:61%
(注6)「アルミニウム(Al)ペースト 6360NS」:商品名、東洋アルミ社製、アルミニウムフレーク顔料、d50:11.0μm、d90:19.0μm、厚さ:190nm、固形分濃度:70%
[セルロースナノクリスタル(B2)水分散液の製造]
[製造例16]
マグネチックスターラーで攪拌した脱イオン水に対し、固形分濃度4%となるように「Celluforce NCC」(商品名、Celluforce社製、スルホン酸ナトリウム塩型ナノセルロースクリスタル、固形分濃度100%)を徐々に添加後、2時間攪拌を継続することで、セルロースナノクリスタル(B2-1)水分散液を得た。
[光輝性塗料組成物の調製]
[実施例1]
撹拌容器に、製造例5で得た鱗片状アルミニウム顔料分散体(P-1)6.2部(固形分1.65部)、蒸留水63.5部、「レオクリスタ I-2SX」(商品名、第一工業製薬社製、セルロースナノファイバー、粘性調整剤、固形分濃度2.0%)27.5部(固形分0.55部)、製造例1で得たアクリル樹脂エマルション(C-1)2.2部(固形分0.65部)、「BYK348」(商品名、BYK社製、シリコーン系表面調整剤、固形分濃度:100%)0.25部(固形分0.25部)、「TINUVIN 479-DW」(商品名、BASF社製、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、HPT系紫外線吸収剤TINUVIN479をアクリルポリマー中に包含、固形分濃度40%)0.25部(固形分0.12部)、「TINUVIN 123-DW」(商品名、BASF社製、光安定剤、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル、アミノエーテル基を持つHALS TINUVIN 123をアクリルポリマー中に包含、固形分濃度50%)0.20部(0.080部)及びジメチルエタノールアミン0.01部、を配合して撹拌し、固形分濃度3.3%の光輝性塗料組成物No.1を得た。
[実施例2~16、及び比較例1~6]
実施例1において、配合組成を下記表2に示すものとする以外は、実施例1と同様にして、光輝性塗料組成物No.2~No.22を得た。
[吐出直進性試験及びノズル詰まり性試験]
実施例1~16及び比較例1~6で得られた光輝性塗料組成物No.1~No.22について、以下の吐出直進性試験及びノズル詰まり性試験を行った。
[吐出直進性試験]
光輝性塗料組成物No.1~No.22のそれぞれを「X JET」(商品名、SSI JAPAN社製、高粘度微量ピエゾジェットディスペンサー、吐出口径100μm)に充填した。次いで、被塗物に、周波数350Hz、供給圧0.03MPa、速度230mm/s、吐出口と被塗物との距離10mmの条件で、光輝性塗料組成物No.1~No.22のそれぞれを線状(長さ10cm)に塗装し、線状物のゆがみを観察し、評価した。◎及び〇が合格である。評価結果を表2に示す。
◎:線状物にゆがみがない。
〇:線状物の部分的にゆがみがあるが、実用上の問題がない。
△:線状物の全体的にゆがみがあり、実用上の問題がある。
×:線状物を形成できない。
[ノズル詰まり性試験]
光輝性塗料組成物No.1~No.22のそれぞれを「X JET」(商品名、SSI JAPAN社製、高粘度微量ピエゾジェットディスペンサー、吐出口径100μm)に充填した。次いで、周波数350Hz、供給圧0.03MPa、23℃、相対湿度68%の条件で液滴を100個吐出し、「FASTCAM Mini UX100」(商品名、フォトロン社製、ハイスピードカメラ)を用いて液滴の大きさを観察し、ノズル詰まりによる吐出量のばらつきを評価した。◎及び〇が合格である。評価結果を表2に示す。
◎:光輝性塗料組成物の吐出量にばらつきがない。
〇:光輝性塗料組成物の吐出量に僅かなばらつきがあるが、実用上の問題がない。
△:光輝性塗料組成物の吐出量にばらつきが大きく、実用上問題がある。
×:光輝性塗料組成物の吐出が不可である。
Figure 0007249476000002
Figure 0007249476000003
Figure 0007249476000004
(注7)「プライマル ASE-60」:商品名、ダウケミカル社製、ポリアクリル酸系粘性調整剤、固形分濃度28%
(注8)「UH-752」:商品名、ADEKA社製、ウレタン会合型粘性調整剤、固形分濃度28%
[クリヤー塗料組成物(Z-1)の調製]
[製造例17]
撹拌混合容器に、製造例2で得たアクリル樹脂エマルション(C-2)233.3部(固形分70部及び「バイヒジュールVPLS2310」(商品名、住化バイエルウレタン社製、ブロック化ポリイソシアネート化合物、固形分濃度38%)78.9部(固形分30部)を均一に混合し、固形分濃度が40%となるように脱イオン水を加えて撹拌して1液型水性クリヤー塗料組成物(Z-1)を得た。
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の被塗物の作製]
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の被塗物(O-1)の作製]
縦100mm×横100mm×厚さ2mmの黒色のポリプロピレン板の表面を、石油ベンジンを含ませたガーゼで拭いて脱脂処理を施した後、「アスカレックス#2850」(商品名、関西ペイント社製、ポリオレフィン含有水性プライマー塗料)をハンドスプレーガンで硬化塗膜15μmになるように塗装し、5分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行った。次いで、7分間放置した後、80℃で30分間加熱して、プライマー塗膜を硬化させることにより、被塗物(O-1)を作成した。
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の被塗物(O-2)の作製]
