JP7249189B2 - 低脂肪発酵食品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
脂肪分濃度の影響:
表1に記載の乳原料を用いた脂肪分濃度の異なる培地をプレート式殺菌機で135℃で3秒間殺菌後に、ビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272(以下、「B菌」ともいう)およびラクトバチルス・アシドフィルス YIT0198(JCM1028)を初発菌数がそれぞれ1×107CFU/mlおよび3×106CFU/ml程度となるように接種し、32℃でpHが5.3~5.4となるまで大気雰囲気下で培養して発酵液を得た。この発酵液588質量部を15MPaの圧力で均質化処理した後、別途調製した24%のパラチノースと10%(ストレート濃度換算)のにんじんジュースを含むシロップ(プレート式殺菌機で121℃で3秒間殺菌したもの)412質量部と混合して、発酵食品を得た。これをガラス製の100ml三角フラスコに入れ(ヘッドスペースあり)、通気性のあるシリコ栓をして保存した。製造直後の菌数と、10℃で21日間保存した際の菌数から上記式により生残率を求めた。また、発酵食品の保存前後の風味について、5名のパネラーを用い以下の評価基準で評価した。これらの結果を表1に示した。
(評価)(内容)
〇 : 雑味や異臭がない
△ : 雑味や異臭がややある
× : 雑味や異臭がある
脂肪酸の種類:
表2に記載の脂肪酸を、脂肪分0.15%を含む14.5%の脱脂粉乳培地に0.051%(発酵食品中の濃度は0.03%)で含有させた後、ホモジナイザーで均質化した。この培地に、参考例1と同様にしてビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272およびラクトバチルス・アシドフィルス YIT0198を接種し、培養等して発酵食品を得た。この発酵食品におけるビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272の生残率を参考例1と同様にして求めた。また、発酵食品の保存前後の風味を参考例1と同様にして評価した。これらの結果を表2に示した。
飽和脂肪酸の組合せ:
表3に記載の飽和脂肪酸を、脂肪分0.15%を含む14.5%の脱脂粉乳培地に表3に記載の量で含有させた後、ホモジナイザーで均一化した。この培地に、参考例1と同様にしてビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272およびラクトバチルス・アシドフィルス YIT0198を接種し、培養等して発酵食品を得た。この発酵食品におけるビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272の生残率を参考例1と同様にして求めた。また、発酵食品の保存前後の風味を参考例1と同様にして評価した。これらの結果を表3に示した。
飽和脂肪酸の量:
ミリスチン酸を、脂肪分0.15%を含む14.5%脱脂粉乳培地に表4に記載の量で含有させた後、ホモジナイザーで均一化した。この培地に、参考例1と同様にしてビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272およびラクトバチルス・アシドフィルス YIT0198を接種し、培養等して発酵食品を得た。この発酵食品におけるビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272の生残率を参考例1と同様にして求めた。また、発酵食品の保存前後の風味を参考例1と同様にして評価した。これらの結果を表4に示した。
飽和脂肪酸の種類:
表5に記載のミリスチン酸類を、脂肪分0.15%を含む14.5%の脱脂粉乳培地に遊離ミリスチン酸換算で0.051%(発酵食品中の濃度は0.03%)で含有させた後、ホモジナイザーで均一化した。この培地に、参考例1と同様にしてビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272およびラクトバチルス・アシドフィルス YIT0198を接種し、培養等して発酵食品を得た。この発酵食品におけるビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272の生残率を参考例1と同様にして求めた。また、発酵食品の保存前後の風味を参考例1と同様にして評価した。これらの結果を表5に示した。
嫌気条件下での保存:
ミリスチン酸を、脂肪分0.15%を含む14.5%脱脂粉乳培地に表6に記載の量で含有させた後、ホモジナイザーで均一化した。この培地に、参考例1と同様にしてビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272およびラクトバチルス・アシドフィルス YIT0198を接種し、培養等して発酵食品を得た。この発酵食品を容器に入れ(ヘッドスペースなし)、通気性のないブチルゴム栓をして保存した。この発酵食品におけるビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272の生残率を参考例1と同様にして求めた。また、発酵食品の保存前後の風味を参考例1と同様にして評価した。これらの結果を表6に示した。
飽和脂肪酸の添加時期:
脂肪分0.15%を含む14.5%脱脂粉乳培地に、参考例1と同様にしてビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272およびラクトバチルス・アシドフィルス YIT0198を接種し、培養等して発酵液を得た。この発酵液588質量部を15MPaの圧力で均質化処理した後、別途調製した24%のパラチノースと10%(ストレート濃度換算)のにんじんジュースと0.18%のショ糖ミリスチン酸エステルとを含むシロップ(プレート式殺菌機で121℃で3秒間殺菌したもの)412質量部と混合して、発酵食品を得た。これをガラス製の100ml三角フラスコに入れ(ヘッドスペースあり)、通気性のあるシリコ栓をして保存した。この発酵食品におけるビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272の生残率を参考例1と同様にして求めた。また、発酵食品の保存前後の風味を参考例1と同様にして評価した。これらの結果を表7に示した。
低脂肪豆乳培地での効果:
グルコース2%を添加した低脂肪豆乳(「美味投入(登録商標)」不二精油(株)製:脂肪分0.5%)をオートクレーブで121℃、15分間殺菌した培地に、ビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272を初発菌数が1×107CFU/ml程度となるように接種し、37℃でpHが4.4~4.5となるまで大気雰囲気下で培養して、発酵液1を得た。殺菌前の培地に、ポリグリセリンミリスチン酸エステル(太陽化学(株)製)0.1%を添加する以外は同様にして、発酵液2を得た。この発酵液におけるビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272の生残率を参考例1と同様にして求めた。これらの結果を表8に示した。
他菌種での効果:
実施例7と同様にして調製した培地に、ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム YIT11057を初発菌数が4×106CFU/ml程度となるように接種し、37℃でpHが4.5~4.6となるまで大気雰囲気下で培養して、発酵液3および4を得た。この発酵液を10℃で10日間保存した後のビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム YIT11057の生菌数を測定した。
以 上
Claims (18)
- 飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルと、ビフィドバクテリウム属細菌を含有する低脂肪発酵乳であって、
原料由来の飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルを除いた、飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルの含有量が、遊離脂肪酸換算で0.0006~0.6質量%である、
ことを特徴とする低脂肪発酵乳。 - 飽和脂肪酸が、長鎖飽和脂肪酸である請求項1に記載の低脂肪発酵乳。
- 長鎖飽和脂肪酸が、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項2に記載の低脂肪発酵乳。
- 原料由来の飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルを除いた、飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルの含有量が、遊離脂肪酸換算で0.002~0.2質量%である請求項1~3の何れか1項に記載の低脂肪発酵乳。
- ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベおよび/またはビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータムである請求項1~4の何れか1項に記載の低脂肪発酵乳。
- ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272(FERM BP-11320)および/またはビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム YIT11057(NITE P-02930)である請求項1~4の何れか1項に記載の低脂肪発酵乳。
- 脂肪分が、1.5質量%以下である請求項1~6の何れか1項に記載の低脂肪発酵乳。
- 飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルと、ビフィドバクテリウム属細菌を混合することを特徴とする低脂肪発酵乳の製造方法。
- ビフィドバクテリウム属細菌を、脂肪分が2.5質量%以下である培地に接種し、これを培養して得られる発酵液と、飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルを混合することを特徴とする低脂肪発酵乳の製造方法。
- 飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルを、培養前の培地または培養中、培養後の発酵液に添加するものである請求項9記載の低脂肪発酵乳の製造方法。
- 飽和脂肪酸が、長鎖飽和脂肪酸である請求項8~10の何れか1項記載の低脂肪発酵乳の製造方法。
- 長鎖飽和脂肪酸が、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項11に記載の低脂肪発酵乳の製造方法。
- 培養前の培地または培養中、培養後の発酵液に添加される飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルの量が、遊離脂肪酸換算で0.001~1質量%である請求項9~12の何れか1項に記載の低脂肪発酵乳の製造方法。
- 製造される低脂肪発酵乳の飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルの含有量が、遊離脂肪酸換算で0.0006~0.6質量%である請求項8~13の何れか1項に記載の低脂肪発酵乳の製造方法。
- ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベおよび/またはビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータムであることを特徴とする請求項8~14の何れか1項に記載の低脂肪発酵乳の製造方法。
- ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT12272(FERM BP-11320)および/またはビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム YIT11057(NITE P-02930)である請求項8~14の何れか1項に記載の低脂肪発酵乳の製造方法。
- 飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルを有効成分とすることを特徴とする低脂肪発酵乳中のビフィドバクテリウム属細菌の生残性改善剤(ただし、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルを有効成分とするものは除く)。
- ビフィドバクテリウム属細菌を含有する低脂肪発酵乳に、飽和脂肪酸またはその塩若しくはそのエステルを含有させることを特徴とする低脂肪発酵乳中のビフィドバクテリウム属細菌の生残性改善方法。
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七訂食品成分表,2016年,p.186 |
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