リン酸亜鉛処理された合金化溶融亜鉛めっき鋼板に「エレクロン9400HB」(商品名:関西ペイント株式会社製、アミン変性エポキシ樹脂系カチオン樹脂に硬化剤としてブロックポリイソシアネート化合物を使用したもの)を膜厚20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させて電着塗膜を形成した。次いで、当該電着塗膜に、「WP-522H」(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂系水性中塗り塗料)をハンドスプレーガンで硬化塗膜15μmになるように塗装し、5分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行った。次いで、7分間放置した後、80℃で30分間加熱して、中塗り塗膜を硬化させることにより、被塗物(O-2)を作成した。
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の被塗物(O-3)の作製]
被塗物(O-1)に「レタンWBエコEVベース」(関西ペイント社製、商品名、水性着色ベースコート塗料)を乾燥膜厚15μmとなるように塗装し、室温で5分間放置してから、80℃で3分間プレヒートを行うことで未硬化のベースコート塗膜を形成した。次いで、該未硬化のベースコート塗膜に製造例17で得たクリヤー塗料組成物(Z-1)をハンドスプレーガンで硬化膜厚35μmになるように塗装し、7分間放置した後、80℃で30分間加熱して、ベースコート塗膜及びクリヤー塗膜を硬化させることにより、被塗物(O-3)を作成した。
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の被塗物(O-4)の作製]
クリヤー塗料組成物(Z-1)を、「レタンWBエコEVクリヤー」(関西ペイント社製、商品名、2液型水性クリヤー塗料)に変更した以外は、「フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の被塗物(O-3)の作製」と同様(レタンWBエコEVクリヤーを、ハンドスプレーガンで硬化膜厚35μmになるように塗装し、7分間放置した後、80℃で30分間加熱して、ベースコート塗膜及びクリヤー塗膜を硬化させる)にして、被塗物(O-4)を作成した。
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の被塗物(O-5)の作製]
リン酸亜鉛処理された合金化溶融亜鉛めっき鋼板に「エレクロン9400HB」(商品名:関西ペイント株式会社製、アミン変性エポキシ樹脂系カチオン樹脂に硬化剤としてブロックポリイソシアネート化合物を使用したもの)を膜厚20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させて電着塗膜を形成した。次いで、当該電着塗膜に、「WP-522H」(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂系水性中塗り塗料)をハンドスプレーガンで硬化塗膜15μmになるように塗装し、5分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行い、7分間放置した後、80℃で30分間加熱して、中塗り塗膜を硬化させた。該中塗り塗膜に「レタンWBエコEVベース」(関西ペイント社製、商品名、水性着色ベースコート塗料)を乾燥膜厚15μmとなるように塗装し、室温で5分間放置してから、80℃で3分間プレヒートを行うことで未硬化のベースコート塗膜を形成した。次いで、該未硬化のベースコート塗膜に「レタンWBエコEVクリヤー」(関西ペイント社製、商品名、2液型水性クリヤー塗料)をハンドスプレーガンで硬化膜厚35μmになるように塗装し、7分間放置した後、80℃で30分間加熱して、ベースコート塗膜及びクリヤー塗膜を硬化させることにより、被塗物(O-5)を作成した。
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板の作製]
[実施例17]
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板(S1)の作製]
光輝性塗料組成物No.1を「X JET」(商品名、SSI JAPAN社製、高粘度微量ピエゾジェットディスペンサー、吐出口径100μm)に充填し、被塗物(O-1)に、周波数350Hz、供給圧0.03MPa、ピッチ1mm、吐出口と被塗物との距離10mm、23℃、相対湿度68%の条件で、乾燥膜厚1μmとなるように塗装し、室温で5分間放置してから、80℃で3分間プレヒートを行うことで未硬化の光輝性塗膜を形成した。次いで、該未硬化の光輝性塗膜に製造例17で得たクリヤー塗料組成物(Z-1)をハンドスプレーガンで硬化膜厚35μmになるように塗装し、7分間放置した後、80℃で30分間加熱して、塗膜を硬化させることにより、塗装板(S1-1)を作製した。
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板(S2)の作製]
「被塗物(O-1)」を『被塗物(O-2)』に変更した以外は、「フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板(S1)の作製」に従って、塗装板(S2-1)を作製した。
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板(S3)の作製]
「被塗物(O-1)」を、『被塗物(O-3)』に変更した以外は、「フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板(S1)の作製」に従って、塗装板(S3-1)を作製した。
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板(S4)の作製]
光輝性塗料組成物No.1を「X JET」(商品名、SSI JAPAN社製、高粘度微量ピエゾジェットディスペンサー、吐出口径100μm)に充填し、被塗物(O-4)に、周波数350Hz、供給圧0.03MPa、ピッチ1mm、吐出口と被塗物との距離10mm、23℃、相対湿度68%の条件で、乾燥膜厚1μmとなるように塗装し、室温で5分間放置してから、80℃で3分間プレヒートを行うことで未硬化の光輝性塗膜を形成した。次いで、該未硬化の光輝性塗膜に「レタンWBエコEVクリヤー」(関西ペイント社製、商品名、2液型水性クリヤー塗料)をハンドスプレーガンで硬化膜厚35μmになるように塗装し、7分間放置した後、80℃で30分間加熱して、塗膜を硬化させることにより、塗装板(S4-1)を作製した。
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板(S5)の作製]
「被塗物(O-4)」を、『被塗物(O-5)』に変更した以外は、「フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板(S4)の作製」に従って、塗装板(S5-1)を作製した。
[フリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板(S6)の作製]
被塗物(O-5)に、光輝性塗料組成物No.1をABB社製ロボットベルを用いて23℃、相対湿度68%の条件で、乾燥膜厚1μmとなるように塗装し、室温で5分間放置してから、80℃で3分間プレヒートを行うことで未硬化の光輝性塗膜を形成した。次いで、該未硬化の光輝性塗膜に「レタンWBエコEVクリヤー」(関西ペイント社製、商品名、2液型水性クリヤー塗料)をハンドスプレーガンで硬化膜厚35μmになるように塗装し、7分間放置した後、80℃で30分間加熱して、塗膜を硬化させることにより、フリップフロップ性試験及びムラ性試験塗装板(S6-1)を作製した。
[実施例18~36、及び比較例7~12]
実施例17において、光輝性塗料組成物及び膜厚の組み合わせを表3に示すものとする以外は、実施例17と同様にして、以下のフリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板(S1-21)~(S1-26)、(S2-2)~(S2-26)、(S3-2)~(S3-26)、(S4-2)~(S4-26)、(S5-2)~(S5-26)及び(S6-2)~(S6-26)を作製した。なお、(S1-21)~(S1-23)、(S2-21)~(S2-23)、(S3-21)~(S3-23)、(S4-21)~(S4-23)及び(S5-21)~(S5-23)については、ノズルが詰まり、塗装不可能であったため、評価を行わなかった。
[フリップフロップ性(FF性)試験]
上記実施例17~36及び比較例7~12で得られたフリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板について、多角度分光光度計(商品名「MA-68II」、x-Rite社製)を使用して、受光角15度のL*値(L*15値)及び受光角110度のL*値(L*110値)を測定し、各試験用塗装板上の塗膜のFF値を下記式によって算出し、下記基準にて評価した。FF値が大きいほど、フリップフロップ性に優れていることを示す。◎及び〇が合格である。評価結果を表3に示す。
FF値=L*15値/L*110値
◎:FF値が5.0以上である。
〇:FF値が3.5以上5.0未満である。
△:FF値が2.0以上3.5未満である。
×:FF値が2.0未満である。
[ムラ性試験]
上記実施例17~36及び比較例7~12で得られたフリップフロップ性試験及びムラ性試験用の塗装板について、メタリックムラの目視評価を行った。◎及び〇が合格である。評価結果を表3に示す。
◎:メタリックムラの発生が全く認められない。
○:メタリックムラの発生が若干認められるが、許容範囲である。
△:メタリックムラの発生が認められる。
×:メタリックムラの発生が著しく認められる。
Figure 0007249476000005
Figure 0007249476000006

Claims (8)

  1. 水、鱗片状アルミニウム顔料(A)及びナノセルロース(B)を含有する光輝性塗料組成物であって、
    前記鱗片状アルミニウム顔料(A)が、0.5~8.0μmの範囲内のd50と、2.0~15.0μmの範囲内のd90との体積平均粒径を有する、
    光輝性塗料組成物。
  2. 前記鱗片状アルミニウム顔料(A)の平均厚みが、1~100nmの範囲内である、請求項1に記載の光輝性塗料組成物。
  3. 前記光輝性塗料組成物が、アクリル樹脂(C)をさらに含有する、請求項1又は2に記載の光輝性塗料組成物。
  4. 前記光輝性塗料組成物が、弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて塗装されるものである、請求項1又は2に記載の光輝性塗料組成物。
  5. 前記ナノセルロース(B)が、セルロースナノファイバー(B1)及びセルロースナノクリスタル(B2)から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の光輝性塗料組成物。
  6. 前記光輝性塗料組成物の固形分濃度が、1.0~15.0質量%の範囲内である、請求項1又は2に記載の光輝性塗料組成物。
  7. 工程1:弁体と、吐出口との相対的距離を変化させることにより吐出を制御する液体吐出ヘッドを用いて、請求項1又は2に記載の光輝性塗料組成物を被塗物に近接吐出することによって、前記被塗物に光輝性塗膜を形成する工程、
    工程2:前記光輝性塗膜に、クリヤー塗料組成物を塗装してクリヤー塗膜を形成する工程、
    を含む複層塗膜形成方法。
  8. 前記光輝性塗膜の乾燥膜厚が、0.5~2.0μmの範囲内である、請求項7に記載の複層塗膜形成方法。
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